八幡「雪ノ下か由比ヶ浜か…」 (236)

-奉仕部部室-

ガラッ

八幡「ういっす」

雪乃「あら?珍しい動物が入ってきたわ」

八幡「会ってそうそう人を珍獣みたいな目で見るの止めてくれ」

雪乃「そう、勘違いだったかしら?まぁいいわ、今日は由比ヶ浜さんと一緒じゃなかったの?」

八幡「ああ、あいつは…ほら?クラスの連中と何やら話し込んでてさ」

雪乃「ごめんなさい。つまらないことを聞いて…」

八幡「人を憐みの目で見るな」

雪乃「ふふ、冗談よ」

八幡(最近、雪ノ下の機嫌がいい。何がいいかって、良く喋ることだ)

―――――
―――

ガラッ

結衣「やっはろー」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

八幡「……」

結衣「って、ヒッキー無視しないでよ!」

八幡「ああ、わりい…聞こえなかったもんで…」

結衣「絶対嘘だ!もう!」プンプン

――――
―――――――

結衣「はぁ…今日も何も来なかったね」

雪乃「そうね…」

結衣「ねえ、明日休みだしさ、たまには三人でどっか寄り道しようよ」

八幡「え…」

結衣「ヒッキー今、嫌だなって思ったでしょ!」

八幡「なぜ分かった。それに分かっててなぜ聞く?」

結衣「もう!いつもそうやって逃げるんだから!今日はちゃんと付き合ってよね!」グイッ

八幡(む…胸が……)

八幡「ちょ、近いって…///」チラ

結衣「じゃあ付き合ってよね!…って変なとこ見ないでよ!」

八幡「いや…それはお前が……」

結衣「で、どっちなの!」グイッ

八幡「ああ!もう、分かったから!離れろ」

結衣「最初からそう言えばいいのに、素直じゃないんだから」プイ

八幡(はぁ…)

結衣「ゆきのんも行くよね?」

雪乃「ごめんなさい…今日は都合が悪いの」

結衣「そっか…」

雪乃「また今度誘ってくれるかしら?」

結衣「うん!楽しみにしてるよ」

八幡「じゃあ、俺も帰りますか……」コソコソ

雪乃「比企谷君!」

八幡「はい!」ビク

雪乃「私の分も楽しんできてね」ニコ

八幡「……はい」

――――
―――


結衣「ヒッキーどこ行こっか?」

八幡「何も考えてないのかよ…」ハァ

結衣「何さ!ため息何てついちゃって」

八幡「いや…だってよ…こういうのって考えてから誘うもんじゃねえの?」

結衣「べ…別に、友達誘うのにいちいち理由なんていらないじゃん」

八幡「そういうもんかねぇ…」

結衣「そうそう。だからヒッキーは友達少ないの」

八幡「悪かったな。どうせ俺は…」

結衣「べ、別にそういう意味じゃ…」

八幡「冗談だよ」

結衣「もう!」

八幡「で、どうすんだ?」

結衣「そうだね…ホントはゆきのんも来ると思ってたからさ」

八幡「なら、適当に時間つぶして帰るか?」

結衣「…そうだね」

八幡「……」

結衣「……」

八幡(何だ?この空気…)

結衣(何だか、気まずくなっちゃった…)

八幡「なぁ」

結衣「へ?呼んだ?」

八幡「あそこ…入るか?」

結衣「ドトールコーヒーか。うん、あそこにしよ」

―――
――

イラッシャイマセー ゴチュモンドウゾー

八幡「ええっと……俺はホットコーヒーで」

結衣「じゃあ私も同じものお願いします」

八幡「へぇ…」

結衣「何?今なんか失礼な事思ったでしょ?」

八幡「いや、別に。ただ…もっとこうアホっぽいもの頼むもんだと…」

結衣「やっぱり!ヒッキーのアホ!バカ!」

八幡「悪かったよ…」

結衣「もうヒッキーの奢りだからね」プイ

八幡「分かった分かった。だから機嫌直せ」

結衣「ふん!先に席行ってるから」

八幡「へいへい」

八幡「はいよ」

結衣「……」プイ

八幡「まだ怒ってんの?」

結衣「当たり前だよ…私だって怒る時は怒るんだから…」

八幡「ならどうしたら機嫌直してくれるんだ?」

結衣「……今度」

八幡「ん?今度?」

結衣「今度…ヒッキーがどこか連れて行ってくれるなら」

八幡「どこかってどこがいいんだ?」

結衣「そんなのヒッキーが考えてよね」

八幡「……分かった。考えとく」

結衣「絶対だよ?」

八幡「あぁ」

結衣(やった!)

結衣「しょうがないな、今回は許してあげる」

八幡(はぁ…いらん事言うもんじゃ無いな)

八幡「あれ?外歩いてるの同じクラスの奴じゃね?」

結衣「え?ホントだ」

八幡「俺、隠れた方がいいか?」

結衣「え?どうして?」

八幡「そりゃ、同じ部活だって分かってても、二人っきりで居てる所見られるの嫌じゃないのか?」

結衣「全然嫌じゃないよ。ってか、ヒッキーの方が気にしすぎ」

八幡「あ、行ったみたいだ」

結衣「……」

結衣「ねぇ?」

八幡「ん?」

結衣「ヒッキーは私と居る所、誰かに見られたくないの?」

八幡「そういう訳じゃ…ほら?俺ってクラスじゃ嫌われもんだしさ、嫌われもんと一緒にいたらお前の方が困るんじゃないかって…」

結衣「私はヒッキーの事嫌いじゃないよ」

八幡「……」

結衣「ヒッキーがそんな事気にしないでよ。私は大丈夫だから」

八幡「…なぁ?」

結衣「ん?」

八幡「どうして俺にそこまで構うんだ?」

結衣「そ、それは…」

八幡「お前ってクラスの他の男子に誘われてもいつも断ってるじゃん」

結衣「……」

八幡「それなのに俺とは二人っきりで…」

結衣「ヒッキーさぁ……そういう事聞く?」

八幡「……」

結衣「私はいたいからいてるの。それだけ」

八幡「……」

結衣「今日はもう帰ろっか?」

八幡「ああ…」

結衣「何かしんみりしちゃったね」

八幡「…悪かったな」

結衣「ああ、もう!いいんだって!それより!」

八幡「ん?」

結衣「ちゃんと考えててよね!」

八幡「かんがえ…?」

結衣「さっきの約束!」

八幡「…分かった」

結衣「絶対だよ」

八幡「分かってるって」

結衣「絶対だかんね。じゃ、私こっちだから」

八幡「ああ、またな」

結衣「うん。ばいばいヒッキー」ブンブン

――――
―――


八幡(はぁ…妙な事になってきたな……)

あっれー?

八幡「ん?」

陽乃「やっぱりだ。比企谷くん」

八幡(このタイミングで…)

陽乃「今帰り?」

八幡「見て分かりません?」

陽乃「ふーん…まぁいいや……」ジー

八幡「…何ですか?」

陽乃「比企谷君、明日暇でしょ?付き合ってくれない?11時に駅前のモールに集合ね」

八幡「どうして俺が暇な事前提で聞いて来るんですか?こう見えても忙しいんですよ」

陽乃「そう?それは残念…」

八幡「それじゃ俺は帰りますんで」

陽乃「うん。気を付けてね、って比企谷君」

八幡「はい?」

陽乃「さっきの子……何が浜さんだっけ?」

八幡「…由比ヶ浜ですけど、それが?」

陽乃「そうそうガハマちゃん。それで、二人っきりで何してたのかな?このこのっ!」ツンツン

八幡「別に…何もないですよ。ってやめて下さい」

陽乃「ふーん……何もないんだ。ふーん」

八幡「……」

陽乃「なら良かった。もし二人が付き合ってるんなら雪乃ちゃん、寂しいだろうな……ってね」

八幡「なんで雪ノ下が…」

陽乃「もう、知ってるクセに」

八幡「さぁ?大体、雪ノ下さんは関係ないじゃないですか」

陽乃「そうだね。関係ないね」

八幡「じゃあ、どいてください。帰りますんで」

陽乃「たまにいるんだよね。相手の好意を素直に受け取れない人って…」

八幡「…何のことですか?俺、急ぐんで」

陽乃「そうそう、私の知り合いにね、二人の女の子から好意を持たれた人がいたの。でもね、その人は今の環境や人間関係を壊したくないの。だから、いつまでも二人の好意を受け取らず現状維持を続けようとした」

八幡「……」


陽乃「それでどうなったと思う?」

八幡「……さぁ」

陽乃「結局その人、自分が大切にしてきたもの全て失う羽目になったの。笑っちゃうよね」

八幡「……」

陽乃「比企谷くんはどうかな?」

八幡「……明日、11時に駅前モール」

陽乃「うん。待ってるね」ニコ

八幡「……」

八幡(何でこう、いつも会いたくない時に現れるかな…)

-翌日-

八幡(あぁ、だりぃ…)

八幡「もう11時じゃねえか…自分から呼んでおいて遅刻かよ…」

あら?比企谷君?

八幡「え…?」クル

雪乃「なぜ、あなたが?」

八幡「なぜって、それは俺が聞きたいわ」

雪乃「私は姉さんに無理やり…」

八幡「……俺もだ」

-翌日-

八幡(あぁ、だりぃ…)

八幡「もう11時じゃねえか…自分から呼んでおいて遅刻かよ…」

あら?比企谷君?

八幡「え…?」クル

雪乃「なぜ、あなたが?」

八幡「なぜって、それは俺が聞きたいわ」

雪乃「私は姉さんに無理やり…」

八幡「……俺もだ」

ひゃっはろー

雪乃「姉さん……これはどういう事?」

陽乃「どういう事って、こういう事。いいじゃん皆で遊んだ方が楽しいでしょ?」

雪乃「はぁ……」

陽乃「比企谷君もいいよね?」

八幡「こんな事だろうと予感はしてましたよ…」

陽乃「うん。察しが良くて宜しい」ポン

陽乃「じゃ、行こっか」

八幡「行くってどこにですか?」

陽乃「そうね、まずはお昼ご飯でも食べよっか」

陽乃「比企谷君、パスタでもいい?」

八幡「ええ、いいっスよ」

陽乃「では」

――――
―――


陽乃「比企谷君、好きな物頼んでいよ。お姉さんの奢りだから」

八幡「いえ。自分の分は自分で払います」

陽乃「あはは、言うと思った」

八幡「……」

雪乃「姉さん、あまり比企谷君を……」

陽乃「あっれれー?雪乃ちゃんどうしたの?もしかして……」

雪乃「バカな事言わないでちょうだい」

陽乃「まぁいいや。それにもう料理の方も来たし食べよっか」


~食後~

陽乃「はぁ、美味しかったね」

雪乃「そうね。美味しかったわ」

陽乃「ごめんね二人とも、少し席外すね」

雪乃「全く…いつも姉さんの気まぐれには…」

八幡「なぁ、雪ノ下。お前、雪ノ下さんに何て言われて来たんだ?」

雪乃「別に……ただ、たまには姉に付き合いなさいって……そういうあなたは?」

八幡「……似たようなもんだ」




陽乃「二人ともお待たせ」

雪乃「姉さん、これからどうするの?」

陽乃「あぁ……二人ともごめんね。私、急用ができちゃったの」

八幡「……」

陽乃「それで、後は二人で楽しんできて」

雪乃「それならもう帰る…」

陽乃「雪乃ちゃん」ピッ

雪乃「何?」

陽乃「今日ねここで世界のネコと触れ合うイベントやってるの。これはそのチケット」

雪乃「!」ピク

陽乃「せっかくだし行って来たら?勿論、比企谷君も」

八幡「……」

雪乃「そ、そうね……せっかくの休みにここまで来たんですものね」

陽乃「じゃ、そういう事だから比企谷君、後はよろしくね」

八幡「全て予定通りですか?」ボソ

陽乃「ん~?何の事かな?それじゃ私行くね」

陽乃「あっ、そうそう、雪乃ちゃん」チョイチョイ

雪乃「何かしら?」


陽乃「雪乃ちゃん、頑張らないと駄目よ。比企谷君攻略するの大変そうだし」

雪乃「何の事?」

陽乃「もう、分かってるでしょ?お姉ちゃんは雪乃ちゃんの味方だからね」

雪乃「……」

陽乃「それじゃ、私行くから」

陽乃「バイバイ、比企谷君」

八幡「雪ノ下どうする?」

雪乃「そうね、私は行っても構わないけど…」

八幡「そうか…じゃあ行くか」




八幡「ここでやってるのか……ってあれ?雪ノ下?」




~~~ゆきのんお楽しみ中~~~




八幡「俺はあっちで楽しんでくるか…」

――――――
――――
――


雪乃「お待たせ、比企谷君」

八幡「おう、楽しかったか?」

雪乃「ええ…コホン、まぁまぁね」

八幡「そっか…じゃ、帰るか」

雪乃「その前に寄りたい所があるのだけれど」

八幡「ん?何か買うのか?」

雪乃「ええ。あそこでお土産も売ってるのでついでに」

八幡「何々……今日来ているネコのぬいぐるみか…」

雪乃「なにか?」

八幡「いや、俺も小町に買っていくよ」

雪乃「そう。では行きましょ」

-ネコグルミショップ-

八幡(ふーん、結構しっかりできてるんだな)

雪乃「……」ジー

八幡「これにすっか。そっちは決まったか?」

雪乃「……」サワサワ

八幡「……」ジー

雪乃「……」グニグニ

雪乃「ん?なに?」

八幡「いや…何も…」

雪乃「そう。もう少し待ってもらえるかしら」

八幡「まぁ、じっくり選ぶんだな」

小町「やっぱりお兄ちゃんは渡せないかな!」

???「あれ?雪ノ下さん?」

雪乃「あなたたちは…」

クラスメイト「はい。こんな所で雪ノ下さんに会えるなんて」

八幡「……」

クラスメイト「あの…そちらの方は……」

雪乃「彼は同じ部活の部員よ」

八幡「…どうも」

クラスメイト「…」ペコ

雪乃「……」

クラスメイト「じゃあ私たちはこれで…」

雪乃「ええ。また学校で」

八幡「今の同じクラスの?」

雪乃「そうよ。それより…あなた、もう少しまともな挨拶もできないの?」

八幡「悪かったな…生憎、これが俺なりの精一杯なんでな」

雪乃「はぁ……比企谷君」

八幡「まだ何か?」

雪乃「背筋を伸ばす」

八幡「へ?」

雪乃「いいから」

八幡「……」グイ

雪乃「それから顎をひく。正面をまっすぐ見る。他にはなにも考えずに自分の前の道を…そう、道が開けているように…」

八幡「…」キリッ

雪乃「やればできるじゃない」

八幡「ふん。こんなの俺じゃねーよ」

雪乃「そうね。あなたらしくは無いわね。さぁ、帰りましょ」

八幡「へいへい」

――――
――

~その夜~

プルル

八幡「ん?見慣れない番号だな…」

八幡(いつもの俺なら出ないだろうが、今日は出ないと嫌な予感がする…)

ピッ

八幡「……はい」

陽乃『比企谷君?』

八幡「はい」

陽乃『ひゃっはろーって言いたいところだけど、もう遅いもんね』

八幡「何の用ですか?」

陽乃『あれ?私が君の番号を知ってることに何も突っ込まないんだ』

八幡「無駄なことはしないんでね」

陽乃『あはは、そうだね。キミらしいね』

八幡「で…要件は?」

陽乃『そんなに警戒しなくったって大丈夫だって。今日の感想を聞くだけだから』

八幡「あれからイベントに行って帰ってきただけです。雪ノ下さんが期待してるような事は何もないですよ」

陽乃『…そう。残念』

八幡「……」

陽乃『ねえ、比企谷君。キミはから見て雪乃ちゃんはどうなの?それともガハマちゃんの方が…』

八幡「何の事を言ってるんですか?もう用は済んだので切りますね」

陽乃『付き合う、付き合わないにしろ、このまま答えを出さずにそのままって事は止めてあげてね。女の子はそれが一番傷つくから…』

八幡「……」

陽乃『きっとガハマちゃんも同じだよ?』

八幡「……」

陽乃『それじゃね。今日はありがと』

ツー ツー

八幡「……」

八幡(答えか…)

八幡(俺の中の答えはもう……)

~翌週~

結衣「あ、ヒッキー、やっはろー」

八幡「…うす」

結衣「まーた、だるそうな顔してる」

八幡「月曜日はこんなもんだ。ちなみに、一番だるいのは水曜日だ」

結衣「どうして?いいじゃん水曜日」

八幡「お前は何も分かっちゃいないな。いいか、月曜日がだるいのは仕方がないにしろ、水曜日なんか、週の真ん中だ。辛い月、火と乗り越え、やっと三日が過ぎようって時にまだ二日も残ってるんだ。こんなにもだるいと思う事はないだろ?」

結衣「ちょっと、何言ってるか分かんない」

八幡「はぁ…だからお前は……って、由比ヶ浜」

結衣「なに?」

八幡「この前の事だが…」

結衣「うん。私はいつでもいいよ」

八幡「なら、今日はどうだ?」

結衣「え?」

八幡「予定あったか?」

結衣「ううん。ない、全然ない」

八幡「なら、依然お前が言ってた、ハニトーってやつ…食いに行くか?」

結衣「うん!あ、でもゆきのん…」

八幡「それなら大丈夫だ。さっきあいつから今日は部活は休みって聞いた」

結衣「そうなの?それなら楽しみにしてるね」

八幡「ああ、また放課後」

結衣(やった!ヒッキーとデートだ!)

八幡(悪いな…けじめだけは付けさせてもらう)

~放課後~

~パセラ~

八幡「そいやカラオケのハニトーって言ってたっけ…」

結衣「なに?何か不満?」

八幡「カラオケっていっても俺歌わねえし」

結衣「ええ、いいじゃん歌おうよ」

八幡「だいいち俺、お前らが歌うような曲何て知らねえし」

結衣「むぅ……じゃあヒッキー、何なら知ってるの?」

八幡「そうだな……プリキュア?」

結衣「ヒッキーキモい」

八幡「キモいとか言うな。大体お前、見たことあんのか?」

結衣「あるよ!一応。ちょっとだけ…」

八幡「そのあるは、番組変えてる途中に映った、ほんの数秒って言わないよな?」

結衣「う…」

八幡「全く…だからビッチなんだよ」

結衣「ビッチ言うなし!ってかビッチ関係ないじゃん!」

八幡「それより、ハニトー食わねえのか?」

結衣「そうだった、注文するね」

オマタセシマシター

八幡「相変わらず甘ったるそうだな」

結衣「それがいいんじゃん」


~省略~


結衣「はぁ、美味しかった」

八幡「一人ひとつは多かったな」

結衣「私まだ食べれるよ」

八幡「さすがだな……」

結衣「むっ…今、失礼なこと思ったでしょ?」

八幡「気のせいだ…」

結衣「ふん。ヒッキーのいじわる」

結衣(何かいい雰囲気かも)



~帰り道~

結衣「ヒッキー、今日はありがとね。楽しかった」

八幡「そうか。そうか……」

結衣「ヒッキー?」


八幡「……なぁ由比ヶ浜」

結衣「ん?何?」

八幡「俺…奉仕部辞めるわ」

結衣「ふーん…………え?」

八幡「だからもう俺に無理に関わらなくていい。これからは普通の友達だ。同じクラスメイトとして」

結衣「ちょ……何言ってるの」

八幡「もう決めたんだ」

結衣「はぁ?……意味わかんないし」

八幡「明日、雪ノ下に話して、退部届も出す予定だ」

結衣「ねえ?嘘でしょ?じゃあ何で今日…」

八幡「約束だったからな…」

結衣「やだ。そんなのやだ!やだやだやだ!」

八幡「別にもう会えなくなる訳じゃ無いだろ?同じクラスなんだし」

結衣「そういう訳じゃないでしょ?ねえ……ヒッキー……嘘だって言ってよ」ポロポロ

八幡「嘘じゃない。だが、これからは友達として、接すればいい。それだけだ」

結衣「そういう事……酷いよ、ホント」

八幡「……」

結衣「……もうチャンスは無いの?」ボソ

八幡「……」

結衣「そう…」

八幡「じゃあな、由比ヶ浜」

結衣「……」

結衣「…うう」グスン

結衣「…ひっぐ」ポロポロ

-翌日-

ガラ

八幡「よう、雪ノ下」

雪乃「あら?何やら珍しい……」

雪乃「何かしら?今日は由比ヶ浜さんは?」

八幡「多分来ない…」

雪乃「……そう」

八幡「話がある」

雪乃「……何?」

八幡「今日は退部届を出しに来たんだ」

雪乃「……」

八幡「今から平塚先生の所に持っていく」

雪乃「それでどうして私に?」

八幡「一応部長にも伝えないとって思ってな」

雪乃「そう……」

雪乃「比企谷君、何が気に入らないの?それとも姉さんに何か言われた?」

八幡「何も言われてないし、気に入らんことも無い。ただ……俺には」

雪乃「俺には?」

八幡「……」

雪乃「……大体の見当はついたわ。それであなた…」

八幡「ああ、由比ヶ浜にも話した」

雪乃「本気なのね」

八幡「本気だ」

雪乃「そうやって逃げるの?」

八幡「別に逃げる訳じゃない。いつもの日常に俺がいなくなるだけだ」

雪乃「それが逃げるって言うのよ」

八幡「……」

雪乃「もういいわ。そんなやり方でしか言えないのなら、さっさと辞めればいいのよ」

八幡「……」

雪乃「まだ何か用?」

八幡「じゃあな…」ガラッ



雪乃「どうしてあなたは、私に何も言わせてくれないの……」

~職員室~

八幡「失礼します」

静「どうした?比企谷」

八幡「あの……先生に話が」

静「何だ?怖い顔して」

八幡「これ…」スッ

静「何のつもりだ?」

八幡「……」

静「そうか……」

静「……」

静「比企谷」

八幡「はい」

静「ちょっとこの資料運ぶの手伝ってくれ」

八幡「はい?」

――――
――

八幡「終わりましたよ」ドサッ

静「ご苦労だった」

八幡「それで、先生、さっきの…」

静「なぁ、比企谷」

八幡「はい」

静「ラーメン食いにいくか」ポン

八幡「は?」

~ラーメン屋台~

静「屋台だが、ここのラーメンが上手くてな」

八幡「はぁ……」

静「ラーメン二人前」

静「なに緊張してんだ」

八幡「いや、緊張はしてませんけど、どうして急に?」

静「急に食いたくなってな」

ヘイオマチ

静「あぁ、上手そうだ」

八幡「…いただきます」

静「比企谷、チャーシューをやろう」

八幡「ありがとうございます」

静「その代り、メンマをよこせ」

八幡「ちょ…」

静「なぁ……何があった?」

八幡「やっぱりその話ですか」

静「当たり前だ。お前だって私の生徒なんだ。それに私は奉仕部の顧問だからな」

八幡「別に、理由なんて……」

静「男女トラブルか?」

八幡「……」

静「当たりのようだな」

静「比企谷、恋をするのが怖いか?それとも、人と親しくなるのが怖いか?」

八幡「怖い訳じゃ…」

静「お前はの事だから、どっちか一人傷つけるなら、自分が嫌われたら、もしくは一方的に話を終わらせて何もなかったようなかのようにしたかったんだろ」

静「だがな、比企谷。二人もそんな事は望んでいないだろう。それでは解決にならんのだよ」

八幡「俺は……」

静「何も難しく考えることは無いじゃないか。どっちが好きでどっちと付き合いたいかだろう」

静「人間誰かと関わる以上、どこかで傷つき、どこかで泣く事もある。だが肝心なのは自分の気持ちに素直になる事だ」

八幡「……」

静「比企谷、どうなんだ?」

八幡「……一晩、考えます」

静「そうか。なら私からはもう何もいう事は無い」

静「ラーメンも食った事だし帰るか」

静「じゃあな比企谷。気を付けて帰るんだぞ」

八幡「ありがとうございました」

静「なに、可愛い教え子の事だ。気にするな」

八幡「はい…ではこれで」

静「ああ、比企谷」

八幡「?」

静「私みたいにはなるなよ」

八幡「……」

八幡「……」ペコ

静「ふふ、じゃあな」

??「はちまん……僕は?」

―――
――

八幡(二人もそんな事は望んでいないし、それでは解決にならないか…)

八幡(いつから俺はこんなにも臆病になっちまったんだ…)

八幡(雪ノ下…由比ヶ浜…)

八幡(俺は……)


>>105
雪ノ下ルート
由比ヶ浜ルート

ゆきのん

ゆきのんか
ちょっと風呂入って続き考えて来る

~翌日、教室~

あっし「でさー、あっし思うんだよね。結衣もそうでしょ?」

結衣「……」

あっし「結衣?」

結衣「え?うん!そうだよね」アセアセ

葉山「結衣…どうかしたのか?」

結衣「ううん、何でもないよ」

ガラ

八幡「……」

結衣(ヒッキー…)

八幡「由比ヶ浜、ちょっといいか?」

あっし「はぁ?今、結衣はあっしと話してるんだけど?」

葉山「まぁまぁ優美子。少しくらいは…」

あっし「隼人がそう言うなら…」

葉山「ほら、結衣も」ポン

結衣「……」コクン

八幡「すまんな」

葉山「……」

あーしじゃなくてあっしなのか

~翌日、教室~

あーし「でさー、あーし思うんだよね。結衣もそうでしょ?」

結衣「……」

あーし「結衣?」

結衣「え?うん!そうだよね」アセアセ

葉山「結衣…どうかしたのか?」

結衣「ううん、何でもないよ」

ガラ

八幡「……」

結衣(ヒッキー…)

八幡「由比ヶ浜、ちょっといいか?」

あーし「はぁ?今、結衣はあっしと話してるんだけど?」

葉山「まぁまぁ優美子。少しくらいは…」

あーし「隼人がそう言うなら…」

葉山「ほら、結衣も」ポン

結衣「……」コクン

八幡「すまんな」

葉山「……」

すまん普通に間違ってたわ

結衣「…なに?」

八幡「俺、お前にきちんと話しておこうと思ってな」

結衣「……」

八幡「俺……ゆき「ヒッキー」」

八幡「おい、まだ話してる…」

結衣「私、ヒッキーの事が好き」

八幡「え…?」

結衣「ヒッキーが何て言おうと、私、この気持ち伝えたかったの」

八幡「……」

八幡「俺は…」

結衣「ゆきのんでしょ?」

八幡「……」

結衣「やっぱり」

八幡「…すまん」

結衣「ううん。何だかそんな予感してたんだ。ゆきのんにはもう話したの?」

八幡「いや、まだだ。雪ノ下の所にはこれから行くつもりだ」

結衣「そうなんだ。でも、良かったよ」

八幡「何が?」

結衣「ゆきのんの所に行く前に私に話してくれて」

八幡「由比ヶ浜……昨日は…」

結衣「ううん、もういいの。どっちみち今日、私から言うつもりだったから」

八幡「どうしてお前はそこまで俺の事……」

結衣「だって……ヒッキー、魅力的だもん…」

八幡「由比ヶ浜、お前ならすぐ…」

結衣「やめて!」

八幡「…」ビク

結衣「そういうのは余計に悲しくなるから…」

八幡「すまん…」

結衣「もうヒッキー落ち込まない。これからゆきのんの所に行くんでしょ?だったらしっかりしないと」

八幡「ああ、そうだな」

八幡「由比ヶ浜、俺はお前が友達で良かったよ」

結衣「なにさ?急に」

八幡「俺の素直な気持ちだ。珍しいだろ?」

結衣「そうだね。ヒッキー、頑張りなよ」バシン

八幡「って、いてーな、おい」

結衣「でも、昨日は悲しかったんだよ?ヒッキーはもう少し女の子の気持ちを……うぐっ…」

八幡「由比ヶ浜?」

結衣「……ううん、ごめん」ポロポロ

結衣「ヒッキー…もう……行って……私なら…だいじょ…うぅ…」

八幡「分かった…ありがとう」

結衣「うん…」


結衣(ヒッキー頑張ってね…)

~奉仕部~

八幡(いざ、これからとなると緊張するな…)

八幡(だが、もう後戻りはできんしな)

コンコン

雪乃「…はい」

ガラ

八幡「……」

雪乃「なに?もうあなたはここの部員ではないでしょう?帰ってくれるかしら」

八幡「雪ノ下…話がある」

雪乃「私は無いのだけど?」

八幡「なら、奉仕部に相談がある」

雪乃「そんな事が通じるとでも?」

静「私が許可しよう」ガラ

雪乃「平塚先生、入る時はいつも…」

静「まぁ、今はいいだろう。雪ノ下、聞いてやってくれ」

雪乃「分かりました……では先生は…」

静「ああ、出て行こう。比企谷」

八幡「はい」

静「頑張れよ」ポン

八幡「雪ノ下、これはある男の悩みだと思って聞いてくれ」

雪乃「……」

八幡「そいつはずっと悩んでいたんだ。男はある女子に恋をした、だが、その女子の一番の友達がその男の事が好きだった」

雪乃「ちょっと待って、いきなりで話が良く分からないのだけど…」

八幡「まぁいいから聞け。その男は考えた。ある女子の事が好きだ、でもその女子の友達の事は傷つけたくない。だったらどうすればいいか」

八幡「男の出した答えは、答えを出さない事だった」

八幡「しかし、現実はそうはいかない。答えを出さない事なんてできないんだ。ならどうしたか」

雪乃「……」

八幡「男はその女子と友達がいる環境から自分がいなくなればと考えた。勿論そうすれば自分の恋は実らない。だが皆で傷つけば、その傷は少しは和らぐんじゃないかと」

雪乃「その相談が奉仕部になんの関係が?」

八幡「まぁもう少し聞いてくれ。その男は後で自分の答えが間違いだったと気づいた」

八幡「男は今更だが、自分の気持ちを出そうとした。そして、またその女子と、その友達とやり直し、今度は自分の気持ちも伝えて…」

八幡「ここで相談なんだ。雪ノ下、男は自分の気持ちを伝えて、また元通りの環境に戻りたい。雪ノ下ならどうする?」

雪乃「そうね……その男が悪いのは当然として…」

八幡「……」

雪乃「どうなるか分からないけど、まずはその男がある女子の友達に答えを出してあげる事から始めるべきじゃないかしら?」

雪乃「それから、ある女子に気持ちを伝えるのが筋なんじゃないかと…元通りの環境になるかは三人が決めることで、その事については何も言えないわね」

八幡「そうか…分かった……」

八幡「雪ノ下」

雪乃「なに?」

八幡「由比ヶ浜にはもう話してきた」

雪乃「……え?」

八幡「後は俺の気持ちをお前に伝えるだけだ」

八幡「好きだ、雪ノ下雪乃」

雪乃「ちょ…何を」

八幡「勝手な事して悪かった。俺はお前に気持ちを伝えれずにいた」

八幡「だが、今は違う。堂々と好きと言える」

雪乃「そうね、随分堂々としてるわね。まるであなたらしく…」

八幡「背筋を伸ばして、顎を引き、自分の前をまっすぐ見る」

雪乃「……」

八幡「雪ノ下、お前が教えてくれたことだ」

八幡「俺はお前から、いろいろ教しえてもらった。尊敬できる所も見せてもらった。そして友達思いで、ネコ好きで、沢山の優しい所を見せてもらった」

八幡「そんな雪ノ下が俺は好きだ」

雪乃「……」

雪乃「そう……そう…」

雪乃「悪くないわね…」

八幡「良かったら返事を聞かせてくれ」

雪乃「比企谷君」

雪乃「いいわ。付き合ってあげても」

八幡「本当か?」

雪乃「ただし」

八幡「…」ビク

雪乃「由比ヶ浜さんが戻って来てくれたらね」

八幡「……」

雪乃「当然でしょ?あなたが彼女を傷つけたんだから。最初からこうしていれば…」

ガラ

結衣「やっはろー」

八幡「由比ヶ浜…」

結衣「ゆきのん…」

雪乃「由比ヶ浜さん、あなた…」

結衣「大丈夫だよゆきのん。私、ここにいるから」

雪乃「それは…」

結衣「ううん。だって、二人は私の大事な友達だもん!」

雪乃「そう…ありがとう」

雪乃「比企谷君」

八幡「ん?」

雪乃「私も好きよ。不器用だけど、思いやりがあって、一緒にいて飽きさせないあなたが私は好きよ」

八幡「そうか、よか「よかったじゃん!」」バシ

八幡「いって」

結衣「ゆきのんもおめでとう!」

雪乃「あ、ありがと」

結衣「ねえ?せっかくだしさ、これからカップル成立記念パーティーとかしない?」

八幡「お前、何言ってんの…」

結衣「あー、でも私邪魔かな?」

雪乃「いいえ、あなたがいてくれた方がいいわ。この男と二人っきりだと何をされるか…」

八幡「おい…ちょっと待て」

雪乃「なに?」ギロ

八幡「いえ…何もございません」シュン

結衣「あはは、付き合ってもあまり変わってないや…」

八幡(全く…これからは覚悟せんとな……)

結衣「よし!じゃあ今から三人でカラオケだ!」

雪乃「ええ、行きましょうか」

雪乃「ねえ、比企谷君」ニコ

八幡「はい」

八幡(やはり俺の青春は……間違っている?)



ガハマさんもいる?いるなら少し書き溜めさせてくれ

結衣「手が届かないくせに、ずっと近くにいろなんて、そんな拷問を思いついたのもゆきのんでしょ!」

結衣「なのに、なんであたしが責められなきゃならないの…?」

結衣「あんな…毎日、毎日、目の前で、心抉られて…」

結衣「それが全部あたしのせいなの?…酷いよ…っ」

~ガハマルート~

~翌日、職員室~

八幡「先生、昨日はありがとうございました」ペコ

静「何だ?改まって。変な奴だな」

八幡「まぁ変な奴なのはあえて否定はしませんが」

静「…なんの用だ?」

八幡「昨日の退部届なんですが…」

静「ああ、あれか。あれならお前の鞄に入れといた」

八幡「はぁ?って、本当に入ってるし…」ガサガサ

静「それで、ちゃんと答えはでたんだな?」

八幡「はい」

静「そうか…それなら」

ガラ

雪乃「失礼します」

静「何か用か?雪ノ下」

雪乃「用って……先生が呼び出したんじゃ…」ハァ

雪乃「…」チラ

八幡「…」ビク

静「そうそう、要件は比企谷が話してくれるそうだ」

八幡「は?」

雪乃「この人はもう奉仕部を辞めた人です。今更話すことなんて…」

静「これは、顧問としての命令だ」

雪乃「……そうですか、分かりました」

静「では後は頼んだよ」ポン

八幡「……場所、変えようか」

雪乃「ええ」

~奉仕部部室~

雪乃「話って何かしら?」

八幡「昨日の退部届の事だが」

雪乃「それが?」

八幡「出すの止めたんだ」

雪乃「だから?それで今まで通りに戻れると?」

八幡「そんな単純じゃないのは分かってるさ、だがこの通りだ」

雪乃「見苦しいわね」

八幡「そうだな…全くだ」

八幡「だが、俺は今からする事の前に、お前に話しておきたかったんだ」

雪乃「何の事?」

八幡「俺は今から由比ヶ浜に告白する」

雪乃「……」

八幡「ずっと、考えてた。どうすれば今の関係を壊さずに上手くいけるか」

雪乃「それが奉仕部の退部と何の関係が?」

八幡「それは、ただ俺が逃げただけだった。平塚先生と話をして、一晩考えて自分の間違いに気づいた」

八幡「今更こんな事言って虫が良すぎるかもしれんが、あいつに自分の気持ちを伝える前に、どうしても雪ノ下に俺の気持ちを伝えたかった」

雪乃「そう…」

八幡「これは自惚れかもしれんが、雪ノ下はってきり俺の事を…」

雪乃「ふふ……ふふふ………」クスクス

八幡「雪ノ下?」

雪乃「あはは……」

雪乃「ごめんなさい。あなたがあまりにも可笑しな事を…」

八幡「悪かったな…」

雪乃「いいわ。あなたの処罰は由比ヶ浜さんの件が済んでからにするわ」

八幡「すまん」

雪乃「早く行きなさい」

八幡「ああ。また後でな」



雪乃「……」

雪乃(涙ってしょっぱいのね…)

~教室~

あーし「でさー、あーし思うんだよね。結衣もそうでしょ?」

結衣「……」

あーし「結衣?」

結衣「え?うん!そうだよね」アセアセ

葉山「結衣…どうかしたのか?」

結衣「ううん、何でもないよ」

ガラ

八幡「……」

結衣(ヒッキー…)

八幡「由比ヶ浜、ちょっといいか?」

あーし「はぁ?今、結衣はあーしと話してるんだけど?」

葉山「まぁまぁ優美子。少しくらいは…」

あーし「隼人がそう言うなら…」

葉山「ほら、結衣も」ポン

結衣「……」コクン

八幡「すまんな」

葉山「……」

八幡「悪いな。話し込んでる所」

結衣「ううん。で、何の用かな?」

八幡「由比ヶ浜、今から俺のいう事を黙って聞いてくれ」

結衣「…」コクン

八幡「まずは、昨日は済まなかったな」

結衣「……」

八幡「いきなりお前に部活辞めるって一方的に言って悪かった」

結衣「…それで?」

八幡「あれから考えたんだ。俺ずっと…自分の気持ちを」

結衣「……」

八幡「単刀直入に言う、由比ヶ浜、好きだ」

結衣「……え?」

八幡「周りを気にせず、いつも気にかけてくれて、俺という人間を見てくれる。そんな由比ヶ浜が好きなんだ」

結衣「え?…え?え?え?」

結衣「ホント?嘘じゃない?」

八幡「ああ」

結衣「ホントにホント?」

八幡「ああ、好きだ。由比ヶ浜」

結衣「……うえ」ジワ

八幡「おい…」アセアセ

結衣「だって……嬉しいんだもん」ポロポロ

結衣「私、ずっとヒッキーの事が好きだったの」

八幡「……」

結衣「ずっとね。ずっとだよ?ずっとヒッキーの事が好きで…」

結衣「困ってる私を助けてくれて、困ってる人を助けて。ひねくれているけどホントは優しいヒッキーが、私大好きだったの」

結衣「やり方はちょっとあれだけどね」

八幡「由比ヶ浜…」

結衣「ねえヒッキー?」

八幡「ん?何だ?」

結衣「私の事好き?」

八幡「ああ。って何回言わせんだ」

結衣「だって…何回も聞きたいんだもん」

八幡「恥ずかしい奴だな…やはりビッチか」

結衣「もう!何で大事な時にビッチって言うかな!」プンプン

結衣「ゆきのんには話したの?」

八幡「ああ、ここに来る前に…」


雪乃「全くこんな所で、イチャイチャと破廉恥ね」

結衣「ゆきのん」

雪乃「まずは由比ヶ浜さんおめでとう」

結衣「ありがとう!ゆきのん!」ダキッ

雪乃「ちょっと、由比ヶ浜さん、こんな所で…」

結衣「だって…嬉しくて…」

八幡(何でいきなりゆりゆり始めるんだ女は…)

雪乃「比企谷君、今日は部活きちんと出なさい」

結衣「ゆきのん」パアァ

八幡「ああ、また放課後な」

雪乃「ええ、待ってるわ」

結衣「じゃあ私たちも教室に戻ろっか?」

八幡「そうだな」

結衣「ねえ八幡」

八幡「はち……はぁ?」

結衣「だって付き合ってるんだもん。当たり前じゃん」

八幡「全く…」

結衣「私の事もちゃんと名前で呼んでよね!」

八幡「はいはい、そのうちな」

結衣「もう」

八幡「早く戻るぞ結衣」

結衣「…え?」

八幡「早く戻るぞ由比ヶ浜」

結衣「もう!八幡!さっき結衣って言ってくれたじゃん!」

八幡「さぁな」

結衣「もう!素直じゃないんだから」

八幡(これがハッピーエンドってやつか…)




このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月22日 (日) 21:47:32   ID: K7MiT7HT

面白い!

2 :  SS好きの774さん   2014年04月14日 (月) 01:12:44   ID: QaEqQoR0

二人のエンド用意 ナイスですb

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