ほむら「あ、あ、あの…わっわたわた私と友達に…」(157)

ほむら「なってくれない!?」

さやか「え」

ほむら「…だ、だめかしら…」

さやか「いや…だめもなにもさ…」

ほむら「…私ね、友達がほしいの」

ほむら「転校したての頃は男子にも女子にもこの容姿のおかげでちやほやされてモテモテだったんだけど…」

さやか「自分で言うか」

ほむら「今ちゃんと話せるのは…まどかくらいしかいなくて…」グス

さやか「友達か…話しかけてくれた子とその時に友達になればよかったのに」

ほむら「あの時は…まどかのことで頭がいっぱいだったから…そんな余裕なくて…」

さやか「たしかにまどか以外に敵意剥き出しだったもんねぇ…あたしにも」

ほむら「あまりにも話しかけてくるから迷惑そうにジト目で睨んでやったらみんな近寄らなくなったわ」

さやか「友達できないの自業自得だよそれ…」

ほむら「わかってる…わかってるの…」グス

さやか「じゃああんたから話しかければ?悪いイメージは良いイメージで書き消しちゃえばいいよ」

ほむら「…でも私…昔から病気がちで、友達とか作ったことないの…」

ほむら「だから…なんて話しかければいいかわかんないの…」グス

ほむら「無理に話しかけて失敗して、さらに嫌われちゃったらと思うと私…」グシュ

さやか「うーん…嫌われてるわけじゃないと思うけど」

さやか「ほら、洋服の話とかは?女の子なら誰でも食いつく話題じゃん!」

ほむら「でも…私制服とジャージしか持ってない…」

さやか「…じゃ、じゃあスイーツの話とかは!?女子は甘いもの好きだよねー!」

ほむら「…甘いもの嫌いなの」

さやか「…そこは嘘でも好きっていいなよ…」

ほむら「嘘はついちゃいけないのよ?」

さやか「いや、そうだけどさ…」

さやか「じゃあ男子と友達になっちゃえば?転校生可愛いから簡単なんじゃない?」

ほむら「そうかしら…?美人ってなんか近寄りがたくない?」

さやか「まーそういう場合もあるよね。考えすぎな気もするけど」

ほむら「あなたくらいの顔面だったらみんなもどんどん話しかけてくれたりするのかしら…」

さやか「………………」

ほむら「…あ、あれ…?」

ほむら「あの…ご、ごめんなさい…なんか怒ってる?」

さやか「怒ってない」ツーン

ほむら「そう…?でも、ごめんなさい…」

さやか「…はぁ。で、男子と友達になるってのはどうなの?」

ほむら「…男子って下品じゃない…」

さやか「まぁクラスメイトの男子って妙に下品に見えるけど…」

ほむら「そうよね?気軽に世間話とかできそうにないわ」

さやか「そもそもあんたは世間話できるほど世間を知ってるの?」

ほむら「…そういえばあんまりお外に出ないわ」

さやか「花の女子学生が引きこもってちゃダメでしょ…」

ほむら「だってお外怖いんだもの…」

ほむら「おうちから出るのは魔女狩りにいくときと学校にいくときくらいかしらね」

さやか「…あのさぁ、そんな生活で友達作ってなにをしたいのさ」

ほむら「と、友達ができたら…一緒にお買い物とか…いってみたいなって…」

さやか「まずは最初に友達作りから始めたいってわけね」

ほむら「だめかしら…?」ソワソワ

さやか「だめなんていわないけどさ…いいんじゃないの?」

ほむら「ほっ」

さやか「まとめると、男子よりも女子と友達になりたい。でも共通の話題がない」

ほむら「そうなの」

さやか「でもあんたの今の生活だと話題も作れない…」

ほむら「うん」

さやか「あれ?これ詰んでね?」

ほむら「?」

さやか「うーむ…これは何から初めていいのやら…」

さやか「このままじゃずっと話しかけられず終いかもねぇ…」

ほむら「そうかしら…」

さやか「もうなんでもいいから話題つくって積極的に話しかけるしかないよ!」

ほむら「……あ、あの…」

さやか「うん?」

ほむら「だから…あなたに友達になってほしいのよ…」

さやか「……」

ほむら「同じ魔法少女だから…共通の話題はあるし…」

ほむら「同じクラスだし…女の子だし…」

さやか「……」

ほむら「だ、だめ…?私なんかとは友達になりたくない…?」

さやか「…いや、だからね…?」

さやか(あたしはもうとーっくにあんたと友達だと思ってたんだけどな…)ポリポリ

さやか(今さら友達になってと頼まれるとはなー…)

ほむら「あの…美樹さやか…?」

さやか(これは転校生はまだあたしのこと友達だって思ってくれてなかったってことだよね…)

ほむら「私の話…聞いてくれてるかしら…?」

さやか(…なんかくやしいよなぁ)

ほむら「うぅ…」グス

さやか(くやしいからちょっといじわるしてみよっかな)

さやか「…じゃあ友達になってもいいけどさ」

ほむら「ほ、本当!?」パァ

さやか「代わりに今度あたしと一緒に遊びにいくこと!そしたら友達になってあげるから!ね?」

ほむら「え…私、そんなに暇じゃないんだけど…」

さやか「いやそこは断るなよ!?」

ほむら「ひっ?ご、ごめんなさい!」ビクッ

さやか「じゃあ今携帯持ってきてる?アドレス交換しようよ」

ほむら「携帯…?が、学校に持ってきちゃ校則違反なのよ…?」アタフタ

さやか「あ…一応そうだったか。いやーみんな隠れて持ってきてるし、先生も見て見ぬふりしてるからこれが当たり前になっちゃってたよ」

ほむら「校則は守らなきゃだめよ?」

さやか「すんまへん…じゃあアドレスメモして渡すよ」メモメモ

ほむら(…よくメールアドレスなんて覚えてるなぁ…)

さやか「ほれ。家に帰ったら登録しといてね」

ほむら「う、うん…!」

ほむら「嬉しい…お父さんとお母さん以外で初めてのメールアドレス…」

さやか「え?そうなんだ」

ほむら「うん。いっぱいメールするわね!」

さやか「いっぱいは困るかな…あはは」

さやか「ん?そういえばまどかのアドレスは知らないの?」

ほむら「!」

ほむら「なんてことなの…まどかから聞いてなかったわ…!」ワナワナ

さやか「聞けば喜んで教えてくれると思うけど」

ほむら「そうね。じゃあ…ま、まどか…アドレス教えてくれないかしら…?」モジモジ

まどか「うん。いいよ。はいっ」

ほむら「わぁ…!」パァ

ほむら「…ふふ…今日は2つもアドレス教えてもらっちゃった」ニコリ

さやか「まどか、今まで交換してなかったんだね?」

まどか「学校以外でお話するときはQB使ってたの」

さやか「QBも大変だったね」

QB「まあね」

ほむら「♪」

さやか「んじゃああたしと転校生の友達祝いってことで今日はぱーっとどこかに寄り道して帰ろっか!」

ほむら「あの、美樹さやか?寄り道しないでまっすぐ帰らなきゃだめって校則があるじゃない」

さやか「……え、まぁ、うん」

ほむら「それに今日はまどかと一緒に帰る約束してるの…私もあなたと一緒に帰ってみたいけど約束は守らなきゃ…」

ほむら「…ごめんなさい」ペコ

さやか「あぁ…うん…」

さやか(3人で帰ればいいじゃん…)

まどか(3人で帰ればいいと思うよ)

QB「融通きかないね」

ほむら「…?」

帰り道

ほむら「あのね?きいてまどかまどか」

まどか「はいはい、なにかなほむらちゃん」

ほむら「今日ね、私ね、勇気を出して美樹さやかに友達になってってお願いしたのよ」

まどか「最初から見てたよ。頑張ったね」

ほむら「そ、そう?そうかな…?ふふん」ホムフー

まどか「いっぱいお話しできたね。一歩前進だよほむらちゃん」

ほむら「うん…!」ニコリ

帰り道

さやか「……」

仁美「上条くんたらひどいんですのよ?私が一緒に帰りましょうってお誘いいたしましたのに」

上条『悪いねヒット。今日はこの娘たちと帰るよ。僕は君だけに縛られていい男じゃない…僕はみんなの物さ。はっはは!』

仁美「ですって!女の子はべらかせて!ていうかヒットってなんですの!?私のあだ名なんですの!?もうあの人どう思いますかさやかさん!!」プンプン

さやか「ひどい目に会えばいいのにね…」

仁美「まったくですわ!この前なんかも…」

ほむら宅

ほむら「…………」

ほむら「…………」ピッポッパッ

ほむら「…………」

ほむら「……???」

ほむら「…アドレスの登録の仕方がわからない…」ショボン

ほむら「携帯電話の取り扱い説明書は全部読んだはずなのに…」

ほむら「…もっかい読もう…」グス

さやか宅

さやか「……づがれだぁ…仁美のやつ、家に帰ってからも電話で愚痴りやがって…」ダルン

ヴヴヴヴヴヴン

さやか「ん?メール…」パカッ

さやか「……」

ほむら『める、おくれてる?』

さやか「………ぷっ…くふふふ…あは、あはは!」

さやか「なんだよー可愛いなおいー」ゴロゴロ

ほむら「ふう…なんとか送信できたわ…」

ほむら「…返事、くれるかしら…?」ドキドキ

チャンチャンチャララチャンチャララー

ほむら「っ!?……び、びっくりした…私の携帯の着信音、こんな音だったのね…」

ほむら「!メールきてる!こんなにはやいの…!?」パカッ

さやか『よくできまちたっ!これからもよろしくね!(^^ゞ』

ほむら「……!」パァ

ほむら「ま、まどかにもメール送ろうっと!」

ほむら「ま、み、む、め…ら、り、る…あ、い、う、え、お…」ピッポッパッ

チャララー

ほむら「っ!」パタパタ

ほむら「……」パカ

まどか『メールちゃんと届いたよほむらちゃん。間違えないでできたみたいだね。えらいっ(=⌒ー⌒=)』

ほむら「……!」ニコリ

ほむら「楽しい…メール楽しい…!」

ほむら「また送ろうっと。今度は美樹さやかに…!」

ほむら「できた…!そう…しん!」ピッポッパッ

ほむら「次はまどかっ!」ピッポッパッ



さやか宅深夜

ヴヴヴヴヴヴン

さやか「…………」

さやか「かんべんしてくれっと…」ピッ

コンコン

さやか「…ん…むにゃ…」

コンコン

さやか「むにゃ~…んぅ?」

コンコン

さやか「…な、なに…?窓を誰かが叩いてる…?」

コンコン

さやか「……だ、誰…?」バサッ

ほむら「…………」ジィー

さやか「ひぃぃぃぃぃ!?」ドタンバ!

さやか「び、びっくりさせないでよもー!」

ほむら「ご、ごめんなさい…あなたから返事がこなくなったから…何かあったのかなって…」

さやか「あぁ…返事してる途中で寝ちゃったんだよ…ごめんごめん」

ほむら「そうだったの。でも寝るのなら寝るってメールするのがエチケットだと思うわよ?」

さやか(深夜2時までメールを送ってくるのはエチケット的にどうなんすか…)

さやか「てかまだ若干暗いんだけど…今何時?」

ほむら「午前4時28分よ」

さやか「うわ…」

さやか「転校生さん。あたしはこの通りぴんぴんしてるから心配要らないよ。だからもうおうちにおかえり?」

ほむら「……」モジモジ

さやか「どうしたの?」

ほむら「…せ、せっかくだから…一緒に登校したいなって…」モジモジ

さやか「こんな朝早くにどこに登校すんじゃい!」

ほむら「ひっ!」ビクッ

さやか「学校までまだまだ時間あるんだから…ひとまず家に帰りなよ…ふあ…」

ほむら「で、でも…もう学校にいく準備してきちゃったし…」

ほむら「ほら、かばん」ヒョイ

さやか「…うがー…」

さやか「んじゃ…あたしの部屋にいていいから学校にいく時間まで待っててよ」

さやか「それから一緒に学校いこ?」

ほむら「いいの…?」

さやか「いいよ。しょうがないしね」

ほむら「わぁ…!」パァ

さやか「んじゃあたしはもう一眠り…ふあ…」ゴソゴソ

ほむら「……」ワクワク

さやか「…………」

ほむら「……」ソワソワ

さやか(気になって寝れねぇ)

さやか「ねぇ転校生さんや…」

ほむら「はい」

さやか「君も眠いんじゃないの?今まで起きてたんでしょ?」

ほむら「そ、それがね。全然眠くないの…なんだか私、今すごく楽しいから…」

さやか「…あは、そっか」

さやか「でも休んでおいた方がいいよ。今布団敷くからさ」

ほむら「う、うん…………あ」

さやか「なに?」

ほむら「このまま寝たら…制服にしわがついちゃうわ…」

さやか「じゃあ脱げばいいじゃん?」

ほむら「え…で、でも…」クネッ

さやか「大丈夫大丈夫。パジャマ貸してあげるから」

ほむら「そ、そう…」

さやか「あ、ごめん。パジャマは今あたしが着てるじゃん。あははは」

ほむら「えぇ…!?」クネッ

さやか「ごめんね転校生、下着で布団に潜り込んじゃって」

ほむら「わ、わかったわ」

さやか「よし、布団敷けたよ。では再びおやすみなさい…」モゾモゾ

ほむら「おやすみなさい…」モゾモゾ

ほむら「…ひゃ、つめたっ」ビクッ

さやか「…………」

ほむら「…………」

さやか「…………」

ほむら「……くちゅんっ…」

さやか「……」

ほむら「…うぅ……」ブルブル

さやか「…んー……」ポリポリ

さやか「なぁ転校生…あたしのベッドに…くる?」

ほむら「え…いいの?」

さやか「寒いでしょ…おいでよ」

ほむら「…うん」ニコリ

さやか「ちゃんと布団かけなよ?風邪ひいたりなんかしないでよね?」

ほむら「わかってるわ」

さやか「枕、半分こね」

ほむら「…くん。このシャンプーの匂い…好きな匂い…」

さやか「か、かぐなよっ…はずっちぃ…」

ほむら「ふふ、温かい…あなたが温めてくれてたおかげね」

さやか「そりゃ…よかったね」ポリポリ

ほむら「おやすみなさい、美樹さやか」

さやか「…うん。おやすみ」

さやか「んにゃー…」サヤサヤ

ほむら(…お友達の家に遊びにくるなんて初めてね…)

ほむら(ちょっと違うけど…夢にまで見たお泊まりもしちゃってるし…)

ほむら(勇気を出して頼んでみてよかったわ)

ほむら(私、成長してるわよね…?この調子でいっぱい友達を作っちゃいましょ)

さやか「んぐー…」サヤサヤ

ほむら「…お腹が出てるわよ、美樹さやか」

ほむら「私の方に毛布が寄りすぎじゃない。あなたが風邪ひいちゃうわよ?」パサッ

さやか「…んー…」サヤサヤ

チュンチュン

さやか「……ん、ふわぁ…」

ほむら「起きたかしら?」

さやか「ぅやぁっ!?な、なんであんたがあたしの部屋に……あ、そうか…」

ほむら「…ちょっと今の言い方、傷ついたわ」ホムッスリ

さやか「い、いやごめんごめん!思い出したってば!一緒に登校しにきたんだよね!」

ほむら「…あの…やっぱりあなたからしてみれば…迷惑だったかしら…?」

さやか「ちょ…そんなことないってば…よしよしイイコだねイイコだねー」ワシャワシャ

ほむら「く、くしゅぐったい!あふ、あふはふっ!」クネクネ

さやか「ん、準備できたよ」

ほむら「じゃあ…」

さやか「学校いこっか」

ほむら「うんっ」

さやか「あー、あんたは窓から出なさいね?バレると面倒だ」

ほむら「え…で、でもあなたのお父様とお母様に私のこと紹介しないと…」

さやか「いや結婚するんじゃないんだからさ…また他の日に遊びにきてよ。その時にでも挨拶すればいいから」

ほむら「…ん」コクン

さやか「あたしは普通に玄関から出るから、家の前で鉢合おう」

ほむら「ん」コクコク

さやか「いってきまーす」ガチャンコ

ほむら「みき、さや、かっ!」シュバダッ

さやか「おいーっす転校生。さっきぶりですなー」

ほむら「おそ、いっ!」プンスカ

さやか「ごめんごめん。女の子の毎朝のおめかしは欠かせないものなのだよ」

さやか「どや!今日もさやかちゃんは可愛いでしょっ?」

ほむら「いや、いつもの代わり映えのない美樹さやかよ?」フリフリ

さやか「あんたは空気を読むことを覚えなさいよ」

さやか「いやー今日もいい天気だー」

ほむら(お友達と一緒に登校…またひとつ夢が叶ってしまったわ…)ブツブツ

さやか「ん?なにぶつぶついってんの転校生」

ほむら(こんなにポンポン夢が叶っていいのかしら?インキュベーターいらずね…)ブツブツ

さやか「……?」

上条「やぁさやか。グッドなモーニングだね」

さやか「げ、恭介」

ほむら「……!」ビクッ

上条「…ん?んー?これはクラス一番の高嶺の花、暁美ほむらさんじゃないかい」

上条「さやかの隣にいるとその美しさが更に際立つね。はっははは!」

さやか「どういう意味だ!」バキッ!

上条「おぅふ!また今日もいいもんを貰っちまったよ!」

上条「しかしさやか。いつもは僕と二人っきりで学校へいくというのに、これはどういうことかな?」

さやか「あんたが勝手に付いてくるんでしょうが」

上条「おいおいそれは照れ隠しかい?僕のハートにズッキュンくるからやめてくれよ」

さやか「大体あんた、仁美と付き合ってんでしょ?あたしと一緒のとこ仁美に見られちゃうよ?」

上条「僕の器が一人の女の子に収まりきれると思うかい?僕はすべての女性を相手に出来るくらい大きいんだぜ」

さやか「……」

上条「今卑猥なこと考えた?」ズイッ

さやか「別に」プイン

ほむら「……」ポカム

さやか「あ、ごめん転校生。こいつのことは無視していいから」

ほむら「うん…」

上条「それにしても…僕たちのクラスを代表する寡黙な神秘の美少女、暁美ほむらがまさかさやかなんかとお尻とお尻でお知り合いとはね」

上条「僕、女の子同士の友情って大好きなんだ。見てて興奮するよ」

上条「ま、女の子のほうから見つめられても興奮しちゃうんだけどね。これは失敬!はっはははは!」

さやか「無視無視」

ほむら「……」コクコク

仁美「ちょっと!上条くん!」

上条「おっとっと!とっつぁーん!」

仁美「今日という今日は逃がしませんわー!」

上条「ではでか尻さやかにちっぱいアケミン、また後で!」キラーン

上条「ちなみに上条的にはどちらも平等にウェルカムさ!はっはは!」ダッ

仁美「まってくださいましー!」ダッ

さやか「…………」

ほむら「…………」

さやか「なかったことにして」

ほむら「えぇ…」

ほむら(でも、あんなのでも友達は友達だし…羨ましいわ…)

ほむら(私も美樹さやかみたいになりたいな…)

杏子「…んむ?」

杏子「おーい、さやかにほむらー」

さやか「え?杏子じゃない」

ほむら「おはよう杏子」

杏子「ああ。あんた達二人か。珍しいな」

さやか「あんたこそこんな朝早くになにやってんのさ」

杏子「商店街のおばちゃんからリンゴ貰ってきたその帰り」シャクシャク

さやか「まーたあんたはお金も払わずー」

杏子「いいだろーがもらいもんなんだから。盗んでねーぞ?」

さやか「ったく…ちゃんとありがとうは言えた?」

杏子「お前はあたしのお母さんかよ!それくらい言えるわっ」

ほむら「すごい…杏子…」キラキラ

杏子「あん?なにキラキラしてんだほむら」

ほむら「商店街のおばちゃんとも友達だなんて…!」キラキラ

杏子「え?べ、別に友達ってわけじゃあ…」

ほむら「…違うの?」シュン

杏子「あ、あー…まぁ友達っていや友達か…?」

ほむら「友達っ」キラキラ

さやか「そのおばちゃんとはどうやって知り合ったの?」

杏子「えっと…おばちゃんが箱にたくさん入ったリンゴを抱えて歩いてて…転びそうになったのを助けたのがきっかけだったかな」

杏子「それから通りかかるたびにリンゴくれるんだ。いいおばちゃんだろっ」

さやか「また見事に餌付けされとる…」

ほむら「すごい…人助けすれば友達が出来るのね…!」キラキラ

杏子「そういうことになるな」

ほむら「ね、ね!美樹さやか!私、困ってる人助けて友達作る!」

さやか「まーそれで話すきっかけを作れるんなら話題とか用意する必要もないし…いいんじゃん?」

ほむら「……!」パァ

ほむら「あ、杏子!なにか困ってることはないっ?」

杏子「なんだよいきなり」

ほむら「いいからっ」

杏子「んー…強いて言えばしょっぱいもんが欲しいな。リンゴばっか食ってるから」

さやか「くだらね…」

杏子「じゃあお前は甘納豆食ったあとにおかき食べたくならねぇってのか!?」

さやか「ならないよ…あんたの基準でものを言うんじゃないよ。てか渋いな」

杏子「よ、羊羮と濡れせんべえならどうだ?」

さやか「お前のチョイスがようわからん」

ほむら「ちょっとおかき買ってくるわっ」

さやか「いや行くな!?パシられてるだけだから!」

ほむら「で、でも美樹さやか…おかき買ってくれば杏子は喜んでくれる…」

ほむら「つまり私の友達になってくれる…」ウルウル

さやか「いいかい転校生ちゃん。友達に上下関係があってはならんの。杏子の命令聞くのが友達じゃないのよ」

ほむら「……?」

さやか「頷いときなさい」

ほむら「……」コクコク

杏子「そうだぞほむら…あんたは少し勘違いしてる」

ほむら「?」コクコク

杏子「どうせ買ってきてくれるならおかきよりもみたらし団子を買ってきてくれ!」ピーン!

さやか「もうお前あっちいけ。しっしっ」

杏子「醤油味な!」ピーン!

さやか「杏子。あんたには飴ちゃんあげるからちょっと黙ってなさい」

杏子「なんだとぉ…?ちなみになに味だよ?」

さやか「栗饅頭味」

杏子「よこせ」

さやか「さて…いい転校生?親切ってのは誰かに何かを買ってあげるとかそういうのじゃないの」

ほむら「……でも私…よくわからないわ…」

さやか「友達への親切ってのはね…んーと…辛いときや苦しんでるときに、手をさしのべてあげるような…そんな感じの、かなぁ?」

ほむら「辛いときや苦しんでるとき…」

ほむら(……あ…それまどかだ…!)

杏子「♪」コロコロ

ほむら「私…なんとなくわかったわ」

さやか「え?な、ならよかった!」

杏子「あんな説明でよく理解できたなほむら」コロコロ

さやか「うるさいっあんたは飴ちゃんコロコロしてなさいっ」

杏子「♪」コロコロ

ほむら(まどかは私の支えだった。まどかがいたから頑張れたの)

さやか「とにかくあたしがちゃーんとサポートするからね転校生ー」

ほむら(そして今は美樹さやかが手をさしのべてくれるんだ…)

ほむら「……私って幸せだな…」

杏子「おいしくて幸せだな」ガジガジ

さやか「こら!噛んじゃ駄目でしょ!」

杏子「あーん飴ちゃんなくなったー…」

さやか「当たり前でしょ?ガリガリ噛んじゃうんだから」

杏子「さーやーかー次の飴ちゃんー」

さやか「そんなんない。甘えるんじゃない」

杏子「なんだよ!ほむらに優しいくせにあたしには厳しいぞ!」

さやか「転校生はほら。手のかからない子だから」

ほむら「」ホムフー

杏子「ずるい!ずるいぞほむらー!」

さやか「あーもーわかったから暴れるんじゃないよ。今度おいしいもの奢ったげるから」

杏子「やった!いつ?明日にしよう!」

ほむら「むっ…」

ほむら「明日は駄目なのよ杏子。私たち二人でお出かけの約束だから」

杏子「そうなのか?ちょうどいいじゃん。あたしもいく」

ほむら「あ、杏子は約束してないじゃない…私は昨日メールでちゃんと美樹さやかと遊ぶ約束したんだから。約束はちゃんと守らなきゃ駄目なのよ?」

さやか(眠かったなぁ)

杏子「約束はしてないけどさ…別にあたしが着いてったっていいじゃんか」

さやか「あたしは別に構わないけど…」

ほむら「えぇ…?…なんか予定してたのと変わっちゃった…不安だわ…」

杏子「お前は遊ぶことに構えすぎじゃねーのか?」

さやか「ま、まぁ多い方がきっと楽しいから。ね!」

ほむら「うーん…予定が…くるった…」クルクル

QB「融通がきかないね」

さやか「どうせならまどかも誘うか」

杏子「ひとりぼっちにすんのはさみしいもんな」

ほむら「え…?まどかも約束してないのだけど…」

さやか「でもまどかと一緒に遊びたいでしょ?」

ほむら「そ、そうだけど…まどかの予定も確認してないし…勝手に決めちゃうのはまずいわ…」オロオロ

さやか「まどかがあたし達の誘い断るわけないじゃん。こういうのはパパーっと決めちゃっていーの。駄目なら駄目でいいんだから」

ほむら「……すごい」キラキラ

ほむら(なんという行動力と決断力…私なんて誰といくか何人でいくか何をするかを脳内シミュレーションしなきゃ遊ぶ約束できないのに)

さやか「てことでまどか、いいよね」

まどか「てぃひひ。もちろん」

杏子「んじゃな。あんた達は学校だろ?」

さやか「また明日ね」

杏子「なにをおごってもらおうか…また飴ちゃんにしようかな…うまい棒も捨てがたい…」ブツブツ

まどか「いっちゃった」

ほむら「明日…ついに明日…私はなにをすればいいのかしら」

まどか「そう気張ることないよほむらちゃん。みんなで楽しいことをすればいいんだよ」

ほむら「楽しいこと…私はなにが楽しいのかしら」

まどか「深く考える必要ないよ。みんなといればなにをしてても楽しいものだよ」

ほむら(……みんなと遊んだことないからシミュレーションできないことに気付いたわ)

ホームルーム

ほむら「」ソワソワ

昼休み

ほむら「」ハラハラ

さやか「まどか、卵焼きちょーらい」

まどか「じゃあさやかちゃんのエビフライもらうね」

さやか「ちょ、まどか!それメインのおかず!」

放課後

ほむら「」クネクネ

さやか「いつまで緊張してるのさ」

ほむら「仕方ないじゃない…初めてなんだから」グシュ

ほむら「私…なにもわからないから…明日は優しくしてね…?」グシュグシュ

まどか「よおしよおし。泣かないでほむらちゃん」ナデナデ

上条「百合の香りに誘われてやってくるのは君たちの上条さ!ワオ!」ガラッ

さやか「げ…なにしにきた恭介」

上条「おや?ななななーんとさやかとアケミンとかなちゃんがイチャコラしてるじゃないかい!上条きてよかった!」

さやか「かなちゃんて誰だ」

まどか「私のことみたい」

上条「おいおい君たち。上条のことが気になるのはわかる。気にしてないふりしてるけど内心上条のこと大好きなのはわかるけど」

上条「でも僕は女子の愛にも似た友情を見物しにきたんだ!さぁもっとなでなでし合ってくれないかっ!」

上条(必死)

さやか「ウザい…かつてないウザさだよ恭介…」

まどか「上条くん、そんなことばかり言ってるとまた仁美ちゃんに怒られちゃうよ?」

上条「ふっ…聡明なるヒットならわかってくれるさ。この上条はすべての女性を愛するべき男だといふことを…」

上条「しかし僕、女の子同士のイチャイチャも好きだから君たちは僕より女の子のほうが好きでも構わないよ。僕は2番目でもいいよ」

まどか「2番目もありえないよ上条くん。せいぜいスーパーに置いてあるラードと同じくらいの価値だよ」

上条「いやぁ君の小悪魔っぷりは最高だね!思わず膨れ上がっちゃったよ!はっはは!いやぁ困った困った!」

ほむら「あ、あの…困ってるのなら私が助けてあげましょうか…?」

上条「ワッツ?」

さやか「ちょ…なに言ってるの転校生」

ほむら「困ってる人を助けると友達になってくれるかなって…」

まどか「ほむらちゃん正気?これ友達にしてどうするの」

ほむら「でも…いないよりはよくない?」

まどさや「よくない」フリフリ

ほむら「ひぅ」シュン

上条「アケミン!僕は君のものさ!さぁさぁ好きにいじくりまわしちゃっていいよ!」バッ

さやか「ちょ…!なんでパンツ一丁になってんだあんたは!」

ほむら「きゃっ…!」

まどか「ほむらちゃんになんてものを見せてるの上条くん」

上条「さぁさぁ早く早く!好きなとこから煮るなり焼くなり好きにしておいしく食べて!」

さやか「仁美ー!仁美ー!」

仁美「」ガラッ

上条「おやヒット。僕に会いたくなったのかい?まったく君はいつまでたっても僕のこと大好き…」ヒトパンッ

上条「ぅっ…」ガクン

仁美「皆さん、お騒がせしましたわ。では」グイグイ

上条「アデュー…」ズルズル

さやか「…………」

ほむら「」ポカム

まどか「なんだかんだでいいカップルだと思うよあの二人」

さやか「そうだね…」

さやか「転校生も友達はちゃんと選ばないと。誰も彼も友達にしちゃいけないよ?」

まどか「世の中危ない人も多いんだからね。あれみたいな」

ほむら「わかったわ」コクコク

さやか「じゃあそろそろ帰ろっか」

まどか「そうだね」

ほむら「じゃあ帰るわ。またねまどか、美樹さやか」

さやか「え、一緒に帰ろうよ」

ほむら「え、でも一緒に帰る約束してないから…」

まどか「さやかちゃんさやかちゃん。ほむらちゃんは約束してないと先に帰っちゃうんだよ」

さやか「…気軽に一緒にも帰れないん?転校生」

ほむら「こ、心の準備がいるじゃない…」ドキドキ

さやか「一緒に帰ろうよ転校生」

ほむら「でも…なに話したらいいかとかまだ決まってないわ」

さやか「いやそういうのはあらかじめ決めるものじゃなくておしゃべりしてたら自然と出てくるものじゃない?」

ほむら「私は出てこないの…」グシュ

さやか「あ…ごめん」

まどか「よしよし」ナデナデ

さやか「…そ、それなら今日からずっと一緒に帰るって約束しよう!それなら問題なくない?」

ほむら「そんな簡単に約束はできないの…私も都合が悪いときはあるし」

さやか「都合が悪いときは無理しなくてもいいからさ。一言声かけてくれればいいし」

ほむら「それは約束を破ってしまうことになるわ」

さやか「え…えーと…」

ほむら「約束はちゃんと守らないといけないもの。だから一緒に帰る約束はできないの…ごめんなさい…」

さやか「…まどか。転校生って実はすごく堅物?」

まどか「てぃひひ。まぁまぁほむらちゃん。都合が良いときは一緒にお話しながら帰ろうよ」

ほむら「でも私…面白いこととか言えないわ…」

まどか「大丈夫大丈夫」

さやか「あたし達も特に面白いこと言えないしさ」

ほむら「あなたは面白いわよ。頭が」

さやか「どういう意味じゃ!?」

ほむら「ひ、ひっ!なにか悪いこと言ったのならごめんなさい!」オロオロ

翌日

ほむら「」ドキドキ

まどか「おまたせほむらちゃん」

ほむら「あ…!おはようまどかっ」

まどか「おはよう。早めに待ち合わせ時間の10分前に来たのにほむらちゃんは早いね」

ほむら「えぇ。1時間くらい前から…」

まどか「はやっ」

ほむら「みんなを待たせるのとか怖いから…嫌われちゃいそうで」

まどか「もー嫌うわけないのに」

さやか「おいーっす。みんなのさやかちゃんだよー」

ほむら「おはよう。美樹さやか」

まどか「時間ぴったりだねさやかちゃん」

さやか「ちょっと寝坊したけどなんとかね」

ほむら「駄目じゃない寝坊しちゃ。規則正しい生活をしましょうって校長先生も言ってたわ」

さやか「あーんたのメール攻撃のせいだよっ!」

ほむら「!」ハッ

杏子「おーす」

さやか「そんなあたしよりなんで遅いんだよっ!」

杏子「なんだよ。時間通りだろ?」

まどか「待ち合わせ時間10分オーバーだよ」

杏子「そのくらい許容範囲だ。問題ねー」

さやか「許容してやってんのはあたし達のほうだ」

杏子「こまけーなぁ」

ほむら「約束は守らないと駄目なのよ杏子。めっ、よ」

杏子「悪かったってばー」

まどか「みんな揃ったし、どこいこっか」

杏子「まずは食べ歩きだろ」

さやか「そればっかかあんたは」

ほむら「歩きながら食べちゃお行儀が悪いのよ」

杏子「えー…ノリ悪いなほむらは」

ほむら「え…私…ノリ悪い…?」

杏子「協調性って奴がねーな」

ほむら「……っ!」ズガンバ

さやか「こら」ピチッ

杏子「あん」

さやか「待ち合わせ遅れてきた奴が協調性がねーとか言えんでしょうが」

杏子「なんだよー」

ほむら「いいの…事実だから…」シュン

まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「服とか甘いものとか…みんなが好きなものがよくわからなくて…人に合わせられなくて…」

ほむら「だから勇気が出なくておしゃべりも苦手で…一緒に帰ることも戸惑ってしまう」

ほむら「みんな普通にできることなのに…私にはできないの…」

杏子「なんだ。くだらねーことで悩んでんだなほむらは」

杏子「あんたはあんただろ。他の奴がどうだからってあんたがそれにならなくていいじゃん」

ほむら「…………」

さやか「あたし達は今のままでも転校生のこと好きだよ」

まどか「心配しないでほむらちゃん」ナデナデ

ほむら「…えへへ…私もみんな大好き」ニコリ

杏子「ま、今日は思いっきり遊んでその口下手を少しでも治してやるか」

さやか「んじゃあさやかちゃんが転校生にあたしの類いまれなる話術を伝授やろう!」

ほむら「お、お願いします…!」

まどか「やめてよさやかちゃん。ほむらちゃんまで馬鹿になっちゃうよ」

さやか「どういう意味だってんだこらー!」

まどか「てぃひひ」

ほむら(みんなと遊ぶのは楽しい…難しいことは考えずに身を預けられる)

ほむら(私は今まで一人だった。まどか以外の人とは話そうとしなかったから)

ほむら(でもやっぱり友達がいて、遊んだり触れ合ったりすると心が安らぐの)

ほむら「友達っていいものね…」

さやか「…へへ…いつのまにか当たり前のように思ってたけどね」

まどか「私もさやかちゃんとはずっと友達だから、もう隣にいるのが普通になってるかも」

杏子「あたしは友達少ないけど、あんた達がいれば暇しないよなぁ」

ほむら「私ももう友達はいっぱいはいらないわ」

ほむら「ここにいるみんながずっと友達でいてくれれば」

さやか「そういえば転校生、どもらずにスムーズに話せるようになってない?」

ほむら「え?」

まどか「そういえばそうだね。私たちと普通におしゃべりできてるよ?」

ほむら「ほんとだ…」

杏子「その調子なら他にも友達できるんじゃないの?」

ほむら「…もう必要ないもの。ねぇみんな…」

ほむら「私と友達でいてくれる?」

さやか「なにいってんのさほむら…」

さやか「親友でしょ?」

ほむら「…………!」

ほむら「いやそこまではまだ早いっていうか…」

さやか「えぇっ!?断るのかよっ!?」ズガンバ

杏子「ぷっ…んふふ、断られてやんの…」

さやか「うっさい!苺大福味の飴ちゃんでもしゃぶってろ!」

杏子「ガポッ…!」

ほむら「ふふっ!冗談よ。冗談言えるなんて私も成長したでしょ?」

まどか「うんうん。ほむらちゃんすごいすごい」ナデナデ

ほむら「」ホムフー

さやか「やられた……で、返事は?」

ほむら「…もちろん親友よ、さやか」

杏子「♪」コロコロ


終わり

3か月前に一度落ちたのを最後まで書いたものです
立てるといいつつ立てられなくてすいませんでした

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