モバP「劇場版アイドルマスターシンデレラガールズFOREVER」 (49)

「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」
2014年1月25日より新宿バルト9他にて全国ロードショー!!
http://www.youtube.com/watch?v=o-L-33EdHsw
(※外部へのリンクにつき注意)

凛「765プロダクションのアイドル達の活躍が、今度映画になるんだってね」

未央「いいなぁー」

卯月「でも大抵、アイドルの映画進出って、他の女優と同じように『ある作品への出演』って話が多いよね?」

凛「うん、だから今回はアイドル活動の舞台裏の様子を、ドキュメンタリー物にしている、ってところがポイントだよね」


未央「私たちもこないだ豪華PV撮ったばかりだけど……羨ましいぞっ! ねえねえプロデューサ~」

P「贅沢言わないでくれよ……確かに俺も羨ましいさっ。だけどウチは資金も知名度もまだまだなんだよ」カタカタ

ちひろ「ごめんね未央ちゃん」

未央「ちぇーっ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388139986

P「千里の道も一歩から。…まずはお前達の今の仕事からだな。

――映画ってのはちょっと想像がつかないけど……でも、お前達がアイドルとして頑張っていれば、
映画だろうとTVだろうと、そのうちチャンスは来るさ。それじゃ、レッスンがんばれよー?」ガチャ

三人「「「「いってらっしゃーい」」」


ちひろ「あ、凛ちゃん達、まだレッスンまでは時間ありますよね? 私もちょっと外に用事があって……」

凛「そうなんだ。電話での細かい事務対応なんかはちょっと難しいけど…」

卯月「留守番ぐらいなら出来ますよ」

未央「うんうん、未央ちゃん達におまかせー!」

ちひろ「ありがとうございます。それじゃ、お願いしますね」バタン


卯月「……プロデューサーさんもちひろさんも…行っちゃいましたね」

凛「うん…」

凛「あれ? そう言えば未央は?」

卯月「本当だ。いつの間にかどこかへ――って」

ピピッ

未央「へっへっへー。お嬢ちゃん達、スマイルスマイルー」●REC

凛「わっ」

卯月「きゃっ…」

未央「ごめんごめん、驚かせちゃったね…でもコレ、良いでしょーっ」スチャッ


凛「どうしたの、そのビデオカメラ?」

未央「プロデューサーの机の奥にありましたっ。あ、しまむー寝癖ついてる」●REC

卯月「えっ?! ちょっと未央ちゃんっカメラ止めて、恥ずかしいよもうっ…!!」バタバタ

未央「ねえ、良いこと思いついたんだ。コレで私達の映画を作らない?」

卯月「え、映画…さっきの765プロみたいなのを?」

凛「もう、また変なことを…」

未央「ノリが悪いなぁ、しぶりんは。でもさ、しまむーもしぶりんも、一回くらいは妄想したことないの?」

卯月・凛「「妄想?」」


未央「いわゆる『主演/私』な映画、の妄想だよっ。私たち、これでもトップアイドル目指してるんだから、

『なった時』の自分のお仕事を妄想…じゃなくってイメトレした事とか…絶対あるでしょ?」


卯月「ううっ……あ、あるかも…」ギクッ

凛「ど、どうかなあ」

未央「ふふっ、しぶりん顔まっかー」●REC

凛「う、うるさいなもう…っていうかカメラ止めて」

日菜子「妄想と聞きまして」ガバッ

未央「うおっ…?!」

卯月「日菜子ちゃん。ソファーに寝ていたんですね」

日菜子「毎朝、事務所のソファーで妄想するのは日菜子の日課ですから…むふっ」

凛「(そうなんだ…)」


日菜子「話を戻しましょう。自分がヒロインの映画の妄想…良いですねえ…むふふ」

未央「さすが喜多っち。話がわかるぜ!」グッ

卯月「日菜子ちゃんは確かに何回かは考えていそうですよね」

日菜子「もちろん……披露しましょうか?」

凛「えっ」

ザッパァーン、ザッパァーン…

【モバゲェエイ】
バァーーーーーーン!!!


――劇場版アイドルマスターシンデレラガールズ『沈む豪華客船』――


凛「(何か始まった!)」

日菜子「むふっ…物語のあらすじはこんな感じです」


【STORY】
 二十世紀初頭、英国のとある港から、はるか彼方のアメリカは紐育へと処女航海へ出た豪華客船。
そして、この船にたまたま乗り合わせていた二人の男女。

 一人はスラム街育ちの貧しい青年P。
 もう一人は望まぬ結婚を強いられていたお嬢様ヒナコ。

 ふとした偶然から出会った二人は、しかしそれがまるで運命であるかのように互いに惹かれ合う。
 しかし迫りくる現実は残酷だった……


・・・


船員「前方に二つの山が見えます……あれは氷山?!」

船長「何っ、二つの山…だと?!」

船員「せ、船長、このままでは船がっ、取舵を――」

船長「おお…なんという形、バランス…氷なのに……まるでわらび餅のような柔らかさすら感じる山ではないか…うひひ…」

船員「えっ」

船長「そのままぁ…全速前進ッ!!!」ポッポォーッ


ズガアアアアン!!

キャアアアア


ヒナコ「きゃっ?!」ヨロ

P「ヒナコ!!」ガシッ

ヒナコ「あ、ありがとうございます…Pさぁん…むふ」

メキメキメキ…

P「ゲェ~ッ?! ふ、船が真っ二つにッ!」

ヒナコ「あ、ああ……」

バキン!!

船長「我が生涯に一片の悔いなし!!」ジャパーン

二人「わあああああ!!!」ボチャーン


ジャパジャパ

P「ち、チベテー」

ヒナコ「ごほっ、がはっ、Pさ…ん!」

P「ひ、ヒナコ…! あ、あれは…」


杉坂海「ん? 乗っていくかい?」チャプチャプ


P「グッドタイミング。ヒナコ見るんだ、あそこにウインドサーファーがいる…あれに掴まるんだ!!」

ヒナコ「でも、ヒナコ…もう寒くて体力が……」

P「くっ……俺が運ぶ…もう少しだ、頑張れ」ジャバジャバ

海「あっ、プロデューサー。こんなところで会うなんて奇遇だね」チャプチャプ

P「ああ…それより日菜子…じゃなかったヒナコを頼む」ジャパ

ヒナコ「Pさん…」

P「あっ!!」ピクッ

ヒナコ「!! ま、まさかこの冷たい海をヒナコを抱えて泳いだから……限界が?!」

P「あ…足吊ったッ…がぼごぼがぼがぼ」ジャボジャバ

海「はっ…もしやプロデューサー、ウチの健康美にしびれて…」ポッ


P「違…助けて…ケテスタ…」チャプン!!

ヒナコ「Pさああああああん!!!!!」


 こうして自分の身を犠牲にして愛する人を助けたP。
ヒナコはそれから半世紀以上経った今でも、彼のことを想い続けている…

―完―


・・・
・・


日菜子「――って感じですねぇ、むふっ」

凛「…Pさん死んじゃうんだ……」

未央「良いねえ、恋愛映画って感じだね!」

卯月「うん…さわりだけなのに、ロマンティック。ちょっと聞き入っちゃったっ」

凛「えっ…?!」

日菜子「むふふっ、凛さん…いかがでしたか。凛さんも一度はこういう妄想したこと…ありますよね?」

凛「う……内容はともかく……まあ、自分が主演女優だったらどんな映画やドラマになるか…くらいなら。

――でも、こんなの…所詮、絵空事だし、私には…」


日菜子「…凛さん、それは違いますよ」

凛「!」

未央「おっ」

卯月「日菜子ちゃんが急に…真顔に!」

日菜子「妄想…つまりイメトレも、立派なトレーニングなんです。妄想の内容が詳しければ詳しいほど……
どうやったら、それが現実になるか……ヒントが掴めてくると、思いませんか?」

凛「な……なるほど…」

未央「うんうん、将来映画デビューを考えるんだったら、その時の自分をイメトレして、それに相応しいアイドルを目指す、ってのはやっぱりアリなんだねっ!」

卯月「日菜子ちゃん凄い! でも、うーん…私、あまり具体的な形で思い浮かべたことがないから…そういう時はどうしたら良いのかな?」

日菜子「むふふ…良い質問ですねぇ」

荒木比奈「それで私のところに来たわけでスか……」

凛「ほら、比奈さんはよく漫画を描いているから」

未央「そういう妄想は日菜子に匹敵するくらい逞しい、と仰られてましたっ」

卯月「是非とも、お聞きしたくて」


比奈「うーん……あまり褒められているような気がしないんスけど。
でも確かに、漫画のストーリーを考える都合、たまに妄想が暴走して、主役のキャラに私が入り込んじゃうことはあるッスよ」

未央「本当ですか?!」

比奈「……これは映画というよりアニメに近いッスけどね――」


・・・
・・

ザッパァーン、ザッパァーン…

【モバゲェエイ】
バァーーーーーーン!!!


――劇場版アイドルマスターシンデレラガールズ in CinderelLand――


凛「(やっぱりこの流れなんだ)」

比奈「童話がベースになっているんで、大体の話はわかると思いまスけど――」



【STORY】

 可憐な少女ヒナデレラは母親を早くに無くし、その後再婚した父も死んでしまった。

再婚相手だった継母とその娘たちは、父の死を切欠に本性を現し、家の財産を食いつぶし、ヒナデレラをも冷たく扱うようになっていく。

 そんなある日…


・・・

トキコ「さあ、今日はお城でライブツアーカーニバルよ!」

レイナ「チナミお姉さま、LPドリンクは持ったかしら?」

チナミ(友情出演:小室千奈美)「ええ、しっかり。ドリンク1/3も抜かりないわ…って、何で私までこんな役を……」ジャラジャラ

トキコ「数合わせよ」



ヒナ「あのう……お義母さま、私はどうすれば良いんでスか……」

トキコ「あらあら、誰が貴方も出て良いなんて言ったの?」

レイナ「そうよ? 衣装もないアンタなんて、お荷物よ」

ヒナ「ええっ?!」

チナミ「…」


トキコ「ヒナデレラ、貴方は私達が帰ってくるまで、新演出OFFのままで静岡エリアをクリアしておきなさい」

ヒナ「そんなあ…3G回線だから、ストレス溜まりまくりッスよ…」

レイナ「問答無用、それと…マイスタ以外のドリンクを使ったらタダじゃおかないわよ!」

チナミ「その…ごめんね比奈さん…」

バタン


ヒナ「お城でダンス……良いなあ……ふふっ、でも私みたいな日陰者には、最初からそんな明るい場所なんて…」

???「そんなことはない!」

ヒナ「!!」

P「君もライブツアー、出たくないかい?」

ヒナ「あ、貴方は一体…?!」

P「通りすがりの魔法使いさ。それよりライブバトル、やりたくないのかい?」

ヒナ「だから言ったじゃないスか、私にはそんな場所向いていないッス。

そもそもお城に行くための交通手段も、衣装を買いに行く服すらないのに……」


P「俺も言っただろう、魔法使いだって」ドライバァオン!!

ヒナ「!!」

P「チチンプイプイ!!」ドレスアップ・プリーズ

ヒナ+「あっ…」パアアア


P「さあ、この鏡を見てみるんだ」スッ

ヒナ+「えっ、これ私? マジで?!」

P「マジックだ」

ヒナ+「……自分で言うのもなんでスけど…私って結構可愛かったんだ…」ポー


ヒナ+「あっ、でも……ここからお城は遠すぎるッス。

今から行ったら、着く頃にはもうラウンド終了して、インターバル入っているッスよ…」シュン


P「大丈夫大丈夫、ところで…家の中に何かないか?」

ヒナ+「?」

ブリッツェン「…?」

ヒナ+「食用のトナカイなら1頭いまスが……」

P「十分だ…チチンプイプイ!!」


ブリッツェン「ブモォオオ?!」ガシャンガシャン

ヒナ+「ひええええ?!! 急に実写から3DCGモデルに変わったブリッツェンが、更に変形して…!!」


BLITZEN「ブロロン、ブロロン、ブロロルン」

ヒナ+「レガシィに変わっちゃったんでスけど?ォ!」

P「これで問題なくパーティに参加できるな」

ヒナ+「あ、ありがとうございまス…」

お城

DJ『Yeah,諸君、ノリノリだね? 今日は心行くまで踊り続けてくれ! Ha!!』キュッキュッズンチャカ♪

ヒュー!!

Woooooooooo!!!


レイナ「王子はまだ出てこないのかしら」

トキコ「焦っちゃダメよ。将来貴方達のどちらかの婿に、そして私の義息子となるのだから!」

チナミ「王子様……ねぇ」


\ガッシャアアアアンン!!!/

ヒナ+「間に合ったッス~!!!」キキィーッ!!!


三人「きゃあああああ?!!!」

ヒナ+「うわあ…派手にやっちゃったッスね……」バタン

BLITZEN「気にするな。お嬢ちゃんの晴れ姿に免じて…お代はあのニーチャンにつけとくぜ」ブロォーン

ヒナ+「あ、ありがとうございまス」

トキコ「あ、あなたヒナデレラ?! どうしてここに……いや、その姿は?!」


ヒナ+「お、お義母さまッ……私もライブツアーで輝きたかったんでス……だから」

チナミ「比奈さん素敵よ。女の私でも、見た瞬間、思わずドキッとするくらいだもの」


レイナ「何よ……アタシ達より……綺麗じゃない。こんなの認めて……たまるかー!!」バッ

ヒナ+「ひっ?!」

「待てーい!!!」


ヒナ+達「?!」

P「その者は私がお招きしたゲストだ……手荒な真似は勘弁していただきたい!」バァーン

ヒナ+「あ、あなたはさっきの魔法使いさん?!」

トキコ・レイナ「お、王子様ッ?!」

チナミ「え、Pさんが…王子様なの!?」


P「一目見た時にティンと来たのだ……」スタスタ

ヒナ+「!!」スッ

P「ヒナデレラ……いや、比奈。君の人生、私にプロデュースさせてほしい…!」チュ

比奈「ええええ?! いや、そんな私が良いッスか…でもぉ……Pさんは魔法使い、いやプロデューサーで私はアイドルで――」


・・・
・・



比奈「ふふふ…でも、こんなに可愛くしてくれたんでスし……Pさんなら私…」ニヤニヤ

凛「比奈さん、おーい」ペチペチ

仁奈「凛お姉ちゃん達、何をやっているでごぜーますか」ヒョコ

卯月「あ、仁奈ちゃん」

凛「ちょっとね…」

比奈「お、お恥ずかしいところをお見せしたッス」カアア

未央「自分が映画の主役をやるなら、どんな映画が良いか? って話をしていたんだよ、で比奈さんが――」

比奈「わああああ、やめてくださいよ未央ちゃん!!」バタバタ


仁奈「映画でごぜーますか!! 凛お姉ちゃん達も出やがりますか?」

卯月「ええと…そうじゃなくって、『もしも?』って話だから…」

未央「そうだ、仁奈ちゃんならどんな映画が良いかな?」

仁奈「仁奈でごぜーますか? 仁奈だったら――」

【ゴウホウ】
バァーーーーーーン!!!

――劇場版アイドルマスターシンデレラガールズ『大怪獣ICHIHALLA』――


凛「(もはや何も言うまい)」

仁奈「最近光お姉ちゃんと一緒に見た映画が面白かったので、仁奈もあの映画に出たいでごぜーます!!」


【STORY】
 突如としてカイニシ島に現れた巨大怪獣イチハラは、水爆実験に巻き込まれながらも生き残った恐竜が進化した存在だった。

 戦車、戦闘機、あらゆる兵器が投入されるもイチハラの進撃は止まらず、東京はただただ蹂躙されるのみであったが…


・・・

P「アキハバラ博士! イチハラを倒す兵器があるって本当なんですか!?」ガチャ

アキハ「イケブクロ博士だ! まったく助手のくせにいい加減名前くらい覚えたらどうなんだ……」

P「すみませんっ……それで博士、その兵器は」

アキハ「うむ……」ガチャ

P「それが…!」

アキハ「この敵を内部から破壊する爆弾、『アリス・ジエン・デストロイヤー』を使えば、さすがのイチハラもひとたまりもあるまいて」スチャッ

「イチハラが出たぞ――!!」ワアアアア

イチハラ『怪獣さんの気持ちに…なるですよー』ガアアアアアア

P「…出た!!」

アキハ「ついにこの兵器を使う時が来たか……!!」ガタッ


イチハラ『怪獣さんの気持ちを…考えるですよー』ウオオオン

P「博士……果たしてこれで良いのでしょうか?」

アキハ「な、助手よ…それはどういうことか?!」


P「よく考えれば、イチハラは我々人類の科学が暴走したために生まれた存在です。彼女も被害者なんです」

アキハ「君の気持ちはよくわかる……だが、イチハラが動けば街は壊され、人は死ぬ。ここに怪獣の暮らせる世界なんて…ないんだよ」

P「ここにない…? ――それだ!!」ポン

・・・
ロケットYSH「さあ…仁奈ちゃん……こっちにおいで……たくさん着ぐるみありますよー」フリフリ

イチハラ「キグルミたくさんでごぜーますか!! もちろんでごぜーます」ズシンズシン

YSH「つ、つかまえたー。もふもふ♪」

イチハラ「つかまりやがったでごぜーますぅー♪」キャッキャ


YSH「何だかよく分かりませんが…う……宇宙行きまーす…」ドドドドドド…


P「後は泰葉が適当に怪獣の暮らせる星に連れて行ってくれるだろう。これでめでたし、めでたしだな」

アキハ「しかし…あれが一匹だけとは限らないと思うのだが……」

「「その通り!!」」

P・アキハ「!?」


ウエドン『ウチが第二のイチハラじゃけんね! 不死鳥のごとく阿蘇山の火口からやってきたけん!』

アンキラス『にょわー☆合体怪獣もいるにぃ』『ぐえええ、はーなーせーってばー』バタバタ

P・アキハ「」


―完―


・・・
・・



仁奈「次回作ではPが巨人化するでごぜーますよ!!」ワクワク

凛「光……他にも色々観せたみたいだね」

未央「う、うん…」

小梅「みんな、な…何しているの?」

卯月「あ、小梅ちゃんもいたんだね」

小梅「あの子も…いるよ」ニコ

未央「マジで?!」キョロキョロ


仁奈「小梅お姉ちゃんも映画好きでごぜーましたね」

小梅「う、うん……ホラー映画だけど、ね」

比奈「う…この流れは……」

仁奈「小梅お姉ちゃんも、自分がどんな映画に出やがるか、考えるでごぜーますよっ」


小梅「わ、私が、映画に……? うーん、私なら…」

凛「仁奈もいるんだから、お手柔らかにお願いだよ」

未央「ズパアアッとか! ブシューって感じのは! 勘弁だからね!!」

小梅「大丈夫大丈夫。そういうホラーじゃないから」

卯月「ホラー路線確定なんだ!!」

小梅「うん……私と……Pさんのお話」

・・・
・・

【ゴウホウ】
バァーーーーーーン!!!

――劇場版アイドルマスターシンデレラガールズ『DIE六感』――


小梅「も、元ネタを知っている人以外には…お、おススメしないかも」

凛「…」


【STORY】
 ロリ専門プロデューサーのPはある日、「幽霊が見える」という少女コウメと出会う。
彼女はその異能故に、母親や周囲との気持ちのすれ違いに苦しんでいた。

 今やプロデューサーとしてはすっかり落ちぶれていたPだったが、彼女を救うことで
自分も救われるのではと思い、コウメをアイドルデビューさせることにしたのだが……


・・・


DJ『Yeah,諸君、ライブバトルファイナル、勝利を手にしたのは、白坂コウメちゃんだー!! Hooo!!』キュキュキュスンチャァ♪

ヒュー!!

Woooooooooo!!!


コウメ「ふ、ふう…やっと、終わったあ」ガチャ

P「やったなコウメ!!」

コウメ「! Pさん、うん、わ、私…が、頑張ったよ…?」ギュッ

P「あはは、まだ緊張で身体が震えているみたいだな…」ナデナデ


コウメ「あ、あの、がんばったから…ご褒美に、今日は、一緒に…映画観よ?」

P「えっ……そ、それはな……コウメ、俺…幽霊苦手なの知ってるだろ?」

コウメ「が、がんばったのに…?」

P「ううっ……その目はずるい。分かったよ、じゃあ事務所で観るか!」

コウメ「…うんっ。――や、やったっ♪」

事務所

P「ただいま戻りましたーっ」

コウメ「た、ただいまです……」

チヒロ「おかえりコウメちゃん。結果はさっき社長から聞いたわ、おめでとう!

――寒かったでしょ? ココアでも、飲む?」


P「…」

コウメ「ううん、いいの……こ、これからね…あの子と、一緒に、映画…観るんだ」

P「あ、あのチヒロさん…俺…」

チヒロ「そっか。じゃあ、後から持っていこうか?」


コウメ「う、うん……二個、お願い…ね?」

チヒロ「OK、それじゃごゆっくり」

P「…」

事務所・個室

P「…何だか最近チヒロさん、俺にすごく冷たい気がするんだよなぁ……やっぱり課金しないからだろうか?」

コウメ「…」

P「ん? どした、コウメ」

コウメ「な、何でもない……それより」

P「?」


コウメ「きょ、今日の私…どうだったかな」ポスン

P「…さっきも言ったけど、素晴らしかったよ?」ナデナデ

コウメ「Pさんと出会って、アイドルに、なってから…お、お母さんや皆とも…ちょっとだけ打ち解けたんだ。
今では、スプラッタ映画も、一緒に楽しく、観ているし。本当に、あ、ありがとう」

P「そっか。でも、それはコウメが『自分は自分のままでいい』って心の底から思えるようになったからだろう。
 俺はただ…その手伝いを、ちょっとしただけだよ」


コウメ「…」

P「実は俺も昔、いろんなアイドル(ロリ限定)を担当してきたが……幾つか心残りもあってな。
それが何だったかは思い出せないんだが……俺もそろそろ全部受け入れて…前に進もうかな、って思っている。

これはきっと、コウメと一緒に頑張れたからだと思う…お礼を言いたいのは、俺のほうさ」


コウメ「Pさん……」

P「ど、どうした? 急に真剣な顔になって…」

コウメ「…Pさんが、こ、心の準備が、出来た、って言ったから…は、話そうと思って」

P「えっ」

コウメ「Pさん……お、思い出して。今は西暦何年?」

P「な、何を言っているんだよ…今は2013年で、もうすぐ2014年に」チラ

P「な、――に、『2018年』……だと?! 何で…」


コウメ「そう……そして…お、思いだして……ど、どうしてチヒロさんが、Pさんを無視、したのか…

 普通なら…社長さんじゃなくて、Pさんから、ライブの結果を、聞けばいいのに……」


P「…それは」ガチャ

チヒロ「お待たせーコウメちゃん、アッツアツのココア――ってきゃっ」ズデン

P「!?」バシャアア!!

コウメ「わっ」ピチャ

チヒロ「あっ……だ、大丈夫コウメちゃん!? や、やけどとか、してない?」フキフキ


コウメ「だ、大丈夫。チヒロこそ…大丈夫?」

チヒロ「私は良いの!! 本当に…ごめんね!」

P「…」

チヒロ「それじゃ、代わりの作ってくるから……待っていてね」バタン


P「…」

P「コウメ……感じなかったんだ、熱さを。頭から思いっきりぶっかけられたのに…」

~~~

チヒロ「ああ、ビックリしちゃった…それにしても、コウメちゃん凄いなあ。
担当プロデューサーもいないのに…一人でアイドル活動こなしちゃっているんだから!」タタ

チヒロ「でも、あの仕事の流れとか、やり方……ちょっと懐かしく感じちゃうのは何でだろう。
まるで……Pさんが近くに…いるみたいな…」ポロ

~~~

コウメ「Pさん…」

P「服だって…濡れてないし……あれ、濡れている?」ベチョ

コウメ「違う…それは、『思いだしたから』」


P「思いだしたから……?」ヌル

P「これは…俺の…血…? ……そうだ…俺は確か――」

リサ『ひっ、ひったくり!! アタシの鞄……』

P『パパからもらった奴だったな……俺に任せろ!』ダッ

~~~

男『くっ…くそお』フラフラ

P『まったく手間かけさせやがって……』クルッ

リサ『プロデューサー後ろっ!』

男『良い気になるなよォ――?!』ダダッ

P『えっ――』


・・・
・・



P「俺は確か、知人の結婚式に行く途中でひったくりに遭遇して……」ガクガク

コウメ「……そう、リサさんから、聞いています……」

P「そ、そんなそれじゃ…今の俺は…」

コウメ「さあ…この鏡を、見て、全てを…受け入れて」スッ


P「う…」

G「ウワアアアアアアアアアア!!!!!」キャーッ

G「」バタン

コウメ「あ、気絶した…」

G「いや~すまん。だって俺幽霊苦手だし……さっきまで、まさか死んでいるとは思わなかったよ」

コウメ「わ、私もビックリ。てっきり、P…じゃなくてGさん、成仏すると思っていたから」

G「Gさんはやめてくれない? いろんな意味で嫌なんだけど……」

コウメ「だ、だってPさん、幽霊なんだし」


G「まあそうだけどさ……でも、これからどうしようか?」

コウメ「も、問題ないよ。み、未練は…一応消えたんでしょ。地縛霊になることも、た、たぶんないよ」

G「そうか……じゃあ、改めて…こんな俺だけど、これからもお前のプロデュース、させてくれ!」

コウメ「う、うん……私からも、ヨロシクっ」ニコッ


―めでたしめでたし―


・・・
・・



小梅「ね、良いお話、だったでしょ?」

凛「いや、またプロデューサー死んでいるしっ?!」

卯月「いい話ね」ホロリ

未央「良かったねーGさん、これからもコウメちゃんと一緒だねっ」ウルウル

凛「おいおい…」

梨沙「こらこら……なに勝手な事を考えているのよ」

凛「あ、梨沙ご本人」

卯月「梨沙ちゃん。Pさんは、貴方を守るためにっ――」グスン

未央「しまむー、今のはフィクションだよ」


梨沙「さっきから聞いていれば、やれ恋愛だの特撮だの幽霊だの……やっぱり映画はアクションあってナンボよ!」

小梅「む…?」

比奈「ふむ…梨沙ちゃんも、考えているんスか?」

仁奈「聞かせてくれるでごぜーますか?」

梨沙「ええ…こんな感じよ――」

【キャカスフィルム】
バァーーーーーーン!!!

――劇場版アイドルマスターシンデレラガールズ『ニッター・ウォーズ~千川の逆襲~』――

【STORY】
 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。

 無課金軍の活躍によって、巨大兵器・諸星(だにぃ☆スター)が破壊されてから約三年、
千川軍は無課金軍の撲滅に躍起になっていた。

 千川軍の暗黒卿Pは、主人公であり無課金軍の英雄でもある、リサ=コアラハガーを倒すべく、
千川皇帝のいる諸星二号の中に、彼女をおびき寄せたのであった…



・・・



P「フハハハ、リサ、お前の力はそんなものか…」

リサ「くっ……ミナミ師匠との特訓で磨きをかけた、エ□スの力が効かないなんて…」ガクッ

千川「あきらめて降参しなさい。……お前には暗黒面の素質がある。

エ□スの暗黒面に堕ちたお前なら、私と共に、無課金ユーザー全てを滅ぼし、銀河を支配できるだろう!!」


リサ「冗談言わないで! どうしてそんなことが分かるっていうのよ……」

P「…」

千川「お前の血筋を知っているからさ……このPを見ろ、技の太刀筋……そして言葉…どこか覚えはないか?」

リサ「!? ま、まさかアンタは……」

P「ふっふっふ…久しいな、リサ。そう…私が……」バリバリ

リサ「あ、あああ…?!」


P「私が、お前の!!
           マ マ よ!!!」バア――ン!!


リサ「う、嘘だそんな事ォ――――――――――――ッ!!!!!」


・・・
・・



梨沙「ちょ、ストップ、ストップ!! アタシこんな事考えて――」

小梅「ふふっ…あ、あの子に…ちょっと介入してもらったから」クスクス

梨沙「んなっ?! って、アタシは別にそんな……ハッ?!」


凛「ふーん」ニヤニヤ

卯月「…梨沙ちゃんったら」クス

未央「まあ、プロデューサーは面倒見が良いからねぇ」ニヤニヤ

梨沙「違うってばもう……ううっ…うわああああ!!」バタン ダダダダダ


仁奈「あ、梨沙お姉ちゃん帰りやがったでごぜーます」

比奈「弄ったのって本当スか?」

小梅「ちょっとだけ。でも、り、梨沙ちゃんの…頭の中に、あったものだけで、作ったイメージ…らしいよ…?」

比奈「…マジッスか」

未央「ま、面白い話は色々聞けたし、これなら私達の映画の良い参考になるねっ」

凛「映画?」

卯月「凛ちゃん、最初に映画を作ろう、って話をしていたじゃない」

比奈「そう言えば、そういう話だったッスよね」

仁奈「?」

小梅「…ホラー物?」


未央「ごめん、ホラー物はねえ……ってあれ…?」

凛「どうしたの?」

未央「メモリーカードの容量が足りないみたい…おかしいな」

卯月「さっき撮影した長さって、五分もないですよね?」


比奈「ちょっと貸してもらって良いッスか? これは……他に撮影データが入っているからッスね」

凛「プロデューサーのだから…プロデューサーが撮影したデータかな?」

未央「なるほど……じゃあさ、ちょっと観てみない?」

卯月「ええっ?!」

卯月「や、やめようよ……ただでさえ、断りもなく使っているんだし」

凛「卯月の言う通りだよ……私達が観ちゃまずいものでも入っているかもしれないよ?」

未央「まっさかぁ? まあ、プロデューサーの事だから……もしかしたらエッチなものでも入れていたりして、なんて…」

比奈「未央ちゃんっ」カアア

未央「冗談、冗談…それじゃ再生」カチッ


===

ガヤガヤ

凛『あ、プロデューサー。カメラ回しているなら早く言ってよ』

未央『ふふっ、しぶにゃん可愛い~』

『そうだなー、時代はしぶにゃんかもなー』

みく『ふしゃーっ!!』

『ぐえっ……みく、ボディーががら空きだからって…!!』

卯月『だ、大丈夫ですかプロデューサーさん』

『お、おう…』

===


凛「…こないだのクリスマスパーティの映像だね」

未央「うん。しぶにゃん、みくにゃんで、みくしぶにゃんだ…」

凛「それやめて」ペシ

卯月「もうあれから4日も経ったんですね…」


比奈「ん、映像が切り替わったッスよ?」

===


ちひろ『あうう…』カアア…


===

凛「ちひろさん?」

ちひろ『ぷ、プロデューサーさん…もう着替えたいんですけど。結構恥ずかしいんですよ?!』

『ちひろさんったら、似合ってますって。ノリノリじゃなかったですか、サンタコスチューム』

ちひろ『うう…それは仕事ですから……それに私、もうこんなの着られる歳じゃ……』

===


凛「サンタのコスチュームしているね」

未央「この場所は……仮眠室かな。日付は…あ、パーティが終わった後だ」

卯月「うん、あの後、皆事務所から出て行ったから…その後だね」

比奈「…」


===


『そんなことはないです! 俺、ちひろさんの今の姿に、すごくドキドキしていますし』

ちひろ『~ッ!! ま、またそんなお世辞を……、と、とにかくカメラを回すのを止めてくださいっ!!』グイグイッ

『うわっ……それは…って…ちひろさん、放して!! その…胸が揺れて…』

ちひろ『!!!』バッ


『…』

ちひろ『…その……プロデューサーさんは…Pさんは、私の事を、どう思っているんですか?』

『え、ええっ?!』

ちひろ『こんな事させて……私を恥ずかしがらせて……』ウルウル

『…』


===


比奈「小梅ちゃん、仁奈ちゃん……おやつでも食べに行きませんか?」ワタワタ

小梅「?」

仁奈「!! 良いんでごぜーますか?!」

比奈「もちろんッスよ、じゃあ善は急げってことで!!」ガチャ


卯月「あ、比奈さん――」

凛・未央「」

卯月「(二人とも、食い入るように観ているッ!?)」

『好きだから』

ちひろ『!』


『好きだからに、決まっているじゃないですか……毎日一緒に……苦しい時も楽しい時も、

一緒にいて、どんな時でも笑顔でいてくれて……これで好きにならないほうがおかしいですよ』


ちひろ『!! Pさんっ!!』ギュウッ

『わっ』ドサッ


===


未央「あわわわわ////」カアアアアア

凛「こ、これは…?! 」ゴクリ

卯月「あ、カメラが放り出されて二人の姿が見えなくなった」


===

【SOUND ONLY】

『Pさん…まだ私、もらってないんです、クリスマスプレゼント…』

『ち、ちひろさん…』

『良いですよね? みんな、帰っちゃいましたし。あと少しで日付は変わっちゃいますが……』

『うう…』

『プレゼントに…Pさんとの思い出、たくさんくださいっ』

『~ちひろさんっ、俺…俺は!!!』ガバッ

『きゃっ? Pさんたら…もう…あっ、やんっ♪』チュ、チュ、チュウウウ


卯月「ちぇすとおおお!!!」バキイイン!!!


===

プツン

凛「はっ…?!」

未央「」プシュウウウウ…

卯月「ふう……危なかった……」

ちひろ「もう、Pさんったら……私がいないとダメなんですから」

P「悪いなぁ…確かに俺、ちひろ抜きだと全然やってけないみたい……本当に、忘れ物届けてくれてありがとう」

ちひろ「今日は…期待して良いんでしょうか?」

P「…うっ…お手柔らかに…な?」


P「ただいま――」ガチャ

凛「…」

卯月「…」

未央「」プシュウウウ

ちひろ「あれ? 三人とも、もうレッスンは終わったんですか?」


凛「ごめん……ちょっと遅刻する、ってトレーナーさん達に伝えといたから」

卯月「それよりも…お話があるんです」ポイッ

ビデオカメラ「すまない相棒…」ガシャン

P・ちひろ「「」」



凛「一体どういうことか……ちゃあんと…説明してもらうから……ね?」パキポキ


お し ま い

【その後】

――あれから2年、いや、それは船内時間であって、故郷の時間では300年と言ったところであろうか。

ふるさとである地球を離れて、新たな新天地となる星を目指していたのだが……

老朽化ゆえの異常が起き、船は未知の星に不時着した。そこでは……

・・・

P「…何だアレは…」ガサッ

===


乃々A「むぅーりぃー」バシバシ

乃々B「ですけどぉー」ビシバシ

乃々C「むぅーりぃー」ペチペチ

乗員「や、やめてくれっ、俺は…死にたくない」

===


――なんということだ……私は目を疑った。ここは人でなく…森久保によって支配された惑星だったのだ!!

===

P「あっ…」ペキッ

乃々A「プロデューサーなんですけど!!」

乃々B「Pさん? むぅーりぃー!!」ジリジリ

乃々C「むぅーりぃいいいいい」ジリジリ

P「や、やめろ森久保…俺だ、Pだ……やめてくれ…うわああああああ!!!」

・・・
・・


P「ハッ?!」ガバアッ

P「…?」

ちひろ「ふふっ……プロデューサーさんたら…甘えん坊なんだから…」ムニャムニャ

P「ゆっ……夢か……」ホッ


『プロデューサー…』


P「ベッドの下? まさか!!」バッ

乃々「明日のライブ…出たくないんですけどォ……」

P「うおあああっ?!」


 その後、この体験を元に映画『乃々の惑星』が公開、全世界No.1ヒットを記録したり、
千川がPの稼ぎを元手に、各アイドルプロダクションの統廃合に手を出したり、
梨沙の結婚式に向かう途中、Pが逃走中の凶悪犯に刺されたりするのだが、それはまた別のお話……


<今度こそおわり>

訂正
>>2
×:プロデューサーさんもちひろさんも…行っちゃいましたね
○:プロデューサーさんもちひろさんも…行っちゃったね

>>9
×:凛「…Pさん死んじゃうんだ
○:凛「…プロデューサー死んじゃうんだ

>>11
×:その時の自分をイメトレして
○:その時の自分をイメージして

>>14
×:母親を早くに無くし
○:母親を早くに亡くし

>>18
×:ヒナ+「レガシィに変わっちゃったんでスけど?ォ!」
○:ヒナ+「レガシィに変わっちゃったんでスけど?!」

>>27
×:小梅「大丈夫大丈夫。そういうホラーじゃないから」
○:小梅「だ、大丈夫、大丈夫…そ、そういうホラーじゃ、ないから」

>>46
×:新たな新天地となる星を目指していたのだが
○:新天地となる星を目指していたのだが


以上でおしまいです。
長々続けましたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

HTML化も依頼しておきますね。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom