幸子「プロデューサーさん、女の子の扱いを知らないなんて可哀想ですね!」 (239)

輿水幸子(14)
ttp://i.imgur.com/RKLgNXR.jpg


P「俺が新しく君の担当プロデューサーになったものだ……よろしく、幸子ちゃん」

幸子「ふーん……あなたがですか」

P「えっと……なにか……?」

幸子「いいえ。まぁまぁってところですね。ボクのお手伝いをするのは許してあげます!」

P「あ、あぁ。ありがとう……かわいい子の担当だから緊張するなぁ、なーんて」

幸子「カワイイ? 何を言ってるんですか」

P「へ?」

幸子「ボクが一番カワイイに決まってますよ。そんなことも知らなかったんですか?」

P「あ、うん……」

幸子「仕方ないですね! いいです、許してあげます。その代わりにボクがカワイイって証明するの手伝ってくださいね!」

P「あ、あぁ……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366806202

よくみるとクッソえろいな
髪ハネひっぱりたい

P「えっと、がんばるよ」

幸子「えぇ、いいですよ! せいぜい頑張ってください!」

P「は、ははは………」

幸子「まぁ、安心してください。ボクにとってはレッスンだってお仕事だって簡単なことですよ!」

P「……うん」

幸子「ちゃんとお仕事を持ってきてくだされば、こなしてあげますから! ちゃんとボクにふさわしいお仕事を探してきてくださいね!」

P「が、がんばるよ……」

幸子「……もっとはっきりしゃべってくださいよ。どうしたんですか?」

P「いやぁ、ごめん……幸子ちゃんの勢いに飲まれちゃったかな、なんて……」

幸子「……はぁ、そうですか。情けないですね」

P「ご、ごめん」

幸子「まぁ、かまわないです。それじゃあボクのレッスン姿を見せてあげましょう!」

P「……そう、だな。うん、その方が売り出し方も考えられるし」

幸子「まぁ、ボクにとっては歌もダンスも、簡単なことです! 驚いても知りませんよ?」

P「それは楽しみだなぁ……」

幸子「むっ、なんですかその言い方。さては信じていませんね?」

P「そんなつもりはないんだけれど……ごめん」

幸子「……まぁ、いいですけれど。レッスン室にいきましょう!」

P「……うん、そうだな」

幸子(……はっきりしない人だなぁ。本当にボクのプロデューサーになって大丈夫なのかな)

幸子(まぁ、お仕事がもらえるなら……きっと大丈夫、だよね。ボクなら普通のお仕事なんて簡単にこなせるし!)

これは腹パン不可避

期待

幸子「〜〜♪」

P「………」

幸子(ふふん、驚いてる驚いてる! まぁボクはカワイイだけじゃなくってお仕事も完璧だから当然かな?)

幸子「……ふぅ。さて、どうでしたか?」

P「えっと……そうだな……」

幸子「おやおや、あまりにも完璧すぎて驚いているんですか? まぁ、仕方ありませんね!」

P「……声はすごくいいと思う。でも、音程を気にしすぎていて若干固いかな?」

幸子「え?」

P「ダンスは基本的に文句はないけれど、あえて言うならメリハリが弱いかもしれない。流れるようなっていうと聞こえはいいけれど——」

幸子「ちょ、ちょっと待ってください」

P「……どうしたんだ?」

幸子「……えっと、なんですか?」

P「声は、質はいいと思うけど音程を気にしすぎていてアピールが不十分かもって思った」

幸子「……」

P「ダンスはメリハリが足りないかな。アピールするなら、きちんと決めるべきところは意識すべきかもしれない」

幸子「……ふ、ふふん」

P「ど、どうした?」

幸子「なるほど。思っていたよりはできるみたいですね! この程度のことに気付けなかったらどうしようかと思っていましたよ!」

P「へ?」

幸子「まぁ、そうですね。きちんとそれがわかるっていうことは実力は確かみたいじゃないですか! 認めてあげてもいいですよ!」

P「あ、あぁ……ありがとう……」

幸子来たか
期待

不器用な子やなあもうww

幸子(むぅ……いきなり悪いところを言うなんて……)

幸子(自分でも最近は結構いい感じになってきたと思ったのに……まぁ、別に気にしてないけど……)


P「幸子ちゃん?」

幸子「え? すみません何か言いましたか?」

P「いや、大したことじゃないんだけど……その、決意表明を……」

幸子「なるほど……いいですよ。聞いてあげます」

P「えっと、じゃあ……幸子ちゃん。がんばって仕事を探して……有名になれるよう頑張るぞー!」

幸子「……」

P「あ、あれ?」

幸子「……今のが決意表明ですか? すみません、ちょっとわかりませんでした」

P「そ、そうかな……」

幸子「もっとビシっと決めてください。まったく……プロデューサーさんもせいぜい頑張ってくださいね!」

P「あぁ!」

 翌日 夕方


幸子(……お仕事、かぁ。あのプロデューサーさん、なんだか頼りないけど大丈夫かな?)

幸子(えっと、昨日言われてたのは……声が音程を気にしすぎ、だったっけ?)

幸子(うーん、でも音程があってないとダメだと思うし……適当なことを言われたんじゃ……)


幸子「ま、いいかな。今日も自主トレしよう」

幸子「〜〜♪」


幸子(あ。あとダンスでメリハリ、だっけ? えーっと、アピールしたいところで意識して……)

幸子「〜〜〜♪」

幸子「〜〜♪……うーん」

幸子「ステップが、こう、こうで……サビが来るから、一歩前に出て……」

幸子「……アピールは、ここ、だよね? でもそしたら次のステップが……」

幸子「………やっぱり適当なことを言われたんじゃ」

  コンコンコン

幸子「……あれ?」

P「幸子ちゃん、まだ残ってたんだ。よかった」

幸子「プロデューサーさんじゃありませんか。なんですか?」

P「ごめんね、でもやっぱり早い方がいいかなって思ってさ……」

幸子「……そうじゃなくて、何か用なんですか?」

P「あ、ごめん……順番に話さなきゃいけなかったね」

P「簡単な仕事、なんだけれど取れたよ」

幸子「……はい?」

P「えっと、だから……先輩のライブの前座をね……」

幸子「……昨日の今日でですか?」

P「あ、あはは。運よくお願いできてさ……いい経験になるかな、って」

幸子「ふぅん……前座ですか、まぁいいでしょう」

P「ソロじゃないんだけどね、ごめん」

幸子「かまいませんよ。ボクが歌えば他の人や先輩のファンだってボクに夢中になること間違いなしですからね!」

P「強気だなぁ……うん、いいと思う。それをお知らせしたかったんだ」

幸子「なかなかの手前ですね! 褒めてあげましょう!」

P「あはは……ありがとう」

鬼畜Pだったらどうしよう

幸子「ふふん、ところで何人なんですか?」

P「え?」

幸子「ソロじゃないのなら、他にも何人かがいっしょに歌うんですよね? ボクと同期のアイドルでも結構な人数がいますけれど」

P「えーっと、8人かな? そのままバックダンサーもこなす方向で……」

幸子「……まぁ、そんなものですよね」

P「プロの人を雇う、って話もあったんだけどだったら新人たちのお披露目に! っていう、話がね……」

幸子「………そうですか」

P「あの、幸子ちゃん?」

幸子「課題の曲とか、ありますよね? それの音源はありますか?」

P「あぁ、一応……はい」

幸子「……アップテンポな曲ですね」

P「少し音程が不安定になっても、リズムに合わせるのが大事……だと、思う」

幸子「なるほど。覚えておいてあげます」

P「ははは……ありがとう……」

幸子「……ところで、プロデューサーさん。あくまで参考として聞いてあげますけれど」

P「なにかな?」

幸子「昨日言っていた『ダンスのメリハリ』ってどういう意味ですか?」

P「あぁ、えっと……そうだな……」

幸子「アピールしたいところで強くふりつけをこなせば次のステップに影響が出ますよね?」

P「それは……うーん。まず、強くっていうのが違う、かな……?」

幸子「違う? じゃあ、どうするんですか?」

P「その、俺は運動がからしきだから見せてやることはできないんだけれど……たとえば、ステップを踏むとするだろ?」

幸子「そこは期待していませんから、ご心配なく……えぇ、ステップを踏んで、それから?」

P「次の動作とのつなぎを曖昧にすると『なめらか』になるんだけれど、幸子ちゃんはなめらかに動きすぎてる……のかな」

幸子「……それが悪いことなんですか?」

P「いや、いいことだよ。技術と、練習の上に成り立ってると思う。だけどこのままだとひっかかりがないからアピール不足に思える……気がする」

幸子「ふーん……でも、ガクガクのダンスなんて見ていても面白くありませんよ?」

P「そこは、次の動作を意識したうえで……アピールすべき一瞬を魅せる、のが大事……なのかな」

幸子「アピールすべき一瞬ですか?」

P「こう……『ここでは指先までピンと伸ばして、踏み出す』とか、それぐらいのことを……次のことを忘れたら本末転倒なんだけれど、意識したほうがいいかなと」

幸子「……まぁ、参考程度として覚えておいてあげましょう。それじゃあボクはもう帰りますから」

このPは有能っぽいな

P「いや、ちょっと待っててくれないかな?」

幸子「……なんですか? まだ何か?」

P「ほら、いちおう……送っていくよ。何かあったら危ないし」

幸子「駅はすぐそこですよ?」

P「でも、暗くなりかかってきてるし……危ないから……」

幸子「……へぇ、少しは気が利くんですね。いいですよ、送られてあげましょう!」

P「ははは……ありがとう」

幸子「いいえ、どういたしまして。じゃあいきましょうか」

P「あ、ごめん……ちょ、ちょっと待ってもらっていいかな? 荷物が……」

幸子「………はぁ。仕方のない人ですね、もう」

P「ご、ごめん。お待たせ」

幸子「ボクを待たせるなんていい度胸ですね、まったく……まぁ、ボクはカワイイだけじゃなく優しいですから許してあげますけれど」

P「ありがとう……あと、はい」

幸子「……? なんですか?」

P「スポーツドリンク。水分補給はしっかりしないと、ね……あ。ひょっとして水筒とか持ってたかな」

幸子「まぁ、そうですね。レッスンや自主トレのためにはきちんとした水分補給が必要ですから」

P「そっか……ごめん」

幸子「いえ、結構です。無駄にしてしまうのはもったいないですし受け取ってあげましょう!」

P「ありがとう。幸子ちゃんは優しいな……」

幸子「知らなかったんですか? ボクはカワイイだけじゃなくて優しいんですよ!」

P「ははは……じゃ、いこっか」

幸子(……アピールする一瞬かぁ。むぅ、適当なこと言ってるようには見えなかったけど)

幸子(まぁ、あんまり遅くなるとお父さんやお母さんも心配するしきちんと帰らないといけないよね)



P「……あ。無事ついたね」

幸子「えぇ、ありがとうございました」

P「うん、それじゃあ」

幸子「……? 駅の中には入らないんですか?」

P「あはは、まだちょっと仕事が残ってて……」

幸子「だったらなんで荷物なんか取りに戻ったんですか、まったく……」

P「……財布を、忘れてて。あのままだとドリンクを、さ」

幸子「なんですか、それ……へんなの」

P「ははは……」

幸子「まぁ、いいです。それじゃあまた明日」

P「うん、また明日。気を付けてね」

幸子(……すぐそこの駅、それも人通りの多い道ばっかりなのに心配性だなぁ。このプロデューサーさん)

幸子(まぁ、ボクがカワイイから仕方ないかな? なーんて……ふふっ)


幸子「やれやれ、ボクがカワイイからってプロデューサーさんはメロメロになってるのかな?」

幸子「であったばかりなのに、ボクってば罪な女なんだから……」

幸子「……課題の曲、こなせるようにならなきゃ」

幸子「アップテンポだし合わせるのは難しそうかな……?」

幸子「………ん、大丈夫。ボクならできる。カワイイもんね!」

とりあえずここまで

トリップも一応つけときます


幸子可愛い


続きに期待

>幸子「やれやれ、ボクがカワイイからってプロデューサーさんはメロメロになってるのかな?」
>幸子「であったばかりなのに、ボクってば罪な女なんだから……」
142cmのちんまい子がこんなん言ってるかと思うと微笑ましいな
頭撫でたくなる

悲恋の予感が……

とあるSSで幸子の身長について気づかされて以来、可愛くてしょうがない

>>18
からしきってなによからきしだよ……

ゆっくり書いていくよーーー!!
IDが変わるから鳥のままで

トレーナー「今日から、私が課題曲のレッスンを受け持つことになりました。みんな、よろしくね?」

「よろしくお願いします!」

トレーナー「うん、元気があってよろしい! 前座と腐ることなかれ、きちんとあなたたちに注目してる人はいますからね」

幸子(ふぅん……周りにいるのが今回いっしょにライブする人たちかぁ……)

     「よぉーしっ! 燃えてきたぜっ! 特訓だぁ!」

  「アハハッ! ミンナいきがイイナ!」

     「フ、フヒヒ……」

        「ククク……遥かなる幻想の彼方に求めし夢物語よ……」

 「うう……や、やっぱりむぅーりぃー……」

    「ひ、ひといっぱい……ば、爆発すればいいのに……」

   「や、やわらかそうなお宝がたくさん……ふふふ……」

      「まぁるいわっかに……なれるかな……♪」


幸子(……なんだか、みんな個性的だなぁ)

トレーナー「まずは自己紹介からいきましょうか……そっちの子から、どうぞ?」

??「えっ、あ、あたしですか……?」

トレーナー「うん。やっぱりお互いのことをよく知ることでいいパフォーマンスもできると思うから……ね?」

乃々「え、えっと……森久保、乃々ですけど……」

トレーナー「うん、乃々ちゃんね」

乃々「……」

トレーナー「………」

乃々「…………」

トレーナー「……………?」

乃々「あ、あの……なんですか……?」

トレーナー「えっと……終わり……?」

乃々「だ、だめですか……? なんでですか……いぢめですか……」

トレーナー「いえ、ほら……自己PRとか……」

乃々「むぅーりぃー……」

トレーナー「じ、じゃあ次の人……」

愛海「あ、はい! 棟方愛海14歳です」

トレーナー「愛海ちゃんですね。趣味とかはあるのかな?」

愛海「趣味ですか……そうですね、指の運動を少々……」

トレーナー「指の……運動……? ストレッチとかかな?」

愛海「はい、パートナーといっしょに気持ちよくなる運動です!」

トレーナー「へぇ……少し教えてもらってもいいかな?」

愛海「いいですとも! それじゃあ少し向こうを向いてください」

トレーナー「向こう……? 背中のマッサージですか?」クルッ

愛海「いいえ……前です!」むにょんっ

トレーナー「!?」

トレーナー「はぁ……はぁ……お、おふざけはほどほどにしましょうね……」

愛海「は、はい……いたい……」

トレーナー「それじゃあ、次は……」

光「はい! 南条光14歳! ヒーローみならいだぜ、です!」

トレーナー「うん、元気いっぱいでよろしい! ヒーローみならいってことは憧れてるヒーローとかいるのかな? えっと……セーラームーンみたいな」

光「憧れてるヒーロー? うぅん、難しいんだけど……そうだな、まずアタシが好きなヒーローの定義について……」

トレーナー「へ……?」

光「特撮っていうと今はCGがかなり多いけど昔の作品はかなり無茶やとんでもない技術が使われてたんだ。ウルトラシリーズの発展はそもそもいかにリアルなスケール感を出すかで──」

トレーナー「ご、ごめんねストップ! その話はあとで、ね!」

光「そう? わかった、それじゃああとからだな!」

夕方ごろ再開予定、いったん休憩
残りもバレバレだけれども、画像はそのときで


続き待ってる

小林幸子をプロデュースすんのかと思った…

>>34
森久保乃々(14)
ttp://i.imgur.com/JUT6TZe.jpg
ttp://i.imgur.com/YEQms45.jpg

>>35
棟方愛海(14)
ttp://i.imgur.com/ARGEWgp.jpg
ttp://i.imgur.com/lJDrTC7.jpg

>>36
南条光(14)
ttp://i.imgur.com/RggfQ2v.jpg
http://i.imgur.com/LfoCZfc.jpg

再開

トレーナー「えっと、次は……」

法子「あっ、あたしかな?」

トレーナー「はい……よ、よろしくね?」

法子「はい! えっと、椎名法子、13歳です。好きなものはドーナツで、好きな食べ物はチョコドーナツです!」

トレーナー「13歳……大人びて見えるのね」

法子「はい、ドーナツを食べてますから」

トレーナー「……」

法子「お近づきのあかしに、よかったらみんなもどうぞっ♪」

トレーナー「あ、あとでみんなで食べましょうか……」


椎名法子(13)
ttp://i.imgur.com/j5BXKkU.jpg
ttp://i.imgur.com/tuoFQnK.jpg

トレーナー「えーっと、あと……」

蘭子「ほう、私に真名を問おうというのか……愉快だ!」

トレーナー「」

蘭子「我が名は神崎蘭子。火の国へと堕ちて14の齢を重ねた……今こそこの瞳を生かさん!」

トレーナー「」

蘭子「む……? 如何した、修練者の長よ。もしや、何か呪いでも……?」

トレーナー「え、えっと……か、かんざきらんこちゃん……?」

蘭子「うむ!」

トレーナー「じゅ、じゅうよんさい……かな?」

蘭子「うむ! よくぞ見破った……ククク、褒めてやろう……」

トレーナー「……うん、ありがとう」



神崎蘭子(14)
ttp://i.imgur.com/inMVm6a.jpg
ttp://i.imgur.com/TdVkK0H.jpg

蘭子はかわいいなあ!!!

トレーナー「あと、そっちの……2人とも?」

輝子「フ、フヒヒ……あ、私ですか……?」

小梅「は、はい……」

トレーナー「部屋の隅にいないで、もう少しこっちに来たらどうかな……」

輝子「え、は、はい……すみません……」

小梅「こ、こっちのほうが、おち、つくから……」

トレーナー「ま、まぁまぁ……ね? 自己紹介、してみて?」

輝子「あ、は、はい……しょ、輝子、です。ほ、星です。……え、はい」

トレーナー「星輝子ちゃんね、それから……」

小梅「……白坂、小梅、です……あの、あ、あまりみられるのは……にがてで……」

トレーナー「白坂小梅ちゃん。うん、大丈夫! 慣れていけばいいから……」



星輝子(15)
ttp://i.imgur.com/Acy4ubc.jpg

白坂小梅(13)
ttp://i.imgur.com/9vYcNWZ.jpg
ttp://i.imgur.com/ypmEnJN.jpg

きの子の特訓後の画像がない・・・あっ(察し)

幸子(本当に個性的な人ばっかり。大丈夫かな……)

幸子(……ううん、大丈夫、大丈夫……ボクはボクらしく。よしっ)


トレーナー「それから最後に、あなたは?」

幸子「ボクですか? ボクのことを知らないなんて、損しちゃいますよ!」

トレーナー「へ?」

幸子「ボクは輿水幸子。一番カワイイアイドルになります!」

トレーナー「……う、うん?」

幸子「……なんですか?」

トレーナー「い、いや……うん! 理想が高いっていい感じですよ!」

幸子「理想じゃなく、事実です。この場にいる誰にも負ける気はありません!」

トレーナー「」

あっ、ナターリア忘れた
ちょっと待ってください

>>45のあとにこれを


ナターリア「アハハッ、大変だナ!」

トレーナー「え、えーっと……」

ナターリア「ン、ワタシ? ナターリア。ヨロシクナ!」

トレーナー「ナターリアちゃん……うん。えっと……」

ナターリア「ンー?」

トレーナー「……あ、アピールとかあるかな?」

ナターリア「アピール? ンンー。ダンスがトクイ?」

トレーナー「ダンス、ダンスね!」

ナターリア「おどル?」

トレーナー「いいえ、後で大丈夫……うん、よかった。ちょ、ちょっと私のキャパをオーバーするところでしたよ」

ナターリア「ヨカッタ? そっカ、メデタイだネ!」

トレーナー「あはは、そうかも……」

ナターリア「ならスシ! スシ食べタイ! イク?」

トレーナー「えっ」

こうしてみると見事に問題児ばっかりだな

よりにもよって、という感じだな

幸子(……う、周りの視線が痛いような)



光「……キミ、すごい目標だな!」

幸子「え?」

法子「あむっ……うーん、一番かぁ……それぐらい考えてないといけないのかな……」

幸子「あ、あの、みなさんなにを……」

小梅「か、かっこいい……」

幸子「いや、あの……」

蘭子「フッ……」

幸子「……ま、まぁ。みなさんもカワイイですけれど! ボクはそれよりもっとカワイイですから! お互い頑張りましょう!」

幸子(……びっくりした。でも、なんだかいい雰囲気だし大丈夫だよね)


ナターリア「てるこじゃないノカ?」

輝子「しょ、しょうこ、です……」

ナターリア「ソウカ! 漢字もヨメルと思ったケド、ダメダナー……」

輝子「だ、大丈夫……よく、間違えられる……」

ナターリア「アー、タイヘン! でも、もう間違えナイ! ネ、ショーコ!」

輝子「う、うん……お、お近づきのしるし……はい……」

ナターリア「ウン?」

愛海「あたしもお近づきー!」

ナターリア「ヒャァッ!?」

愛海「こ、これはけしからん! グローバルをわが手に!」

ナターリア「や、やっ……メッ!」

輝子「あ、ちょ、ちょっと、あ、あぶない……」

トレーナー「……」

   「やめるんだ! それ以上いけない!」
       「大丈夫、あたしは大きさで差別はしない……これは愛なの!」

              「と、ところで、なんで……? 瞳、って、なにか、見えるんですか……?」
                    「わ、我が瞳は……真実を見抜き……」
                       「真実……か、かっこいい……」


トレーナー「ふぅ……せいれーーーーつッ!!」

幸子「ひぅっ」ビクッ

トレーナー「みなさん、早くも仲良くなり始めてるみたいでとっても嬉しいです。でもこれからレッスンですからね!」

光「ご、ごめんなさい!」

トレーナー「わかってくださればいいんです……ふぅ。うん、みんないい子でよかったです」

幸子(レッスンかぁ……でも、結構自信はあるから大丈夫。さっきの感じだと他の人はあんまりアイドルについて考えてなかったみたいだし!)

幸子(ふふん……トレーナーさんも驚くでしょうね。きっと)


トレーナー「まずは、課題曲の……ダンスはみなさん覚えてますか?」

ナターリア「あっ、ナターリアできル!」

トレーナー「他の人は?」

幸子「ぼ、ボクもできますよ!」

トレーナー「幸子ちゃんと、ナターリアちゃんね。他の人はちょっとみていてくださいね?」

「はーい!」

トレーナー「2人は現時点のレベルがみたいので……大丈夫ですか?」

ナターリア「ウン、ワカッタ!」

幸子「え、えぇ。大丈夫です!」

 〜〜〜♪  〜♪ ♪ ♪

トレーナー「ワン、ツー ワン、ツー……」

ナターリア「ン〜♪ ラ、ラ、ラ、ラ♪」

幸子「いち、にっ、さん……」


幸子(う……うそ、きちんと覚えてきたのに、これ……)

幸子(ス、ステップも間違ってるのに、なんで……)


ナターリア「タ、タ、タン! オワリ!」

幸子「わん、つーっ……と、とりあえずここまでですよね?」


幸子(楽しそう、なんだろう……)

トレーナー「うーん、とりあえず……ナターリアちゃんはちょっと違うかな……でも元気でよろしい」

ナターリア「ソウ? テヘ! まちがえチャッタ!」

トレーナー「幸子ちゃんは、うーん……現時点ではすごいと思います。課題はあとで言いますね」

幸子「あ、はい……わかりました」

トレーナー「あ、あはは……他の子たちも、最初のステップから順番にやっていきますからね。一度通しで私がお手本をお見せしましょう!」

幸子「……」


幸子(ボクのダンスのほうがちゃんとしてたのに……ナターリアさんのほうが、間違ってたのに……)

幸子(……ふんだ。まだ、教えてもらったばっかりだからキチンとできなかっただけだもん)

幸子(きちんと覚えて、練習して、そしたらボクのほうがずっと素敵にアピールできるもん)

本日分終わり

Pとの話と同世代の話、交互に進む予定

おつ!

トレーナー「──はい、とりあえずここまで! ここまでは全員同じフリなので合わせられるようになりましょう!」

乃々「難しそうなんですけど……」

トレーナー「大丈夫、最初のうちはゆっくりいきますからね……あ、幸子ちゃん、少しいいかな」

幸子「はい、なんですか?」

トレーナー「ちょっとこっちへ……えっと、現時点であれだけ踊れるのはすごいことです」

幸子「えぇ、そうですよね。当然です」

トレーナー「でも、ナターリアちゃんにひきずられちゃってる部分があったのかな? もったいないですね……アピール自体は丁寧でよかったですから」

幸子「あれは……えっと、ちょ、ちょっと足をひねりそうになっただけです」

トレーナー「えっ!? だ、大丈夫!?」

幸子「あ、いや、その」

来たか

幸子「こ、これぐらいなんともありませんけど」

トレーナー「ダメです! どっちですか?」

幸子「い、いえ、だから……」

トレーナー「湿布持ってきますから、えぇと……みんなに待っててって言って……」

幸子「大丈夫ですってば! ほ、ほら! ね!」

トレーナー「今日はいったん帰ったほうがいいです。あとから痛むかもしれませんし」

幸子「あ、あの、ちょっと……」

トレーナー「基礎は覚えてるって、わかってますから。無理は禁物です!」

幸子「……わかり、ました」

幸子は負けず嫌いだからな

幸子(……押し切られちゃった)

幸子(楽しそうだったからちょっとみとれちゃってた、なんて……いえないし……)

幸子(一番になるって言ったのに、他の人の方がすごいと思ったなんて……)


P「さ、幸子ちゃん」

幸子「……プロデューサーさん?」

P「足、大丈夫? ひねったって、聞いて……」

幸子「迎えに来てくれたんですか?」

P「仕事も、一応落ち着いたから、ね。病院にいったほうがいいかな……?」

幸子「あぁ、大丈夫ですよ。なんともありませんから」

P「そうなのか……それなら、いいんだけれど……無理とかしてないかな?」

幸子「平気ですってば。心配性ですね」

P「そりゃあ、心配だよ。幸子ちゃんは頑張り屋さんみたいだしね」

幸子「む……別にそれほどでもありませんよ。ボクはすごいのでなんでもできますからね!」

P「だけど残ってレッスンもしてるみたいだし……その疲労もあるのかもって思って……」

幸子「あれは偶然です。勘違いしないでください!」

P「そう、なのか……ごめん」

幸子「いえ。わかってくださればいいんです。素直でいいですね」

P「だけど、足は本当に大丈夫?」

幸子「えぇ、問題ありませんから……まぁ、今日はいろいろ騒がれちゃいましたし帰りますけど」

P「そう……じゃあ送るよ」

幸子「別に、問題ありませんけれど? ついてきたいんですか?」

P「できれば、ぜひ」

P「車を出したいところだけど、今はもう出きっちゃってるから……ごめん」

幸子「いえ、平気です。ひねったわけじゃありませんし」

P「でも、ちょっと様子がおかしかったって聞いたぞ?」

幸子「それは……ちょっと、他の人のことを見てたせいで……」

P「他の人?」

幸子「あぁ、もちろんボクが一番ですけどね! だけど、そこそこやる人がいたんですよ」

P「そっか……他の人ね」

幸子「その人は、まぁ、できるって言ったのにフリも間違えちゃって。なのになんだか楽しそうで……」

P「……」

幸子「言っておきますけれど、ボクはもうすでにきちんと踊れるんですからね? トレーナーさんもそれがわかってるから今日は帰っても大丈夫って言ったんですから!」

P「そう、か……」

幸子「えぇ、そうです! ボクはすごいんです!」

P「……うん。幸子ちゃんはすごいんだね」

幸子「わかればいいんです。ふふん」

P「その、楽しそうだった人とは……仲良くなれそう、かな?」

幸子「仲良くですか? まぁ、向こうが頼むなら考えてあげなくもないですけれど……」

P「俺からのお願いじゃダメかな」

幸子「プロデューサーさんのお願い、ですか」

P「うん。そんな楽しそうな子がいるなら、詳しく知りたいかな、なんて」

幸子「もちろんイヤです!」

P「えっ」

幸子「なんでボクが誰と仲良くするかをプロデューサーさんに決められないといけないんですか?」

P「えっと、楽しそうだなぁって思うならいいことじゃないかなぁって思って……」

幸子「なるほど、その言い分はわかります」

P「お、俺もさ。そう……楽しい人のことは詳しく知りたい、から……」

幸子「……つまり、ボクよりもその人のことの方が気になるってことですか?」

P「そういうわけじゃないんだけれど」

幸子「プロデューサーさんはボクのプロデューサーでしょう? なら、他の子のことを考える必要なんてないじゃないですか」

P「うーん……」

幸子「生意気です! ボクに意見したいならもっとお仕事を持ってきてください!」

P「……わかった。ごめんな」

幸子「いいえ、まぁわかってくださればいいんですけれど」

P「……とりあえず、送るよ」

幸子「えぇ、そうですね……まったくもう」

P「…………」


幸子(……仲良く、なんて。別にそんなことしたいと思ってもいないし)

幸子(まったくもう。だいたい、ボクと話してるのに他の人の話なんてつまらないなぁ)

幸子(だけど、ちゃんとボクのことすごいってわかるのだけはすごいって認めてあげてもいいかな)

幸子(だいたい! ダンスがちょっとすごいからって間違ってるのは向こうだったのにボクの扱いがおざなりなんて)

幸子(……つまんない)

幸子(まぁ、いいんですけどね! ふんだ。ボクは優しいから)

書き溜めせずに書いてるのかな?

トレーナー「はい、それじゃあ今日もレッスンですよー」

幸子「はい」

トレーナー「幸子ちゃんも、もう大丈夫?」

幸子「えぇ、問題ありませんよ! ほら!」

トレーナー「うん、よし。最初のステップを合わせるところからやっていきましょうか」

幸子「えぇ、かまいません!」

トレーナー「はじめますよー!」

「はい!」

幸子「……」

トレーナー「はい、いったん休憩でーす」

幸子「ふぅ……」

幸子「………」

小梅「……つ、つかれちゃった」

輝子「フ、フヒ……お、おばけとかにも……これがホントの、おつかれさま……」

小梅「ふふふ……」

輝子「フヒヒ……」

法子「うー、ドーナツが、ドーナツが足りません……」

乃々「も、もう……むぅーりぃー……」

ナターリア「ホラホラ、元気がたりないゾ! ナターリアがいっしょだからダイジョブ! ネ?」

乃々「ほ、ほっといてくれていいんですけど……」

法子「ドーナツぅ……」

幸子(うーん……なんだか、あの後のレッスンで他の人たちはそれぞれ仲のいい人ができちゃったみたい……)

幸子(……別に寂しいわけじゃないけど……ふぅん、まぁレッスンに友達なんて)

幸子(あ。それにあっちの人も……)


蘭子「フッ………」


幸子(神崎さん、だったっけ。なんか孤高って感じだなぁ……)

幸子(……ボクのほうがカワイイけど。うん)


愛海「隙ありぃーっ!」

蘭子「ひゃぁっ!?」

愛海「とらえたぞ、闇の帝王! 我が拳で浄化してくれるー!」

蘭子「え、な、なにっ……!?」

蘭子「ぶ、無礼者! この身へ干渉せしめるとは闇へと身を落とさんとす覚悟あってのことか!」

愛海「んー? 何をいってるかはわかんないけどあたしは自分に正直に生きるよ! 同い年なんだし仲良くなりたい!」

蘭子「な、ならばこの手をっ……やっ! やめ……」

愛海「ふぅむ……これはなかなかの……」

光「こら、やめろ!」

愛海「む……?」

光「嫌がってるだろう! そういうのはよくない!」

愛海「……これはスキンシップだよ?」

光「相手が嫌がってたらそういわないんだ!」

愛海「むー、なら……」

光「……」

愛海「隙あり!」

光「甘い!」

愛海「な、なにっ……!?」

光「ふっふっふ、アタシは鍛えてるからこれぐらいじゃ倒せないぞ!」

愛海「な、ならあたしも奥の手を……」

蘭子「あ、あの……2人とも……」


幸子(何やってるんだか、まったく……)

幸子(……というか、神崎さんが一番うろたえてる? さっきまでクールに見えたのに)


幸子「……あの」

愛海「むっ、幸子ちゃんがあたしに? 大丈夫、あたしは大きさで差別したりしないよ!」

幸子「そんなわけないでしょう。でもあんまりやってるとトレーナーさんに怒られますよ?」

愛海「……特別メニューにされるのは嫌だなぁ」

幸子「棟方さんの趣味についてあまり突っ込む気もありませんけれど。もう少しまじめにやったほうがいいですよ」

愛海「しかたない……今回はここで諦めるとするかなー……」

幸子「ふふん。丸く収めるなんてさすがはボクですね!」

光「キミ、ありがとう。えっと……幸子、だよね」

幸子「えぇ。あなたは南条さん……ボクより小さい人、久しぶりに見ましたよ」

光「うっ……うぅ、法子のほうが年下なのに大きいんだよ……」

幸子「棟方さんはずっとあの調子なんですか?」

光「うーん、前回は途中でつまみ出されて別メニューをすることになってたけど……」

幸子「ふぅん……なんというか、そこまでするなんて逆に感心しますね……」

光「まぁ、愛海には愛海の譲れないものっていうのがあるんだろうな……でも人が嫌がることをするのはダメだ!」

幸子「そんな喧嘩を売るみたいな言い方をしたのもよくないと思いますけれど」

光「う、そうかな?」

幸子「ダメなものをダメって言えるのはいいことでしょうけどね……」

蘭子「あ、あの」

光「あぁ、蘭子。どうしたんだ?」

蘭子「わ、我が闇を……うう、その……」

幸子「……?」

光「闇……? まさか何か悩みでもあるのか?」

蘭子「否! 私は……わた、し……その、ありがとう……」

幸子「……!?」

蘭子「うぅ、やはりこのような戯言は我が身にそぐわぬ……」

幸子「……」

光「はは、そんな気にしなくてもいいのに……あれ? 幸子?」

幸子「なんだ。普通にしゃべられるんじゃないですか」

蘭子「う、だが」

幸子「……ふぅ。ひょっとしてクールに気取ってたのも手持無沙汰だったからですか?」

蘭子「……」コクッ

光「そ、そうだったのか?」

幸子「やれやれ、仕方ありませんね……本当は寂しかったんじゃないですか?」

蘭子「………うん」

幸子「ならボクが友達になってあげても」

光「じゃあ、これからアタシ達は友達だな!」

蘭子「……えっ」

幸子「ちょ、ちょっと! ボクがしゃべってる最中ですよ!」

光「あっ、ごめん」

幸子「だいたい『あたしたち』って」

光「幸子も友達だ! ……愛海とも友達になりたいけど、まずあのいきなりするのを止めさせなきゃ!」

幸子「はぁ……ずいぶんな目標ですね」

光「あぁ。アタシはヒーローでアイドル! みんなが仲良くなれるようがんばるんだ!」

蘭子「ほう……愉快だ! 成してみせるがよい!」

光「うん、応援してくれよな!」

幸子「……やれやれ」


幸子(目標、かぁ。それに、友達……)

幸子(……別に友達が欲しかったわけじゃないけど。でも大きい目標は大事だよね)

幸子(うーん……やっぱり世界中の人にボクのカワイさを教えてあげる、とかかな)

————

——

トレーナー「おっと。そろそろ上がりです! お疲れ様」

「ありがとうございました!」


法子「ド、ドーナツ……! よしっ、みんなもどうぞ!」

乃々「く、口の中がパサパサになりそうなんですけど……」

小梅「……あっ、ちょっと、目玉、みたい……」

輝子「き、きのこはないか……残念……」

光「アタシはプレーンシュガー!」

ナターリア「あー、どれがイイかナー?」

愛海「あたしはやっぱりやわらかいクリーム系かなー」

法子「あ、あたしもドーナツも揉むのは禁止だからねっ!」

愛海「もちろん、あたしだってやっていい時と悪いときぐらいわかるよ!」

幸子(でも、まぁ……南条さんはあんな感じですし他の人とも仲良しですよね)

幸子(別に、気にしてるわけじゃないけど……ふん……)


法子「あれ? 蘭子ちゃんと幸子ちゃんも食べないの?」

蘭子「む……?」

幸子「えっ?」

法子「ほら、ドーナツ! 前はね、全員の分がなかったけど今日はちゃんと作ってきたんだ!」

蘭子「こ、これを……供物と……?」

法子「くもつ……? そうそう、食物! 食物連鎖はね、支えてくれるものがあって初めてなりたつんだよ! わっかになる食物連鎖……まるでドーナツ!」

幸子「いや、たぶんそういう意味じゃ……まぁ、いいですけど」

法子「さ、どうぞ?」

幸子「……じゃあ、いただきます」

蘭子「漆黒の闇を纏いし罪深き円環よ!」

法子「えっ、ただのチョコドーナツだよ!?」

円環の理に導かれて……

甘くて美味しいけどカロリー高くて太るから「罪深き円環」なのか、とちょっと感心した

P「お疲れ様……ドーナツ?」

幸子「あぁ、わざわざ迎えに来てくれたんですか? 感心ですね」

P「ははは、ちょっと区切りがついてね……」

幸子「そうですか……このドーナツは、レッスンをいっしょにしてる人が作ってくれたものなんですよ」

P「そっか……うん、よかった」

幸子「あんまりカロリーの高いものを食べすぎるのはよくないんですけれどね! もったいないですから」

P「…………」

幸子「なんですか? 何か言いたいことでも?」

P「いや、そんなわけじゃないよ。だけど……よかった。いい子たちがいっしょなんだなって」

幸子「そうですね、レッスンも……結構順調ですし。特に問題ありません」

P「そう。じゃあ、いこうか」

幸子「えぇ。ボクを駅まで送れるなんてなかなかの名誉ですよ!」

P「あはは、ありがとう」

————

——

P「うーん……」

幸子「おや、プロデューサーさん? どうしたんですか」

P「あれ、幸子ちゃん? レッスンにはまだ早いと思うけど……」

幸子「別に、早めに来ても問題はないでしょう? それに、このカワイイボクにたくさん会えるなんてプロデューサーさんは幸運ですね!」

P「あはは、そうかもな」

幸子「えぇ。ちょっと体を温めておいたほうがレッスンはうまくいきますしね」

P「……えらいなぁ」

幸子「え?」

P「あぁ、いや。幸子ちゃんは目標に向かってきちんと努力できて……えらいなぁ、って」

幸子「まぁ、アイドルですからね。やるからにはきちんとこなしますよ!」

P「……仕事、とってくるからさ」

幸子「え? あぁ、そうですね……主役も食べちゃうぐらいのライブもしますし、すぐに忙しくなっちゃいますね!」

P「うん。そうなると思う……いや、そうさせてみせる」

幸子「おや、珍しく強気の発言ですね」

P「幸子ちゃんが、頑張ってるから……俺も、頑張らなきゃってね」

幸子「そうですか。ふふん、感心です!」

P「えっと、何か興味のある分野とかは……? その方面でとってこれるよう、やってみるから」

幸子「興味のある分野ですか? うーん、そうですね……」

P「うん……」

幸子「……ボクはなんでもこなせるので特にこれがいいっていう希望はありませんね」

P「そう……?」

幸子「えぇ」

P「そっか、なら……」

幸子「あぁ、そうだ。ひとつだけ注意をするとしたら——」

P「幸子ちゃんの可愛いところが、きちんとアピールできるようなお仕事、のほうがいいかな」

幸子「……なんだ。わかってるじゃないですか」

P「あはは……いや、やっぱり自信のある分野が一番だしね」

幸子「えぇ。いいでしょう! 褒めてあげます!」

P「え? うん、ありがとう……」

幸子「さてと。今日もレッスンにいってきますね」

P「レッスン室までは……」

幸子「送らなくても平気ですから、ご心配なく」

P「そう……じゃあ、いってらっしゃい」

幸子「はい、いってきます」

トレーナー「よし、それじゃあ今日は次のステップに進みましょう!」


幸子(……やっぱりナターリアさんのダンスはレベルが高い、かな)

幸子(このままだとバックダンサーとして踊ったときにバランスが悪いような)

幸子(それに、普通にこのままいけばソロのパートも出てくるわけだし……いいパートはナターリアさんがしちゃうんじゃ)

幸子(センターだったら……いや、センターはボク! ボクが一番目立つんだもん!)

幸子(そうだ、負けられない……ボクが一番カワイイんだから……!)


ナターリア「ン?」

幸子「あっ」

ナターリア「どうしたノ? サチコ?」

幸子「別に、なんでもありませんけれど?」

ナターリア「ソウ? 今、ナターリアのことミテタ?」

幸子「見てません」

ナターリア「ソッカ、気のセイならイインダ!」



幸子(むぅ……だけど……ダンスの技術は正直すごいしなぁ……)

幸子(カワイさではボクの勝ちだけど、ダンスでは負けるかも……いや、ボクのほうが……)


ナターリア「……?」

幸子「……」フイッ

ナターリア「ンー? ヤッパリ、なにかヨウ?」

幸子「いえ、別にボクは……」

対抗心までカワイイ幸子

ナターリア「アッ! わかッタ!」

幸子「え?」

ナターリア「イッショにダンス、スル?」

幸子「え? いや……」

トレーナー「あぁ、じゃあ今日は3人1組になって進めてみましょうか」

幸子「えっ」

ナターリア「サチコ、すごいカラ、ナターリアもソンケイだネ!」

幸子「ま、まぁそれほどでもありますけれど、でも」

トレーナー「パートが分かれていく部分のあるので、配置を考える意味でも小分けしたグループっていうのはね……えーっと、それじゃあ……」





乃々「な、なんであたしなんですか……」

幸子「えーっと……森久保さん、ですか」

ナターリア「ノノ! ガンバロー!」

乃々「むぅーりぃー……」

トレーナー「幸子ちゃんと、ナターリアちゃんは現時点でかなりレベルが高いです。だけどどちらも少し前に出すぎるきらいがあるので……」

幸子「それはまぁ、ボクはカワイイですからね!」

ナターリア「ウーン、ダンスが楽しいカラ……」

トレーナー「その点では乃々ちゃんは溶け込むのが上手なんですね。調和の力というか……」

乃々「めだったりサボったりしたらもっとレッスンさせられるんでしょ……いぢめですか……」

トレーナー「そういうわけで、お二人には積極性を。乃々ちゃんはおさえるほうの力を見せてください」

乃々「うぅ……無茶ぶりなんですけど……めだちたくないんですけど……」

幸子「やれやれ、もったいないですね! トレーナーさんに注目されているってことはそれだけの実力があるってことでしょう? もっと胸をはったらどうですか!」

乃々「そ、そんなの……」

ナターリア「ノノもイッショにダンス! タノシイからダイジョブだネ!」

乃々「い、いやぁ………」



法子「よろしくね、小梅ちゃん、輝子ちゃん!」

小梅「よ、よろしくおねがいします……」

輝子「さ、最年少なのに……いちばん……フヒヒ……ま、まぁ、夜型、だし……」



光「トレーナーさんはアタシ達につくのか?」

トレーナー「全員、素質はすごいんですけどね……その、えぇ。まぁ……」

愛海「ふぅむ、これはこれで……眼福!」

蘭子「シ、シヴァの抱擁……」

幸子「だからナターリアさんは目立ちすぎなんですよ! ボクが目立たないじゃないですか!」

ナターリア「アッ……デモ、ここのダンスはノリノリでタノシイヨ?」

幸子「確かに一番の見せ場ですけれど……逆に森久保さんはもっと前に来てくれなきゃバランスが悪くなるじゃないですか!」

乃々「で、でも……こっちのほうがいいと思うんですけど……疲れないし……」

幸子「だけどそれだと……」

乃々「こうやって……こう……」

幸子「……む、悪くないかもしれませんね」

ナターリア「ワァ! ノノ、スゴイ!」

乃々「で、でも前に出るのはちょっと……」

幸子「こうなったらもう少しアレンジして、それぞれのアピールを……」

ナターリア「サチコもスゴイ! まるでトレーナーだナ!」

幸子「えぇい、くっつかないでください!」

幸子「……ふぅ、結構悪くない感じですね! ナターリアさんのダンスは素晴らしいアピール力ですし、森久保さんの自然さっていうのもボクには思いつかない要素でした」

幸子「一番カワイイのはボクですけどね!」

ナターリア「そうダネ! サチコはカワイイ!」

幸子「へ?」

ナターリア「ンー、ナターリアももっとセッキョクテキさんにナル?」

幸子「……え、えぇ。なれますよ! ナターリアさんもカワイイですからね」

乃々「も、もうあたしは限界なんですけど……」

幸子「正直、ナターリアさんについていけるだけで大したものだと思いますよ。ボクはとにかく」

乃々「うぅ……だ、だってできないと……落ち込むから……」

幸子「落ち込むって、誰がですか?」

乃々「……あたしのプロデューサーさん、ですけど」

幸子「森久保さんのプロデューサーさんが落ち込むって……」

乃々「な、なんか……あたしが何かするたびに、ずっとだいじょうぶか、とか、心配してきて……」

幸子「……」

乃々「失敗すると泣いたりとかして……めんどくさいんですけど……」

ナターリア「なきむしサン?」

乃々「……でも、その。あんまり、やる気はでないですけど……落ち込まれると、嫌なので……」

ナターリア「ソッカ! ノノはプロデューサーのコト、スキ?」

乃々「ち、違いますけど」

ナターリア「ソウ?」

乃々「……そうですけど。ただ、めんどくさいだけですけど」

ナターリア「ウーン、ナターリアはナターリアのプロデューサーのコト、スキだヨ? スシくれル!」

幸子「そういうことじゃないと思うんですけどね……」

ナターリア「そうカナ?」

乃々「そ、そうですけど。そもそも、そういうのでも、ああいうのでもないですけど……」

幸子「はいはい、それじゃあ再開しましょうか!」

ナターリア「オッケー! いくヨー!」

乃々「か、勘違いされてる気がするんですけど……」


————

——

乃々はかわいいなぁ

ナターリア「ジャン、ジャン、ジャンっ♪ ……オー!」

幸子「……今のは結構よかったんじゃないですか?」

乃々「う、うぅ……もうむぅーりぃー……」

ナターリア「でもノノもジョウズだネ! エライ!」

乃々「な、なでないで欲しいんですけど……」

幸子(……グループに集中してたけど、他の人のところはどうなってるんだろう?)チラッ



輝子「や、やっぱりこのスタイルが……お、おちつく……フヒヒ……」

法子「輝子ちゃんのキノコを、あたしのドーナツに通して……」

小梅「……め、目玉で、デコレーション……して……」

輝子「イカしたインテリア……」


幸子(……見なかったことにしよう)

幸子(じゃあ、向こうは……)


光「はぁ……はぁ……」

愛海「ぜぇ……ぜぇ……」

蘭子「うぅ……」


幸子(……ハードな内容なのかな?)


光「も、もうやめるんだ。これ以上は……」

愛海「あたしはね……自分に嘘をついたりしない……! どんな障害だって、乗り越えるんだ!」

光「だからって……!」

蘭子「ひぅ……」ビクッ


光「だからって、どさくさに紛れたフリをして蘭子の胸を揉むのはやめろ!」

愛海「だって! 蘭子ちゃんのおっぱいすごいんだよ!?」

蘭子「うぅぅ……」


幸子(……よし。こっちもみなかったことにしよう)

そんなん俺だって揉みしだきたいわ

棟方師匠ブレないなあ

トレーナー「えー、今回は少し違った組み合わせだったのでいろいろな発見があったと思います」


輝子「意外と……キノコとドーナツ、あいます、ね……なんて……フ、フフ、フヒヒ……」

法子「しっくりくるもんね。目玉型チョコって結構グロテスクだけど味としてはドーナツによく合うし……もう少しやれば可愛くなるかも……!」

小梅「か、かわいいので、グロテスク……って、ハッピーツリーフレンズ、みたい……」


愛海「そう、あたしは悪くない」

光「わざと転ぶのやめたら、ダンスはすごいのに……」

愛海「あのね、そういうのじゃないの。わかる?」

光「アタシに質問するな!」

蘭子「動かざること山の如し……」


トレーナー「……あったと思います」

トレーナー「だけど、成長は見て取れました。これからもこの形式でやっていくっていうのも悪くなさそうですね」


幸子(……たしかに、森久保さんもナターリアさんもボクとは違ったところですごいと思ったけど)

幸子(他の、メンバーとも……成長……?)


トレーナー「幸子ちゃんやナターリアちゃんはレベルが高いですし、他の子に教える側にもまわれそうですね」

ナターリア「おー? ナターリア、コーチ? エライヒト?」

トレーナー「うーん……まぁ、協調する、合わせる力を身につける意味でも……どうでしょう?」

幸子「ボクもそちら側なんですか……まぁ、いいでしょう! ボクは優しいので!」

トレーナー「うん、よかった……ナターリアちゃんは?」

ナターリア「タノしソウ! ナターリアもスル!」

トレーナー「ありがとうございます! それじゃあ、今日のレッスンはここまでです。お疲れ様でした!」

幸子のために腹パンがあるのか
腹パンのために幸子が居るのか

多分両方なんだよ

P「お疲れ様」

幸子「今日も迎えに来てくれたんですか? 感心ですね」

P「あはは……うん。今日はどうだった?」

幸子「今日ですか? 聞きたいんですか」

P「なんだか、少し楽しそうだったから……」

幸子「……ふぅん。まぁ、いいでしょう」

P「聞かせてくれるかな」

幸子「えぇ、今日は3人1組になって練習をしたんですよ」

P「3人1組かぁ……」

幸子「はい。この前の楽しそうに踊る子と、それから自信があんまりないっていう子の2人……ナターリアさんと、森久保さんっていうんですけれどね」

幸子「それで、森久保さんは結構ひかえめなんですけれど……」

P「うん……楽しかった?」

幸子「それなりですね! まぁ、ボクは次からは教える側にもまわることになるんですけれど!」

P「教える側?」

幸子「トレーナーさんも、なかなか大変なんでしょう。ボクとナターリアさんは基本的なダンスとしては問題なくこなせるので次からの組み合わせではそうしてくれって頼まれちゃいました」

P「それは……大変そうだなぁ。大丈夫?」

幸子「まぁ、頼まれてしまったし仕方ないですね! ボクにとっては簡単なことですけれど!」

P「そっか……個性が強い子が多いみたいだしね……」

幸子「そうそう、そうなんですよ! 聞いてください、レッスンが終わったときに白坂さんと椎名さんと星さんのペアがなにをやってたんだと思います?」

P「なにって……普通にレッスンしてたわけじゃあないのかな」

幸子「えぇ、星さんが持ってきたキノコを椎名さんのドーナツに通して、そこに白坂さんが目玉型のチョコレートでデコレーションしてたんです!」

P「……ダンス、レッスン?」

幸子「えぇ、ダンスレッスンです」

P「……すごいね」

幸子「そうですね……えぇ、まったく。そんなに悪い人たちではないと思うんですけど」

P「そっか」

幸子「えぇ。まぁ、カワイイのはボクですけれどね!」

P「……楽しそうで、よかった」

幸子「成功させるためにも、全体のレベルをあげなきゃいけませんからね!」

P「応援してるよ」

幸子「えぇ、任せてください」

P「……それじゃあ、送っていこうか」

幸子「はいはい、しかたありませんね」

————

——

P「おはよう」

幸子「おはようございます。レッスンいってきますね!」

P「あはは……楽しそうだね」

幸子「えぇ、椎名さんはすぐにドーナツを食べたがるのでちゃんと見てないといけませんし大変ですけれどね!」

P「それから、お仕事が入ったよ」

幸子「そうですか……えっ!?」

P「どうした?」

幸子「お、お仕事ですか? まだライブもしてないのに!」

P「事務所全体としてもらえてるお仕事があるからね、そこへゲスト枠としてはいれるんだ」

幸子「……なるほど。少しはやりますね!」

P「あはは、ありがとう」

幸子「それで、どんなお仕事なんですか?」

P「ジュニア向けの洋服のモデルだね。女の子らしく振舞える子がいいって聞いたから……」

幸子「ふむ。なるほどボクにぴったりですね! いいでしょう」

P「ありがとう……じゃあ、その日程は……」

幸子「ふむふむ……ふふふ。そっか、お仕事……」

P「大丈夫?」

幸子「えぇ、当然でしょう! ふふん、よくできました! 褒めてあげます!」

P「ありがとう、それじゃあ今日もレッスンだね」

幸子「えぇ、平気ですとも! いってきます!」

さっちゃんはかわいいなあ!

幸子(さてと、今回のメンバーは……)


輝子「フヒヒ……」

小梅「……よ、よろしくおねがいします」

幸子「……えぇ、こちらこそ」


幸子(……この2人かぁ。お互いの仲はいいみたいだけれど大丈夫かな)


輝子「そ、そんな、うまくはない、かも……でも、が、がんばる……がんばります……」

幸子「あぁ、そんなにガチガチにならなくてもいいんですよ」

小梅「……ふぁ、ふぁいとっ」

幸子「……応援ありがとうございます。それじゃあ今回は新しいパートにいきましょうか!」

幸子「……うーん」

小梅「だ、だめかな……?」

幸子「いえ、悪くないんですけれど……何か物足りないというか……」

輝子「ご、ごめん……なさい」

幸子「別に責めてるわけじゃありませんよ? お気になさらず……でも、そうですね……」

小梅「……インパクトが、足りないんだよ、ね?」

幸子「そうですけれど、何か案があるんですか?」

小梅「う、うん……ね、輝子さん……」

輝子「あ、あれは、その、何かの間違いで……無理です……」

幸子「……?」

幸子「間違いって、何かあるんですか?」

輝子「な、ないです」

小梅「あ、あるの……すごいの……」

輝子「こ、小梅ぇ……そ、そいつはない、ぜ……」

小梅「だ、大丈夫……もう、イケる……」

幸子「……よくわかりませんが、星さんには何かすごい手があるんですか?」

小梅「う、うん……かっこいいの……」

輝子「あ、あれは親友がいたから、その」

幸子「よくわかりませんが見てあげましょう! 準備になにか手間がかかるなら手伝ってあげますよ?」

輝子「い、いや、服もないし……」

小梅「……輝子さん、はい」

輝子「フヒッ……!? な、なんで、小梅がもって……」

小梅「メ、メイクの仕方……ならったから、大丈夫……」

幸子「メイク……? へぇ、どんな風にするんですか? 大人びた雰囲気にするとかなら……」

小梅「ちがう、の……えへへ、ちょっと、待ってて……?」

幸子(いったいどうしたんだろう……? それにレッスン中にメイクをしても意味がないような……)

幸子(あっ、精神的な部分なのかな? 前向きになる、みたいな)

幸子(なるほど、それなら……確かに星さんは引っ込み思案だけれどカワイイ服も似合うだろうし……)


小梅「お、お待たせ……」

幸子「あぁ、終わりましたか? どれど……」




輝子「ヒャッハー! レッスンだァーッ!」
ttp://i.imgur.com/7EUiBiB.jpg

幸子「」

薬だめゼッタイwww

あぁ……キノコってそういう……

幸子「え……えっ?」


幸子(ど、どういうこと? こ、この人は……だれ……?)

幸子(星さんがメイクをするっていって白坂さんといっしょに外に出て……)

幸子(……戻ってきたのがこの人っていうことは、ひょっとして、まさか、そんな)


輝子「あ、あの……や、やっぱりダメですか……帰った方が……フフ……」

幸子「や、やっぱり星さんなんですか!?」

輝子「あ、はい。そうです。ごめんなさい」

小梅「だ、だいじょうぶ……かっこいい、から……!」

輝子「そ、そうか? ……照れるぜー! ヒャーッハハハー!」

トレーナー「あまり騒ぎすぎないでくださいね」

輝子「あ、はい」

幸子「……つまり、星さんのところのプロデューサーさんとの話し合いをした結果だと」

輝子「このかっこうだと……こう、やれると思うんだ……ぜ! フゥーッ!」

小梅「わ、私もいっしょに考えたの……かっこ、いい……でしょ?」

幸子「……独特のセンスですね」

小梅「えへへ……」

輝子「フ、フフ……て、照れるぜ……」

幸子「いえ、褒めては……まぁ、いいです。じゃあ再開しましょうか」

小梅「は、はい……がんばる……!」

輝子「ぶっちぎるぜぇ……!」

光「」ガタッ

輝子「ヒャッハーッ!」


幸子(う、ウソ……!? 思い切りがよくなって、ステップの質が上がってる……気がする!)

幸子(恰好だけだと思ったら……やるなぁ……むぅぅ……)


小梅「ど、どうかな……?」

幸子「え? ま、まぁまぁですかね!」

輝子「フフフ……こんなもんじゃ済まさねぇぜ! まだまだ夜はこれからだァーッ!」

幸子「あっ、もうレッスン時間終わりですね」

輝子「あっ、はい」

幸子(変な2人だったけど……スイッチが入ったときの星さんはすごいし……)

幸子(白坂さんも前に出るタイプじゃないだけで十分……むむ、これだとうかうかしてられないような……)


P「幸子ちゃん、大丈夫?」

幸子「へ? あっ、プロデューサーさん」

P「今日のレッスン、大変だったのかな。疲れてる?」

幸子「まさか! 平気ですよ。この通りです!」

P「それならいいんだけれど。無理はしちゃダメだからね」

幸子「えぇ、ご心配なく!」

P「そっか……そうそう、仕事の詳細なんだけれどこれを……」

幸子「ふむふむ……うーん……」

P「……? どうかしたのかな」

幸子「これってどういう服を着るのかは指定があるんですか?」

P「一応あるけど、方針としてはかわいらしい服のモデルを引き受けてるよ」

幸子「ということは、もっと違うタイプの服もあるわけですか」

P「そっちはそっちで、別の子が仕事を受けるんじゃないかな。たぶん」

幸子「……ふむ」

P「幸子ちゃん?」

幸子「だったらプロデューサーさんにお仕事をあげましょう!」

P「仕事って……どんな話?」

幸子「決まってるじゃないですか。これは成功させますけど、さらに次に繋げるためにボクがどれだけカワイイかっていうのを教えてあげます!」

P「……へ?」

—— 数日後

幸子「…………」

P「おはよう、幸子ちゃん」

幸子「おや、プロデューサーさん。遅かったじゃないですか……ボクを待たせるだなんていい度胸ですね!」

P「ごめんごめん、流石幸子ちゃんだなぁ……20分前なのに」

幸子「ふふん、まぁボクは何事にも余裕をもって取り組むタイプですからね」

P「……大丈夫だった?」

幸子「なにがですか?」

P「ほら、ひょっとしてかなりまったんじゃないかって」

幸子「いえ、お気になさらず。でもその気遣いはなかなかいいですね! 褒めてあげてもいいですよ!」

P「あはは……ありがとう」

幸子「さて、それじゃあ買い物です!」

P「服かぁ……でも、大丈夫かな。俺で」

幸子「プロデューサーさんがボクにはどんな服が似合うのかっていうのをきちんと理解してくれれば、お仕事だってとってきやすいでしょう?」」

P「それは……そうだけど……」

幸子「それともまさか、嫌なんですか? そんなこと言いませんよね」

P「まさか。光栄だよ……うん、幸子ちゃんがいいのなら、服を見にいこうか」

幸子「はい!」


幸子(まったく、何を言ってるんだか)

幸子(ボクに誘われたんだから黙ってついてきてくれてたらいいのに! んもう)

個人的にこういうPは好きなんだよね
体調管理とかに重点おくみたいな
しえんしえん

控えめなのかと思いきや押さえるところは押さえるPだな

幸子「ふふん♪ あぁ、こっちもいいなぁ……」

P「楽しそうだね」

幸子「ボクには似合わない服がありませんからね! どれを着るのか決めるだけでひと苦労ですよ」

P「……うん、確かに。よく似合いそうだ」

幸子「そうでしょう。当然ですとも!」

P「そっちの服だったらこういうアクセサリをつけるのもいいかな……」

幸子「え? ……ちょっと趣味が悪くありませんか?」

P「いや、それにあわせて小悪魔的に……こっちも……」

幸子「む……むぅ、悪くありませんね」

P「やっぱり素材がいいからね」

幸子「それは当然です! ボクはカワイイですからね」

幸子「この服と、これと……うーん……」

P「どうしたの?」

幸子「ボクとしたことが少しばかり予算オーバーしてしまったみたいです。だからどれを戻そうかなと」

P「……なるほど」

幸子「プロデューサーさんはどれを戻すべきだと思いますか? 参考までに聞いてあげてもいいですよ」

P「そうだな……じゃあ……」ヒョイッ

幸子「?」

P「全部、買っちゃおう。ここは出すからさ」

幸子「なっ……い、いいですよ! 今回は買い物に付き合って荷物持ちをしてくれるって約束でしたし」

P「これからのために、幸子ちゃんのことを知れたわけだし……『どれも似合うから仕方ない』……じゃないかな」

幸子「……そんなに買いたいなら、いいです。好きにしてください」

P「うん。会計してくるよ」

このPすき

P「ただいま……あれ?」

幸子「遅いんですよ、まったく……ボクの手が冷たくなっちゃったじゃないですか」

P「あ……ごめん。ジュースなら、言ってくれれば」

幸子「はい、一本どうぞ」

P「うん? あぁ、ありがとう……」

幸子「どういたしまして。ほら、もっと感謝してくださいね」

P「ありがとう。大切にするよ」

幸子「ジュースなんですから飲まないでどうするんですか」

P「あ、それは……うん。言葉の綾で……」

幸子「ふぅ、やれやれ……プロデューサーさんは妙なところで抜けてますね」

P「そうかな……どうも、ね」

幸子「まぁ、別に……悪いとは思いませんけど」

幸子「……改めて見たらすごい量ですね」

P「夢中で買い物してたからね……でも、全部着こなせるのはすごいよ」

幸子「当然でしょう。ボクはカワイイですから!」

P「いろんな人に見てもらえるよう……ファッションモデルの仕事も探してくるよ。どんなジャンルでもいけそうだね」

幸子「ふふん、期待してあげましょう」

P「ありがとう……それじゃあ、どうしようか? 荷物も多いし、送ろうか」

幸子「……そういえばプロデューサーさん。ボクの服についていろいろ口出ししましたよね」

P「え? あぁ、うん……やっぱりどれも似合うし、いろんな服が見たかったのもあったから」

幸子「荷物、半分持たせてください。もう少し買い物にいきますよ」

P「いや、大丈夫だよ。これぐらいなら……」

幸子「いいですから! ほら、いきますよ」

P「あ、うん」

P「……えっと」

幸子「さて……つきましたね」

P「ここは……幸子ちゃんの服を買い足しに、ってわけじゃないよね」

幸子「えぇ。可哀想なプロデューサーさんにはボクが素敵な服を選んであげますよ!」

P「服……いや、仕事の時はスーツだし……問題ないと思うんだけれど」

幸子「あります。私服のひとつもなければどこかへ気軽に出かけることもできないでしょう?」

P「休日も、そんなに外に出たりしないから……」

幸子「じゃあ、普段は何をしてるんですか?」

P「本を読んだりとか、何かに使えそうな知識をあさったりとか……かな」

幸子「……寂しい人ですね」

P「……ごめん」

幸子「まぁ、とにかく。ボクが見てあげるって言ってるんですから黙って探せばいいんです!」

幸子「うーん、やっぱりこっちかな」

P「あの、幸子ちゃん……気持ちは嬉しいけど」

幸子「だまっててください。せっかく素材は悪くはないんですしオシャレをすればそこそこはいけそうなんですから」

P「でも、着る機会もあまりないし……」

幸子「あぁ、休みの日も寂しくひとりぼっちなんですもんね!」

P「そうそう。だからスーツで十分──」

幸子「それなら、今日みたいにボクがまた外に連れ出してあげましょう! ボクのエスコートができるなんて光栄なことですよ」

P「えっ?」

幸子「休みの日までスーツでいられたら気が休まりませんしね。うん、決まりです」

P「それは……」

幸子「まさか断ったりしませんよね?」

P「……わかった。選んでもらおうかな」

幸子「えぇ、それでいいんです」

幸子「うーん、さすがにこれは若すぎますね」

P「あはは……高校生のころみたいかな」

幸子「むぅ……でもベージュにするととたんにおじさんみたいになりますし……」

P「幸子ちゃんからみたらおじさんみたいなものじゃないかなぁ……」

幸子「いいえ、ボクの隣にたつからにはきちんとした格好をしてもらわないと困ります!」

P「だったらスーツでも……」

幸子「ダメです。ぜんぜんぜったいまるきりダメです!」

P「……そんなに?」

幸子「えぇ。だから今度はこっちを試着してください」

幸子は中の人の演技が、俺の中にあった幸子のイメージとかなり違っていて残念だった

声もイメージとな…

P「……なんだか落ち着かないな。どうしてもね」

幸子「いえいえ、なかなかですよ。これだったらいっしょに歩いてあげなくもないぐらいです」

P「ははは……ありがとう。じゃあ会計してくるから……」

幸子「……」ギュッ

P「あの、幸子ちゃん?」

幸子「プロデューサーさんはボクの服を選んで、買ってくれましたよね。それも全部」

P「それはこれからのためでもあるし、似合ってたから……」

幸子「そうですね。そしてその服はプロデューサーさんになかなか似合ってます」

P「あぁ、うん……ありがとう」

幸子「つまりそういうことですよ!」

P「……うん?」

幸子「ボクは自分の服は自分で買おうと思ってお金を持ってきました」

P「うん」

幸子「でもプロデューサーさんがボクの服を買ってくれました」

P「……うん」

幸子「お返しとして、プロデューサーさんの服はボクが買ってあげます!」

P「いや、それは社会人として……」

幸子「うるさいですね、口答えする気ですか? ボクが買うって言ってるんですからおとなしく喜んでればいいんです!」

P「……それでも」

幸子「これからのため、でもあるんでしょう? だったらまた出かけたときにでも何かお返ししてくだされば結構です」

P「………うん。じゃあ、ありがとう」

幸子「それから、お仕事もですよ? わかっていますよね」

P「それはもちろん」

幸子「ならいいんです。ちゃんとお金は持ってきてるんですからご心配なく!」

幸子「さて、今日のところはこれぐらいにしておきましょう」

P「あはは……ありがとう。大事にするよ」

幸子「服を着ないでどうするんですか。プロデューサーさんはどうしようもありませんね」

P「いや、それは……うん」

幸子「帰りますよ、ほら」

P「そうだね……送るよ」

幸子「えぇ、送られてあげましょう」

P「……」

幸子「……あ、そうだ」

P「……うん?」

幸子「次回はきちんとその服を着てくださいね? 期待しておいてあげますから」

P「あ、あはは……うん」

————

——


幸子「ということがあったんですよ」

法子「そうなんだー……ねぇ、ちょっと休憩してもいいんじゃないかな」

幸子「ダメです、まだメニューが終わってませんから。……まったく、変なところで抜けていると思いませんか?」

愛海「うーん、そうだね。だけど幸子ちゃんのことをよくおもってるのが伝わってくるよねー」

幸子「まぁ、ボクはカワイイですからね! 思いやってしまうのも当然でしょう……後ろを取ろうとしないでください」

愛海「くっ……なんてガードの硬さ……やるね!」

幸子「そう思うなら真面目にやってください!」

愛海「あたしはね、いつだって真面目なハンターさ!」

法子「あたしもハンターかな……あの、わっかの……」

幸子(この2人は……なんでこう……!)

幸子「ふぅ……休憩にしましょう」

法子「うーん、疲れたーっ! 栄養補給!」

愛海「つかれたー! 補給!」ムニュッ

法子「ひゃぁっ!? ……なんてね」

愛海「……こ、これはドーナツ!?」

法子「あたしもいつまでも揉まれてはいないってことだよ! さぁ、ドーナツを食べて落ち着こう?」

愛海「むむむ……おいしい……」

幸子「……何をやってるんですか、あなたたちは」

法子「コミュニケーションかな? はい、どうぞ」

幸子「あ、どうも……」

愛海「……うーん」

ドナキチ流石やでwwwwwwww

幸子「どうしたんですか?」

愛海「いやぁ。幸子ちゃんは、プロデューサーの人のことどう思ってるのかなって」

幸子「どうって……そうですね。まぁそこそこってところですね」

愛海「そこそこ?」

幸子「えぇ。変なところで抜けてますけど、仕事はしっかりしてるみたいですから悪くありませんよ」

愛海「そっかー。あっ、あたしのプロデューサーは女の人なんだけどね」

幸子「へぇ、そうなんですか?」

愛海「うん。ものすっごい強いの。あたしはプロデューサーのおっぱいを揉むのを最大の目標にしてるよ」

幸子「……がんばってくださいね」

愛海「うん、全力だよ!」

法子「プロデューサーのお話?」

幸子「えぇ。ボクのところのプロデューサーはちょっとダメなところもあるっていう話です」

法子「あたしのプロデューサーは甘いものダメなんだよ……どう思う!?」

幸子「え? いや、個人の好みなんじゃないでしょうか」

法子「だからね、今度はしょっぱいドーナツを自作しようと思ってるの! このままじゃ負けたみたいだよね!」

幸子「は、はぁ」

法子「……だけど、でも。お仕事は楽しいなぁ。今度ゲストでお菓子作りの番組にちょっとだけ出られるんだって」

幸子「へぇ、すごいじゃないですか。おめでとうございます」

法子「えへへ、ありがとう。でも……たぶん作るのはゼリーなんだよね……」

幸子「苦手とかですか?」

法子「ううん、お菓子は一応ひととおりできるんだけど……ゼリードーナツは流石にないかなって思うから……」

幸子「……あぁ、はい」

幸子(他のみんなも、お仕事は結構取れてるみたいだし……)

幸子(……ライブの時は、本当に前座どころかボクたちのファンの人も来てくれるんじゃないかな?)

幸子(まぁ、そんなに……たくさん、いないかもしれないけど、でも)

幸子(でも……ボクたちがみたくて来るファンの人がいたら、嬉しいな……)



P「幸子ちゃん、お疲れ様」

幸子「あぁ、お迎えご苦労様です」

P「うん。明日はモデルの仕事だけど……時間は大丈夫かな?」

幸子「えぇ。10時ですよね? わかってますよ」

P「それならいいんだ。いちおう、余裕は持たせてあるから急がなくても大丈夫だよ」

幸子「わかりました。それじゃあ、帰りましょうか」

P「うん……今日のレッスンはどうだった?」

幸子「今日ですか? 椎名さんと棟方さんがペアだったんですけれど2人とも集中力がなくてですね——」

——

幸子「おはようございます」

P「おはよう……あはは、早いね」

幸子「まぁ、ボクは常に余裕を持った行動を心がけていますからね!」

P「そっか。じゃあ一応予定の確認でもしておこうかな」

幸子「えぇ。確かティーン向けのファッションモデルでしたよね?」

P「うん。少し小柄な子向けのだから……若干子供っぽいって感じるかもしれない。それは、ごめん」

幸子「いえ、結構です。この前のでわかったでしょう? ボクにはどんな服だって似合ってしまいますからね!」

P「心強いなぁ……」

幸子「ふふん。感謝してくれてもいいですよ?」

P「ありがとう、幸子ちゃん」

幸子「えぇ、どういたしまして!」

P「……はい、お茶」

幸子「おや、気が利きますね。ありがとうございます」

P「うん。もう少ししたら出ようか」

幸子「わかりました」

P「……」

幸子「……」

P「……ん」

幸子「ふぅ……」

P「………」

幸子「……あ、そういえば」

P「なにかな?」

幸子「プロデューサーさんは他のプロデューサーの人とは仲良くしてたりするんですか?」

P「俺が? ……そうだな、お世話になった先輩とかはいるけど」

幸子「どんな人なんですか?」

P「えぇと……どうしてまた、そんなことを?」

幸子「なんとなくですかね……あぁ、昨日ふと自分のプロデューサーについての話をしたのもありますけれど」

P「そうなんだ……」

幸子「えぇ。椎名さんのところのプロデューサーは甘いものが苦手らしいですよ。あんなにドーナツ好きの人のプロデューサーなのに」

P「それは……大変そうだなぁ」

幸子「今度はしょっぱいのを作ってあげようと思っているらしいです。椎名さんはあれで相手のことを思いやるのが得意みたいですからね」

P「……いい子なんだね」

幸子「そうですね。ドーナツも、好きなものを共有することで仲良くなれると思ってるから、とか言ってた気がします」

P「そうか……えっと、俺が仲がいい相手だっけ」

幸子「えぇ。もう少し時間があるので、聞いてあげましょう」

P「あはは……そうだなぁ、幸子ちゃんは漫画とか読むかな」

幸子「漫画ですか? うーん、それなりってところですね」

P「じゃあ、北斗の拳って漫画は知ってる?」

幸子「すみません、知らないです」

P「あぁ、うん……えーっと、とにかく、すっごくムキムキで強そうな人が戦う漫画なんだけどね」

幸子「ふーん……」

P「その漫画のキャラにすっごく似てる先輩がいるんだ」

幸子「そっくりさんってことですか。へぇ、すごい偶然ですね」

P「うん。身長が2メートル超えてて……」

幸子「……!?」

P「それから、やっぱりムキムキなんだけどすごく気がよくてさ」

幸子「ま、待ってください。それって職業は……」

P「プロデューサー、だね」

幸子「……」

P「どうしたの?」

幸子「いえ……なんというか、すさまじいですね。それで担当してるアイドルの人は大丈夫なんですか?」

P「うーん……割と、うまくやってるらしいよ。最初はおびえられたりしたらしいけど」

幸子「ちなみに、誰なのか聞いてもいいですか?」

P「望月聖ちゃんだね」

幸子「……なんとなく、イメージがこう……森の中で肩にのせている感じになったんですけれど」

P「あはは……間違ってないかもしれないね」

P「おっと、そろそろ時間だ……いこうか」

幸子「そのようですね……ふふん、ボクのお仕事っぷりを見て驚いても知りませんからね?」

P「あぁ、楽しみにしてるよ」

幸子「えぇ、任せてください!」


————

——

幸子「……むぅ」

P「あの、幸子ちゃん」

幸子「いえ、別に怒ってるわけじゃありませんよ? ただ、思ってたより少しばかり子供っぽいなと感じただけですから」

P「……ごめん」

幸子「まぁ、着こなしてみせますけれど! これじゃあまるで小学生じゃないですか」

P「だけど、可愛いし似合ってるよ」

幸子「当然です。ボクはカワイイですし、系統は違うとはいえカワイイというイメージを与える服が似合わないはずがありません」

P「流石だね……」

幸子「えぇ。だけどこれもステップですし、納得してあげましょう! カメラマンの人も満足させてきてあげますよ!」

P「あぁ、いってらっしゃい」

カメラマン「うーん、いいね。少し柔らかい笑顔でお願いできますか?」

幸子「えぇ、こうですか?」

カメラマン「おっ、いい感じ! いいね、可愛いね! よく似合ってるよ」

幸子「ふふん、それほどでもありすけれど」

カメラマン「じゃあ、そうだな……ポーズをお願いできるかな? 帽子をおさえる感じで」

幸子「こうですか?」

カメラマン「いや、もう少し……」

幸子「……こう?」

カメラマン「そうじゃなくてさ、こうやって……」

幸子「あ、あの。少し近いんですけれど」

P「……幸子ちゃん、こんな感じじゃないかな?」クネッ

幸子「ちょっ、プロデューサーさんがポーズとってどうするんですか!」

P「あ、ごめん……」

カメラマン「……いや、いいね。君なかなかのセンスだ。幸子ちゃんもこんな感じで」

幸子「は、はぁ……わかりました」

P「……」


幸子(プロデューサーさん、顔が赤くなってるような)

幸子(……流石にボディータッチはないと思うけど。少し近くて嫌だったのを察してくれたのかな)

幸子(それならそれで別の方法もあるだろうに、なにをやってるんだか……バカみたい)

カメラマン「お疲れ様、あがりでいいよ」

幸子「えぇ、ありがとうございました!」


P「幸子ちゃん、お疲れ様」

幸子「ふふん、まぁまぁの手ごたえでしたね」

P「うん、よかった……あの、途中のことなんだけど」

幸子「途中? なんのことですか」

P「あぁ、いや。わからないならいいんだ……幸子ちゃんが不快だったりしないかなって心配だっただけで」

幸子「あぁ、ボクがカワイイからっておさわりは困りますね」

P「……ごめんね」

幸子「いえ。きっと、そういう人なんでしょうから仕方ないんでしょう。ボクはカワイイですしね」

P「……」

幸子「それよりも、プロデューサーさんの珍妙なポーズのほうが面白かったですけどね!」

P「あ、あれはその」

幸子「さ、帰りましょう!」

P「あぁ、うん……」

おつ

このPはスカイダイビングとかさせそうにないな

>>159
むしろ糞真面目に考えた結果、空から降臨する方法としてスカイダイビングを提案しそう

————

——

トレーナー「全体通してのレベルもだいぶ高まってきましたね……いい感じですよ!」

トレーナー「プログラムの話ですが、ソロパートはナターリアちゃんの予定です」

ナターリア「オー! ナターリア、がんばル!」

幸子(む……ソロ……いいなぁ……)

幸子(……ボクも、やりたかったなぁ。でもナターリアさんのダンスが一番うまいし……しかたないのかな……)

幸子(いいな……くやしいな……)

トレーナー「えぇ、がんばってくださいね! あぁ、それから幸子ちゃん」

幸子「……なんですか?」

トレーナー「ソロはナターリアちゃんですけど、全体でのセンターは幸子ちゃんですよ!」

幸子「あぁ、なるほど。そういうことですか」


幸子「……えっ?」

トレーナー「え?」

幸子「……センター?」

トレーナー「最近、幸子ちゃんは周りの子を生かすダンスができてきていますしね。嫌なら、やっぱりナターリアさんに」

幸子「いえ! やります! やりたいです!」

トレーナー「そうですか、よかった……そうなるとこのメンバーの実質的なリーダーになるわけですが」

幸子「あ……」

ナターリア「オー! サチコ、リーダー! スゴイ!」ギュッ

幸子「きゃっ!?」

乃々「あ、応援はしてますけど……あたしには無理なので……でもあの、あまり無理なことはさせないでほしいですけど……」

幸子「え、えぇ……あの、それよりナターリアさん、苦しいです……」

愛海「そりゃ大変だ! あたしに任せて!」

幸子「棟方さんはそれ以上近づかないでください!」

愛海「なんで!? 2人とも平等に愛せるよ!?」

幸子「それが問題なんですよ!」

光「幸子がレッドか……待てよ、9人のパターンか……9人、9人といえば……」

法子「えへへ、めでたいねー♪

トレーナー「……ふふっ。大丈夫そうですね」

幸子「……えっと、ボクがセンターになったからにはきっちり決められるように練習しますよ!」

小梅「ま、前の方は、苦手、かも……」

輝子「わ、私も、むりかも、いや、むりです……はい……」

幸子「ダンスの全体としてのフリを考えると結構大きなアピールが必要ですから、星さんは最初からあっちできてもらうとして……」

輝子「フヒッ!?」

幸子「白坂さんは歌がうまいんですし、そこらへんはどうにかなりませんか? トレーナーさん」

トレーナー「そうですね、そうなるとアピールが難しくなるので……トリオぐらいのパートなら挟めなくはないですけれど」

幸子「ふむ……なら森久保さんと神崎さんがいっしょに歌ったらバランスが取れるんじゃないですか?」

トレーナー「……面白い意見ですね、なるほど」

乃々「えぇぇ……いきなりすぎますけど……」

幸子「……もちろんボクがセンターですけど、もともとバラバラだったのにユニットになったんです。それぞれ活動があって、ファンがいますから。見れないなんて悲しいじゃないですか」

トレーナー「……やっぱり、若い子の成長って早いんですねぇ」

幸子「な、なんですか」

トレーナー「いいえ。それじゃあ、今日のレッスンはここまでにしておきましょう! 幸子ちゃんはまた別の機会で話をしましょうね」

幸子「えぇ、わかりました」

P「……センターに?」

幸子「えぇ。まったく、ボクはカワイイだけじゃなくて罪なオンナってことですね」

P「すごいよ……すごいじゃないか! あぁ、よかった! おめでとう……!」

幸子「ふふん、まぁボクにとっては当然のことですから」

P「だけど、すごいよ。本当に……あぁ、よかった」

幸子「おおげさですね、まったく……ボクがセンターになるからには大成功間違いなしですけどね!」

P「そうだね、応援してる……だけど、負担も大きいと思う。それは気を付けてね」

幸子「わかってます。ボクは体調管理だって完璧ですからご心配なく!」

P「あはは……心強いな」

幸子「そうでしょう、当然です! ふふん」

P「……お仕事も、きちんととってくるよ」

幸子「えぇ、期待してますよ?」

————

——


幸子「……うーん」

P「大丈夫……?」

幸子「あぁ、いえ。平気です……ただ、ライブが近づいて来る中でいろいろ決めたり、ポジショニングを考えたりって大変だなって思っただけで」

P「練習の方がうまくいってない……とか、ないかな」

幸子「いえ、順調ですよ? 最近は神崎さんの言ってることも少しずつわかるようになってきましたしね」

P「それは……すごいね」

幸子「えぇ。まぁ……たまに本人が一生懸命意思疎通させようとしているのを見ると、こちらも頑張ろうって気になりますから」

P「……楽しみだなぁ」

幸子「ふふん、せいぜい期待していてください! さぁ、今日のお仕事はなんですか?」

P「えぇと、ラジオのゲストだね。結構リスナーも多いみたいだしファンの拡大になるかなって……」

幸子「なるほど、じゃあいきましょう!」





幸子「……ふぅ、お疲れ様でした」

P「お疲れ様。大丈夫?」

幸子「えぇ……やっぱり、話しやすいですね。人気の秘訣ってそこにもある気がします」

P「……幸子ちゃんは、まじめだなぁ」

幸子「まぁ、キチンとボクの魅力をわかってもらうためには相手のことを考えないといけないかもって思いまして。悪いですか?」

P「ううん、素敵だよ」

幸子「そうでしょう、知っていますとも! なんといってもボクはカワイイですからね!」

P「……うん。応援してるから」

幸子「えぇ、ライブのその時までファンの人は増え続けますよ? 覚悟はいいですよね?」

P「あはは……もちろん。幸子ちゃんのためならなんだってしてみせるさ」

幸子「ふふん、いい心がけです」

————

——

蘭子「これぞ我が真なる姿よ!」

法子「衣装……あぁ、本番が近いんだなって気がするね」

輝子「フ、フフ、いい……すごい、いい……」

小梅「……えへへ、が、がんばれそう」

乃々「これ……うぅ……派手すぎますけど……」

光「でもかっこいいよな!」

愛海「えー、もう少しこう……セクシーでもよかったと思うんだけどなー。ナターリアちゃんとか」

ナターリア「バッチシでキメちゃうゾー!」

幸子「……よしっ、練習再開しましょう! 衣装に着られてちゃいけませんからね!」

蘭子「あぁ、今こそ創世の時!」

幸子「いや、衣装は脱いでおきましょうよ」

蘭子「……うん」シュン

幸子(練習の出来は……うん、いい感じ)

幸子(これだったら……きっと、本番だってうまくいくはず……)

幸子(……もう、目の前かぁ。大丈夫、かな……でも、ボクがリーダーなんだから、しっかりしないと……!)


P「幸子ちゃん?」

幸子「あ、はい? なんでしょう」

P「いや、少しぼーっとしていたみたいだから……大丈夫?」

幸子「いえ、なんともありませんからご心配なく!」

P「でも、ほら……練習も最後の仕上げだからってハードみたいだしね。疲れてるんじゃ……・」

幸子「何言ってるんですか! こんな程度で疲れてたらトップアイドルになんてなれませんよ!」

P「……うん。無理はしちゃだめだよ」

幸子「……もちろん、わかってます。大丈夫ですよ」

———

幸子「もういっかい最初からお願いします!」

トレーナー「幸子ちゃん、自主トレーニングはいいけど……流石に頑張りすぎなんじゃないかな……?」

幸子「でも、ボクは……ダンスはナターリアさんよりうまくありませんし、白坂さんみたいに綺麗に歌えませんから」

トレーナー「でも、みんなは幸子ちゃんのことすごいって思ってますし、私だって」

幸子「だけど! ボクはリーダーなんです。リーダーなんだから、ボクが一番カワイイって言ってもらえなきゃダメなんです!」

トレーナー「……」

幸子「それで、ちゃんと……ちゃんと、みんなが全力を出せなきゃ、ダメなんです……ボクが、みんなに負けてたら、みっともないじゃないですか……」

トレーナー「……幸子ちゃん、あなたは」

幸子「大丈夫です、お願いします!」

トレーナー「………わかりました。でも、ゆっくりやりましょう? 立ち位置はここだから、まず法子ちゃんが——」



P「……」

トレーナー「今日はここまでにしましょう。これ以上やっても体調を崩すだけですよ」

幸子「……まだ、大丈夫ですよ。何言ってるんですか」

トレーナー「いいえ、ダメです……それに、ほら。お迎えが来ていますよ」

幸子「え? ……あ」

P「……やぁ」

幸子「……プロデューサーさん。いつから覗いてたんですか? 悪趣味ですね」

P「……ごめん」

幸子「だいたい、今日はボクはオフですし、ただの自主練ですよ? プライベートに干渉するのはセクハラみたいなものです!」

P「……」

幸子「まぁ、カワイイボクの動向が気になるのもしかたありませんけれど。特別に許してあげなくも——」

  ポフッ

幸子「……なんですか?」

P「……げんこつ、かな」

  ポフッ

幸子「……なんですか?」

P「……はらぱん、かな」

幸子「……げんこつですって? なにか文句でもあるんですか?」

P「……」

幸子「別に悪いことはしていないでしょう? お仕事もちゃんとして、学校にもいって、それで」

P「それで、身体を壊したらどうするんだ」

幸子「壊しません」

P「……」

幸子「大丈夫です。これぐらい」

P「……ダメだ」

幸子「なんでですか!」

P「………自己管理も、完璧にできるんじゃなかったのかな」

幸子「できてます! お仕事だって完璧です!」

P「でも、今の幸子ちゃんは……楽しくなさそうだ」

幸子「……」

幸子は頑張りやさんだなぁ

優しいはらぱん…だと

P「……おせっかいかもしれないし、余計なお世話かもしれない。だけど、今の幸子ちゃんは、ほうっておけない」

幸子「……何がわかるんですか」

P「……」

幸子「ボクはリーダーなんですよ! ちゃんとやれるように指示もしなきゃいけないし、言うからにはそれもできないといけないんです!」

P「……」

幸子「口だけのリーダーなんて、それじゃあ、他の人たちがついてこなくて、失敗して、それで」

P「……幸子ちゃん」

幸子「なんですか!」

P「……そんなに、怖がらなくてもいいと思うんだ」

幸子「怖い? 何を言ってるんですかあなたは」

P「幸子ちゃんは、すごい子だよ。努力家だし、可愛い……でも、意地っ張りだ」

幸子「……別に、ボクがカワイイのは生まれつきですよ」

P「……リーダーだから他の人よりできなきゃいけないって思うのは、すごい心がけだと思う」

幸子「だって、当然のことじゃないですか。ほかの人よりできて、他の人のお手本になれるのがリーダーってことでしょう?」

P「そういう、実力主義のチームもあると思う。だけど……俺は、幸子ちゃんが楽しそうに聞かせてくれてたメンバーはそういう仲じゃないと思ったんだ」

幸子「……勝手な想像じゃないですか」

P「うん、そうだね……勝手だよ。でも……他の人の悪いところと、いいところをきちんとみられるのに自分の悪いところをみられるのはダメっていうのは、厳しすぎないかな」

幸子「別に、そんなことありません。普通です」

P「普通じゃないよ」

幸子「普通です!」

P「……」

幸子「おせっかいなんですよ! なんなんですか! ほうっておいてください!」

青春だなぁ…いい雰囲気だ

P「……おせっかいで、余計なお世話でも。それでも幸子ちゃんのことが心配なんだ」

幸子「平気だって言ってるじゃないですか! 何様のつもりなんですか?」

P「プロデューサーだよ……それで、誰よりも幸子ちゃんのファンだ」

幸子「だったら、黙ってついてきてればいいんです! ボクがオフに何をしていても関係ないでしょう!」

P「ある!」

幸子「……!」ビクッ

P「あ……うん。ある、よ。だってこのまま練習を続けても、きっと……いや、そうじゃなくて」

幸子「……なんなんですか、もう」

P「……幸子ちゃんは、可愛いから。それで、可愛く見せる方法も知ってるから。このままだと、無理をしすぎちゃうと、思うんだ」

幸子「……だから、無理なんてしてません」

P「……」

幸子「……」

P「……俺は、ね。弱音を吐いたり、愚痴を言ったりできる相手って、必要だと思うんだ」

幸子「……なんですか? 急に」

P「少し……うん、少しだけ、独り言」

P「なんでもできるって思ってるだけだったら、笑われるだけですむかもしれない」

P「でも、だけど……その、なんでもできるっていうのを、実現させようとすると、人ってどうしてもガタがきちゃうんだ」

幸子「……」

P「完璧な人なんて、いないと思う。ダメなところがあって、いいところがあるのが普通なんだ」

P「……俺みたいに、ダメなところのほうが多い人もいる。でも、幸子ちゃんみたいにいいところがいっぱいある子もいる」

P「でも、いっぱいいいところがあっても。完璧にはなれないと思う。それで、できないことは諦めるのが普通なんだ」

幸子「……どうしてですか?」

P「あぁ、無理なんだなって……思っちゃうんだろうね。人間って、弱いから……」

幸子「……それはプロデューサーさんだけの話じゃないんですか?」

P「……あはは。そうかもね」

幸子「……」

P「うん……完璧って、難しいよ。全部のことを1人でできて、他の人に負けないなんて俺には絶対にできない」

幸子「……」

P「でも……得意なこととか、好きなことは。負けたくないって思う気持ちもわかるんだ」

P「……負けても笑ってられるなんてズルい大人だと思う。幸子ちゃんは、真面目だからそうはいかないだろうけど」

P「えぇと……だから、負けたくないのはわかるけど、できないことはあって、それで……」

P「いや、違う。諦めろっていうことじゃなくて、そういうのを補えたり、支えあったりできると、いいな、とか、えーっと……」

幸子「……ふぅ」

P「あ、いや、その」

幸子「まったく。何が言いたいのか全然わかりませんね」

P「……ごめん」

幸子「でも。まぁ……心配してくれているのだけはわかりました。ありがとうございます」

P「あ、うん……こちらこそ、ありがとう」

幸子「はい?」

幸子「何のお礼ですか?」

P「えっと……」

幸子「……」

P「……」

幸子「……」

P「あぁ、その」

幸子「ふふっ……本当、プロデューサーさんはダメですね! ボクのあまりのカワイさに言葉を失っちゃいましたか?」

P「え? う、うん」

幸子「やれやれ。ボクったらなんて罪深いんでしょう! 今日のところはここらへんで勘弁してあげましょう!」

P「……それって」

幸子「今日は、帰ります。苦手なステップの復習は……今度、ナターリアさんに聞くことにしましたから」

P「あ、うん! そうか、相談……いいと、思うよ。すごく」

幸子「プロデューサーさんの顔を見ていたらだんだん気力が抜けてきてしまったみたいですしね」

P「ご、ごめん」

幸子「……冗談ですよ、ほら。帰りますから、送ってください」

これはいいプロデューサー

————

——

ナターリア「キューケー! ンー♪」

幸子「……あの、ナターリアさん」

ナターリア「アレ、サチコ? どうしたノ?」

幸子「いえ。その……レッスンのことなんですけれど」

ナターリア「レッスン? ンー……ナターリア、どこカシッパイしてタ?」

幸子「いえ、すごかったです。そうじゃなくて……その。ボク、ここの入れ替わるパートが苦手なんですけど……」

ナターリア「オー……」

幸子「……いつも、ナターリアさんは綺麗に決めるじゃないですか。コツとか、あるんですか?」

ナターリア「サチコ……」

幸子「……なん、ですか?」

ナターリア「……ナターリアがたよりにされルって、スゴイ! エヘヘ、マカセロ!」

幸子「え、いや。説明してくれればそれで」

ナターリア「マァマァ、オダイカンサマ〜♪」

ナターリア「ココで、ビューン! ダーン!」

幸子「びゅ、びゅーん? だーん?」

ナターリア「サチコ、ムズカシイ顔ばっかりしてタから、シンパイだったケド。ソウカ! ダンスならナターリアはバッチシ!」

幸子「……リーダーだから、きちんとできないとダメだと思わないんですか?」

ナターリア「ンー? サチコ、スゴイと思うナ。ウタも、ダンスも、バッチシ。でもナターリアはダンスではイチバン〜♪」

幸子「ボク、ナターリアさんより失敗してるのに、ナターリアさんにはよく注意してましたよね。それは嫌じゃなかったですか?」

ナターリア「アドバイス! サチコのはわかりやすいカラ、うれしいダヨ?」

幸子「……そうなんですか」

ナターリア「ソウソウ! ダカラ、コンドはナターリアがコーチ! ビシビシいくカラネ!」

幸子「えぇ、お願いします!」


小梅「わ……2人とも、すごい……」

乃々「……ダンスは苦手なんですけど。見てるだけなら、ずっとでも」

幸子「あ、そっちの2人にはあとでボーカルのことで聞きたいことがあるので教えてください!」

小梅「え、えっ……」

乃々「む、むぅーりぃー……」

幸子(……聞いたら、キチンと答えてくれた)

幸子(でも、代わりに苦手なところのアドバイスをしてあげて……)

幸子(ユニット、かぁ……仲間って、そういうものなのかな)


ナターリア「サチコ? ダイジョブ?」

幸子「あ、いえ。大丈夫です! 本番も近いですし気合い入れていきましょう!」

ナターリア「オー!」

蘭子「ククク、魂が猛るわ!」

光「あぁ、燃えるな!」

輝子「レッツゴートゥーヘェェェェルッ!」

小梅「地獄……悪夢とか……見れるかな……?」

幸子「ちょ、ちょっと! 話がそれてますよ! もうっ!」


P「……お疲れ様」

幸子「おや、プロデューサーさん。お迎えですか」

P「うん。その……どうだった?」

幸子「なにがですか?」

P「……あー、その」

幸子「……アドバイスのことなら、すごくよくしてくれましたよ」

P「そうか……そうか、よかった。よかったなぁ」

幸子「代わりにボクもいくらかアドバイスしてあげたりもしました。やっぱりナターリアさんはテンションが上がりすぎるとフリを忘れがちになるらしいですしね」

P「でも、楽しそうでいいじゃないか」

幸子「……そうですね」

P「うん。じゃあ、帰ろうか」

幸子「ええ」

————

——



トレーナー「はーい! 今日は、ここまで! 明日のためにゆっくり休んでください! 解散!」

幸子(…………もう、本番は明日なんだ。本当に大丈夫かな)

愛海「さーちーこーちゃーんっ!」ムニュッ

幸子「ひゃわぁっ!?」

愛海「んー♪ いいリアクションだね!」

幸子「な、な、なんですか!」

愛海「リーダーが怖い顔してたら、メンバーも不安になっちゃうぞ☆」

幸子「……そんな顔してましたか?」

愛海「うん、してたよ? だから緊張をほぐしてあげようと思ったんだよねー……うひひ……」

幸子「その、心配してくれるのはありがたいんですが、やめっ……」

愛海「大丈夫、これぐらいのほうが将来性もあるよね」

幸子「棟方さんはボクより小さいでしょう! って、そうじゃなくて、もうっ!」

この幸子は逆にPが病気とか過労で倒れたら大泣きしてしまいそう

幸子「まったく、もう。棟方さんは……」

P「あれは一応、あの子なりに緊張をほぐそうとしてたんじゃないかな……?」

幸子「あの後全員にとびかかってお説教食らってたのにですか?」

P「………」

幸子「セクハラは同性でも勘弁してほしいですよ……」

P「……そう、だよね」

幸子「……まぁ、たぶんプロデューサーさんの言ってることも間違ってないとは思いますけど」

P「そうかな?」

幸子「えぇ。メインはどう考えても自分が楽しむ方ですけどね」

P「は、はは……」

幸子「……明日、本番ですね」

P「……そうだね」

幸子「……」

P「……大丈夫だよ」

幸子「なんでそんなことが言えるんですか?」

P「すごく、楽しそうだから。緊張はしてるって思うけど……でも。大丈夫かなって」

幸子「そうなんでしょうか」

P「うん。他のみんなもきっとそうかなって」

幸子「……ねぇ、プロデューサーさん」

P「どうした?」

幸子「ボクはカワイイですか?」

P「あぁ、すごく可愛いよ」

幸子「……うん。知ってます」

P「そうだね。幸子ちゃんらしいと思う」

幸子「なんとなく、大丈夫な気がしてきました」

P「そう、よかった」

幸子「明日、きちんと見ていてくださいね? メインの人たちよりもずっとずっと盛り上げちゃいますから!」

P「うん、期待してる……頑張れ!」

幸子「はい! それじゃあ、また明日!」

P「また明日。時間は——」

幸子「わかってますって、大丈夫です!」

P「そっか。じゃあ、おやすみ」

幸子「えぇ、おやすみなさい」


————

——






幸子「それが、プロデューサーさんと交わした最後の言葉でした」




.

おい

おいおい…

   ワアアァァァァァァァァ……


乃々「す、すごい人なんですけど……」

小梅「だ、だいじょうぶかな……」

幸子「平気ですよ、大丈夫に決まってるじゃないですか!」

光「……あっ、そういえばアタシ9人分の名乗り文句考えてきたんだけどさ」

蘭子「真名を語りて世に轟かせん!」

法子「はじけるドーナツの香り! ……ドーナツははじけないよ!」

輝子「フ……フフ……デストロォーイッ!!」

愛海「大変だ、落ち着いて輝子ちゃん! 心臓マッサージ!」

ナターリア「ワカッタ!」

幸子「えぇい! そっちはそっちで何やってるんですか! 本番ですよ!!」

幸子(……人がいっぱいいる。ファンの人たちが、ボクたちを見てる)

幸子(全然興味ないって人もいるかもしれないけど、でも。見てくれてる……)

幸子(ボクたちのこと、知らない可哀想な人たちには。きちんと教えてあげなきゃ)


幸子「さぁ、カワイイボクたちは無敵ですよ!」

幸子「ライブ、スタートです!」
 

     ワアアアアアアァァァァァァァァ!



————

——

P「お疲れ様、幸子ちゃん」

幸子「あ、プロデューサーさん。ふふん、どうでしたか?」

P「最高だったよ。本当に……本当に、すごくよかった……」

幸子「そうでしょう、当然ですけどね!」

P「この後は打ち上げだけど……どうする?」

幸子「全員参加すると思います。メインの人たちにも挨拶してあげないといけませんしね!」

P「あはは、会場が温まってたからすごく盛り上がったって言ってたよ」

幸子「当然です。このカワイイボクがリーダーで、他の人たちもすごいんですからね!」

P「……うん、よかった。本当に……」

幸子「ちょ、ちょっと! なんで泣いてるんですか!」

P「いや……ごめん、なんだか……」

幸子「はぁ、まったく……プロデューサーさんはダメダメですね! ボクみたいにしっかりしたアイドルの担当じゃなかったらどうなってたやら」

P「きっと、いろいろ困ってたかな……ありがとう、幸子ちゃん……」

幸子「いえいえ、どういたしまして! ボクのやさしさとカワイさに感謝してくださいね!」

ナターリア「オー、サチコ! イッショにイコ?」

幸子「あぁ、わかりました! それじゃあプロデューサーさん。またあとで」

P「うん、いってらっしゃい。こっちも終わったら合流……迎えには間に合うと思うから」

幸子「ボクを待たせるなんてこと、しないでくださいね?」

P「うん、がんばるよ」



幸子「さ、いきましょ……なんですか?」

ナターリア「ンー? ソッカ、サチコもなんダ」

幸子「……ボクも?」

ナターリア「ナターリア、ナターリアのプロデューサーのコト、スキ。ヘンカナって思っタケド……おそろいナラ、フツウカナ?」

幸子「ボクが、プロデューサーさんのことを好きですって?」

ナターリア「チガウ?」

幸子「そんなわけないじゃ……いや、でも……」

ナターリア「?」

幸子「そ、そうだ! そもそもナターリアさんが、ナターリアさんのプロデューサーのことを好きっていうのは寿司をくれるからじゃないんですか?」

ナターリア「ンー。ソレもあるケド……チガウノ。ナターリア、ムネ、ぽかぽかってシテ……シアワセ?」

幸子「う……」

ナターリア「ダカラ、スキカモ! エヘヘ、サチコはチガウ?」

幸子「ボクのプロデューサーさんは、別にかっこよくもないですし。ボクが見てないとダメだし、変なところで抜けてるし……」

ナターリア「ウンウン」

幸子「でもまぁ、少しは気が利きますし、ボクのことをきちんと見てますし、おせっかいだけど……」

ナターリア「エヘヘ、やっぱりオソロイ?」

幸子「だ、だから違うって……」

蘭子「神々の黄昏……(どうしたんですか?)」

ナターリア「ア、ランコ! サチコもイッショってオハナシ!」

幸子「あぁもうっ、違います! 違いますってば!」

幸子(ボクが、プロデューサーさんのことを……なんて、そんなの)


幸子(そんなの………あるわけ……)



光「どうしたんだ、幸子?」

幸子「あ、いえ。今日のライブのことを考えてただけですよ」

光「そっか! いやー、大成功だったな!」

幸子「えぇ、本当に……みんなでやるっていうのも、悪くないんですね」

光「いくつも、いろんな人が助け合って。それでアタシたちも頑張れる……いいよな、絆って感じでさ!」

幸子「えぇ。楽しかったです」

光「……幸子も素直になったな。偉いぞ!」

幸子「なんで上から目線なんですか、まったく」

光「みんなアタシのことを異常に子ども扱いするからじゃないか! 同い年なんだぞ!」

幸子「そういうところが少し子供っぽいんだと思いますけど」

光「う……むぅ、まだ、まだ伸びるんだ! 成長期なんだ!」





P「あ、幸子ちゃん」

幸子「おや、プロデューサーさん。早かったですね」

P「うん、なんとかね。それと、責任者の人からまたぜひって……あのメンバーの子たちも、いっしょに」

幸子「また、ですか?」

P「うん。ソロのお仕事ももらえたよ」

幸子「ふふーん、なるほど。なかなかやりますね」

P「あはは、ありがとう」

幸子「……ねぇ、プロデューサーさん」

P「うん、なにかな?」

幸子「ボクと出会えたのはプロデューサーさんの一生分の幸運ですよ! 感謝してくださいね?」

P「それはもう、いつだってしてるよ。ありがとう」

幸子「えぇ! それじゃあ、きちんと送り届けるのもお仕事です。さぁ、ボクのために働いてください!」

P「はい、よろこんで」

————

——

幸子「遊園地でのイベント、ですか?」

P「うん。すごいんだ! 結構大きいんだけれど、そこにメインとして参加できるってことになって……」

幸子「へぇ、やるじゃないですか! 褒めてあげましょう!」

P「ありがとう……それじゃあ、参加で大丈夫だね?」

幸子「えぇ。ふふん、遊園地ですか……たまにはいいですね」

P「それから、はい」

幸子「……なんですか、これ?」

P「運営側から、下見を兼ねてぜひ施設で楽しんでほしいって。優待券とフリーパスだよ」

幸子「へぇ……」

P「オフにでも、よければ友達といってみたりするのもいいんじゃないかな? あちらもそういってたし……」

幸子「ふふん、なるほど。ありがとうございます」

プロデューサーの薄幸オーラのせいで物凄い不安になる

幸子(……そういったのはいいんだけれど)

幸子「学校の友達を誘おうにもボクのオフに合わせるのは難しいし……」

幸子「他のみんなも忙しくなってきてるみたいだし」



幸子「……1人は嫌だな。どうしよう」

幸子「…………」

幸子「……あ」


幸子「そっか、それなら——」

俺と行けばいいのか

>>203
PがNTRされるのか……

>>206
なんか失踪か病気で退職するようなオーラが滲みでてるじゃん?

水も滴ってしまうのか…?

P「あれ、どうしたんだ?」

幸子「プロデューサーさん、次のボクのオフですけれど」

P「あぁ、うん。次は来週の——」

幸子「どうせ、暇でしょう?」

P「え?」

幸子「このフリーパスや招待してくださった人の好意を無碍にするのはよくありませんし、遊園地についてくるのを許してあげてもいいですよ?」

P「……俺が?」

幸子「えぇ。まさかいやなんて言いませんよね?」

P「いや、でも……友達や、他の子は」

幸子「全員忙しいらしいですから。1人で行くなんてありえませんし」

P「だったら、別の日でも……」

幸子「イベントも近いんでしょう? だったら下見はしないといけませんよね」

P「……わかった。幸子ちゃんがいいのなら」

幸子「ふふん、最初からそういっていればよかったんです!」

—— 後日


幸子「……うん、時間もちゃんと……ってあれ?」

P「あ、幸子ちゃん。おはよう」

幸子「へぇ……今日は早いんですね。感心ですよ」

P「あはは、一応ね」

幸子「服も……ボクが選んであげたやつじゃないですか。ふふん、感心です!」

P「うん。幸子ちゃんも……この前に選んだやつかな?」

幸子「そうですね。やっぱりボクにはなんでも似合っちゃいますからね」

P「うん。よく似合ってるよ」

幸子「そうでしょう、当然です! さ、いきますよ」

P「あぁ、わかった」

幸子「さて、どれにしましょうか? プロデューサーさんはどれに乗りたいですか?」

P「え? 俺は……そうだな……」

幸子(結構広いし、回るところは考えたほうがいいかな……うーん、このスプラッシュフォールっていうのも気になるけど)

P「……」

幸子(こっちのマウスピーターっていうのも楽しそうかな……いや、でもちょっと子供っぽいかも。それじゃあ——)

P「幸子ちゃんは、乗りたいものとかあるのかな?」

幸子「ボクですか? いろいろありますけど、どれも気になるので少し考えてるんです。だからどこか行きたいところがあるならそれに乗りながらでも構いませんよ?」

P「それなら……あれとか、どうかな?」

幸子「む……スプラッシュフォールですか?」

P「嫌かな? その、いまいちよくわかってなくて」

幸子「いえ、悪くないセンスです。じゃあいきましょう!」

P「うん。今日は人も多くないみたいだしそんなに並ばなくてもよさそうだ」

P「よ、よし。それじゃあいこうか」

幸子「……?」

P「どうしたんだ? 幸子ちゃん」

幸子「いえ。なんだかちょっと声が震えてませんか?」

P「そう、かな。いや、楽しみで、あはは……」

幸子「ふぅん……じゃあ、いきますよ!」

P「あぁ、うん。今——あっ」

幸子「なんですか? ほら、前の人たちはもう乗っちゃったみたいだしもう1周待つのは面倒ですよ! ほらほら早く!」

P「わ、わかった。乗ろう!」

幸子「まったく、ほら。ちゃんと乗ってください!」

P「う、うん……はぁ……」

幸子「さてと、すぐに発進……って、プロデューサーさん?」

P「さ、幸子ちゃん。これ、はい……」

幸子「なんですこのシートとレインコートは?」

P「み、水がかかるって言ったから……いちおう、さっきそこで売ってて」

幸子「なるほど、なかなか気が利きますね。まぁ、それじゃあ一応つけて……」

   ウィーン  ガシン

幸子「さ、いきますよ! ……って」

P「う、うん。の、のぼるんだね」

幸子「……プロデューサーさんの分のはどうしたんですか?」

P「その、表に出てたのが1セットだったから、お金はおいてきたんだけど、幸子ちゃんは濡れないほうがいいかなって」

幸子「それで、自分は——」

P「だ、だいじょっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

幸子「わっ、きゃああぁぁぁぁぁぁ!」

P「す、すご、かった、ね……は、は……」

幸子「……」

P「幸子ちゃん?」

幸子「なんで自分の分を買ってきてないんですか。プロデューサーさん、グショグショじゃないですか!」

P「ご、ごめん……ちょっと、頭、まわってなくて……」

幸子「というかですね、自分から誘っておいて……情けないですね。ふらふらしてるじゃないですか、まったく」

P「あ、あんまり乗ったことがなかったんだ……でも、その……うん、気になったから、つい」

幸子「つい、じゃないですよ!」

P「ごめん……」

幸子「……プロデューサーさんだけ濡れてるのもかっこ悪いです。何やってるんですか」

P「幸子ちゃんが濡れたらいけないと、思って」

幸子「ふぅん……プロデューサーさん、もう1回乗りますよ」

P「え、でも」

幸子「いいから、ほら!」

P「う、うわあぁぁぁぁぁぁああああ!」

幸子「あははははは!!」


   ザバーンッ!


幸子「ふ、ふふふ……」

P「幸子ちゃん……その……」

幸子「これで、おそろいです。2人ともびしょびしょになっちゃいましたね」

P「……そうだね」

幸子「なんですか? ボクとおそろいなんて光栄なことなんですよ?」

P「ご、ごめん……ちょっとクラクラする……」

幸子「……はぁ、まったく。もう少しゆったりした乗り物にしましょうか」

P「うん……」

ttp://i.imgur.com/9ZZYnHg.jpg
ttp://i.imgur.com/XHBKS1n.jpg
ttp://i.imgur.com/5gsGz0M.jpg

幸子「ハ……クシュン!」

P「だ、大丈夫?」

幸子「あぁ、平気ですよ? それよりプロデューサーさんこそもう大丈夫なんですか?」

P「うん、俺は一応……それより、濡れたままで大丈夫なの?」

幸子「今日はあたたかいですし、平気です。それに……」

P「それに?」

幸子「水も滴るボク。セクシーじゃないですか?」

P「セクシーか……あはは、そうだね。すごくセクシーだ」

幸子「ふふん、そうでしょう! 当然です。ボクを誰だと思ってるんですか」

幸子がPを攻略していくssか…いいよな

P「……でも、いいね。ここは小さな子が遊ぶところも充実してて」

幸子「あれ? プロデューサーさんは下見もしてなかったんですか?」

P「資料はもらってたけど……実際には見てなかったかな。少し忙しくって」

幸子「まったく、仕方ない人なんですから……あれ? 忙しいって、ボクのことですか?」

P「あ……」

幸子「へぇ、ひょっとして何か大きなお話ですか? 聞いてあげてもいいですよ?」

P「しまったな……本当は、もう少し内緒のつもりだったんだけど……」

幸子「ふふん、ボクに隠し事なんて生意気ですよ! さぁ、白状してください!」

P「それじゃあ……最初に言わせてくれ。おめでとう」

幸子「?」

P「うちの事務所は、所属人数も多いし……たくさんの曲がプールしてあるのは知ってるよね」

幸子「えぇ。その中からイメージに合わせた曲を選んでCDを出してますね……それがどうしたんですか?」

P「幸子ちゃんのCDも、いくつか出してきた。それで、売り上げも悪くなくて……今回の大きなイベント」

幸子「……そうですね、まだまだ上を目指す気でいますけれど」

P「だから……その、大きなきっかけになると思う。もっと、きちんと言ったほうがよかったかもしれないけど」

幸子「……? どういうことですか」

P「幸子ちゃんのための曲が、作られることになったんだ」

幸子「……ボクの、曲?」

P「あぁ」

P「先輩の……双葉杏ちゃんは知ってるかな」

幸子「えぇ、知ってます。いろいろあって……あんずのうたで爆発的に人気が伸びましたね」

P「あれも、特別に彼女のための曲が作られたんだ。本当はもう少し前向きだったけど、本人のツッコミもあって……あぁいう形になった」

幸子「……それと同じことが、ボクも?」

P「うん。幸子ちゃんのために曲も、歌詞も作られて……そこに、幸子ちゃんの意見を反映させられる」

幸子「……」

P「……幸子ちゃん?」

幸子「……すごいじゃないですか! なんで黙ってたんですか!」

P「い、いや。もう少し話の方向性が固まってからのほうがいいかなって思って」

幸子「ボクの曲についてボクをおいて話をしてどうするですか! まったくプロデューサーさんはダメダメですね!」

P「ご、ごめん」

幸子「まったく……そんなプロデューサーさんはあっちの大きなジェットコースターに乗らないと許してあげません!」

P「は、ははは……き、きびしい、なぁ……」

幸子「ほらほら、いきますよ!」

P「あ、で、でもほら。身長制限は大丈夫かな?」

幸子「140cmは超えてますからご心配なく! さぁ、いきますよ!」

P「……よ、よし。俺だって男だ!」

幸子「ふふん、その意気です!」

P「」

幸子「……プロデューサーさん、ふらふらじゃないですか。大丈夫ですか?」

P「う、うん……幸子ちゃんは、強いんだな……」

幸子「結構楽しいですよ! こういうのも悪くないですね」

P「そっか、よかった。うん……俺は平気だから、気になるのがあるなら何個か乗ってきてもいいけど」

幸子「……いえ。こんなところに1人でほうっておいたら不審者として通報されてしまうかもしれませんし、ボクがついていてあげましょう」

P「……大丈夫だよ、これぐらい」

幸子「いいから、ほら。ちょっと飲み物買ってきますね」

P「は、ははは……ごめん。ありがとう」

幸子「いえいえ。ボクのやさしさに感謝してくださいね!」

幸子(まったく、変なところで抜けてるんだから)

幸子(気は利くのか利かないのかよくわからないし)

幸子(一生懸命ボクのために働いてくれてるのはよくわかるけど)


幸子「……やれやれ、まったくもう」


幸子(でも、お仕事は楽しいし……)

幸子(CDかぁ……ボクのための曲。ボクのための歌詞……)

幸子(ボクのための………ボクの、ため?)


幸子「…………」

安部さんの曲や歌詞も本人の意思が反映されているのだろうか……

幸子「はい、どうぞ。ジュース買ってきましたよ」

P「あぁ、うん。ありがとう……」

幸子「ねぇ、プロデューサーさん」

P「なに、かな?」

幸子「……ボクって、カワイイですか?」

P「急に何を……」

幸子「真面目に聞いてるんです。どうなんですか?」

P「それは……もちろん、可愛いよ」

幸子「そうですか……だれよりも、そう思ってますか?」

P「う、うん」

幸子「ボクのために、なんでもできますか?」

P「あ、あのジェットコースターはもう……勘弁してほしいかな……」

幸子「……ふふっ。じゃあ、あっちの観覧車にいきましょうか」

P「観覧車……?」

幸子「……」

P「……」

幸子「結構、景色も悪くないですね」

P「そうだね。すごく……綺麗だ」

幸子「……プロデューサーさん、高いところは大丈夫なんですか?」

P「ぎ、ギリギリかな?」

幸子「あぁ、やっぱり。なんとなくそんな気がしました」

P「ははは……ごめん」

幸子「……プロデューサーさん」

P「どうしたの?」

幸子「……なんとなくなんですけど、今。ナターリアさんがいってたことがわかる気がするんです」

P「……?」

幸子「……プロデューサーさんは女の子の扱いをまったくわかってません」

P「そうかな」

幸子「えぇ。ちやほやされるのも悪くありませんけど、もっと自分の意思を出してくれてもかまわないんですよ?」

P「……出しているつもりなんだけどなぁ」

幸子「だとしたらプロデューサーさんは可哀想な人なんですね! 自分っていうものがありません!」

P「……ごめん」

幸子「いいえ、いいんです。ボクがひっぱってあげますから!」

P「あはは……ありがとう」

幸子「いえいえ……だから、プロデューサーさん」

P「……なに、かな?」

幸子「ボクの曲のタイトル、決まりましたよ」

P「え?」







幸子「To my darlingなんて、どうでしょう?」

おわり

勢いでスレ立てたらやたら長くなった
鬼畜じゃないPで幸子昇格の流れを書きたかった
幸子可愛いよ幸子。数えたらかなり書いてたし出てたし好きだよさっちゃん

……天使のくだりは開始理由が思いつかなかった。ごめんね



幸子もカワイイけど、温かく見守るPもよかった


最後とか言ってたからちょっと不安になったがまあよかった。投げっぱなしだろうがハッピーエンドだからいい。


終始落ち着いた雰囲気でよかったよ

>>232
それ>>1ちがう
乙乙

最後って >>192か、あれ俺だわ。スマンなww
さっちゃんカワイイ! 乙

おつん!

>>236
投下中でああいうレスはこっちじゃ糞以下のやることだからやめたほうがいい

>>236
しね、かす

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