向日葵「わたくしの計画」(506)

向日葵「…………」ペラ

向日葵「はぁ……」

楓「お姉ちゃん、なに読んでるの?」

向日葵「あら楓……ほら」

楓「わぁ、けっこんしきの?」

向日葵「式場で売っている本だそうで……お母さんが貰ってきたんですわ」

楓「すごいの、このドレス」

向日葵「ええ、ほんとに……///」


楓「おねえちゃんも、こういうの着たいの?」

向日葵「えっ、私は……」

向日葵(着たいというより……)



向日葵「着せたいですわ。櫻子に!」


向日葵(櫻子のドレス姿……想像しただけでも胸に来ますわ! 目頭が熱くなりますわ!)

向日葵「といっても、まだ中学生ですしね……ドレスなんて望んで手に入るようなものでもありませんし」

向日葵「どうしようかしら…………はぁ」


向日葵(櫻子、あなたは)

向日葵(あなたも着てみたいと思ってるのでしょうか)

向日葵「……ドレスは女の子の夢ですわ。櫻子だってきっと私と同じ考えのはず!」


向日葵「もうこうなったら……」


向日葵「いっそ、自分で作ってしまえばいいんですわー!!」

ーーーーーー

向日葵「まずはともかく情報を集めませんと。ドレスの作り方なんて全然わかりませんわ」

向日葵「というかドレスの作り方なんてどこで聞けるのか……」

向日葵「うぅ……こういうときに家にパソコンがあれば便利ですのにね」


向日葵「でも! そんなハイテクなものには頼りませんわ。 方法はいくらでもあるはず!」


向日葵「手始めに、図書館にでも行ってみましょうか」



向日葵「えっと……結婚式、結婚式」

向日葵「服飾で見た方がいいのかしら。それとも……」

「あれ、向日葵ちゃん?」

向日葵「?」

あかり「あ、やっぱり向日葵ちゃんだ~」

向日葵「赤座さん。こんにちは」

あかり「なに探してるの?」

向日葵「えっ! えっと……」

向日葵(この計画は……むやみに他の人には教えない方がいいですわよね)

あかり「んーっと……編み物の本?」

向日葵「え、ええそうなんですわ。新しいものに挑戦しようと思いまして」

あかり「向日葵ちゃんこういうの上手だもんね~。前もちなつちゃんにマフラー教えてあげてたし」

向日葵(今度はマフラーどこの話じゃないですけど……)

あかり「頑張ってね? あかり、そろそろおうちに帰らなきゃだから、またね~」

向日葵「あ、はい。また……」

向日葵(……ふぅ、セーフですわ)


向日葵「それにしても、やっぱりドレスの作り方なんて本はなかなか無いですわね」

向日葵「洋裁のジャンル。恐らくこの辺りが一番近いものが得られるでしょう」

ペラ……

向日葵「う……やはりひとくちに洋裁と言っても種類が多いですわ」

向日葵「基本ベースを作って、そこにアクセサリやパーツを付けていく感じでも様にはなると思うんですけど……どうなのかしら」

向日葵「あっ、そういえばこの図書館はパソコンを借りられましたわね。ちょっとそっちでも調べてみようかしら」



向日葵「ウェディングドレス 作り方……っと」ッターン

向日葵「あ、あら? いっぱい出てくる……」


向日葵「…………」カチカチ


向日葵(なんだ……同じようなことを考える人って、やっぱりいますのね……)

向日葵「関連書籍もいっぱい出てますわ。もっと新しい図書館とかに行けば置いてるかしら」


向日葵「…………」


向日葵(なんでしょう……がんばろうと思ってたのに、急に俗物っぽくなってしまったというか)

向日葵(……ま、負けませんわ! 櫻子の姿を思い浮かべれば、なんのこれしき!)

向日葵「私はこんなものには屈しない……これよりもっとすごいのを作ってみせますわ!」

向日葵「俄然やる気が出て来ましたわ。 とりあえず今日の所は参考になりそうな本を全部借りて行きましょう」



楓「おねえちゃんおかえりなのー」

向日葵「ただいま楓。遅くなって申し訳ありません」

楓「荷物重そうなの。だいじょうぶ?」

向日葵「だ、大丈夫ですわ。私の愛の前にはこのくらい……」

楓「??」

向日葵「あ、ごめんなさいね。すぐご飯にしますから」

向日葵(早めにお風呂に入って、宿題もやって……忙しいですわね)

向日葵「一歩一歩、こつこつと頑張りましょう」

楓「お姉ちゃん、お風呂先でもいいよ?」

向日葵「えっ、そう?」

楓「あの……楓もまだだから」

向日葵「ふふ……じゃあいっしょに入りましょうか♪」

楓「わーいなの!」



向日葵(櫻子のタイトな身体に合うようにしたいですが……できれば大きくなった時にもまだ着れるようなのがいいですわね)

向日葵(アンダーレースとトップを別にすれば大丈夫でしょうか。……でもやり方がよくわかりませんわ)

向日葵(櫻子のイメージに合ったような……フリル、フレアー……ああイメージは膨らむのにどう作っていいかがわからない)

向日葵(ちょっと絵に描いてみ……いや、それはやめておきましょう)


向日葵(なんにしてもまずは材料かしら。……ホワイトレースとかってどのくらいするのかしら)

向日葵(安いとは思ってませんわ。でも少しでも良いものを……)

向日葵(櫻子には、少しでもいいものを……)

向日葵「zzz……」

楓「あっ、おねえちゃんが机で寝ちゃってるの……風邪引いちゃうの!」

楓「よいしょ、よいしょ……」ふぁさー

楓「これでおっけーなの!」

楓「おやすみなの、おねえちゃん」


向日葵「……くー……くー……」

ーーーーーー

向日葵「今日はどうしましょ……とりあえず生地を見に行ってみようかしら。相場がよくわかりませんし」

向日葵「あとはもうちょっと資料が欲しいですわ。昨日はよくわからないまま寝落ちしてしまいましたが……ドレスというものの仕組みをもっと勉強しておかないと、絶対途中でつまづきますわよね」

向日葵(というかそもそも私、本物のドレスを見たことがありませんでしたわ……)


向日葵「とりあえず、街に出てみましょうか」

楓「おねえちゃん、今日もお出かけ?」

向日葵「ええ。いってきますわね」

楓「どれすづくり?」

向日葵「!」

楓「あっ、あのね、昨日ちょっとおねえちゃんの読んでた本を見ちゃったの。あと、昨日けっこんしきの本読んでたから、だから……」

向日葵「ふふ……楓は凄いですわね」


向日葵「ひとつ、約束してくださいな」

楓「やくそく?」

向日葵「私がドレスを作ってること。これは私と楓だけの秘密にしましょう」

向日葵「櫻子に教えてはいけませんわ。できれば他の人にも」

楓「なんで?」

向日葵「えっと、それは……」

向日葵「び、びっくりさせたいからですわ」

楓「びっくり?」

向日葵「あらかじめわかっているよりも、急にプレゼントを貰ったりした方が喜びは大きいでしょう?」

楓「あっ、おねえちゃん、櫻子おねえちゃんにドレス作ってあげるんだ!」

向日葵(え!? そこには気がついてなかったの!?)

楓「わかったの! 誰にも言わないの!」

向日葵「……よ、よろしくおねがいしますわね」



向日葵(もうひとつ、櫻子にバカにされるかと思ったからですわ)

向日葵(普通に考えれば、ドレスを作るなんて大変なことですもんね……)

向日葵「でも、きちんと完成させたら、櫻子だって驚くはずですわ!」

「私がなんだって?」

向日葵「えっ……さ、櫻子!?」

櫻子「なにやってんの? どっか行くの?」

向日葵「えっと、ちょっとお使いに。街まで」

櫻子「ふーん……で、さっき私の名前呼んだのはなんだったの?」

向日葵「あらー? 私櫻子の名前なんて呼びましたっけ??」

櫻子「聞こえたよ。櫻子だってなんとかですわーって」

向日葵「き、聞き間違いじゃないかしら……『きくらげ買ってきますわ』って言いましたけど」

櫻子「おーそういうことか! きくらげおいしいよね!」

向日葵「そ、そうですわね……///」


櫻子「あっ、やば。ねーちゃんたちのアイス買ってきたのに溶けちゃうや。じゃあねー」

向日葵「ええ、また」

タッタッタッ……


向日葵(せ、セーフ……櫻子がおバカで助かりましたわ)

向日葵(さくらこ……きくらげ……思ったより似てませんし)クスクス



向日葵「繊維街に来て見ましたわ。いつも生地を買う時によくお世話になるんですけど……確かドレスに合うようなのがあったはず」

向日葵「あ、この毛糸かわいい……///」モフ

向日葵「あっ、この生地も……」


向日葵「い、いけませんわ! 早く目当てのものを探しませんと」


向日葵「えーっと……このあたりかしら」

向日葵「とにかく薄めで軽くないといけませんわね。肌触りも良くて……」

店員「何かお探しですか?」

向日葵「あっ、えっと……」


向日葵「その、ウェディングドレス用の生地を……」

店員「え、ウェディングドレス……??」

向日葵「似たようなのでいいんですけど……ありますか?」

店員「あー今はちょっと置いてないかも……もっと大きな所とか、専門店に問い合わせたりしないと難しいかもしれませんね」

向日葵「そうですか……」

店員「ご自分でお作りになられるんですか? ウェディングドレス」

向日葵「ええ……ちょっと、頑張ってみようかと思いまして///」

店員「そうだ! カタログとかならあるんですけど、持って来ましょうか?」

向日葵「あっ、お願いします! とりあえず生地の相場が見たいので」

店員「少々お待ちくださいませ」


向日葵(……やっぱり、変わり者みたいに思われてるのかしら)



店員「このあたりになりますかね」

向日葵「そうですね。良さそうなのがいっぱい……」ペラ

店員「ドレス生地って、やっぱり普通と違って特殊な加工がなされてるものですから、良いものは少々お値段が張るんですけど」

向日葵「わ! 高い……!」

店員「使う量も多いと思うんですよ。違う種類の生地を何枚も重ねて作ったりしますから……」

向日葵(うう……)

店員「でもここに載っているものは比較的安価な方なんです。やはり本場のものはほとんど外国製ですから……プロの方なんかはほとんど外国から調達するんです。新作の生地ともなると、ほんのちょっと使うだけでも数万円とか……」

向日葵「すごい……」

店員「オーガンジー、レース……色合い的にはやはり、ただの白よりもホワイトパールのようなものが好まれますね」ペラペラ

向日葵「あっ、安いのもあるんですね」

店員「そうですね、ですが……」

向日葵「実物を見てみないと、ってことですか?」

店員「生地は当たり外れが大きいですからね。本で読んで頼んではみたものの、写真より光沢が無かったり、思っていたデザインと違ったり、固かったり、耐久性に問題があったりと……なかなか思い通りにはいかないものです」

向日葵(ちょっと買うだけにしても数千円軽く飛ぶのはやはりキツいですわ……)

店員「レースモチーフ、レースリボン等もあるにはあるんですが、この本だと種類は少なくて……やはり専門家の方のカタログでないと、良いのを見つけるのは難しかったりします」

向日葵「…………」

店員「申し訳ありません。お力添えできなくて……」

向日葵「い、いえそんなことはありませんわ。とても勉強になりました」

店員「この本、よかったら一部どうですか? うちではそんなに使うことはありませんし、予備もあるので、お譲りできますよ?」

向日葵「本当ですか!? 是非……!」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」

向日葵(とりあえず来てみてよかったですわ。収穫ですわね)

ーーーーーー

向日葵「資料探しに、大きな本屋さんに来てみましたわ」

向日葵「生地も大切ですが、構想を練らないと……生地がよくてもスタイルがダメだと意味ないですからね」

向日葵「えーっと、ファッション……あ、このあたりですわ」

向日葵「あ、これは昨日図書館で調べて見つけた本ですわね。えーと……」



向日葵「なるほど、ラインにもいろいろありますわね。櫻子にはどんなのが合うかしら……」

向日葵「あんまりしっとりしてるのじゃなくて、ふわっと広げてあげた方が可愛いと思いますわ」

向日葵「櫻子……」

つー……

向日葵(ひゃっ! 鼻血……///)

向日葵(ま、まずいですわ……本についてしまいました)

向日葵「この本は買いましょう……とりあえず血を止めませんと」タタタ



向日葵「ふう……櫻子のドレス姿は強烈ですわ」

向日葵「というか暑い中歩き回ったってのもあるかもしれませんわね……昨日も本を読みながら寝てしまいましたし……」

向日葵「まだ始まったばかりの計画なんだし、いきなり身体に悪いくらい頑張っても仕方ありませんわ」

向日葵「今日の所はこの本を買って帰りましょう。これは役に立ちそうですわ」


向日葵「あ……お菓子のレシピ本……」チラッ

向日葵「そうですわ。楓も応援してくれてますし、お礼をしないといけませんわね」

向日葵「家にあって困るものではありませんし、これも買っちゃいましょう」


向日葵「あら……? この本……」

向日葵「孤独のグルメ特集……ふふ、あの子が好きそうですわね」クスクス

向日葵(そうですわ。お菓子作ったら、櫻子にもプレゼントしないと)

ーーーーーー

楓「おねえちゃん、何つくってるの?」

向日葵「ふふ、もうすぐ面白いお菓子ができますわよ」

楓「わぁい、楽しみなの!」


向日葵(…………)せっせっ

向日葵(何かが足りない……ドレスを作り始めるきっかけ……)


向日葵「あっ、そうですわ!!」

向日葵(私まだ本物のドレスを見たことがないんでしたわ……)


向日葵(全部テレビや写真だけで……本物をこの目で確かめたことが……)

向日葵(……こうなったら、行ってみましょうか)グッ

向日葵「結婚式場へ!」



ピンポーン

櫻子「おお、向日葵」ガチャッ

向日葵「櫻子、はいこれ」

櫻子「えっ、なにこれ!」

向日葵「新しくお菓子つくってみましたの。撫子さんたちの分も作って来ましたわ。どうぞ」

櫻子「わーいやったー! なにこれうまそう!」

向日葵「それで、あの……あなたの家のパソコンを貸してほしいんですけど」

櫻子「パソコン?」

向日葵「ええ、ちょっと調べたいことがありまして」

櫻子「別にいいよー。たぶん今ねーちゃんの部屋にあると思うけど」

向日葵「ちょっと撫子さんのお部屋いってきますわね」

櫻子「んーいいにおい♪」



コンコン

向日葵「撫子さん?」

撫子「おおひま子」

向日葵「ちゃっと調べたいことがありまして……パソコンを貸してもらえませんか?」

撫子「んー……また『おねえちゃん』って呼んでくれたら、貸してあげるよ」

向日葵「な、なんで!?///」

撫子「うそうそ、普通に貸してあげるよ。あんまりいやらしいもの見ちゃダメだからね」

向日葵「見ませんわよそんなの! まったく……///」

撫子「じゃ、私下にいるから」

パタン

向日葵(ま、まったく撫子さんは……)

向日葵「さっさと調べちゃいましょうか。式場の電話番号」

向日葵(さすがに見学くらいはさせてくれますわよね……? もし断られたらどうしましょうか)カチカチ

向日葵(屋外で式を挙げているとこなら、遠くからでも見られるはずですわ。……もっと近くから見たいけど)

向日葵(えーっと……あ、ここですわ。家からだと電車に乗らなきゃいけませんのね)

向日葵(メモメモ……)カキカキ


「……ゃん、……る……?」

向日葵「!?」

「……ぃょ……」

向日葵(だ、誰かそこにいますわ……櫻子かしら)

向日葵(はっ、履歴を消しておかないと)カチカチ

そーっ


向日葵「誰ですの!?」ガチャッ

櫻子「うわーっ! きゅ、急に開けんなよびっくりするなぁ……」

撫子「…………」


向日葵「な、なにやってるんですの二人とも」

櫻子「べ、べつにー?」

撫子「別に何でもないよ。櫻子が『向日葵が何やってるか気になる!』とか言って覗いてたとか、そういうのじゃないから」

櫻子「全部言いやがった!」

向日葵「あのねぇ……人の家来てそんなやましいことはしませんから」

櫻子「やましいことって何?」

向日葵「言わせないでちょうだい」ぽこっ

櫻子「あたっ」

撫子「終わったの? 調べ物は」

向日葵「あ、はい。ありがとうございました」

撫子「また何かあったらいつでも来なね」

櫻子「ねーちゃん何カッコつけてんだよ! 一緒に覗いてたくせに!」

撫子「私は部屋に入りたいから待ってただけだよ」

櫻子「うそつけ!」

向日葵「あの、私はこれで」

櫻子「おう、じゃーねー」

パタン

櫻子「ねーちゃん! りれきりれき!」

撫子「あわてなさんな……あれ? 消されてる……!」

櫻子「くそ! 向日葵の奴頭良いな……」

撫子「ご丁寧に検索エンジンの入力履歴まで、だ。ぬかりないね」

櫻子「わー気になるなー何調べてたんだろ」

撫子「次はカメラでも仕掛けとくか……?」

櫻子「そこまでしなくていいわ!」

ーーーーーー

向日葵「ふう、この週末だけで結構情報は集まりましたわね」

向日葵「明日から学校が始まりますけど……どうしましょう。式場見学は来週でいいかしら」

向日葵「この一週間は家に余ってる材料で試しに作ってみようかしら。簡単なものなら作れそうですわ」


楓「おねえちゃんおかえりー」

向日葵「ただいま、楓。お菓子どうでした?」

楓「すごくおいしかったの! おねえちゃんは天才なの!」

向日葵「ふふ、今度また作ってあげますわね」

楓「お母さんがご飯作ってくれてるの。早く食べよう?」

向日葵「ええ、すぐいきますわ」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「おはよう、櫻子」

櫻子「はよー……あふぅ」

向日葵「月曜日なのに朝から眠そうね」

櫻子「月曜日だからだよ」


櫻子「でももうすぐ夏休みだし! あー早くこないかなー」

向日葵「櫻子は夏休みは何か大きな用事はありますの?」

櫻子「えーわかんない。ねーちゃんとか何か考えてるのかな……向日葵は?」

向日葵「わ、私は……特に」

櫻子「まったく暇人だなー向日葵は。ひま人」

向日葵「うるさいわね……別にいいでしょう」

向日葵(ほんとはめちゃくちゃ忙しいですわよ……)



あかり「夏休み、よかったら誰かのお家でお泊り回とかしない?」

櫻子「お、いいねー!」

ちなつ「じゃああかりちゃんのお家だねー」

あかり「んん!? なんで!?」

ちなつ「いいだしっぺだから」

あかり「あかり、ちなつちゃん家にお泊りしたかったのにぃ……」

櫻子「うちもあいてると思うよーたぶん」

ちなつ「あ、櫻子ちゃんのお家も行きたいかも♪」

向日葵「櫻子の家なら私も助かりますわ。最近泊まってなかったですし」

櫻子「泊まりたいと思ってたの?」

向日葵「な! そ、そんなことは……///」

ちなつ「いつにする? 早い方がいいよね」

あかり「みんなで宿題しようよ~」

櫻子「それいいねー!」

向日葵「写すだけはダメですからね」

ーーーーーー

櫻子「楽しみだなー夏休み。部屋の掃除しなくっちゃ!」

向日葵「そんなことよりもう宿題に手をつけ始めちゃいなさいな。あなた人よりも遅いんですから早めに始めるに越したことありませんわ」

櫻子「えー!? めんどくさいなぁ……」

向日葵「……私、今年はあなたの宿題全部見てあげられないと思いますわ」


櫻子「なんで?」


向日葵「えーと……私も少し忙しいから」

櫻子「えっ? 夏休み特にどっか行ったりとかしないんでしょ?」

向日葵「うー……ほら、もう中学生ですし、自分の宿題は自分でやれるようにしないと本当に後々困るんですわよ?」

櫻子「もう中学生ってお笑い芸人と、さかなクンが戦ったらどっちが勝つと思う?」

向日葵「聞いてますの!?」



向日葵「ええ、見学をしてみたいんですが……」

向日葵「……いえ、そういうわけではないんですけど」

楓(おねえちゃんがお電話してるの)

向日葵「はい。……本当ですか!? 」

向日葵「ええ……はい、わかりました」

向日葵「はい……はい、失礼します」ガチャ


楓「おねえちゃん、誰にお電話?」

向日葵「式場ですわ。やりましたわ楓」

楓「なにを??」

向日葵「時期外れですけど、割と大きな式が開かれるそうで、そこの見学の許可をいただけましたの」

楓「けっこんしき見にいくの?」

向日葵「ええ。私結婚式なんて行くの初めてだからちょっと緊張してしまいますわ」

楓「よかったね、おねえちゃん!」

向日葵(それまでに、できることをやってしまいましょう)



向日葵「…………」セッセセッセ

楓「おねえちゃん、楓もう寝るの」

向日葵「あ、はい。じゃあ電気消しますわね」

楓「何つくってるの?」

向日葵「ありあわせの材料ですけど……ヘッドドレスみたいなのをちょっと試しにつくってみてるんですわ」

向日葵「ここをこうして……裏返すと、ちいさくフリルができる。これを続けていって、最後にレースをつけてあげる……」くるっ

楓「たいへん?」

向日葵「ええ。でもとても楽しいですわ」

楓「おねえちゃん、電気つけててもいいよ? 楓はそれでも寝られるの」

向日葵「だ、大丈夫ですわよ? 机のライトでやりますから……楓はちゃんと寝ないとダメですわ」ナデナデ

楓「えへへ……///」

向日葵「これ完成したらちょっと楓につけてもらおうかしら」

楓「まかせてなの!」



向日葵「…………」セッセセッセ

楓「おねえちゃん、楓もう寝るの」

向日葵「あ、はい。じゃあ電気消しますわね」

楓「何つくってるの?」

向日葵「ありあわせの材料ですけど……ヘッドドレスみたいなのをちょっと試しにつくってみてるんですわ」

向日葵「ここをこうして……裏返すと、ちいさくフリルができる。これを続けていって、最後にレースをつけてあげる……」くるっ

楓「たいへん?」

向日葵「ええ。でもとても楽しいですわ」

楓「おねえちゃん、電気つけててもいいよ? 楓はそれでも寝られるの」

向日葵「だ、大丈夫ですわよ? 机のライトでやりますから……楓はちゃんと寝ないとダメですわ」ナデナデ

楓「えへへ……///」

向日葵「これ完成したらちょっと楓につけてもらおうかしら」

楓「まかせてなの!」

ーーーーーー

櫻子「今日の給食はソフト麺だー♪」

ちなつ「あかりちゃん、麺ちょうだい?」

あかり「あかり何食べればいいの!?」


ちなつ「ん……? ねえ見てあかりちゃん」

あかり「えっ?」

ちなつ(向日葵ちゃんが踊ってる)ヒソヒソ

あかり「お、踊ってはいないよ……でも何やってるんだろ」

ちなつ「手品の練習かな」

あかり「あ、編み物の練習かも! この前そんなようなお話してたんだ~」

ちなつ(にしても布無い状態で手の動きだけやっても意味あるのかしら……)

向日葵(うらがえして……とおして……)ひらひら

櫻子「ひまわりー私の給食はこんでー」

向日葵「あ、はいっ……って」なみなみ

櫻子「早くはこんでよー」

向日葵「……その器ギリギリまで食べ物をよそうのいい加減にやめなさいな」

櫻子「だってたくさん食べたいんだもん!」

向日葵「というかこれじゃ麺入れた時確実に溢れますわよ?」

櫻子「あ、そうだった」

向日葵「…………おバカ」



「できましたわー!」

楓「どうしたの?」トタトタ

向日葵「楓、ちょっと来てくださる?」

楓「あ、できたの?」

向日葵「ふふふ……はい」ぱさっ

楓「わぁ♪」

向日葵「大丈夫? 首のあたりとかチクチクしません?」

楓「平気なの! おもしろいの!」

向日葵「ちょっと回ってみてくださる?」

楓「~♪」クルクル


楓「わあ!」とてん

向日葵「だ、大丈夫っ?」

楓「えへへ……目が回ったの」

向日葵「あらあら」クスクス

向日葵「でもこれは練習作品ですわ。次は本物の生地を使ってやるんですの」

楓「楽しみなの!」

向日葵「あっ、楓、今度櫻子のお家に皆でお泊りするんですけど、楓も来たい?」

楓「行きたいの!」

向日葵「じゃあ、櫻子に伝えておきますわね」

櫻子「私がなにー?」ガラッ

向日葵「きゃーっ!? 櫻子!?」

櫻子「ひまわりーここわかんなーい教えてー」

向日葵「ちょっと! ノックくらいしなさいよ! せめてチャイムを鳴らしなさいよ!」

櫻子「いいじゃん別にー」ぶー

向日葵「……見ましたの?」

櫻子「?」

楓(おねえちゃん、なんとかベッドのとこに隠したの)

向日葵(ナイスすぎますわ楓!!)

櫻子「なになになんの話ー?」

向日葵「い、いえこちらの話……というか、チャイムも鳴らさずに何の用?」

櫻子「宿題だよ。ここわかんないの」

向日葵「え!? あなた本当に宿題やってますの!?」

櫻子「な、なんだよ……向日葵がやれって言ったんだろー?」

向日葵「ま、まさか…………櫻子、成長しましたわね」ホロリ

櫻子「泣くほど!?」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「それじゃ楓、行って来ますわね」

楓「がんばってなの!」


向日葵(さあ、しっかり見学してきますわよ)



向日葵「えーと……あ、ここですわ」

向日葵「ど、どこから入りましょうか……って普通にエントランスから入ればいいんですわよね」

向日葵(こんなところに中学生が入り込むのはやっぱり不自然でしょうか……)

向日葵「だ、だめ! 櫻子のため……櫻子に素晴らしいドレスを着せてあげるため!」

向日葵「…………」ソワソワ

向日葵「あ、あのっ」

「はい?」

向日葵「先日お電話させていただいた古谷なんですが……」

「あ、お話伺っております。こちらへどうぞー」

向日葵「ありがとうございます」

「あ……今日はお一人ですか?」

向日葵「えっ? はい」

「すごいですね。てっきり中学生のグループ学習か何かだと思ってました」

向日葵「あはは……まあ」

「今衣装合わせをなさってるんですよ。そのお部屋をご案内致しますね」

向日葵「よろしくお願いします」



「こちらになります」ガチャッ

向日葵「わぁっ……///」


向日葵(すごい……物がいっぱいだけど、どれも結婚式のやつですわ……)

「見学の子、一名来ました」

「あ、例の子?」

「ええ」

「わー……今日早乙女さん来てんのよ」ヒソヒソ

「うっそ! えー」

「大丈夫かな……」

『ちょっと! ヘアマネきてー!』

「わ……呼ばれた……」

「ふぁ、ファイトでーす……」

向日葵「あの……?」

「ごめんなさい古谷さん、今日ね、ちょっとクセのある人が来てるみたいなの……」

向日葵「クセのあるひと?」

「早乙女さんっていって、腕は一流のスタイリストさんなんだけど……」

『ねえあなたこの頭で出す気!? 古いわよこんなの! 昭和じゃないのよ!?』ガミガミ

ゴメンナサーイ!


向日葵「え、女の人の声じゃない……?」

「早乙女さん、オネエなの……」


向日葵(な、なんだか姿を見てないのにもう気迫が伝わってくる……)

「どうしよう、今日じゃなくて別の機会でも全然大丈夫なんだけど……古谷さん早乙女さんのお仕事みさせてもらう?」


向日葵「私は……」


シャッ!


向日葵「!」


ふわり、輝かしく光を放つシルエット。

それは、紛れもない花嫁。


早乙女「どうよ、見違えたわよアンタ」

花嫁「す、すごい……!!///」

ヘアマネ「よかった……よくお似合いですよ」

「すごーい!!」

周りからも嬉々とした声が向けられる。

美しい。

可愛い。


夢だ。

全ての女性が持つ夢を、叶えた人が今ここにいるのだ。


向日葵「綺麗……///」


「さっすが早乙女さんだわぁ……」

「光を纏ってるみたいだよ……!」


早乙女「…………」チラ

向日葵(わっ!)

早乙女「……ちょっと、その子なに?」


「あ、この子は……えと……」

ヘアマネ「早乙女さんこの子、見学に来たそうですよ」

「ちょっ……!」

早乙女「……見学ゥ?」


向日葵「…………」

早乙女「なに、スタイリスト志望?」

向日葵「い、いえ……」

早乙女「コーディネイター? マネジ? ……それともなに、もうすぐ花嫁さんとか?」

向日葵「私は……」


向日葵「自分で、ドレスをつくってみたくって……///」


ヘアマネ「…………え?」

「…………」

クス……クス……


向日葵(え……私やっぱり変なこと言った……?)


向日葵「ドレスを作りたくて……でも本物のドレスを見たこともなかったから、どういうものなのか見学したくて……」


「と、とりあえず衣装終わった人は次の準備始めちゃってー!」

ハーイ

向日葵(あ、あれ?)


ヘアマネ「あのね……聞いたことない? 手作りドレスは不幸になるって話」ポン

ヘアマネ「別にそんなの信じてるかどうかは問題じゃないけど、手作りドレスってのは基本的にこういうとこでは歓迎されないワードなのよ」

向日葵(え……)

ヘアマネ「わかったらほら、そこ邪魔だからどいてさ」

向日葵(…………)


早乙女「アンタいくつ?」

向日葵「えっ……」

早乙女「歳よ、何歳って聞いてんの」

向日葵「じゅ、13です」

早乙女「中学生じゃない。今からドレス作っても着れるのはいつになるか……相手はいるの?」


向日葵「私が着るんじゃなくて……その、着せたい人がいるんです」


早乙女「誰」


向日葵「私の……一番の友達です」


「友達ねぇ……」クスクス

向日葵「!」

向日葵「そ、そんなに……おかしいことでしょうか……」フルフル


早乙女「おかしいことなんてなんにもないわよ」

向日葵「あっ……///」

早乙女「いいじゃない。そのお友達にプレゼントしてやりましょうよ。アタシ協力するわよ」

向日葵「ほ、本当ですか!?///」

早乙女「手作りドレスなんて、13そこらの子が思いついて、しかも実行に移せるなんてすごいことよ。笑う奴もいるかもしれないけどね、アタシは良いと思う」ジロリ

ヘアマネ「う……」


早乙女「アンタ、名前は」

向日葵「古谷、向日葵です」

早乙女「ふぅん……いい名前じゃない」


早乙女「この季節にピッタリだわ」

早乙女「ヒマワリ、ちょっとこっちに来て詳しく聞かせてみな?」チョイチョイ

向日葵「は、はい!///」


「すご……早乙女さんに気に入られてる……」

「早乙女さん変わり者だからね……普通の仕事受けるよりも、こういう方が好きなのよ、きっと」



早乙女「一応紹介しとくわ。これアタシの弟子ね」

弟子「うわ! 早乙女さんこの子どうしたんですか!?」

向日葵「古谷です、よろしくお願いします」

早乙女「こいつ18だけど頭は10歳ぐらいだから、面倒見てやってねヒマワリ」

弟子「なんなんですかそれ!? ていうかこの子13歳!? 若っ!」

早乙女「アンタだって充分若いわよ。……ほらヒマワリ、説明してやんな、アンタの計画」

向日葵「あ、えっと……友達のためにウェディングドレスを作りたくて……」

弟子「あー手作り……」

早乙女「笑ってんじゃないわよ」ぼこっ

弟子「いった! 早乙女さん痛いですよ! なんなんすかその腕力!?」

早乙女「で、アンタドレスの作り方はわかってるの?」

向日葵「えっと……まだ、全然……」

早乙女「どういうドレスにしようとかは? 寸法はわかってんの?」

向日葵「寸法は……だいたいなら?」

早乙女「相手の子は身長いくつなの? 胸囲は? 腹囲は?」

向日葵「身長がこのくらいで、胸囲はこんなもんで、腹囲は、お腹減らしてるときならこのくらいで……」

早乙女「……なにそれ、ネタで言ってる? せめて数字で出しなさいよ!」

向日葵「サプライズの計画なんです!……だから、大っぴらに測ったりなんてできなくて……!」

早乙女「あー……まあそうかもね」

弟子「えっ、というか早乙女さんこの子の手伝いするんですか!?」

早乙女「手伝いどころか全面協力よ。アタシがプロデュースしてあげる」

向日葵「ほ、本当ですか!?///」

早乙女「勘違いしないで? 作るのはアンタよ。アンタ何にも知らないようだし、アタシがいろいろと教えてあげるわ」

弟子「じゃあ次の仕事どうするんですか? そろそろ取りかからないとやばいっすよ」

早乙女「それぐらい同時進行でやるわよ! その代わり……ヒマワリにも少し手伝ってもらうけどね」

向日葵「私、なんでもやります!」

早乙女「とりあえず、アタシのアトリエに戻るわよ。準備しな!」

弟子「えー!? さっきの花嫁さんの式覗いてくんじゃなかったんすか!?」

早乙女「いいのよあんなの。あいつヒマワリの計画を笑ったのよ? ブン殴ってやりたいとこよ……ねえ?」

向日葵「あ、あはは……」

弟子(入れ込みすぎでしょ早乙女さん……)


向日葵(あの、アトリエってなんですか?)ヒソヒソ

弟子(早乙女さんの仕事場です。おっきい仕事道具とかドレスベースとか全部揃ってるとこなんですけど……なんでアトリエって呼んでるかは不明です)

早乙女「オラ! さっさと準備するのよ!」

弟子「は、はいっ!」

向日葵(オネエの人って面白いですわ……)

ーーーーーー
ーーーー
ーー


早乙女「着いたわよ。ここがアタシのアトリエね」

向日葵(この人運転荒いですね……)クラクラ

弟子「いつもこんな感じです……」ハァ


早乙女「で、早速だけど向日葵だけ、アタシの部屋に来て」

向日葵「私だけ……?」

早乙女「そ、話したいことがあんの。アンタは私の車から荷物全部降ろしてね。あと部屋の掃除もしなさいね」

弟子「扱いの差!!」

早乙女「さて、ヒマワリ」

向日葵「は、はい……?」

早乙女「さっきも言ったわね。ドレス作りに全面協力するって」

向日葵「はい、ありがとうございます!」

早乙女「タダじゃないわよ。もちろん交換条件」


早乙女「その相手のこと、全部アタシにぶつけてみなさい」

向日葵「……え?」

早乙女「アンタその友達のことが好きなんでしょ? その気持ちを全部アタシに伝えろって言ってんの。そっからドレスのイメージも出すし」

向日葵「そんな……///」

早乙女「恥ずかしいと? 言っとくけどこれやらなかったら今すぐ叩き出すわよ」

向日葵「やります! 言います!」


早乙女「まず、その子の名前から」

向日葵「はい、名前は……」



櫻子「ひまわりーいるー?」

楓「あっ、櫻子おねえちゃん!」

櫻子「楓、向日葵は?」

楓「えっと……お出かけなの!」

櫻子「どこに?」

楓「えっとえっと……それは知らないの」

櫻子「えーどこ行くかぐらい教えてかなきゃだめだよなぁ」

楓「う、うん……」

櫻子「あ、そうだ楓。今度私の家で友達がいっぱい来てお泊りするんだけど、くるか? 花子も喜ぶよ」

楓「行きたいの!」

櫻子「よーしよしよし」わしゃわしゃ

楓「それムツゴロウさんなの!」

ーーーーーー

早乙女「……ありがと。よくわかったわ」

向日葵(恥ずかしい……///)

早乙女「さてと。アンタ家どこなの? そろそろ夕方だし帰らないとまずくない?」

向日葵「そ、そうですね。ここからだと電車です」

早乙女「あー悪いわね遠い所まで来させちゃって……電車代出すわ」

向日葵「えっ!? そんな悪いです……!」

早乙女「何言ってんのよ、ハタから見ればオッサンが中学生の女の子拉致ってるようなもんなのよ? これくらいしないとこっちが社会的に死ぬの」

向日葵「はぁ……」

早乙女「大丈夫。あんたのサクラコへの想いは全部受け取ったから。あれがアタシへのプロデュース料だと思いなさい」

向日葵「はい……では、ありがたく」

早乙女「それと宿題!!」

向日葵「はいっ!」ビクッ

早乙女「サクラコのサイズ全部測ってくること!」

向日葵「えええ~!?」

早乙女「さりげなくやれんでしょアンタなら。寝てる時でもなんでもいいから、ここに書いてある項目、全部測って埋めて来なさい。これやんないと始まんないのよ。専用のメジャー貸してあげるから」

向日葵「できるでしょうか……」

早乙女「はい、じゃあ次来る時はよろしくね。アタシもなるべくアイデア出しとくから。あ、あと次はサクラコが写ってる写真持って来なさい。何枚かはあんでしょ?」

向日葵「えっと……千枚ぐらいしか……」

早乙女「……充分じゃない」

向日葵「た、ただいま……」ヘトヘト

楓「おかえりなの!」

向日葵「楓、やりましたわ……私には凄い人が味方してくれるらしいですわ」

楓「??」

向日葵「ごめんなさい、わかんないですわよねこんなの」

楓「おねえちゃん、お昼に櫻子おねえちゃんが来たの。お泊り会に誘ってくれたの!」

向日葵「あら、よかったですわね。櫻子から誘ってくれるなんて」


向日葵「あ! お泊り会!」

楓「えっ?」

向日葵「そうですわ! 泊まってるときに……寝てるときに……こっそりサイズを……」

楓「お、おねえちゃん?」

向日葵「楓! お泊り会楽しみですわね!」

楓「? うん……」



弟子「よかったんですか? 早乙女さん」

早乙女「なにが」

弟子「あんな子の協力なんて……次の仕事あるんですよ?」

早乙女「だから同時進行でできるっていってんじゃない。何の問題?」

弟子「もう……だから肩入れしすぎって言ってんですよ!」


早乙女「……アンタさ、ドレスアップマネージメントとか、どのくらいで興味持ったの?」

弟子「え、えっと……高校のとき?」

早乙女「あの子は中学生なのよ。中1。中1でゼロからドレス作ろうとしてんの。アンタなてどうせ中1の頃はロクなこと考えてなかったんでしょ」

弟子「そ、そんなことは……」

早乙女「それとね、あの子は恋する乙女なの」

弟子「は?」

早乙女「目ェ見りゃわかるってのよ。あの子は、確実にその友達……サクラコの事が好きで仕方ない。さっき腐るほど聞かされたしね」

弟子「女の子が……好きってことですか?」

早乙女「アタシにはわかんのよ……あの子の抱えてる恋の悩みが。アタシもほら、恋する乙女だったし?」

弟子「早乙女さんおとk

早乙女「ブン殴るわよアンタ」


早乙女「いい? あの歳の恋は一生モンなの。それに同性同士……」

早乙女「アンタ、女同士の結婚が叶うと思う?」

弟子「えー……式はできるかもだけど、入籍は無理なんじゃないですか?」

早乙女「アタシだったら、もし結婚が叶わなくて自分を曲げるくらいだったら、世界の方をねじ曲げてやる」

早乙女「大人しい顔して、そのくらいのことは考えてんのよあの子」

早乙女「アタシに似てる所があるの、あの子は……」

弟子「全ッ然似てないですよ早乙女さんは」

早乙女「アンタマジで殺されたいの?」


早乙女「ともかく。私もう寝るから、アンタも適当に片付けて帰りなさいね」

弟子「何その早寝早起きスタイル!」

早乙女「あとヒマワリのこと、ちゃんと手伝うのよアンタも。次からは仕事場に連れて行くときもあるかもだから、面倒見てやってね」

弟子「ひぇーたいへーん!」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


ピンポーン

あかり「こんにちは~」

櫻子「お、入って入ってー」

ちなつ「お邪魔しまーす♪」

向日葵「おはようございますわ」

櫻子「楓、花子が部屋で待ってるってさ」

楓「わぁい♪」



向日葵「みなさん宿題やりました?」

あかり「まだ全然だよぉ。なるべく早く終わらせようとは思うけど」

ちなつ「まず何やろうか」

櫻子「わたしワーク終わってるよー!」

あかり「えっ! 櫻子ちゃんすごい!」

ちなつ「珍しいねー」

櫻子「えへへ……見てもいいよ? 私の写せばー?」ドヤァ

向日葵「櫻子……これほとんど間違ってますわ……」ペラペラ

櫻子「 ∵ 」



櫻子「…………」ぐー

向日葵「……櫻子、おなかの音が聞こえてますわよ」

櫻子「み、みんなお昼はー?」

あかり「食べてきちゃった~」

ちなつ「私もー」

向日葵「わ、わたしも……」

櫻子「…………」


向日葵「じゃあ私、何か作ってきますわね。花子ちゃんの分も作ってあげましょう」

櫻子「悪いね向日葵ー」

ちなつ(櫻子ちゃんがお客さんみたい……)



撫子「やあひま子」

向日葵「あら撫子さん。おかえりなさい」

撫子「上にいっぱい女の子の匂いがするけど、何人ぐらい来てんの?」

向日葵「えっと……櫻子とか私も含めて、全部で6人いますわ」

撫子「結構いるな……みんな泊まりなんだよね。夕飯どうしようか」

向日葵「私も手伝いますわ」

撫子「ありがとね。……何つくってんの?」

向日葵「櫻子と花子ちゃんのお昼ですわ」

撫子「……お母さんかアンタは」


くー

撫子「…………///」

向日葵「一応多めに作ったので撫子さんの分もありますわ」

撫子「あ、ありがとう……///」



櫻子「ねーもう遊ぼうよー! ほら、トランプあるよ! ウノもあるよ! 私大富豪超強いよ!」

あかり「も、もう少し……」

ちなつ「櫻子ちゃんこれ写してていいよ?」

櫻子「わーい♪ それならやる!」

向日葵「あなた本当に戦力になりませんわね……」

あかり「でもどうしよう、ずっと宿題だけやるのもつまんないよねぇ」

ちなつ「じゃあ、夕ご飯食べるまではちゃんとやろ?」

向日葵「そうですわね。夜は遊んでもいいでしょう」

櫻子「向日葵早く夕飯作って来い!」

向日葵「……そういう意味じゃないですわ」

ちなつ「そういえば夕飯とか皆でつくる?」

向日葵「あ……私と撫子さんがなんとかしますけど」

あかり「えっ?? あかりたちも手伝うよ?」

向日葵「ありがとうございますわ。でも先にお風呂とか入ってもらった方がいいかと……」

あかり「でもそんなの悪いし……」

櫻子「いいよいいよ。今日いっぱい人いるからお風呂も協力しなきゃなんだー」

ちなつ「じゃあ、食べ終わったら私たちが後片付けしよ? その間に向日葵ちゃんたちがお風呂入れるし!」

あかり「そっか! じゃあそうしよ~」

櫻子「悪いね~何から何まで」

向日葵「……あなたも片付けぐらいやりなさい」



ちなつ「さ、あかりちゃん。お風呂入ろ?」

あかり「一緒前提!?」

ちなつ「いっぱいいるから協力しなきゃって言ってたでしょ? ほら脱いで」

あかり「こ、ここで脱がなくてもいいと思うんだけど違うかなぁ!?///」

櫻子「向日葵ー今日のご飯なにー?」

向日葵「んー……たぶんパスタですわ。いっぱいありましたし」

櫻子「わーい♪」

向日葵「櫻子何がいい?」

櫻子「ぺぺろん!」

向日葵「えーっと……たぶん大丈夫ですわね」

ちなつ「……向日葵ちゃんってここのお母さんみたいだね」

向日葵「ええっ!?///」

あかり「うんうん。櫻子ちゃんとひと言ひと言でお話できるというか」

ちなつ「すっごい心通じてる感じ~」

櫻子「な、なに言ってんの!?/// 変なこと言ってないで早くお風呂入っちゃいなさーい!」

あかり「わっ、櫻子ちゃんがお母さんみたいになった」

ちなつ「というか一番最初は花子ちゃんたちに入ってもらった方がよくない?」

櫻子「ううー……///」

向日葵「わ、わたしお夕飯の準備してきちゃいますわ!」

櫻子「はい! じゃあ夕飯は向日葵に任せて、今からウノ大会です!」

ちなつ(ちょっと言うとすぐ離れたがるんだから……)

ーーーーーー

ちなつ「お待たせー♪」

あかり「いいにおいがする~」

向日葵「もうできますわ」

楓「おいしそうなの!」

撫子「櫻子、皿並べて」

櫻子「花子、はい皿」

花子「櫻子がやれし!」

あかり「人いっぱいだね~」

ちなつ「大人数でご飯とか久しぶりかもー」

向日葵「熱いのが通りますわよー」

櫻子「うぉーうまそー!」

撫子「狭くてごめんね」

ちなつ「そんなことないですよー♪」

櫻子「いっただっきまーす!」

  ∧ ∧

  ( ´・ω・) < どうぞ
  ( ∪ ∪   ,.-、     ,.-、   ,.-、    ,.-、   ,.-、   ,.-、     ,.-、   ,.-、    ,.-、    ,.-、   ,.-、
  と__)__)  (,,■)   (,,■)  (,,■)   (,,■)  (,,■)   (,,■)    (,,■)  (,,■)   (,,■)  (,,■)  (,,■)
        紀州梅  カリ梅 おかか ゆかり こんぶ トロロこんぶ  高菜 野沢菜 広島菜 柴漬 わさび漬け
    ,.-、  ,.-、   ,.-、      ,.-、      ,.-、      ,.-、      ,.-、    ,.-、  ,.-、   ,.-、   ,.-、   ,.-、
    (,,■) (,,■)  (,,■)    (,,■)    (,,■)     (,,■)      (,,■)  (,,■) (,,■)  (,,■) (,,■)   (,,■)
    筋子 いくら 明太子  焼きたらこ 生たらこ  ちりめんじゃこ 天むす タコ天 ツナマヨ エビマヨ 鮭マヨ ほたてマヨ
    ,.-、    ,.-、     ,.-、   ,.-、      ,.-、     ,.-、    ,.-、    ,.-、     ,.-、       ,.-、
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   発芽玄米 栗ごはん 赤飯 茸おこわ 五目ひじき 鶏五目 鶏ごぼう バター醤油 沖縄油味噌 浅利の佃煮
     ,.-、    ,.-、      ,.-、      ,.-、    ,.-、       ,.-、      ,.-、     ,.-、   ,.-、
     (,,■)    (,,■)     (,,■)     (,,■)   (,,■)     (,,■)     (,,■)     (,,■)   (,,■)
   牛肉しぐれ 牛すき 牛すじ味噌和え 牛タン  炭火焼鳥 照焼ハンバーグ 粗挽ソーセージ 唐揚 黒豚角煮  
    ,.-、    ,.-、     ,.-、    ,.-、     ,.-、      ,.-、        ,.-、       ,.-、    ,.-、    ,.-、
    (,,■)    (,,■)   (,,■)   (,,■)    (,,■)    (,,■)       (,,■)       (,,■)   (,,■)   (,,■)
   ドライカレー カレーピラフ エビピラフ チーズドリア カマンベール タルタルエビフライ サーロインオニオンソース フォワグラ キャヴィア 具なし

             __                    ジャー     ____
  /⌒ヽ     |;;lヽ::/ コポコポ               ∧_∧   /__ o、 |、
 ( ^ω^)∫.  |;;|:::|~                    ( ´・ω・)ノ .ii | ・ \ノ
 (  つc□  i===i=i c□c□c□~~   旦旦旦旦( o   .旦| ・  |

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|   コーヒーの方はこちらへ    |  |     お茶の方はこちらへ     .|



向日葵「あのー、そろそろ寝ません?」

櫻子「えーまだ眠くないよー」

ちなつ「せっかくのお泊りなんだから、今日はお話しまくるよ!」

あかり「あ、あかりも頑張って起きるねっ」

向日葵(く……なんとか櫻子のサイズを測ってしまいたいのですが……)


向日葵(こうなったら夜更かし対決ですわ。櫻子よりも長く起きるしかない)

向日葵「櫻子、私少し水を飲んできますわね」

櫻子「おー」



向日葵「…………」カラカラ

撫子「あれ、どしたの?」

向日葵「きゃっ……///」

撫子「え、コーヒー?」

向日葵「す、すみません勝手にやってしまって……」

撫子「いやいいよいいよ。うちコーヒー飲む人全然いないからさ。私もミルクとか入れないとあんまり飲めないし」

向日葵(本当は私も全然飲んだことない……)

撫子「私もカフェオレ作ろうかな」

向日葵「あ、作りますわ」

撫子「いいよいいよ。ひま子はコーヒーを楽しんでて?」

向日葵「は、はい……」

ずずっ

向日葵(苦い!)

向日葵「わ、私もカフェオレにしようかしら」

撫子「牛乳ならいっぱいあるから使っていいよ。花子のだけど少しなら貰っていいから」

向日葵「ありがとうございます」

撫子「砂糖いる? パルスイートあるよ」

向日葵「あ、助かりますわ」


撫子「なに、夜更かし?」

向日葵「えっ?」

撫子「みんなとガールズトークってわけ? でもあんまり遅くまで起きてたらダメだからね」

向日葵「だ、大丈夫ですわ」

撫子「……ひま子それ美味しい? 甘すぎない?」

向日葵「え、ええ。ちょうどいいです」

撫子(さっきの砂糖の量からしてめっちゃくちゃ甘いはずなんだけどなぁ……)ずず

      \                     /
       \                  /
         \               /
          \            /
            \         /
             \∧∧∧∧/

             <    俺 >
             < 予 し  >
             <    か >
─────────< 感 い >──────────

             <   な >      
             <  !!! い >       
             /∨∨∨∨\

            /  ∧_∧  \
          /   ( ´_ゝ`)    \
         /    /   \     \
       /     /    / ̄ ̄ ̄ ̄/  \
      /    __(__ニつ/  FMV  /_   \
               \/____/



ちなつ「おおさまゲーム!!」

櫻子「いぇーい!」

向日葵「なにごと!?」

あかり「あっ、向日葵ちゃん戻ってきた~」

ちなつ「王様ゲームだよ向日葵ちゃん!」

櫻子「割り箸作ってあるよ!」

向日葵「用意周到すぎる……ん?」

向日葵(はっ! これは利用できますわ!)


ちなつ「いくよーっ! おおさまだーれだ!」ばっ

ぬるぽ

向日葵「キマシタワーーー!!!」

櫻子「うるっさ……」

ちなつ「お、おめでとー向日葵ちゃん!」

あかり「向日葵ちゃん、命令をどうぞ~」

向日葵(お、落ち着かなきゃ。ここで櫻子の番号を当てなければ意味がありませんわ)


向日葵「えーっと……」


向日葵「んー……」


向日葵「3番の人が、今すぐ身長胸囲腹囲その他もろもろを測定する!」バーン

櫻子「は、はあ? なにそれ」

ちなつ「3番誰ー!?」

あかり「あ、あかりだよ~」

向日葵(あああ……)

向日葵「じゃ、じゃあちゃちゃっと測りますわね」チャッ

櫻子「なんでメジャー持ってんだ!?」

ちなつ(数値フェチ?)

向日葵(次こそは……王となって櫻子の番号を当ててみせますわ!)

あかり「く、くすぐったいよ~///」


ちなつ「にかいせーん! おおさまだーれだ!」


ちなつ「きたああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

櫻子「王様うるさーい!」

あかり「おめでと~」

向日葵(2番の人が櫻子の身長をはかる! ……とか命令してくれないかしら)

ちなつ「じゃあねー……2番の人がー」

向日葵(えっ……///)ぴくっ

ちなつ「…………」チラッ


ちなつ「私の肩を揉む!」

向日葵「に、2番は私ですわ」

ちなつ「向日葵ちゃんお願いね~」

櫻子「ちなつちゃん思ったより普通のこと言うんだねー」

あかり「気持ち良さそ~」

ちなつ(このメンバー顔に出やすいから番号言うと誰かわかるのよね……)

向日葵「吉川さん気持ちいいですか?」

吉川「んー、肩凝ってないからわかんないや」

櫻子「何故やらせた!?」

ふぅ…

ちなつ「あかりちゃんもちょっぴりウトウトの3回戦! おおさまだーれだっ!」


櫻子「っしゃーきたー!! 王様だー!」

ちなつ「王様うるさいでーす」

あかり「あれぇ? なかなか王様になれないよぉ」

向日葵(櫻子は何を言うのかしら……)


櫻子「んー……1番の人が、私の腰を揉む!」

ちなつ「きた! 軽エロ覗かせました!」

あかり「軽エロって何!?」

向日葵「わ、私が1番ですわ!」

櫻子「よし! 向日葵たのむ!」


向日葵(チャンスですわ!)

ちなつ「向日葵ちゃん、エロく。エロくね!」

あかり「ちなつちゃんさっきから何いってるのかなぁ!?///」

向日葵「櫻子、ちょっとお腹を浮かせなさい」

櫻子「えっ? こう?」

向日葵「ふっ!」シュッ

櫻子「うああっ!/// なにごとー!?」

向日葵「……よし! おっけーですわ!」

櫻子「何!? なんでお腹測ったの!?」

向日葵「な、なんとなく……」

櫻子「なんとなく!?」

あかり「向日葵ちゃん、測定するのがマイブームなのかな?」

ちなつ「数値フェチなんだよきっと。というか数値フェチってなに?」

向日葵「櫻子、ついでに身長も……」

櫻子「腰を揉めよ!!」

しえ



ちなつ「じゃあこれ最後ね! 王様だーれだ!」

櫻子「わー外れた!」

ちなつ「やったー! 私じゃん王様!!」

あかり「ちなつちゃんつよーい」

向日葵「くっ……残念ですわ」


ちなつ「じゃあー……1番の人がー」

あかり「あ、あかり1番だー♪」

ちなつ「裸になってみんなにマッサージされる!!」

あかり「ええええええええええっ!!?///」

櫻子「きたーさすがエロ担当!」

     >',ィ圭圭圭ア": : : : :/、ミ、:/\
   /,ィ圭圭/爪!`` : : : : /: : ヽ/: : : \'"ヽ
  /;イ/圭圭/: : : ! : : : : : // : : l: ト l : : : ヽ : ヽ
. //:/: /: : l:l: :l: : l: : : : :l | :| !: : |: |l:ト; :、: : :ト、: :ヽ

//:/: /: : : l:l: :l: : l / l: | |λ|: :∧:|リ Хト、: :.ト、: :.ヽ
..l:/: /: : : : l:l: :l: : !l: : :l:┼十ト、l l:l ゙ l:!_,l,: l: l:、 : ヽ

_l':.:/: : : : :.:l:l: :l: : !l: : :l: llV__ヽ:.l リ  'ァ爪 Yl: l: ヽ: lヽ
..l: l: : : : : : :l:ヽヽ: !l: : :l 汽苅iヾリ.    咫! ∨}:.ト、:トヽ
. l:.l: : : : : : :ヽ: ヽ-、ヽ:.ト; 琺り.      、 /// l ∨ }:l リ
 l:ll: : : : : ヽ: ヽ{l´``ヽ、 ヽ ////     _   /   Y
 Yヽ: : : : : : ヽ: ヽミ-、,、ヽl     rァ'"´ }  /      /⌒ヽ
.   ヽ: : : : : : : ヽ: ヽミ>、      ヽ.__ノ/         ヽ.__ノ  
    ヽ: : : : : : : : :ヽ,.ノ''"´``ヽァ‐-イ    
     Y: :l: : : ヽ:/      ヽ、           r'⌒ヽ
      } : l: : : :y′u          `¨¨`'ー‐-:ャ   .ノ   )
      l: : l: : :/-―- 、   u        `:゙',   (     ノ  O
      l: : :l: /      ヽ       u     }   ``ー'
      !: : :l/          y'    ヽ、    ノ
.     l: :.:/         ,イヽ       ` ー イ
     j: :/       /: lヘ    _,,,,,,,,,__ }
    ノ:/       ,イ: :|;;>''"´ ̄:::::::::/ ̄ヽニミー--=ニ _
    ノ:/   ,.  -‐'''¨/:::::::::::::::::::::::::/         ``ヽ、      ヽ¨`''ー--::
  / /  /     /:::::::::::::::::::::::::/          ヽ. ‐- 、__)    \::::::::::::::
ふぁいと!

ちなつ「はいあかりちゃん脱いでー♪」

あかり「おかしいよ! そんなの絶対おかしいよ!」

ちなつ「王様の命令はー?」

『ぜったーい♪』

向日葵「吉川さん、流石にパンツくらいは履かせてあげても良いと思いますけど……///」

あかり「向日葵ちゃんそこじゃないよ! もっと根本的にツッコんでいいよ!?」

ちなつ「じゃあパンツは許してあげよう。はいみんな、とにかく揉んで~」

あかり「だめー!!///」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


あかり「ううう……みんなにいろいろ触られちゃったよぉ……」シクシク

ちなつ「楽しかったねー」

櫻子「次は何やる?」

向日葵「そ、そろそろ寝ません?」

櫻子「一番興奮してあかりちゃんを揉んでた人が何言ってんだ! 次は脱衣トランプでーす!」

あかり「あかりもうパンイチなんだけど!?」

ちなつ「つまりあかりちゃんは残機1スタートみたいなもんね」

櫻子「やるのは大富豪ね! カード配るよー」

向日葵「なんでさっきから頑なに脱衣なんですの?」

ちなつ「そりゃあ……」

櫻子「ねえ?」

向日葵(この二人何か結託してますわ……)

あかり(勝てる! この手なら勝てる!)

櫻子「かーくーめーいー!」ドヤァ

あかり「いやああああああ! あかりの手があああ!」

ちなつ「しめた! みんなであかりちゃんを脱がすのよ!」

向日葵「趣旨が完全に変わってますわ!」

櫻子「ほい4」しゃきーん

あかり「出せるわけないよぉ……」

ちなつ「あかりちゃん、もちろん負けたら今被ってる毛布も取るんだからね」

あかり「ひどい! 鬼! 悪魔! チーナ!」

櫻子「ほいトリプルジャック」しゃきーん

あかり「ああん出ないー!!」

ちなつ「脱ーげ♪ 脱ーげ♪」

向日葵「あ、あの、一応吉川さんも負ける可能性あるんですのよ?」

ちなつ「8切り! 654階段!」すぱーん

あかり「うそーー!?」

行ってらしゃい


補習

      \                     /
       \                  /
         \               /
          \            /
            \         /
             \∧∧∧∧/

             <    俺 >
             < 予 し  >
             <    か >
─────────< 感 い >──────────

             <   な >      
             <  !!! い >       
             /∨∨∨∨\

            /  ∧_∧  \
          /   ( ´_ゝ`)    \
         /    /   \     \
       /     /    / ̄ ̄ ̄ ̄/  \
      /    __(__ニつ/  FMV  /_   \
               \/____/

                     ,, -―-、      
                   /     ヽ   
             / ̄ ̄/  /i⌒ヽ、|       __.   オエー!!!! オエ_ー!!!! オエーー!!!!  ___
            /  (゜)/   / /         /  \___      __ハ_      ___/  \
           /     ト、.,../ ,ー-、        ⌒゙i\ \  \    / //ヾi \   /  / //⌒
          =彳      \\‘゚。、` ヽ。、o      ゙i \ ゙i(゚) ゙i  (゚)//⌒ヾi(゚)  / (゚)/ / /      
          /          \\゚。、。、o    <。, ' ⌒。゙i )  ゙i  | (/。;;゚∴゚.; ゙i) | ./  ( /。⌒丶。  
         /         /⌒ ヽ ヽU  o    o。∴。゚//   | ヾヾ∴゚;。i/ノ ノ |   \\゚。∴。o   
         /         │   `ヽU ∴l    o:。゚//⌒゙i   `\ ゙i ドo:゚;/ハソ_/   /⌒\\゚。:o    
       │          │     U :l     (∴U/   \   ハゝり。 ハ   /    \U∴)    
                          |:!      。uU゙    │ /  ゙U゙。 \  │___  ゙U|

                          U      o:   .    │;;;;;   ;u。: ;;;;; ; │──<   u。   
         おえっ おえっ おえっ   /uo ̄ ̄::ヽ;ヽ∴; ̄ ̄:.ヽ:.; ̄ ̄ヾヽ0。;.: ̄ ̄ ̄ヽヾ ̄o:0 ̄ ̄o:0 ̄ ̄ ̄
                 /⌒ヽ,  ,/  0":o;o;":o;":∵;∴;":∴;":;、o::;0’:;;’o‘:;o:。。:、''`;::`;:':o;o;":o;":∵;∴;":∴;":;、o:

              /⌒( ^ω^), /   o:o;":∵;∴;":∴;":;、o::;0’:;;’o‘:/⌒ヽ ":o::;∵;":∵;":o;o;":o;":∵;∴;":":oo;":o;":∵;∴;":
  気持ちいいお~   /⌒ヽ, J ;'・ミ∵::;∵;":∵;":o;o;":o;":∵;∴;":∴:( ^ω^)こっちにくさいゲボがあるお!i;":o;;:o;":u;":o::

            /⌒( ^ω^), /`;ヾ;,、`;。 ;,":・・;;。 ;,":;":o;;:o;":u":o:uノつ,:;":o;;:o;"; ./⌒ヽ;:本当かお!:o;":∵;∴;":∴;":;、o::;0’:;;’o
あっ           /⌒ヽu J ;'・ミ∵;,、∴;.":o;'":o;';,,":〇∴、o∵''`;∵;":∵;":o;o;"、'(^ω^ )⌒ヽノ';∴;":;、o::;0’:;;’o‘:;o:。。:、''`
これ朝飯だお /⌒( ^ω^), /`;ヾ":;":o;o;":o;":∵;:/⌒ヽ ∴;":;、o::;0’:;;’o‘:;o:。。:、..:⊂⊂ ととノ,:.;; 。:o''`〇;:''":o:o:''`:;:''

          /⌒ヽu ,`J ;'・ミ∵;,、":〇∴、o∵'' (^ω^ )/⌒ヽ∴;":∴;":;":・・;":o;;:o;":u;∴;":∴;":;":,./⌒ヽ;o:''`:;:''":o:;''
      /⌒( ^ω^)/`;ヾ;,、`.":o;'":o;';,,":〇;ノつ〇∴(^ω^ )⌒ヽノ''`;:∵;":∵;":o;o;":o;":∵''" と(^ω^ )つ,_,,_)つ:, :;":・・;":o;;:
ゲボゲボゲボ/⌒ヽ, J ;'・ミ∵;,";:;";∵;":o;o;":o;":∵;∴;":∴; ⊂⊂ ととノ,;:;∵;":o;o;":o;":∵;∴;":∴;":;、o::;0’:幸せだお~'';"
    /⌒( ^ω^)/ `;":o;'":o;';,,":〇∴、o∵''`∴;:∵、∵''`〇;::ゲボウマスwww;;;:o;":u;":o::;∵;":∵;":o;o;":o;":∵;∴;":∴;":;、o::;0
     つ  つ ;'・ミ∵":∴;;,、":∴;。 ;,":・・;":o;;:o;":u;":o::;∵;":∵;":o;o;":o;":∵;∴;":∴;":;":・・;":o;;:o;":u;":o::;∵;":∵;":o;o;":o;":∵;∴;":
おいしそうだお/`;ヾ;,、`∴;.":o;'":o;';,,":〇∴、o∵''`∴;:∵、∵''`〇;:。。:o''`〇;:''":o:o:''`:;:''":o:;''`o;:''":o''`o;:''":〇

補習



あかり「…………」

ちなつ「ほら、脱いで」

櫻子「約束でしょー」

向日葵「や、やめません二人とも? こんなのいじめと変わりませんわよ……」

ちなつ「えー……」

あかり「パンツはだめ! それ以外なら何でもするから許して~!」

ちなつ「じゃあ毛布取って、パンツだけで撫子お姉さんのお部屋に行って、『アッカリン参上!』って言ってきて?」

あかり「ええええええええええ」

櫻子「なにそれ超楽しそう!」

あかり「いやいやできないよ! あかりお姉さんに変態さんに思われたくないよぉ!」

櫻子「大丈夫だよねーちゃんそういうの寛容だから」

あかり「それもだめー! それ以外! それ以外の軽めのやつでたのんますー!」

きたきた

支援

ちなつ「はぁ……じゃあこっちきて?」

あかり「な、なにっ?」

パタン


櫻子「? どこいっちゃったんだろ」

向日葵「さぁ……」


ガチャ

ちなつ「ただいまー」

あかり「」

櫻子「おかえりー早いねー」

向日葵「……赤座さん?」

あかり「」

ちなつ「あかりちゃん眠いんだってさ。もうそろそろ寝る?」

櫻子「んー……もうそんな時間かあ」

向日葵「寝ましょう寝ましょうそうしましょう」

ちなつ「向日葵ちゃんも眠い?」

向日葵「目をつむったら3秒で寝られますわ」

櫻子「じゃあもう布団しくかー」

ちなつ「櫻子ちゃんは私とのガールズトークが残ってるからね! 櫻子ちゃんには聞きたいことがいっぱいあるんだから!」

櫻子「えーこわーい!///」

あかり「」

向日葵「赤座さん? あの……顔真っ赤ですけど大丈夫ですの?」

ちなつ「あーそれ眠らずに頑張ったからそうなってるだけだよ。寝かせてあげよ?」

向日葵「は、はぁ……」

向日葵(吉川さん恐ろしい人ですわ……)

櫻子「電気けすねー」

向日葵(寝たふりを貫きますわよ。櫻子が寝たらちゃっちゃと測って私も寝ちゃいましょう)

あかり「」

ーーーーーー

ちなつ「……櫻子ちゃん、起きてる?」ヒソヒソ

櫻子「起きてるよー」コソコソ

ちなつ「向日葵ちゃん寝たかな」

櫻子「寝たんじゃない?」

ちなつ「ガールズトークターイム!」

櫻子「いぇーい!」

向日葵(な、なにか始まりましたわ)


ちなつ「実はさっきあかりちゃんにキスしちゃいました」

櫻子「えー!? だからあかりちゃんあんな風になってたのか……」

向日葵(暴露大会が始まってますわ……)

ドレス支援

櫻子「ちなつちゃん積極的だね!」

ちなつ「えへへ……櫻子ちゃんはどうなの?」

櫻子「なにが?」

ちなつ「向日葵ちゃんとはどこまで行ったの?」

櫻子「えっ!?///」

向日葵(えっ!?///)


ちなつ「ほらほら~我慢しないで言っちゃえ~」ウリウリ

櫻子「は、恥ずかしいなぁ……///」

向日葵(これは寝られない展開ですわ……!)

キマシタワー

ちなつ「で、どこまでいったの?」

櫻子「えーどこまでって言われても」

ちなつ「AとかBとかCとかでもいいよ。どこまでいった?」

向日葵(吉川さんそれは古いですわ……)

櫻子「んー……S!」

ちなつ「S!?」

櫻子「たぶんそれくらいまで行った」

向日葵(意味不明……)

ちなつ「ご、ごめんね聞き方がわるかったね…………キスはしたの?」


櫻子「…………」

向日葵(…………///)ゴクリ


櫻子「……した」

ちなつ「おーすごい!」

向日葵(あぁ……言っちゃった……)

ちなつ「じゃ、じゃあ次は!?」

櫻子「次?」

ちなつ「キスの次!……ほら、いわゆるペッティング的な? 前戯的な??」

向日葵(そんなことするわけないでしょう! というかペッティングなんて言葉櫻子は知りませんわ!)


櫻子(ぺってぃんぐ……ペットごっこのこと? だったらこの前向日葵と猫耳つけて遊んでたな……)

櫻子「したした。ぺってぃんぐしたよ」

ちなつ「えー!?///」

向日葵(えー!?///)

ちなつ「じゃ……じゃあその次は……///」

向日葵(その次!? 女同士の場合のその次って何!?)


ちなつ「したの!? してないの!?」

櫻子「んー……忘れた!」

ちなつ「忘れたの!?」

向日葵(もうわけわかんないですわ……)


ちなつ「いいなぁ櫻子ちゃんは。向日葵ちゃんが寛容で……あかりちゃんがあんなだから、私まだそこまでいけてないんだー」

向日葵(ひ、ひどい誤解が生まれてますわ!)

支援

ちなつ「……でもね、私もいつか二人に追いつくからね!」

ちなつ「そういうことになったら私が先導してく形になるのかな? きゃー今から勉強しとかないと♪」

ちなつ「ねえねえ気持ちよかった? 何が一番気持ちよかった? 道具とか使った?」


ちなつ「……あれ? 櫻子ちゃん?」


櫻子「zzz…………」スゥスゥ

ちなつ「嘘ぉ……寝るの早いよぉ……」

向日葵(! 寝たみたいですわ)

ちなつ「まったく……みんな中身は子供なんだから……」モゾモゾ

向日葵(吉川さんが寝るまで待ちましょう)

ーーーーーー
ーーーー
ーー

向日葵(よし、そろそろですわ)

向日葵「まずは身長から……」ヨイショヨイショ


向日葵「く、数値が見えない……携帯で光を出さないと見えませんわ」


向日葵「……よし。次は胸囲……」


向日葵「ほら櫻子、バンザイしなさい」

櫻子「むにゃ……」バンザーイ

向日葵「よしよし……胸囲は……え、これだけ?」


ちなつ「ん……?」ムニャ

向日葵「!」

ちなつ「んぇっ!? 向日葵ちゃん何やってんの!?」

向日葵「よ、吉川さん!?///」

ちなつ「なんで櫻子ちゃんにまたがってるの!? はっ……まさかやる気なの!?」

向日葵「ええっ!?///」

ちなつ「だめだよ向日葵ちゃんこんなとこで! 気持ちはわかるけど、ほら、あかりちゃんも隣にいるんだよ!?」

向日葵「よ、吉川さん誤解ですわ! 私はただ……!」

ちなつ「いやいや、あのね、こういう時大人はいくらしたいって思ってても、我慢しなきゃいけないんだってば!」

向日葵「だから違いますわよ! そんなことするわけないでしょう!?」


ちなつ「じゃあ何やってんの!? ……え、メジャー?」

向日葵「あ……そ、そうなんですの! 私数値フェチなんですの!」

ちなつ「やっぱりそうだったの!? というか数値フェチって何!? ……あ!」

ちなつ「そうか! さっき櫻子ちゃんがSって言ったのは……数値ってことだったのね! SUUCHI!」

向日葵「そ、そうなんですわ! 私数値大好き!」

ちなつ「ねえ数値フェチってなんなの!? 数値測ることの何がいいの!? 好きな数値は!?」

向日葵「吉川さん落ち着いてー!?///」

櫻子「むにゃ……んん、なにー?」

向日葵「きゃああ櫻子起きちゃった!!」

キャーキャー……



撫子(……いつまで起きてんだ)

ーーーーーー

櫻子「ねーもうすぐ帰っちゃうんだからあそぼーよー」

向日葵「もうすぐ帰っちゃうからこそ宿題を頑張るんですわよ」

ちなつ「でも向日葵ちゃんいつでも櫻子ちゃんと宿題できるんじゃないの?」

向日葵「ま、まあ……あ、でも櫻子、明日は私来れませんわ」

櫻子「なんで?」

向日葵「えっと……用事が」

櫻子「なんの用事?」

向日葵「いいじゃないの。ちょっと忙しいんですわ」

あかり「じゃあ次はいつ集まろうか?」

ちなつ「次は8月になっちゃうかなー。また予定が合ったら、あかりちゃん家にお泊りしようよ」

あかり「だからなんであかりのお家に決まってるの!?」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


<翌日>

向日葵「…………」

弟子「あっ、古谷さん!」

向日葵「あ、おはようございます……」

弟子「早乙女さん中にいますよ。どうぞどうぞ」

向日葵「ありがとうございます」



早乙女「来たわね。ちゃんと測ってきた?」

向日葵「はい! がんばりました」

早乙女「うわちっちゃ……こりゃ今までで一番小さいドレスになるかも」

早乙女「さて、さっそくだけど、今日は何もしないわ」

向日葵「えっ!?」

早乙女「今日はこれから県外の式場まで行って仕事しなきゃいけないの。これ前から決まってたことだから」

向日葵「そうですか……じゃあ私は」

早乙女「アンタにも私の仕事を手伝ってもらうわよ」

向日葵「え!? そんな……」

早乙女「もちろんタダとは言わない。交換条件がある」

向日葵「条件……?」

早乙女「アンタがこれからつくる生地代、全部タダでいいわ。アタシが負担する」

向日葵「!」

早乙女「悪くない条件でしょ? 一流のものを使わせてあげるわよ。というかね、変な生地を持ってこられても困るのよね実際。私の持ってるヤツ使って欲しいってわけ」

向日葵「やります! お手伝いさせてください!」

早乙女「ありがとね。手伝いとかいっても荷物運んだりするだけだけどさ。それに毎日やらせようってわけじゃないわ。出張の仕事があるときだけね」

向日葵「でも県外って……遠いですか?」

早乙女「なに、一日で簡単に帰ってこれるわよ。じゃああとは弟子に聞いていろいろやっといて」

向日葵「わかりました!」

早乙女「言っとくけどこれバイトじゃないから。あくまで交換条件。訴えたりしないでよね? アタシ捕まっちゃうから」

向日葵「大丈夫です。むしろありがとうございます!」

ーーーーーー

弟子「すごいですね。まだ13歳でしょう?」

向日葵「え……まあ」

弟子「せっかくの夏休みなのに、ごめんなさい。いきなり利用させるみたいになってしまって……」

向日葵「いいんです。生地貰えるなんて思ってなかったので」

弟子「早乙女さんもなぁ……タダでいろいろやらせないってのはわかってたんですけど、お仕事について来させるとは思いませんでした」

向日葵「お弟子さんは……」

弟子「お弟子さん!? ……あ、まあお弟子さんでいいか」

向日葵「すみません、お弟子さんはどうして早乙女さんのもとで?」

弟子「もともとこういう仕事に興味はあったんですけど。知り合いの結婚式を見に行くときに、たまたま早乙女さんのお仕事を見る機会があって……」

弟子「まあ、一目惚れですよ」

向日葵「……早乙女さんに?」

弟子「早乙女さんの仕事に! ね! 早乙女さんに惚れるわけないでしょう……」

向日葵「なるほど」


弟子「ドレスってやっぱりいいですよね」

向日葵「ええ……」

弟子「素晴らしいと思いますよ。古谷さんの計画」


弟子「最初はちょっと笑ってしまいました……でも考え直してみたんです。古谷さん、すごい人ですよ」

向日葵「そんな……私なんて」

弟子「わたしも協力します。古谷さん見てるとこっちまで元気になりますね」

向日葵「ええっ!? そんなこと言われたことないです……///」

弟子「いやいや、すごいですよ。ひとつの目標を追いかける女性の姿です」

弟子「それにしても、早乙女さんを頼ってよかったですねー!」

向日葵「……正解でしたか?」

弟子「もう大正解ですよ。ああ見えて面倒見いいし。まあ気に入らない人には厳しいですけどね」

弟子「でもなんてったって……腕がいい」


ふわっ

向日葵「!」

すごーい!
きれーい!

弟子「このドレス見させられちゃ、誰だって惚れますよね!」

向日葵「ええ……すごいです……!」

ーーーーーー

向日葵(櫻子に、ドレス)

向日葵(どれくらい喜んでくれるかしら。あの子は)

向日葵(とびっきり可愛くしてあげましょう)

向日葵(写真もとってあげましょう)

向日葵(ふたりだけの、結婚式をしましょう)

向日葵(櫻子……)

櫻子「あっ、向日葵!」

向日葵「きゃっ! さ、櫻子……!?///」

櫻子「今日出かけてたんだっけ。今帰ってきたの?」

向日葵「ええ、そうなんですの」

櫻子「どこ行ってきたの?」

向日葵「え……と……料理教室ですわ!」

櫻子「料理教室?」

向日葵「ええ。この夏休みに本格的に料理の腕をあげたりレパートリーを増やしたりしようと思いまして。ちょっと離れてはいますけど、頑張って通ってるんですわ」

櫻子「すごいなー。そんなことしなくても向日葵のご飯美味しいのに」

向日葵「まだまだですわよ私なんて」

櫻子「ふーん。じゃあ今度上達した腕前を見せてねー♪」

向日葵「は、はい……」

向日葵(これでよかったのかしら……)

支援

ーーーーーー

早乙女「私なりに構想を練ったんだけどね」

早乙女「先にヒマワリがどんなドレスにしたいかを聞かせてくれる?」

向日葵「私の……?」

早乙女「先にアタシのを見せちゃったらそれで妥協しちゃうじゃない。でもそれじゃダメ」

早乙女「アンタがつくるドレスなんだから、アンタが色々決めるのよ」

弟子「なんとなくでいいから描いてみたらどうですか?」

向日葵「えっ!」

早乙女「いいわね。ちょっと理想を描いてみなさい」



早乙女「……アンタ絵うまくないわね」

向日葵「ご、ごめんなさい……///」

早乙女「まあでも13歳か。仕方ないわ」

早乙女「一応アタシは仕事で何着もドレス作ってきたわけ。でもね、今まで作ってきたようなドレスとは変えていかなきゃいけないの。今回のこれは」

早乙女「恐らく、今までのように作ってしまったときは……着たときにオバサンっぽくなっちゃうかもしれない」

向日葵「なるほど……」

早乙女「どうしてもね、ウェディングドレスって見た目より人を大人っぽく見させるの。だから今回は斬新にしてかなきゃいけない……」

早乙女「13歳という若さを、そのまま引き出せるようなのをね」

向日葵「……素敵だと思います」

早乙女「こんなのどう? ここをキュッとさせて……こっちは長めに重ねて……」サラサラ

弟子(真剣だなぁ……)



早乙女「いい? 大まかな図面を私が書いてあげる。アンタはその間にヘアーアップのやり方を教わんなさい」

向日葵「ヘアーアップ?」

早乙女「写真見させてもらったけど、あの髪型のまま着させるわけにもいかないのよ。どうしても上にあげる必要がある」

早乙女「着るときはもうアンタたち二人の世界なわけよ。そこで髪型をいじれるのは誰? ……アンタしかいないの」

早乙女「そこの弟子に聞けば大抵のやり方はわかるようになるから」

弟子「古谷さん、こっちにメイクルームあるから、そこでやろっか」

向日葵「は、はい!」

弟子「これ覚えちゃえばすぐできるようになるから大丈夫ですよ。できると便利ですしね。お友達に自慢できますよ!」

向日葵「そうですね。髪も綺麗にしてあげたい……」

弟子「ヘッドドレスとかも髪型に左右されますからね。 心配しないでください! 私これでも髪のことなら結構力になれますよ!」



早乙女「ホントならミシンとかでもいいんだけどね……せっかくあるんだからマシン貸してあげる」

向日葵「これがドレス用の……」

早乙女「いい? 裁断とか間違えないでよね。これ一応高い生地なんだから」

弟子「プレッシャーかけちゃ可哀想じゃないですかー」

早乙女「あとあれ! 作るときは、常にサクラコのことを考えながら作りなさい」

向日葵「??」

早乙女「ロマンチックなことじゃないのよ。本当に作ってるときの心は作品に表れるの。アンタがハンパな気持ちで作ってたら良いのできないわよ」

向日葵「な、なるほど」

早乙女「でも逆に言えば?」

向日葵「想いが強いほど良い作品に……?」

早乙女「そういうこと!」

ーーーーーー

早乙女「ん……? 結構うまいじゃない」

向日葵「そうですか?」

早乙女「手先は器用なのね。正直心配だったのよ。思い立ったら止まらない性格で、勢いでここまできたけど腕はからっきしとかだったらどうしようかと思って」

向日葵「あ、あはは……」

早乙女「あ、そこを合わせるときはこうやった方がいいわ」すっ

向日葵「わぁ……うまいですね」

早乙女「当たり前でしょ! これで飯食ってんのよこっちは」

向日葵「でも手先の器用な男の人って珍しくて……」

早乙女「…………なんだって?」ピキッ

向日葵「す、すみません! 早乙女さんは手先の器用な素晴らしい女性です!!」

早乙女「フン……さっさとやっちゃいなさい」

弟子(……私だったらボコられてた)

ーーーーーー

早乙女「今日はごめん、手伝ってもらうわ。ちょっと急いで出る準備してくれる?」

向日葵「はい!」

弟子「古谷さんは偉いなぁ……」

向日葵「いえ、お仕事を見るのも参考になりますから……」

弟子「このままこっちのお仕事来ちゃう!?」

向日葵「んー……悪くないかもしれませんね」

弟子「というか古谷さん13歳でそのスタイルだしモデルになっちゃえば……?」

向日葵「そ、そんなの恥ずかしいですわ……///」

早乙女「ちょっと! 早く準備してって言ってんじゃないのよ!」

弟子「きゃーごめんなさーい!」



櫻子「向日葵ーいるー?」

楓「櫻子おねえちゃん、おはようなの」

櫻子「楓、向日葵は?」

楓「えっと……今日もでかけてるの」

櫻子「えー今日も!? まだ9時だよ?」


櫻子「あ……あれか! 料理教室とか言ってたな」

櫻子「にしても帰ってくるの夕方でしょ? まったく……これじゃつまんないよ」

楓「…………」

櫻子「楓、ウチくるか? こんな向日葵のいないとこにいても面白くないでしょ」

楓「行きたいの!」

櫻子「よーしよしよし」わしゃわしゃ

楓「またムツゴロウさんなの!」

ーーーーーー

向日葵「はあ、急がないと電車がいってしまいますわ」

櫻子「待てーい!」ばばっ

向日葵「きゃっ! 櫻子!///」

櫻子「こんな早くから慌ててどこへ行くのだね」

向日葵「あの、すみませんけど電車が行ってしまうので通してくれません?」

櫻子「答えてよ! いつもいつもどこに行ってるの!?」

向日葵「だから……あの、料理教室ですわよ!」

櫻子「本当に!? 料理教室ってこんなにハードスケジュールなの? なんか一日だけ開かれたりするもんなんじゃないの?」

向日葵「…………」

櫻子「むむむ……」

櫻子「……わかったよ、いけよ」

向日葵「ありがとう櫻子」

櫻子「ただし!」


櫻子「明日、私においしいご飯を作ること!」

向日葵「えっ?」

櫻子「こんだけいっつも通ってんだもんね。そりゃ美味しくなってるはずだよね?」

向日葵「……そ、それはまあ」

櫻子「じゃあ明日のご飯楽しみにしてるからね! あと今度宿題一緒にやろうね! それと今度遊びに行こうね!」

向日葵「……は?」

櫻子「はやくいけー!」


櫻子「…………まったく」



向日葵「あの、早乙女さん……私明日は来られないと思いますわ」

早乙女「え? ああそう」

向日葵「えっ?」

早乙女「いやいや、別にアタシ無理して来いなんて言ってないんだから、気が向いた時に来てくれればそれでいいわよ。中学生の夏休みは貴重なのよ?」

向日葵「ありがとうございます」

早乙女「はー……さてはサクラコね。あんまり会ってないから怒られたんでしょ」

向日葵「……よくわかりますね」

早乙女「本末転倒にならないようにね。サプライズしかける前に崩れちゃ元も子もないんだから」

向日葵「でも、今とても楽しいんです。作ってるものが形になってきてるから……」

早乙女「でもま、お盆ぐらいは家でゆっくりしてなさいよね。宿題もあるだろうし」

ーーーーーー

向日葵「何を作ってあげましょうか……」

向日葵「櫻子の好きな食べ物だと大して腕前が変わってないのがばれてしまうかもしれませんし」

向日葵「かといって良い材料があるわけじゃないですし……」

向日葵「手間のかかるもの? ……中華とか?」

向日葵「あの子も最近グルメになってきたから……半端なものは出せませんわ」



向日葵「いらっしゃい櫻子。用意はできてますわ」

櫻子「えっ、もう作ってあるの?」

向日葵「あなたお腹空いてるんでしょう? ひょっしてお昼も食べてないんじゃありませんの?」

櫻子「……よくわかったね」

向日葵「あなたのためだけに作りましたのよ。ほら早く」

櫻子「う、うん」

櫻子「うおー何これ!」

向日葵「急だったのであり合わせの材料なんですけど、これくらいできましたわ」


櫻子「すご……これ全部私一人の量!? 多い!」

向日葵「中には朝から仕込んでたものもありますわよ。料理は手間が大事ですから」

櫻子「うそ……ちょっとびっくり」


櫻子「ていうか何これ。よくわかんないものが多い」

向日葵「あけてびっくりのメニューですわ。好きなのからつついていってくださいな」

櫻子「このアルミホイルはなんなの?」

向日葵「あなたの大好物ですわよ」

櫻子「え……あ、ハンバーグ!?」ガサガサ

向日葵「包み焼きですわ。上手でしょう」

櫻子「すごいなこんなのできたんだ……食べていいの?」

向日葵「もちろん」


櫻子「ソースとかはないんだね」

向日葵「粗挽き胡椒と塩で。まあ食べてみればわかりますわ」

すっ

櫻子「えっ、チーズ入り!?」とろー

向日葵「ちゃんと溶けてますわね。よかった」

櫻子「うわー……お店みたいだよ」


櫻子(超うまいし……///)


櫻子「ご飯もおいしいね」

向日葵「ええ。一粒一粒吟味選別して炊きましたの」

櫻子「はぁ!? 何その美味しんぼみたいなやつ!」

早乙女さんがクリス松村で再生される

櫻子「これは……かき玉スープか」

向日葵「他の味が強いから薄味ですわよ」

櫻子「ん……かすかに鰹の香りがする」

向日葵「よく気づきましたわね。中華風にしようと思ったけどあえてそっちにしたんですわ」

櫻子「うん。こっちの方が良かったかもしれない。正解だ」


櫻子「これは?」かぱっ

向日葵「茶碗蒸しですわ」

櫻子「えーすごっ! 何が入ってるの?」

向日葵「シンプルですわよ。鳥肉と三つ葉と……百合根」

櫻子「なんで百合根いれたんだよ……///」


櫻子「わーでも美味しい。これ後でねーちゃんに食べさせてあげたい」

向日葵「撫子さん茶碗蒸し好きなんでしたっけ。もうひとつあるからこの後持って行ってあげてくださいね」

櫻子「で、一番気になってたこれはなんなの?」

向日葵「それは桜の花びらですわ」

櫻子「うそつけ……ん」ぱりっ

櫻子「大根……? 桜大根?」

向日葵「似たようなものですわ。色付けるものがなかったから……」

櫻子「梅干しで代用したんだね。よくこんな綺麗な色出たね」

向日葵「梅とゆかりですわ。さっぱりしてるでしょう。大根の甘みもちゃんと残ってるかしら?」

櫻子「うんうん、すごいよ。よくあり合わせでここまでできたね」

櫻子「このキュウリはなに?」びよーん

向日葵「それはジャバラに切ったものですわ。面白いでしょう」

櫻子「面白いけど……なんの意味があるんだろ」もぐもぐ

美味しんぼ支援

向日葵「…………」

櫻子「ん……何やってんの? 向日葵も食べなよ!」

向日葵「あら、いいんですの?」

櫻子「良いも悪いも自分で作ったんだからさ。私だけ食べてるのも気分悪いし」

向日葵「ふふ……それじゃいただきますわね」


櫻子「いやーそれにしてもほんとに向日葵は料理うまくなったんだね! さすが毎日通ってるだけはあるや」

向日葵「…………」

ざわ…ざわ…

櫻子「でもさ……もう少し、一緒になんかしようよ。向日葵のいない夏休みなんて私何していいかわかんないよ」

向日葵「ええ……」

櫻子「もう料理は充分おいしいから、料理教室なんか行っちゃだめね。明日は……遊ばなくていいからさ、一緒に宿題しようよ」

向日葵「わかりましたわ。明日は櫻子の家に行きます」

櫻子「ほんと!?///」

向日葵「ええ」


向日葵(私は……また見失いかけてた)

向日葵(櫻子に喜んでもらうための計画なのに、その途中で櫻子を独りにさせてしまった)

向日葵(今ここにいる櫻子が、一番大切なことに変わりはありませんわ)


櫻子「うん、うまい!」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「お邪魔しますわ」

櫻子「おーきた! ねえねえ何やる!?」

向日葵「櫻子宿題どこまで終わりました?」

櫻子「えー。ワークとか問題集は皆でやったからほとんど終わってるけど……」

向日葵「じゃあ今日ポスターやりません? 私今ものすごい絵が描きたいですわ」

櫻子「いいけど……珍しいね。向日葵いつも私に見られたくないからって家で一人で描くじゃん」

向日葵「今日はもう猛烈に描きたいんですわ。やりましょうやりましょう」

向日葵(今日ぐらいしかやる時がないかもしれないんですわ……)

櫻子「よし、何描こうかなー」

向日葵「毎年のようにでっかいヒマワリの絵描いて『自然を大切に』はだめですからね」

櫻子「えー!? それが一番簡単なのにー……」

向日葵「あなた一回まぐれで賞取っちゃったじゃない……わたしちょっと恥ずかしかったんですからね」

櫻子「じゃあ向日葵は何描くの?」

向日葵「えーっと……どうしましょう。動物愛護とかでいいかしら」

櫻子「果たして向日葵にかわいい動物は描けるのでしょうか!」

向日葵「別にかわいくなくたっていいんですわ。似てれば」



櫻子「なにそのクマ……怖い」

向日葵「ええ……最近クマみたいに怖い人の夢をよく見るんですの」

櫻子「なんじゃそりゃ」

ーーーーーー

櫻子「わーい終わったー!」

向日葵「ちょっと! あなた何ヒマワリ描いてるんですの!?///」

櫻子「えっへっへ、描いたもん勝ちだもんねー♪ ヒマワリのクマはどうなったの?」

向日葵「自信作ですわよ。ほら」デデーン

櫻子「こええよ……動物愛護のポスターなのに動物を愛する気が失せるよ」

向日葵「選ばれなくていいですわこんなの。とにかく一日で終わって良かった」


櫻子「明日は何する?」

向日葵「!」

しゃ

向日葵「あ、明日は……ちょっとまた出かける用事が」

櫻子「あ、そうなの? じゃあ仕方ないなー」

向日葵「お盆! お盆はきっとまた一緒に過ごせますわ」

櫻子「うん、じゃあお盆も一緒になんかしようね」

向日葵「え、ええ……」

向日葵(櫻子が……気弱になってる)


向日葵(まずいですわ。一緒にいてあげないと……このままじゃいつかフラストレーションが爆発してしまう)

向日葵「櫻子、今度また泊まりにきていい?」

櫻子「え? みんなで?」

向日葵「いいえ、私だけ」

櫻子「え……い、いいけど……///」

向日葵(よし)

しゃ

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「早乙女さん、私これ持って帰って家で進めておきます。とりあえず次の段階までは家でやっててもいいでしょうか」

早乙女「なるほどね。別に私は困ること何にもないからいいわよ。ただし、わからなくなったらすぐ来なさいよね。取り返しのつかない失敗しないでよ?」

向日葵「はい、がんばります」

弟子「古谷さん、あの……」


弟子「あ、やっぱなんでもないです……///」

向日葵「?」

早乙女「それ完成したらまた来なさい。そろそろ仕上がりが見えてくるわよ」

向日葵「わかりました。ありがとうございます!」



楓「おねえちゃん、それなーに?」

向日葵「ふふ、前から作ってたドレスですわよ。これは上半身を覆う部分ですわ」

楓「すごいの! 本物のドレスなの!」

向日葵「ここさえ完成してしまえば後はレースの作業になりますわ」

楓「ぷろのひとみたいなの」

向日葵「楓、明日は櫻子のおうちに行きましょうか」

楓「わぁい♪」


楓「あっ、そういえば今日櫻子おねえちゃんが来たの」

向日葵「えっ?」

楓「よくわからないけど……急に来て急に帰っちゃったの」

向日葵(何で……?)

まさか…

ーーーーーー

向日葵「おはよう櫻子」

櫻子「あっ、向日葵!」

楓「櫻子おねえちゃん、おはようなの」

櫻子「楓もきたのかー。よしよし」

向日葵「たくさん時間ありますけど、何します?」

櫻子「んー……なんでもいいよ」

向日葵「なにかやりたいこととかありませんの?」

櫻子「うん……あ! 散歩いきたい!」

向日葵「散歩……?」

櫻子「お弁当つくってさ、どっか行こうよ」

楓「いきたいの!」

向日葵「ええ。じゃあ仕度しますわね」

向日葵(どうしたのかしら……少し様子がおかしい)



楓「あ、こっちに公園があるの」

櫻子「寄ろっか」


ワーイ

向日葵「…………」ジーッ

櫻子「どしたの?」

向日葵「あ、いえ、別に……///」


櫻子「あのさ」

向日葵「?」

櫻子「…………」

櫻子「今日、夕飯なに作ってくれる?」

向日葵「え……まだ考えてませんわ。何か食べたいものあります?」

櫻子「んー……今日は楓の好きなものにしてあげよっか」


櫻子「楓ー! 夕飯何がいいー?」

サクラコオネエチャンノスキナモノガイイー

櫻子「こうくるんだよなぁ……」

向日葵「うふふ……」



櫻子「ただいまー」

楓「あつかったのー」

櫻子「楓、シャワー浴びちゃおうか。そしたら今日もうお風呂はいらなくていいよね」

楓「わぁい」

櫻子「ごめん、先に楓と入っちゃうね?」

向日葵「ええ。どうぞ」

わざ…わざ…



向日葵「撫子さん」

撫子「ん、おかえり」

向日葵「あの、ちょっと聞きたいことが……」


向日葵「櫻子、ここのところ少し様子がおかしい気がするんですけど……普段はどうですか?」

撫子「……私よりもひま子の方が詳しいんじゃないの? そういうとこ」

向日葵「私、最近少し櫻子と離れてて……」

撫子「……じゃあそれが原因だね」

撫子「おとなしくなっちゃったよ、最近の櫻子」

向日葵「そうですよね……」

撫子「言ったじゃん、見かけより弱い子だって」

向日葵「ごめんなさい」

撫子「怒ってるわけじゃないけどさ……ついててあげてね。櫻子に」


撫子「あの子の元気がなくなる原因はひま子かもしれないけど、あの子を笑わせられるのもひま子だけなんだから」

向日葵「……わかりました」

楓「じゃあお姉ちゃん、楓は花子おねえちゃんのところで寝るね?」

向日葵「ええ。おやすみなさい」

楓「おやすみなのー」

櫻子「私たちも寝ようか」

向日葵「あら、いいんですの? 夜更かししなくて」

櫻子「なんかわかんないけど……すごい眠い」

向日葵「じゃあもう寝ましょうか。電気消しますわね」

ぱちっ

櫻子「はっ!」がばっ

向日葵「きゃっ!!///」

櫻子「…………」

向日葵「ど、どうしたんですの櫻子!」

櫻子「向日葵……」


櫻子「わたしになんか、隠してることない?」

向日葵「!」

ざわ…わざ…

櫻子「なんか最近、そんな気がしたんだ」

向日葵「…………」


向日葵「私が櫻子に、嫌がらせをするわけないでしょう」

櫻子「ほんと?」

向日葵「本当ですわ。だから離してくださいな……///」

櫻子「…………」


ちゅっ


向日葵「えっ」

櫻子「おやすみー!」がばっ


向日葵「えっ……?」

向日葵「ええっ……!?///」かああっ

きたー

向日葵「あれっ!? 今何しました!?」

櫻子「うるさい! 早く寝ろ!」

向日葵「ちょ、ちょっとよく見えなかったから電気つけてもう一回やってくれません?」あたふた

櫻子「寝ろってば!///」

向日葵「あれ櫻子、今日布団敷かないでベッドで寝るんでしたっけ?」

櫻子「やばっ! 布団敷くの忘れた!」

向日葵「電気つけなおしますわよ?」

櫻子「あーだめ! 今電気付けちゃだめ!」

向日葵「じゃあベッドで一緒に寝ます?」

櫻子「それもだめ!///」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「…………」モクモク

向日葵(早く仕上げなければ……)

向日葵(夏休み中になんとかしないと、学校始まったらもう後はないですわ)

楓「おねえちゃん、楓もう寝るね?」

向日葵「あ、わかりましたわ。電気消しますわね」

楓「おねえちゃん、もうすぐ櫻子おねえちゃんの誕生日だよね?」

向日葵「あら……よく覚えてましたわね」

楓「そのドレス、お誕生日の日にあげるの?」

向日葵「そうしたいんですけど……間に合うでしょうか」

楓「がんばってね! おねえちゃんならできるの!」

向日葵「よ、よし! がんばりますわ!」

支援

ーーーーーー

櫻子「もうちょっとで宿題終わりそうだねー。私こんなに早く宿題終わったことないかも」

櫻子「早めに終わらせるのも結構気持ちいいかもねー」

櫻子「向日葵は読書感想文終わりそう?」


櫻子「あれ、向日葵?」

向日葵「んぇっ!?///」びくっ

櫻子「え、寝てた……?」

向日葵「あ、ご、ごめんなさい……///」

櫻子「いや、眠かったら寝てもいいけど……珍しいね、向日葵がこんな時間に」

向日葵「え、ええまあ……」

最高の支援

櫻子「夜遅かったの?」

向日葵「そ、そうですわね。遅くまで宿題やってて……私櫻子より宿題始めるの遅かったから」

櫻子「ふーん。でもまだ夏休み終わるまでは何日もあるし、夜更かししてまでやらなくてもいいのに」

向日葵「つい癖で早めに終わらせたくなっちゃうんですわ」

櫻子「なんじゃそりゃ」


櫻子「向日葵、なんか髪にゴミついてるよ?」

向日葵「え?」

櫻子「なんだこれ、糸だ」

向日葵「きゃーっ!///」

櫻子「な、なに!? 糸くらいでびっくりするなよ!」

向日葵「み、ミミズかと思ったんですわ!」

櫻子「どうみても白い糸だろ……」

ーーーーーー

早乙女「あら……うまいじゃない」

向日葵「大丈夫でしょうか……」

早乙女「上手。初めてにしてはね。じゃあ次はスカート部分にとりかかるわよ」

弟子「ここがドレスの醍醐味ですよねー」

早乙女「細い上身と対象的に、でもスマートにふわっと広げてあげるような形にしようと思うの。Aラインのアレンジね」

向日葵「これは……家でもできますか?」

早乙女「ここはちょっとねえ……とにかくたくさんの生地を使うし、オーガンジーもレースも、ちょっと埃がついたりするだけでひっかかっちゃうのよ。悪いけどここからの作業はアトリエでやってもらうわ」

向日葵「そ、そうですか……」

弟子「でも完成までもうちょっとですよ! 一気に仕上げちゃいましょう?」

向日葵「は、はい!」

早乙女「いい? フリルレースって適当につけてるように見えるかもしれないけど、ちゃんとバランスを考えてつけてんのよ」

早乙女「全体の仕上がりを意識して、広げながら、重くならないようにやっていくの。ここからは一枚一枚トルソーにかけてチェックしていってね」

弟子「早く終わらせるなら家にいるときにヘッドドレス作っちゃった方がいいんじゃないですか?」

向日葵「あ、できればそうしたいです!」

早乙女「じゃあパーツあげるから、家でやってみなさい。でも全部完成したときは合わせるからここにもってくるのよ?」

向日葵「わかりました。ありがとうございます」

早乙女「じゃ、アタシたちちょっと出るから」

向日葵「え……じゃあお手伝いを……」

弟子「いや、古谷さんは作業を続けてください。今はそっちの方が大切でしょう?」

早乙女「そういうこと。じゃ、留守番頼むわね」

向日葵「わかりました。ありがとうございます!」

支援



櫻子「あれ? 楓、向日葵は?」

楓「今日もお出かけなの」

櫻子「えー、昨日もいなかったよね……どこ行ってるの?」

楓「ちょっとそれはわからないの……」

櫻子「…………」


楓「あ、で、でも! 夕方には帰ってくるの!」

櫻子「夕方って……誰にもなにも言わないで一日中出かけてちゃ危ないよ……」

楓「え、えっと……」

ーーーーーー

向日葵「それじゃ楓、行ってきますわね」

楓「今日もいくの?」

向日葵「ええ、学校が始まってしまう前に、やることはやっておかないと……」

楓「でも、昨日も櫻子おねえちゃんが来て心配してたの……」

向日葵「……それでも行かないと。なるべく早く帰ってきますわ」

楓「がんばってね?」

パタン

向日葵「よし、急ぎませんと」



櫻子(来た。今日も出かけるんだ)



向日葵「うぅ……今日も暑いですわね」

櫻子(バレないように後をつける! 向日葵がどこへいくか確かめてやらなきゃ!)


向日葵(明日あたり櫻子と一緒にいてあげた方がいいかしら……)トコトコ


櫻子(歩くの早いな……どこに向かってるんだ)


向日葵(あと2・3日で本体は終わりそうではあるんですけど……大変ですわね)


向日葵「?」クルッ

櫻子(あぶな!)ササッ

向日葵(……気のせいかしら。誰か後ろにいたような気がしたんですけど……)スタスタ

櫻子(ば、バレてないみたいだな)

スタスタ……

櫻子(あれ、こっちって……駅!?)

櫻子「電車乗るのかな……あ! 私お金無い!」


櫻子「わー行っちゃった!」

櫻子「どうしよう、向日葵行っちゃう……」わたわた


櫻子(電車乗って……どこまでいくんだ)

櫻子(なにか……すごい遠くに行ってそうな気がする……)


櫻子「向日葵……毎日電車で出かけてるのかな……」


櫻子(立派に隠し事してるじゃん……向日葵!!)

支援



向日葵「すごい、形になってきた……!」

弟子「いよいよって感じですね。古谷さんヘアーアップもすごいうまくなったし、やっぱりセンスありますよ」

向日葵「そうですか?」

弟子「……これ言っちゃおうかなー」


弟子「古谷さん、完成したら、必ずここに来てくださいね。渡したいものがあります」

向日葵「私に?」

弟子「はい。私からのお礼です」

向日葵「なんですか?」

弟子「そ、それは言えませんよ!/// 完成したらのお楽しみです!」

向日葵「じゃあ早く終わらせないとですわね!」

弟子「そうです! 頑張ってください!」

今更だが弟子は女だよな?



向日葵(ね、眠い……)

向日葵(細かい作業をしながらだとやっぱり眠くなってしまいますわ)

向日葵(でも早く完成させないと……)チマチマ


…………

向日葵「? 何か物音が……」

向日葵(はっ、まさか……!)シュババッ


櫻子「向日葵ー!!」すぱん

向日葵「な、なんなんですの!? こんな夜遅くに……」

櫻子「なんなんですのじゃない!」

向日葵「楓が寝てるんだから静かに……!」

櫻子「あ、そっか……」

向日葵「……どうしたんですの?」

櫻子「向日葵……」


櫻子「ほんとに、ほんとに、私に隠し事してないよね……?」

向日葵「……!」



櫻子「私、向日葵に隠し事したことないんだよ……」


櫻子「だって、向日葵のこと好きだから」


向日葵「…………」


櫻子「向日葵はそうじゃないの!?」

向日葵「私は……」

てんきゅ

向日葵「私も好きですわ。櫻子」

櫻子「だったらなんで……いつも電車でどこに行ってるの!? なんで私に何も言ってくれないの!?」


向日葵「そ、それは……」


櫻子「私の知らない向日葵なんて……嫌だよ……!」



向日葵「……櫻子、これはいつかちゃんと言いますわ」

向日葵「それは今は言えないけど、近いうちに、必ずあなたに伝えられますから」


向日葵「今日はもう……寝ましょう?」

櫻子「…………」

櫻子「……わかったよ」


向日葵「…………」


向日葵「じゃあ、櫻子の部屋で寝てもいいかしら?」


櫻子「……布団、干しちゃったよ」


向日葵「それでも」


櫻子「…………うん」

ざわ…ざわ…



あんなに眠かったのに、

せっかくベッドの上にいるのに、

この子が隣にいるだけで、眠さなんてどこかへ行ってしまった。


私があなたをおいてどこかへ行くとでも?

私が急にあなたを突き放すとでも?

そんなの絶対無いってことくらい、あなたが一番わかってるじゃない。

なのにこの手は、痛いほどに私を放さない。


そんな弱々しい顔は、あなたには似合いませんわ。


また、笑ってくださいな。櫻子。

圧倒的…レズ!

ーーーーーー
ーーーー
ーー


向日葵「や、やった……」

弟子「できました!?」

向日葵「ドレス本体は、これで完成です!///」

弟子「うわーすごーい!」

早乙女「……うん、いいじゃない! イメージ通りの物ができたんじゃない?」

向日葵「本当にありがとうございました。まさか自分にこんなに立派なものができるなんて……」

早乙女「はい、ここでアタシからプレゼント」

向日葵「?」

早乙女「知り合いに作ってもらったのよ。カットレース」

向日葵「え!?」

早乙女「ヒマワリの花とサクラの花と。世界にひとつだけ、アンタたちのドレスってことでね」

弟子「ちょっとー可愛いじゃないですかー」

向日葵「ありがとうございます……!///」


早乙女「他にも渡したいものあるんだけど、それは本当に完成したときでいいわ。後は自分の満足のいくように工夫しなさい」

弟子「学校始まっちゃうんですか?」

向日葵「ええ。夏休みはもう終わりです」

早乙女「こっちが好きで手伝ってただけだけど、なんかちょっと寂しいわね」

弟子「夏休みだけといっても結構一緒にいましたからね……もう私このドレスと古谷さんが見れなくなるなんて嫌ですよ」

向日葵「そんな……また遊びにきていいですか?」

早乙女「毎日こんなバカな弟子と一緒じゃ疲れちゃうからさ、もうほんとに友達連れてきてほしいわよ。というかサクラコに会わせなさいよ」

弟子「私も会ってみたいです。サクラコさんに」

向日葵「ええ。私もドレスを渡せたらここを教えてあげたいですわ」

早乙女「じゃ、ヘッドパーツがんばりなさいね」

弟子「私からのプレザントもありますからね!」

向日葵「ありがとうございます、本当に……///」

プレザント?(意味深)



向日葵「ほら楓、これが完成したドレスの写真ですわ」

楓「うわぁ……これおねえちゃんが作ったの?」

向日葵「これ見覚えあるでしょう? 私が家で作ってた部分ですわ」

楓「すごいの! 綺麗なの!///」

向日葵「もうすぐ持ってこれますわ。後はこれを作るだけですから」

楓「これはなに?」

向日葵「髪の毛につけてあげる飾りですわ。櫻子の髪をアップにして、そこにこれを……」

楓「楓に乗せてくれたやつ?」

向日葵「それに似たようなものですわ。楓の髪もアップにしてあげましょうか?」

楓「あっぷって?」

向日葵「こうやって髪をもちあげて……」



楓「な、なんか頭が重いのっ」

向日葵「うふふふっ、楓は髪型変えると可愛いですわね」

楓「おねえちゃんに作ってもらったやつ、とっといてあるよ?」

向日葵「あら、写真でも撮ります?」

楓「は、恥ずかしいからいいの……///」


向日葵「さ、今日はもう寝ましょうか」

楓「明日から学校?」

向日葵「ええ。夏休みは終わりですわ」

楓「じゃあ毎日櫻子おねえちゃんに会えるね!」

向日葵「櫻子……」


向日葵(明日から、毎日一緒に学校にいける……///)

ーーーーーー

向日葵「おはよう、櫻子」

櫻子「おはよう」

向日葵「…………?」

櫻子「行こっか」

向日葵「え、ええ……」



ちなつ「みんな久しぶりー♪」

あかり「ほんとだね~。結局お泊りの時から会ってないもんねぇ」

向日葵「えっ? 櫻子はお二人と会ったりしなかったんですの?」

櫻子「あってないよ」

向日葵「…………」

ちなつ「あかりちゃん宿題やったー?」

あかり「んん!? 一緒にやってたよね!?」



向日葵「櫻子……あら?」


あかり「どうしたの?」

向日葵「櫻子どこいったのかしら」

ちなつ「あれ、さっきまでいなかったっけ?」

あかり「帰っちゃったのかなぁ」

向日葵「でも今日は生徒会があるのに……」

ちなつ「……なんか櫻子ちゃん、今日どことなく元気なかったよね」

あかり「うん……ちょっとおとなしかった」


向日葵「…………」



向日葵「遅くなりましたっ」

綾乃「あら、古谷さんお久しぶりねっ」

千歳「夏休みどうやった~?」

向日葵「ええ。充実していましたわ」

ガラッ

櫻子「おはようございまーす」

向日葵「さ、櫻子!」

綾乃「大室さん、お久し

向日葵「どこにいたんですの!? さっきまで私探していましたのよ……?」

櫻子「……別に?」

向日葵「別にって……」

千歳「大室さん宿題とか終わったん?」

櫻子「はい。がんばりました」

千歳「すごいやん。これからもちゃんとな~」

しゃ



向日葵「櫻子、帰りましょう?」

櫻子「うん」


向日葵(こうして見ていると特に変わった様子はないのに……)

櫻子「あ、ごめん向日葵、私ちょっと寄らなきゃいけないとこがあるんだ」

向日葵「えっ?」

櫻子「じゃあねー」

向日葵「ちょ、ちょっと!」

櫻子「なに?」

向日葵「え……どこに行くんですの?」

櫻子「大丈夫だよ。ちょっと寄るだけだからさ。じゃあね」ダッ

向日葵「あっ、櫻子!」


向日葵(なんでそんな思いっきり走るんですの……?)

おの



向日葵(私が離れてしまったから……)

向日葵(櫻子は、わざと私から離れようとしているんですわ)

向日葵(「私と同じ気持ちを味わえ」ってことで……)


向日葵(それは、悪かったとは思っていますけど……)

向日葵(なにもそこまですることないのに……)


向日葵(できるだけ早くこれを終わらせてしまいましょう。今の私にできるのはそれだけですわ)チクチク



櫻子(向日葵の部屋……電気ついてる)

櫻子(今日も寝ないで何かやってるんだ……)

ーーーーーー

向日葵「お、おはよう櫻子」

櫻子「……おはよ。眠そうだね」

向日葵「えっ!? そ、そんなことはありませんわよ……?」

櫻子(うそつき)



向日葵(チャンス! 今日の給食はシチューですわ!)

あかり「わぁいシチュー♪」

向日葵「櫻子、ニンジン食べてあげましょうか??」

櫻子「……いいよ別に」

向日葵「えっ、じゃあ食べるんですの!?」

櫻子「私の勝手でしょ」

向日葵「…………」

ちなつ「あかりちゃん、シチュー食べてあげよっか?」

あかり「メインディッシュ!!」ガーン



向日葵「櫻子、 “一緒に” 帰りましょう?」

櫻子「うん……あーでも寄るとこあるから。先に帰ってていいよ」

向日葵「じゃあ私もそこにいきますわ」

櫻子「そんな、悪いよ」

向日葵「私はあなたと一緒に帰りたいんですの、櫻子」

櫻子「…………」


櫻子「しょうがないな」

向日葵(えっ!?///)


向日葵(あ、案外簡単に諦めるんですのね……///)

わざ…わざ…

向日葵「櫻子、夕飯作ってあげましょうか? 何か食べたいものある?」

櫻子「いいよ。今日の当番ねーちゃんだし」

向日葵「じゃ、じゃあ明日は……」

櫻子「だからいいって。向日葵も忙しいでしょ」

向日葵「え……忙しい?」


櫻子「ほら、家着いたよ」

向日葵「……そうですわね」

櫻子「早く入りなよ」

向日葵「あ、あなたから先に家に入ってくださる?」

櫻子「だから私寄るとこあるっていったじゃん。これから行くんだよ」

向日葵「……ええっ!?」

これはウザいな

櫻子「向日葵が一緒に帰りたいって言うから家までついてきてあげただけ。早く家に入って?」

向日葵「そ、そんな……!」

櫻子「じゃあねー」タタッ


向日葵(い、いじわる……)

向日葵(そこまでして私に心配させたいのかしら……)

向日葵(それとも、もしかしたら本当に用事があるのかも……だとしたら何かしら)

向日葵(もう……なんでこんな想いしなきゃいけませんの……?)



向日葵(櫻子は……)

向日葵(こんな気持ちを、ずっと感じていたのかしら……)

ーーーーーー

向日葵「よし、もうすぐ終わる……!」

向日葵(夜遅くまで頑張った甲斐はありましたわ……これなら明日にも終わりそうな気がする……!)


櫻子「…………」ガチャ

向日葵「あっ、櫻子おはよう」

櫻子「……クマすごいよ」

向日葵「えっ! そ、そうかしら……?///」

櫻子「昨日何時に寝た?」

向日葵「え、えっと……」

櫻子「……なんですぐに言えないの?」

向日葵「時計をよく見てなかったんですわ! たぶん……11時くらい?」

櫻子(うそつき)

ーーーーーー

コレヲエックスニダイニュウシテー

向日葵(ね、眠い……!!)

向日葵(やばい……もう……だめ……)がくっ

櫻子「…………」


櫻子(ねーちゃんに聞いた。向日葵はいつも2時とか3時まで部屋で起きて何かやってるって)

櫻子(そんな人が授業中起きてられるわけないじゃんか……)

櫻子(私が……私がちゃんとノートとってあげないと……!)セッセッ

向日葵「さく……らこぉ……///」ムニャムニャ


ちなつ(あかりちゃん見て……向日葵ちゃんが寝てて櫻子ちゃんが頑張ってる……!)

あかり(め、珍しいねぇ……)

(向日葵下さい)



櫻子「…………」すっ

向日葵「あっ、どこ行くんですの?」

櫻子「トイレだよ」

向日葵「わ、私も行こうかしら」

ちなつ「だめだよ向日葵ちゃん学校でそんな!///」

あかり「ち、ちなつちゃんは静かにしてようねー!」ディーフェンス


櫻子「…………」

向日葵「…………」


櫻子「どこまでついてくるんだよ……まさか個室まで来ないでよね」

向日葵「…………」

すっ

櫻子「むぐっ!?」

バタン!

櫻子「な、なにすんの!?」

向日葵「櫻子……」


向日葵「もう、いじわるしないでちょうだい」

櫻子「……はぁ?」

向日葵「嫌ですわこんなの。あなたが……こうして私の中にいても、ものすごく遠くに感じる」

櫻子「……ぉそぃよ……」ボソッ

向日葵「え……?」


櫻子「向日葵だってさ、私に嘘ついてるじゃん」

向日葵「うそ?」

櫻子「とぼけないでよ……昨日の寝た時間とかさ、私知ってるんだからね」

向日葵「!」

抜きどころ満載

櫻子「逆に聞くよ。毎日何やってんの? あんなに夜遅くまで何をしてるの?」


向日葵「それは……だから……」

櫻子「言えないんだね……それもわかってた」


櫻子「ねえ、私ほんとにトイレしたいから来たんだけど、出てってくれる?」

向日葵「あ……ごめんなさい」ぱっ



向日葵(……ちょっと前から思ってましたけど)

向日葵(櫻子って自分の誕生日が近いこと忘れてるんじゃないかしら……?)

向日葵(私も少々露骨に櫻子を遠ざけてたから……プレゼントを用意してるってことくらいなんとなくでも伝わると思うんですけど)

向日葵(こんなに許してくれないなんて……)

ーーーーーー

向日葵「もしもし、早乙女さんですか?」

向日葵「ええ……はい、できました!」

向日葵「明日伺います。……はい」

ピッ

向日葵「ええと次は……」


向日葵「あ、もしもし赤座さんですか?」

向日葵「……え、吉川さんもそこにいるんですの?」

向日葵「ちょうどよかったですわ。お二人にお願いが……」

向日葵「ええ。明後日9月7日……櫻子の誕生日なんですの」

向日葵「お二人にも、是非……」

ししゃも

ーーーーーー
ーーーー
ーー


櫻子「…………」

向日葵「おはよう櫻子」

櫻子「……おはよ」

向日葵「あなた最近早起きになりましたわね」

櫻子「自分が遅いだけじゃない? 低血圧なんだし」

向日葵(むむむ……///)


ぱっ

向日葵「ほら、行きましょう?」

櫻子「なっ!?/// 別に手つないで行くことないじゃん!」

向日葵「早くしないと遅れちゃいますわよ?」

櫻子「自分で歩けるよ!」



向日葵「赤座さん、吉川さん、ちょっと……」

あかり「あ、昨日のお話?」

向日葵「ええ。お二人にも是非来てもらいたくて……」

ちなつ「大丈夫。絶対いくよ」

向日葵「それで、7日なんですけど……私たぶん学校には来ないと思いますの」

あかり「ええ!?」

向日葵「準備もいろいろあって、ケーキも作らないとなので……」

ちなつ「学校終わったら、櫻子ちゃんと一緒に行けばいいのね?」

向日葵「ええ。撫子さんたちも協力してくれるから、櫻子の家でやりますわ」

あかり「な、なんだかすごいことになりそうだね……!」

向日葵「じゃあ、お願いします」

ーーーーーー

櫻子「……向日葵、一緒に……///」

向日葵「ごめんなさい櫻子。私ちょっと行かなきゃいけない所があるんですの」

櫻子「えっ……!?」

向日葵「先に帰りますわね。ごめんなさいっ」


櫻子「うそ……」


櫻子(今日からは……もう一緒に帰ろうと思ってたのに……)


櫻子(許してあげようと思ったのに……)


櫻子(向日葵のこと、信じようと思ってたのに……!!)ふるふる

ふるふる?(困惑)

ーーーーーー

向日葵「こんにちはっ!」

早乙女「あ、来たわね」

弟子「あれ、制服? 学校終わってからそのまま来ちゃったんですか?」

向日葵「どうしても今日じゃないとだめなので……明日は櫻子の誕生日なんです」

早乙女「なるほど。こいつはすごいプレゼントになるってわけね」

弟子「じゃあギリギリセーフですね! 間に合ってよかった」

向日葵「ええ、本当に……」


早乙女「それじゃ、全部合わせてみる?」



向日葵「できた……!」

弟子「きゃーおめでとうございまーす!」パチパチ

早乙女「なかなかいいわね。ドレス本体とのバランスもとれてる。明るく仕上がってるわ」

向日葵「本当にありがとうございました! お二人のご協力がなければ、私は今頃どうなってたことか……」

弟子「いえいえ、古谷さんはほとんど自分の力でやってましたよ?」

早乙女「そうよ。仕事の手伝いもしてもらったし、アタシにも良い刺激になってたわよ」

弟子「じゃあ、プレゼントといきますか?」ゴソゴソ

向日葵「?」

プレジデントきたー

ミスプレゼント

弟子「じゃーん! 私からはブーケでーす!」

向日葵「えっ、すごい! こんな立派な……!」

弟子「私のお友達にお願いして作ってもらったんですよ。このドレスに合うようなものになったかなと思うんですけど……どうです?」

向日葵「どうもこうもありませんわ! こんなにすごいものを……///」

弟子「受け取りづらかったら、それ私からサクラコさんへのプレゼントだと思ってくれればいいと思います。会ったことないですけどね♪」

早乙女「じゃ、アタシからはコレ」

向日葵「これは……」

早乙女「グローブよ。やっぱりこれがないとね。アタシが作ったの」

向日葵「い、いつのまにこんな物を……///」

早乙女「アタシにかかればこんなのすぐ作れちゃうの。手のサイズは……きっと合ってると思うわ」

向日葵「すごいです。私ちょうどグローブどうしようか迷ってて、諦めかけてたんですけど……早乙女さんが用意してくれてたなんて……!」

早乙女は俺の婿

早乙女「さ! じゃあドレス運ぶわよ!」パン

向日葵「え?」

早乙女「アンタの家に持ってくんでしょ? トルソーごと持ってってあげるから、車に乗せて?」

向日葵「あ……! 何から何まですみません」

早乙女「いやいや、これくらい当たり前でしょう? 他に持ってく手段無いんだから」

向日葵「…………」

早乙女「逆にどうやって持って帰ろうと思ってたの……?」

向日葵「…………///」

弟子「お二人ー! これ運びますよー!」

向日葵「あ、あの、なるべく静かにお願いできますか? 櫻子の家隣なので……」

早乙女「なにそれ、サクラコと家が隣同士なの!? どんだけ結ばれてんのよアンタたち……」

弟子「じゃあサッと運んでサッと帰らなきゃですね」

向日葵「すみません……車も少し離れた所に停めないとだと思います」



向日葵(こっちですわ!)ヒソヒソ

弟子(泥棒の逆パターンみたいですね)コソコソ


楓「あっ、おねえちゃんおか

向日葵「しーっ! 楓、ちょっと中までドレス運びますわよ」

弟子「お、お邪魔しまーす……」

早乙女「ちょっと! これ持って階段上がるの結構キツいんだけど!?」

向日葵「手伝いますから静かに……!」

楓「だ、誰なの……??」

早乙女さん支援

向日葵「お二人とも、本当にありがとうございました」

弟子「もー何回言ってるんですかそれ。またアトリエに遊びに来てくださいね?」

早乙女「アンタが本当に結婚してドレスが必要になるときは、アタシを頼りなさいよね。最高のドレスをデザインしてあげるわよ」

向日葵「はい……それでは」

弟子「頑張ってくださいねー!」


楓「おねえちゃん……あの人男の人なの? 女の人なの?」

向日葵「ちょ……ちょっとよくわかりませんわ。でもとても良い人ですわよ」


楓「これが完成したドレス!?」

向日葵「すごいでしょう……楓もたくさん協力してくれましたわね。ありがとう」

楓「て、照れるの!///」

向日葵「あとはこれを明日渡すだけですわ……! 楓も一緒に来てくれる?」

楓「もちろんなの!」



コンコン

向日葵「撫子さん……?」

撫子「あ、来たね」

向日葵「私のプレゼントは全部終わりました。明日なんですけど……夕飯は何にしましょうか」

撫子「んー……あの子の好きなものでいいと思うんだけどね。ケーキはどうする?」

向日葵「ケーキも手作りが良いかと思って……明日私学校休みますわ」

撫子「えっ、別にそこまでしなくても……」

向日葵「いえ、今回は本当にあの子のことを考えてやれなくて……傷つけてしまった部分もあるんです。だから、本当にできる限りのことをしてあげたくて……!」

撫子「いや、まあひま子がそうしたいならそれでいいんだけどさ」

向日葵「櫻子、最近どうですか?」

撫子「うん……元気ない。毎日すごい単調にすごしてる感じだった」


向日葵「…………」


撫子「やっぱりひま子のことが気になって仕方なかったんだよ。いっつも窓の外見てたしさ」


向日葵「……明日は、なんとしてでも成功させないといけませんわね」

撫子「そうだね。私たちも頑張るよ」

撫子「ところで、櫻子まだ帰って来てないんだけど」

向日葵「……ええ!?」

撫子「一緒じゃなかったの? もう夜だしさ……」

向日葵「だって、学校が終わったのも、私と別れたのも、結構前のことなんですけど……」


撫子「……まずいね」

向日葵「私、ちょっと探して来ます!!」

撫子「あっ、ひま子!」


向日葵(櫻子……なんで今日に限って……)ダッ

向日葵(もしかして、私が冷たく別れてしまったから?)

向日葵(一体どこへ……)


向日葵(はっ…………まさか!)

愛などいらぬっ!



なつやすみがはじまるまえ、

おねえちゃんがご本を読んでたの。

けっこんしきの本。

おねえちゃんそこからすごいがんばっててね、

櫻子おねえちゃんにドレスを作ってあげるんだって。

まいにちドレスをつくるためにいろんなとこにでかけてね?

ぷろのひとにてつだってもらったりして、こんなにすごいドレスをつくったの。

まいにちまいにち、よるおそくまでがんばっててね?

いそがしいけど、櫻子おねえちゃんがさびしくならないように、できるだけおとまりとかしようとしてたんだって。

ごはんつくったり、おかしつくったり。

でもおねえちゃん、まいにち楽しそうだったの!

楓の奴チクったのか!?(憤怒)

向日葵「…………」バッ

楓「あっ、おねえちゃん!」

櫻子「…………」


向日葵「さ、櫻子……」

櫻子「これ……」


櫻子「作ったの……?」

向日葵「え、ええ」


櫻子「嘘でしょ?」

向日葵「嘘じゃありませんわ」


櫻子「嘘だよ……」


櫻子「嘘って言ってよ……!」

向日葵「もう、私は嘘はつきませんわ」

櫻子「こんなにすごいの……作っちゃうの……?」


向日葵「……本当は、明日いきなり見せたかったんですけど」

櫻子「明日……?」


向日葵「ええ、それは明日の方がだって……ねえ?」


向日葵「明日、何の日かわかってるでしょう?」


櫻子「明日……」


櫻子「今日って何日?」

向日葵「えっ」

えっ

向日葵「9月……6日ですわ」

櫻子「じゃあ明日は……私の誕生日だ……!」

向日葵「気づいてなかったんですの!?」


櫻子「だ、だって……だって……」

櫻子「向日葵のことでいっぱいになっちゃってて……今日が何日かなんてどうでもよかったから……!」


向日葵「……ごめんなさい。ひとりにさせてしまって……」

櫻子「そっかぁ……これ作ってたんだぁ……///」ポロポロ

楓「櫻子おねえちゃん……」

盛り上がってまいりましたー

向日葵「櫻子、ちょっと座って?」

櫻子「うううっ……ぐすっ」


向日葵「着てみましょう。髪まとめますわね?」

楓(おねえちゃん、楓は下にいるの)ヒソヒソ

向日葵(あ、あら……ありがとう楓……///)


櫻子「ばか……向日葵のばかぁ……///」

向日葵「ほらほら、腕を通しますわよ?」


櫻子「なんでこんな凄いの作っちゃうんだよぉ……」

向日葵「それ、ほめてますの?」

櫻子「全然気づかなかったんだもん……///」

うっ…

…ふぅ

>>433
まだはやい










ふぅ…

向日葵「正直バレバレかと思ってましたわ」


櫻子「……ごめんね、いじわるして」


向日葵「結局、この前言ってた櫻子の行かなきゃいけないところってのはどこだったんですの?」

櫻子「……公園にいた///」


向日葵「……素直に帰ってくればよかったのに」


向日葵「はい、グローブ」

櫻子「こんな本格的なの……どうやってつくったのさ」

向日葵「詳しいことは後で話しましょう? 私……今日はあなたの家に泊まりますわ」


向日葵「だからほら、泣きやんで」

櫻子「綺麗……///」


向日葵「ぴったりですわね。サイズ測るのも大変だったんですから……」


櫻子「あ、お泊りのときか……」クスッ


向日葵「あ、笑った……///」


櫻子「……はは、思い出しちゃった」

ハハッ 思い出しちゃった



向日葵「はい、完成ですわ」

櫻子「うううっ……」

向日葵「あ、ほら……泣いちゃだめですわよ」

櫻子「嬉しい……嬉しいよぉ……///」


向日葵「鏡見ます? ほら」

櫻子「わぁ……///」


向日葵「誕生日おめでとう、櫻子」


櫻子「ひまわり……だいすき……!///」



やっと見えた。

追い求めた、あの可愛い笑顔が。

ーーーーーー
ーーーー
ーー


撫子「じゃあ撮るよ?」

撫子「3…2…1…」

ぱしゃり


櫻子「はいチーズ! とかでいいじゃん。なんでカウントダウンなの」

撫子「はいチーズってなんかかっこ悪いじゃん」

向日葵「可愛いですわ、櫻子」

櫻子「んふふ、ありがと♪」

撫子「おい私の前でいちゃつくな」

初夜はよ

撫子「それにしてもびっくりしたよ……本物のドレス着ていきなり現れるんだから」

向日葵「撫子さん学校休んじゃってよかったんですか?」

撫子「妹の晴れ姿ほっといて学校なんか行けないよ」

櫻子「花子にも見せたいなー♪」

撫子「手作りでここまでやるなんてさ。すごいよひま子は」

向日葵「この秘密を知ってたのは私と楓だけですから……撫子さんに秘密にしとくのは大変でしたわ」

撫子「櫻子なんかすごかったんだから。毎日毎日呆然としながら出かけてくひま子を見ててさ。追いかけて行ったと思ったら泣きながら帰って来るしさ」

櫻子「ねーちゃんなんで言っちゃうの!?///」

撫子「いいじゃんもう終わったんだから」

向日葵「ごめんなさいね櫻子。私もやり過ぎたと思ってますわ」

櫻子「いいよ……もう。私もいじわるしちゃったし……///」

向日葵「櫻子……///」きゅん

撫子「おい」

櫻子「ねえ、せっかくなんだから私だけじゃなくて向日葵と一緒に撮りたいよ」

向日葵「でも私こんな私服ですし……」

撫子「あ、そうだ」



撫子「ほらこれ、お父さんのスーツ」

向日葵「えっ!?」

撫子「これ一回も着てないらしいよ。なのにあるから……私のコスプレ用に使えるかと思ってとっといたんだけど、今こそひま子が着るべきとき」

櫻子「着なよ向日葵!!」

向日葵「え、ええ……? ちょっと恥ずかしいですわね」

撫子「なんだかんだでひま子背あるからさ。男装の麗人デビューできちゃうよ?」

向日葵「デビューはしませんけど……じゃあ着てみましょうかしら///」

ざわ…ざわ…



向日葵「ぶかぶかですわ!」

櫻子「かわいいよ向日葵! 似合うー!」

撫子「チグハグで面白いじゃん。写真屋さん呼びたいくらいだよ」


櫻子「ほらほら、撮ろうよ撮ろうよ!」

向日葵「ど、どういうポーズにしたらいいんですの??」

撫子「いっぱいやってたくさん撮ればいいよ。ほら櫻子ブーケ持って。じゃあまず1枚目いくよー?」


ぱしゃり。

すばら

ーーーーーー

ピンポーン

向日葵「あ、赤座さん吉川さん。いらっしゃい」

あかり「向日葵ちゃん!? そのスーツどしたの!?///」

ちなつ「あれ今日仮装パーティだっけ?」

向日葵「いろいろと訳がありまして……とりあえずあがってくださる?」

花子「ただいましー……え?」

向日葵「花子ちゃん。お帰りなさい」

花子「ど、どしたし……??」

支援

櫻子「やーやーいらっしゃーい!」

あかり「えー櫻子ちゃんドレス着てるー!!」

ちなつ「すごーい! 何このドレス可愛いー!///」

櫻子「向日葵が作ってくれたんだよー♪」

楓「櫻子おねえちゃんかわいいの!」

花子「なんで楓も櫻子と同じ髪型だし……?」

楓「おねえちゃんがやってくれたの!」

花子「か、かわいいし……///」

楓「ありがとうなの♪」

撫子「みんな、ちょっと写真撮っていいかな? 櫻子とひま子中心で一枚撮りたいんだ」

ちなつ「あ、じゃあ私はあかりちゃんをお姫様抱っこするね!」ひょいっ

あかり「なんで!?///」

楓「花子おねえちゃんと一緒に撮りたいの!」

花子「は、恥ずかしいし……///」

櫻子「みんな集まってー!」

向日葵「撫子さんも入ってくださいな」

撫子「よし、じゃあ三脚持ってこよう」

ふぅです

ちなつ「準備いいよー♪」

あかり「いいのー!?」

櫻子「ほら向日葵もっと寄って!」

向日葵「く、くっつきすぎじゃありません!?///」

撫子「いくよー」


ぴっ ぴっ ぴっ ぴっ


向日葵「櫻子。お誕生日、おめでとう」

『おめでとー!』

櫻子「みんなありがとー!!」


ぴぴぴぴぴ……


ぱしゃり!


~fin~

全力の乙を貴方に

ずっと支援してたかいがあったわお疲れ様

こころ「えー、いきなりですがここで、孤独の人からお手紙を預かっています」

こころ「字が汚くて全然読めないけど、かいつまんでお伝えしまーす」


こころ『ちょっと前まで、長期休暇には春のときのように毎日SSを投下すると言っていましたが、それはできなくなりました』

こころ『春休みは暇でしたが、大学生になりバイトなどで毎日が忙しくなったため、毎日投下は時間的にも体力的にも、夜勤的な事情も加味して、できないという結論に至りました』

こころ『それでも既に書き溜めは何個か完成してるのがあるし、アイデアノートにもびっしり案が書いてあるので、時間があればちょこちょこ投下していきたいと思います』

こころ『櫻子ちゃん、お誕生日おめでとう』


こころ「ヘタレですねー」

こころ「というわけで、櫻子おねえちゃんには祝福と謝罪の意味をこめて、たまご1個オマケしてあげまーす」

こころ「本日はありがとうございましたー」

>>500ならぬるぽ

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