淡々と魚雷の話するわ(94)

嘘ンゴ

友「・・・」フーム

男「どうした」

友「いや、これみてくれよ」

男「んん・・・酸素魚雷か」

友「そうそう・・・酸素魚雷って、酸素で進むんだろ?」

男「まぁ、そうだな」

友「要はアレだろ?膨らまして飛ばす風船と同じだろ?」

男「違うよ」(ニッコリ)

男「大体、そんなんやったら何十kmも届くわけないやろバーカバーカ」

友「うーんこの」

男「そもそも魚雷の推進も一般的な船と同じようにスクリューで行われる」

友「あ、そうなの」

男「中にはロシアのシュクヴァルみたいな例外もあるが・・・それはまた今度話すとして、つまりあの弾体の中にエンジンと弾頭を抱えてるわけだ」

友「なるほど」

え、例外なのか

友「んん・・・?てことは、もう(酸素で進んで)ないじゃん」

男「よく考えろ。スクリューを回すっていうことは何らかの内燃機関をもってるってことだ」

友「(モーターじゃ)いかんのか?」

男「あぁ、実際ドイツなんかじゃ電池式を使ってるが・・・帝国海軍は熱走式っていう普通の船と同じようなエンジンを回す方式をつかってる」

友「へー」

男「ところで・・・燃焼に必要なものといえば」

友「焚き付け!!」

男「模範的愚か者め」

友「辛辣ゥ」

男「よく考えろ。魚雷はどこで動くんだ」

なんかしょっちゅうIDかわってすまんな


友「水中・・・あっ!!」

男「気づいたか」(ニッコリ)

友「火が消えちゃう」(粉みかん)

男「うーんこの」

男「いいか・・・ものを燃焼させるには酸化剤が必要だ」

友「はい」

男「つまり、酸素魚雷はその酸化剤として酸素を使っているからこう呼ばれるわけだ。大戦中にこれを実用化したのは帝国海軍だけだ」

友「んん?じゃあ酸素以外の酸化剤ってなによ?」

男「あぁ、英米の魚雷では基本圧縮空気を使ってる」

面白そう

友「なんで日本以外の国は実用化出来なかったんだ?」

男「中学の理科の実験を思い出してみろ。酸素の充満した試験管に線香を突っ込んだらどうなった?」

友「A.激しく燃焼する」

男「せやな」(ニッコリ)

友「それに関係が?」

男「あぁ。どの国も純粋酸素を酸化剤に用いる構想は持っていたが、開発段階で爆発事故が相次ぎ悉く開発を断念している」

友「あぁ・・・なるほど」

酸素魚雷は高いからな~
サマージャンボ宝くじの一等当てても1本しか買えないし

水のなかでも消えない松明とかあるじゃん
あれとか関係あるのん?

>>14次は兵器って言ってたしちょうどいいね(ニッコリ)



友「じゃ、日本はどうやってそれを回避したんだ?」

男「詳しい資料は残されていないが、燃焼開始直後は空気を使い、徐々に酸素の比率をあげていったらしいな」

友「うーん、誰か気付きそうなもんだけどなぁ」

男「一言で言ってるけどその調整だって職人技だぞ。魚雷に限ったことではないが昔から日本は生産力はなくても開発力は高いと言われてるからな」

友「なるほど」

男「で、そこを乗り越えてやっと酸素魚雷の優れた点が生かせるわけだ」

友「ふむ」

男「まず、さっきも言ったとおり、酸素を使った場合より効率的な燃焼が行われるため、雷速があがり射程も伸びる」

友「ほうほう」

男「実際九三式酸素魚雷の雷速は52kt、これは海中最速のスプリンターであるバショウカジキにほぼ匹敵する」

友「魚雷がすごいのか魚がすごいのか、これもうわかんねえな」

男「実際どんなに速い艦でも最高速度45kt程度であることを考えれば、十分な速度と言えるだろう」

友「ノット表記やめてくださいよ!わかりにくいんじゃ!!」

男「1.8かけろ。50ktはだいたい90km/hくらいだ」

友「想像を上回る速さだった」

男「そして・・・地味だが重要な酸素魚雷の利点として、雷跡が出ないという点があげられる」

友「というと?」

男「酸化剤に空気を使った場合、燃焼で余った窒素などの気体が気泡となって推進部から放出される」

友「ふむふむ」

男「だが、酸素を用いた場合燃焼によって生じるのは二酸化炭素だけだ・・・はい、石灰水の中に息を吹き込むとどうなりますか」

友「A.白濁液ができる」

男「何故わざわざ卑猥言い方にした」

え、本人が書いてんの

男「つまり、二酸化炭素は水に溶けやすい。だから、発生した気体がほとんど気泡にならないため雷跡が消えるというわけだ」

友「ほーん」

男「実際魚雷の検知は見張り員の目視が主だったからな・・・雷速も速く、長射程で発見の難しい酸素魚雷は、米英でもロングランスと呼ばれ恐れられた」

友「なるほどねぇ」

男「その利点を理解していた日本海軍は、酸素魚雷の実用化にあたり様々な運用をしている」

友「というと?」


-続く-

よっしゃ導入部は終わったで

ちょっとPCで書いてくるわ、続きは後でな!!

>>22
木魚は丸投げだったしたまにはね?

>>1が立て逃げして>>3が完成させるってパターンがお約束になるかもな

あと魚がつく単語って何があったっけ(ゲス顔)

-酸素魚雷の運用編-

男「そもそも、帝国海軍がここまで魚雷の開発に力を入れたのにはわけがある」

友「ほう」

男「1922年に締結されたワシントン海軍軍縮条約により、大型艦船の保有を制限された帝国海軍は、その活路を小型の水雷艇に見出す」

友「理科になったり社会になったり忙しいな」

男「折しも当時は魚雷の性能も冷走方式からさっき言ったような熱走方式に変わり始め、著しい性能の向上をみせていたからな。限られた大型艦船を補佐すべく、魚雷の性能向上に注力するのも当たり前といえる」

友「せやなぁ」

男「そして、魚雷には実は大砲に比べて大幅に有利な点がある。それは、練度の向上しやすさだ」

友「そうなの?」

>>17
あれは燃焼部に酸化剤入ってるで
防水マッチなんかと一緒や

>>28
ワイ将、もう魚は飽きた模様

男「あぁ。まず根本的に、魚雷は艦砲と異なり二次元での照準になるのは分かるだろう?」

友「まぁ、そうだよな。大砲の弾は山なりに飛んでいくわけだし」

男「艦砲の場合は、敵艦の未来位置に対する砲の仰角と方位の2つについて測定しなくてはならないのに対し、魚雷の場合は方位の測定だけでいいことになる」

友「うん」

男「さらに砲弾とちがい、魚雷の場合は弾頭に爆薬でなく海水などを詰めておけば発射後、回収することができる・・・つまり、艦砲に比べて訓練が行いやすいわけだ」

友「なるほど」

男「こうしたことから、魚雷は練度の上がりやすい兵器といえる。さらに、酸素魚雷の実用化でその射程は巡洋艦の主砲と同等かあるいはそれ以上になった」

友「まー、そうなったら魚雷に力入れるのもわかるわなぁ」

男「ただ、射程が伸びたということはそれだけ命中率も下がるということだ。たとえ100km/h近い速度で走っていたとしても、20km先の目標に到達するまで10分以上かかるわけだからな」

友「そんなに射程長いのか」(驚愕)

男「なんで、普通魚雷は敵艦の未来位置を予測し扇状の範囲で射出される・・・特に酸素魚雷の場合はその射程が長いため、命中率を上げるよう米英よりも射線を増やしている」 ※概ね9射線

友「下手な鉄砲なんとやら・・・か」

男「さらに、先にいった雷跡が残らないというメリットを生かすために、南方の夜間においてはなるべく発射を避けたという」

友「え、なんで?夜の方が見えにくいじゃん」

男「そういった暖かい海域には夜光虫という生物発光を起こすプランクトンが多数生息している。これらが魚雷と触れることで、その経路に光の跡ができてしまうんだ」

友「やだロマンチック・・・」

男「まぁな。当たったら死ぬ光の矢だけど」

友「サイコゴーレムかな?」

男「それはひかりのゆみだ」 ※SDガンダム外伝ラクロアンヒーローズ

男「そしてその複雑な構造は、当然運用においても細心の注意を払わなければいけなかった」

友「例えば?」

男「まず、酸素魚雷には皮脂などの脂はタブーだったらしい。そのため、水雷科の将兵はみな頭を丸刈りにしていたといわれている」

友「白球の記憶かな?」(すっとぼけ)

男「そしてさらに、>>16にも上がっている通り酸素魚雷は一本当たりのコストが非常に高い。単価でいうと大体1~2億程度だ」

友「落合の年俸かな?」(白目)

男「そのため不発を嫌った乗員たちは、信管の感度をかなり敏感に設定ため却って早爆を招いたという」

友「うーんこの」

男「開発者は現場で信管の感度を調整できる機能を付けたことを相当後悔したようだ」

友「まぁ、気持ちはわかる」

男「ともあれ、帝国海軍は上記のような苦心をしつつも何とか酸素魚雷をものにした。さらに、魚雷という兵器を最大限活用すべく艦船だけでなく航空機からも使用している」

友「魚雷を飛行機から落とすってこと?」

男「あぁ、そうだ」

友「アカン、墜ちた瞬間魚雷爆発してまう」

男「それを防ぐためにもまたいろいろな努力があったんだよ」

-酸素魚雷の運用編 おわり-

-航空魚雷編-

男「お前の言うとおり、ただ魚雷を飛行機から落としただけでは有効に使うことはできない」

友「そらそうよ」

男「艦船から発射される魚雷とちがう航空魚雷は空中から投下されるために飛行中の安定や着水時の衝撃を考慮する必要がある」

友「うん。だって飛行機とほとんど同じ速度で水面に叩き付けられるわけだろ?やべぇよ・・・やべぇよ・・・」

男「そのため、航空魚雷には着水時の衝撃から弾頭や推進部を守るガードや、空中で姿勢を安定させるためにジャイロスコープを使った角加速度制御安定器などを装着している」

友「ふーん」

男「さらっといったけど、この安定器ってのが実は航空魚雷最大のブレークスルーといえる」

友「それがあるとどうなるの?」

男「より速い速度で、かつ適正な角度を保ったまま魚雷を水面に投入することができるようになる」

男「空中で適正な角度を保たれた魚雷は、着水時の姿勢も理想的な状態となっている」

友「ふむふむ」

男「事実それまでの魚雷は、高高度や高速度から投下すると、そのまま海面に突き刺さったり、海面をバウンドしてしまったりして使い物にならないものが多かった」

友「へー」

男「帝国海軍の九一式航空魚雷は、これらの要素をいち早く取り入れていたため、真珠湾攻撃を成功させることができたといわれている」

友「それまでの魚雷じゃダメだったんか?」

男「真珠湾が泊地に選ばれていた理由の一つに、水深が浅いため航空魚雷が使えないはず、というものがあった」

友「ほほう」

男「しかし、先に言った通り安定器を装備していた日本の航空魚雷は、真珠湾の浅い水深でも使用することができた。これにより、真珠湾内に停泊していた数多くの艦船を沈めることができたといわれている」

友「すごい」(KONAMI感)

男「まぁ、この頃はまだ日本の搭乗員の練度も高かったからな・・・戦争が進むにつれ、元々高かった雷撃隊の戦死率は目も当てられなくなっていく」

友「・・・50%くらいかな?」

男「それは大戦初期の数字だな。大戦末期にはこれら雷撃機乗組員の戦死率は90~100%といわれている」

友「ファッ!?」

男「正直、97艦攻や天山にのって魚雷を撃つのも、回天にのるのもほとんど決死・・・いや必死と言っていい。得に雷撃機の場合、航法・観測要員として2名以上が同時に載ることになるからな」

友「おお、もう・・・」

男「そんなこともあって、今では敵艦に肉薄する必要のある航空魚雷は使われることはない。系統的にはこれらの魚雷は対艦ミサイル、引いては巡航ミサイルの始祖ともいえるわけだ」

友「なるほどねぇ」

男「ちなみに航空魚雷が最後に使用されたのは、1950年代に朝鮮戦争時で行われたダムを破壊するための作戦といわれている」

友「うーん・・・せっかくいろいろ作ったのに、魚雷はもう過去の兵器なんやなぁ・・・」

男「そんなことないぞ。現在においても魚雷は海軍装備の中で重要な役割を果たしている」

友「そうなんか」

男「あぁ。ただし、魚雷の用途については技術の進歩に伴い変わっては来たがな」

-航空魚雷編 おわり-

ワイ将、晩酌タイム突入

好きな魚雷があったら書いてってね
シュクヴァルとアスロックはやる。絶対やる

魚雷って水中の抵抗が最も小さくなるよう最適化とかしてると思うんだけど、
質はともかく大きさとか形はどこの国でも似たりよったりなのか?
なんか面白い形した魚雷とかないの

-誘導魚雷編-

男「そもそも、大戦時のように魚雷が真っ直ぐにしかすすまないようじゃ困るわけで」

友「まぁなぁ・・・」

男「帝国海軍は回天みたいに魚雷に人間のせてツッコませればええやん!!ってなったけど、それすらも命中率は芳しくないしな。だって何回も潜望鏡でチェックしながらいそうな場所に突っ込むだけだし」

友「魚雷に窓・・・はついてないもんなぁ」

男「ついてたって見えねえよ」

男「そんなわけで、魚雷に誘導機能をつけようという考えは当然のように生まれてくる」

友「うむ」

男「既にドイツでは大戦中の1942年にはG7魚雷を改造したFaT魚雷という誘導魚雷を投入している」

友「ドイツの科学力は世界一ィィィィーーーーッ!!」

男「誘導ミサイル、誘導爆弾、誘導魚雷、巡航・弾道ミサイルと現代の兵器と同じ兵器を実戦投入していたナチス・ドイツの科学力ははっきり言って異常だ」

男「とはいえ、その頃の誘導魚雷は現在の魚雷のように能動的に敵艦を追尾するわけではない」

友「あ、そうなの?」

男「FaT魚雷とはばね装置魚雷の略で、発射されたFaT魚雷はある一定の距離を航走すると、弾頭のセンサーにより進行方向を180度転換する」

友「ふむふむ」

男「この動きを繰り返すことで、一度当たらなかった魚雷も船団のどれかの船に命中する可能性が高くなるわけだ」

友「なるほど」

男「そしてもうちょっと時間が経つと、今度はLUT魚雷という物が出てくる。こいつはジグザグに航走しながら敵艦を探るというものだが、わずか70本あまりしか生産されなかった」

友「へー・・・なんかこう、もっとダイレクトにあたる感じのはないの?」

男「現代のような誘導魚類の登場は1950年代の後半を待たなければならない・・・ちなみに、友は魚雷がどうやって水中で敵を見つけるかわかるか?」

友「なんか多分、センサー的なものだろ?レーダーとか・・・?」

男「水中では減衰が激しいため、レーダーや赤外線などといった電子的・光学的な追尾は不可能だ」

友「あー、じゃああれだ。ラジコンみたいに操作する!」

男「あぁ、そういうのももちろんあるぞ。でも、それにしたって相手の場所が分からないと撃てないだろ?」

友「じゃあ魚群探知機的なもので・・・」

男「うーん、だいたいあってるな」

男「潜水艦や魚雷など、水中にある物体の観測には音を使う」

友「なるほど、音ねー」

男「ソナーは知ってるだろ?今の魚雷は、魚雷の中にソナーがついてて、音を出してその反射音のする方向へ向かったり、敵艦のスクリューの音を判別して目標を追尾している」

友「へぇー」

男「で、そうなってくると潜水艦のほかにもっと音を出すようなものがあれば、そっちに誘導されてしまう」

友「たしかに」

男「これを用いた防御用の魚雷を音響魚雷という」

友「へー」

男「中には自艦の音紋の音声を流しながら囮となる魚雷もいるわけだ」

友「あー、そういうときのためにラジコン魚雷がいるわけね」

男「そうだ。撃った側が敵の位置を正確に把握できているのであれば、そこから操作すればいいわけだしな。この場合優先誘導といって、細いケーブルを用いて電気信号で魚雷を誘導するので妨害にも強い」

友「なるほどー」

男「ミサイルと違って魚雷は水中の攻撃に適している。水上艦なら艦底にダメージを与えられるし、潜水艦を攻撃するには基本魚雷か爆雷しか手段はない。魚雷が今でも誘導能力を持って生き残っているのには、こうした背景があるわけだ」

-誘導魚雷編 おわり-

-アスロック編-

友「・・・あれ?でも昔ゲームやってたときは、確か潜水艦も対潜ミサイルっていうので攻撃してたとおもうんだけど」

男「現在西側諸国で主流となっている対潜兵器の一つに、アスロックというものがある」


男「おばあちゃんの暮らしを守るネキではない」

男「アスロックは、発射される弾体自体はミサイルのようなものだが、その弾頭に魚雷を使っているんだ」

友「ほー」

男「で、目標上空までくると弾頭が切り離され、パラシュートで着水後航走を始める・・・まぁ打ちっぱなし航空魚雷といってもいいな」

友「何故飛ばす必要があるのか」

男「そら射程距離延長のためよ」

男「あとは、飛翔する分、水中を航走させるよりも目標までの到達時間が短くなるしな」

友「なるほど」

男「最近では他のミサイルと発射機を共有させるために、VLSから発射することができるVL-アスロックが主流になりつつある。これなら省スペース化にもなるしな」

友「ふむ」

男「とはいえ、先ほども言った通り弾頭は通常の魚雷だ。着水後は普通に魚雷として水中目標の追尾を始める」

友「なんか特殊な魚雷だったりしないの?」

男「いや、普通に対潜ヘリなどでも使用される短魚雷だ・・・米軍だとMk46や最新のMk56、海上自衛隊では97式単魚雷や最新だと12式単魚雷を搭載している」

友「短魚雷?」

男「ああ。さっきも言った通り、魚雷が水上艦船への積極的な攻撃手段として使われることは、現代ではほぼない。おのずとその目標は潜水艦や、被弾した艦にトドメをさすといった用途になる」

友「ふむふむ」

男「それらの目標はそれほど威力を高くしなくてもダメージを与えることができる為、これまでの魚雷に比べて威力はそれほど高くする必要がない。このため、これまでの破壊力の高かった長魚雷と、潜水艦などの目標向けの短魚雷という棲み分けができた」

友「長魚雷のほうが強そうなんだけどなぁ」

男「そうはいっても格納場所や搭載兵器の制限など、小さくて事足りるならその方が取り回しがいいしな」

友「なるほどねぇ」

男「では、長魚雷が無くなったのかと言えばそうでもない。現在でも、潜水艦には艦船攻撃用の手段としてこれらの高威力の魚雷が搭載されている」

友「まぁ水中からじゃミサイルはうてないしなぁ」

男「いや、打てる。その場合は魚雷発射管からミサイルを乗せた魚雷のようなものを打ち出し、海面についたらミサイルを発射させることができる」

友「すごE」

男「とはいえ、潜水艦の仕事はやはり水中からの攻撃が主体だからな。水上・水中からの攻撃手段を併せ持つことで、敵艦の対応を難しくさせ、またケースに併せた攻撃が可能にあるというわけだ」

男「で、そんな潜水艦に近づきたくないのでより遠くから攻撃できるようにしたのがこのアスロックってわけだな」

友「なるほど、さすがは綜合警備保障」

男「アカンそれ人違いや」

友「もう(潜水艦に逃げ場)ないじゃん」

男「まぁ潜水艦は見つかった時点でゲームセットだからね。仕方ないね」

友「海江田艦長率いるやまとならなんとかなるやろ」(楽観)

男「漫画と現実を一緒にしてはいけない」(戒め)

-アスロック編 おわり-

>>8,>>58
待たせたな(ニッコリ)



-スーパーキャビテーション魚雷編-

友「そういや、前に魚雷の推進は普通にスクリュー回してやってるっていってたけど」

男「あぁ」

友「当然それ以外のものもあるんだろ?」

男「もちろん。さっき言ってたシュクヴァルなんかはその最たるものだな」

男「シュクヴァルは1970年代にソ連に配備されたスーパーキャビテーション魚雷だ」

友「スーパーキャビテーション}

男「あぁ。このシュクヴァルの雷速は200ktを超える・・・時速に直すと、360km/hくらいだ」

友「速すぎィ!!」

男「普通、水の中っていうのは空気中に比べると抵抗が多いのは分かるだろ?」

友「ああ」

男「スーパーキャビテーションっていうのは、意図的に気泡を発生させることによりその抵抗を格段に減少させることができる」

友「ほー」

男「シュクヴァルはそのチェリオの瓶のような形状もさることながら、先端部に特殊な形のカバーが取り付けられており、高速で航行するとこのカバー周辺の圧力が低下し海水の中の気体が気泡化することでスーパーキャビテーションを発生させている」

友「へー」

男「そしてシュクバルでは、このような高速度を実現するためにその推進部にロケットモーターを使用している」

友「ロケットか・・・」

男「このため、その速度も相まってシュクヴァルは水中ミサイルと呼ばれることもある」

友「なるほどねぇ」

男「元々はこの高速度を利用して、魚雷の放たれた方向にシュクヴァルを撃ち回避行動をとらせることで魚雷の誘導を妨害させる運用が想定されていた」

友「能動的な攻撃には使わなかったのか?」

男「水中でこの速度となると追尾が難しいからな・・・有効な攻撃手段とするためには、やはり核を積むしかなかったみたいだ」

友「ヒエッ・・・」

男「ちなみに、水中では空気中より音が伝わりやすいのは知ってるか?」

友「まぁ空気より水のほうが密度が高いからね」

男「海水中の音速は空気中の約5倍。つまり理論的には、スーパーキャビテーションを用いれば空気中ではマッハ1だった弾体を、おなじ出力でマッハ5程度で打ち出せる可能性がある」

友「超音速魚雷とかかっこいいすぎるだろ」

男「現に今では、米国とドイツがシュクヴァルと同じようなスーパーキャビテーション魚雷の開発を進めているという」

友「へー」

男「さらに中国やイランなんかでも、シュクヴァルを元にした同じような兵器が開発されたとの噂もあるが、これは確認しようがないな」

友「日本は?さっきいった12式短魚雷は超音速魚雷じゃないんか?」

男「そもそも用途が違うからな。12式は沿岸部などのより浅い水域で使えるように既存魚雷のセンサーの改良が主だったようだし、推進性能じたいはこれまでの魚雷とほぼかわらない」

友「おぉん・・・」

男「伝統的に自衛隊は射程や速度よりも、一度撃ったら避けられないような兵器を作るからな。たしかにスーパーキャビテーション魚雷の速度は脅威ではあるが、だからと言って一気に形勢が不利になるわけでもない」

友「当たらなければどうということはないというフガッ」

-スーパーキャビテーション魚雷編 おわり-

とりあえずここまで

ワイ将、大掃除を始める模様

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年05月16日 (水) 21:20:25   ID: 7h5jPskb

スゴいな
勉強になった

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