完結・淡々と魚の話するわ(412)

前スレまでの魚にかぶらないようにやりたいとおもいます

前ゝスレ
淡々と魚の話するわ - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1382242604.html)

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続・淡々と魚の話するわ - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1385813593/l50)

-アナゴ編-

男「本当、この1か月助かったよ。ありがとう」

む「・・・・」フルフル

男「・・・そろそろ、バスの時間かな」

む「・・・・」コク

男「じゃ、気を付けて」

む「・・・・」

男「・・・・」

む「・・・・また、くる」

男「・・・・うん、待ってる」ギュッ

・・・

友「なんだ、空港まで見送らなかったのか?」

男「あぁ。桃原さんと一緒に買い物したりメシを食ってから帰るらしい。・・・それに、空港まで着いてくとかえって別れづらくなるからな」

友「・・・ま、その足が治るまで1か月以上もお前のとこにいたんだもんなぁ」 ※ウツボ編参照

男「あぁ・・・」

友「それにしても、天気が悪いな。飛行機揺れなきゃいいけど・・・」

男「・・・そうだな」

友「・・・元気出せよ、男」

男「よし、釣りに行くぞ」

友「えっ」

・・・

男「うん、ここいらでええやろ」

友「切り替え早すぎィ!」

男「そうはいっても天気といい潮目といい、今日は絶好のチャンスだからな」

友「いや天気とかめっちゃ曇ってますやん・・・今にも雨振り出しそうですやん」

友(・・・つっても、こうやって寂しさを紛らわせてんのかもしれんなぁ・・・ここはひとつ付き合ってやるか)

友「・・・で、今日は何を釣るんだ」

男「アナゴだ」

友「へっ?」

男「ちくしょおおおおおお完全体になりさえすればああああ」(激似)

友「お前その無駄にクオリティ高い物真似やめろwww」

友「それにしても・・・こんな真昼間からアナゴなんて釣れるのかよ?しかもこんなところで」

男「あぁ、基本夜行性ではあるが、こういう曇りの日なんかには日中から餌を漁ることもあるんだよ」

友「へぇー」

男「それに、なんだかんだで東京湾はアナゴの名所だしな。場所さえ当たれば、こんな港の岸壁からでも釣れるもんだ」

友「なるほどね」

友「で・・・エサは?」

男「まずはサビキでアジを釣る。で、釣れたらそいつを切り身にしてチョイ投げに移行だ」

友「なるほど」

男「ま、この時期ならまだ小鯵が入れ食いだろう」

友「だな」

・・・

友「ふえぇ・・・釣れないよぉ・・・」シーン

男「・・・」シーン

友「やっぱ、曇ってるとダメなのかねアジは」

男「んん・・・」

友「・・・ん!きた!!」ピクピクッ

友「よし、とりあえず3匹ゲットだぜ!」ピチピチ

男「あぁ、じゃあ切り身にするからこっちよこせ」チャキッ

友「あいよー」

男「・・・・」サクサク

友「こうしてると、こないだむったんとアジ釣りに行ったのを思い出すなぁ・・・あっ」 ※アジ編参照

男「・・・・」プルプル

友(oh...背中しか見えないけどこりゃ相当堪えてるみたいだな)

男「・・・・よし、こんだけあれば十分だろう。仕掛け替えるぞ」

友「お、おう!いやー楽しみだな!!ちゃんと釣れるといいな!!」

男「ああ、切り身はしっかり鉤に括り付けとけよ。意外に滑りやすくて、イソメより鉤持ち悪いから」

友「あいよー!!」

・・・

男「・・・よし、投げ込んだら後は普通の投げ釣りと同じようにたまにポイントを動かしてひたすら待つだけだ」

友「うぃ・・・なぁ、ところでアナゴとウナギの違いってなんだ?」

男「一応どっちもウナギ目だ・・・現に、アナゴにもレプトケファルス期があるしな」 ※シギウナギ編参照

友「ほうほう」

男「ただ、ウナギがウナギ科なのに対し、アナゴはアナゴ科で別種の魚ではある」

友「へぇー」

男「あとは・・・そうだな、ウナギと違ってアナゴには鱗がない」

友「えっ・・・ウナギって鱗あるんか」(驚愕)

男「ん?おぉ、パッと見じゃ分かりにくいが、皮膚の下に鱗もってるぞ、ウナギは」

友「もう(ウロコの意味)ないじゃん」

男「だから代わりにムコ多糖っていう痰とか鼻水とおなじタンパク質で粘液ベロッベロに出して皮膚を守ってるんだよ」

友「汚いさすが男例えが汚い。でもよくわかったわ」

男「ちなみに農林水産省の見解では『ウナギとアナゴ?脂質50%カットやで!!』らしい」

http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0607/04.html

友「適当杉内」

男「まぁでも、だからと言ってウナギをアナゴって表記しちゃうと、こんどは消費者庁が激おこぷんぷん丸なんですけどね」

友「アナゴ」(アナゴとは言っていない)

友「あとは・・・海と川にいるのの違いかな?」

男「あぁでも、ウナギは海でも採れるぞ」

友「ん?でもそれは卵産むときと、帰ってきて川に遡上する前の小さいやつだけだろ?」

男「いや、普通に成魚も海水域で漁獲があるんだよ・・・ていうか最近の調査じゃ4割が海水域で一生を終えてるらしい」 ※水産総合研究センター調べによる

友「マジでか」

男「んで、脂のノリが違うってんで、市場末端価格は川で獲れたやつの10倍くらいになるらしいぞ」

友「高すぎィ!!」

友「じゃあ、逆にアナゴは淡水域に入ったりはしないのか?」

男「汽水域くらいまでならギリいけるっぽいが、淡水は無理だろうな。・・・ただ、桃原さんの店にいけば多分淡水アナゴっていう名目で売られてる種類はあると思う」

友「まぁ、淡水ウツボもいるくらいだしなぁ・・・お、なんか引いてる!!」

男「あ、気をつけろよ。アナゴだとしたらアワセのタイミング間違えるとハリスに絡んでエライ目みるぞ」

友「ん・・・あぁバレた・・・・」

男「おぉん・・・」

・・・

友「・・・男ー、そろそろ暗くなってきたし、ぼちぼち帰らねえかー?」

男「ん・・・もう17時か・・・」チラッ

友「そうだな・・・ん、どうした?空なんか見て」

男「いや・・・むったんの乗った飛行機がそろそろ飛ぶな、って」

友「お前未練タラタラじゃねーか」

友「・・・あぁ、なるほど。それで飛行機がよく見えるこの場所に釣りに来たってわけか」

男「・・・ま、半分はな」

友「乙女か」

男「うるせーよ・・・お、かかってる!?」ググッ・・・

友「えっ?うわ、すげぇ引いてる!!これアナゴじゃね!?」

男「あーこりゃアレだ、ニョロってる奴特有の引きだ!!多分、アタリだな!!」

友「絶対バラすな!!今夜はアナゴの天ぷら食べたいんや!!」

男「まかせろ俺に!!(倒置法)・・・きた!見ろ友!アナゴや!!」ガッツポ

友「男さん素敵愛してる!!」ガッツポ

男「・・・うん、なかなかのサイズだな」ニョロニョロ

友「おー、暴れてる暴れてる。これあれだろ、落語の鰻屋みたいにアナゴが逃げて『A.どこまで行くんや。Q.それはアナゴに聞いてくれ』ってなるパターンだろ」 ※分からない人は江戸っ子に聞いてみよう

男「よし、じゃあこういう時の為にアナゴの鉤の外し方と掴み方をお前に伝授しよう」

友「えっ、いや・・・この場以外で使うことあるアビリティなのそれ」

男「まずアナゴの首をタオルでしっかり押さえ・・・クーラーボックスのカドなどに頭を押し付けると口を開くので、こうやって鉤を外します」

友「あ、はい」

男「で・・・アナゴを直に掴むときは人差し指、中指、薬指の3本をつかいます」

友「逆に掴みづらそうなんですがそれは」

男「いいかこうやって・・・人差し指と薬指の上にアナゴを乗せて、その上から中指でアナゴを押さえつける」

友「お、滑らない」

男「こうするとコイツらのニョロった魚体もホースト・ホフマンのボーアンドアローバックブリーカーよろしくガッチリホールドすることができる」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

友「へー、いつか俺の人生でウナギの掴み取りする機会が訪れたら使ってみるわ」

・・・

男「・・・よし、じゃあ本命も釣れたことだしぼちぼち帰るか。今日は天ぷらと骨せんべいにしよう」

友「よっしゃー!・・・あ、そういえばさっき男の竿がかかった時に、丁度真上を飛行機が飛んでったんだよな」

男「あぁ・・・そういやそうだな」

友「ひょっとしてあれ、むったん乗ってたんじゃね?」

男「はは、だとしたら彼女の釣り神様っぷりは相当なもんだな」

友「絶対そうだって!!」

男「よーし、酒買って帰るぞー!!」

-アナゴ編 おわり-

-ブラックバス編 前編-

友「手作りルアー?」

男「うん」

友「竿と毛針に続いて、今度はルアーかよ・・・もうお前歩くShimanoじゃん」

男「もっと自然へ、もっと人へ、地球とともに」シマノ

友「でも、ルアーなんてそんな簡単に作れるのか?」

男「おぉ、慣れてしまえば半日もあれば余裕だぞ。まぁコーティングと塗装を乾燥させるのに時間かかるけど」

友「へぇー・・・でも、たしかに自分で作ったルアーで魚を釣るのは楽しそうだな」

男「じゃ、一緒に作ってみるか?」

友「おー、やるやる!!」

・・・

友「ここは?」

男「あぁ、知り合いの工房だよ。ちわー、三河屋でーす」ガラガラ

友「サブちゃんかよ」

女「おー、お前か。久しぶりだな」

男「ご無沙汰してます、おばさん」

女「お姉さんっていえバカ」

友(乳でけぇ・・・)ゴクリ

男「バルサ材余ってます?」

女「なんだお前・・・またルアー作りか?」

男「うん、こいつにも作らせてみようと思って」

女「何、友達?・・・ふーん、童顔だが結構いい男じゃねぇか」ニヤリ

友「えっ」

男「アカンおばさん、こいつもう彼女おる」

女「・・・・・・・・・泣いてねぇよ」グスッ

友(涙目になってる・・・)

・・・

男「うん、こんだけ貰えれば十分だろう」

友「さっきのあの人・・・お前の親戚か何か?」

男「あぁ、親父の幼馴染らしいよ」

友「・・・ほう」

男「あの歳になって・・・未だ男に恵まれず・・・うっ」

友「バカお前ガチで泣くなよ、こっちまでいたたまれなくなるだろ・・・」

男「・・・まぁ、かくいう俺もおばさんにルアー作りを教わったんだけどな」

友「ほほう」

男「あの人手先が器用だから、片手間でなんでも作っちゃうんだよ」

友「まぁ、自前の工房を持つくらいの人だしなぁ」

男「木製の炊飯器を作った時は頭おかしいのかと思った」

友「未来に生きてんな・・・」

友「・・・で、どうするんだ」

男「よし、まずはバルサ材を適当な大きさに切る・・・5*2*1cm位の長方形のブロックを2つ作る」

友「バルサなんて弄るの、中学の時に室内飛行機を作った時以来だ・・・」ショリショリ

男「軽いからな、フローティングミノー作るにはうってつけだ。それに、硬くないからカッターでも簡単に加工できるしな」ショリショリ

友「なるほど。ってお前、そのビクトリノックスいろんなところで活用してんなぁ・・・」ショリショリ

男「んで・・・できたら等間隔に線を引いて、アタリをつける」

友「ふむふむ」

男「後でこの2つを左右でくっつけることになるから、なるべく中心がずれないようにしておくんだ」

友「あーなるほど、中に錘とか入れなきゃいけないもんな」

男「そうそう・・・で、アタリをつけたらとりあえず両面テープで仮止めする」

友「ん」

男「・・・ここからがセンスの見せ所だ。これからルアーの形にざっくりバルサを削っていく」

友「おぉ、いよいよ核心に迫ってきた感じだな・・・どんな形がいいかな」

男「今回はとりあえずホッパーを作ろうと思う」

友「ホッパーか・・・」

男「リップを付けるとなるとバランス取りの難易度が急激に上がるからな。ホッパーならその心配がない」

友「なるほど」

男「で・・・側面にルアーの形を描いたら、カッターでざっくりその形に削っていく」ショリショリ

友「ふむふむ」

男「とにかく、左右対称を心がけるんだ。微妙な調整は後で効くけど、ここでズレすぎると取り返しがつかなくなるからな」

友「俺こういうやり直しがきかない作業って苦手だわー。人生とか・・・」ショリショリ

男「重いわ。・・・ありがちなのは修正していくうちにどんどん小さくなっていくパターンだから、そこは気をつけろよ」ショリショリ

友「まさに俺の人生そのものだわ・・・」フフフ

男「お前どうしたお前。なんか辛いことでもあったのか」

・・・

友「・・・んー、こんなもんかなぁ」

男「うん、いいんじゃないか・・・そしたら、今度は紙やすりで表面を丸く削っていく」

友「ほいほい」

男「結構簡単に削れてくから、様子見ながらやれよ」

友「ん、わかった」

男「・・・・・」シュッシュッ

友「・・・・・・・・・」シュッシュッ

男「・・・・・・・・・・・・」シュッシュ

友「・・・・・・・・・・・・・なぁ」シュッシュ

男「ん?」シュッシュッ

友「これさ、後ろからみたら」シュッシュッ

<ピンポーン、ガチャリ

桃「はいたーい!おっじゃまっしまーす!!お酒買ってきたよー・・・・って、あっ」

友「あっ」シュッ・・・

男「いいゾ~これ・・・って、ん?」シュッシュッ

桃「あっ・・・そ、その・・・///」カアァ

友「」

男「おぉ、桃原さん。いらっしゃい」シュッシュッ

桃「・・・・よ、よんなーしみそーれー!!///」ドタドタ、ガチャン

友「う、うわあああああああああ誤解だあああああああ!!」ドタドタ

男「?」ハテナ

・・・

男「・・・なるほど、つまり後ろから見たら俺と友がG行為をしているように見えた、と」

桃「///」コクリ

友「おぉ、もう・・・」

男「ほれみろ、やっぱり誤解されてるぞお前」

友「ポポ悲しい。ポポの懸念現実のものとなった」サメザメ

桃「ま、まぁいきなり勝手に入ってきた私が悪かったんだし・・ご、ごめんねぇ」ナデナデ

桃「・・・それにしても自家製ルアーかぁ、ねぇ、私も作ってみたい!」

男「ん?あぁ、材料なら余ってるから、一緒に作る?」

桃「うん!」

友「ちょうどカッターも空いてるしね」

桃「いやー、楽しみだなぁー」ワクテカ

・・・

男「よし、みんなガワは出来たかな。そしたら今度は、この針金を曲げてアイをつくる」 ※アイ=フックや糸などを付ける小さいリングみたいなアレ

男「http://iwatakanet.sakura.ne.jp/sblo_files/cranefishing/image/20130307_9.JPG」(こんなかんじ)

友「ストラップとかについてるネジのやつじゃいかんのか?」

男「あぁ、貼り付けたバルサ材は弱いから、全体に骨を通すようにしないと強度が足りないんだ」

友「あぁそっか・・・たしかにそれだとちょっと引っ張っただけですぐに爆散しそうだもんな」

桃「ぐぎぎ・・・力が足りなくて曲がりません」グググ

・・・

男「・・・よし、そしたら次はバルサ材の中に針金を通すための溝をつける」

友「針金をなぞって線引いたとこにカッターで溝つけてやればいいんだな」

桃「でっきるっかな、でっきるっかな」 ※分からない人はオッサンに(ry

男「・・・そしたら、ルアーの腹になる側に全体のバランスが採れるようにカミツブシを2個ほど埋め込む」

友「あーなるほど、これでバランスを取るわけか」

男「なるべく重心が低くなるようにな。それに、カミツブシなら錘の中心がどこだかわかりやすい」

友「なるほど、確かに」

桃「うわー!だんだんお店で売ってる形になってきた!すごい!!」ワクワク

友「アカン、釣り行く前からテンションあがってまう」ワクワク

男「で、合いが良くなったところで木工ボンドで左右を接着する」

男「・・・ボンドが乾くまでは輪ゴムなんかで固定しておくといい。この時左右の結合部がずれないように十分注意する」

友「やべぇ、緊張して手が震える」プルプル

男「お前のそれはアル中じゃないのか」

友「辛辣ゥ」

男「・・・で、ボンドが乾いたらアイの隙間から瞬間接着剤を入れて固めてしまう」

友「もうこれルアーじゃん!!」

桃「ルアーじゃん!!」

男「これが乾いたらニスでコーティングして、色付けして完成だ」

桃「楽しみである」キラキラ

友「甚だ楽しみである」キラキラ

そして1週間後・・・

桃「できたー!!」

友「ふつくしい・・・」

男「うん、初めてにしては皆綺麗にできたね」(ニッコリ)

友「やべぇよこれ。なんかもったいなくて俺これでバス釣りたくねえもん」

桃「分かる」

男「本末転倒なんですがそれは」

-続く-

ちなみに、マニキュアなんかで色を付けるとコーティングと塗装が一遍に済んで楽チンだぞ!!
ただしムラになりやすいので注意。

-ブラックバス編 後編-

男「さぁ、いよいよバス釣り本番の日を迎えたわけですけども」

友「久しぶりだなー、バス釣り」

桃「何気に初めて!」

男「沖縄のバスはほとんど釣り禁止区域にいるからね、仕方ないね」

友「にしても、俺達が小さい頃にバス釣りってすごい流行ってたよな。なんか、ファッション感覚の釣りって感じで」

男「子供向けマンガでもグランダー武蔵とかあったしな」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

友「あぁそれあれだろ?傾きかけた漁船を陸からキャストしたルアーで元に戻すっていう・・・」

男「あれ、それビーダマンじゃなかったか?」

桃「それどっちも船に穴開いちゃうんじゃない?」ウーン

友「まぁマンガですし・・・」

男「それにしても、バス釣りってのは浸透したよな・・・今じゃ初めての釣りはバス釣り!って人もたくさんいるし」

友「まー俺も初めてルアーで釣ったのはバスだったなぁ」

男「それだけ日本全国津々浦々どこにでもいて簡単に釣れる魚ってことだな。まぁそれはそれで問題なのだけれども」

桃「先生!早く釣りましょう!!」ワクワク

男「あー、はいはい。よし、じゃあこの先に葦の茂みがあるから。そこへ行こう」

・・・

友「ついた」

男「はい、じゃあルアーつけてー」

桃「生きて帰ってくるんだよ、森川くん・・・」

友「誰よ森川って」

桃「この子(ルアー)の名前」

男「・・・よし、じゃあまず初めに。俺達が作ったこのホッパーだが、基本的には音で食わすルアーと言っていい」

桃「ほうほう」

男「とりあえずストラクチャーの奥にキャストしたら、ラインを張って、ストップ&ゴーを繰り返しながらたまに竿を下向きにしゃくってアクションをつけながら水しぶきを立てる」 ※ストラクチャー=障害物

友「そういや、いつもワームやクランクばっか使ってるからホッパーは初めてだなぁ」

男「よしきた!!」

桃「すごい!!」

男「こうやって、食った瞬間が見えるのもホッパーの面白いところだな」

友「あぁ、ゲーム感覚で面白いな」

桃「私もやるー!」

男「じゃあ友、桃原さんにキャストの仕方とポイントの狙い方をレクチャーしてくれ」

友「分かった任せろ。今日に向けて糸井重里のバス釣りNo.1をやりこんできた」 ※分からない人は(ry

男「申し訳ないが大物ブラックバスフィッシング(人造湖編)こそ至高」

友「あのゲーム人造湖編以外出てないんですがそれは」

桃「ねー、早く早くー!」

・・・

友「そういや、スズキのことをシーバスっていうけど、やっぱバスとスズキは同じ科の魚なわけ?」

男「いや、バスはサンフィッシュ科で、スズキはスズキ科だから違う種類の魚だな」

友「あ、そうなん?体の形とかけっこう似てるから仲間だとおもってたわ」

男「まぁ目はどっちもスズキ目ではある・・・ちなみに、ブルーギルなんかもバスとおなじサンフィッシュ科だぞ」

友「マジか・・・そっちのほうが全然形違うのに、不思議だなぁ」

男「サンフィッシュ科は元々アメリカ原産の魚だからな・・・公式な記録では1925年に芦ノ湖に放流されたのが日本初の移入とされてる。まあこの時は、政府が許可したわけだが」

友「そういや、ブルーギルも今の天皇陛下が日本に持ち込まれたんだっけ?」

男「いや、正確にいうと、外遊の際に持ち帰ったのは確かだが実際に飼育・放流したのは水産庁の増養殖研究所だ」

友「なんだ、結局政府主導だったのか」

男「そうだよ・・・もともとパンフィッシュと呼ばれてアメリカじゃ食味のいい魚として知られてたからな。食料自給率の向上を目指してブルーギルを放流したものの、成長が遅くて養殖には向かないわ、食の欧米化が進んで魚自体の消費が落ち込んで川魚は見向きもされなくなるわ、踏んだり蹴ったりですわ」

友「で今頃増えすぎて問題になってるってか・・・昔の人、頭悪すぎるんちゃうん?」

男「まぁ、今と昔を同じ倫理レベルで語るのは無理だよ。そもそもそれだって結果論だしな。昔はそれこそ生きるか死ぬかの状態だったわけだし」

友「まぁなぁ・・・」

男「それに、最近じゃ芦ノ湖や琵琶湖をはじめとしてバスやギルの食用魚としての提供が始まっている」

友「・・・お前、もしかしてさっき釣ったバスも・・・」

男「もう〆てあるよ」(ニッコリ)

友「おお、もう・・・」

<イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

友「!!」

男「お、桃原さんの声だ」

友「どうしたっ!?」

桃「あ・・・あぁ・・・・」ガクガク

友「おい、桃原さんしっかり!どうしたの!?」

桃「わ・・・私の・・・森川君が・・・」プルプル

友「・・・あっ、ラインが切れてる」

男「ありゃりゃ、ロストしちまったか・・・」

桃「フフ・・・・燃え尽きたぜ、真っ白にな」ガックシ

友「おお、もう・・・」

桃「まさか開幕5分で森川君を失うとは・・・写真・・・撮っとけばよかった・・・」ウフフ

男「まぁ、また作り直せばいいさ」

友「元気だしなよ・・・」ナデナデ

・・・そしてさらに数日後。

男「・・・よし、こないだはいきなりルアーロストして一瞬で終わっちまったからな」

友「あぁ、今日こそは俺も1匹くらい釣りたいもんだ」

桃「諸君らの愛した森川君は死んだ!何故だ!?」

友「ウィードに引っかかったからじゃない?」 ※ウィード=水草

男「一応、今回のフックは返しを潰してバーブレスにはしといたが・・・」

男「それに、こないだ釣ったバスは結局持って帰らないで埋めちまったしなぁ」

† ←バスの墓

桃「なむなむ」チーン

友「条例でリリース禁止されてるからね、仕方ないね」

男「だから、今日こそは持って帰って皆でたべようね」(ニッコリ)

友(アカン)

男「あ・・・ちなみにバスにも顎口虫が」

友「もうあの画像はいいぞ」

男「貼らなきゃ」(使命感)

友「ハランデイイ!!」(憤怒)

男「http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/head.jpg

友「やめろよ!!なんでコイツは毎回レギュラー出演なんだよ!!」

・・・

桃「よーし、今日は変なとこいかないように投げる練習からする!!」

男「おー、そうしなはれ」

桃「てーい!」ヒュン グサ

友「痛っ!?いてててててて!!!」グググ

桃「あれ?なんか引っかかってる・・・」ハテナ

友「俺俺!俺だよ!!」

男「オレオレ詐欺か」

友「違う詐欺じゃないって!桃原さんストーップ、一回竿置いて!!」イテテテ

桃「えっ?あっ、わっ!?ご、ごめん!!」グルグルグル

友「んほおおおおおおおリール巻いちゃらめええええええええええええ!!」グイー

友「・・・痛E」シクシク

桃「嫌な事件だったね・・・」

男「バーブレスフックだったのは不幸中の幸いだったな」

友「あれ、なんか前にもこんなことがあったような・・・」 ※ヒフキアイゴ編参照

男「たしかあの時も引き鉄を引いたのは桃原さんだったな・・・」

桃「い、いやぁー・・・ハハハ・・・」ゴメンネ

男「・・・とりあえず、キャストの精度は上がってきたかな」

桃「うん、もう大丈夫!友くんは安心して私の後ろに立ってて!!」

友「いやどす」

男「・・・お、今あの杭の辺りでモジリがあったな。あの辺狙ってごらん」

桃「うん、わかった!がんばれ森川君2号!!」ポイー

友「そのネーミングは(アカン)」

-ブラックバス編 後編 おわり-

-番外編 生物の分類について-

友「そういえばさ」

男「うん」

友「よくお前と話してると、この魚は○○目だ~この魚は△△科だ~なんて話が出てくるじゃん」

男「あぁ、そうだな」

友「ぶっちゃけあれって、どういう違いなんだ?」

男「ふむ・・・生物の分類は基本的に上から順に『界』『門』『網』『目』『科』『属』『種』の7段階で行われる」

友「早九字かな?」(錯乱)

男「いや七字ですが」

友「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前!!」(迫真)

男「落ち着け」

男「で・・・これらの階級が下るにつれてより詳細な分類となっていく」

友「ふむふむ」

男「まず『界』ってのは一番でかい括りだな。動物なのか植物なのか、はたまた菌類なのか・・・このへんの分類が『界』にあたる」

友「ふむふむ」

男「で・・・『門』ってのがもうちょい細かい括りで、たとえば動物なら脊椎動物か無脊椎動物か、植物なら被子植物か裸子植物か、ってあたりだな」

友「俄然理科(2分野)めいてきたなぁ」

男「その下にある『網』ってのはあれだな、哺乳類か爬虫類かってあたりの括りだ」

友「この辺まではOK」

男「で・・・ここからが俺達の会話にもよく出てくる『目』だが・・・」

男「これは、ざっくりいえば動物の種類だな。たとえばサルとか、ネズミ、ネコってあたりだ」

友「あーなるほど」

男「で、ここからいよいよ『科』にはいる・・・場合によってはこの目と科の間に『上科』という分類を挟むこともある」

友「あぁ、たしかナマズカレーのときに聞いたな」 ※アメリカナマズ編参照

男「まぁそれはおいといて・・・ここではたとえばネコ目(食肉目)を例にとると、その下にはネコ科やイヌ科、アザラシ科といった分類がある」

友「イヌやアザラシはネコの仲間なんか・・・」(驚愕)

男「まぁあくまでも分類上はな・・・あまり見た目の分類にこだわりすぎると次の話で余計混乱するからやめとけ」

友「もう若干メダパニ状態なんですがそれは」

男「で、科の下にある『属』は、ヒト科でいえばゴリラとチンパンジー、そして俺達(ヒト)くらいの違いだな」

友「これもうわかんねえな」

男「で、最後の『種』っていうのは、同じグループの中で最も細分化された分類だな。たとえばイヌ科キツネ属の下にはアカギツネやホッキョクギツネ、フェネックなんかといった種が含まれる。まぁ、ここが一般的な『動物の名前』にあたるわけだ」

男「で・・・今までの話を総括すると、見た目が同じような魚(種)でも」

男「『科』が違えばネコとイヌぐらいの違い」

男「『目』が違えばサルとネズミぐらいの違いになるわけだ」

友「うーん、ピンとこねぇなぁ・・・ていうか俺らゴリラさんに近しいすぎるだろ」

男「ヒトも含めて全ての生物を分類するためにつくられた体系だからな。客観的に見ないと、混乱するのは仕方ないね」

友「うーん、こりゃ俺もダーウィン馬鹿にしてた連中笑えねぇな」ウーム

男「まぁ、分類学の父はカール・フォン・リンネだけどな。実際、コイの学名もキュプリヌス・カルピオのあとにリンネって彼の名前を冠する場合もあるし」

友「輪廻か・・・さっきの早九字といい、やはり分類学には仏教と何らかの関連性が」

男「ねぇよ」

-番外編 生物の分類について おわり-

今日はここまでです

完結したら別のシリーズ物が始まるんですよね
無脊椎とか藻類とか海流とか

>>77
個人的には兵器とかやりたいかな(白目)

-キス編-

友「・・・好きだ」

男「えっ?」

友「俺・・・キスが好きだ」

男「え、ちょ」

友「あのふっくらした感じといい・・・口の中一杯に広がる芳醇な」

男「おい一旦止めろ、周りの家族連れが騒然となってる」

<ネェママーアノオニーチャンタチgthmナノー?

<ミチャイケマセン…コレハウスイホンガハカドルワネ!!

<ウホッ…イイオトコ…

友「」

友「す、すまん・・・俺はただシロギスの旨味について語りたかっただけで」

男「やっぱりやまとの艦長は海江田じゃなくて深町にすればよかったんや」ペラペラ

友「無視しないでええええええええええ!!」

男「あぁ、貴方もシロギス狙いなんですか?いやー今日は沖風が強くてサッパリですねぇ」ハハハ

友「ぐう畜」

友「・・・にしても、確かに全然釣れないな」

男「沖風のときは海底がかきまぜられて食いが渋くなるんだよ」

友「へぇ」

男「おまけにラインが風でブレてアタリが取りづらいしな」

友「いやホントさっきから風なのかアタリなのかサッパリ分かんねぇ」

男「あー、風でページがめくれて読みにくい・・・やべぇ一気にシーウルフ沈むとこまでワープしたわ」

友「・・・どうする?今日はもう納竿するか?」

男「いや、もうちょい粘ろう。今日冷蔵庫の中酒しか入ってないし」

友「自給自足前提かよ」

男「そらそうよ」

友「・・・そういやさ、よく海のぬし釣りやってると30cmのシロギスとか釣れるけど」

男「あぁ」

友「普通せいぜい20cmくらいだよな」

男「まぁ場所にもよると思うが」

友「一番大きいキスってどれくらいになるんだ?」

男「あぁ・・・オーストラリア南岸部に生息するダイオウギスは全長70cm以上、体重5kgに達するらしいな」

男「http://www.seabreeze.com.au/Img/Photos/Fishing/3883381.jpg

友「シーバスかな?」(錯乱)

男「英名キングジョージ・ホワイティング・・・こんなデカくても、味はいいらしいぞ」

友「でかすぎィ!!」

友「こんなん・・・天ぷらにしたら何人前できるんや・・・」ガクガク

男「現地じゃフライやムニエルにして食べるみたいだが」

友「ふーん・・・ていうか欧米でフライやムニエル以外で魚食う方法が思いつかん」

男「いやブイヤベースとかカルパッチョとか・・・燻製なんかもあるやろ」

友「あぁ言われてみれば確かに・・・」

友「いやでも俺本当にキスの天ぷら好きなんだよ。天丼だってエビよりむしろキス最後に残すもん」

男「まぁ確かにキスはエビ・イカ・アナゴに並ぶ天ぷら四天王感あるよな」

友「わかる」

男「エビ『フフ、イカ天がやられたか。奴はわが四天王の中でも最安・・・』」

友「キス『天ぷら四天王の面汚しめ・・・』」

男「アナゴ『ちくしょおおおおおお完全体になりさえすればああああ!!』(激似)」

友「やwwwめwwwwwwwろwwww」

友「・・・とりあえずエサついてるかチェックしとくか・・・あれ?なんかかかって・・・・・・キ、キスだー!!」(歓喜)

男「おー、やったじゃん」

友「しかも2匹ついとる!!」(狂喜)

男「よし、〆ちまうからよこせ」

友「あ、はい」

男「シロギスを簡単に〆るには、頸椎を折ってしまうのが手っ取り早い」

友「えっ」

キス「えっ」

男「頸のあたりをしっかりもって、ボキッという感触があるまで押さえつける」ボキッ

キス「」

男「ね、簡単でしょ?」

友「お、おう・・・」

男「あとは、頭要らないのなら背中の方からハサミで首を背骨のあたりまで切って、そのまま下向きに折りながら一気に引き抜けば内臓も一緒にとれるのでおすすめ」

友「スプラッタだなぁ・・・」

男「内臓を早めにとっておくのは鮮度保持の観点からも重要だぞ。実際寄生虫なんかは鮮度が落ちるにつれて内臓から身に移ってくるからな」

友「お前魚食べるときは事前に寄生虫の話をしないと気がすまんのか」

男「寄生虫も喰らう、魚肉も喰らう・・・両方を共に美味いと感じ血肉に変える度量こそが食には肝要だ・・・」

友「地上最強の食育ッッッ!!」

男「・・・ところで、さっきのダイオウギスだけど。大型で味がいいってんで、養殖も試みられてるんだけどさ」

友「ほうほう」

男「なんか、養殖下でだけ謎の寄生虫がついてしまうらしい・・・」

友「なにそれこわい」

男「養殖モノだからって、安心だと思うなよ」ククク・・・

友「なんでそういうこというの・・・」ゲンナリ

男「・・・おっ、俺もきたー」ピチピチ

友「おぉー、やったじゃん・・・あれ?そいつ他のと若干色が違くね?」

男「・・・!?これはまさか・・・いやそんなバカな」

友「知っているのか、雷電!」

男「いや・・・気のせいだとは思うが。もしかしたら、こいつ『アオギス』なんじゃないかと思ってな」

友「アオギス?」

男「あぁ・・・東京湾じゃすでに絶滅したんじゃね?といわれてる幻の魚だ」

友「すごE!!」(興奮)

男「アオギスは干潟を生息域にしててな・・・成長すると汽水域にまで進入してくる。昔はそのアオギスを狙った脚立釣りが東京湾の初夏の風物詩だったんだが、埋め立てで干潟が無くなって以来東京湾のアオギスは絶滅したといわれてる」

友「なるほど・・・」

男「まぁ・・・こんなところで釣れるはずはないと思うんだが」

友「いやでも分かんないじゃん、ここ相模湾だし!もしかしたらアオギスかもよ!?」

男「もし本当にアオギスだった場合は、リリースが推奨されてるが・・・」

友「・・・」

男「・・・」ボキッ

友「あっ」

友「こ、こいつ・・・〆やがった・・・」ガクガク

男「・・・いかん、無意識のうちに」

友「末期か」

男「正直、幻と言われているアオギスの食味を試してみたいという気持ちはあった」

友「・・・などと供述しており、警察では余罪もあるとみて厳しく取り調べを続けていく方針です」

男「だってお前・・・釣り上げたことによるダメージ与えつつ1匹だけ魚を逃がすのと、俺達の天ぷらが1個増えるのとどっちがいいよ」

友「提訴を断念せざるを得ない」手のひらクルー

男「・・・でも実際さ、前に話したクニマスも、西湖で再発見される前は結構普通に釣り人が釣って食ってたんだよな」

友「マジか」

男「ああ、もともと同じ場所に棲んでるヒメマスの亜種だし、ヒメマスが産卵前に黒変化した個体だと思って食った人がいたみたいだ」 ※別種の可能性が高いとの説もあり byさかなクン

友「でも、その人たちはそれがまだクニマスだって知らなかったんだろ?お前の場合は・・・」

男「これが知恵の実を手にしてしまった人間の原罪・・・か」フッ

友「いやそこまでの話ではねぇよ」

男「さ、たくさん釣れたしぼちぼち帰ろう。半分は天ぷらで、半分は一夜干しだ」

友「あー、一夜干しいいねー。ちょっと炙って一杯とかもうたまらん」

男「でもお前明日1限から実験だろ?一夜干し作っても、食ってる暇ないんじゃないのか」

友「いや・・・でも夜になったら食べに行けるし・・・」(震え声)

男「いつまでも あると思うな 鱚と金」(ゲス顔)

友「ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!」

-キス編 おわり-

ちなみに東京湾以外ならまだちらほら釣れるところがあります(四国・九州沿岸など)
食味についても、シロギスに劣るため基本養殖はされることはないそうです。



次はドジョウいくわよ

-ドジョウ編-

友「へー、ドジョウかぁ」

男「あぁ、近くの魚屋いったら安くてな」

友「はは、お前が釣り以外で魚を得るなんて珍しいな」

男「昔はよく用水路にいたドジョウを手で掬って遊んでたけどなぁ」

友「なんかたまに思うんだけど、お前生まれてきた時代俺と違くね?」

男「でも、どこにでもいて簡単に捕まえられるし、昔から子供の恰好の遊び相手だったのは間違いない」

友「いや俺にとってはそんな身近に見るもんでもないんだけど」

男「ちなみにこのドジョウ、低酸素下に置くと、なんと腸で呼吸をする」

友「腸で!!」

男「あぁ、口から取り入れた空気をそのまま腸の内壁の上皮細胞層を通じたガス交換に用いている」

友「へぇー、すげぇな」

男「で、余った空気は肛門から排出する」

友「へぇこきましたねあなた」

男「なつかC」ウマナミナノネ

友「・・・で、愚問だとは思うけどそのドジョウどうすんの?」

男「え?食うよ」

友「知ってた」

男「そろそろ暑くなってくるしな・・・昔から『ウナギ一匹、ドジョウ一匹』と言われるほど栄養価の高い魚だし」

友「アカン絶倫になってまう」

友「・・・にしても、ドジョウの食い方なんて柳川鍋くらいしか知らんなぁ」

男「ほかにも唐揚とか、石川のあたりじゃ土用の丑の日にウナギじゃなくてドジョウの蒲焼きを食ってるらしいぞ」

友「・・・あ、あとアレ!豆腐にドジョウ突っ込むやつ!!」

男「あぁ・・・ドジョウ豆腐か」

友「そうそう・・・あの、水から豆腐とドジョウを煮てくと、熱さから逃げようとしたドジョウが豆腐の中にはいって煮あがっちゃうってやつ!」

男「まぁ、実際は頭突っ込む前に煮あがっちゃうぞ」

友「えっ」

男「うん。ただのドジョウ入り湯豆腐が出来上がるだけだ」

友「マジかよ・・・じゃあ『俺は精進料理(豆腐)食ってるんだぜ!まぁ本当はドジョウが入ってるんだけどな!ハッハッハァー!!』って言ってた坊さんのエピソードは作り話だったのか・・・」

男「そんなファンキーな坊さんいねぇよ。つうか自分でバラしてんじゃねーか」

男「・・・というわけで、今日はどぜう鍋にいたしませう」

友「結局柳川なのか・・・」

男「いや泥鰌鍋と柳川は別物だぞ。卵で綴じないと柳川にはならん」

友「あ・・・そうなの?」

男「小鍋立てにしてさ、割り下で煮込みながらたっぷりネギをのせて、ドジョウが煮えるまでそのネギで一杯やるのが粋とされてる」

友「へー・・・」

・・・

男「・・・うん、美味い。お前もちょっとどうだ?」グツグツ

友「うん・・・いや実は、昔幼稚園でドジョウ飼ってたことがあるんだけどさ。ある日俺が登園したら、なんか白くなって浮かんでたんだよね・・・どうもそれ思い出しちまって」

男「そうか・・・じゃ、まぁとりあえず葱だけでもどうだ?」

友「ん・・・」モグモグ

男「どうだ、美味いだろ」

友「あぁ・・・確かに酒が進む味ではある」モグモグ

男「昔から『泥鰌汁内儀食ったら忘れ得ず』って言ってな。一回食えば病みつきになるって言われてるが」

友「じゃ、勇気だして泥鰌も食ってみるか・・・行くぜ、チャッピー」

男「誰だよチャッピー」

友「件のドジョウの名前だよ・・・」

男「マジか」

友「・・・・・」モグモグモグ

男「どうだ?」

友「ん・・・ちょっと苦いけど、これはこれであり・・・なのか?」

男「まぁ確かに、今じゃもっと美味い魚も簡単に手に入るからな・・・このひとクセある感じにハマらなきゃ、難しい魚ではあるのかもしれん」

友「思ったより美味いけど・・・ごめん、やっぱり俺はどうしても、ドジョウは飼う魚ってイメージが強いかな・・・」

男「確かに熱帯魚にもドジョウの仲間はたくさんいるからなぁ。ローチって名前がついてるのは大体ドジョウの仲間だし」

友「えっ・・・じゃあまさかクラウンローチも!?」

男「ん?あぁ、あれも立派なドジョウ科の魚だぞ」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/e/e1/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81.jpg」(クラウンローチ)

友「マジかよ・・・全然ドジョウに見えねぇ・・・」

男「体高があるし、側偏するからな。ただ、正面から見ればやっぱりドジョウ顔してるよ」

友「・・・そういや全然話変わるけどさ、お前、就活進んでる?」

男「ん?・・・あぁ、まぁぼちぼち」

友「そうか・・・羨ましいな。俺なんかまだ無い内定だよ・・・」

男「・・・よし、じゃあいざとなったら俺とお前で起業するか。じつは一ついいプランがあるんだ」

友「マジかよ!どんな!?」ワクワク

男「うん、こないだ釣り情報雑誌見てて思いついたんだけどさ」

友「うんうん」

男「その日の風向きと天候から、首都圏全域のパンチラスポットの激アツ時間帯を発信する情報サービス業とかどうかな」

友「普通にサービス登録してしまいそうな自分が悲しい」

男「もう・・・男の子だなぁ・・・」

友「そういや最近よく見かけるな、その広告」

-ドジョウ編 おわり-

-ヨツメウオ編-

友「ヨツメウオ?」

男「あぁ。カダヤシ目最大の魚でもある」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8a/Vieraugen_001.jpg

友「三只眼吽迦羅かな?」

男「4つ目だっつってんだろ。アリャ3つ目だっつーの。しかも3つ目の中でも随分マイナーなキャラ出してきたな」

友「俺の中の元祖ツンデレキャラなんですがそれは」

友「・・・目が4つとか一体どんな風に見えるんやろ」

男「アラウンドビューモニタみたいな感じじゃない?」(適当)

友「なるほどザワールド」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

男「実際は4つ目があるわけじゃなくて、一つの目の中に仕切りがあるために4つ目に見えるらしいな」

友「それでも十分不思議なつくりなんですが」

男「で。このヨツメウオは上半分の目で空中をチェックし、下半分の目で水中を見渡しているという」

友「それを聞いて私の脳裏によぎったのはドキッ!女だらけの水泳大会のカメラワークでした」

男「一理ある」

友「しかしまあ、なんでそんなことを・・・」

男「空気中と水中で光の屈折率が違うからな。それぞれにあった網膜を持つためにわざわざ仕切りを持っているらしい」

友「へー」

男「そしてこのヨツメウオは、なんと利きチンコがあります」

友「わけがわからないよ」

男「ヨツメウオは多くの他の魚類と異なり、卵胎生だ。生まれつき左右どちらかに曲がった交接器は反対の方向に曲げることができない」

友「あら不便ねぇ」

男「つまり、自分のチンコと向きのあった異性でないと繁殖できないわけだ」

友「なんでそんな進化したんやろなぁ・・・」

男「分からんなぁ・・・近い遺伝子との交配を避けるため・・・とかなのかねぇ」

男「・・・というわけで、お前の就活を成功させるためにはヨツメウオのような広い視野が必要と考える」

友「うわいきなり就活の話になった。あまりの気圧差に耳キーンってなったわ」

男「お前、履歴書の趣味欄のところ『特になし』になってるじゃねえか。これは(アカン)」

友「う・・・でも、何書きゃいいか思いつかねーし・・・」

男「それこそ『釣り』って書いときゃいいだろうが」

友「釣り・・・ねぇ。じゃ、次からはそうしてみるか」

男(ニッコリ)

友「ちなみに、お前はもう内定出てんの?」

男「あぁ。とりあえず2社ほど貰ってるぞ」

友「なんという格差社会・・・ていうか例の情報サービス会社は?」

男「警視庁サイバー犯罪対策課のものですが・・・」

友「アカン」

-ヨツメウオ編 おわり-

つぎ アカヤガラいくわよ

要望があったらまだ数種類くらいいけそうです

-アカヤガラ編-

桃「男くん遅いねぇ」

友「あぁ、なんでも『超美味い魚が手に入りそうだから家で待っててくれ!』って言われたんだけど・・・」

男「ただいま!待たせたな!!」ガチャリ


友「箱からなんか生えてるんですがそれは」

桃「消火器かな?」

男「ほら開けるぞー」

http://www.zukan-bouz.com/fish/togeuo/akayagara.image/02.jpg

友「こりゃまたずいぶんマヌケ面なヤツが出てきたなぁ・・・」

桃「カモノハシみたいでかわいい!!」キラキラ

友「俺は時々君の美的感覚が分からなくなるよ」

男「こいつは、アカヤガラだ。たまたま例の魚屋に売ってるのを見つけてな」 ※ドジョウ編参照

友「しかしまぁ、全体の半分近く頭じゃねぇか。こんなんどうやって食うんだ?」

男「こう見えてもこいつは結婚式の懐石料理に出てくるような高級魚だぞ」

友「あ、そうなの。・・・にしてもこの顔、どっかでみたことあるような?」

男「ああ、こいつはタツノオトシゴと同じトゲウオ目に属する。試しにほら、こうやって頭を直角に曲げて尻尾を巻いたらタツノオトシゴっぽくなるだろ」ボキボキクルクル

友「お、おう・・・」

桃「ダメだよ!食べ物で遊んじゃ!!」プンスカ

友「さっきまでかわいいとか言ってたものを即食べ物として認識しているその切り替えの早さが怖い」

男「まぁ女の子はケーキやお菓子なんか見ても食う前にカワイイっていうからなぁ・・・」

友「いやそれとこれとはちょっとベクトルの向きが違うだろ」

桃「男くんはやくはやく!もうお腹すいた!!」

友「おぉ、もう・・・」

男「はい、じゃあまずは造りにするぞ」

友「そうはいってもこれ、どうやって捌くんだ・・・」

男「とりあえず頭を落として、ぶつ切りにする」

友(・・・なら最初から分割して持って来ればよかったんじゃ)

男「おっつ・・・以外に鱗が固いな。仕方ねぇ、そぎ落としちまうか」ザクザク

・・・

男「アイヨー」

桃「おいしそう!!」

友「へー、きれいな白身だな」

男「やばいコレさっきつまみ食いしたんだけど超旨いやばい」

友「どれ・・・」パクー

友「」

男「な?」

友「な・・・なんやこれ・・・この世にこんなうまい魚がまだおったんか・・・」ガクガク

桃「うまい、うますぎる」モグモグ ※風が語りかけます

男「歯触りもいいし、何より噛めば噛むほど口の中に旨味が広がる。クロレッツもびっくりだな」

友「素晴らしい・・・鯛の刺身の一口目のインパクトがずっと続いているようだ・・・」

桃「おかわりっ!」

男「あぁごめん・・・残り半分は椀物にしたいから」

桃「」

友「うめぇ・・・これは一切れずつ大事に食おう・・・」モグモグ

桃「・・・」チラリ

桃「・・・ねぇ友くん。食べさせて」アーン

友「えっ」

桃「」アーン

友「い、いやでも・・・(桃原さんの分)もうないじゃん・・・」

桃「」アーン

友「ち、ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(号泣)

・・・

男「・・・ヤガラの切り身に出汁を添えて木の芽をあしらってみまんた」

友「こんなん、うまくないわけがない」

桃「すごいねぇ、料理屋さんみたいだねぇ」

友「お前は一体どこへ向かってるんだ。板前にでもなるつもりか。まさか内定って割烹か」

男「さぁ、冷めないうちに食おう」

友「・・・うん、これも当然のように美味い」

桃「おいしいねぇ、ヤガラを考えた人は天才だねぇ」 ※神

男「ヤガラの肉は出汁がよく出るわりに汁が濁らないから、関東では吸い物用のタネとしてよく使われているらしい」

友「なるほどね・・・あぁ、終わっちゃった。あんだけでかくても、ほんのこれっぽっちしか肉が無いんだもんなぁ・・・」

男「まぁ半分以上頭ですし。残りはあとでブイヤベースにでもしようかな」

桃「・・・ところでこれ、いくらしたの?」

男「あぁ、あの大きさ(約150cm)のが1匹で3000円」

友「えっ」

桃「えっ」

友「ば、ばかな・・・たったあれだけの量で一人前1000円やと・・・?」ガクガク

桃「へー、1人1000円くらいならまた食べたいなー」

友「くっ・・・これが社会人パワーか・・・!」 ※桃原さんは社会人

男「いやでも1000円くらいなら・・・」

友「1000円もあったら学食で豪遊できるやないか!!3Fのスエヒロでサーロインステーキ食ってもお釣りがくるやないか・・・お釣りで牛丼大盛り・・・食えるやんか・・・」ガクガク

男「あぁ、卒業する前にいっぺんは食っときたいっていってたアレか」

桃「まーまー、じゃあ今日のところはお姉さんが払っといてあげるよん」

男「お、ヒモゥー!!」

友「うるせーよ!ちゃんと自分で払うわい!!」

男「よし、じゃあ今度は金がかからないように釣ってくるか、コイツを」

友「え、ヤガラって釣れんの?」

男「ああ、磯からルアーで狙えるらしい。ただ、釣り人の間じゃ『ヤガラが釣れると潮が止まった』と嫌われてるが」

友「へー・・・あぁでもソルトウォーターでのルアーはシーバス以外にまだ経験ないな。よし、ここは一丁ルアーを新調するか!」

桃(ルアーだって1個1000円くらいするよね・・・?)ウーム

男(この金払いの差はどこで生まれてくるんやろなぁ・・・?)ウーム

-アカヤガラ編 おわり-

実際、スーパーの刺身に400円は躊躇するのにイソメに500円は払える不思議。
釣り餌には娯楽代も含まれてるからね、仕方ないね。

ナノファルコン3千円は躊躇無く買うのに
コンビニのもやしミックス野菜100円には手が出ないのと一緒だね

-番外編 電動リール編-

友「・・・・」ウーム

男「なんだ、まだルアー選びに迷ってるのか」

友「そりゃ・・・1000円以上するからな。きちんと曇りなき眼で見定め決めなくては」

男「アシタカかお前」

友「やっぱ、フローティングよりシンキングミノーのほうがいい?」

男「あぁ、そうだな。なるべくゆっくり引いてもアクションつけられるような奴がいいぞ」

>>144
ぐうわかる だがワイはヘリQ派

友「はぁー、新しい竿も欲しいなぁ・・・」

男「釣り具屋に来るたびに悩ましくて困っちまうな」

友「あぁ、早く就活終わらせて社会人になりてーよ」

男「金がたまったら、船で沖釣りもやってみたいな」

友「お、いいねぇ」

友「ところで、船釣り用の竿と陸釣り用の竿って何が違うんだろうな?」

男「うーん・・・まぁ別に陸釣り用の竿も使えないことはないと思うが、船釣り用の竿はキャストする必要がないから短くて硬めのが多いかな」

友「なるほど」

男「その分アタリがとりやすいように若干先調子になってる竿が多い傾向があるように思える」

友「ふむふむ」

男「あとは、船べりのロッドキーパーで竿を保持するからリールシートから竿尻までの長さが他の竿に比べて短いのが多いな」

友「あ、言われてみれば確かに」

男「ま、投げ竿なんかでも釣れないことはないと思うが、あまり長いと取り回しも大変だし他の客の迷惑になりそうだな」

友「せやなぁ」

男「正直仕掛け+錘+魚の重さに耐えられるだけの条件さえあればバスロッドでも問題ないやろ」

友「あんなクソ思い錘つけたら折れそう」(粉みかん)

男「あとは・・・深場を狙うなら電動リールは必需品だろうな」

友「あー、そうだよな」

男「アコウダイなんかの棚じゃ400mとか500m平気で狙うこともあるしな」

友「アカン、手動で巻いたら腱鞘炎になってまう」

男「場合によっては昔話したことがあるバラムツやアブラボウズ、イシナギなんかの体長1~2mで重さ数十Kgもあるような奴らをそんな深海から引きずり上げねばならんわけだ」 ※バラムツ編参照

友「そうだよなぁ・・・そう考えると電動リールは偉大だ」

男「噂じゃ、電動リールが普及したお蔭で深海釣りがメジャーになってアコウやキンメが減ってるって言われてるけど」

友「うーん、そこまでなのか」

男「まぁ、あくまでも噂だけどな。どう考えたって底引きやったほうが資源は減るやろ」

友「ところで、このリールの値段の違いはどこから?」

男「基本的には大きさ(スプールに巻ける糸の量)や、あとはバッテリーの容量およびモーターの出力に比例して値段はあがる傾向にある」

友「ほほー」

男「最近じゃ自動的にタナをとったり、誘いをしてくれるようなやつまで出てきてるらしいぞ」

友「ときめく!この胸がときめく!!」

男「あ、別にそういう万能科学のオーラは出てないから」

-番外編 電動リール編 おわり-

できればでいいけど、ガーの時に出てきたティラピアなんかの話が聞きたい

マゴチも食ったら美味いし釣り味もなかなかだし。時節柄寒ブリを沖磯からルアーで、とか

>>152
ティラピア把握

-シクリッド編-

友「シクリッド?」

男「あぁ、日本じゃティラピアって名前のほうが通ってるかな」

友「あぁティラピアね・・・そういや、桃原さんのとこにいたかも」

男「ああ、エンゼルフィッシュやディスカスなんかもシクリッドの仲間だからな」

友「なるほど」

男「あと、前にも言った通り名古屋の一部河川には帰化してたりする」 ※アリゲーターガー編参照

友「ふーん・・・あぁ、そういや昔、回転ずしの鯛はティラピアだ!って噂がネット上に流れてたよな」

男「ああ、実際クセがなくて味もいいからな。ちょっと前までなら、普通に並んでたと思うぞ」

友「都市伝説じゃなかったのか・・・」

男「まぁでも今じゃ本物の鯛の養殖が容易になって、値段がほとんど変わらないってんでほとんど流行らないけど」

友「なるほどねぇ・・・」

男「ただ、今でも100円寿司とか食いに行って『ヅケ』の名目で回ってる皮目が不自然にピンク色した鯛は、ティラピアの可能性が高い」

友「ほほー」

友「・・・あれ?でも川で繁殖してるってことは、淡水魚なわけだろ?俺がいうのもなんだけど、生で食って寄生虫は大丈夫なん?」

男「無論、ばっちり寄生虫がいる可能性はあるぞ。ていうかそれはサーモンやタラだって同じだ。ああいうのは、一回身を冷凍して寄生虫対策をしてるだけだ」

友「ほげっ・・・」

男「何、死んでしまえばただのタンパク質よ」

友「せめて火を通してほしかった今日この頃」

男「んで・・・このティラピアも、現天皇陛下が皇太子時代に食糧事情の悪いタイへ贈り養殖を提案されたという」

友「うーん、ブルーギルの逆パターンか・・・」 ※ブラックバス編 後編参照

男「そのため今でもタイではティラピアのことを、現天皇陛下の名前である『明仁』から一字もらってプラー・ニン(仁魚)と呼んでいる」

友「うーん、でも、いままで散々外来種の話してきたから素直に美談として受け取めていいものかどうか」ウーム

男「国や地域、時代によって考え方は変わるからね。仕方ないね」

友「それにしても・・・なんでいきなりそんな話を?」

男(ニッコリ)

友「う・・・その箱はもしや」

男「5kgある」

友「」

男「私一人じゃ食べきれないしさ・・・友くんにおすそ分けしようと思って・・・ゴメンね、いきなり」

友「お、おう・・・」

男「お口に合うかどうか分からないけどっ・・・」

友「この、お前がたまに萌えキャラっぽくなる謎定期なんなの」 ※ハヤ編参照

男「囁くのよ、私のゴーストが」

友「少佐・・・」

http://1.bp.blogspot.com/-e1RmCw0mq1Y/UBK-k0kz_5I/AAAAAAAALWc/1533ipXN8xQ/s1600/tilapia+poel%C3%A9+vinaigrette+chaude+aux+pamplemousses.jpg

男「とりあえずポワレってみまんた」

友「へー、まぁたしかに見た目はタイに見えなくもない・・・」

男「実際流通する場合はチカダイやイズミダイなんて名前で売られてたりするしな。実際はタイよりベラに近い仲間だけど」

友「なるほど・・・ん、確かにクセもなく淡白で結構美味いな」モグモグ

男「よし、たまには白でも抜くか」

友「痛風怖いからね」

男「(ワインに)切り替えていく」

男「・・・ちなみに、キリストの最初の弟子になったペトロとアンデレがガリラヤの湖で獲ってたのもこのシクリッドだそうだ」

友「へー」

男「なので、福音書の中ではシクリッドのことを『聖ペトロの魚』と呼んでいる」

友「アンデレ『解せぬ』」

男「兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!!」 ←酔ってる

友「ジャギよ!ジャギが出たわ!!」 ←全然酔ってる

友「あー、でもなんかそういや最近やたら仏教とかキリスト教の話が出てくるなぁ・・・まえにメシと宗教の話はやめようって言ったのに」 ※ヌタウナギ編参照

男「べつにDisってるわけじゃないですしおすし」

友「せやな」

男「それに最新の情報によると、イエスとブッタは今立川でバカンス中らしいしな」

友「立川はすげぇよなぁ、神仏はいるわ能力者はいるわ競輪場はあるわ夢の街だな」 ※ステマではありません

男「あとすた丼」

友「いやそれは別に・・・八王子とか町田にもあるし・・・」

-シクリッド編 おわり-

※ちなみに魚関係ないですがワインに含まれるプリン体は痛風のリスクを高めないそうです。

>>153
ブリは前スレでやったのでマゴチいくわよ

-マゴチ編-

男「・・・帰ってきたぜ、俺は、ここに!」

友「あぁ・・・お前が足を折った忌まわしき場所だ」 ※ウツボ編参照

男「今日はここで、アカヤガラを狙うぞ」

友「あぁ。あの旨みを味わうためならここまでくる価値がある」

男「とりあえず、基本的には普通のソルトウォーターやる時と同じように誘えば問題ない」

友「ふむ」

男「基本的にヤガラは中層を泳ぐベイトを見つけると、スイーと寄ってきてその長い吻で吸い込むように食いついてくる」

友「なるほど」

男「だから、早アワセは禁物だ。あと誘いの時もシーバスより気持ちゆっくり目で巻くといい」

友「ああ、わかった」

友「・・・・」ソローリ

男「・・・いやそれは遅すぎるんじゃないですかね」

友「そ、そうか・・・あ、底当たったっぽい・・・」

男「おぉん・・・根掛かりすんなよ」

友「わかってる・・・よっ!と」ビシュッ

友「・・・!?やべぇ、なんか乗った!!」

男「ん?地球か?」

友「いやちがう!魚だこれ!!何だ!?」

男「とりあえず、よせてみ」

http://www.northcraft.jp/ja/wp-content/uploads/catch-info-178.jpg

友「うおっ!?でっけぇカジカ!?」

男「おぉ、マゴチじゃん!!」

友「コチ!?・・・えっ、これコチ!?」

男「そうだよ」

友「マジか・・・海のぬし釣りじゃ真横からのフォルムしかないから気づかなかった・・・」

男「いやー、こいつはうれしい外道だな!ほら、よこせ。〆よ〆よ!」ウキウキ

友「そうなのか?」

男「バッカお前、この時期のコチっつったら旬オブザ旬だぞ。洗いもあら汁も最高だ!」

友「おぉー・・・美味いの?」

男「すげえうまいよ。個人的にはヒラメよりコリコリしてて好き」

男「いやー、こいつはうれしい外道だな!ほら、よこせ。〆よ〆よ!」ウキウキ

友「そうなのか?」

男「バッカお前、この時期のコチっつったら旬オブザ旬だぞ。洗いもあら汁も最高だ!」

友「おぉー・・・美味いの?」

男「すげえうまいよ。個人的にはヒラメよりコリコリしてて好き」

友「へぇー・・・やったぜ!」ガッツポ

男「よし、俺もちょっと底のほう狙おうかな!!」

友「へ?ヤガラは?」

男「ヤガラもいいんだけどさ・・・マゴチはある程度同じ場所に密集してることがあるから、一匹釣れたらその周りを探ってみると釣果があがりやすいんだよ」

友「なるほどねぇー、じゃあ俺もちょっと狙ってみるか!!」

男「・・・ん!来た!!」

友「すげぇ、もう2匹目だ!!」

男「あぁ、今からもう涎がとまらん・・・もう1匹釣れたら昆布〆めも作ろう・・・夢が広がるな」

友「・・・あ、そういやメゴチなんかも天ぷらにすると美味しいらしいけど、マゴチも天ぷらにしたら美味いかな?」

男「まぁ不味くはないだろうが・・・・これだけ食う所があればもっと他の料理もできるしなぁ」

友「ちなみにマゴチとメゴチは名前が違うだけで実は全然ちがう魚なんだろ?」

男「いや・・・標準和名がメゴチのほうの魚なら、マゴチと同じカサゴ目コチ科だ」

友「えぇー・・・あれ?そうなの。おかしいなぁ・・・」

男「あー、ただややこしいのはな、関東で『メゴチ」とよばれることが多いネズミゴチは、スズキ目ネズッポ科という全然別の種類の魚だ」

友「整いました!」

男「アカンそれ人違いや」

男「まぁ、よく見れば全然ちがうよ・・・ネズミゴチはどっちかというと、全体的にノッペリしてるしホウボウみたいな顔面N700系魚類だから」 ※ホウボウ編参照

友「ごめん俺その例え出されてもひとっつもピンとこねぇ・・・んん?」グイ

友「ん・・・?」ググ

友「・・・・」グッ

友「」

男「ど、どうした」

友「ネガカリシタ」(裏声)

男「おぉ、もう・・・」

友「アカンて!このルアー1200円もしてんねんぞ!!」

男「落ち着け、ジワジワ力をかけると余計取り返しがつかなくなるぞ」

男「根掛かりしたときは、まず竿を鋭く何回かしゃくるんだ。こうすると、糸が緩んだ拍子にフックが外れることがある」

友「神よ!神よ!!」ブンッブンッ

男「さらに、角度を変えて何回も同じ動きを繰り返すんだ」

友「よし!ちょ、ちょっと俺あっちのほう行ってくる!!」

・・・

友「・・・・」ブンッブンッ

男「どうだー、とれたかー」

友「・・・・」フルフル

男「・・・もうあきらめたら?」

友「夢をあきらめない!!」ブンブチッ

友「!!?!?!?!?!?嫌あああああああああああああああぁああぁああああああああああああァァァァアアーーーあああっっ!!!!!!!!!!」

友「」(解脱)

男「おお、もう・・・」

友「もう・・・終わりだね・・・君が・・・小さく見える・・・」

男「ま、まあマゴチ3匹釣って1200円なら安いもんよ・・・」

友「この磯は、毎回僕たちの大切な何かを奪っていきます・・・ルアーを失った男、ウツボをキャッチしようと、足を折った男・・・ここには、それぞれのドラマがあります」

男「そのナレーションやめろ」

-マゴチ編 おわり-

ひとまず今日はここまでです

そろそろカジキとかいきたいと思います

僕鱈がすごく好きなんですよね(ちら

>>184
なんでや!スケトウダラはもうやったやろ!!

なので






-メルルーサ編-

男「あー、出遅れたか。2階も3階も並んでるな」

友「うーん、これ並んでたら午後の講義間に合わんぞ」

男「しかたねぇ、たまにはマックいくか」

友「そうだな」

男「お前、何にする?」

友「あー、ハンバーガーとナゲット」

男「よし、買っとくから、場所取っといてくれ」

友「ん」

・・・

友「あー悪ぃ、外しか空いてなかったわ」

男「まぁいいよ・・・暑いけど、別にいいよ。暑いけど」

友「何よ!私が悪いっていいたいのね!!あなたいつだってそう!」プンスカ

男「いいから座れよ。早く食っちまわないと」

友「あ、はい」

友「・・・お、フィレオフィッシュか。珍しいな」

男「んー・・・おふくろが好きでな、これ」

友「そういや、日本のマックのフィレオフィッシュは全部スケトウダラなんだっけ?」 ※スケトウダラ編参照

男「ん?あぁ、今はな」

友「今は?」

男「昔はメルルーサっていう、タラ目の別の魚がつかってたそうだ」

友「まじかるメルるーサくんかな?」

男「人違いだ。メルルーサは南アメリカやNZの南洋に生息する深海魚だ」

友「わりと軽くスルーされた」

男「近縁のホキと並んで、安価なため学校給食の白身魚などにも用いられている」

友「ホキ?」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bb/Macruronus_novaezelandiae.jpg/800px-Macruronus_novaezelandiae.jpg

友「・・・なんかナマズみたいだな」

男「これでもれっきとしたタラ目の一種だ・・・まぁ確かに、見た目はスケトウダラやメルルーサとはちょっと変わってるな」

友「鰭が全部繋がってるしなぁ」

友「それにしても、タラの仲間ってのはほとんど深海にいるんだな」

男「あぁ、でもコマイは汽水域まで浸入してくるぞ」

友「マジで?」

男「冬場の北海道じゃワカサギみたいに氷上釣りでも釣れるみたいだしな」

友「へー」

友「ところで、何でフィレオフィッシュはメルルーサからスケトウダラに変わったんだ?」

男「まー安くても安定供給できなきゃ意味ないしな。日本近海でそれなりの漁獲があがるのがスケトウダラだったんだろ」

友「なるほど」

男「海外じゃ普通にメルルーサやホキを使ってるところもあるし。日本のフィレオフィッシュもかつてはマダラだったみたいだしな」

友「ふむふむ」

男「・・・」(迫真)

友「お、お前・・・その顔は放送コードに引っかかる顔だぞ・・・」

男「マックシェイクが出てこねえ・・・」

友「わかる」

男「これストローで飲ませるようなもんじゃないだろ。暑いから買ったのに吸引するので汗かくわ」

友「俺それ飲むと必ず唇の筋肉つるんだよね」

-メルルーサ編 おわり-

いまさらだけど
>>174-174
重複してた・・・やだ私ったら・・・・///

-パンデリクティス編-

友「俺子供の頃さ、シイラってシーラカンスの略称かなんかだと思ってて」

男「うん」

友「海のぬし釣りでシイラの存在を知ってさ、小学校くらいまでシーラカンスって普通に日本近海にもいる魚だと思ってたんだよね」

男「いや見た目が全然違うんですがそれは」

友「いやだってカエルだってオタマジャクシの頃は魚みたいな感じなのに、大きくなったら全然形かわるじゃん」

男「んー、なるほどなるほど。バーカ」

友「よろしい、ならば戦争だ」ゴゴゴ

男「まぁ落ち着け。両生類を例に出したのはなかなかいいトコついてるぞ。褒めて使わす」

友「上から目線やめてくださいよ、ムカつくんじゃ!!」プンスカ

男「とりあえずシイラはおいとくとして・・・実際両生類はシーラカンスの属する肉鰭綱から進化してきたと考えられている」

友「肉鰭綱?」

男「あぁ。通常の魚と異なり肉質の鰭を持つことからこう名付けられた。その鰭が四肢に進化して、両生類となり陸上に進出したってわけだ」

男「へー」

男「前にも言った通り、今陸上にいる脊椎動物は全て魚類から進化してきたわけだしな」 ※ヤツメウナギ編参照

男「で、その魚類と両生類の中間と言われてるのがコイツだ」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7e/Panderichthys12DB.jpg/800px-Panderichthys12DB.jpg

友「ふむ、言われてみればどことなく両生類感あるな」

男「コイツはパンデリクティスといってデボン紀後期に存在したと考えられてる魚類だ」

友「あ、まだ魚類さんサイドなのね」

男「あぁ、今見つかっているパンデリクティスの化石には、まだ陸上に進出するだけの身体の構造はみられない」

友「ふむ」

男「ただし、鰭の末端に放射状に広がった4つの骨があって、これが後の四肢の元となったことが示唆されている」

友「そのうち鰭から指が生えてくるのか・・・怖すぎィ!」ガクガク

男「面白いのはコイツは肺呼吸も鰓呼吸もできたんだが、頭に呼吸をするための孔がついていてな。水底の泥中にいながらにして、その孔から水を取り込み鰓呼吸をしていたらしい」

友「クジラかな?」

男「で、その孔がどうなったかというと・・・ここだ」ズボッ

友「んほおおおおおおおおおおおおお!!?」ビクビク

男「パンデリクティスの呼吸孔はやがてその用途を変え、耳孔へと進化していくことになる」スポッ

友「文字通り寝耳に水すぎるわあああああ!」ドキドキ

男「史上最強のファックユー・・・」

友「アカン、死んでまう」

友「しかしまぁ、これで46億年物語で魚類からイクチオステガまでのワープの間に起きたことが概ね理解できた」

男「EVOポイントためなきゃ」(使命感)

友「ガイアたんチュッチュ」

男「環境利用闘法ッッッ!!」

友「アカン、死んでまう」(1分ぶり2回目)

男「と、まぁこうして意識高い系魚類はその進化をとどめることなく陸上への進出を果たしたわけだ」

友「意識高い系魚類wwwちなみに、意識高くない系の他の奴らは?」

男「絶滅した」

友「おぉ、もう・・・」

男「現代棲息が確認されている肉鰭網は肺魚亜綱6種とシーラカンスだけだ」

友「ガイアえげつねぇ・・・」

友「ちなみに、もしこいつらを食ったとしたらいったいどんな味がするのかね」

男「食感は歯ブラシ」

友「えっ」

男「おまけに水っぽくて、食うとゲーリー・グッドリッジ不可避」

友「な、なんかバラムツみたいな奴だな」 ※バラムツ編参照

男「なんでも、その体を構成するアミノ酸の組成まで原始的すぎて、そもそも旨味を感じにくいらしい」

友「一体何が彼らにそこまで進化を拒ませるのか」

男「まー生きる化石って言われてるような生き物はみんな、周りの環境の変化に対応する必要がなかったある意味では恵まれた奴らともいえるからな」

友「なるほど、親が資産家のニートってわけか」

男「言い得て妙だな」

友「はぁ・・・俺もシーラカンスになりたい。もう就活は嫌なんや・・・」ゲッソリ

男「よし、じゃあまず食うと下痢するところから始めようか」(ニッコリ)

友「えっ」

-パンデリクティス編 おわり-

比較画像

ガイア(46億年前)
http://www.geocities.jp/gurafsander/retrogame_SFC/46_Okunen_Monogatari_001.png

ガイア(現在)
http://livedoor.blogimg.jp/kohe5715/imgs/6/8/683f3cc8.jpg

続きは今夜!!

俺は、生き延びることができるか

>シイラってシーラカンスの略称かなんかだと
うんうん、黄金伝説で実物見るまで思ってた

成長過程でタテキン以上に見た目がかわる魚っているのかね

>>209
分かりやすいとこだとこのへん

マンボウ
http://research.kahaku.go.jp/zoology/uodas/ocean_sunfish/gro.html

ヒラメ
http://hirameya.jp/science/chigyo/

ウナギ類稚魚
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/80/LeptocephalusConger.jpg/800px-LeptocephalusConger.jpg

カッジーキ!カッジーキ!

>>213
またせたな(ニッコリ)

-カジキ編-

友「やっぱりさ。ぬし釣りやってて思うんだけど」

男「うん」

友「海釣りの究極の目標は、カジキだよな」

男「松方弘樹かな?」

友「やっぱこいつにも、それなりのエピソードがあるんだろ?」ワクワク

男「ああ・・・松方弘樹、本名目黒浩樹。浩樹と書いてこうじゅと読む。1942年に東京府東京市に産まれ利き手は・・・」

友「いやそっちじゃねぇよ。松方弘樹の話淡々とされても俺困っちゃう」

男「そうか・・・・ポワロとマープルのエステア卿とかハマリ役だったんだけどな・・・」

友「あの・・・あの・・・」

男「ちなみに海のぬし釣りの一郎の友達の弘樹くんは、松方弘樹からとってきたとかなんとか」

友「ふえぇ・・・頭の中弘樹のことでいっぱいだよぉ・・・」

男「で、カジキだっけか?」

友「よかった本当にこのまま松方弘樹の話になっちゃうのかと思った」

男「ちなみに友はどれくらいカジキの種類を知ってるんだ?」

友「えー、とりあえず海のぬし釣りに出てくるクロカジキとバショウカジキだろ・・・それから、昔持ってた釣り竿の形したゲームにでてきたマカジキとメカジキ・・・そんなとこかな」

男「他にも日本近海にはシロカジキ、フウライカジキを加えた計6種が知られている」

友「結構多いな」

男「このうち最大種はクロカジキ、シロカジキ、メカジキの3種で、いずれも体長4m、体重は300kgを超えるものがいる」

友「うん、海のぬし釣りでも421cmのクロカジキが釣れるもんな」

男「ちなみに、いずれもより大型になるのはオスではなくメスだ」

友「魚類界における女尊男卑さは重々承知している」

男「基本生物のオスメスの大きさの違いは淘汰圧によって説明されることが多いようだな。哺乳類の場合はつまるところオスの存在意義はメスの獲得競争にあるから、より大きく強い個体が生き残るためオスのほうが体が大きくなる傾向がみられる」

友「ほうほう」

男「メスとしても、子供を育てている間はオスに守ってもらわなきゃいけないから、そういった力強いオスを選択することになるのは自明の理だろう」

男「だが、魚類の場合はそんなことはない。基本、卵は数をたくさん産んであとは放置プレイだしな。そういった場合は、卵を産むのに有利になるようにメスの体が大きくなる場合が多い」

友「なるほどー」

男「もちろん例外もあるが。一般的にオスがメスを競い合う傾向にある生物は、オスの体格が大きくなる傾向があるそうだ」

友「あぁ、カブトムシとかもそうだな」

男「せやな」

男「で、話を戻すと・・・でかいカジキは大体メス。そしてこの中でもっとも性質が荒いのは、メカジキだ」

男「メカジキか・・・」

男「こいつはカジキ目の中でも一種でメカジキ科を形成している。分類学上でいうモノタイプてってやつだ」

友「モノタイプ!かっけぇ!!」

男「メカジキ以外の全ての主はマカジキ科に分類される・・・メカジキはこれらの中でもより原始的で、その特徴として吻が体長に比して長く、体表に鱗が存在しない」

友「へぇー」

男「性質は獰猛で、自分より大型のクジラや船までその長くとがった吻で攻撃することで知られている」

友「怖すぎィ!!」

男「現に釣り上げた際の吻による死傷事故も報告されている・・・まぁこれはメカジキに限ったことではないがな」

友「46億年物語じゃすぐに折れる消費アイテムだったのに・・・」

男「そして何よりギネスにも乗るくらい泳ぐのが早い。バショウカジキなんかは水中速力は100km/hを超える。100m4秒以下というもはや魚雷だ」

友「はやい」(確信)

男「それではそんなバショウカジキニキの勇姿をご覧ください」


友「おぉ、もう・・・」

男「なお、カジキマグロといいつつもマグロではない模様」

友「あ・・・そうなの?」

男「かつてはこれらカジキ類をサバ亜目として分類することもあったが、最近ではカジキ目として独立した分類とすることが多い」

友「ふぅん・・・まぁ、>>222の画像を見ても、見た目はマグロっていっても分からないよな」

男「筋肉の作りが似てるし、味もマグロに近いからな。メカジキは白身だけど」 ※マグロ編参照

友「あと、和名で面白いのは、英名Black Marlin(黒カジキ)をシロカジキ、Blue Marlin(青カジキ)をクロカジキと名付けてることだな」

友「これもうわかんねぇな」

男「英名はその魚が生きている時の色を指すのに対して、和名は死んだ後の体色から名づけられてるからこうなったんだと」

友「なるほどねぇ・・・まぁ昔から日本じゃ緑のことアオって言ったりするし、色に関しては割とアバウトなところがあるからなぁ」

男「一理ある」

男「ちなみに小さいサイズのカジキは湾内のサビキ釣りにかかったりもする」

男「http://www.city.owase.lg.jp/cmsfiles/contents/0000006/6388/0708_bashoukajiki.jpg

友「サヨリかな?」

男「こんな小さいうちからちゃんとセイルフィッシュしてる当たりが好感もてる」

友「ちっちゃな頃から悪ガキを地で行く魚である」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

友「あ・・・そういや日本近海にいるもう1種類・・・えーと、フウライカジキ、だっけか?そいつはあんまり聞いたこと無いな」

男「ん・・・フウライカジキか・・・」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1d/Spearfish.jpg/799px-Spearfish.jpg

友「お・・・こりゃあまりカジキっぽくないな」

男「たしかに、カジキの特徴である吻が短いからな。しかもカジキ類の中で一番不味いといわれている不憫な奴だ。雰囲気はミズウオにも似ているかもしれない」

友「ミズウオ?」

-カジキ編 おわり-

-ミズウオ編-

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/0d/Longnoselancetfish.jpg」(ミズウオ)

友「あー確かに。こっちのほうが近いかも。つうか顔怖ぇなコイツ」

男「こいつは見た目は似てるが、ヒメ目に属する深海魚だ」

友「ヒメ目?」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/95/Aulopus_purpurissatus.jpg/800px-Aulopus_purpurissatus.jpg

友「姫感無さすぎィ!!」

男「ちなみにミズウオも全長1.5~2mとそれなりに大きくなる魚だ」

友「コイツもやっぱり光ったりするの?」 ※ダルマザメ編参照

男「いや、こいつは発光器を持たないため光ることはない。その代わり口が大きく、中には鋭い牙が備わっている」

友「こわE」

男「時には共食いすら行い、デカすぎる獲物を食べた故に食道が破裂して死に至る場合もあるようだ」

友「肉食系ドジっ子か・・・いけるな」(確信)

男「せやろか?」(疑念)

男「そして、深海魚の典型に漏れず、水っぽくかつ脂っぽくて美味いもんでもない。まずいこんにゃくのようなもんらしい」

友「ひどい言い草である」

男「ただ、そんな肉食系ドジっ子のミズウオも、実はあるものについて重要な指標になっていたりするんです」

友「ほほー」

男「では、ここでクエスチョン!その『あるものの指標』とは、一体なんでしょう?」テレレレテレレレテレレレレレレレレー

友「しまった、貴様ッ!ミステリーハンターだったのかッ!!」

男「それでは、真くんの答えを見てみましょう・・・ほう、『米の収穫高』」(激似)

友「やめんかwww」

男「続いて黒柳さん、なんとスーパーヒトシくんで答えのほうは・・・なるほど、『ゴミの指標』」(激似)

友「あぁ、これは黒柳さん正解ですわ」

男「それでは、正解をご覧いただきましょう。世界、ふしぎ、発見」

友「ていうか野々村真と黒柳徹子サシなのかよwwww」

男「・・・というわけで、このミズウオは海洋汚染の指標となっている魚でもある」

友「何、汚い海域には棲んでないとか?」

男「いや、こいつはさっきも言った通り貪欲でなんでも口にするから、胃の内容物を調べるとビニールやプラスチックなどといった人工物が出てくることがある」

友「ほうほう」

男「それで、どのあたりの海洋まで人間の手による汚染が広がっているのかの指標とすることができるってわけだ」

友「はー、なるほどねぇ」

男「というわけで正解はゴミの指標ということで黒柳さん、お見事。真くんは、ボッシュートです」チャーラッチャラッチャー ミヨヨヨーン

友「もはや様式美といえる」

男「・・・まぁそんなわけで、人間の手による汚染はこんな深海にまで及ぶことがあるわけだ」

友「そういや、前にお前んちの前の浜に行った時も、結構浜にゴミが打ち上げられてたなぁ」

男「あぁ。中にはキリル文字やハングルの描かれた物も結構あるぞ」

友「はるばる対岸から流れ着いた訳か・・・」

男「一番よく分からん漂着物は便座だったがな」

友「(船が)沈没したってはっきりわかんだね」

男「あるいは高波に家がやられたか・・・」

友「・・・やめよう、深く考えたらこれ多分人死んでる気がしてきた」ガクガク

男「芦ノ湖なんかじゃ、バス釣りでロストしたソフトルアーを鳥さんがパクーして白鳥の数が激減してるらしいしな」

友「ゴミはちゃんと持ちかえらなきゃ」(使命感)

男「この番組は、BE EARTH FRIENDLY、Daiwaの提供でお送りしまんた」

友「いや確かあの番組この木なんの木の会社だろ」

男「次をインスパイアするだけでなく、次に残さなきゃいけないものがある」(戒め)

-ミズウオ編 おわり-

ガンディル希望

-イボダイ編-

その朝、彼はみそ汁の匂いで目を覚ます

友「ん・・・・」

男「おう、起きたか」

友「おはよ・・・なんだ、朝メシ作ってんのか」

男「もうすぐできるから待っててくれ」

友「おぉ・・・あー眠てぇ・・・顔洗ってこよ・・・」

・・・

友「ふぅ、さっぱりしたぜ」スッキリ

男「よし、食うか」

友「みそ汁とごはんに魚の干物か・・・大学生らしくない健全な朝食だ」

男「せやろか」

友「ていうかなんで男同士でこんな新婚生活のような朝を迎えねばならんのか」

男「発想が不健全だなお前」

友「・・・ところでこの干物なんだ?アジ・・・にしては体高があるし」

男「これはイボダイだ」

友「イボダイ・・・か」

男「このへんの市場ではエボダイとも呼ばれる魚だ。一応、巷じゃ高級魚の部類に入るな」

友「へー・・・うん、脂がのってて旨いな。さすがは名前にタイがつくだけのことはある」モグモグ

男「しかしイボダイはイボダイ科に属するタイとは関係のない魚だ。ひっくり返してみれば分かるが、全然タイっぽくないぞ」

友「どれ・・・あぁ、本当だ。やっぱり色合い的にはヒラアジっぽく見えるな」 ※オキアジ編参照

男「あぁ。本物のイボダイであれば干物一枚で1000円は下らない」

友「本物の?」

男「実は、今俺たちが食ってるこれは、エボダイの名で売りに出されてはいるが海外から輸入された別の魚だ」

友「まじかよ」

男「あぁ、バターフィッシュといって、イボダイと同じ科ではあるが別種の魚だ。こいつも味は悪くないが、値段は本物のイボダイの1/3程度だな」

友「なんだ、紛い物か・・・でもまぁ旨いからいいんだけども」

男「バターフィッシュも、アメリカなんかじゃ最も味の良い魚として喜ばれるものだからな」

友「うん、たしかにアメリカ人が好きそうな脂のノリだよ。名前からしてバターフィッシュだしな」

男「バターフィッシュの名前の由来はその体表の粘液がバターのような匂いがする、あるいはバターを塗りたくったようだというところからきているらしい」

友「バタ臭い魚なんだな」

友「とはいっても、値段以外でどうやってイボダイとバターフィッシュを見分ければいいんだ?」

男「簡単な見分け方がある。そのひっくり返した干物をよく見てみろ」

友「んん・・・・」

男「バターフィッシュには腹鰭がないんだ。だから、胸鰭の下あたりに鰭がないものはバターフィッシュだとわかる」

友「なるほど」

男「本物のイボダイは、だいたいこの辺に腹鰭があるからな」

男「http://www.h5.dion.ne.jp/~kakure/zukan/zukan007005.jpg

友「ふーん」

男「あとは、さっきお前が言ってたみたいにバターフィッシュはエボダイに比べて脂が多い」

友「うん、かなりこってりしてるな」

男「焼く前にすでに脂が白く滲み出てるようなのは、バターフィッシュの場合が多い」

友「なるほど」

男「ちなみにこの脂は酸化しやすいから、冷蔵品の干物だとしても早めに食べてしまった方がいいぞ」

・・・

友「・・・ごちそうさまでした」ゲフゥ

男「あいよ」

友「いや朝からしっかりメシも食ったし、これで今日の面接もうまくいきそうだな」

男「いよいよ俺の部屋で朝メシを食い就活に出かけることに違和感を覚えなくなったか・・・はいお茶」

友「これって・・・同棲、だね///」チラッ

男「死んで、どうぞ」(真顔)

友「・・・よし、じゃあそろそろ行ってくるわ」

男「気を付けろよ。夕飯はどうする?」

友「あぁ、今日は食べてくるよ」

男「なんだこれまんま新婚夫婦の会話じゃねえか」ゲンナリ

友「私のキツい就職活動、シュウカツ!始まります!!フフッヒwwwwwwwwwwwww」

男「」メキョ

友「あっ痛いやめて無言でアイアンクローしないでやめて」ギギギ

-イボダイ編 おわり-

-カワハギ編-

面接官「えー、では質問は以上です・・・ところで、友さん」

友「はい!」

面「趣味に釣りと書いてありますが、最近の若い人にしては珍しいですね・・・やっぱり、今流行りのバス釣りですか?」

友「バスも釣りますが、船で沖に出る以外の釣りは海も川も手広くやっています」

面「なるほど・・・私も趣味で少し釣りをするんですが、最近はブラックバルやブルーギルばかり増えて他の魚が減ってるでしょう?」

友「ええ、確かに釣りをしてるとそれは感じますね。それに、バス以外にもいろいろな外来魚が釣れますし」

面「ほう、たとえばどんな?」

友「そうですね・・・私が釣った経験があるのは、アメリカナマズという魚と、あとはニジマスですね」 ※ニジマス編参照

面「ニジマス?」

友「ええ、もともとその川にはイワナとヤマメしかいなかったんですが、ある年突然現れたんです。おそらく、誰かが放流したんだと思いますが」

面「なるほど、ニジマスね・・・たしかに、あれも私たちが子供の頃はいなかったなぁ」

友「今では私も釣りを通して、元いた場所以外に魚を放流することはよくないと考えるようになりましたね」

面「私もねぇ、昔からタナゴを釣ってた池があるんだけど、最近そこにブラックバスが入ってしまってめっきりタナゴが減ってしまってね・・・」

友「最近ではブラックバスを釣ったら再び水に戻してはいけないというところも多くなってきたようですが・・・やはり、規制は難しいのが現状といえそうですね」

面「ちなみに、友さんは釣ったブラックバスをどうしているんですか?」

友「食べ(させられ)てます」

面「えっ」

数日後・・・

男「お・・・来たか。どうだった?こないだの面接は」

友「面接官をハートキャッチすることはできた・・・気がする」

男「海風で枯れる一輪の花ッ!!」

友「やめろよまだ枯れたくねぇよ・・・それが、たまたま面接官も釣り好きな人でさ」

男「ほう」

友「趣味の欄に釣りって書いといたら、ちょっと話が盛り上がってな」

男「なるほど。じゃ、手ごたえありか?」

友「いやーどうだろう。あくまでも面接後の世間話程度だったし・・・とりあえずバス食うって話したらドン引きされたけど」

男「(食っちゃ)いかんのか?」

友「(面接官が引くような話しちゃ)いかんでしょ」

友「ま・・・気を取り直して次頑張るさ」ハァー

男「・・・よし、じゃあ今日はちょっと美味い魚でも釣りにいくか」

友「おっ、何々?」

男「カワハギだ」

友「カワハギ・・・か」

・・・

男「よし、ここいらでええやろ」

友「ふーん、防波堤から狙うのか。船釣りで狙うイメージがあるけど」

男「磯や防波堤から意外と狙えるぞ、カワハギは」

友「ふーん・・・で、エサは?」

男「昨日の俺の夕飯の残りのむき海老(賞味期限切れ)を茹でてきた」

友「お前腹壊すなよ・・・」

男「よし、じゃとりあえず仕掛けつくるぞー」

友「おう・・・って、なにこれスプーン?餌があるのに、ルアーつけるのか?」

男「あぁ、そいつは仕掛けにつけて集魚板の代わりにする」

友「集魚板?」

男「呼んで字のごとく魚を寄せる為の板だ。そいつが水の中で回転して光を反射するより魚が寄ってくる」

友「へぇ、逆に逃げそうなもんだけどなぁ」フシギ

男「・・・はい、じゃああとはそのまま投げてー。たまに小さくしゃくって集魚板を動かして誘うように」

友「ほいほい」

男「カワハギのアタリは小さいから見落とすなよ。なんたってエサ取りのプロだからな」

友「ほんまカワハギはんは魚類界のルパン三世やでぇ」

男「カリオストロの城・・・並び替えたらロリとカオスの城・・・」ガクガク

友「だいたいあってる」

友「・・・おっ、来たか!?」ピクッ

男「ん、ちょっとウキの沈みが早いな・・・」

友「そうなん?って・・・おぉ、お前か・・・」

クサフグ「またあったな」ピチピチ

男「いややっぱエサ取りの中のエサ取りって言ったらコイツだろ」

友「・・・とりあえずコイツは嫌がらせにそこの潮だまりに突っ込んで置こう」ポチャ

クサフグ「俺だけのワンルーム!!」スイー

男「まぁ、集魚板をつけるといろんな魚が寄ってくるからね、仕方ないね」

友「俺はフグよりカワハギを釣りたいんや・・・」

男「カワハギもフグ目に属する魚だけどな」

友「あ、そうなの」

男「あぁ、マンボウなんかもフグ目だぞ」

友「なんか個性的な奴らが多いな、フグ目」

男「あぁ、フグ目は現生魚類の中でも特に特化の進んだグループだからな。毒はあるはトゲは生えてるわ鱗はないわ体膨らむわ鰭の形もおかしいわで話題に事欠かない魚だ」

友「そこだけ聞くとなんかDisってるみたいだな・・・」

男「ザクとは違うのだよ。ザクとは」

友「ラルはん・・・ってそれフグやない、グフや」

・・・

男「いやー結構釣れたな。・・・全部で7枚か」

友「・・・こっちもたくさん釣れたけどね」

クサフグA「狭ぇ、狭ぇよ!俺だけのワンルームだったのに!!」ピチピチ

クサフグB「お前もっとそっち行けって!ちょっとどこ触ってんのよ!!」ピチピチ

クサフグC「外道の運命がどういうものか、よく・・・見ておくのだな」プクー

友「あっ、一匹身投げした」

男「よし、早速かえって刺身にしよう!!」

友「あー、そういや俺カワハギって食ったこと無いかも」

男「マジでか・・・それは人生損してるぞ」

友「そ、そんなにうまいのか」ゴクリ

男「あぁ、特にこれからの時期は肝臓が肥ってきて最高である」

友「へー、楽しみだなぁ」

男「ただ、肝臓が肥えだすと身は痩せちまうから、身だけ食うなら夏までがいい」

・・・

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/f3/4cc0d97bcef7566ac03c3131ba6e2089.jpg

友「うまい!!」テーレッテレー

男「せやろ」(ニッコリ)

友「なんやこれ・・・もうフグやないか・・・シャッキリポン・・・」ガクガク

男「カワハギは肝が食えるからな。フグとは違うのだよ、フグとは」

友「もはや水産界フォアグラといっても過言ではない。あとサシミに肝醤油つけるのおいしいです」モグモグ

友「あー、こりゃちょっと飲みすぎちゃいそう・・・お、電話だ・・・って!!やばい、こないだ面接受けたとこだ!!」

男「今後のご健勝・ご活躍をお祈りいたします」

友「縁起でもないこと言うなって!!・・・はい、もしもし!はい・・・えぇ、はい!」

男(・・・ま、お祈りしますの場合は大体電話じゃなくてメールや手紙なんだけどな)

友「はい!分かりました!・・・えぇ、すぐに送付いたします!では、失礼します・・・」ピッ

友「・・・」

友「・・・・・・・出た」

男「おしっこかな?」(すっとぼけ)

友「内定が・・・・出たあああああああああ!!」

男「ええんやで」(その目は優しかった)

友「いやったああああああああああああああああああっばばあばばばばばばばばばばばあ」ゴクゴク

男「え、いや、あの・・・それ俺の酒・・・」

友「いやー本当、マジでよかった・・・」

男「よかったね」(ニッコリ)

友「釣りしててよかったって、はっきりわかんだね」

男「せやろか?」

友「せやせや」

友「・・・あ、そういや面接のときに担当の人がタナゴ釣りの話してたんだけどさ」

男「タナゴかぁ・・・」

友「俺、タナゴって釣ったことが無いんだよね」

男「まぁ、最近は生息数も減ってて釣れるところがあっても釣り人は教えたがらないからなぁ」

友「この辺にも釣れるところはあるのかね?」

男「どうだろうなぁ・・・何なら今度、ちょっと調べてみるよ」

-カワハギ編 おわり-

>>235
カンディル把握

もうすぐ終わるやで(ニッコリ)

-番外編 用水路の五目釣り-

男「・・・・・」ウーム

男「・・・・・!」

男「・・・・・・・・・」prrrr

男「あ、もしもし友か?見つけたぞ・・・」

・・・

友「な、なんだよこれ・・・住宅地のど真ん中じゃねーか」

男「いや、この裏からずーっと畑になってるんだ。あそこに側溝があるだろう」

友「あぁ・・・あるな」

男「あそこをたどってくと、上のほうに灌漑用の用水路がある」

友「へぇ・・・池とかじゃないのか?」

男「俺も水源を辿ろうとはしたんだが、しばらくいくと立ち入り禁止になっててな」

友「ふぅん・・・」

男「まぁ、堰の辺りの流れは緩やかだったし、ちらほら魚影も見えたから何かいるのは確かだ」

友「でも、なんでここにタナゴがいるって分かったんだ?」

男「いや、正直確証はないんだが・・・ほら、あそこをみろ」

友「んん・・・石?」

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/f/f9/Numagai050804.jpg

男「いや違う・・・ほら、これはドブガイだ」

友「でけぇ!!ハマグリよりでけぇじゃねえか!!」

男「タナゴ類はこういう二枚貝の鰓の部分に産卵するからな・・・コイツがいるってことは、あるいはここにタナゴがいるかもしれん」

友「なるほどね・・・」

男「情報が無い分、こういうところから探してみるしかないんだよ」

友「ま・・・何はともあれ、たまにはこういうコマゴマした釣りも楽しいよな」

男「あぁ、タナゴがいないにしても何かしら釣れるだろうしな」

友「ちなみにエサは?」

男「一応ご飯粒とサシを持ってきたが」

友「うっ・・・なんかごはん食えなくなりそうだからやめろ」オエ

友「・・・それにしても、タナゴ釣りの道具は小さくてぷりちーである」

男「あぁ・・・鉤も小さければ、竿の長さも50cmないからな」

友「俺、こういう可愛いやつ大好き」

男「おまわりさん、こっちです」

友「なんでや!!」

・・・

友「おっ、早速かかった!」ピチピチ


友「んー・・・あぁモツゴだな」

友「モツゴ?」

男「俗にクチボソって言われるタナゴ釣りの外道オブ外道だ」

友「外道外道アンド外道か」

男「でも、それ専門に狙う人もいるくらいの魚だからな」

友「へー」

男「ガーとかのエサ用に」

友「なんと」

男「お、俺も掛かっ・・・はは、こっちもモツゴだ」

友「ただ、入れ食いなのは楽しい・・・あ、またモツゴ」

男「一応マンガ持ってきたけど、こりゃ読む暇なさそうだな・・・おー、ヌマチチブだ」

友「お、はじめてモツゴ以外の魚が」

男「はは、いろいろコマいのがいるじゃないか」

友「あぁ、川のぬし釣りみたいで楽C」

男「・・・にしても、肝心のタナゴが釣れないな」

友「そうだなぁ・・・あ、フナだ」

男「やっぱりドブガイがあるくらいじゃ見分けられない、か・・・」

友「ドブガイがいない川のタナゴはどうなるんだ?」

男「いや、そもそもこういう貝がいないところにはタナゴはいない・・・まぁ、仮に貝が絶滅したとしたら、タナゴも繁殖できなくて一緒にいなくなるだろうな」

友「上手くできてるよなぁ・・・ていうか、貝さんサイドはやられっぱなしなんですかね」

男「そんなこと無いぞ。貝のほうも、グロキジューム幼生っていって、自分の子供をタナゴなんかのヒレに付着させてその生息域を広げるのに利用してるしな」

友「なるほど、ちゃんと共生してるんだな・・・・おっ!なんかまた別の魚釣れた!!」

http://www.lcv.ne.jp/~tmwebp/image/Fish/kamatuka170990516.jpg

男「お、カマツカじゃん。やっぱ底物はサシの方がよく釣れるな」

友「ちなみにサシってこれなんかの幼虫?」

男「ん?ハエ」

友「このウジ虫がああああああああ!!!」

友「なんだろう・・・ウジだと分かった瞬間途端に持つのが嫌になった」ゲンナリ

男「そうはいっても、ワカサギなんかもサシで釣るしな・・・しかもその釣ったワカサギを、そのまま丸ごと天ぷらに」

友「やめてっ!!」

男「なに、火を通せばただのタンパク質よ」(ニッコリ)

友「ふえぇ・・・久しぶりにタンパク質だから大丈夫論がでたよぉ・・・」

男「そういや昔冷蔵庫に入れたサシを忘れてたことがあってさぁ・・・もう箱の中が蛹やらハエやらでえらいことに」

友「いやああああああああああらめええええええええええ!!」ビクンビクン

友「」ゲンナリ

男「元気だせよ・・・今度バポナ買ってやるから」 ※ステマではありません

友「いや別にハエが出て困ってるわけじゃないですし・・・」

男「・・・ん、かかった・・・なんだ、こりゃあ?」

http://hokusetsu-ikimono.com/zukan/fur-i-s/kawahigai/110507kawahigai-01.JPG

友「モツゴじゃないのか?」

男「いや・・・モツゴにしては側線が不明瞭だし、体型がちょっと違うな・・・」ウーム

友「俺には正直同じに見える・・・」ウーム

男「ムギツクか・・・カワヒガイ・・・かな?どっちにしろ、このあたりにいる魚じゃないんだけどなぁ」

友「誰かが放したのかね?」

男「いや何とも言えんが・・・もしかしたらそうかもな。おなじモツゴ属だし、交雑しなきゃいいが・・・」

友「あ・・・俺もかかったぞ。ん・・・?なんかフナにしてはスマートなような・・・」

http://freestone.jpn.org/fml/report/report111c.jpg

男「ん・・・おぉ!それ本命だよ、タナゴだ!!」

友「マジで!?やったぜ!」ガッツポ

男「エサは?どっち使った?」

友「米粒」

男「(米粒に)切り替えていく」

・・・

友「いやー、30匹は釣れたか?」

男「あぁ、モツゴにカマツカにフナにタナゴ・・・あとは、謎のハヤ1匹」

友「こんな住宅地の裏でも結構いろんな魚がいるもんだなぁ」

男「むしろこういう場所こそ、見向きもされないからいろんな魚がいたりするんだろうな」

友「それにしても、男はすごいな。貝がいるかどうか見るだけで、タナゴがいる場所がわかるんだから」

男「(もっと褒めても)いいのよ」

友「いやぁ、でも本当釣りを始めた頃のこと思い出して楽しかったな」

男「そりゃよかった。たまにはこういう小物釣りもいいな」ヨッコイセ

友「あー、愚問だと思うけど、それ持って帰ってどうするの?」

男「甘露煮にする!!」ホクホク

友「・・・ですよね」

-番外編 用水路の五目釣り おわり-

あと3話!



-ガラ・ルファ編-

男「・・・ん、これドクターフィッシュじゃん」

友「えっ、マジ!?うわー手入れてみたい」

桃「いらっしゃいませー。今日はアロワナがおいしいよ!」

アロワナ「えっ」

友「いやそんな魚屋じゃないんだk・・・やべぇ魚屋だった」

男「ニーズが違うだけで売ってるものは同じっていうね」

友「はぁー・・・いつ来てもここは癒されるなぁ」

男「確かに熱帯魚は見た目がきれいだからね。一理ある」

桃「お客さんいつも見るだけじゃないですかー」ジトー

友「はは、ごめんごめん・・・ん?ガラ・ルファ新入荷・・・随分地味な魚だなぁこれ」

男「あぁ、それドクターフィッシュだよ」

友「へー、ドクターフィッシュの本名はガラ・ルファっていうのか。なんか中世ファンタジー系ラノベの主人公っぽい名前だな。職業は鍛冶屋見習い」

男「だがしかし中東に生息するコイの仲間だ」

友「へー」

桃「別に手を突っ込んでも何もおきないよー」ホラ

友「本当だ・・・じゃあよくTVとかでやってるあの古い角質を食べに群がってくるってのはウソだったのか」

男「いや、十分にエサが与えられてる状態だとそこまで寄ってこないだけだよ」

友「ふむふむ」

男「ガラ・ルファは水温37度くらいまでなら棲息可能という極めて高温耐性をもった魚だ」

友「アカン煮魚になってまう」

男「そのため現地では温泉などにも生息することができ、入浴してくる人間の角質を食べるよう進化したとも言われている」

友「なるほどねー」

友「・・・てことは、よくみるあの手に群がってくる奴らはろくにエサも与えられてないのか・・・」

男「しかも水質の変化には敏感なほうだからあまり手を突っ込みすぎるのもよくないっていうね」

友「過酷過酷アンド過酷」

男「まあ、過酷といえば売れ残った熱帯魚の運命を考えれば」

友「そういや・・・売れ残った魚って、どうしてるの?」

桃「んー?基本はほとんどハケるけどねー」

桃「たまに売れ残ったのも、常連さんに無料で譲ったり、それでも売れ残ったのは業者に引き取ってもらってるとこが多いみたいだね」

友「業者・・・」

男「まー殺処分くらいしてるやろ」

友「おぉ・・・もう・・・」

アロワナ「」ビクッ

桃「ただ、ウチじゃ売れ残った子たちはみんな店長が育ててるらしいけど」

友「よかった・・・焼き魚にされる魚はおらんかったんや・・・」

アロワナ(ニッコリ)

桃「まー、それでも限度はあるからねー。だから、たまには冷やかしじゃなくて買ってってよー」

友「うーん・・・そうはいってもなぁ、一人暮らしで魚を飼うのって厳しそうだし・・・」

男「いや・・・でも俺もいつかはアクアリウム始めたいな」

桃「ホント?じゃあぜひ当店ご利用をっ!サービスしますよー」

男「ただなぁ・・・俺の場合、どんな魚でもまずは食ってみたくなっちゃうんだよなぁ」チラッチラッ

アロワナ「こっちみんな」ガクガク

桃「あはは、そういえば店長も売れ残った子を持って帰った日に『焼き魚が好き』っていってたなー」

友「えっ」

アロワナ「えっ」

-ガラ・ルファ編 おわり-

-カンディル編-

友「いやー、内定も出たことだし。本当に俺もそろそろアクアリウム始めてみようかな!」

男「お、マジで?」

友「いや、桃原さんにも言われたしさぁ。いつも冷やかしばっかじゃあれだから、なんか買わないとさ」

男「そうか・・・ちなみに、どんなの飼うつもりだ?」

友「やっぱ最初はグッピーとかネオンテトラとか、小さい魚からかな」

男「ふーむ。でも以外と小さくても数が多いと大変だったりするぞ」

友「そうなの?」

男「いっそエビとかベタからはじめたらどうだ」

友「うーん・・・それはちと地味かも」

男「じゃあいっそ、肉食魚飼ったらどうだ?」

友「う・・・それはさすがにハイエンドすぎねえか?」

男「でもほら、せっかく熱帯魚店勤務の彼女がいるわけだし・・・」

友「うーん・・・」

男「カンディルとかどうだ」

友「おいバカやめろ」(迫真)

城とロリオカスの?(難聴)

友「あんな恐ろしい魚飼えるか!!」

男「あー、噂が先行してるけど、カンディルったってみんながみんな凶暴なわけじゃないからな」

友「・・・あ、そうなの?」

男「ちなみにカンディルはあんなナリしててもれっきとしたナマズ目、ナマズやゴンズイの近縁種だ」

>>296
伯爵「クラリスゥゥフッヒッヒィィィ!!!」(迫真)



男「http://www.shopping-charm.jp/pic/558/55899-1.jpg

男「ほら、中にはこんな鮮やかな種もいる」

友「うーん・・・きれいだけども、ブッサイクだなぁ・・・」

男「お前のイメージはあれだろ?肉を食い破ったり、体中の穴という穴から侵入してくるような感じだろ?」

友「うん、まぁ・・・」

男「基本的にコイツらは、他の魚のエラから頭を突っ込んでその魚の肉を抉り取る」

友「こわE」

男「そして、中にはお前の思うとおり動物の肛門や尿道から侵入し、体内を食い破る種類もいる」

友「とてもこわE」

男「しかも、魚のエラから発せられるアンモニアによく反応するから、特に尿道に」

友「それ以上いけない」

友「アカン・・・そんな尿道大好きっ子なんて飼えるわけあらへん・・・」ガクガク

男「ちなみにカンディルの中でもトリコミュクテルス科はまだマシだが、セトプシス科は皮膚を食い破って侵入しようとしてくる漢気あふれる奴らだ」

友「いけない、いけないよこんなこと・・・」ブルブル

男「だからさ、飼育飼料は普通の小魚でいいらしいけど、最悪エサが無くなったら自分の手を水槽に」

友「アカーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!」

-カンディル編おわり-

最終話です。



-ニシン編-

友「カンパーイ!!」

桃「かりー!!」(沖縄語)

男「スラヌット ミマム!!」(インドネシア語)

友「日本語でおk」

桃「いやー、それにしても年内に内定が出てよかったねー」

友「あぁ、これで心置きなく年を越せるよ」

男「あとは卒研だけだね」(ニッコリ)

友「うっ・・・そ、そうだな」ゲンナリ

桃「大学生は大変だねぇ」

男「はい、そんなわけで今日はふぐちり鍋をご用意いたしましたよ」

友「えっ」

桃「えっ」

友「・・・お前、調理師免許持ってないやろ・・・・」ガクガク

男「はい!死ぬときは一緒ですからね!!」(マジキチスマイル)

友「」

男「・・・冗談だよ。ちり鍋はちり鍋でも今日は鯛ちりだ」

桃「めで鯛!!」フンス

友「スゲー、奮発したな」

男「桃原さんに感謝しろよー、彼女が半分持ってくれたんだからな」

友「いい彼女をもって俺は幸せです」

男「あと真冬の海で鯛を釣りあげてきた俺にもな」

友「お前何やってんのお前」

男「よし、じゃあ友の内定を祝ってもう一度!!」

桃「かりー!!」

男「ボンゲジ!!」(スワヒリ語)

友「カンパーイ・・・ってだから何語だよそれ」

・・・

友「・・・アカン、気分上々である」

男「mihimaruGTかな?」

友「なつかC」

桃「ねーこれ磯アミ空でお金0円のときにハリ無くなったらどうすんのー?」 ←ぬし釣り中

男「詰むよ」(ニッコリ)

桃「」

桃「あぎじゃびよー・・・」プルプル

友「男さん、そろそろシメが欲しいでやんす」

男「俺はお前のかーちゃんじゃねえぞ。ニシンそばでいいかしら?」

友「ありがとうかーちゃん」

桃「・・・」ガチャ ←失意のリセット

男「はいよー」

友「おーサンキュ。桃原さんもこっちきて食べようよ」

桃「待って・・・いまお地蔵様にお供え物してるから」カチャカチャ

男「あ、それ海ぬしじゃあんまり意味ないよ」 ※川ぬしはたまに富くじがあたります

桃「」

友「おぉ、もう・・・」

友「うーん、うまい。ところで、誰がソバにニシンなんて乗せようと思ったんだろな?」ズルズル

男「現在みたいに冷凍・流通技術が発達していなかった昔は、山間部では身欠きニシンは貴重な海産物だったんだよ」

友「まぁ、そうだろうな」

男「で、なんか京都とかそのあたりのあの辺で『ソバの上にニシン乗せたら超贅沢じゃねぇ!?これで勝つるwww』って感じで産まれたとかなんかそんな感じのエピソード的記憶」

友「適当杉内」

男「ちなみに明治から大正にかけての最盛期には年間100万tもの水揚げを誇ったニシンだが、昭和30年頃には100tにまで漁獲量が落ち込んだ。これは戦艦大和15隻分が90式戦車2両分になったのとほぼ同じくらいの減少量といえる」

友「アカン絶滅してまう」

男「激減した理由は潮流や海水温の変化などが考えられるが、未だによくわかってないらしい」

友「獲りすぎたんじゃない?」(白目)

男「実際その頃はニシンを畑の肥料にしたり、カズノコなんかも引出の奥で干からびてるような扱いだったらしいしな」

友「今じゃ考えられへん」

男「世界的にもニシンは重要な水産資源だ。得にイギリスや北欧などの寒い地域じゃほぼ日常食として扱われてる」

友「イギリス・・・フィッシュアンドチップスかな?」

男「いや、キッパーという干物を燻製にしたようなものに加工して朝食などに食べるらしい」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a4/Kippers_at_Burton_Bradstock.jpg

友「へー、英国紳士も朝飯に干物食うのか。なんか親近感沸くわー」

男「・・・さ、そんなお前に内定祝いがあるんだ」

友「え?飲み会までやってもらってまだなんかあるのか?」

男「あぁ、ちょっと持ってくるから待っててくれ」

桃「・・・ニシンそばおいしい」ズルズル

友「まだ食べてたの」

・・・

男「ほい、お待たせ」

友「おー、サンキュ!開けていいか?」

男「ダメだ」

友「えっ」

男「ダメだ」(迫真)

友「わ、わかったよ・・・じゃあ家に帰ってから開けるよ・・・」

男(ニッコリ)

桃「なになにー?ここじゃ開けられないようなものなの?」ニヤニヤ

男「うん。ここで開けると、多分隣の部屋からも苦情がくる」

桃「えっ」

友「えっ」

友「ア、アカン・・・一体俺はどんな恐ろしいもんを手にしてしまったんや・・・」ガクガク

男「あー、大丈夫だとは思うが、暑いところに放置したり、気圧が低いところ持ってったりするなよ。爆発するから」

友「」

桃「ば、爆弾なの?」

男「まぁ、ある意味では」

友「い、いらねーよ!そんなの!!」

男「・・・そうか。お前の為に、はるばるスウェーデンから取り寄せたんだが」ションボリ

友「ス、スウェーデン!?舶来ものかよ!?」

男「あぁ、結構いい値段したんだぞ」

友「ますます謎めいてきたな・・・」ウーム

桃「まぁ、せっかくだし貰っておいたら?せっかく男くんが友君の喜ぶ顔が見たくて用意してくれたんだし・・・」

友「せやろか?」

男「せやせや」

友「信じてええんか?」

男「ええんやで」(その目は優しかった)

友「じゃ・・・じゃあ、有難く貰っていくよ」

男「おう、もってけもってけ」

桃「男くんも今日はありがとね」

男「ああ、桃原さんもお疲れ様」

友「次会うのは、年明けかな?」

男「あぁ、そうだな。年末にはまた地元帰るから、地酒買ってきておくよ」

シュールストレ・・・

桃「本当?わーいじゃあ私金鶴!!」

友「あ、俺は北雪!」

男「へいへい。・・・ほら、電車が無くなる前に帰れよー」

友「うむ。じゃあ桃原さん、そろそろお暇しようか」

桃「そうだねー」

3人が玄関のドアを開けると、ちらちらと空から白いものが降り始めていた。

男「おぉ・・・寒いと思ったら通りで・・・」

桃「雪だー!!」ピョンピョン ←沖縄出身

友「本当だ、珍しいな・・・」

桃「雪だるま作らなきゃ」(使命感)

友「はは、そんなに積もったら明日は大変だな」

<ソウイエバソノハコノナカミナンダロネ?

<アア、カエッテアケテミ・・・ウワッ!?

<ドテッ、グシャッ…

<…?…!!

<ナニコノニオイ!!??アッ、コレダメエエエエエエエエエ!!

<ミギャアアアアアアアアアア!!??

男「いかん!!」バタンッ ガチャ ←施錠

>>319
(ニッコリ)



友「男ッ!こら開けろ!!男っ!!」ドンドン

男「無理だスマン帰ってくれわたしもうあなたのそばにいたくないの」

友「なんだよあの箱!?潰れた瞬間すげぇニオイが漂い始めたぞ!!」

男「ありゃシュールストレミングっていうニシンの缶詰だ・・・」

友「あんな生物兵器よこしやがって!!」

桃「たすけてー!たすけてー!!」ドンドン

男(oh...仄かにこっちまで臭いが・・・)オエ

友「開けろッ!!開けないと新聞口にあの箱ブチ込むぞっ!!」ドンドン

桃「あきさみよー!!」ドンドン

男「すまぬ・・・すまぬ・・・」

大学生活最後の年の冬は、賑やかに更けていく。

・・・

男「ふえぇ・・・臭いよう・・・」

友「ふえぇ・・・臭いよう・・・」

桃「ふえぇ・・・臭いよう・・・」

3人は、雪のちらつく中シュールストレミングの缶を回収した。

友「お前これどうすんのお前」

男「いや食べ物を粗末にするわけには・・・そうだ、しりとりで負けた人が食べることにしよう」(提案)

友「いかんでしょ」

桃「じゃ、お題決めてやろー!」

友「ちょ・・・待てよ!!」(迫真)

男「じゃお題:魚介類の名前でしりとり!はい、しりとりの『り』!」

友「え、ちょ、ま」

桃「リビュルス・マグダレナエ!!」

男「エボシダイ!!」

友「えっ!?・・・ちょっ・・・え、イー・・・イワナ!!」

桃「ナイトゴビー!!」

男「ビワマス!!」

友「す!?ス・・・スズキ!!」

桃「キロダス!!」

男「スベスベマンジュウガニ!!」

友「ニシン!!」(迫真)

-ニシン編 おわり-

これまでの登場人物とハイライト

男・友
http://s2.gazo.cc/up/18375.jpg

熱帯魚店の店員(桃原)さん
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男+むったん
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友+桃原さん
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友(船酔い) ウミタナゴ編
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男(骨折) アジ編
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アナゴ編(モスバーガーうまい)
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ルアーづくりのおばさん(ブラックバス編)
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ドキッ!二人っきりのルアーづくり(ブラックバス編)
http://s2.gazo.cc/up/18384.jpg

もうちょっと!

-エピローグ 金魚編-

十年後。

娘「わー!お船だー!!」タタタ

桃「こらこら、走っちゃダメー」

友「いやー、何も変わってないなぁ」

娘「これ乗ったらお魚のおじさんのとこ行くの?」

友「うん、そうだよ」

桃「いやー、私もむったんに会うのは久しぶり・・・どうしたの、そんな血相変えて」

友「・・・2等船室はポジションどりを誤ると死ぬぞ」(迫真)

桃「そんな大げさなー」

娘「ねー、まだぁー?」

友「よーし、あそこの改札が開いたらお父さんとダッシュで行こーなー」

娘「うんっ!」

・・・

桃「へー、意外に大きいんだね」

娘「お父さん!カモメカモメ!!」

友「うん、カモメだね。・・・あ、ちょっとお父さん、毛布借りてくるから」

娘「カモメおいしそうだねっ!」キラキラ

友「えっ」

娘「Zzz…」

桃「ありゃ、寝ちゃったか」

友「お前も少し寝といたほうがいいぞー」

桃「いやまぁ、別に2時間半くらいなら・・・」

友「アカン・・・船をナメたらアカン・・・」(迫真)

桃「は、はぁ・・・」

2時間半後。

娘「ついたー!!」ピョンピョン

桃「思ったより揺れなかったねー」

友「な、なんでや・・・なんで俺だけ・・・」フラフラ

桃「・・・あ、あれ?男くんじゃない?」

友「あ、ホントだ・・・」

男「よう、久しぶり。・・・なんだ、また船酔いか」

友「おう・・・アカン、まだ地面揺れてる」 ※疲れてるとこうなります

娘「・・・」モジモジ

桃「ありゃ、さっきまでは男くんに会いたがってたのに」

男「はは、かわいいもんだな。こんにちは」

娘「・・・・」ガシー

男「ありゃりゃ・・・隠れちまったか」

友「ちょ、やめて・・・いま刺激されるとお父さん死んじゃう」オエ

桃「ま、すぐに慣れると思うから・・・そういえば、むったんは?」

男「ああ、車のとこで待ってるよ」

友「ご、ごめ・・・ちょとトイレ行かせて・・・」フラフラ

・・・

娘「しゃべらないおねーちゃーん!!」ガシー

む「・・・・」ナデナデ

男「やれやれ、俺のことはおじさんでそっちはおねえちゃん、か」

友「子供は正直だなぁ」ウンウン

男「・・・あ、そういやメシどうする?」

友「うーん、食っていってもいいけど。何が食べたい?」

娘「お魚!!」

友「魚かー、寿司でも食ってく?」

男「寿司もいいけど、家くればシイラとウマヅラがあるぞ」

友「お、いいな・・・久々に男の作った魚料理とかけっこう魅力的」

娘「・・・おじさんが料理するの?」

桃「うん。男くんはお魚を料理するのがとっても上手なんだよ」

娘「ふーん」

友「どうする?おじさんのおうちでご飯食べるか?」

娘「うん!あとお菓子買って!!」

桃「いいけど、ちゃんとごはん食べなさいよー」

娘「あたり前田のクラッカー」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

男「・・・お前が仕込んだのか?」

友「いや・・・なんで知ってるんだろう俺も今びっくりしてる」

・・・

娘「うまい!」テーレッテレー

友「あー、久々の男の魚料理が五臓六腑に染み渡るわー」

男「あ、酒は?」

友「いやもうちょっと後にするわ。まだ船の酔いが完全に抜けてないし」

男「そうか」

娘「ねーお母さん!明日になったら泳ぎに行く?」

桃「うん、天気がよかったらねー」

娘「やったぜ!」ガッツポ

男「そこの前の浜、急に深くなってるから気をつけろよ」

娘「しゃべらないおねーちゃんも一緒に行こうね!!」

む「・・・うん」ニコ

娘「しゃべった!?」ビク

・・・

友「どうだ、こっちの暮らしは」

男「超不便」

友「即答かよ」

男「まぁなんとかやってるけどさ・・・たまにゃ俺もそっちに遊びに行きてーよ」

友「あぁ、来ればいいじゃねーか」

男「そうはいっても夏は仕事が忙しいし、冬は海が荒れるしでなかなかな」

友「・・・大変そうだな」

男「まぁな。はぁー・・・それにしても、せっかく内定まで出てたのによ」

そう言って壁を見上げる男の視線の先には、友も知っている顔が写真の中で微笑んでいる。

大学卒業を目前に控えた2月の末日、彼の母親は亡くなった。

そしてそれを機に、男は故郷の島での暮らしを選んだのだった。

男「まったく、俺の人生これからって時に逝っちまいやがって・・・」

友「まだ若かったのにな・・・」

男「あの歳で両親とも亡くすとは俺も思わんかったぞ」

友「正直俺も驚いたよ。・・・大変だったな、あの時は」

男「あぁまったくだ。ここまでついてきてくれた睦には頭が上がらないよ」 ※睦=むったん

友「でも、男はえらいよな。ちゃんとこうやって故郷に戻ってきて働いてるんだから」

男「まー父方も母方も俺より上の世代は全滅してるしな。せめて俺が墓の面倒を見ないと、無縁仏になっちまう」

ため息をつきながら彼は立ち上がる。

男「やれやれ・・・孝行したいときに親は無し、とはよく言ったもんだ。せめて孫の顔くらい、見せてやりたかったがな」

友「・・・おぉ、子供はいいぞ。作るなら早めのほうがいい。体力がもたん」

男「あぁ、お前んとこのチビみてるとよくわかるよ」

友「ありゃ、怪獣だ」

そう言って二人は笑いあう。

男「・・・そういやその怪獣がさっきからやけに静かだな、大丈夫か?」

友「・・・ちょっと様子見に行くか」

・・・

娘「あっ、お父さん見て!ほら金魚!!」

友「ん?おぉー、本当だ。綺麗だな」

男「あぁ、それか。こないだ自治会の祭りで余ったヒブナを貰ってきたんだよ」

娘「ヒブナ?」

男「生まれつき体がオレンジ色のフナのことだよ。みんなが金魚って呼んでる魚は、実はみんなフナっていう同じ種類の魚なんだ」

娘「えっ?じゃあデメキンも!?」

男「うん」

娘「ピンポンパールも!?」

男「うん」

娘「オランダシシガシラも!?」

男「くわC」

桃「そりゃー、私の娘ですから」 ←熱帯魚店勤務

娘「へー、そうなんだ。・・・こんなに綺麗なのに、みんなおんなじお魚なんだね」

男「そうだよ。たまたま綺麗なフナが産まれて、そのフナがまた子供を産んで・・・どんどん綺麗なフナになっていくんだよ」

娘「ふーん・・・じゃあ、もし私が大きくなってお母さんになったら、こんなふうに綺麗な赤ちゃん産まれるかな?」

男「うん。君はお母さん似だから」

友「おい」

娘「やったー!私もはやくお母さんになって赤ちゃん産むーっ!!」ピョンピョン

桃「こら、もう夜なんだから静かにしなさい」

娘「はーい・・・」

友「ほら、そろそろ寝ろよー。明日泳ぎに行くんだろ?」

娘「うん!!おやすみおじさん!!」

男「うん、おやすみ」

・・・

友「フナか・・・思い出すな。学生の頃、釣りに行ったよな」

男「あぁ、行った行った」

友「メスのギンブナは他のオスのフナを誑かすんだっけか?」

男「あぁ、そうだ」

友「懐かしいな・・・つい昨日のことのように思い出せるよ」

友「またあの頃みたいに、日がな一日釣り糸を垂らしたいもんだな」

男「はは、まぁお互い子供と仕事があるうちはなかなか、な」

友「・・・よし!船酔いもさめてきたし、そろそろ一杯やるか?」

男「お、じゃあアテはこのヒブナを唐揚げにでもするか」

友「えっ」

-淡々と魚の話するわ おしまい-

以下、これまでに紹介した魚類

Part1 淡々と魚の話するわ

ギンブナ・・・メスがオスを誑かす
ニジマス・・・ホイル焼き要員
オヒョウ・・・シェフ大泉がアラスカでお見舞いした料理の材料
カタクチイワシ・・・煮干し的フォルム
クサフグ・・・本作の準レギュラー。最新作では外道としての生きざまを見せる
タイ・・・性転換する
シギウナギ・・・プリングルスの嘴
ハリセンボン・・・モーニングスター
アユ・・・毛針で釣れる
ホウボウ・・・顔面N700系
マグロ・・・葛西臨海公園
メバル・・・春告魚
ワラスボ・・・キモくてうまくない魚第1号
イトウ・・・黒船来航
マダコ・・・男お手製のテンヤに騙され釣り上げたところを殺害される。なお、茹でダコにされた模様

サンマ・・・明石家じゃないほう
ヤリイカ・・・松本に相談しようか でも多分冷やかされるからやめとこ
オショロコマ・・・イワナ界の道産子
サメ・エイ・・・わさびおろし要員
ヌタウナギ・・・キモくてうまくない魚第2号
ライギョ・・・記念すべき顎口虫初登場回
バラムツ・・・ゲーリー・グッドリッジ
アリゲーターガー・・・食うとこ多そう
ミミズハゼ・・・ドジョウっぽいやつ
オキアジ・・・メッキのオバサン
ボウエンギョ・・・元レンジャー
ハヤ・・・お弁当つくってきたのウフフ
アイゴ・・・痛E
アオブダイ・・・釣り餌要員
ヒフキアイゴ・・・痛E
ヘラブナ・・・ギンブナに誑かされる

Part2 続・淡々と魚の話するわ

コイ・・・顎口虫登場回(9話ぶり2回目)
アメリカナマズ・・・カレー要員
ウミタナゴ・・・魚のくせに胎生
アイナメ・・・オス同士が口を舐めあいながら子供を守る
ブリ・・・らいくまこと
ホテイウオ・・・キモいのにそこそこうまかった魚第1号
スケトウダラ・・・タラコのお母さん
ピラニア・・・つよい(小並感)
ボラ・・・黄金の風
ヤツメウナギ・・・(味の)悪そうな奴ら大体友達
サヨリ・・・大年寺さんと大空寺さんの違いが分かるのはここだけ
サバ・・・サバ半身(上下)
カジカ・・・火の鳥-ヤマト編-
ウツボ・・・たたき(物理)
アジ・・・ゼイゴの謎<コンボイの謎

Part3 完結・淡々と魚の話するわ

アナゴ・・・CV.若本
ブラックバス・・・顎口虫登場回(15話ぶり3回目)
キス・・・スピン気味のセリフにブレーキはNo Thank You
ドジョウ・・・MEN's5、すき
ヨツメウオ・・・左曲りなのは童貞のせいじゃない
アカヤガラ・・・美味い(確信)
シクリッド・・・そなたらを人間をとる漁師としよう!!
マゴチ・・・洗い要員
メルルーサ・・・旧フィレオフィッシュ要員
パンデリクティス・・・俺は魚類をやめるぞ!
カジキ・・・HIROKI MATSUKATA
ミズウオ・・・坂東AG
イボダイ・・・すき
カワハギ・・・くるおしいほどすき
ガラ・ルファ・・・自然は大きなホスピタル
カンディル・・・カンディルを・・・感じる・・・(白目)
ニシン・・・魯山人に不味いといわれたり缶詰が臭かったり不憫な魚。カズノコのお母さん
金魚・・・つまるところのフナ

計:64魚種

http://s2.gazo.cc/up/18386.jpg

おしまい



ご愛読ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月22日 (日) 22:02:01   ID: 77UpqAEU

ここまで完結が惜しいSSは初めてだよ
リクエストに答える柔らかさ、面白さ、解説、どれをとっても最高だった

2 :  SS好きの774さん   2017年01月06日 (金) 18:01:41   ID: cArT_0J_

いいよな…腹が減る

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