まどか「死語の世界」 (59)

まどか「うーん、どうしようかな」

さやか「? まどか、何悩んでいるの?」

まどか「実は、今度東京に住んでいる親戚の女の子が遊びに来るんだよ……。
やっぱり今時の女子中学生っぽい会話とかしないと話が盛り上がらないのかな、と思っていたんだけど
私そういうの詳しくなくて」

さやか「なるほどね! そういうことならさやかちゃんが教えてあげよう!
私、流行には結構うるさいよ?」

まどか「ほ、本当!?」

さやか「うん! 私に任せておけばバッチグーだよ」

まどか「ば……? なにそれ」

さやか「そんなことも知らないの? ばっちりグッドの略だよ!」

まどか「わあ、なるほど! さやかちゃん、流石! 他にもいろいろ教えてよ!」

さやか「いいよ!」

……

さやか「いい? まどか。何か食べるときには?」

まどか「いただきマンモス!」

さやか「何かやらかしちゃったときには?」

まどか「許してちょんまげ!」

さやか「びっくりした時には?」

まどか「げろげろ~」

さやか「完璧だよ! まどか」

まどか「ふふふ。これで私もナウいヤングの仲間入りかな?」

さやか「ロンもちだよ。バカ受け間違いなしだよ! 原宿の竹の子族も真っ青だね!」

杏子「……おまえらさっきから聞いてりゃ、なんちゅう古臭い会話してるんだ」

まどか「杏子ちゃん! ふ、ふるい?」

さやか「えっ」

杏子「さやかがさっきから教えていたのは30年近く前の流行語だろう。
今時そんな言葉で話している奴いねえよ」

まどか「うそっ! まさに 大! ドン・デン・返し!?」

さやか「ご、ごめん。まどか。
あたしが教えていたの、前に東京から来た親戚のおばさんが言っていたやつだから
結構古かったのかも……」

まどか「えっ」

さやか「でも(エグッ)わたし、まどかの役に立ちたくって(ヒクッ)」

まどか「な、泣かないでよ。さやかちゃん。
その気持ちだけで十分嬉しかったから、ね?」

さやか「ううっ。まどかは優しくていい子だなぁ」

まどか「ねえ、杏子ちゃん。杏子ちゃんはもしかして流行語とか詳しかったりするの?」

杏子「ま、こう見えてもあたし結構、繁華街出入りしているしなぁ。
流行には敏感だぜ?」

まどか「本当? おねがい杏子ちゃん。教えて!」

杏子「へへ。いいぜ。礼にハンバーガーでもおごってくれりゃチョベリグなんだけどな」

まどか「ちょ……? なにそれ」

杏子「超ベリーグッドの略だよ」

まどか「わあ、なるほど! 杏子ちゃん、流石! 他にもいろいろ教えてよ!」

杏子「おお、いいぜ!」

……

杏子「いいか、まどか? テンションが高いと思ったら?」

まどか「わたし超ブチアゲ!」

杏子「白ける気分の時は?」

まどか「ホワイトキックって感じ!」

杏子「むかついた時は」

まどか「MK5!」

杏子「完璧だぜ! まどか」

まどか「ふふふ。これで私もコギャルの仲間入りかな?」

杏子「おお。アムラーやシノラーも真っ青だぜ!」

マミ「……あなた達さっきから聞いていれば、いつの時代の会話をしているの?
古すぎて耳にカビが生えそうだわ」

まどか「マミさん!? 古いんですかコレ?」

杏子「えっ」

マミ「佐倉さんがさっきから教えていたのは20年近く前の流行語でしょう。
鹿目さんに大恥かかせるつもり?」

まどか「うそっ! 超BM(バカ丸出し)!?」

マミ「まったく。あなた達古過ぎてグランドワロスね」

まどか「えっ、グラ…?」

杏子「な、なんだよいきなり現れてっ」

マミ「オマエモナー」

まどか「!??!?」

力士、巴真実さん(15)。

  ,'.:       〃 ,:1  ,  __/  // /         } ,     ',
__彡ァ       乂_ノ :!  ,′ ./ ̄/7=‐.、__ノノ     ,'∧      '
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_彡'厶イ./iヽ,′   |:::∧ {?Y//             ア:::抃、 |    /
       / i|:::{:     `(( .?Y .))       ‘     弋匕Zっ    /
     /  ∨:、     }}_口_{{     ,_-‐- 、      / //
.    i.|   ∨:\ .γ´,...-‐-ミメ、 └‐―-、、、    .辷´五ニ=一、
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-‐…‐-'_ヾ   / l l. {::::::::::::} l l≧:.. ___.... -‐=¬=-、― _....___〉

  /¨,-‐… 7 . 八圦 `‐-‐' ,' 厂`Y   /        `ヾ´/////

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\! .Уヽ   (./ ./:::::::::::::◯:::::::::::::!  / ∧/ , -‐-、. \        〈‐‐-、 j
. /   ヾ .〈  ヾ::::::::::::::::::::::::::::::! 入 _〈_/    \ \       ∨_)'
――――「お菓子が脂肪を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!!」

テレビアニメ「脂肪少女まみか☆デブガ」の登場人物で、力士。愛称は「デミ」。(「マブ」のタイプミスとの説も)。
デブという設定は当初から明らかにされていなかったが、
その見事な肢体のパンパン張りと肉の垂れ下がり、直ぐに発砲する高血圧特有の気性の荒さ、そして腹の太さに痛々しいまでの厨二病っぷり、肥満のヲタクファンからは「同胞ではないか」と言われていた。
好きな物は三食のケーキ。特技は三食ケーキ。三食ケーキ。すりーけーく。ティロ☆フィナーレ。

杏子「す、すまん。まどか。
あたしが教えていたの、むかし東京から来た知り合いの姉ちゃんが言っていたやつだから
結構古かったのかも……」

まどか「えっ」

杏子「まさか、もう使っていなかったなんて……」(ションボリ)

まどか「落ち込まないでよ。杏子ちゃん。
教えてもらうようにお願いしたの私だし。杏子ちゃんは悪くないから……」

杏子「ううっ。まどかは優しくていいやつだなぁ」

まどか「ねえ、マミさん。マミさんはもしかして流行語とか詳しかったりするんですか?」

マミ「自分で言うのもなんだけれど、まあ流行には敏感な方だと思うわ」

まどか「本当? おねがいマミさん。教えて!」

マミ「いいわよ?
まあ私はそこの二人みたいな、なんちゃって今時ギャルとは違うから。
ちゃんと教えてあげるわ」

まどか「ナ……? 何ですか? それ」

マミ「本当は違うのに、そういうふりをしてみせる人の事よ」

まどか「わあ、なるほど! マミさん、流石です! 他にもいろいろ教えてください!」

マミ「ふふ、いいわよ!」

……

マミ「いい、鹿目さん、お腹がすいた時には?」

まどか「ペコキュー!」

マミ「はしゃいでるなと思ったら?」

まどか「はっちゃけてるぅ!」

マミ「率直に言う時には」

まどか「ぶっちゃけ!」

マミ「完璧よ! 鹿目さん!」

まどか「ふふふ。これで私もアゲアゲなJCの仲間入りですかね?」

マミ「ええ。メチャイケよ! 
鹿目さんなら渋谷歩いていたらアリージョ系モデルにスカウトされちゃうかもね!」

ほむら「……あなた達さっきから聞いていれば、また微妙に遅れてる会話しているわね
ちょっと聞いていて恥ずかしいんだけれど」

まどか「ほむらちゃん!? 遅れてる?」

マミ「えっ」

ほむら「マミがさっきから教えていたのは数年前の流行語でしょう。
今でもまあ意味は通じるだろうけどだからこそ、だからこそかえって古臭く感じるわね」

まどか「そんな! ありえないんですけど!?」

マミ「……ご、ごめんなさい、鹿目さん。
私が教えたの、小さいころに見たTVの特集で覚えた言葉だったから」

まどか「……い、いいんですよ、マミさん。
別に悪気があったわけじゃないんですから」

マミ「鹿目さんは良い子ねぇ」

まどか「ああ、それにしても
私たちグンマー県民が今時の流行に合わせるのは無理があるのかなぁ。
そうだ! もしかしてほむらちゃんなら、
おしゃれだし可愛いし流行語とか詳しいんじゃないかな?」

ほむら「えっ」

まどか「どうかな? もし詳しかったらいろいろ教えてほしいんだけど、ダメ?」

ほむら(どうしよう。まどかが期待するような目で私を、見ている)

ほむら「……も、もちろん大丈夫よ、ええ」

まどか「本当? それじゃあ教えてよ!」

ほむら「ええっとね、………………テラワロスとか」

まどか「て? 何それ」

ほむら「……ものすごく笑っちゃうような面白い事という意味よ」

まどか「へえ、なるほど! 他にも教えてよ!」

ほむら「ええ、いいわよ」

……

ほむら「いい、まどか。何か欲しい時には?」

まどか「キボンヌ」

ほむら「相槌を打つ時には?」

まどか「禿同」

ほむら「テンションが下がった時には?」

まどか「鬱だ氏脳」

酷過ぎ

ほむら「完璧……よ。まどか」

まどか「わあい! これで漏れも今時のリア充の仲間入りだお! デュフフ!」

さやか「……ちょっと待って、あんたたち」

杏子「それ、流行語じゃなくてネットスラングなんじゃないのか?」

マミ「しかも今時使っている人があまりいない古い奴よね。それ」

ほむら「えっ」

まどか「ちょw、おまwwww」

ほむら「そんな! 
私この間、VIPで今時の流行語を教えろってスレッドを立てたら
みんな、今みたいな言葉を親切に教えてくれたわよ?」

さやか「……それ、情報源として最も信用してはいけないところなんじゃないかな」

杏子「そもそも、ネットスラングをリアルで口走ること自体痛々しいと思うぞ」

マミ「ええ、たぶん使っていたら引かれちゃうと思うわ」

まどか「ガーン」

ほむら「……」

ほむら「ご、ごめんなさい、まどか。私が教えたこと全部無駄だったみたい」

まどか「い、いいんだよ。私の方から無理に頼んだんだから。
それに、さやかちゃん達に教わったのだってもしかしたら
今でも通じるかもしれないし。
私、頑張ってみるよ!」

さやか(……まどか)
杏子(大丈夫かなぁ?)
マミ(上手くいくといいけど)

数日後

親戚の子「久しぶり! まどかちゃん」

まどか「こんにちは! その恰好マブいじゃん!」

親戚の子「」

まどか「やっぱり、東京の子はシロガネーゼって感じで格好いいね。
アッシーくんとかメッシーくんがいてもおかしくない感じだよ!」

親戚の子「……ぷ、くく…………」

まどか「?」

親戚の子「あはははははは! まどかちゃん、何その変な言葉!?」

まどか「!」

親戚の子「今時シロガネーゼとかないわ。というかアッシー君って何?
あははははは!」

まどか「う、ぐぐ」

親戚の子「?」

まどか「うわああああああん!」

親戚の子(あ、泣いてる)

まどか「私だって、今時の東京の若者の会話に合わせようと思って頑張ったんだもん!
なのに、そんなに笑うことないじゃない!」

親戚の子「あ、いや、ごめん」

まどか「あなたなんか、『逝ってよし』だよ!」

親戚の子「!!」

まどか「?」

まどかの困惑する表情最高だな

親戚の子「オ、オマエモナー」

まどか「!……ぬ、ぬるぽ」

親戚の子「!…………ガッ」

まどか「わ、ワクテカ」

親戚の子「き、キタコレ」

まどか「……」

親戚の子「……」

いつだってほむほむが正しい

まどか「ほむらちゃん、ありがとう!
ほむらちゃんに教わった言葉のおかげで親戚の子と仲良くできたよ!
ほむらちゃん、大好き!」(チュッチュッ)

ほむら「やったぜ」

さやか「……つまりどういうことだってばよ?」

杏子「東京の子ではなく「東京の方」からきた親戚という可能性も微レ存」

マミ「でも、うまくいってよかったわ(小並感)」

QB「君たちのつかっている言葉……訳が分からないよ!」

おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月20日 (金) 03:49:59   ID: NooSRmKu

テラワロスwwww

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