P「こら貴音!どうしてすぐ俺をアブダクトしようとするんだ!」(81)

貴音「あなた様、あなた様、入れてください」カリカリ

P「入れたら拉致るだろお前」

貴音「そのようなことはありません。あなた様の合意のもと、共について来て頂きたいのです」

P「じゃあ合意しない。この話終わりな」

貴音「あなた様、外に船を待たせています。早く参りましょう」

P「貴音ってたまに俺の話聞いてくれないよね」

P「大体俺を拉致ってどうしたいっていうんだ」

貴音「誰も居ない惑星を見つけたのです。そこで2人きりで支えあって生きていこうかと」

P「ごめん意味がよくわからない」

貴音「ふふふ、あなた様はいけずですね。女性にここまで言わせるものではありません」ガチャガチャ

P「壊れるからドアガチャガチャしないで」

P「いいか貴音、俺たちは2人ではない」

貴音「今は仕方ありません。しかし、これからは2人きり…」

P「みんなに支えられ、時に助け、俺たちは生かされているんだ」

貴音「最初は寂しいかも知れません、ですがすぐに慌ただしくなることでしょう」

P「貴音、人という字はどうやって出来ているか知っているか?」

貴音「3人目が増えるでしょうから…ふふふ、照れてしまいます」

P「俺の話聞いて」

P「貴音、お前は勘違いしてるよ」

貴音「はて、何か問題が?」

P「俺は貴音に釣り合うようなやつじゃない」

貴音「そんなことはありません、さあ行きましょうあなた様あなた様」カリカリ

P「やめてドアひっかかないで怖いから」

貴音「共に新しい世界へ」

貴音「あなた様」

P「なんだい貴音?」

貴音「あなた様はやや子が生まれたら大層可愛がることでしょう」

P「もちろんだとも」

貴音「ふふふ、かあさまは少し妬いてしまいそうです」

P「貴音、妄想の中の息子と戯れるのやめよう」

貴音「早くかあさまと呼ばれたいものです」

P「貴音くらい綺麗だったらすぐ相手ができるさ」

貴音「あなた様と私のやや子に」

P「あー、一気にハードル上がった」

貴音「待ちきれなくなって参りました。早く参りましょう」

P「お断りします」

P「貴音、少し考えてみてほしい」

貴音「2人の幸福な家庭をでしょうか?」

P「いやそれは妄想だからちょっと置いといて」
貴音「はい」

P「もしだよ?俺が貴音と誰もいない星に行ったとするじゃん?」

貴音「ええ、とても素敵ですね」

P「そこで子供できたとするよ?」

貴音「2人の愛の結晶…ですね」

P「その子は一生同じ歳の友達も出来ないんだぞ?」

貴音「まあ、なんということでしょう」

P「その上俺たちが居なくなったらだぁれも居ない星にひとりぼっちだ」

貴音「何と…悲しいことでしょう…」

P「だろう?俺たちのわがままで生まれてきたその子が可哀想だ」

貴音「わかりましたあなた様」

貴音「私、何か考え違いをしておりました」

P「そうだろうそうだろう」

貴音「目先の幸福に捕らわれ、私たちの子を蔑ろにするなど母親失格」

P「できてもいないのにもう母親のつもりなのか」

貴音「あなた様」

P「ああ、貴音…わかってくれたか」

貴音「あの星が私たちの子で埋まるほどやや子を作りましょう!」

P「」

貴音「そして兄弟姉妹、私たちが居なくなった後も支えあっていけるよう、皆平等に愛してあげましょう」

P「なんにもわかってなかった」

貴音「私はかあさまとして頑張らなければいけませんね」

P「ああ、是非頑張って外のUFOを持ち帰ってくれ」

貴音「こうしては居られません、時間は有限ですあなた様」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

P「やめてやめて怖い怖い」

P「いいか貴音」

貴音「やや子作りの準備のことでしょうか…?」

P「いやそんな熱っぽい目で見るな、違う」

貴音「はて、ではなんでしょう?」

P「その星はどんな星か詳しくわかっているのか?危険かも知れないだろう」

貴音「私を信じてくださいあなた様。あなた様を危険な場所に連れて行くはずがありません」

P「もうどうすれば諦めてくれんの」

貴音「あなた様はここに未練がお有りの様子、宜しければ理由を聞かせて頂きたいのですが」

P「実は俺好きな人が」

貴音「……」

P「ごめんなさいウソです。だからハイライトさん戻ってきてください」

貴音「あなた様、あまり悪ふざけされると困ってしまいます」

P「なら帰ろう、そうしよう」

P「事務所のみんなともお別れしなきゃいけないんだぞ貴音」

貴音「とても寂しいですね…」

P「だろう?だから考え直そう、ユニットのみんなも悲しむぞ」

貴音「2人には伝えてあります」

P「oh…」

貴音「2人とも悲しんでおりましたが、最後にはお土産宜しくと言ってくれました」

P「絶対信じてねえよそれ」

貴音「よく考えましたがあなた様」

P「うん?」

貴音「この住処は二度と帰らぬこの星のもの」

P「なんで行く前提になってるんですかね」

貴音「であればこの扉も今日限り二度と使わないもの…」

P「雲行きが怪しくなってきたなぁ」

貴音「この扉がなくなっても困りませんね」

P「やめてどうやってんのか知りたくもないけどドアの蝶番焼き切るのやめて」

貴音「あなた様あなた様」

P「ああ、入って来ちゃったよ宇宙の使者が」

貴音「さあ参りましょう」

P「いやです」

貴音「わがままはいけませんよ?」

P「俺がわがまま言ってることになってるんですが」

P「おやここはどこだろう」

貴音「起きましたかあなた様?」

P「もしかして船の中?」

貴音「はい、もちろんそうですが?」

P「ああさらば地球」

貴音「星に着くまでまだかかりますので少し腰を落ち着けましょう」

P「なあ貴音」

貴音「はいあなた様」

P「帰りたい」

貴音「今からですか?」

P「ああ、みんなと別れたくないよ。俺は貴音みたいに割り切れない」

貴音「それは無理ですあなた様」

P「無理を承知で言ってるんだ。俺を地球に帰してくれ」

貴音「わかりました、あなた様が願うなら…地球に帰りましょう」

P「貴音はやればできる子だなぁ」

貴音「着いたら起こしますのでそちらの布団でお休みください」

P「ああ、じゃあすまんが寝るよ」

貴音「お休みなさいあなた様」

P「お休み」

貴音「あなた様あなた様」

P「おや着いたのか?」

貴音「はい、地球に戻って参りました」

P「良かった良かった」

P「やれやれとんだ宇宙旅行だったな。帰って寝直そう」

P「あ、でもせっかくの宇宙旅行なんだから外の景色よく見とくんだったな」

P「…」

貴音「あなた様の望み通り、地球ですよ」

P「なんで誰もいないんだ…」

貴音「もうここに人類は居ないからでしょう」

P「俺はどれだけ寝てた?」

貴音「地球の時間で行きで千年、帰りで千年ほど」

P「冗談だろ?ここエジプトとかの砂漠かなんかだろ?」

貴音「いえ、俗に言うこーるどすりーぷをして頂いていたので」

貴音「今居る位地は事務所の前になりますね」

貴音「あなた様?」

P「」

貴音「あなた様あなた様」

P「」

貴音「はて、どうしてしまったのでしょうか」

貴音「いずれにせよこの星には私たち2人きり…」

貴音「素敵な家庭を築いて参りましょうね?あなた様」

貴音「あなた様あなた様」

P「あれ?ここどこだ?」

貴音「随分うなされておりましたが大丈夫ですか?」

P「ああ、なんかすごい怖い夢だったわ」

春香「おはようございまーす…わわっ」

やよい「大丈夫ですかー!?」

真「春香はドジだなぁ」

春香「あ、あはは」

P「良かった、全部いつも通りだ…」

P「みんなおはよう!今日も頑張っていこう!!」

P「いよっし、張り切って今日も活動再開だ!」

貴音「ふふふ、あなた様…涎が垂れていますよ?」ふきふき

春香「なんだか今日は元気いいねー」

やよい「いいことあったのかなぁ」

真「きっとそうだよ、朝から熱々だったし」

雪歩「えへへやっぱりお似合いだね」

千早「ええ、本当に」

真美「うんうんホント」

「パパとママはラブラブだね」

おしまい

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