弟 「お姉さんだ?」 姉 「お姉サンタ!」 (29)

弟 「……この寒いのにそんな露出過多な格好して風邪ひくなよ姉ちゃん」

姉 「お姉ちゃんじゃありません! お姉サンタです!」

弟 「そうかい」

姉 「そうなんです! だから今サンタの私は風邪なんてひかないんです!」

弟 「なにその超理論、斬新すぎてついていけない」

姉 「……え? イチから説明しないとわからないの?」

弟 「……おい、可哀想なものを見る目で俺を見つめるのをやめろ立場が逆だ」

姉 「いい? お姉ちゃんは今サンタでしょ? お姉サンタでしょ?」

弟 「おい、勝手に説明始めんな、別に説明せんでよろしい」

姉 「お姉ちゃんは今お姉サンタでしょ?」

弟 「だから説明しなくていいk」

姉 「お姉サンタでしょ?」

弟 「おい人の話聞け説明s」

姉 「 お 姉 サ ン タ で し ょ ? 」

弟 「……ウン、ソウデスネ」

姉 「そういう素直な弟が一番好きよ、私」

弟 「姉ちゃんはもうちょい素直な方が好きだよ、俺は」

姉 「で、弟はサンタがどこの国の人か知ってる?」

弟 「なんかフィンランドだったかと昔に聞いたことがある気がする」

姉 「そうフィンランド! 正解! 素晴らしい! やればできるじゃん!」

弟 「……よくわからんけど俺のことを馬鹿にしてるのだけはわかった」

姉 「んなことないない――で、フィンランドって言えば?」

弟 「……いや詳しくは知らないけどなんだろ? サウナとか?」

姉 「は?」

弟 「え?」

姉 「フィンランドといえば『寒い』に決まってるでしょ! オーロラ見れんのよ! 北欧舐めてんの?!」

弟 「いや別に舐めてないけど……」

姉 「ということで残念ながら弟の今晩のおかずが一品ボッシュートです!」

弟 「どういうルールなのこのマジ○ルバナナ……」

姉 「で、フィンランドといえば寒いでしょ?」

弟 「はあ、まあソダネ……」

姉 「ということはサンタはフィンランド人だからこの程度の寒さは夏みたいなもんよ」

弟 「いやいくらなんでもそれは言いすぎじゃ」

姉 「この季節の日本海に簀巻きで投げ込んでも問題ないレベルよ」

弟 「いや、国際政治のレベルで大問題だよ」

姉 「そして今サンタのお姉サンタはフィンランド人と同じであると考えられるわ」

弟 「考えられねえよ」

姉 「つまりサンタ(フィンランド人)であるお姉ちゃんがこの位の寒さで風邪をひくなんてありえないのですよ!」

弟 「キバヤシも裸足で逃げ出すレベルの理論だな」

姉 「どう? これで弟もわかった?」

弟 「うん、つまりサンタである姉ちゃん(馬鹿)は風邪ひかないってことだなわかった」

姉 「わかっていただけたようで何よりです」

弟 「うん、姉ちゃんが何を考えてるのかよくわからんことだけよくわかった」

姉 「まあ随分哲学的な見地――コギトエルゴスム?」

弟 「全然違う、適当に知ってる言葉を言うな」

姉 「……『人』という字をよく見てください――無性に線や点を付け足したくなるでしょう?」

弟 「小学生かよ……どうでもいいけどさ、姉ちゃん」

姉 「ん? なんでしょう?」

弟 「クリスマスにサンタコスしてその安易な発想はお姉さんというよりオバサンのそれだよね」

姉 「?!」

弟 「お姉サンタじゃなくてオバサンタだよね、考え方に若さが足りない」

姉 「?!!」

姉 「ぐすん……ひどい……」

弟 (いつもやられてばかりだしな)

姉 「グスグス……まだお姉ちゃん20代になったばかりなのに……」

弟 (たまにはこれくらいやり返してもバチは当たらんだろ)

姉 「グス……えっと『○○県警 通報』検索っと」

弟 「っておい待てコラ」

姉 「ん?」

弟 「なにキョトンとしてんの?! 何で通報しようとしてんのこの人?!」

姉 「え、なんでってさっき『年齢二桁なんてババアは俺の守備範囲じゃないからサンタコスは小学校低学年に限る』って弟が言ってたから」

弟 「言ってないですよ?!」

姉 「ロリコン誅すべし!」

弟 「俺はロリコンじゃないよ!!」

姉 「最初はみんなそういうのよ、正直に言いなさい」

弟 「なんで痴漢冤罪みたいな状況になってんの?! 弁護士を呼べ!」

姉 「私だってこの忙しい年の瀬にわざわざおまわりさんの仕事を増やしたくないわ」

弟 「警察気づかう前に俺に気づかえ」

姉 「でもね無辜で善良な子供たちの笑顔を守るのはもっと大事なの」

弟 「無辜で善良な俺の人権ももう少し守れよ」

姉 「大丈夫、ロリコンなんて気の迷い――すぐに目が醒めるわ」

弟 「だから俺はロリコンじゃない」

姉 「すぐお姉ちゃんの大人の魅力の虜になるもの」

弟 「いや、それもない、胸もない」

姉 「……は?」

弟 「……いや大人の魅力も何も胸g」

姉 「何? 聞こえない」

弟 「いやその、慎ましやかな胸元が最高に色気たっぷりで魅力的デス……」

弟 「とにかく俺はロリコンじゃないからな――巨乳も好きだし……」

姉 「最後なんか言った?」

弟 「と、とにかく違うから!」

姉 「どうだか」

幼 「いえ違いますよ、弟はロリコンじゃありませんよ」

姉 「…………」

弟 「…………」

幼 「年増が嫌なだけでロリコンでもありません、つまり同い年がいいんですよ」

姉 「相変わらず勝手に会話に加わるわね幼ちゃん」

弟 「その前に勝手に家に入るな幼馴染」

幼 「え? 勝手じゃないよ? 鍵使って入ったもん」

弟 「そうか――なら早くその鍵を返しなさい、今すぐ」

今日お仕事なので寝るんで勝手に使って

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