勇者「魔王の呪いで左腕が触手になった」(119)

魔王「ふははは! これで最早勇者も終わりよ!」

側近「魔王様、流石でございます!」

魔王「ここに辿り付く事も無く、触手の性欲に煽られ雌豚を貪る者に成り果てよう」

魔王「いや……その慢心こそが歴代魔王の敗因だったな」

魔王「淫魔の部隊を作っておけ。万が一にも勇者がここまで来れたなら」

魔王「快楽に浸からせてやろうではないか」

側近「はっ! ただちに!」

勇者「……」ゴゴゴゴゴ

触手A「」ウネウネ
触手B「」ウネウネ
触手C「」ウネウネ
触手D「」ウネウネ
触手E「」ウネウネ

勇者「……」ゴクリ

勇者(夢に魔王が出てきたが……くそ、魔王の呪いか)

勇者(恐らくは強力なもの。だがどんな呪いも術者の生命状況如何で消滅すると聞く)

勇者(無理に解呪するよりも魔王を倒す事を考えるべきだが……右手しか使えないとは)

勇者(盾も二刀流も両手持ちもできはしないとは……恐ろしい呪いだ。何よりこのままじゃ町を歩けないだろう)

触手A「」ウネウーネ
触手B「」ウネウネウネ
触手C「」ウネ
触手D「」ウーネウーネ
触手E「」ウーネウネウネ

勇者(くそっ! 陽気にくねりやがって! いっその事切り落としてやろうか!)イラァ

イボがついてるだけの触手「肢体に絡めて良し! おっぱいを絞り上げて良し! ぶち込んで良し! の汎用触手だぜ!」ウネウネネ

蕾状の触手「蕾が開けばこんにちはドリル触手。蕾から触手のギャップと何をされるかを悟らせ絶望させてやるぜぇ!」ウネウネ

先端に五本の細い触手を持つ触手「狭い所細かい作業はお手の物ぉ! 愛撫かららめぇぇ子宮であばれてりゅうぅぅ! まで臨機応変に対応するぜぇ!」ウーネウネ

舌状に大量の突起物が生えてる触手「牝の柔肌は我の物。擦るぜ擦るぜー! 全身くまなく擦り上げるぜー!」ウネウネ

突起物のついた卵型の先端を持つ触手「ぶち込むだけが能www突起でヒダを抉りまくってひぃひぃ言わせたるでーwwwww」ウネンウネン

勇者「……思い思いに凄い主張を」ゴクリ

勇者「しているのだろうが、言葉が発せない以上どんな自己主張をしているのかさっぱりだ……」

触手達「ナン...ダト!」ウネウネ

勇者「とりあえず……小さくまとまるみたいだし、マントを改良して左半身を包むローブみたくすれば」

勇者「良し、これで目立たないな。左腕は魔王の呪いで壊死しているような状態って事にするか。見られたくないし」

勇者「待てよ……もしかしたら」


人気の無い広場
触手達「ヒナタボッコダゼ!」サンサン

勇者「光に当てれば弱体化や干からびたりしないかとも思ったが……ダメか」

勇者「諦めてこれを連れて行くしかないのか……今日が旅立ちだって言うのに」

勇者「同行する人どうするか……できる限り男だよな。こんなの見て卒倒しない女性はいないだろうし、気味悪がられてPT離脱とかだろうし」

勇者「とんでもない呪いをくれたものだ……とにかく冒険者の宿に行って仲間を集めないと」バサァ

戦士「……おい、今の見たか?」ガササ

僧侶「ええ、見ましたわ」ガサ

魔法「五本の触手だったわね」ガザザ

戦士「しかもバリエーションも多いし……たまらねえ」ジュルリ

僧侶「ああ……あんなもので突かれてしまうのかと思うと」キュンキュン

魔法「私達三人を相手にしても二本余るだなんて」ゴクリ

戦士「おい、冒険者の宿に急ぐぞ! 絶対に勇者の同行者になるんだ!」

僧侶「当然ですわっ!」

魔法「ふふ……これからが楽しみね」

勇者「ここ、か?」カランカラン

店主「いらっ……ああ、あんたが神の啓示を受けた勇者様か」

勇者「はい、こちらに魔王討伐の旅に同行してくれる者が集まっていると聞いておりまして」

店主「おうよっ。荒くれ者から勲章持ちの騎士までなんでもござれだ。一応、滞在している奴のリスt」

戦士「あんたが勇者か。待っていたぜ」ザッ

僧侶「勇者様さえお許し下さるのであれば、魔王討伐の旅に同行させて下さい」バン

魔法「これでも私は魔法を研究する者の端くれ。高度な魔法を得意とするわ」ババン

勇者(う……全員女性か)

勇者「この旅は果てしなく険しいものとなるだろう……俺自身としては安易に女性を共にしたくないのだ」

戦士「……あたしの故郷はよ、魔物の襲撃で滅んじまったんだよ。魔王に一太刀でも浴びせないと気がすまないんだよ」

戦士「その為に今まで剣の腕を磨き続けてきた。いい加減な気持ちじゃあない。本気で魔王と戦うつもりだ」

僧侶「私は……戦力としては足手まといになってしまうと思います。ですが神に仕える私には傷を癒す魔法が使えます」

僧侶「何より、戦士とは親しき仲。友の悲願の為にも、私は全力で支援致します」

魔法「さっきも言ったとおり、魔法の研究をしているのだけども、魔王が暴れていると落ち着いて研究できないのよ」

魔法「天才の域でないにしろ、高度な魔法が使えるわ。魔法における知識と実践、全て勇者様に捧げるわ」

勇者「……な」

戦士(な、何だ? これでもアピールポイントが低かったか?)

僧侶(剣の達人だ、くらい言って下さいよ)

魔法(何か、何かもっと一押しになるものを……)

勇者(なんて……愚かで浅ましい事を)

勇者(彼女達の士気の高さに気付かず、志を蔑ろにしようとしていただなんてっ!)

勇者(それも俺自身の個人的な感情一つで……)

勇者「すまない……君達の気持ちも知らずに、自分の考えばかりで断ろうとしてしまって」

勇者「こんな自分でもよければ、是非とも同行していただきたい」

戦士(キターーー!!)

僧侶(あァん! これから毎晩がた・の・し・み!)

魔法(存分に私の体を貪ってぇ!)

戦士「勇者、この先の山には毒を持った魔物が多いからな。毒消し草はこんくらいの束は必要だぜ」スリスリ

勇者「そ、そうか。俺はそちらの方角とは真逆の方の地方だったから。現地の話が聞けるのは助かるな」

僧侶「勇者様、こちらの護符は状態異常を多少は防ぐ力を持っていますが、どうなさいましょうか」スリスリ

勇者「う、うぅん、ちょっと値が張るな……流石に人数分は買えないから止めよう。その分、毒消し草を多めに持っていこうか」

魔法「勇者は魔法の心得は? もしある程度魔法が使えるのだったらこの魔石を装備しておくと、いざという時に保険になるのだが」スリスリ

勇者「そ、そこまでは得意でないから君が持っていてくれ」

勇者「というかなんだ……俺は今まで剣術一筋だったんだ」

勇者「その……君達にとっては普通なのかもしれないが……その、ちょっとボディタッチが多いというか」ドギマギ

戦士「おいおい、これから寝食を共にするんだぞ? これくらいでそんな事を言われてもこっちが困るぞ」

勇者「荒治療……だがしかし……」ウーム

触手達「メスノニオイ!」ウネウネウネ

勇者「!」ビクッ

戦士「どうした?」

勇者「いや、すまない。少し片付けなければならない用事があったのを思い出したんだ」

勇者「次の町までの物資は三人で考えてくれた方がいいだろう」

勇者「終わったらそこの宿屋で待っていてくれないか?」

僧侶「分かりましたが……私達も何かお手伝いしましょうか?」

勇者「ちょっとした用事だから気にしないでくれ」バッ

触手達「ヤラセロー!」ウネウネ

勇者「くそっ! こいつらいきなり暴れだしやがって」

勇者(何が原因だ……? いや、そもそもこれをどう落ち着かせるかだが)ウーム

勇者「冷凍魔法」キーン

触手達「アヒィ!」シュン

勇者「よし、萎んだな」

勇者「……」

勇者「こういう抑圧の仕方は駄目なのかもしれないな……」

勇者「犬とかもそうだような……適宜運動をさせるべきか?」

魔法「……触手に異変でもあったのかしら?」

戦士「なに?!」

僧侶「ああ……なるほど」

戦士「じゃあもっと押してけば何れは襲い掛かってくると」キュンキュン

魔法「けども無理に押していっては、勇者の方から距離を取りかねないわ」

僧侶「今より一歩引いた位置からアプローチするような感じでしょうか?」

魔法「まどろっこしいけどそんなところね」

戦士「要するに普通に親しくなったところで、一気に距離を詰めるって事でいいんだよな」

魔法「焦りは禁物よ。ま、旅は長いんだもの。いくらだってチャンスはあるはずよ」

宿屋
勇者「といった具合で進んでいこうと思う」

戦士「それでいいんじゃないか?」

僧侶「せ、戦士さんはあまり地理に詳しくないので、話半分に聞いてあげて下さい」

戦士「おいこら」

勇者「そうか、分かった」

戦士「おい。おい!」

魔法「途中で可能であればこの国にも寄るべきだわ。鍛冶が発展していて、強力な武具が売られていると聞くわ」

勇者「まだまだ先だなぁ……。そこは近づいてから判断しようか」

勇者「ま、大まかはこんな感じだ。君らは冒険者の宿があるんだろう? 明日の早朝、広場に集合しよう」

僧侶「部屋は明日付けで引き払う形にしましたからねぇ」

勇者「……良し」コソコソ

勇者「こいつらに運動……とりあえず重量挙げにしておくか」バサァ

触手達「ヒャッハー!オレタチサンジョウ!!」ウネウネ

勇者「良し、そこの大岩を持ち上げろ」

触手達「エッ」

勇者「うん?」ウネウネ

勇者「なんだ、多少は俺の意思で動かせるのか」ビュォ

触手達「キョウセイロウドウwwwショクシュアンコクジダイktkrwwwww」ソォーレ イィッチニィーイッチィニィー

*触手達は経験を詰みLvが上がった!*
*ステータス割振り ニア硬さ 耐久 催淫 俊敏 筋力*

勇者「?? とりあえず五本とも筋力」

触手達「チョwwww」

翌日
勇者「とりゃあ!!」ズバン

僧侶「お強い……」ポォ

戦士「……なあ、お前は昨日城に召集されたんだよな」

勇者「家業の樵をしていたから筋力はあるし、ここまで来るのには一人旅だったからな」

魔法(あれ? つまり勇者はかなり強い?)ヒソ

戦士(しかも今は右手一本だけってのにな)ヒソ

勇者「雑魚がっ! 道をっ! 塞ぐなっ!!」ズバァン

勇者「この辺りで野営するか」

戦士「ノーダメージで一日が終わった……」

魔法「勇者が強いってレベルじゃない件」

僧侶「薪集めてきますねー」

勇者「いや、それは俺が行こう」

戦士「片腕じゃ辛くないか?」

勇者「辺に細かい作業よりかはまだましさ」


*触手達は経験を詰みLvが上がった!*
*ステータス割振り以下略*

勇者「筋力」

触手達「ウハwwwメザセシキュウガコワレリュゥゥゥwwww」

数日後 町の宿
戦士「どういう事だ」

僧侶「だいぶ私達との距離は縮まりましたが、一向に襲い掛かってくるような事はありませんね」

魔法「……」

戦士「押して駄目なら引いてみろって事か? いや、てかあいつ、一人で処理してあたしらに手を出さないようにしているとか」

僧侶「勇者様でしたらありえそうですね」

魔法「むしろ運動量が多すぎてそちらで発散されているのでは?」

戦僧「!」

戦士「こりゃあ……もうプッシュするしかねぇな」ゴゴゴ

僧侶「ですね……」ゴクリ

魔法(今日辺り抜け出して夜這いしてみようかしら)

勇者「そろそろ差別化したほうがいいか……」

勇者「イボつきは筋力俊敏の二極」

イボがついてるだけの触手A「目指すぜ! 神速のピストン!」

勇者「蕾っぽいのは筋力と……硬さだな」

蕾状の触手B「一撃でアヘらせるぜっ!」

勇者「先端に細い触手ついてんのは俊敏と……器用さってどうしたら上げられるんだ。道具を使うよう仕込むか」

先端に細い触手を持つ触手C「うへっへっへ、やる時ぁはやるって事かい。あんたもゲスでさぁ」

勇者「なんか突起物がいっぱい生えてるのは……後は硬さ一極、いや少しは俊敏も上げるか」

舌状に大量の突起物が生えてる触手D「ガッチガチの突起でお豆をこするぜぇぇ!!」

勇者「先端が丸いのは……硬さと俊敏二極だな」

突起物のついた卵型の先端を持つ触手E「え? この形状でその二極? 俺だけ本当の意味で一撃必殺?」

魔法(良し、二人は寝静まったようね……)

魔法(今がチャンスよ!)スッ


魔法(あら……? 勇者が部屋にいない?)ガチャ

魔法(むー……これではどうしようも、うん?)ォン ブォ

魔法(素振りかしら? 勇者の強さならありえそうだけども……それにしては音が変な)ブォ ブォン

勇者「19,998、19,999、20,000!」ブォブォブォン

勇者「ふーっ! 大岩振り二万回終わりっと」

魔法(大岩?! 剣じゃないの?! 筋力上げ?!)

勇者「町の外に戻すのも面倒だな。ほあたぁ!」ゴシャァ

魔法(勇者が武道家だった件)

魔法「ふあ……」

戦士「なんだ? 寝不足か?」

僧侶「魔法使いさんにしては珍しいですね」

勇者「次の町まで三日はかかるんだ。きつかったら言ってくれよ」

魔法「……昨日の夜見てしまったのだけども、なんであなたはそんなにハツラツとしているのよ」

勇者「あー……あれ見られたのか」

戦士「なんだ! 何を見たって!!」

僧侶「夜にナニをしていらしたんですか!!」

勇者「大岩振り」

戦士「……え、なんだって?」

僧侶「何をしていらしたんですか?」

勇者「夢はフルサイズの両手剣を振り回す事だ」

魔法(片手で?)

戦士(両手剣?)

僧侶(両、え?)

勇者「まずは戦斧を片手で扱えるようにならないとだな」

魔法「何処まで行くつもり?!」

戦士「勇者やべーよ」

僧侶「でも逞しい勇者様もっ」キュンキュン

戦士「勇者が無双状態の件」

魔法「大して応戦する事も無く終わる戦闘」

僧侶「そうして既に町についている現状」

勇者「何事も無く次の町に着けて良かったな」

勇者「とりあえず宿を取るか」

戦士「当の本人は至って軽快とかねえよ」

戦士「なあ、勇者。部屋は一緒にしないか?」

勇者「え?」

魔法「戦士……いくらなんでもそれは」

戦士「あたしらを気遣ってくれているんだろうし、左腕の件もあるんだろうけどもよ」

戦士「別にあんたの左腕が変だからって軽蔑したりしないぜ。それは二人も同じ事だと思うぞ」

僧侶「それに関しては私も同意ですわ。その……私達はあまり、勇者様の支えになっていないのに勇者様ばかりに気遣わせるのも」

勇者「……」

勇者「ありがとう。気持ちは嬉しいが、やはり遠慮させてもらうよ」

勇者「……確かに軽蔑される事を恐れてはいる。だがそれ以上に、まだ自分でも受け入れる事ができていないんだ」

勇者「こればかりは……すまない」

勇者「で、一人になった所でまた触手を鍛える訳だ。準備はいいか」

触手達「サー!イエッサー!」ウネネ

勇者「今日はダメージそのものの耐久を上げるぞ!」

触手達「サー!イエッサー!」ウネウネネ

勇者「一呼吸の間、俺が全力でこの岩を打ちつける。まずは触手A、行くぞっ!」ブォ

触手達「エッ」

勇者「こいつらもだいぶ様になったな」

勇者「……魔王戦を考え、最後の仕込をしておくか」


戦士「おいおい勇者……いくらなんでも買い込みすぎじゃないか?」

魔法「どう見ても重量オーバーよねぇ」

僧侶「あの、無理は……」

勇者「いや問題ない」

*勇者はクレイモアを購入した*
*勇者はヘビーアックスを購入した*

魔法「ああ、そうだ勇者。風の噂でしかないが……次の町の途中、東に抜けた所に祠があるらしい」

勇者「祠? 何か祀っているのか?」

戦士「それあたしも聞いたな。何でも伝説級の武具があるとかなんとか」

勇者「ほう……行ってみるしかないな」

僧侶「罠とかありそうですね……」ブルル


封印の扉「開けないよ!」

戦士「くっそ、少しもあきゃぁしねぇぇぇ」グググ

魔法「ダメくさいわね」フー

僧侶「わざわざ寄り道したのですがねー」

勇者「……開かない扉か」

戦士「ふーっ。諦めて戻る?」

勇者「いや……」

*勇者はヘビーアックスを装備した*

勇者「うおおおお!!!」ドガドガドガ

戦士「開かぬなら 壁を壊そう ホトトギス」ゴクリ

僧侶「ホトトギス関係ない……」

魔法「待って、勇者が既に戦斧を片手で振るってる事に触れないの?」

*勇者は聖剣を手に入れた*

戦僧魔「えっ」

期待してたのと違ったけどこれはアリ

戦士「力技で伝説の武器ゲットとかないわー」

勇者「意外と壁がさくさく掘れた」

魔法「感動も何も無いわね」

僧侶「斧がボロボロに……」

勇者「もう使えないな……ここに置いておこう」

戦士「……祠の壊れた壁の元に斧」

魔法「武具の強奪に使われた重要証拠ね……」

勇者「あれが魔王城……」

戦士(なんでだ! 何であいつはムラムラこないんだ!)

魔法(まさか……ロリコンっ!)

僧侶(そんな……それでは私達で勇者様を誘惑する事自体そもそも無理であったと!?)

勇者「長かったが……これでいよいよ終わりだな!」

戦士(まだ何も始まっていないのに!!)

魔法(まだよ! エンディングで嫁になってしまえばいいのよ!)

僧侶(あるいは激闘の末疲れ果て眠ったところで既成事実を!!)

勇者「なんとも禍々しい城なんだ。中に入るだけでも一苦労しそうだな」

戦士「祠で味を占めたのか、魔物の砦は斧で打ち破る勇者」

魔法「戦慄する魔物」

僧侶「そして振るわれる斧」

勇者「よし、魔王城に突撃するぞ!」ドゴォン ドガン

戦士「クライマックスでも破壊活動」

魔法「筋力がカンストしてそうね。右腕だけ」

勇者「よし、開いたぞ!」ドゴォォン

僧侶「扉が開いたみたいに言わないで下さい」

勇者「なんだ? 魔物がいないのか?」シィン

戦士「どう見ても罠だが……」

勇者「行くしかないだろう」

魔法「ま、その為にここまできたんだしね」

僧侶「ううー緊張します」

勇者「……奥に大きな扉があるな」

戦士「魔王の玉座の近くを掘り当てたか」

魔法「掘り当てた……」

戦士「……おおう」ブルル

僧侶「なんて……威圧感。扉ごしなのに」

魔法「この向こうに居るのね」

勇者「ああ……」ゴクリ

勇者「行くぞ!」ギィィ


魔王「フハハハ! 勇者よ、よくぞ来た!」

魔王「しかしここがお前の墓場よ! 行け! 我が兵よ!!」

魔王軍兵士「」ザッ

サキュバス「んふふ~勇者様ぁ楽しいことしましょ~?」

戦僧魔「」イラァ

戦士(あの痴女どもどうしてくれよう)

僧侶(ぽっと出の者が勇者様に言い寄るなど!)

魔法(万死に値するわね)

勇者「サキュバス……三人とも、すまないがあれの相手をしてくれないか」

勇者「魔族とは言え、女性に手を上げるのは主義に反する」

僧侶「勇者様……紳士です」キュンキュン

戦士「おいおい、魔王を一人で相手するのか」

魔法「いくらなんでも危険過ぎるわ!」

勇者「……皆についていた嘘がある。俺の左腕は壊死しているわけじゃないんだ」

戦士(知ってる)

僧侶(触手なんですよね)

魔法(むしろそれがお目当て)

魔王(こやつ……触手の欲求を押さえ込んで? だが、左腕が使えないというデメリットは変わるまい!)カッ

勇者「だが隠すのはここまでだ! 魔王! お前の呪い、克服させてもらったぞ!!」バッ

魔王「なんだと?!」

戦士「おい馬鹿止めろ!」

僧侶「克服しちゃだめえええ!」

魔法「違うな! それは間違っているぞ勇者!」

触手達「オイスー」ウネウネ

魔王「うむ?」

戦士「あれ? 普通に触手だな」

勇者「ふぅんむっ!!」メキメキメシィ

*触手達は怒張し膨れ上がった*
*触手Aは聖剣を引き抜き高々と振りかざした*

戦士「触手なのに格好いい。でも触手に使われる聖剣とか不憫すぎる」

*触手Bは蕾を開き、内部を刃物のように鋭くなった*

僧侶「どう見ても槍です。本当にありがとうございました」

*触手Cは毒針と毒蛇の牙と毒のナイフを装備し身構えた*

魔法「やだあの触手、普通に手として機能してる。けどわたし達を見向きもしない」

*触手Dは突起物を膨れ上がらせ細かい刃のように立たせた*

戦士「卸金……」

僧侶「最早、無機物の硬さ……」

魔法「それが振舞われるのは生き物……」

僧侶「ま、まだです。突っ込むだけの機能しかないもう一本の触手があるはず!」

魔法「そうよ、アレならきっとわたし達の望む形に!」

*触手Eは丸い球状に大きく膨れ上がり*
*突起物は鋼の棘のように突き出された!*

戦士「ヒューッ! 見ろよやつの触手を……」

僧侶「まるでフレイルみてぇだ!」

魔法「こいつはやるかもしれねぇ……」

*勇者は右手でクレイモア引き抜き、魔王の前に立ちはだかった*

勇者「……」ゴゴゴ

触手達「……」ズォォォ

魔王(触手が思い思いの獲物を振りかざして待っている。どう見ても死亡フラグです。本当にありがt)ゴシャァ

*触手AとEは縦横無尽に駆け回り周囲を切り払い叩き潰していく*
*サキュバス達は恐れおののき戦意を失っている*

魔王軍「た、たすグゲっ」グシャァ
魔王軍「く、来るな、うああぁぁ!」ブシャァ

魔法「わたし、鞭のように凶器が飛び交うこの光景、ベルセルクで見た気がするわ」

*触手Bは逃げ惑う兵士達の頭部を背後から貫いていく*

触手B「こぉぉぉ……」ブラブラァン

戦士「魔族の頭部が刺さったまま吊るし上げられてるとか、何処のかまいたちの夜」

*触手Cは確実に獲物で傷を与え、猛毒を振りまいていく*

魔王軍「ひぐ! え、ぐ! がああ! あああああ!」バタバタ

*触手Dは戦場を飛び交い、すれ違い様に兵士の顔の肉と骨を削ぎ落とす*

魔王軍「ぎゃああああ! がああああああ!!」ズシャアアア
魔王軍「ひぃぃこっちに飛んでぐぎゃぁ」ズジャアッ

戦士「地獄絵図だ……」

僧侶「最早、初めて見た時の妖艶さは微塵も……」

魔法「はっ、魔王は何処に?!」

勇者「ここだ」マッカ

戦士「お前、まさか戦闘で!」

勇者「いや返り血だ」ポイ

誰かの生首「」ゴロゴロ

魔王っぽい服来た肉塊「」ブシューー

魔法「最終決戦終わった……」

僧侶「は、あばず、サキュバス達は!」

サキュバス(状態異常:失禁)「」ガタガタブルブル

戦士「ですよねー」

その後、勇者は魔王の生首をわざわざ国王の下に持ち帰り、
多大なる名誉と富を手に入れる事となった。
が、触手を鍛え過ぎた所為なのか勇者の体に定着してしまい、
遂に勇者の左腕は元に戻る事は無かった。


僧侶「あのー勇者様……あまり気を落とされないで下さい」キュンキュン

戦士「あたしらはあんたがどんな人間か分かっているんだ。左腕が触手ぐらいで今更嫌悪したりしないぜ」ドキドキ

魔法「そうよ、勇者さえ良ければわたし達はあなたと添い遂げても……いいえ、添い遂げたいのよ」wktk

勇者「……」

勇者「腕が……戻らない」

勇者「一生……この触手がついて回る」

戦士「だからあたしらは」

勇者「この触手はっ、戦うものとしてっ、絶大な力を与える!」

僧侶「へ?」

勇者「俺は究極の力を手に入れる! 天災すらも覆す力! それがこの触手にはある!!」

勇者「もっとだ! もっと鍛え戦い、常人に到達できない遥かな高みへと行ってやろう!!」

勇者「そうだ、それがいい!! あらゆる災害からすらも人々を守ってやろう!!」

戦僧魔(薔薇色触手性活オワタ)


その後、勇者は三人の付き人と共に、各地の城壁を破壊しつつ災害から人々を守ったとか何とか。

   勇者「魔王の呪いで左腕が触手になった」  完

エロSSかと思ったか?

莫迦め! 無双SSだよ!!

>勇者「俺は究極の力を手に入れる! 天災すらも覆す力! それがこの触手にはある!!」

>勇者「もっとだ! もっと鍛え戦い、常人に到達できない遥かな高みへと行ってやろう!!」


次のセリフ読むまで勇者が魔王化するのかと思ったわ

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