ちなつ「あかりちゃん、京子先輩って臭くない?」(178)

放課後
教室


あかり「や、やめなよちなつちゃん、本人が居ないからって悪口言ったらかわいそうだよー!」

ちなつ「悪口とかじゃなくとにかく臭いんだって!」

あかり「京子ちゃんは臭くないよ!いや、多少は臭いと思うけど…そんなに?」

ちなつ「何なら、後で近くに行って確かめてみたら?」

あかり「え!?う、うん…」

ごらく部部室


ちなつ「あかりちゃん、さっきの話覚えてる?」

あかり「京子ちゃんが臭いって話?ちなつちゃんがそんなに気になるなんて一体どんな臭いがするの?」

ちなつ「そうね、例えるなら…納豆をくさや汁で煮詰めたような臭いかな」

あかり「どんな臭いなのか想像もつかないよ…」

ちなつ「本当にそのくらいなんだって!特に脇の下の辺りから…」

ドタドタ

二人「!!!」


バターン

京子「ちーなーちゅー!」ムギュー

ちなつ「ふわ…やめてくださいよぉ京子せんぱいー」(臭い…)

あかり「……あはは、相変わらず京子ちゃんは元気だねー」

結衣「お、早いねー二人ともー」

あかり「結衣ちゃん、こんにちわー」

ちなつ「ふわーん!ゆーいせーんぱーい!」ダキッ

結衣「わっ…」(間接的に臭い…)


京子「くそう…ちなっちゅんへ私の愛が届くのはいつなんだ…!」

あかり「あ、あはは…」
(もしかして、ちなつちゃんが京子ちゃんに抱きつかれるのをあんなに嫌がるのって…)
(ちなつちゃんはずっと横目でこっちを見てるし…教室で言われたとおり確かめるしかないのかな…)


あかり「あ、あれー京子ちゃん、背中にゴミが付いてるよー?」

京子「お?まじかい?」

あかり「待ってね、今とってあげる!」
(よーし、これに乗じて臭いを…)スウー

あかり「エンッ!!!」バタン





…カリ!アカリチャン!

あかり「…う、うーん…?」

結衣「よかった、気がついた!」

京子「もー、急に倒れちゃうから心配したんだぞー!」

あかり(そうだ、あかりは…京子ちゃんの臭いを嗅いで…うっ…)

ちなつ「あかりちゃん、ちょっとこっちへ」

あかり「うん…」

結衣「…!」



部室の外


ちなつ「ごめんね、あかりちゃんには刺激が強すぎたみたい」

あかり「ううん、もう大丈夫!でも、京子ちゃんどうしたの?もともとあそこまで臭くはなかったのに」

ちなつ「あたしも原因は知らない…『ただの体臭』で片付けるのも烏滸がましいほどの臭いだし、きっと何か原因があるんだろうけど…」

マルデーウミユキー\デーン/

あかり「な、なにそれ?」

ちなつ「ああ、メール…ゆいせんぱい!?」


ちなつ「なになに…京子せんぱいのことで話があるから、明日の朝二人に部室に来て欲しいって!」

あかり「そっか、結衣ちゃんなら京子ちゃんの事情を知ってそうだよね!」

ちなつ「何より結衣せんぱい直々のお誘いだもん、あかりちゃん、明日朝五時に待ち合わせよ!!」

あかり「は、早すぎじゃない?」


次の日
部室


結衣「ごめん、こんな朝早く呼び出しちゃって」

ちなつ「いえいえ!結衣せんぱいの頼みとあれば!」

あかり「ふああ…ねむいよお…」

結衣「じゃあさっそく本題にはいるけど、昨日あかりが倒れちゃったのって、京子の…その、臭いを嗅いだからだよね?」

あかり「う、うん…京子ちゃん、どうしちゃったの?」


結衣「実はね…あいつ、一年以上お風呂に入ってないらしいんだ」

二人「!!」

ちなつ「ほ、本当ですか!?」

あかり「どうしてそんなことを…?」

結衣「しかもね、もう一つ」

ちなつ「まだあるんですか…」

あかり「もう十分だよお…」

結衣「あいつ、自分のアカを擦って集めてるんだ…!」

二人「!!??」


結衣「わ、私も何でそんなことをしだしたかは知らないんだけど…」

あかり「もう、意味がわからないよお…!なんで京子ちゃんが…」

ちなつ「そ、それって学校でやってるんですか?」

結衣「うん、授業中とか…部室でも時々やってるよ、アカを擦って丸めてタッパーに…」

あかり「タ…」

結衣「もう容器の半分が土気色の物体で満たされてたよ」

ちなつ「うっ…」


結衣「しかも、なるべく汗かいて汚れが溜まるようにか、毎日家の周りを走りこんでるんだよ」

あかり「くさそう」

結衣「プールに行きたがらないのも汚れを落としたくないからかも…」

ちなつ「すごい徹底ぶりですね…」


結衣「でも、あそこまで必死にアカを集めるのにはきっと何か理由があるんだよ」
「自分が臭いことには気づいてなさそうだし、臭いってことを出来れば本人には言わないであげて」

ちなつ「は、はい!」
(結衣せんぱい、なんて優しいの…!)

あかり(結衣ちゃん…それは友情という名のlose-loseだよ…誰にとっても拷問だよ…)


その日の放課後
部室


京子「いやー今日もあっついねー」パタパタ

ちなつ「そ、そうですねー」
(扇ぐな…くっせぇから…)

あかり「うん、ほんっと暑いねー」
(暑さと臭さでフラフラだよお…)

結衣(ごめんね二人とも…どうか我慢してくれ…)


京子「あーいい汗かいたわー」ゴソゴソ

ゴト

パカ


ムワァー

あかり(!!この身の毛のよだつ程猛烈な臭気は…!)

ちなつ(あれが…アカタッパー!)

結衣(ついに二人の前で出す程なりふり構わなくなったか…!)


あかり「そ、そういえば定期テストの点数どうだった?」

ちなつ「あ、あたしは大体この前と変わってないかなー」

結衣「私も、あ、でも国語はちょっと下がったかな」
「京子はどうだった?」


京子「わたしもいつも通りだよー!」コスコスコス

ちなつ「で、でもまた一夜漬けですよね?すごいです!」
(擦ってる…脇の下をひたすら擦ってる…!)

京子「ふふん、まーねー」ネチョネチョネチョ

あかり「それで学年一位なんて、ほんと尊敬しちゃうよー!」
(練ってる…アカの塊を顕現させてるよ…!)

結衣(そしてそれをアカタッパーに…)

京子「そんなに褒めるなってー」パク

三人(食った!!)


結衣(あの顔はどうやら…タッパーで保存するつもりがつい食べちゃったみたいだな)

あかり(あんな失敗の仕方見たことないよ!)

ちなつ(でも、すごく幸せそう…!)

三人(まさか、まとめて食べるためにアカを貯めて…!)

モワリーン

三人(!?これは…!熱で蒸れた京子とアカタッパーから…鬼のような臭いが…)バタバタバタ

京子「みんな、お昼寝かー?」


数日後の放課後
部室


ちなつ「おかしい…昨日から先輩が急に臭くなくなった…」

あかり「程よい臭さに戻ったよね、どうしたんだろう?」

ガチャ

結衣「おーす、やっぱり京子の話?」

ちなつ「結衣せんぱい!」

あかり「うん、臭くなくなったのはいいんだけど、前が前だけに逆に心配で…」


結衣「そうだよね、二年の間でも噂になってるよ」

ちなつ「臭くなくなったことがですか…」

あかり「ちゃんとお風呂に入るようになったってことなのかなあ…?」

ちなつ「そういえば、結衣せんぱい京子せんぱいと一緒に来なかったんですか?」

結衣「ああ、『ちょっと準備があるから、先行ってて』だって」

あかり「な、何の準備だろう…」

結衣「シッ、京子が来たよ!」


ガチャ

京子「やーやー、皆さんお揃いでー」

あかり「きょ、京子ちゃん、こんにちはー!」

結衣「あれ?京子、その白い箱は何?」

京子「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれました」


京子「じつは、みんなに特製ケーキを作ってきたんだよー!」

ちなつ「そ、そうなんですか…!」

あかり「わあいケーキ あかりケーキ大好き」

京子「じゃ、結衣、あけてあけて!」

結衣「う、うん…」
「……」

パカ


ジャジャーン

結衣「うわあ…おいしそうだね」
(確かに見た目は綺麗だけど…)

ちなつ(なんかデジャヴ…嗅覚的な意味で…)

あかり(こ、この悪臭は…!)

京子「じゃあ切り分けるよー」スッスッ

京子「はい!みんな食べちゃってー!」


結衣(!!この死人のような色の断面は…間違いない!)

ちなつ(完全に入ってますね…アカ…)

京子「ささ、食べた食べた!」

結衣(どうしよう…)

あかり(あかりこんなの食べたら死んじゃうよお…)

ちなつ(どうにかして回避しないと…!)

三人(誰か…助けて…)

ドッカーン!


綾乃「とぉしのーきょーこー!」

千歳「おじゃまします~」

三人(救世主だ!)

結衣「ちょうど良かった、二人とも、京子が作ったケーキ食べていかない?」

ちなつ(結衣せんぱい…なかなか酷いですね)

あかり(偽善で塗り固められた人間が自己保身に走る姿…滑稽なものよ)


京子「うん、二人も食べてってよー!」

千歳「ええのん?」

綾乃「しょ、しょーがないわねー!食べてあげてもいいわよ」

ちなつ「は、はい、どうぞ」コト

四人「ゴクリ…」

綾乃「ありがとう、じゃあいただくわ」

千歳「いただきます~」

パク
パク


綾乃「ンホオ゛オオオ!ウ゛ェィヒィイイ゛ィイイイ゛イイ゛イイイイ!!!!」ガクガク

千歳「ホンマ゛ヤア゛アァアアアアア!!!!!ォィヒィ゛イィィィイ!!!!」ブシャアァアア

三人「えっ!?」

京子「ほ、ほんと?」


綾乃「モ゛ット!!モッドホシィ゛ノオオオォオ゛ォォォオ゛オォオオ!!!」バクバクバクバクバク

千歳「ンマ゛イ!ン゛マイデエエェエエエ゛エエエェエ゛エッ!!!!!!!!!」ビクンビクン

京子「じゃ、じゃあ私も味見を…」パク

京子「ン゛ッヒイ゛ヒヒイイイ゛イン!!!!アヒイイ゛ィィイィイイ゛イイイイン!!!!!!!!」ジョバーー


あかり「あのアカ入りケーキが…そこまで美味しいの…」?

ちなつ「じゃ、じゃあ…私も一口…」

結衣「ダメだ!それを食べたら京子たちみたいに…」

京子「ユイ゛モタベデヨ゛ォオオホオ゛オンホンホンホンホオ゛オオォ゛オオオン゛ン゛ン゛ン゛!!!!!」

結衣「うわっ…嫌だ…嫌っ」

パク


結衣「ンンン゛!!!シュゴイ!シュゴイ!シュゴイ!シュゴイ!シュゴイ!ヴォイヒイ゛イインン!!!!!!!!!!ンハア!!!」

ちなつ「あわわ…結衣せんぱいまで…」

京子「アガリモ゛ヂナツヂャンモタベベテテベエ゛エエエテテェェエ゛エエヘエエ゛エェエエエ!!!!!!!!イ゛ヒイイ゛イィイン!!」

ちなつ「ちょっ…」

あかり「きゃー!」

パク
パク



あかり「ヘイヘイヘイヘイヘイヘーイwwwwwwwww」

千歳「アィヤ゛ィヤイヤ゛イヤイィイ゛イイ゛ンンンホオ゛オオォオ゛!!!!!!!オオッブルウ゛ウゥウウゥンン゛ンン!!!!!!!」

結衣「ブリュラァ゛アアァア゛アアン!!!!ラブルウゥウウ゛ウゥウウ゛リイイイ゛イィイイ゛インンン!!!!!!!」

ちなつ「グリュロロッロ゛ロロ゛ロッロゥゥゥゥゥウウ゛ウウウ゛ウンンッホオ゛オオオオ゛オオ!!!!ブッハア゛アアァァアア゛アン!!!!」」

京子「ヴァラオ゛イアオイア゛ホオォオ゛オオ゛ルルル゛ルルルル゛!!!!!!!!!!!!ン゛フンン゛ンンィヒイイ゛ンン!!」

綾乃「ノロロロ゛ロロ゛ッルルル゛ルルウウウ゛ウンンンウィヒイイイ゛ィイヒ゛イイ!!!!!!ブルウルルウウ゛ゥウウ゛イッヒーーー!!!!!」




おわり

荒れてきたから早めに終わらせた
見てくれてありがとう

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