美希「夢で逢えたら」(97)

ホシイサーンスタンバイオネガイシマース

美希「はーいなの」

春香「最近の美希、スゴイよね~」

千早「そうね、以前の彼女からは考えられないくらい頑張ってるものね」

春香「スゴイ賞をバンバン取って、歌を出せばランキング一位。CMに出ればその商品が大ヒットだからね~」

千早「そうね、少し・・・いえ、とても嫉妬するわ」

春香「名実ともに765プロを代表するトップアイドルだもんね~。二年前からは考えられないな~」

千早「二年・・・ね。あの人が亡くなってからもう一年経つのね・・・」

春香「そうだね、プロデューサーさんが亡くなって、そろそろ一年だね」

千早「事故とはいえ、あまりにも突然過ぎたわ・・・」

春香「交通事故で即死だったって・・・」

千早「痛み無く逝けたのが唯一の救いかしら」

春香「そうだね。本当に大変だったもんね。律子さんも、小鳥さんも、社長も私たちみんな全然仕事が手につかなかったからね」

千早「春香も相当落ち込んでたわね」

春香「千早ちゃんこそ・・・弟さんのこともあって、凄く心配したんだから・・・」

千早「私は大丈夫だったわ。もちろん悲しかったけど、プロデューサーのため、優のため、そして私自身のためにも歌わなければって思ったの」

春香「やっぱり強いね、千早ちゃんは。フフッ」

千早「でも、一番ヒドかったのは美希だったわね」

春香「死んじゃいそうなくらい落ち込んでたからね・・・。でも、やっぱり復帰出来たのはライブがあったからじゃないかな」

千早「プロデューサーがなんとしても成功させたがっていたから、美希も頑張れたのかしら」

春香「そこでファンの人に元気をもらったり、千早ちゃんみたいにプロデューサーさんのためにアイドル続けようって気になったんだよ、きっと」

千早「代理で来たプロデューサーにもだいぶ迷惑かけたわね」

春香「なかなか馴染めなかったし、美希なんて『ミキのプロデューサーは、ハニー以外ありえないの!』ってスゴイ剣幕だったもんね~」

千早「そのせいで代理プロデューサー、今でも美希が苦手みたいよ」

春香「そうなんだー。あっ」

律子「お疲れ様ー」

春香「お疲れ様ですっ」

千早「お疲れ様」

春香「どうしたんですか?」

律子「美希の様子を見に来たのよ」

春香「美希の?美希ならいつも通りカンペキにこなしてますよ?」

千早「なにかあったの?」

律子「美希の親御さんから少し気になることを聞いたのよ」

春香「気になること?」

律子「ええ、あの子最近忙しくてオフの日も少ないんだけど、その少ないオフの日は一日中自室で寝てるらしいの」

春香「一日中ですか!?・・・でも、美希寝るの好きだし・・・」

律子「大好きなショッピングも行かなくなったし、友達とも全然遊ばなくなったみたいなの」

千早「アイドルに集中したいのでは?今はノリにノッてる時期だし」

律子「考えられないこともないけど・・・ほらあの子、一年くらい前から休憩中や移動中の居眠りも一切なくなったし心配なのよ・・・」

春香「そう言われると心配になっちゃいますね~」

律子「まあ仕事をしっかりこなしているなら問題ないわ。休憩中に悪かったわね。竜宮小町の方に戻るわ」

千早「いえ、お疲れ様」

春香「お疲れ様で~す」

765プロ事務所

真「あっ美希!お疲れ様!」

美希「お疲れ様なの真クン!それじゃあミキ先に帰るね」

真「待ってよ美希!明日オフだったよね?僕もオフだから一緒に買い物でもどう?」

美希「真クンとデート?ミキ達が週刊誌に撮られたりしたら大変なの」

真「ひどいよ美希!また僕を男扱いして~」プンプン

美希「あはは、ごめんなの。でも明日はハニーに会うから無理なの、またね♪」

真「え?ハニーって・・・ちょっと美希!・・・行っちゃった・・・」

春香「そんなことがあったんだ・・・」

千早「確かに気になるわね」

真「美希のハニーって言ったらプロデューサーしか考えられないけど・・・プロデューサーは、もう・・・」

雪歩「うぅ・・・」グスッ

真「ああ!雪歩、ほら泣かないで」ヨシヨシ

雪歩「ありがとう真ちゃん・・・美希ちゃん、新しい彼氏さんが出来たのかな・・・」

春香「えぇー!?」

真「まさかーっ!?」

千早「・・・いえ、考えづらいわ。美希はプロデューサーに心底惚れていたみたいだし恋人を作る時間的余裕もないはず」

雪歩「ベタボレでゾッコンてやつですね」

真「なんか古いよ、雪歩・・・」

千早「それに律子の話によるとオフの日はずっと眠っているらしいし・・・」

春香「そういえばそうだったね」

真「え?それどういうこと?」

千早「美希はオフの日は一切外出せず、ずっと寝ているらしいの」

雪歩「そうなんですかぁ、じゃあなんで『ハニーに会う』なんて美希ちゃんは言ったのかな・・・」

春香「まさか夢の中で会っているとか!!」

真「あはははっないない。さすがにそれはないよ春香」

春香「そっそうかな」ハハハ

千早「・・・」

春香「どうかしたの?千早ちゃん?」

千早「ううん、なんでもないの」

千早「お疲れ様、美希」

美希「あ、千早さん!お疲れ様なのー」

千早「最近頑張ってるわね。ドラマも決まったんだって?しかも準主役。おめでとう」

美希「ありがとうなの。ミキ的には主役でも全然問題無かったって思うな~」

千早「フフッその通りね。今の美希ならどんな役でも立派にこなしてみせるものね」

美希「そんな褒められてもなにもあげるものがないの」テレテレ

千早「・・・(今の美希は仕事中はスゴイ集中だけど、常に別の方を見ているようにも感じる。決して手を抜いているというわけではないけれど・・・心ここにあらずというか)」

美希「あっ休憩終わりなのっじゃあ行ってくるね」

千早「頑張って・・・あっ美希、最近休憩中に居眠りを全然してなかったみたいだけどどうかしたの?前まであんなに眠っていたのに」

美希「あ~そのこと?なんでもないの。ただ、今寝ちゃうのが勿体ないってだけでどこかおかしいとかじゃないから心配ないの♪」

千早「勿体ないって・・・スゴイ心境の変化ね」

美希「あはっ☆ミキもいつまでも子供じゃないの♪じゃあ本当に行くねっ」

千早「ええ・・・(やっぱりプロデューサーの死が関係しているのかしら・・・考えすぎ、かな)」

春香「夏だね~」

真「7月だしね~」

やよい「お洗濯するとすぐ乾いちゃいます~!」

春香「そうだ!8月のお盆には、行ける人みんなでプロデューサーさんのお墓参りに行かない?」

千早「そうね・・・プロデューサーも喜んでくれるかも」

あずさ「あら、いいわね~」

貴音「真、良き考えかと」

亜美「いいねいいね♪」

真美「それならりっちゃんも代理プロデューサーの兄ちゃんも協力してくれそうだよ→」

伊織「しかたないわねぇ・・・この伊織ちゃんも行ってあげようかしら」

やよい「伊織ちゃんも行ってくれるの~?うっうー!うれしいです~!」

伊織「ちょっと!まだハッキリ行くとは・・・あっ」

美希「おはようございますなの~」

春香「あっ美希!ちょうど良かった!」

美希「春香、どうかしたの?」

千早「ちょうど今みんなで来月のお墓にプロデューサーのお墓参りに行かないかって話をしていたの」

雪歩「なんとか美希ちゃんも時間作れないかなぁ?」

美希「う~ん、悪いけどミキはパスなの。その日は仕事入れたいし」

亜美「でもでも!その日ぐらい休めないの~ミキミキっ?」

真美「そうだよ~!それにそれに~兄ちゃんもきっと喜ぶよ!」

美希「本当にごめんなさいなの・・・でも今は出来るだけ仕事をしたいし、それに・・・」

あずさ「それに?」

美希「お墓参りに行ってもそこではハニーに会えないの・・・」

春香「え?」

貴音「それは一体どのような・・・」

美希「ゴメンね!ミキ、撮影に行ってくるの!」タタタッ

伊織「あっ!待ちなさいよ!行っちゃった・・・」

やよい「美希さん、どういう意味なんでしょう・・・」

貴音「はて・・・美希の真意ははかりかねます・・・」

春香「本当にどうしちゃったんだろう・・・」

千早「・・・」

―八月某日―

真「美希、本当に仕事入れてお墓参りには参加しなかったね・・・」

社長「最近の彼女には鬼気迫るというか生き急いでいる感じすら覚えるよ・・・」

律子「本当にどうしちゃったのかしら。少しでも空きがあるとすぐに仕事入れちゃうし、こっちがセーブするとすぐに勘づいて代理プロデューサーに仕事入れさせちゃうし・・・」

雪歩「それにあの言葉も気になりますぅ」

律子「あの言葉?」

春香「美希をお墓参りに誘った時に『そこではハニーに会えない』って・・・なんか妙に気になっちゃって」

響「確かに気になるぞ。真の話もあるし・・・。美希、なにか自分たちに隠してるんじゃないか?」

律子「真の話ってなに?詳しく教えて」

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律子「なるほど。そうなってくるとますます怪しいわね・・・」

雪歩「ま、まさか美希ちゃん・・・プロデューサーの幽霊が見えてるんじゃ・・・」

真「や、やめてよ雪歩!幽霊なんて・・・」

社長「ふむ・・・仕事も問題ないようだし、彼女のプライベートにあまり干渉するような真似はしたくはないが・・・万が一ということもある。この件は律子くんに一任するが、いいね?」

律子「わかりました。美希には、折を見て詳しく聴いてみようと思います」

社長「頼んだよ」

律子「はい・・・」

千早「・・・」

数日後・765プロ

小鳥「はい、765プロです・・・えぇ!?それで、大丈夫なんですか!?はい・・・はい・・」

千早「どうしたんですか?」

小鳥「はい・・・それで場所は・・わかりました○○病院ですね。はい、失礼します」

千早「病院?誰かケガしたんですか!?」

小鳥「美希ちゃんが倒れたらしいの」

千早「えぇ!?倒れたって、大丈夫なんですか?」

小鳥「過労で倒れたらしいのよ。大事を取って今日は病院で泊まっていくそうよ。今は律子さんがついているらしいけど」

千早「・・・あの、私も行きたいのでどこの病院か教えてください。今日はもう帰るだけですし」

小鳥「わかったわ。××区の○○病院よ」

千早「わかりました。では、いってきます」

小鳥「美希ちゃんによろしくね」

千早「はい」

○○病院

千早「律子!美希の容体は?」

律子「千早、来てくれたの。大丈夫よ、どこも異常はなくてただの働きすぎみたい・・・。最近かなり忙しかったし、もっとこの子の体調に気を使うべきだったわ」

千早「そんな・・・律子のせいじゃないわ。あまり自分を責めないで」

律子「ありがとう千早」

美希「う、う~ん・・・おはようなの。あれ?知らない天井なの」

律子「美希!もう!心配かけて!」

美希「ええ・・・なんで律子・・・さんいきなり怒ってるの?ビックリするの」

律子「怒ってないわよ!・・・もう、心配したんだから」

美希「あれ、そういえばなんでミキ寝てるの?確か新曲のダンスのレッスンしてたはずなの」

千早「そのレッスン中に倒れたらしいのよ」

美希「千早さん!おはようなの。そっかーでも律子も倒れたくらいで大げさなの。ミキは大丈夫だから心配なしなの」

律子「心配するに決まってるでしょう・・・でも異常もないみたいで良かったわ。最近のアンタなんかおかしかったかったから・・・」

美希「おかしかった?ミキは普通なの」

千早「プロデューサーのお墓参りにも出なかったし真にもハニーがどう、とかって言ったでしょう?それで事務所のみんなも心配してるのよ」

律子「千早・・・それは」

千早「いい機会よ律子。私も気になるところがあったし」

律子「そうね。それで美希、どういうことなの?詳しく話してもらうわよ。まさか彼氏が出来たとかじゃないわよね?」

美希「あはっ☆なんだそのことなの。別に彼氏が出来たわけじゃないの」

律子「でもあんたハニーって・・・まさか本当にプロデューサー殿の幽霊が・・・」ゾオオオオ

美希「あはは、それもはずれなの。ミキにはハニーの幽霊は見えないの。でもその代わり、夢の中で逢えるの」

律子「ゆ、夢!?」

千早「やっぱり・・・」

律子「千早、やっぱりって?」

千早「なんとなく、そんな気はしていたの。休憩中の居眠りがなくなったことやオフの日は自宅で一日中寝ているらしいということから」

美希「千早さんスゴイの。そうだよ、ミキはハニーに夢で逢うために寝るのも遊ぶのも止めたの」

千早「気づけたのは春香のおかげなの」

美希「春香の?」

千早「あの子の何気ない一言で、もしかしてって」

律子「さすがというかなんというか・・・」

美希「あはっ☆春香も千早さんもすごいの」

律子「夢で逢うためってそんな毎晩プロデューサー殿の夢見るの?アンタ」

美希「毎晩じゃないの。アイドルを頑張ったらハニーはミキの夢の中に出てきてくれるの」

千早「それが美希が最近アイドルの仕事を頑張っている理由?」

美希「あはっ☆本当に千早さんはなんでもお見通しなの」

律子「ちょ、ちょっと。全然意味がわからないわ!ちゃんと説明してよ」

美希「う~んと、ハニーが事故で死んじゃってミキすっごく悲しかったの。ミキも死んじゃおうかって思ったりもしたの」

千早「そこまでプロデューサーのことを・・・」

美希「大好きだったよ。それでアイドルのお仕事もする気がなくなっちゃって毎日寝てたの。律子・・・さんは心配してくれてよく家に来てくれてたよね」

律子「あの時のアンタは本当に危ない感じがしていたから・・・」

美希「それで律子・・・さんが765プロ全員でやるライブに出よう、ハニーが成功させたがってたライブだからミキが出ないとハニーが悲しむって言ったの」

律子「なんとか元気をだしてもらいたかったのよ」

千早「そうだったの・・・」

美希「それでね、ミキ765プロのみんなやファンのみんな、ハニーのためにこのライブを成功させてそれからアイドル辞めようと思ったの」

律子「あんた、そんなこと考えてたの・・・」

千早「結果ライブは大成功で、特に美希のパフォーマンスは素晴らしかったわ」

美希「ありがとうなの。その時は辞めるって言い出せなくて、言うのは明日にしてうちに帰って寝たら夢をみたの」

千早「それが」

律子「プロデューサー殿の夢?」

美希「そうなの」

千早「どんな夢?」

美希「ミキね、気が付いたらとても暖かい場所にいたの。そしたら誰かが走ってくるのが見えて、それがハニーだったの」

律子「・・・」

千早「・・・」

美希「ミキすっごく嬉しくなってハニーに駆け寄って抱きついたの。そしたらハニーはミキを強く、強く抱きしめてくれたの。ミキ、それで泣いちゃってね、夢から覚めるまでずっとハニーが抱きしめ続けてくれたの」

律子「夢ってそれだけ?」

美希「そうだよ。いつもハニーはミキが起きるまで一緒にいてくれるの」

律子「それでアイドルを頑張るっていうのは」

美希「そこでミキはビビッと来て気付いちゃったの。あんなに寝ても逢えなかったハニーがアイドルを頑張ったら逢えたの。これはミキがアイドルを頑張ってることへのハニーからのご褒美なのって」

律子「それがあんたがアイドルをする理由?ただの夢のために倒れるまでやって、たまの休みも夢を見るために・・・」

美希「そうだよ。ただの夢でも、本当じゃなくてもハニーに逢えるならミキはどれだけでも頑張れるの!ハニーはミキの中で生きているの!」

千早「それでも・・・倒れるまでやるのは良くないわ」

美希「失敗しちゃったの。でも、もう大丈夫だから心配しないで!ミキはこれからもアイドル頑張るの!事務所のみんなにもそう言っておいて♪」

千早「わかったわ・・・」

律子「アンタが頑張る理由はわかったわ。でも今後無理をしてると思ったらすぐに休ませるからね」

美希「えー!それじゃあハニーに逢えなくなっちゃうの!」

律子「だからと言って倒れるまでやっていいことにはならないわ。みんな心配するし、プロデューサー殿もきっと喜ばないわ」

美希「わかったの・・・」

千早「それじゃ、私帰るわね。聞きたかったことも聞けたし。お大事に」

美希「千早さん!来てくれてありがとうなのー」

律子「私も事務所に戻るわ。美希、今日は安静にしてるのよ」

美希「は~いなの!お見舞い来てくれてありがとうなの~。ミキ、明日からまたアイドル頑張るの!」

律子「夢で、彼に逢うためにアイドルをやる、か・・・」

千早「動機はなんであれトップアイドルに登りつめた美希の才能は本物ね」

律子「彼も、プロデューサー殿もそれに気づいていたから美希のプロデュースには力が入っていたのね・・・。決して他のみんなをないがしろにしていたわけではないけど」

千早「ええ。プロデューサーは贔屓せず平等に接してくれたわ。律子、この話はみんなに・・・」

律子「言うわ。隠しても仕方がないし、みんな心配しているし」

千早「そうね。みんなビックリするわね」

春香「そういうことだったんですか・・・」

真「ほら、やっぱり幽霊じゃなかったじゃないか」

亜美「まこちんも一安心ですな~」

真美「幽霊じゃなくて良かったですな~」

伊織「あんた怖がり過ぎよ」

真「こわがってないよ!」

雪歩「でも・・・美希ちゃんそこまでプロデューサーのことを・・・」

響「夢の中の人のためにあそこまで頑張るなんて、なかなかできることじゃないゾ」

貴音「決して報われるはずのない想い・・・」

あずさ「美希ちゃん・・・そこまでプロデューサーさんのことを」

やよい「なんかまた悲しくなってきましたー」グスッ

伊織「ほらやよい!泣かないの!」

やよい「伊織ぢゃ~ん。でも゛~」

あずさ「よしよし。大丈夫よ~」ナデナデ

小鳥「美希ちゃんなりにプロデューサーさんの死を乗り越えようとしたのね」

社長「それで、律子くん。今後の彼女のアイドル活動は」

律子「はい、理由はどうあれ美希がトップアイドルであることに変わりはありませんし大勢のファンもいます。代理プロデューサーと連携を取って体調管理には十分注意したいかと」

社長「それがいいだろうね。彼には私から伝えておくよ」

律子「お願いします」

千早「私たちも美希の体調には気を付けておく必要がありそうね」

春香「そうだね~私たちが気づいてあげないと美希、また頑張りすぎちゃうかもしれないし」

社長「アイドル諸君に律子くん、音無くんそして代理プロデューサーと私みんなで彼女をサポートしていこう」

「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」

律子「さあ伊織、亜美、あずささん!竜宮小町はこれから新曲のレコーディングよ」

亜美「あいあいさ~りっちゃん!」

あずさ「はい~」

伊織「そういえばそうだったわね・・・」

響「自分もこれから収録だぞ!」

律子「響は竜宮小町と一緒に送って行くから準備しなさい」

春香「あれ!?台本どこにやったっけ!?」

真「さっき読んでてどっかに置いてきたんじゃないの?」

雪歩「私も、舞台のお稽古行ってきます」

貴音「雪歩、私も共に行きます。本日の撮影がが雪歩の稽古場の近くにありますので」

雪歩「わかりましたぁ、四条さん」

真美「やよいっちと千早お姉ちゃんは真美とレッスンだったよね~」

やよい「ズズッ・・・うっうー!今日も頑張っちゃいますよ~」

千早「ええ、行きましょう」

バタバタ ワーワー

社長「やはり彼はこの765プロになくてはならない人間だったようだ」

小鳥「社長・・・。そうですね」

社長「それだけに、本当に残念でならない・・・」

小鳥「プロデューサーさんも罪な男ですね。死んじゃった後も女の子たちの心を奪ったままなんて。しかもアイドルの」

社長「それだけ、彼が魅力的だったのさ。男の私でもそう思うくらいにね」

小鳥「社長・・・まさか・・・」

社長「ん・・・?いやいや、決してそのような意味ではないよ。あくまで一人間としての彼の魅力を言ったまでさ、他意はないよ」

小鳥「ふふっ。わかってますよ」

千早「最近元気ないわね。どうしたの美希?」

美希「あれ?気付いちゃったの?・・・さすが千早さん、鋭いの」

千早「以前倒れて以来、注意していたから・・・」

美希「何か月も前の話なの」

千早「それでもよ」

美希「むう。ミキの演技力もまだまだなの・・・」

千早「それで、なにかあったの?」

美希「実はね、ハニーが逢えなくなくなっちゃったの」

千早「え?」

>>69
ミス


千早「最近元気ないわね。どうしたの美希?」

美希「あれ?気付いちゃったの?・・・さすが千早さん、鋭いの」

千早「以前倒れて以来、注意していたから・・・」

美希「何か月も前の話なの」

千早「それでもよ」

美希「むう。ミキの演技力もまだまだなの・・・」

千早「それで、なにかあったの?」

美希「実はね、ハニーに逢えなくなくなっちゃったの」

千早「え?」

千早「プロデューサーが?」

美希「そうなの・・・たまに逢えなくなる時はあったけど今回は長すぎなの。きっと、ミキの頑張りが足りないの」

千早「そんな・・・美希はこれ以上ないくらい頑張ってるわよ」

美希「ううん。どんなに頑張ってもハニーに逢えなくちゃ意味ないの」

千早「夢だもの。そういうこともあるわ」

美希「それでも、なの。ハニーが求めるならミキはそれに応えるしかないの」

千早「例え、それが夢幻でも?」

美希「うん。好きな人の幻に振り回されるなら本望なの。まったく、やっかいな男を好きになっちゃったのー!」

千早「本当にね・・・」

美希「尽くす女はツラいの。あはっ☆」

千早「でも、前みたいに倒れるのだけは・・・」

美希「わかってるの。みんなを悲しませるのも律子の説教もこりごりなの。ハニーも悲しそうだったし」

千早「プロデューサーが?」

美希「そうなの。いつもはすぐに抱きしめてくれるのにあの後は最初に悲しそうに見つめられたの」

千早「プロデューサーに心配かけちゃだめよ」

美希「うん!倒れない程度に頑張るの!」

千早「ああは言っていたけどやはり心配だわ。フラフラしてる時もあるし、律子に話しておきましょう」

春香「そうだね。やっぱり心配だよね」

―――――――
―――――
―――


律子「わかったわ。少し仕事を制限するわ。ありがとう二人とも」

春香「いえいえ。仲間のためですから」

千早「もう二度と、大切な人がいなくなるのはいやだから・・・」

律子「千早・・・」

春香「千早ちゃん・・・」

―三か月後―

千早「律子、また美希働き過ぎてないかしら」

律子「大きな仕事がたくさん入っちゃったのよ。これでも抑えた方なんだけど。それに・・・」

千早「それに?」

律子「あの子内緒で一人でレッスンしたりして言っても聞かないのよ。四六時中見張ってるわけにもいかないし・・・」

千早「(嫌な予感がするわ)・・・私からも言ってみる」

千早「美希、あなた最近また頑張りすぎてるらしいじゃない。ロクに休みも取って無いって・・・」

美希「あっ千早さん。・・・大丈夫なの。ハニーに逢うためには仕方ないの」

千早「仕方ないって・・・所詮夢よ!美希!プロデューサーは二年前に死んだの!」

美希「ヤメテ!!聞きたくないの!ハニーは生きてるの!死んでないの!ミキの中にいるの!」ダダダッ

千早「美希!待ちなさい!」

ザワザワ ドウシタンダ?

千早「はっ・・・」ツカツカツカ

千早「(プロデューサー、あんなに大切だったあなたが美希の、私たちの負担になりつつあります・・・っ)」

千早「(あれ以来美希には避けられるし、美希はますます消耗していっている)」

春香「美希・・・ホント大丈夫なのかな・・・こわいよ・・・美希が壊れちゃいそうで・・・。プロデューサーさんのせいd」ハッ

千早「・・・」

春香「ごめん千早ちゃん・・・でも私・・・」

千早「気にしないで・・・かけがえのない存在だったプロデューサーの存在が今は私たちに重くのしかかっている気はしているの」

春香「千早ちゃん・・・どうしたらいいのかな・・・」

千早「わからないわ・・・」

―一か月後― 

春香「美希がステージ脇から落ちた!?」

千早「それで!?美希の容態は?大丈夫なの?」

律子「だいぶ悪いみたい・・・頭を強く打ったらしくて・・・意識も・・・もしかしたら・・・」

伊織「ちょっと!縁起でもないこと言わないで!」

やよい「そうです!もし美希さんまで死んじゃったら私・・・私・・・うわーん」

あずさ「泣かないで、きっと大丈夫よ。ね?」

真「雪歩もほら、落ち着いて」

雪歩「ありがとう・・・真ちゃん・・・うぅ」グスッ

社長「ひとまず、病院へ向かおう」

小鳥「撮影中の響ちゃん、貴音ちゃん、亜美ちゃん、真美ちゃん達も急いで病院へ向かうそうです」

律子「タクシーは手配しました!」

春香「行きましょう!」

病院

律子「美希!目を覚ましなさい!」

伊織「ちょっと!いつまで寝てんのよ!洒落になってないわよ!」

千早「美希・・・っ」

春香「美希ぃ・・・目を開けてよぉ・・・」

やよい「美希さーん!死んじゃいやですー!!」ウワーン

雪歩「美希ちゃん・・・そんな・・・」

真「美希!死なないで!美希が死んだら・・・ボク・・・ボク・・・」

あずさ「美希ちゃん・・・」

貴音「美希、目を開けてください」

亜美「ミキミキっ死んじゃだめだよー!」

真美「そうだよ!みんな悲しむし真美も悲しいよー!」

響「うわ゛―――ん」

小鳥「美希ちゃん・・・こんなことって・・・」

社長「先生、容態は」

ナントモイエマセン・・・トテモキケンナジョウキョウデス・・・

社長「そうですか・・・律子くん、親御さんへの連絡は?」

律子「急いでこちらに向かっているそうです」

社長「そうか・・・しかし、どうしてこんなことに」

小鳥「ステージリハーサル中に足を踏み外したそうです」

社長「なんと・・・」

美希「う・・・うん?」

亜美「ミキミキ!?」

真美「真美たちがわかる!?」

春香「美希!大丈夫なの!?」

伊織「しっかりしなさいよ!」

やよい「美希さーん!」

美希! 美希! 美希ちゃん!

美希「(みんないるの・・・)

美希「(確かミキは・・・そっか、ステージから真っ逆さまに落ちちゃったの)」

美希「(それで、みんなに心配かけちゃったの・・・)」

美希「(すぐに起きなきゃ。・・・でもすっごく眠いの・・・)」

美希「(起きるのは・・・ちょっと寝てからでもいいよね・・・?)」


――――――
――――
――

美希『ここは・・・夢の中なの!ということは・・・あっ!』

美希『ハニー!』タタタッ

美希『逢いたかったの!!』ダキッ

美希『この頃全然逢えなくて寂しかったの!』ギューッ



美希『そんなに謝っても許さないの』プイッ



美希『あはっ☆嘘だよハニー♪じゃあ、力いっぱいミキを抱きしめて。お願いなの。そしたら、許してあげるの』

ギュッ

美希『すっごく暖かいの。風も、ハニーの腕の中も。・・・ミキね、とってもとっても寂しかったの』



美希『ううん。ハニーにまたこうやって逢えたからもういいの。これからは、ずっと一緒だよね?ハニー♪』ニコッ





おわり

美希『』キョロキョロ

美希『あはっ☆』タタタッ

――――
――



↑脳内補完で冒頭に追加しといて

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