波平「なに?カツオが不良仲間とつるんでるだと?」(114)

フネ「ええ…毎晩夜遅くまで出歩いてるみたいで…」

サザエ「父さんからも何とか言ってやってよ!まだ小学生なのよ!」

波平「けしからん!すぐにカツオを連れてきなさい!」

サザエ「カーツォッ!」

スタスタ

カツオ「なんだよ姉さん、朝っぱらから騒々しい」

サザエ「あ、あんたその髪型どうしたのよ!」

カツオ「ちょっと金髪に染めただけだよ」

波平「カツオ!!!こっちに来い!!!」

グイッ

カツオ「…なに?」

タラ「どうしたですかぁ?」

サザエ「タラちゃんは奥でワカメと遊んでてちょうだい」

ワカメ「行こ、タラちゃん」

ヒュタヒュタ

波平「髪を染める等、父さんは絶対に許さんぞ!すぐに黒染めしてこい!」

カツオ「シャァコラ」

波平「なんだ?ハッキリ物を言わんか!」

カツオ「シャァコラ!!!」

ドンッ

カツオは波平を軽く突き飛ばした

波平「ぐあああ」

フネ「お父さん!」

後のタンスに後頭部をぶつけた波平はずるりと倒れ込む

サザエ「カツオ…あんた親に手をあげてどうするのよ!」

カツオ「…ペッ」

波平「うーん…うーん…」

フネ「お父さん、しっかりしてください…!」

カツオ「シャバイんだよ父さん」

サザエ「シャバイ…?」

カツオ「髪の毛染めるぐらい個人の自由だろ?いちいち文句言われたくないさ」

カツオ「父さんは染める髪がないから嫉妬してるだけだ」

サザエ「あ、あんた!それが父さんに対して言う言葉なの!?」

チリンッチリンッチリンッジリンッジリンッ!

家の外から自転車のベルが爆音で聞こえてくる

サザエ「な、なによこの音…?飛行機の騒音よりもうるさいわ…!」

カツオ「中島だ」

カツオ「じゃあ、今日は飯いらないから」

スタスタ

サザエ「ま、待ちなさいカツオ!オマチ!!!」

ワカメ「あ…お兄ちゃん」

カツオ「どけ、ヘルメットみたいな髪型しやがって」

ワカメ「…!ひ…ひどい……」

ガラガラッ

中島「よお」

カツオ「おっす」

中島「僕のチャリ改造してきたんだ」

カツオ「へぇ、かっこいいな」

中島「これで軽くドライブしようぜ、後ろ乗れよ」

カツオ「ああ」

スッ

チリンッチリンッ

中島「ハッ!!ソイヤ!!セァッ!!!!」

中島「パラパラパッパ~!!」

中島「今日も元気にドカンを決めたら!ヨーラン背負ってリーゼント!ハイッ!」

カツオ「中島、ちょっと静かにしてくれ」

中島「ご…ごめんよぉ~磯野ぉ」

カツオ「これからどこに行くんだ?」

中島「とりあえず、学校だけには行こうと思って」

カツオ「…授業めんどくさいな」

中島「まあそう言うなって!小学校は卒業しといて損はないからさ!」

カツオ「分かった」

中島「へへ、チャリで小学校通学なんて中々ワルだね僕達」

―正門前―

PTA「はい、おはようございます」

学生「おはよーございます」

カツオの担任「ん…もうこんな時間ですね」

PTA「ええ、そろそろ1時間目が始まりますね」

カツオの担任「それでは門を閉めましょうか」

ギィィィィィッ

チリンチリンッ

カツオの担任「ん?」

カツオ「…」

中島「おはようございます」

シャァーーッ

PTA「い、今のは!?」

カツオの担任「わ…私のクラスの生徒です!自転車で勝手に学校内に入るなんて…!」

ガラガラッ

カツオ「…」

中島「ひゃー!遅刻ギリギリだったな磯野ォ!」

花沢「あんた達…また自転車で学校にきたわね!」

カツオ「何か悪いの?」

花沢「え…磯野くんがそう言うなら……」

カツオ「花沢さん、そこ僕の席なんだけど」

花沢「あっごめんなさい…磯野くんの席に座ってると安心して…」

カツオ「…チッ」

かおり「…」

中島「おっ、磯野!今日も相変わらずマブいよなぁかおりちゃん!」

カツオ「う、うん…」

中島「かおりちゃん彼氏とかいないし狙ってみようかなぁ」

カツオ「…!」

ボコッ

中島「い、いってぇ…磯野~いきなり暴力は止めろよぉ」

カツオ(かおりちゃんのことがすきなんだ…僕は…!)

ガラガラッ

担任「磯野と中島はどこだ!?」

花沢「ここにいますけど」

中島「は、花沢…テメェ!!」

担任「今すぐ職員室に来い!!1時間目は自習だ!!」

ざわざわ

―職員室―

担任「まず、先生がなにを言いたいか分かっているな?」

カツオ「…」

中島「カーッ ペッ」

担任「中島ァ!!!」

中島「んだよ…朝からうるせーんだよ先公がよ」

担任「大体その髪型はなんだ?小学生として恥を知れ!」

中島「リーゼントっすよ、文句あるなら床屋の親父に言ってくれよ」

担任「…い、磯野はなんだその髪の色は!」

カツオ「金髪に染めただけですよ」

担任「お前等!!一体学校をなんだと思っているんだ!!」

中島「るせーな、遊び場だろ」

カツオ「中島、時間の無駄だしもう行こう」

中島「そうだな」

スッ

担任「ま、待て!!まだ話は終わってないだろ!!」


サザエ「父さん…カツオがあんな風になっちゃうなんて…」

波平「一体何が原因なのか父親のワシですら分からん」

フネ「きっとなにか悩みを抱えてるんですよ…」

波平「今夜、じっくりカツオと話し合ってみようと思う」

サザエ「あの子、今夜はちゃんと帰ってくるかしら」

中島「へっ、1時間目で学校抜け出すなんて僕達相当ワルだよな!」

カツオ「そうだけど、昼飯を調達しないと」

中島「僕はじいちゃんの貯金箱から取ってきた10円玉3枚しかないよ」

カツオ「もうちょっと盗めよ…」

中島「ご、ごめんよ…盗もうとした時にちょっと戸惑って」

カツオ「僕も50円しかないから人のことは言えないけど」

中島「マックでも行って水飲んでようぜ」

カツオ「…うーん」

ノリスケ「カツオくんじゃないかぁ!ご無沙汰ァ!」

カツオ「ノリスケおじさん…」

中島「磯野」

カツオ「ああ…良い金づるがやってきたよ」

ノリスケ「学校に行ってる時間じゃ…」

ドンッ

ノリスケを壁に押し付け詰め寄る2人

ノリスケ「…?」

カツオ「ノリスケおじさん…後ろポケットに財布入れてるよね…」

ノリスケ「え……」

中島「ちょっと僕達に貸してくれないかなぁ?」

ノリスケ「こ、これは犯罪だよカツオくん!いくら知り合いとはいえ…」

ドスッ

ノリスケ「ぐはっ」

カツオ「ゴタゴタやかましいんだよ…さっさと財布出せやコラ」

ノリスケ「か、かつおくん…一体どうしたんだい……?」

ノリスケ「うっ…うううううううううう」

中島「はは、うううううだってよ」

カツオ「唸ってねーで、早くしろ!!」

ノリスケ「うああああああああ!!!どけええええええええ」

ノリスケは仕事用の鞄を抱えたまま2人を突き飛ばし全力で駆け抜けた

中島「ああああっ」

カツオ「クソッ…逃げられたか…!」


タラ「やんのか?あぁ?」

タラ「シャバイんだよ、シャァコラ」

タラ「うふふ、カツオ兄ちゃんの真似ですぅ」

サザエ「タラちゃん!カツオの真似なんてしちゃダメよ!」

中島「ああ~お腹減ったよぉ」

カツオ「我慢しろよ、恐喝出来なかったんだから」

カツオ「ん?」

堤防で仕事着姿のマスオ兄さんがいた

中島「こんな時間になにやってるんだろ?」

カツオ「マスオ兄さんと喋ってるのって…三郎さん…?」

サングラスをかけていて三郎かどうかはよく分からないが

あのバイクから察するに三河屋のサブちゃんで間違いないだろう

三郎はポケットから拳銃らしき物をマスオに手渡した

カツオ「!?」

中島「あ、あれってハジキじゃないか…どうしてマスオさんなんかに…」

ぶろろろろろん

三郎はその後、バイクに跨りその場から姿を消した

マスオはスーツの内ポケットに拳銃をしまった

カツオ「……マスオ兄さん……」

中島「磯野、マスオさんってなにかヤーさんと関わりでもあるのか?」

カツオ「そんな事、聞いたこともないや」

カツオ「あんなに真面目なマスオさんだからこそ…有り得ないよそれは…」

中島「そういう人間に限って裏でなにしてるか分からないだろう~」

カツオ「……」

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