男「クリスマスボイス」【閲覧注意】 (20)




男「くっそ……これだからクリスマスイブはいやなんだよ」



男(今日に限ってウォークマンを家に忘れてくるなんて……)



あああんっ……きもちいいぃぃ…………イブセックスさいこおおおおお

はははボクからのホワイトクリスマスだよ……んはあぁっどぴゅっ!

ぁあぁあんっ……こわれちゃうううぅぅぅっ……いろあせちゃうううう……



男(これだからクリスマスはイヤなんだ)

男(街中が喘ぎ声で溢れてやがる……)

男(耳がイカれちまいそうだぜ)





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男(恋人がいないヤツなんて今どきほとんどいない。いないって言ってる連中にもたいていいる)

男(嘘だって思う連中は耳をすましてみろ)

男(聞こえてくる喘ぎ声ですぐそのことが事実だってわかるぜ)

男(おかげで彼女のいないオレには最悪な日ってわけだ)

男(まあでもオレもべつにぼっちってわけじゃない)

男(恋人がいない連中で今日は集まってクリスマスパーティー)

男(そういえば何時に集まるかとかは打合せしてなかったな……電話しておくか)





男「あ、もしもし」

友『もしもし、いきなり電話してきてどうした?』

男「どうしたって、今日のパーティー何時からやるとか打合せしてないじゃん」



ああんっ……そこぉ、そこおおおぉぃいいっ!

あははははは、そろそろ……ミルキーウェイしちゃうよおおおぉぉ……

だめえぇ……ミヤビなすぷらっしゅぅぅぅぅぅ……らめええぇ



友『ちょっ……喘ぎ声がうるさくてなんも聞こえねえよ』

男「今外にいるからな。だからクリスマスパーティーの話だって」

友『あーそのことね』






男「なんだよ。今日だろ開催日?  ていうか今日以外やってどうすんだって話だしな」

友『やっぱやめにしね?』

男「な、なんでだよ?」

友『だってリア充とかが乳繰り合ってる中でオレらだけ鍋パーとか恥ずくね?』

男「いや、まあそうだけど……ん?」

友『なっ? 惨めな思いしたくないだろ、やめようぜ』

男「ちょっと待て。お前今どこにいる?」

友『……家だけど』

男「……」





男(おかしい。家の中にいるならなんで……)


アアァンッ、トモクンダメエエェ


友『電話代もったいないだろ? 切るぞ』

男「ま、待て。お前今誰といるんだ?」

友『……もしかして気づいちゃった?』

男「お、お前……」


ラメエェ! サンサンナナビョッウシデ……ツクノラメェ!


友『かわいいな、女。こんなに濡らしちまって……ああ、まあ聞いてのとおり今女とセクロスしてんだわ』






はげええええええっ!!!!

ろりこんんんんんんんんっっ!!!



友『3Pってのもありだけど、まあせっかくのクリスマスイブに3Pは味気ないだろ?』

男「……そうか」

友『というわけで今日のクリスマスパーティは注意な……ぁんっ! ちょっ……ロリコンにハゲやめろっ……アッあああああああああああ』



男「ははは、なんだよオレだけじゃん喘ぎ声出してないの」

男「……帰ろう」





男「……ただいま」

母「あれ、アンタ今日は友達と鍋パーするとか言ってなかったけ?」

男「いや、本当はその予定だったけど……ちょっとね」

母「まったく。毎年アンタはクリスマスの日になると死にそうな顔するんだから」

男「仕方ないだろ。喘ぎ声がうるさくて仕方ないんだよ」

母「まあ彼女作れないアンタにゃあ最悪な日だからね」






男「……」

母「じゃあ今日ご飯どうする? 特に準備してないんだけど」

男「いいよ。もう寝る」

母「まだ寝るような時間じゃないけど……まあいっか」

男「クリスマスが終わったら起こしてくれ」

母「はいはい」



男(そうさ、家の中ならあの気色悪い喘ぎ声たちを聞くことはない……)

男(ぐっすり眠れる……)






アンアンアンアン

アンアンアンアン


男「んっ……今何時だ?」

男「深夜か……しかしなんか変な音がしてる気がするな……」

男(喘ぎ声……? いや、でもこの家にそんな音が存在するわけ……)

男(ははは、ついに幻聴まで聞こえるようになっちゃったか)


アンアンアンアンアンアン

アンアンアンアンアンアン





男(くそっ……幻聴がどんどん大きくなっていく……!)

男(ううぅ……やめろやめろ……!)



アンアンアンアンアンアン

アンアンアンアンアンアン

アンアンアンアンアンアン

アンアンアンアンアンアン



男「ひっ……こ、こうなったら……!」






男「アンアンアンアンアン」

男「アンアンアンアンアン」

男「アンアンアンアンアン」

男「アンアンアンアンアン」



俺(世界に男女ふたりによるエッチの喘ぎ声が響き渡る中、オレは部屋の中でひとりエッチの喘ぎ声をひたすら奏でた)





男「アンアンアンアンアン……ぁっ!」

フキフキ

男「……トイレ行こ」


男(結局オレは一晩中喘ぎながらオナニーを続け、終わる頃には日がのぼりはじめていた)

男(しかしあの幻聴はなんだったんだ? もう今は止んだみたいだが……性夜っておそろしいな……あっ!)






男「ああぁぁ……そ、そういうことだったのか……」



男(オレは真実を知った。そう、あの喘ぎ声は幻聴なんかじゃなかった)

男(そう。オレは家の中こそ喘ぎ声が聞こえなくて安全だと思っていたが、ちがったのだ)

男(だってそうじゃないか。家には恋人なんてリア充たちより遥かにリア充な男女がいるんだから)



父『まったく、キミはいつまでたっても美しいな』

母『あなたこそ……何歳になってもステキね』





男(父さん……母さん!)

男(昨夜の喘ぎ声は幻聴なんかじゃなかった)

男(二人のセクロスが奏でた愛の喘ぎ声だったのだ)

男(もはやクリスマスにおいてオレに安全な場所などないのだ)

男(そしてオレは決意した。来年のクリスマスに向けての)











男(――来年こそは一人暮らししよう)











終わりだ。これ見て危機感を持ったヤツがいたら今からでも恋人を作ってくれ。
じゃあな

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