ありす「闇のダーク・ナイト」 バットマン「光のプリキュア」 (64)

それは、私・四葉ありすが、マナちゃんたちと一緒にアメリカを訪れた時のことです。

私たちはアベンジャーズとともに、トニー・スタークさんの相棒・ジャーヴィスさんを狙ったジコチューの陰謀を阻止しました(※)。

その帰り道、セバスチャンの提案で、私たちは旧い友人である、ウェイン・エンタープライズの筆頭株主・ブルース・ウェインさんに会いに行こうとしたのです。

自家用機を使ってブルースさんがお住まいのゴッサムシティへやってきた私たちは、真っ先に彼のご自宅を訪れました。

しかし、お屋敷で出迎えてくれた彼の執事・アルフレッド・ペニーワースさんが私たちに告げたのは、一つの衝撃的な事実でした―――。

前に投下したものを再投下する


支援してくれたりたまにコメントくれたら嬉しい

ありす「ブルース・ウェインさんが亡くなられた?」

アルフレッド「はい」

ありす「そんな…何があったのですか?」

アルフレッド「ありす様は、彼がバットマンとしてこの街を護っていたことはご存じですね?」

ありす「ええ。一緒に来ている私の友人にも伝えてあります」

アルフレッド「先日、ゴッサムシティがある人物によって破滅の危機に瀕し、ブルース様はバットマンとして、身を挺して私たちを救ったのです」

アルフレッド「あのお方はバットという特殊戦闘機を操縦して、爆発寸前の核爆弾を海上へ運び、ご自分ごと爆発させました」

アルフレッド「結果、街中で核爆弾が爆発する絶望は免れましたが、代わりに彼の命がバットマンとして散ってしまったのです」

ありす「そんなことが……」

アルフレッド「四葉星児様―――あなたのお父上にも報せたかったのですが、なにぶんブルース様の死はバットマンの死と被っています」

アルフレッド「彼の正体を見破られないために、極力少人数の葬儀が行われたのです」

アルフレッド「このような形で報告することになってしまい、誠に申し訳ございません」

ありす「…いいえ、構いませんわアルフレッドさん。ですが…それはとても残念です」

アルフレッド「ありす様がお見えになられて、ブルース様も喜んでいると思います」

アルフレッド「思えば八、九年前…ブルース様が愛するレイチェル様がお亡くなりになって落ち込んでいるところ、ありす様の無垢な笑顔に随分と救われたものです」

ありす「あの頃はまだ体が弱くてほとんど外出ができませんでしたが、ブルースさんのお顔はよく覚えていますわ」

ありす「お互いに塞ぎ込み、打ち解けられる相手の少ない中、他愛ない会話を弾ませたものです」

アルフレッド「その頃にありす様は生涯の親友と出会い、素晴らしい人生を送っておいでだとか」

ありす「はい。マナちゃんたちは私の大切な人ですわ」

アルフレッド「そのご友人たちに、ろくなおもてなしもできず申し訳ありません」

ありす「とんでもありません! 今頃別室で、セバスチャンと共にくつろいでいるはずですわ」

~~同時刻:ブルース・ウェインの屋敷・別室~~

マナ「ひろーい! それにすっごい豪華!」

六花「さすがありすの友達のお屋敷ね…」

真琴「トニーさんの家とはまた違った華やかさを感じるわ」

亜久里「あとで執事の方がとびっきりのショートケーキを用意してくれるそうです!」

六花「昨日トニーさんの家でも食べたでしょ…」

セバスチャン「皆さん。こちらをご覧ください」

マナ「ほえ? って、何このおっきな銅像!?」

六花「なんか仮面のヒーロー…っていうよりは、コウモリの怪人みたいな銅像ね」

セバスチャン「このお姿が、このお屋敷の当主、ブルース・ウェイン様がなられる英雄、バットマンです」

真琴「これが!?」

亜久里「六花の言う通り、コウモリのお化けという感じですが…」

セバスチャン「コウモリを模したのは、彼が幼い頃コウモリによってトラウマを植え付けられたため、あえてその姿で悪人に恐怖を覚えさせようという目的からです」

六花「なるほど、自分のトラウマを相手にも植え付けさせようっていう戦略ね」

真琴「…でもこの姿、どっかで見たことない?」

セバスチャン「ギクッ…」

マナ「そういえば、ありすが見せてくれた映像の中で、セバスチャンさんがこんなコスチュームを着てたような…」

セバスチャン「ギギクッ…!」

六花「思い出した! 人工コミューンでマーモの変身騒動があった後だ!」

セバスチャン「ギクギクッ!」

ランス「…もしかして、あのコスチュームはこれを真似したでランスか~?」

セバスチャン「」

全員「じ~~~~……」

セバスチャン「…ま、まあその話は置いておきましょう……それよりも!」

プリキュアもダークナイト三部作も大好きだからすごい嬉しい がんばって

セバスチャン「バットマンの戦闘スタイルは、日本の忍者がモデルとなったのです」

全員「へえ~!」

セバスチャン「ブルース様はそれはもう忍者のように正体を隠し、バットマンとしてこのゴッサムシティの秩序を守ってきました」

亜久里「決して名乗りはせず、ただ象徴として愛する街を護る―――ブラボーな心意気ですわ!」

マナ「…で、そのブルースさんはどこにいるの?」

セバスチャン「はて、お嬢様が執事のアルフレッドに挨拶に行っているはずですが…」

???「ブルース・ウェインなら死んだよ」

マナ「うわっ、びっくりしたぁ! …あなたは?」

ブレイク「僕はジョン・ブレイク。元警官なんだが、今はある事情からこの屋敷の隠れ家を使わせてもらっている」

マナ「ブレイクさん? …って、ブルースさん亡くなったの!?」

ブレイク「ああ。事件に巻き込まれてね。君たちはバットマンの話をしていたね。どうやら事の経緯について説明しても問題なさそうだ」

>>7
ありがとう 以下コメントしすぎで規制くらうのこわいから本編に集中する
お前だけでも頻繁にコメントくれたら嬉しい

しえん

ブレイク「―――…というわけさ」

セバスチャン「そうですか…非常に残念です…」

マナ「…けど、ヒーローとして最後まで街のために戦うだなんて…」

六花「死んじゃったら元も子もないけど、私たちも毎日戦ってるからね…」

真琴「トランプ王国を取り戻すために、いつか私たちも本気で命をかけなくちゃいけない時が来るわ」

亜久里「ですが、バットマンがそうしたように、わたくしたちも最後まで街を護り抜きましょう!」

アイちゃん「きゅぴ……」

マナ「本当に死ぬわけじゃないよ、アイちゃん」ギュッ…

アイちゃん「アーイー…」

ブレイク「彼のバットマンとしての仕事は、今は僕が引き継いでるんだ」

真琴「二代目バットマンってこと?」

ブレイク「二代目とは少し違うが、僕は本名のロビンを名乗り、街を護るサポートをさせてもらっている」

亜久里「新たな街のヒーローというわけですね!」

ブレイク「ああ。ついて来てくれ。君たちにブルースも使っていた秘密の隠れ家を見せよう」

(※)。はいつになったら解説されるのか

~~ブルース・ウェインの屋敷・秘密の地下洞窟~~

六花「うわ…屋敷だけでも広いのに、地下にこんな空間があっただなんて…」

亜久里「なんだかちょっと怖いですわね…」

ブレイク「滑らないように気をつけて。ここには訓練施設を始め、様々な器具が保管してあるから」

マナ「器具?」

ブレイク「君たちはプリキュアという、日本のヒーローなんだろう? 色々な特殊能力を駆使して闘うとか」

真琴「ええ、それがどうかしたの?」

ブレイク「ブルースや僕は君たちと違って、特別な力があるわけじゃない。生身で、自分の肉体で戦わなくちゃいけない」

ブレイク「そのためにはもちろん肉体と精神を鍛えるが、それだけじゃ補えない部分がある」

ブレイク「そういうところを、ウェイン・エンタープライズから金を横領して、攻撃用や移動用のアイテムを作ってカバーしているんだ」

しえん

ランス「おうりょう、ってなんでランスか~?」

ラケル「要するに、会社のお金を勝手に使う犯罪ケル」

六花「こら、ラケル!」グイッ!

ラケル「いたた痛いケル! 耳を引っ張らないでほしいケル!」

ブレイク「事実だから言い返せないな。離してやって」

マナ「う~ん、ほんとはあたしたちも注意したいんだけど、それが街を護るためになってるんなら、なんとも言えないんだよね…」

ブレイク「ああ、だから見て見ないふりをしてくれていい」

シャルル「これがロビンのスーツシャル?」

ブレイク「ああ。僕はこれを着て悪人と戦うんだ」

マナ「悪人っていうと、ニューヨークの宇宙人襲来の時みたいな?」

ブレイク「違うな。この街の悪人は異能なんかじゃない。奴らも生身で戦ってくる」

真琴「生身と生身で戦うだなんて、危険すぎるわ」

六花「怪我とかも多いんじゃないですか?」

ブレイク「もちろん、命の危険がいくらでもある。だがそれは一般市民も変わらないからね。ここはバットマンが去った今でも、狂気の街だ」

マナ「たとえばどんな敵がいるんですか?」

ブレイク「ブルースが命をかけて戦った相手は、ラーズ・アル・グールとその子孫」

ブレイク「彼を引退まで追い詰めたのはベインという最強の男」

ブレイク「ブルースとしてもバットマンとしても親しかったハービー・デントという検事は、ある男の仕業でトゥー・フェイスという狂人になってしまった」

ブレイク「そしてそのある男というのが、バットマン最大のライバルにして最凶の敵―――ジョーカーだ」

マナ「ジョーカー……」

真琴「今何故か、少し意味深な言い方をしたわね。何かあったの?」

ブレイク「ああ…。ジョーカーはアーカム精神病院というところで厳重監禁されていたんだが、先日脱走したらしいんだ」

六花「脱走ですって!?」

マナ「それじゃあ、バットマン最凶の敵がこの街をうろついているかもしれないんですか!?」

ブレイク「ああ。それも、バットマンがもういないのに、だ」

亜久里「怖ろしいですわ…生身相手ならば、わたくしたちの技が通用するかもわかりませんし……」

ブレイク「大丈夫だ、僕がいる。このロビンがね」

ランス「勝てる自信があるでランスか~?」

ブレイク「……わからない」

シャルル「ええっ!? わからないシャルか?」

ブレイク「あのバットマンでも、ほぼ負けを喫した相手だからね。……だが―――」

マナ「だが…?」

ブレイク「彼が残したこの街をまた危険にさらすようなら、僕が必ず止めてみせる…!」

ラケル「…六花、ブレイクさん震えてるケル…」ヒソヒソ

六花「ええ。きっと彼も怖いのね…」ヒソヒソ

ラケル「僕には随分無理をしているように見えるケル…」ヒソヒソ

六花「だけど信じましょう? 彼はこの街の新しいヒーローなんですもの」ヒソヒソ

ブレイク「全部聴こえてるよ」

六花・ラケル「ひいっ! ご、ごめんなさい(ケル)!」

ジョーカー期待

ブレイク「いいんだ。僕が怖れているのは確かだから」

マナ「怖れてるって、ジョーカーをですか?」

ブレイク「それもあるけど…僕がバットマンを越えられるかどうか、自分の限界にだよ」

真琴「随分正直ね。自分との戦いに敗れそうっていうわけ?」

ブレイク「情けない話ね。だがどれだけ訓練を積んでも、ブルースに敵う気がしないんだ。彼は名実ともに、この街のヒーローだった」

亜久里「ヒーローですか…確かに、英雄の後を継ぐのは一般人にとって荷が重いですわね」

ブレイク「ははは…」

マナ「…でもブレイクさん。もしあなたが心からこの街を救いたいって願ってるんなら、それだけであなたはヒーローのはずだよ!」

ブレイク「そうは言うけどね。実際はかなり大変なものだよ」

マナ「それでも、あたしはあなたを応援する! 劣等感なんてなんのその!」

ブレイク「ありがとう。励みにさせてもらうよ」

支援

ありす「皆さん、お待たせいたしました」ペコリ

セバスチャン「おかえりなさいませ、お嬢様」

ありす「すみませんが、もう少しこちらにいてもらえませんか? 私はブルースさんが亡くなるまで愛したこの街を、一通り見学したいのです」

マナ「え? あたしたちも行くよ!」

ありす「いいえ。マナちゃんたちは残っていてくださいな。女子中学生がぞろぞろと出歩くには、この街は危険すぎますから」

マナ「でも…」

セバスチャン「私がご一緒しましょう、お嬢様」

ありす「ありがとう、セバスチャン。マナちゃん、アルフレッドさんが、今晩は泊めてくださるそうです。私もそう遅くは帰りませんから、しばしこちらでお待ちください」

マナ「…うん、わかった」

ありす「では、参りましょうか、セバスチャン」

セバスチャン「かしこまりました」

~~夜:ゴッサムシティ路地裏~~

ありす「相変わらず混沌としていますわね…」

セバスチャン「お気を付けください、お嬢様」

ありす「大丈夫ですわ、セバスチャン。数年前と比べて、随分穏やかになりましたもの」

セバスチャン「確かに、前ほど荒々しくはありません。これもブルース様の功績でしょう」

ありす「ええ、そうですわね」

タッタッタッタ―――。

セバスチャン「!! 危ない、お嬢様!」ズザァッ!

ありす「きゃあっ!」ドスンッ!

ゴロツキ「へへっ!!」

ありす「街のゴロツキに囲まれましたわ!」

セバスチャン「くっ! 下がりなさい! この方をどなたと心得て…!」

ありす「こうなったら変身を…―――しまった! ランスちゃんはマナちゃんたちのところに!」

ゴロツキA「こんなところで若い女の子がどうしたのかな~?」

ゴロツキB「俺たちがたっぷりかわいがってやろうか…?」ヘヘヘッ

セバスチャン「くっ……こうなったら致し方ない!」シャキーン!

ありす「それは…人工コミューン!?」

セバスチャン「すみませんお嬢様…こんなこともあろうかと、新しく人工コミューンを作っておいたのです」

セバスチャン「名付けて、人工コミューン・改!!」キラリ―ン!

ゴロツキC「なんだァ? わけわかんねーオモチャ出しやがって、おちょくってんじゃねーぞ!」

セバスチャン「今のうち……ゆくぞ! プリキュア・ラブリンク!!」シャラ~~~ン!

http://www.youtube.com/watch?v=OUVeiOEJRXc

キュアセバスチャン「黒いスーツは執事の嗜み! キュアセバスチャン!」

ゴロツキD「な、なんだァ!? 変な衣装着やがったぞ!?」

ゴロツキE「おい、こいつバットマンじゃねえか!?」

キュアセバスチャン「キュアセバスチャンだ! ゆくぞ、執事拳法三式・燕尾舞!!」ズォォオッ!

ゴロツキA「うわああッ!」ドスッ!

ゴロツキB「こいつめちゃくちゃ強え!」バタッ!

キュアセバスチャン「…ご無事ですか? お嬢様」

ありす「ありがとう、セバスチャン…」

ゴロツキC「…っ、ちくしょう…! 馬鹿にしやがって…ッ!」チャカッ!

キュアセバスチャン「け、拳銃ですと!?」

ありす「セバスチャン!」ガバッ!

キュアセバスチャン「お嬢様!」ギュッ!

ゴロツキC「死ねぇええッ!」

―――…ブロロロロロロロ……。

ありす・キュアセバスチャン「……ッ!」

ブロロロロロロロ…―――キィィイイイッ!!

ゴロツキC「ぐわああああッ!!」ドスンッ!

ありす「―――…? 一体何が……」

キュアセバスチャン「バイクのエンジン音と、何かを轢く音が聴こえましたが……」

???「……無事のようだな」

ありす「…! あ、あなたは…!」

バットマン「………」

ありす「ブルースさん!? そんな、どうして…!」

バットマン「…私はブルースではない」

ありす「私が間違えるはずありませんわ! 覚えていらっしゃいませんか!? 幼い頃、一緒に遊んだ四葉財閥の令嬢、ありすです!」

バットマン「四葉ありす…? …まさか、あの小さかったありす嬢か…!」

ありす「ええ、そうです! やはりブルースさんなのですね!」

バットマン「…違うと言ったはずだ」ブロロロロ…!

ありす「!? 何故逃げるのですか!? セバスチャン!」

キュアセバスチャン「はい、お嬢様! くらえ、プリキュア・セバスチャン・ロープ!!」シュルルルッ!

バットマン「ぐぇぶッ!!!?」ガッ!

キュアセバスチャン「観念なさい、ブルース様!」

バットマン「く、首が…! ほんとに観念する…!」ギュウウウ…!

~~数分後:人の少ない隠れバー~~

ありす「―――…それでは本当に、本物のブルースさんなのですね…?」

ブルース「ああ。隠そうとしてすまなかったね」

ありす「よかった…! 生きていらっしゃった…!」

セバスチャン「先ほどは申し訳ありませんでした…」

ブルース「今までで一番命の危険を感じたよ」スリスリ

ありす「でも、何故亡くなったことにしているのですか…?」

ブルース「色んな事情があるんだ。この街をバットマンに頼らなくてもいい街にしたい。ブルース・ウェインという一大資産家に頼らなくてもいい街にしたい」

ありす「ですが、せめてアルフレッドさんやゴードンさんにだけでも、生きていると報せた方が…」

ブルース「それだと変わらないからね。彼らも僕にとっては街の一部なんだ」

ありす「そうかもしれませんが……ではどうして、バットマンになって私を助けてくれたのですか?」

ブルース「それは…―――」

ブルース「実は極秘情報なんだが、以前僕と戦ったジョーカーという男が、脱獄してこの街をうろついているらしいんだ」

ありす「その名前なら聞いたことがありますわ。病院を爆破し、ブルースさんの最愛の人をマフィアに殺させた狂人だとか…」

ブルース「ああ。だからひっそりと、夜の街をパトロールしているってことさ」

ありす「なるほど…でもだとすると、早くマナちゃんたちに報せなくては…」

ブルース「マナちゃん? というと、まだ僕と遊んでいた頃に知り合ったっていう君の友人かい?」

ありす「ええ、私の親友です。もう十年近く経つのに、よく覚えていましたね」

ブルース「彼女たちのことを話す君の顔は、何よりも嬉しそうだったからね。彼女たちも来ているのか?」

マナ「はい。今は私たちも、あなたと同じ「街のヒーロー」なんですよ」

ブルース「へえ。それはとっても素敵な話だね。君はなんていうヒーローなんだい?」

ありす「ひだまりぽかぽか、キュアロゼッタです♪」

プリキュアのSSは伸びない法則

~~同時刻:ゴッサムシティ・別の路地裏~~

レジーナ「あーあ、みんなアタシをアメリカまで連れてきたくせに、勝手に動いて勝手に負けちゃって、つまんなーい!」

レジーナ「それにしても素敵な街ね。あちこちに強いジャネジーが溢れてる」

レジーナ「そーうだ! せっかくだからいっちばん強そうなヤツをジコチューにしちゃおーっと!」

レジーナ「誰かいい獲物はーっと…―――あっ! あのピエロなんかよさそう!」

ジョーカー「この街も相変わらずだな…バットマンが死んだって噂を聞いたが…」

ジョーカー「俺には判るぜ……お前が本当は生きてるってことくらいな…!」

ジョーカー「はっはは! まずはこの街で一番有名なブルース・ウェインの家にでも行って、俺様の復活デビューを華々しく飾ってやるか! ははは!」

レジーナ「ちょっとそこのピエロさん♪」

ジョーカー「あん? なんだガキンチョ」

レジーナ「ガキンチョって何よー! …まあいいわ、あなたとってもいいジャネジーしてるわね」

ジョーカー「ジャネジー? よくわからんが、ただのガキじゃなさそうだな」

レジーナ「アタシはレジーナ。どう? アタシと手を組んで、この街で大きなことしてみない?」

ジョーカー「なんだか知らないが面白そうだ。協力してやるぜ」

レジーナ「契約成立ね♪ ふふっ、あなたを素敵なジコチューにしてあげる…♪」

~~数分後:ブルース・ウェインの屋敷・茶室~~

マナ「へーえ、ブルースさんとありすにそんなことが…」

アルフレッド「はい。お二人は大変仲もよく、私から見てとても微笑ましゅうございました」

六花「本当に世界中に交友関係があるわね…」

真琴「恐るべし四葉財閥…」

亜久里「すみません! ケーキおかわり!」

六花「亜久里ちゃん、いい加減太るわよ…」

マナ「…けど、亡くなっちゃったなんて残念…あたしも一度会ってみたかったな、ブルースさんに」

アルフレッド「……ふふっ」

マナ「え? どうしたの? なんで笑ったんですか?」

面白いけど
ジョーカーはもっと狂った感じのキャラだったと思うぞ

つまんねぇからさっさと消えろ

アルフレッド「いえ、ちょっと……実は私、ブルース様が今でもどこかで生きている気がするのです」

六花「中性子爆弾に巻き込まれたのに?」

アルフレッド「はい。陰ながら私たちを見守ってくださっている…そう思えてなりません」

ブレイク「僕もゴードンも、そんな気がしてるんだ」

真琴「…素敵ね。いなくなった人を感じ、想えることができるなんて」

マナ「…あたしたちにも、レジーナっていう友達がいて、今は会えない遠いところにいるんですけど…」

六花「いつかきっと、また笑い合えるって信じてるんです」

アルフレッド「ええ。信ずればきっと、叶う日が来るはずです」

???「そんな日なんか来ないわよ!」

六花「っ! あなたは!」

しえん

レジーナ「ハロー、マナ♪」

マナ「レジーナ!? どうしてここに!?」

レジーナ「アタシもベールたちに連れてこられたのよ。それよりも今日は、とっておきのお客さんを招待してきたの♪」

ジコチュー・ジョーカー(以下J・ジョーカー)「よう、プリキュアってのはお前らか?」

ブレイク「ジョーカー!?」

亜久里「えっ!? あの者が先ほどの話に出てきた、ジョーカーという怪人なのですか!?」

J・ジョーカー「ただのジョーカーじゃないぜ。ここのお嬢ちゃんにちょいと改造してもらってな。ジコチューってヤツになった」

マナ「レジーナ…こんなところに来てまで、どうしてそういうことするの…?」

六花「けどマナ、いつものジコチューと雰囲気が違うわよ?」

レジーナ「あら、気がついた? 実はね、この人ジャネジーが強すぎて、幹部級のジコチューになったの。すごいでしょ!」

亜久里「幹部!? ということは、ベールやレジーナ級のジコチューということですか!?」

J・ジョーカー「どうやらそういうことらしい。おい、そこの老人! ブルース・ウェインはどこに行った?」

アルフレッド「ブルース様なら亡くなられました!」

J・ジョーカー「何!? そうか、死んじまったのか……まァいい、そこの若造はロビンっていう新しいヒーローだろ? 病院で聞いたぜ」

ブレイク「だったらどうなんだ?」

J・ジョーカー「ちょっと俺様の遊びに付き合えよ。このお嬢ちゃんとの約束でな、プリキュア倒す手助けしなくちゃならないんだ」

ブレイク「そんなくだらないことのために、僕が力を貸すと思うか?」

J・ジョーカー「それがヤッちまうんだよなァ…言ったろ? 俺は幹部級のジコチューだって…」

マナ「幹部級…―――まさか! ブレイクさん、逃げて!」

J・ジョーカー「もう遅いぜ」シュシュンッ!

ブレイク「何!? いつの間に隣に―――」

J・ジョーカー「お前、自分がバットマンに劣ってるんじゃねぇかって悩んでるみたいだな…」

ブレイク「くっ…勝手に心の中を覗かれ…!」

J・ジョーカー「簡単な話だ。全部ぶっ壊して一人になれば、あっという間にこの街の一番だよなァ?」

ブレイク「……ッ!」

J・ジョーカー「ヤッちまえばいいじゃねぇか。俺様が手助けしてやるぜ? お前の望み、叶えてやるよ…!」

ブレイク「は…あ、あ…っ!」

J・ジョーカー「はっははは! 暴れろ! お前の心の闇を解き放て!」

ブレイク「ぐああああああッ!!」ボンッ!

ロビン型ジコチュー「ジーコチュー!!」

マナ「ブレイクさん!」

ロビン型ジコチュー「ジコーッ!」グワッ!

アルフレッド「皆様、危ない!」ガバッ!

ドシュッ!!

アルフレッド「ぐぅっ!」ブシュッ!

マナ「アルフレッドさん!!」タタタッ!

アルフレッド「…っ、わ…私なら大丈夫です……ううっ…!」

亜久里「こうしてはいられません! 皆さん、変身です!」

真琴「けどありすがいないわ!」

六花「ランス! ありすを呼んできて!」

ランス「わ、わかったでランス~!」ビュ~~~ン!

マナ「みんな、いくよ!」

全員「プリキュア・ラブリンク!!」

~~数分後:ゴッサムシティ・人気のない道~~

ありす「―――…それではブルースさん、今日のところはこの辺で」

ブルース「ああ。また会えるのを楽しみにしているよ」

ランス「あ~~りす~~~~!」ヒュ~~~~ン!

ありす「ランスちゃん!? どうしたのですか? そんなに慌てて…」

ランス「さっきボクたちのところにレジーナと変なピエロみたいなのが現れて、襲われたでランス~!」

ありす「変なピエロ!? それって…!」

ブルース「間違いない、ジョーカーだ!」

ありす「ランスちゃん! 即刻マナちゃんたちの元へ!」

ブルース「僕がバイクに乗せよう! セバスチャン、すまないが後から追いかけてくれ!」

セバスチャン「かしこまりました、ブルース様!」

ブルース「行くぞ、ありす! しっかり掴まっていろ!」ドッドッドッドッ…

ありす「はい!」ギュッ!

ブロロロロロロロロ―――!!

~~数分後:ブルース・ウェインの屋敷・大広間~~

J・ジョーカー「あっははは! いいぞ、もっとやれ!」

ロビン型ジコチュー「ジコチューッ!!」

レジーナ「…もー! さっさとプリキュアやっつけてよ!」

J・ジョーカー「悪いなお嬢ちゃん、それよりもいいこと思いついたんだよ。この街のヤツら全員ジコチューにしてやるんだ」

レジーナ「そんなのどうでもいい! ふんだっ、もう帰るっ!」シュシュンッ!

キュアハート「待って、レジーナ!」

キュアダイヤモンド「キュアハート! よそ見してる場合じゃないわよ!」

ロビン型ジコチュー「ジコーッ!」ズオッ!

キュアソード「強い…強すぎる!」

キュアエース「さすがはヒーローのジコチュー…肉体動作もセンスも、一筋縄じゃいきませんわね…!」

ありす「皆さん! お待たせいたしました!」バッ!

キュアハート「ありす! 間に合ってよかった!」

ありす「ランスちゃん!」

ランス「はいでランス~!」ボンッ!

ありす「プリキュア・ラブリンク!!」

http://www.youtube.com/watch?v=ELF6kRzoFXI

キュアロゼッタ「ひだまりぽかぽか♪ キュアロゼッタ!」

アルフレッド「………っ」

キュアロゼッタ「アルフレッドさん!? ひどい怪我…!」

ロビン型ジコチュー「ジーコジコジコ! 街を破壊して孤高のヒーローになってやるー!」

キュアロゼッタ「……あなたがやったのですか?」

ロビン型ジコチュー「ジコ…?」

キュアロゼッタ「ブルースさんの大切な執事を傷付けたのはあなたですかと訊いているんです……!」ゴォォオ…―――!

キュアダイヤモンド「あああ、キュアロゼッタが暴走モードに…!」

ロビン型ジコチュー「う、うるさーい!!」ガバッ!

キュアロゼッタ「…―――」シュンッ

ロビン型ジコチュー「じ、ジコ!? どこに行―――ジコォオッ!」ドスンッ!

キュアロゼッタ「はああああああああああッ!!!!」ドガッ!ボギッ!ドドドドドドッ!

ロビン型ジコチュー「ジコッ! ジコッ! ジコオオオッ!?」グギッ!バキッ!ズドドドドッ!

キュアソード「すごい…私たちが手も足も出なかったジコチューを圧倒してる…!」

キュアエース「キュアロゼッタの執事に対する愛情が、あのジコチューへの怒りへと変わったのです」

キュアロゼッタ「止めです! ロゼッタ・リフレクション・ダブルクラッシュ!!」ズドォン!

ロビン型ジコチュー「ジコオオッ!! らーぶらーぶラ~~~~ブ!!」チュドーン!

キュアダイヤモンド「一人でやっつけちゃった!?」

キュアロゼッタ「…っ、はあ、はあ……」

キュアハート「キュアロゼッタ! 大丈夫?」タタタッ

キュアロゼッタ「え、ええ……それよりも、アルフレッドさんを…!」

J・ジョーカー「―――あの女、強そうだな。ジコチューにしてやるか」

???「そうはさせん」

J・ジョーカー「…! お前は……」

バットマン「お前の相手は私だ」

J・ジョーカー「…はッ! ぶはははッ! やっぱり生きてやがったか! 久しぶりだなァ!」

バットマン「お前と戯れるつもりはない。すぐに決着をつける」バッ!

J・ジョーカー「よっと」ヒョイッ

バットマン「!?」

J・ジョーカー「話聞いてなかったのか? 今の俺はジコチュー、人外の怪人だ。お前の攻撃なんて簡単に避けられるぜ」

バットマン「…ならば避けてみせろ」ブンッ!グワッ!ズオッ!

J・ジョーカー「よっ! ほっ! よっと!」ヒョイ!ヒョイ!ヒョーイ!

バットマン「い…一撃も当たらないだと…!?」

J・ジョーカー「ほらっ!」ズドオッ!

バットマン「うぐぅッ!」

J・ジョーカー「はっはは! はは! ベロベロベロベロ!」ドスッ、ドスウッ!

バットマン「くっ、ぐっ…!」

J・ジョーカー「…ふう、今はこの程度にしてやる。前にも言ったろ? 俺はお前を殺せないって。殺すには惜しい玩具だからな」

バットマン「…っ、ならば何故私を誘い出した…?」

J・ジョーカー「今から二時間後、俺とお前がゴッサムの命運をかけて戦ったあのビルに来い。そこで面白いものを見せてやるよ」

バットマン「な、何をするつもりだ…っ!」

J・ジョーカー「それはお楽しみってヤツだ。だが来なければ確実に後悔するぞ。待ってるからなァ、あっはははは!」シュシュンッ!

バットマン「…っ、は…ッ」スクッ

キュアロゼッタ「バットマンさん! 早くこちらへ! アルフレッドさんが!」

バットマン「! アルフレッド…!」ダダダダッ!

バットマン「…大丈夫か? アルフレッド…!」バッ

アルフレッド「あ…ああ、ブルース様……やはり生きてくださっていたのですね……」

バットマン「…私はブルースではない」

アルフレッド「…さようでございますか……うっ…」

バットマン「!! いいからもう喋るな…!」

アルフレッド「ブルース様が亡くなってから…私はあなたがこの街のどこかで、誰にも知られずセレーナ様と暮らしているのだと、強く信じておりました……」

アルフレッド「そういう幻想も見ます。夢にも出て来られます。その度に私は言うのです。この街は、あなたが残したもので輝いています、と……」

バットマン「アルフレッド……」

アルフレッド「…どういった事情があるのかは存じませんが、私はあなたを信じ、ご意向を共にいたします…。永遠に……」

バットマン「…ああ、わかった…だからまだ死ぬんじゃない…!」

アルフレッド「あなたが本当に亡くなるまで死ねませんよ、マスター・ウェイン―――」ガクッ

キュアハート「アルフレッドさん!」

バットマン「…大丈夫、気絶しただけだ」スッ

キュアハート「ああ…よかったぁ……」

バットマン「私はアルフレッドを部屋まで運ぶ。お前たちはブレイクを頼む」

キュアソード「待って! あなた本物のバットマンなの? 死んだんじゃなかったの?」

バットマン「…その話は後でしよう。とりあえず彼らの応急処置を」



~~数十分後:ブルース・ウェインの屋敷・ブルース私室~~

マナ「―――…なるほど、自分がいなくても安心できる街にしたくて、あえて死んだことにしてたんですね…」

ブルース「悪いが君たちにも協力してほしい。僕が生きていることは内密に」

亜久里「アルフレッドさんにはちゃんと伝えないのですか? きっと喜ぶと思いますが……」

ブルース「それじゃ駄目なんだ。アルフレッドにはアルフレッドの人生がある。いつまでの僕の無茶に付き合わせてはいられない」

亜久里「ですが……」

マジ糞つまんねぇ

真琴「それよりも、どうするの? ジョーカーの予告時間まであと一時間くらいしかないわよ」

六花「まさか本当に行くつもりですか? 何かとんでもない罠があるかもしれないのに」

ブルース「もちろん、行く。奴とは決着をつけなければいけない」

マナ「でも、今のジョーカーはジコチューです。あたしたちプリキュアの力がなかったら倒せません」

ブルース「君たちを連れて行けば、ジョーカーは確実に暴走するだろう。さすがにうら若き異国の乙女を巻き込んだりはできない」

マナ「だけど…!」

ありす「……私が行きますわ」

六花「ありす!? 一人でついていくつもり?」

ありす「はい。もちろんセバスチャンとランスちゃんも一緒に。私とセバスチャンだけなら、ジョーカーも暴れたりはしないでしょう」

真琴「危険だわ。あいつが何をしようとしているのか判らないのに」

ありす「大丈夫です。私の心配よりも、マナちゃんたちはアルフレッドさんやブレイクさんの手当をお願いします」

マナ「…わかった。ありすを信じる!」

六花「ちょっ、マナ!?」

マナ「大丈夫! だってありすあんなに強いんだもん! それにこの街のヒーロー、バットマンと一緒なんだよ? 絶対に勝ってくるよ! ね?」

ありす「…はい、もちろんですわ、マナちゃん!」

ブルース「話は決まったな。僕とありす、セバスチャンの三人でジョーカーのもとに乗り込む。奴が何をしようとしているのかを暴き、それを阻止する」

亜久里「…もう、ここには帰って来られないのですね?」

ブルース「…ああ。その頃にはアルフレッドも目覚めているだろう」

亜久里「…わかりました。こちらは任せてください。その代わり、悪者を絶対にやっつけてくださいね」

ブルース「…もちろんだ。さあ、行こう。ありす、セバスチャン」

ありす・セバスチャン「はい!」

~~事件から二時間後:ゴッサムシティのとあるビル・入り口前~~

ありす「……いよいよですわね」

ブルース「ああ。…ありす、セバスチャン。何があっても君たちだけは絶対に護る。だから少しだけ、僕の援護を頼みたい」

セバスチャン「はい、お任せください、ブルース様」

ありす「…ちょっとお待ちを」

ブルース「どうした? ありす」

ありす「今のまま立ち向かっても、マナちゃんたちの言う通り、ジョーカーには敵いません」

ブルース「奴が授かったというジコチューの力か?」

ありす「はい。あれを浄化できるのは、私たちプリキュアの力のみ。仮にバットマンが飼ったとしても、ジョーカーの野望を阻止できるとは思えませんわ」

ブルース「君の力でなんとかならないのか?」

ありす「ブルースさんはそれを望んでいないはず。ご自分でケリをつけたいのではありませんか?」

ブルース「…ああ。ブレイクとアルフレッドの仕返しは僕が果たす」

ありす「ですからそこで、私に提案があるのです。二人とも、耳を貸してくださいな」

ありす「―――……」ゴニョゴニョゴニョゴニョ…

セバスチャン「…なるほど、さすがはお嬢様!」

ブルース「わかった。その案を頂こう」

ありす「…では、行きましょう。必ず勝って、この街を護り抜いてみせます!」

~~ゴッサムシティのとあるビル・上層階~~

J・ジョーカー「―――…やっと来たな、バットマン。しかもお子様連れか?」

バットマン「…安心しろ。お前は私が倒す」

J・ジョーカー「ああ、是非そうしてもらいたいな。いいだろ? お嬢ちゃん」

キュアロゼッタ「………」

バットマン「…戦う前に一つ訊きたい。お前はこの街で異形の力を手に入れ、何をしようとしている?」

J・ジョーカー「…はっ! んはははッ! 簡単な話だ。さっきそこのお嬢ちゃんが倒した怪人な、お前の跡継ぎから生み出したんだ」

バットマン「知っている。それがどうした?」

J・ジョーカー「そう…俺はどんな人間からでも、悪の心を増幅させて怪人を作り出す力を身につけた。これがどういうことかわかるか?」

バットマン「………」

J・ジョーカー「八年前! 俺がハービー・デントをトゥー・フェイスに変えてやった時と同じなんだよ!」

J・ジョーカー「どんな正義を掲げて生きてるヤツでも、俺の手にかかれば簡単に悪に染まっちまう」

J・ジョーカー「そうだ。俺があの時目指したもの―――理性だとか秩序だとか、まるで見当違いの正義感を排除して、俺は人間の本質を抉りだし、暴れさせたい」

J・ジョーカー「何か間違ってるか? ん? 人間が本能のままに生きる社会を目指すことが」

J・ジョーカー「その手始めがお前だ、バットマン。俺はお前を怪人にして、この街を襲わせる。案外楽にできると思うぞ」

J・ジョーカー「お前は馬鹿みたいな正義を振りかざして、誰よりも自己中だからな」

J・ジョーカー「その証拠に、今まで死んだふりをしてやがった。まだ浄化しきれてない街を放って、のうのうと生きてやがった」

J・ジョーカー「俺がそっと囁きかけてやればちょちょいのチョイだ。お前はあっという間に悪に染まる」

バットマン「………」

J・ジョーカー「そしてお前は俺には勝てない。ただの人間にゃ俺は倒せない」

J・ジョーカー「お前に勝ってじっくり、この街の人間全員を悪に染めてやる―――それが俺の目的だ」

バットマン「…よくわかった」

J・ジョーカー「どうだ? 面白そうだろ?」

バットマン「ふんっ!」ドゴッ!

J・ジョーカー「ほッ! お…ほほ、ぶっふふ…! いきなり殴るなよ…全く効いてないけどな」

バットマン「お前のたわごとは聞き飽きた。今度こそ決着をつける」

J・ジョーカー「やってみろ。そうだ、そこのお嬢ちゃんにも参加してもらうか? 俺がジコチューにしてやってもいいんだぜ?」

キュアロゼッタ「遠慮いたしますわ。私の意志はバットマンさんと共に」

J・ジョーカー「はっはは! モテモテだなァ、バットマン!」

キュアロゼッタ「ジョーカーさん…あなたは大きく間違っていますわ」

J・ジョーカー「あん?」

キュアロゼッタ「確かに、誰しも心の内に闇を秘めているものです。どんなに小さくても、その事実は否定できません」

キュアロゼッタ「時にはあなたのように、その闇が強すぎて悪の道に進む人もいるでしょう」

キュアロゼッタ「ですがそれ以上に、人の心は大きな愛が溢れています!」

キュアロゼッタ「私は大切な友人からそれを学びました。どんな人間であっても、闇より大きな愛を秘めているのだと!」

キュアロゼッタ「それはあなたも変わりないはずです、ジョーカーさん!」

キュアロゼッタ「もしもあなたが、人間の本質は悪であると信じているのなら、それはとんでもない間違いですわ!」

キュアロゼッタ「世界を制するのは愛だけです! さあ、あなたも私と、愛を育んでくださいな♪」

J・ジョーカー「ふ…くっ、ぶっはははは! 面白い! 面白すぎるなお前! はっはは!」

J・ジョーカー「やってみろ! 証明してみせろ! はっははは!」

キュアロゼッタ「言われなくてもそのつもりですわ! ロゼッタ・バルーン!」ボンッ!

J・ジョーカー「な、なんだこの風船?」

キュアロゼッタ「いち、にの、さんっ♪」パァン!

J・ジョーカー「ぐおっ!? なんだこの紐!? ほどけねぇ…!」

キュアロゼッタ「ロゼッタ・バルーンは、何が出るのか毎回のお楽しみなんです」

キュアロゼッタ「さあ! 今ですわバットマンさん! 止めを!」

バットマン「ああ」ヒュンッ!

J・ジョーカー「お…おお…ははっ、言ったろ? ただの人間のお前に、ジコチューの俺は倒せないって」

バットマン「ああ。俺が本当に、ただの人間ならな」

J・ジョーカー「あ? どういう意味だ? …そういやお前、近くで見ると衣装がいつもと違うな…―――まさか!」

バットマン「そう。今の俺はただのバットマンじゃない。ある人物が作った、この人工コミューン・改の力を借りている」スチャッ

J・ジョーカー「…お前……!」

キュアバットマン「そうだ。俺の名はキュアバットマン! ゴッサムに舞う漆黒のプリキュアだ!」

J・ジョーカー「ちっ、くそったれ!」

キュアバットマン「くらえ! プリキュア・バットマンパーンチ!!」ズドォン!!

J・ジョーカー「ぬああああッ!!」ドシュッ!

J・ジョーカー「へ…ひはっ…今に見てろよバットマン…!」

J・ジョーカー「世界を制するのは悪意と狂気だ…俺が証明してやる…!」

J・ジョーカー「いつかまた必ず会おうぜ…その時は…―――んっはははは!」

J・ジョーカー「らーぶらーぶラ~~~~~~ブ!! はっはははははは!!」チュドーン!

~~同時刻:ブルース・ウェインの屋敷~~

ダビィ「闇の鼓動が消えたビィ!」

マナ「それじゃあ! ありすとブルースさん、勝ったんだね!」

六花「よかった。これでここもしばらくは安全ね」

真琴「…でも…ブルースさんは帰って来ないわ。アルフレッドさんを置いて、きっとまたどこかへ行ってしまう」

亜久里「可哀想ですわね…あれだけ想い合っているのに……」

アルフレッド「……いいんですよ、それで」

マナ「! アルフレッドさん、起きてたんですか!?」

アルフレッド「それがブルース様の望みなら、私は従うまでです」

六花「でも…それじゃあ、あなたの気持ちはどうなるの…?」

アルフレッド「たとえ遠く離れていても…隠し事があったとしても、私は永遠にブルース様を見捨てはしません」

亜久里「でも…生きていることを知っているのなら、隠しても意味がないのでは?」

アルフレッド「…なんのことですか? 生憎、意識が朦朧としていて何があったのか憶えてないのです」ニコッ

マナ「アルフレッドさん……」

アルフレッド「…ブルース様。私はお待ちしていますよ。永遠に―――」

http://www.youtube.com/watch?v=_pxT9oWocpY



~~決着後:ゴッサムシティのとあるビル・入り口前~~

バットマン「ありがとう、セバスチャン。これは返そう」スッ

セバスチャン「はい、確かに」

ありす「…もうお別れなのですね、ブルースさん…」

バットマン「ああ。間もなくゴードンたちがやってくる。その前に私は消えよう」

ありす「そのバイクの背中にも、もう乗れる日は来ないのですね…」

バットマン「………」

ありす「…お元気で。ブルースさん……」

バットマン「ああ…さらばだ…」ドッドッドッドッ

ありす「待ってください!」

バットマン「…なんだ?」

ありす「あなたが生きていること、本当に誰にも知らせないのですか?」

バットマン「………」

ありす「アルフレッドさんを始め、それを知ったら喜ぶ人が大勢います」

ありす「それでもあなたは、陰の中で生き続けるとおっしゃるのですか?」

バットマン「……それが私の使命だ」

ありす「…わかりました。であれば私も、あなたの意向に従いましょう」

バットマン「そうしてくれ」

ありす「…ですが、この街にまた危機が訪れた時―――それを救うのは、あなたしかいません」

ありす「必ず…いつか必ず、戻ってきてくださいね!」

バットマン「…また会おう」ブロロロロ…―――

ありす「…約束ですわ。ブルースさん…―――」

セバスチャン「…よろしかったのですか? お嬢様」

ありす「ええ。これがきっと、この街の正しい在り方なのです」

セバスチャン「しかし、まだ狂気を秘めた輩は大勢います。そんな時、彼のようなヒーローがいてくれたら…」

ありす「ヒーローという言葉では表現しきれないのかもしれませんわね」

セバスチャン「と、言いますと?」

ありす「この狂気に満ちた街で、彼の―――バットマンの存在は、おそらく支えなんでしょう」

ありす「決して救世主ではなく、人を導くしるべでもない」

ありす「ただ人が人として生きるために、それを陰から見守り、手助けする」

ありす「この街が本当の危機に陥った時、きっと彼はまた姿を現します」

ありす「そして人知れず、誰かのために街を駆け巡るでしょう」

ありす「彼はヒーローではありませんわ」

ありす「言い表すのなら、そう―――」

ありす「静寂の守護者。暗黒に舞う観測者―――」




ありす「闇の騎士―――ダーク・ナイト」

プリキュア知らないけどマーベル大好きな俺は前回楽しめたけど
今度のは話についていけなさそうだな……
なぜかDC見た事ないんだよね。原作も読んだ事無い

~~おしまい~~

支援してくれた人ありがとう
つまらんと感じた人、すまんかった。精進するから大目に見てくれ
特にダーク・ナイトはキャラ愛の強い作品なの理解してるから、キャラを汚されて不快に感じた人は申し訳ない


貼り忘れたけど、前日譚とついでに過去作も貼っておく 通勤や寝る前の暇潰しにでも見てくれ

※前作 トニー・スターク「誰だ? 君たちは」 マナ「プリキュアです!」
http://w.sstter.net/thread/1386768790

ライトニング「私がプリキュアだと?」 マナ「はい!」
http://invariant0.blog130.fc2.com/blog-entry-5326.html

マナ「ブンビー・カンパニー?」 ブンビー「なんだお前たちは?」
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=129312

来たらもう終わってた

乙乙

>>61
ちょっと本編絡めすぎたからね
ゲオとか行ったらダーク・ナイト・トリロジー三本合計300円以内で借りれるで、これを機に見てみて!

>>63
あんま長引くと最初から見てくれてる人眠くなるかと思って焦ったんだ
今回はありすに重点置いてるから、ありす好きな人は楽しんで!

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