紅莉栖「何度タイムリープしたって岡部を寝取られる……」(154)

前編 『変態少女のメランコリィ』



8月13日 夕方



タイムリープマシン完成祝の宴会のための買い出しから帰った私は、ラボの開発室にいた。
椅子に座り眺める──世界を揺るがすかもしれない、このタイムリープマシンを。

しかし宴会まで時間が空いたのと、連日の徹夜続きもありついウトウトしてしまい──。


紅莉栖「んん……ん……」

紅莉栖「おか……べぇ……あんた……」

紅莉栖「……急に仲間がどうとか……支離滅裂……むにゃ」

紅莉栖「……ふへへ、おかべぇ……」

紅莉栖「ふぇ……」

紅莉栖「あ、あれ、私……」

紅莉栖(寝てたのかな。やだ、私ったら……こんなところでだらしない……)

紅莉栖(よ、涎垂れてるし……。あ、岡部! 岡部に見られてないでしょうね!?)

紅莉栖(もし見られてたら一生の不覚──)

 アッ ンッ ンッ ンッ

紅莉栖「……?」


開発室から、そっとリビングを覗いてみる──


岡部「はぁっ……ふぅっ……」

   「あっ……あんっ……んんっ……おかっ……いいっ……」

紅莉栖(ちょ!)

紅莉栖(な、なによこれ……お、岡部が……岡部が!)

岡部「うぐっ……ふっ……はっ」


女と重なり合っている。

紅莉栖(夢、夢よね!? 夢なのよね!? は、早く海馬に電極ぶっ刺して目覚め──いや、それよりまず開頭!)

紅莉栖(じゃ、じゃ、じゃない!) ギュウウ

紅莉栖(いったたたたたた!)

紅莉栖(ゆ、夢……じゃない……)

紅莉栖(おかべ……さっき……私のこと大切……って……いい雰囲気になって……あれ、私なんで……ふぇ……) ジワッ

紅莉栖(おかっ……、おかべぇぇ……うぅ……)

紅莉栖(なんでっ……わ、私だっておかべのことっ……)

紅莉栖(そ、そりゃいきなり求められたら断ったかもしれないけどどど、でもっ、でもぉ……)

紅莉栖(こんなの、あんまりよ……)

   「あっ……はふっ……うぅっ……」

岡部「くっ……うぐっ……!」



紅莉栖(……落ち着け、カームダウッ、牧瀬紅莉栖)

紅莉栖(これは夢じゃない、現実。そして岡部は女とファックしている、紛れもない事実)

紅莉栖(顔はよく見えなかったけど……あれは多分>>13さん……よね)


1.まゆり
2.萌郁
3.ルカ子
4.フェイリス
5.鈴羽

選んでオナシャス
1~5以外の安価はstにする

1

紅莉栖(あ…ありのまま 今 起こったことを話すわ)

紅莉栖(私は開発室でうたた寝していたと思ったらいつのまにか『岡部とまゆりがミッショナリースタイルで繋がっていた』)

紅莉栖(な…何を言ってるのか分からないとは思うけど、私も何なのか分からなかった)

紅莉栖(頭がどうにかなりそうだった……)

紅莉栖(夢だとか、妄想だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない)

紅莉栖(もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……)


 パンッパンッパンッ

 アッ……ンンッ……アッ

 オカッ……オカリッ……


紅莉栖「……」

 チラッ

木製の机の上で静かに佇むタイムリープマシン。
これを使えば──


紅莉栖(岡部は渡さない……絶対にだ)

 バチバチバチバチ


紅莉栖「跳べよぉぉぉぉっ!」




けれど8月13日、私は世界の構造と残酷さを知ることとなる──
皮肉にも、私が完成させたタイムリープマシンの力を使うことで。










紅莉栖「何度タイムリープしたって岡部を寝取られる……」

8月13日 ~タイムリープ一回目~



紅莉栖「うぅっ……」

紅莉栖「……はぁっ……はぁっ……」

岡部「おい、どうした助手よ……、まさか機関からの定時連絡に問題でもあったか?」

岡部「それとも……・そんなに階段がきつかったのか? ん? この貧弱実験大好きっ娘め!」

紅莉栖(……ここは……ラボの前? 確か私はラボの開発室で岡部とまゆりの……)

紅莉栖(そしてタイムリープマシンを起動して……)

岡部「お、おい……クリスティーナ?」

紅莉栖「い、今何時!?」

岡部「え? あ……17時くらいだが……」

紅莉栖「17時……」

紅莉栖(私の記憶では19時くらいだったはず……と言うことは)

紅莉栖(携帯携帯……今は8月13日の17時……うん、合ってる)

紅莉栖(成功したんだわ、タイムリープ)

岡部「おいクリスティーナ、どうしたと──」

紅莉栖「おっ……おかべっ!」

岡部「んん? なんだ? 言いたいことがあるのなら聞いてやらんこともないが」

紅莉栖「……え、えっと……」

紅莉栖(ど、どうしよう、跳んだはいいけどほぼノープランだった……)

紅莉栖(あわわわ……考えて! 考えるのよ天才脳科学者!)

紅莉栖「……と、とりあえずラボに入りましょ?」 ニコッ

岡部「お、おう……?」

~ラボ~



紅莉栖「……」

岡部「……」

紅莉栖(き、気まずい……)

岡部「おい、何か話が……あるのではないか?」

紅莉栖「ええ!? う、うん、そ、そうなんだけど……」

紅莉栖(ど、ど、どどうしたらいいの!?)

紅莉栖(まゆりとファックしないで! なんてお願いできるはずもないし……)

紅莉栖(ああああ! 恋愛経験0で過ごしてきた過去の私を殴りたい……助走付けて殴りたい……)

紅莉栖(……ウェ、ウェイウェイウェイ!)

紅莉栖(大丈夫、例え岡部とまゆりがそういう雰囲気になったとしても、ここに私がいれば何の問題もないはず)

紅莉栖(私がいる目の前でファックできるのならやってみなさい!)

紅莉栖「あ、や、やっぱり話すほどのことでも……なかったかなーって……」

岡部「……?」

岡部「そうか……なら俺は少し出かけるぞ」

紅莉栖「ふぇっ!? な、なんでよ! もうすぐ宴会じゃない!」

岡部「まゆりを迎えに行ってくる、少々帰りが遅いのが気になっていたのでな」

紅莉栖「ちょ!」

紅莉栖(今行かせたらそのままラボじゃなくてラブホでズッコンしかねない! だめよ、ここは絶対行かせちゃダメ!)

岡部「では少しの間留守を任せ──」

紅莉栖「おかべぇっ!!」 ダキッ

岡部「ぬわあぁっ!?」 ゴシャ

紅莉栖「あ……」

岡部「……お、おのれザゾォンビ……この鳳凰院凶真の足を引っ張って転倒させるとはぁぁ!」

紅莉栖「せ、説明ゼリフ……乙」

岡部「……貴様は反省しているのかっ」

紅莉栖「だ、だからごめんって……」

岡部「もういい、行ってくる」

紅莉栖「ちょ!」

 バタン

紅莉栖「あ……う……」

紅莉栖(ど、ど、どうしよう、このままじゃ私の岡部が……おかべがぁっ……」

紅莉栖「……」

紅莉栖「こうなったら」

 ピッピッピ

To:まゆり
Sub:コスプレについて話がある件
本文:マシン完成の時も思ってたんだけど、ちょっとコスプレに興味が湧いてきたっていうか
   別に今すぐ着たいって訳じゃないんだけどね?
   よかったら話聞かせてもらえないかなーなんて
   とりあえず連絡もらえないかしら?

~紅莉栖のホテル~



まゆり「クリスちゃん……ど、どうしてこんなことするのかなぁ……?」

紅莉栖「ごめんなさいまゆり、少しの間大人しくしてもらえるかしら」

まゆり「コスしたいってのは、嘘だったの?」

紅莉栖「……」

まゆり「何か、しゃべってよ……ねぇ……」

紅莉栖「今は何も話せない……全て終わったら、埋め合わせはするから……」


私はコスプレの話に食いついてきたまゆりをホテルに連れ込み、ロープ縛り上げて身動きを取れないようにした。
親友(笑)
今の私はきっとものすごく醜いだろう。

途中まゆりから身が凍るほどのプレッシャーを感じたので海馬に電極をぶっ刺しておいた。
命に別条はない、多分。

ロープが千切れていたがすんでのところで間に合ったらしい。
恐ろしい子!

~ラボ~

 ガチャ

紅莉栖「はろー……」

 シーン

紅莉栖「あれ、まだ戻ってないのかな……」

紅莉栖(時刻は18時……岡部ったらどこほっつき歩いてるのかしら)

 ピッピッピ

To:岡部
Sub:
本文:早く帰って来なさいよ
   まゆりなら気分が悪いから、今日は遠慮しとくって言ってたわよ

 ピッ

紅莉栖「ごめん、ごめんねまゆり!」

紅莉栖「でも私は……! 岡部のことがっ……!」


────
───
──

~開発室~



紅莉栖「……ふへへ、おかべぇ……」

紅莉栖「ふぇ……、あ、あれ、私……」

紅莉栖(また寝てたのかな。やだ、私ったら……こんなところでだらしない……)

紅莉栖(よ、涎垂れてるし……。あ、岡部! 岡部に見られてないでしょうね!?)

紅莉栖(もし見られてたら一生の不覚──)

 アッ ンッ ンッ ンッ

紅莉栖「……?」


開発室から、そっとリビングを覗いてみる──


岡部「はぁっ……ぐぅっ……」

萌郁「あぁっ……んんっ……おかべくっ……いいっ……」

紅莉栖「」

まゆりを遠ざけたと思っていたら、今度は桐生さんが岡部の上で躍動していた。
ここから岡部の表情をうかがい知ることはできなかったが──

眉を八の字にさせながら切なげに喘ぐ桐生さん。
ウーマン・オン・トップ、激しく揺れる二つのメロン。
今にもはち切れそうなくらい激しく上下する。


 ズッチュッ ズッチュ

萌郁「どう……? おかっ……べく……」

岡部「うぐっ……はげし──あまり動くとっ……」

 
萌郁「おかべくん……すき……んっ……」

岡部「んむっ……」

 チュル チュッ

汗がはじけ飛ぶほどの躍動──律動。

 ズチュッ チュッ

岡部と桐生さんの結合部を目視することはできなかった──
が、水気を帯びたその音から、二人の繋がりあった部分は熱く燃え上がっていることが容易に想像できた。


なんなのよ……。
なんなのよぉっ……。








紅莉栖「跳べよぉぉぉぉっ!」

岡部「うっ!」

萌郁「あっ……」

8月13日 ~タイムリープ二回目~


~ホテル~



まゆり「ク、クリスちゃん?」

萌郁「……IBN5100は……どこ?」

紅莉栖「ごめんなさい、あなた達二人には大人しくしてもらうわ」

 ブスッ ブスッ

まゆり「」

萌郁「」

~ラボ~



紅莉栖「今度はうたた寝しないうたた寝しないうたた寝しないうたた寝しない」

紅莉栖「うぅ、でも眠い……」

紅莉栖「おかべぇ……早く戻って……きて……」


────
───
──


 ガチャ

岡部「む、紅莉栖か、一人か?」

紅莉栖「あ、お、岡部!」

岡部「突然だがお前に言うことがある、紅莉栖、俺はお前が好きだ!」

紅莉栖「ふぇっ!?」

岡部「お前はどう思っている?」

紅莉栖「私も──!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



紅莉栖「……ふへへ、おかべぇ……」

紅莉栖「ふぇ……、あ、あれ、私……」

紅莉栖(ま、また寝てた!? ど、どうして!?)

紅莉栖(うっ……ってまた涎垂れてるし……。あ、岡部! 岡部は!?)

 アッ ンッ ンッ ンッ

紅莉栖「──!」


開発室から、そっとリビングを覗いてみる──


岡部「はぁっ……ふぅっ……」

るか「あっ……あんっ……んんっ……おかべさっ……いいっ……」

紅莉栖「」

まゆりと桐生さんを遠ざけた結果、漆原さんが岡部と繋がっていた。
いわゆる背面駅弁。
岡部はいわゆる……アナルファック──後ろの孔を使用──していた。
少し距離があるが、ここからでも結合部がはっきり確認することができる。


岡部「うぐっ……うぅっ!! きつっ……」

るか「はっ……うぅっ、おか…………んんっ」


そびえ立つ肉の塔が天を仰ぐたび、漆原さんの後門が強引にこじ開けられていく。
漆原さんは悩ましげな声をあげ、前門からは綺羅びやかな蜜が滴り落ちていた。


るか「あっ……あぁっ……」

岡部「ルカ子っ……ぉおっ……」

紅莉栖(って冷静にスネークしてる場合じゃないわ……)

紅莉栖(何? 何が起きてるの?)

紅莉栖(いくら漆原さんが岡部のことを想っているとはいえ、こんなのあまりにも不自然すぎる……)

紅莉栖(……もっと考える時間が欲しい……この不可解な現象の解を得るために……)


るか「おかっ……おかべさんっ……す、すきですっ…‥! も、もっとはげしっ……んっ……」

岡部「ぐぅっ……うぅっ……おぉぁっ……」


紅莉栖「」 イラッ










紅莉栖「跳べよぉぉぉぉっ!」

岡部「うっ!」

るか「あぁっ……!」

8月13日 ~タイムリープ三回目~



紅莉栖「……ここは」

紅莉栖(開発室……未完成のタイムリープマシン……時刻は10時)

紅莉栖「……今回も成功のようね」

紅莉栖(さて、考える時間がほしいわ……、さっさとタイムリープマシンを完成させて──)

紅莉栖「はっ──」

紅莉栖(……だめ、私……また失敗してもタイムリープマシンさえあればやり直せる、そう思考してた)

紅莉栖(……いつしか岡部と誰かが重なり合っていても驚かなくなっている……)

紅莉栖「でも、一応完成はさせておかないとね」 カチャカチャ

岡部・ダル・まゆり「?」


────
───
──

紅莉栖(今回は”橋田”にメールして岡部をラボメンガールズから遠ざけるようお願い──)

紅莉栖(もちろん宴会は明日へと延期。今や私のラボでの権限は岡部なんかよりずっと上だものね)

紅莉栖(……これで岡部からラボメンガールズを遠ざけることができた……)

紅莉栖(橋田には後でお礼言わないとね)

紅莉栖(これで岡部は私と……)

紅莉栖「うふ、うふふっ……」


しかしこの時の私は、世界の構造、どんなにタイムリープしていても結果は収束する──
その事を理解していなかった。


────
───
──

岡部「うぐぉぉぉっ!」 パンッパンッ

フェイリス「んっ……んっ……んぁっ……きょうっ……おかべさんっ……だめっ……そんなにっ」

紅莉栖「」



気づけば私は、今日4度目のうたた寝。
その後開発室から岡部と猫がファックしているのを目撃する。
橋田のやつ、しくじったみたいね。
大方メイクイーンにでも行ったんだろうけど……。
それじゃあ意味が無いじゃない!

ちなみに、今回のプレイはドギースタイル。メイド服は着たまま。
四つん這いになったフェイリスさんを岡部が背後から突きまくる。メイド服は着たままで。
その度にフェイリスさんの顔と猫耳が快楽に歪む。メイド服は着たままだけど。

ふむん、これが着エロというものか……。
参考にしよう──。

岡部「フェイッ……リスッ!」 パンッパンッ

フェイリス「あっ……おかっ……いま……いまは……るみっ……ほって……あんっ」

岡部「うぐぁぁぁっ!!」 パパンパンパパンパン

留美穂「あっあぁっ……はげしっ……いっ……」


あらやだ、涎なんて垂らしちゃって。
全く犬みた──あ、猫か。

って──
くだらないこと考えてる場合じゃない。


岡部「うぅぅっ!」


岡部(の童貞)は私が守る。



紅莉栖「跳べよぉぉっ!」

岡部「うっ!」

留未穂「ぁっんんっ……」

8月13日 ~タイムリープ四回目~



紅莉栖「……」

紅莉栖(今は……8月11日の19時……)

紅莉栖(タイムリープの限界である二日間しか考える時間はない)

紅莉栖(いや、岡部が犯される前に飛べば時間は無限……)

紅莉栖(だめ、こんな考えじゃダメよ、今までは成功してるとはいつ失敗するとも限らない)

紅莉栖(早く……早く解を導き出さなきゃ)

────
───
──



おかしい、どう動こうとも結果は変わらない。
ある程度の過程は変化する……。
しかし、最終的に岡部と私以外の誰かがラボでファックするという結果に落ち着く。
これじゃまるで運命論じゃない……。


岡部「あぁぁっ!!」 パンッパンッ

鈴羽「んっ……あっ……おかべっ……りんたっ……」


……ラボで岡部倫太郎と誰かがファックしたという結果、そしてそれを目撃した牧瀬紅莉栖。
この結果は変わらないということなのかしら?

だとしたら岡部は世界に犯されてることになる
抗えぬ運命……。


そんなの認めない、運命論なんて私は支持しない。

岡部「うあぁぁっ!」

鈴羽「あっ……もっと! 奥までっ……ぇっ……」

考えろ、考えるのよ牧瀬紅莉栖。
どうしたら岡部を救うことができるの?
……喉が渇いたわね。


 シャー

鈴羽「ま、牧瀬……紅莉栖っ!?」

岡部「うっうっ……!」 パンッパンッ


トコトコ ガチャ バタン キュポッ ゴキュ


紅莉栖「続けて、どうぞ」

鈴羽「……っ!?」

今回はスタンディングドギースタイル。
中途半端にめくれ上がったジャージに押さえつけられているものの、二つの膨らみが切なげに揺れる。

スパッツは履いたまま──
と言うことは局部の部分だけ破って、ということだろうか。


岡部「すずっ……鈴羽ぁっ……!」 パンッパンッ パパンッ

鈴羽「き、君はっ……んっ……一体……」


どうやら岡部には私のことが目に映らないらしい。


岡部「うぐうぅぅうぁぁっ!」 パンパンパンパン

鈴羽「あっ……ちょ、おかべりんたっ……やめっ……ぁぁっ……」

まるで気が狂ったように腰を動かしている。
だけど、快楽に身を委ねていると言うよりは──


岡部「あぁぁぁぁっ!」 ズッチュ パン チュ パンパンパン

鈴羽「あんっ、ちょっと、激しすぎっ……る……って!」

岡部「ぐうぅうぅぅっ」 パンッパンッ


苦しんでいる──ように感じた。
前回のファックを目撃してからからだろうか。

もしかして弱みでも握られているんじゃ……?

いや、今は理由はどうでもいい、岡部を……岡部を守る方法を考えるのよ。

思考を巡らせる。
ただただ思考を──


 パンパンパン


もしかして──


 パンパンッ


あの時のあれ。
そして数日前のHENTAI行為。
極めつけにはリーディングシュタイナー。


 パンパカパーン


          その時……! 圧倒的閃きっ……!!
          牧瀬紅莉栖に電流走る……!

助けられるかもしれない、岡部を。
岡部の童貞を。
すでに起きたことの結果を変えられないとしても、この方法ならば。

まずタイムリープ、その後……あの娘とコンタクトをとり、その後──


待ってて岡部、絶対、助けるから……。
あんたを、助けるから……。













紅莉栖「跳べよ」

岡部「うっ」

鈴羽「ぁんっ」


前編 『変態少女のメランコリィ』 END

後編 『再生と狂気のマッドサイエンティスト』



8月13日 夕方



俺はタイムリープマシンの開発評議会のための買い出しを終え、ラボでゆっくりしていた。
紅莉栖はタイムリープマシンの最終チェックがしたいといい、開発室に篭りっぱなしだ。
俺はというとソファに腰を掛け、評議会までの空いた時間を持て余していた。


岡部「うーむ……暇だな……クリスティーナでもからかうか」

 シャー

岡部「……」 チラッ

紅莉栖「むにゃむにゃ……おかべぇ……」

岡部(!? な、なんだ……? 寝てるのか……?)

岡部(……バカ者め、夏とはいえ風邪を引いても知らんぞフゥーハハハ!)

岡部(どれ、タオルケットでもかけ──)

紅莉栖「ばか……おかべ……」

岡部「……」 イラッ

岡部「放置だな」

岡部(ドクペでも飲むか)

 ゴキュ

岡部(う……しかし、紅莉栖の寝顔……ちょ、ちょっとドキっとした)

 ガチャ

岡部「おわうっ! まゆりではないか、脅かすな」

まゆり「んー? どうしたのー?」

岡部「い、いや、なんでもない……ちょっと機関による精神攻撃のせいで動悸が、な……」

まゆり「……顔赤いよー?」

岡部「え? そ、そうか?」

まゆり「風邪かなー?」 ピトッ

岡部「や、やややめんかっ」

まゆり「もー、お熱がちゃんと計れないよぉ~」

岡部「この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真! 風邪などに倒れるわけがなかろうっ!」

まゆり「……そんなこといってー、昔ずーっとうんうんうなされてたのはどこの誰かなー?」

岡部「うっ……、そ、それはだな」

まゆり「えっへへ」

岡部「……まゆり?」

まゆり「あの時は、オカリンが死んじゃうんじゃないかって、すっごく心配だったんだよー?」

岡部「そ、そんな……大げさな……」

まゆり「まゆしぃはとっても心配なのです」

岡部「え?」

まゆり「オカリンのリーディングシュークリーム? の時と、昔熱出した時……おんなじなんだもん……」

まゆり「急に目の前がぐにゃぐにゃしてきて、立っていられなくなって~、って……」

岡部(……リーディングシュタイナーのことか)

まゆり「まゆしぃはオカリンがどこかへ行っちゃうんじゃないかって……すごく、すっごーく心配したんだよ?」

岡部「まゆり……」

まゆり「えっへへ、ごめんね? 急に……こんな話しちゃって。せっかくのかいはつひょーぎかい、なのにねっ」

岡部「心配するな、俺はどこにもいかん」

岡部「だからお前もずっと俺のそばに──」

岡部「……っ」

まゆり「ふえっ?」

岡部「い、いや、なんでもない……」

まゆり「ねえオカリンオカリン、覚えてる?」

岡部「何を──んっ」

 チュッ

まゆり「えへへ……」

岡部「おまっ……いきなり、な、何をっ……」

まゆり「まゆしぃたちが小さい頃、遊びでしたことあったよね……」

岡部「え? あ、あぁ……」

まゆり「ね、ねえオカリン」

岡部「お、おう!?」

まゆり「まゆしぃたち……もう……大人……でいいんだよ……ね?」

岡部「え!? ど、ど、どどうでしょう!?」

まゆり「まゆしぃはそろそろ……大人の階段……登りたいなー……って、思ってるんだぁ」


なにいいいい!?


まゆり「ね……い、いいよね? オカリン……」


今にも消えそうな声で呟くと、まゆりは顔を近づけてくる。


まゆり「んっ……」

岡部「──!」


先ほどの小鳥が啄むようなキスとは違い、今度は恐る恐る舌を絡ませてきた。

まゆり「んっ……はぁっ……」


まゆりの細い喉から漏れる吐息、今まで経験したことのない感触。
全身の毛穴が開き、体温が上昇するのを感じ取る。
同時に、下半身にも灼熱の欲望が溢れ出す。


岡部「んんっ……」

まゆり「オカリ……」

まゆり「……えへへ」

岡部「まゆ……」

まゆり「ずっと、オカリンと……こうしたいなー……って思ってたんだぁ」

まゆり「でもね? オカリンはクリスちゃんと……」

まゆり「だからまゆしぃは……もう──」


そう、開発には今、紅莉栖が──
だが、もはや抑えることはできなかった。

岡部「まゆりっ!」

 ギュウウッ

まゆり「え!? えー!?」


我慢できるはずがないじゃないか!
俺はただの学生で、ただの男だ。

今度は俺からまゆりの唇を求めた。
唇、舌、歯茎とあらゆる箇所を貪り、耳、首へと目標を変える。


まゆり「オカッ……んんっ……はっ……んっ」


並行してまゆりのふくよかな乳房も揉みしだくと、豊満な胸とに対して小さな躰が一瞬引きつった。


まゆり「あっ……ぅっ……」


悩ましげに声を濡らすまゆりが愛おしすぎて──
俺はまゆりの下腹部の下へ指先を這わせる。
すでにまゆりの運命石の扉は、淫らにぬたついていた。

まゆり「やっ……だめっ……」

岡部「……だめか?」

まゆり「……で、でもこれ以上は……」

岡部「もう、抑えられないんだ……」

まゆり「オ、オカリーン……」


この時の俺は残念ながら冷静ではなかった。
一時の欲望に溺れるということが、いかなる破滅を招くのか、あの時の教えてやりたい。

まゆり「オカリン……いい……よ?」

岡部「あ……あぁ」


床に仰向けになっているまゆり。
そのまゆりを見下ろす。
自己主張の乏しい肉芽──
もはや運命石の扉は、俺の魔剣を受け入れる準備ができていた。


例えるなら宇宙。
キラリと濡れ輝く星たち。
その中でもひときわ大きく、そして煌めく太陽にそっと触れてみる。


まゆり「やっ……だ……だめぇ……」

岡部「……」


この圧倒的征服感。
今まで大事に大事にしてきた幼馴染。

冒涜──

思わず滅茶苦茶にしたくなる。

 ギィィィン

実戦はじめてにも関わらず、脈打つ我が魔剣は桃色からどす黒く変色していた。



岡部「……いくぞ」

まゆり「う…………うん」


機は熟した。
ずっと閉ざされてきた秘部に、孤独の観測者をあてがう。


まゆり「ひぅっ……」


濡れた感触が絡みつく。
思わず身を震わせるが、もう立ち止まれない。もう迷いはない。
ずぶずぶと埋まっていく魔剣ミストルティン。


まゆり「ぁ……ぅ……」

岡部「うくっ……」

視界が真っ白になり、全身に電流が走ったかのような感覚に陥った。
今、俺は運命石の扉へと到達したのだ。

動けなかった。

僅かな振動でも果ててしまいそうだったからではなく──
甘美な快楽を一秒でも長く味わっていたからでもなく──

ただただ思考が延々と引き伸ばされていた──


まゆり「ぅっ……おかり……ん」

岡部「……」

まゆり「……い」

まゆり「いいよ……動いても……」

まゆり「まゆしぃなら……大丈夫……だから」

岡部「……あ……ぁぁ」

────
───
──


まゆり「はぅっ……ぅっ……ん」

岡部「ふっ……! はっ……!」

まゆり「んんっ……」


運命石の扉に到達してから、どれほどの時間が過ぎただろうか。
随分長い時間を過ごしてきたようにも、一瞬のことだったようにも感じる。


岡部「まゆ……りっ……」 ニチュッ 

まゆり「んっ……ぁっ」 チュッ 

岡部「はぁっ……ふぅっ……」 ズッチュ

まゆり「あっ……あんっ……んんっ……おかっ……いいっ……」

まゆり「あっ……はあっ……うぅっ……」

岡部「くっ……うぐっ……このままではっ!」

まゆり「いいよ……このままっ……」

岡部「はぁっ……はっ……」














   「跳べよぉぉぉぉっ!」

岡部・まゆり「!?」

岡部「うっ!」 ドピュルルル



 グニャアアアア

リーディングシュタイナーが発動した。

……どういうことだ?
俺が送ったのはDメールではなく精子だ。
まさかそれで世界線が変動したとでも?

いや、それより紅莉栖だ、紅莉栖の声が聞こえた。
もしかしてあいつ、タイムリープを?
となると紅莉栖がタイムリープしたことにより世界線が変わるような行動──
その結果俺のリーディングシュタイナーが発動したといったところか。

体の火照りは依然として収まっていなかったが、思考は冴え渡っている気がした。


   「おか……あんっ!」

岡部「おいまゆり、い、今はそれどこじゃ──」

萌郁「んっ……あっぁっ……」


目を疑った。
いつの間にか俺は床に仰向けになっており、萌郁が俺に跨り身を捩らせている。

ええええ!?
な、なぜだ、俺はなぜ萌郁と!?
まさか世界線が変わったから!?

い、いや、それより……も、だ。
さっきイッたばかりなのに我が魔剣がまた血に飢えている。
いや、”また”ではない、恐らく俺は”まだ”イッてないのだ。
だが脳はイッたと認識している……。

その記憶の齟齬が俺を苦しめることになる──


岡部「う、うぐっ……」

萌郁「岡部く……?」


岡部「うぁぁぁ!」


脳はイッたと認識しているはずなのに下半身は脈動を留まることを知らない。
まずい、なんだかおかしい。

岡部「うおぉっ」

萌郁「あっぁっ……すごっ……んんっ」


萌郁が腰を激しく上下させてるところに、さらに捻りを加え、魔剣の刺激を高める。
早く、早く魔剣に溜まった邪を──



   「跳べよぉぉぉぉっ!」

岡部・萌郁「!?」

岡部「うっ!」 ドピュルルル



 グニャアアアア

ま、また紅莉栖の声と共にリーディングシュタイナーが発動した!

うぐっ……。
恐る恐る目を開く──
そこには黒髪、ルカ子──
俺はルカ子の両の膝の裏に腕を通し、華奢な体躯を持ち上げ、腰を跳ね付かせていた。

なんだよこれ。

さらに、またも世界線が変わったせいで脳と体の状態の齟齬が発生している。
脳からの快楽物質の放出は次第に抑えられていくものの、依然として俺の下半身は膨張を続けており、ルカ子の蜜壷に包まれている。


──正確には後門だったのだが、今の俺は知る由もないし、今後も知ることはなかった。


るか「き、きて、おかべさっ……」

相変わらずキュンと来る。

だが男だ。
いや、今は女だ。

くっ……前代未聞前人未到の境地……!
脳はすでに果てている。だが躰は欲しがることをやめない!
頭では分かっていても、躰がそれを受け入れようとしない!

岡部「うおおおおっ」 ズンッズンッ

るか「ふぁぁっ! だ、だめぇぇぇ……」



   「跳べよぉぉぉぉっ!」

岡部・るか「!?」

岡部「うっ!」 ドピュルルル


 グニャアアアア

頭がどうにかなりそうだった。
艶かしい躰を貪りつつ、脳は必死に抑制をかけようとした。
しかし躰は……俺の躰ではなくなったかのように律動する。


 パンッパンッ


岡部「うぅうぅっっっぐぐぅっ!」

留美穂「にゃっ……うっ……あんっ……奥にぃっきて……るっ……」 パンパン


苦しい、すべて出し切りたい、注ぎ込みたい。

視界は真っ白になり脳髄は常に電流が迸っている。

もはや目の前の躰が誰のものかなど関係無かった。

岡部「おおおっっ!」 パンパン

留美穂「あぅううぅっ!」



紅莉栖「跳べよぉぉっ!」

岡部「うっ!」

留未穂「ぁっんんっ……」

 グニャアアア

また、まただ──
世界が俺を犯そうとしている。
いや、この場合俺が世界を犯しているのか?

……そんなことはどうでもいい。

全部俺のせいだ。
俺が迂闊に運命石の扉を開いたせいだ。
そこに首を突っ込んだせいだ。


あのときの俺に言ってやりたい。
迂闊なことをするなと。
軽率なことをするなと。
見てみぬフリをするなと。
もっと注意をはらえと。
一時の欲望に溺れてしまっては破滅を招くということを!

ああぁぁあ
壊れる、壊れてしまう。
依然として俺の脳は錯覚を起こし快楽物質、脳内麻薬をぶちまけている。
このままでは廃人も同然、いやそのほうがまだましかもしれなかった。

 パンッパンッ

もはや抑制することが出来ない。
もはや自分の躰ではなかった。

これではまるで猿じゃないか……。
なんだろう、灼熱の蜜に溺れている岡部倫太郎──
それを上から冷えた目で見ている俺、そんな感覚。


 パンパン


鈴羽「牧瀬……紅莉栖っ!?」

紅莉栖「続けて、どうぞ」

紅莉栖に見られてる、でもどうでもいい。
今はこの数億もの岡部倫太郎を放出したい。
そのために腰をくねらせ続ける。
白濁のワルツを踊り続ける。


岡部「すずっ……鈴羽ぁっ……!」 パンッパンッ パパンッ

鈴羽「あんっ、ちょっと、激しすぎっ……る……って!」

岡部「ぐうぅうぅぅっ」 パンッパンッ





紅莉栖「跳べよ」

鈴羽「!?」

岡部「うっ!」 ドピュルルル

タイムリープでは世界線変わらないんじゃなかったか?

──あ、りーでぃんぐしゅたいなー。
ながい。
こんどはとてもながい。

俺は琥珀色の海を泳ぎ続けていた、全裸で。

すごくぐにゃぐにゃしてる。

目を閉じて流れに身を委ねる、全裸で。

とてもきもちがいい。

次第に世界は元の形へと収束する。

あ……。

俺は……。

うぐっ……
長いリーディングシュタイナーだった

だが今の俺の躰はそんなことお構いなしだった
今すぐに出し切りたい
俺を受け入れて欲しい

しかし俺の目の前には誰もいなかった

ど、どういうことだ?

>>132
クリスが過去に戻っていろいろやったから現代のオカリンからしたらちびっと世界線が変わってるんじゃない?

紅莉栖「お、岡部!?」

岡部「紅莉栖!?」

紅莉栖「あんた一体……」

岡部「く、紅莉栖、助けてくれ……」

紅莉栖「ふぇっ!? は、初めて名前を……って今はそんなことどうでもいい!」

紅莉栖「あ、あんた……」

紅莉栖「あんたたち一体……ナニを……!」

岡部「はっ!?」


後ろを覗いてみる。


るか「はぁっはぁっ!!」 パンパンッ

岡部「」


まさか──
観測した途端、俺の運命石の扉は”異物”を認識し出した。

岡部「おおうううっ……!!」

るか「お、おかべっ、おかべさぁん!」 パンッパンッ


待て、ルカ子はさっき女だったはず──
と言うことはさっきのやたらと長かったリーディングシュタイナーは……
紅莉栖のタイムリープ+ルカ子のDメール打ち消し……!?

いや、そんなことはどうでもいい。
男だとか、女だとかそんなことはどうでもよかった。
今はただこの苦しみを──


紅莉栖「あ、あわわわわ!」

岡部「くっ、紅莉栖っ……!」

紅莉栖「ほ、ホモォ……」

岡部「俺はお前のことがっ……」

岡部「すっ──」

岡部「だっ──」




そこで俺の脳は限界を迎えた。
その後、夢の中でルカ子に何度も何度も突かれながら──
紅莉栖にだいしゅきホールドを食らい──
俺自身も幾度と無く、その細身の体を貪り尽くした。


その喧騒の外で、屈強そうな男たちが、とち狂ったダルやまゆりにゲルバナにされていた。

が、そんなことはどうでもいい。
シュタインズゲートは開かれたのだから。




後編 『再生と狂気のマッドサイエンティスト』 END




 /~ヽ、         _     ,、=^'-、_

E∧! \~゙゙''= 、   σ   λ ,r‐''~゙/!∧K'''
     ヽ、_  ヽ-、 ~~~,、r゙ ./      /  
       `i \i ト(´・ω・)-,.rー゙      <  変態少女と狂気のマッドサイエンティスト

        トイ \ Y!! 。I ミ          \  
       . ヽ-\  /ヽ-ン'     
        .Y シー゙-ノ/゙゙ラi   
        人ミ 十レ y 人)                    _ 
        )::ヽー''フ  い ./                   σ   λ
        i::;r-‐‐ヽ ノ,i /,、                   ~~~     /

        K    i, ノ ー' .3                  (・ω・`)    <  END
         ヽ ヽ V-'" ̄            r--、_   r<_,゚ yミ'''~>=-、  \
          \  い              〆-''ヽ,゙ヽr'~ハ ̄. T 〆W゙i,ノ
            ゙7、 ゙ヽ,                ヽ、_,=-イ\,ノt-ノリ~リ

             .い \                /''゙ ̄`=+、_ニシ( .ン゙''~"'ヽ
             ヽ、ヽ \             ./ ー人   .)`゙~:::::Y   ハ `r、
                \ \           ./ ノ  / ヽ、_ノ::::_;:::::::`、,,r''"i ヽ ヽ
                 .\\         / __,r-'゙     ̄ ~"'''~~  ヽ、  !
                   ( \      /./                 \ ゙!

                    `i_, ヽ   ,-''゙ (                    ! \

>>132

タイムリープで世界線~については

>>135

です、ちょっぴり補足すると
原作ルカ子ENDでルカ子タイムリープ→ほんのすこしだけ過去が変わってオカリンRS発動、ってあったので

タイムリープでもRS起こるくらいの変動は起こせるのではないかな、と



見てくれた人ありがとう
まゆしぃはごめんね

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