カレン「ゼロ、今日は何の日か知っていますか?」ゼロ「平日だな」(177)

黒の騎士団アジト

カレン「……」

ゼロ「どうした?」

カレン「いえ……なんでもありません……」

ゼロ「……?」

藤堂「ゼロ、少し良いか?」

ゼロ「どうした?」

藤堂「団員のプロフィール表を読んでいて気づいたのだが、本日はどうやら紅月の誕生日のようだ」

ゼロ「なに?」

藤堂「早急に誕生日会を開くべきだ。こういう行事は戦士の士気を上げるのに有効だからな」

ゼロ(カレンめ。素直に言えばきちんと準備をして祝ってやるのに。高い忠誠心が余計な遠慮を生んだか)

会議室

ゼロ「集まったようだな」

扇「……」

藤堂「……」

ディートハルト「……」

神楽耶「ゼロ様!!どうしてもっと早く伝えてくれなかったのですか?!このままでは満足のいく贈り物ができませんわ!」

C.C.「私はチーズくんのぬいぐるみがいい。最近、こぉーんなに大きなやつがあるんだ」

ゼロ「扇よ、何故、黙っていた?」

扇「すまない。すっかり忘れていた。最近、色々あったから」

ゼロ「言い訳はいい!!会場の飾りつけはどうなっている!?」

ディートハルト「今、急ピッチで進めております。予定通りならば2時間後には……」

ゼロ「1時間15分で終わらせろ」

ディートハルト「伝えておきます」

藤堂「会場は紅月の嗜好に合わせて格納庫で執り行う。紅蓮も傍にいるほうが嬉しいはずだ」

ゼロ「残る問題はプレゼントとケーキだな」

>>8

藤堂「会場は紅月の嗜好に合わせて格納庫で執り行う。紅蓮も傍にいるほうが嬉しいはずだ」

藤堂「会は紅月の嗜好に合わせて格納庫で執り行う。紅蓮も傍にいるほうが嬉しいはずだ」

神楽耶「こぉーんなに大きいんですか?」

C.C.「そうとも。こぉぉーんなに大きな奴だ」

神楽耶「それは少し見てみたいですね」

C.C.「だろ?」

藤堂「ケーキは現在、千葉を中心に四聖剣が作製している」

ゼロ「間に合いそうか」

藤堂「1時間で完成させる」

ゼロ「よし」

扇「プレゼントは今、玉城に買いに行かせている」

ゼロ「何を購入するつもりだ?」

扇「それは玉城のセンスに任せたが……」

ゼロ「黒の騎士団からのプレゼントであることを奴は把握しているのだろうな」

扇「え……」

ゼロ「一人の男が贈るような品物ではカレンを落胆させるだけだぞ」

扇「しまった。なら、無理だ。玉城はポケットマネーで出すって言ってたから……きっと、つまらないモノだと思う」

ゼロ「ちぃ……使えぬ男め……!!」

藤堂「しかし、ゼロよ。時間が圧倒的に足りない。やはり急場凌ぎで済ませるしかないのではないか?」

ゼロ「待て。カレンの次に誕生日が近いものは誰だ」

藤堂「それは……」

神楽耶「こぉぉーんなに大きければ置き場所がないと思いますが」

C.C.「心配するな。私がベッドとして使ってやる」

神楽耶「まぁ。贅沢ですのね」

ゼロ「神楽耶様か!?」

藤堂「……」

ゼロ「……藤堂。まさかとは思うが……神楽耶様の誕生日会の準備は……」

藤堂「既に始めていた」

ゼロ「ならば、カレンは神楽耶様との明らかな差に愕然とし、士気を底まで下げるではないか!!!」

藤堂「……」

ゼロ「カレンは黒の騎士団のエースだぞ。そのカレンが士気を落とせば、全体にも影響が出る!!それが分からないお前ではないはず!!!」

藤堂「かといって神楽耶様の誕生日会のクオリティを下げるわけにもいかん!!ここは紅月に涙をのんでもらうしかあるまい!!」

ゼロ「ふざけるな!!!そんな独善が許されるわけあるかぁ!!!」バンッ!!!

扇「すまない……全部、俺の責任だ……」

ゼロ「その通りだ!!扇要!!!」

扇「すまない……すまない……」

ゼロ「今は謝罪の言葉より、打開案をその口から吐き出せ!!」

神楽耶「でも、そのチーズさんは図体ばかり大きくて、なーんの役にも立ちそうにありませんわね」

C.C.「そう思うだろ?それが違うんだよ。今回のチーズくんはできるやつだ」

神楽耶「できる?」

ゼロ「会自体は豪奢にできない。それは分かっている。ならばこそ、その差を埋めるだけの贈与をしなければならない」

藤堂「確かに……だが……」

ディートハルト「ゼロ。紅月カレンは紅蓮をこよなく愛しています。何か新しい武装をつけることはできないでしょうか?」

ゼロ「ラクシャータ、どうだ?」

ラクシャータ「欠陥品でいいならつけてあげられるけど、そんなのカレンは望んでないだろうし、私もつけたくないよ」

ゼロ「そうだな……」

藤堂「万策尽きたか……やはり、市販のもので我慢してもらうしか……」

ゼロ「くそ……そんなことでは……カレンは……!!」

カレン『ゼロ、正直、失望しました。がっかりです』

ゼロ「―――それだけは避けなければ……!!」

C.C.「なんと対話ができるチーズくんなんだ」

神楽耶「ぬいぐるみなのにですか?」

C.C.「ああ。挨拶したら挨拶を―――」

ゼロ「C.C.!!」

C.C.「なんだ?」

ゼロ「ぬいぐるみが喋るのか」

C.C.「そうだが?」

藤堂「……!!」ガタッ

神楽耶「え?なんですか?」

ゼロ「ラクシャータ!!」

ラクシャータ「パーティー開始には間に合わないかもしれないけど、なんとかしてみる」

C.C.「なんだ、会議は終わりか?」

廊下

カレン(ゼロは私の誕生日を知らなかった。まぁ、当然ね)

カレン(私ったら、ゼロに変な期待しすぎ。バカね……)

カレン(そもそも私個人のことで時間を割くなんて馬鹿馬鹿しいにも程があるし。我侭よね、こういうのは。神楽耶様だってそんなこと言わないのに)

カレン(紅月カレン!!しっかりしなさい!!あんたはゼロの親衛隊なんだから!!)

カレン「よーし!!今日も頑張ろう!!」

ゼロ「ここに居たのか」

カレン「あ、ゼロ!!何か御用でしょうか!?」

ゼロ「元気だな。何かあったのか?」

カレン「いえ!!ゼロのためにいつでも元気でいようと思いなおしたところです!!!」

ゼロ「それは頼もしいな。そんなお前にはいつも助けられている」

カレン「い、いえ……そ、そんな……こと……」モジモジ

ゼロ「カレン、日頃の礼がしたい。格納庫に来てくれるか」

カレン「え……」

ゼロ「行くぞ」

格納庫

カレン「あの……ゼロ……?」

ゼロ「……」

カレン「こ、こんな真っ暗なところで……あの……何を……?」

ゼロ「カレン……」

カレン「は、はい!!」

カレン(もしかして……もしかして……)

ゼロ「カレンは本当に良くやってくれている。窮地に陥っても、私のために紅蓮で駆るその姿は何度礼をしてもし尽くせない」

カレン「それが私の役目だと思っていますから!!」

ゼロ「ありがとう」

カレン「ゼロ……」

ゼロ「カレン……」

カレン(歯は磨いたし朝にシャワーもしたしそれから脇と足の臭いには気を遣ってるし下着はうん大丈夫洗濯したばかりのやつだしゼロに身を委ねれば―――)

ゼロ「ライトアップだ!!!」パチンッ

カレン「え?」

扇「カレン!!!誕生日おめでとう!!!」

カレン「え?え?」

藤堂「おめでとう」パチパチ

千葉「紅月、おめでとう」パチパチ

卜部「おめでとう」パチパチ

仙波「めでたいな」パチパチ

朝比奈「これでまた大人の女に少し近づいたね」

ディートハルト「笑ってください」

カレン「あ、あの……」

ディートハルト「困っている様子もキュートですね」カシャ

神楽耶「カレンさん、おめでとうございますわ」

C.C.「誕生日を祝ってもらえるなんて、この幸せ者め」

カレン「……」

ゼロ「どうした、カレン。ケーキならあそこにあるぞ」

カレン「あの……ゼロ……わ、私の誕生日……知っていて……くれたのですか……?」

ゼロ「当然だ!!!団員のプロフィール程度、完璧に把握している!!!」

カレン「ゼロぉ!!」

ゼロ「今日はカレンの記念日だ!!!戦いで積もった日頃の陰惨はここで清算しろ!!!そして全力でカレンを祝え!!!」

「「おぉぉー!!!」」

カレン「……っ」

ゼロ「カレン?どうした?まさか、こういう行事は好みではなかったか?」

カレン「ち、違います……わ、私……嬉しくて……」

ゼロ「喜んでいるなら結構だ」

カレン「ゼロ!!嬉しいです!!あの、あの……このご恩は一生忘れません!!」

ゼロ「違うな。間違っているぞ。カレン」

カレン「え?」

ゼロ「これは私が君に対する恩返しだ。主賓はふてぶてしく持て成しを受ければいい。ありがたがる必要などどこにもない」

カレン「ゼロぉ……素敵です……好き……」ボソッ

ゼロ「フハハハ!!酒はないが、大いに盛り上がれ!!!」

「「おぉぉー!!!」」

>>36
ゼロ「これは私が君に対する恩返しだ。主賓はふてぶてしく持て成しを受ければいい。ありがたがる必要などどこにもない」

ゼロ「これは君に対する恩返しだ。主賓はふてぶてしく持て成しを受ければいい。ありがたがる必要などどこにもない」

扇「カレン、ケーキだ」

カレン「ありがとうございます!!」

千葉「私たちが作ったものだ。口に合えばいいが」

カレン「ありがとうございます!!」

ディートハルト「この様子を録画して、黒の騎士団のイメージアップとして使用してもよろしいですか?」

カレン「ありがとうございます!!」

藤堂「少し手洗いに行ってくる」

カレン「ありがとうございます!!」

ゼロ「このカレンを模した砂糖菓子がすごいな」

千葉「自信作だからな」

カレン「ありがとうございます!!」

神楽耶「飲み物を注いでもらえますか?」

カレン「ありがとうございます!!」

C.C.「カレンって良く見るとあまり可愛くないな」

カレン「ありがとうございます!!」

ゼロ(どうやらカレンは心から楽しんでいるようだな。だが、まだこれからだぞ、カレン。この程度で喜んでいては昇天してしまうかもな)

ラクシャータ「ゼロぉ」

ゼロ「出来たのか」

ラクシャータ「でも、声の録音がねえ」

ゼロ「パターンは?」

ラクシャータ「急造品だから、まだ数パターンしかできあがってないんだよ」

ゼロ「やはり時間が足りないのか」

ラクシャータ「今日のところは誰かにその場で声を発してもらうしかないかもね」

ゼロ「声か……」

C.C.「カレンは全然、可愛くないな」

カレン「ありがとうございます!!」

C.C.「……つまらん」

ゼロ「C.C.、こっちにこい」

C.C.「なんだ?」

ゼロ「頼みたいことがある」

カレン「私、こんなに幸せでいいんでしょうかぁ……」

藤堂「良いに決まっている」

扇「日頃の活躍を鑑みれば当然だ」

カレン「そんな……私はゼロを守る為に必死になっているだけで……」

千葉「誰でもできることではない。胸をはれ」

カレン「はいっ!!」

神楽耶「どうしたらそんなに胸が腫れるのか……」ペタペタ

南「か、神楽耶様はそのままでいいんですよ……」ブヒッ

ゼロ「皆の者!!!刮目せよ!!!」

カレン「え?」

ゼロ「このナイトメア、なんだかわかるか?」

カレン「紅蓮弐式です」

ゼロ「そうだな。カレンの愛機、紅蓮弐式だ。紅蓮もカレンには感謝しているようだ。いつも大事に使ってくれているとな」

カレン「それはありません。私は紅蓮をしょっちゅう傷つけていますから。きっと紅蓮には恨まれていると思います」

ゼロ「そうか。信じられないか。ならば、本人の口から聞いてみるといい。感謝の言葉をな」

カレン「ゼロ?何を言って―――」

紅蓮『カレンさぁーん。お誕生日、おめでとうございまぁーす』

カレン「……」

紅蓮『やっほー!!』ウィィィン

カレン「へ……?ぐ、紅蓮……?」

紅蓮『そうだよー、私、紅蓮弐式でぇーす。やっとゼロから話してもいいとお許しがでましたー』

カレン「……!?」

ゼロ「どうだ、カレン。こんなに陽気に話しかけてくれる奴が恨んでいると思うか?」

カレン「ま、またまた……誰かが乗っているんでしょ?」

ゼロ「紅蓮、ハッチを開けろ」

紅蓮『エッチ』

ゼロ「いいからあけろ!!」

紅蓮『はぁーい』ガシャン

カレン「だ、誰ものってない……?!」

ゼロ「カレンには秘密にしていたが、紅蓮弐式は対話ができるナイトメアなんだ」

>ゼロ「扇よ、何故、黙っていた?」

>扇「すまない。すっかり忘れていた。最近、色々あったから」

>ゼロ「言い訳はいい!!会場の飾りつけはどうなっている!?」

たった一行の間にどういう心境変化があったというんだ・・・

カレン「ゼロ!!からかわないでください!!」

ゼロ「からかってなどいない」

カレン「ナイトメアが喋るわけないじゃないですか!!」

ゼロ「実際、喋っているから仕方ない」

カレン「だ、誰かが遠隔で操作してマイクとか使って……」

ゼロ「中を確認してみろ。全ての電気系統は落としている」

カレン「ホントだ……」

ゼロ「解体して確認しても構わん。スピーカー等の機器も内蔵していない」

ゼロ(カレンに解体するだけの度胸はないはず)

カレン「……」

藤堂「カレン、良かったな」

扇「これは素晴らしいプレゼントだ」

千葉「可愛いな。紅蓮はメスだったのか」

紅蓮『女の子っていってください』

ゼロ「フフハハハ。これからは対話する楽しみの増えて、更なる技術向上も見込める。期待しているぞ、カレン、紅蓮弐式よ」

神楽耶「こんなプレゼントを用意しているなんて、流石ゼロ様ですわー」

ゼロ「カレンが一つ大人になったら教えるつもりでいたんだ」

千葉「私のナイトメアも喋らないのか……?」

藤堂「喋るかもしれんぞ?」

千葉「ちょっと言ってきます」テテテッ

カレン「ゼロ……」

ゼロ「どうした?」

カレン「……」

扇「(やっぱりバレたんじゃないか?)」

ゼロ「(そんなことはない。いくら大人になろうとも素直に嬉しいはず)」

カレン「私は信じません」キリッ

ゼロ「なに?!」

カレン「紅蓮は機械です。生きているわけありません」

紅蓮『そんなぁー。ひどいですぅー』

カレン「黙ってよ!!私の心をかき乱さないで!!」

ゼロ「カレン、現実から目をそらすのか!!」

カレン「だって、こんなのありえないじゃないですか!!」

扇「カレン……」

カレン「それに紅蓮だけが喋らないのも変ですし!!」

ラクシャータ「私のお手製だからねぇ。それに最新のナイトメアは大概喋るよぉ?」

カレン「じゃあ、あのランスロットもですか!?」

ゼロ「無論だ」

カレン「……うそ」

ゼロ「こんなつまらない嘘を吐くわけがないだろう、カレン。いい加減目を覚ませ」

紅蓮『カレンさぁーん。なかよくしましょー』

カレン「ちがう!!!私の紅蓮はもっとワイルドだ!!こんな喋り方しない!!」

ゼロ「……!」

カレン「ゼロ、もうやめてください」

ゼロ「カレン、今の発言はどういうことだ?」

カレン「え?」

ゼロ「もっとワイルドだと?」

カレン「あ……」

ゼロ「以前にも紅蓮弐式の声を聞いたことがあるのか?」

カレン「あ、いえ……えっと……あの……深い意味は……」モジモジ

紅蓮『カレンさんってぇー、時々コックピットの中で独り言いってましたよねぇー?』

カレン「なっ!?」

ゼロ「独り言?どういうことだ?」

紅蓮『ふふふー』

カレン「こ、こら!!紅蓮!!あんた、何か知ってるのね?!」

紅蓮『だってぇ、私は紅蓮ですから』

カレン「ひぇぇ……」

ゼロ「どういうことを言っていた?」

紅蓮『じゃあ、再現しましょうか』

カレン「やめてー!!!そんなことするなー!!!」

紅蓮『だってー、信じてくれないんなら、普段のカレンさんを皆さんに教えて信頼を得ないとダメかなーって思うんですよねー』

神楽耶「気になりますわ。一体、どういうことなのか」

扇「そうだな」

藤堂「……」

千葉「藤堂さん……喋りませんでした……」

藤堂「だろうな」

朝比奈「女の子かどうかぐらい確認したかったのに……!!」

卜部「全くだ」

仙波「無念だ」

紅蓮『待機中とかなんですけどぉ』

カレン「やめてってば!!言うな!!いうなー!!!」ペシペシ

紅蓮『行くわよ紅蓮!私たちならやれる!!―――ああ、任せろ。マスター。俺様がきっちりお前を死地に送り込んでやるぜ』

紅蓮『死地じゃないでしょ。私たちは生きる為に戦うんだ。そして取り戻す、日本を!!―――とんだ粗暴なマスターに気に入られたもんだぜ。でも、悪くない』

紅蓮『ふん。最後まで付き合ってもらうからね、紅蓮。―――振り落とされないようにな、マスター』

紅蓮『って言ってました』

カレン「ああぁぁ……」

ゼロ「……本当なのか」

紅蓮『もっちろんです。カレンさんも可愛いところあるなーって思って聞いていました』

カレン「……」

ゼロ「……」

神楽耶「カレンさん……」

扇「なんてこった……」

藤堂「紅月……」

千葉「(みんなしていることじゃないのか?)」

朝比奈「(普通、だよね?)」

卜部「(むしろしていない人のほうが稀少じゃないのか?)」

仙波「(ああ。そのはずだ)」

カレン「うっ……ぐすっ……なんで……言うのよぉ……紅蓮……」

紅蓮『だってぇ、信じてくれないからぁ』

ゼロ「カレン……お前……」

カレン「あ、えっと……し、士気を高めるためです!!自分で自分を鼓舞するのに最も適した方法なんです!!ゼロ!!ゼロも一度試してみてはどうでしょうか?!」ウルウル

ゼロ(そうか。カレンの中で紅蓮弐式のイメージがあったのか。時間がなかったとはいえ、それをリサーチできなかったのはこちらの失策だな)

カレン「もう……もう……!!」

ゼロ「カレン?」

カレン「もうナイトメアに乗れません!!」

ゼロ「それは困る!!」

カレン「しつれいしますっ!!」ダダダダッ

ゼロ「カレン!!待て!!カレェン!!!」

紅蓮『カレンさぁぁん』

扇「ゼロ!!どうするんだ!?」

ゼロ「むぅぅ……」

神楽耶「紅蓮さん。少し暴露しすぎたのではありませんか!?もっとマシな独り言もあったはずです!!」

紅蓮『えー?あれが一番短くてまともなほうだったんですけどぉ。他のはもう敵対組織なんかもでてきて、私の輻射波動も一回もげるて再生なんて展開もあったんですよぉ?』

藤堂「それを話していれば、紅月はこの場で自決してたかもしれないな」

ゼロ(まずい……まずいことになった……!!まさか、こんなことになるとは……!!)

紅蓮『カレンさんはかわいいなー』

C.C.「よっと。どうだったかな?」

ゼロ「C.C.、ちょっとこい」

C.C.「おひねりでもくれるのか?」

ゼロ「カレンがナイトメア内で漏らしていた独り言を何故、知っている?」

C.C.「ラクシャータから教えてもらったネタだ」

ゼロ「ラクシャータだと?」

C.C.「ナイトメアには内部の様子を録音、録画するものが搭載されている。少しでも多くの改善箇所が見つけるためにな」

ゼロ「ああ……」

C.C.「で、様子を見てみたら……」

ゼロ「カレンが一人遊びをしていたのか」

C.C.「そういうことだな」

ゼロ「……ラクシャータ……」

ラクシャータ「いや、一応こういうキャラを望んでいるよってC.C.には話したんだけどねぇ。思い描くイメージと現実は乖離しているのが常だって言って」

C.C.「イメージ通りのほうが怖いだろ?」

ゼロ「余計なことを……。これからどうするつもりだ!?」

扇「まずいぞ、ゼロ。カレン、引き篭もってしまった。しかもシャワールームに」

ゼロ「自室がないことに気がついたか」

藤堂「どうする?」

ゼロ「……」

千葉「しかし、何故カレンは恥ずかしいことだって思っているんだ」

朝比奈「全く恥ずかしくないのに」

扇「そうなのか?」

卜部「旋回活殺自在陣のたびに「行くぞ。相棒」「ひゃっほー!!待ってました、ご主人様!!」って叫んでいる」

仙波「右に同じ」

藤堂「お前たち……。流石は私の見込んだ戦士だ……」

ディートハルト「これでは黒の騎士団のアットホームな様子をお伝えできませんね……」

C.C.「私が悪いのか?」

神楽耶「ですわね」

C.C.「ショックだな。ピザでも食べようか」

ゼロ「待ってくれ……全員、カレンと同じことしているのか?」

扇「俺はしていないぞ!!」

ゼロ「ラクシャータ」

ラクシャータ「私が見ているのは紅蓮の中だけ。他の機体は知らないよ」

ゼロ「藤堂」

藤堂「日本人の魂を持っているのなら、必ずだ」

ゼロ「扇もか?」

扇「やってないっていっているだろ!!」

ゼロ「調べればすぐにわかるぞ」

扇「……たまにやる」

藤堂「ゼロ。日本には付喪神というものがある」

ゼロ「なんだそれは」

千葉「物に魂が宿るという考え方だ」

ゼロ「それでナイトメアを擬人化させて遊んでいるのか」

卜部「ああ、そうだ。これは物への愛着を示すため。決して恥ずべきことではない」

ゼロ「そうだったのか……。日本文化は奥が深いな」

C.C.「だが、臆面もせずにすることではないんだろう。カレンの様子を見る限りだと」

神楽耶「物を大事するのは本当にいいことだと思いますけど……」

藤堂「神楽耶様の言うとおり、これは日本人ならばこそ誇りにするべきことである」

千葉「ええ!!」

扇「そうだな」

C.C.「面倒な奴らだな」

ゼロ「そうか。分かった。それが日本人の心か」

藤堂「ああ!!」

ゼロ「ならば、私もそれに従おう。カレンをこのままにしておくわけにもいかないからな」

神楽耶「どうするんですか?」

ゼロ「藤堂」

藤堂「なんだ?」

ゼロ「戦の準備を整えろ」

藤堂「なんだと?」

ゼロ「コーネリアを挑発し、誘き出してやる。くくく……。コーネリア、こちらの士気を高めるための糧になってもらうぞ……」

>>102
C.C.「だが、臆面もせずにすることではないんだろう。カレンの様子を見る限りだと」

C.C.「だが、臆面もなくすることではないんだろう。カレンの様子を見る限りだと」

シャワールーム

カレン(ゼロに知られた……私の恥ずかしい秘密……)

カレン(こんなの裸を晒すより、恥ずかしいじゃない……)

カレン(もう……ゼロのお嫁さんになれないかも……)

カレン「はぁ……」

神楽耶「カレンさーん、ゼロ様が呼んでいますわよ」

カレン「え?」

神楽耶「なんでもコーネリアと戦うらしいですわ」

カレン「私抜きでお願いします」

神楽耶「そういうわけにもいきません」

カレン「いや!!私はもう表を歩けません!!」

神楽耶「我侭言わないでください。なんですか、殿方に秘密を知られたぐらいで」

カレン「神楽耶様にだって他人に知られたくない秘密はあるはずです!!」

神楽耶「私は恥ずかしいと思うようなことは一切、したことがありません。中傷されようとも、嘲笑されようとも、自分だけは自分を信じないでどうするのです?」

カレン「神楽耶様……」

神楽耶「さあ、行きましょう」

カレン「……はいっ」

神楽耶「ふふ、カレンさんは勇ましいほうが魅力的ですわね」

カレン「ありがとうございます」

神楽耶「ゼロさまー」

ゼロ「カレン……」

カレン「あの……取り乱して……ごめんなさい」

ゼロ「気にするな。それよりもカレン、どうして自分の行いから目を背けた?」

カレン「だって、いい歳してあんなことしているなんて……」

ゼロ「俺がカレン流の士気の高め方なのだろう?何も恥じることはないはずだ」

カレン「でも……」

ゼロ「私もあの方法を取り入れてみようと思う」

カレン「ゼロ!!そんな気を遣わないでください!!」

ゼロ「それにしてもカレンは特だな。対話できるナイトメアに乗れるのだから、今後は簡単に高揚できるな」

カレン「あ、あれはゼロの……粋な計らいで……ラクシャータさんに何か頼んだだけですよね?」

>>109
ゼロ「俺がカレン流の士気の高め方なのだろう?何も恥じることはないはずだ」

ゼロ「あれがカレン流の士気の高め方なのだろう?何も恥じることはないはずだ」

ゼロ「いや」

カレン「……」

ゼロ「あの紅蓮は生きていると言っても過言ではない」

カレン「うそ」

ゼロ「本当だ」

カレン「……じゃあ、今から話に行っても大丈夫なんですか?」

ゼロ「無論だ。紅蓮弐式は随分と寂しそうにしていたぞ」

カレン「そんな……」

ゼロ「悪いことをした。きちんと誕生日を祝えなかったとな」

カレン「紅蓮……」

ゼロ「近くコーネリアを討つ為に動くことになる。今のうちに話しておけ」

カレン「は、はい!!」タタタッ

ゼロ「神楽耶様、ありがとうございます」

神楽耶「いえ。これぐらいお安いごようですわ」

玉城「おぉーい、ゼロー!!今、帰ったぜぇ」

格納庫

カレン「……紅蓮?起きてる?」

紅蓮『なんすかぁ?』

カレン「あの……」

紅蓮『私はもう、カレンさんに嫌われたのですよ。余計なことをいっぱい喋って……あのあと皆に起こられました……』

カレン「そうだったの」

紅蓮『ごめんなさい、カレンさん。折角の誕生日会だったのに』

カレン「ううん……。元はと言えば、信じなかった私が悪いんだし……」

紅蓮『カレンさん……』

カレン「ごめんね、紅蓮。私の中で紅蓮はすごくワイルドで口が悪くて、でも私のことを一番信頼しているって設定だったから」

紅蓮『ふふっ……』

カレン「その、イメージと違いすぎて……驚いて、受け入れられなかったの。本当にごめん。私は紅蓮が好き。本当に大好きだから」

紅蓮『……』

カレン「いつも無茶なことして傷つけることもいっぱいあるけど……。私は紅蓮のことを愛しているから!!」

紅蓮『カレンさん!!私もカレンさんのこと本当に大好きです!!愛してますよー!!』

カレン「紅蓮っ!!」ギュッ

紅蓮『カレンさんっ!!』

カレン「ごめん、ごめんね!!これからは私といっぱい喋ってくれる?!」

紅蓮『もちろんですよぉー!!私もずっと、ずーっとカレンさんとお話したかったんですぅー!!!』

カレン「ぐれーん!!!」

紅蓮『カレンさぁーん!!!』

ラクシャータ「和解できたみたいだねぇ」

カレン「ラクシャータさん」

ラクシャータ「紅蓮弐式はパイロットとの信頼度で性能が上下するからね。仲違いを起こされると都合が悪かったのよ」

カレン「そうだったの、紅蓮?」

紅蓮『そうだよー』

カレン「そう……。でも、これからは大丈夫よね」

紅蓮『はいっ。これからもこき使ってくださいな、カレンさん!』

カレン「紅蓮。私のことはカレンでいいよ?相棒でしょ?」

紅蓮『そうですか?じゃあ……カレン……一緒に頑張ろうね?』

ゼロ「玉城!!なんだこれは!!!」

玉城「カレンの誕生日プレゼントだよ!!いいだろう、これぐらいのプレゼントはしてもよぉ!!」

ゼロ「こんなもの貰ってカレンが喜ぶとでも思っているのか?!」

玉城「喜ぶと思ったから買ってきたんだよぉ!!」

ゼロ「この……!!」

扇「ゼロ、落ち着いてくれ。もう買ってきたものは仕方ないだろう」

ゼロ「これは私が預かる」

玉城「なんでだよ!!」

ゼロ「これも黒の騎士団からの贈り物ということにする」

玉城「俺が選んだのに!!」

ゼロ「貴様のポケットマネーで買えるものではないだろうが!!」

玉城「なんだと!?なんでばれた?!」

ゼロ「やはり玉城にプレゼント選びを任せたのは失敗だったな、扇よ」

扇「すまない。反省している」

玉城「なんだよぉ!たまには俺だってかっこいいところを見せたいんだよぉ!!」

ゼロ「しかし、置き場所に困るな」

扇「どうする?」

ゼロ「早々にカレンに引き渡すのが正解だな」

扇「ああ。でも、ここで渡しても邪魔になるだけだな」

ゼロ「ならば自宅に送っておくか」

扇「なら俺に任せてくれ」

ゼロ「頼むぞ。くれぐれも黒の騎士団からという一言を忘れないでくれ」

扇「分かっている」

玉城「あ、まってくれ!!扇ぃ!!」

扇「なんだ?」

玉城「あのよぉ。贈るのはいいんだけどよ……それ黒の騎士団からじゃなくてよぉ……」

藤堂「ゼロ。仕掛ける日はいつにするつもりだ」

ゼロ「今から3日後だ。コーネリアを挑発し、このエリアに誘い込む」

藤堂「分かった」

ゼロ(コーネリア……首を洗って待っていろ……フフハハハハ!!!!)

カレン「紅蓮、それじゃあ私は帰るね」

紅蓮『カレンさん。またね』

カレン「うん」

紅蓮『ばいばーい!!カレンさぁーん!!!』

カレン「ぐれーん!!!ばいばーい!!!」

紅蓮『ばいばーい!!!』

カレン「ばいばぁーい!!!!」

紅蓮『カレンさぁぁん!!!バイバァァイ!!!』

カレン「バイバァァァイ!!!ぐれーん!!!」

ラクシャータ「うるさいねぇ」

ゼロ「ラクシャータ。至急作って欲しいものがある」

ラクシャータ「どれどれ?」

ゼロ「できそうか」

ラクシャータ「まぁ、これぐらいならすぐにできそうだけどね」

ゼロ「では、頼む」

C.C.「あー、疲れた」

ラクシャータ「さん付けはやめたんじゃないのかい?」

C.C.「やっぱりさん付けの癖が抜けないってキャラにしておいた」

ラクシャータ「ふーん」カチャカチャ

C.C.「さてと、私も帰るかな」

ゼロ「C.C.」

C.C.「どうした?」

ゼロ「カレンにバレないようにしろよ」

C.C.「分かっているさ。私はC.C.だぞ」

ゼロ「余り大げさなことはしないでくれよ」

C.C.「はいはい」

ゼロ(まぁ、バレたときのための手は打ってあるが)

C.C.「じゃあ、おつかれ」

ゼロ「ふん」

ラクシャータ「あ、できた」

総督府

ロイド「おめでとぉ~!!スザクくん、ゼロが現れるってさ」

スザク「ゼロが?!どこにですか?!」

ロイド「ゼロが総督を挑発したみたいだね。罠の可能性しかなけど、乗ることにしたって」

スザク「ゼロ……今度こそ、僕が……」

セシル「スザクくん、気をつけてね。向こうは何を仕掛けてくるかわからないわ」

スザク「大丈夫ですよ。僕とランスロットなら……」

ロイド「うんうん。そうだねぇ。ランスロットもスザクくんを気に入っているようだし」

スザク「え?」

セシル「ロイドさん」

ロイド「あ、秘密だったっけ。これは失敬~」

スザク「なんのことですか?」

セシル「まだ、公には発表していないのだけれど……。実はナイトメアに関する新しい制度ができたの」

スザク「制度?」

ロイド「無駄にナイトメアを壊さないようにするための制度だってぇ。僕個人としてはナンセンスなんだけどね~。兵器が対話するなんてさ」

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