モバP「疲れたときの特効薬」 (60)

―――事務所


P「…………」カタカタ…


P「……ふー」ギシッ

P「うぐぐ……」ノビー

P「いだだだ」ゴキゴキ


P「はぁ……」




泰葉「……Pさん?」ヒョコッ

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P「ん? あぁ、泰葉。お疲れ」

泰葉「はい。お疲れさまです、Pさん」ペコリ

泰葉「あの、どうしました? ため息なんて……」

P「ちょっと肩がなー。デスクワークしすぎたかな」

P「ま、このとおり平気へい、き……いててて」

泰葉「……あんまり良くないみたいですね」クス

P「あ、あはは」

泰葉「ふふ……あ、そうだ。ではこうしましょう」

P「なんだ?」


泰葉「――Pさん。私で良ければ、肩、揉みますよ」

―――


たん  とん

  ぽこ  ぽこ


P「ん、お、ぉふ……!」

泰葉「んしょ」モミモミ…


P「おぅ、ぅぅうあああ、……あっあぁん」

泰葉「ちょっと、変な声出さないでください……えい」

ぐりっ!

P「うごぅ!? いだっ、いだいいだい泰葉いたいっ!」

泰葉「ふぅ。まさかここまで硬いとは思いませんでした」ポコ ポコ

P「俺も予想外だよ……気持ちいいよ泰葉」

泰葉「よかった。でも、あまり根を詰めないようにしてくださいね?」モミモミ

P「了解です、岡崎先輩」

泰葉「ふふ、よろしい。……もう一度ぐぐっといきますね」

P「ん、頼む」

泰葉「では」

ぐぐ……ぐりぐり

P「あ、ああぁああ……あぁっあぁん♪」

泰葉「ですから声」ペシ

P「あいた」

泰葉「まったくもう」

P「反省してます」

泰葉「反省してもダメです。許しません」タン トン

P「えー。どうしたら許してくれる?」

泰葉「そうですね……うーん」ポコ ポコ


泰葉「また、こうして肩たたきさせてくれれば。それで許します」

P「……ふふ。こっちからお願いしたいくらいだ。泰葉、また頼むよ」

泰葉「はい、Pさん」


たん  とん

  ぽこ  ぽこ……

泰葉「――ん、だいぶ柔らかくなりましたね。どうです?」

P「おぉ……おおお! 肩が軽い!」グルングルン

P「ありがとな泰葉、調子抜群だ」

泰葉「どういたしまして。……あは、Pさんが喜んでくれてよかった……♪」

P「これでまた仕事が捗るぞー!」

泰葉「……む。捗っちゃヤです。いつか肩壊しちゃう」プクー

P「その前に、泰葉が揉んでくれるから大丈夫だよ。そう膨れるなって」プニ

泰葉「ぃにゅ。……もう、やめてくださいっ」

P「ははは、泰葉は可愛いなぁ」ナデナデ

泰葉「し、知りません……Pさんのばか」プイ

P「ふふ……なぁ、泰葉」

泰葉「なんです」ジトー

P「なんだか、年相応な顔するようになったな」

泰葉「……誰かさんのせいですね、きっと。自分でも子供っぽくなったって思います」

P「もちろんいい意味で、な?」

泰葉「そうだといいですけど」クス…

泰葉「――あ、そろそろレッスン行かなきゃ」

P「ん。頑張ってきな」

泰葉「はい。Pさんはくれぐれも無理しないように」

P「はいはい、分かってるよー」

泰葉「…………」プク

P「ほいっ」プニー

泰葉「んゅ。ふふ、それじゃ――」



泰葉「いってきますね♪」ニコッ


泰葉編おわり

―――


がちゃり

加蓮「おはよーございますっ」


P「おう、おはよう加蓮。早いな」

加蓮「あ、Pさんおはよ。ふふ、お仕事の時間までPさんとお喋りしようかなって」

P「俺とか? 資料に目を通しながらでいいなら、構わないぞ」

加蓮「うん、ありがと。って、あれ?」

P「うん? どうした?」

加蓮「Pさん、目真っ赤だけど……大丈夫? 疲れてたり……」

P「あー……心配するな、うん」

加蓮「そう? 分かった」




加蓮「なんて言うと思った? ん?」グイッ

P「やっぱりダメだったかー、あっはっは」

全部書き終わってるの
ぶん投げてるだけなんよ

加蓮「あっはっは、じゃないよもう!」プンスカ

加蓮「いつも疲れたらしっかり休めって言ってるのPさんでしょ!」

P「まぁまぁそんなに怒るなって」

加蓮「怒るよ! ほら、ちゃんと見せてっ」

P「ちょ、加蓮近い――」


加蓮「あぁもうクマもすごいし……」ジッ

P「あの」

加蓮「よし、マッサージして血行よく……じっとしててね」グニグニ

P「ちょっと……」

加蓮「あっ、そうだちょっと待ってて。いいこと思いついたっ」タタタッ



P「……忙しいなぁ」ポツン

―――


加蓮「お待たせPさん」

P「おかえり。給湯室でなにしてたんだ?」

加蓮「ふふ、これ作ってたの」スッ


蒸しタオル「ほかほか」


P「タオル? なんか湯気出てるけど」

加蓮「そそ、蒸しタオル。水気絞ってレンジでチン! ってね」

P「へぇ……」

加蓮「はい、そういうことだから上向いて。目に乗せて血行促進~」

P「えっと、俺仕事が」

加蓮「拒否権なーし」グイ

P「あぁっ」

ぽふ

P「ぁぁああ…………あったかいぃぃ……」

加蓮「ふふん♪」

P「おおう…………これは……なかなか……!」

加蓮「どう? 疲れ取れるでしょ」

P「目にじんわりきて……最高だぁ……ぁぁああああ……」ダラーン

加蓮「おじさんみたいだよ、Pさんたら」クスクス

P「この際なんでもいい……けど」

加蓮「けど?」


P「仕事……」

加蓮「んもう。まだそんなこと言う」ムスー

加蓮「私がお仕事行くまで見張ってるからね?」

P「加蓮は心配性すぎるんだよ……」

加蓮「Pさんにだけは言われたくない」

P「うぐ」

加蓮「……私だって心配なんだから」

加蓮「泰葉に聞いたよ。肩こりすごかったって」

P「…………」

加蓮「もっと自分を大切にしてね。私たちを大切に思うくらい、自分も」

P「……うん、そうだな。ありがとう、加蓮」

加蓮「いえいえ。……さてと、お仕事の準備しなきゃ」

P「あ、手伝うよ」

加蓮「ダメ。せめてタオル冷めるまでじっとしてなよ?」

P「……はい」

加蓮「うんうん、素直が一番。ってことで――」


ちゅっ


加蓮「……ん。いってくるね、Pさん♪」

P「っ、んなっ……!?」

P「か、かっ加蓮!?」バッ

加蓮「んー? なぁにPさん?」

P「い、今ほっぺたに……!」

加蓮「さぁ、知らなーい。私にはなにも見えなかったヨー」

P「こら加蓮、待て!」

加蓮「ふふふっ! 蒸しタオルの代金ってことで!」



加蓮「じゃあね、いってきまーすっ♪」


加蓮編おわり
ちょっとアイドルと戯れてくるのん

マイスタざくざくで楽しい
ドリンクなくなったけど

―――


P「……なぁ、李衣菜?」

李衣菜「はい?」


P「どうして俺は李衣菜に膝枕されてるんだろう?」

李衣菜「ふむ。では答えましょう。理由そのいち」

P「何個もあるのか……」

李衣菜「Pさんがソファーでぐったりしていたので」

P「あ、ああ……たまたま疲れてたんだよ、たまたま」

李衣菜「…………」ジトッ

P「うぅ」

李衣菜「はぁ……理由そのに。泰葉や加蓮がすっごく心配してましたから」


李衣菜「いろいろ聞きましたよ? 肩こりが酷いやら目が真っ赤やら」

P「面目ない……」

李衣菜「そう思うなら、死んだように寝たりしないでほしいですけど」

P「わ、悪い」

李衣菜「びっくりしたんですからね? ホントに死んじゃったのかと……」

P「……泣かせちゃったな。ごめん」

李衣菜「もういいですよ、生きてますし。えへへ」

李衣菜「それから、理由そのさん」

P「まだあるのね……」

李衣菜「私も、Pさんになにかしてあげたいなーって思ってたんですよ」

李衣菜「お世話になりっぱなしなのはロックじゃないですから!」フンス

P「いやそれはよく分からんけど」

李衣菜「……ま、冗談はともかく。日頃のお礼くらいさせてください」

P「そう、か?」

李衣菜「そうです。今日はゆっくり休んで、元気になってくださいね」ナデナデ

P「ん……な、なんか恥ずかしいな」

李衣菜「なに言ってるんですか、いつもPさんがやってることでしょ?」ポフポフ

P「そりゃそうだけど……やるのとやられるのとじゃ違うなぁ」

李衣菜「私は撫でられるのも好きですよー、へへへ」

P「……素直だな、李衣菜は」

李衣菜「ふふ。自分に正直でいろ、ってPさんに言われましたから」

P「そんなことも言ったっけ。まだ李衣菜が駆け出しの頃か……懐かしい」

李衣菜「今度はアリーナでLIVEかぁ……わくわくしますね!」

P「緊張とかしてないか? 不安とか」

李衣菜「平気ですよ。隣に泰葉も加蓮もいるし……ファンのみんなが勇気づけてくれる」


李衣菜「それになにより、Pさんが見てくれてるから。ねっ」ニコッ

P「そっか。……そうだな」

李衣菜「この前衣装合わせもしたし、俄然やる気湧いてきましたよ!」

P「お、気に入ったか。あれ、俺もちょっと口出しさせてもらったんだ」

李衣菜「そうだったんですか? へへ、ならPさんもステージに立ってるってことですよね」

李衣菜「一緒にLIVE、成功させましょうっ!」

P「おう! ってことで……」

李衣菜「?」

P「仕事再開しないと。よっこらしょ」ムクッ

李衣菜「あっ、ダメですよ!」グイッ!

P「のわっ!?」ヨロッ

李衣菜「んもう、じっとしててくださいっ」

P「も、もう充分休んだってば!」

李衣菜「いーえ。せめてお昼寝くらいしてもらいますからね」

P「お昼寝って……李衣菜も足痺れるだろ?」

李衣菜「はいはい、そんなこといいから目を瞑ってくださーい」

P「聞いてくれよ……」

李衣菜「アイドルの膝枕で眠れるなんて普通じゃ出来ませんよ? 役得ですね♪」

P「そうですね……はぁ、分かったよ。寝ればいいんだろ、寝れば」

李衣菜「えへへ。いいこいいこ」ナデナデ

P「そ、それはやめてくれっ」

李衣菜「あ、子守唄歌いましょうか!」

P「ん……じゃ、頼むよ。李衣菜の歌声、好きだからさ」

李衣菜「あ。Pさんも素直になった」クス

P「ふふ、だな……」

李衣菜「ふふふ♪ こほん、それでは……。――♪」


♪――

♪♪―――♪

李衣菜「――♪」


P(……はぁ……いい心地だなぁ)

P(李衣菜もこんな優しい声が出せるんだな……次はこの方針で――)

P(はっ! いかんいかん、せっかく李衣菜が歌ってくれてるのに)

P(ちゃんと……ねむ、って)

P(ね、む……)


P「…………Zzz」スヤァ

李衣菜「―――♪ ……あ、寝ちゃったかな?」



李衣菜「Pさん、ゆっくり休んでくださいね♪」


李衣菜編おわり

―――LIVE会場


P「――みんな。そろそろLIVE始まるけど、準備はいいか?」


李衣菜「はい、バッチリですよ!」

加蓮「ふふっ、早く歌いたくてうずうずしてるよ」

P「よしよし、大丈夫そうだな。泰葉はどうだ?」

泰葉「ええ、私も準備できてます。だけど……」

P「だけど?」

泰葉「ちひろさんが……」


ちひろ「みみみみみんなっががが、頑張っててててて」ガタガタガタガタ

P「ちょ、なんでちひろさんが一番緊張してんですか!」

ちひろ「あわわわわだってだってだてだって!」

ちひろ「あり、ありありアリーナですよアリーナ! おっきいんですよすごく!」

P「んなこと分かってますよ……俺だって多少は緊張してますけど」

P「この娘たちを見てください。心配ごとなんてひとつもないですよ」


P「……そうだろ? 泰葉、加蓮、李衣菜」

泰葉「ふふ♪ ちひろさん、しっかり私たちの姿、見ててくださいね」

加蓮「ファンの声援、ちひろさんにも聞かせてあげる!」

李衣菜「私たちの歌とダンスで、体も心も熱くなってください!」


ちひろ「…………!!」


P「……どうです、ちひろさん。3人の顔見たら、不安もなにも吹っ飛んだでしょ?」

ちひろ「……は、はい――はいっ!」

ちひろ「よ、よぉし……! もう平気です! 私ここでっ、みんなのステージ見てます!」

ちひろ「そうですよね、私が不安がっちゃ、失礼ですもんねっ!」クワッ

ちひろ「さぁ! LIVE楽しみますよー!」フンス


P「……逆に興奮しだした」

李衣菜「あはは♪ プロデューサーも楽しんでくださいね?」

P「あぁ。ちひろさんと一緒にここで見てるよ」

加蓮「……ね、プロデューサー?」

P「ん?」

加蓮「私たちをここまで連れてきてくれて、ありがとね」

P「ど、どした急に。改まって言うことでもないだろ?」

泰葉「急じゃないですよ。ずっと感謝しなきゃ、って思ってたんです」

加蓮「うん。いつも遅くまでお仕事、お疲れさま」

P「お、おう……なんだかむず痒いなぁ」

李衣菜「今日のLIVEは、ファンのみんなへの感謝と――」

泰葉「私たちを一番に愛してくれてる、プロデューサーへ贈ります」

加蓮「だから、今日のこと……ずーっと覚えていてね?」

P「……あぁ、ああ! 絶対忘れないよ、絶対!」

P「……みんな。悔いのないように、全力で楽しんでこい!」



「「「はいっ!!」」」


―――


李衣菜『みんな楽しんでるーっ!?』


加蓮『しっかりついてきてね!』


泰葉『さぁ、もっともっと盛り上がりましょう!』


わぁぁぁぁぁぁあああああ…………!!



P「いい笑顔だな、3人とも……」

ちひろ「ですね……キラキラしてて素敵です」

P「なんだか感慨深いですよ、本当に……」

ちひろ「でも、随分と無理をされてたようですけど……」

P「いやぁ、そんなことないと思いますよ?」

ちひろ「もう……なにかあってからじゃ遅いんですよ?」

ちひろ「お疲れでしたら、しっかりと休んでくださいね」

P「分かってますよ」

P「あの娘たちのためにも、無茶なんてしません。なにより、俺にとって――」



P「あの娘たちの煌めく笑顔、輝いてる姿が……最高の特効薬ですから!」




『『『ありがとーーーっ!!』』』




おわり

というお話だったのさ
やっぱり好きなアイドルで書くと楽しいね

すまんが安価はなしで
だりやすかれんしか所属してない弱小プロって設定なのん、許してしまむら
いつかだりやすかれんのサクセスストーリーなSS書きたいね

あと予言したID:Szu3HkQOoにだりきちの称号譲渡するよおめでとう

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