芳佳「私の少しイジワルな先輩」 (18)




リクエストの芳イラです。第一期三話あたりの話です。

前スレ:バルクホルン「なんとしてもクリスにクリスマスプレゼントを届ける」
バルクホルン「なんとしてもクリスにクリスマスプレゼントを届ける」 - SSまとめ速報
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昼 501基地 格納庫

ペリーヌ「だから!! 何度言えば分かりますの? 貴方はこれくらいのことも、」

芳佳「……はい、あの……ごめんなさい……」

ペリーヌ「謝れば済む問題ではないのよ!? まったく、これだから新人って……」

エイラ「その辺にしておけよ、ペリーヌ」

芳佳「?」

ペリーヌ「エイラさん……」

エイラ「新人いびりは感心しないナ」

ペリーヌ「別に、ただこの子があまりにもマナーが無さ過ぎるので指導していただけですわ」

エイラ「ソウカ……ならもういいダロ」

ペリーヌ「……ふんっ」スタスタスタ

芳佳「あの、ありがとうございます……えーっと……エイラ、さん……」

エイラ「あー……えっと、みや……ミヤ……」

芳佳「宮藤です。宮藤芳佳」

エイラ「あぁ、そうだったナ。礼は要らないさ、私はたまたまここを通りがかっただけだから。じゃあな」

芳佳「は、はいっ……ありがとうございました」ペコッ

芳佳(501って厳しくて怖い人が多いイメージだったけど、中には優しい人もいるんだなぁ……うん、頑張らなくちゃ……!)





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夜 海の見える廊下

芳佳「……」ボーッ

エイラ「何してんだ、新人」

芳佳「あ、エイラさん……ここからの眺めってキレイなんですね。海が一望できて、月も星もすごく明るい……」

エイラ「あぁ、なんてったってそこは私の特等席だからな」

芳佳「えっ、あ……すいません……」

エイラ「いいさ。……しっかし宮藤、お前って不思議なヤツだヨナ」

芳佳「?」

エイラ「初出撃でネウロイと戦闘を出来て、かと思えば支給された護身用の銃は要らないと言い張るし」

エイラ「魔力だけは高いみたいだけど、それ以外は点でダメ。なかなか普通じゃないヨ、お前」

芳佳「褒め言葉、ですか……?」

エイラ「そういう風に聞こえるカ?」

芳佳「努力します……」

エイラ「そうしろソウシロ。じゃあ私は寝るから。おやすみな」

芳佳「はいっ、あの……おやすみなさい」

エイラ「ここはワタシの特等席だ。話したくなったらまた来いヨ」







次の日 海の見える廊下 

エイラ「……なんだ、元気が無いノカ?」

芳佳「いえ、そういうワケじゃ……分かりますか?」

エイラ「ん、まぁな。……はぁ、仕方ネーナァ……ワタシでいいなら聞くゾ」

芳佳「……いいんですか?」

エイラ「あぁ、サーニャを起こすまでまだ時間があるんだ、暇つぶしを探してたからな、ちょうどいい」

芳佳「今日、訓練のときにすごく厳しい人に、死にたくないなら帰れ、って……」

エイラ「あー、大尉か。まぁそうなるだろうな。お前は魔力があって素質だけで入ったんダロ? 訓練不足なのは仕方ないサ」

芳佳「はぁ……」

エイラ「でもナ、大尉の言うことも間違っちゃいないンダ。ワタシ達がやっているのは、戦争ダ。命がかかってるンダ」

エイラ「生半可な気持ちでやって欲しくないってコト。ワタシもソレは同じダ。宮藤はどうしたいんだ?」

芳佳「私は……」








エイラ「お前が戦いたくないというのなら、今すぐ帰るべきダナ」

芳佳「それは……私……本当のことを言うと戦いたくないです」

エイラ「そうか。それなら、」

芳佳「でも、知りたいんです。お父さんのこと」

エイラ「それだけの理由でここにはいられないゾ、悪いケドな」

芳佳「ダメなのは分かってます。気持ちだけじゃ、どうにもならないってこと」

エイラ「じゃあ、どうしたらいいと思うンダ? 戦いたくない、でもここにいたいんダロ?」

芳佳「……守ります」

エイラ「……」

芳佳「みんなを守るために、戦います。このチカラで誰かを守れるなら、私……!!」

エイラ「ソウカ……」

芳佳「……もっと訓練を積みます、もっともっとたくさん……訓練して、みんなを守れるようなウィッチになります!」

エイラ「ソウダナ、それが一番いい。……さぁ、もう寝ろ。明日も早いんダロ?」

芳佳「はい……あの、ありがとうございました」

エイラ「あぁ、別にいいサ。ガンバレヨ」






数日後

美緒「こら、宮藤! 遅い、遅いぞ!」

芳佳「すみません……」

美緒「リーネもだ! もう3周してこい!」

芳佳・リーネ「はいっ!」

エイラ「……」チラッ

美緒「ふむ……」

エイラ「なぁ、少佐。新入りはどうなんだ?」

美緒「ダメだな、全く。私の検討違いだったか……心意気だけは充分なんだがな……」

美緒「もう少し、と思ったがコレ以上成果が出なければ、他の補充員を探すしかあるまい」

エイラ「そうか……」

美緒「どうした、不満か?」

エイラ「いや、別に……」

美緒「もう一度戦闘に出れば分かるだろう。そのとき、宮藤とリーネのこれからを決めることにする」

エイラ「分かった……」コツコツコツ







更に数日後

ミーナ「出られるのは私とエイラさんだけね。……サーニャさんは?」

エイラ「魔力を使い果たしてイル。ムリダナ」

宮藤「私も、行きます」

ミーナ「満足に訓練を受けていない人を戦場に出すワケにはいきません」

リーネ「いいえ! 二人でなら、一人分くらいにはなります!」

ミーナ「……分かりました。90秒で支度なさい」

エイラ「中佐! ダメだ、ソイツらを行かせるなんて、私は反対だ」

芳佳「エイラさん、どうして……」

ミーナ「エイラさん、緊急時なのよ?」

エイラ「分かってる。でもワタシ達だってお前たちを守れない時もある。そんなとき、お前らは自衛すらできないんダゾ?」

芳佳「……」

リーネ「……」

ミーナ「二人とも、行きなさい」

エイラ「中佐!!」

芳佳・リーネ「了解っ」タッタッタッ





エイラ「どうしてだ、中佐も聞いてるダロ!? 少佐が、次の出撃でネウロイと戦闘した二人を見て、これからを決定するらしいンダ」

ミーナ「えぇ、聞いているわ」

エイラ「でも、まだ二人は訓練不足ダ、今の状態で出撃したらきっと……成果を出せずに終わってしまう。そうしたら……」

エイラ「アイツらは、国に戻されるんダロ? あんなに頑張ってるのに、可哀想だ……」

ミーナ「……優しいのね」

エイラ「別に、そんなんじゃ……。ただ、アイツは見てて危なっかしいんダヨ」

ミーナ「でもね、今は一刻を争うのよ。彼女達を信じて私達も出撃するわよ」

エイラ「……了解」







ブォォォォォンッ

ミーナ「私とエイラさんが先行するわ。二人はここで待機、後方支援に徹して頂戴」

エイラ(アイツはもっと訓練を積ませなくちゃ……だから、今ひよっこの状態で万が一戦闘することになったら……)

エイラ(私がやるしかない……!!)

ミーナ「見えた。攻撃開始!!」

エイラ(ここは通さないゾ、ネウロイ……っ!!)

ダダダダダッ

エイラ「はやいっ……」

ミーナ「ネウロイと等速で飛んで」

エイラ「くっ!!」ブォォォンッ

エイラ(当たれ、当たれよ! なんでだ、くそっ! ココは通せないのに、アイツらは私が守らなきゃ……!!)

ダダダダダダダダダダッ

エイラ「!? くっ……そっちに行ったゾ!」

エイラ(マズイ、アイツら……リーネ……宮藤……! やめろ、やめろ……!! 頼む、逃げてくれ、お前らじゃ勝てない……!)

エイラ「やめろぉおおおおおおぉぉーー!!」






夜 海の見える廊下

エイラ「驚いた……出来たじゃなイカ、宮藤……。かなり焦ったゾ……」

芳佳「そんな……エイラさんのおかげです」

エイラ「私は何もしてないサ」

芳佳「あ、あのっ!」

エイラ「ん? なんだ」

芳佳「ありがとうございましたっ」ペコッ

エイラ「何がダ?」

芳佳「さっき中佐に聞きました。私達を思って出撃させるのを反対していたって」

エイラ「話したノカ……まぁな、また補充員に自己紹介するのがめんどくさかっただけだ。助けた覚えはないゾ」

芳佳「ふふっ、じゃあそういうことにしておきますね」

エイラ「……なんなんだよ、もぉ……」ポリポリ







芳佳「あの、私……エイラさんのことが好きです……」

エイラ「急に何言ってんだ、お前……」

芳佳「だめ、ですか……?」

エイラ「どうして、好きなんダ?」

芳佳「助けてくれて、ここまでしてくれる人に好意を抱かないほうが不思議です」

エイラ「ふぅん、そうか」

芳佳「あまり、驚かないんですね」

エイラ「まぁな。ワタシはこれでもスオムスのエースなんだ。向こうじゃかなり人気だったんダゾー?」

芳佳「だから私みたいな小娘の告白にも動じない、と?」

エイラ「そう、その通りダ」






芳佳「私はミーハーじゃないんです。貴方と出会って、大切なことに気づけて、ここにいられて、それで……好きになった。おかしいですか?」

エイラ「たぶんな、ここに着任したばかりで、エースばかり集まる場所ダロ? そういった憧れと好きって気持ちがごっちゃになってるだけダ」

芳佳「違います!」

エイラ「ふぅん……でもな、私にはもう好きな人がいるんダゾ?」

芳佳「構いません、それでも。……振り向かせてみせます!」

エイラ「気迫だけはいっちょまえなんだな、やっぱり」

芳佳「気持ちも、負けません!」

エイラ「あー、分かった分かった。で、私とどうなりたいんだ、宮藤は」

芳佳「え、えと……恋人関係に……/////」

エイラ(なんだ、コイツ……急にしおらしくなって……結構可愛いンダナ……)

エイラ「ダメダメ! ほら、もう戻るぞ。またツンツンメガネに小言を言われたいのか?」






芳佳「……今度、二人で休みの日にどこかへ行きませんか?」

エイラ「今度の休みはもうサーニャと予定があるンダ」

芳佳「じゃあその次は?」

エイラ「その次もだ」

芳佳「その次の次は?」

エイラ「その次の次もだ」

芳佳「その次の次の次の休みは?」

エイラ「……はぁ……分かった……分かったヨ、負けたよ……」

芳佳「やったぁ!」

エイラ(……仕方ないな、デートプランくらいは考えてやるか)

エイラ(なんだなんだ、コイツ……スオムス時代の私のファンでもコイツくらい可愛いヤツはいなかったぞ……全く、困ったナァ……)






芳佳「ところで、エイラさん」

エイラ「なんだ、まだ何かあるのか」

芳佳「私、エイラさんって少しイジワルな人だと思ってました」

エイラ「ん……?」

芳佳「でも、とっても優しいんですね」ニコッ

エイラ「……っ」ドキッ

芳佳「だから、もっと好きになっちゃいました」

エイラ「あ、あのなぁ……/////」カァァ

芳佳「あれ、顔赤くなってません?」

エイラ「なってねーよ! ほら、戻るぞ。そうだ、サーニャを起こして夜間哨戒の準備をしなきゃ」

芳佳「やっぱり……当面のライバルはサーニャさんですね……」ボソボソ

エイラ「ん? 何か言ったか?」

芳佳「いいえ、何も言ってませんよー」






エイラ「ほら、もう寝ろ寝ろ、明日も訓練があるんだろ? 早く寝ないと起きれないゾ」

芳佳「そうですね。今日は素直に寝ることにします。……これからもよろしくお願いしますね、エイラさんっ♪」クルッ

エイラ「あぁ……、よろしくナ。宮藤、」

芳佳「ちゅっ」

エイラ「……? ……ぉおおおおぉおっぃいい! なにしてンダ!」

芳佳「イヤでしたか? ほっぺにキス」

エイラ「イヤとかそういうんじゃ……あーまったくもうっ!」

芳佳「ふふっ、おやすみなさいエイラさん」ニコッ タッタッタッ

エイラ「……////」ドキッ

エイラ(ったく、ワタシはスオムスのエースダゾ? なのにあんな小娘に……ナンナンダヨ、ナンナンダヨ、もぉー!!)






テテテテンッ デデデンッ






オワリナンダナ
読んでくれた方、ありがとうございました。
それとリクエストして頂いた方ありがとうございました。

次回作戦予定時刻は31日の夜です。

某まとめサイト様、並びに各所でコメントくださる方、いつもありがとうございます。
それでは、また。

ストパンO.V.A並ビニT.V.Aアルマデ戦線ヲ維持シツツ別命アルマデ書キ続ケルンダナ



ボリューム不足……

>>16さん

読み直したら確かに……。
ご指摘ありがとうございました。



このSSは既にHTML化の依頼をしているので、また書き直してあげなおします。
なので、まとめサイト様、このSSはまとめないで頂けるとありがたいです。

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