コニー「俺、今...」(34)


!12巻の内容含む!
・現代転生
・捏造あり
・キャラ崩壊の可能性

宜しければ、よろしくお願いします。


ここには俺のことをバカだというやつはいない。


いるのは…




…悪い。少し嘘ついた。


ここで俺のことをバカというやつは少ししかいない。
俺の周りの全員がバカと呼んでいたころと比べると、その言葉で呼ばれることはほとんどなくなった。


それでも、今の俺にもたくさんの友達がいる。
みんな面白くて気の良いやつらだ。




でも、なんでか命を懸けてきた仲間といた時の方が楽しかったと感じるんだ。
娯楽も金もほとんどなくて、生活も縛られてたのに…
それになにより、常に死ぬかもしれないと思って生きてたっつーのに…



なんか、今よりめちゃくちゃ楽しかったんだ。


――――――
――――
―…



「~で、コニー!今度の合コン一緒に来てくれ!」

「はぁ?いやに決まってんだろ」

俺は飲み会は大好きだ。
普段かっこつけてるやつらが、バカみたいに騒ぎ出す。
それを見るとちょっとだけあいつらを思い出すからな

でも、合コンはどうしても嫌いだ。
俺には性に合わない。


「頼むよ!今回だけはお前に来てほしいんだよ!」

「なんでお前の友達だけのとこに行かなきゃいけねぇんだよ」

「お前人見知りしないだろ?それに前にバイトでめちゃくちゃいいやつと知り合ったって言っただろ?そいつ、誰とでも仲良くなれるやつなんだよ!そいつも来るから絶対楽しいから!な?」

今回はやけにしつこいな…

「今度、昼おごるからさ!頼む!」
「…分かったよ…約束だからな!」
俺はどっかの芋女か…



うぜぇとしか思ってなかったこいつのしつこさに俺は感謝することになる。



当日、今回の唯一の友達と待ち合わせ場所に向かった。

「お!居た居た!」
どうやら今日のメンバーの誰かを発見したらしい。
俺は重い足取りで付いていった。



「待ったか?」
「いや、大丈夫だ」


ん?こいつ…

でももっとでかかったような…?



「で、こいつが今日来るって言ったコニーだ」

「あぁ、話は聞いている。俺はラ…「ライナーだろ!!」


「「!?」」


お!びっくりしてるな!
ま、俺も随分かっこよくなっちまったからな!


「なんだ、ライナー知り合いだったのか?」
「い、いや…」


は?なに言ってんだこいつ?
バカになっちまったんじゃねぇか?


「悪い、コニー…俺はお前のことを知らねぇ…」
「もし、どこかで会ってたなら…すまない」





は?
おいおいおいおい…
冗談はよせよ!笑えねぇぞ!!


思わずライナーに掴みかかった。


「ライナー!!俺だよ!コニーだ!!」
「お前、俺のこと助けてくれたじゃねぇか!俺だよ!!」


「「!?」」

「おいコニー!とりあえずライナーから離れろ!迷惑になってる!」


その声で、少し落ち着いて、ライナーから離れる。
ライナーは心底驚いた顔してた。


…あれは、演技じゃねぇ…


めずらしく頭を働かせた

そして、俺のとんでもない思い違いに気付いた。


俺はなんでこいつらにも記憶があると思ってたんだ…!?
俺の周りの人間で、前世?ってやつがあるっていうやつは居なかった。

でも、俺にはこの世界じゃない時の記憶があった。
だから他のやつらになくても、あの世界のみんなにはあると勝手に思い込んでた…

いつか会えると思い込んでた…



そもそも、この世界に今、他のやつらは居るのか?



俺は自分の頭の悪さに絶望した。


「おい…大丈夫か?」
ライナーが覗き込んできた。



くそ…!!
なんでだよ!
記憶がないと思ったら、すげぇ悔しい
俺のこと忘れちまったのかと思ったらすげぇ悔しい
久しぶりに涙が出そうなくらい悔しい…!

お前、忘れてんじゃねぇよ!
思わず拳を握り、振り上げようと腕に力を入れた…その時


「とりあえず行こうぜ!コニーの勘違いだろ。ライナーも気にしないでやってくれ!」

「あぁコニー、俺はお前と会ったことがないかも知れないが、今日は一緒に飲む仲間だ。よろしくな!」



…。

お前に仲間なんて言われちゃ…

そんな顔向けられちゃ…


くそ…!!


俺はそっと拳を開いた


あぁ、そうだよ
それでこそお前だ
その顔だよ
正義感であふれたみんなの兄貴の顔だ




やっぱりお前、ライナーだよ


...


そのあとはずっとライナーのことを考えていて覚えていない。
でも、いつもは絶対行かないカラオケまで行った。

連絡先を交換したのはライナーだけだった。


忘れちまったのなら思い出させればいい!

一気には無理かもしんねぇけど、時間はたっぷりある。



絶望から一転、俺は天才だと思ってバカみたいに浮かれていた。



それから、ライナーにあの頃の俺たちの話をしても、思い出す様子はなかった。
ライナーにとっては意味不明な話を続ける俺だが、ライナーはそれでもいつも最後まで真剣に話を聞いてくれた。

でも、どうしても思い出してくれなかった。

エレンやジャン、アルミンやマルコなど、名前を出しても、「悪い…」としか言わなかった。
あんなに一緒に居たくせに、ベルトルトのことすら………   ?

……。



…俺は、なにを思い出させようとしてた?


ライナーになにを思い出させようとしてたんだよ!





よぉ、ライナー、俺も忘れちまってたぜ
お前のせいで俺が一生バカ呼ばわりされてたのを


――――――…

俺はお前らが巨人だったって信じられねぇんだ
実際に見ときながらなに言ってるかわかんねぇかもしれねぇけど…

でも、俺のこと命がけで助けてくれたこととか、ベルトルトのあの叫びを聞いちまったらよ…
だってあのベルトルトが泣きながら叫んでたんだぜ?
お前も同じだったんだろ?ベルトルトと

俺はバカだけどわかるぞ

お前らは巨人だったけど、俺たちと一緒にいたお前らは巨人じゃねぇって...






お前、なんにも思い出すな。
俺はやっぱり大バカだったぜ

ごめんな、ライナー…



―…
――――
――――――


――――…

俺は巨人のいた世界の記憶がある。
仲間が目の前で喰われたり、時には見捨てることもあった。
辛い記憶ばかりだ

それに、家族の件で…心底巨人を憎んだ。
エレンと同じで、駆逐してやるって思った。
お前らを殺してやりたいとその時は本気で思った。



でも、あれはライナー達とは関係ない巨人の仕業だった。
俺は少しホッとしたんだぜ?



俺はそいつらを絶対に倒すと誓った。
でも、ミカサみたいに強くなかったし、俺は巨人にもなれねぇし、ジャンやアルミンみたいに頭もよくなかったから、どうやら俺は倒す前に死んだらしい。
どうやって死んだのかは覚えてないが、死んだってことはわかる。


家族のこと、もういいのかと言われれば、嘘になる。

今でも涙が出てくるし、夢を見て飛び起きることもある。
あんな辛くて、悲しくて、、、、
俺はバカだから、それ以上どういう言葉で言っていいのかわかんねぇけど、、、、
あんな悔しくて、ムカついて…うまく言えねぇけど…あんなことはねぇ...



でも、今の俺には家族がいる。
あの頃の家族とは顔は違うが、同じように俺の家族だ

だから前の家族の記憶と一緒に俺はこれからをこの家族と生きていくと決めたんだ。


ライナー、俺はバカだからさ、自分が死んだ後のことなんて考えられねぇし、考えねぇんだ。
俺は自分の知ってることだけを信じて生きるしか出来ねぇんだよ

俺の知ってるお前らは俺の家族とは関係ねぇって事ならそれでいいんだ。
そのあと、もしかした実は…ってことがあったかも知れないが俺はいいんだ。


あと…

俺は…大バカでひどい人間だから…

確かにお前らはマリアを破った最悪の犯罪者だが、俺は、、、
ひどい人間だから……
自分の知らない人がお前らのせいで大量に犠牲になったって実感がねぇんだ…

知らない何万人より、仲間だった二人のことを考えちまうんだよ…最低だよな、俺…

エレンやアルミンにはほんとにすまないと思うけどよ…それが本心なんだ…
だから…


…俺は、
バカだから…


だからお前らを心の底から恨むことなんて出来ねぇんだ



だから、今度はずっと仲間でいたいんだ。

もう一度、よろしくな。ライナー…


―…



「もうダメだ…すまん、コニー…」
「気にすんな!ほら、水飲め!」

ライナーとはそのままよく遊ぶ仲になっていた。
…でもこいつがこんなに酒に弱かったなんてな。
ジャンに知られてたら大変だったな。


「俺が送るって言ってんだろ」

「いや、これ以上お前に迷惑はかけられん」

そう言いながら、ライナーはどうやら妹に電話したみたいだ。


ここでも世話やかせてくれねぇのかよ

俺はあの頃と違うんだよ
もっと頼ってくれよ
今度は俺が借りを返す番だろ


しばらく待つと、ライナーの妹らしき女が近寄ってきた。




お前、アニ…か?

すげぇ似てるけど、違う…か?

俺の知ってるアニはこんなやつじゃない。



「ご迷惑をおかけしました」
「ほら!立って!行くよ!」

ライナーは引きずられて車に乗せられた。



あいつはアニじゃねぇだろう…
アニはあんなんじゃねぇぞ



でも、ライナーを車に押し込む姿にどこか懐かしさを感じた。


「アニに会わせてくれ!!」

俺はあの日からずっとライナーに頼んでいる
はっきり言ってアニとはほとんどしゃべったことがない仲だった。
特に会いたい理由はない
あいつも巨人だったらしいし…

でも、俺はあいつにも一度助けられてるんだ

「ダメだ!いくらコニーでも無理な頼みだな」

なんだってこいつはアニに会わせねぇんだ?
アニだぞ!?


でも、俺が会う度に頼んでいたらライナーが根負けして、渋々「わかった」と言ってくれた。


「しかし、俺と一緒な!」
とか、意味の分かんねぇ条件を付けてきた。

「は?そんなの当たり前だろ?お前が居なくてどうすんだよ?」



「……コニー、お前なにがしたいんだ?」

――――…
初めてライナーの家に行った。
玄関を開けると、ライナーが出迎えてくれ、改めてアニを紹介された。

俺は、口を開いて固まった。
きっと人生最大級のアホ面だっただろう



アニ…お前、そんな顔で笑うんだな…





「おう、Wiiでもやるか!」



用意されたコントローラーは三つ…




ライナー、俺、今めちゃくちゃ楽しいぜ!!


これにて完結です。

いろいろ気分を害してしまいましたが、完結はさせてもらいました。

お付き合い頂き、ありがとうございました。


もし、ベルトルトとリヴァイの現代転生物を見たことがある人が居れば...

コニー編でした。

前作とはつながりがないので、1には書きませんでした。

本当に軽い気持ちでいつかコニーが書きたいと言ったら、まさかの有難いレスを頂き、もし待っていてくれたら申し訳ないと思い、僭越ながら書かせていただきました。
コニーも内容一緒じゃない?とは自分でも思いますが、元々、書ける転生ものは巨人組が絡むものしか無理でした。
やる予定ではなかったので、クオリティは落ちています。おまけ程度に思ってください。


前作とは捏造部分など、噛み合わないところもあると思うので、別物と考えてもらって結構です。


自分でも、ものすごくご都合主義すぎると思うし、とりあえず巨人組も救えた?し、何より他キャラは書く技量がないので、これで終わりにします。

他キャラも見たいと言ってくださった方々、本当にありがとうございました。そして、このスレを見つけてくれれば…と願っています。



長々と失礼しました。

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