勇者は魔王を倒しに行きたくないようです(19)

トリップが良く分からないけど
とりあえずSSなるものを初投下
お目汚し失礼致します 

20:00より少ないストックでノリとほぼ即興で投下

偉大な先駆者勇の者オルデガの息子

シュジン・コウは16才の誕生日にほぼ無理矢理、城に連れられ
アリアパンの王から魔王バラモンを倒して来るように言われる

しかし、各国の王や市勢の人々は他人任せでコウもやる気がない


王「町の酒場で仲間をみつけこれで 仲間達のそうびを ととのえるが よかろう」

50G
ひのきのぼう
こんぼう×2
旅人の服


勇者「王よ!これは僕に死んでこい!と言っているのと同意義ではありませんか!」

壮絶な舌戦


口八丁と発想と戦略で魔王を倒します
某ドラクエ3のパロディです

それはコウが16歳になる誕生日の事であった。


「起きなさい。コウ私の可愛いコウや」


コウは母の呼びかけにいつもの自宅で目を覚ました。


母「今日はとても大切な日。コウが王様に、旅立ちの許しをいただく日だったでしょ」



(なんだ?朝からヤケに気持ち悪い呼びか方をするな……)


「旅立ちの許し?僕はそんな退屈で面倒な事はするきる気はないぜ」


コウは言葉に卑屈と皮肉の弾丸を込めて母に言った。


「この子ったら何てことを言うの!?シュジン家は貴方の父、オルデガも平和の為、人々の為に先頭を切って旅に出たのよ!?それを貴方旅に出なければただのニートよ!ニートなのよ!」


(何を無茶苦茶な………)


だがしかし部屋の前に仁王立ちして一言も耳を貸さない母に仕方なくコウは城まで着いていく。

コウは母の後ろに続いて自宅から徒歩20秒の距離を歩く。
城の前まで来てから母は言った。

母「王様にちゃんと挨拶するのですよ。さあ行ってらっしゃい」

「え………強制?そういう流れ?」

母「さあ行ってらっしゃい」


振り返ると母は満面の笑顔でコウにそう言うのだった。


(めんどくさいなあ…仕方ない。会うだけ会ってみよう)
一庶民であるハズのコウだが、王に対して内心かなりの上から目線だった。


コウは城の中を進む。途中で警護の兵士が2人いたので挨拶をする。

兵士1「アリアパンのお城へようこそ!」
兵士2「アリアパンのお城へようこそ!」


「えっあの知ってますけど王様はこの先にいるんですよね?」

兵士1「アリアパンのお城へようこそ」
兵士2「アリアパンのお城へようこそ」

コウは会話を諦めた。

(恐らく王は、城における兵士の日常の会話まで強制しているのだろう。恐ろしいまでの独裁政権………!大丈夫なのかこの国は?)

コウはこの国を憂い深い溜め息をついた。
途中でまた2人兵士が居たがコウは思いっきり無視してやった。
そしては階段を進むと数人の兵士と王の傍らに大臣、目の前には王様が玉座に座っていた。

王「よくぞ来た!ゆうかんなるオルデガの息子コウよ!すでに母から聞いておろう。そなたの父オルデガは戦いのすえ、火山に落ちてなくなってしまった」


王「しかしその父のあとをつぎ旅に出たいというそなたの願い、しかと聞きとどけたぞ!
そなたなら、きっと父の意思をつぎ世界を平和に導いてくれるであろう」

(はぁ………!?そなたの願い!?一言も僕はそんな事言ってないんだが、何を言っているんだ王は?」

王「敵は魔王バラモンじゃ!世界のほとんどの人々はいまだ魔王バラモンの名前すら知らぬ」

(大事な事だろうそれ…どれだけ興味無いんだよ。他人任せってヤツですか)

王「だがこのままではやがて世界は魔王バラモンの手に………。それだけは食い止めねばならぬ!コウよ魔王バラモンを倒してまいれ!
しかし一人ではそなたの父オルデガの不運をふたたびたどるやも知れぬ」

王「町の酒場で仲間をみつけこれで仲間たちの装備を整えるがよかろう」

コウは50Gと武器、防具を受け取った。

王「ではまた会おう!コウよ!」

(言いたい事だけ言って勝手に纏めやがって…!厄介事を押し付けられただろコレ。結局、市勢のの人も王も魔王に関心ナシてヤツですか…狂ってやがる!)

コウは王に一礼しその場を去ろうとしたが、王から渡されたアイテムを見てクルリと振り返る。

「王よ、一言申し上げてもよろしいでしょうか?」

王「ウム…どうしたのじゃ?」

「王に渡された武器や防具ですが王は50Gと旅人の服1着、それとこんぼう2本とひのきのぼうで魔王が倒せるとお思いですか?」

王「いやそれは無理じゃろう」

(サラリと言いきりやがった…!このジジイ!)

「では王ご自身で僕に渡した装備で魔王が倒せますか?」

王「まあ十中八九無理じゃろうな」

(顔色一つ変えやしない…コイツ!マジだ………!!!)

コウは王の顔色を観察しながら一拍置いて言った。

となるとこれは僕に死んで来い!………と言っているのと同意義ではありませんか?」

ここで初めて王の顔色が苦虫を噛み潰した様に変化した。だがそれも一瞬、王は即座にいつもの本音を奥底に隠した様な笑顔に変化した。

王「勇者というのはいきなり、偉大な勇者になるのではない。実績を積んで人々に認められ勇者と認知されるのだ。だから、これはその素質を測る為の物じゃ」

それを聞いてコウはニヤリと笑う。
「ダウト!」

王「な、なんじゃ…?」

「だとすると王。それは矛盾しますよ。勇者の条件が実績だとすれば、この僕は何になるのです?スライム一匹すら倒した事ありませんよ」

王「う…うむ…コウよお主はオルデガの息子じゃからのう」

「なるほど…だとすると勇者の素質というのは血脈という事と捉えてもいい。だとすると勇者の素質がある僕に50Gとこの様な装備は如何なものかと思うのですが?」

そんな鬼気迫るやり取りを間近で見ていた大臣は思った。
な………何とあの強欲の王が舌戦で圧倒されておる!オルデガの息子コウ……!僅か16才にして何と恐ろしい男よ)

ポーカーフェイスを貫く王の表情に焦りが表れる。

王「そうじゃコウよ。お主はオルデガの息子故に、その素質を備えておるだからその50Gもろもろはワシからの期待の表れじゃ」

コウは不敵に微笑んだ。

「ダウト!」

王はコウの声にビクリと反応した。

「王よその言質とりましたよ!王は先程、世界の平和の為と仰いましたが僕の父オルデガが魔王討伐に出てから、
いっさい!勇者の派遣や冒険者に援助をしておりませんね?僕はそんな話を聞いた事すらない!」

王「そ…そうじゃったかのう」

「それに世界に多大な影響を誇るアリアパンの王がこれから死地に向かう勇者に、
50Gと僅かな装備しか、渡さない人間だと国民や他国の王が知れば、
どうお思いになるでしょう!?僕の口はそんな事になったらつい、緩んでしまうかもしれません!」
「という事で王よ!僕は魔王討伐に向かう軍資金とマ・ト・モ・な装備を所望致します!」

コウは王をビシッと指さしてそう言った。

王は大臣に目配せすると大臣がお金の入った袋と装備品を持ってくる。

王「ワ…ワシは少し散歩に出てくる…何かあれば大臣に言ってくれ」

王は肩をガックリと落として力ないあしどりで階段を降りて行く。

大臣が急に瞳に涙を浮かべコウの両手をがっしりと握った。
大臣「勇者殿…!?感動致しましたぞ。あの強欲の王に舌戦で打ち勝つなど、見ていて胸がスッキリしました!」

大臣が本心を吐露した事により周りの兵士もコウを囲む様にして、称賛の響きをあげる。

兵士1「勇者様!俺…感動しました!王ときたら自分の事以外にはビタ1Gも使いたくないというほどのドケチっぷり!」

兵士2「しかも勤務中はアリアパンへようこそ以外の言葉を言うな!と王は言うのです!」

コウは頬をポリポリ掻いて言う。
「そ…そんなに泣く程なら他に仕官としたら如何ですかね?」

大臣「何を仰いますか!?あの王の事です!?ここを辞めて他に仕官をしたら、一体どんな嫌がらせを強いられるやら…!」

兵士1「そうですよ!確かに言葉まで強制されますが、ボーッと突っ立てるだけで金は貰えるし、仕事じたいは楽なんです!

他の兵士や大臣達もその言葉にウンウンと相槌を打つ。

(あぁ………多分この国はもうダメだ)

そこへ階段を上がってくる王が現れ兵士や大臣は、何事もなかった様に所定の位置に着く。

王は玉座に座り大きく息を吸い言った。




そこへ階段を上がってくる王が現れ兵士や大臣は、何事もなかった様に所定の位置に着く。

「そうじゃコウよ……勇者として旅に出たい。そなたの強い願い。ワシは深く聞き入れた」

コウは重大な事に気がついた。

(やばい…魔王なんか倒しに行くつもりなかったのに……王が50Gなんて舐めたゴールドを渡すからつい言ってしまった)

王「そこでワシから特別に勇者の権限を与えよう」

(うわっ…!?このバカ!今更になって権限とか言い出しやがった!援助する気満々じゃないか…)

王「他人の家のタンスやツボを自由に開ける権限を先程、全世界に伝えておいた。存分に励むが良い!」

(な…な…なに…何言ってんだコイツ!?他人の家…!?励むが良いって何でドヤ顔なんだ!?いや待て僕の聞き違いに違いない…仮にも一国の王だ)

「王よ…先程の発言は冗談ですよね?」

王よ…先程の発言は冗談ですよね?」

王「冗談ではない。世界を救う勇者なのだから、それは傍観者を気取り、何もしない市民達に取って税金のようなもの。当然の事であろう」

(オメーも何もしてないだろうが!)

王「という事だ。コウよ、旅の無事を祈る」

「は・・・はい!では失礼致します」

コウはとてもとても疲れた顔をして城を出た。

王「フム…行ったか。しかしなんと強欲な男よ。ワシが舌戦で負けるとは…。コウは出禁じゃ!魔王バラモンを倒すまで城に入れるでない!」

大臣「か…畏まりました」

王「フム…行ったか。しかしなんと強欲な男よ。ワシが舌戦で負けるとは…。コウは出禁じゃ!魔王バラモンを倒すまで城に入れるでない!」

大臣「か…畏まりました」

王「それから塩をまいておくのじゃ!」

兵士3「は・・はい!ただちに!」

後にコウは語っている。真の魔王はアリアパンの王であると。

こうして不本意ながらコウの魔王バラモンを倒す旅が始まったのである。

アリアパン城下町~ルイーザの酒場

「ちっきしょ~あの強欲ジジイ・・・1000Gはまだいいとして、
銅の剣×1 聖なるナイフ×1 皮の鎧×1 薬草×10
これだけかよ・・・何で薬草が一番多いんだ!?
僕にケガでも望んでいるのか!」

「まあいい・・・とりあえず受付で仲間を集おう」

酒場店主「ようこそ勇者様、王から話は聞いております
どのような仲間をご要望で」

「うん、やはり魔法を使える人材がいいな誰かいる?」

酒場店主「えーと・・・今魔法を使える人材は、と
いませんね~」

「じゃあ誰ならいるのかな?」

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