スネーク「この世に奇跡や魔法など、ありはしない」 ほむら「・・・」 (171)


赤い空。見るも無惨に崩壊したビル群。まるで爆撃されたような景色の中、一人の少女が戦っている。

黒髪の少女は銃を持っている。

しかし、その身体はボロボロで、血を垂れ流している。

少し遠くには、ピンク色の髪を二つに縛った少女がその様子を心配そうに見守っている。

甲高い笑い声が聞こえた。

瞬間、すさまじい風圧とともに黒髪の少女はたまらず吹き飛ばされ、倒壊したビルに叩きつけられた。

ピンク髪の少女は泣き出しそうな顔で、ただその様を見ることしか出来ない。

当の黒髪の少女の、その足は奇妙な形に折れ曲がっていた。
しかし、彼女はそれでも銃を握り続けていた。

まるで、己の命より大切な何かを守りたいがために。

ピンク髪の少女はたまらず泣き出してしまった。それに気づいた黒髪の少女が彼女に向かって叫ぶ。

ピンク髪の少女は聞こえていないのか、ただ俯くばかりだ。

ふと、視線を下に向けるとピンク髪の少女の目線の先に、白い猫のような生き物がいた。

その生き物は彼女に何かを語りかけているようだった。

ジジジッ ズズッ

視界にノイズがはしり始め、どんどん暗くなってきた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366634878

黒髪の少女はなおも叫び続ける。

まるでその白い生き物から逃げろと言わんばかりに。

視界が真っ暗になった、直後にまるで無垢な少年のような声が聞こえた。


「僕と契約して、魔法少女になってよ!」



2011年 太平洋上空 大容量輸送機「ノーマッド」 貨物室 二階

スネーク「ふぅ・・・こんなに眠ったのは久方ぶりだな」ムクリッ

スネーク「(しかし、何だったんだあの夢は?
      ・・・俺もとうとうオタコンのやってるあの『ゲーム』に影響されたか)」コツコツ

貨物室 一階

オタコン「あ、おはようスネーク。朝ご飯はそこに置いてあるよ」シュバババ

スネーク「・・・また目玉焼きか。オタコン、毎度思うんだがそんなにそのゲームは面白いのか?」

オタコン「ほっ、よっと、今は話しかけないで!おおっと、そこだ!
     くらえっマスタースパークッ!!」ビュイィィィィンッ!

スネーク「はぁ、ほどほどにしておけよ(最近サニーに声がうるさいから何とかしてほしいと
     言われたが、俺にはどうしようもできん)」

オタコン「やった!これでやっとフランちゃんに会えるぞ!いいぞ、僕の魔理s、あっ」ピチューン

オタコン「そんな、やっとここまで来たのにゲームオーバーなんて・・・こんなの絶対おかしいよ!」

スネーク「終わったか?ならさっさと仕事に取りかかるz」

オタコン「うああああ僕のフランちゃぁぁぁぁぁん!」ガタンッ

スネーク「・・・はぁ」もぐもぐ

サニー「ス、スネーク・・・」トテトテ

スネーク「あぁ、サニー。すまんな、オタコンは今黙らせる」ガタッ

サニー「違う・・・ス、スネークに、用事があるの」

スネーク「俺に?」

サニー「ろ、ロイ・キャンベルさんが、ス、スネークに、お話があるって」

スネーク「大佐が?・・・わかった、すぐに行く」

サニー「ス、スネーク・・・その、目玉焼き、美味しかった?」

スネーク「・・・ああ、いつもよりうまかったぞ」

サニー「よ、よかった」ニコッ



オタコン「うおぉぉぉッ!今日はフランちゃんを見るまで、やめるわけにはいかないぞッ!!」ピチューン

通信端末前

大佐『久しぶりだな、スネーク』

スネーク「ああ、こうして話すのはスマブラ・・・いや、シャドーモセス以来だな。まあそれはいい。
     大佐、俺に何の用だ?」

大佐『君に調べて貰いたいことがある』

スネーク「調べものか・・・一体何を?」

大佐『質問に質問を返すようですまないが、君は今年、世界中でどれだけの行方不明者が
   出ていると思う?』

スネーク「知らないな」

大佐『現在に至るまでおよそ6万人だ。そのうち八割がたは犯罪や事故、災害や戦争などに
   巻き込まれてしまい、身元確認が困難な場合にカテゴライズされている。
   残り二割はそれ以外の何らかの原因で失踪した者たちだ』

スネーク「なるほど」

大佐『問題はこの二割のほうにある。CIAが報告したデータによれば、徐々にこちらに分類される
   行方不明者が増加傾向にあるのだ』

スネーク「・・・」

大佐『不自然な失踪者増加が気になった米政府はICPO(国際警察機構)と連携させ
   調査を続行したところ、ある興味深いデータが浮かび上がってきた』

大佐『なんと増加傾向にある行方不明者のほとんどは、平均年齢が14歳の少女ばかりで
   あることが判明した。それもアメリカだけではなく、世界中で進行しつつある』

スネーク「随分とピンポイントだな。ちなみに失踪者は見つかったのか?」

大佐『残念ながらこれだけ大がかりな調査を行ってもなお、一人も発見されていない。
   だからこそ不自然なのだ』

スネーク「大佐、まさか俺に犬のおまわりさんをやれってことか?」

大佐『そうではない。肝心なのはここからだ』

大佐の顔が出ている画面の隣のディスプレイに、日本列島が映し出される。
そして、徐々にズームアップしていくと、ビル群の目立つ都市の上空で止まった。

大佐『話は変わるが、マンハッタンでの事件以来、米軍は世論の激しい批判を受け、
   他国への軍事介入が難しくなっている。そこで打って変わって登場したのが
   民間軍事企業(以下PMC)だ。PMCがもたらす利益は現在世界中の経済大国の
   注目を集めている』

スネーク「ふむ」

大佐『実は日本でもごく一部の大手企業がPMC業界に介入しようとしている。
   その会社の名前は「志筑グループ」。今表示している群馬県・見滝原市に本社を置く
   多国籍複合企業だ』

スネーク「大佐、さっきの行方不明者の話と今の話、一体何の関係があるんだ?」

大佐『世界的に見て失踪者の増加傾向が顕著なのは日本なのだ。そして、一番失踪者が多発している
   地域が、ここ見滝原市だとわかった』

スネーク「ほう。つまり大佐、アンタは迷子探しついでにその大手企業を探ってほしいわけだな」

大佐『端的に言えばそうなる』

スネーク「大佐、悪いがそれだけの理由じゃ俺はわざわざリスクを犯してまで日本へ行く気はない」

大佐『何、それだけじゃないさスネーク』

スネーク「まだあるのか?」

大佐『先ほど説明した志筑グループは海外とのコネクションを活用して成長した企業だ。
   無論、日本では滅多にないPMC業界に立ち入るにもコネが必要というわけだ』

スネーク「なるほど・・・」

大佐『そのコネクションがアメリカのレイブンソード社という、早期からPMC業界に参入し、
   利益をあげている会社で、彼らからPMCのノウハウを学んでいる。
   ついでに、あのアームズテック社からも大量の武器や兵器を仕入れているそうだ』

スネーク「あのAT社からか?日本も平和な国とは言えなくなってきたな」

大佐『それが冗談ではすまなくなってくる。実は購入した品物の中にはメタルギアも
   含まれていたのだ』

スネーク「メタルギアが?バカな、いくら国際企業とはいえ国の憲法を無視出来るだけの権力はない」

大佐『そう、だからこそ君に頼みたい。志筑グループが実際にメタルギアを保有しているか否か、
   ついでに今世界で多発している少女失踪事件の調査をしてもらいたい。
   勿論それなりの報酬は用意してある』

スネーク「わかった、引き受けよう。失踪事件はともかく、もし志筑グループがメタルギアを
     保有していた場合はどうする?」

大佐『そこは君たちフィランソロピーの運営に任せる。私にはメタルギアがあるか否かを
   報告してもらえればいい。ただ、目立ちすぎないように注意してくれたまえ』

スネーク「わかった。ただ、失踪事件のほうはあまり期待しないでくれ」

大佐『構わんさ。あくまで「ついで」だからな』

スネーク「ただ日本にはどう向かえばいい?」

大佐『ああ、それなら問題ない・・・こちらで何とか用意する。少なくとも一週間後には
   日本に着けるよう手筈する。君たちの輸送機や物資も何とか都合をつけるとしよう』

スネーク「随分いたれりつくせりだな。ちなみに誰から頼まれたんだ?」

大佐『詳しくは言えんが米政府からだ。もちろん君たちの正体はカモフラージュしたがね』

スネーク「そうしてくれんと困る。ただでさえ俺たちはお訪ね者の中でも目立つ部類だからな」

大佐『わかっているよ。では、健闘を祈っている』フッ


スネーク「(大佐、今度は一体何を隠しているんだ。メタルギアだけじゃない、まだ何かが確実にある)」

おまけ「新装備」

オタコン「畜生、何回やってもフランちゃんに会えない・・・」

サニー「ハ、ハル兄さん!ゲ、ゲームの、やりすぎはダメ!」

オタコン「あっ、サニー。調度いいところに来てくれたね。実は頼みごとがあるんだけど・・・」

サニー「?」

オタコン「この前アマゾソで買ったこのフランちゃん迷彩服を着て」
スネーク「オタコン!大佐から仕事が入ったぞ!いい加減ゲームは・・・」

オタコン「欲しいんだ・・・あっスネークいつの間に!?」

スネーク「何をしてるんだオタコン。そのヒラヒラした服は何だ?」

オタコン「これは・・・えっと・・・そう!君の新しい迷彩服だよ!」

サニー「!?」

スネーク「何だって?それが新しい迷彩服だと?」

オタコン「そ、そう!今度の任務で使わないかなって思ってこっそり買ったんだけど・・・」

サニー「(目が泳ぎまくってるよハル兄さん。あとそのごまかし方はないよ・・・)」

スネーク「・・・オタコン」
オタコン「な、何だいスネーク?」

スネーク「どうみてもサイズが一回り足りんぞ。せめてサイズは合わせてくれ」

オタコン「えっ」
サニー「えっ」

スネーク「どうした?何かおかしなことでも言ったか?」

オタコン「あ、いいや別に!?うん、そうだね、ちゃんとサイズぴったりのを作るよ!」

サニー「(やっぱりスネークはどこか変わってるなぁ・・・いろんな意味で)」

おまけ 終わり





・以上で投下はストップです。これからぼちぼち投下していくのでお楽しみください。

・今から投下開始です。

スネーク「ほむほむを持て余す」

一週間後 日本 群馬県 見滝原市 某マンション

オタコン「うん、パソコンはこれでよし。やっと引っ越し作業が終わった~・・・」

スネーク「ほとんど俺がやったんだがな・・・」

オタコン「ちなみにここにはどのくらい滞在する予定なんだい?」

スネーク「一ヶ月だ。それまでにここ見滝原に持ち込まれたメタルギアを探し出す」

オタコン「あと、迷子の調査もね」

スネーク「ああ、そっちはお前にまかせる」

オタコン「やれやれ。それにしても、サニーをノーマッドに残してきちゃったけど大丈夫かな」

スネーク「問題ないだろう、ノーマッドとサニーは避難地(ヘイブン)で大佐が責任を持って
     保護してくれている」

オタコン「出来れば一緒に来て欲しかったんだけどね・・・」

オタコン「あ、そうだ。スネーク、これを渡しておくよ」

スネーク「このカードは?見たところ身分証明書のようだが」

オタコン「その通り、それは日本の普通免許証。勿論偽装だけどね」

スネーク「レイナード・ベンソン、これが俺の『お名前』というわけか」

オタコン「そういうこと。ちなみに僕は『伊藤 春』、日本人に帰化した設定さ」

スネーク「ほほう、よろしくな、春さん?」

オタコン「こちらこそ、レイ?」

蛇オタ「ハハハッ」

オタコン「さてと、僕はそろそろ挨拶しに出かけないと」

スネーク「挨拶?」

オタコン「実は僕、明日から一ヶ月、見滝原中学校の臨時教員になるんだ」

スネーク「・・・今何ていった?」

オタコン「だから、僕は明日からここ見滝原市の中学校の教師になるんだって」どやっ

スネーク「教師だと?」

オタコン「正確には君の任務が終わるまではね。ただここに引きこもって東方、じゃなくて
     パソコンと一ヶ月もにらめっこしてちゃ身体に悪いと思ってね。
     調度ALTの短期臨時講師を募集してたから、運動と情報収集も兼ねてやることにしたんだ」

スネーク「・・・色々言いたいことはあるが、つっこむ気はないぞ」

オタコン「それじゃ、出かけてくるよ。留守番お願いね」

オタコン「(本音は最新の設備が備わった学校がどんなものか見てみたくなっただけだけどね)」ガチャッ

バタン

スネーク「・・・わけがわからん」

マンション一階 エントランス

マミ「(さて、今日もパトロールを始めましょうか)」ティロッ


チーン ゴウン


オタコン「(それにしても綺麗な内装だなぁ・・・ずっと輸送機の貨物室に引きこもってた
      身としては、何だか新鮮だ)」スタスタ

マミ「あ、こんにちは(見かけない人ね)」

オタコン「こんにちは」ニコリ

マミ「ひょっとして、今日引っ越してきた方ですか?」

オタコン「そうだよ。あれ、その服は君、見滝原中学校の生徒さんかい?」

マミ「はい、そうですけど・・・」

オタコン「実は僕、明日からALTの臨時講師として働くことになったんだよ」

マミ「え、そうだったんですか!?」

オタコン「といっても一ヶ月だけだけどね。これから学校に行くところだったんだ」

マミ「そうなんですか」

オタコン「そういえば名前を言ってなかったね。僕は伊藤 春って言うんだ。よろしくね」

マミ「巴マミです。三年生ですけど、私の教室にも教えに来てくれますか?」

オタコン「うーん・・・たぶんね。それじゃ、また学校で」スタスタ

マミ「はい、また明日会いましょう伊藤先生!(とても優しそうな人ね)」

見滝原市 某所

『貴様の言う通り、例の物は仕入れたぞ』

「では、品物を確認します。・・・ええ、完璧ですわ」

『・・・これで約束通り、娘の命は』
「それは貴方の対応次第といったところです」

『なッ!?貴様ッ約束が違うぞ!』

「私はあくまでもアレを実際に使用するまで、貴方の娘さんは『私たち』の監視下にあります」

『ふ、ふざけるなッ!!』

「ふざけてるのは貴方でしょう?・・・私の庭に五人、ネズミをしのび込ませたのは貴方の
 仕業でしょう?」

『な、なんのことだか私は理解しかねるがね』

「・・・私は『嘘つき』は嫌いですわ。嘘をついたら針を千本、貴方のかわりに彼女にたっぷり飲ませて」

『待てッ!!悪かった!この間仕入れたばかりの月光もつける!だから、どうか娘の命だけは・・・』

「・・・あとで庭の掃除代を口座に振り込んでくださいね。次はありませんよ」

プツッ

「・・・さて、準備は整いました。あとは私たちの成すべき事をするだけ・・・」

・本日の投下は以上になります。
・オタコンは東方にのめり込むうちに日本語をマスターしました。
・マミさんマミマミ

・毎度お待たせしました。ちょこっとですが投下します。

翌日 見滝原中学校 教室

和子「えー、今日は大事なOHANASHIがあります。皆さん心して聞くように」ゴゴゴゴ

男子生徒ども「(デフコン2『別れ話』発令だッ!ステルス『モブ化』迷彩用意ッ!!)」ササッ

和子「・・・」ジィ~

中沢「(ぐぅ、腹が痛い・・・今朝の生卵やっぱ腐ってたか・・・うぅ)」ぎゅるるる

和子「はい中沢くんッッ!!」くわッ!
中沢「!(し、しまった腹の音でステルスが!)」(メタギの発見音)

男子一同「(中沢め、油断したな・・・こうなったら見滝原中男子の命運、おまえに託したぞ!)」

中沢「(くそっこの道(モブ)14年のベテランの俺としたことがッ・・・こうなったら
    この後来る質問を予測して答えるしかないッ!おそらくあの顔は彼氏に卵の焼き方にケチを
    出されたに違いない。ということは固焼きか半熟かの二択!しかしだ、この質問は
    一見すればどちらかが答えだが、俺の今までの経験上それは孔明の罠だ!
    つまり、導き出される答えは・・・どちらでもいいッ!
    ちなみに今朝の朝食に影響されたとかでは断じてないッ)」

中沢は腹をさする三秒の間に、自己推測を完了した。

男子一同「(さすが中沢、あの顔はもう答えを出したのか)」

和子「・・・ダンボールを開けるとき、ガムテープを手で剥がしますかッ!?
   それともカッターで切り開きますかッ!?」

中沢「えっ!?」

以外っ・・・!質問はダンボールの開け方っ・・・!

中沢「(くっ、これ以上立っているのは限界だ・・・ええい、ままよ!)」

中沢「どちらでも、いいですっ・・・」

和子「・・・」

男子一同「ごくりっ・・・」

さやか「えへへ、きょぉすけぇ・・・zzz」

和子「そうですッッッ!!どちらでもいいんですッ!あんな箱ごときで女の魅力が決まるなど
   断じて間違いですッッッ!」くわあッ!
さやか「はうあ!?」びくぅっ!

男子一同「(なんという覇気・・・あの眠れるさやかが一撃で起きたッ!耐えるんだ中沢ッ!)」

中沢「くおぉ・・・腹が」ぎるるるるる

和子「女子の皆さんはくれぐれもッ!ダンボールの開け方にいちいち文句たれるような男とは
   交際しないようにッ!あと気配消してる男子は絶対にダンボールに変なこだわりを
   もつような大人にならないでくださいッ!!・・・中沢くん、座りなさい」

中沢「はいっ・・・(勝った・・・俺はやりとげたぞ!)」がたん

男子一同「(ありがとう中沢、おまえは英雄だ)」

そのとき、男たちは初めて生きていることを実感し、大役を務めた中沢に感謝していた。
・・・以上「中沢~漢たちの返闘録~」、志筑仁美でお送りしましたわ。

まどか「(今回もダメだったんだ・・・)」

和子「あ、それから今日は転校生と新しい先生を紹介します」にっこり

さやか「・・・いや、そっちが先じゃね!?」

数分前 廊下

オタコン「まさか着任当日に転校生が来るとは思わなかったなぁ・・・」

ほむら「そうですか」

オタコン「そうそう、このあと紹介するだろうけど一応名前を」
ほむら「暁美ほむらです」

オタコン「えっ?あぁ、暁美さんか・・・いい名前だね。僕は伊藤 春っていうんだ。
     短い間だけどよろしくね」

ほむら「はい」

オタコン「・・・えっと、なんだかクールだね、君って」

ほむら「そうですか」

オタコン「うん・・・」

ほむら「・・・」

オタコン「(会話が全然続かないよ・・・これで教師としてやっていけるか心配だなぁ)」

ほむら「(・・・一体誰なのこの男。幾度となく『繰り返して』きて、こんな奴が来たは初めて。
     でも、見た目も中身もただの教師ね。なら学校以外で関わる必要はないわね)」

オタコン「・・・早乙女先生、なかなか話が終わらないね」

ほむら「・・・そろそろ終わるわ」ぼそり

オタコン「え?今なんて・・・」

ほむらがつぶやいた直後、教室のドア越しから「暁美さん、伊藤先生入ってきてください」と
声がかかった。

・本日は以上です。ほとんど悪ふざけでした、はい。

・大変長らくお待たせしました。投下再開します。

二人は教室の中へ入ると、教卓の前に立った。

さやか「うわっ、すっごい美人じゃん・・・あの眼鏡かけた方の人はなんだか地味だけど」

まどか「さやかちゃん先生にそんなこと言っちゃダメだよ・・・」

まどか「・・・あれ、あの子って・・・(夢の中で出てきた・・・!)」

和子「はーい、それじゃまずは女の子から言ってみよっ♪」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

しばし沈黙、されどほむらはなにも言わない。

和子「・・・?」カキカ・・・

ほむら「・・・」スタスタ シュパッ

和子「!」パッ

ほむら「・・・」カキカキ ペコリ

中沢「(おお・・・ついに我がクラスにクールビューティ枠が!)」パチパチパチ

中沢を筆頭に生徒一同から拍手が起こった。

ほむら「・・・」ジロッ

まどか「!」ぴくっ

和子「では、次は今日から一ヶ月だけですけど、教鞭を取ってくれる新しい先生ですよ」

オタコン「あ、皆さん初めまして。僕は伊藤 春と言います。今日からこの学校でALTの臨時講師を勤めます。
     ほんの短い期間だけど、皆さんよろしゅくっ・・・」

さやか「(噛んだ)」

オタコン「あっと、よろしくっ!」

先ほどのほむらの独特な自己紹介によってもたらされた沈黙が、あっと言う間に笑い声などの
騒がしい空気に成り代わる。

和子「皆さん静かに!伊藤先生はこのクラスの副担任も兼任します。皆さん、転校生の子とも
   仲良くしてあげてくださいね!」

オタコン「あはは・・・」ニコッ

女子生徒たち「(何だか優しそうな良い先生・・・)」

男子一同「イラッ」

休み時間

女子1「伊藤先生は何か好きな食べ物とかってあるんですか?」
女子2「先生は『ポリスノーツ』ってドラマ見てますか?おもしろいんですよ!」
女子3「そうだ先生、映画とかは良く観ますか・・・?」

オタコン「えっと・・・(ま、参ったな・・・こんなに女子が来るなんて予想外過ぎるよ)」ドキドキ

きゃいきゃい

仁美「伊藤先生たら、すっかり人気者ですね」

さやか「うちの学校、男の教師が少ないからねー。特にああいう中間的な人が」

まどか「あはは・・・」

さやか「そーいえばまどか?あんた、あの転校生にガン飛ばされてなかった?」

まどか「えっ!?そ、そうかな?」

さやか「まー、直接確認取れば早いけど『あれ』じゃあねぇ」



男子1「暁美さんッッ!ここ見滝原へ来られる以前は、一体どの学校へ
    おらっしゃったのですかッッッ!」ドンッ!
男子2「前はどの部活にいらっしゃったのでありますかッ!?
    そうだっ、よろしければ是非、我ら『見滝原ミリタリークラブ(M.M.C.)』のご入隊を
    どうかご検討してくださいッ!!Mam!」ドドンッ!
男子3「それにしても、おお、なんとお美しい御髪をしておられる。参考までに貴女の使われている
    シャンプーを教えていただきたいッッッ!!」ドドドンッ!

ほむら「(何よ、このけだものどもは・・・女子はみんな伊藤とかいう男のところに
     集まってるし。このままじゃまどかのところに行けない)」

中沢「おいお前ら。そんなことより真っ先に聞くことがあるだろう?ん?」

男子1「中沢ッ・・・!一体、何をッ」
男子2「な、なんだこの気迫はッ・・・!?」

中沢「暁美さんッ、今あなたの履いている下着の色が知りたいッッ!!」バァーーーーーッン!!

男子3「な、なにィィィーーーーッ!?」
男子4「さすが中沢!俺たちが出来ないことを平然とやってのけるッ!」

わらわら ムラムラ

ほむら「(嗚呼、なんだか本気で気分が悪くなってきたわ・・・)」


仁美「あらあら、暁美さんはさっそく男子に囲まれていますわね」

さやか「つーかうちらの男子がっつき過ぎでしょ。せっかくさやかちゃんというマドンナがいるのにさ」

男子一同「寝言は永眠してから言え美樹」

さやか「よし、ならば戦争だ」ガタッ

まどか「さやかちゃん落ち着いて」あせあせ

ほむら「中沢君」

中沢「おうなんだい、暁美さn」
ほむら「シッ!!」ドスッ!
中沢「ンブシッ!?」ドゴフッ ドサッ

男子1「な、中沢ァーーーーーッ!?」
男子2「無茶しやがって・・・」

さやか「うわあ・・・ボディブローとかえげつないな転校生・・・」

仁美「筋がいいですわね・・・しかしまだまだですわ」

さやか「仁美、顔が怖いんだけど・・・って、転校生なんかこっち来る」

ほむら「・・・」つかつかつか

ほむら「鹿目、まどかさん」

まどか「ふぇ?」

ほむら「あなたが、このクラスの保健係よね?」

まどか「えっと・・・」

ほむら「連れて行ってもらえる?保健室」

まどか「・・・」こくん


きゃーきゃー

オタコン「(参ったな、こういう展開は慣れてないし、かといってこのままじゃ・・・ん?)」

ほむら「・・・」ガラリ
まどか「・・・」とたとた

オタコン「(あれは暁美さん。もう一人女の子がついていったけど・・・そうだ!)」

オタコン「ああっとごめん!さっき教室から出た子が心配だから付き添わないと!
     お話はまた今度ゆっくりしよう!」タタタッ

女子1「あ、先生!・・・もっとお話したかったな」
女子2「さっき教室から出た子って、例の転校生と鹿目さんだよね?
    もしかして学校案内かな?付き添ってあげるとか、やっぱり優しい先生だよね!」
女子3「うらやましいな・・・」

中沢「うぐう・・・はうあっ!?は、腹がぁ・・・」ギュルルルルル

男子1「中沢!いかん、誰か衛生兵を呼べっ!」
男子2「メディーーーック!!」


廊下

まどか「あのっ、わたしが保健係だってどうして」

ほむら「早乙女先生から聞いたの」

まどか「あ、そうなんだ・・・」

ほむまど「・・・」

まどか「えっと、保健室は」

ほむら「こっちよね」

まどか「う、うん」

ほむまど「・・・・・」

まどか「(うう、気まずいよ)」

タッタッタッタッ

オタコン「ああ、いたいた」

まどか「伊藤先生!どうしたんですか?」

オタコン「暁美さんが顔色悪そうだったから心配になってね。僕も付き添ってあげようかなって
     思ってさ・・・」

まどか「あ、わざわざすみません!」

オタコン「いいんだよ、僕が勝手にしたことだし」

ほむら「・・・」

まどか「そうだ、えっと、暁美さん?」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ええと、じゃあ、ほむら、ちゃん?」

ほむら「・・・何かしら」

まどか「体の調子はその、大丈夫かな?先生の言ったとおり顔色良くなかったから・・・」

ほむら「さっきよりはだいぶ楽にはなったわね」

まどか「そ、そっか。よかった」

オタコン「そういえば、君の名前はなんていうんだい?」

まどか「あ、私は鹿目まどかです。クラスでは保健係で、今ほむらちゃんを保健室に案内
    してて・・・(ホントは場所知ってたんだけど、何でだろ・・・)」

オタコン「なるほど・・・優しい子なんだね鹿目さんは」ニコッ

まどか「あう、そんなことないですよっ」わたわた

ほむら「・・・」

まどか「そういえば、その、ほむらちゃんって・・・変わった名前だよねっ」

ほむら「・・・」

まどか「いや、別に変な意味じゃないよ、その・・・かっこいいな、なんて思って」

ほむら「・・・鹿目まどか」ピタッ

まどか「っ、ごめんなさい」

オタコン「暁美さん、鹿目さんは別に悪意をもって君の名前について聞いたわけじゃないよ」

ほむら「そうじゃないわ」くるっ

いつの間にか、廊下には三人以外誰もいなくなっていた。

オタコン「!」

おもむろにまどかの名を呼んで立ち止まり、振り返ったほむらの表情を見たオタコンは、はっとした。
さらにほむらは言葉を紡ぐ。

ほむら「鹿目まどか、あなたは自分の人生が貴いと思う?家族や友達を大切にしてる?」

まどか「・・・え?」

オタコン「暁美、さん?(何だ、この子は・・・急に雰囲気が)」

まどか「・・・わたしは、大切、だよ。家族も、友達のみんなも、大好きで、とっても大事な人たちだよ」

ほむら「そう・・・なら忠告しておくわ」ファサッ

ほむら「その気持ちが本当ならば、今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないで」

まどか「え?」

ほむら「さもなければ・・・」

ほむら「すべてを失うことになるわ」くるりっ つかつかつか

謎の言葉を言い残し、ほむらは保健室の扉へと歩いていった。

まどか「・・・ほむら、ちゃん・・・?」

オタコン「(・・・あの『表情』。重苦しい何かを背負ってるような、雰囲気・・・)」


ほむら「(まどか、どうかあなたはありのままでいて)」ガララ ピシャッ


オタコン「(まるで、スネークみたいだった。一体、あの子は・・・『何者』なんだ?)」

・本日はここまでとなります。次回はいよいよマミさんとスネーク、そして我らがほむほむが
 接触しますよ。
・正直ここまで書くのに時間かけすぎた感が否めない。
・いまさらだけど、誰こいつしらねぇよというお方のための、わかりやすいキャラ紹介。

メタギ関係者
1.ソリッド・スネーク
いつもバンダナ巻いてるオッサン。どっか潜入するときは全身タイツになる。
これまで何回か核戦争止めてる(そのたびに陰謀に巻き込まれる)すごいオッサン。
メタルギアという二足歩行兵器をぶっ壊すため、今日も世界駆け巡って侵入テロする。
本名はデイビッドらしい。名字はしらん。ググれ。
段ボールが超好き。性欲を持て余す。だけど種なし。
他にも細かい設定あるけど説明しんどい。ググれ。

2.ハル・エメリッヒ
オタコンと呼ばれてる奴の本名はこんなん。メタルギアREXの開発者で天才プログラマー。
義母やら妹やらスナイパーやらナオミやらいろんな女性に好かれる、エロゲ主人公特有の
無差別恋情スキルをもつ。しかし、好かれた女性に死亡フラグがたつという最大の欠陥をもつ。
実は非童貞。童貞顔のくせに。今回は色々いじってオタ趣味を強めにした。JCに人気。はぜろ。

3.サニー
かつら疑惑の刀使いサイボーグ兵士によって、厨二集団・愛国者達から救出されたアイドル。
この子の母親がイケメン偽毛野郎とともにMGS2にて大暴れしてるので、是非プレイしてみて。
目玉焼きという名の物体を精製する程度の能力をもつ。お買い物はツーハンで。

3.大佐
彼がいなければ、スネークは今ごろアラスカで犬とソリに乗りながら戯れてる毎日だった。
いつも何か隠しごとしてるおじいちゃん。弟という概念に並々ならぬ感情を抱いている。
家庭環境はかなり複雑。らりるれろ!らりるれろ!



・まどマギ関係者はこの次にてぼちぼち紹介。

・お待たせしました。投下開始します。

見滝原市ショッピングモール

駅前にあるショッピングモール店内。
見滝原中学校の生徒が多くごった返す中、スネークは人混みをかき分けて歩いていた。
トレードマークのバンダナは巻かず、グレーのスーツに茶色のコートを着た姿は、少し渋めな
印象のサラリーマンに見えなくもない。

スネーク「(今日は志筑グループの本社ビルを下見に行ったが・・・さすがは
      大企業といったところか、かなりの大きさだった・・・。
      メタルギアも含めたPMCとの交流情報のありかは最上階の社長室の中、もしくは地下の
      会社のコンピューターの情報を全て記録・保存しているコンピューター室の中。
      いずれも警備は厳重だったな)」

スネーク「(メタルギアがすでに届いているとすれば、おそらく郊外にある町工場あたりか。
      あそこは志筑グループの保有する倉庫街がある。
      あそこならメタルギアや買い取った兵器を上手く隠せるだろう)」

スネークは今日、自分の足で収集した情報をまとめあげていた。

スネーク「(それにしても・・・どうして日本の煙草はあんなにも高いんだ。おかげでオタコンに
      小言を言われそうだが・・・ん?)」

スネークはふと、前を見やると、そこはファーストフード店の前だった。
店内には放課後で暇を持て余した学生達がたむろっていたが、
スネークの視線は、店内の一角のテーブルで仲睦まじそうに談笑している三人の女子生徒を
捉えていた。

スネーク「(あれは、いつの日か俺が見た夢にいた・・・)」

三人の輪の中心には、一週間前スネークが見た夢に登場したピンク髪の少女・・・まどかの姿があった。

スネーク「(・・・偶然だろう。驚くほどでもない・・・)」

スネークはその場から立ち去ろうとしたが、小腹が空くのを感じて足を止めた。

スネーク「(・・・そういえば昼食はカロリーメイトだけですませていたな。
      少し、何か腹に入れていくか)」

そう思い、スネークは店内へと入っていった。

ファーストフード店 店内

さやか「あっははははは!ええww?ちょ、まどかそれマジw?」

まどか「あんまり笑わないでよぅ・・・でもわけわかんないよね」

さやか「文武両道で才色兼備かと思いきや、実はサイコな電波さんとはね~。くーッ!
    どこまでキャラ立てりゃ気がすむんだ~!?萌えか?そこが萌えなのかぁ!?」

仁美「まどかさん、暁美さんとは本当に初対面ですの?」

まどか「うん・・・常識的に考えるとそうなんだけど・・・」

さやか「なんぞそれ?非常識なところで面識が・・・はっ!まどか、あんたまさかついに
    邪気眼を開眼しちゃったの!?」

まどか「じゃきがん?何それさやかちゃん・・・?」

さやか「いいんだ、まどか。今はわからずとも、成人する頃にはいい思い出になるから・・・w」

まどか「?・・・でも非常識って言っていいのかわかんないけど、昨夜に夢の中であの子と
    会ったような気が・・・」

さやか「嗚呼、まさかまどかまでキャラ立っちゃったかぁ・・・
    なんだかすごくなってきましたなww」

まどか「もー、笑うなんてひどいよさやかちゃん。私、真面目に悩んでるのにっ」

さやか「あーもう決まりだね。それ前世の『因果』だわ!あんたと転校生は、時空を
    超えて巡り会った運命の仲間なんだわぁw!」ガタンッ

ゴスッ!

さやか「いったあ!?」
スネーク「おっと!」

さやかは笑ってのけぞった拍子に、後ろを通りかかろうとしたスネークの右肘に後頭部を
ぶつけてしまった。
スネークはよろめきながらも、何とか手に持ったコーヒーとハンバーガーをのせたトレーを
落とさないよう死守した。

さやか「あっ、すみません・・・大丈夫ですか?」

スネーク「ああ、何とかこぼさずにはすんだが、食事をとる場所では静かにしたほうがいいな」スタスタ

まどか「さやかちゃん大丈夫?」

さやか「へーき・・・でも、確かに騒ぎ過ぎちゃったかもね。気をつけないと」

まどか「そうだね・・・」

仁美「ところでまどかさん、夢って一体どんな内容でしたの?」

スネーク「よっこらせと・・・ふぅ、こう言うと俺もだいぶ『老け』たな・・・」

スネークはまどかたちのいるテーブルのすぐ近くの空きテーブルに座ると、ため息を漏らした。

スネーク「(しかし、あちらも夢の話で盛り上がってるとはな・・・。
      そういえばオタコンの情報によれば、志筑グループの現社長に中学二年生になる
      一人娘がいるそうだが・・・ちょうどあれくらいか?)」ムシャムシャ



まどか「よく、覚えてないけどとにかく変な夢だったなぁ」

仁美「なるほど・・・このままだと地球は滅亡致しますわ!」キリッ

まどか「ええ!?」

さやか「な、なんだってー!?・・・って、オイこら仁美、真面目な顔してボケないでよ~」

仁美「ごめんなさいませ、腹パンだけではない私の魅力を知ってもらおうと・・・」

まどか「はらぱん?」

さやか「ンモー、これ以上仁美の魅力があがっちゃったら、太刀打ち出来なくなっちゃうよ~」

仁美「フフ、それでは改めて真面目な話を。まどかさん、本当は暁美さんとどこかで会った
   ことがあるのかもしれません」

まどか「え?」

仁美「まどかさん自身は覚えていないつもりでも、深層心理では彼女の印象が残っていて、
   それが夢に出てきたのかも知れません」

さやか「それって出来すぎてない?どんな偶然よ?」

仁美「前世の因果よりは論理的な説明ですわ・・・あら、もうこんな時間。お先に失礼しますわ」ガタン

さやか「今日はピアノ?それとも、この前仁美があたしにやったCQCとかいう奴?」

仁美「いえ、今日はコマンドサンボですわ。師範もせめて受験勉強のための時間を確保してくれれば
   いいのですが・・・私もついつい夢中になってしまうので」

さやか「仁美は将来軍人さんにでもなるつもりなの?」

仁美「あくまでも嗜みですわ。それではまた明日」タタッ

さやか「へぇ~嗜みねぇ。あたしを軽々と背負い投げするのが趣味なんて、涙が出そうだよ」

まどか「仁美ちゃんも色々あるんだよ、お家のこととかで」

さやか「それを俗にストレス解消と言うんだよ、まどか。とほほ・・・」

まどか「あ、ごめんねさやかちゃん。そういう意味で言ったんじゃないよ?」

さやか「だいじょーぶ、今日のさやかちゃんはへこたれない!なぜならこれからCDショップに立ち寄るからだ!」

まどか「そうなの?」

さやか「・・・いいかな?」

まどか「いいよ。また上条くんの?」

さやか「えへへ、まあね」

まどかとさやかは立ち上がると、店を後にした。



スネーク「(む、どこかで聞いたような言葉が聞こえたような気がするが・・・)」ズズッ

スネーク「(そういえばオタコンに買い物を頼まれていたな。確か『コネクト』だとかいうCD
      だったか・・・。まったく、俺も暇じゃないんだぞ・・・)」ガタリッ

ややあって、スネークもハンバーガーとコーヒーを食べ終え、本日最後の任務を遂行すべく
立ち上がった。

・以上です。すんません、マミさんはこの次に出てきますんで。
・では他にやることないのでキャラ紹介。

まどマギ関係
1.鹿目まどか
最強の魔法少女(魔女)になる資格があるとして、QBにあの手この手で契約を持ち込まれる。
おそらく史上最年少で神になった子。本編でなるかは今のところ不明。
数千年後、某働き蜂部隊に弾幕を展開する言動がイタい子にメタモルフォーゼする。
現在笑い方をティヒヒにするかうぇひひにするか審議中。

2.美樹さやか
愛すべきバカ。直感で動くタイプを絵に書いて女の子にしたら、こうなる。
青い子とも呼ばれる。その一途で真っ直ぐな感情故に、上手くいかない世の中に苦悩する。
奇跡や魔法でも救えなかった薄幸すぎる彼女だが、果たして本編では報われるのか。

3.志筑仁美
今のところ一番のキーパーソンである淑女。その裕福な家柄故に、様々な習い事を強制させられるが、
本編では若干ハラパニスト属性が入っているため、以外とチャレンジャー精神旺盛。
格闘技にも興味津津。

中沢「待たせたな!ショータイムだ!」(パンイチ)
仁美「そぉい!」ドスッ
中沢「あふん」ドサッ
仁美「改めて、投下開始ですわ♪」

ショッピングモールの改装区画。
真新しい壁に二つの陰がさっと横切った。

???「はっ、はっ、はっ」タタタッ

ツカツカツカツカ

???「(一体彼女は何者なんだ?なぜ突然僕を・・・)」タタタッ

チャキッ

???「(ダメだ、体力がもうもたな・・・)」



ショッピングモール CDショップ「コジマ」

スネーク「!」ピクッ

スネーク「(銃声?・・・いや、気のせいだな)」

スネーク「(さてと、目当てのCDも手に入れたことだし、帰るか・・・む?あれは・・・)」

まどか「この『恋の抑止力』っていう曲いいなぁ・・・買ってみようかな」

スネーク「(そういえばこっちに向かうと言っていたな。・・・いいセンスをしている)」

まどか「うぇひひ、さやかちゃんも気に入りそう、この曲・・・」


『恋の抑止力♪ほら、ゲームが始まる♪見つめ ・・・けて あえばわかるでしょ♪』

まどか「?(今、変な声が入ったような・・・)」

『はじまりのベルが鳴る♪ Listen to my heart 声にならないこの声♪』

まどか「気のせいかな・・・?」

『・・・助けて』

まどか「!」キョロキョロ

『助けて・・・まどか・・・』

まどか「えっ・・・誰?」キョロキョロ

スネーク「・・・?」

『まどか、助けて・・・お願い・・・』

まどか「誰なの、一体?」トタトタッ

まどかは突如頭の中に鳴り響いた謎の声の主を探すべく、CDショップを後にした。
その様子を横目で見ていたスネークは怪訝そうな顔をして、まどかの後ろ姿を見送った。

スネーク「(いきなり周りを見渡し始めたかと思いきや飛び出していったな。
      まるで『誰かに呼び出された』ようだったが・・・まあいい、そろそろ帰るか)」スッ

どすんっ!

スネーク「ぬおおっ!?」
さやか「きゃっ!?」

スネークが帰ろうと入り口に歩を進めたそのとき、横から走って飛び出してきたさやかと出会い頭にぶつかってしまった。

さやか「いたたた・・・あっ、あのときファミレスにいた・・・!」

スネーク「また会うとは奇遇だな。俺にぶつかるのが好きなのか?」

さやか「いや、別にそんな特殊すぎる趣味もってないから!って、いけない!
    まどかを追わないと・・・まだ遠くには行ってなさそうだし・・・」

スネーク「まどかというのは、さっきのピンク髪の子のことか?」

さやか「そうだけど・・・」

スネーク「ここで会ったのも何かの縁だ。俺も一緒に探そう。君が行った通りまだ近くにいるはずだ」

さやか「えっ?でも・・・」

スネーク「なに、何度もぶつかったおわびだ。どこに向かったかは把握している」

さやか「おお、ありがとうございますっ!」

スネーク「確か右に曲がっていったな。こっちだ、走るが大丈夫か?」

さやか「大丈夫ですっ!」

こうしてスネークとさやかは走り去ったまどかの追跡を開始した。

スネーク「(そういえば大佐についでのあの仕事も一緒に頼まれていたんだったな。
      あのまどかという子が失踪事件に巻き込まれないとも限らん。
      時間もまだあることだしな・・・)」

なんかもう申し訳ない。
今更だろうけど、再開します。
本当に申し訳ありませんでした。

一方、謎の声を聞きつけたまどかはショッピングモールの改装中エリアの中にいた。

『助けて・・・』

まどか「声が大きくなってきてる・・・いったいどこに」

ガタンッ!

まどか「きゃっ!」

突然、まどかの前にボイラーのダクトの蓋が落ちてくる。

「うう・・・」

まどか「!」

しかし、落ちてきたのは蓋だけではない。
白く柔っこい、猫のような生き物。両耳からは、金色の輪がついた長い耳のようなものが垂れている。
尻尾はまるでデフォルメした狐のような、もっふりした感じだ。
まどかは、落ちてきた未知の生物を呆然と見ていた。

まどか「(この子、怪我してる!)」

まどかは、生物が血塗れであることに気づき、抱き上げた。

まどか「ひどいけが・・・大丈夫?」

生き物は時節手足を痙攣させている。相当手酷くやられたようだ。

「ま、まどか・・・」

まどか「え?今、私の名前を・・・もしかして、あなたが私を呼んだの?」

カツン カツン

ほむら「そいつから離れてッ!」

まどか「え、ほむら、ちゃん?」

まどかの前に、学制服ではない黒と白を基調とした服を着たほむらが現れた。

ほむらはまどかと生物を一瞥すると、一歩ずつ近づく。

ほむら「相変わらず汚いやり方をするのね・・・。まどか、そいつをこっちに渡しなさい」カツン

まどか「で、でもこの子怪我してるよ」

ほむら「いいから渡しなさい」カツン

まどか「もしかしてこの怪我、ほむらちゃんがやったの!?」

ほむら「貴方には関係のない事よ。さあ、早くそいつをこっちに渡しなさい」カツン

ほむら「でなければ強行手段をとるわ。私はあなたを傷つけたくはないの」カツン

まどか「ひっ」ビクッ

ほむらの目には有無を言わさぬ冷淡さがあった。
まどかは思わず小さな悲鳴をあげて目をつぶった。



さやか「まどか!」

まどか「えっ?」

ブシュウウウウウウウウ!

まどかの背後から現れたさやかは、手にした消火器のノズルをほむらに向けて、中身を噴射した。
たちまち辺りは白煙に覆われる。

ヒョイッ

まどか「ひゃっ」フワッ

スネーク「怪我はないか、お嬢さん?」

まどか「は、はい・・・」

まどかは音もなく駆け寄ってきたスネークに抱きかかえられる。

さやか「おじさん、まどか!こっちです!そりゃ!」ブンッ

さやかはほむらの居る場所に向けて消火器を放り投げた。

スネーク「このまま走るぞ。口は閉じておけ、舌を噛む」

まどか「!」こくりっ

まどかを抱えたスネークとさやかは元来た場所の方向へと駆けだした。

ほむら「けほっ、こほ・・・くっ、美樹さやかは私を殺す気なの!?」

一人残されたほむらは、床に転がった消火器を蹴飛ばす。
消火器は勢いよく転がっていく。暗がりの廊下まで転がると何かに吸い込まれるように姿を消した。

ほむら「ッ!?ああもう、相手をしてる場合じゃないのにッ・・・!」

ほむらは歯ぎしりして、スネークたちを追った。



さやか「なんなのあいつ!?コスプレの通り魔なんて中沢よりたち悪いわよ!」

まどか「さ、さやかちゃん・・・それはさすがにあんまりだと思うな」

スネーク「(あの黒髪の少女、ただ者ではなさそうだったな・・・)」

まどか「あの、そういえばおじさん。確かファミレスに居た人ですよね?」

スネーク「ああそうだ。その血塗れの動物は君のペットか?」

さやか「そうそうあたしも気になってたんだけど、それ何よ?ぬいぐるみ?」

まどか「うーん、さっき拾ったんだけど・・・あっ」

スネーク「どうした?」

まどか「うう・・・(今更だけど、私知らないおじさんにお姫様だっこされちゃってるよ)」もじもじ

まどかは急にはっとした顔をすると、顔を赤らめ恥ずかしそうにもじもじし出す。

スネーク「どうした、どこか怪我でもしてるのか?」

まどか「えっと、その・・・怪我はしてません、けど・・・」もじもじ

さやか「!(ほほう・・・まどか、いっちょ前に照れてますなぁw)」

さやかはまどかの気持ちを察したのか、にやにやしてまどかを見やる。

まどか「(あっ、さやかちゃんにやにやしてないでなんとかしてよー!)」

さやか「(いやー、こうして見るとなかなか絵になってるな~。映画のワンシーンみたい。
     そうだ、あ、あたしもいつか恭介に・・・)」もじもじ

スネーク「?(さやかまで顔を赤くしてどうしたんだ?)」

まどか「はぁ・・・(さやかちゃんの馬鹿・・・)」

スネーク「(・・・わけがわからん)」

スネーク「・・・?」スタスタ ピタッ

さやか「あれ、どうしたんですか?」

まどか「(チャンス!)・・・あの、もう下ろしてもらっても、いいですか?」

スネーク「む、あぁすまないな」スッ

まどかはスネークの腕の中から降りた。
すると、スネークは辺りを怪訝な顔をして見回し始める。

スネーク「俺たちが入ってきた場所はどこだ?」

さやか「え、確か・・・あれ?そういえばもう着いていてもおかしくないのに・・・?」

まどか「ね、ねぇ何かここおかしいよ・・・床がなんでこんなに柔らかいの?」

さやか「うわ、ホントだ。ていうか周りの景色もなんだか変だよ!」

さやかの言うとおり、辺りの景色は一変していた。
先ほどまでの、無機質なコンクリートに覆われたの空間ではなく、まるで世界がねじ曲がって
しまったような、上下左右がはっきりしない空間になりつつあった。
スネークも、状況の一変に半ば驚いていた。

スネーク「(異様だ。俺たちが来たときはこんな場所はなかった。ここはどこだ?)」

スネークはオタコンからもらったスマートフォンを取り出し、現在地を確認しようとした。

スネーク「電波が通じていない・・・(コーデックも使えん・・・)」

スマホは圏外を表示していた。スネークは他にもコーデックという体内にあるナノマシンを使った、
オタコンとの個人通信手段も持っている。
ジャミング(通信妨害)を受けない限り、大抵はどこでも通信が出来る。

スネーク「(だが、単なる通信妨害とは考えにくい。これは一体何だ?)」

さやか「なんなのよここ!?非常口はどこ!?」

まどか「ひっ!な、何あれ!?」

まどかは顔を青ざめて、悲鳴をあげる。
指をさしている先には、さらにあり得ない光景が広まっていた。
黒い蝶のような羽根で空を飛ぶ、カイゼル髭を生やした目のない化け物が、無数に飛び交っていた。

さやか「ひぃっ!?やだ、なんなのよアレ!悪い夢だよ、こんなの・・・!」

さやかはあまりの光景に頭を抱えてその場にへたり込んでしまった。

まどか「(逃げなきゃ・・・でも、身体が動かない・・・)」ブルブル

スネーク「・・・フンコロガシの新作、ではなさそうだな」

まどか「え?(フンコロガシ?)」

さやか「おじさん・・・?」

スネーク「君たちは下がっていろ・・・」

というわけで、本日はここまで。
休日のみ更新、某ヒラコーに迫る筆の進みとなる予定となります。
三週間どうしてたかは聞かんといて。

お待たせしました。
投下開始します。

スネークはコートの懐から黒く光沢を放つ拳銃を取り出した。

ベレッタM92F。米軍が制式採用している拳銃だ。

しかし、スネークの持つソレは、スニーキング(潜入)のためにカスタマイズされたものだ。

鉛の弾丸の代わりに、頭に撃ち込めば一瞬で昏倒させられる強力な麻酔弾を発射する。

撃つとスライドが自動的にストップするので、一発ごとに弾を込め直さなければならないのがネックだが。

スネーク「(今日のために持ってきたものだが、果たしてこいつらに効くのか・・・)」

さやか「おじさん、それって・・・モデルガンですよね?」

スネーク「いいや、本物だ」チャキッ バァンッ

使い魔「ギッ・・・zzz」ブスッ ドサッ

使い魔の一匹に麻酔弾が当たると、その使い魔は地面に落下した。

ちなみにサプレッサーは外してあるので、辺りに大きな銃声が鳴り響く。

まどか「ひゃっ!?」

さやか「おお、やっつけた!?」

スネーク「あくまでも眠らせただけだ・・・」チャキンッ

使い魔たち「!(敵がいる!)」ゾロゾロ

スネーク「(携帯するうえでサプレッサーは別にしていたが、
      こいつは予想外の事態だ・・・いまさら付けたところで意味はない)」

バァンッ チャキンッ バァンッ チャキンッ

使い魔「ギュウッ・・・zzz」バタリ
使い魔「キィっ・・・zzz」ドタッ

スネーク「一応麻酔弾は効くようだな・・・ますます訳がわからん連中だ」

さやか「おおー!いいぞー、もっとやっつけちゃえ!」

スネーク「気楽に言ってくれるな・・・だが生憎弾はそんなに多くはない」バァンッ

まどか「きゃあっ!」

スネーク「どうした!・・・ッ!」

背後からまどかの恐怖のこもった悲鳴が聞こえ、スネークは振り返った。

使い魔s「「「キキキキッ(造園・・・じゃなくて増援要請されて来ました)」」」

さやか「ば、化け物が一杯・・・」

スネーク「クソッ・・・数が多すぎる」

さやか「おじさん、早くやっつけて!」

使い魔「ギィッ!」シュッ!

まどか「おじさん危ない!」

スネーク「ぬおっ!?」カシャンッ

スネークが振り向いた隙に、背後から使い魔が攻撃しようと近づく。

それを見たまどかの忠告でスネークは身を翻して回避するも、
手にしていた麻酔銃を弾き飛ばされてしまう。

スネーク「しまった!」

使い魔s「ギギギ・・・」ゾロゾロ

銃は使い魔の群れの前に落ちたため、回収出来ない。
続々と集まる使い魔にスネークたちは囲まれる。

さやか「銃が・・・そんなぁ・・・」

スネーク「くっ・・・」スッ

スネークは懐からナイフを取り出すと、逆手に持ち構える。

スネーク「(ナイフ一本でこいつらと格闘出来る余裕はない・・・。
      何匹かこいつらを捌いたうちに銃を取るか・・・しかし、その間に
      この二人に危害が及ぶだろう。・・・こうなれば多少の傷は覚悟しよう)」

まどか「(もう、ダメなのかな・・・。でも、こんなところで死ぬのはやだよ・・・)」

使い魔s「ギギギッ!」ズズズ・・・

スネーク「・・・」ジリ・・・

まどか「(お願い・・・誰か助けてッ!)」


使い魔は一斉にスネークたちに踊りかかろうとした。

まどか「きゃああああっ!」

パアッ・・・シュルルルルルルッ!!

使い魔s「ギィッ!?」

スネーク「!」

さやか「へっ?」

まどか「(光がリボンになって巻き付いた・・・?)」

突然、幾筋もの光が現れ、使い魔たちにまとわりつくと、黄色いリボンとなって雁字搦めに縛りあげた。

コツコツコツ・・・

???「危ないところだったわね・・・」

スネークの横から、まどかとさやかと同じ制服を着た黄色の縦巻きロールヘアーにスタイルの良い少女が現れる。

マミ「でも、もう大丈夫よ」ニコッ

少女、巴マミはまどかたちに微笑みかけた。

マミ「キュゥべえを助けてくれたのね。ありがとう、その子は私の大切な友達なの」

まどか「わたし・・・この子に呼ばれたんです。頭の中に直接・・・」

マミ「なるほどね・・・その制服、あなたと青髪の子も見滝原の生徒のようね。二年生かしら?」

さやか「はい。その、あなたは・・・?」

マミ「そうそう、自己紹介しないとね」

スネーク「仲良くおしゃべりしてるところすまないが、こいつらを何とかしてくれないか?」

スネークは麻酔銃を拾いながら声をかけた。

マミ「そういえば、あなたは一体・・・?(あの手に持っているもの、拳銃かしら?)」

スネーク「自己紹介は後回しだ。先にこいつらを片づける。
     さっきまで君は居なかったが、どこかに出入口があるのか?」

マミ「ここから出るには、こいつらの親玉・・・『魔女』を倒さなければいけません」

スネーク「魔女?」

マミ「後で説明します。一仕事終わったあとに、ねッ!」バッ

マミは弧を描くようにステップすると、光り輝く宝石のようなものを両手で持ち直す。
すると、宝石からさらに強い光が溢れだし、マミの身体を包み込む。
革靴はロングブーツに、チェック柄のスカートは髪と同じ色の鮮やかなショートガードに
変わる。頭にはファーと花の形に結ばれたリボンのついたベレー帽がかぶさっている。

そして、宙に無数の銀色に光るマスケット銃が出現した。

マミ「(使い魔が何匹か地面に落下していたけど、あの男の人がやったのかしら?
    まあ、やりやすくなっていいのだけれど気になるわ)」チャカッ

バババババババババババッ!

マミはそのうちの一丁を持って構えると、動けない使い魔たちに向けて引き金を引いた。

それに呼応するように、他の銃も一斉に撃鉄を落とした。
放たれた魔弾は、一寸の狂いなく、正確に使い魔たちだけを撃ち抜いた。

まどか「す、すごい・・・」

さやか「あっ!戻った!」

マミは空中で優雅に一回転し、着地すると同時にあのおどろおどろしい空間から、
元の改装中の部屋に景色が変わった。
しかし、マミとスネークは工事現場奥の暗がりを黙って見つめている。

マミ「・・・」
スネーク「・・・」

さやか「・・・あれ、どうしたんですか二人とも?」

スネーク「そこにいるのは誰だ?」

カツン、コツン・・・

ほむら「驚いたわね。巴マミ以外に私の気配に気づくなんて、貴方は一体何者かしら?」

マミ「それはこっちのセリフよ。私はあなたのような『魔法少女』とは面識はないのだけれど」

ほむら「・・・」

マミ「・・・まあ、いいわ。魔女は逃げた、仕留めたいならすぐ追いかけなさい。
   今回はあなたに譲ってあげる」

ほむら「私が用があるのは」

マミ「呑み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの」

ほむら「ッ(相変わらずええかっこしいな奴ね)」ギリッ

マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

そう言うマミは、口元は微笑んでいるが目は笑っていない。
ほむらはそんなマミを冷たく睨みつけ・・・隣に佇む男の顔を見る。
同じ日本人のような顔つきの男。しかし、ほむらを見る鋭い双眼、わずかににじみ出る気配・・・
日本人とは無縁であるはずの殺気をほむらは感じ取る。

ほむら「(この男・・・魔女の空間に入り込んだにも関わらず、取り乱しもせず米軍しか持ち得ない
     拳銃で使い魔を撃退した。さらに魔力で常人では気づかないまでに気配を消していた
     私の居場所まで感知した。どう見てもただ者じゃないわね)」

マミ「黙っていないで何か言ったらどうかしら?」

ほむら「(いちいちうざったいわねこのケーキチの紅茶狂い。お菓子の魔女に食われる前に今その綺麗な
     顔を吹っ飛ばしてやるわよ。・・・とりあえずもうここに用はない。帰るとしましょう)」

ほむら「(それにしても、今朝の優男といい、この男といい『この世界』には知らない奴らばかり
     いるわね。何れにしろ私はまどかを助けることに変わりはない)」

ほむらはその場から煙のように姿を消した。

今日はここまで~。
続きは出来れば明日にでも。

おまけの人物紹介

・巴マミ
 不憫。もうひたすら不憫な子。たった三話で退場、某ま○もちゃんのように丸ごといただかれる、
 メインカメラがやられる、そしてつねに頭上で死兆星が光りっぱなし、これはもう死ぬしかない。
 SGとQBの正体を知ったとき、一気にSAN値直葬してあんこちゃんを円環の理ったせいか
 大統領から豆腐メンタルの称号を得る。
 だけど、ドーピングコンソメケーキと某提督と同量の紅茶を接種した結果手に入れたナイスバディは
 薄い本で多大な戦果を上げ、全国の歴戦自宅警備兵をテクノブレイクでティロフィナっていった。
 その栄誉を称えられ、マミさんが好きすぎる紳士からビッグマミの称号を得る。
 友達増えるよ!やったねマミちゃん!主に大きな友達だけどな!
 巷ではぼっち疑惑をかけられている。ちなみにキャラ紹介これだけだけど断じてそういう意味ではない。

はじまるよ!

マミ「これでもう大丈夫ね」

ほむらが去ったあと、マミはまどかから白い生物を引き取ると、手を当てた。
指の間からかすかに光が漏れたあと、白い生物の傷はすっかっり消えていた。

QB「ありがとうマミ。助かったよ」

スネーク「!」

マミ「お礼ならこの子たちに言ってあげて。私は通りがかっただけだから」

QB「どうもありがとう!僕の名前はキュゥべえ!」

キュゥべえと名乗った生物は赤い瞳をまどかに向けて、長いしっぽをふわりと回した。
それを見たスネークは珍しく驚きを含んだ表情をした。

スネーク「そいつ・・・喋れるのか?」

マミ「えっ!?あの、あなたキュゥべえが見えるんですか?」

スネーク「新種の猫か何かだと思っていたが・・・」

QB「驚いたね。僕の姿は君のような大人、ましてや男には見えないはずなんだけどね・・・」

スネーク「なるほど。魔女に魔法少女のお次は子供にしか見えない妖精ときたか」

スネークは眉間を指でつまんだ。

まどか「えっと、キュゥべえ?あなたが、私を呼んだの?」

おずおずとまどかが訪ねると、キュゥべえは頷いた。

QB「そうだよ、鹿目まどか。それと・・・美樹さやか」

さやか「え・・・なんで、あたしたちの名前知ってるの?」

初対面の謎生物に名を言い当てられ、目をむくさやか。

QB「僕は君たち二人にお願いがあって来たんだ」

まどか「お、お願い?」

スネーク「ッ!」

そのとき、スネークの脳裏に今朝のノーマッドでの夢の光景がフラッシュバックする。

スネーク「(俺は・・・こいつを見たことがある。このまどかという子も、そして・・・あの黒髪の少女も。
      あの夢の通りなら、こいつは、おそらく次にこう言うだろう・・・)」





QB「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!」



スネーク「(自分と契約して魔法少女になれ、と・・・)」

キュゥべえの声とスネークの心の中のぼやきが、同時に重なった。

見滝原 某住宅街 千歳家前

ピンポーン

???「はい?」ガチャッ

宅配員「どうも、お届けものに参りました。印鑑をお願いします」

???「届けものぉ?誰からよ、ったく・・・少し待っててくれる?」

いやに目付きの悪い女性はそういってドアを閉めた。
中からかすかに怒鳴り声と何かを叩く音が聞こえた。
しばらくたってドアが開き、先ほどの女性が三文判を持ってきた。

宅配員「こちらのほうに、判子をお願いします・・・はい、ありがとうございます」

宅配員は烏のマークのかかれた小さめの段ボールを渡す。
女性はひったくるように段ボールを受け取ると、大きな音をたててドアを閉めた。
宅配員はきびすを返して荷台に『ヤマネコ急便』とかかれたトラックの助手席に乗り込んだ。

運転手「よう、お疲れさん」

運転席には、宅配員と同じ格好をした男が座っている。
男はゆっくり車を発信させた。

宅配員「・・・やれやれ、おっかないねぇ。中の子供が気の毒だ」

宅配員はおどけた表情で肩をすくめた。

運転手「それも今日でおしまいさ。早く『HQ』に報告しろ」

運転手に促され、宅配員は前のダッシュボードを開けて、中から無線機を取り出した。

宅配員「HQ、HQ。こちらイースターバニー」

《こちらHQ。状況報告をしろ》

無線のスピーカーから低い男の声が響く。

宅配員「ターゲットにイースターエッグをお届けした。雛が孵るまで残り三十秒前」

《レーダーが雛を捉えられるギリギリの場所で待機せよ。カウントは五秒前からだ。
 くれぐれも救世主に逆探知されるな。探知された場合は迅速にその場から離脱しろ》

宅配員「了解。残り十秒前」

トラックは止まっていた民家から遠く離れた薄暗い路地に停車した。

宅配員「五秒前。4、3、2、1・・・0」

カーナビの画面に先ほどの民家に赤い点が表示された。

宅配員「雛の誕生を確認した。確か、救世主の光臨までは残り何分でしたでしょうか?」

《こちらホワイト・セイバー。私の予測が正しければあと五分で来るわ》

無線から今度は若い女性の声が響く。

宅配員「了解、雛の消滅確認まで待機します」

《気を抜かないようお願いします》

ブツッと音をたてて無線は切れた。

運転手「しかし未来予知とはたまげたもんだねぇ。世の中は広いもんだ」

宅配員「そう珍しいもんじゃないだろ。余所じゃ不死身の吸血鬼なんてのがいるんだからな」

宅配員「それに、未来予知出来る奴は前の職場にいたからな。イカレたサイコ野郎だったけどな」

運転手「・・・そりゃ結構なもんで。こっちは弾丸が当たらない幸運の女神様がいたぞ」

宅配員「そいつ知ってるぞ。確かデッドセルにいた奴だろ?」

運転手「そうそう。まあ、なんだろうな・・・俺たちってよぉ。なんでこう、人間離れしたやつの
    元で働くはめになるんだろーな・・・」

宅配員「そういう因果のもとに生まれたんだろ。運命と思ってあきらめようや・・・」

運転手「だな。要は慣れてくしかねぇってことか」

二人はため息をついて、赤い点に猛スピードで接近する青い点を目で追った。
トラックのはるか後ろには、民家を屋根づたいに跳ねるポニーテールの人影があった。

兵士だって、愚痴りたい。
にんげんだもの。
というわけで、本日はここまで。
わかる人にはわかる、そんな話でした。
次回の投稿は来週になるそうです。

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