モバP「新人プロデューサー同士で話し合い、ですか?」(128)

社長「あぁ、そうだ」

P「急な話ですね……どうしてまた」

社長「なに、簡単な話さ。私の知り合いも新人アイドル達を積極的に発掘していてね」

P「なるほど……?」

社長「彼らのところの事務所にも、新人のプロデューサーがいるのだよ」

社長「君もアイドル達との触れ合いの中で思うことがあるだろう?」

P「ないといえば嘘になりますけど」

社長「だから、同じように新人アイドルをプロデュースしている若手プロデューサー同士で話し合えばなにか新しい発見があるのではないかと思ってね」

P「そうですか……うーん……」

社長「まぁ、無理強いはしないがね。 今度の土曜日、私の行きつけのバーにいくといい」

P「えっ、社長はどうするんですか?」

社長「プロデューサー同士の話し合いに私が出て行ってどうするんだね、もう」

P「うーん……まぁ、一応開いてはいますし。いくだけなら」

社長「そうか、よかった……新しい出会いは新しい発見、だよ!」

P「社長はいつもそれですね」

社長「いいじゃないか、気にいっているんだ」

P「まぁいいですけれど……バーって前にいったあそこですよね?」

社長「あぁ。落ちついて話ができるしいいだろう?」

P「わかりました、それじゃあ今日の業務にいきますね」

社長「わかった。キミにはいつも苦労をかけるね……」

P「今さらですよ、社長」

社長「……あぁ、ちなみに相手の事務所のことなんだがね」

P「はい?」

社長「COプロとPAプロというんだ」

P「COとPA……神崎蘭子や諸星きらりのですか!?」

社長「まぁ、個性豊かなプロダクションだね」

P「……そうですねぇ、うちの事務所はそこまでじゃありませんからね」

社長「そのあたりまで含めて、話を聞いてみるといいんじゃないかな?」

P「そうですね。参考になりそうです、それでは」

社長「あぁ、呼びとめてすまなかったね。それじゃあ今日も頼むよ!」

P「はい!」

☆ 数日後


P「えーっと、確かこのあたりだったよな……」

P「あ、あったあった」

P「時間は……ちょっと余裕持ってきたけどもう来てるかな」

P「身だしなみは……大丈夫っと」

P「他事務所との顔合わせでもあるわけだしなめられないようにしないとな」

P「新人アイドルをプロデュースしてる以上、ライバル事務所でもあるわけだし」

P「よし……」

ガチャッ

P「すいません、ここでプロデューサー同士の話し合いを、ということを聞いて……」

金髪「ん?」

黒髪「……」

P「……間違えました」

バタンッ


P「……ちょっと落ちつこう。ここはバーだな?」

P「で、俺は今アイドルプロデューサー同士の話し合いをするために来たわけだ」

P「……」

P「金髪のラオウみたいな筋肉だるまと殺し屋みたいな黒髪しかいなかった……」

ガチャッ

P「ひっ!?」

金髪「おっすおっす! ひょっとしてあんた、CU事務所のプロデューサーさんかい?」

P「えっ、あっ、はい」

金髪「あーやっぱり! 見た時胸にきゅんきゅんきたんだよ。俺はPA事務所のプロデューサー!」

P「えっ」

PaP「うん? どうしたのさ」

P「プロデューサー?」

PaP「うん、そうだよ?」

P「PA事務所の?」

PaP「そうそう☆」

P(個性的な事務所だとは思ってたけど……まさかプロデューサーまで個性的だったとは……!)

PaP「間違えなんか誰にでもあるよなー! ドンマイドンマイ気にするな!」バンバン

P「いっ、いたっ! 痛いです!」

PaP「あっ、ごめん。ちょっと強すぎちゃったかな☆」

P「はは、ははは……」

P(……身長2mはありそうな大男がこのテンションっていうのは……いろいろと、キツい……!)


黒髪「……大丈夫か?」ヌッ

P「うわぁっ!?」

黒髪「……そんなに驚くことないだろう。傷つくぞ」

P「あ、す、すいません……」

黒髪「多分察しはついていると思うが、俺はCO事務所でプロデューサーをしている者だ」

P「あ、はい……」

CoP「まぁ、そいつにも悪気はないらしいから許してやってくれ」

PaP「うん?」

P「あ、はぁ……わかりました……」

P「改めて、CU事務所でプロデューサーをやっているものです。よろしく」スッ

PaP「うん、よろしくぅ! あー、名刺どこやったっけ……」ガサガサ

CoP「うむ、こちらこそ」スッ

CuP「あ、どう……も……?」

CuP(……なんで、筆ペンで手書きなんだ?)

CoP「気にしないでくれ。趣味なんだ」

CuP「は、はぁ……わかりました……って、えっ」

CoP「うん? どうかしたのか?」

CuP「いや、今心の中を読まれたような……」

CoP「気のせいだろう。プロデューサーをしてると人の心を察する力がつくんだよ」

Cu「……まぁ、そうですよね」

PaP「あったあった! よろしくー☆」スッ

CuP「あぁ、どう……も……」

CuP(……でかい……! いや、なんだあの名刺入れ!?)

PaP「うん? どした?」

CuP「い、いえいえなんでも。ありがとうございます」

PaP「あはは、かしこまらなくてもいいんじゃないかな? 社長から聞いたけど俺たちは同い年みたいだしな!」

CuP「えっ」

CoP「どうした?」

CuP「同年代?」

PaP「うん☆」

CuP(ラオウと暗殺者が同い年って……えぇー……?)

CoP「まぁそういうな。俺も信じられんのだ」

CuP「あ、すいませ……また読みませんでした?」

CoP「知らんな」

PaP「それでそれで、今日のお話だけどさ」

CuP「あっ……具体的には決めて無かったんですけど……」

CoP「そこでひとつ提案があるんだが」

PaP「おぉ、本当にー? やるねぇクーちゃん!」

CoP「なんだその名は」

PaP「え? いや、クールな雰囲気だしクーちゃん。どう?」

CoP「ふむ……」

CuP(いや、流石に男にちゃん付けは……)

CoP「悪くないな」キリッ

CuP「いやいや!?」

CoP「うん? どうした? あぁ、確かに「しーゆー」でローマ字読みすればクーだが譲らんぞ?」

CuP「そういう話じゃないんですよ、いいんですかちゃん付けで!」

CoP「悪くないじゃないか」

PaP「あー、じゃあキューちゃんとクーちゃんって呼べばバッチシ?」

CuP「なんでこっちまでちゃん付けで!?」

CoP「いいじゃないか。似合っているぞキューちゃん」

CuP「なんであなたまで!?」

PaP「二人も仲良し、ハピハピだねぇ!」

CuP「……はぁ。もういいです。それで提案ってなんですか?」

CoP「……ぱっつぁんというのはどうだろう」

CuP「は?」

CoP「なに、俺たちだけ愛称があるのにPA事務所の彼にだけ愛称がないのは面倒だろう」

CuP「いやいや、そんな適当な名前じゃ本人だって……」

PaP「えー、いいの? ぱっつぁん? いいねー、かわいい! きゅんきゅんする!」

CoP「本人だって、なんだ?」

CuP「……もういいです」

CuP「それより、提案ってなんだったんですか?」

CoP「あぁそうだった。 なに、お互いのプロデュース情報を共有しないか?」

CuP「情報の共有……?」

CoP「簡単にいえば、普段のプロデュースのしかたやアイドルとの触れあいを話しあおうというわけだ」

CuP「あぁ、なるほど……」

PaP「おー、いいねそれ! さっすがクーちゃん!」

CoP「ふん、それほどでもないさ。 誰から話す?」

PaP「あ、じゃあいいかな? うちの事務所の子達は本当に元気でハッピーになるんだよ!」

CoP「ほう……じゃあ、聞かせてもらおうか」

CuP(ラオウがするプロデュース……気になるなぁ……)

PaP「じゃあまずは朝の挨拶のお話から……」

諸星きらり(17) 身長:185cm


ガッチャーン!

P「おっはよー!」

きらり「あっ、Pちゃんオッスオッス! 元気してるぅー?」

P「もち! バッチシ☆」

きらり「うきゃー! じゃあいつものやっちゃう?」

P「おっけー!」

きらり「せーのっ」

P「はい」

きらり「たーっち!」

      ――――ドォン!

ビリビリビリビリ……


P「いぇい!」

きらり「今日もバッチシ☆ ぴっかし☆ やっちゃうにぃ!」

CuP「待った」

PaP「うん? キューちゃんどした?」

CuP「え、ハイタッチ?」

PaP「うん、そうだよ?」

CuP「なんかビリビリいってたのは?」

PaP「あー、思いっきりやると窓割れちゃうからダメって社長にいわれるんだよねー」

CuP「いやいやいや!?」

CoP「なるほど……諸星きらりのパワーは日々の鍛錬からか」

CuP「そういう話じゃないと思うんですけれど」

CoP「あぁ、話を切ってすまなかった。続けてくれ」

PaP「おっけー☆」

CuP「……」

P「今日もきらりは朝早いねー。だいじょぶー?」

きらり「もちろん! だってきらり、Pちゃんとのお仕事が楽しくって、もーやばーい! スゴーい! って!」

P「そっか、嬉しいなぁ!」


ダダダダダダダッ ドタン!

茜「すいませんプロデューサー!! 遅刻してません!!!」

P「おっと茜、おはよー! そうだな、遅刻はしてないぞー!」

茜「よかったぁ、ちょっとランニングしてたらいきすぎちゃいました!」

P「そっか、元気が一番だよなぁ! 気をつけろよっ!」

茜「はいっ!!」


日野茜(17)

P「今日の営業組はそろったねっ! ……ってあれ? 光は?」

茜「あれ!? おっかしいですねー、さっき一緒に走ってたんですけれどねー!」

ガチャッ……

光「……み、水を……くれ……」

P「光ぅー!?」

茜「うわぁ!?」

きらり「お、おみず持ってくるにぃ!」ダッ

P「あぁ、頼むよきらりぃ!」

光「プ、プロデュー、サー……」

P「ど、どうしんだよ光! なにか言いたいことでも……」

光「……意外と、まつ毛長いんだな……」ガクッ

P「光ぅー!!」

茜「光ちゃあぁあん!!!」


南条光(14)

きらり「おみず持ってきたよー! えーい!」

バシャーン!

P「……」ポタポタ

光「……」ビショビショ

茜「うわぁ、二人ともびしょびしょですよ! ……って私もですね!!」グッショリ

茜「あー、でもこれってクールダウンにはちょうどいいかもしれませんねー!」

P「ふぅ、きらり。機械に水をかけちゃダメだぞ?」

きらり「はーい、ごめんなさい……」

P「わかればよし! おっけおっけ! それで光は?」

光「……茜につきそいで走ってたらなんか変な道に出て、道に迷って……あと、速いなー、おいて行かれたんだよ。さすが!」」

茜「ありがとうっ! でもごめんね、走るのに夢中になってたよ!!」

光「いや、これはアタシが鍛え足りないからだよ! プロデューサー、特訓だぁ!」

P「オッケー! ……っていいたいけど今日はお仕事なんだよぉ!」

光「あっ、しまったぁ!?」

PaP「みたいな感じで平和に1日が始まるかなー?」

CuP「……頭痛い」

PaP「どしたー? 大丈夫か?」

CuP「いや、平和なんですかそれ?」

PaP「うん、平和平和。みんな元気でハピハピだろー?」

CuP「あー、いや……」

CoP「ふむ、うちの事務所とはだいぶ雰囲気が違うな。当たり前ではあるが」

PaP「お、じゃあ次クーちゃんいっちゃう?」

CoP「そうだな……」

CuP「……」

CoP「まぁ、いいだろう。朝のよくある光景だな?」

PaP「おにゃーしゃー!」

和久井留美(26)


ガチャッ……

P「おはよう。……和久井さん、もう来ていたのか」

留美「あら、おはよう。プロデューサー君。ごめんなさい、家にいてもすることがないものだから」

P「なに、気にすることでもないさ。……おや?」

留美「どうかしたの?」

P「いや、机がな……」

留美「……ごめんなさい。来たら来たで手持無沙汰で。書類の整理なんかをしていたの」

P「そうか、いつも助かっているよ。ありがとう」

留美「いいのよ。私はあなたのパートナーですもの」

川島瑞樹(28)


ガチャッ…

瑞樹「おはようございますっ……あら、和久井さん。おはやいのね」

留美「川島さんこそ、ずいぶん早い出勤じゃない? あなたは午後からよね?」

瑞樹「あぁ、ちょっとプロデューサーに尋ねたいことがあってね」

留美「それを差し引いても、午前からの仕事がある人の迷惑になりかねない時間に来るのはどうかと思うわ。社会人としてね」

瑞樹「ふぅん……そう。和久井さんこそ早くに来すぎるのもどうかと思うわよ?」

留美「ごめんなさい。事務所ではやることが多いものだからつい」

瑞樹「へぇ……」

P「……コーヒーでも入れるか」

三船美優(25)


P「しかし、コーヒーは……ん?」

美優「あっ……プロデューサーさん……」

P「三船さんか。どうしてここに?」

美優「朝来たら、和久井さんがいて……お疲れだろうと思って飲み物を用意しようとしてたんです」

P「ふむ、妙だな……和久井さんはそんなこと……」

美優「あの……プロデューサーさんも、飲みますか……?」

P「……じゃあ、いただこうか」

美優「はい……ゆっくり飲んでください」

P「……?」

美優「私の……コーヒー……」

P「……」ズズー

高垣楓(25)


P「……とりあえず一息はついたか。さて」

留美「……遅いわ。妙ね」

美優「……」


ガチャッ…

楓「すいません、遅れてしまいました」

P「いや、まだ一応は大丈夫だ。だが次からは気をつけてくれ」

楓「はい……どうも1人だとお酒の具合がわからなくて」

P「ほう、1人酒か……ひく手もあまただろうに」

楓「いいえ、私はやっぱりある程度慣れた人と飲みたいですから。志乃さんや……プロデューサーみたいに」

P「それはありがたい誘いだな。今度いくのも悪くない」

留美「……プロデューサー君。朝からお酒を飲む飲まないだなんて話題はやめてもらえないかしら」

P「あぁ、すまない。それじゃあ出発しようか」

CoP「こんな具合だな」

CuP「……」

CoP「おっと、いかん」ジャラジャラ

CuP「なんですか、それ?」

CoP「胃薬だよ。何故だかわからんが最近やたら胃が荒れてね」

PaP「えー。だいじょぶー?」

CoP「問題ない。しかし食生活には気をつけているつもりなのだがな」

CuP「いや、もう何も言いませんよ……というか」

CoP「うん?」

CuP「そちらの事務所、やたら平均年齢が高くないですか?」

CoP「あぁ、社長の方針もあるがな。だが若いのがいないわけではないぞ?」

CuP「じゃ、じゃあそっちを聞かせてくださいよ! ね?」

CoP「そうか、じゃあ……」

佐々木千枝(11)

タッタッタッタッタ…

ガチャッ

千枝「お、おはよう、ございます!」

P「千枝か、おはよう。そんなに息を切らせて来なくても時間には余裕があるだろう?」

千枝「え、えへへ。千枝、プロデューサーさんにすぐに会いたくて、学校終わって走ってきちゃいました」

P「そうか。仕事を張り切るのもいいが気をつけろよ」

千枝「……はい」

P「どうした?」

千枝「あ、あの、千枝が早く来たのは、お仕事だけじゃなくて……プロデューサーさんに……」

佐城雪美(10)


ギィ……

雪美「……」

千枝「あっ……雪美、ちゃん」

P「ん? あぁ。おはよう、雪美。学校はどうだった?」

雪美「……千枝……今……」

千枝「……」

P「雪美?」

雪美「……そう……わかった……あなたも……なら……」

P「……おい、どうした?」

雪美「……なんでも、ない……」

千枝「……」

P「ふむ……2人で喧嘩でもしたのか?」

千枝「……違います」

P「そうか。だが……」

千枝「いいんです、千枝は……まだ、子供ってわかってるから、大丈夫です」

P「どういう意味だ?」

千枝「……ないしょ、です」

P「そうか、だがな……」

千枝「……」

P「まぁ、いいたくないのならば無理に聞きだしても仕方ないか。いいだろう」

千枝「ごめんなさい、やっぱり千枝、ちゃんと答えてもらえる時に言いたいから……」

P「……悩みなら1人で抱えるのはやめろ。年上だったらいくらでもいるだろう」

千枝「……それが、嫌なんですけれどね」ボソッ

P「嫌って何がだ?」

千枝「な、なんでもないです。気にしないでください」

P「ふむ……」

P「雪美」

雪美「……なに……?」

P「どうした。ケンカか?」

雪美「……違う……ただの……裏切り……」

P「なんだと? どういう意味だ?」

雪美「……言えない……」

P「俺はお前のプロデューサーだ。聞く権利はあるはずだろう?」

雪美「だから……言えない……」

P「俺がプロデューサーだから、ダメ? どういう意味だ」

雪美「……いい……今は………そのまま……」

P「おい、雪美……」

雪美「……」スッ

P「……まぁいい。とりあえず休め」ポンポン

雪美「……」

CoP「うちの小学生はこんな具合だな」

CuP「……うわぁ」

PaP「うーん、喧嘩したまんまはよくないよねー。どうしたの?」

CoP「次の日には仲直りをした様子だったからな。深くは聞かないことにしたよ」

PaP「そかそかー」

CoP「むやみに地雷を掘り起こす必要もないだろう?」

CuP「……」

CoP「どうした? 顔色が悪いな」

CuP「すいません、胃薬分けてもらってもいいですか」

CoP「構わんよ。好きにしろ」

PaP「あー、じゃあうちのちっちゃい子のお話でもしちゃおうかなっ!」

CuP「あ……じゃあ、お願いします。ちょっと口直しが欲しい気分というか……」

CoP「粉薬は苦手か?」

CuP「そうじゃなくてですね」

龍崎薫(9)


ガチャッ!

薫「ただいまっ、せんせぇ!」

P「こーら薫、ただいまじゃなくて」

薫「あっ、えーっと、おはようございますっ!」

P「よっし、よくできました! なでてあげよー!」

薫「わぁい! せんせぇの手おっきぃ!」

P「ははは、薫はちっちゃいなぁ」

薫「むー、まだだよー! かろるはこれからおっきくなるのぉ!」

P「そうかそうか。元気だなぁ」

市原仁奈(9)


ガチャッ

仁奈「おはよーごぜーます……」

薫「あっ、仁奈ちゃん! ……どうしたの?」

仁奈「あ、あつ……お、おみずをくだせー……」

P「……あっ! これ脱水症状だ! 薫、おみず!」

薫「えっ、わかった! 待ってて!」

仁奈「うー、うー……」

P「もー、仁奈はかわいいけどこんな暑い日まできぐるみ……それもこんなモフモフの……」

仁奈「だ、だって……」

P「仁奈、どうしたのさ?」

仁奈「……もふもふ、してるとき……しあわせって、いって、やがりましたから……」

P「……バカだなぁ、もう」

薫「せんせぇ! おみずもってきたよ!」

P「よし、って薫ぅ! バケツじゃなくてコップで、綺麗なお水を……」

薫「えぇっ、そん、なっ……」コケッ

P「あっ」

ガチャッ

未央「おはようござ」

バシャーン!

未央「……」

P「……お、おはよー☆」

未央「……」

仁奈「うぅ……おみず……おみずぅ……」

薫「うわぁぁぁん! ころんじゃったぁぁぁ……いたいよぉぉ……」ポロポロ


本田未央(15)

PaP「みたいなことがあってー☆」

CuP「いやいや、そんな軽い話ですか今の!?」

PaP「仁奈はちゃんと飲み物飲ませてあげて、薫にはいたいのいたいの飛んでけー☆したからだいじょぶ!」

CuP「……最後に水をかぶった子には?」

PaP「……えっと、そのー」

CuP「……」

PaP「えへっ☆」

CuP「やめてください、気持ち悪いです」

PaP「クーちゃん……キューちゃんが反抗期だぜぇ……」

CoP「そのようだな」

CuP「いや、もう……いいです。参考には十分なりましたから」

PaP「えー。でもうちの事務所で一番元気なのって中学生だよー?」

CoP「うちのは……少し方向性が違うかな」

CuP「……ちなみにどんな風にですか?」

PaP「えっとうちはねー。ギャルにゲーマーに特撮好きに、きぐるみに、残念小悪魔、寿司好き……えーっと、迷走中が1人」

CoP「みえるひと、蘭子、内向的冒険家。高校生なら怪盗に占い師に剣道にロックに陶芸家……」

CuP「……ラインナップを聞いてるだけで胃もたれしそうなんですけれど」

PaP「みーんな元気でハピハピするよー?」

CoP「まぁ、でもプロデュースするのは楽しいからな」

CuP「そりゃあ、そうでしょうけれど……」

CoP「ところでだな、キューちゃんよ」

CuP「その呼び方やめてもらえませんか?」

CoP「まぁそういうな。俺とお前の仲だろう」

CuP「今日が初対面ですよね?」

CoP「もうすぐ日付が変わるさ」

CuP「そうじゃなくて」

PaP「まぁまぁキューちゃん、気にしない気にしない☆」

CuP「気にします」

CoP「いいから聞いてほしいんだ、キューちゃん」

CuP「はぁ……もういいですよ。なんですか?」

CoP「俺たちは話をしたが、キューちゃんのプロデュース周りの話を聞いていないぞ?」

CuP「あぁ、2人に比べたら普通なので」

CoP「話をしてみてわかることもあるだろう。こちらとしても聞かせてばかりじゃ不公平だ」

PaP「あー、確かに気になっちゃうかも! 聞かせて聞かせて!」

CuP「……それじゃあ、まぁ。普段の朝の光景でも」

目覚まし[ピピピピッ! ピピピピッ!]バシッ

P「ふぅ……朝か……」

P「んー……眠いなぁ」

P「……」

ガチャッ

まゆ「……あっ、プロデューサーさん。おはようございます」

P「おはよう、まゆ。家の前で待機するのはやめてくれないか?」

まゆ「ごめんなさい……まゆ、少しでも傍にいたくて……」

P「朝ご飯、食べるか? 簡単なものしかないけど」

まゆ「えっと……お弁当を持ってきたんですけれど……」

P「うん? ……じゃあ、昼にいただくよ。まゆの分がないじゃないか」

まゆ「まゆは、いいんです。プロデューサーさんが食べてくれればそれで……」

P「アイドルは身体が資本だから気をつけてほしいんだよ、ちゃんと食べよう。な?」


佐久間まゆ(16)

まゆ「……」

P「どうした?」

まゆ「えへへ、一緒に朝ご飯ですよぉ……まるで新婚さんみたいだなぁって」

P「そうか。まゆならきっと良い奥さんになるんだろうなぁ」

まゆ「……なりたいですよ、今すぐにでも……うふふっ……」

P「うん?」

まゆ「でも、今はいいです……まだ、まゆだけを見てくれていませんから……」

P「まぁ、まゆがいいならいいんだ。それじゃあそろそろ」

まゆ「……お迎えですかぁ?」

P「うん、杏をな」

まゆ「……ふふふ……ねぼすけさんですよねぇ、杏ちゃんは……」

P「そうだな。苦労するよ、まったく」

ブロロロロ……

P「よし。呼び鈴押すか」

まゆ「……」カチカチカチカチカチカチカチ

P「ま、まゆ?」

まゆ「あ、ごめんなさい……つい、やりすぎちゃいました……」

P「あぁ、でもこれぐらいやらないと起きないしなぁ……」

ガチャッ!

杏「うるさーい! 杏の安眠を妨害するなんてプロデュ……サ……」

まゆ「……」

杏「……」

バタン!

P「おい」


双葉杏(17) 身長:139cm

杏「今日はなんだか太陽がまぶしいから休みます」

P「そういわず出てこいよ、な?」

杏「いやだよ、めんどくさいし……それに……」

P「それに?」

杏「……車の中で2人の時間がとれないなら、一緒に行く意味ないじゃんか……バカプロデュサー……」

P「杏ー? ドア越しだから聞こえない……」

杏「いいのっ! 次の休みは今日。今決めたの!」

まゆ「……やっぱりですかぁ。ふふっ」

P「なにがだ?」

まゆ「いいえ、なにも……やっぱりみんな油断ならないですねぇ……」

杏「……今日は家に連れ込んで一緒に休んでゲームの予定だったのに……」ブツブツ

杏「……」

P「そうふてくされないでくれよ、な?」

杏「あー、帰りたいなー」

P「飴やるから、な?」

杏「……取るのも剥くのもめんどくさい。ねぇプロデューサー、あーんってしてくれたら考えるよ?」

P「いや、そんな……」

まゆ「あーん、してくださぁい」

杏「……」

まゆ「どうしたんですか、杏ちゃん?」

杏「まゆ。あんた本当にいい度胸してるね……杏にここまでストレートに喧嘩売った人は初めてだよ」

まゆ「えー? まゆは飴が食べられない杏ちゃんのお手伝いをしてあげたかっただけですよぉ……」

杏「ふーん……」カプッ

まゆ「……食べるんですかぁ」

杏「……飴は杏の力の源だからね」コロコロ

ガチャッ……

P「おはようございます……ん?」

まゆ「おはようござい……あらぁ?」

菜々「おはようございます、ご主人様っ♪」

P「菜々か。朝早くから事務所の掃除なんて……」

菜々「ナナはご主人様のお役にたてるのが嬉しいんですよっ♪」

まゆ「うふふ、いい年ですもんね。苦労してますねぇ……」

菜々「あら、まゆさん! ナナは17歳ですよ、もうっ♪ ……調子に、乗らないでくださいね?」

まゆ「うふふ、こちらのセリフです……」

杏「……ふぅ、眠いなぁ。プロデューサー、杏をベッドまで運ぶのを許可してあげよう」

P「はいはい、アホなことやってないで準備準備」

安部菜々(永遠の17歳

P「それからしばらくたって」


椎名法子(13)


法子「プロデューサー! 差し入れのドーナツどうぞっ! 手作りだよっ!」

P「へぇ、美味しそうだな」

法子「うん、見た目はちょっとイマイチかもだけど、味はバッチリ! あたしが言うんだから間違いなしっ!」

P「ありがとう。後で食べるよ」

法子「うん! それじゃあお仕事いってきまーすっ!」

P「いってらっしゃい」

水本ゆかり(15)


ゆかり「プロデューサーさん」

P「どうした?」

ゆかり「私、一生懸命頑張って、トップアイドルになります……!」

P「おぉ、頼もしい宣言だなぁ。期待してるぞ」

ゆかり「……だから、その時は……」

P「うん?」

ゆかり「……いいえ、なんでもありません。でもプロデューサーさん」

P「あぁ」

ゆかり「私、プロデューサーさんのいうことなら……なんだって聞けちゃいそうですよ?」

P「……うん?」

ゆかり「いってきます。プロデューサーさん」

桃井あずき(15)


あずき「ねぇねぇ、プロデューサーさん」

P「どうした?」

あずき「……ちらっ」

P「……?」

あずき「あ、あれ? ドキドキしないの? 現役高校生の生足ちらりだよ?」

P「だってほら、プロデューサーだから見慣れてるし」

あずき「が、がーん! うぅ、また作戦失敗……」

P「作戦? また妙な……」

あずき「あっ、今のは聞かなかったことにして! 妖艶愛され大作戦はまだ決行中なの!」

P「……うん?」

あずき「あっ、きゃー! いってきまーすっ!」

楊菲菲(15)


菲菲「ねぇプロデューサーさん、ふぇいふぇいのご飯おいしいカナ?」

P「うん、本当にうまいよ。すごいなぁ菲菲は」

菲菲「えへへー。プロデューサーさんにはとっても感謝してるヨー! この気持ち伝えるためにおいしい料理作るデスヨ!」

P「菲菲は料理上手だし、すごいなぁ。隠し味とかあるのか?」

菲菲「隠し? えーと……ひみつダヨー」

P「そっかぁ、やっぱり秘伝だもんな」

菲菲「でも、知りたいなら方法ひとつだけあるヨー」

P「なんだ?」

菲菲「プロデューサーさんが、ふぇいふぇいをお嫁さんにしてくれれば毎日食べれるし、隠し味も……」

P「あはは、そりゃすごい提案だな。ありがとう菲菲」

菲菲「うー……やっぱりプロデューサーさんは鈍感ダヨー……」

池袋晶葉(14)


晶葉「なぁ、プロデューサー」

P「うん、どうしたんだ?」

晶葉「私は常々思うんだ。人間の一生はあまりにも短いって」

P「なにかをなすには短く、しないでいるのは長いみたいな名言を聞いたような気がするなぁ……」

晶葉「……なぁプロデューサー」

P「どうした?」

晶葉「もし、私が人間をやめてもプロデューサーは傍にいてくれるか?」

P「えっ……?」

晶葉「……」

P「晶葉、お前……」

晶葉「な、なんてな。ジョークだよ。科学者ジョークだ」

P「な、なんだぁ。あははは……」

晶葉「……やはり、プロデューサーと私両方が……」ブツブツ

三村かな子(17)


かな子「あれ、プロデューサーさんどうしたんですか?」

P「あぁ、ちょっと疲れがな……」

かな子「大変! 甘いもの食べて元気だしてください!」

P「甘いもの……えーっと、あぁダメだ飴は杏にあげちゃったし……」

かな子「じゃあ……あ、これを!」

P「これって……かな子、食べかけじゃ……」

かな子「嫌、ですか?」

P「嫌じゃないけど、かな子こそ……」

かな子「私は、むしろ……じゃなくて、ねっ。燃料補給しちゃいましょう!」

P「じゃあ、ありがたく……」ペロッ

かな子「……」ゾクゾクッ

P「……?」ペロペロ

五十嵐響子(15)


響子「プロデューサー! オムライス作ってみました!」

P「え、えぇっ!? 事務所でか?」

響子「はい、よかったら食べてください! お疲れですよね?」

P「じゃあ、ちょっとだけ……あ。おいしい」

響子「私だって料理の腕前には自信ありますから! おいしい料理で毎日お出迎えしちゃいますよ!」

P「そんなお嫁さんみたいなことを……」

響子「……えへへ」

P「うん?」

響子「まだです。あと1年! 待っててくださいね!」

P「……?」

CuP「まぁこんな感じで、アイドル達とも仲良く……」

CoP「……」ジャラジャラ

PaP「あぁ、あそこに虹色の蝶が飛んでるぅー☆」

CuP「どうしましたお二人とも!?」

CoP「いや、君がナンバーワンだ。よかったらこの胃薬を持っていくといい」

CuP「は、はぁ……」

PaP「じゃあこの元気が出る本を3冊ぐらい……」

CuP「ど、どうも……」

CoP「ぱっつぁん。世界って広いんだな」

PaP「そうですね、確かにそう思います」

CoP「どうしたぱっつぁん口調が変だぞ!?」

CuP「えーっと、よくわからないですが」

CoP「……アイドルのプロデュースは、大変だ」

PaP「だけどそこにときめくものがあるっ! そうだよなっ!」

CuP「そうですね。 俺たちも……がんばってアイドルにふさわしいプロデューサーになれるよう!」

CoP「キューちゃん、それはちょっとアンタが言っちゃダメなセリフだな」

CuP「えっ?」

PaP「……こほん。 アイドル達と共に成長していこうぜ、いえーい!」

CuP「あぁっ、いいとことられた!?」



おしまい

社長「さて、事務所間を超えたニューユニット……『ニュージェネレーション』の話題で盛り上がってるころかな」

社長「……ってあれ? 私、プロデューサー君に資料渡したっけ?」

社長「えーっと……」ガサガサ

社長「あ、ここにあった。 ということは……」

社長「……ま、まぁ。とりあえずCO事務所の渋谷凛ちゃんやうちの島村卯月ちゃんは単独ライブも増えてきて登り調子だし!」

社長「発表はもう少し遅れてもいいよね、うん」

社長「別に今すぐ発表しなくてもソロでの仕事は十分あるだろうし♪」



未央「……くしゅんっ!」

未央「うぅ、寒いよぉ……なんだか頭もぽーっとして、くらくらして、咳もでるよぉ……」


おしり

ありがとうございました。
勢いで書き始めたけどPaPです。日野ちゃん自引きしたテンションで書いたら楽しかったです
もう少しPaやCoのかわいいアイドルが書きたかったけど、眠いのでここらへんで

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