小鍛治「魔法少女すこや☆マジか?」(135)

福与「すこやん、すこやん」チョイチョイ

小鍛治「何?」

福与「今度の企画なんだけど」

小鍛治「……『魔法少女』?」

福与「やって?」キラキラ

小鍛治「やらないよ!!」

福与「お願い!この通り!」

小鍛治「何でそんな必死なの…」

福与「今度多くのプロを呼んでのトークショーって企画があるの」

小鍛治「うん」

福与「すこやんにはこれで出て欲しいかなって」

小鍛治「出ないよ!」

小鍛治「私だけコスプレっておかしいでしょ!」

福与「冗談冗談~ホントはこっちのほうなんだよねー」

小鍛治「えっと?『アラフォープロは魔法少女ならぬ魔ホ○処○だった!?』」

小鍛治「『徹マンπプッシュで、あったかいのいっぱ~い!!』

福与「~」キラキラ

小鍛治「企画物じゃん!!」

小鍛治「出ないよ!!」

福与「ね、お願い一回だけでいいから一回だけ!」

福与「出さないから!(世には)出さないから!」

福与「すこやん!」チラッ

小鍛治「もう言い方がイヤだよ!」

小鍛治「ていうかそんなことで土下座しないでよ!!」

小鍛治「ていうか絶対イヤだよ!」

福与「私もすこやんが誰かのものになるのはイヤだよ!」キッパリ

小鍛治「え…///って感動的に言わないでよ!!」

福与「まーぶっちゃけこれもジョークなんですけど」ケラケラ

小鍛治「帰るよ!!」

福与「まってすこやん。こっからが本番なんだよ、今までのは前座で」

小鍛治「もうお腹一杯だよ!!」

福与「いやーコスプレトークショーってのはどこまでが本当かって言うと」

小鍛治「うん」

福与「まぁ、魔法少女の辺りまでは本当かな?」

小鍛治「一番イヤな部分だよ!!」

福与「いやー実はすこやんに取材に行って来てほしいんだけど、相手が若いから溶け込めないかと思って」

小鍛治「自然と溶け込めるよ!!」

福与「いやそれは…」

小鍛治「ごめん私も興奮してた…」

小鍛治「ていうか私が取材するの?」

福与「うん。まだ相手は決まってないんだけど。今度の大会の優勝校にね」

小鍛治「コスプレで?」

福与「コスプレで」

小鍛治「最悪のパターンだよ!」

福与「ぶぶー、私なりに考えたのに」

小鍛治「もう少し真面目に考えてよ」

福与「でも最近は結構アニメとか見てるんですよ、若い子は」

小鍛治「倒置法で強調しないでよ!!」

小鍛治「私も見てるよ!!」

福与「そこに、颯爽と現れる小鍛治健夜!しかしその衣装は彼女達にも馴染みのあるコスプレ!」

小鍛治「むしろ不審者だよ思うんだけど」

福与「もー自信なくしちゃダメだぞ!すこやん」

福与「とりあえずどこかのお店を借りてそこで食事を交えつつ交流」

福与「う~んこれで視聴率はババンとUP間違いなし」

小鍛治「そんなのどうでもいいんだよ!!」

福与「でもでも、すこやんさっきの言い方からして何のコスプレか知ってるんでしょ」

小鍛治「ま、まぁね」

福与「うーんじゃあOK」ペロ

福与「意外とあのピンクの少女と共通点多いしねすこやん」

福与「えっと、まず実家暮らしでしょ?あと…えっと…あの…」アセアセ

小鍛治「辛いから言いよどまないでよ!!」

小鍛治「もう一度考え直したほうがいいよその企画」

福与「そんな~もう時間もないから無理だよ」

小鍛治「ていうか何で事後報告」

福与「だってこんな企画するなんていったらすこやん絶対断るじゃん!」

小鍛治「確信犯だよ!」

小鍛治「誤用だよ!!」

福与「そんな我がままばっかり言ってると、もうお仕事持ってきてあげないよ!!」

小鍛治「こーこちゃんからは貰ってないよ!」

福与「とにかくさ、もうこうなったらやるしかないわけなんだよ」

福与「すこやんも腹くくってね」グッ

小鍛治「何で私のせいみたいになってるの!!」

福与「とりあえず予行練習だよ!予行練習!」

小鍛治「予行練習って」

福与「まーどこが優勝するとはまだわからないけどね。すこやんの為に私も一肌脱ぐよ!」

小鍛治「私は着るけどね!」

福与「うまい!」

小鍛治「別に嬉しくないよ!!」

福与「とりあえず、優勝候補の白糸台を相手にすることは想定してもいいかも!」

小鍛治「そんなほかの高校だって頑張ってるんだから」

福与「まーそれはそれ、これはこれ」

福与「私が白糸台の選手で、すこやんははいこれ、着てきてね」

小鍛治「今は着ないよ!!」

照(福与)「さあ!みんな!優勝おめでとう!」キラキラ

尭深()「今日はインタビューの日ですね」クイッ

淡()「はわわ~緊張しましゅ~」

菫「くだらぬ…」

誠子()「やってやるぜー!!」

小鍛治「性格ぐらい掴んでからやろうよ!!」

福与「だって~白糸台の人よく知らないし」

福与「見た目と名前と私の趣味で決めさせてもらいました!」グッ

小鍛治「アナウンサー失格だよ!」

福与「まぁまぁとりあえず質問の形式だけでも頭に叩き込んでよ」

小鍛治「もうやることになっちゃってるよ!!」

菫しくった


小鍛治「えっと、それでは白糸台の皆さん、優勝おめでとうございます」

照()「はい!ありがとうございます!!」キラン

小鍛治「…えっと今回の優勝、その原動力となったものは何かありますか?」

菫()「無だ…」

淡()「お空に輝くお星様ですぅ~」

小鍛治「インタビューにならないよ!!」

福与「あっれ~こんな感じじゃないかな?」

小鍛治「多分全て違うと思うけど…」

福与「むむ~~……」

福与「……まいっか。とりあえず続けよ」

小鍛治「何もよくないよ!!」

小鍛治「えっと…」

福与「好きな食べ物はなんですか、だよ」ヒソヒソ

小鍛治「凄い質問しにくいんだけど…好きな食べ物はなんですか?」

菫()「…えと…無だ」

尭深()「…あの…お茶です」

小鍛治「考えて思いつかないならやめなよ!!」

福与「あーダメだ」

小鍛治「事前調査が足りないみたいだし、やっぱり私やめるよ」

福与「それはやめてくださいよ!」

小鍛治「なんで敬語…」

福与「もうー白糸台はいいや。多分優勝は千里山だよ。千里山の練習しよ」

小鍛治「なんでやねん!!」

小鍛治「こ、こんにちは~」

怜()「きゃ~あの魔法少女のコスプレやで~」

竜華()「きゃ~ホンマや~」

泉()「キャハキャハ~」

セーラ()「ホンマや~うけるわ~」

フナQ()「あかん~腹痛いわ~キャハハ」

小鍛治「印象最悪だよ!!」

小鍛治「じゃ、じゃあまず優勝したことの感想を一言ずつ」

怜()「え、その質問はアレやろ…」

竜華()「それは、ホンマにアレや、その」

セーラ()「ホンマ、それは…アカンわ」

泉()「あーそれはアカン、アカン」

フナQ()「ホンマや…」

小鍛治「喋れないなら無理しなくていいから!!」

福与「だってこういうのはリアリティーを求めないと」

小鍛治「むしろなかったよ」

福与「でもこれじゃあ千里山の練習は無理だね」

小鍛治「どこも無理な気がするんだけど」

福与「でも念のためすこやんは関西弁覚えたほうがいいかも。標準語で話したらぶぶ漬けだされちゃうよ」

小鍛治「認識最悪だよ!!」

福与「とりあえず知ってるところなら新道寺があるから、練習しとく?」

小鍛治「何か優勝しないみたいな言い方だよ」

福与「でも福岡かぁ~」

福与「おいどん?おまん?ですタイ?」

小鍛治「もう不安だよ!!」

煌()「お~どもどもこんにちは」

哩()「本日はご苦労様でありますタイ」

姫子()「お疲れ様であります」

美子()「すばらであります」

小鍛治「どういうキャラ!!」

小鍛治「あの、皆さん何かご趣味は?」

煌()「麻雀こそが私たちの道ですタイ」

哩()「その通り」

姫子()「おっしゃるとおりですタイ」

美子()「ごもっとも」

小鍛治「一番やりにくいよ!!」


煌()「ところでプロは普段からそのような格好を?

小鍛治「え?あ、魔法少女設定なんだよね」

小鍛治「えっと、普段はしてませんけど」

哩()「ということは、この場は普段は着ないような格好で来てもかまわないとお考えになったということでしょうか」

姫子()「聞けばプロはご実家にお住みになっていられると」

美子()「ご両親のお気持ちを考えられたことは…?」

小鍛治「何で責められてるの!!」

福与「焼き鯖でしょ?」

小鍛冶「焼きそばだよっ!」バンバン!

小鍛冶「焼いたっ!そばだよっ!」バンバン!

福与「あははー冗談冗談」

福与「でもこれはかなり効果的な練習だったはず!!」

福与「これでいつ心の傷に触れられても対処することが出来る!」

小鍛治「そういう練習じゃないでしょ!」

福与「ところで…ご両親のお気持ちを考えられたことは?」

小鍛治「申し訳ない気持ちで一杯だよ!!」

福与「これで新道寺が優勝しても準備は完璧」

福与「あとは、阿知賀しか知らないんですけど私」

小鍛治「私も、長野に強いところがあるって聞いたけど」

福与「それじゃあとりえず阿知賀を想定して!」

小鍛治「大丈夫?」

福与「大丈夫大丈夫、阿知賀の子たちは他と比べて特徴少ないから」

小鍛治「言わないであげてよ!!」

小鍛治「まずは先鋒戦の松実玄選手、今のお気持ちは」

玄()「はい、えっと、嬉しいです」

小鍛治「おねえさんの宥選手は」

宥()「はいあざす、嬉しいす、はい」

小鍛治「…中堅の新子選手は」

憧「っすー、ども」

小鍛治「何か言ってよ!!」

福与「うーんそういわれても阿知賀の選手ってどんな人だったのか」

小鍛治「それアナウンサーとしてかなりまずいんじゃ」

福与「そもそも大将の顔が出てこないんだよねー」

小鍛治「大将はあの、えと、元気のある、えと」

福与「私なんて阿知賀の監督が昔すこやんにトラウマ植えつけられた人ってことしか覚えてないもん」ケラケラ

小鍛治「私のせいみたいに言わないでよ!」

小鍛治「私のせいだけど!!」

福与「まあー特徴のない高校には無難な質問しておけばいいから」

福与「とりあえず質問の内容とかは覚えといてよ」

小鍛治「もうやることになってるし」

小鍛治「えと、『ご実家ではどのようにお過ごしですか?』『ご近所ではどのように呼ばれているんですか?』」

小鍛治「『働かないで食べるご飯は何が好きですか?』」

小鍛治「ハンバーグだよ!」

小鍛治「あと働いてるよ!!」

小鍛治「これ相手にする質問じゃないでしょ!?」

福与「あはー少しくらいジョークも混ぜないと~」

福与「すこやん、ウィットに富んだ質問っていうのが大切なんだよ?」

福与「アメリカンジョークってやつ?」ケラケラ

小鍛治「ブラックジョークだよ!!」

福与「ま、質問はいいとして」

福与「問題はあと残り少ない日数ですこやんに魔法少女になりきってもらうことだね」

小鍛治「なりきるって?」

福与「もしコスプレしたとしてそれが適当だったら相手はどう思う?」

福与「『あぁ~私たちはこんなコスプレ見るために優勝したのかぁ』って悲しんじゃうよ」

福与「このコスプレインタビュー、いい加減な気持ちじゃできないんだから!!」

小鍛治「全身でいい加減を表してるよ!!」

福与「まず衣装だよ、無難にピンクで責めるか」ゴソゴソ

小鍛治「持ってきてたんだ」

福与「ヘソ出しの青もあるし、すこやんには黒かな?」

福与「胸袋つきの黄色もあるけど…」チラッ

小鍛治「…?」

福与「ン…」

小鍛治「ねえ!人見て肩すくめるのやめて!!」

福与「よし!色はピンクにしよう」

福与「共通点もあるし」

小鍛治「どこ見ていってんの!///」

福与「そうなるとアイテムに弓を持ってほしいけど」

小鍛治「麻雀と弓は全然関係ないものだから、インタービュー中はもちろん対局中にも使っちゃダメだよ!!」

福与「は?」

福与「どうしたのすこやん急に」

小鍛治「ごめん、今はちょっとどうかしてた」

福与「でも弓もってアーチャーに間違えられたら大変だし、キャスターならまだしも」

小鍛治「魔法使いじゃないよ!!」

福与「そこでこれ!」バッ

福与「『愛情注入棒~』」ドラチャ~ン

小鍛治「ってただのステッキだよ?それ」

福与「魔法少女すこやは悪に対してこれで素直になあれ☆素直になあれ☆ってやるわけだよ!」

小鍛治「孤立するよ!!」

福与「まま!とりあえず一回持ってポーズとってみて!」

小鍛治「ええ!?」

福与「こうくるっと回ってキラッと」キラキラ

小鍛治「そ、そんなに見つめられても」

福与「でも最近コスプレする人って結構凝ってるんだよね、若いと」

小鍛治「やるよ!!」

小鍛治「じゃ、じゃあ行くよ…」

福与「何でそんなドキドキしてるの?」

小鍛治「っえい!」

小鍛治「マハリクマハリタ、ナトカカントカ!」クルッ

小鍛治「あ、愛情っ注入///棒///」

福与「ごめん自分で言って照れられても困るって言うか」

小鍛治「恥ずかしいんだよ!!許してよ!!」

福与「…企画、失敗したかも」ズーン

小鍛治「見た途端落ち込まないでよ!」

福与「いや、正直すこやんがここまで、あっ何でもない」

小鍛治「言ってよ!」

小鍛治「やっぱわかってるからいいよ!!」

福与「…まさかすこやんが見てたのが白黒時代だったとは」

小鍛治「カラー放送だよ!」

福与「月に代わってだったらまだしも…」

小鍛治「やろうか!?」

福与「じゃ…いや、やっぱいいや」

小鍛治「ですよね!!」

福与「…よしとりあえずここまで来ちゃったものは仕方ない!」

福与「すこやん、もう堕ちるところまでは堕ちたんだよ」

小鍛治「何その言い方…」

福与「こうなったらダメで通す、もうそれしかないよ!」

福与「もう笑いが取れればなんでもいいから」

小鍛治「道化だよ!!」

福与「まずは衣装!!」

福与「これはヘソ出し青に変更!まず見た目で入る!」

小鍛治「ええ!?///」

福与「次にアイテム!ここで意表をついてスカートから銃を取り出しまくる!」

福与「そのスカートから覗くすこやんの!、あっ何でもないです」

小鍛治「言ってよ!」

小鍛治「何が覗くの!!」

福与「~~~~で、語尾には『DEATH』で合間に『おろろ~』」

福与「これで“究極の生命体”(アルティメット・シング)すこやんの誕生だッーっ!」

小鍛治「…もうついてけないんだけど」

福与「とりあえず、恥ずかしいとかそういうことを捨てること!」

福与「恥じらいなんてのは乙女だけの特権なんだから」

小鍛治「そんな!///恥ずかしいよ!!///」

福与「さぁ!そうと決まればすこやん!!」ジッー

小鍛治「はぁ!?///ちょ何カメラ回してるの!?///」

福与「もう時間がないんだから、少しでもカメラ慣れしないと!」

福与「さあそこの衣装に着替えて。セリフはさっきの通り!」

小鍛治「でもいきなりは///」

福与「すこやん!これは遊びじゃないんだよ!?」

小鍛治「仕事でもないけどね!!」

小鍛治「おろろ~質問は以上DEATH///。えと、刹那で忘れちゃった、まぁいいかこんなインタビュー///」

福与「カットぉ!!すこやん最高だよ!良い画撮れたよー!」

小鍛治「えへへ、そうかな?」

福与「うんうん!…でも」

小鍛治「どうかしたの?」

福与「そういえばなんだけど。結局、私たちは何のコスプレでインタビューに行くんだっけ?」

小鍛治「おい!!」


  おしまいだよ!!

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