黛「羽生君がホモォッ…」羽生「だってしょうがないじゃないか」(172)

羽生「この前の裁判で更に古美門先生が好きになっちゃったよ」

黛「羽生君がホモォッ……」オエ

羽生「人はそれぞれの個性があっていいじゃないか」

羽生「まちこが僕の所にきたとき何故かしっくりこなかったんだ
今気づきました…先生、僕が本当に欲しかったのはーせ」古美門「やーめーろー聞きたくない。」

羽生「先生…」

古美門「だいたい私は男には興味なーい。
ホモでもなーい!」

羽生「僕だってホモじゃありません!
でも好きになってしまったからしょうがないじゃないですか!」

黛「は、羽生君…」

古美門「まーゆーずーみどうなってるんだ
ゆとり王子と朝ドラヒロインはくっついたんじゃなかったのか」

黛「わ、私は…」

蘭丸「まちこちゃんは色々と自意識過剰だよ~」

黛「わっ蘭丸君っ」

蘭丸「よっ」シュタッ

羽生「…どーして邪魔が増えるんだっ!」

古美門「黛、蘭丸、逃げるぞこの状態はヤバイ気がする」

羽生「蘭丸、君は邪魔しないよな」ジロッ

蘭丸「うひーっ
ごめーん先生用事思い出したわー」

古美門「」

蘭丸「これにてドローン」ニンニン

古美門「ま、ま、ま黛…」

黛「じ、自意識過剰…私って自意識過剰…」ブツブツ

古美門「はーはーん!」

羽生「…」じろっ

古美門「ハヒィッ」

羽生「さぁ先生…邪魔はいなくなりました。」ニッコリ

古美門「くぁwせdrftgyふじこlp」

羽生「けんすけぇぇぇ!!」ガバッ

古美門「ひぃやあぁぁ!!」

羽生「先生の匂い…」スンスン

古美門「いやあぁぁ!」ゾクゾクゥッ

羽生「髪!」なぞりなぞり

古美門「服部さ~ん!!
助けてくださぁぁぁいい!!!」

黛「…はっ!」

羽生「先生の貞操を僕が…」ブツブツ

古美門「」

黛「せっ先生!」

黛「せんせーい!!」

蘭丸「あぁまちこちゃん。」

黛「先生はっ…先生の貞操は…」

服部さん「私がなんとか…」

黛「服部さん!…良かった」

古美門「…」ボソボソ

黛「へ?」

服部さん「どうやら精神的ダメージがあったようでして…」

古美門「…くない」ボソボソ

黛「な、何ですか先生?」

古美門「良くなーい!君がボーットシテルセイデ私は危うく
…うっ」フラッ

黛・蘭丸「先生!」
服部さん「先生!」

羽生「…」

黛「羽生君っ」

羽生「あぁーまちこちゃん
この間はゴメンね急にハッスルしちゃって」ニコッ

黛「…また会いに来たの。」

羽生「うん。謝らなくちゃと思って。」

黛「謝ってどうこうなる問題じゃないよ」

羽生「…分かってるよ。でもー」

黛「先生、羽生君には会いたくないって」

羽生「はは。嫌われちゃったかな?」

黛「…好き嫌いの問題じゃないと思うけど‥」

黛「とにかく、ここは通さないっ」

羽生「‥なにをいっても無駄か…」ボソッ

黛「へ?」

羽生「いや、本当に悪かったと思ってる。
謝りに行かせてくれないか、まちこ。」ジリッ

黛「うっ…」

羽生「この通りだ!」ズザッ

古美門「ーで?つい入れてしまったと。」

黛「すみません…」

古美門「馬鹿か君は!!」

黛「すいません~!!」

羽生「先生…」ポーッ

古美門「ヒィッ」

黛「だってあんなまっすぐな瞳で…」

古美門「この場合真剣な程変態って事になるがな。」

黛「うぅ…」

リーガル・ゲイ…

蘭丸「でも先生だって最初は晴樹の事好きだったじゃないですかー」

黛「わっ蘭丸君!」

蘭丸「よっす!まちこちゃん。先生。」シュタッ

古美門「らーんーまーる~
誤解を受けるようなこと言わないでくれないか。」

羽生「せ…先生。
‥僕たちは両思いだったんですね!」グスッ

古美門「ほぉ~ら見ろ!
一切根拠のない誤解を受けてしまったじゃないか!」

羽生「僕のこと好きだなんて…そんな///」

古美門「やめろ頬を赤らめるな。」

蘭丸「良かったな。晴樹。」

古美門「勝手に話をまとめるなぁ!」

古美門「好きは好きでもラブじゃないライクだ」

羽生「先生にこんなにも好き好き言われる日が来るなんて・・・///」

黛「先生またあらぬ誤解を受けてますよ。」

古美門「じゃあどうせいっちゅーんじゃーい!!!」

/テッテレーテレッリーガッハイッ\

蘭丸「先生…自分が変わっていくのが怖くて、
だから晴樹を拒むんですね…」

古美門「何でそうなるんだ」

羽生「先生…分かりました。
そういうことだったんですね。
でも変わっていくことはイケナイ事ですか?
違いますよね…人はそれを“成長”と呼ぶんです…」

黛「下手なssで深い事言わないでください」

羽生「…“今が楽しければそれで良い”」

古美門「なんか始まったぞ」

羽生「そんな浅い考え方、嫌いじゃないけど‥」

羽生「でも…」

羽生「先のことばかり考えすぎて今が辛いのは嫌なんです。
だから先生!お互いに変な我慢はよしましょう?」ズイッ

古美門「だから何でそうなるんだぁ
だいたいお互いってなんだ私がお前に気がある風に言うな」

古美門「いいかぁ?もう一度言うぞ
私は男に興味ないしホモでもなーい。
おまえの大好きなサウジアラビアにでも行って鞭百発打たれて死刑にされてこーい!」

黛「先生それは酷すぎます!」

古美門「何故だ?どぉーして?
彼は私のことが好きなのだろぉ?いわばもう彼は私のものだ。
自分のものをどうこうしようが私の勝手だろぉ?」

黛「最っ低ですね…
女性にもこんな風にせまられた事ないくせに…」

古美門「ブッフォウ!
しっつれいな!あるわ!」

黛「あるんですかぁ~?」

古美門「あるわ!あるまくりだわ!」

黛「あやしぃ~?」ジトーッ

古美門「貴様だってせまられるどころか告白すらされたことないだろう!」

黛「なっ、あ、ありますよ!私だって!」

羽生「…」

古美門「嘘つけっ
おまえのような万年幼児体型女なんか
好きになる奴が何処にいるんだ!」

蘭丸「まちこちゃん顔は可愛いけどね^^」

黛「まっ…万年幼児体型女‥」ガーン

古美門「まっ君のような顔をした奴が胸をでかくしたところで、
色気がでるような気もしないけどなーww」

黛「ひっ酷い!あんまりです!」だっ

蘭丸「あっまちこちゃーん!」ダッ

古美門「あ
…じゃ、じゃあ私も黛追いかけてくるね!」ガシッ

古美門「あはは…」

羽生「さすがです先生!やっと二人きりになりましたね!」

古美門「い、いやぁ…服部さぁあん…」

羽生「…先生」

古美門「黛~…蘭丸~」

羽生「 お た が い 変 な 無 理 は や め ま し ょ う っ て
言ったじゃないですかぁ」ガバッ

古美門「だからどうしてそうなーアッー!!」

黛「はぁ…勢いで出てっちゃったけど先生大丈夫かな…
いまごろきっと…」

古美門『本当はずっと触ってほしかったんだ…』

羽生『えぇ?そんな風には見えませんでしたよ!
それに、どうして…』

古美門『こんな業界だ、私の汚い噂なんていくらでもきくだろう
ほかの奴らにどう思われようが知ったことではないが…お前だけにはこんなー
…誰でもすぐ誘う奴だとは思われたく無かったんだ…。』

羽生『先生…』

古美門『上辺でしかみてない連中にはウンザリだ!
撫で回すのも上っ面ばかりでー
お前は違うだろ?
お前なら私の心を、体を、奥深くまで満たしてくれるよな?
羽生ーいや、晴樹ー…』

羽生『先生!』ガバッ

古美門『あっ』

羽生『僕は今まで先生が接してきた男とはちがいます!』

古美門『羽生…嬉しい…』ギュッ

羽生『先生…』ニヤッ《計画通り…》

黛「あわわわっ!!」ブンブン

黛「…」スーハーッ

黛「お、思った以上に私羽生君に汚染されてるわ…」

蘭丸「まーちこちゃんっ♪」

黛「うわあぁぁぁ!!」

蘭丸「うわっ」ビクッ

黛「蘭丸君か…ご…ごめん…」

蘭丸「いいよいいよ~」フリフリ

黛「やっ、やっぱ勢いで出てっちゃったけど戻ろうかなっー?」

蘭丸「うん。そうした方が良いと思うよ。」

黛「だよね…」

ー「あっ…やめっ‥くっ」

羽生「はぁ…はぁ…」

古美門「くっ…」

羽生「可愛いよ?先生。
あまりにも暴れるから上脱がすのに時間掛かちゃったけど」

古美門「黛~…服部さ~ん…」

羽生「…また‥」グイッ

古美門「ひゃんっ」

羽生「聞きたいことがあります」ギンッ

古美門「ななな、なんだよぉ…ひぃ~!」

羽生「先生が振り向いてくれないのはまちこがいるからですか。」

古美門「…」

羽生「先生はまちこが好きなんですね?」

古美門(まぁそうした方がいいかもな。こいつが身を引くと思うし…)

古美門「…そうだが」

羽生「‥そうですか…。」

古美門「あぁ。分かったなら帰ってくれないか。」

羽生「・・・!」

羽生「…ちなみにどこら辺が?」

古美門「はぁ?」

羽生「まぁ、参考に?」

古美門「えっと…ポンコツなのに頑張ってるところとか…
バカなのに一生懸命な所とか…惹かれたっていうか…」(適当)

羽生「…だ、そうですよ?」

古美門「はぁ?」

羽生「黛先生。」

黛「先生///」カアァ

蘭丸「…///」

古美門「まままま黛!!!?」

黛「先生…まったく褒めてませんでしたけど
気持ちが伝わってきました!」

古美門「いいいっいつからそこに!」

羽生「先生がノロケてた時からずっと。」

黛「正確には33あたりから聞いてましたぁ~」

古美門「ノロケていた訳ではなぁーい!!
違う!断じてちがう!」

黛「またまたぁ~照れちゃって~」

古美門「だーれーがこんなペチャパイポンコツ勘違い自意識過剰女好きになるかぁー!!」

蘭丸「そういうまちこちゃんもスキなんでしょう?」

黛「今なら何言われても傷つきませんよ~?」

羽生「…酷いことを言うということは‥
相手に依存している証拠です…」

古美門「はにゅー!!お前まで‥」

羽生「負けました…。」

黛「羽生君…」

蘭丸「羽生…」

古美門「…」

羽生「黛先生…いや、まちこさん‥」

黛「はい?」

羽生「お先に失礼します」グイッ

古美門「は」

チュッ

古美門「」

黛「あ」

蘭丸「うわっ///」

古美門「えっ」

羽生「…」グイー

古美門「ちょっおまっんっ…」

黛「…」プシューッ

蘭丸「わーっ!まちこちゃん!」

古美門「んっ…やめっ…」

羽生「…」レロ

古美門「~っ!」

羽生「ぷはっ」

古美門「」

蘭丸(うわ…メッチャ糸引いてる…)

蘭丸「じゃなくて、先生ー!!」

羽生「じゃあ、さようなら。蘭丸、まちこさん、
    …先生///」

黛「」

古美門「」

シャツの襟に隠れた白く弱い肌にうっすらとキスマークが見えた
ぎょっとして、何も見なかったふりを決め込もうとして、失敗した。
ぞくりとした悪寒が肌にはう。
じわじわと身を焦がすしつこくて気持ちの悪い欲の固まり
その気持ちの正体は嫉妬と呼ぶのだろう
今更自分が何を思おうとこの人は気にもとめないのだろう。
「どうした蘭丸?私の顔に、なにかついているか?」

古美門は上目使いで固まってしまった蘭丸を見て首を傾げた。
そうではないと分かってはいるが、誘惑をされている気分になる

「ほら、しっかりしろ」

クスリと笑った古美門が少し背伸びをして蘭丸の髪をイタズラにくしゃと撫でまわした
その愛しい顔に何一つ余計なものなどはついていないけれど
その顔の下に誰かが残した口付けの跡が残っていますよと教えようとしたが、やめた。

この人はこういう不意の接触で
自分が何を思うのか分かっているのだろうか
じわじわと広がっていく暗く歪んだ感情はきっと恋情、
あるいは劣情に似ている
すぅっと離れた手を視線で追う頃には
自分はもうあの人の視界にはきっと入っていないのだろう。

「ところで蘭丸、この間の潜入、上手くいったか?」

「ああ、そうだ。先生、この写真見てくださいよ」

「ふうん、持ってきた?では見せて貰おうか」

「これはなかなか爆弾じゃないですか」

互いの声と靴音と、スーツのたてるすれた音
このまま二人だけになってしまいたい。
この世から二人以外の他人が消え失せ、もう互いのことしか見えなくなってしまえば、
そうすれば…

自分の姿も貴方の目に入るのだろうか。
古美門は座れ、とソファを指さした。その場所へ言われるがままに腰を下ろした。
蘭丸はいきなり、すぐ隣に座り込まれてぎょっとした。
いつもは気にしないが今日はあの跡を見てしまったせいだろう、今日は意識してしまう。

「先生?」

「資料。」

ぞんざいに右手を差し出して、蘭丸の手から紙の束を受け取ると
平然として資料に目を落とす

「それで?何が気になるんだ」

「そっちじゃなくてこっちの方で…」

わずかに触れる腕から、服越しに体温が伝わる。
見やった横顔は、白い肌に陰を落とす。
ぞくりとしてまたあの悪寒のような感覚が蘇った

そういえば、と、ふと思い出す。安藤貴和の裁判が終わった夜、
彼はとても愉しそうに蘭丸相手に、羽生の話をしたものだった。
いざという時に非常になれないからダメだ、とか、あいつは絶対に童貞だ、そうじゃなくても飛びきり下手だとか、
あることないこと、好き勝手に喋った。
自分には今まで見せたことがないような、小悪魔のような笑みを浮かべ。

あれは惹かれていたという事だったのか?
まさか!冗談だろう、冗談
ああ、でもあの勝負で何か通じ合ってしまったというのなら。
それは、俺の知らない領域の話だ。

どうしようもないやるせなさと、狂いそうな恋情、そして激しい嫉妬が、体の中で渦を巻く。
傍にいるだけで幸せ?そんなものは嘘だ!
欲しいんだ。彼が欲しくてたまらないんだ。
この腕でもがき抱いて甘い声を聞いて愉悦に浸りたいんだ。

蘭丸は密かにため息をつき、視線から外そうとした。
目の毒だ。
しかし、そらそうとした視界の隅に
資料に俯いている彼の首筋に刻まれた口付けの跡がまるで当てつけているかのように飛び込んできた

「先生…」

「ん?」

頭に血がのぼったという表現はどうにもふさわしくない。
頭の中は冷静だった。
ただ
伝えたい、思い知らせてやりたいという欲望が溢れだした
というような。

「おい、蘭丸?」

「跡が」

「は?」

「首に、跡が」

「…あっ」

何かを思い出したのかガラにもなく頬を染める古美門
自分の中で緩みかけていた理性が飛んだ
細い両手首を掴みソファの上へ押し倒し、見おろす姿勢で低く言った

「誰かの付けた口付けの跡が見えますよ。自分で気づかないの?
それとも知ってて?だったら先生は酷い人ですね。」

勿論、彼は気づいていなかったのだろう。
「それがどうしたのか」
とひらき直ると思いきや蘭丸の言葉に派手に暴れ出した
組み敷く腕から逃れようとする彼の波だったスーツの起こす布擦れが耳にうるさい。

こうしてのしかかる自分は彼の目にどう映っているだろう
自分のしている行為の意味が判らない彼ではない
腕を押さえ込んで蘭丸は、なおも足掻き続ける小美門を見おろす

「先生無駄だよ…力で俺に勝てるわけないじゃない」

自分でそうさせておきながら
可愛そうに思ってしまうくらい暴れたが最後には全身の力をぐったりと抜いてしまっていた
乱れた呼吸が静まり返った部屋に散る

「もうやめちゃうの?先生」

きっちりとしめられたネクタイを音をたてながらひきぬき淡々と言う

「抵抗しなくていいの?このまま俺にいいように扱われんだよ?」

「…まえからバカなのは分かっていたがこんなに頭が悪かったとはな。」

「…あーあ。優しくしてあげようと思ったのになぁ。
‥残念だなぁ…」


黛「わあぁぁぁ!!」

蘭丸「!?」ビクッ

古美門「」ポカン

黛「はっ…はぁっ…」ドッドッ

蘭丸「まちこちゃん?どうした」黛「うわあぁぁ!!」

古美門「どうした朝ドラ?ついに」黛「ひやあぁぁ!!」

古美門「なんだよ」

黛「スーッスーッ」

蘭丸「まちこちゃん両方とも吸っちゃってるよ?」

黛「うっうっうっ…」

古美門「どうした黛?」

黛「せんせぇ…私、汚れちゃいました…」

古美門「そうか、それは良かった。」

黛「良くありませーん!!もうっ」

黛(夢だった…
でも、思った以上に羽生君に汚染されてる…)

黛「わ~すごーい向かいの家…」

蘭丸「あぁ、本当だ…イルミネーションがすごい…」

黛「そういえば、今日は何の日だっけ…」

フッ

黛「わっ何!?停電?」

蘭丸「ブレーカー何処でしたっけ…」

古美門「玄関の近くだろ」

蘭丸「ここだな…」

パーンパパーン

古美門「こんどはなんだぁ!?」

羽生「メリークリスマス!」

パッ

黛「わっ羽生君!」

古美門「わあぁ!!どっから湧いて来やがったぁ!」

羽生「勿論、愛する恋人の為にです。」

羽生「普通に窓から入ってきました。無防備ですね。」

蘭丸(普通に不法侵入じゃないのか…)

古美門「出直せ!こんどは煙突から入ってこい!」

羽生「先生は意外にロマンチストなんですね…」

黛「子供なだけですよ…」

蘭丸(この家に煙突ってあったっけ?)

蘭丸「分かりました実はそんな先生にプレゼントがあります」



○羽生「分かりました
実はそんな先生にプレゼントがあります」

×蘭丸「分かりました実はそんな先生にプレゼントがあります。」

羽生「僕を…」

古美門「ああやはりロクなものではなかった…」

黛「想像通りですね」

蘭丸「あぁ男のロマン…」

羽生「まぁ、いいじゃないですか。
ほんの冗談ですよ。今日は飲みませんか?お酒持ってきましたよ。」

古美門「いらん。」

蘭丸「えぇ~一緒に飲みましょうよ~」

黛「そうですよ~たまには皆仲良く飲んだ方がいいですよ。」

古美門「やだ!酒なら年代もののワインが台所のワインセラーの下に隠してあるもん!」

黛「それってこれのことですか?」

古美門「あーっ!何してんだよーっ返せよーっ」

黛「みんなで仲良く飲んだらいいですよー」

古美門「そんなこと言って私が酔ったとき寄ってたかって…」

羽生「そんなことしませんよ。」

古美門「じゃあ押し倒して目ん玉ひんむかせて」

黛「そんなことしませんから!!」

羽生「先生、僕と飲み比べしません?」ゴクゴク

古美門「フン、望むところだ。」グイー

羽生「僕が勝ったらデートしてくださいよ」ニヤリ

古美門「ああ、じゃあ私が勝ったら金輪際私に関わらないでくれ」

羽生「後悔しないでくださいよ?」

古美門「おまえがな。」

黛「ひゃ~い!みなしゃ~ん!
クリッスマスゥ~楽しんでますかぁ!?」ヒック

古美門「思いっきりできあがったな」

羽生「な、何で平気なんれすか…」うぷ

蘭丸「ペース考えずにガバガバ飲むからだよ」サスサス

羽生「ひぃ…」

古美門「約束は約束だ。金輪際私に…おっと」ふらっ

蘭丸「先生!…もしかして酔ってます?」

古美門「バカ言うな!勝負は私の勝ちだ!
いいか、金輪際私に関わるなよ?」

羽生「先生~そんなぁ~」

古美門「ただ…今回は一方的すぎてあまりにも盛り上がらなかった。
また日を改めよう。」

羽生「先生///」パアァ…

羽生「ヤッパリ大好きですぅう!!」ギュウゥ

古美門「んはっ!酒くっさ!」

羽生「先生先生…」べたべたべたべた

古美門「いい加減にしろ酔っぱらい!」

蘭丸「じゃあ、送ってきますね」

古美門「ああ、任せた。
なんならゴミ捨て場に置いてっても構わないがな。」

羽生「先生それはき…うぷ」

蘭丸「おいしっかりしろよ晴樹。」

古美門「…行ったか」

黛「こらぁ~古美門ぉ」ダキッ

古美門「うわっ」

黛「いっつも偉そうにこき使いやがってぇ何様だぁ!」

古美門「やけにご機嫌だな、ポンコツ。」ピンッ

黛「いたっ…野郎いつかひざまずかせてやっからな~」

古美門「チッ…調子に乗りやがって…」

ギュッ
古美門「おい、離せ」

黛「うふふ…先生変なの…」ヒック

古美門「はぁ?」

黛「香水付けなくてもいいにおいがする~」スンスン

古美門「君は犬か…」

黛「せんせぇ…」ヒック

古美門「何だ」

チュッペロペロ

古美門「」

黛「うへへぇ~消毒です~」

古美門「お前…」

黛「先生の心臓…優しい音…」ギュ

古美門「…」

黛「先生…好きです…大好き‥」パタッ

古美門「‥バカが…そんなとこで寝てると風邪ひくぞ、ポンコツ」

黛「…ヒック」

古美門「…ふぅ、こいつはソファで十分だろ。
…メリークリスマス。ポンコツ」ファサ

蘭丸「…」

蘭丸(メリー・クリスマス…)

黛「先生、先生!」ゆっさゆっさ

古美門「うぅ‥ん?」

黛「なんて時間まで寝てるんですか!」

古美門「うぅ…たまの休みくらい寝かせろ~」

黛「毎日休みみたいなもんでしょうが!」

古美門「なんだとぉ~!」ガバッ

古美門「あっさぶぅ…」ブルルッ

黛「外、雪降ってますからね…」

古美門「…」

黛「あっ先生!」

古美門「…」zzz

黛「コラ!」

古美門「ヒイィ!」

黛「寝不足って…昨日
何時間寝たんですか…」

古美門「昨日…昨日は…きのう?」

黛『先生の心臓…優しい音…』

黛『先生…好きです…大好き‥』

古美門「…」

黛「先生?」

古美門「なぁ、あれは…」

黛「は?」

古美門「昨日の覚えてないのかぁ?」

黛「えっ…ま、まぁ…
酔ってたみたいで‥何かあったんですか」

古美門「‥いや、何でもない
忘れてくれ。」

黛「先生顔赤いですよ?まだ酔って…
!まさか!羽生君と一線越え…」

古美門「アホかぁ!」ピンッ

黛「いたっ」

古美門「チッ…」スタスタ

黛「また寝るんですか!?」

古美門「よく考えたら七時間しか寝てなかった!
もう一度寝直す!起こすなよ?」

黛「寝れてるじゃないですか…」

「わ、私は…その、先生が好きです…」

枷がはずれたのはたぶんこの瞬間で
使えないポンコツオタマジャクシに惹かれている自分への葛藤や失望、
積み上げてきた砂の城のようなプライドが音をたててガラガラと崩れた。
きっと、笑えるくらい色気のない、甘い香りとはほど遠い
君の体が小刻みに震えていたからだろう。

「…大事にしてあげよう」

ーだから

古美門「だから手すら繋いだ事がないのに
倦怠期に入ってしまったのは断じて私のせいではない!!」

古美門「君が処女をこじらせているからだこの提灯パンツ!!」

黛「し、処女って…
そんな直接的な単語、使わなくてもいいじゃないですか…」

古美門「頬を染めるな!カマトトぶるんじゃない!!」

古美門「なぁ黛。君が告白してきてどれくらいたった?」

黛「え…そ、そんなにたってないと思いますけど…
ていうかそんな話で誤魔化さないでください!!」

古美門「どぉしてだ?意味がわからん」

黛「私もよくわかんないですけど…
でも恋人同士そういう言葉を使うと緊張感が無くなるっていうか…」
(何で私はこんな恥ずかしいことを…)

古美門「…」

黛「///」

古美門「…」ハッ

古美門「そもそも恋人同士とは何だ恋人同士とは!!!」

黛「え…先生恋人も分からないんですか?
恋人って言うのは一緒にご飯食べたりデートしたり…」

古美門「そうじゃない!私は君の告白は聞いたが受けてはいないぞ!」

黛「あ…」ハッ

古美門「私の交際相手になろうなんざ一万年と二千年早いわ!」

黛「ででででも先生、大事にしてくれるって」

古美門「あー言ってない―そんなこと言わないー」

求めるままに腕を伸ばし、抱き合ってしまったら最後。
私と彼女の関係は終わってしまうと思う。その程度の、儚い縁

「ベタベタするなうっとおしい…」

突き放すように言うと彼女は一瞬戸惑う表情を見せた

「…」

重苦しい沈黙が部屋に広がる。
その空気を破るように彼女は明るく言った。

「…あっで、ですよねー…すいません…。」

「ヘラヘラ笑うな、腹が立つんだよ。」

さらに毒づくとさすがに効いたのか、下に俯いた。が、すぐに顔をあげた。

「なんか先生、変わりましたよね‥最近…」

「?」

なにが言いたいんだ、と首を傾げると彼女は困ったように髪をがしがし掻いて、こう言った。

「冷たくなった…ていうか」

「っ…告白する前は、話を聞いてくれましたし…
バリ雑言だらけでしたけど、そっけないって言う風では…」

彼女は彼女で色々考えていたのだろう、辿々しい、が、何とか言葉にして言った。

「先生は…私が…嫌いなんですか?‥迷惑でしたか‥?」

「…ふっ」

思わず笑ってしまった。
馬鹿だ。相変わらず。

「…っ何で笑うんですか!?」

「相変わらずのアッパラパーだ。黛、君は何も分かっていない」

「なっ…せ、先生だって私の何が分かっているって…」

「分かったさ。
つまり君は私に罵利雑言言われたい神聖ドMなのだろう」

「違います!私は純粋に…あ、あな…先生を…あっ愛して…」

言葉が言い終わらない内に、遮るようにソファの上に押し倒す

「えっ‥せんせ…い?」

全く分かりやすく動揺していて、耳の縁まで真っ赤になっていく。

「何をしている。早く服を脱ぎたまえ。」

「‥え…?」

「君の言っている“好き”というのはこういう事なのだろう。」

「ち…違います!イヤです‥先生…」

「嫌だとはなんだ嫌とは。
せっかく面白味のない

君の

体を

使ってやる

と言っているんだ。黙って足を開け。」

『…っそんな…せんせ‥嫌です‥』

古美門「『せん…せっ…』」
古美門「ーと言うのが今朝の一部始終だが」

三木「…」

井手「」

古美門「どう思う?」

三木「ど、どう思うって…なぁ?」

井手「えっ!?あ、ああ…ねぇ?」

古美門「なんだ参考資料が足りないのか?だったらー」三木「いやいい!」

井手「もう、十分ですっ…」

井手「え えーっとアンタはあの女を好き…なんすね?」「好きじゃないっ!」

三木「そこは認めろよ話進まなねーじゃねーかっ!帰るぞ!」

井手「な、何故そんなご無体を…?」

古美門「なんで…か。
照れ隠し…としか言いようがないな。」



三「照れ隠しぃっ!?お前照れ隠しでそんな酷いことやったのか!?」

井「隠しちゃいけないモンまで隠れちゃってますよ!?
なに決め顔してんだアンタ!!」

井「こっこっこ…古美門の馬鹿ーっ!!馬鹿野郎っ!!」

三(おお…すごいぞ千葉…
酒が入ってるとはいえ古美門相手に…
と言ってもコイツはいつも態度だけは一人前だったな。)

三「まぁでも実際かなり酷いぞお前…
惚れられてるからって自分本位の付き合いしてると
いつか壊れるぞあの娘。」

古美門「分かっている。傷つけているのも
全然大事に出来ていないのも知っている。」

古美門「私と居て嬉しそうにしたり私を見て心配したりそういうのがなんだか心地いい。
しかしそれと同時に自分が府抜けて居るような気がして…」

古美門「…段々どう接して良いのか分からなくなってしまった。」

井「…」

三「古美門…」

古美門「泣かせたり傷つけたり余計焦って
傷ついた顔を見る度『まだ好かれている』って安心していたが…
最近笑わなくなって…なんでだろうな。」

井「なんでって…」

三「自覚があるようで無いんだな…」

三「はぁ~くそっ
…なぁ古美門そんな事俺達なんかに話してないで
あの子にちゃんと話してあげたらどうだ?」

井「そうですよ!一番の近道ですよ!」

古美門「それは嫌だ。」

三「何でだよ」

古美門「恥ずかしい。私はナイーウ”でピュアなんだ」

古美門「ホースのように図太い神経を持っている君たちには分からないかもしれないが」

三「」

井「…」グイーッ

井「~!~!!」

三(いいなー酒乱。ちょっとだけ羨ましいぜ)

古美門「…分かったちゃんと話す」

古美門「なら…今から呼ぶからな。」

三「え 今からか!?」

井「いやそういうのは二人きりの方が…」

古美門「いや、やると決めたら早い方がいいだろう。」スック

三・井《〈嫌な予感しかしない…〉》

黛「あ ど、どうも」ペコッ

井「ど、どうもー…ハハハ…」

三「わ、悪いな急に…」(本当に連れてきやがった…)

三「さ、座って座って…」

黛「あ あー…
でも…えっと…」

古美門「いいから来い。こっちに座れ。」

黛「!?」

黛「と…
隣に座っていいんですか!?」

黛「か、かなり近いですけど…
あの…」

古美門「いいから早く座れ」

黛「は…はい!」

黛「…」ソワソワ

黛「…っ」ぐすっ

古美門「いちいち泣くな鬱陶しい。」

黛「はっ…すみませんっ…」

三・井《〈隣に座われただけで感涙している…!〉》

井(かわいそうっ可哀相すぎる!!
初々しいってレベルじゃねー!!)

三(あまりにも不憫だ…
これ別れた方がハッピーエンドなんじゃあ…)

三「ほ…ほらよ、よかったらこれ食え、これ!
奢りだから!若いモンが遠慮すんな!!」

井「そ、そうそう!これなんか旨いよ!」

黛「あ…すみません、」
(なにも分からない内に来たから怖かったけど…
皆さん優しい…)パアァ

古美門「…」

三「い、いやー!驚愕だな!古美門に彼女が出来るなんてな!」

井「しかも相手が、同棲もしてるんですよね!
よっぽど好きじゃなきゃあ、無理ですよねー!!」

古美門「別に」

《〈えー!〉》

古美門「同棲ってなんだ…同居で十分だ。
面倒だからとりあえず一緒に住んでるだけだ。気持ち悪い言い方するな。」

黛「は、ははは…で、ですよねー…はい…。」

井「ゴホンゴホンガハガハッ!!」

三(はっ)「い、いやー!しかしアレだな!
よく見ると…えーと!そうだ!可愛いな!」

井「そ、そうそう、派手ではないけど華があって…」

黛「え…そ、そんな///」

井「またまたー!ほら、仕草とか女らしいし!
こ、古美門先生もそんなとこが好きになっちゃったのかなー!?」

三(千葉!ナイスパス!古美門!今度こそ決めろよ!)

古美門「…ハッ
…女らしい?いつまでも幼児体型でガニ股な女がなぁ…」

古美門「いっその事開き直ればいいのに…
本当、中途半端だな…君は…」

黛「…っ」ポロッ

黛「あっ…す、すみません!なに泣いてんだか…はは!」ボロボロ

黛「…ごめんなさーい!!」ダッ

三・井「ま、黛~!!」

古美門「あ」

三・井「なにやってんだー!?」

古美門「息ぴったりだな」

三「どうでもいい所拾ってんじゃねー!!」

井「黛先生の心つかめやー!!」

井「アンタなにやってんだー!?」

古美門「ヘラヘラして不快だった。
私にはおびえる癖に…」

井「ったりめーだろ!
いっちょまえに嫉妬しやがって!!」

古美門「してない」

店員「お、お客様少し声量を小さく…」

井「だいたい何でアンタ腰どっしり下ろしてんだ!!
足を机に乗せるな!
追いかけろよ恋人泣いて逃げてったんすよ!?」

古美門「そんな必死感だしたら幻滅だろう。伊藤。」

井「井出です!恋っていうのは格好悪くていいんです!
好きな人に…好きな人の為に必死にならなくてどうする!」

ピュ~♪「言うねぇ兄ちゃん」

井「なに言わせてんですか!!うわーん!」カアァ

古美門「…井手」

井「…なんですか」

古美門「…
やっぱりあのポンコツの泣き顔の方がそそる…。」

井「今そういうのはいいんだよっ!」

井「ほら見てくださいっ!三木先生がいつの間にかいませんよ!
アンタのためにフォローにいったんですよ?」

古美門「ほぉ…」

井手「ほぉじゃねえ見習えー!」

ー公園

三「あのだなぁ…
奴も悪気があってやっているわけじゃないんだ…たぶん…」

黛「…はい」

三「ただ素直じゃないって言うか…」

黛「…今日、三木先生達に改めて紹介して貰えて…
ずっと冷たかったので…罵倒とかいろいろ言われたり…
やっと、やっとー…認めて貰えた気がして…」

黛「嬉しかったんです!け…ど…」

三「…」

黛「やっぱり…あれですよね…
図々しいですよね…私。
図に乗るなよって、釘を刺したかったんでしょうね…はは…。」

三「…っ」

三〔心が痛い!ああ…本当のことが言いたい!
でもっ…古美門の口から言わないと意味が…
しかしアイツっ…!
照れ隠しの名の下にとんでもないことしてやがるし…!〕ズキズキ

古美門「…」ザッ

黛「あ…先生…」

三「謝りにきたんじやないのか?」

黛「え?」

三「じゃあ俺はここで…」

黛「え”っ」

三「?」

黛「あ…あの…謝るとかじゃないと思うんです。
そんなこと今までにだって一度も…
お、追い打ちというか、止めを差しにきたんだと…」

三「…」

黛「お、追いかけてくるくらいだから、
きっとドギツイ事を…」ダラダラ

三「…っ古美門!」

古美門「!」

三「テメェなにボケっとつったってんだ?
…見ろっこの有り様を!
恐怖が限界に達して落ち着けようとたどたどしく素数を数えているぞ!」

黛「1…3…6…?」

三「しかも間違ってる!
…傷つけすぎだ。その内本当に壊れちまうぞ!
バシッと言え!男だろ!」

古美門「黛…」

黛「は、はいっ…」ビクッ

古美門「君に言いたいことがある。」

黛「…え?
き、聞きたくありませんねー…なんて…出来れば…」

古美門「…」

井《あっコッチ見ました!クラスの女子泣かした男子小学生みたいに!》

三《いいぞ古美門!成長している!》

井《そのままぶちゅっといってください!》

三《ハグだ!抱き寄せろっ!》

古美門「…黛っ」

ぐいっ

黛「はっ…え?」

古美門「これでいいのか…?」ボソ

黛「? ? ?」

古美門「今まで…悪かった。」

黛「!」

古美門「君の前で余裕ぶりたくてつい…。
私も君のことをー」

三《なんだかいい雰囲気だな…》

井《どうでしょう、今までしてきたことがしてきたことですし…》

黛「っ…一生ついていきます!」

井《許した!あっさり!》

三《ヌルイ!甘い!チョロイ!》

黛「先生、そろそろ離してください、恥ずかしいです…」

古美門「誰も見てないだろ…」

三・井《〈ぬけぬけとよくも、まあ!!〉》

古美門「ずっとこんな風にしてやりたかった…」

黛「先生…」ギュ

ー井手

ーなんでしょう?

ーこれから飲みに行かないか

ーはい是非。

ー朝までお供しますともー

            【完】

蘭丸「明日はバレンタインだねー」

羽生「うん。」パクパク

蘭丸「…」

羽生「…」パクパク

蘭丸「なんで晴樹は既にチョコレート食ってんだよ!」

羽生「へ?行き着けの店の女の子が明日僕が来れないからってくれたんだけど」

蘭丸「相手の都合すら関係ないのかお前のイケメンは!」

羽生「蘭丸だってチョコの一つや二つ…」

蘭丸「格が違うんだよ!
俺もいってみてぇよモテゼリフ!
『芸能界には興味ない』って!」

羽生「僕も一度も言ったことないよそんな事…
ていうかまだ始まったばっかだからそんなこと言わないでよ…
まだ分かんないでしょ?諦めないでよ!」

蘭丸「かなぁ」

羽生「とりあえず女の子と会話したら?」

蘭丸「してるよ毎日毎日…」

羽生「そういえば服部さんがいるじゃないか、優しい優しい…」

蘭丸「そんなおふくろからの義理は嫌だ!」

蘭丸「いや義理でもいいけど行為も欲しいー
でもゼロは嫌だージレンマー」しくしく

蘭丸「どうせ自分の好きな人は僕の目の前でチョコ渡したりするんだろーなー」

羽生「それは諦めなよ脈がないんだよ。それは」モグモグ

蘭丸「ああー言うなー食うなー」

蘭丸「ていうかさー晴樹はくれないの?僕に。チョコ。」

羽生「え~何で男に~?」

蘭丸「いいじゃん。少し恵んでよ~」

羽生「自分で買ってよ…」

蘭丸「なかなか鬼畜な事を仰る!」

蘭丸「なんだよーいいもんね。僕先生に…」 

羽生「先生に…?何?」ガタッ

蘭丸「な、なんで立つんだよんでもないよ。」

羽生「…はぁ
いいよ。分かった。やるよ。
誰からももらえなかった場合ね。」

蘭丸「マジで!?」パッ

蘭丸「やったー!一個確保ー!ありがとう晴樹ー!」

羽生「完全なる同情だよ…喜ばないでよ…」

↑ありがとう。
古美門と黛くっつけると羽生が出にくくなってしまうので
くっつくくっつかないでゴチャゴチャさせてるけど読みにくかったら申し訳ない。

古美門「バレンタイン、か…
ふ、製菓会社の策略にまんまと踊らされて…哀れな奴どもだな!」

黛「哀れなのは先生です!」

古美門「なんだとぉ?私の何が間違っていると言うのだ」

黛「そういうのは誰かにチョコ貰ってから言ってくださいよ。」

古美門「…」

黛「もうすぐ今日も終わりですよ?チョコ何個貰えました?」

古美門「…」

古美門「黛、君は何も分かっていない…」

黛「は?」

古美門「たくさん貰ってる奴が言うと嫌みになるからな!」

黛「だから貰わないと?」

古美門「正解だ。」

黛「決して貰えない訳じゃなく?」

古美門「当然だ!」

黛「嘘つき!」

古美門「嘘ではない!」

黛「だいたい先生は…」

ギャーギャー

蘭丸「…」

蘭丸(相変わらず仲がいいなー)

羽生「相変わらず仲良しですね、
二人とも。ねたましいくらい。」

黛「は、羽生君!」

古美門「ジーザス!!」

羽生「先生、お久しぶりです。」

古美門「もう来ないかと思ったのに、懲りずに来たのか…」

羽生「今日は何の日かご存知ですか?」

古美門「さ、さぁなー…黛、君は分かるか?」

黛「い、いや、分かりません!」

羽生「そんなに警戒しなくてもいいじゃないですか…
今日はバレンタインデーです。
先生のために、店で並んで買ってきたんですよ、これ、食べてください。」

古美門「悪いが私は甘いものは苦手なんだ。」

羽生「…そうですか残念です‥。」

羽生「せっかくのゴディバで限定品のチョコを買ってきたんですが…残念です…」

古美門「貰おう。」

黛「先生ー!!」

黛「ダメ駄目だめです!羽生君帰ってほら!」グイグイ

羽生「何するんだい真知子ー!恋愛はフェアで行こう!」

黛「何がフェアだ!先生には●●プまがいな事ばっかり!!」

羽生「嗚呼…先生残念ながら時間です…」

古美門「そうか、じゃあな。」

バタン

羽生「…」

古美門「ゴディバ…」

黛「先生は現金すぎます!」

古美門「じゃかあしい!この朝ドラ!
折角のゴディバを!私のゴディ…
…あ?」

黛「…どうぞ」

古美門「なんだこれは?」

黛「チョコです!どうぞ!」

古美門「はっあ~?
何だ急に色気づいて…」

黛「う…」

古美門「…まぁでも貰ってやらないというわけにもいかないな」

黛「…っ!」パアァ

古美門「なんだその顔は…
受け取るだけで食わないからな」フン

黛「なっ!食べてくださいよ!
一生懸命作ったんですよ!?」

ギャーギャー

蘭丸(素直じゃないなー先生も。)クスクス

グッグツ

井「…あのー」

沢「何か?」

井「何をさっきから作られて」

沢「ぜんざいですけど?」

井(やっぱり…)
「い、いやぁ…珍しいなぁと…」

三「俺が頼んだんだなんか文句あるのか。」

井「わっ先生!」

沢「おかえりなさいませ。
もう出来上がってますわ。」

三「おう。」

井「三木先生…っい、いつの間に…!?」

三「ぜんざいって言うのはなぁ、寒いときに食べるからこそ旨いんだよ。
今日ちょうどバレンタインだし」

井「丁度いいんですか!?」

三「おまえほんっと空気読めねぇよなー」

井「す、すいません…」

三「ま、いいや。おまえも食うか?」

井「えっい、いいんですか!?」

三「な、沢地君。」

沢「構いませんけど…」

井「っ~!」ジーン

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

井「うっ…」
(クッソ不味いがな!!)

井(え~なになに、なにこれ沢地さんってそうだったの~!?
なんだこれマッズッ!餅が特に!)

三「旨いな…温かいし」

沢「えぇ。」

井(…でもこれで不味いとか抜かしたらまた空気読めない奴扱いされるし…最悪解雇されるかも…
なによりこの暖かい雰囲気を壊してしまっては駄目だっ…!)

井「お、美味しいです!いや~!
お口の中が幸せ幸せ」

沢「あら有り難う」

三「そうか良かったな!」

井(よし…いい雰囲気だ!気分は最悪だけど…)
ー・ー・ー・ー・ー・ー・
沢「完食…してましたわね…」

三「あぁ…中に練り消し入れといたのに…気づいて…なかったのか…」

黛「蘭丸君っ!」ゴソゴソ 

蘭丸「なに?真知子ちゃん。」

黛「はいっ!ハッピーバレンタイン!」

蘭丸「え…」

黛「あれ?甘いもの苦手だった?」

蘭丸「いや!違う違う!貰っていいのー?
ありがとー!真知子ちゃん!
じゃ、お疲れ~」

黛「お疲れなさーい!」

蘭丸「~♪」

蘭丸「あ」ピタッ

蘭丸(羽生との約束…)

蘭丸「…」

羽生「あ!蘭丸!」

蘭丸「は、晴樹!」ビクッ

ボト

蘭丸「あ」

羽生「…なーんだ、貰えてるじゃん。ちゃんと。」

蘭丸「いや、あの…」

羽生「やっぱ紀優だったんだよ!」

蘭丸「ま、まあ…」(思いっ切り義理だけど)

羽生「やっぱ蘭丸はモテるな~!」

蘭丸「いや、おまえから言われても嫌味にしか聞こえないから。」

羽生「そうだ蘭丸これ食べる?ゴディバ。」

蘭丸「いらねえよ!それ先生に渡すハズだった奴だろ!
変な念がこもってそうだし…」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom