エルヴィン「世界の果てまで行ってよし」(1000)

エルヴィン率いる調査兵団の面々が、常夏の島やら極寒の地やらさまざまな場所で羽目をはずします

実際は海やらみたことがない彼らですが、パラレルってことで許して下さい

楽しそうでいいじゃない

期待

調査兵団の団長室はいろんな意味で今日も騒がしい

ハンジ「さあ今夜も始まりました!!削ぎ削ぎ調査バラエティ、世界の果てまでいって」

エルヴィン「よし!!」

ハンジ「今日は常夏の楽園で、美味しいもの食べるよ!!」

リヴァイ「ほう、それは楽しみだ、しかしお前らといくのは気が進まん
嫌な予感しかしねぇ」

ハンジ「またまたあ、いやよいやよも好きのうち~リヴァイそんなにわたしの事が!!でも私には心に決めた(巨)人が!!だからごめんなさい!!」

リヴァイ「…どんな解釈してんだ。さすが奇行種」

エルヴィン「リヴァイ、そうだったのか、意外な趣味だな」

リヴァイ「…俺にも選ぶ権利くらいブツブツ」

ハンジ「さあ外野はスルーして、行くよ~!それ!」

ぴよーん三人はハンジのつくったどこでもワープ装置で移動した

ハンジ「さあ、ここは南半球のおっきい島、オーストラリアだよっ!!」

エルヴィン「ざっくりした説明だな、ハンジ」

リヴァイ「くっそあつい、はえがたかってくる」

ハンジ「オーストラリアはおっきいんだ!!ここはその中心付近に位置するエアーズロックだよ!!」

リヴァイ「ほう、あの巨人の寝床みたいなデカイ岩か」

エルヴィン「確かに暑いな、はえがよってくる。おかしいな、風呂には毎日欠かさず入ってて不潔ではないはずなんだが」

リヴァイ「不潔の代名詞ハンジにははえがよりつかねぇのもおかしい、っ目にはえが入ってきた…」

ハンジ「あ、そうそう忘れてた!!ここは砂漠気候なんだ、暑いしはえが多い。はえは水分によってくる。だから目に目掛けて飛んでくるんだ。ちなみに…」

ハンジは香水のようなビンを取り出した

エルヴィン「ハンジも香水をするようになったんだな…感慨深い」

リヴァイ「今さら香水なんぞふったところでクソババア臭は消せねえ」

エルヴィン「またまた、その匂いも好きなんだろうブオワッ!!」

ハンジはエルヴィンに向かって大量に香水を噴射した

リヴァイ「なんだこの匂い、香水じゃねえ…エルヴィンにかけたってことは、育毛…」

エルヴィン「…毛には不自由していない!!断じてだ!!」

ハンジ「はいはい、エルヴィンの毛が地毛かどうかはおいといて、これはユーカリのエキスだよ!!ちょっとくせがあるけど、ハエ避けになるんだ!!」

ハンジはリヴァイにもユーカリのエキスを噴射した

ハンジ「これであとは、このネットを頭からかぶってね」

ハンジが懐から出したネットを頭から被った三人は、エアーズロックの調査に赴くのであった…

ハンジ「エアーズロックに着くまでに、いくつか注意事項があるよ!!まずは絶対に登坂ルートから離れないこと。例えば帽子なんか落としても、ルート外に落ちたら近くでも拾わないこと。守らなくて落ちて亡くなる人いるからなめるなよ~」

エルヴィン「了解した」
リヴァイ「エルヴィンの帽子の中の毛は飛んだら生死をわけるから取りに行かなければ…グフゥ…」
エルヴィンの見事な肘鉄リヴァイにヒット!

ハンジ「立体機動しないこと。無闇に硬質ブレード振り回さないこと。突撃!!とかでかい声で叫ばないこと。順序を守って登ること。」

エルヴィン「突撃!!突撃!!」

ハンジ「…いい声なのはわかるけど、ここでは我慢してよ、エルヴィン、注目浴びてるし…」

エルヴィン「言ったら駄目だと言われると言いたくなるのが人というものだ」

リヴァイ「泣く子も黙る調査兵団の団長がこんなに天然だとは誰も気がつかないだろうな…」

エルヴィン「お前たちの前だけだ。安心しろ」

ハンジ「さあっついたよ!!エアーズロック!!おっきいだろ♪これは一枚岩なんだよ!!くっそでかいんだよ!!」

エルヴィン「登山口に看板があるぞ。なになに、アボリジニの聖地だから登るな…」

リヴァイ「アボリジニってどいつなんだ」キョロキョロ

ハンジ「アボリジニとは、ここに古くから住む先住民なんだ。エアーズロックをウルルと呼んで、聖地として親しんでるんだ」

リヴァイ「登って欲しくなさそうだが…いいのか?」
エルヴィン「背に腹は変えられんからな。観光で収入を得ている地域だから、登るのを禁止はできんだろうな。」

ハンジ「そうなんだよね、やっぱり登るっていう目的がないとここにくる人激減だろうしね」

エルヴィン「アボリジニに敬意を…さあエアーズロックに突撃!!」

右手を高々と掲げて登山口に突っ込むエルヴィン

ハンジ「おーー!」

リヴァイ「…タニンノフリタニンノフリ…」

>>2
コメントありがとうございます(^^)
オーストラリアに行った気分になって書いてます♪

エルヴィンに続き、ハンジ、リヴァイが突撃した…が

エルヴィン「おい君、そこをのいてくれないか」
登山口には屈強な男が仁王立ちしている

リヴァイ「どけ、削ぐぞ…」

ハンジ「ちょいまち!喧嘩売らないでよ!!」

二人を押し退けて何やらわからん言語で男と話すハンジ

リヴァイ「ハンジが賢くみえるな…」
エルヴィン「惚れ直したか?」
リヴァイ「だから何か誤解してないかてめぇ」
エルヴィン「ハンジはよく見たら美人だぞ、ちょっと新しいもの好きなだけだ。人類最強の男と似合いだと思うが」
リヴァイ「人類の希望である調査兵団団長さんとの方が似合いだ、クソめがねとはな」
エルヴィン「ありがたい申し出だが、私には決めた女性が…」
リヴァイ「いないことは知っている」
エルヴィン「…」

ハンジ「二人ともひっでぇ…いいさ後でモブリットに慰めてもらうもんね!!ところで、話しついたよ。今日は登れないそうだ」

エルヴィン「なぜだ、折角登りにきたというのに…」

ハンジ「風が強いんだ。風、雨、気温によっては登れない日もあるんだ。危険だからね」

面白そう。

リヴァイ「こっそり登ればいい、立体機動で…」

ハンジ「使うなってさっきいったろ!!馬鹿リヴァイ!!」

エルヴィン「いや、リヴァイならかがめば見つからずに行けそうだ」

リヴァイ「おう。俺は小さいからなってふざけんな!!」

ハンジ「いいかいあんたたち、約束事を守らないと、多額の罰金が課せられるんだ。50万円くらい支払わないといけないんだよ!!エルヴィンの給料いくらだよ、払えないだろ?!」

エルヴィン「一応団長だ。結構もらっているぞ。しかしほぼ調査兵団運営費に充ててるから貯蓄はない」

リヴァイ「俺も貯蓄はない。掃除道具を買い換えたり、きたねぇ壁紙張り替えたりしてたらいつの間にか…な」

ハンジ「うわあ、こんな男のとこに嫁には行きたくないよ…」

エルヴィン・リヴァイ「こなくていい」

ハンジ「…モブリットがいるからいいもんねーだ!!このハンジさんの良さがわからないなんて!!…とにかく、あり得ない額の罰金が課せられるし、あぶないからね、今日は諦めよう。明日朝三時に起きて、もう一度チャレンジしてみよう」

リヴァイ「朝はえぇな…つーか夜だよな」

エルヴィン「俺は平気だ。もともと早起きだからな」

リヴァイ「年食うと早起きになるからな。ジジヴィン」

エルヴィン「お前と変わらんお年頃だぞ。」

ハンジ「はいはいどんぐりの背比べはおいといて、お待ちかねのディナーにいこう。ちょっと移動するよ!!」

リヴァイ「お腹と背中がくっつきそうなくらい腹へった…」

エルヴィン「高級レストランのフレンチディナーな気分だ」

ハンジ「高級レストランじゃないよ、野外でバイキングなんだ。でも絶対に気に入るよ!!」

リヴァイ「野外って、壁外調査と変わらねえじゃねえか」

エルヴィン「フレンチディナー…」

ハンジ「くらぁ!!おまえらつべこべ言わずについてこんかい!!」

ハンジに首根っこ捕まれた二人は夕食会場へと連行…移動させられたのであった。

>>11
コメントありがとうございます!!
がんばります!
出演者増やしたいけどこの三人で手一杯になってます…f(^^;

ハンジ「さあ、あそこに見えるのがエアーズロックと共に聖地とされているマウントオルガ、だよ!!有名なジブ○映画の舞台になった所だよ!!通称風の谷!!」

リヴァイ「ほう。さっきのエアーズロックとはちがって、でかい岩がぽこぽこ並んで立ってるな」

エルヴィン「風の谷の~ナウーシカ~♪」

リヴァイ「エアーズロックにしろ、マウントオルガにしろ、どうやったらあんなでかい岩があんな風に立つのか不思議だ」

ハンジ「立つというか、雨風に削られて出来た地形だと言われているよ」

エルヴィン「風の谷のーナウーシカ~♪」

ハンジ「今日の夕食は、マウントオルガのサンセットを見ながら楽しもう♪」

エルヴィン「風の谷のー」

リヴァイ「なあハンジ、そろそろエルヴィンにつっこんでやれよ…」

ハンジ「やだよなんで私が…歌わせといたらいいよ、面白いし…」

エルヴィン「風の谷のーナウーシカ~♪」

リヴァイ「そうだな、いい声してるしな」

エルヴィン「風の谷のー( ;∀;)」

リヴァイ「チッ、涙目になるくらいならさっさとやめりゃいいだろうが」

エルヴィン「引くに引けなくなってな…もう少し団長に対して愛情をもってつっこんで…接してもらいたいものだ…」

そうこうしてる間に、マウントオルガに夕日が差し掛かってきた

美しい夕日を眺めながら、酒に料理に舌鼓をうった三人であった

いいね乙
続き楽しみにしてます

ハンジ「皆さんおはよーございます!皆さんお待ちかね、恒例の寝起きドッキリのコーナーですよ!!」

小声ではあるが、興奮を抑えきれないハンジ

ハンジ「さあて、まずは早起きと言ってたジジヴィン…もといエルヴィン団長の部屋へレッツゴー!!」

ハンジ「まずは、部屋の鍵をこじ開けますよ…、え、普通はマネージャーから合鍵をもらってるだって?残念だけどエルヴィンにはマネージャーは不在なんだ!!だからこうやって…グフフ…」

針金こちょこちょ…カチーン

ハンジ「ほらあいた!!入るよ~」

ハンジ「部屋は真っ暗だね、今午前1時。さすがのジジヴィンも眠っているようだよっぐへへ…」

ハンジ「ベッドがあるね、こんもり盛り上がってるお布団、この中に、いーるのかな~♪」

ハンジ、布団をまくりあげた!
「き、きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

エルヴィン団長は全裸で就寝中だった

リヴァイ「うるせぇぞクソめがね!!何時だとおもってやがる!!」
叫び声で目覚めたリヴァイがやってきた

ハンジ「エルヴィンセクハラだよ~(TT)全裸で寝てるなんてセクハラだよ~(TT)放送できないよ~(TT)」

エルヴィン「スヤスヤ…」

リヴァイ「別にまっぱで寝てようがエルヴィンの自由だろ!!俺は服着て寝る派だがな。だいたいお前が覗いたんだろ、セクハラはお前だクソめがね」

ハンジ「だって、旅のロケと言えば定番なんだもん…寝起きドッキリ…」

リヴァイ「つーかさ、普通は女の寝起きドッキリをやらねぇか?野郎のなんて誰にサービスしてんだよ」

ハンジ「私の寝起きドッキリに何かドキッとさせるものあるかな?」

リヴァイ「ねぇな、クソめがね」

ハンジ「クソクソいうなぁ!!クソちびリヴァイ!!」

エルヴィン「むにゃむにゃ…なんだ騒がしいな、痴話喧嘩なら自分のへやでやりたまえ…ぐーぐー」

ハンジ・リヴァイ「…」

かくして、ハンジのドッキリは失敗に終わった…

>>17
ありがとうございます♪
とても励みになります!!

ハンジ「…おはよー…」

リヴァイ「おう」

エルヴィン「おはよう!!む、ハンジ、元気がないが大丈夫か?ちゃんと睡眠とったのか?」

ハンジ「うー」

リヴァイ「エルヴィンのまっぱを見て興奮して寝れなかったんだなクソめがね」

エルヴィン「?なんの話だ?」

ハンジ「わーわー違うしそんなわけないしー!( ;∀;)」

リヴァイ「エルヴィン昨夜のこと覚えてねぇのか?」

エルヴィン「すまん、久々の酒で酔っぱらったのか、記憶がないな。何かあったのかな」

リヴァイ「ハンジがエルヴィンのまっぱをモグググ…」
リヴァイの口を手でふさぐハンジ

ハンジ「何もないよ何もない!うふふ…さ、気を取り直して…今日はおにぎりもってサンライズを見ながら朝食!!&エアーズロック登坂チャレンジだよ!!」

リヴァイ「ハンジはな、おまえの裸をだな…ゴニョゴニョ…」
エルヴィン「そうだったのか、ハンジ…」

ハンジ「ごーらぁぁ!!裸の話は終わったんだよっ!!リヴァイ適当なことをエルヴィンに吹き込むなっ!!」

リヴァイ「…フフン」
エルヴィン「ハンジ…///」

ハンジ「だ~っもう!!色ボケじじいどもっ!!」

エアーズロック登坂…できるのはいつになるやら…
頭を抱えるハンジであった…

ハンジ「エアーズロック登坂前に、ここから朝日を拝みつつ、おにぎり食べるよ!!」

ハンジは懐からビニールシートを取り出して地面にひいた
三人は並んでシートに腰を下ろした

リヴァイ「まだ真っ暗闇だな、腹もへってねぇ…クソねみぃ…」

エルヴィン「しかしハンジ、俺に夜這いにくるとはなかなか大胆だな。」

リヴァイ「プブ」(^w^)

ハンジ「…り、リヴァ~イ、エルヴィンに何吹き込んでんだよ~(TT)」

エルヴィン「深夜にこっそり針金で鍵をこじ開けて、部屋に侵入、ベッドに寝てる俺の布団をまくりあげた…んだろう?」

リヴァイ「そうだな。」

エルヴィン「そんな状況、どう考えても夜這いだろう」

リヴァイ「そうだな」(^w^)

ハンジ「ドッキリっていう状況なんだってばー!うわーん( ;∀;)」

エルヴィン「お前はリヴァイにモブリットだけでなく俺にまで手を出してくるとはな…贅沢な奴だ」

リヴァイ「俺は手を出されていない。クソめがねとは無関係だ」

エルヴィン「そんな風には見えんがなあ…いつも痴話喧嘩してるじゃないか。しかしハンジ、さすがに一人に絞ったほうがいいと思うぞ」

ハンジ「うわーん( ;∀;)モブリット~」

リヴァイ「モブリットが泣きたいと思うぞ」

エルヴィン「ハンジ、良く考えて結論を出せばいい。リヴァイも俺もモブリットも、お前を受け入れる覚悟はできているぞ」

ハンジのボサボサ頭を優しくなでるエルヴィン

ハンジ「ぎやぁぁ優しくするなぁぁ…」

リヴァイ「ちなみに俺はお前を受け入れる覚悟はできない。これからもずっとだ」

エルヴィン「いや、モブリットも含めて話し合わなければな」

ハンジ「エルヴィンそんなに真剣な顔して思案にくれるなよ~(TT)謝るから、勝手に部屋に侵入して裸みちゃってごめんm(__)m」

エルヴィン「…ははは、ハンジをからかうのは面白いな!!」

リヴァイ「クソめがね、エルヴィンの掌の上で踊らされてるな…なんか同情する」

ハンジ「エルヴィンひでぇ~(TT)モブリット~」

涙目のハンジの顔にかすかに赤い光がさしてきた。
エアーズロックが美しい朝日に包まれる幻想的な情景の中、三人は存在を忘れかけてたおにぎりに手を伸ばすのであった

3人のコントになごむ

>>26
なごむなんて言って下さってありがとうございます♪
嬉しいです!

ハンジ「さあさあ、ついにやってきましたエアーズロック登山口!!今日は登れるかな…」

リヴァイ「昨日突っ立ってたでけえおっさんは今日はいねぇな」

エルヴィン「小さいおっさんならいるがな」

リヴァイ「どこだ…?」

エルヴィン「ここd…ぐあっ!!」

ハンジ、エルヴィンの頭を思い切り後ろに引っ張った

ハンジ「いわせねーよ!!」

エルヴィン「ハンジ、なかなかやるな…」

ハンジ「今日は登れるね!!みんな昨日の注意事項は覚えて…」

エルヴィン「第2回エアーズロック調査を開始する!!前進せよ!!」

リヴァイ「声でけぇ…」
ハンジ「いい声なんだけどねぇ、時と場所を選んでほしいよ…」

とにもかくにも、やっとエアーズロックに登れる事になった調査兵団幹部三人であった

登山口からしばらくは普通に徒歩で登れるが、途中からは登山ルートに鎖が張ってあり、それを持ちながらの登坂になる。

鎖が命綱と言っても過言ではないほど急斜面
訓練や調査で鍛えられた三人でさえも、立体機動装置という使いなれた命綱がないので不安になるほどだ

リヴァイ「おい、クソめがね…」
ハンジ「なんだいチビァイ」
リヴァイ「チビァイってなんだ削ぐぞクソめがね…」

エルヴィン「…チビァイ、もといリヴァイ、鎖から手を離すな、落下するぞ…結構というかかなり急斜面だ。しかも滑りやすい、足元にも注意しろ」

ハンジ「そうだよ、なめるなっていったろ…」

リヴァイ「立体機動装置が恋しい…なんで装着を許可しなかったんだハンジ…」

ハンジ「いいかい、エアーズロックは聖地なんだ、石ころ1つ持って帰るのを許されない程だ。勿論自然を破壊することも絶対駄目だ。」

エルヴィン「立体機動装置のアンカーをさせないということだな。岩肌に傷をつける」

ハンジ「エルヴィン正解!話の解る上司だよ!」

エルヴィン「そうかリヴァイ、小さい体のお前には少々きついか…おぶってやろうか?」

リヴァイ「…全世界のちびを敵に回したぞエルヴィン…」

ハンジ「おんぶも駄目だよ!!真面目に登ってよ頼むからさ…」
でかいおっさんとちっさいおっさんの態度に頭を抱えるハンジであった…

エアーズロック登坂をはじめて一時間、やっと頂上にたどり着いた
小さい山に見えよう、しかし見た目よりずっと急勾配で、ハイキングではなくまさに登山!!といった感じである

エルヴィン「やっとついたな。凄い見晴らしだ!」
眼下を見下ろしながら大きくのびをするエルヴィン。

ハンジ「スーハースーハー…」

リヴァイ「ハンジどうした、酸素が足りねぇのか?」

ハンジ「いや、喉の調子を整えてるんだよ」

リヴァイ「喉の調子ってなにするつもりだ…?」

ハンジ「…あーあー」

リヴァイ・エルヴィン「?」

ハンジ「すぅー…ソニー!!ビーン!!そしてモブリットぉぉぉ!!」
がけっぷちに立って見事な敬礼をしたハンジは突然叫んだ

ハンジ「愛してるよーーー!」

リヴァイ「気が触れたか…ついに、いやいつもか…」

エルヴィン「モブリットより先に巨人の名が出たな…」

リヴァイ「モブリット…」

ハンジ「ふう、すっきり♪リヴァイもエルヴィンも、愛を叫んじゃいなよ♪ここは有名な《せかちゅう》の舞台でもあるんだよ!!主人公が愛を叫ぶんだ!!」

リヴァイ「せかちゅうってなんだ、わからねぇクソめがね」

エルヴィン「なるほど、《世界の中心で愛を叫ぶ》だな。確かに小説ではここで叫んだが、映画ではここでは撮影できなくて、少しはなれた場所で叫んだったよな」

ハンジ「…エルヴィン何でそんなに詳しいのさ…?」

エルヴィン「殺伐とした生活を送っていると、たまに泣きたくなる時もある。そう言うときに見るんだ。自然と涙がでるぞ。リヴァイ、君にもおすすめするぞ」

リヴァイ「全く興味がねぇ…」

ハンジ「しかし意外だなあ、エルヴィン泣くんだね。涙なんて一回も見たことがないよ」

リヴァイ「血も涙もない奴なはずなのに、せかちゅう…では泣くんだな」

エルヴィン「俺は結構泣くぞ。さだまさしの償いっていう歌を聴いても泣く。しかも号泣だ。」

ハンジ「泣いてみ・せ・てハァト」

リヴァイ「…スッ(ビデオかまえ)」

エルヴィン「こんなところで大の男が泣く訳がない。ましてやビデオなんか構えられて、万が一泣いたら一生ゆすられる」

ハンジ「えーつまんねぇ!!エルヴィンくっそつまんねぇ!!」

リヴァイ「チッ」

エルヴィン「まあでもいい機会だし、私たちも愛、は無理にしてもなにか叫んでおくか。記念だしな」

リヴァイ「俺はやらねぇ、めんどくせぇ…」

エルヴィンは右の拳をにぎると、見事な敬礼をした!!
「調査兵団団長エルヴィン・スミスはここに誓う!!どんな犠牲を払おうとも必ず人類を壁の中の籠から飛び立たせる!!自由の翼の名に懸けて!!」

ハンジ「かっけーエルヴィン、滾るわあ!!間違えて惚れそうになるよ~危ない危ない…」

リヴァイ「チッ…俺は絶対にやらねぇからな…」

エルヴィン「リヴァイ、命令だ」
冷たくいい放つエルヴィン

リヴァイ「( ´△`)イヤダ」

ハンジ「リヴァイ諦めなよ~あほヅラしても無駄だって」

エルヴィン「…」

リヴァイ「チッ…言やぁいいんだろ…」

リヴァイは意を決して大きく息を吸い込んだ…

リヴァイ「…ちびでなにがわりぃんだ!!誰にも迷惑かけてねぇはずだ!!ちびなほうが体が軽くて立体機動には適してんだよクソ女ども!!この体あってこその人類最強なんだよ豚どもっ!!だいたいバレンタイン人気投票でなんで俺がジジヴィンに負けんだよ!!納得いかねぇすべてやり直せ!!それからなあ…ぎゃーぴー…」

ハンジ「ねぇ、エルヴィン…いこ…」

エルヴィン「あ、ああ、かなり溜まっているようだし、言わせておいてやろう…」

ハンジ「タニンノフリタニンノフリ…」
エルヴィン「以下同文…」

必死に叫んでるリヴァイを尻目にそそくさとエアーズロックを降りるエルヴィンとハンジであった

ちなみにリヴァイは駆けつけたレンジャー隊(オーストリアの各地で治安維持につとめる、警察外の組織)に連行されたのであった…

ハンジが何やら電話をかけているのを尻目に、リヴァイはため息まじりにつぶやいた

リヴァイ「チッ…ひでぇ目にあった。俺より頭二つはでけえ男どもに口は塞がれるわ、わけわからん言葉でまくし立てられるわ…」

エルヴィン「お前がだまってやられるとは思えないが…」

リヴァイ「あたりめえだ。口塞がれた瞬間に相手をぶん投げた」

エルヴィン「相手が気の毒だな…というかだな、リヴァイ、意外だったよ」

リヴァイ「何がだ」

エルヴィン「いやあバレンタイン人気投票の結果を気にしていたとはな…ははは」

リヴァイ「うるせぇ!!だまれ忘れろ!!気になんてしてねぇ!」

エルヴィン「留守番してる団員たちにいい土産ができたよ、しばらくは退屈せずにすみそうだ」

リヴァイ「…てめぇ!!また俺をゆするつもりか!?団員に言うなよ!?」

エルヴィン「ははは」

リヴァイ「…てめぇいつか絶対に弱味握ってゆすってやるから覚悟しとけよ…」

エルヴィン「ははは、楽しみにしているよ。とりあえず、来年のバレンタイン人気投票はがんばりたまえ」

リヴァイ「…(TT)」

ハンジ「ふぅーやっと予約とれたよ!!」

エルヴィン「長い電話だったな。ご苦労。」

リヴァイ「何の予約だ?」

ハンジ「明日の夜のオプショナルツアーの予約だよ♪人気だから早めに予約とらなきゃいけなかったんだ♪」

エルヴィン「なんだかご機嫌だなハンジ。巨人の捕獲に成功した時のようだ」

リヴァイ「巨人博物館とかそんなげてものツアーじゃねぇだろうな…」

ハンジ「違うよ!!巨人じゃなくて、もっとかわいらしい子達だよ!!詳しくはナイショ~あー楽しみ(*^^*)」

エルヴィン「何にせよ、ハンジが喜ぶ顔をみるのは嬉しいだろうリヴァイ」

リヴァイ「だからてめぇ、クソめがねには全く興味がねぇっていってるだろ」

エルヴィン「まあまてリヴァイ、ハンジに優しくしておいたら、バレンタイン人気投票でお前に一票入れてくれるかもしれんぞ?」

リヴァイ「…テメェシツケェゾ…エルヴィン…」

エルヴィン「何だね、小声過ぎて聞こえんな」

リヴァイ「…」

やはり敵に回すと恐ろしい男エルヴィンであった

エアーズロックからの帰りにレストランで夕食を平らげたご一行は、宿泊先ホテルに帰還した

ハンジ「明日は飛行機でまた別の場所に移動するよ!!なのでいまから明日の朝までは自由行動ね♪各自楽しんでね♪」

エルヴィン「そうか、ならまだ寝るには早いし、散策がてら土産でも見に行くかな」

ハンジ「それもいいね♪この辺りはホテルや土産物やさんが軒を連ねてるから、ぶらぶらするだけでも楽しめるよ!!」

リヴァイ「俺は早起きしてねみぃから部屋で寝る」

ハンジ「リヴァイ、あくびばっかりしてるね~やっぱ小さいから昼寝タイムが必要なのかもね~。というかわたしもねむいなあ…」

リヴァイ「うるせぇクソめがね!!てめぇのせいで寝られなかったんだろうが!!エルヴィンに夜這いなんかかけやがるから…」

ハンジ「ひ、人聞きわるいな!!夜這いなんかじゃ…」

エルヴィン「なあハンジ、今夜も眠れなくしてやろうか?」

ハンジ「ぎゃぁぁぁ結構です間に合ってます失礼します!!」

ハンジは敬礼するとダッシュでその場を離れた

みんな可愛いなぁw
楽しい

会話のテンポが小気味いいな
支援!

>>38
楽しんでいただけて凄く嬉しいです♪
いつもはかっけー三人なので、たまにはこんなのもいいかなあと…(^w^)

>>39
支援ありがとうございます!!
凄く嬉しいです♪
あともう少しお付き合い頂けたら嬉しいです♪

エルヴィン「…ははは、な、ハンジは可愛いだろう?顔が真っ赤だったぞ」

ハンジの逃げ去る姿を見送りながら、長身をよじらせて笑うエルヴィン

リヴァイ「あんまりからかってやるなよ。泣きそうな顔してやがったぞ」

エルヴィン「なんだリヴァイ、妬いてるのか?」

リヴァイ「妬いてるとかありえねぇが…」
エルヴィン「ん?」

リヴァイ「少しかわいそうかなとは思う。ほんの少しな!!」

エルヴィン「ほう、そうか」

リヴァイ「だいたいエルヴィン、お前は見た目聖人君主で優しげなぼっちゃんな感じなのに、中身がえげつなすぎる」

エルヴィン「…そうかもしれんな、その点リヴァイは逆だな。見た目は目付きが悪くて近寄りがたい潔癖症のチビ…だが」

リヴァイ「喧嘩うってるだろてめぇ…」

エルヴィン「…お前は優しい奴だからな。見た目に反してな」

リヴァイ「…優しくなんかねぇよ…」
鼻の頭をポリポリかくリヴァイ

エルヴィン「お前は、自分にないものを俺が持っているからついていくと言ったな」

リヴァイ「…」

エルヴィン「お前も、俺が持っていないものを持っている。だから…」
エルヴィンはリヴァイの頭にポン、と手をおいた

エルヴィン「これからもついてきてくれよ?」

リヴァイ「…人の頭に手をおいて…ものを頼む態度じゃねぇぞ…エルヴィン」

エルヴィン「ははは、まあ気にするな。なあリヴァイ、久々に飲みに行くか」

リヴァイ「おごりなら付き合ってやるよ…」

調査兵団のでこぼこコンビは、こうして夜の町に消えていった

「ぎゃぁぁぁぁ!!寝坊したぁぁぁ!!11時のフライトなのにもう10時だぁぁぁ!!!!間に合わねぇぇぇ!!」

いつものボサボサ髪をよりいっそう振り乱して慌てるハンジ

ハンジ「それもこれも、酔っ払いのちびでかおっさん二人が部屋に雪崩れ込んできて、勝手に酒盛りなんかしだすからだよ!!ばかエルヴィンばかちびー(TT)」

ハンジ「ハッ、とりあえず二人も起こさなきゃ…」

ハンジは隣のエルヴィンの部屋に押し入った

ハンジ「エルヴィンおきろぉぉぉ!!」
布団をまくった

ハンジ「きゃぁぁぁぁぁまた裸だったぁぁぁ見ちまったァァァ!!」

エルヴィン「むにゃむにゃ…ハンジ、寒い…うとうと」

ハンジ「寒いなら服くらい着やがれぇぇ!!ハレンチおやじぃ!!」

リヴァイ「うるせぇクソめがね!!てめぇは学習能力ねぇのかよ!!」
またまたハンジの悲鳴で起こされたリヴァイ

エルヴィン「…お、皆おはよう。なんだね朝から騒がしい。」

リヴァイ「ハンジがまたてめぇのまっぱを見たかったらしい」

ハンジ「ちがぁう!!断じてちがぁう!!急いでて忘れてたんだよおぉ…エルヴィンが裸で寝てることを」

エルヴィン「二回も見たんだな、ハンジ。責任はとってくれよ。婿にいけなくなったからな」

ハンジ「しっかりみてないよーだから婿にいけるよぉぉ( ;∀;)」

エルヴィン「なんならじっくり見せてやろうか?ハンジ」

ハンジ「いらんわぁぁぁ!!ばかエルヴィン!!それより大変なんだぁ!!11時のフライトに間に合わないんだぁぁ!!」

リヴァイ「今7時だが、間に合わねぇのか?」

ハンジ「へっ…?」

エルヴィン「十分間に合いそうだが、空港遠いのか?」

ハンジ「えぇーーーー!」
慌てて自分の部屋に戻るハンジ
部屋の時計を見て、またエルヴィンの部屋に戻ってきた

ハンジ「時計、くるってたぁぁぁぁ!!」

リヴァイ「てめぇ、貴重な睡眠時間を二日連続で台無しにしてくれたなぁハンジ…」

エルヴィン「二日連続で裸を見られた。確信犯としか思えん」

ハンジ「ごめんなさぁぁい!!二人ともぉぉ(TT)」

ハンジの悲鳴のような謝罪が、しばらく辺りに響き渡った…

ハンジ「いろいろなトラブルがあったけど、ついに到着しました!!ケアンズ国際空港!!」

リヴァイ「ケアンズ、という場所なんだな。」

エルヴィン「飛行機から見た海が凄く美しかったな」

ハンジ「あの海はね、グレートバリアリーフっていうんだよ!!色とりどりの
珊瑚礁、熱帯魚、まさに海の宝石箱って感じだろ♪」

リヴァイ「暑いし泳ぎてぇな…」

ハンジ「うん、明日から海やら陸やら、ケアンズを満喫するから楽しみにしててよね!!もちろん泳ぐし♪とにかく見所満載なんだよ♪」

エルヴィン「美味しいものもたべれるんだよな、ハンジ」

ハンジ「うん、フレンチディナーではないけど、沢山美味しいもの食べるよ♪」

リヴァイ「泳ぐなら水着がいるじゃねぇか。買いにいかないと…」

エルヴィン「俺も、持ってきてないな」

ハンジ「あ、だいじょーぶだよ♪私が買って準備してあるから♪」

リヴァイ「どうせケツが丸見えの恥ずかしいやつとか用意してんだろ。変態」

ハンジ「な、なんでわかったの~?!」

エルヴィン「しかもリヴァイと色違いのお揃いだったりしてな」

ハンジ「えー!!ばれてるし!!くっそつまんねぇ!!」

リヴァイ「クソめがね、お前の水着も買ってきてやるからな。楽しみにしとけ」

エルヴィン「ハンジには男物水着が似合いそうだ」

ハンジ「一応胸も隠したいんですけどっ!!」

リヴァイ「あるのかないのかわかんねぇくらいの胸だし、貝殻でもつけとけ変態」

エルヴィン「…おや、リヴァイはハンジの胸のサイズを把握しているようだね…?」

リヴァイ「し、しらねぇ見た目で判断してるだけだ!!」

ハンジ「リヴァイやらしいぃぃ!!クソめがねなんていいつつ、人の胸観察しないでくれよ~!」

リヴァイ「うるせぇ!!観察なんてしてねぇクソめがね!!」

エルヴィン「…リヴァイ、ちなみにハンジはけっこう胸はあるぞ?」

リヴァイ「てめぇが一番観察してんじゃねえか…!」

ハンジ「このエロヴィンめっ!!」

そんな会話をしながら、水着を物色に行った三人であった

のどかだな。乙。

>>48
乙ありがとうございます♪
すべてが解決したら、こんな風にのどかに…ならないですよねf(^^;きっと

水着を選んだり、マクドナルドに行ってみたりしているうちに、夕日が落ちて夜になった

ハンジ「つぅいーにぃぃぃぃーきたぁぁぁ!!」
両目を血走らせてガッツポーズをしてるハンジ

エルヴィン「ハンジ、何を興奮しているんだ。落ち着け」
リヴァイ「バスの中だぞ、でけぇ声でさわぐな、うるせぇ」

ハンジ「落ち着いてなんていられないよっ!!だって私はこの日のために生きてきたようなもんなんだから!!」

エルヴィン「これから行く所になにかしらハンジの好物があるんだろうな」

リヴァイ「ろくなもんじゃねぇ予感しかしねぇ…」

リヴァイはまだガッツポーズし続けている怪しいハンジを見やってため息をついた

そして、ついに感動?の対面の時がやってきたのである

ハンジ「きゃぁぁぁぁ!かわいいー!!」

リヴァイ「なんだあれは…」
柵に囲まれた池のなかには、大きな口と鋭い歯をもつ体長二メートル程はあろう生き物がたくさんいた

ハンジ「ワニさんだよぉぉぉぉリヴァイぃぃぃ!!ワニさん初めましてぇぇ私は分隊長のハンジ・ゾエだよ!!仲良くしてね!!うわっ」

エルヴィン「ハンジ危ない、柵から手を伸ばすな!!」

ハンジ「あはは!!握手は口とじゃなくってお手手とだよぉぉワニさん♪間違えないでねー(*^^*)」

エルヴィン「意志疎通を図ろうとしているのか…」

リヴァイ「巨人以上に無理な気がする…チッハンジ!柵を乗り越えんな馬鹿!」

今にも柵を乗り越えようとしたハンジの首根っこ…は届かなかったので、腰を引っ張って引きずりおろしたリヴァイ

エルヴィン「リヴァイ、これ以上ここにいるのは危険だ。撤退しよう」

ハンジ「うわぁぁぁんワニさんー!また会いに行くからねぇぇー!(TT)」
エルヴィンに担ぎ上げられながら、さながら恋人と無理矢理引き裂かれたかの様に泣くハンジであった

大人しくなったハンジを背に乗せながら辺りをぶらついていると、また何かがいた

エルヴィン「ぴょんぴょんぴょんと…凄い脚力だな」

リヴァイ「腹になんかいれてやがるぞ?こどもか?」

エルヴィン「母親が子を腹の袋にいれて守っているのだろうな」

リヴァイ「けっこうかわいいかもしれねぇ。なんて名前なんだろうな」

エルヴィン「肝心のガイドがあの状態ではな…」

ハンジは傷心状態でぼんやりして動かない

リヴァイ「役に立たねぇクソめがね…ワニに食われりゃよかったのかよ」

エルヴィン「まあ仕方ないな。とりあえずしばらくそっとしておこう。ところで、あれはなんだろうな。皆並んでいるぞ」

エルヴィンが指差した先には人々が列を作って並んでいた

リヴァイ「わかんねぇが、並んでみるか」

エルヴィン「そうしよう。何があるんだろうな、楽しみだ」

行列に並ぶなど普段体験することがほとんど無い二人は、微かな高揚感と期待感で胸をおどらせていた

エルヴィン「…こ、これは…」
リヴァイ「…」

ついに行列の先頭にきた二人は係員に何かを手渡された

それはエルヴィンの腕の中にしっかり納まってじっとしている

ふかふかした感触、丸っこい体、なんとも愛らしい…

エルヴィン「か、かわいい…」
リヴァイ「しっかりお前にしがみついているな…なんというか…」
リヴァイは愛らしいそれの頭を優しくなでてやる

リヴァイ「…かわいいな…」
エルヴィン「リヴァイ、お前も抱いてみろ…ほら」

リヴァイ「…あったけぇ…」
エルヴィン「我が子を抱くとはこういう感じなのかな…」

調査兵団のトップと、人類最強と言われている人物らしからぬ表情で、二人は時間いっぱいまで愛らしいそれと触れ合ったのだった

コアラちゃんとエルヴィン…
コアラちゃんとリヴァイ…
何故かハンジとワニの方が違和感ないなwww

>>54
コメントありがとうございます♪
確かにハンジはワニを首に巻いて立体機動しても、違和感なさそうです…(^w^)

エルヴィン「そんなことで怒るようなやつじゃないだろ。ほら、戻ってきた」

リヴァイはツカツカと歩み寄ると、座り込んでいるハンジの頭にポン、と何かを乗せた

リヴァイ「チッ、それで我慢してろ、クソめがね」

ハンジ「えっ?!…あっ!!」
ハンジは頭の上に置かれた物を、しっかり胸に抱いた

ハンジ「コアラのぬいぐるみ…」

リヴァイ「…これはオマケだクソめがね」
リヴァイがハンジに投げてよこしたそれは…

ハンジ「ワニさんのフィギュア!!」

エルヴィン「良かったな!!ハンジ」
ヨシヨシ、とまたハンジの頭をなでてやるエルヴィン

ハンジ「うん…(TT)ありがとう!!エルヴィン、慰めてくれて」
頭をなでてくれているエルヴィンの手を握るハンジ

リヴァイ「…ぬいぐるみなんかもらって喜んで、ガキみてぇ」
リヴァイはプイッとそっぽを向くと、スタスタ歩き出した

ハンジ「リヴァーイ!」
立ち上がってダッシュするハンジ

ハンジ「ありがとう~!大好きだよぉ!!」
リヴァイの後ろから覆い被さるかのように抱きついた

リヴァイ「てめぇっ離れやがれ!!きたねぇ!!汗くせぇ!!」
ハンジ「や~だよ!!おんぶおんぶ」
リヴァイ「甘えんなぁ!!クソめがね!!」

エルヴィンはその二人の様子を目を細めて、満足そうに見つめていた

>>56の前のレスがぬけてました
投稿順ミスしました…(TT)
なので再度>>56>>57の内容をあげます…すみません;;

ハンジ「どういう事なんだぁぁ!!(TT)」

数枚の写真を見て泣き叫ぶハンジ

エルヴィン「とってもかわいらしかったぞ。」

リヴァイ「おいエルヴィン、てめぇすげぇにやけた顔で写真うつってやがるな」

エルヴィン「リヴァイ、お前こそなんだ、この目尻の下がり様は。今までに一度も見たことがないぞ、こんな表情」

リヴァイ「ほんとだ、やべぇ顔してるな、俺…」

エルヴィン「お互い様だ、俺も相当緩んだ顔をしているよ…」

ハンジ「わぁぁぁん、どうして起こしてくれなかったんだよぉぉ!!コアラ、抱っこしたかったよぉぉ(TT)」

エルヴィン「何度も起こそうとしたんだが、放心状態だったぞ、ハンジ」

リヴァイ「愛しのワニさんに逢えたからいいじゃねぇか。そうか、コアラっていうんだな、あの丸っこいやつ」

ハンジ「ワニさんかわいかったよぉぉ、でもコアラもかわいいよお…(TT)」

エルヴィン「ハンジ、そんなにコアラと触れ合いたかったのか、無理矢理起こせばよかったな、すまん」

エルヴィンが、ぐすぐす泣いているハンジの頭を撫でてなぐさめていた

リヴァイ「チッ…」
リヴァイは踵を返すと、何処かに行ってしまった

ハンジ「エルヴィンもリヴァイも悪くないんだよぉ、ごめんねぇ(TT)」

エルヴィン「…」ヨシヨシ

ハンジ「リヴァイが怒ってどっか行っちゃったよぉぉ(TT)」

エルヴィン「そんなことで怒るようなやつじゃないだろ。ほら、戻ってきた」

リヴァイはツカツカと歩み寄ると、座り込んでいるハンジの頭にポン、と何かを乗せた
リヴァイ「チッ、それで我慢してろ、クソめがね」
ハンジ「えっ?!…あっ!!」
ハンジは頭の上に置かれた物を、しっかり胸に抱いた
ハンジ「コアラのぬいぐるみ…」

リヴァイ「…これはオマケだクソめがね」
リヴァイがハンジに投げてよこしたそれは…
ハンジ「ワニさんのフィギュア!!」

エルヴィン「良かったな!!ハンジ」
ヨシヨシ、とまたハンジの頭をなでてやるエルヴィン
ハンジ「うん…(TT)ありがとう!!エルヴィン、慰めてくれて」
頭をなでてくれているエルヴィンの手を握るハンジ

リヴァイ「…ぬいぐるみなんかもらって喜んで、ガキみてぇ」
リヴァイはプイッとそっぽを向くと、スタスタ歩き出した

ハンジ「リヴァーイ!」
立ち上がってダッシュするハンジ
ハンジ「ありがとう~!大好きだよぉ!!」
リヴァイの後ろから覆い被さるかのように抱きついた

リヴァイ「てめぇっ離れやがれ!!きたねぇ!!汗くせぇ!!」
ハンジ「や~だよ!!おんぶおんぶ」
リヴァイ「甘えんなぁ!!クソめがね!!」

エルヴィンはその二人の様子を目を細めて、満足そうに見つめていた

かわいいなぁww

>>62
コメントありがとうございます♪
投稿ミスして凹んでいたので、ほんと嬉しいです!!
ハンジ、小学生みたいになっちゃいました…(^w^)純粋ってことにしておいてください!

夜の動物園から帰った三人は、エルヴィンの部屋で酒盛りに興じていた

ハンジ「リヴァイってさあ、見かけによらず優しいよねぇ♪」
パジャマ姿でコアラのぬいぐるみを抱いてるハンジはご機嫌である

リヴァイ「優しくなんてねぇ」
ハンジ「優しいって!!」

エルヴィン「…」(カキカキカキ)

リヴァイ「だまれクソめがね!!」
ハンジ「照れてるね~(^w^)」
リヴァイ「うるせぇ!!酒のんでさっさと寝やがれ!!」

エルヴィン「…」カキカキカキ…

ハンジ「あれ、エルヴィンさっきから何書いてんの~?」

エルヴィン「絵葉書だよ、ハンジ。留守番をしている団員たちに宛ててね」

ハンジ「見てもいいかな?」
エルヴィン「構わんよ」
ハンジ「じゃあ読むね♪」

ハンジ「調査兵団の皆、元気にしているかな?リヴァイもハンジもとっても弾けて楽しんでいるよ。(ハンジがリヴァイに後ろから抱きついてる写真ペタペタ)」

ハンジ「ハンジは《せかちゅう》の舞台で愛を叫んでいたよ。一位ソニー。二位ビーン。三位モブリットだったよ。人間では一位だよモブリット。おめでとう!!」

ハンジ「ちなみにハンジは夜になったら私の部屋に押し掛けて、布団をめくるんだ。人肌が恋しいのかな?」

ハンジ「…エルヴィーーン!!何書いてんだよぉぉ!こんなの送るなよ~!」

エルヴィン「ああ、ハンジ。それはもう送ったよ。ハンジが持っているのは念のための予備だ。書類は万が一のために予備を常に作る癖があってね」

ハンジ「ぎゃぁぁぁぁ!!モブリットが見ませんように…」

リヴァイ「…エルヴィンひでぇ…」

ハンジ「もう一枚あるよ…?怖いけど見てもいいかな…?」
エルヴィン「構わんよ」
ハンジ「よ、読むね…」

ハンジ「そうそう、リヴァイの素敵な写真を皆に見せたくてね。どうだい?目尻が下がってとても優しげだ。こんな顔、見たことがないだろう?皆。(リヴァイがコアラを抱いている写真ペタペタ)」

リヴァイ「…!!」

ハンジ「ちなみに私も楽しんでいるよ。ハンジの様に愛は叫ばなかったが、自由の翼の名に恥じぬ宣誓をしたと自負しているよ。(せかちゅうの舞台でかっこよく敬礼しているエルヴィンの写真ペタペタ)」

ハンジ「明日は海に行く予定だよ。また写真を見せるから楽しみにしていてくれよ!!調査兵団団長エルヴィン・スミス」

リヴァイ「エルヴィン…てめぇぇ!!」
ハンジ「エルヴィンのばかぁぁぁ!!」

エルヴィン「事実しか書いていないのになぜそんなに怒ってるんだ?」

ハンジ「事実かもしれないけどさあ、紆余曲折あったわけで…」

リヴァイ「てめぇだけなんでいい写真なんだよ…!コアラ抱いてる写真あるだろうが!!」

エルヴィン「ああ、私のコアラ写真はきっちり処分したよ。残っていてはいつどこでどう使われるかわからんしな」

ハンジ「明日、覚えてろぉエルヴィン…」

リヴァイ「ぜってーお前の恥ずかしい
写真とるからな…!」

エルヴィン「ははは。まあ頑張りたまえ」

ハンジ「うー…なんかエルヴィンには勝てる気がしないよぉ…」

リヴァイ「やる前から泣き言いうなクソめがね、と言いたいところだが、勝てる気がしねぇ…」

エルヴィンの掌の上でジタバタしている二人であった…

ハンジ「リヴァイ、エルヴィン、おっはよ~!!」
リヴァイ「…ねみぃ…」
エルヴィン「おはよう!!ハンジは今日も張り切ってるな!!」

ハンジ「リヴァーイ!!今日は念願の海だよぉ!!ねみぃ…なんて言ってる暇はないよ!!」

リヴァイ「ハンジ、お前その格好…」

ハンジ「なに?なんかへんかな?着替えるの面倒だから、水着きてるんだけど」

ハンジはビキニにショートパンツ姿だ
リヴァイ「…はしたねぇ、丸見えじゃねぇか…」

ハンジ「え、なにがぁ!?丸見えってなにがぁ!?」
リヴァイににじり寄るハンジ

エルヴィン「…」パシャッ

リヴァイ「だから、見たくもねぇが胸が丸見えだっていってんだよ!!シャツくらい着ろよ!!」

ハンジ「リヴァイ…」
ツカツカと歩み寄って、リヴァイに顔を近づけるハンジ

エルヴィン「…」パシャッパシャッ

ハンジ「そっかあ心配してくれてるんだね!!ありがとう!!シャツは着るよ!!」
リヴァイ「誰も見ねえし興味もねぇだろうが一応そうしてろクソめがね」

エルヴィン「…」パシャ

ハンジ「エルヴィン!!またいつの間にか写真とってるぅぅ…」
リヴァイ「チッ、しまった…」
エルヴィン「いい写真がたくさんとれたよ♪」

リヴァイ・ハンジ「(|| ゜Д゜)しまったぁぁ」
後悔先に立たずであった…

ハンジ「さて、気を取り直して…今日はこのくっそでかいヨットにのって、グレードバリアリーフの中の、珊瑚でできた白い島、ミコマスケイにいくよ!!」

リヴァイ「立派なヨットだな。かなりでけぇ」

エルヴィン「あの飛行機から見た海に行くんだな。楽しみだ!!」

三人は、真っ白な大きいヨットに乗り込んだ

ハンジ「二時間くらいかかるけど、ゆっくりのんびり過ごそう!!」

エルヴィン「デッキにでていようかな、海をみたいしな」

ハンジ「そうしよう♪」

リヴァイ「酔うかもしれねえし、俺も外のほうがいいな」

ハンジ「そうだね、ヨットだとはいえそんなには揺れないけど、長時間だから、酔い止め飲んでおいた方がいいね」

ハンジがリュックから取り出した酔い止めと、エルヴィンが差し出した水で、リヴァイは薬を飲んだ

リヴァイ「助かった」
ハンジ「いえいえ!!エルヴィンは大丈夫?酔わない?」
エルヴィン「ああ。大丈夫だよ。ありがとう。」

三人は、他愛もない話をしながらグレードバリアリーフの景色を楽しんだ

エルヴィン「凄いな。360度青い海だ…」

大型ヨット…オーシャンスピリット号の前方デッキから海を飽きることなく眺めるエルヴィン

ハンジ「…」パシャ

いつもは調査兵団の制服を着こんでいるが、今日は白いシャツにジーンズというラフな格好である

長身で立派な体躯、優しげな青い瞳、端正な顔立ち、これだけ揃っていれば…

乗客A「あの人かっこいいね!!」
乗客B「俳優さんかなあ?」
女性の視線はエルヴィンに釘付けである

なんとなく視線を感じたエルヴィンが振り向くと…
女性ども「きゃぁ!!目があっちゃった!!」

黄色い声援の主たちに、はにかんだような笑顔を見せておいて、また視線は海へ。

エルヴィン「お、鳥が増えてきたな」

鳥にてを伸ばしてみるエルヴィン

ハンジ「…」パシャッパシャッ

ハンジ「あーエルヴィンかっけー…」
リヴァイ「かっこいい写真とってどうすんだよ、クソめがね!」

ハンジ「だって、かっこいいのしかとれないんだよ~!リヴァイ、変顔して笑わせてきてよ!!」

ハンジ「てめぇがやれ、ばかハンジ!」
やはり隙がないエルヴィンであった

エルヴィン「リヴァイ、ハンジ、島が見えてきたぞ」

360度青い海の中にぽつんと真っ白な小さな島
沢山の鳥が島にいるのが見える

ハンジ「ミコマスケイだ!」
リヴァイ「鳥が多いな」
ハンジ「ミコマスケイは特別保護区でね、桟橋を作れない島なんだ、鳥も保護されているよ!!あとから泳いで島に行こう!!」

リヴァイ「おう、やっと泳げる」
エルヴィン「楽しみだな!!」
ハンジ「よーし泳ぐぜぇぇ!!」

島から300メートル程離れた位置に停泊したヨットのそばで、思い思いに海を満喫している三人

ハンジは見つけたマンボウを追いかけている
ハンジ「まってぇぇぇ食わないからまってぇぇぇ!!」

と、たまに水面に浮上したかと思えば叫び、また潜っている

リヴァイ「あいつは潜ってるか叫んでるかどっちかだな。落ち着きがねぇ」

エルヴィン「凄い体力だな。しかし、潜ったらしばらく浮いてこないし、心配にならんか?」

二人は一泳ぎして、デッキで休憩中である

リヴァイ「心配いらねぇ。あの奇行種はサメも食いそうだしな」

エルヴィン「…そうだな。…なあリヴァイ」
リヴァイ「なんだ?」
エルヴィン「お前は死ぬなよ」
リヴァイ「…なに言ってやがる」
エルヴィン「ハンジも、死なせたくない。誰も死なせたくない。だが実際はどうだ、俺は…」

リヴァイ「それ以上言うな、エルヴィン。どうした、らしくねぇな。観光気分で脳ミソ弱っちまったのか?」

リヴァイは怪訝そうな表情でエルヴィンを見た

エルヴィン「はは、らしくないよな」
リヴァイ「ああ。気色わりぃ」
エルヴィン「気色悪いとはひどいな…まあ今だけだ」
リヴァイ「わかってる。ので、俺は死なねぇ」

エルヴィン「…アッカーマンの真似か…?」
リヴァイ「あいつのしゃべり方変だろ。たまに真似ると部下が喜ぶ」

エルヴィン「…はははは!!」
リヴァイ「ので、お前は何を犠牲にしても目的を達成しろ。それが死んでいった者たちへの償いだ」
エルヴィン「…ははは、了解だ、アッカーマン…ははは」

長身を捩らせて笑うエルヴィン
ハンジ「…」パシャッ

ハンジ「やったぁぁぁ!!崩れたエルヴィンゲット~!」
両手を上に高々と挙げて、勝利の雄叫びをするハンジであった

良い話だっのにハンジさんめwww
でもエルヴィンなら崩れてもカッコいいと思うの
毎日更新ありがとう
楽しく読んでるぜ
続き楽しみにしてる乙乙!

エルヴィン「…しまった。油断した」
ハンジ「エルヴィンの恥ずかしい写真~ウフフ♪」

リヴァイ「どんな写真なんだよ、見せろ」
ハンジ「いいよぉ♪ほら!!」
ハンジからデジカメを受け取って画像を確認したリヴァイ

リヴァイ「…全然おもしろ写真じゃねぇじゃねぇか、クソめがね」
カメラに写っているのは、エルヴィンが大笑いしている画像だったのだが…

エルヴィン「普段見せない笑い顔、か。悪くないな。むしろ新たな一面が垣間見えるいい写真だ。ハンジありがとう」

ハンジ「くぁぁぁぁ!!やっぱりへんなエルヴィン撮れねぇぇぇ!!」

リヴァイ「…こうなりゃもう、最後の手段だ。ハンジ、行くぞ!」
ハンジ「了解!!リヴァイへいちょー!!とりゃぁぁ!!」

二人はエルヴィンに一斉に襲いかかった、はずだったが…

エルヴィン「おっと…」
ヒラリとエルヴィンにかわされた

ハンジ「わぁぁぁ」
リヴァイ「しまったぁ!!」
ドボーン…そのまま二人は絡まりあって海にダイブした

エルヴィン「見事な飛び込みだなあははは!!」

ハンジ「くらぁぁエルヴィン避けんなよぉぉ!!」
リヴァイ「だいたいハンジ、てめぇの飛びかかるタイミングがわりぃんだよ!!時間差にするっつったろ!!同時に行ってどうすんだよ!!クソめがね!!」

ハンジ「行くぞって言われたから行ったんじゃないか!!チビァイ!!」

リヴァイ「うるせぇチビァイいうな馬鹿が!!」

エルヴィン「…ずっと絡まりあってて仲良しだな、お前たち」パシャッパシャッ

ハンジ「し、しまったぁぁぁまたまたやられたぁ!!」
リヴァイ「もうどうにでもなりやが
れ…」
エルヴィンの恥ずかし写真はまたお預けになった…

>>76
毎日読んで頂いてありがとうございます♪
しかも楽しんでもらっているなんて嬉しすぎます(TT)
乙二連発ご馳走さまです♪
エルヴィンは確かに崩れてても絵になりそうですよね(^w^)

昼食後、三人は泳いでミコマスケイに上陸した

ハンジ「鳥さんこんにちはぁぁ!!私は調査兵団ってとこで分隊長やってるハンジ・ゾエだよ!!」

エルヴィン「鳥にも自己紹介か、ハンジ。相変わらずだな…」
リヴァイ「クソやら羽根やら至るとろに落ちてる、きたねぇ…掃除してぇ」

ハンジ「あ、リヴァイ、さっきも言ったけど、ここは特別保護区だから、島をむやみに変えたり、島の物を持ち帰ったり禁止だよ!!だから掃除もだぁめ!!」
リヴァイ「チッ、」


波打ち際に腰を下ろす三人
ハンジ「ところでエルヴィン」
エルヴィン「ん?なんだ?」

ハンジ「…さっきのリヴァイと話、実は聞いちゃってたんだ~ごめん」
エルヴィン「…ああ、構わんよ、ハンジ、君になら」

リヴァイ「…」

ハンジ「あのさ、私はやりたいことがあるんだ。巨人の脅威が去ったらね」

エルヴィン「そうか…何がやりたいんだ?」

ハンジ「動物園を作りたい」

エルヴィン「ほう、いい夢だな」

ハンジ「…ので、私も死なない。夢を現実にするために」

リヴァイ「…聞いてやがったのか、俺のアッカーマンものまね…」

エルヴィン「…ははは。死なないでくれよ」

ハンジ「…うん死なない。…ので、エルヴィンも死ぬな。あなたの代わりは誰もできない」

リヴァイ「…ので、俺はハンジの動物園でコアラを担当する予定だ。ので、死ねねぇ」

ハンジ「リヴァイ、ので、の使い方へんだよ~ミカサにおしえてもらいなよ(^w^)」

エルヴィン「はははは!!」
つぼにはまって、また大笑いのエルヴィン
そんな団長に寄りかかるハンジ

ハンジ「エルヴィン、たまには頼ってよね?」

リヴァイ「まて、こんな奇人に頼るくらいなら俺に頼れよ」
ハンジ「なんだよ!!チヴァイのくせに!!」
リヴァイ「頼りがいに背丈は関係ねぇだろうが!!クソめがね!!」

エルヴィンはそんな様子を見ながら、まだ希望の光かまぶしく輝いている事を感じた

3人がすごく仲良くて微笑ましい
かわいいなぁ

>>83
コメントありがとうございます!!
すべてが解決したら、こうなってほしいです…みんな無事で…無理かなぁ…f(^^;

しばらく波打ち際に座って、海をながめていた三人

エルヴィンはたまに思い出したように笑い、二人にアッカーマンものまねをねだったり、自らチャレンジしてみたり…
そういえば、こんな風に笑ったり馬鹿をやったりした事があっただろうか、自分の子どもの頃から思い出しても、記憶に無い気がしたエルヴィンであった


ハンジ「ん…?あれは…?」
ハンジは海に目を凝らしながら立ち上がった

エルヴィン「何か見えるのか?」

ハンジ「あそこみえる?…マンボウ君だよぉぉ!また戻ってきたぁ!!」

リヴァイ「まだ諦めてなかったのか、お前…」

ハンジ「当たり前だよ!!あんなに可愛いマンボウ君を、触りたいに決まってるだろ!!」
目をキラキラさせているハンジ

エルヴィン「…よし、付き合おう」
エルヴィンも立ち上がる

ハンジ「えー!!手伝ってくれるのぉぉ!?やったぁ!!」

リヴァイ「チッ…」
神経質に砂を払いながらリヴァイも立ち上がった

ハンジ「リヴァイも協力してくれるんだね!!ありがとう!!もー、二人とも最高だよ!!」
チュッチュッと投げキッスを贈るハンジ

リヴァイ「…気色わりぃ…」

エルヴィン「直接ここにくれてもいいぞ。ハンジ」
エルヴィンは唇を指でポンポン、と指した
ハンジ「いやあ、それはエルヴィンのファンに申し訳ないからやめておくよ~!」

エルヴィン「残念だ」
リヴァイ「エルヴィン、ふっかけんな!!モブリットがかわいそうだろうが!!」
ハンジ「リヴァイはいい子だねぇ♪さて!!」

ハンジはそう言うと、目標を指差す
ハンジ「目標100メートル先!!1メートル級マンボウ!!」

と言ってから、エルヴィンをみる
団長はうなずくと右手を高々とあげ、横に降り下ろす

エルヴィン「長距離索敵陣形展開!!」
エルヴィンのええ声が辺りに響き渡る

リヴァイ「…三人でかよ…」

エルヴィン「前進せよ!!」

ハンジ「団長に続け!前進せよぉ!!」

ザブザブザブと海に突入した三人は、小一時間マンボウを追っかけたのだった

ハンジ「あー楽しかった♪さわってやったぜ~!」
右手をニギニギして、マンボウの感触を思い出すハンジ

ヨットのデッキに三人そろって寝転んでいる
長距離索敵陣形…によって追い詰められはしたが、マンボウはつかまらなかった

しかし…

リヴァイ「ハンジ。結局はダイバーが金属音カツンカツン言わせりゃ寄ってきたじゃねぇか!!」

ミコマスケイのマンボウ、一匹ダイバーが餌付けしており、呼べば寄ってくるとわかったのが、索敵陣形開始から30分ほどたった頃だった…

ハンジ「結局呼んでもらって、ちょっと触って、一緒に写真も撮れたよね~!満足!」

エルヴィン「無駄に疲れた様な気がせんでもないが、終わりよければすべてよしだな」

リヴァイ「普段の効率的なお前の発言とは思えん…」

エルヴィン「しかも、長距離索敵陣形はいろいろ応用できそうだな!?」

リヴァイ「敵が見えてるのに索敵って変だろうが」

エルヴィン「ははは、そこは雰囲気だ、なあハンジ」

ハンジ「そうだよ!!索敵陣形万歳!!考えたエルヴィン天才!!」
そう言いながら身を翻したハンジは…

ハンジ「よっ!!」
エルヴィンの腹の上に馬乗りになった

エルヴィン「!?」
ハンジ「かかったなぁぁぁエルヴィンンフフフ~」
両手をワキワキとさせながら怪しい笑みを浮かべるハンジ

リヴァイ「…」カメラスチャッ

エルヴィン「しまった…」
ハンジ「くすぐり回して、白目むかせてやるぞぉぉ…ヒーッヒッヒッ…ぶわっ!!」

いきなりリヴァイに頭を後ろから蹴られたハンジは、団長のたくましい胸に顔をうずめる結果となった

リヴァイ「…」パシャッ

ハンジ「こらぁ!!リヴァイ!!話が違うじゃないかぁぁ!!」
リヴァイ「…いい写真がとれた…そうだな、ハンジ分隊長はついに真っ昼間から団長を襲うようになりました…とでも書くかな…」パシャッ

ハンジ「ぎゃぁぁぁやめろぉ!!だましたなぁぁ!!」
エルヴィン「…襲われたと認識していいんだな。では続きを部屋で」

そう言いながら、ハンジを軽々担ぎ上げるエルヴィン
ハンジ「きゃぁぁぁ!!離せぇ!!降ろせぇ!!」

エルヴィン「そんなに嫌がるとは心外だ。自分から襲ってきたくせに…なっ!!」
と言うと、そのままハンジを海に放り投げた
ザバーン!!

リヴァイ「…」パシャッパシャッ

ハンジ「…ひでぇぇぇ!!二人とも馬鹿ぁぁぁ!!」

エルヴィン「はははははは!」
またまた大笑いのエルヴィンであった
リヴァイ「そこでマンボウと戯れてろ、クソめがね」

ハンジ「モブリットーー(TT)」
結局またエルヴィンの恥ずかし写真は撮れなかった…

続ききたい乙

ハンジ「リヴァイひどいなぁ、信じてたのに」
拗ねて海から上がってこないハンジを見かねて海に入ったリヴァイに、悲しそうな表情でせまるハンジ

リヴァイ「俺を信じるという選択をしたお前が悪い…」
遠くを見つめながらつぶやくリヴァイ

ハンジ「かっこつけていうセリフじゃないよ!!だいたい女の子の頭を後ろから蹴るとかありえねぇぇ!!」

リヴァイ「女の子、の頭は蹴らん。俺は」

ハンジ「私はなんなんだよ?!」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「そんなこと聞いてない!!性別だよ!!」
リヴァイ「ハンジはハンジ」

ハンジ「もーー!!リヴァイのばーか!!しらねぇ!!」
またすねて去ろうとするハンジのポニーテールをぐいっと引っ張ったリヴァイ

ハンジ「痛い(TT)」
リヴァイ「ハンジ…ちょっとまて、おい、下みてみろ。なんかたくさん泳いでるぞ…なんだ…?」

ハンジ「なんだよもう、…っておっ…これはぁぁ」
目をキラキラさせて、両手を高く突き上げるハンジ

ハンジ「GTの群れだぁぁぁかっこいい~!さわりてぇ!一緒に泳ぎてぇ!!」
と言うが早いか、群れの中に突入すべく潜ってしまった

リヴァイ「GTってなんだ…?まあいいか、機嫌はなおったみてぇだしな…」
リヴァイがため息をつこうとした瞬間
バサァッとハンジが海面から顔を出した

ハンジ「GT、グレートトレバリー、別名ロウニンアジ。イケメンでしょ!?体長一メートルは越える子達が、グレートバリアリーフではたまに群れを作ってるんだよ♪会えてラッキー!」
と言い残して、また追いかけて行った

リヴァイ「せわしねぇ…」
ヨットに戻ろうとしたリヴァイの背後からまたハンジが顔を出し…

ハンジ「ちなみに食べてもウマイよ!!」
と言ってまた消えた
リヴァイ「…」
今度こそヨットに戻ろうとした時…
リヴァイ「!?」
下から足を引っ張られた
犯人はもちろん…

ハンジ「一緒に泳ごうよ!!かっこいいよ!!GT」

リヴァイ「…ああ」
文句の1つでも言ってやろうとしたが、喜んでいる顔を見ると言えなくなった

その頃エルヴィンは…

乗客A「お仕事なにされてるんですか?(*^^*)」

エルヴィン「…兵士ですよ」

乗客B「軍隊かなにかなんですねぇ!!筋肉凄いですね!!触っていいですか!?」

乗客A「ちょっとB子!!初対面の人にそんなこと言ったらあかんやん!?」

エルヴィン「…いや、構いませんよ?」

乗客AB「きゃぁ~!」

みたいに逆ナンパにあっていたのだった

>>90
読んで下さってありがとうございます(^^)
あと少し続く予定ですので、お付きあい頂けたら嬉しいです♪

リヴァイ「お前、水の中の方がイキイキしてんな。泳ぎだけは感心する」
さすがの人類最強も、水の中ではハンジにかなわなかった

ハンジ「おお!!リヴァイに誉められるとは!!嬉しいな♪私、人魚みたいだっただろー!?」
マーメイドのつもりなのだろうか、身体をくねらせて悩ましげな顔をするハンジ

リヴァイ「…人魚というよりは半魚人だな、気色わりぃぞクソめがね」
チラリとハンジを見て、眉を潜めたリヴァイ

ハンジ「…なんだよそれ!誉めてないよね!?」
ムクッと身体を起こしてリヴァイにつめよった

半時間ほど、GTを追いかけ回した二人は、ヨットのデッキに戻って倒れこんだのだが、ハンジは疲れた様子もなく、至って元気だった

リヴァイ「…誉めてるわけねぇだろ?クソめがね」
ハンジ「キーー!!絶対人魚だからな!?」
リヴァイ「半魚人だけはゆずれねぇな」

ハンジ「くっそ~!こうなったら!!とぅ!!」
先ほどエルヴィンにやったのと同じように、リヴァイの腹の上に馬乗りになったハンジ

ハンジ「ヒーッヒッヒッ、人魚と認めるまでくすぐり回す!!」

リヴァイ「のけよ、クソめがね!おもてぇ!!」

エルヴィン「…」パシャパシャッ

ハンジ「…ぎゃぁ!!いつの間に!?エルヴィン!?」

エルヴィン「…ハンジ分隊長はついに兵士長にまで手を出した。男性兵団員は注意するように…こんな所かな」

ハンジ「ぎゃぁぁぁちげぇ~!」

リヴァイ「…ばーか」

結局もう一度リヴァイに担ぎ上げられて、海に放り投げられたハンジであった…

ハンジ「あーひどい目にあった…女の子をなんだと思ってるんだよ…」
ブツブツ文句を言いながら海から上がってきたハンジ

エルヴィン「どう考えても、被害者は俺たちだと思うが…」

リヴァイ「女の子、にひどいことはしねぇ」

ハンジ「じゃあ私は…」
リヴァイ「半魚人。性別ハンジ」
ハンジ「ムキーー!!」

エルヴィン「はははは!」
ハンジ「エルヴィン笑いすぎ!!」
リヴァイ「フン」

そんな感じで、島からの帰りをデッキで寝そべって賑やかに、仲良く過ごした三人であった

島から帰って、ホテルでさっと身支度をした三人は、ケアンズ市街地へ足を踏み入れた

ハンジ「皆さんお待たせいたしましたっ!!今日の夜は肉を食いに行くよ!!」

エルヴィン「おお!!肉か!!」
リヴァイ「お腹と背中がごっつんこしてるからはやく食いてぇ」
リヴァイとエルヴィンは目を輝かせている

ハンジ「夕食にはまだ少し早いから、街散策しながら向かおう!!」

エルヴィン「そういえばケアンズはまだあまり散策していなかったな」

ハンジ「…実は、他にもちょっと寄りたい所があるんだ♪」

リヴァイ「腹減ってるってのに…」
すぐに肉か食べられないとわかり、不機嫌そうにつぶやいた

エルヴィン「リヴァイ、こどもみたいだな、我慢しなさい」
ハンジ「ちっさいおっさん~」

リヴァイ「誰がちっさいおっさんなんだてめぇ!!」

ハンジ「かわいいチビァイ♪」
ハンジはヨシヨシとリヴァイの頭を撫でた

エルヴィン「腹空かして泣きそうなリヴァイのためにも、急ぐか」
リヴァイ「泣きそうじゃねぇ!!」

三人は街の北に向かって歩き出した

沢山のブランドショップや土産物屋が建ち並ぶメインストリートを離れて、北にしばらく歩いた

ハンジ「あ、ここだ!!」
と立ち止まったのは、何かの工房のような店だった

エルヴィン「石がたくさん置いてあるようだな」
ショーケースの中には、石というか、岩のような塊が並べられている

ハンジ「ここはね、オパール工房だよ!!オーストラリアはオパールの産地なんだ!!」

リヴァイ「オパールって宝石か?」
ハンジ「そうだよ!!あの岩の中にオパールがある!!かち割って取り出して、削る磨く…で、綺麗なオパールがお目見えってわけ!!」

エルヴィン「ハンジが宝飾品に興味があるとは知らなかった」

ハンジ「綺麗な物は好きだよ!!とりあえず入ろう!!」

店の中には髭を蓄えたおじさんが、オパールを磨いていた

エルヴィン「ほう、商品になると、元の岩とは全然ちがうな。」
リヴァイ「石の中に色んな色が入ってるな。見る角度によっちゃあ赤がでたり青がでたり…不思議だな」

磨かれた後のオパールを興味深く見物するエルヴィンとリヴァイ

ハンジは店の奥にいたおじさんと、何やら話し込んでいた

リヴァイ「指輪になったり、ペンダントになったりするんだな」

エルヴィン「ハンジにプロポーズの時のために、買っておいたらどうだ?婚約指輪」

リヴァイ「…てめぇはどうしても俺とハンジをくっつけたいらしいな…?」

エルヴィン「そういうわけではないんだが、お前たち仲良しだしな。それに、興味がある」

リヴァイ「何だよ?」

エルヴィン「人類最強と人類最強の変人との間の子に…」

リヴァイ「考えられねぇ!!つーか、婚約指輪はダイヤだろ、普通」

エルヴィン「人それぞれだぞ。ルビーやサファイアを婚約指輪にした奴もいるぞ」

ハンジ「ごめんごめん、お待たせー♪おじさんが、一人だけだけど、オパール磨き体験させてくれるって!!代表でエルヴィン行ってきて!!」

エルヴィン「一人だけ、なのか」
ハンジ「時間が遅いからね~面白そうだから楽しんできて?エルヴィン」

エルヴィンは一人、おじさんに連れられて工房の奥に入っていった

ハンジ「…さて、リヴァイ、ちょっと相談!」
リヴァイ「何だ?」
ハンジ「あのね…ゴニョゴニョ…」
リヴァイ「…いいんじゃねぇか?」
ハンジ「よし、決まりだね!!」

二人は一緒に店に並んでいるオパールを物色し始めた

リヴァイ「俺はこれがいい。青がたくさん入ってる」

ハンジ「私はこれがいい。赤がたくさん入ってる」

リヴァイ「ゆずれねぇな!!」

ハンジ「わたしもゆずれねぇ!…っと、これはどう?少し高いけど、赤も青も、緑、オレンジ、水色、下地は黒だから、ブラックオパールだね」

リヴァイ「…それ、いいんじゃねぇか?」
ハンジ「いいよね?初めてリヴァイと意見があった気がする!!記念日だね!?」

リヴァイ「何の記念日なんだ、クソめがね」

ハンジは選んだオパールを手に、髭のおじさんに何やら相談しに行った

エルヴィン「待たせたな!!いやあ、楽しかった!!」

一時間後、エルヴィンが満足そうに奥から出てきた
体験させてくれたおじさんとハイタッチをし、心臓をささげよ、の敬礼までお互いやりあっていた

…どうやってコミュニケーションをとったか定かではないが…

ハンジ「なんだかエルヴィンすげぇ」
リヴァイ「適応力半端ねぇな」

エルヴィン「長い時間だったが、暇だったんじゃないのか?すまなかったな」
ハンジ「いや!リヴァイとオパール談義に華を咲かせていたから!!」
リヴァイ「赤と青で対決したりな…」

エルヴィン「そうか。で、婚約指輪は選んだのか?リヴァイ」

ハンジ「えぇぇぇ!!婚約すんのぉ!?誰と誰と!?」

リヴァイ「しねぇし買わねぇ!!」

ハンジ「リヴァイと婚約なんて凄い勇気ある人だねぇ!!よほど根性すわってなきゃ無理だよね~チビで潔癖症で、口悪いし」

リヴァイ「…削ぐ…」

ハンジ「リヴァイ、冗談だって冗談…ひやぁぁぁ!!逃げろ!!」

ケアンズの街を舞台に、リヴァイによるハンジの大捕物が繰り広げられたのであった

エルヴィン「待たせたな!!いやあ、楽しかった!!」

一時間後、エルヴィンが満足そうに奥から出てきた
体験させてくれたおじさんとハイタッチをし、心臓をささげよ、の敬礼までお互いやりあっていた

…どうやってコミュニケーションをとったか定かではないが…

ハンジ「なんだかエルヴィンすげぇ」
リヴァイ「適応力半端ねぇな」

エルヴィン「長い時間だったが、暇だったんじゃないのか?すまなかったな」
ハンジ「いや!リヴァイとオパール談義に華を咲かせていたから!!」
リヴァイ「赤と青で対決したりな…」

エルヴィン「そうか。で、婚約指輪は選んだのか?リヴァイ」

ハンジ「えぇぇぇ!!婚約すんのぉ!?誰と誰と!?」

リヴァイ「しねぇし買わねぇ!!」

ハンジ「リヴァイと婚約なんて凄い勇気ある人だねぇ!!よほど根性すわってなきゃ無理だよね~チビで潔癖症で、口悪いし」

リヴァイ「…削ぐ…」

ハンジ「リヴァイ、冗談だって冗談…ひやぁぁぁ!!逃げろ!!」

ケアンズの街を舞台に、リヴァイによるハンジの大捕物が繰り広げられたのであった

※二重投稿になっててすみません(TT)

ハンジ「いやはや、お腹へったねぇ!!」

リヴァイ「てめぇが無駄に逃げやがるから飯までに時間かかったんだろうが!?」

立体機動を使わない追っかけっこは、なかなか決着がつかず、最後はエルヴィンに足を引っ掛けられた所をリヴァイに取り押さえられた

ハンジ「リヴァイ怖いんだもん、何されるかわかったもんじゃないよ~」
両腕で身体を抱きながら、震えるハンジ

リヴァイ「女の子のふりすんな!クソめがね」

エルヴィン「まあまあ、折角いいにおいの店にいるのだし、痴話喧嘩はやめたまえ」

三人は、街の北にあるオージービーフ専門店で、料理がくるのを待ち構えていた

リヴァイ「痴話喧嘩じゃねぇ!!」
ハンジ「喧嘩じゃないよ?リヴァイと戯れてるんだよ?エルヴィン」

エルヴィン「はは、仲の良い証拠だな…おっ料理がきたぞ」

三人の前に並べられたのは、凄くボリュームのあるステーキだった

ハンジ「うきゃぁぁぁにぐぅぅ!!いただきまぁす!!」
リヴァイ「モグモグモグ…」
エルヴィン「いただきます、がないぞ?リヴァイ」
リヴァイ「…いただいてます…モグモグモグ」

三人は一心不乱に肉を削ぎにかかった

エルヴィン「ふぅ、久々に腹一杯肉を食べたな」
ステーキをペロリと平らげ、おかわりまでした三人は、食後の一杯をしに雰囲気の良いバーに行った

ハンジ「すごく分厚い肉だったよねえ♪」
リヴァイ「…腹はち切れそうだ、でもうまかった…」
リヴァイは机に突っ伏して目を閉じた

エルヴィン「リヴァイ眠いのか?」
テーブルに置いてあるワインを少しずつ飲んでいるエルヴィン

リヴァイ「…少しねみぃ…」
ハンジ「お腹一杯になったら眠いって、ほんとこどもみたいだねぇリヴァイは」

リヴァイ「…あほぬかせ、昼間てめぇに付き合って泳いで疲れてんだよ、クソめがね」

ハンジ「飲んでる物もオレンジジュースだし、こどもだね?」
リヴァイ「フン、いま酒飲んだら確実に寝るから飲まねぇんだ…」
今にも寝そうなリヴァイは、目をこすりこすりしている

ハンジ「リヴァイがおねんねしちゃう前に…エルヴィン、はいこれ、プレゼント」

ハンジはリュックサックから取り出した箱をエルヴィンに手渡したら

エルヴィン「お?なんだいこれは」
ハンジ「リヴァイと一緒に選んだんだよ。気に入るといいな~!ね、リヴァイ」
リヴァイ「…おう」

エルヴィン「開けても構わないかな?」

ハンジ「もちろん!!」

エルヴィンが箱を開けると、中には…
エルヴィン「お、ループタイじゃないか!!しかもオパール…」

ハンジ「いつも世話になってるから!!リヴァイと喧嘩しながら選んでたんだけどね、最終的にそのオパールで二人意見があったんだよ♪」

リヴァイ「なかなか選ぶのには時間がかかったな…ハンジが変な趣味だからな」

ハンジ「リヴァイの選ぶのは地味なのばっかだし!?」

エルヴィン「…」

リヴァイ「…おいエルヴィン、気に入らなかったのか?」

二人の痴話喧嘩をよそに、ループタイを握りしめて神妙な顔つきになっているエルヴィンに、リヴァイは首をかしげながら言った

エルヴィン「…いや、高かっただろう?」
ハンジ「二人で買ったから、平気だよ♪」
リヴァイ「それ買うくらいの金はあるぞ、ばかにすんな」


エルヴィン「…そうか。ちょっと手洗いにいってくる」

というと、ループタイを握りしめたまま、二人の顔も見ずに行ってしまった

ハンジ「…エルヴィンどうしたんだろうね…?」
リヴァイ「わかんねぇ…クソでもしにいったんだろ」

ハンジ「戻ってこないねぇ」
リヴァイ「クソがでねぇんだろ」
ハンジ「そうかなぁ…あ、戻ってきたよ!!」

エルヴィン「すまん、クソが長引いた」
と言うエルヴィンの服の襟元には、オパールのループタイが輝いていた

ハンジ「なんだ!!着けてくれたんだ!!良かった~気に入らなかったのかと思ったよ~」

エルヴィン「いやいや、嬉しかったよ。ありがとう」
はにかんだ様に笑うエルヴィンの目元は、ほんのり赤かった

リヴァイ「エルヴィン、目が赤ぇな」

エルヴィン「ん?そうか?気のせいだ」
ゴシゴシと目をこするエルヴィン

ハンジ「エルヴィンもねむいんだね?」

リヴァイ「ちげぇ!!エルヴィンは泣いてムググ…」

エルヴィン「そうだ、眠くてな」
リヴァイの口を、大きな手でふさぎながら言うエルヴィン

ハンジ「…なんだぁ、感動して泣いちゃったの!?エルヴィン。最大のシャッターチャンス逃した…」
エルヴィン「ははは」

リヴァイ「泣いたに違いねぇ」
ハンジ「まじかぁぁぁ…」
エルヴィン「さて、どうだろうな?」

ハンジ「エルヴィンはさあ、10月が誕生日だろ~?誕生石がオパールなんだよ。だからプレゼントしたいなあってね♪」

エルヴィン「そうだったのか」

リヴァイ「それに、憲兵団のうすら髭がな…」

エルヴィン「…ナイルの事か?」

ハンジ「そうそう、事あるごとにエルヴィンに対抗してる奴!!」
リヴァイ「全てにおいて勝てねぇくせにな」

ハンジ「顔も身長も、体つきも、カリスマ性も、指導力も、知力も、体力も、女性人気も、全て勝てないくせに偉そうなんだよ、エルヴィンに対して!!」

エルヴィン「ひどい言われようだな、ナイル…」

リヴァイ「唯一お前に自慢してやがったのが、ループタイだった」

エルヴィン「そんなことあったか…?」
ハンジ「あったよ~エルヴィンはニコニコしながら聞いてやってたけどさ」

リヴァイ「調査兵団は役立たずの金食い虫だから、団長もろくなループタイを買えないとか言ってやがった」

エルヴィン「そんなことあったような、なかったような…気にしたこともなかったな」

ハンジ「だから、エルヴィンにも良いものつけてもらおうと思ってね♪」

エルヴィン「そうだったのか…」

リヴァイ「まあ、少しは世話になってるしな、お前に」
ハンジ「凄く世話になってるって!!」

エルヴィン「二人ともありがとう!!まあオパールのループタイを自慢はしないつもりだが、聞かれたら、親愛なる部下がプレゼントしてくれたと言おう」

ハンジ「うんうん!!」
リヴァイ「薄ら髭は、部下から心のこもったプレゼントなんて貰ったことねぇだろうから自慢になるはずだな」

エルヴィン「私にとっては、物の価値はいいんだ。大事なのは、リヴァイとハンジが心をこめて贈ってくれたと言うことだ」
エルヴィンは微笑みながら、ループタイを指で触れている

ハンジ「…」パシャ

エルヴィン「お?」

ハンジ「最高にいい顔のがとれた!!」
リヴァイ「見せろ、うわ、目尻下がっててすげえぞ、エルヴィン」

エルヴィン「…本当か…?」
写真の中には、普段は滅多に見せることのない、優しげな笑顔のエルヴィンがいた

エルヴィン「ははは、ハンジ、どうせなら口に欲しかったな」

ハンジ「えーどうしようかなあ、サービスしちゃうかな~!」
といいつつ、自分の唇にリップをぬりなおすハンジ

リヴァイ「サービスするんじゃねぇ!!ばかが!写真撮るぞ!?」

エルヴィン「もしや、リヴァイ妬いてるな?」
ハンジ「えー!!?」

リヴァイ「…ちっ、違うぞばかども!!モブリットが可哀想だと…」

エルヴィン「ちなみにそのオパール、二つとも同じ原石から出来てるから、夫婦みたいなものだな。いわばお揃いを一緒に身に付けていると言うことだ。仲睦まじくなJ

ハンジ「リヴァイと夫婦かあ…毎日喧嘩だろうなぁ…」
リヴァイ「想像すんなクソめがね!!」

旅行も明日で最終日。
ケアンズで過ごす最後の夜、三人の心はまるで温かい風が吹いているように、ほっこりしていた

※また投稿ミスしてしまいました…
再度投稿します…

ハンジ「エルヴィンが喜んでくれて嬉しいよ♪」
リヴァイ「らしくねぇ顔つきした写真も撮れたしな」
エルヴィン「いや、本当にありがとう。ところで…」
と言うと、懐から何かを取り出した

エルヴィン「ハンジ、リヴァイ、お前ちにプレゼントだ」
と言いながら、小さな箱を二人に手渡した

ハンジ「えええ!!私たちにもあるの?いつの間に!!」
リヴァイ「…開けるぞ」

箱に入ってるいたのは、オパールの革ひもネックレスだった

ハンジ「オパールだあ!!綺麗なんですけどっ!!」

エルヴィン「実は、研磨体験の時に岩を砕いたら、結構大きいオパールの層が出てきてな。二つできたんだ」

リヴァイ「おっさんに手伝ってもらって急いで作ったんだな」

エルヴィン「ああ。革ひもならお前もつけられるだろ、リヴァイ」

リヴァイ「早速つける」
リヴァイの胸元にもオパールが輝いた

ハンジ「エルヴィン…」
エルヴィン「ん?なんだいハンジ?」

ハンジ「ありがとうの、ちゅー!!」
ハンジはエルヴィンに抱きついて、頬にキスをした

エルヴィン「ははは、ハンジ、どうせなら口に欲しかったな」

ハンジ「えーどうしようかなあ、サービスしちゃうかな~!」
といいつつ、自分の唇にリップをぬりなおすハンジ

リヴァイ「サービスするんじゃねぇ!!ばかが!写真撮るぞ!?」

エルヴィン「もしや、リヴァイ妬いてるな?」
ハンジ「えー!!?」

リヴァイ「…ちっ、違うぞばかども!!モブリットが可哀想だと…」

エルヴィン「ちなみにそのオパール、二つとも同じ原石から出来てるから、夫婦みたいなものだな。いわばお揃いを一緒に身に付けていると言うことだ。仲睦まじくなJ

ハンジ「リヴァイと夫婦かあ…毎日喧嘩だろうなぁ…」
リヴァイ「想像すんなクソめがね!!」

旅行も明日で最終日。
ケアンズで過ごす最後の夜、三人の心はまるで温かい風が吹いているように、ほっこりしていた

ほっこりほっこり

お互いにブレゼントを用意してたんだなぁ…心暖まる話だ
そしてハンジくそ可愛い!
続き楽しみにしてるよ乙乙!

>>119
コメントありがとうございます♪
ほっこりほっこり~!

>>120
乙ご馳走様です♪
あと少しで旅は終わりますが、お付きあいよろしくお願いします♪

エルヴィン「皆、またせたな…寝起きドッキリの時間がやってきたよ…!」
深夜のホテルの廊下にて、よく通る声を極力押さえて言うエルヴィン。

エルヴィン「現在時刻午前4時。気分よく酒をたらふく飲んでいたターゲットはぐっすり眠りについているはずだ」
フフ、と怪しい笑みを浮かべる

エルヴィン「私はやられたらやり返す主義なんだ。フフフ。と言うわけで、ターゲットが誰かはもうお分かりだろうと思う!!早速行ってみよう」

エルヴィン「鍵を開けなければな…と、その必要は無いようだ」
ガチャリ、とドアが開いた

エルヴィン「鍵をかけずに寝るとは、無用心だな。後で注意しておこう。さて、部屋に入るぞ」

エルヴィン「部屋にうっすら明かりが灯っているな。真っ暗だと眠れないのだろうか…お、机には書類の束が散らばっているな…ナニナニ…」

エルヴィン「ワニさんの生態、ワニさんとの意志疎通、ワニさんの愛、ワニさんかわぇぇ…一応研究資料なのかな?書類を揃えておこう。整理整頓もさせないといけないな…」

エルヴィン「…書類を整理したら、本が出てきた。と思ったら日記だ。見るべきか見ないべきか…」
しばらくあごに手をやりながら思案するエルヴィン

エルヴィン「いや、私は団長だしな。幹部が何を考えているのか、知る権利かあるはずだ。うむ、そうだ、そうに違いない…」
エルヴィンはそういい聞かせながら、日記をパラパラとめくりだした

エルヴィン「《○月☆日。今日はいい天気!!ソニーもビーンもごきげんだった♪また頭をかじられそうになっちゃったよ!!こどもは元気が一番だよね!?こどもじゃなくて巨人だけど、まあ似たようなものさ!!》…似てもにつかんと思うが…ハンジは懐が深いな。見習うべきかもしれん」

エルヴィン「《○月★日。リヴァイに牛乳をたくさんプレゼントしたら、削ぐって言われた…人の恩を仇で返すなんてひでぇ…嫌われまくってるのかもね…》…リヴァイの気持ちを考えないとな、ハンジ。嫌われてはないぞ!?むしろ…」

エルヴィン「☆月☆日。エルヴィンがお腹がいたいと言うので、薬を渡したよ!!優しいなあ私!間違えて精力増強剤渡したけど…ま、いっか!?》…なるほど、それで…っていいわけないだろうが!」

エルヴィン「《☆月▲日。エルヴィンに、昨日の薬どうだった、とおそるおそる聞いたら、元気になったって!!精力増強剤で、お腹痛も治るんだね~。エルヴィンの研究もしてみたいな!!》………お仕置きが必要だな…」

エルヴィン「…いかん、読めば読むほど頭痛が酷くなりそうだからやめよう…それより、そろそろベットを拝見しよう」

エルヴィン「さて、まずは寝顔を拝見しよう」
スースーと寝息をたてて寝ているハンジ

エルヴィン「なかなか可愛い寝顔だな…コアラのぬいぐるみを抱いてねているぞ。ワニフィギュアも枕元に、気に入っているんだな」

エルヴィン「…良く見ると、本当に可愛いかもしれん。いつものハンジとはまた違った…そうか、眼鏡がないか…」
エルヴィンは、ヨシヨシとハンジの頭を撫でてやった

ハンジが少し身じろぎすると、布団から上半身がはみ出した

エルヴィン「…ハンジ、君は…」
ハンジの胸元にそっと手をやるエルヴィン


エルヴィン「…オパール、着けたまま寝ているのか。革ひもで首がしまるぞ…?」
そう言うと、革ひもを最大限長く調節してやった

エルヴィン「…リヴァイ、いるんだろう?」
背後に感じる気配に声をかけるエルヴィン

リヴァイ「ばれたか…」
エルヴィン「凄い殺気を感じたからな。怖い怖い」

リヴァイ「まあお前の事だから、ハンジをどうこうはしねぇとは思ったがな」
エルヴィン「…それはわからんぞ?男というやつはな…」
つぶやくように言うエルヴィン

その時…

ハンジ「ふぁー、あれれ、二人とも何してんのぉ…?」
呑気なハンジが目を覚ました

ハンジ「もしかして、夜這い…?そういえば、布団はだけてる!!リヴァイめくったね!?」

リヴァイ「はぁ!?ちげぇ!!してねぇ!!」
ハンジ「エルヴィンが止めてくれたんだね!?」
リヴァイ「違っ!ばかが!!」
エルヴィン「いやあ、普段の行いは大事だなあ、リヴァイ。ははは」

ハンジ「油断も隙もあったもんじゃないよお~リヴァイのえっち~」

リヴァイ「ちげぇっ!!クソめがね!!お前なんかに興味ねぇよ!!」

エルヴィン「ははは!!」

ハンジ「なんだあ、夜這いはエルヴィンだったのかぁ~」
結局、事の顛末をエルヴィンから聞いたハンジ

エルヴィン「夜這いではないぞ。寝起きドッキリの仕返しをするつもりだったんだ」

リヴァイ「途中でやばかったくせに、良く言う…」

ハンジ「やばいってなにが!?何が!?」

エルヴィン「…まあいい、それよりハンジ、君はもう少し自己管理をしろ。部屋に鍵がかかっていなかったし、書類は散らばっていたし…」

リヴァイ「…エルヴィンが話をすり替えやがった」
ハンジ「だから、やばいってなにが!?」
エルヴィン「…ハンジしつこいぞ?」
リヴァイ「お前、エルヴィンに襲われかけてたんだぞ?」

ハンジ「……えぇー!!まじで!!シャッターチャンスだったんじゃないか!」

リヴァイ「自分の身体より写真かよ…」
エルヴィン「ははは」

ハンジ「まあでも、エルヴィンも研究してみたいしなあ…ちょっと惜しいことしたかも!?」

リヴァイ「もうしらねぇ!!」

エルヴィン「そうだ、ハンジ。研究といえば、君は腹痛の薬と間違えて、変な薬をくれたよな…?」

ハンジ「な、なんで知ってるのぉぉ!?まさかエルヴィン日記読んだね!?プライバシーの侵害だあ!!」

エルヴィン「団長権限だ!!」
ハンジ「そんなのないし!?」
エルヴィン「というわけで、お仕置きだ。責任はとってもらおう」
ハンジ「責任ってなんだよぉ!?」

エルヴィン「俺を研究したいんだよな?存分に研究するといい」
というと、ベットにハンジを押し倒した

ハンジ「リヴァイ助けて~!」
リヴァイ「知らねぇ」

エルヴィン「覚悟したまえ、ハンジ」
ハンジ「うわぁん、ごめんなさいエルヴィン団長~(TT)怖い、やめて~」
リヴァイ「バカにつける薬、どっかにねぇかな…?」

リヴァイはため息をついて、部屋を出た

ケアンズの静かな夜、部屋で温かい紅茶を入れて、ベランダでゆっくり過ごすリヴァイだった

ガチャガチャガチャ!
ドンドン!!
ハンジ「開けてぇ!!」
ガチャガチャ!!

リヴァイ「チッ、うるせぇな…」
放っておこうかと思ったが、静かな夜に近所迷惑は申し訳ない、開けてやる事にした

ガチャガチャガチャリ…
ハンジ「あー危なかったあ!!早く開けてよ?リヴァイ」

リヴァイ「てめぇの部屋に戻りゃいいだろうが。折角の静かな一時を台無しにしてくれやがって…」

不機嫌な表情のリヴァイに、うなだれるハンジ
ハンジ「あー、ごめんね…。でもさぁ…」

リヴァイ「…お前、パジャマのボタン全部ずれてるぞ」
ハンジ「えっえっえっ!?」
慌て出すハンジ

リヴァイ「…済んだのか?お仕置き」
ハンジ「えっえっえっ!?なんの事!?」
顔を真っ赤にしながら、ボタンのかけ違えを慌てて直すハンジ

リヴァイ「…自分の部屋か、エルヴィンの部屋に戻れ」
リヴァイはハンジの背を押して、部屋から出そうとした

ハンジ「ま、待って、リヴァイ!!なんか誤解してない!?」
オロオロするハンジ

リヴァイ「してねぇ。静かに紅茶を飲みてぇから出てけ。クソめがね」
部屋のドアにハンジの体を押しつけた

ハンジ「待ってよ!!話を聞いて!!」
ハンジは素早く身を翻し、ドアから離れた

リヴァイ「…チッ。何だよ。早く言えよ、紅茶を飲みてぇんだからな」

ハンジ「紅茶、入れてあげるよ!!」
リヴァイ「…一人で飲みてぇから話あるなら早くしろ。クソめがね」

ハンジ「えっとね…ごめんね、リヴァイ。さっきは、その、ほんとは助けてくれたのに、勘違いしちゃって…」

リヴァイ「余計な事をしただけだろ、研究したかったらしいしな。まあその様子じゃあ無事研究できたんじゃねぇか?さあ、部屋に戻れよ」
盛大に不機嫌な顔で、吐き捨てるように言うリヴァイ

ハンジ「いやいや、エルヴィンは何にもしなかったよ!?ただ…その…」

リヴァイ「…何だ」
鋭い目線がハンジを刺す

ハンジ「…パジャマのボタンをね、全部外された」
リヴァイ「…」

ハンジ「で、ここからが不思議なんだけどさ、何故かまたボタンをかけ直したんだ、エルヴィン」

リヴァイ「…」
ハンジ「で、一言、このままリヴァイの部屋に行って謝ってこいって…多分エルヴィンがかけ違えたんだと思う、ボタン」

リヴァイ「…なるほどな。あいつめ…」

ハンジ「何?なに?!何がわかったのか教えて?」
リヴァイ「てめぇで考えろ」
ハンジ「えーー!!わかんねぇ…男心!!急に抱きたくなくなった、とか?!」

リヴァイ「…ちげぇ、ばーか」
ハンジ「あー、もう、頭回んないよ!!」
ハンジは頭をブンブン振った

ハンジ「どうせばかですよーだ…」
部屋のソファにドサッと腰を下ろしてつぶやいた

リヴァイ「…お前はわからなくていいんだよ」
そう言うと、ハンジの両頬をつねった

ハンジ「いひゃい(TT)」
リヴァイ「ばーか」
ハンジ「ひゃなせ~(離せ~)」
リヴァイ「断る。お仕置きだ」
ハンジ「…」
リヴァイ「…チッ」
目に涙をためたハンジを見て、手を離した

ハンジ「痛いじゃないか…女の子の顔になんて事を…」
リヴァイ「…女の子と認識してもらいてぇなら、もう少し節操を持て、クソめがね」

ハンジ「…うん。考えておくよ」
リヴァイ「考えずに行動にうつせよ…」

はぁ、と盛大にため息をついたリヴァイであった

ハンジ「リヴァイ兵士長様!!紅茶をお入れしました!!」

ベランダの椅子にふんぞり反っているリヴァイに、へりくだるハンジ
リヴァイ「…そこに置いとけ、クソめがね」

ハンジ「じゃあ私も座ろっと…」

リヴァイ「…誰が座っていいっつった?」
ハンジ「いじわる!!」

リヴァイ「俺が許すまで言うこと聞くんだろうが」
ハンジ「…はい…」
リヴァイ「返事がちいせえな…」
ハンジ「はいっ!!リヴァイ兵士長殿っ!!」
完璧な敬礼をして見せるハンジ

リヴァイ「うるせぇ…」
ハンジ「はぁっ!?声がちいせえなって言ったのリヴァイだろ!?」
リヴァイ「フン」

ハンジ「リヴァイ兵士長、お願いが…」
リヴァイ「断る」
ハンジ「せめて聞いてから断ってくれよ!!」
リヴァイ「どうせろくなお願いじゃねぇだろうが」
眉をひそめるリヴァイ

ハンジ「ちゃんと謝って、お礼がしたいのですが…」
リヴァイ「抱きつきも、投げキッスもいらねぇぞ」

ハンジ「…うん。だから…」
ハンジは少し屈むと、リヴァイのおでこに唇を落とした

ハンジ「ごめんね?」
リヴァイ「…おでこかよ」
ハンジ「…えっ、もしかして口にほしかった?」
リヴァイ「うるせぇ、ほしくねぇ」
プイッとそっぽを向くリヴァイ

ハンジ「口にしたかったけど、届きにくくって…」
リヴァイ「…はぁ!?喧嘩売ってんのかてめぇ!!」
ハンジ「売ってないよ!!ばかリヴァイ!!」

リヴァイ「…はあ、俺もどうかしてるな…」
頭を抱えるリヴァイ

ハンジ「柄にもなく口にキスを迫るリヴァイ…」
リヴァイ「言うな…」
ハンジ「一夏のアバンチュール、旅行中の開放感、そんな所かな~」
リヴァイ「分析すんな…」
ハンジ「まあ、そういう時もあるさ!!というわけで」
ハンジは身を屈めて、リヴァイの唇に自分の唇を重ねた

ハンジ「私もアバンチュール~!じゃあおやすみ!」
と言って部屋から走って出ていった

リヴァイ「………」
ハンジが入れた紅茶を飲んだ
リヴァイ「…にげぇ…」
しばらくそのまま、ケアンズの風に抱かれていた

面白い。オールキャラで書いてほしい。乙。

>>138
乙ご馳走様です♪
オールキャストですか!!この旅が終わったら、次は出演キャラを替えて書く予定ですので、よろしくお願いします♪

ハンジ「…あーやっちまったなぁ…」
部屋に走って戻り、部屋のドアをバタン!!としめたハンジ

ハンジ「…そういえば、久々だったなあ…」
自分の唇に触れながら、そうつぶやいた

エルヴィン「何が久々だったんだ?ハンジ」
ベッドの方から声がした

ハンジ「ぎゃぁぁ!まだいたのか、エルヴィン」
思わず扉まで後ずさる

エルヴィン「…逃げなくてもいいだろう?お仕置きはもう終わっているから」
困った様な表情のエルヴィン

ハンジ「…そんな顔してもかわいくないよ!?」
エルヴィン「はは。ところで、リヴァイの反応は?」

ハンジ「あっ、そうだ、エルヴィン。ボタンくらいちゃんととめてくれよ~そのせいでひどい目に…あったよ」

エルヴィン「はは。で、それを見たリヴァイの反応は?」

ハンジ「…うーん、最初は凄く怖い顔してたねぇ…でも、最終的にはなるほど、あいつめ…って…わけわかんないよ」

エルヴィン「そうか、あいつは几帳面だから、ボタンのかけ違えにはすぐ気がつくと思ったが、当たりだったな」
フフ、と不敵な笑みを浮かべて言う

ハンジ「なに企んでたんだよ…油断も隙もないのはエルヴィンの方だね…」

エルヴィン「…今さら気がついたのか?遅いな。まあでも、久々に何かあったみたいだし、よかったよかった」

ハンジ「…もしかして全部エルヴィンの掌の上での…」
エルヴィン「いや、俺がやったのは、背中を少し押したくらいだよ」
そう言うと、にっこり微笑んだ

ハンジ「ああーなんか疲れたよ、急に眠気が…」
エルヴィン「俺も部屋に戻って寝よう」
そう言うと、ベッドから立ち上がって扉に向かった

ハンジ「エルヴィン、服着てねてよ!?風邪ひくよ!?」
エルヴィン「そうだな、また布団捲られても困るし、考えておくよ。」

ハンジ「まくらねぇ!!」

エルヴィン「全然説得力がないな。二度あることは、三度あるというしな。ま、おやすみ、ハンジ」
手をひらひらと振って、エルヴィンは出ていった

ハンジ「おやすみ~」
ベッドに飛び込んで10秒たたずに、スヤスヤ眠りについたハンジであった

ハンジ「皆おっはよー!!」
エルヴィン「おはよう!!」
リヴァイ「…おう…」

ハンジ「あれれ、一人元気のない子がいるなあ!?今日は旅行最終日だよ!?盛り上がっていこう!!」

エルヴィン「リヴァイ、目の下にすごいくまができているな。眠れなかったのか?」

リヴァイ「…少しは寝た…紅茶飲みすぎて、眠れなくなった上にトイレが近くて参った…」
今にも目をつぶりそうなリヴァイ

ハンジ「仕方ないなあ!?リヴァイ、眠気覚ましのちゅうを!!さあ!!」

リヴァイ「じ、冗談じゃねえ!!なんの罰ゲームなんだよ!?」
にじりよるハンジに後ずさるリヴァイ

エルヴィン「公開プレイだな!?」カメラスチャッ
ハンジ「ほら、遠慮はいらないよぉ~ちゅうをしよう!!リヴァイ!!」

リヴァイ「しねぇ!!遠慮する!!」

ハンジ「エルヴィン団長~リヴァイがちゅうさせてくれないよ…」

エルヴィン「リヴァイ、命令だ。キスくらいしろ。公衆の面前で」

リヴァイ「…お前ら俺で遊んでるだろ!?」

エルヴィン「いやあ、青春が眩しいな」

結局何があろうと、いつも通り賑やかな三人であった

ハンジ「さあ、今日は旅行最終日!!ケアンズにある世界自然遺産の二つをまわるよ!!」

エルヴィン「世界遺産か。そういえば、先日行ったエアーズロック一帯も世界遺産なんだよな?」

ハンジ「そうそう、エアーズロック、アボリジニではウルル。マウントオルガ、アボリジニではカタジュタ。両方をあわせて《ウルル・カタジュタ国立公園ていうんだ。その一帯が世界遺産なんだよ」

リヴァイ「海もだろ?昨日行った。グレートバリアリーフ。オーストラリアってスケールでけぇな」

ハンジ「そうだね!ほんとはまだまだ世界遺産があるんだ。全部はまわれないけど、いつか行きたいね♪」

エルヴィン「今日も水着持参だが、海に行くのか?」
ハンジ「うん!!昼から行くつもり♪楽しみにしておいて♪いまから行くのは、海ではなくて森…かなあ。とりあえず行ってみよう!!」

ケアンズからバスで15分
お洒落な外観の駅、カラボニカターミナルに到着した

ハンジ「さあ、ここからスカイレールに乗るよ!!あれに乗って、今日の一つ目の世界遺産、クイーンズランド州の熱帯雨林を調査に行くよ!!」
ハンジが指さす方向には、数人が乗れるような、小さな緑色のゴンドラがあった

エルヴィン「スカイレールか、文字通りなら空を飛ぶ感じなのだろうな」
リヴァイ「落ちたりしないだろうな…」
ゴンドラの小ささに不安げなリヴァイ
ハンジ「大丈夫だよ!!怖いの?リヴァイ」
リヴァイ「…地に足がつかんのは落ち着かねぇな…」

エルヴィン「大丈夫だ。もし落ちたら立体機動で助ける」
季節外れなマントを着用していたエルヴィンがマントを翻すと、立体機動装置がちらりと見えた。

リヴァイ「奇遇だな、エルヴィン」
リヴァイもマントの下に立体機動装置を身に付けていた

ハンジ「こらぁぁ!!誰が立体機動装置の着用を許可したかな!?」
エルヴィン「許可はされていないが、却下もされていないぞ。何日も着けていないから、そろそろ慣れておかないと…」
リヴァイ「立体機動があるから安心だ」
ハンジ「どんだけ立体機動が恋しいんだよ!?とにかく邪魔だから外してきてよね!?」

エルヴィン「着用しておくだけだ。しかし、できれば熱帯雨林の木で、立体機動をすこーし試させてもらえたら嬉しい…」

リヴァイ「アーアアーって、ターザンのものまねもすこーし試させてもらえたら嬉しい…」

ハンジ「世界遺産にアンカーを打とうとするなよ!ばか!」
結局立体機動装置は、ハンジに没収されたのであった

スカイレールに立体機動装置未着用で乗り込んだ三人

リヴァイ「ぜってー落ちねぇだろうなあ…?」
エルヴィン「立体機動、試したかった…」
ハンジ「いい加減あきらめなよ!!あっ、見てみて!!後ろ!」

動き出したゴンドラの後方には、ケアンズの海が見えた
エルヴィン「海と、ケアンズの街だな」
リヴァイ「昨日食った肉屋はどこだろうな」

ハンジ「皆、前見てごらん!!」
三人が前を見ると、そこは地平線まで緑に覆われていた

リヴァイ「あれが熱帯雨林か…」
エルヴィン「広大だな…」
ハンジ「見渡す限り、だよね!!」

ゴンドラが進んでも進んでも、林は途切れることはなく、しばらくすると、後方のケアンズの町並みもみえなくなり、まさに360°熱帯雨林の景色になった

エルヴィン「これはすごい。圧巻だな」

ハンジ「この熱帯雨林は、世界最古のでね、昔はオーストラリア全土を覆っていたんだ。地殻変動で、今の大きさに縮小されたんだ」

リヴァイ「調査してみてぇな」
ハンジ「後で調査できるから、もう少し上から楽しもうね♪」

約30分ほど、熱帯雨林の空の旅を楽しんだ一行。
ハンジ「さあ、スカイレールの最終駅キュランダについたよ!!これから少し歩いて、レインフォレストステーションにいくよぉウヒヒ…」

エルヴィン「しかし、なんだか空気が湿ってる気がするな」
リヴァイ「確かに、空気が下とは違う」

ハンジ「そうだね!!熱帯雨林って、晴れてても雨降るし、突然スコールになったりもする天候だから、雨のにおいかも…ウフフ…」

木々の間に拓かれた道を歩きながら、レインフォレストステーションを目指す。
時折意味不明の笑いや、スキップをして、挙動不審なハンジ。

エルヴィン「ハンジ、君の顔が先ほどから異様に赤いのは気のせいか?」

ハンジ「フフッ…あぁ…もう我慢できないよ…はやく、はやく…」
完全に目が逝ってるハンジ

エルヴィン「やはりハンジが変だ」
リヴァイ「スカイレールから降りた辺りから怪しかった。まあいつも変なやつだがな」

エルヴィン「リヴァイ、お前ゴンドラに乗ってる時にハンジに何かしたんじゃないのか?セクハラとか…」

リヴァイ「するか!!」
エルヴィン「まあ、しばらく様子をみるか…」

怪しいハンジの後を、少し距離を置いてついていく二人であった

ハンジ「ついに、ついにきたぁぁぁぁ!!」
レインフォレストステーションの、ある施設の前で両手を空に高々と上げて叫ぶハンジ

エルヴィン「なるほどな、ハンジが変になるわけだ」
リヴァイ「動物園か」

ハンジ「コアラ・アンドワイルドライフパークだよぉぉ!!名前の通り、コアラやカンガルー、ウォンバット、そぉしぃてぇ…ワニさぁぁんがいるよぉぉ!!早く行こう!!」

リヴァイ「コアラ…」
エルヴィン「コアラ…」
ハンジ「ワニサァァン…」

三人は動物園に進撃した



ハンジ「うぉぉ!!カンガルーが放し飼いだっっ!!かわいすぎるゥ!!」
園内を自由に動き回るカンガルーを、同じ体勢でピョンピョン跳ねながら後を追って行ってしまったハンジ

エルヴィン「か、かわいらしいな、ハンジ…」

リヴァイ「…お前が昨夜欲情しそうになった相手だ。いい趣味してるな、エルヴィン」

エルヴィン「…欲情、しそうになってはいない…断じて…。お前こそ久々になんかしたんだろ?」

リヴァイ「…してない、された…慰謝料請求したい気分だ…」
はぁ、と二人同時にため息をついた

しばらくすると、スキップをしながらハンジが戻ってきた
ハンジ「お待たせ~!ああ、楽しかった…カンガルーかわいすぎる!!」

エルヴィン「よ、良かったな」
リヴァイ「コアラはまだかよ…、クソめがね」
ハンジ「そ、そうだ!!コアラだよね!!ここでもコアラ抱っこして写真撮れるんだよ!!行こう!」


コアラ舎の前には列があり、どきどきしながら並んだ
リヴァイ「コアラが何か食ってる。草か」
エルヴィン「モシャモシャ食べているな。かわいらしい。ぬいぐるみの様だ。持って帰りたい」

ハンジ「コアラが食べているのは、ユーカリの葉だね!!実は毒があるんだよ!!」

リヴァイ「毒があるものを食えるのか。すげぇ腹してんな、コアラ」

ハンジ「話すと長くなるから端的に話すとね、コアラは動きが鈍い、だから他の動物が食さないユーカリの葉を食べてきたんだ。長い月日の間に、コアラの体はユーカリの毒を中和できるように進化していったんだ」

エルヴィン「コアラはかわいいのに努力家なんだな。ますます気に入った。連れて帰りたい」

リヴァイ「お前にもぬいぐるみを買ってやろうか?エルヴィン。団長室の机にでも飾りゃあいい」

ハンジ「じゃあ私もリヴァイにぬいぐるみ買ってあげるね!!お揃いで各々机に飾るって事で!!」

リヴァイ「…フン、悪くない」
そうこうしている間に、行列の先頭にきた

ハンジ「か、かわえぇ…コアラちゃん、かわえぇ…」
ハンジの胸の辺りにしっかりおさまっているコアラ

ハンジ「爪は結構鋭いんだね、その爪で、しっかり掴まってるんだよ?ね?君はほんとにかわいいよ♪」
コアラに話しかけながら、優しく撫でてやっている

エルヴィン「良かったな、ハンジ。コアラを抱けて」
エルヴィンはそんなハンジを見て、知らず知らずのうちに優しげな表情になっていた

ハンジ「うん、嬉しいよ!!…みてよ、胸にしがみついて離れない!!ほんと連れて帰りたいよ~!」
母性本能をくすぐられているのだろうか、この上なく優しげな表情のハンジ

リヴァイ「…ぬいぐるみで我慢してろ」
そう呟いたリヴァイの顔は何故か赤かった

エルヴィン「お、リヴァイの顔が赤い。もしや…コアラが羨ましいのか?」

リヴァイ「はぁ!?羨ましくねぇ!」

ハンジ「そっか、リヴァイはコアラがしがみついてる私の胸を凝視していたんだね…」
エルヴィン「そして、コアラと代わりたいと思っているはずだ」

リヴァイ「も、妄想しすぎだ馬鹿ども!」
リヴァイの悲鳴のような叫びが辺りに響き渡った

ハンジ「コアラ抱っこして写真も撮ったし、コアラのぬいぐるみも三人お揃いになったし、お待ちかねのワニさんに行くよ~!」
ハンジはリヴァイに、リヴァイはエルヴィンに、コアラのぬいぐるみをプレゼントした。

リヴァイ「てめぇハンジ。今度は檻に入ろうとすんなよ。握手もすんな。約束だぞ?」

ハンジ「そんなことしない…かもしれないしするかもしれない…」
リヴァイ「するな、クソめがね!」
ハンジ「うー、わかった、我慢する…」
三人はワニの檻に向かった

ハンジ「ワニさんこんにちはー!!はじめまして!!調査兵団の分隊長ハンジ・ゾエだよ!!君たちかっこいいね!!惚れるよ~!」
ワニの檻には1匹だけワニがいた

エルヴィン「夜の動物園でみたワニより数倍大きいな…」
リヴァイ「体長 5メートルってとこか。でかすぎるだろ」

ハンジ「うん、大きいね。この間のワニさんはかわいげがあったけど、この子は明らかに目付きが違うね。さすがに握手もできないや」
大きなワニは、三人を威嚇するように口を大きくあけていた。

ハンジは近くを通ったボランティアガイドに何やら話しかけた
ハンジ「なるほどね、この子はジャックって名前で、お嫁さん候補のワニ12頭を全部食べたらしい。獰猛すぎて、他のワニと一緒に飼えないみたい」
*

リヴァイ「エルヴィンなら、きっと素手であいつを懐かせるだろう。やってみてくれ。団長の力を見せてくれ」

ハンジ「そうだよ!!だってあんな鬼みたいにこえぇリヴァイをなつかせるくらいなんだもん!!ジャック君くらい余裕だよ!!連れて帰って、壁外遠征に連れていこう!!」

エルヴィン「俺に死んでこいと言ってるんだなお前たち…ひどい部下を持った…立体機動もないのに…」

リヴァイ「しかし、嫁を 12人も食うとは凄い」
ハンジ「エルヴィンなら12人一度に食えそう!ジャックより上だね!?」

エルヴィン「…ハンジ、俺は君の目に色魔として映っているのかな…?」
ハンジ「次々と女をたぶらかし、言葉巧みに誘導し…食らう色魔」
エルヴィン「どこからみてそう映るんだ!?」

リヴァイ「話がずれてるようだが、放置が一番だな」

エルヴィン「色魔だなんて、傷ついたよ…」

ハンジ「うわぁ、エルヴィンごめん
ね!?嘘だよ!?冗談!もてるし、口がうまいのはほんとだけどさ!?」
悲しそうにうなだれるエルヴィンに、あわてふためくハンジ

リヴァイ「エルヴィンに昨夜襲われかけて、妄想力が上がってるな、ハンジ」

ハンジ「ぎゃぁぁぁ!!思い出してしまったぁ!!リヴァイのばか!!」
顔が真っ赤になるハンジ

エルヴィン「もう一度、ボタンをはずそうか…?ハンジ。俺は色魔だから遠慮しなくていいよな?」

ハンジ「結構ですぅぅ!!遠慮しますぅ!!遠慮してくださぁい!!」

リヴァイ「ばーか」

威嚇するワニのジャックを尻目に、なんとものんきな会話の三人であった

ハンジ「動物園楽しかったね!!さて、次はこれに乗って熱帯雨林を調査するよ!!」
動物園を後にした一行は、ボートに車輪がついたような乗り物の前にいた

ハンジ「水陸両用車アーミーダックだよ!!実際に戦争にも使われていたんだ!!」
エルヴィン「水から陸まで乗り換えなしなんだな。便利だ」

リヴァイ「ワニとかいねぇだろうな…?」
ハンジ「ワニさんもいるよ!!でもジャックみたいなのは特別だから、大丈夫」
ハンジはそう言うと、舟の操縦士と話
をし出した

ハンジ「熱帯雨林のなかでね、幻の鳥、ヒクイドリや、幻の蝶、ユリシーズが見れるみたい♪特にユリシーズは、三回見たら幸せになれるらしいよ!!」

エルヴィン「必死で探すことにしよう」
リヴァイ「なんだか最近不幸な気がするからな、見つけられん気がする…」
ハンジ「大丈夫だよ、リヴァイ。心配はいらないよ。一緒に探そうね!?」
リヴァイの頭をヨシヨシと撫でた

リヴァイ「…ああ」
珍しく文句を一つ言わず、頭を素直に撫でられていたリヴァイだった

ザバーン!!
水しぶきを上げて、熱帯雨林の間を縫うように流れる川に入水したアーミーダック

ハンジ「ひゃっほー!!」
エルヴィン「凄いな。大迫力だ!!」
リヴァイ「早速だが、あれはなんだ!?何かいるぞ…」
リヴァイが指差す方向には、大きく長いヘビがいた

ハンジ「ニシキヘビだね!!体を伸ばして、日光浴中なんだ」

エルヴィン「川縁にまで木が生えているんだな。その木の根元に沢山魚がいる」

ハンジ「バラマンディだね。オーストラリアで一番美味しい魚って言われているよ!!お昼に食べる予定!!」

エルヴィン「あの、簾みたいなカーテンみたいな木はなんだ?」

ハンジ「「カーテンフィグツリーだね。簾のように根を垂らしたイチジクの木。別名、絞め殺しイチジクって呼ばれているよ」

リヴァイ「絞め殺し…?ぶっそうな名前だな」

ハンジ「あのカーテンみたいな木はね、寄生した親木の養分なんかを吸いとりながら成長するんだ。その課程で、親木を枯らしてしまうんだよ」

エルヴィン「見た目美しいが、中では親木が死んでいるんだな。世界は残酷だ」

ハンジ「ちなみに、カーテンフィグツリーは、天空の城ラピュタのモデルだと言われているよ」

エルヴィン「あのちーへいせーん~かがーやくーのーは~♪」

リヴァイ「バルス!!」

ハンジ「…よく知ってるね…?」

しばらく珍しい植物や動物を見つけては、わいわいがやがやしていた一行

リヴァイ「なあ、あの先に青いヒラヒラが見える」

リヴァイが指差した方向には、きらきらと光るような青い光りがみえた

ハンジ「ユリシーズバタフライだ!!別名オオルリアゲハ。止まっているときは、裏面の地味な茶色い羽しかみせないんだけど、ああやって飛ぶときだけ、表の綺麗な青い羽が見えるんだ!!」

舟から50メートルほども先に飛んでいるのに、はっきり見てわかる青

三人はしばらくその青い羽に吸い込まれるように見入っていた

リヴァイ「あと二匹だな…」
目を皿のようにしてユリシーズを探すリヴァイであった

あけおめ 今後も楽しみにしてます

>>158
明けましておめでとうございます!!
また続き投下させて頂きますので、よろしくお願いいたしますm(__)m

アーミーダックから降りた一行

ハンジ「楽しかったねぇ♪わにさんの日光浴も見れたしね♪」

エルヴィン「ジャックに比べたら赤ちゃんのようだったな、あのワニ」

ハンジ「かわいいよねぇ♪飼いてぇ!!一緒に寝るんだ!」

エルヴィン「ハンジ、却下だ」
きっぱり言い放つエルヴィン

ハンジ「そんなぁ~神様仏様エルヴィンさまぁー」

リヴァイ「…」
二人がワニで盛り上がっているのに、リヴァイは一人無言で落ち込んでいる

リヴァイ「お前らはいいよな。ユリシーズを一匹見ただけだ。だがな、おれは…二匹、見てしまったんだ…」

エルヴィン「二匹見れたならラッキーじゃないのか?」

ハンジ「実はさ、ユリシーズは一匹見たら、幸せに、三匹見たら金持ちになるって言われててね」

エルヴィン「ふむふむ」

ハンジ「二匹見たら、一匹目の幸せが消えるって話なんだよね~あはは」

リヴァイ「…」

エルヴィン「ハンジ、そんな事教えてやるなよ、かわいそうに…」

ハンジ「だってさ、リヴァイが凄く自慢してくるんだもん!!お前とは動体視力が桁違いだとかさ~」

リヴァイ「…嘘じゃねぇ、実際ユリシーズは俺が見つけた。お前らのは俺のおこぼれだ。だからお前らのはノーカウントだ」
胸を張って言い張るリヴァイ

ハンジ「えー、リヴァイ、こどもみたい。クソガキ~」
リヴァイ「うるせぇクソメガネ!!」
ハンジ「やーいチビァイ!!」
リヴァイ「チビァイ言うなバカハンジ」

エルヴィン「なあ、お前たちほんとに昨夜いい雰囲気になったのか…?」

エルヴィンの作戦でいい雰囲気になったはずの二人が、また振り出しに戻ったのを感じで、頭を抱えたエルヴィンであった…

ハンジ「さて、キュランダ熱帯雨林を後にしまして、ここは飛行場!!」

リヴァイ「飛行機にのるのか?」

ハンジ「当たり前だろ!?でなきゃ飛行場なんて行かないし~」

リヴァイ「クソメガネ!!お前いちいちムカつく!!」

まだ喧嘩中の二人であった…

エルヴィン「あまりに喧嘩が長引くなら、兵士長も分隊長も降格にするからな」
厳しい表情で言うエルヴィン

リヴァイ・ハンジ「やれるもんならやってみな!!」

エルヴィン「…そうだな、ではリヴァイ、お前はエレンの副官な」
リヴァイ「!?」
ハンジ「やーいチビァイ!!」

エルヴィン「ハンジ、お前は俺の副官だ。24時間こき使ってやるから覚悟したまえ」

リヴァイ「俺がエレンの部下…」
ハンジ「エルヴィンの副官なんて死んだ方がましだぁぁ!!」

エルヴィン「ハンジ、ひどいな君は…」

ハンジ「と、とにかく、今からセスナに乗って、ケアンズの海を上空から見るよ♪ハートの形のリーフがあったり、綺麗なんだ!!」

エルヴィン「ハート型か。珍しいな」

ハンジ「うん。本当は、グレートバリアリーフ1綺麗な浜と海がある、ハミルトン島ってリゾート島にいって、その近くにあるハートリーフを見たかったんだけど…」

リヴァイ「ハミルトン島に行けばいいだろうがクソメガネ」

ハンジ「ケアンズから 510キロあるんだ。とても日帰りではいけないから…それにさ~」

エルヴィン「ハミルトン島に行きたい」

ハンジ「ごめーん!!ハミルトン島は私がハネムーンに行く予定だから今回は行かな~い!!やだやだちびでかおっさんとハミルトン島なんてもったいない」

リヴァイ「よし、このセスナでハミルトン島へ行こう。後一泊のびてもいいだろ、エルヴィン」

エルヴィン「大丈夫だ。問題ない。セスナで寝てれば朝には着くな」

ハンジ「私のハネムーンがぁぁ!!夢がぁぁ!!」

と言うわけで、土壇場で一泊追加でハミルトン島に行く事になった…

エルヴィン「おい、リヴァイ!!凄く綺麗だぞ、下が…」

リヴァイ「すげぇ…」
結局セスナでそのままハミルトン島に向かっている一行

飛行機から見るグレートバリアリーフは絶景以外表現しようがないほど綺麗だ

ハンジは先程から電話ばかりしていて景色を楽しんでいない

リヴァイ「ハミルトン島楽しみだな」
エルヴィン「危うく逃すところだったな。しかしハンジは先程から電話ばかりしているな。もっとゆったり楽しむべきだと思うが」

リヴァイ「だよな」

ハンジは電話を切ると、エルヴィンにヘッドロックをかけた

ハンジ「君達が急にハミルトン島に行くって言うから、ホテルやツアーの予約の手配してんだよ…!」

エルヴィンはヘッドロックかかったまま動かない

リヴァイ「おいハンジ、ヘッドロックかかってねぇぞ。それじゃあただてめえの胸にエルヴィンの顔を押し付けてるだけだ」

エルヴィン「…」ピース

ハンジ「ぎやぁぁ!!しまった…」
リヴァイ「もっと技を磨けよ、ハンジ」
エルヴィン「いやぁ、役得だった」
ハンジ「キィィィ!!」

ハミルトン島には二時間くらいのフライトで到着した

ハンジ「さて、着いたね。早速だけど…」

リヴァイ「Aじゃねぇのか?」
エルヴィン「いや、Bは固い。Cかもしれん」
リヴァイ「そんなにあるか?」
エルヴィン「俺の予想が正しければな」

ハンジ「こらぁぁ!!何の話ししてんだよ!!人の話を聞けぇ!!」

リヴァイ「てめえのまな板胸の話だ」
エルヴィン「で、サイズはいかほど?」

ハンジ「言うか!!バカ!!それよりホテル行こう。夕食に間に合わなくなる!!」

一行はホテルに向かった

行ったことある場所だから面白いー

>>166
おお!!オーストラリア行かれた事がおありなんですね♪私はもう10年くらい前に行きましたが、うろ覚えで…写真見たりして思い出しながら書いてます♪
面白いと言っていただいて感謝です!!

ハンジが予約したハイヤーで着いた先は、超豪華ホテルだった

ハンジ「クオリアっていうホテルだよ。世界のトップ10に入る5つ星ホテル。ハネムーンに泊まる予定だったけど、ハミルトン島に来ちゃったし、相手に不服ありまくりだけど仕方ないからここにしたよ…」
ため息とともに悲しげに言うハンジ

エルヴィン「そんなに俺達と一緒が不服なのか…?」

リヴァイ「てめぇに言われたかねぇクソメガネ」

ハンジ「まあ、ハネムーンの下見と思おう…」

リヴァイ「三人でも楽しめばいいだろうが」

エルヴィン「そうだな。折角の豪華ホテル、満喫しよう。ハンジ」

ハンジ「…そうだね!!楽しまなきゃ損だ!!うん!!折角の素敵ホテルなんだもんね♪」
ハンジは暗い表情から一転、笑顔になった

リヴァイ「切り替え早ぇな…」
エルヴィン「それもハンジの良い所だ」

三人は丁寧すぎるホテルマンに連れられて部屋に向かった

エルヴィン「こ、これは部屋なのか…?」

三人が案内されたのは、普通の豪華な一軒家のような部屋…だった

ハンジ「一番いい部屋だよ。だからハイヤー付きだったんだ」

リヴァイ「…プールがあるぞ…でかいプールが」

部屋は広すぎなほど広く、洒落た豪華な家具が、この部屋のランクを物語る

ハンジ「わぁ~みてみて!!プールから海が見えるよ~ていうか、離れのコテージまでついてる!!」

10人がけのダイニングテーブルに、屋外プライベートプール、キングサイズのベッド、そして海が見渡せるロケーション。

エルヴィン「王族にでもなった気分だ…」

リヴァイ「折角だしプールで泳ぎてぇな。飯までまだ時間あるのか?ハンジ」

ハンジ「うんうん、まだまだ大丈夫だったから、ゆったり楽しんで!!プール入ろう♪」

早速三人は水着に着替えてプールで遊ぶことにした

12メートルほどのプールは、完全プライベートで、目の前に海。

ハンジ「いくよー!?タァッ!!」
ザバーン
変な格好で飛び込む、という遊びに興じているハンジ

リヴァイ「高級リゾートなのに、まるで雰囲気ねぇな…」

ハンジ「リヴァイもやりなよ~楽しいからさ!!」

リヴァイ「…チッ仕方ねぇな…ハッ!!」
ザバーン
思いきり飛んで、前に2回転して着水した

ハンジ「立体機動なしの回転切りみたい!!おもしろ~!人間にはできない技だよねそれ!!」

リヴァイ「俺はなんなんだ!?」
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「そうだけどよ…?」

そんな二人の様子を見ているエルヴィンは、プール横のサンデッキで日光浴しながらトロピカルジュースを飲んでいる

エルヴィン「お前たちは本当に仲良しだなあ。昔から何故かリヴァイはハンジには優しかったよな。そういえば」

リヴァイ「腐れ縁なだけだ」
ハンジ「仲良しかな?喧嘩ばっかりだよねぇ」

エルヴィン「痴話喧嘩にしかみえんよ、いつも」

リヴァイ「んなこたぁねぇ!!それよりエルヴィン、お前もおもしろ飛び込みしろよ」

ハンジ「じじいになっちゃうよ!!寝そべってばかりじゃ!!」

エルヴィン「ははは。では失礼して…ヤァ!!」
ザバーン…
エルヴィンも、二回転立体機動飛び込みができた

ハンジ「えー!!エルヴィンもできた!!すげ~!!わたしも練習しよ♪」

折角の高級リゾートも、三人にかかればいつもの賑やか空間になるのであった。

プールで散々遊んだあと、三人ならんでサンデッキで夕日をみた

ハンジ「海に夕日が沈んでくね~」

リヴァイ「綺麗だな、これみたいだ」
と、リヴァイが指差したのは、ケアンズでエルヴィンからもらったオパールのネックレスだった

エルヴィン「そうだな。この風景は、青に橙に赤…グリーン、海の色と相まって、オパールのように美しいな」
エルヴィン、景色の美しさに目を細める

ハンジ「壁の外の何処かにも、こんな場所あればいいな」

リヴァイ「もっと綺麗な場所があるかもしれねぇな」

エルヴィン「そのためには、前に進まなければな」

ハンジ「頑張ろう…!」
リヴァイ「おう」
エルヴィン「ああ、そうだな…!」

そのまましばし、夕日をながめていた

夕食は、ホテル内の海の見えるレストランで摂ることにした

ハンジ「これがバラマンディ、キュランダでみたよね?食べよ♪」

三人のテーブルには沢山の料理が並んでいる
バラマンディという魚の香草焼き、ワニの肉など、オーストラリアでしか味わえないような物から、定番の牛肉まで、盛りだくさんである

リヴァイ「ワニって旨いな。聞いた時は罰ゲームかと思ったが、わりとあっさり、臭みもなく、食べやすい。悪くない」
リヴァイはワニ肉が気に入ったようだ

エルヴィン「やはりバラマンディだな。この魚、大きいのに大味ではなくて、濃厚だよな」

ハンジ「二人に喜んで貰えて嬉しいな♪」
ハンジはニコニコしながら料理に舌鼓を打つ二人を見ていた

ちゃっかりオージーステーキも平らげた三人のお腹は幸せで満腹だった

オーストラリアか・・・
部活の先輩が旅行に行ったとか行かないとか・・・。

この豪遊したお金の1割でも訓練兵の食事にまわしてあげたい…

>>174
コアラの赤ちゃんですか!!私は見れなかったです(TT)先輩が羨ましい!
面白いと言って頂きありがとうございます♪

>>176
調査兵団の遠征費にもできたはずですよね!?f(^^;まさに豪遊です!

お腹一杯になった三人は、ホテルのブライベートビーチに来て、寝そべっていた

エルヴィン「星が綺麗だな。まさに満点の星空だ」
リヴァイ「いろんな色の星があるな。明るさも様々。不思議だな」

ハンジ「あれが南十字星だね。真ん中の一番よく見える明るい星が、ケンタウルス座のα星。
地球から一番近くにある恒星だよ」

リヴァイ「十字架が寝てるみたいな感じなんだな」

ハンジ「うんうん、南の天の川も見えるね。ほんと星が綺麗に見えるね」

エルヴィン「そういえば、北極星はあるが、南極星ってあるのか?ハンジ」

ハンジ「ううん、南極星はないんだ。あっ、あそこに星が固まってるの、解るかい?上と下に。あれはマゼラン星雲だね」

リヴァイ「綺麗だな。なあ、人って死んだら星になるのかな…」

ハンジ「…きっとなると思う!」

リヴァイ「だとしたら、あの鈍く光ってるのはオルオで、隣の赤いのはペトラだな」

エルヴィン「夫婦星みたいでいいな」
リヴァイ「ああ、寂しくねぇしな」
ハンジ「私たちは、皆の分まで頑張らなきゃね…!」
満点の星に、誓いを新たにした三人であった

エルヴィン「部屋にも飲み物がたくさんあるよな。酒もある。折角だし部屋でゆっくりしようか」

ハンジ「そうだね♪海を見ながら静かに酒盛りしますか!!」

リヴァイ「ハンジがいたら静かにとはいかなさそうだが、部屋でゆっくりしたいし、賛成だ」
と言うわけで、豪華な部屋に戻った三人。



リヴァイ「俺は風呂に入りてぇ。入ってくる」
リヴァイは部屋に入るなりそう言うと、服を脱ぎながらバスルームに向かった

ハンジ「エルヴィンも入ってきなよ♪離れにもバスルームあるよ♪」

エルヴィン「ではお先に頂こう…なんなら一緒に入るか?ハンジ」

ハンジ「嫌だよエロヴィン!!ばか!!」

エルヴィン「ははは。残念だ。では入ってくる」
エルヴィンは離れのコテージに行った。

暫くすると、リヴァイがバスルームから出てきた

リヴァイ「あーさっぱりした。ハンジ、お前もさっさと入ってこい。風呂の湯、張りなおしておいたからな」
頭をタオルでゴシゴシしながら言った

ハンジ「わざわざお湯張りなおしてくれたんだね!ありがと、リヴァイ♪優しいなぁ~」

リヴァイ「当たり前の事をしただけだろうが。優しくねぇよ!」

ハンジ「はいはい、意地っ張りなんだからなあ、もう。誉めてるのにね?」

リヴァイ「うるせぇ、早く入ってこい!」

ハンジ「は~い。リヴァイ、お風呂覗かないでね?覗きたいだろうけど」

そう言ったハンジの顔にバスタオルが飛んできた

リヴァイ「お前のなんて覗きたくねぇよ!!さっさと行け!!」

ハンジ「え~?ほんとかなあ?まあいいや。入ってくるね♪」
ハンジはそう言うと、バスルームに消えた

エルヴィン「わざわざ覗かないで堂々と見るよな、リヴァイ」
いつの間にか離れから戻ってきたエルヴィン

リヴァイ「堂々とも見ねぇ!!興味ねぇよ!!」
エルヴィン「ほう…そうか…?」
意味深な表情のエルヴィンであった

ハンジ「あー最高の眺めのお風呂だなぁ~気持ちいいな♪」
風呂はガラス張りで、外の景色を見ながら湯に浸かれる
ちなみに外はもちろん海と、星空だ。

ハンジ「リヴァイはほんと気が利くよね?普通わざわざ風呂の湯張り替えたりするかな?」

ハンジ「…いい奴だよね…うん」

ハンジ「…む、のぼせたかな!?体洗おっと…」
ハンジはそそくさと体を洗い出した
鏡に映る顔が何となく赤いのは気のせいだと思いながら…

その頃部屋では…


エルヴィン「…」カキカキカキ…
エルヴィンが何やら書類を書いていた

リヴァイ「おいエルヴィン、何書いてやがる?まさか写真貼った、記事でっちあげの報告書じゃねぇだろうな?」

エルヴィン「いや、違うよ。ちょっといろいろ辞令をね」

リヴァイ「そうか。こんなときにも仕事なんだな」

エルヴィン「一応団長だからな…さて、これで完成」
ポン、と書類に印鑑を押した

ハンジ「お待たせ~!!」
まるでタイミングを見計らうかのように風呂からでてきたハンジ

リヴァイ「外で飲むか。風が心地よかったぞ」

ハンジ「そうだね♪そうしよう!!」

エルヴィン「酒もっていくから、グラス頼む」

リヴァイ「了解だ」

ハンジ「私はおつまみ~!」

プールサイドのデッキで、調査兵団幹部の飲み会が始まった

夜のハミルトン島も、また魅力的だ
デッキから見えるのは静かな海
灯りさえ少ない

ハミルトン島は、島の70%は未開発で、手付かずの自然だ
ホテル地帯や空港などの付近だけ開発されている

クオリアは、島の最北端に位置し、小高い丘に海を見下ろすロケーションで建っている

また、クオリア内は宿泊客しか立ち入ることができなくなっており、その点でもホテルのランクが高い事がわかる

ちなみに、 16才以外は宿泊できないので、まさに大人のための施設なのである

静かな落ち着いた雰囲気

三人はそんな大人リゾートで、どんな酒盛りを展開するのであろうか

続き期待。

ハンジ「では、素敵なハミルトン島の夜に~」
リヴァイ「空の星になってるあいつらに」
エルヴィン「俺たちの愛と友情と絆に」
三人「…乾杯!!」

ハンジ「リヴァイ、泣かせないでよぉぉ!!星になってるあいつらにとかさ、うわぁぁんうわぁぁん」
ハンジ、いきなり泣き出した

エルヴィン「泣くな泣くな、ハンジ」
エルヴィンはハンジの頭をヨシヨシと撫でてやった

リヴァイ「うるせぇ泣き声だな、クソメガネ。泣いても普通でも、てめぇはいつもうるせぇ」
チッ…と舌打ちをするリヴァイ

ハンジ「だってさあ!!だってさあ!!うわぁぁん…」

エルヴィン「まあ、こうして泣く所もかわいいじゃないか。なぁリヴァイ」

リヴァイ「俺に振るな!!俺に!!」
エルヴィン「お前しか振る奴がいないだろ?」
リヴァイ「まあ、そうかもしれねぇけどよ…」
エルヴィン「お前が泣かせたのだから、慰めてやれよ。リヴァイ」

ハンジ「うわぁぁん…」
泣いてるハンジをチラリと見るリヴァイ

リヴァイ「無理だ…いい加減泣き止めクソメガネ!!」
リヴァイは悲鳴をあげた

>>189
748さん、ありがとうございます!!

エルヴィン「頭撫でてやれば泣き止むぞ、リヴァイ」

リヴァイ「何で、俺がクソめがねの頭撫でてやらなきゃいけねぇんだよ!?」
ただ頭1つ撫でるだけの事を頑なに拒むリヴァイ

ハンジ「シクシク…」
しつこく泣くハンジ

エルヴィン「仕方がないな…ほらハンジ、泣くな。空にいる仲間に笑われるぞ」
エルヴィンはハンジの背中を優しくさすってやった

すると、あら不思議、ハンジは泣き止んだ
ハンジ「ありがとうエルヴィン。ちょっといろいろ思い出しちゃったよ…ごめん」

エルヴィン「いや、そうしてたまに思い出して泣く事も良いと思うぞ」

ハンジ「リヴァイは慰めてくれなかった…」

リヴァイ「…」ギクッ

エルヴィン「恥ずかしがりで素直じゃないから仕方がない。しかしハンジを慰めてやるくらいはしてほしい所だな」
エルヴィンはリヴァイをちらりと見て言った

三人は海を見ながら、思い思い酒を飲んだり、喋ったりしていた

エルヴィン「ところで、今期の新入団員は君たちから見てどんな感じだ?」

ハンジ「104期か、面白い子が多いよね。なんかさ、食べ物に凄く執着してる子とかね」

リヴァイ「それはサシャだな…」

エルヴィン「ミカサ・アッカーマンはどうだ?リヴァイ。共闘したんだろう」

リヴァイ「ベテラン調査兵より戦闘能力は上だな。だが冷静さが足りねえ。熱くなりすぎる。まだまだだ」

ハンジ「これからが楽しみな子たちばかりだよ!エルヴィンは誰か気になる子はいた?」

エルヴィン「全員尊敬に値するが、アルミンの発想力には助けられているな。常に目先ではなく遠くを見ようとしている」

ハンジ「確かにアルミンはスゴいね!!エルヴィンの後輩って感じ。顔は可愛らしいけどね」

エルヴィン「全員鍛えがいがありそうだな」

ハンジ「かわいいのはクリスタかな?目が凄く大きいの!女子の人気投票あれば一位じゃないかなあ?」

エルヴィン「では副官候補に…」

ハンジ「すんな!!」

続き早よ。

>>194
しばしおまちを!!

エルヴィン「そうだ。副官といえば、先ほど辞令を書いていたんだが、早速お前たちに渡そう」
エルヴィンは胸のポケットから一枚の紙を取り出した

ハンジ「何々?ええぇぇぇ!?何で!?」
リヴァイ「なんだよ、見せろクソめがね…っておいふざけんなエルヴィン!!」
辞令書を見て叫ぶ二人

エルヴィン「もう、印鑑を押したから決定事項だ」

ハンジ「いや、だっておかしいだろ?納得できないし!」
リヴァイ「ハンジに賛成だ!!」

エルヴィン「部屋を見たんだが、キングサイズのベッドが二つしかないんだ。1つは部屋に、1つは離れに」

ハンジ「そうだよ!?だから私が離れで一人で寝るつもりで…」

エルヴィン「辞令の通り、俺が部屋で一人で寝る。お前たちは離れでゆっくりしたまえ。嫌ならこの辞令に判を押す予定だ」

エルヴィンが差し出した紙には…
ハンジ「…本日付けで、ハンジ・ゾエの分隊長職をを解任し、団長秘書とする…ひぃぃぃ…」

リヴァイ「…エレンの副官になっちまう…」

エルヴィン「というわけだから、よろしくな。きちんと話をするいい機会だろう」

ハンジ「横暴だあ!!」
リヴァイ「…」プルプル…

エルヴィン「お前たちは、お互いにもう少しゆっくり話をすべきだ。素直な気持ちでな。そのためにも、辞令を飲んでくれよ。親心みたいなものなんだからな」
慈しむような表情で二人を見るエルヴィン

ハンジ「…そっか、そうだね。リヴァイとは口を開けば喧嘩だからね…懐かしい話でもしますか!!」

エルヴィン「それもいいな。そうしなさい」

リヴァイ「チッ…仕方ねぇ…のか…」
リヴァイは相変わらず不服そうだったが、そこまで嫌がってはいなさそうだ

エルヴィン「明日も朝からツアーだろう?そろそろ休むよ」
エルヴィンはそう言うとグラスを片付け始めた

ハンジ「私たちは話しないといけないし、酒を持っていこう」

リヴァイ「ああ」

エルヴィン「では二人ともおやすみ。ゆっくり話せよ」

ハンジ「了解~!エルヴィンおやすみ~」

キングサイズのベッドに横になるエルヴィンを後目に、離れのコテージに向かう二人であった

wktk

>>198
wktkしてくださってありがとう!!

ハンジ「いやぁ、でもほんとエルヴィンは横暴だよねぇ…団長権限使いすぎでしょ!?」

エルヴィンに、団長秘書やら部下の副官やら、無理な人事異動を突き付けられて、離れのコテージに追いやられた二人

リヴァイ「あいつは昔からああだ。目的のためには手段は選ばねぇからな」
部屋の真ん中にあるローテーブルに、持参した酒を置きながら言うリヴァイ

ハンジ「有無を言わさずだったもんねぇ。まさに取り付く島もないよね」
ハンジはローテーブルにグラスを置いて、二人掛けソファに腰を下ろした

リヴァイ「…」
リヴァイは無言でグラスに酒を注いだ

ハンジ「まあこうなったのも何かの縁だし、思い出話でもしようか。座って、リヴァイ」
ハンジは自分の隣を指差して言った

リヴァイ「…遠慮しておく…」
ハンジ「え?なんで?ずっと突っ立っとくわけ?」
リヴァイ「…うるせぇ!!嫌なもんは嫌だ」
頑なに拒むリヴァイ

ハンジ「何で嫌なんだよ!?私の隣だからか?!…っと、また喧嘩になりそうだ…とりあえず、座りなさい!」
ハンジは、駄々っ子を戒めるような口調で言うと、リヴァイの手を引っ張って隣に座らせた

リヴァイ「…」
ハンジ「この状況のなにが嫌なんだよ、リヴァイ」
ハンジは首をかしげた

ハンジ「あーそっかあ。ソファに二人で並んで座るなんて、ちょっと恥ずかしいよね!?そういうことか!!」
所在なさげに隣に座っているリヴァイを見ながら言った

リヴァイ「…さぁな。」
そう呟くリヴァイの顔が赤い
ハンジ「リヴァイが恥ずかしがってる~!かわいいよ~!プニプニ」
と言いながら、リヴァイの頬を突っついた

リヴァイ「!!何をしてやがる!?触るな!!」
ハンジ「いいじゃん、減るもんじゃなし」
リヴァイ「減るんだよ!!」
ハンジ「リヴァイのほっぺは減るのか!お餅なのか!?食べちゃいたいな~!」
今度はつねって引っ張った

ハンジ「ビョーン、て伸びないじゃん。あはは」
リヴァイ「人の顔で遊ぶな、クソめがね!!」
ハンジ「だって面白いんだもん、リヴァイ。あはは!!プニプニ…」

リヴァイ「気安く触るな!!バカハンジ!!」
今度はハンジの頬を思いきり引っ張っるリヴァイ

ハンジ「いでぇぇぇ!!顔が歪む!!力加減てのを知らないのか!?リヴァイは!!」
リヴァイ「多少歪んだ位のほうが良かったりしてな。整形手術要らずだな」

ハンジ「顔が歪んだら責任とってよね!?」
リヴァイ「知らねぇ」
ハンジ「ムキー!!顔が歪んだら嫁にいくからな!?」
リヴァイ「来んな!!」
ハンジ「リヴァイのばーか!!」
ハンジは盛大に頬をふくらませ、拗ねた…

ハンジ「リヴァイ、デリカシーなさすぎー!!」
ハンジは膨れっ面でプンプン怒っている

リヴァイ「てめぇが先に人の顔をつねったんだろうが!?目には目をは基本だろ」
ハンジ「女の子と男の顔の価値は違うし!?」
リヴァイ「女の子がどこにいる…?」
辺りをキョロキョロと見回すリヴァイ

ハンジ「ここにいるだろ!?」
と、自分を指差すハンジ

リヴァイ「…ハンジだな、うん」
ハンジ「ムキー!!」
ますます頬を膨らますハンジ
その様子をちらりと見たリヴァイは、ププッと吹き出した

リヴァイ「おもしれえ面してやがるな…風船かよ、クソめがね」
と言うが早いか、ハンジの顔を両の手のひらで押さえて、押し潰した

ハンジ「ひでぇ…面白い面ってなんだぁ…」
ハンジは、リヴァイの手に顔を挟まれたままで呟いた

甘酸っぱい甘酸っぱいww

>>203
ウフフ(^w^)

リヴァイ「おもしれぇもんはおもしれぇ」
ハンジの頬をつまんだりグニグニ押したりしながら言うリヴァイ

ハンジ「リヴァイ、人の顔で遊ぶなよぉ」
リヴァイ「フン。お前さっきさんざん俺の顔で遊んだじゃねぇか。お互い様だろ」

ハンジ「ぶさいくになったらどうするんだよ…」
ハンジ、涙目になった

リヴァイ「言っておくが、泣いてもやめねぇぞ?」
ハンジの顔を引っ張ってニヤリと笑うリヴァイ

ハンジ「リヴァイがいじわるになってる!!ほっぺたいてぇ!!ほんとにいてぇ!!離せぇ!」

リヴァイ「うるせぇクソめがね…」
リヴァイはハンジの顔を両手で挟んだまま、顔を近づけた

ハンジ「!?」
リヴァイの顔があり得ないくらい近づいてきたので、目をギュッと閉じた…

お互いの唇が重なったのは、その一瞬後だった

しばらくそのまま動かなかった二人だが…

ハンジ「…プハァ~!く、苦しい!窒息死するところだった…私を殺す気か、リヴァイ!?」

リヴァイ「あのなあハンジ、てめぇには鼻がねぇのかよ」

ハンジ「…はっ、そういえば鼻で息ができた!!」

リヴァイ「ばーか」
リヴァイはため息をついた

ハンジ「ばーかって!!突然キスしといて言うかな!?」

リヴァイ「昨日のお返しだ。やられたらやり返すのが俺の持論だからな」
勝ち誇ったかのようなリヴァイ

ハンジ「なんだよ、その敵討ちみたいな言い方は?!ムードもなにもないし?!」

リヴァイ「そんなもの、最初からねぇだろ」
ハンジ「そういえばそうだったね…」

リヴァイ「まあ、細かいことは気にするな、ハンジ」
ため息をつくハンジの頭を、優しく撫でてやるリヴァイだった

三人とも可愛いね(´ω`)

>>207
コメントありがとうございます♪
君たちいくつやねん!?とツッコミたくなります(*´ω`*)

「最初」が気になる
この2人どこまでいってるんだ!

>>209
コメントありがとうございます!!
「最初」は、二人が部屋にきた時から、と思ってもらえれば!!

ハンジ「しかしびっくりしたなぁ…まさかリヴァイにキスされるとは…!!言ってくれたら、リップくらい塗るのに~イチゴ味の」
ポケットからリップを取り出してムフフ、と笑うハンジ

リヴァイ「んな甘ったるいもん塗んな」
顔をしかめるリヴァイ

ハンジ「あらら、リヴァイは気に入らないかな?キッスはあま~いイチゴ味~」

リヴァイ「てめぇ、酒くせぇ上にイチゴを上塗りしてどうすんだ…」

ハンジ「危険な大人の味がするかもよ…?」

リヴァイ「しねぇよ、ばーか」

ハンジ「ばーかと言われたから腹いせに塗りたくってやる!!」
と言って、ハンジは唇にリップを塗りたくった

ハンジ「ぷるんぷるんになったよ!!さあリヴァイ、もういっちょちゅうしよう!!」
ズイッとリヴァイに顔を近づけるハンジ

リヴァイ「はぁ!?馬鹿か!?お断りだ!!」
キスを迫ってくるハンジから逃げるように身をよじるリヴァイ

ハンジ「逃がさん!!」
ハンジは、ガシッとリヴァイの顔を両手で挟んだ

ハンジ「リヴァイ、顔ちいせぇ~」
リヴァイの顔を両手で挟んだまま、自分の顔を近づけるハンジ

リヴァイ「チビだからとか言いてぇんだろ。近寄るな、イチゴくせぇ」

ハンジ「チビだからなんて思ってないよ。因みにイチゴ美味しいよ~?」

リヴァイ「…とにかく俺の顔から手を離せ」
ハンジ「嫌だ」
眉をひそめるリヴァイに、真剣な表情のハンジ

リヴァイ「はぁ!?」

ハンジ「手が離れなくなったかも?」

リヴァイ「んなわけねぇだろ…ほら」
リヴァイは自分の顔に張り付く手を、いとも簡単に剥がした

すると、ハンジが予想外に悲しそうな顔をするので、そのまま両手を握りしめてやった

リヴァイ「分かったハンジ。どうして欲しいか言え」

焦らすの上手過ぎ!

なんつーか、いい雰囲気になっては必ずオチるんだよね
主にハンジのせいでw

何時に無く優しいリヴァイの眼差しと、逆に強く握られた手の温もりで、ハンジの中の何かが弾け飛んだ

ハンジ「リヴァイ、キスして?」

その言葉を聞いたリヴァイは、手を握りしめたまま、顔を近づけた

リヴァイ「おいハンジ、目ぇ瞑れ。見開いてんじゃねぇよ、やりにくい」

ハンジ「ん…だってキスする時のリヴァイの顔、どんなのかなって気になって…」

リヴァイ「…変態め…」
リヴァイは唇をハンジのそれに密着させた

しかし、すぐに離した
リヴァイ「…イチゴくせぇ…ハンジ、てめぇ塗りすぎだ…ばか」
握っていた手を離して、手の甲で唇を拭うリヴァイ

それを聞いたハンジの瞳が妖しく光る
ハンジ「リヴァイの唇もイチゴ味…食べてあげる」
口を開けて、まさに食べようとするかの様なハンジ

リヴァイ「まて、先にてめぇの唇を拭えっ…」
リヴァイの唇はあっけなくハンジに捕食された

ハンジ「…フー…リヴァイの唇美味しかった…」
自らのイチゴ味を、リヴァイの唇だけではなく、おでこやら鼻やら、顔中つけまくったハンジ

リヴァイ「ばかが…顔中イチゴ味になっちまったじゃねぇか…気色わりぃ」

ハンジ「マーキングだよ…ウフフ~」

リヴァイ「自分の顔がくせぇ…甘ったりぃ…」
堪らず、ハンジのパジャマの上着の裾で顔を拭うリヴァイ

ハンジ「こら、リヴァイ、人の服で拭うなよ!?」
リヴァイ「うるせぇ、てめぇイチゴ味好きなんだろ?服にもつけてやっただけだ」
ハンジ「服についたらなかなか匂いがとれないのに!!」
プンプン怒るハンジ

リヴァイ「…じゃあ上着脱げよ。洗ってやるから」

ハンジ「…え?」

ハンジ「上着脱いだら上半身むき出しなんですが…」
困ったような表情のハンジ

リヴァイ「あぁ?だからなんだ?俺は気にしないから脱げ」
何故か不機嫌なリヴァイ

ハンジ「いやぁ、私は気にするんだけどなぁ…ってこらこら!?」
ハンジを無視して上着のボタンを外し始めたリヴァイ

リヴァイ「洗わなきゃいけねぇ、可及的速やかに。手伝ってやるから覚悟しろ」

ハンジ「覚悟しろって…洗うためだよね、なんか目的が絶対違うと思うんですけど~!?」

リヴァイ「違わねぇ、洗うんだ。後からな…チッボタン多い…」

ハンジ「待った!!さっきの優しい顔のリヴァイは何処行ったんだ!?怖いし?!」

リヴァイ「てめぇのせいで、どっか行っちまった」

ハンジ「も、戻っておいで~!」

リヴァイ「暫く戻って来ねぇ。諦めろ」
ハンジをじっと見つめるリヴァイ

ボタンはすべてリヴァイに駆逐されていた

>>213
焦らしました…というか、うたた寝してしまいました(*´ω`*)

>>214
そうそう、ハンジが雰囲気ぶち壊してますよね…(^w^)

リヴァイ「…さ、どうする?ボタンは全部外した。ここからはどうして欲しい?」
いたずらっぽい表情で、ハンジに問う

ハンジ「ここまでしといて、どうして欲しいか聞くかな…?」
はだけた上着を手繰り寄せるハンジ
顔は何時に無く紅い

リヴァイ「無理矢理は趣味じゃねぇからな。で、どうする?なんならもう一度ボタンはめてやろうか?」

ハンジ「リヴァイ、意地悪だね…?」
リヴァイ「そうか?優しいじゃねぇか。わざわざどうして欲しいか聞いてやってるだろ」

ハンジ「それは優しいと言うのか…?」

リヴァイ「さぁな。おいハンジ、俺は気が長い方じゃねぇから、いい加減早く決めろ」
リヴァイの視線が鋭くなって、自分を射しているのを振り払うかの様に頭を左右に降るハンジ

ハンジ「…分かった」
と言うと、リヴァイの首に腕を回して抱きついた

ハンジ「後で服を洗ってよね…?」
耳元でささやいた

フムー(鼻息)


ハンジ「…うぅーん…あれ、寝ちゃってたかぁ…」

何度か体を交えて、いい加減疲れてピロートークに移行したが、酒のせいもあってそのまま寝てしまっていた

ハンジ「よく寝てるなぁ…ツンツン」
隣でスースーと規則正しい寝息をたてているリヴァイの頬を軽くつつく

ハンジ「起きないね…よほど疲れたのかな…?あはは…何か飲み物取りにいこう、喉がかわいた」

ハンジはベッドからそっと立ち上がると、何も身に付けていない事に気が付く

ハンジ「そうだった…裸だった…服…あれ?」
ベッドの横にあるサイドテーブルには、きちんと畳まれた自分の服があった

ハンジ「リヴァイ、起きてたのか…きちんと畳んでくれたんだね…上着は…まさか」

洗面室を覗くと、洗われたであろうパジャマの上着が干してあった

ハンジ「リヴァイ女子力高すぎ…」

ハンジ「上着洗ってくれるってほんとだったんだね。変なところで律儀だなあ、リヴァイは」
クスッと笑って、自分の荷物から新しいシャツを取り出して着る

ベッドに戻って、サイドテーブルに置かれた下着などもはく

リヴァイはスースーと、起きる気配がない
ハンジ「リヴァイには寝起きドッキリやってなかったなあ、そういえば…」

そっと布団の中を覗くと、リヴァイはきちんとパジャマを着ていた

ハンジ「自分は服着てて、私は裸のまま寝てたのか!?なんだか恥ずかしいんですけど…ああ、でも服着せてもらうのはもっと恥ずかしいか…」
ハンジの顔がまた赤く染まった

ハンジ「いかんいかんいかん、思い出すな思い出すな…」

ktkr
エルヴィンと顔合わせ辛すぎじゃね?w

ハンジ「だいたい、私よりかなりチビなくせに軽々お姫様抱っこだよ!?あんなのされるのは結婚式だけかと思ってた…」

ベッドに腰掛けて、リヴァイの安らかな寝顔を見ながら呟く

ハンジ「人の胸品定めするしさ…まあ悪くねぇかもなってどんな感想なんだよ…誉めろよ!?」

ハンジ「久々だからゆっくり優しくって言ってるのに、無理だって聞かないし…」
リヴァイの額を指でピンッと弾く

…やはり起きない

ハンジ「寝てたらかわいいのにね?」
リヴァイの唇に指で少し触れて、唇でも触れた

ハンジ「さ、飲みもの取りにいこう。さすがにエルヴィン寝てるよね…?」

離れには酒しかなかったため、本部屋に取りに行く事にしたハンジ

顔は何時になったら赤く無くなるのかわからないくらい赤くて、なんだか体も熱い気がした

>>221
鼻息がここまで届きましたYO!(*´ω`*)

>>224
エルヴィンと顔合わすの恥ずかしいでしょうね…(*´ω`*)ムフフ

テレビのCMでもやっているから、タイムリーな話だ。

>>228
CMって、ハミルトン島ですか?タバコの宣伝ではみたことあるのですが…。オーストラリアは何かテレビでやるみたいですね♪いつだったか…?

そのテレビのことだと思う。

>>230
なるほど!ありがとうございます♪

現在夜中2時
さすがに団長殿は眠っているだろう
ハンジはそっと本部屋のドアを開けた
部屋は真っ暗ではなく、灯りが灯っていた
デスクの上の灯りが…

エルヴィン「ハンジか」
声量を極力抑えたであろう声は、しっかりハンジに届いた

ハンジ「げっ!!エルヴィン、まだ起きてたのか…」

エルヴィン「やる事は山積みだからな。ところで…げっ、て何だ?俺が起きていたらまずいのか?」
デスクには書類が山積みにされていて、それに目を通していたが、ハンジに視線を向けた

ハンジ「いやあ、そういうわけでは…あはは」

エルヴィン「ハンジ、パジャマはどうした?破られでもしたか?」

ハンジ「ひっ!?いやいや破られてないよ…」
何となく後ずさるハンジ

エルヴィン「そうか」
エルヴィンの視線がハンジに絡み付く

ハンジ「あのさ、喉がかわいて…向こうにはお酒しかないから…」

エルヴィン「なるほど。少し座って待っていなさい」
そう言うと、立ち上がって部屋の隅の冷蔵庫に向かう

ハンジは大人しく、デスクの前にある応接椅子に座った

ハンジが大人しく椅子に座っていると、エルヴィンが向かい側に座って、氷の入った水を差し出した

ハンジ「ありがとうエルヴィン」
カランと氷の音をさせて、水を口に含んだ

エルヴィン「ハンジ、顔が真っ赤だな」

ハンジ「うん…そうだよね、やっぱり」
冷たいグラスを持って冷えた指先を、自分の頬に当てた

エルヴィン「そうか、そうか」
エルヴィンは何を悟ったのか、うんうん、と頷いた

ハンジ「エルヴィンは寝てたらよかったんだよ、恥ずかしいんだからね」

エルヴィン「ははは、そうか、すまなかったな」
てを伸ばして、ハンジの頭をワシャワシャと撫でた

エルヴィン「ところでリヴァイは?」
ハンジ「疲れて寝てる…スースースースー」
リヴァイの寝息を真似るハンジ
エルヴィン「ははは、そうか、ぐっすりか」

ハンジ「エルヴィンはさ、どうしてリヴァイと私を離れに追いやったのかな…?こうなって欲しかったから?」

エルヴィン「さて、どうだろうな。ゆっくり話せる機会を作ってやりたかっただけだよ。それを勝手に発展させたのは君たちだからな」

ハンジ「ゆっくり話なんて、逆に出来なかったよ…?」

エルヴィン「ははは、そうか。でもまあよかった」
エルヴィンが優しく微笑む

ハンジ「子どもが出来たら戦えなくなるぞ!?なにがいいわけ!?」
呑気に思えたエルヴィンに、詰め寄るハンジ

エルヴィン「その時はその時で考えるよ。まあ、あいつもその辺は抜かりは無さそうだけどな」

ハンジ「無責任すぎない?」

エルヴィン「いや、ハンジ。君たちには人並みに幸せになって欲しいと思っているんだよ」

ハンジ「…いつ死ぬか、わからないのに?」

エルヴィン「…だからこそ、だ」
エルヴィンは何処か遠くを見つめるように、ハンジから視線を外した

自分の意志でヤッたのはハンジなのに何故か怒られるエルヴィン可愛い

>>235
エルヴィンをかわいいと言って頂けて幸せでありんす!!

ハンジ「君たちには幸せになって欲しいってさ、まずはエルヴィンからだと思わない?年の順番的に…」

エルヴィン「ははは、まあいい人がいればそのうちな」

ハンジ「…ほんとにそう思ってる…?」
ハンジはエルヴィンの目をじっと見つめる

エルヴィン「さぁ、どうだろうな」
ハンジを見つめ返す

ハンジ「…自分の幸せの事は考えてない、エルヴィンは。私はそう思う」

エルヴィン「そうかもしれんな。だが、今も別に不幸じゃないぞ?寧ろ、いい部下に恵まれて幸せだよ」
エルヴィンは破顔一笑し、ハンジの頭をまた撫でた

ハンジ「よし、分かった。エルヴィンの幸せのためにも私は尽力をつくそう」
ハンジはビシッと敬礼を決めた

エルヴィン「ハンジは俺を婿に貰って幸せにしてくれるという事かな?」
いたずらっぽい笑みを浮かべるエルヴィン

ハンジ「違うわ!!一緒に戦うと言ってるんだよ!一人で背負うな!!」

エルヴィン「…ありがとう。了解した」
そう言って、ほほえんだ

エルヴィン「ハンジ、そろそろ部屋に戻ったほうがいいぞ。リヴァイが起きているかもしれん」

ハンジ「いやぁ、デコピンしても起きなかったから大丈夫だよ。でもそうだね、戻るかな」
少し伸びをして、立ち上がるハンジ

エルヴィン「ああ、そうしてやってくれ。ついでに水も持っていってやればいい」
ハンジ「了解~!」
パタパタと歩いて水を取りに行き、部屋のドアの前まで行くと、くるッと身を翻した

ハンジ「エルヴィンも一緒に寝る!?」

エルヴィン「ブッ!?何を言ってるんだハンジ、君は?!」
ハンジ「三人で川の字に…」
エルヴィン「却下だ、ハンジ…はははは」
身を捩らせて大笑いのエルヴィン

ハンジ「リヴァイが真ん中だよね。背丈的に」

エルヴィン「想像したらかなり怖い絵面だった…ははは」

ハンジ「想像したのか!?」

エルヴィン「ああ…ははは。とりあえずハンジは部屋に戻れ。俺に気は使わなくていいぞ?仲良くな?」

ハンジ「了解~おやすみ、エルヴィン」
エルヴィン「おやすみ。いい夢みろよ?」
ハンジは手をパタパタと振って、部屋から出ていった

ハンジは部屋に戻ると、ベッドをチラリと伺った

リヴァイはまだ寝ている様だった
水を冷蔵庫に入れて、サンデッキになっているバルコニーに出た

目の前が海だ
風が心地いい
フワリ、と髪が風を含んで揺れる
いつもほったらかしで、手入れなどしたことがない髪
今日はリンスもばっちりしたから、いい匂いがした

星が綺麗だ、手を伸ばせば届きそうなくらい、近くに見える
思わず手を伸ばす

…手は空を切る
失った命も、もう戻ってはこない
何度も何人も見てきた、命を落とす瞬間を

仲間を食った巨人を、刃が無くなるまで切り刻んだりした
急所をわざと外して…
残酷な自分
大切な人を失ったら、またそうなるのか…?
いや、失わない、必ず守る
もう後悔はしたくない

皆を守りたい…だから前に進む

この手で出来ることは限られていようとも…

ハンジがデッキから部屋に戻ると、ベッドの上で体を起こしていたリヴァイと目があった

ハンジ「あ、起こしちゃったかな」
と言いながら、ベッドとは違う方向に歩むハンジ

リヴァイ「いや、目が覚めた」
何かを後ろ手に持って戻ってきたハンジをじっと見つめる

ハンジ「そっか…はい、お水」
冷えた瓶に入っている水を、リヴァイの頬に押し付けた

リヴァイ「!?冷てぇ…」
ハンジ「喉かわいたよね?」
リヴァイ「普通に渡せねぇのかよ…」
ハンジ「サプライズサプライズ!!」
フフ、と笑うハンジ

リヴァイは眉をひそめる
リヴァイ「もったいつけて後ろ手に持ってくるから、もっといいもんくれるのかと思った…」

ハンジ「水で十分だろ!?むしろリヴァイにはもういいものあげたよね…?ウフフ」
ベッドにピョンとジャンプで上り、正座座りするハンジ

リヴァイ「お前の体っつーオチは要らねぇぞ?」
ハンジ「クッ…ばれたかっ…」
リヴァイ「フン」

リヴァイ「ハンジ、さっき向こうの部屋行ってただろ?」
自分の横で正座座りしているハンジに言った

ハンジ「うん。なんだ、知ってたんだね」
リヴァイ「お前が部屋に戻ってきた時には起きてたからな」
ハンジ「なあんだ、声かけてくれたらいいのに…」
頬を膨らますハンジ

リヴァイ「お前、なんだか神妙な顔付きで外行きやがったからな」
ハンジ「そっか…」
正座したまま俯くハンジ

リヴァイ「何かあったのか?」
リヴァイはハンジの頭を撫でた

ハンジ「ううん、あのさ、幸せってなんだろうね…?」
リヴァイ「また何だ突然…そんなの人それぞれとしか言いようがねぇよ」
困惑しながらも、正座したままのハンジに言った

ハンジ「そうだよね…」
リヴァイ「エルヴィンの事か?」
ハンジ「うん…」

リヴァイ「あいつは一般的な幸せってのは棚上げにしてる。だがな、その代わり自分の能力総動員して戦ってるんだ。動かされる側に甘んじてねぇ。男としてはなかなかな生きざまだと思う」

ハンジ「動かされるより動かす…か」
リヴァイ「そうだ。おもしれぇじゃねぇか。ただ漠然と巨人を怖がって怯えてるよりよほどいい」
ハンジ「結果的に皆を守る事もできるよね」
リヴァイ「ああ」

ハンジ「私も動かしたいよ」
ハンジの目が力を取り戻した

リヴァイ「お前はある意味いろいろ動かしてるぞ。発想が奇想天外奇人変人だからな」
顎に手をやって、うんうんと頷くリヴァイ

ハンジ「何だよ!?それ誉めてないよね!?」
正座している自分の腿を拳で叩いて抗議した

リヴァイ「最大級の誉め言葉のつもりだがな」
ハンジ「奇人変人ってなんだぁ!?」
リヴァイ「まんまお前の事じゃねぇか、クソめがね」
ハンジ「もー!!リヴァイひでぇ!!」
リヴァイ「だから誉めてるっつーのに…」
はぁ、とため息をついた

ハンジ「まあ私はかわいい天才少女ってところだよね?」
リヴァイ「ああ、もうそれでいい。かわいいかわいい…天才少女」

ハンジ「気持ちがこもってない!!」
リヴァイ「込めれるか!クソめがね!!」

結局ベッドの上でいつもの様に喧嘩が始まったのだった

ハンジさんいくらなんでも少女はないわーw

>>243
ですよね~w少女ってあんた!!(^w^)

ハンジ「あ、そうだリヴァイ」
ハンジが何かを思い出したかのように、水をがぶ飲みしているリヴァイに言った

リヴァイ「何だ?かわいい天才少女」
ハンジ「…ばかにしてるだろ?!」
リヴァイ「ああ、してる」
ハンジ「ムキー!!」

リヴァイ「…何か言いかけたんじゃねぇのか?ハンジ」
また喧嘩になりそうだったので、話題を変えた

ハンジ「あ、そうだった。リヴァイ、パジャマ洗ってくれてありがとう!!」

リヴァイ「ああ、洗ってやるって言ったからな。だが服はともかく、俺の顔が未だにイチゴくせぇんだ。洗ったのにな」
顔をしかめるリヴァイに、ハンジが顔を寄せた

ハンジ「スンスン、たしかにまだイチゴ味が残ってるね~?」
リヴァイ「明日には取れるのか…?参ったな…ハンジ、お前のせいで…」
ハンジ「私何かしたかなぁ~?」
リヴァイから視線を反らすハンジ

リヴァイ「ハンジ、お前また顔が赤いぞ?」
ハンジ「なっ何も思い出してません!」

リヴァイ「何も思い出してませんって、別になにも聞いちゃいねぇのに…」

ハンジ「しまった!!墓穴を掘ってしまった!!」
そしてますます顔が赤くなるハンジ

リヴァイ「何を思い出した?」
正座座りのハンジの腿に手を置いて、表情をうかがう

ハンジ「な、何も…」
腿に置かれた手を振り払うかのように、正座のまま後ろに下がるハンジ

リヴァイ「それ以上下がるとベッドから落ちるぞ」

ハンジ「うっ…」

リヴァイ「まあ、こっちにこい。何もしねぇから」

ハンジ「ほんとかな…?」
と言いながら、また正座でリヴァイの横に座る

リヴァイ「たぶんなっ」
ハンジ「わっ!?」
リヴァイは布団の中にハンジを引き摺りこんで、組強いた

ハンジ「リヴァイのうそつき!!」
リヴァイ「何を思い出したのか言えば離してやるよ」
ハンジ「意地悪!!」
リヴァイ「ああ、意地悪だ」
ニヤリと笑うリヴァイであった

うおおおおゴロゴロゴロ(悶)

ハンジ「何を思い出したかと言いますとですねぇ…」
へりくだるハンジ
リヴァイ「何だそのしゃべり方は?まあいい、何だ?」
ハンジ「その、まあ、いろいろと…」
リヴァイ「いろいろとって何だ?」
しつこくつつくリヴァイ

ハンジ「何だって言われても…は、恥ずかしいだろ!?言わせるなよ!?」
ハンジ遂にキレた、顔はこれ以上無いほど真っ赤になった

リヴァイは組敷くのを止めて、真っ赤になったハンジの顔を撫でて頬に口づけた

リヴァイ「恥ずかしいのはお前だけじゃねぇよ」
ハンジの横に寝転んで、つぶやくリヴァイ
ハンジ「えぇっ!?」
ハンジがリヴァイの顔を見ると、ほんのり赤かった

ハンジはリヴァイの体に自分の体を寄せた
ハンジ「リヴァイあったかーい」

リヴァイ「おい、もう寝るぞ、眠気が限界だ」

ハンジ「えー、じゃあせめておやすみのちゅうを!」
とハンジが言い終わるか終わらないかのところで、リヴァイは素早くハンジの唇を奪った

ハンジ「…おやすみ、リヴァイ」
リヴァイ「ああ、悶々として寝れないからって起こすなよ?」
ハンジ「ばかっ!!」

オーストラリア旅行最後の夜はこうして更けていった

>>247
落ち着け!!落ち着くんだっ!!さぁこっちに転がってカモン!!

GJの一言です!!!

>>250
サンキュウですっ!!有り難き幸せでありんすっ!!

ブーッブーッブーッ…
目覚ましのアラームが鳴り響いた

ハンジ「んー…」
布団に入ったまま手を伸ばし、がさがさとアラームを止めるボタンを探すハンジ
ブーッブーッブ…

ハンジ「もう朝か…まだ眠いな…」
目を擦りながら上半身を起こすと、チラリと隣を伺った

スースーと静かに寝息をたてている人類最強の男がいた

ハンジ「よく寝るなぁ…私が悪いやつならとっくに殺されてるよ…?人類最強のリヴァイ兵長」
そっと首もとに手を伸ばすハンジ
無防備にさらされた急所を指でなぞる…

ハンジ「起きないや…安心しきってるのかな…」
指はそのまま顎へ

ハンジ「いただきまーす」
そう言うと、リヴァイの唇に自分のそれを触れさせた

ハンジ「!?」
唇を離すと、リヴァイと目が合った
リヴァイ「よう奇行種。朝から食欲旺盛だな」

ハンジ「おっ、起きてたのか!?」
リヴァイ「起こされたんだよ、いただきまーすってのでな」
ハンジ「うわ、恥ずかしい…ごめん…起こしちゃって…」
またまた顔が真っ赤になったハンジ

リヴァイ「そのまま寝た振りしても良かったんだかな、貞操の危機だから目ぇ開けた。食われちまう」

ハンジ「ぎゃー!?何言ってんだばか!!」
ますます顔を赤く染めるハンジ

リヴァイ「おもしれぇ面だな。りんごみてぇ。真っ赤だぞ」
寝たまま手を伸ばして、ハンジの頬を軽くつねる
ハンジ「痛い!!」

リヴァイ「自分からキスしといて、いちいち真っ赤になるなよな?少女じゃあるめぇし…ってそうか、お前かわいい天才少女だったか…」

ハンジ「さりげなくばかにしただろ!?」
リヴァイ「さりげなくじゃねぇ、思いきりばかにした」
ハンジ「キー!!」
別の意味でも顔を真っ赤にしたハンジを見て、プッと吹き出すリヴァイ

リヴァイ「あーおもしれぇ」
ハンジ「リヴァイ!!私で遊ぶな!!」
リヴァイ「嫌だ。遊ぶ」
ハンジ「リヴァイ、却下だ!!」
リヴァイ「エルヴィンの真似しても駄目だ」
ハンジ「ムキー!!」

そしてまたまた朝から喧嘩…というよりは完全にリヴァイに遊ばれるハンジであった…

二人ともかわいいなぁ

>>254
本編ではかっこいい二人なんですけどね…(*^^*)

|柱|∀`*) 主も可愛いよ続き楽しみにしてる


|柱|≡サッ

>>256
か、可愛いだなんてっ!!惚れてまうやろぉ~(*´ω`*)
結婚しよ♪
続き頑張ります!

ハンジ「皆さんおはようございます!!」
エルヴィン「おはよう!!今日もハンジは元気いっぱいだな!?」
リヴァイ「…ねみぃ…」
目を擦り擦りしているリヴァイ

ハンジ「リヴァイは悶々として寝れなかったんだよね~!」

リヴァイ「はぁ!?それはてめぇだろ、クソめがね!!」

ハンジ「私はよく寝たもんね!!」

エルヴィン「あのな、どうでもいいが、俺を挟んで痴話喧嘩はやめてくれ」
げんなりするエルヴィンであった


ハンジ「さて、今日はヘリに乗ってハートリーフをみるよ!!」

エルヴィン「このホテル凄いな…ヘリポート完備か」
クオリアにはヘリポートがあり、ここからあらゆる空のツアーに行ける

ハンジ「そりゃぁ、世界有数のホテルだからね♪早速乗ろう!!」

三人はヘリに乗り込んだ

ヘリはハミルトン島の上空から、グレートバリアリーフを周遊する

真っ青な海に珊瑚が群生し、エメラルドグリーンやライトブルーなど、様々な色に変化させている

どの色も宝石より美しい、自然の成せる技

エルヴィン「青と翠の地図のようだな。美しい」
ハンジ「綺麗だよね~!自然万歳!!」
リヴァイ「青色の部分が川見てぇだな」
ハンジ「濃い青色の所は珊瑚が無いか、深いところにあるね。エメラルドグリーンや、薄い青色のところに珊瑚が群生してて、色のコントラストを作っているね」

グレートバリアリーフの美しさを表現するにはどの言葉も役不足なほど、神秘的な美しさだ

リヴァイ「日光が当たると、蛍光色になるな。また全然色が変わっておもしれぇ」

エルヴィン「本当に、綺麗だ」
三人は眼下に広がる海に釘付けだった

リヴァイ「…ん、あそこにハートが見えるぞ?」
リヴァイが指さす方向には、珊瑚が奇跡的にハートの輪郭を作っていた

ハンジ「あれがハートリーフだよ!!」
ハート型の輪郭の外はエメラルドグリーン、内側がライトブルー、青いハートになっている

エルヴィン「本当にハート型だな」
ヘリは少し高度を下げ、何度もハートリーフの上空を旋回する

ハンジ「因みに、ハートリーフをみたカップルは、更に絆が深まるらしいよ!!」
ハンジ、瞳をきらきらさせながらハートリーフを見つめている

エルヴィン「そうか、良かったな、二人とも。ますます仲良しになるな?」
ニヤリと笑うエルヴィン

ハンジ「…ギャァ!!思い出したぁ!!」
ハンジの顔がタコの色になった

エルヴィン「何を思い出したのか是非詳しく報告を…」
ハンジ「するかぁ!!ばか!!」
エルヴィン「報告は義務だぞ?」
ハンジ「そんな義務無いわ!!」

リヴァイ「…どっちもばかだ」
リヴァイはため息をつき、眉をひそめた

リヴァイ「要するに、ハートリーフをみたら絆が深まるわけだろ」
リヴァイは天然の青いハートを指さしながら言う

ハンジ「うん、そうだよ」

リヴァイ「…三人で見てるんだから、三人の絆が深まる…でいいだろうが」

それを聞いた二人が固まった
エルヴィン「リヴァイ、お前…人が変わったのか…?お前の口からそんな言葉が出るとは…」
ハンジ「リヴァイがいい事言ってる…真っ当な人間みたいな発言…」

リヴァイ「お前らどうやら俺に削がれてぇらしいな…」
殺気むんむんのリヴァイ

エルヴィン「ハンジ、君は昨夜リヴァイに何を施した?何があった…?薬でも盛ったのか!?」
ハンジ「薬なんか盛ってないよ…施されたのはむしろ私だし…」
エルヴィン「ではなんであんな事をリヴァイが言うのか…理解に苦しむ」
真剣な表現で話し合うハンジとエルヴィン

リヴァイ「お前らいい加減にしろ!!」
リヴァイは顔を真っ赤にして怒った

ハンジ「リヴァイ、謝るから殺さないで!?死んじゃう!」
エルヴィン「!!!!!」

リヴァイ「ハンジ、これが本物の、ベッドロック、だ!!見て学べよ!?」

ハンジ「ま、学んだ!!学んだから離してやって!」
リヴァイは体格差のかなりあるエルヴィンに、軽々ベッドロックをかけている

以前ハンジがエルヴィンにかけて、失敗した技だ

リヴァイ「…次はてめぇの番だから待ってろハンジ…」

ハンジ「…エルヴィンはまだまだ余裕がありそうだから、離さなくてよし!!」
手のひらを返すハンジ

リヴァイはパッと腕を離した
崩れ落ちるエルヴィン
エルヴィン「死んだと、おもっ…た…ゼェゼェ…」

リヴァイ「フン。殺しても死なねぇだろお前は」

ハンジ「いや、さすがに殺したら死ぬだろ…いくらエルヴィンでも…?」
エルヴィンの背中をさすってやるハンジ

リヴァイ「次はハンジ、てめぇの番だな?」
コキコキと指を鳴らすリヴァイ

ハンジ「ぎゃぁぁ殺される!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
結局二人に土下座で謝らせたリヴァイであった

エルヴィン「いやあ、しかしあのリヴァイが三人の絆、なんて言うとは…感慨深いよ」
ハンジ「リヴァイは見た目は怖いけど優しいよ、実は」
エルヴィン「そうだな、いい奴だよな」
ハンジ「うんうん、最高に優しいよ!!ほんといい奴!!」

リヴァイ「お前ら、思ってもねぇ事言うな!!聞いてるこっちが恥ずかしいじゃねぇか!!」
身体中総毛立つリヴァイ

ハンジ「誉めてるのに…」
エルヴィン「思ってる事を言ってるだけだぞ?」
リヴァイ「わかった、もう言わないでくれ、頼む。身体中無図痒い!!」

ハンジ「リヴァイは恥ずかしがりやさんだね~」
エルヴィン「顔が真っ赤だな」

リヴァイ「お前ら面白がってるだろ!?やめろ!!」
リヴァイの悲鳴のような叫びか、ハートリーフにまで届いた

ハートリーフいいなー
こいつらもっと景色を見ろw

>>264
ほとんど景色見てないですね、もったいない!!

ハートリーフをあとにし、しばらくすると、ヘリが高度を下げた

ハンジ「着陸するよ!!」
エルヴィン「ヘリポートではないな、砂浜か?」
ハンジ「ホワイトヘブンビーチだよ!!みて、真っ白な砂浜!!」

真下には真っ白な砂浜と、美しいブルーグリーンの海がコントラストを描いていた

リヴァイ「砂浜に着陸するのか」

思った程の衝撃はなく、静かに砂浜に降り立つヘリ

ハンジ「着いたぁ!!ホワイトヘブンビーチ!!グレートバリアリーフ一綺麗なビーチって言われてる所だよ!!」

白いシリカ砂でできた浜は、真っ白で、砂の質は細かい
さらさらである

ハンジ「ホワイトヘブンビーチは、別名鳴き砂の浜って呼ばれてるんだ!!こうして踵を着けて、足の先を少し上げて歩くと…」
キュッキュッキュッ…

エルヴィン「音がするな、おもしろい」
しばらく三人は、まるでペンギンのような歩き方で、ビーチを楽器にして音を楽しんだ

ハンジ「さあ、早速だけど、おーよーぐーぜー!待っててお魚ちゃーん!!」
着ていたシャツと、短パンを脱ぎ散らかして、ビキニ姿で海に突入していったハンジ

リヴァイ「チッ…散らかしやがって…」
おもむろに服を拾って畳むリヴァイ

エルヴィン「リヴァイ、お前いい嫁になれそうだな?」
砂浜に座って服を畳むリヴァイの肩をポン、と叩いて隣に腰を降ろすエルヴィン
砂がキュッと音を鳴らした

リヴァイ「好きでやってねぇ!!散らばってたら我慢が出来ねぇだけだ」

エルヴィン「ハンジが婿でお前が嫁って所かな。ははは」

リヴァイ「冗談ぬかせ!俺は嫁にするなら、立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花、な清楚なチビだ!!」

エルヴィン「それは、ハンジとは逆の理想像じゃないか。ならば何故昨夜ハンジを抱いた?遊びか?」
真剣な眼差しのエルヴィンに、たじろぐ人類最強

リヴァイ「いや、あのな、それは…」
エルヴィン「何だ…?うちの大事な分隊長を遊びでどうこうしたならば許さんぞ?」
リヴァイ「…理想と現実は違うって事だ」
プイッとそっぽを向いたリヴァイの頬が紅潮していた

ハンジ「エルヴィン、リヴァイ!!ナポレオンフィッシュがいるんだけど、捕まえられないから手伝ってよー!」
15メートルほど沖合いで、叫ぶハンジ

エルヴィン「リヴァイ?行くか」
リヴァイ「…ああ」
二人は顔を見合わせて頷き合う

ハンジ「エルヴィン早く、長距離索敵陣形展開してよ!!」

エルヴィン「了解だ!!」
リヴァイ「またそれかよ…三人で…」

三人はホワイトヘブンビーチの美しい海で、長距離…いや短距離索敵陣形を展開し、ナポレオンフィッシュとの追いかけっこを楽しんだのだった

ハンジ「あーさすがに疲れたぁ!!」

ナポレオンフィッシュを全力で追いかけたり、シュノーケリングでトロピカルフィッシュを観察したり、海を満喫した三人

白い砂浜に上がり、キュッと音をさせながら寝転んだ

エルヴィン「ナポレオンフィッシュは捕まえられなかったな。索敵陣形失敗か…」

リヴァイ「かなり近くまでは接近できたがな…」

ハンジ「でも、珊瑚の間に沢山綺麗な魚いたよね♪ナポレオンフィッシュは触れなかったけど、大満足!!ありがとうね、二人とも!!」
にっこり嬉しそうに笑うハンジに、いつの間にか二人の顔も綻ぶ

エルヴィン「ハンジが喜んでくれて嬉しいよ」
微笑むエルヴィン

リヴァイ「まあ、楽しかったな」
白い砂を指でもてあそびながら言うリヴァイ

エルヴィン「これで旅行も終わりだな」
ハンジ「うん」
リヴァイ「ま、十分楽しんだな」
ハンジ「良かった!!そう言ってもらえて!!」

ハンジ「帰りのヘリで、グレートバリアリーフの夕焼けを見てから帰ろ!!」

エルヴィン「そういえばもうそんな時間か…楽しい時は、経つのが早いな」

リヴァイ「また、これるだろ」
ハンジ「そうだね!!またこよう!!」
エルヴィン「一仕事終えたらな…必ず、またこよう」

決意を新たに、帰りのヘリに乗り込んだ三人であった



ヘリは、美しく色を変えていくグレートバリアリーフ上空を飛ぶ

ハートリーフも、また見ることができた
「皆が幸せに暮らせる日がきますように…そのために、頑張るから」
ハンジは祈った

エルヴィン「海に夕焼けがさして、なんともいえん色になっているな。花が咲いたようだ」

リヴァイ「…」
リヴァイは無言で眼下の景色を眺めていた

エルヴィン「そうだ、一つ気になる事があった」
エルヴィンが突然切り出した
ハンジ「何だろ?」

エルヴィン「なあハンジ、リヴァイとああなった話は、モブリットにはするのか?」

ハンジ「…!」
リヴァイ「…!」

エルヴィン「まさか、忘れてはなかったよな?ハンジ、君は確かエアーズロックで愛を叫んでいたはずだか…」

ハンジ「う、うん」
エルヴィン「モブリットともそういう関係なのか?」
エルヴィンの問いに、首を横に振るハンジ
ハンジ「ううん、何もないよ。まあでもいつも側にいてくれるからね」

リヴァイ「…俺がモブリットに話す」
ハンジ「ええ~!?モブリットが危ない!!」
リヴァイ「俺を見損なうな、クソめがね。俺がやったことだから、俺が責任を持つ。それだけの事だ。まあ、めんどくせぇがな」
ハンジ「リヴァイ…!」

エルヴィン「ではこの問題は任せたぞ」
リヴァイ「了解」

ハンジ「リヴァイは真面目だなあ…感動しちゃうよ!!」
そう言いながら、リヴァイの頭を撫で回すハンジ

リヴァイ「やめろ、俺の髪は焼きそばじゃねぇぞ」

エルヴィン「リヴァイを幸せしてやれよ、ハンジ。たくさん可愛がってあげなさい」

ハンジ「うんうん了解!!かわいいかわいい!!」
ますますワシャワシャと髪の毛を混ぜるハンジ

リヴァイ「俺を可愛がるな!!」
ハンジ「だって団長からの命令だし…」
リヴァイ「んなあほな命令は聞かなくていいんだよ!!」
エルヴィン「俺の命令は絶対だぞ?」
リヴァイ「 なら少しはまともな命令をしろ!!」

三人はこうして最後まで賑やかに旅を終え、来たときと同じどこでもワープ装置で、調査兵団団長室に戻ったのであった

調査兵団団長室にて

ハンジ「ただいまぁ!!」
リヴァイ「世界のはてまで行って」
エルヴィン「よし!!」

ハンジ「いかがだったでしょうか!?次は誰にどんな旅をしてもらおうかな!?では今日はこの辺で!!」

乙でした!
旅行記としても楽しめる上に可愛い物語が毎回あって面白かったよ

次があるならエレミカアルにも美しい世界を見せたいなぁ

面白かった、乙
他のメンバーもいいけど、また別の場所で幹部たちが羽を伸ばす姿も見たいな

番外編《モブリットVSリヴァイ》

私はモブリット・バーナー
調査兵団第四分隊副長、という肩書きだけは割りと一人前な、しがない一兵士

ハンジ・ゾエ分隊長の副官の立場にあり、主に分隊長のお世話役…
何しろ無茶ばかりなさる方なんでね…

今日も分隊長の執務室で、実験概要のチェックなど雑務をこなしていたが、一人の来訪者が、そのいつもの空気を一変させた

コンコン…とドアを叩く音と共に部屋に入ってきたのは…

「入るぞ」
リヴァイ兵長だった

いつも通り、いやいつも以上に眉間にシワを寄せて、かなりの威圧感
機嫌も悪そうだ…
きっとまたハンジさんがへまをやらかしたんだな…

「やあ、リヴァイ。元気かい?」
ハンジ分隊長はいつも通りの挨拶をする。呑気なんだ、この人はいつも…

「ああ、まあまあだ。ところでハンジ」
ほらきた…兵長のお怒りタイムだ
私は頃合いを見て、代わりに平謝りするのが日課…

「ちょっとモブリットを借りてもいいか?」
…はい!?何か私の名前が呼ばれた気がしたような…
いやいや気のせい気のせい…

「うん、どうぞ。いじめないでよ?リヴァイ」
気のせいじゃなかった…
分隊長…どうぞってあんた…
明らかに不機嫌な兵長に拉致される
自分の身に何が起こるのか、想像することすら恐ろしかった…

兵長と共に、こじんまりとした会議室に来た

「そこに座ってくれ」
兵長に指示されたように、ソファに腰をおろす

兵長は、私の向かい側に座った
二人きりで話すのは初めてかもしれない
相変わらず不機嫌そうだが、怒っているわけではなさそうだ
少しだけほっとした

「なあ、モブリット」
兵長が話を切り出した

「はい、なんでしょうか、リヴァイ兵長」
「お前はその…ハンジの事はどう思っている?」
えっ…?!どう思ってるって…

「少し、いやかなり変わっていて、大変な所はありますが、立派な上官だと思っています」
ここは正直に答えておこう

「それは、副官という立場からの話だよな。じゃなくて、男としてハンジをどう思っているかを聞いている」

な、なんでそんな事を聞いてくるのだろうか…頭が混乱しそうだ
落ち着け自分!!

「要するに、ハンジ分隊長を女としてどう思っているか、という事でしょうか」

「そうだ。話が早いな」

ハンジさんの事か…
かなり長い間一緒にいるせいもあって、実はかなり惹かれている

「お前、ハンジの事好きだろ?」
ぶっ、見抜かれてる…
なんでわかるんだろうか…
そんな素振り、見せたことはないはず、たぶん…
「は、はあ…」

「ハンジはな、旅行中に、モブリット愛してるって叫んだ、知ってるよな?」

ああ、団長からきた定期報告書に記載されてたな、そういえば…
「巨人の次だったようですね」
「ああ、だが人間ではお前しか名前が出なかった」
「はあ、嬉しいような悲しいような…ですね」

「だがな、ハンジに名前すらだされない俺が、ハンジを抱いてしまった」

…!兵長…何を告白してくれてるんですかっ…!
「は、はぁ」
としか言いようがないじゃないですか!?

「ハンジはお前を愛してるといい、お前はハンジが好きだ。だが俺が横槍を入れちまった」
すまなそうにしている、リヴァイ兵長

確かにショックだ、でも兵長が謝る事じゃない

「兵長、ハンジさんは私の事を男として見てくれていません」
ハンジさんの行動に対して、自分が常日頃思っていた事を兵長に話そう

「何故なら、いつも無防備で、女性が男性の前でやらないような格好を平気でやります。私の前で」

「それは、ハンジがお前を信頼しているからじゃねぇか?」
違うんです、兵長
「もし私を意識してくださっていたら、恥じらうなりなんなりするはずです」
真剣に話を聞いてくれている兵長に、自分は思っていた事を全て話そう

「兵長には恥じらったのではありませんか?私には恥ずかしいなんて言ったこと、一度もないんですよ、ハンジさんは」

「…モブリット」
「だから、ハンジさんが貴方を求めたなら、それがハンジさんの今の、本当の気持ちです」

「…そうか」
「ですが、私もまだ諦めたわけではありません。ずっと側にいるのは私なので、必ずチャンスはやってきます」
「ああ、そうかもしれん」
「ですので、いくら相手が私とはいえ、油断はなさらないように」
兵長になにいってるんだ自分…
宣戦布告してしまったようなものだ…

「了解した。これからもよろしく頼む。ハンジの世話…」

「大変ですが、やりがいがありますから頑張ります」
と言って会議室を出た
一気に徒労感に襲われる…

さあ、いつもの仕事に戻ろう
何があろうと、私がやる仕事には変わりはないのだから

番外編2《うすら髭と金髪たぬき》

王都にて、各兵団の代表を召集して、重役会議が行われていた

調査兵団からはもちろん、エルヴィン・スミス団長
今回は副官の代わりにリヴァイ兵長を連れていた
憲兵団からはナイル・ドーク師団長
駐屯兵団からはドット・ピクシス司令
そして、この3つの兵団を束ねるダリス・ザックレー総統
このメンバーでの会議だった

王都の会議室で静粛に執り行われた会議も終わり、一息つこうとした矢先だった

エルヴィン「皆さんに土産があります。リヴァイ?」

リヴァイが会議出席者に紙袋を1つずつ手渡す
ピクシス「そういえば、少し休日をとったらしいのお、満喫できたか?スミス団長」

エルヴィン「はい。お陰様で、リフレッシュさせていただきました」

ザックレー「これは、酒かな?」
エルヴィン「はい。総統の口に合うと良いのですが」

ピクシス「わしには酒ではなく、チョコじゃな…」
エルヴィン「副官殿に酒を止められていると伺いましたので…」
控えていたピクシスの副官アンカがクスッと笑った

ナイル「なあ、エルヴィン…」
ナイルが不満そうにエルヴィンに問いかける

エルヴィン「何だ?ナイル」
ナイル「酒にチョコ、はわかるが、なぜ俺にはこれなんだ!?」

ナイルが袋から取り出したのは…
リヴァイ「うすら髭、てめぇの土産は俺が選んだんだ。文句言うなよ?」

エルヴィン「すまんナイル。リヴァイとハンジがどうしてもお前にはそれをやるんだと聞かなくてな」

ナイルが手にしているのは、体長30センチ程のワニのフィギュアだった
首に名札が掛けられていた
《ナイル》と…

ピクシス「おお!!ナイルにそっくりな顔じゃな!!」
リヴァイ「だろう?じいさん」
ナイル「似てないだろう!?」
リヴァイ「似てるぞうすら髭」
ナイル「うすら髭なんて名前じゃない!!それならエルヴィンも金髪たぬきじゃないか!?」

リヴァイ「エルヴィンはたぬきみたいな腹してねぇよ、うすら髭」

ナイル「リヴァイ貴様ぁ!?」
ザックレー「まあまあ、喧嘩はやめたまえ。しかしナイル、その人形お前にそっくりだぞ」

ナイル「クッ!!」

エルヴィン「折角うちの部下がお前に選んだのだから、是非デスクに飾ってくれよな?」

ナイル「誰が飾るか!?この金髪たぬきが!」
リヴァイ「だからエルヴィンの腹は出てねぇだろうが、エルヴィン、腹見せてやれよ」
リヴァイはエルヴィンのシャツを捲ろうとする

エルヴィン「こらこらリヴァイ!!脱がなくても見たらわかるだろう?」
リヴァイ「金髪たぬきなんて言われて黙ってられんだろ!?」

ナイル「脱いだらワイセツ物陳列罪で逮捕だエルヴィン!!」

リヴァイはとことん副官には向かない事が証明されたのであった

皆さん読んで下さってありがとう!
>>274
幼なじみ含めた104期調査兵団で次回考えます

>>275
幹部三人の旅、また機会があれば書きたいです

>> 276
またここに上げるか、新しくスレ立てる予定です

>> 277
次回作考えますね!

>> 287
寂しがらないで…ヨシヨシ
師団長はまた絡ませた話を書きたいな

保守ありがとうございます
ちょっと今他を書いていますので、おまけ的な番外編を投下します

またしばらくお付き合い下さい

番外編《いってよし!!温泉同好会》
Mc エルヴィン・ハンジ・リヴァイ

ゲスト 調査兵団一同…その他いろいろ

今日も調査兵団団長室は騒がしい

ハンジ「さあ、今週もこの時間がやってまいりました!!肉削ぎ駆逐バラエティ、世界の果てまでいって~」
エルヴィン「よし!!」

リヴァイ「どうでもいいが、番組の題名変わってねぇか」
眉を潜めるリヴァイ

ハンジ「さて、今日は特別編だよ!!」
エルヴィン「日頃頑張っている調査兵団の諸君を、体と心を癒す場所に連れて行ってやろうと思う」

リヴァイ「華麗にスルーかよ…」

ハンジ「新コーナーは、いってよし温泉同好会!!」

エルヴィン「温泉、諸君は行ったことがあるか?私はまだない!!だから、非常に興味がある!!」
凄くいい声で叫ぶエルヴィン


リヴァイ「エルヴィンが興味があるのは…これだろ」
リヴァイはエルヴィンの執務机の上にあった一枚の紙を指先で弄ぶ

リヴァイ「なになに…《ウォールローゼ北部混浴露天風呂マップ》だとよ」

エルヴィン「ギクッ…」

ハンジ「このエロヴィンがっ!!私らは何を調査する兵団なんだよっ!!」

リヴァイ「だから、ナニを…だろ…?エルヴィンが団長やってる限り」

エルヴィン「まるで俺が変態みたいな言い方はやめろ…」

ハンジ「なんてことだ…私が信じたエルヴィンがナニのために調査兵団の団長をしているなんて…」

エルヴィン「人聞きが悪いぞ。俺は自らの知的探求心に基づいて行動しているだけだ」

リヴァイ「…救いようがねぇな…」

ハンジ「エルヴィンの知的探求心は巨人から混浴露天風呂まで幅広いね…」

というわけで、混浴かどうかは不明だが、北部にある温泉に行くことになった

調査兵団本部施設内の広場に集められた兵士達

ハンジ「兵士達!壇上正面へ、倣え!!」

ハンジの声で集まった皆が壇上正面に並ぶ
まるで新兵勧誘式の様だ

アルミン「何だろう、この緊急の招集…調査兵だけじゃなくて、ちらほら他の兵団の人も見えるよ…」

ミカサ「団長の事、また何か凄い作戦でも思い付いた…はず」

エレン「わくわく!!」
皆、緊急の招集に緊張と興奮を隠せないでいた

ざわざわとした雰囲気が一辺…
団長が壇上に現れた

エルヴィン「私は調査兵団団長エルヴィン・スミスだ」
朗々たる声が響き渡る

一同「(知ってる)」

エルヴィン「調査兵団の活動方針を王に託された立場にある」

一同「(……)」

エルヴィン「今日私から諸君らに話すのは、他でもない…」

アルミン「(なんだなんだ、団長は一体何をしようとしているんだ!?)」

エルヴィン「…皆で北部の温泉を調査したく、集まってもらった」

ざわざわ…
辺りからそれぞれの思いが言葉をついて流れ出す

ジャン「温泉だとよ!ヒャッホー!!」
サシャ「美味しい物ありますかね!?」
コニー「うぉ~一回行ってみたかったんだよな!!」
クリスタ「皆で温泉楽しそう♪」
エレン「温泉かあ!!父さんから話は聞いたことあるぜ!!体がホコホコ暖まるらしいぞ!!」
ミカサ「エレンは私が暖めてあげる…」

アルミン「(団長は何をさせようとしているんだ!?僕は何を捨てればいい!?)」

エルヴィン「で、今回だが、兵団の垣根を越えて集まってもらった。人類は今こそ一つになるべきだからだ」

アルミン「(なるほど、各兵団との親睦を深めるためなんだな!!懐の広い団長らしい!!)」

エルヴィン「今回は即席で、臨時作戦班を構成した。皆班で協力し、温泉を探し、満喫してもらいたい。では今から班を発表する」

班だってよ~どきどきするなあ!!学校みたいだなあ!!など、数々の声が興奮気味に漏れ聞こえる

エルヴィン「ではまずはリヴァイ班。ハンジ、モブリット」

リヴァイ「おいまてエルヴィン…てめぇなんのつもりだ…」
ハンジ「どういうつもりだよ!!エルヴィン!!」

壇上に立つエルヴィンに、舞台袖から現れてつめよる二人

モブリット「ガクガク…」
舞台袖で震えるモブリット

エルヴィン「異論は認めん。ただ三角関係が面白そうだから決めた」
ハンジ「あほかぁ!!」
リヴァイ「エルヴィンてめぇ!!」
二人の悲鳴が広場に響き渡った

エルヴィン「さて、次はエレン班、ミカサ、ジャン、コニー」

ミカサ「エレンと同じ…さすが団長話がわかる」
ジャン「ミカサと風呂風呂風呂…」
ミカサ「うるさいジャン、ドスッ」
ジャン「ぐふぅ」

エルヴィン「次はピクシス班。ナイル、マルロ」

ざわざわ…ピクシス司令も行くのか!?
ナイルって憲兵団の師団長だよな…
マルロって誰だ…
様々な思惑渦巻く広場

エルヴィン「最後、団長特別作戦班通称エルヴィン班。クリスタ、サシャ、ヒッチ、リコ、アンカ、アルミン。以上だ」

リヴァイ「ちょっとまて!!可笑しいだろ!?なんでてめぇの班だけ女だらけなんだ!?」

エルヴィン「皆の戦闘能力などを踏まえて決めただけだが…」
困ったように首を傾げる団長
ハンジ「私とミカサはなんなんだ!?」
アルミン「僕は男…」

アルミン「団長!!質問があります!!」
エルヴィン「なんだ、アルミン」
アルミン「戦闘能力からすれば、リヴァイ班…ハンジ、モブリット組が強すぎではありませんか!?」

周りから賛同の声が広がる

ハンジ「そ、そうだよ!!私たちは鬼畜だよ!!鬼畜的な強さ!!だから組を分けて!」

モブリット「精神的に辛いので辞退したいです…」

エルヴィン「何を言ってるんだモブリット!!君はハンジを好きなんだろう。リヴァイに取られかけてるからチャンスを与えてやっているというのに!!」
いつものいい声で壇上から叫ぶエルヴィン

モブリット「ひぃ!!」
リヴァイ「エルヴィンてめぇばかか…」
ハンジ「公開処刑じゃないかぁぁ!!」

ザワザワ…ハンジ分隊長を二人で取り合いしてんだな…
ザワザワ…物好きな…
ザワザワ…どっちが勝つかな…
ザワザワ…そりゃリヴァイ兵長だろ
ザワザワ…モブリットさんは優しいからな…私ならモブリットさんかな…

リヴァイ「噂すんなぁ!!」
人類最強の悲鳴が広場に轟いた

アルミン「「(だ、駄目だ!!団長の考えが読めない!!)」

ハンジ「リヴァイ、これはやばい、エルヴィンを回収しなきゃ」

リヴァイ「ああ、そうだな」
と言うが早いか、エルヴィンにヘッドロックをかけ、舞台袖に引きずっていった

ハンジ「いやあ!!エルヴィンが少々旅行ぼけしてるみたいで!!皆少し待ってね!!」
舞台に残ってフォローを入れるハンジ

ヒッチ「あのぉ~質問なんですけど~」
ハンジ「何かな?憲兵団のヒッチ君」
ヒッチ「ハンジ分隊長と、リヴァイ兵士長ってできてるんでしょ?何処までヤッたんですかぁ。詳しく知りたいです~ねぇ皆」

ヒッチの問いに青ざめるハンジと、怖いもの見たさで頷く兵士達

ハンジ「君、少し黙って…公衆の面前なんだからさ…」

ヒッチ「え~公衆の面前で言えない事ヤッたって感じですかぁ?」

ハンジ「ぎゃー!!」
ハンジ、逃げるように舞台袖に駆け込んだ

ざわめきが、止まらない…

ヒッチ「あはは、からかったらおもしろ~い!!」
マルロ「おいヒッチ、一応上官なんだから口の聞き方に気を付けろ」

ヒッチ「マルロも詳しく知りたい癖に~」
マルロ「う、うるさい!!」

ナイル「…はぁ」
部下の態度に、ため息しか出ないナイル師団長

すると、壇上にまたもやエルヴィン団長が姿を現した
少しよろめきながらも、話をし始める
エルヴィン「すまない皆、待たせたな。いろいろ苦情がきているとの報告なので、再度班を組み直した。以降は変更はしないからそのつもりで」

一同「はいっ!!」


エルヴィン「ではまずはリヴァイ班。副長ハンジ、モブリット」
リヴァイ「おい!!変わってねぇだろうが!!」
モブリット「終わった…」

エルヴィン「エレン班。副長ハンネス、ミカサ、コニー、サシャ、ジャン」
ハンネス「エルヴィンめ、俺を忘れるとはいい度胸だ!」
ミカサ「エレンと一緒。エルヴィン団長ばんざい」
サシャ「楽しみです!」

エルヴィン「ピクシス班。参謀アンカ、マルロ、クリスタ」
ピクシス司令「よろしく頼むぞ、若いの」
マルロ「はっ!!なんでも申し付け下さい!!」

エルヴィン「エルヴィン班。副長ナイル、リコ、アルミン、ヒッチ」

リコ「団長二人に挟まれて、場違い感半端ないんだけど…」
アルミン「リコさん、ヒッチさん、よろしくお願いします!!」
ナイル「なんで俺がエルヴィンの班なんだ!!俺が班長ならまだ許せるが!」
ヒッチ「エルヴィン団長いい男だから、ラッキー」

※皆さんコメントありがとう
こんなメンバーで行ってみます

エルヴィン「さて、いろいろ不満はあるかもしれんが、班の中で協力して温泉探しにチャレンジしてもらいたい」

ナイル「俺が班長で貴様が副長じゃないとやらんぞ!!」

エルヴィン「で、ただ温泉に楽しく入るだけではつまらないので、少々趣向をこらしたレクリエーションを、各温泉地で用意している」

ナイル「無視するな!!」

エルヴィン「レクリエーションの内容自体は着いてからのお・た・の・し・みという事でよろしく」

ナイル「気持ち悪いいいかたすんな!!」

エルヴィン「…がやが煩いが気にしないでおこう。この旅では、立体起動装置の着用、使用を許可する。スナップブレードは巨人が万が一出現したときだけ、使用を許可する。では、地図を配ろう…ハンジ…は倒れているからモブリット、頼む」

モブリットが各班の班長に地図を配る

エルヴィン「北までの行き方は各自自由だ。ちなみに温泉はひとつにつき、1グループしか入れない。後からきたチームは他を探さねばならん」

エルヴィン「沢山の温泉に入れたチームには褒美をあたえる。頑張りたまえ」

アルミン「団長!!褒美ってなんですか!?」

エルヴィン「ザックレー総統に掛け合っている。詳しくは秘密だ」

エレン「よし!!やってやる!!絶対温泉を駆逐してやる!!」
エレン班「おー!!」
なかなか気合いの入った班である

リヴァイ「…おいハンジ、いい加減諦めて目を覚ませ。モブリット、なんとかしろよ、白目むいてて気持ちわりぃ…」
モブリット「貴方が抱いた女でしょうがぁぁ!!」
…なかなか三角関係な班である

ピクシス「さて、やるかのぉ。立体起動なんぞ久々じゃ」
アンカ「司令、足引っ張らないで下さいよ!?」
マルロ「司令の補佐は自分がやります!!」
アンカ「変わってあげるわよ!!」
クリスタ「皆さんで協力しましょうね♪」
なかなか読めない班である

エルヴィン「アルミン、力はともかく、ブレーンではうちのチームが断トツだ。知恵を駆使して乗り切ろう」
アルミン「はい!!団長!!」
ヒッチ「リコさんて眼鏡とったら美人かなあ、見せてくださいよ~」
リコ「眼鏡かけてたらブサイクみたいな言い方をするな!」
ナイル「副長なんぞいやだ…」
なかなか頭脳派な班である

エルヴィン「各班それぞれ知恵と勇気を振り絞って頑張ろう!!ではスタート!!」

エルヴィンの号令と共に、全員が一斉に動き出した

トロスト区から、西へ東へ
長い旅が始まろうとしていた


《リヴァイ班》
リヴァイ「やっと起きやがったかクソメガネ。他の班はもう出立しちまったぞ」

ハンジ「リヴァイひどーい!乙女を起こすのにドロップキックはないだろ!?顔にアザが出来ちゃうじゃないか!!」
顔をモブリットに冷やしてもらいながら言うハンジ

モブリット「大丈夫ですか、ハンジさん。しかしあのハンジさんを一発で起こせるとは、さすがですリヴァイ兵長。いつも起こすのに苦労しているので…」

リヴァイ「いつもどうやって起こすんだ。俺にはドロップキックか、エルボーか、首しめるか、鼻と口を塞ぐくらいしか思い付かねぇ」

ハンジ「私を毎朝殺す気か!!リヴァイ!!」

モブリット「毎朝ご自分で起きればいいんですよ、ハンジさん」
リヴァイ「あぁ、その通りだ」

ハンジ「優しい王子さまのキッスで目覚めてぇぇ!!」

リヴァイ「他を当たれ。クソメガネ」
モブリット「き、き、キスですかぁぁ!?し、仕方ないなあ…では毎朝そうしますね?」
リヴァイ「すんな!!モブリット!!」

相変わらずの三角関係である

《エレン班》
ハンネス「ちびどもの遠足に付き合うのもたまにはいいだろ。皆準備は出来たか!?」

エレン「出来たぜ!!ハンネスのおっさん!!」

ミカサ「エレン…歯磨き持った?下着は沢山持った?ハンカチティッシュ、上靴、体操服、赤白帽子…」
エレン「俺は幼稚園児じゃねぇぞ!!ミカサ!!子ども扱いすんな!!」
ミカサ「エレンはいつまでもかわいい…ポッ」

ジャン「俺もミカサに子ども扱いされてぇぇ!!羨ましい!!」

サシャ「ジャン、まあまあこれでも食べて落ち着いて下さいよ」
サシャは特大リュックからパァンを取り出した

ジャン「サシャ…お前荷物すげぇな…」
サシャ「ふぉうれすかぁ!?(そうですか?)」
コニー「調査兵団の食糧庫からありったけのパンを盗んで…いや借りてきたぜ!!」

ジャン「…後でエルヴィン団長にシバかれるぞ…お前ら…」

サシャ「班の連帯責任ですから、皆さんで耐えましょう!!」
コニー「おー!!」
ジャン「あほか!!返してこい!!ばか野郎!!」

ハンネス「…前途多難だな…」
ハンネスは頭を抱えた

《ピクシス班》
アンカ「じゃあ、旅の間はマルロが副官ね?頼んだわよ」

マルロ「はいっ!!お任せ下さい!」

ピクシス「出来たらもう一人の美少女の方を副官にしたいのぉ…たまには美少女を侍らせたいのぉ」

クリスタ「私が美少女なんて、そんな…恥ずかしいです…」
頬を赤く染めるクリスタ

アンカ「司令…?あなたかいつも侍らせてる私は何なんですか!?」
何処からか出してきたスリッパで司令の頭をはたくアンカ

ピクシス「アンカ、すまんすまん、毛根が死ぬから勘弁してくれ…」
アンカ「もう死んでますからご安心を」
バシッ!!

クリスタ「アンカさん、司令の頭をそんな風にしては可哀想です…」

マルロ「私は懸命に勤めますので!!どうかよろしくお願いいたします!!ピクシス司令!!」

ピクシス「この男は真面目じゃのお…ちいと遊びを覚えさせんとな…」
アンカに頭をシバかれながら、不敵な笑みを浮かべるピクシスであった

《エルヴィン班》
地図を広げ、皆で取り囲んで会議中のエルヴィン班
エルヴィン「どのルートから北に入るかだが…意見はあるか?」

アルミン「最短距離は、エルミハ区経由で王都をつっきるルートですが、さすがに王都は通行出来ませんよね?」

リコ「王都に入るには、かなり厳重なセキュリティを突破しなければいけない。私は王都に入る許可は得られないと思います」

エルヴィン「ナイル副長、何か意見はあるか?」
ナイル「フン!誰が誰の副長だ!!返事なんか死んでもしないぞ!!」

エルヴィン「ナイル副長、この人事はザックレー総統に許可をもらった正式なものなのだよ。私の事もエルヴィン班長と呼ぶようにな、ははは」

ナイル「死んでも呼ぶか!!ばか野郎!!」

ヒッチ「あのぉ~エルヴィン班長~」
エルヴィンの後ろから手を回して、その背中に自分の体を預けるヒッチ
エルヴィンの耳もとでささやくように言葉を発した

エルヴィン「なんだね、ヒッチ」
ヒッチ「私の家が王都にあるんで~お友だちって事で入れちゃいますよ~」

エルヴィン「よし、それで行こう」
アルミン「ヒッチさんすごい!!」
リコ「ヒッチとお友だち…」
ヒッチ「班長~後でご褒美下さいね?」
ナイル「ヒッチ!くっつきすぎだ!!離れろ!!」
エルヴィン「ご褒美は考えておこう」
ナイル「考えんな!!エルヴィン!!」
ナイルの頭痛は旅の間中続きそうだ

ツッコミ役でSARAに禿げそうだwww

>>318
ハゲます!

>> 319
ウフフ…お楽しみに

トロスト区を出立し、温泉に向かって走り出した一行

《リヴァイ班》
トロスト区から北西方向のヤルケル区に最短距離で馬で移動中

リヴァイ「おい、俺は遊びでもなんでも負けたくねぇんだ。ウォールシーナ経由で北上して、北側に行く方が絶対早いだろ」

モブリット「そのルートは最初に考えたんですが、ヤルケル区から程近い山岳地帯に、温泉があって…どうしてもそこに一番にたどり着きたいと」

ハンジ「そうなんだよ!!ガイドブックによるとさぁ、そこは『お猿さんと楽しむ絶景温泉』なんだって!!山奥みたいだけどさぁ、行きてぇ!!お猿さんと混浴!!」

リヴァイ「ちょっとまて…俺は猿なんかと混浴は嫌だぞ…?毛が一杯浮いてそうじゃねぇか…気色わりぃ…」

モブリット「お猿さんと混浴、楽しみですね。なかなか可愛いのに、頭も良くて、好きな動物です。是非スケッチしたいと思っています」

ハンジ「…モブリット…結婚しよ!!」

モブリット「ハンジさん!!ウルウル…」

リヴァイ「…好きにしてくれ!!」

ハンジの心のバロメーター
リヴァイ≦モブリット

《エレン班》
トロスト区からのんびり馬で移動

エレン「絶好の乗馬日和だなぁ」
パッカパッカ…ゆっくり馬を走らせている

ミカサ「エレン…私は遊びでも、あのチビ…には負けたくない。兵長は真っ直ぐ北西を目指した…ので、負けてしまう」
リヴァイに対しライバル心を剥き出しにしているミカサ

ジャン「ミカサのためにも北を目指そうぜ?!」
ミカサ「ジャン、たまには良いこという…」

コニー「俺は任せるぜ!!エレン班長!!」
サシャ「ふぁたしも、むぁかせむぁす
モグモグ…」

ハンネス「まあ、エレンにも考えがあるんだろうから、着いていくのが班員の務めだぞ。ミカサ」

ミカサ「わかった。黙ってついていく」
はてさて、エレン班は何処を目指しているのか…

《ピクシス班》
トロスト区から北、エルミハ区へ馬車で向かう


マルロ「ピクシス司令!!乗り心地はいかがですか!?最高級のソファに使われているスプリングを使用した、ラグジュアリー感溢れる柔らかな椅子。極上の装飾はすべて熟練の職人が手彫りで一年かけて彫刻。ソファの生地はこれまた熟練の職人が長い年月を費やし、シルク糸で緻密な刺繍を施し、馬車の本体は…」

アンカ「マルロ、説明が長い!!」

クリスタ「凄い、高そうな馬車ですね!!マルロさんお金持ちなんですね♪お祖父様寝てしまわれましたが…」
クリスタの太ももを枕がわりに寝る司令
ピクシス「グーグー…スピッ…グーグー」

アンカ「ほら、司令寝ちゃったじゃない。何を枕にしてるの!?エロ司令!!バシッ!!」

マルロ「がーん!!」

《エルヴィン班》
作戦通り、トロスト区から北上し、馬で到着後、真っ直ぐ馬で北上する
最大速度で進行したいのだが、出来ない理由がエルヴィンにあった

ヒッチ「エルヴィン班長~怖いですぅ」
エルヴィン「大丈夫だ。しっかり掴まっていなさい」
ヒッチ「はぁい、王子様」
エルヴィンの馬にはヒッチも同乗しており、しかもヒッチは馬に横向きに腰掛けているため、速度が出せない

エルヴィンの腰にしっかり手を回すヒッチ

アルミン「(これが、大人の、乗り方…目に焼き付けないと!!)」

ナイル「お前らあほか!!ヒッチ、せめて真っ直ぐ馬に跨がれ!!」

ヒッチ「ナイル副長~股を開いて跨がるなんて出来ません…ポッ」

エルヴィン「君は乱暴な上官の下で苦労したんだね」
ヒッチ「そうなんですぅ…ウルウル」

リコ「石ぶつけていいですか…?ナイル副長…」
ナイル「俺も、ぶつけたい…君とは気が合いそうだ」

アルミン「(なるほど、石を馬の尻にぶつけて速度を上げるんだな!!)」
エルヴィン団長の全てを吸収するために、頭の中のメモをフル活用するアルミンであった

《リヴァイ班》
ヤルケル区を早々抜けて、一路山奥の温泉へ

ハンジ「よっ!!ほっ!!せっ!!」
パシュッパシュッパシュッ…
軽快に立体機動で山の崖を登るハンジ
芸術的なまでのアンカーさばきである

リヴァイ「…」
パシュパシュパシュパシュ…
そのハンジより上を行くリヴァイは、無造作に、だが無駄なくアンカーを射出する

モブリット「お二人速すぎですよ~待って下さい!!ハァハァ…」
パシュッ…パシュッ…
ハンジの後ろを必死についていくモブリット

ハンジ「リヴァイのアンカーさばきはほんと凄いなぁ…かっこいい!!敵わないよ!!惚れてまうやろ~!」

モブリット「ハンジさん…(TT)」

リヴァイ「フン。惚れんなクソメガネ」
ちょっと照れてるリヴァイだった

ハンジ心のバロメーター
リヴァイ=モブリット

《エレン班》
エレン「着いたぜ!!」

コニー「…エレン…」
コニーが涙ぐんでいた

ジャン「エレンお前…!」

エレン「コニー、俺たちここで待ってるから、母さんの顔見てこいよ、な?」

そう、エレンが目指した場所は、コニーの故郷ラガコ村だった
エレンは旅のついでに寄り道をしたのだった
コニーのために…

ミカサ「エレン…エレンは優しい…(TT)」

ハンネス「エレンは母を失っているからな、コニーの気持ちもよく分かるんだろう」
コニーの故郷ラガコ村は、もう人がいないが、コニーの母だけはいたのだ。
姿は変わっているが。

サシャ「ふぇれんに一生ついていきまふ…もぐもぐ…」

コニーは久々に母に話し掛けに行ったのだった。

《ピクシス班》
エルミハ区を通過し、壁沿いにストヘス区方面に向かう
壁の上を、馬車に乗って…

クリスタ「お祖父様」
ピクシス「なんじゃ、クリスタ」
クリスタ「痒いところはないですか?」
ピクシス「大丈夫じゃよ…ほっほっほっ」
ピクシスはクリスタに膝枕で、耳掻きしてもらっていた

マルロ「ピクシス司令!!副官は私なのですから、私の頭を膝に頭をお乗せ下さい!!私の耳掻きは水牛の角から切り出し、熟練の細工職人が細かく薔薇の細工を施した、まさに駐屯兵団の長であるあなたのためにある物なのです!!」

アンカ「マルロ、司令は全く聞いていないわよ…見なさいあの顔」
マルロ「がーん…」
ピクシスはクリスタの膝枕に蕩けそうな顔をしていた

アンカ「馬車にのりながら耳掻きなんて、耳に棒をぶっさして下さいって言ってるようなものですよ!!司令!!」

ピクシス「アンカが妬いておる、かわいいのぉ」
アンカ「妬きません!!エロ司令!!」
バシッバシッ…

マルロ「アンカさん凄いですね、司令の頭を叩くとは…」
マルロは至極関心していた

《エルヴィン班》
エルミハ区を抜け、王都ミットラスへ

エルヴィン「ヒッチのお陰で楽々王都に入れたな、ありがとう」
ヒッチ「ご褒美待ってますね~」
エルヴィン「ああ」
エルヴィンの腕に自分の腕を絡ませているヒッチ

リコ「ナイル副長…あの女はあなたの部下だったんですよね…?」
ナイル「多分…信じたくはないが…」
リコ「もう少し躾をなさった方が良いのでは!?」
ナイル「…反省している…すまん、リコ」

アルミン「エルヴィン団長は班長でもモテモテだなあ!!」
目を輝かせているアルミン

ナイル「あいつはいつも、そうだった。何もしなくても女が寄って行った…」
アルミン「凄い!!」
ナイル「そうだ、俺の初恋の相手もあいつが好きで、その次に狙った女もあいつが好きで、その次も…その次も…」

リコ「ナイル副長、泣くな。男でしょ」
リコはナイルの頭を撫でてやった

>>327
のマルロのセリフ、頭をがいらないです、ミス…
他にも誤字などすみません

それを知った上で健気に着いてくモブリット可愛い

>> 330
けしからんですな!
>>331
モブリットが喜んでる!

《リヴァイ班》
北部ウォールローゼ最西の山奥

リヴァイ「あそこか…」
リヴァイの視線の先には、湯けむりを上げている天然の温泉があった

ハンジ「リヴァイ、でもなんか温泉の前に人がいるよ?」
確かに、数人の人影が温泉の前に立っているのが見える

モブリット「猿…ではなさそうですね。あの方たちも温泉に入りに来たのでは。とりあえず危険がないか確認してきますので、お二人はお待ちください」
そう言って一人温泉に向かって行ったモブリット

ハンジ「モブリット、一人じゃあぶな…」
モブリット「うわぁぁぁ!!」
モブリットが悲鳴をあげた

リヴァイ「チッ」
リヴァイは見た、モブリットが数人に倒された瞬間を
急ぎ近寄るリヴァイとハンジの目の前には…
敵一同「リヴァイ兵長に、敬礼!!」
ドンッ!!
リヴァイ「お前ら…」
ハンジ「おお!!あんたたち!!こんな所にいたのか!!」

モブリット「ムグググ…」
布で猿ぐつわを嵌められて二人に拘束されているモブリット

ペトラ「兵長!!私たちを置いて行くなんて…ひどい!!」
オルオ「俺には兵長の考えがわかるぜ。ああわかる」
ペトラ「黙れオルオ」
ズグッ…ペトラの肘鉄オルオにヒット

リヴァイ「置いていってねぇ。お前らいなかったじゃねぇか」

ペトラ「エルヴィン団長が、ここにいれば奴は来るから、ここで待ってろって…なのに知らない間にオー…なんちゃらに行ってしまって…」

リヴァイ「そんなに前からここにいたのか…」
拗ねるペトラを前に何もできない人類最強

オルオ「そういやあ聞いた話では、兵長とハンジ分隊長がいい雰囲気になってそれから…」

ハンジ「うるさい!!言うな!!」
ズグッ…ハンジの肘鉄がヒット
ペトラ「……」

リヴァイ「で、なんでモブリットを拘束している?」
グンタ「エルヴィン団長の…ゲフッ」
エルド「…グンタ、シッ!!」
リヴァイ「エルヴィンと聞こえたが…?」

エルド「…リヴァイ兵長、ハンジ分隊長、あなた方にはここで…」
エルドが殺気を発する

エルド「旅を終えていただきます」
ハンジ「なんだってぇ!!」
リヴァイ「…」

ハンジ「モブリットはどうなるの?」
ペトラ「モブリット副長は、私と傷の舐め合いですよ!!振られたもの同士ですから!!うわぁん」

オルオ「要するに、兵長と分隊長の代わりに我々が旅をするっつ~ことっす」

エルド「それがお嫌なら…指示書読みますね…リヴァイ、ハンジはハミルトン島の夜の話をその場で詳しく語ること…これを条件に、温泉に入る許可と、旅続行の許可がおります」

リヴァイ「エルヴィン…あいつめ…」
ハンジ「なんってこったい!!」
モブリット「……」

リヴァイ「わかった、話そう。ハンジが襲ってきたから返り討ちにした。返り討ちにした結果そうなった。さあモブリットを離せ」

ハンジ「襲ってきたのはリヴァイだろ!?」

ペトラ「兵長全然詳しくないからだめです!!うわぁん」

グンタ「はやくおしエロください!!」
エルド「…それではモブリットは解放できません、兵長」

リヴァイ「エルヴィンめ…俺たちに絶対一位を取らせないつもりで仕込みやがったな…仕方ねぇ。負けるのは嫌だから詳しく話してやる」

オルオ「参考にしまっす!!」
グンタ「おしえろください!!」
エルド「よくぞ決心なさいました。それでこそ我らが兵長」

ハンジ「リヴァイ勝手に決めるなよぉ!!」
ペトラ「兵長…」

リヴァイ「ハンジ、ペトラ、お前たちは向こうに行ってろ。女に聞かす話じゃねぇからな」
シッシッ!!

ペトラ「兵長ひどい!!私にも教えろください!!」
ハンジ「ペトラ…向こうに行ってよ…?」
ペトラ「いやぁぁ!!」
ハンジに無理矢理お姫様だっこをされて、連行されるペトラだった

リヴァイ「まずはだな、ハンジが………で、苺くせぇから洗ってやろうと思って、上着のボタンを全部外してやったんだ。親切心からだ。下心なんてねぇ。いや、3%くらいはあったかもしれねぇ。まあ要するに雰囲気なんだ、わかるだろ」

エルド「わかりますね。それはハンジ分隊長が悪いですよ。そこまでされたら男としてはね、後には退けません」

グンタ「エルドさすがだ…」
オルオ「フンフンめもめも」
モブリット「……」

リヴァイ「で、やってくれと言うから、横抱き?でベッドに連れていってやった。腕がもげると思ったぞ」

エルド「お姫様だっこですね。女性の憧れ。兵長さすがです」
グンタ「後で練習するぞ」
オルオ「フンフンめもめも」
モブリット「……」

リヴァイ「で、後は…かくかくしかじか……」
エルド「ほう」
グンタ「練習だ!!」
オルオ「フンフンめもめも」
モブリット「……;;」

リヴァイ「…という感じだ。どうだ、これで」
エルド「そうですね、なかなかでした。 85点て所でしょうか。もう少し相手への配慮をなさったほうが宜しいかと」
リヴァイ「そうか、わかった」
グンタ「エルドすげえ」
オルオ「兵長で 85点…」
モブリット「…」

リヴァイ「さあ、モブリットを離してやってくれ」
モブリットの猿ぐつわは外され、拘束も解かれた

リヴァイ「モブリット、無事か?」
倒れこむモブリットの背中をさすってやるリヴァイ

モブリット「ゲホッゲホッ…はい、大丈夫です。ありがとうございます兵長」
涙目のモブリット

ハンジ「モブリットー!!大丈夫ぅぅ!?」
向こうから走り寄ってきて、モブリットの両肩に手を置き、ゆさぶった

エルド「では、お約束通り温泉に入る許可を与えます、どうぞ」

ハンジ「どうせなら皆で一緒に入ろうよ~」
ペトラ「そうですね♪そうしましょう!!」
二人は服を脱ぎ出した

リヴァイ「ちょっとまてお前ら、脱ぐな、こんなところで…」
オルオ「おお!しっかり目に焼き付けねば!!」
グンタ「大胆だな!」
エルド「最近の女性は恥ずかしいという言葉を忘れたのか…」
モブリット「皆さん見てはなりません!!目を隠して下さい!!」

ハンジ「隠さなくていいって、モブリット」
ペトラ「うふふ」
二人は水着を着用していた

ハンジ「さぁ入るぞーやぁ!!」
ペトラ「ハンジさんに続け~たぁ!!」
ザブンザブーン!!
二人は温泉に飛び込んだ

ハンジ「ペトラに水着ピッタリでよかったよ~かわいいよ!!」
ペトラ「ビキニ初めてだから恥ずかしいですけど…」
ハンジ「ペトラは胸にしっかり肉ついてるから、ビキニの方が絶対似合うよ!!」
ペトラ「ハンジさんたら~」
女子二人がキャッキャウフフしている間…

リヴァイ「お前ら服くらい畳んでいけよ!!」
モブリット「…」
モブリットは何も言わずに二人の服をたたみはじめている

リヴァイ「モブリット…お前俺と気が合うかもしれんな…」
リヴァイも一緒に服をたたみはじめた

モブリット「やはり兵長にはかないそうにありません…」
ボソッと呟くモブリット
リヴァイ「何の話だ?」
モブリット「独り言なのでお気になさらず」
リヴァイ「…フンッ!!」
モブリット「わぁぁ!!」
リヴァイは、いきなりモブリットの腰の辺りをつかんで、温泉に突き落とした

リヴァイ「お前も一緒にはいってろ」
モブリット「服が濡れてしまいましたよ!!」
リヴァイ「ペトラとハンジの胸のサイズを確認してこい」
モブリット「そんなの無理ですよ!!兵長!!」

リヴァイ「無理じゃねえ、やるんだモブリット」
モブリット「嫌ですってば!!」

オルオ「俺が確認します兵長!」
エルド「いや俺なら見たら大体把握可能だ」
グンタ「俺も確認しよう!!」
三人も服を脱いで温泉に突入したのだった

ハンジ「ちょっと、あんたたちどこ見てんだよ!?」
ペトラ「皆セクハラだ~!」

モブリット「皆さんだめですよ!!見ないで下さい!!」
二人をセクハラな視線から守ろうとするモブリット

男一同「兵長の命令だ!どけ!!」

リヴァイ「モブリットには言ったが、お前らには言ってねぇ…」
リヴァイはこめかみの辺りを押さえて、眉をひそめた

モブリット「退きません!!私が責任もって確認しますから!!」
と言って顔を真っ赤に染めるモブリット

結局胸のサイズを確認する前に、危機を察したハンジ、ペトラはシャツを上から羽織ったのであった

結局皆で水着に着替えて温泉につかった旧リヴァイ班と、即席リヴァイ班

ハンジ「あのさあ、思ってたんだけど…お猿さんはどこ?」

エルド「猿って…ああ、居ましたよ。俺たちがくるまでは」

ハンジ「で、何処にいったの?」

エルド「オルオが猿と喧嘩になって、追い払ってしまったんです」
オルオ「ギクッ…」

ハンジ「オルオ……」
ハンジの顔がいつもの飄々とした感じとはガラッと変わり、殺気に満ちる

リヴァイ「おい、全員退避だ…」
リヴァイの言葉の意味を察し、ハンジから距離を置く一行

モブリット「やばい!切れてる時のハンジさんになっている!!ハンジさん落ち着いて!!」
モブリットだけは健気にも、ハンジの側を離れず、必死に宥めるが…

オルオ「やばい、逃げ…」
ハンジ「逃がさん!!」
オルオの首根っこを引っつかむハンジ
そして…
オルオ「ムググギギ…」
ハンジ「地獄へ行け!!」
リヴァイ直伝のヘッドロックが、オルオに見事に掛かったのであった

モブリット「ハンジさん、もう離してあげて下さい!!死んでしまいますよ!!」
オルオはすでに意識を失っていた

ハンジ「地獄へ落ちろ…フフフ…」
モブリット「だめだ、ハンジさんが戻ってこない…!」
モブリットが諦めかけたその時

リヴァイ「フンッ!!」
ドカァン!!
ハンジ「ぎゃぁ!!」
リヴァイのドロップキックがハンジの背中に炸裂した

リヴァイ「部下を無駄死にさせるな、クソメガネ…」
ハンジ「…ピクピク…」
モブリット「ハンジさん、大丈夫ですか!?」

ペトラ「兵長のキック…痛そう…」
エルド「あれは死んだな」
グンタ「ああ、死んだ」

ハンジ「リヴァイ!!何するんだよ!!女の子に向かって!!」
ビョン、と立ち上がって抗議するハンジ

リヴァイ「お前は女の子じゃねぇ。性別ハンジ、通称クソメガネ、泳ぐ姿は半魚人だ」

ハンジ「何だよそれ!!やーいちび!!」
リヴァイ「…削がれてぇらしいな…」
モブリット「お二人とも、喧嘩はやめてください!」

結局モブリットに窘められ、その場は収まった

エルド「ま、やっとオルオも息を吹き返しましたし、リヴァイ班に1点をさしあげます」

リヴァイ「一つの温泉につき一点なんだな」
エルド「はい、そのようですよ。ではこの先もご武運をお祈りしております」

ペトラ「兵長頑張って下さい!!好きです!!」
リヴァイ「ああ」
ペトラ「きゃあ!!どさくさに紛れて告白しちゃった!!」

オルオ「俺も好きです!!」
リヴァイ「…ああ」

グンタ「俺も好きです!!」
リヴァイ「……ああ」

エルド「兵長、愛しています」
リヴァイ「…何の罰ゲームなんだこれは!!」

ハンジ「リヴァイは愛されてるんだねぇ!!」
モブリット「兵長顔が赤い。まさかエルドさんの告白が…」
リヴァイ「…なわけねぇだろうが!!」

エルド「兵長をからかうのもなかなか面白いな」
ペトラ「私はからかってないのに…」
オルオ「ペトラは俺が」
ペトラ「オルオ黙れ!!」
ペトラの拳骨頭にヒット
オルオ「グフゥ…」

リヴァイ班は、無事猿のいない猿温泉を制覇したのだった

《エレン班》
コニーの故郷ラガコ村を後にし、一路北東へ

コニー「皆ごめんな、俺のせいで手間とらせちまって」
ジャン「いいってことよ!!かあちゃんに会えて良かったな、コニー」
一同も頷いている

エレン「温泉は逃げないしな!!」

ミカサ「エレン…確かに温泉は逃げたりはしない。でも、この旅は違うグループが入った温泉は入れない。ので、温泉は逃げる」

エレン「!!」

ハンネス「エレン、エルヴィンの説明をちゃんと聞いていたか…?」

ジャン「エレン、まさかてめえ…」

エレン「わ、忘れてた!!やべえ!!」
ジタバタと慌て出すエレン

サシャ「エレンもばかだったんですね~モグモグ…」
コニー「俺はどんなエレンにもついていくぜ!!」

ジャン「俺かハンネスのおっさんがが班長すりゃあ良かったな…」
ハンネス「後悔先に立たずだな。まあこれから急げばいいだろ」

ミカサ「皆、最高速度で急ごう…」
一行「了解!!」

スタートダッシュは出来なかったが、ここから巻き返しをすべく頑張る一行であった

《ピクシス班》
馬車でウォールシーナ上を移動し、ストヘス区を抜けた一行
マルロ「さあ、ここからは北部地域になります。どちらの温泉を目指しましょうか、司令。ここからですと《秘湯自然が産み出す赤い湯》が近いですが…」

ピクシス「そこは混浴かのお」
クリスタ「お祖父様は混浴がお好きなんですね♪」
ピクシス「大好物じゃよ、ほほほ」

アンカ「…」
マルロ「自然にできている温泉のようですので、混浴かと思われますが…」

ピクシス「ではまずはそこへ行こうかの」

一行は赤い湯の温泉に向かった


マルロ「…あれがそうみたいですね、司令」
登山道から少し離れた場所に、湯けむりのたつ池があった
赤い色をしていた

アンカ「温泉の前に誰かいますよ…?」
クリスタ「あ、あれは…」
クリスタは突然駆け出した!!

マルロ「ちょっと待て、一人で行くな!!」
一行は後を追った

クリスタ「ユミル~ユミル~!」
ユミル「よう、クリスタ。遅かったじゃないか」
クリスタは温泉の前に立っていた人物…ユミルに抱き付いていた

ピクシス「おお、クリスタの彼氏かの?女のようじゃが」
クリスタ「ユミルは私の大切な人です!お祖父様」

ユミル「お祖父様って、クリスタお前、ピクシス司令じゃないか」
クリスタ「司令がそう呼んで欲しいと言うから、呼んであげているの」
ウフ、と笑うクリスタ

マルロ「ユミル…さんとおっしゃいましたね。我々はこの温泉に入りに来たのですが…」

ユミル「ああ、知ってるよ。団長殿に頼まれたからね。ここに来るやつの邪魔をしろって」
クリスタ「邪魔って…ユミルやだ…」

ユミル「クリスタのチームが来たら、無条件で入るのを許可する予定だったから、入っていいよ」

ピクシス「なんとお主は話がわかるのぉ!!」

マルロ「ありがとう!!」
クリスタ「ユミル~!」

一行は赤い湯に浸かる事に成功した

マルロ「あの、先程から気になっていたのですが…」

ピクシス「なんじゃ」
マルロ「アンカさんがいません」
クリスタ「…さっき着替えるところまではいたけど、温泉には来てないかも…」

ユミル「ああ、あいつなら山を降りていったぜ。後は頼むって。もう付き合いきれないってな」

ピクシス「なんじゃとぉ!!」
ユミル「だから変わりに参謀やってやるよ。嬉しいだろ?」
ピクシス司令の頭を撫でながらにやりと笑うユミル

クリスタ「ユミルも一緒に来てくれるんだね!!わー!!…でもアンカさんは何処へ…」

一行はメンバーにユミルを加え、山を降りがてらアンカを探したが、見つからなかった…

《エルヴィン班》
エルヴィン「さて、ミットラスも無事に抜け、北部地域に着いた。どの温泉を目指す?」

アルミン「秘湯混浴露天風呂、白い景色に包まれた魅惑の乳白色の湯…という温泉が一番近いですが、山の頂上付近で、行くまでに大変そうですね」

リコ「立体機動があるから、大丈夫でしょ」
ナイル「ああ、行けるだろう」

ヒッチ「私は立体機動得意じゃなくて~だから班長に…グフッ…」
リコの回し蹴りがヒッチにヒット

リコ「立体機動くらいやれ!!」
ナイル「憲兵団辞めさせるぞ…?」
アルミン「僕もあまり得意じゃないですが、頑張ります!!」

リコ「アルミンは大丈夫。何かあっても助けるから安心して」
アルミンの頭をよしよしと撫でてやるリコ

エルヴィン「…誰かが走ってくるぞ…?」
エルヴィンが指差す方向から、こちらに向かって馬が駆けてきた

○○○「エルヴィン団長!」
エルヴィン「おっと!!」
馬から飛び降りて、自分に抱き付いてきた人物をしっかりキャッチした
エルヴィン「君は…」

エルヴィン「アンカじゃないか、どうした、何があった?」
自分の腕の中で肩を震わせるアンカに優しく問いかけるエルヴィン

リコ「アンカ、どうしたの!?ピクシス司令に何かあったの!?」

ヒッチ「ちょっとぉ、私の班長から離れムググ…」
ナイル「お前は少し黙ってろ…」
ナイルに口を塞がれたヒッチ

アンカ「私だってたまには息抜きしたい!!だからここにきました!!」
エルヴィンの腕から抜け出し、見事な敬礼をするアンカ

アンカ「エルヴィン班長!!私を幕僚として側に置いてください!!」
ヒッチ「幕僚ってなに!?偉そ…ムググ」
リコに口を塞がれたヒッチ

エルヴィン「君が私の幕僚になってくれるのは嬉しいが、ピクシス司令に申し訳が…」
アンカ「もう決めたんです!!」
アンカの意思は固い

エルヴィン「わかった。アンカ宜しく頼むよ」
アンカの手を取り、最高のスマイルを見せた

ナイル「また一人…」
アルミン「何もしなくても寄ってきた…」
ヒッチ「幕僚なんていらないのに…」

アンカ「こちらのβ地点からの登山ルートからですとかなり遠回りになりますので、少しそれた、このα地点から真っ直ぐ向かうのが宜しいかと。班長」

エルヴィン「君の作戦に従うよ」
アルミン「しかし、α地点からですと、高い切り立った崖がありますから、立体機動をミスしますと命の危険がありますね」

ナイル「俺も最近立体機動使ってないからな…」

エルヴィン「衰えたんだな、ナイル。訓練兵時代は競い合った仲だったが…お前の無様な立体機動が楽しみだ」
はははと笑うエルヴィン
ナイル「うるさい、エルヴィン!!」

エルヴィン「お前とはバレンタインのチョコの数でも競い合ったな」
ナイル「競い合ってないわ!!貰った数の桁が違うやつとは競い合うとは言わんわ!!」
リコ「ナイル副長…微妙に墓穴掘っていますよ…?」

ヒッチ「そっかあ、もうすぐバレンタインだよねぇ。今年の本命はエルヴィン班長に決まり~」
と言ってエルヴィンにしなだれかかるヒッチ

ナイル「ヒッチ、お前はバレンタインは一日勤務にしておいてやる」
ヒッチ「ひどーい。私も憲兵団辞めて調査兵団行こうかなぁ…」
リコ「あんたなんか一瞬で巨人の餌だよ…」

一行は乳白色の湯に向かって山を登り始めた

切り立った崖…しかもでこぼこしており、立体機動を使ってもなかなか思うようには登れない
そんな中…

リコ「ヤッ!!ハッ!セイッ!!」
パシュッパシュパシュ…
見事な登坂を見せるリコ

エルヴィン「さすがは駐屯兵団精鋭班なだけあるな。素晴らしく無駄がない立体機動だ」

エルヴィンはリコの後ろについて登っている
その後ろにはナイル

ナイル「エルヴィン、お前は本気を出してないだろ…?リコのお尻を観察したいがためにわざと手を抜いているのがまるわかりだ」

エルヴィン「人聞きが悪いな、ナイル」
ナイル「図星だろう」
エルヴィン「いい眺めだ…」
エルヴィンは目を細めた

パシュッ!!
その時、エルヴィンの鼻先を掠める様に打ち込まれるアンカー
アンカ「班長なのですから、先陣を切ってさっさとお進み下さいね。エルヴィン班長」

エルヴィン「アンカ、怖いぞ顔が…」

アルミン「アンカさんのアンカー裁きが上手すぎます!!」
ヒッチ「面白くないダジャレね…」
アルミン「ダジャレのつもりじゃないですよ!?」

そんなこんなで、無事に崖を登りきった一行であった

結局、アンカにお尻をつつかれつつ先陣を切って崖を登りきったエルヴィン

続いて全員が無事に登坂に成功した

アルミン「温泉が見えましたよ!!凄い湯煙だ!!」
アルミンは初めて見る本物の温泉に、瞳を輝かせる

リコ「私も見るのが初めてだよ。凄いな…」
リコはアルミンの頭を撫でながら言った

ナイル「なあ、温泉の前に誰か立ってるぞ?もしや他のグループに先を越されたか…?」
ナイルのいう通り、温泉の手前に人影か見えた

アンカ「いえ、距離的にもうちの班より早くここにたどり着けるチームはいないはずです。普通に先客なのかもしれません。どうなさいますか?班長」

エルヴィン「大丈夫だ。あれは私が仕込んだ番兵だ。向かおう」
スタスタと歩き、人影に向かうエルヴィン

一行は後に続いた

エルヴィン「待たせたな、お前たち」

ミケ「遅いぞエルヴィン。スンスン…背中から女の匂いがするな。また遊んだのか」

ナナバ「ミケ、いきなり匂いかがないの!!エルヴィン団長お待ちしておりました」

エルヴィン「そんなに匂うか…?また遊んだとは人聞きが悪いな。ナナバご苦労」

アルミン「(そうか、団長…いや班長は一位をとりたいがために、自分の息が掛かった者に温泉の番をさせていたんだな、抜かりがない!!)」

アンカ「ミケ分隊長、ナナバさんこんにちは。この度エルヴィン班長の幕僚の任に就くことになりました、アンカ・ラインベルガーです。以後よろしくお願いいたします」
完璧な敬礼付きで自己紹介するアンカ

ナナバ「ピクシス司令の側近じゃなかったっけ…まあよろしく!」
ミケ「スンスン…知的な匂い…」
アンカ「ビクッ!!」

エルヴィン「ミケ、女性の匂いをいきなり嗅ぐな。アンカが引いてるぞ」

ミケ「アンカ…にはまだエルヴィンの匂いが付いていないな…これからか」

アンカ「ビクビク…」

エルヴィン「うちの幕僚をあまりいじめるな。それより温泉に入らせてもらうぞ?急いでいるんだ」

ミケ「駄目だ、エルヴィン…入らせる訳にはいかない」
エルヴィン「話が違うが…」
ミケ「温泉に入りたければ、俺と戦え、エルヴィン」
ミケが殺気を放つ…

エルヴィン「ミケ、お前と戦いたくはない」
ミケ「…ならば温泉は諦めろ」
ナナバ「ミケは一度でいいから団長と戦ってみたかったらしくて…止めても聞かなかった…」
ため息をつくナナバ

その時ミケとナナバの背後から音がした

ザブーン、ドパ~ン、バシャ、ビチャーン!
ヒッチ「やだ~いいお湯~お肌つるつる~」ホカホカ
アルミン「これが!!温泉!!水筒に入れて持って帰ろう!!」
リコ「はぁ~天国、生き返るわ。眼鏡が曇って困るけど…」
ナイル「最近腰が痛くてな…腰痛にも効くといいんだが」
アンカ「班長囮作戦成功」ホカホカ

ミケ「く、やられた!エルヴィンさすがだな、よく鼻が利く…」
ナナバ「団長と戦うなんて無茶せずにすんで良かった」

エルヴィン「俺は何もしていない。幕僚が優秀なだけだ。ミケ、対決はバレンタインチョコの数で決めような」

ミケ「結果が見えている勝負はせん」

アンカ「優秀だなんて、うふふ」ホカホカ

アンカの機転で、難なくミケ、ナナバ組の守る温泉を制覇したのであった

オールキャラの話になってきて、ますます楽しみ。

ナイルが可愛くてならない
毛根に効く湯はないのかね?

結局、ミケとナナバも一緒に温泉に入る事になった

ヒッチ「ナナバさ~ん質問なんですけど」
ナナバ「何かな?」
ヒッチ「ミケさんとはどんな関係なんですかぁ?」
リコ「…ドキドキ」
ナナバ「え~っと…」

ヒッチ「お二人を見てると、阿吽の呼吸というか~直感なんですけど、やっぱり大人の関係ですかぁ?」
ナナバ「う~ん…まあ、そんな事もあったような…」
ナナバが口ごもったその時…

ミケ「ナナバは俺の女だ」
と言ってナナバを引き寄せるミケ

ヒッチ「でしょ~!?やっぱり!!」
リコ「ドキドキ…お似合い…」

ミケ「エルヴィンには渡さん。ナナバだけは」

ナイル「ミケ、お前も被害者か…」
ミケ「何度悔しい思いをしたか…」
アルミン「(エルヴィン班長って一体!?)」

エルヴィン「俺は何もしていないのに、酷い言い種だな」
アンカ「大丈夫です、皆さんご安心を。これからは私が責任を持ってエルヴィン班長の全てを把握し、管理させていただきますから」

エルヴィン「アンカ…怖いぞ…」
アンカ「上に立つ者として節操がないのは困りますから。醜聞をたたせるわけには参りません」
エルヴィンはアンカの恐怖の管理を受け入れざるを得ないのか!?

エルヴィン「先程から黙って聞いていれば…俺がお前達に何をしたと言うんだ…」
頭を抱えるエルヴィン

ナイル「自覚が無いのが腹立たしい」
ミケ「全くだ」
ナイル「誰のせいでこんなに頭髪が薄くなったと思ってるんだ」
ミケ「それは遺伝だ」
ナイル「…」

ヒッチ「要するにさぁ、エルヴィン班長は自分から言い寄ってる訳じゃないでしょ。その、あなた方の想い人だった人達に」
ナイル「そうかもしれん」
ミケ「ああ」

ヒッチ「だったらエルヴィン班長は悪くないじゃん。仕方ないよ、所詮女なんて見た目で選んじゃうもん」

ナイル「クッ!!」
ミケ「…スン」
アルミン「(やっぱり見た目で選ぶのか…僕にはエルヴィン班長の様な容姿はないから絶望的じゃないか…)」

リコ「ちょっと待て。見た目だけで好きになったりは…するかも」
ヒッチ「でしょー」

アンカ「要するに…エルヴィン班長から女を遠ざけるためには、γ作戦としてバリカンで頭をつるつるに、まるで玉子のごとく剃りあげる。逆に髭は放置し、伸ばし三つ編みにし、リボンを付ける。これでどうかしら」

ナイル「素晴らしい作戦だ」
ミケ「それでいこうか」
エルヴィン「そんな格好で兵士の士気が保てんわ!!」

アルミン「(少し、いやかなり見てみたい…団長の髭三つ編み…)」
皆が温泉につかる中、エルヴィンはバリカンを持ったアンカに追いかけ回されるのであった…

>>360
楽しみにしてもらって嬉しい!
>>361
毛根ネタ使わせてもらいました…w

ナナバって優しくて良いよな
穏やかだけど一癖あるミケとお似合いでいい!
そして男達の嫉妬からヅラヴィンの噂が広がる流れかwww

>>365
ナナバさんスキです!
ヅラヴィン…w

エルヴィン「ふぅ、危なかった…」
アンカに追いかけ回されていたが、バリカンの充電が切れたのでやっと解放された

アンカ「大人しくされるがままになればよろしいですのに…」
ため息をつくアンカ

ナイル「そうだぞエルヴィン、往生際が悪いなお前」

ミケ「ハゲヴィン…」
アルミン「ブフッ!!」
リコ「ぷっ…ぷぷ…」
ヒッチ「あは」

ミケ「ヅラヴィン・スミス」
アルミン「…!!!!!ヒー!」
リコ「ぷぷぷぷぷ!!」
ヒッチ「きゃははは!!」

エルヴィン「ミケ!!俺の名前で遊ぶな!!」
ミケ「ハゲヴィン団長」
ナナバ「ミケ…言い過ぎ…ふふっ」
ヒッチ「お腹痛い!!あははは!!調査兵団おもしろ~い!!」

とりあえず、無事一点を入手したエルヴィン班は、旅を先に進めるのであった

《リヴァイ班》北部最西端の山奥にある、猿のいない猿温泉に入ったリヴァイ班は、一路北を目指す

ハンジ「はぁ…だる~い、やる気でな~い」
猿がいなかった事がショックで、放心状態のハンジ

リヴァイ「いなかったものは仕方ねぇだろうが。その辺の虫でも愛でてろクソメガネ」
ハンジ「虫とは風呂に一緒に入れないじゃないか…」

モブリット「動物が入る温泉…地図で見た所なさそうですね…とりあえずここから程近い『川の畔にある温泉』に行きましょう」

リヴァイ「川の中に温泉が湧いてるらしいな。楽しみだ。やはり風呂はいい。体がすっきりするしな」

ハンジ「リヴァイの加齢臭も消せるしね~」
リヴァイ「俺からはいい匂いしかしねぇ。お前のほうがくせぇだろ、クソメガネ」

ハンジ「私の匂いはいちごのリップだよ~!ってぎゃあ!!また思い出した!!」
リヴァイ「何を思い出した?」
ハンジ「ハミルトン島の…」
リヴァイ「なんかあったか?」

モブリット「先ほど兵長から全てお聞きしましたよ…頭のなかにメモしてあるので、読み上げましょうか…?」
じと目で二人を見やるモブリット

モブリット「いちごのリップを塗りたくった唇で、兵長の顔中にキスをしまくった…」

モブリット「胸のサイズを確認した。直で。それから…」
ハンジ「モブリット、もういいから!!」
リヴァイ「お前泣くなよ!?」

モブリットは頭の中のメモを読みながら泣いていた…

モブリット「わかってますよ!!そんなの最初から、兵長に勝てるわけがないことくらい!!」
モブリットが叫んだ

馬が驚くので、とりあえず一行は馬をつないで、道端に腰をおろした

ハンジ「モブリット、落ち着いて…?」
モブリット「ハンジさん黙ってて下さい!!兵長は男の私から見てもいい男ですよ!!少し怖いですが、部下にも寛容で優しいですし、よく頭も回る上に戦わせたら敵うものなんかいないです!」
リヴァイ「…」

モブリット「私が勝てるのなんて、せいぜい身長くらいですよ!!」

ハンジ「モブリット…」

モブリット「だいたいハンジさん、あなたは私を何だと思ってるんですか!?いつも私があなたの部屋にいけば、そこらじゅうに下着を脱ぎ散らかし…」

ハンジ「!!」
リヴァイ「…」ギロリ

モブリット「疲れたのか知りませんが、ノックしても返事がないから心配になって部屋に入ったら、真っ裸でベッドに寝てるし!!」

ハンジ「!!!!」
リヴァイ「ハンジてめぇ…」

モブリット「そんなの、日常茶飯事ですよ!?下着を片付け、風邪をひいてはいけないと、あなたに布団をかけ…」

ハンジ「モブリット…」
リヴァイ「…」

モブリット「私は、その間ハンジさんに指一本触れませんでしたよ!!でももう我慢はしません。ええ、しませんとも。今度またそんな事があったら、覚悟しておいて下さいね!?今までの分全て取り戻させて頂きますから!!」
一気に捲し立てて、はぁはぁと息をするモブリット

リヴァイ「…いいぞ、やれ、モブリット。俺が許す」
ハンジ「えええ!?」
リヴァイ「ハンジが悪い。落とし前つけろ…クソメガネ」

ハンジ「モブリットごめんね…私が悪かった…」

モブリット「………冗談ですよ」
ハンジ「え…?」

モブリット「言ってみただけです。これからも何もしませんからご安心下さい」
モブリットはそう言うと、さっさと馬に騎乗した

モブリット「皆さん早く行きましょう。私のために時間をとらせてすみませんでした」

リヴァイ「俺はやれと言ったはずだが…」
モブリット「兵長、私は…私の事を好きでもない人を抱きたくありませんから」

ハンジ「モブリット…」
ハンジはうなだれた

モブリット「ハンジさんも早く馬に乗って下さい。先を越されますよ」
ハンジ「…わかった…」

なんだか各自もやもやを抱えながら、旅を続けるのであった

《エレン班》
エレン「さて、着いたぞ!」
ジャン「エレンお前…」
サシャ「わ、わ、わ…私の村ですね…」

ハンネス「ダウパー村だな。サシャの故郷だったか」

エレン「確かに温泉には入りたいさ、でもサシャの故郷が折角近くにあるんだしな、少し寄り道してもいいだろ?」
笑顔でそう言うエレンに抱きつくサシャ
サシャ「エレ~ン…ありがとうございますぅ…!これをどうぞ!!」
エレン「いやいいって事よっムグググ」
エレンは口にパンを突っ込まれた

ミカサ「エレンに何をするの…サシャ…離れて…?」
サシャ「な、何も深い意味はないですよぉ、ミカサ…」

ミカサ「じゃあ何故抱きつくの…?エレンが気になるの…?」

サシャ「いやいや、気になるといえば気になりますが…違います意味が違いま…うわぁぁ!!」
ミカサに追いかけられながら村の奥に逃げたサシャ

ジャン「寄り道しすぎて、温泉どうでもよくなってきたぞ、俺は」
コニー「ま、楽しけりゃいいんじゃねえ?」
ハンネス「急がば回れともいうからな、まあここまできたらのんびり行くか」
エレン「何とかなるだろ、多分」
ジャン「エレンてめぇ何にも考えてねぇだろ…まあ今に始まったことでもないか…」
ため息をついたジャンであった

ミカサ「サシャ…捕まえた…」
サシャ「ミカサ、怖いですっ…」
サシャのポニーテールをがしっと掴んだミカサ

ミカサ「エレンをどう思ってるの?サシャ」
怯えるサシャに詰め寄るミカサ

サシャ「…エレンは…優しくて…少しドジだけど一生懸命で…」
ミカサ「ふうん…」
サシャ「その…好きですけど、友達というか仲間として、ですよ」
ミカサ「…そう」
パッと掴んだ手を離した

サシャ「ミカサは…エレンが好きなんですよね?」
ミカサ「…か、家族として…」
サシャ「家族ですか。っと…顔が真っ赤ですよ、ミカサ」
ミカサ「そんなわけ、ない」

サシャ「そんなわけありますよ~熱ですかね…家が近いので熱はかりに行きましょう」

サシャに手を引かれて、ミカサは村の奥のサシャの家に行った

サシャ「ただいま~」
サシャが言うと、奥から人がでてきた

ミカサ「こんにちは」
サシャ「お父さん!!」
サシャ父「サシャ、帰っていたのか。お友達か。こんにちは」

サシャ「そう、友達。それより熱計り!ミカサの顔が赤くて…ってあれ?」
ミカサの顔は元の色に戻っていた

ミカサ「熱なんてないけど…」
サシャ「なんだ、心配したじゃないですかー」
ミカサ「ごめん、サシャ」
サシャ「いいですよ!!元気ならそれが一番ですから!!でも何であんなに顔が赤かったんですかねぇ…」

サシャ父「折角来たんだから、何が食べていけ」
サシャ「いやいや、急いでるんだ」
サシャは父に旅の目的を説明した

サシャ父「なるほど。ならば北部に抜ける近道がある。そこから北を目指せばいい。未開の土地だが、お前たちなら進めるはずだ」

ミカサ「近道、助かります」
サシャ父「じゃあ説明するぞ」
サシャ父が地図を広げて説明をはじめる
ミカサは真剣に聞いていたが、サシャは食べ物の匂いが気になって、集中出来なかった

サシャ父「わかったかな?友達…ええと…」
ミカサ「ミカサ、です」

サシャ父「ミカサ、サシャをよろしくな。食い気ばかりの娘だが…」
ミカサ「いえ、サシャには沢山助けられています」

サシャ「えっ!!助けましたっけ!?でもミカサに言われたら何だか嬉しいですね~!お父さん、ミカサは104期で断トツの首席だったんですよ!!」

サシャ父「ああ、優秀なのは見ただけてわかる。しかも美人だな」
ミカサ「そんなに言われたら恥ずかしい…」
ミカサは頬を赤らめた

サシャ「あっ、ミカサがまた熱を出した!!」
サシャ父「この顔の赤さは熱じゃないぞ、サシャ。恥ずかしいだけだ」
ミカサ「サシャは…純粋、そして天然」

サシャ「なあんだ、恥ずかしいんですね。と言うことは、やっぱりエレンが好きなんですね!!」
ミカサ「なっなっ何を…」
サシャ「わ、また真っ赤になった!!これは確実に恥じらっています!!ミカサが可愛い!りんごのようですよー」
サシャはミカサの頬を撫でた

ミカサ「恥ずかしいからやめて、サシャ」
サシャ「エレンの事は、私が協力しますから、旅の間にゲットしましょうね!!」
ミカサ「ゲットって……うん。頑張る」
サシャ「よし、じゃあ行きましょう!!お父さんありがとう!行ってきますね!」
ミカサ「ありがとうございました」

サシャとミカサはこっそりエレンゲットの共同戦線をたて、皆が待つ村の入口に戻った

いろんなキャラがでてきて楽しい。

サシャ「皆さんお待たせしました!!」
サシャとミカサが村の入口に戻った時、他のメンバーは草むらでごろごろ寝転びながら寛いでいた

エレン「サシャ、家族と会えたか?」
と聞くエレン
草むらで寝転んで、目を擦っている

サシャ「ミカサ、今ですよ」
サシャが小声で耳打ちする
ミカサ「何が…?」
サシャ「ちょうど寝転んでいます。しかも眠たそう。今ならキス出来ちゃいますよ」
サシャが目を輝かせていた

ミカサ「サシャ、そんなこと出来るわけないじゃない…ばかなの…?」
サシャ「エレンは鈍感ですから、回りくどいやり方では一生気がついてもらえませんよ!!積極的に行くべきです!!」
ミカサ「そうか…そうかも」
サシャ「そうですよ!!さあミカサ、勇気を出して!」
サシャがミカサの肩をぽんと叩いた時…

ジャン「お前らさっきからなにごちゃごちゃ言ってやがる?耳打ちしてるみたいだが、ほぼ聞こえてるぞ…」

コニー「何が積極的なんだ?どこに行くんだ?」

エレン「…zzz」
ハンネス「まあエレンが鈍感だというのはその通りだな」

サシャ「やばい聞かれてた!!」
ミカサ「だから言ったのに…」
サシャ発案の第一作戦は失敗に終わった

《ピクシス班》
ピクシス「アンカがおらん…」
アンカが失踪してから数時間、ピクシス班長はずっとその言葉ばかり発していた

いつも酒を取り上げられたり、頭をはたかれたりといった仕打ちを受けていたが、それらの全てがピクシスにとって必要不可欠なものだった

マルロ「司令の顔色がすごぶる悪い…アンカさんが失踪したのが余程堪えたのだろうな…」
マルロも為す術がなかった

ユミル「酒でも飲ませとけば元気だろ、なあじいさんよ?」
ガシッとピクシスの肩に手を回すユミル

クリスタ「駄目だよユミル。アンカさんは司令にお酒を飲ませない様にしていたもの。でも元気がなさすぎて心配ね…」

マルロ「とりあえず、アンカさんの行方を探しつつ旅を続けるしかないですね」

ユミル「しゃあねぇじいさんだな。アンカってやつ、案外他の男の所に走って行ったのかもな!!ははは」

クリスタ「ユミル!!そんなこと言ったら駄目だよ!!」

ピクシス「他の男の所…アンカぁぁ今迎えに行くぞ…」
マルロ「司令落ち着いて下さい。とりあえず馬車に乗せよう」

一行はピクシスを無理矢理馬車に乗せて、次の温泉地へ…

《エルヴィン班》
エルヴィン「クシャンクシャン…ああ、誰かが噂をしているな…くしゃみが出た」

リコ「エルヴィン班長身体に似合わぬ可愛らしいくしゃみですね」
エルヴィン「可愛いかな?」
リコ「ええ、ギャップ萌えしそうです…テレ」
ナイル「まてまて、リコ騙されるな。ぶへぇっくしょい!!とかだろ、いつものお前ののくしゃみは。何がクシャン…だ。ぶりっこするな、気色悪い」

エルヴィン「いやいや、いつもクシャンじゃないか、ははは。いくら俺でも、くしゃみまでは飾らんよ、ナイル」

ナイル「お前は全てを計算した上で実行する奴だ…エルヴィン」
エルヴィン「俺を買い被るなよ、ナイル」

アンカ「風邪のひきかけかも知れませんね。北部に入ってから急に寒くなりましたし。これを羽織って下さい」
アンカはエルヴィンの背にマントを被せた

エルヴィン「アンカ、ありがとう」
はにかんだようなエルヴィンの笑顔
アンカ「いえ、副官として当然です…テレ」

アルミン「(あのクシャンというくしゃみといい、はにかんだような笑顔といい、自分の出来る全てを効果的に活用しているんだな…自分が今どんな表情をすればよいか、どんな言葉を発すればよいか、全て計算し尽くされているんだ…僕が目指す山は限りなく高いよ…)」

ヒッチ「予想以上に切れる男ね、エルヴィン班長。ますます気に入っちゃった~」
ナイル「お前なんか都合よく使われてポイだ。悪いことは言わんやめておけ」
ヒッチ「エルヴィン班長にならポイされてもいいかなあ~」
ナイル「好きにしろ…憲兵団から調査兵団への移籍を前向きに検討するからな」
ヒッチ「どっちが楽かなあ、どっちだと思います?ナイル副長」
ナイル「知るか!!どっちも真面目にやれば楽じゃないわ!!」

ピクシス班で噂になっているとは知らず、突き進むエルヴィンと仲間たち!?であった

>>377
楽しんでもらえて嬉しい!

相変わらず癒やされるわあ!

ハァハァ(*´Д`)

>>383
嬉しいコメントありがとう!

《リヴァイ班》
モブリット「次の目的地ですが…ここからですと一番近いのは『洞窟温泉』という場所ですが、どうなさいますか?」

リヴァイ「洞窟か…そんな場所にも温泉があるんだな」
モブリット「コウモリが沢山いるらしいですが…」
リヴァイ「止めておくか…羽根やらクソやらで汚そうじゃねえか」

ハンジは先程のモブリットの話を聞いてから元気がなく、塞ぎこんでいた

モブリット「ハンジさん、どうなさいますか?コウモリも見たいですよね?」
モブリットが声をかけると、ちらっと彼の顔を見て頷いた

ハンジ「うん、見たいかな…」

モブリット「では決定ですね。早速進みましょう」

三人は新たな目的地に向かって走り出した

リヴァイ「おい、本当にこんな所に温泉があるのか…?」

山の中腹辺りにぽっかりと開いた穴から中へ入ると、鍾乳洞になっており、奥までずっと続いているようだった

しばらくは立って進めたのだが、途中からは、寝転んでぎりぎり通れるか…位の隙間を進んだり、かと言えば突然ひらけて落ちそうになったり…リスキーな道のりだった

モブリット「これは、かなり曲がりくねっていますし、一応戻り道に印をつけて正解でしたね。迷子になって出られない可能性もありましたよ…」

リヴァイ「ああ、いい仕事だ。モブリット。俺の副官にならねぇか?ハンジにはもったいない」

モブリット「…考えておきます」
ハンジ「…」

その時、奥からガサガサと何かが大量に飛んできた
リヴァイ「危ない、伏せろ!!」
モブリット「!!」
大量のコウモリが、狭い洞窟の中から外に向かって飛んだ

こんな、大量のコウモリにぶつかられてはひとたまりもない

先頭を進んでいたリヴァイは素早く身を伏せたが、何か考え事をしていたらしいハンジはらしくないほど反応が鈍く、間に合わない

ハンジ「!!」
モブリット「危ない!!」
モブリットは咄嗟にハンジの体に飛び付き、上に覆い被さった

リヴァイ「おい、大丈夫か!?」
リヴァイが駆け寄ると、数十匹のコウモリの死骸と共に、重なりあった2つの体があった

モブリット「…っつ、大丈夫です…」
起き上がるモブリット
…背中から後頭部にかけて、コウモリが激突した跡なのか、傷や出血はあるものの、軽症で済んだ

ハンジ「…ごめん、ぼーっとしてた…」
放心状態で虚ろな顔つきのハンジ

モブリットはそんなハンジの両肩を掴んでゆさぶった
モブリット「あんたね!!らしくなさすぎですよ?しっかりして下さい!あんな時に前向いてぼーっとして…顔面がえらいことになるところでしたよ!?」

ハンジ「ごめん、モブリット」
うなだれるハンジ

モブリット「顔がえらいことになったら、嫁に行けなくなりますよ!?」
ハンジ「行かないから、いいよ」
モブリット「…」


リヴァイ「おいハンジ、てめぇ、ごめんの次はありがとうじゃねぇのか?」
リヴァイの言葉にはっとしたようなハンジ

ハンジ「モブリット、ありがとう」
モブリット「構いませんよ。それと…先程は言い過ぎてすみませんでした」
逆に頭を下げたモブリット

ハンジ「ごめんね、モブリット…怪我は無い?」
モブリット「大丈夫ですよ。頭に穴が開いたかもしれませんが」
ハンジ「えっえっ!?」
慌ててモブリットの後頭部を確認するハンジ
ハンジ「よかった!!穴空いてなかった!!」
リヴァイ「当たり前だろ、ばか眼鏡」
ハンジ「よかったよかった…」
モブリットの頭を撫でるハンジ

ハンジ「モブリット、ほんとにごめんね。私が悪かったよ」
モブリット「いいえ、私も悪かったんです。すみませんでした」

リヴァイ「さ、仲直りした所で、先に進むか」
リヴァイはふぅ、とため息ひとつついて、先に進んだ

下へ下へと続く細い通路を抜けると、突然目の前が開けた
巨大な空間はもやがかっており、蒸気なのか蒸し暑い

リヴァイ「洞窟の中にこんな場所が…」
モブリット「天井が高そうですね…モヤが掛かっていて上が把握出来ませんが…」
ハンジ「すっごい!!これ全部、温泉?!」
真下に広がるのは巨大な地底湖のような温泉だった

リヴァイ「やはり人がいやがるな…また番人か」
確かに温泉の真ん中辺りにある巨大な鍾乳石の上に人が立っていた

モブリット「あ、あれは…」
ハンジ「…アニ・レオンハート」
リヴァイ「…」

アニ「よく来たね…待ってたよ」
アニは不敵な笑みを浮かべて三人を見ていた

立体機動で温泉の淵に降り立った三人に、アニが冷たく言い放つ
アニ「ここに入りたいのなら、私を倒す事だね、リヴァイ兵士長」

リヴァイ「ここでは狭くて暴れられんだろう、アニ」
アニ「暴れてやるさ、崩れようが関係ないからね。あんたたちは無事では済まないだろうけど…」

モブリット「ハンジさん、下がって」
モブリットはその背にハンジを庇う
ハンジ「アニは、やる気だ…皆待避!!」
ハンジのその言葉に、全員アンカーを射出して壁際に張り付く…と当時に、雷鳴が響き渡り、アニの体が巨人化した

天井が、その衝撃で一部崩れた
ハンジ「洞窟温泉が、ただの露天風呂になっちゃうじゃないか!?」
モブリット「そこが気になるんですかあんた!!」

リヴァイ「チッ、倒すしかねぇか…お前ら足引っ張るなよ…二人で奴の気を引け…」

ハンジ「嫌だ!!私が、奴を削る!!リヴァイが気を引け!!」
モブリット「でしゃばらないで下さい、ハンジさん!!」

リヴァイ「…つっ!!」
アニの回し蹴りを立体機動で躱すリヴァイ

リヴァイ「ばかやってんじゃねえ!!さっさと奴の気を引け!!クソ眼鏡!!」

ハンジ「仕方ない、行くよ、モブリット!!」
モブリット「了解!!」

かくして、三人対アニ巨人の戦いの幕がきって落とされた

モブリット「…タッ!!」
ハンジ「やぁっ!!」
二人はそれぞれ別方向からアニの膝裏に回転切りを入れる

間髪いれずにアニの腕が、モブリットのワイヤーを掴もうとするが、そこにリヴァイのアニの腕を縫うような回転切りが炸裂する

リヴァイ「セイッ!!」
そのままリヴァイの体はうなじから反対側の腕までを切り裂く

その勢いのまま高く舞い上がるリヴァイ
リヴァイにつられて顔を上にあげるアニ

その隙にハンジはうなじを狙う…
ハンジ「やぁっ!!」
モブリット「…!」
同時に、リヴァイよりは速度は劣るものの、回転切りでアニの腕を切り裂くモブリット

上からリヴァイの、縦に入る回転切りがアニに降りかかる
ハンジはうなじを狙い、跳ね返されたが、間髪いれずに舞い上がり、スナップブレードの刃を両目に突き刺す

リヴァイが上から下へ、続いて腕から腕へと斬撃を繰り出す…まさに神速
その隙に、モブリットが舞い上がり、うなじに斬撃を叩き込む…

刃に肉を切る感触が伝わる…
モブリット「くそ、浅い…硬化解けました!!」
そしてハンジが再度うなじを切り裂く…
ハンジを狙った足は、リヴァイが切り裂いた…!

モブリット「やった!!」
女型の巨人は、うなじをぱっくり開けられた状態で、座り込んだ

ハンジ「アニ、大丈夫?!」
うなじからアニを引きずり出すハンジ
温泉の淵に寝かせた

アニ「…っ、流石だね…まさかこんなに早くやられるとは…」

リヴァイ「ハンジとモブリットの阿吽の呼吸のおかげだ」
モブリット「違いますよ、兵長の鬼回転切りのおかげですよ!!」
ハンジ「神経研ぎ澄ましすぎて、疲れたよ…」

アニ「あんたたち三人、即席班だって聞いてるけど、凄いコンビネーションだったよ。完敗だ」
アニはふふふ、と顔を赤らめながら笑った

リヴァイ「お前もエルヴィンに言われてここへ?」
アニ「ああ、で、一番厄介だなあと思ってた班がここに来たってわけ」

モブリット「貴女も大変だね…」
アニ「まあ、楽しませてもらったよ。約束どおり温泉…屋根は多少崩れているけど、どうぞ」

ハンジ「アニも一緒に入ろうよ!!」
アニ「え、嫌だ…恥ずかしい」
モブリット「そうですね、折角ですから」
リヴァイ「まあ好きにすりゃいいさ」

結局四人で仲良く洞窟温泉を楽しんだのだった

まさかここでアニとは…
リヴァハンモブハンうめえ
更新楽しみにしてます

>>393
即席リヴァイ班を戦わせたくて!

ハンジ「アニってさあ、美人だし、スタイルも抜群だよねぇ!?すげー羨ましい!」
アニ「そ、そんなことないよ…」

ハンジ「いやあ!!胸もでっかくで柔らか~いし!」
と言いながら両手でアニの胸を鷲掴みにするハンジ
アニ「ちょ、ちょっと!」
ハンジ「もみもみ!!」
モブリット「ハンジさん何やってんですか!?駄目ですよ!!セクハラです!!」
目のやり場に困りながらも、必死に静止するモブリット

ハンジ「でもさあ、モブリットだって美人だと思うだろ?」
にやにやしながら問うハンジ
モブリット「はあ、確かに美女だと思いますが…」
モブリットは、ちらっとアニを横目で見て言った
アニ「やめてよ、恥ずかしい…」
顔を赤らめるアニ

ハンジ「あんなに強いのに、ウエストもしっかり括れててさあ!!」
アニ「も、もういいから…」
モブリット「照れていますね、ハンジさんと違って初々しくていいです」
ハンジ「私だってピチピチだろ!?」
モブリット「…えーと…」

アニ「あんたら仲良しだよね。戦ってる時も、お互い背中を守ってるって感じで羨ましかったよ」
モブリット「そ、そうですかね?」
ハンジ「仲良しだよ!!ねー!?」


リヴァイ「ふぅ…いい湯だな」
リヴァイは一人離れてゆっくり湯に浸かっているのだった

リヴァイかっこいい。アニが、エレン達の所に行ってたら、また違う騒動になってたのかな。

>>396
アニとエレン班も楽しそうですね♪

リヴァイ「アニ、お前も一緒に来るか?」
リヴァイが唐突にアニに話し掛けた

アニ「いや、私はここまででいいよ。何か、聞けばあんた達複雑な関係らしいじゃない?そんな中に入るのも面倒だしね…」

リヴァイ「それもエルヴィン情報か?」
アニ「まあね…」
ハンジ「エルヴィンめ…こっちに戦力をプラスさせない作戦だな…アニがいればもはや負けなしだというのに!!」
ハンジは臍をかんだ

モブリット「残念ですが、仕方ありませんね…それよりも、アニを一人でこんなところに置いておきたくはないのですが…」

リヴァイ「ああ、そうだな」

アニ「あんたらってさ、もしかして似た者同士なんじゃ…」

モブリット「えっ!?」
リヴァイ「!?」

ハンジ「そうかもね、二人とも優しいし、きれい好きだし…根本が似てるかもね」

モブリット「兵長と似てると言われるのは嬉しいです、素直に」
リヴァイ「そうか…テレ」

アニ「まあ、次も頑張りなよ」

ハンジ「よし、二点めゲット!!」

洞窟温泉を制覇し、今のところ暫定一位のリヴァイ班
三角関係はどうなるかわからないが、三人のコンビネーションの良さには目を見張るものがあった

《エレン班》
ダウパー村を後にし、サシャのお父さんが教えてくれた近道で、一気に北部入りした一行

早速近場の温泉を目指す
ジャン「ここからだと、《荒野に映える青い温泉》が一番近いな。さほどやばい地形でもないから、馬でかっ飛ばせば直ぐだ」

エレン「よし、そこで決まりだな」
ミカサ「エレンとお風呂、嬉しい…」
ミカサがエレンに馬を寄せた
エレン「ミカサ、離れろよ!!馬走らせにくいだろ!?」
ミカサ「エレン、ランデブー走行しよ…?」

サシャ「イケイケミカサ!」
コニー「何処に行くんだよ!?」
ハンネス「男と女のラブゲーム♪」
ジャン「おっさん歌が古すぎるぜ…」

とにかく、馬で温泉に楽々たどり着いた一行に待ち受けていたのは…


ジャン「ありゃあなんだ」
サシャ「二つの重なりあった影ですね」
コニー「重なりあってねえ影も見えるな」
まさに青い、大自然の温泉の前には人が数人いた

近づいてみるとそこには…

ハンナ「いやあん、こんなところでだめよぉ」
フランツ「ハンナ~!」
二つの重なりあった影は、訓練兵一のラブラブカップルであった

マルコ「…公衆の面前だから、やめたほうがいいよ、って聞いてないね…」
トーマス「マルコ、見ない振りしてたほうがいいぞ…っとおお!!きたか!!エレン達」

エレン「なんだお前達、こんな所でなにしてんだよ?」
マルコ「エルヴィン団長に指示されてね、一応ここを守る番人させてもらってるんだ」

ジャン「番人?」
マルコ「ああ、一応戦って勝たなきゃ温泉には入れないんだけどね」
トーマス「お前らに勝てるとは思えないし、自由にはいれよ!」

ジャン「それは有難いが、あいつら何とかならんかな…」
ハンナ「いやあん」
フランツ「ちょめちょめ」
マルコ「何とかなるわけないだろ…?」
ジャン「だよな…」

ミカサ「エレン…ちょめちょめ…」
エレン「ちょっ…ミカサ何やってんだよ!?」
ミカサ「エレンじっとして…私がリードする…から…」
エレン「や、や、やめろよ!」

サシャ「ミカサ、ちょめちょめいけぇ!!」
コニー「ちょめちょめってなんだ!?」
ハンネス「男と女ー操りつられー♪」
ジャン「また歌が古くなったぞ!!おっさん!!つーか、エレンたちもやめろよばかやろう!!」
ジャンの悲鳴があたりに鳴り響いた

ジャン「マルコ、トーマス助けてくれよ…俺の班馬鹿ばっかなんだよ!!」

マルコ「優秀なミカサがいるじゃないか?」
ジャン「あれ見てもそう言うのかよ!?」
ジャンが指をさす方向には、エレンを組み敷いたミカサの姿があった

トーマス「愛だな」
コニー「あれが愛なのか!!男が下敷きになるんだなっ!!めもめも…」
サシャ「ミカサ、立派に大人になれそうですね♪」

ハンネス「あーれーもー愛♪それも愛♪全部愛♪きっと愛♪」
ジャン「おっさんの歌が古すぎてついていけねえ…」

マルコ「ま、まあ、ミカサもたまには羽目を外したいだろうし…」
ジャン「マルコ、お前はああいう羽目の外し方をするのか…?」
マルコ「い、いや…しない、かな…」
ジャン「だろ…?」
トーマス「まあ、ジャンがまとめるしかないよ、がんばれ!!」

ジャン「エレンが班長だぜ…おい」
エレン「ひやぁぁぁ!!やめろぉミカサ!」
ミカサ「エレン…ちょめちょめ」

マルコ「とりあえず、温泉入って皆で落ち着こう」
マルコが笑顔でそう言った

進撃のバカップル登場だな。ミーナは、別の所にいるのかな。

>>402
ミーナ忘れてt…すみませぬ、何処かで出します!!

コニー「あったけぇなあ~」
サシャ「温泉まんじゅうあったら最高だったんですけど…まあパンで我慢ですね、モグモグ」

ミカサ「エレン、ちゃんと肩までつかる…」
エレン「俺は子供じゃねえよ!!」

フランツ「ああ、幸せだなあ」
ハンナ「心も体も温かいわ~」

マルコ「何だかんだで、カップルができそうな雰囲気だね」

ジャン「ミカサ、エレンなんかの何処がいいんだ…」
トーマス「ずっと一緒にいるらしいし、絆なんじゃないかな?」

ハンネス「俺からすれば、ミカサは確かにエレンに執着しているが、あれは恋なのかはわからんなあ…」
マルコ「純粋過ぎるのかな」
トーマス「愛はありそうだよね、家族としてなのか、恋人としてなのかはわからないけど…羨ましいよ」

ハンネス「お前らにもそのうちいい女が表れるさ!!」
マルコ「どんな人かな…」
トーマス「俺はかわいい子がいいな!!料理好きで」
ジャン「想像つかねぇ…俺一生独りな気がする…」
マルコ「ジャンは大丈夫だよ。意地悪に見えて実は凄く優しいから、きっともてるよ!!」
ジャン「お前に言われたらなんか納得するなあ、マルコ」

ハンネス「まあ何事も経験だ。沢山恋愛しろよ!?なんかあったら相談にのるからな!?」

青い温泉を制覇し、体が温まった一行であった

《ピクシス班》
マルロ「さあ司令、温泉につきましたよ」
アンカがいなくなって拗ねているピクシスの手をひいて、馬車を下りるマルロ

ユミル「おっさんもう諦めな!!アンカは他でよろしくやってるさ、なあ!?ははは」

クリスタ「ユミルっ!?こら!!」
マルロ「ユミル貴様なんて事を!!」

ピクシス「アンカぁぁぁ!!他でよろしくやっているのかぁぁ!?」
またご乱心したピクシスであった

《エルヴィン班》
エルヴィン「クシャンクシャン…また誰かが噂をしているな」
リコ「班長かわいい!!」

アンカ「班長、やはり風邪ではないでしょうか…心配です…」
エルヴィンの手をとるアンカ
エルヴィン「大丈夫だよ、心配かけてすまない、アンカ」
ここで繰り出すエルヴィンスマイル

アンカ「良かった…です」ぽおっ

アンカはよろしくやっているようだ

《ピクシス班》
マルロ「とりあえず、温泉にいきましょう。今回入るのは『泥の湯』です。泥のミネラル分が体に隅々にまで広がり、また体を芯まで温めるため、入浴後数時間は体が温かい状態を維持します。肌にもよく、女性は顔に泥を塗り、パックしてみてはいかがでしょうか?また、髪の毛にもよいそうですよ、司令」

ピクシス「アンカ…」
ユミル「お前の説明長すぎ。司令も聞いちゃいねえし」
クリスタ「マルロは真面目なんだよ!?」

マルロ「あれ、温泉の前に誰かいますね…誰でしょうか」
ユミル「あのでけえのには見覚えがあるさ」

クリスタ「…ベルトルト!!」

温泉の前にはベルトルトが立っていた
ベルトルト「やあ、やっと来たね。この温泉に入りたけれブッ!!」
ベルトルトの話を遮り、布で猿ぐつわをかませるユミル

ユミル「マルロ!!紐でしばれ!!」
マルロ「り、了解!!」
クリスタ「何やってるの?!ベルトルトがかわいそう!!涙目になってるよ!?」
マルロは手際よくベルトルトの手を後ろ手に縛った

ユミル「どうせこいつも番人なんだ。でかくなられたら戦うのも厄介だし、このままでいてもらおう」

マルロ「でかくって…普通にでかいのに、これ以上でかくなるのか…?」
ユミル「ああ、さあおっさん、風呂入るぞ?マルロ支度してやれ」

マルロ「了解」
マルロは司令を着替えに連れていった

クリスタ「ベルトルトごめんね、少し我慢してね…?」
優しくベルトルトの頭を撫でるクリスタを、ユミルがひっぺがす
ユミル「クリスタ、頭撫でてくれよ」
クリスタ「もう、しょうがないなあ、よしよし」

ベルトルト「ムググ…」ジタバタ
目に涙をためるベルトルトであった

泥の温泉を思い思いに楽しむ一行

ユミル「酒がうまい!!さあおっさんもやれやれ!!」
ピクシス「ぷはぁ!!うまいのお!!生き返るのお!!」
マルロ「ピクシス司令が戻ってきた…」
クリスタ「お酒がお薬替わりなんだね」

ベルトルト「ムググムググ…」ジタバタ
クリスタ「ベルトルトかわいそうだから、縄ほどいてあげようよ。もう大きくならないよね?ベルトルト」
ベルトルトはコクコクと頷いた

ユミル「しゃーねーな、どうするピクシスのおっさん」
ピクシス「まあ外してやればいいじゃろう。暴れたら暴れた時じゃ」
マルロ「では外しますね…」

マルロは泥湯から出て、ベルトルトの拘束を解いた

ベルトルト「げほげほ…ああ、酷い目にあった…」
ユミル「残念だがアニはここにはいないぞ、ベルトルト。にやにや」
ベルトルト「なっなんで急にアニの話になるんだよ!?」
真っ赤になって狼狽するベルトルト

クリスタ「アニなら、そういえば温泉旅行メンバーにもいなかったよ?」
ベルトルト「そうか…」

ピクシス「アニとやらを探しておるのか。ならば多分じゃが、何処かの温泉で番人をしておるんじゃなかろうか」

ユミル「その可能性が高いだろうな。さすがはおっさん」
ユミルはピクシスの頭に泥を塗ってやった

ベルトルト「なら、僕はアニを探しに行くよ」
マルロ「独りでか!?危険だろって…」

ベルトルトは突如高音の煙に包まれた
ユミル「皆伏せろ!!」
全員泥湯に体を沈めた

しばらくたって体を起こすと…
目の前に巨大すぎる足だけがみえた
見上げると、人の体の様な巨体が佇んでいた

ベルトルト「…」
巨大な手をふりふり、立ち去って行った…

マルロ「あり得ないほどでかかったな」
ユミル「だろ?」
ピクシス班も、温泉二点目をゲットで、リヴァイ班に並んだのだった

なんかいろいろ起きそうな感じ。ベルドルト瞬殺だったな。

>>411
ベルトルさん…(TT)

《エルヴィン班》
アンカ「伝令です。リヴァイ班二点、アニ巨人をスピード討伐だそうです。ピクシス…班も二点、超大型巨人が北西方向に移動中。エレン班は一点、仲間の故郷を回るなどのんびりだそうです」
エルヴィン「リヴァイ班、アニをぶつけても時間稼ぎにならんか…」
思案に暮れるエルヴィン

リコ「アンカ、司令の様子は書いてないの?」
アンカ「書いてるわ…泥温泉で酒を飲んだくれているってね…」
リコ「アンカがいなきゃ、そうなるだろうね…」
アンカ「おしめの世話なんかしないからね…」

ナイル「一気に二点取れそうな場所はないのか?」
ヒッチ「楽して稼ぐ、これが憲兵団!」
ナイル「…ヒッチ、お前は調査兵団で巨人に揉まれてこい」
ヒッチ「揉まれるって何処をですかぁ!?師団長、いや副長のエッチ!!」
ナイル「クッ、貴様はああ言えばこう言う!!」

ヒッチ「巨人じゃなくて、エルヴィン班長の側近になって揉まれたいなあ」
ナイル「ヒッチ貴様!?」

エルヴィン「ん?呼んだかね」
ナイル「呼んでねぇ!!来るなエルヴィン、シッシッ」
ヒッチ「エルヴィン班長揉ん…ムググ…」
ナイルに口を塞がれるヒッチ

アルミン「(揉む揉まないの高度な情報作戦!!エルヴィン班長は揉めと言われれば揉むんだろうか?ラッキーじゃないか、羨ましい…僕だって男だ!!一度でいいから揉んでみたいよ!?)」

リコ「…アルミン?何をじーっと見てるの?」
アルミン「い、いやあ柔らかそ…な、何でもないです!!」
リコ「…?」
何にでも興味を示すアルミンであった

アンカ「一度に二点と言うような上手い話はありませんが、ここから程近くに『石灰棚の温泉…白と青のコントラスト』と言う場所がありますね』

アルミン「石灰棚ですか!!是非行ってみたいですね!!」
目を輝かせるアルミン

ナイル「点数は地道に稼ぐのが一番かな、やはり。石橋は叩いて渡るが俺のセオリーだからな」
リコ「副長の意見に賛成です。冒険はしたくないですね」

ヒッチ「私は何も気にせず渡っちゃうかな~」
エルヴィン「俺は自分が渡った後に石橋を叩き壊すタイプかな。後方の憂いを断ちたいのでな」

アンカ「その後方には班長の味方がいるはずなのですが…」

エルヴィン「味方がいる場合はしないよ」
ナイル「いやいやいや!!訓練兵時代は酷いものだったさ。自分一人点数を稼ぐために、あらゆる手段を駆使してなあ…」
エルヴィン「同期は皆ライバルだった…」
遠くを見つめるエルヴィン

ナイル「お前は調査兵団志望だったから、成績いらんだろうが!!」
エルヴィン「負けるのは嫌いだ」

ヒッチ「要するに、ナイル副長とエルヴィン班長は仲良しだったんですね、昔から」
エルヴィン「まあそうかもな」
ナイル「いけすかねぇ野郎だったさ」

リコ「喧嘩する程仲がいいっていいますしね」
アンカ「ほんとに。でも、同期で両兵団の団長ってよく考えたら凄いですね」
アルミン「優秀な方達の集まりだったんでしょうね!!」

ナイル「エルヴィンはトップだったさ、変態のな」
エルヴィン「変態などと言われたことも自覚したこともないぞ、ナイル」

ナイル「こいつはずっと女より巨人が好きな奴だったからな。立派な変態だ」
アルミン「僕も変わってるとよく言われてましたよ!!エルヴィン班長と似てるなら嬉しいです!!」

ナイル「アルミン、お前はまだ間に合うから、変態にはなるな。ろくな死に方しないぞ、多分」
リコ「アルミンはエルヴィン班長に憧れてるんだね」
アルミン「はい!!エルヴィン班長みたいになりたいです!!」

エルヴィン「ナイル、先程から変態変態って、聞き捨てならんな」
ナイル「なんだエルヴィン、久々にやるのか…?」

エルヴィン「腕の鈍ったお前と戦っても面白くないな」
ナイル「鈍ってるか試すか…?」
エルヴィン「まあ、後ほどその腕を披露しなければならなくなるから、その時にな」
エルヴィンは静かに言った

アンカ「あちらに見えますのが、石灰棚の温泉ですね」

一面真っ白な丘の斜面に青い大きな湖…湖からは湯気が出ていた
周囲には大木がちらほら見えていた

アルミン「誰か居ますね…あれは」
エルヴィン「ライナーだ」
リコ「ライナーって、もしかして鎧の巨人ですか!?」
エルヴィン「ああ、そうだ」
エルヴィンの鋭い視線が、ライナーを射抜いた

ライナー「エルヴィン団長、お待ちしていました。お手並み拝見させてもらいます!!」
ドォォォン!!
ライナーは鎧の巨人と化した

エルヴィン「全員、周りの木を利用して立体機動に移れ!!」

エルヴィンの合図で全員がアンカ-を射出し、木に張り付いた

エルヴィン「アルミン、君なら鎧の巨人をどう攻略する?」
アルミンの側に降り立ったエルヴィンが問う

アルミン「鎧の巨人は常に体が堅いですが、膝裏や脇、目、喉元は弱いと思われます」
アンカ「鎧本来の弱点をつくということね」
エルヴィン「なるほどな…人数もいるし、その作戦で行こう」

そんな会話の最中、ヒッチとナイルが張り付いている木にライナーが腕を飛ばした

リコ「危ない!!やあっ!!」
リコがアンカ-を飛ばし、ライナーの腕にスナップブレードの斬撃を加える

斬撃は弾かれたものの、腕を飛ばす速度は落ち、その隙にナイルとヒッチは別の木に移る

ナイル「リコ、すまん!!」
ヒッチ「こわあい!!聞いてないよ!?あんなのと戦うなんて!!」

エルヴィン「ナイル、ヒッチは鎧の目を狙え!!アルミン、アンカは膝裏を、リコは鎧の気を引け!!俺は脇を狙う!!」

一同「了解!!」
エルヴィン「一斉に行くぞ!!Go!」

エルヴィン班は一斉に鎧の巨人に攻撃を仕掛けた

ヒッチ「聞いてないんだよっと!」
ナイル「ハッ!!」
ナイルとヒッチが同時に鎧の目に斬撃を加える

リコは自分が囮になるように、鎧の顔の回りを上下左右に飛び回る

そのリコを掴むべく腕を伸ばしたその隙に、エルヴィンの回転切りが鎧のがら空きの脇の下を行って、帰ってくる

ほぼ同時に、アルミンとアンカが膝裏を切り裂く

脇の下から出てきたエルヴィンを、鎧の手が狙う…

ナイル「エルヴィン危ない!!」
鎧の動きを読んだナイルが、鎧の手にアンカーを飛ばし、そのまま斬撃を降らす

エルヴィン「フッ!!」
ナイルが作ってくれた隙を利用し、反対側の脇を狙い、スナップブレードの斬撃を叩き込む

ヒッチ「目はつぶれたよ!!」
エルヴィン「了解だ。ヒッチ。よしナイル、久々にやるか」
ナイル「やるしかないか」
二人は顔を見合わせた

一度大木に移った二人は、高い木を利用して体を上空高く飛ばす
ナイル「ウラァ!!」
エルヴィン「ハァッ!!」
二人は時間差で鎧のうなじめがけて斬り込む

二人より先に、リコがうなじを狙うがはじかられた
その隙に、アンカとアルミンが首もとを狙い、切り裂く

ヒッチ「いやだぁぁこわぁぁぁい!!」
ザンッ!!だめ押しとばかりに、回復しかかった両目を回転切りにて一気にえぐる

鎧の巨人は思わず目を守る

アルミン「体に刃、通ります!!」
鎧の巨人の硬化能力も、立て続けの弱点攻撃で弱っていた

ナイル「落ちろ!」
ナイルは体を錐揉みさせながらうなじめがけて降下する
エルヴィン「ハァッ!!」
ナイルの斬撃は鎧の堅いうなじをこじ開け、間髪入れずにエルヴィンの斬撃が鎧のうなじを切り裂いた

鎧の巨人は、地に伏した

ヒッチ「やったぁ!!倒した!!すごぉい!!」
アルミン「やりましたね!!」
リコ「ヒッチ、なかなかやるね!?」
アンカ「皆かっこよかったわよ!!」
皆肩で息をしながらも健闘を称えあった

エルヴィン「ライナー、無事か?」
エルヴィンがうなじからライナーを助け出す

ライナー「エルヴィン団長、流石です…何せ痛いところばかり狙ってくるもんだから…」
エルヴィン「それはアルミンが考えた案だよ」
ライナー「アルミンも流石だな…」

噂になっているとも知らず、ヒッチらと談笑しているアルミンであった

ナイル「よし、これで温泉に入れるな」
ライナー「勿論です。どうぞ!!」
とライナーが言ったその時…

ズドンズドンズドンズドンズドン…
地響きがどんどん近づいてきた

ナイル「地震か!?」
エルヴィン「いや、違う…あれを見ろ」
全員がエルヴィンの指差す方向をみるとそこには…

ヒッチ「な、なにあれ!?」
アンカ「…」
エルヴィン「超大型巨人だな…そう言えばこちらの方向に向かってきていると報告があったか…」

全員が収めたスナップブレードを構え直す

ライナー「まて、多分敵意はないと思う」

超大型巨人は、ライナーの前まで行くと、しゅわしゅわと縮んで、人の姿に戻った

ベルトルト「皆さん!!アニを知りませんかっ!?」
ベルトルトは肩ではあはあと息をしながら言った

エルヴィン「…アニならば、リヴァイ班に倒されたよ。ベルトルト」
ベルトルト「…えっ!?リヴァイ班…」
エルヴィン「ちなみに今のリヴァイ班は、ハンジとモブリットだ」
ベルトルト「…わかりました、仇は、うつ!!」

そう言うと、また巨人化した
エルヴィン「ちなみにリヴァイ班は多分北の方向の温泉にいるはずだ」

エルヴィンの言葉に巨人は敬礼を返して走り去っていった

ナイル「エルヴィンお前、とことんリヴァイ班の足を引っ張るんだな…」
エルヴィン「あの班だけは油断ならんからな…背に腹は代えられん」
遠い目をするエルヴィンであった

ヒッチ「わ~い!!ご褒美!!」
ヒッチの攻撃が鎧の気を削いだおかげで、うなじを削げたと言う事で、温泉に入りながらエルヴィンの膝に乗せてもらっているヒッチ

リコ「まあでもほんとに、あんなにやる奴だとは思わなかったわ」
アンカ「そうね…憲兵団もなかなかやるわね…」
アルミン「皆さん凄すぎですよ!!僕は戦いはからっきしで…」
リコ「アルミン、そんな事ないよ!!アルミンかっこよかったよ!!」
アルミン「リコさん…ありがとう!!」
アンカ「さすが調査兵団よね!?」

エルヴィン「いやあ、いい湯だな」
ヒッチ「エルヴィン班長~」
エルヴィンの膝に乗りながら抱きつくヒッチ

ナイル「ヒッチ!くっつきすぎだ!!離れろ馬鹿!!」
エルヴィン「俺は構わないが」
ヒッチ「わ~い!!」
ますます密着するヒッチ
ナイル「鼻の下伸ばしやがって…」
ナイルは盛大に舌打ちした

ヒッチ「ナイル副長はお家に奥さんとかわいい子ども…むぐぐ」
ナイル「言うなヒッチ!」
何故か焦って口を塞ぐナイルをチラッと見たエルヴィン
エルヴィン「本当に、いい湯だ」

エルヴィン班も無事二点目をゲットしたのであった

コメントありがとうございます!!

《リヴァイ班》
アニを倒し、二点めをゲットしたリヴァイ班

モブリット「次に近いのは、《雪の中にある絶景天然温泉》ですね。かなり北部にある上に、標高の高い位置にあるため、かなり寒いと思われます」

リヴァイ「しかも雪の中ってのがわかんねぇ、一体どんな状況なんだろうな」

ハンジ「さむーい所であったかーい温泉、最高じゃないか!?早速行こう!」
ハンジの一存で、一路北東へ…


立体機動を使うまでもない登山をし、山頂付近にまで到達したリヴァイ班
リヴァイ「うう、凄く寒い…こんな軽装で来る場所ではなかったかもしれんな…」

ハンジ「クシャンクシャン…エーックシッ…ぶるぶる…さむーい」
ハンジが青い顔をして、くしゃみを連発している

モブリット「ハンジさん、風邪をひいてしまいますよ!!」
モブリットは自分のマントをハンジに被せた

ハンジ「…あ、ありがたいけど、モブリットだって寒いだろ…?クシャン」
モブリット「私は大丈夫です。さっさと登って温泉に入りましょう…」
モブリットは体を震わせながら無理に微笑んだ

リヴァイ「モブリットは本当にで出来た奴だな…」
リヴァイは舌を巻いた

寒さに震えながら、やっと山頂付近にまで到達したリヴァイ班一行

モブリット「やっと、着きましたね…湯気がみえますよ…」
モブリットが指差す方向には、雪の中にポツンと湧く乳白色の湯だった

ハンジ「さび~!!早く入らなきゃ…」
リヴァイ「モブリットがヤバそうだ。早く暖めてやらなきゃだめだ」
モブリット「だ、大丈夫ですよ…」
モブリットの顔色は真っ青だ

モブリット「温泉に飛び込みたい所ですが…」
リヴァイ「やっぱり誰かいやがるな…」
ハンジ「また番人かな…」

一行の視線の先には人影が見えた

モブリット「あなたは…」
ハンジ「キース・シャーディス団長」
リヴァイ「…と、誰だ…?」

キース「もう団長ではない。今は胸間だ。ちなみにこいつらは、104期の…」

ミーナ「ミーナ・カロライナです!!本物のリヴァイ兵士長だ~!かっこいい!!」

ナック「ナック・ディアスです!!珍獣ハンターハンジ分隊長だ…」

ミリウス「ミリウス・ゼルムスキーです!!調査兵団かっこいいな!!」

リヴァイ「キース教官、やはり番人なのか…?こいつらひよっこと俺たちと戦うと…?」
ハンジ「さすがにそれはないと思うけど…」

キース「いいや、是非立体機動での戦いををこいつらに叩き込んで欲しい」
モブリット「一対一でということですか?キース教官」

キース「一対一ではどう考えても我らが不利だ。1対3で頼む。そっちが一人だ」

リヴァイ「なら俺が行く。一瞬でかたをつけてやる」

ミーナ「リヴァイ兵士長と戦うなんて、無理!!」
ナック「俺も降ります!!」
ミリウス「俺も…」

キース「お前らぁぁ!!」
モブリット「…私がやりましょう。私相手なら、彼らも納得するでしょう」

モブリットが真剣な眼差しで静かにそう言った

ハンジ「モブリット…」
ハンジがモブリットに借りていたマントを被せた
モブリットの冷たくなった手を握るハンジの表情は、心配そのものだった

モブリット「大丈夫ですよ。お任せ下さい」
リヴァイ「モブリット、普段のお前なら大丈夫かも知れねぇが、お前体が冷えすぎてるだろうが、無理するな」

モブリット「大丈夫ですよ。むしろ集中力が上がった気がします。さあ、三人共、いつでもかかってきなさい」

モブリットは、トリガーを握って三人を見据えた
キース「お前ら、行ってこい!!」

ミーナ「やるしかない!!モブリットさん覚悟ー」
ミリウス「同時に飛ぶぞ!!」
ナック「了解!!」

三人は同時に木を利用した立体機動で左、右、上からモブリットを狙う
モブリットは動かない

ミーナ「たぁぁ!!」
ミリウス「ハァッ!!」
ナック「トォッ!!」

三人がモブリットの体に体当たりをかます瞬間、モブリットがトリガーを押し、アンカーを背後の木に射出する

その勢いのまま上空に体を舞い上がらせ、先程まで自分が立っていた位置に降り…逃げ遅れたミーナの体を地面に押さえつける

モブリット「…すまないね」
ミーナ「参りましたぁ…」

ミリウス「今だ!」
ミリウスが上空からモブリット目掛けて落ちてくる
…が、その動きはすでにモブリットが把握しており、サイドステップでなんなく躱す
そのままモブリットの足技でミリウスも、モブリットに倒された

ミリウス「やっぱり調査兵団凄い…」

残すはナック
ナックは立体機動で逃げ回る
モブリットはナックが木に放ったアンカーに接続されているワイヤーを、自分のトリガーで殴りつける…

ワイヤーが弛んで、ナックが地に落ちる瞬間…
モブリット「おっと…」
ナックの体はモブリットの腕にしっかり収まった

キース「勝負あったな…」
立体機動の勝負は、ほぼ立体機動を使わない、使うまでもなかったモブリットの圧勝であった

ミーナ「モブリットさんつよーい!!」
ミリウス「調査兵団…!」
ナック「全く無駄の無い動きだったな」

キース「お前たち、見たか?あのような冷静な判断こそが、生存率を高めるんだ。モブリットの動きを覚えておいて、よく学ぶんだぞ」

モブリット「そうですね、私くらいのやれることは、真似が出来ます。リヴァイ兵士長やハンジ分隊長の真似はしようとしても無理ですが。みんな頑張ってな」
寒さで氷っていたモブリットも、体を動かす事で復活した

ハンジ「モブリット…良かったよぉ無事で…」
ハンジがモブリットの体を優しく抱き締めた
モブリット「…大丈夫だと言ったでしょうが…」
咎めるようなその口調とは裏腹に、モブリットの顔は真っ赤だった

リヴァイ「モブリットの動きは、おまえらの手本になる。マスターしろよ!?」

ミーナ、ミリウス、ナック「はい!!」
キース「モブリットありがとう。では温泉を好きに使ってくれ」
三人は早速冷えきった体を暖めることにした

リヴァイ班三人が温泉を楽しもうと、水着に着替えにいこうとした時…

ズドンズドンズドンズドンズドン…
地響きが辺りを揺らした

リヴァイ「何だ…?」
モブリット「地震でしょうか…」
ハンジ「…あれは…!」

ミーナ「大きいのが、来るー!」
ミーナは思わずモブリットの背中に身を隠す

キース「超大型巨人か…」
超大型巨人は一行の前に止まり、しゃがんで大きな文字を雪面に書く

超大型巨人「ア ニ のかた きうちに きた」

ハンジ「要するに、私たちと戦いに来たんだね…」
リヴァイ「さみいのに…」

モブリット「…超大型巨人…いや、ベルトルト、アニは倒したが無事だよ。それでも戦うかい?」

超大型巨人「は い 」

リヴァイ「仕方ねえな。ひよっこどもに立体機動の戦いかたを見せておくか」
ハンジ「そうだね!!」
モブリット「やるしかないですね…」

三人はまた、巨人との戦いに挑む事になった

リヴァイ「全員で削ぐぞ!?」
モブリット「了解!!」
ハンジ「よーしやるぞー!」

全員で超大型巨人に向かってアンカーを射出する

モブリット「ハッ!!」
モブリットは超大型の足首を狙う…超大型はそれに気がつき、足をバタバタと動かす

避けるためにアンカーを超大型の腰辺りに射出し、体を飛ばす…そのまま腕に斬撃を加える

モブリットと同時にハンジも動いている
超大型の体をまるで崖登りのごとく立体機動で駆け上がり、目を狙う
「やぁっ!!」
ハンジの回転切りは両目を一気に抉った

「セイッ!!」
リヴァイはいつの間にか超大型の頭上高く体を飛ばし、そのまま降下し、神速回転斬りで、大きな的を縦横無尽に削ぎまくる

リヴァイが足まで降りてきたと同時に、モブリットは腕から肩にかけて回転斬りを加えていく

「削ぎまくるぞ~!」
ハンジは逆の腕を肩から回転斬りで削る

リヴァイは足元から上に向かって回転斬りで駆け上がる

腕や足を削られ、動けない超大型巨人

ハンジ「モブリット!!」
モブリット「了解!」

リヴァイが再度頭上まで上がった時、ハンジの斬撃と、モブリットの斬撃が一瞬の間をおいて超大型のうなじを削ぐ!

モブリット「兵士長!!」

ハンジとモブリットが離れた瞬間、リヴァイの斬撃が、だめ押しとばかりに超大型のうなじをきれいに削いだ

ミーナ「すっごい…」
ナック「圧巻だ…」
ミリウス「調査兵団かっこいい…」
キース「見事だ…」

ハンジ「おい、ベルトルト!!無事かい!?」
ハンジはうなじからベルトルトを助け出す

ベルトルト「すみません、大丈夫です…あなたがたに勝てるとは思わなかったんですが、アニが…」

リヴァイ「アニならここから南にある洞窟温泉にいるから、話を聞いてこい。早とちりめ」

モブリット「アニは元気だよ。ただ一人でいるはずなので、行ってあげなさい、ベルトルト」

ハンジ「うんうん、そうしてあげて!!」

ベルトルト「ありがとうございます!!行ってきます!!」
ベルトルトはそのまま山を降りていった

楽しい~
オールキャストで和み系のノンビリ旅に巨人との戦闘まで!
豪華絢爛なスレですね

>>439
コメントありがとう!
楽しんで頂けたら嬉しいです!

冷えきった体を乳白色の湯に浸けるリヴァイ班一行
モブリット「はあ~生き返りますねぇ…」
全身を冷たくした状態で、2度も連闘したモブリットは、湯につかりながら目を閉じた

リヴァイ「今回はモブリットがMVPだな。見直しただろ?ハンジ」
ハンジ「うんうん、モブリット本当によく頑張ってくれたよ!!」
ハンジはにこにこ笑顔だ

モブリット「そんな、誉められる様な戦いしてないですよ?普通です、普通。皆さんみたいに人間やめていないので、これが限界です」

リヴァイ「…俺は人間だが」
ハンジ「…私も人間だよ?」
二人はモブリットを険しい目で見据える

モブリット「お二人は人間の領域を越えてますから…って目が怖いですよ!?誉めてるんですってば!!」
二人の殺気に慌てふためくモブリット

リヴァイ「お仕置きが必要だな…」
ハンジ「…ああ、死ぬよりつらいお仕置きがね…」
モブリットににじり寄る二人

モブリット「死ぬよりつらいって何ですか!?うわあぁぁ!!」
リヴァイとハンジは同時にモブリットに襲いかかり…
リヴァイ「ここが弱いのか…?コチョコチョコチョ」
ハンジ「私は耳に息を吹き掛ける!!フーフー」
モブリット「うひゃあぁぁ!!やめてくださ~い!!ひゃひゃひゃ…」

ハンジに羽交い締めされたモブリットは、調査兵団幹部にきついお仕置きを貰ったのだった

リヴァイ班は三点目をゲットした

《エレン班》
ジャン「次なんだが、一番近いのは《洞窟温泉》って所だな。どうする?」

サシャ「美味しい物がある所がいいです!!」
コニー「俺は何処でもいいぜ!!任す!!」
エレン「一番近いなら、そこに行ってみるか?洞窟温泉って気になるしな」

ミカサ「そうと決まれば早く行こう。多分リヴァイ班に負けてる…気がする」
ミカサは変なライバル心を、リヴァイに対して燃やしていた

ハンネス「あの班は、リヴァイにハンジにモブリットだろう?調査兵団の精鋭の中の精鋭だ。勝てるチームは無いと思うぞ、諦めろミカサ」

ミカサ「諦めるなんて出来ない…私はあのチ…兵長をぎゃふんと言わせたい。ので、諦めない」

ハンネス「だがなあ、みろあいつらを…」
ハンネスが指差す方向には

サシャ「コウモリの丸焼きって美味しいと思いますかぁ!?」
コニー「鶏肉っぽいんじゃねえ?」
エレン「そういえば腹へったよな。なんか食わないと、腹が減っては戦は出来ないって言うしな」

ジャン「ばっかやろう!!禁猟区だぞ!?憲兵団に捕まるから止めろ、お前ら!」
ミカサ「私の足を引っ張らないで…」

ハンネス「戦う気なんか最初から無いからな。まあのんびり楽しんだ方が得だぞ?ミカサ」
ハンネスは不機嫌なミカサの頭をぐしゃっと撫でた

洞窟にたどり着き、奥まで進んだ一行の目に飛び込んできたのは、鍾乳石でかこまれた巨大なドームみたいな場所であった

ドームの下には、湖のような巨大な温泉があった
ドーム状の天井には、ぽっかり穴が空いていた

エレン「でかい温泉だな、って誰かいるぞ?」
エレンが指差す方向…温泉の中には、人影が見えた

ミカサ「あれは…アニ」
ジャン「行ってみようぜ!?」
全員立体機動で、温泉の淵に降り立った

コニー「やっぱアニじゃねえか!!」
サシャ「アニがビキニをきていますよ!!」
ジャン「まじかよ!?うわ!!」
アニのビキニ姿を目に焼き付けようとするジャンとコニー

アニ「やあ、やっと来たね…遅すぎるよ」
アニは吐き捨てるように言った

ミカサ「アニ、温泉に入らせて欲しいんだけど…」

アニ「それは出来ない。先客が来たんだ。かなり前だったよ…」
明後日の方向をみながら呟くアニ

ミカサ「それは、どの班…?」
アニ「…リヴァイ班だよ。巨人になった私をいとも簡単に倒して行ったさ…ふふ」


ミカサの瞳に暗く熱い炎がちらつく
ミカサ「…リヴァイ兵長と私が戦った時より早かったの…?」

アニ「速かったし、うなじを削がれたよ…?」

ミカサ「私は、ハンジ分隊長とモブリット副長よりも弱いって事…?」

アニ「…技や力だけならあんたが上さ。でもね…コンビネーションや、冷静さで向こうが上だって事だね」

ミカサ「私は、まだ弱い。リヴァイ兵長にはまだ勝てない…」

エレン「ミカサ、兵長に勝とうなんて思うなよ!?仲間だろ!!」
ミカサ「今は仲間ではないでしょ…エレン。エレンは甘い」

サシャ「とりあえず、点数はもういいですから、折角だし皆で入りましょうよ!!」
コニー「サシャに賛成だな!!勝負より楽しもうぜ?ミカサ」

エレン「俺も出来たら勝ちたかったけどな、折角だし今は楽しみたいぜ。折角同期におっさんが一緒なんだしな!?」

ハンネス「リヴァイ班はすでに三点らしいからな、もう逆立ちしても勝てそうにない。ここは楽しんで、次の戦いに鋭気を養うのが賢いぞ、ミカサ」

ミカサ「そうか、わかった。今回は勝負は忘れて楽しもう…」

アニ「水着に着替えておいで」
アニはいつになく優しい笑みを浮かべて言った

アニ「ちょっと!触らないで!?サシャ!!」
サシャ「アニの胸がやわらかーい!!もみもみ!!」

アニ「もう!!ハンジ分隊長といい、あんたといい、なんでそんなに揉みたがるのかな…?!」

サシャ「もみごたえがありそうな大きさだからですよ~もみもみ!!」

アニ「いい加減にして…?ミカサも結構大きそうだよ?あっちにしなよ」
アニは顔を真っ赤にしている

ミカサ「私も…もみもみ…」
アニ「ちょっと!?やめなよミカサ!!」

ミカサ「確かに柔らかい…私の胸とは、ちがう…かも」

サシャ「ミカサのはどれどれ…もみもみ…鍛えられてて固めですが、弾力もあってなかなかのものですよ!!ミカサ!!」

アニ「サシャのも、揉んであげる…もみもみ…」
サシャ「うひゃぁぁ!!こそばゆいですぅやめてあひゃひゃ!!」

アニ「サシャもなかなかの弾力だね」
サシャ「やめてくださいよお!!つんつん…」
ミカサ「つんつん…」

お互いの胸を揉んだりつついたり、普通の女の子と同じように、温泉を満喫している女子チームであった

ハンネス「女子チームは和やかな雰囲気だな。平和でいいな」

コニー「なあなあ、もしあの中で一人選ぶとしたら、誰にする?お前ら!?」

ジャン「俺は、ミカサ一択だぜ。美人で頭もよくて、強い。最高!!」

コニー「俺は、サシャかな…なんかこう、気が合うんだ」

ジャン「まあ、お似合いだと思うぞ、お前ら、うん」

コニー「そうか?!エレンは、誰がいい?」

エレン「俺は興味がねえ…まずは巨人を駆逐してからじゃないと、考えられねえよ」

ジャン「アニもミカサも、お前が気になっていそうなのに、肝心の本人が変態だからな…」

エレン「誰が変態なんだ!?」
ジャン「ミカサより巨人がいいんだろうが!?」

エレン「ちがう!!巨人は駆逐対象だって!!」

コニー「じゃあ、ぶっちゃけどっちがいいんだよ、エレン」

エレン「…誰がいいとかわからねえよ!!」
ジャン「この朴念仁が!もったいねえ!!」

ハンネス「エレンにはまだ恋愛は早いのかもな…」

男チームもそれなりに、温泉を満喫したのであった

《ピクシス班》
泥の湯を後にし、馬車でのんびり北西へ

マルロ「伝令が来ました…残りの温泉は二つだそうで…リヴァイ班が三点で、我々とエルヴィン班が二点…エレン班が一点だそうです」

ピクシス「リヴァイ班がやはり走っておるのお…さてどうしたものか…」

ユミル「エルヴィン団長よりもはやくどっかで一点取らないとだよな…!」

クリスタ「でも、ここからだとその二つの温泉は遠くて、どちらも西ですよね…」

マルロ「とりあえず、西に向かいましょう!思案しても仕方がないですしね」

ピクシス「マルロは真面目じゃが、なかなか身どころのある奴じゃの。そうじゃ、進むしかない、前進じゃ!!」

ピクシス班は、最後まで諦めず前進する!!

《エルヴィン班》
エルヴィン「あと残り二つだが…リヴァイ班がすでに残りの一つの温泉に近づいているらしい」

アンカ「では、勝てないではありませんか」

ナイル「どうにかならんもんか?」
エルヴィン「俺も久々に読み違えたな。まさかアニ巨人を容易く仕留めるとは…超大型もな…」

アルミン「団長、いや、班長の息の掛かった誰かを仕向ける事は出来ませんか?」

エルヴィン「実は一応刺客は放ったが、さて時間稼ぎになるかな…」

ヒッチ「さすがエルヴィン班長、抜け目ないなー」
リコ「ここまで来たら、負けたくないな」

ナイル「結局は全員エルヴィンの掌で踊っているんだ…」

エルヴィン「今回は違う…リヴァイ班はもう私の掌にはいないよ」

アンカ「刺客になんとか足止めしてもらうしかなさそうね」

エルヴィン班は一路残された温泉へ…

エルヴィン「さて、残り二つのうち、一つの温泉についたぞ」

エルヴィンが指差す方向には、一面砂地しかない
しかし、砂のしたから蒸気なのか、ふらふわと白い綿菓子のような湯気がたっていた

アンカ「あの砂…暖かいのでしょうか」

ナイル「噂に聞く、《砂風呂》か!!」
ヒッチ「あー知ってる~凄く新陳代謝が活発になって、お肌ぷるぷるになるんだよ~?」

アルミン「…でもやっぱり人がいますね…数人」
砂風呂地帯の前には数人の人影が見えた

リコ「…あ、あなたたち…!」
リコはその人影に向かって駆け出す
そして、その中の一人に抱きついた

リコ「イアン!」
イアン「リコ、久しぶりだな。随分待ったぞ…」
リコの小柄な体をしっかり受けとめ、抱き締めるイアン

アルミン「イアンさん、ミタビさん!!それとキッツ隊長だ」

ミタビ「イアン、リコ、気持ちはわかるが一応人前だ。控えろよ…?」
熱い抱擁を交わす二人に目をやりながら、言うミタビ

キッツ「お前たちそんな関係だったのか…」
意外そうに、抱き合う二人を見やる小鹿隊長

イアン「リコ、離れろ…」
リコ「嫌だ。また勝手に何処かへ行くだろ…?」
イアン「仕方がない奴だな…」
イアンはため息をついたが、満更でも無さそうだ

エルヴィン「リコ、良かったな」
エルヴィンはその様子を穏やかな笑みを浮かべて見ていた

ヒッチ「あの二人お似合いですよね~ナイル副長。私とエルヴィン班長には遠く及ばないけど」

ナイル「リコとイアンの方が、数百倍しっくりくるわ!!ヒッチ、お前とエルヴィンなんぞ想像すらつかん!!」

ヒッチ「…あのぉ、ずっと思ってたんですけど…」
ナイル「何だ!?」

ヒッチ「もしかして、焼きもち妬いてるんですかぁ?私に…」

ナイル「はぁ!?なんだその自信過剰な物言いは!!そんなわけないだろうが!?」

ヒッチ「だって、副長は私がエルヴィン班長の事を話すと怒るじゃないですか~」
ナイル「勘違い甚だしいわ!!馬鹿者!!」
ナイルの悲鳴が辺りに響き渡った

エルヴィン「キッツ隊長、砂風呂に入らせてもらうよ?時間がないんだ」

キッツ「…勿論、どうぞ」

リコ「イアン…」
イアン「リコ、風呂入ってこい、勝負はまだ決まってないぞ?」
リコの体をゆっくり引き離すイアン

リコ「…わかったよ…私は前に、進むから…見てて、イアン」
リコは背筋をまっすぐのばし、砂風呂に入るべく着替えに行った

イアンはその後ろ姿をまぶしそうに眺めていた…まるで、その姿を目に焼き付けようとするかのように…


無事砂風呂を制覇したエルヴィン班は、点数の上ではリヴァイ班と並んだ

全速力で、最後の温泉に向かう…
リヴァイ班が狙っているであろう温泉へ…

《リヴァイ班》
ハンジ「最後の温泉に、着いたね」
ハンジが静かに言う

目の前には大地の裂け目のような穴があり、50メートル程裂け目を降りた所に、小さな温泉がみえた

しかし、裂け目の前にはやはりエルヴィンが仕掛けた刺客がいた

その人影は二つ…

リヴァイ「誰だ、ありゃあ…」
モブリット「…グリシャイェーガー医師と、奥様カルラさんです」
ハンジ「エレンのご両親だね」

グリシャ「リヴァイ兵士長、よく来てくれたね。温泉に入る条件として、これを打たせて欲しいんだ…」

グリシャがリヴァイに示したのは、一本の注射器だった

ハンジ「…何だい?なんの薬…?」
モブリット「無色透明で、見た目では判別がつきませんね…」

リヴァイ「それを打てば、どうなる?」
グリシャ「それは、言えないな」
カルラ「…」

ハンジ「私が打つよ」
ハンジがリヴァイを庇うように前に立つ

モブリット「いいえ、私が…」
ハンジとリヴァイを押し退けて、その背で庇うように立つ、モブリット

グリシャ「申し訳ないが、リヴァイ兵士長しか、だめなんだ。さあどうする?打てば、温泉に入らせてあげるよ」

リヴァイ「そんなことせず、ぶち倒して強引に…」

グリシャ「ここでのルールブックは私だよ。注射さえ打てば入浴を許可する。そして君たちの班が単独首位で優勝だな」

リヴァイ「わかった。打とう」
リヴァイは左腕の服を捲った

モブリット「兵長!!優勝などしなくていいですから、そんな訳のわからない注射、打たせないで下さい!!」
モブリットは止めようと手を伸ばすが、リヴァイは首を振る

リヴァイ「モブリット、何かあったら、頼んだぞ?」
ハンジ「ほ、ほんとに打つの!?リヴァイ」

リヴァイ「俺は、もう負けたくねえんだよ」
吐き捨てるように、言い放った

グリシャ「では、失礼」
グリシャはリヴァイの腕に、注射器をさした

注射を打って数瞬後、リヴァイの顔が、苦悶に歪む…
リヴァイ「…うっ!!」

モブリット「兵長!!」
ハンジ「リヴァイ!?」
思わず駆け寄る…

リヴァイは、そんな二人を突き飛ばした

リヴァイ「イザベル…ファーラン…」
リヴァイは、グリシャとカルラを見ながらそう呟いた

グリシャ「お前はどうして、俺たちを信じてくれなかった…?」

カルラ「兄貴のせいで、あたしたちは死んだよ…?」
リヴァイの目に写るのは、グリシャとカルラではなく、自分の馴染みの二人だった

グリシャ「後ろに、俺たちを殺った巨人がいるぞ…」
グリシャが指を指すその方向には…

ハンジ「なに、どうなってるの!?」
モブリット「…兵長の様子がおかしい…ハンジさん下がって…」

リヴァイは生気を失ったような虚ろな目を、ハンジとモブリットに向ける

ハンジ「正気じゃ、ない!!モブリット、逃げろ!!」
ハンジは、背後の木にアンカーを差し、身を踊らせる

モブリットも同じように、木の上に立ったが、次の瞬間…

巨人相手に使うスナップブレードを両手に携えたリヴァイが、モブリットを襲う

リヴァイ「…」
モブリットは木から木へと逃げるが、ワイヤーを断ち切られ、地面へと落下する

モブリット「うっ…」
ハンジ「モブリット!!」
モブリット「ハンジさん!!くるな、早く逃げろ!!うっ、」
リヴァイのスナップブレードの切っ先が、モブリットのうなじにあてられる

…サクッ
少し力を入れただけで、簡単にそのうなじを削ぐことが、できた

ハンジ「…モブリット!!」
ハンジが駆け寄ると、目を閉じ、動かないモブリットが横たわっていた

リヴァイ「よえぇな…巨人なんて、クソだ…」

ハンジ「…リヴァイ、貴様…」
ハンジの瞳に、炎のような狂気の光が宿った
スナップブレードを静かに構える

ハンジ「…お前を、許さない!…死……」
モブリット「ハンジさん…駄目です…ぼ、暴走…しないでく、下さい…」
ハンジが振り返ると、うっすら目を開けた忠実な副官が、自分の足首を掴んでいるのがわかった

モブリット「薬で幻覚が…見えている様です…だから私に止めをさせなかった…きっと今のあなたなら、兵長を止められます…すみません、私はお役に立てそうにありませんが…」

ハンジ「モブリット、わかったよ。やってみる。君は休んでいて…」

リヴァイ「女型の巨人かよ…削いでやるからじっとしてろ…」
リヴァイの殺気を全身に浴びながらも、怯むことなく覇気を返すハンジ

ハンジ「リヴァイ待ってて、私が助ける…」

かくして、人類最強と、人類最強の変人との戦いが、幕を開けた

実はインフルの予防注射デシター!だと思ったら…
どうなる…

リヴァイが無造作に、だが的確に矢継ぎ早にアンカーを射出する

周りの木々を利用して、高く体を飛ばす

ハンジは、その動きを目で追うだけで動かない

リヴァイ「木偶の坊が!!でけえからだは見かけ倒しか!?」

そう言いながら、回転切りで舞い降りてくる…
ハンジ「(…でけえ体…?そうか、やっぱりね…)」

上空から舞い降りてくるリヴァイに鋭い視線を浴びせる…だが動かない

リヴァイ「死ね!!クソ巨人!」
ザシュッ…リヴァイのスナップブレードは、ハンジの頭上5メートルは上の空を切った

リヴァイ「何っ!?削げなかった!?馬鹿な!!」

その瞬間を逃さず、木々を利用して舞い上がるハンジ
その姿はまるで…自由の翼を広げて舞い上がる…戦乙女

リヴァイ「チッ、何故巨人の癖に飛びやがる…?!つッ…」
直後、頭を抱えるリヴァイ

ハンジ「リヴァイ、我慢して…ねっ!!」

上空から舞い降りた戦乙女は、リヴァイの体に軽く回転を加えたドロップキックを食らわせた…

リヴァイの体の上にそのまま舞い降りたハンジ

ハンジ「お仕置き、完了!!」
見るものを魅了するような、艶かで不敵な笑みを浮かべた

リヴァイ「うっ…」
ハンジ「目、覚めた…?気分はどう?」
リヴァイを踏みつけたまま、声をかけるハンジ

リヴァイ「…最悪な気分だ…俺は、何をやった…?モブリットを、殺したのか…?」

ハンジ「…記憶はあるんだね…?」
リヴァイの上からスタッと地面に降り立ったハンジは、呟くように言った

リヴァイ「俺は、どうすればいい…この手で、たとえ薬のせいではあっても、お前の大事な部下を…」

モブリット「…勝手に殺さないで…下さいよ」
よろよろと歩み寄るモブリット

リヴァイ「生きていたのか!!」
モブリット「いつもの兵長ならば殺されていたでしょうけれどね」
リヴァイ「…良かった…」
リヴァイはほっと胸を撫で下ろした

ハンジ「さて、グリシャ…誰に命令された?エルヴィンか?」

グリシャ「そうだよ…だがな、エルヴィン団長が指示したものとは違う薬を、リヴァイ兵士長に打った…試したかったんだ。幻影薬をな」

ハンジ「で、エルヴィンに指示された、ほんとに打つつもりだった薬は…?」

グリシャ「半永久的な惚れ薬だ…年がら年中誰彼構わず、惚れた晴れたを繰り返す、魅惑の薬だ」

リヴァイ「エルヴィン!!あいつめ!!」

ハンジ「それ、ぜひリヴァイに打ってよ…面白そ~!」
モブリット「確かに、年がら年中頬を染めたり、失恋して泣いたりする兵士長は見てみたいですね」

グリシャ「なんなら薬をやろうか…?」
ハンジ「よし、リヴァイに打とう!!さあじっとして…うわあ、もう逃げてる!!」

ハンジは慌てて追いかけた

モブリット「ハンジさん、先に温泉入っちゃいましょうよ~!」

モブリットの悲鳴が辺りに響き渡った

こうして、最強の刺客、グリシャはリヴァイ班に頭を垂れた

>>458
インフルの注射!そんな落ちもありですね!!

モブリット「あー少し痛いですね」
モブリットは温泉に浸かりながらうなじに手をやって、顔をしかめた

ハンジ「リヴァイがやったんだよ…酷いよねぇ…モブリットかわいそ…」
モブリット「ああ、痛いな…兵長が惚れ薬を注射すれば、私の気は晴れるんですけどね…」

リヴァイ「おい、てめぇ…モブリット…」
モブリット「兵長に、上空 8メートル付近にいたところを、ワイヤー切られて地面に叩きつけられ全身打撲で、体が言うことをききません…」

ハンジ「リヴァイが惚れ薬を注射しない限りはモブリットの気は晴れないよね…」
モブリット「はい、晴れません…」
項垂れるモブリット

リヴァイ「おまえらぁぁ!!」
ハンジ「隙見て打とう…」
モブリット「そうですね…」

リヴァイ「モブリット、てめぇが打てばいいだろうが!!」
ハンジ「…それも楽しそう」

モブリット「ちょっと!私は被害者ですよ!?むしろ暴走しかかったハンジさんが打てばいいです!!」

リヴァイ「そうするか…」
グリシャ「なんなら三人分やろうか…?」

リヴァイ班「いらんわぁ!!」

カルラ「元気な幹部さんたちね、ふふ。エレンの事をよろしくお願いしますね」

リヴァイ班は、ついに四点目をゲットしたのであった

リヴァイ「よし、とにもかくにもこれで優勝だな…」
温泉から出て、兵服に身を包んだリヴァイが言った…その表情はいつになく清々しい

ハンジ「長い戦いではなかったけど、いろいろあったよね」
思い出に耽るように遠くを見つめるハンジ

モブリット「あなたがたのお陰で数々の困難を乗り越える事ができました。私は…この班で良かったと思っています…ありがとうございました」
上官二人に深々と頭を下げるモブリット

リヴァイ「モブリット、俺の副官になると言う話はどうする?」
リヴァイにガシッと肩を掴まれるモブリット

ハンジ「ちょっとお!!モブリットは私の副官だよ!?誰が渡すか!!あっちへ行けしっしっ!!」
モブリットの肩にあるリヴァイの手を引き剥がし、代わりにモブリットの腕に自分の腕を絡ませて、引き寄せる

リヴァイ「俺が、副官に、するんだ!!」
リヴァイ、モブリットの腕を引っ張る

ハンジ「私のだ!!」
反対側の腕を引っ張るハンジ

モブリット「痛い痛い!!いたたたた!!ちょっとお!!私は全身打撲の重症なんですよぉ!?あなたたち、私の体を引きちぎるおつもりなんですかぁぁ!?」

ハンジを巡る三角関係がいつしか、モブリットをどちらの副官にするかという三角関係になっていた…

そこで3Pですよ

>>467
なるほど!

リヴァイとハンジがモブリットの引っ張り合いをしていると、エルヴィン班一行が表れた

エルヴィン「お前たち…時すでに遅しか…?」

ハンジ「残念だったね。もう入っちゃったよ!!」

ナイル「負けたか…」
リコ「相手が悪かったね…」
アルミン「リヴァイ兵長にハンジ分隊長に、モブリット副長…小数精鋭ですしね!!」

エルヴィン「リヴァイに魅惑薬はきいているのか…?」

リヴァイ「エルヴィン…ポッ」
エルヴィン「…そんな趣味はないぞ…俺は」

リヴァイ「…なわけないだろ、グリシャには違う薬を打たれたんだよ…エルヴィンてめえは姑息な手を使いやがって…」
リヴァイは毒づいた

エルヴィン「勝つためには手段は選ばんのだ」
エルヴィンは遠くを見つめた…

モブリット「他の班は、どうなりましたか?皆無事なのでしょうか」

アンカ「エレン班は、洞窟温泉を満喫後、トロスト区へ帰還しています。ピクシス班も、トロスト区へ向かっています」

ヒッチ「表彰式とかあるの!?」
エルヴィン「ああ、あるよ。さて、全員トロスト区へ帰還するか」

エルヴィン班とリヴァイ班は、揃ってトロスト区、調査兵団本部へ帰還した

本当にオールキャラの話だな。ありがとう。乙。

>>477
グリシャ達出せて良かったです!!乙あり!!

>>470でした、すみませんm(__)m

調査兵団本部の広場にて…

ピクシス「アンカぁぁぁ!!すまなんだ!!わしにはお前が必要なんじゃ!!戻ってきてくれんかのぉ…」
エルヴィンの後ろに控えるアンカを見つけて駆け寄るピクシス司令

アンカ「司令、私はエルヴィン団長の作戦参謀になることにしましたから…」
つん、と顔を横にふるアンカ

ピクシス「エルヴィン!!頼む、返してかくれ!!」
今度はエルヴィンに頭を下げる司令

エルヴィン「司令、頭など下げないで下さい。…アンカ、戻ってあげなさい。司令も反省されているようだしね」

エルヴィンの言葉に、俯きなにかを考えている様なアンカはやがて、司令に歩み寄る

アンカ「司令、お酒飲まれましたよね…暫くは禁酒ですよ!!」
そう言って、司令の胸の内ポケットから、酒の入ったスキットルを取り上げる

ピクシス「酒を取られたぞ!!」
心なしか嬉しそうなピクシス司令であった


エレン「リヴァイ兵長ー!」
リヴァイ「エレンか、温泉には入れたか?」

エレン「一点しか取れませんでしたが、二つ入れました!!兵長の班は、優勝ですよね!?やっぱりすごいです!!」

ミカサ「今だけ負けておいてあげる…ち…リヴァイ兵長」

リヴァイ「ちびって言いかけただろ、お前ミカサ…」

ミカサ「…嘘ではありませんから…」
ミカサはリヴァイの横に立って、手で身長を比べた
リヴァイ「…ちっ!!」
リヴァイは盛大に舌打ちをした

ハンジ「皆、舞台にちゅうも~く!!表彰式がはっじまっるよー!」

全員が班毎に整列した

エルヴィン「皆、それぞれ温泉旅を楽しんだかな?」
壇上に立つエルヴィンは、笑顔で言った

エレン「団長、楽しかったです!!」
サシャ「団長、焼き肉が食べたいです!!」
ナイル「エルヴィンのセクハラ野郎!!」
ヒッチ「エルヴィン団長結婚してくださぁい!!」

エルヴィン「…なにやら温泉の旅の感想じゃないものがあるが…まあいい。では、結果発表といこう」

エルヴィン「優勝は、リヴァイ班、リヴァイ、ハンジ、モブリット組。壇上へ」

リヴァイ班は壇上に上がった

エルヴィン「リヴァイ班は四点を取得し、点数の上でもトップ。アニ巨人に超大型巨人も倒した…要するに、断トツの一位だ」

一同「うおー!すげー!!」
一同「さすがリヴァイ班、調査兵団の精鋭中の精鋭!!」

リヴァイ「当たり前だ、ふん」
ハンジ「なんか照れるなぁ」
モブリット「私なんて兵長と分隊長のおこぼれもらっただけなのに…」

エルヴィン「優勝商品は…」

エルヴィン「一日調査兵団団長体験だ!!」

ハンジ「げぇぇ!!なんだよそれ!!やだよ!!絶対やりたくない!!死んでもやだ!!」

リヴァイ「エルヴィンてめぇぇ!!それじゃあ賞品じゃねえ、罰ゲームじゃねえか!?」

モブリット「全身打撲をおってまで掴んだ栄光が、一日団長…」

エルヴィン「お前たち…そこまで嫌がるとは…傷つくぞ!?」

ナイル「調査兵団団長なんてやりたくないわ!!当たり前だ!!」
アルミン「僕はやってみたいけどなあ」

リヴァイ「毛を駆逐されたくなかったら、賞品を変えろ…エルヴィン」

エルヴィン「まあ、それは冗談だ。本当の賞品は…『世界の果てまでいってよし!!天国に一番近い島編』のリポートキャスターだ」

ハンジ「また行くの!?」
リヴァイ「この間帰ってきたばかりだが…」
モブリット「全身打撲なので無理です」

エルヴィン「一人ずつの疑問に答える。
ハンジ、また行くんだ。旅行計画は任せる…
リヴァイ、だからお前らには負けてもらう予定だった…
モブリット、気合いで治せ」

ハンジ「旅行計画は立てるけどさ…」

リヴァイ「俺は今回はいいから、他のやつに行かせてやってくれ」

モブリット「全身打撲を気合いでなんとか出来ません、団長!」

エルヴィン「まあ、優勝チーム以外のメンバーから、数人選ぶつもりだ。それは旅行計画がスタートするときに発表するからそのつもりで」

リヴァイ「俺はいいっつってるだろ!!」
モブリット「全身打撲…」
ハンジ「旅行計画立てなきゃ♪るんるん」

調査兵団団長室にて

エルヴィン「世界の果てまでいって」

ハンジ「よし!!」

リヴァイ「温泉同好会」

エルヴィン「視聴者の皆さん楽しんで貰えたかな?!次回は世界の果てまでいってよし、天国に一番近い島編でまた会おう!!」

ハンジ「それではまた来週!!」
リヴァイ「クソして寝ろよ?」

―完―

エルヴィンの言うように、次回は本編の第二クール「世界の果てまでいってよし!!天国に一番近い島編」を予定しています
次回はメインにエルヴィンが出ませんので、新スレを立てる予定です

読んでいただきありがとうございました!!
またよろしくお願いいたします

わーー次回作期待大すぎる
ハンジは結局どっちと…

お疲れ
オールスター勢揃いで楽しませてもらった

次スレだけど、現在、進撃スレが乱立している状態だから
前回の流れを汲むならエルヴィンが登場しなくても
このスレで進めてくれたほうが有り難いかなぁ……
と思ってしまったり

ともあれ、次回作を楽しみにしてる

すごく楽しくて自分が旅行してるような臨場感に毎回ワクワクする話だった
幸せな旅をありがとう

温泉は個人的にミカサがツボッた
素直すぎるミカサとリヴァイの絡みに本気で吹いたwww

本当に見所満載だったなぁ
次回も心から楽しみにしてます
乙でした!

>>480
読んでくれてありがとう、期待も!!
ハンジどっちと?って私にもわからなかったり…

>>481
読んでくれてありがとう!!スレの件了解!!ここでこのまま続けます

>>482
読んでくれてありがとう!!ミカサは次のメインに出す予定。幸せな旅と言ってもらえて嬉しい。またよろしく!

新スレ立てると荒れそうだし賢い選択だと思うよ
おつ

>>484
乙ありがとう。アドバイス通りこのままここで続けます!!

リヴァイ「世界の果てまでいってよし!」
ハンジ「天国に一番近い島編」モブリット

はっじまっるよー!

調査兵団の団長室は今日いつも通り騒がしい

ハンジ「さあ今夜も始まりました!!削ぎ削ぎ調査バラエティ、世界の果てまでいって」

エルヴィン「よし!!」

リヴァイ「天国に一番近い島編」

ハンジ「ついに来たねえ!!この綿密に練りに練った旅行計画を実行に移す日がぁぁ!!」
興奮ぎみのハンジ

モブリット「確かに貴女は、あれから日柄一日旅行計画ばかりにうつつを抜かして、調査兵としての仕事は全て押し付けて下さいましたね…分隊長…」

ハンジの分まで仕事をさせられたモブリットの目の下にはくっきり疲労の色が見えた

エルヴィン「旅行計画だけでなく、仕事もしろって言ったはずだが…」

ハンジ「いやあ、ついつい天国に一番近い島に滾っちゃって!!」

リヴァイ「そうだ、一つ疑問に思ったんだが、天国に一番近い島って…まさか、死んであの世に逝けって意味じゃねえだろうな…?エルヴィン」

エルヴィン「…さあて、どうだろうな」
明後日の方向に目をやるエルヴィン

リヴァイ「嫌な予感しかしねぇ…行きたくねえ…」
眉をひそめるリヴァイ

ハンジ「そうそう、今回は調査兵から一人、キャスターを選んできたよ!!じゃあ登場していただきましょう!!」

モブリット「リヴァイ兵長の副官、ミカサ・アッカーマンさんです!!」

リヴァイ「はぁ!?何だそれは!!聞いてねえ!!」

エルヴィンにエスコートされ、団長室に入室したミカサ

ミカサ「この度、エルヴィン団長より、リヴァイ兵士長の副官を拝命…いたしました、ミカサ・アッカーマンです」

エルヴィン「ミカサ、頑張るんだぞ!?」

リヴァイ「勝手に副官を決めんな!!こんなクソがきは副官には向かねえ!!」

ミカサ「兵長に身長以外も勝ちたい。ので、兵長の生活を研究したいと思う。ので、兵長の副官としてご一緒します」
ドンッ!!敬礼をするミカサ

リヴァイ「大迷惑だ!副官はいらん!!研究すんな!」

ミカサ「そう…兵長は身長以外が私に負けるのが、そんなに怖いんですね…」

リヴァイ「誰が!!お前なんかに負けるわけねぇだろうが!?クソがき!!」

ミカサ「身長は私の方が、優れている…ので、貴方の生活を盗めば、手足のリーチの差から考えても、私が人類最強になるはず…ちb…兵長」

リヴァイ「お前絶対わざとち…っていってるだろ!?」

ミカサ「私は嘘がつけないから」
ミカサは遠くを見つめながら呟いた

ハンジ「ミカサは直球だねぇ」

モブリット「怖いもの知らずですよねぇ」
ミカサの態度を見て震えるハンジ達

リヴァイ「お前ら、ミカサを止めろよ!?」

ハンジ「何でぇ?研究させてあげればいいんじゃない?手取り足取りいろいろ教えてあげればいいんじゃない~?」
にやにやしながら言うハンジ

モブリット「ミカサは希にみる逸材ですから、調査兵団の将来の為にも是非兵長が自ら鍛え上げるべきかと思います」

リヴァイ「モブリット、もっともらしい事を言ってる割りには顔がにやけてるぞ…?」
剣呑な目付きでモブリットをさすリヴァイ

モブリット「…元々笑い顔なんですよ」
眉をひそめるモブリット

リヴァイ「今さらとってつけたように困ったような顔すんな!人の不幸を喜ぶような奴だったのかお前!?」

モブリット「…不幸と言いますか、普通に兵長とミカサのコンビはなかなか良いと思いますよ」

ミカサ「ちび…兵長は男らしさの欠片もない…潔く研究されればいいのに」

リヴァイ「ミカサ、てめぇ今はっきりとちびって言いやがったな!?」

ミカサ「…ついうっかり…」
口を手で押さえる仕草をするミカサ

リヴァイ「うっかりって口調じゃなかったぞ!?」
激昂するリヴァイの肩にぽんと手を置くハンジ

ハンジ「まあ、もうエルヴィンからの辞令も出てるし、諦めなよ?リヴァイ」
まるで子どもを諭すかのように優しく言葉を掛けるハンジであった

やだ楽しそう~(震)

思いもよらないゲストキャラが…
リヴァミカもあるか…?
とにかく期待

全てのレスに突っ込み入れたくなるwww
ミカサは「身長以外が私に負けるのが嫌」と「チビ」を枕詞か語尾に入れなきゃ喋れないのかwww
続き絶賛期待してます!

>>494
頑張ります!!

>>495
リヴァミカ!!

>>496
冒頭から楽しんで貰えて嬉しい!!

ハンジ「さて、リヴァイの副官はミカサって事で決定!!」

リヴァイ「エルヴィンてめぇ、勝手に副官決めやがって!!」

エルヴィン「我ながら的を得た人事だと自負しているよ」
と、満面の笑みを浮かべるエルヴィン

リヴァイ「気色わりぃ笑い方しやがって!!」

そんなリヴァイに、眉をひそめるミカサ
ミカサ「兵長、だめです…エルヴィン団長をもっと敬わなければ。あなたがそんな態度だから、団長の頭髪が無くなってしまった、はず…精神的苦痛で」

エルヴィン「…ちょっと待てミカサ、毛は無くなっていない、あるぞ、ちゃんとある!」
自分の髪の毛?を思いきり引っ張って見せるエルヴィン

ミカサ「団長、無理はしないで…下さい。頭皮に良くない、はず」

ハンジ「あひゃひゃひゃ!!ひーお腹いてぇ!!」
ハンジはお腹を抱えて笑っている

モブリット「ハンジさん、笑いすぎですよ!?落ち着いて下さい!団長がかわいそうです」
エルヴィン団長とハンジを交互に見やって頭を抱えるモブリット

エルヴィン「地毛だと何度も証明しているのに、何故そんな噂が立つんだ…」

ミカサ「団長…今は技術が凄く進歩している…ので、地毛なのかヅラなのか植毛なのかの見分けは、つかない…ので、ヅラ疑惑が払拭されない…」

ハンジ「…!…!?!!わはははは!!」

リヴァイ「おいミカサ、お前が一番エルヴィンに失礼こいてんだぞ?わかってんのか…?」

ミカサ「私は嘘は言わない、正直に思ったことを言った…だけ」
ミカサは明後日の方向を見つめた

エルヴィン「…泣く子も黙る調査兵団団長に、なんて態度なんだ…恐るべし、ミカサ・アッカーマン…」

モブリット「団長、私はあなたをヅラだとか思っていませんから、ご安心下さい」

頭を抱えるエルヴィンの肩をぽんぽんと叩くモブリットであった


ハンジ「とりあえずさ、今回はこの四人で楽しい旅をしよう!!」

ミカサ「よろしく…お願いします」

モブリット「よろしくな、ミカサ」

リヴァイ「行きたくねぇ…」

ハンジ「じゃあ、エルヴィン行ってくるね♪」

エルヴィン「ああ、楽しんでこいよ!!」

ハンジ「では、何処でもワープ装置起動!!」

シュイイイン…四人は不思議な光に包まれた…!

面白いじゃねえか乙

>>501
乙ありがとう!!

ハンジ「さぁて!!到着いたしました!!ここは映画『天国に一番近い島』の舞台にもなった、『ニューカレドニア』だよ!!」

四人はニューカレドニアの首都ヌメアに降り立った

南洋杉が等間隔に植えられている、海岸沿いの散歩道に四人の姿はあった

モブリット「いやあ、トロスト区とは全然違いますねぇ。これが海外ですか…何だか匂いまで違う気がしますね」
キョロキョロ辺りを見回しながら目を丸くするモブリット

ミカサ「空気も違う気がする」
ミカサは大きく息を吸い込んだ

リヴァイ「ああ、そりゃそうだ。海辺だからな」

ハンジ「あっ、そっかあ。モブリットとミカサはまだ海を見たことが無いんだった。ほらごらん、あれが海だよ」

ハンジの指差す方向には、美しい砂浜と、その奥にはエメラルドの様な海があった

ミカサ「あ、あれが海…?水がたくさん…ずっと向こうまで続いている…」

モブリット「凄いですね…」

二人は初めて見る海に感無量だ

リヴァイ「早速泳ぐのか?」

ハンジ「いや、まずはホテルにチェックインして荷物を置きに行こう。観光はそれからね。さ、ホテルはここから近いから、散歩がてら歩こう」

ハンジに連れられて、颯爽と歩くリヴァイと、副官らしくリヴァイに寄り添うようについていくミカサ。

モブリットはおのぼりさん状態で、視線を移動させる度に歓声を上げていた

ハンジ「今日のお宿は、ヌメアのホテルの老舗『ル・サーフ ヌメア』だよ。早速部屋に行こう」

海沿いに面したコロニアル風のホテルは、豪華では無いものの、解放感あふれるリゾートホテルである

プールサイドでトロピカルジュースや、アルコールを飲んでいる観光客がいる

ハンジ「ニューカレドニアの詳しい話は、とりあえず着替えてからね?このままだと目立つし…」

四人は調査兵団の制服姿だったのだ
さすがに立体機動装置は着用してはいなかったが…

リヴァイ「部屋は二人で一つだな」

ハンジ「うん。ちょっと旅行の予算減らされちゃってるからさ、まあ後で稼ぎに行くつもりだけどね…」
ハンジはニンマリ笑った

ミカサ「ハンジさん、私は兵長と同じ部屋でお願いします」

リヴァイ「はぁ!?何言ってやがる、このばかは!!」

モブリット「ミカサ、いくらなんでもそれはむr…むぐぐ」

ミカサはモブリットの口を手で塞いだ

ミカサ「私は兵長を研究するためについてきている、ので同室でないといけない」

ハンジ「いや、さすがにだめだよ。君は私とおなj…ムグ」
ハンジの口も、手で塞いだ

ミカサ「私は強くなりたい、ので、兵長の寝ている時の呼吸回数、脈拍数、寝言…などを詳しく調べたいです」

モブリット「わ、わかった、私がそれは調べておいてあげるから、それでいいだろう?ミカサ」

ミカサ「副長…寝顔のスケッチもお願いします。あと、どんな体位で寝ているかもスケッチを…」

モブリット「やるやる、やるよ。任せて…」
モブリットは話を上手くそらしたのだったが…

リヴァイ「モブリット、俺は男にスケッチされながら寝る趣味はねえんだが…」
眉をひそめるリヴァイ

モブリット「私だって、寝ている男の顔をスケッチする趣味なんてありませんよ!?嫌なら兵長はミカサと同室でどうぞ!」

ハンジ「と言うことは、必然的に私はモブリットと同室になるね?私は構わないけど」

ミカサ「そうなりますね」

モブリット「うわぁぁぁ、そうでした…すっかり忘れてました…」
モブリットは顔を真っ赤にした

リヴァイ「お前…何を考えてそんなに顔が赤いんだ?モブリット」

ミカサ「副長は、ハンジさんと一緒の部屋が恥ずかしいから真っ赤になってるんですよ、兵長」
リヴァイに丁寧に説明してやるミカサ

リヴァイ「そんなもん説明しなくてもわかるわ!!」

ミカサ「…そう…兵長はちビ…の上にばかなのかと思いました」

リヴァイ「てめぇ…また言いやがったな!」

ぎゃーぎゃーと喧嘩をするリヴァイとミカサ


ハンジ「…リヴァイとミカサって、仲良しだよね」

モブリット「私もそう思います」
それを他人事のように、少し離れて見物するハンジとモブリットであった

リヴァイ「ちっ…ったく、とんだ災難だ…」
部屋に入るなり、荷物を置いてベッドに身を投げるリヴァイ

ミカサ「兵長…寝る前にまずはきちんと荷物の整理を…してください」

ミカサはそう言いながら、自分の荷物からハンジに貰ったこっちの世界の普段着を取り出した

結局、ミカサが頑として言うことを聞き入れず、上官と副官で同室になったのだ

リヴァイ「うるせぇ、俺は今何もやりたくねぇ気分なんだよ…」

ミカサ「何故…?折角の旅行だというのに…」

リヴァイ「てめぇのデリカシーが無さすぎだからじゃねえか!!」

ミカサ「私は一生懸命副官を勤めているつもりですが…」
悲しげに目を伏せるミカサ

リヴァイ「お前は副官には向いてねえ」
ぼそっと呟くリヴァイ

ミカサ「はっ!!そうだ!!」
ミカサはおもむろに兵服の内ポケットから紙を取り出し、目を通した

リヴァイ「…何だ、その紙は。何が書いてある…?」

ミカサが持っている紙を奪おうと、立ち上がって手を伸ばすリヴァイ

ミカサ「あっ、兵長だめです。機密文書なんで」
ミカサは紙を持つ手を天高く伸ばす

リヴァイ「くっ、届かねぇ!!」
リヴァイはジャンプをするが、ミカサも同じタイミングでジャンプするために奪えない

ミカサ「身長が違いすぎます。兵長諦めて…」
ミカサは胸ポケットに文書をなおした

リヴァイ「ちっ!!なんて日だ…」
人類最強の男はふて腐れてベッドに突っ伏した

ミカサ「兵長、少し出てきても構いませんか?」

リヴァイ「ああ、好きなだけいってこい。なんなら戻って来なくていいぞ?」

ミカサ「…戻りますから、着替えを済ませていてください」

ミカサは軽く頭を下げ会釈をし、部屋を出た

ハンジ「いやあ、結局ミカサの言うとおりにしちゃったねえ」

シングルベッドにごろごろしながら言うハンジ

モブリット「ハンジさん、服置いてあるんですから、早く着替えて下さいよ?」

モブリットは、ハンジの服を用意し、自分はさっさと服を着替えて、二人分の荷物の整理をしていた

ハンジ「モブリット、喉がかわいたなあ」

モブリット「はい、どうぞ」
さっとミネラルウォーターを手渡すモブリット

ハンジ「モブリットは痒いところにまで手が届く副官だなあ!!というわけで、背中が痒いからかいて?」

モブリット「…はいどうぞ」
そう言って孫の手を手渡す

ハンジ「モブリットがかいてくれよ」

モブリット「はぁ!?嫌ですよ!!それくらいご自分でやって下さい、分隊長!」

ハンジ「けち!!」

モブリット「けちで結構…ん?」
その時、ドアがノックされた

ハンジ「開いてるよ~どうぞ」

ガチャ…入ってきたのはミカサだった

ハンジ「どうしたのぉ?ミカサ、思い詰めた様な顔をして」

ミカサ「ハンジ分隊長…」
真剣な眼差しをハンジに向ける

ハンジ「なんだい?」

ミカサ「モブリット副長を少し貸して下さい」

モブリット「!!?」

ハンジ「いいよ!!どうぞどうぞ!好きなだけ使って?」

ミカサ「ありがとうございます…」
つかつか歩みより、モブリットの手をおもむろに掴む

モブリット「み、ミカサ!?わわわ…」

ハンジ「行ってらっしゃ~い!!」

モブリットはミカサに引き摺られる様に部屋から連行された

モブリット「み、ミカサ!痛いよ?!引き摺らなくてもついていくから…」

プールサイドのサンデッキにまで、モブリットを引き摺ったミカサ
モブリットの体を柱にどん、と押さえつけた

ミカサの真摯な眼差しがモブリットを射貫く

モブリット「ちょ、ちょっと?!ミカサ顔が怖いし近…」

ミカサ「モブリット副長、お願いがあります」

モブリット「…な、何かな…?」
モブリットの顔は恐怖と恥じらいが同時に来たように複雑な表情をしている

ミカサは少女の域をやっと脱したくらいの女性だが、ミステリアスな黒髪に、見た目の美しさが相まって、年齢にそぐわない色気を醸し出している

ミカサ「…教えて下さい…いろいろと」

モブリット「…ええっ!?」

ミカサ「お願いします…」
相変わらず真摯な眼差しをモブリットに向けているミカサ

モブリット「な、な、何を教えたらいいのかな…」
だんだん恐怖より恥ずかしさの方がウェイトを占めてきて、顔が真っ赤になったモブリット

ミカサ「…あなたは、副官として非常に優れていると聞きます。ので、そのノウハウを教えて欲しい…です」

モブリット「な、なんだ…そう言う話だったのか…」
モブリットはふぅっと息をもらした

ミカサ「教えて頂けますか?兵長は私が副官に向いていないと言う。私はなんだか悔しいんです」

モブリット「私がわかる範囲の事なら何でも教えるよ、ミカサ」

ミカサ「良かった…」

モブリット「そうだね、まずは人に物を頼むときには柱に押さえつけない事…かな」

ミカサ「…すみません副長。でも、機密文書にこうしろと書かれて…あっいえなにも…」
ミカサはモブリットを拘束していた手を離した

モブリット「ん?機密文書?」
今度は逆にミカサの顔を覗きこむモブリット

ミカサ「秘密です…」
顔を背けるミカサ

モブリット「団長かな…?」
ミカサ「…びくっ」

モブリット「まあいいか、副官としての心得だったよな?まずは、何をしてあげれば上官が動きやすいか、手間を省けるか、そんな所を意識してみたらどうかな?」

ミカサ「はい」

モブリット「兵長は優しい人だから、心を込めて接していればそれでいいと思うよ?また気がついたら教えてあげるね」

モブリットはミカサの肩をポンと叩いた

ミカサ「はい、わかりました、副長。ありがとうございます」

ミカサは部屋に戻りながら、また幾つかアドバイスを貰っていた

ハンジ「さあ、今日は今からヌメアの街を観光するよ!!海岸沿いの散歩道を歩いて、バス停まで行くよ」
ハンジ達は、先程歩いた海岸沿いの散歩道にいた

ハンジの服装は、明るいカナリア色の半袖シャツに、首もとに赤いスカーフ、そしてジーンズだ

ジーンズを履きこなす脚は、戦い慣れているからか引き締まり、スマートだ

リヴァイ「海はいかねぇのか?」
リヴァイは半袖シャツに七分丈のカーゴパンツを履いている

ハンジ「海は明日から死ぬほど満喫するから安心して!!」

ハンジはムフフと笑った

モブリット「観光楽しみです。街の雰囲気が凄く素敵ですしね」
モブリットは、カットソーにジーンズと、ハンジとお揃いのような格好だ

ミカサ「あの、分隊長…気になる事が…」
ミカサが海岸を指差して眉をひそめている

ハンジ「ん、なんだい、ミカサ?」

ミカサ「砂浜で寝ている女性は、どうして胸を隠さないんですか?」

リヴァイ「…!?」

モブリット「え?うわ」

ハンジ「ああ、えっとね、ここニューカレドニアは、フランス領なんだ。ヨーロッパでは、まあ国にもよるけど、ああやって胸は隠さずに、トップレスで海水浴したりするのは普通なんだよ」

ハンジが丁寧に教える

ミカサ「恥ずかしくはないのでしょうか?私は恥ずかしい…」
ミカサは顔を赤くしている

ハンジ「トップレスの方がさ、日焼けした時に綺麗だからって理由の人がいたり様々だけど、ところ構わずやってるわけではないんだよ」

リヴァイ「あんなもん剥き出しにするのは駄目だ」

モブリット「目のやり場に困りますよね…」

ハンジ「私も明日はビーチでトップレスになろっかなあ!?」
ニヤリと笑うハンジ

リヴァイ「よし、今脱げ手伝ってやるよ」
手ぐすねを引くリヴァイ

ミカサ「私もお手伝いします、兵長」

ハンジ「いやいや、明日だって言ったよね!?今とは一言も…わあ!!」

ハンジはリヴァイに捕まった
ミカサはハンジのシャツのボタンを外そうとしている

モブリット「ちょっと!ダメですよ!!兵長、ミカサ!!」

モブリットがあわててミカサとリヴァイ引き離そうとしたが、人類最強と、並みの兵士100人分に相当するスーパーウーマンミカサには叶うはずもなかった

ハンジ「リヴァイ、ミカサやめろぉセクハラ!!!」

モブリット「駄目です二人とも!!」
ハンジとモブリットは悲鳴を上げた

ハンジ「全く!このセクハラ兵長にセクハラ副官は酷いよ!!」

ハンジは、シャツのボタンを留めながら、リヴァイとミカサに毒づいた

リヴァイ「冗談に決まってるだろうが、クソメガネ」

ハンジ「ミカサにそんな冗談通じるわけないだろ!?真面目なのに!!」

ミカサ「冗談だったんですね…」
眉をひそめるミカサ

ハンジ「ほら!!」

リヴァイ「ふん」
リヴァイはそっぽを向いた

モブリット「とりあえず、バスが来たようですし、乗りましょう皆さん」

一行の前に止まったのは、真っ赤な車体のオープンタイプのおしゃれなバス

街の雰囲気を風と共に肌で感じることができる

このバスはヌメアの各主用ホテルや、海岸、施設等を回っている

なかなか時間通りにはこないが、観光にはうってつけの移動手段である

ミカサ「ハンジさん、今から何処へ向かうんですか?」
バスの中で身を縮ませながら言うミカサ

バスがかなり揺れるので怖いのだ

ハンジ「まずはマルシェっていう朝市に行くよ!!珍しい野菜や果物が沢山あるんだ!!後は美味しいカフェもあるんだ」

モブリット「そういえばお腹がすきましたね」

リヴァイ「朝も食べずに来たしな…お腹と背中がごっつんこしそうだ…」
リヴァイは鍛え上げられた腹筋に覆われた腹をさすった

ミカサ「兵長、お腹と背中がごっつんことはどんな状況なんですか?特にぶっかっている様子はありませんが…」

リヴァイの腹と背中を交互に心配そうに見るミカサ

リヴァイ「…腹が減ったっていうのの比喩表現だ…」
はぁ、と息をつき呟くように言った

ミカサ「体調不良ではないんですね、良かった」
ミカサはそう言って、はにかんだように微笑んだ

ハンジ「…ミカサっ!!かわいいなあ!!」
その様子を見たハンジが、弾かれた様に身を乗出し、ミカサの両頬に手を添えた

モブリット「ハンジさん!?バスの中で暴れない!!」

ミカサ「ハンジさん、恥ずかしい…皆見てますよ…?」

ハンジ「ミカサはリヴァイを研究するなら、私はミカサを研究しちゃおっかなあ!?」
ミカサの顎に手を添えるハンジ

リヴァイ「おお、そうしろ。奇行種同士気が合うと思うぞ」

ミカサ「奇行種はどこに!!?」
キョロキョロするミカサ

リヴァイ「お前の事だよ!!クソミカサ!!」
リヴァイはミカサの額を指でピンっとはじいた

ミカサ「…クソとはなんですか…?!ちびの癖に!!」

リヴァイ「上官に対してなんて物の言い方だ!?はっきりちびっていいやがって!!」

ミカサ「クソなんて言うから…です!!ち…び!!」

リヴァイ「てめぇミカサ!!」

ギャーギャーと、また喧嘩が始まった

モブリット「ちょっと上官副官らしくなったと思ったら…元に戻った…」
モブリットは、はぁっと肩を落とした

ハンジ「さぁてついにやってまいりました!!ヌメアの朝市、マルシェだよ!!クッソ旨い新鮮な食材がわんさか溢れているから、見に行こう!」

リヴァイ「ハンジ…お腹と背中がごっつんこ…」
リヴァイはお腹を押さえ、小さな体をより小さく折り曲げて倒れそうになっている

モブリット「兵長顔色が良くないですよ!?大丈夫ですか?」

ハンジ「リヴァイは人よりも新陳代謝が活発だから、直ぐにお腹が減るんだよね。とりあえず、先にカフェにブランチしに行こうか」

ミカサ「ハンジさん、私もお腹と背中がごっつんこです…」

ハンジ「よし、じゃあカフェに行こう♪」

一行はマルシェ内のカフェに向かった

リヴァイ「これは、う…うまい!!」

ミカサ「もぐもぐ…凄く美味しい…」

モブリット「なんて贅沢なんだ!!」

ハンジ「絶品という以外に表現できないよ!!」

四人が食べているのは、トーストにハムとチーズがふんだんに挟まっているもので、そのトーストサンドの上には、半熟の目玉焼きが鎮座している

そこに思い思いの量のブラックペッパーをふりかけると、絶品『クロックマダム』の完成

注文してから目の前で焼いてくれるので、ますます食欲をそそる

飲み物はこれまた名物の『カフェオレ
・ボウルサイズ』
名前のごとく、ボウルに入って出てくるカフェオレで、両手で持ち上げて飲む

モブリット「カフェオレも美味しいですね。コーヒーの味と、牛乳の量が絶妙なバランスで合わさっていますよ」

リヴァイ「俺は紅茶派だが、このカフェオレはうまいな」

ミカサ「…兵長、口の横にパンくずが…」フキフキ
ミカサがさっとリヴァイの口元をハンカチで拭く

リヴァイ「…」
リヴァイは無言だったが、幾分頬が紅潮していた

ニューカレドニアはフランス領だったっけ
オサレ旅も良いねぇ
そしてバスの揺れを怖がるミカサかわいいよ
ハンジのミカサ研究発言もかわいい~

リヴァイ「よし、腹がいっぱいになった。そしてねみぃ…」
リヴァイはテーブルに突っ伏して目を閉じた

ハンジ「リヴァイは食べたら直ぐに眠たくなるよねぇ。体も小さいけど行動も子どもみたいだよねぇ。おっさんなのにさ…ぷぶ」

リヴァイをちらりと見て、吹き出すハンジ

リヴァイ「ババアにおっさんて言われたかねぇよ!!クソババアメガネ!!」

ハンジ「私はまだまだピッチピチだよ!?ねーモブリット!!」

モブリット「え…?うーん…」
困った様に首を傾げるモブリット

ミカサ「兵長。食べて直ぐに寝たら牛になってしまう…ので、起きなさい」

リヴァイ「…モーモー…」
ミカサを無視し、牛の泣き真似をしながら目を瞑っているリヴァイ

ミカサ「兵長!」
バシッ…平手打ちでリヴァイの頭をはたくミカサ

リヴァイ「いてっ!!ミカサてめぇ…」

ミカサ「寝てはダメと言ったはず…ちゃんと聞いて下さい」

リヴァイ「どこの世界に上官の頭をを平手打ちではたく副官がいる?!」

ミカサ「いますよ…駐屯兵団のアンカ・ラインベルガー参謀。ピクシス司令の頭をはたいて起こしたりしているそうです。だから私も見習ってはたきました、兵長」

胸を張って答えるミカサに

リヴァイ「そんなきわどい所だけを学んでくるんじゃねぇよ!!クソミカサ!」
と激昂するリヴァイ

ミカサ「ち…びには言われたくないです!!私はクソではありません!!」

リヴァイ「クソガキはクソガキだ!!」

ミカサ「兵長はクソしか言葉を知らないんですね、お気の毒…です」
眉をひそめるミカサ

リヴァイ「うるせぇ!!」


ハンジ「喧嘩をやめて~二人を止めて~♪」

モブリット「兵長とミカサはいい漫才コンビが組めそうだな…」
モブリットはひとりごちた

ミカサかわええ

>>524
フランス領なんですよ
おしゃれな街並みです!!

>>527
レスありがとう
ミカサは本編でもかわええですよね

俺はミカサ嫌いなんだけどここのミカサはいいね
相変わらず面白ぇよ頑張って下さい乙

>>529
そうなのか、嫌いなキャラも楽しんで貰えてるなら良かった

ミカサ「これは…ピーマン…?色が赤いし、大きいけど…」
ミカサは、色とりどりの野菜に興味津々である

ハンジ「パプリカだね。向こうにはない野菜だよね」

ミカサ「パプリカ…綺麗」
ミカサは春風が吹いたような、柔らかい表情で、うっとりしている

ハンジ「ミカサは野菜に興味があるの?」

ミカサ「はい。野菜や果物を作っていましたので…」
熱心に野菜や果物を見ながら、にこやかな笑顔になっていた

ハンジ「なるほどね!!興味があるなら買っていきなよ?」

ハンジはそういうと、紙幣を2、3枚ミカサに手渡した

ミカサ「ありがとうございます、分隊長。早速何か買ってみます」

ハンジ「うんうん、買っておいで…リヴァイ達は何やってるんだろ…あんなはしっこで…」

リヴァイ「…」
モブリット「…」カキカキ

モブリットがノートに何かを描いているのを、熱心に覗くリヴァイ

モブリット「…ふう、できました」

リヴァイ「おお、すげぇな…モブリット…」

モブリットのノートを見て驚くリヴァイ

ハンジ「何がすごいのぉ?リヴァイ」

ハンジがそんな二人に駆け寄ってきた

モブリット「マルシェの風景のデッサン画を描いてました」

リヴァイ「絵がうめぇ!!」

ハンジ「モブリットは右脳が発達しているからねぇ。芸術肌なんだよ…しかしほんと、うまいね!!」

モブリット「そうですかねぇ。適当ですが…」

ハンジ「天才だよ!!モブリットは!!」

リヴァイ「ああ、天才だな」

モブリット「…誉めても何も出ませんよ…お二人とも…」

誉められているのに、裏があるのではと素直に喜べず、後ずさるモブリットであった

ミカサ「分隊長ー買ってきました。見てください、これはなんですか?」

ハンジが見せたのは、拳大の大きさの、緑の野菜だった

ハンジ「ああ、それはアボカドだね。パンに挟んだりしたら超美味しいよ!!」

ミカサ「ハンジさん、これも見てください、さつまいもが凄く大きいんです」
ミカサはいつになく興奮気味で、目を輝かせている

ハンジ「確かに大きいね!!私たちがいつも目にするさつまいもの、ゆうに3倍はでかいよ!!」

ミカサ「はい!!」
ミカサは大きなさつまいもを両手で大事そうに抱えて、笑顔になった


モブリット「…」サラサラカキカキ…

リヴァイ「!!」

モブリット「…できました」

リヴァイ「うめぇな、ハンジが美人過ぎるが…」

ハンジ「何々!?何描いたの~?わお!!」

ミカサ「…恥ずかしい…こんな顔をしていましたか…私…」

モブリット「いい表情をしていたよ」

モブリットが描いたのは、さつまいもとパプリカを手に笑顔になっているミカサと、ハンジの姿であった

笑顔のミカサとハンジさんか
その絵見たいなぁ
続き楽しみ

>>534
私に絵が描けたらなあ…
レスありがとう

マルシェの中には、他にも土産物等が沢山売られていた
ハンジはその中の一角に立ち寄り、目を輝かせている

ハンジ「うわあ!!綺麗なパレオだなあ!!」

ミカサ「大きな布、ですね」

モブリット「手で染めてある様ですね…同じ色や模様のものが、一つとしてないですね」

パレオとは、大きな布を色とりどりに染め上げたもので、これを体に巻き付け、結ぶ事で、リゾート雰囲気満載のワンピースのようになる

ニューカレドニアの名物だ

ニューカレドニアはメラネシアン(肌の黒い、恰幅のよい人種)が多く、彼らはそういった、手で染められたシャツや布を纏うことが多かった

町も、カラフルな衣装を身に纏った人々が往来し、それを見ているだけでも飽きない

リヴァイ「…」
リヴァイは色とりどりのパレオを一枚一枚手にとって見ている

ハンジ「リヴァイ、綺麗だろ!?これをさ…こうして…」
ハンジはパレオをおもむろにリヴァイの体に巻き付け、器用にワンピースに仕立てあげる

ハンジ「こうすれば、かわいいだろ?」

ミカサ「兵長似合う」

モブリット「…」サラサラカキカキ…

リヴァイ「んなわけねぇだろ!!俺に着せんな!!お前らが着ろよ!?モブリット描くな!!」

モブリット「兵長じっとして下さい。デッサンが狂います」

リヴァイ「だから描くなと!!」

モブリット「…完成です」

モブリットのノートを覗くミカサとハンジは…

ハンジ「うわあかわいいリヴァイ!!ピンクのパレオを身に纏っているよ!!」

ミカサ「身長的には違和感がありませんしね」

リヴァイ「お前ら俺で遊ぶなよ!?俺じゃなくてな、ハンジとミカサが着りゃあいいだろうが」

ハンジ「それもそうだね、そうしようか、ミカサ」

ハンジ「それもそうだね、そうしようか、ミカサ」

ミカサ「私に似合うでしょうか。兵長に勝てそうにありません…」

リヴァイ「…んなわけねぇだろ!!よし、ミカサにはこれだ」

そう言ってリヴァイがミカサに渡したのは…

ミカサ「…綺麗」
赤と紫が綺麗にグラデーションになっているパレオだった

モブリット「ミカサには赤が確かに似合いますね。さすがは兵長。副官が似合うお色をご存じで」

ハンジ「何だかんだいいつつミカサをお気に入りのリヴァイ…あはは」

リヴァイ「ちっ、そんなんじゃねえ!!適当に選んだだけだ!」
リヴァイはプイッとそっぽを向いた

モブリット「…ハンジさんには、これですね」

モブリットがハンジに選んだのは、エメラルドとブルーのグラデーションのパレオだった

ハンジ「おお!!まるで南国の海のようだ!!ありがとうモブリット!!」

ハンジはそう言うと、モブリットの背中に覆い被さるように抱きついた

モブリット「こら。離れてください!!重いですよ!?ハンジさん!!」

ミカサ「…兵長、どうぞ私の背中に…」

リヴァイ「ミカサ馬鹿か!?何言ってやがる!!」

ミカサ「モブリット副長はハンジさをんを背に乗せています。ので、私はあなたを背に乗せます…副官として」

リヴァイ「あいつらは変態コンビだから真似しなくていいんだよ!!」

ハンジ「誰が変態だよ!?」

モブリット「そりゃ、あなたに決まってるでしょう。ハンジさん…」

モブリットは眉をひそめた

ミカサ「兵長もそれ、買うんですね。嫌がっていたわりには脱がないし…」

リヴァイのピンクのパレオをつんつんと引っ張るミカサ

リヴァイ「買わんわ!!忘れてただけだ!!」

ミカサ「かわいいのに…」

リヴァイ「可愛くねぇ!!むしろ可愛くなりたくねぇ!!ハンジ、脱がせろ!!」

リヴァイがそう言うとハンジは…

ハンジ「まっぱにしてあげるね!?とりゃぁぁ!!」
パレオを素早く剥ぎ取り、シャツまで脱がせようとした

モブリット「ちょっとハンジさん!?」

リヴァイ「パレオだけ脱がせろって意味に決まってんだろうが馬鹿メガネ!!」
リヴァイはハンジに、強烈な頭突きを食らわすのであった

リヴァイの身長をいじる度に吹くwww
ミカサは身長も高くスラッとしてるからパレオ似合いそうだな
エレンとアルミンにも見せてやりたい…エレンは一発でオチるかもしらん

>>541
身長…w
ミカサもハンジも背が高いから、きっと似合うよね

マルシェを後にした一行は、のんびり歩きながら《プチパリ》と言われるお洒落な町並みを楽しんでいた

リヴァイ「なあハンジ」

リヴァイは歩きながら何かに気が付いた様子で、ハンジの背中をつついた

ハンジ「ん?どうしたのリヴァイ。歩くの疲れた?おんぶして欲しいの?」

ミカサ「兵長は背丈の関係で疲れやすいのですか?」

リヴァイ「…んなわけねぇだろ!?なんか坂が多くねぇか?しかもかなりの傾斜だ」

ハンジ「そうだね、ヌメアは坂の街としても有名だよ」

モブリット「あの登り坂なんて、上った先が空しか見えないですもんね」

ミカサ「確かに…凄い坂ですね」

ハンジ「あの坂は、映画《天国に一番近い島》でも出てきた坂なんだよ」

モブリット「…」サラサラカキカキ…

リヴァイ「モブリットは絵日記描けそうだな」

モブリット「珍しいですからね…是非絵で残しておきたいです…完成」

全員でモブリットの絵を覗く

ハンジ「モブリットは何やらせても完璧だなあ!!」

ミカサ「兵長、私も副官、絵も勉強した方がいいでしょうか?」

リヴァイ「…したけりゃすりゃいいんじゃねぇか?描けることにこしたことはねぇしな」

ミカサ「モブリット副長!!私に絵を教えて下さい!!」
ミカサはモブリットに詰め寄った

モブリット「でも、絵なんてどうやって教えたら良いのかわからないよ…?」

困った表情のモブリットに、リヴァイがニヤリと笑って言う

リヴァイ「手取り足取り丁寧に教えてやればいいんじゃねえか?」

ハンジ「そうだね、絵だけじゃなくていろいろ教えてあげなよ、モブリット」

モブリット「…お二人とも!!にやにやなさらないで下さい!!」

モブリットは顔を真っ赤にして怒った

ヌメアの町をぶらぶら散策した一行

市街地の中心にある、おしゃれな公園に足を踏み入れた

ハンジ「この公園は、『ココティエ広場』市民の憩いの場になっているよ」

ミカサ「変わった木がありますね…赤い花を沢山つけている…」

公園には、南国らしい南洋やしや、ミカサが指差す真っ赤な花を沢山つけた木が、綺麗に植えられていた

ハンジ「ああ、あれはね、火炎樹(フランボワイヤン)だよ。緑の葉に、ああやって鮮やかな赤い花をつけるんだ。クリスマスみたいだよね」

ハンジは昼の陽気で、明るく眩しい公園を、目を細めて見やった

リヴァイ「観光客も多いな…噴水もあるぞ」

四人は噴水に足を運んだ

モブリット「美しい女性の像がありますね」

ハンジ「セレスト(天女)の像だよ。綺麗だよね。まあ私の魅力の前には見劣りするけどさあ!」

リヴァイ「…ハンジお前、眼鏡曇ってるだろ…?比べるのも失礼だぞ。天女と…」

モブリット「兵長に同意ですね。分隊長はまさか自分があんな風だと勘違いなさっているのでしょうか…こわいこわい」

ハンジ「ちょっとお!!私だって立体機動使わせたら、天女のようにふわりふわりと動けるじゃないか!?」

ミカサ「ハンジさんの立体機動は、ふわりというよりはバビュッという感じですね。後動きが読みづらいので、キテレツな動きに見えます」

ハンジ「誉められてるのか貶されてるのか、わかんないよ!?ミカサ!!」

リヴァイ「誉めてるわけねぇだろうが。立体機動の奇行種」

モブリット「兵長もある意味立体機動の奇行種ですけど…あ、いやいや、貴公子でよろしくお願いします!!」

リヴァイ「…ふん」

リヴァイは鼻をならした

公園でしばらくのんびり過ごし、昼食は軽く公園内にあるカフェテリアで摂った一行は、街のシンボルとも言える場所に行った

ハンジ「ここは、『セント・ジョゼフ大聖堂』だよ。大きくて美しい寺院だ」

リヴァイ「たしかにでかいな。鐘が塔のてっぺんに見えるな」

モブリット「たしか、先程のココティエ広場からも、この塔は見えていましたね」

ハンジ「ここはね、ニューカレドニアのカトリックの総本山なんだ。所謂信仰のシンボルだね。あの鐘は、左右の鐘塔に一つずつあるよ」

ミカサ「信仰…ウォール教みたいなものですか…?」
ミカサは怪訝そうな表情を見せた

ハンジ「ウォール教とは全然違うんだけど、なにかを信仰している、という事に関しては同じかな」

モブリット「中はどうなっているんですかね」

ハンジ「入ってみよう。あ、念のために言うけど、静かにしてね?奇声あげたりしないでね?」

口元に人差し指をあてるハンジ

リヴァイ「てめぇに言われたかねえよ、クソメガネ」

モブリット「ですね。一番奇声あげそうじゃないですか、ハンジさん」

ミカサ「私は奇声など、あげないです」


ハンジ「私がいつ奇声あげたんだよ!?」
ハンジは抗議するように言った

モブリット「常に奇声をあげてますよ、分隊長は…」

眉をひそめるモブリット

リヴァイ「モブリットが気の毒だな…」

ミカサ「モブリットさん大変そう…」

ハンジ「ひでえ!!皆して私をいじめてひでえ!!」

モブリット「日頃の行いが悪いんですから、仕方ありませんね」

ふん、とモブリットにそっぽを向かれた

ハンジ「モブリットなんかキライだ!!」

モブリット「はいはい、構いませんよ」

ハンジ「ムキーー!!」

リヴァイ「おっ、痴話喧嘩が始まりそうだ」

ミカサ「痴話喧嘩…どんな喧嘩なのかな…」

ハンジ「…喧嘩なんかしないよ!!さっさと中に入ろ!!」
つん、と顔をモブリットから背けて、寺院の中に入って行った

大聖堂の中に一歩足を踏み入れると、明らかに外の空気とは違う、神聖な何かを全員が感じた

モブリット「なんだか、身が引き締まる気がしますね…」

静かに呟くようなモブリットの低い声は、大聖堂の天井にまで届くくらいに響いた

ミカサ「これは、何ですか…?」
ミカサが目にしているのは、大聖堂の入口付近に鎮座している、おおきな貝殻だった
中に水が入っている

ハンジ「それは、『聖水盤』だね。その貝は、シャコ貝。大きいだろ?海にはこんな大きな貝が生息しているんだ」

ミカサ「海って、凄いんですね」

ハンジ「ああ、そりゃあ母なる海なんて言われるくらいだからね。全ての生物の源だから…」

ハンジは天を仰いだ

リヴァイ「喧嘩していたのも忘れるだろ、ハンジ」

ハンジ「…だから喧嘩してなんかいないって…」

ミカサ「痴話喧嘩…もっと見たかったりして…」

ハンジ「ミカサ!?リヴァイの意地悪な所までうつされたんじゃないの…?副官になって」

ハンジは眉をひそめた

ミカサ「痴話喧嘩の相手のモブリット副長は…」

ミカサが視線を巡らせると、三人とは離れた位置にある、礼拝用の椅子に腰かけているモブリットが見えた

リヴァイ「なんだか神妙な顔つきで筆を走らせてるな…モブリット」

ミカサ「そうですね」

ハンジ「書きおわるまで、そっとしておこう」

ハンジはちらりと副官に目をやって、小さく呟いた

しばらく聖堂の中を見物した3人
モブリットはまだ絵を描いている

リヴァイ「俺は外に出てるぞ…?おいミカサ、行くぞ」
ミカサ「はい、兵長」
リヴァイはミカサを連れて、一足先に外に出ていった

残されたハンジは、そっとモブリットの背後に歩み寄った

ノートに描かれていたのは、美しいステンドグラスに飾られた、大聖堂の正面だった
軽く色鉛筆で色もつけていた

ハンジ「綺麗だね、ステンドグラス」
背後から声を掛けると、モブリットは後ろを振り返った

モブリット「そうですね。綺麗でしたので思わず集中して描いてしまっていました」

そう言うと、パタンとノートを閉じた
ハンジ「もういいの?」

モブリット「はい。お待たせしてすみませんでした」

モブリットは頭を下げた

ハンジ「モブリットは絵を描くのが好きだよね、上手いし」

自分より少し背の高い副官の顔を覗くハンジ

モブリット「まあ、お金の掛からない趣味ですから」
モブリットははにかんだような笑顔を見せた

えっ…なんかドキドキする
良い感じじゃないか

>>554
うん…どうしよ

兵長といい感じのターンもあってどっちつかずで引っ張ってほしい気持ちもあり
リヴァミカも期待したい気持ちもあり

>>556
意見さんくす
どうなるかわからんが、見守ってて
考えるわ

リヴァミカ、リヴァハン好きな自分はどちらに転がっても美味しい
ちなみにエレミカも好きだ

>>558
意見さんくす
参考にするよ、皆ありがとう

リヴァミカって創造つかんなぁ…
頭が固いのかな
帰ったらミカサはエレンに寝返ってリヴァイ失恋の流れしか見えないwww

そもそもミカサって15歳だよね?
まぁ、ハンジさんがアラサーの大人かと言うとそれもまた議論の余地アリだがw

>>560
>>561
カップル談議は難しいよね
私にはミカサが15には見えなくて
でも15なんだが
とりあえず続き書いてくので、見守って下さい
正直こんなに見てくれてると思ってなくて嬉しい
…おっと、したらばの雰囲気をみだしちまうからここまで…

ヌメアの町巡りを終え、ホテルに帰ってきた一行

ハンジ「今から、これに着替えてきて」

ハンジが全員に紙袋を手渡した

リヴァイ「何だこれ…スーツか」

ハンジ「ああ、いまからフレンチレストランに行くからね。カジュアルな服装ではだめなんだよ。その後に行く所も、正装でなきゃだめなんだ」

リヴァイ「フレンチってあれか。オーストラリアの時にエルヴィンが行きたがってた…」

ハンジ「そうそう。折角フランス領に来たんだし、一回くらいフランス料理のフルコースを味わってみたくてね」

ミカサ「私の服は、赤いですね」

ハンジ「カクテルドレスだよ。ミカサに似合うと思う」

モブリット「ミカサは美人だから、何を着ても似合いそうだね」

そう笑顔で言うモブリットに、ミカサは頬を染める

ミカサ「美人…なんかじゃない…ですよ」
しかしその頬を染めた様子は、誰が見ても美しいと言うような表情だった

いいなぁ可愛いな皆

>>564
可愛いといってくれて嬉しい

ルサーフヌメアホテル内にある、『LA COUPOLE(ラ・クーポール)』というフランス料理店に、一行の姿はあった

老舗のフランス料理店に相応しく、客はみなきっちりと、スーツにネクタイ、女性はカクテルドレスやイブニングドレスを身に纏っていた

ハンジは、肩が大きく開いた、足首まで隠れるイブニングドレスを着ていた

すらりとした体型に見事にマッチした装いのせいか、普段はあまり見せないような大人の女性の色気を醸し出していた

ミカサは赤色の、膝下丈のカクテルドレス
こちらも適度な肌の露出が、彼女の美しさをより際立たせている

一方男性陣も負けてはいない
普段は兵服に身を包むべき、鍛えられた肉体を燕尾服にきっちり収め、ドレスコードといえる黒い蝶ネクタイでまるで隙がない

格好だけは一人前の上流階級になったのだが…

リヴァイ「おいハンジ、お前肩出しすぎだろ…?胸も見えかかってるじゃねえか!?背中はまる見えだし…」

ハンジのドレスが肌の露出が多い事もあり、いらぬ心配をするリヴァイ

ハンジ「リヴァイはいつもそうだよね?ビキニを着ても隠せっていうしさ。そんなこと気にしてる方がスケベだと思うよ」

腕を組み、ふんと鼻をならすハンジ

リヴァイ「見たくもねぇのに見せてるから気分がわりぃんだよ!!」

リヴァイは顔を紅潮させて怒った

ハンジ「別に見せても減らないし、いいじゃないか」

リヴァイ「ああ勝手にしろ!!」

ミカサ「兵長はハンジさんの格好の何処が気に入らないの…?とても、綺麗なのに…」
ミカサはハンジの普段とは全く違った雰囲気に、うっとりしていた

モブリット「確かに肌の露出が多いですが、まあたまにはよろしいのでは、兵長。目の保養をさせていただきましょう」

モブリットは、不機嫌そうなリヴァイの肩をポンと叩いて言った

リヴァイ「…ふん」
そう呟いたリヴァイの顔は、心なしか紅く染まっていた

美女二人の姿が思い浮かんで…たまらんな
モブリットの燕尾服もカッコ良さそう
だがリヴァイは…七五三や…

>>568
七五三w吹いた

せめてあと10㎝…
(それでもヒール履いた女性陣のが高い…)

>>570
朝から吹いたわw

食前酒のベリーニを堪能しながら、アミューズのスモークサーモンのクリーム添えを口にする

ミカサはお酒を飲めないため、桃のジュースを飲んでいる

リヴァイ「酒とスモークサーモンはよく合うな」
ベリーニをちびちび飲みながら、すでに顔が赤いリヴァイ

ハンジ「リヴァイもう顔が赤いよ」
ハンジが口角をほんのり上げて微笑んだ

ミカサ「兵長は身長のせいか、体にアルコールがすぐにまわってしまう。あまり飲まないで…下さい」

ミカサは神妙な面持ちをリヴァイに向けて言った

リヴァイ「ミカサ、てめえさりげなくちびをアピールすんな!!」

ミカサ「…だって、本当にちびでしょう…だからお酒も回りやすい…」

リヴァイ「酒の弱さに背丈は関係ねえよ!!」
リヴァイは不機嫌な顔をミカサに向けて、吐き捨てるように言った

モブリット「兵長もミカサも、折角のフレンチなんですから、喧嘩なさらず…」

大喧嘩になりそうな所を、モブリットが慌てて割って入ったのであった

面白いぞ乙

リヴァイ「これ、凄く旨いな」

リヴァイはフォークとナイフを器用に扱いながら、上品に食事を楽しんでいる

ハンジ「それはフォアグラのソテーだね。この店自慢の一品らしいよ」

モブリット「この、カニのクリーム煮も美味しいですね。明らかに兵舎の食堂の料理とは味が違う…」

ハンジ「当たり前だよ、値段が違うもん。高級レストランだよ」

ミカサ「エレン達にも食べさせてあげたい…」

ミカサはそう言いながら、エスカルゴをほじくりだしていた


リヴァイ「ミカサの触ってるやつは俺はいらねぇ、気色わりぃ…」

リヴァイはエスカルゴを見て顔をしかめた

ミカサ「兵長、好き嫌いはいけない。見た目では味はわからない…ので、食べて」

ミカサは自分がほじくりだしたエスカルゴの中身を、リヴァイの皿に乗せた

リヴァイ「げっ…気色わりぃ…いらねぇって言ってるだろうが…」

ミカサ「好き嫌いばかりしているから、背丈の伸びが止まったんだ…兵長は…」

口角をあげ、ほくそ笑むミカサ

リヴァイ「俺の背丈は遺伝だ!!」

ミカサ「では、きっとご両親も好き嫌いが多かった…はず」

リヴァイ「うるせぇクソガキ!!」

ミカサ「…ち、び、兵長」

ハンジ「仲良しだねぇ」
モブリット「そうですねえ」

リヴァイとミカサの様子を、目を細めて見やるハンジ達であった

ハンジ「エスカルゴほじくるの面倒くさいな…モブリット、剥いて」

自分のエスカルゴの皿をずいっとモブリットの前に移動させたハンジ

モブリット「分隊長、それくらいご自分でやって下さいよ…」

といいつつ、ハンジの皿のエスカルゴの処理に取り掛かるモブリット

リヴァイ「モブリットは副官の鑑のような奴だな」

リヴァイが感嘆の声をあげると、ミカサは首を傾げた

ミカサ「副長はただハンジさんに甘いだけだと思う…」

リヴァイ「確かにそうかもしれねえな…」

リヴァイも頷いた

モブリット「さあ、剥けましたよ。分隊長」

モブリットが皿をハンジの方に戻そうとした時…

ハンジ「食べさせて?あ~ん」

ハンジはモブリットの方を見て、大きく口を開けた

モブリット「ちょっと!分隊長何考えてるんですか!?」

後ずさるモブリット

ハンジ「あ~ん」

モブリット「ご自分で食べて下さいよ!?」

ハンジ「一個だけ、あ~ん」

モブリット「分隊長!!あーっもう!!」

モブリットは皿から一つ、エスカルゴをフォークに突き刺して、ハンジの口に入れてやった

ハンジ「おいし~い!!」

モブリット「…はぁ」

モブリットはため息をもらした

ミカサ「…」
ミカサはおもむろに、フォークにエスカルゴを突き刺した

ミカサ「はい、兵長。あ~ん」
そしてそれを、リヴァイの口元に持っていった
至極真面目な顔つきで…

リヴァイ「ミカサ!!てめぇなに考えてやがる!?」
リヴァイは眉をぎりぎりまで引き絞り、後ずさった

ミカサ「副官らしい振舞い…」
じりじりフォークをリヴァイに近づけるミカサ

リヴァイ「ちげぇ!!あんなの真似すんな!!後、エスカルゴ気色わりぃ!!」

ミカサ「兵長、好き嫌いは、いけないと言った、はず!さあ口を開けて」

リヴァイ「死んでも開けるか…ムグ」

リヴァイの言葉を遮り、エスカルゴを口に押し込んだ

ミカサ「…勝った…」
ミカサは小さく呟いた

モブリット「…」サラサラカキカキ…

ハンジ「リヴァイの可愛い姿上手く描けてるな、モブリット。あ~んしてるし」

リヴァイ「てめぇモブリット、描くなばかが!!」
リヴァイの悲鳴に、回りの客が視線を一行に集中させたのであった

リヴァイ「これは何の肉だ?あっさりしていながらも旨味がある。なかなか旨いな」

リヴァイはマナーよく綺麗に皿の上の料理を片付けている

ハンジ「それは鴨のローストだね。『マグレ・ド・カナール』と呼ばれる料理だよ。さっきのフォアグラを取り除いた部分の、むね肉をローストしてあるんだ」

モブリット「しかし、兵長はフレンチのマナーがばっちりですね。ナイフとフォーク使いも綺麗で上品ですし…」

ミカサ「ほんとに意外…兵長は手掴みで食べると思っていた…野性的だし…」

リヴァイ「誰が野性的なんだよ誰が!?」
リヴァイは目くじらを立てた

ハンジ「確かにリヴァイは育ちが良さそうだけどねぇ…出身聞いても一切話そうとしないから、謎だよねえ」

じーっと探るような視線をリヴァイに浴びせるハンジ

リヴァイはぷいっとそっぽを向いた

リヴァイ「何処で生まれようが、関係ねえだろうが」
と、呟くように言った

ミカサ「これは肉ですね…綺麗に削いで食べよう…」
カチャカチャと牛フィレ肉のローストを切ろうとするが、上手くいかないミカサ

見かねたリヴァイが、自分のナイフとフォークでミカサの肉を綺麗に一枚削いでやる

リヴァイ「いいか、お前みたいに上からぐいぐい押したら肉が潰れちまう。奥から手前に、引くように切るんだ」

ミカサ「はい、兵長」
ミカサは素直に頷いた

リヴァイ「それからな、肉を切るときは、左からだ。後、めんどくさいからといって、あのクソめがねみてえに先に肉を全部切っちまってはだめだ。肉が冷めやすくなるし、見た目も汚い」

ハンジ「これダメなのか!!」
ハンジは肉を全部一口サイズに切ってから食べていた

リヴァイ「駄目じゃねえが、あまり誉められた食べ方じゃねえな。まあ、基本は楽しく美味しく食事ができたらそれでいいんだがな」

リヴァイはそう言うと、牛フィレ肉の駆逐に取り掛かった

フランス料理に舌鼓を打った一行は、ホテルに併設されているある施設に足を踏み入れた

ハンジ「ここはね、カジノなんだ!!今日は人間辞めてる動体視力の持ち主二人に、カジノでガッポリ稼いでもらって、旅費に充てるというすっばらしい作戦を実行するよ!!」

握りこぶしを振り上げ、気合い十分のハンジに、リヴァイが弦のような眉をひそめる

リヴァイ「人間辞めてるって…だれがだよ、お前だろ、ハンジ」

ハンジに鋭い視線をむけた

ハンジ「いやいや私は人間!辞めてるのは君たち黒髪コンビに決まってるじゃないか!!」

ミカサ「私は人間…!」

ハンジに剣呑な眼差しを向けるミカサ

モブリット「ま、まあまあ二人とも。兵長とミカサが普通の人より随分優れている、という事なんですから…喧嘩なさらないように…」

またまたハンジを庇う忠実な副官殿であった

ハンジ「ミカサはここまでしか入れないから、モブリットとここでスロットで稼いでおいてね?」

ミカサ「やり方がわかりません、ハンジさん」

モブリット「私が解るから、大丈夫だよ。やってみよう、ミカサ」
モブリットはミカサの肩をぽんと叩き、そう言った

ハンジ「あっ、ちなみに、ミカサとリヴァイ、どちらが稼げたかを勝負してね!?じゃあ私たちは中に行こう」

ハンジはリヴァイを連れて、未成年者立ち入り禁止エリアに足を踏み入れた

スロットマシンの前にて…
モブリット「…ミカサ、また、入ったよ…」
モブリットが震えていた

ミカサ「…ここだ…ぽん…ぽん……ぽん」
チャラララ~
ジャラジャラジャラ…

ミカサは7を揃えまくって元金をみるみるうちに増やしていた

モブリット「凄い集中力…」

ミカサ「ぽん…ぽぽん…」

口でぽんぽんと言いながらボタンを押すミカサ

ミカサがスロットを回す度にコインが大量に排出され、あっという間に持ちきれないほどに溢れかえるコインの山が出来た

辺りの人々が、集まってきて歓声をあげていた

一方ハンジとリヴァイは…

ハンジ「また一目掛け!?」
二人はルーレットの前にいた

ディーラーがルーレットを回して、玉を投げ入れるのだが、その玉がルーレットが止まった時点で何処に入っているかの、数、色、数字の大小…によって配当がきまるゲーム

リヴァイはディーラーが投げ入れてしばらくルーレットを鋭い目付きで見て、おもむろに一目掛けという、一番配当の大きい賭け方をしていた

リヴァイ「…きただろうが」

ハンジ「…す、凄い…きたこれ…」

リヴァイの一目掛けは、ことごとく的中

他の客もついつい手を止め、ディーラー対リヴァイの一騎討ちの様相を呈していた

ルーレットを回して玉を投げ入れてから賭ける、後賭けが可能だったため、リヴァイに隙はなかった

それからも容赦なく勝ち続け、元金が百倍以上になった時、ディーラーが参りましたサインを出してきたのだった

ルーレット台をなかば追い出された形の二人だったが懐が暖かくて、浮き足立っていた

ハンジ「これで豪遊できるねえ~」

リヴァイ「半分は貯金だ。こっちに口座作っとけよ、ハンジ」

ハンジ「えー、全部使おうよお!!貯金てなんだよ、男らしくないなあ」

ふて腐れるハンジ

リヴァイ「こんなに使わねえだろうが。次の旅行費にとっとけ。後はエルヴィンにも少し送っとけ。調査兵団の資金になるだろ」

ハンジ「リヴァイはこんな時にも仕事かあ…」

リヴァイ「俺たちが遊んでいる間に働いている奴らがいるんだから、当たり前だ。後な…奴に貸しを作るのも、悪くねえだろうが」

ハンジ「確かにそうだね、じゃあ次の旅行費と、調査兵団に寄付って形で 10分の1を…」

リヴァイ「半分だ」

ハンジ「はぁい」

じと目で睨まれて、肩を竦めるハンジであった

ハンジ「おおっ、ミカサ達!」

未成年者立ち入り禁止エリアから出たハンジとリヴァイの目に、人だかりが見えた

真ん中ではミカサがスロットを叩いていた

モブリットがハンジ達に気がつき、駆け寄る

モブリット「ミカサが爆発しまして、元金が百倍をゆうに越えました…」

ハンジ「ミカサもか!!やっぱり!」
ハンジがガッツポーズをした

リヴァイ「ちっ…」

勝負がかかっていた事を忘れて、舌打ちをしたリヴァイ

ハンジ「モブリット、ミカサを止めてきて、もう十分だ。換金してずらがろう!!」

モブリット「ずらがるって…犯罪者みたいですよ…分隊長」

肩を竦めて、ミカサを呼びに行ったモブリットであった

ホテルの部屋に帰る最中、四人はカジノでの儲けについて語り合っていた

ハンジ「今回は、同点だね。リヴァイは途中で降参宣言されちゃって、続けられなかったんだよ」

ミカサ「私だって止められなかったら、もっとやれた…はず」

ミカサは悔しそうに俯いた

リヴァイ「…ちっ。いいさ、俺の負けにしとけ。稼いだ額は少し負けたんだからな、俺が」

リヴァイのその言葉に顔をあげるミカサ

ミカサ「兵長に、勝った!?」

リヴァイ「ああ、勝った」

ミカサ「兵長が、私に、負けた?」

ミカサは目を輝かせ、リヴァイの顔を覗いた

リヴァイ「…ちっ、しつけえぞ、お前」

眉をひそめるリヴァイ

ミカサ「身長以外で、兵長に勝った…」

ミカサは満足そうに微笑んだ

リヴァイ「…ちっ…」
リヴァイは盛大な舌打ちをしたが、不思議な事に、機嫌が悪くはならなかった

本当面白い
人間辞めてる動体視力ワロタ

>>573
ありがとう!!

>>587
ありがとう!
笑てくれて嬉しい

ホテルの部屋に帰還し、早速ベッドダイブをするハンジ

ハンジ「あ~今日は楽しかったなあ!!」

モブリット「分隊長、とりあえずドレスが皺になりますから、着替えて来てくださいよ、先に…」

モブリットはハンジの着替えをすでに部屋を出る前に仕度しており、抜かりはなかった

ドレスのままベッドでごろごろしている上官の上に、着替えをぽんと置いた

ハンジ「うーん、めんどくさいねえ」

渋る上官に、眉をひそめるモブリット

モブリット「あなたは一応女性ですよね?でしたらもう少し女性らしくなさってはいかがですか…」

ハンジ「女らしい私なんて私じゃなくなっちゃうよ」

モブリット「…とにかく、着替えて来てください」

モブリットは、しつこくベッドでごろごろしているハンジの手をとり、引っ張りあげた

ハンジ「はいはい、わかりました。あ~うるさい副官だよ…」

モブリット「さっさと行きなさい!!」

モブリットの声に追い立てられるかのように、着替えに行ったハンジであった

一方、リヴァイ・ミカサ組の部屋は…

ミカサ「……」カキカキカキ…

すでに寝間着に着替えたミカサが、机に向かって何かを一生懸命書いていた

リヴァイ「ミカサ、何書いてるんだ?」

後ろから覗くリヴァイに気が付き、慌てて隠すミカサ

ミカサ「兵長、覗かないで…エッチ…」

リヴァイ「はぁ!?何を言ってやがるんだ。頭おかしいんじゃねえかお前」

リヴァイは眉を限界まで引き絞った

ミカサ「覗かれたらこう言え、と指示が…いえなんでも…」

ミカサはついっと視線を遠くに移動させた

リヴァイ「ミカサお前…昼間から指示だのなんだの、誰がそんなふざけた指示を…って決まってるか…奴だな」

リヴァイははぁ、とため息をついた

ミカサ「兵長、団長に向かって奴、などと言ってはいけません…ってあっ…」

リヴァイ「団長って言っちまってるじゃねえか…詰めが甘い奴だな…お前」

呆れたように肩を竦めるリヴァイであった

リヴァミカいいなリヴァハンもいいな
どっちに転んでもウマウマです

こっちもあっちも楽しみにしてる!

>>591
どっちに転ぶか…

>>592
ありがとう!!

ミカサ「兵長、私は毎日日記を書くように言われている…ので、覗かないで欲しい、です。集中出来ない」

リヴァイ「ちなみにどんな内容なんだ?」

口下手なミカサの日記が気になるリヴァイは、素早くそれを奪おうと手を伸ばす

ミカサ「兵長!だめ!!」
寸前の所で日記を自分の胸に抱え込むミカサ

リヴァイ「見せたくないとは、やましいことでも書いてやがるのか…?ミカサ」

ミカサ「人の日記を覗くなんて、兵長の人格を疑う…元から疑っているけど…」

ちくっとリヴァイに鋭い視線を送ったミカサ

リヴァイ「お前の人格の方が疑わしいわ!!」

ミカサ「兵長には負けます…疑わしいさでは…」

リヴァイ「俺は品行方正だ!!」

ミカサ「兵長、意味わかってないでしょ?」

結局喧嘩になる二人であった

ハンジ「皆さんおっはー!!よく眠れたかな!?」

ハンジの元気の良い声が、爽やかなヌメアの朝に響き渡る

ミカサ「おっはー…」
少々恥ずかしげにハンジの真似をするミカサ

モブリット「おはようございます。ミカサ、おっはーはもう少し元気よく言ってはどうだろう?恥ずかしがらずに」

モブリットが爽やかな笑顔でミカサにアドバイスを送った

ミカサ「おっはー!!…こんな感じでしょうか、モブリットさん」

顔を赤らめながらおっはーしてみるミカサに

ハンジ「ミカサ、可愛いよぉ~食べちゃいたいよぉ~!」
と言いながら抱きついて頬擦りするハンジであった

リヴァイ「…おっはー…ねみぃ…」
反対に、元気に言うつもりもないリヴァイは、目を擦りながら呟くように言った

ハンジ「今日は船で離島に行くよ!?リヴァイ、起きなよ!?」

ミカサの肩に頭をコツンと乗せて、目を閉じるリヴァイ

ミカサ「兵長?!」
ミカサの声が届いたかわからないが、スースーと寝息をたてはじめたリヴァイ

モブリット「昨夜あまり眠れなかったのでしょうか…」

ハンジ「気持ち良さそうに寝てるねぇ…起こすのが可哀想」

ミカサ「ど、どうしたらいいですか…?」
狼狽えるミカサに、ハンジがにっこり笑った

ハンジ「そりゃぁ、ドロップキックで起こすべきだろ?」

モブリット「あんた何言ってるんですか!?」

ミカサ「王子さまがキスをすれば、寝てる人を起こせるよと、アルミンが前に教えてくれた…」

ハンジ「じゃあ、モブリットやってあげて!?さあはやく!!」

モブリット「嫌ですよ!!そんな趣味無いです!!」

モブリットの悲鳴で、リヴァイは目を開けたのであった

リヴァイ「あぶねえ所だった…男のキスで起こされる寸前だった」
ぶるっと身を震わせるリヴァイ

モブリット「兵長!!そんな事しませんって!!」

ミカサ「モブリットさんはわからない。ハンジさんに命令されたら何でもやる…ので、面白がるハンジさんならきっと兵長へのキスを命ずるはず…ので…」

モブリット「命令されてもやらないって!!」

ハンジ「ミカサがすごく饒舌になってるねえ」

リヴァイ「これも旅の解放感かもな」

四人は船着き場に向かう道すがら、そんな会話をしていた

途中で、朝食がてらサンドイッチ屋に立ち寄った

ハンジ「生ハムと野菜のサンドイッチだよ!!」

ハンジが手渡したのは、サンドイッチ…というよりは、長いフランスパンのサイドに切れ目を入れて、その間に生ハムや野菜、ソースをサンドした物だった

モブリット「我々が思っているサンドイッチとは全然違いますね」

ハンジ「フランス領だからね、サンドイッチもフランスパンなんだろうね!!丸ごと一本のフランスパン、結構ボリュームあるだろ?」

ミカサ「これ、凄く美味しい」

リヴァイ「ほんとに旨いな。パンがかてぇが、この歯応えがまたいい」

四人はフランスパンのサンドイッチを食べながら、船着き場に向かった

タクシーボートに乗って約15分、『メトル島』に到着した

ここは最近一島一リゾートとして新しくホテルがオープンし、そのホテルは5つ星として名高かった

ミカサ「一面海…綺麗…」
桟橋から海を眺めるミカサは、はじめて間近に見る海に、瞳を潤ませていた

ハンジ「とりあえず、ホテルにチェックインした後、海で遊んだりしよう!!ホテルもすっごい滾るからね~!」

桟橋を渡ると、直接ホテルロビーに繋がっている

この島は一周歩いても20分程の小さな島で、回りを美しい珊瑚礁と、白い砂浜に囲まれている

ホテルのロビーでハンジが受け付けをしている間、ロビーのソファにゆったり腰を落ち着けるリヴァイは、さすがに前回のオーストラリア旅行を体験しているだけあってか、落ち着き払っている

一方…
ミカサ「ちょっと待って、海って何処まで続いているの…?信じられない!!」

モブリット「本当だね!!まるで夢の世界のようだ…」

目を輝かせてあちらこちらで歓声をあげている二人

ミカサ「モブリットさん!!あの白い浜にいる黒い物体は何でしょう!?」

モブリット「いやあ、わからないけど、大きな芋虫に見える…沢山いるね」

ミカサ「後で調査します。日記に書かなきゃ…」

モブリット「私も一緒に行こう。珍しい物もスケッチしておきたいし…」

ハンジ「お待たせ!二人とも楽しそうだね!あの黒いのはなまこって言う生き物だよ。ホテルができる前はもっと沢山いたらしいけどね」

リヴァイ「あれみたいだな、ほら、風の谷のナウシカの、オーム…」

ミカサ「何ですか、その例え…わからない…」

ハンジ「リヴァイもこっちの世界にちょっと詳しくなったよね」
ハンジはくすくすと笑った

ハンジ「ここは、《パークロイヤル エスカパード アイランド リゾート》というホテルだよ!!今日泊まるのは、その中でも一番人気、水上コテージなんだ!!」

ロビーの右手通路を進むと、バーが併設されたプールがあり、そのプールを抜けると、桟橋の様な通路が海に延びており、その中程あたりから、水上コテージが並んでいた

リヴァイ「水の上の部屋か。斬新だな」

ミカサ「海の音が聞こえる部屋…」

モブリット「テンションあがりますね!!すごい部屋ですよ…部屋というか、小さな一軒家と言った感じですね!!」

ハンジ「しかも、その中でも一番人気の、一番端の、一番島から遠い部屋を予約できたからね!!」

ハンジに導かれて、水上コテージに向かった

ハンジ「じゃ、部屋で水着に着替えたら、そっちの部屋に呼びに行くね?」

リヴァイ「って、また二人部屋かよ!?」

ハンジ「うん。水上コテージは二人用なんだ。カップルや夫婦に人気だよ!!」

ミカサ「カップル…?兵長とですか…?冗談…」

リヴァイ「こっちが言いたいセリフだ!!くそガキ!!」

とりあえず部屋に入室した一行であった

ハンジ「うわっ!!凄い部屋だ!!大きいベッド?」

ハンジは部屋に入るなり、キングサイズのベッドにタイブした

モブリット「ハンジさん、喜ぶのはいいですが、兵長とミカサを待たせては申し訳ないですし、先に水着に着替えて下さい」

モブリットは、ハンジの荷物から水着とパレオを取り出して、寝転ぶハンジの上に置いた

ハンジ「モブリット先に着替えておいでよ?それとも着替えさせてあげよっか?!」

モブリット「…遠慮しておきます」
ぼそっと言うモブリット

ハンジ「そっかぁ、残念!!」
ハンジはにやりと笑った

モブリット「先に着替えてきますから、少々お待ちくださいね」
はぁ、とため息一つついて、洗面室に向かったモブリットであった

一方人間辞めてるコンビは―
ミカサ「兵長、見てください!!部屋から直接海に出られる…」

素早く着替えを済ませ、ハンジの用意したセパレートタイプのふりふり水着を着用したミカサは、コテージのサンデッキから海へと続く階段に座り込んでいた

二人のいる部屋は、一番先にあるため、視界は一面海…何も遮る物はない

リヴァイ「おい、ミカサ。お前これは着ねえのか?」
コテージからサンデッキに出てきたリヴァイが手に持っているのは、昨日マルシェでリヴァイが選んでやった、赤と紫のパレオだった

ミカサ「あ、私は…自分でやり方がわからなくて…ので、ハンジさんが来たら着せてもらおうかと…」
立ち上がり、困ったような表情をするミカサ
普段はあまりみない表情だ

リヴァイ「適当に巻いてやるよ」
リヴァイはそう言うと、おもむろにパレオをミカサの体に纏わせはじめた

数ヵ所結んで、一枚の布はふわりとしたワンピースに早変わりした

ミカサ「兵長器用…意外です」

リヴァイ「パレオ買ったときに、説明書きが店に貼ってあったからな…」

ミカサはくるりと体を一回転させた
パレオの裾がふわりと膨らむ

ミカサ「…かわいい」

リヴァイ「ま、そんなもんだろ」
リヴァイは鼻のあたまをポリポリと書いた

>>600
一応ほのぼの系を目指してます

このスレのミカサ本当可愛いなぁ

モブリットとハンジ、兵長とミカサが相部屋なんだな
これは一波乱ありそうだ

>>605
嬉しい、可愛く書いているつもりなので…

>>606
今回は部下上司で相部屋になってますね、今の所

イザベルを重ねているとは言わないが、
リヴァイは歳の離れた女子には何だかんだ優しいイメージ
ペトラしかり今回のミカサしかり

可愛い兄妹みたいでいいな

>>608
ああ、ほんと、私が目指してるのがまさにその通りなんだ
うまくまとめてくれて嬉しい

ハンジ「二人ともお待たせ?!」
ハンジは人間辞めてる組の部屋に、ノックもせず突入した

モブリット「ハンジさん!!ノックくらいして下さいよ!?」
モブリットの咎めるような声を無視して、ハンジはつかつかと部屋の奥に移動する

リヴァイ「クソメガネ、ノックくらいしやがれ、馬鹿が」
リヴァイは、サンデッキからコテージ内に顔だけひょこっと出して、吐き捨てるように言った

ハンジ「サンデッキから眺め最高だろ!?」
ハンジたちもサンデッキに出た

ミカサ「ハンジさんとモブリットさん、本当に凄いです…海」

ミカサはチラッと二人を見てそう言ったが、また視線を海に投げた

ハンジ「ミカサ、パレオ可愛く結べたね♪凄いよ!!」

ハンジはミカサのパレオの裾をふわっと触って言った

ミカサ「兵長が着せてくれました」

ハンジ「なんと、意外だなあ。というか、リヴァイってほんとは優しいだろ、ミカサ?」
ハンジはにっこり笑って微笑んだ

ミカサ「まあ、そうかも…」
リヴァイ「優しくねえ!!」

モブリット「兵長が照れてますね」
モブリットの言葉を聞くや否や、リヴァイはヘッドロックをかけたのだった

モブリット「げほっげほっ…死ぬかと思った…」

やっとヘッドロックから解放され、咳き込むモブリットに、ハンジはぽんぽんと背中を叩いてやっている

ハンジ「モブリット大丈夫~?リヴァイは都合が悪くなるとすぐにヘッドロックかけてくるから、注意しなよ!?ほんと死ねるし」

リヴァイをちらりと横目で見てそう言った

リヴァイ「うるせえクソメガネ!!」

ミカサ「兵長はやっぱり乱暴者…優しいは撤回…です」

ミカサもちらりとリヴァイを見た

リヴァイ「うるせえクソガキ!!」

ミカサ「クソしか言えない…チビ兵長」
ふふ、と鼻で笑うミカサに、リヴァイは激昂する

リヴァイ「ちび兵長ってなんだ!?」

モブリット「ちび兵長…なんだか可愛らしい…」

リヴァイ「あぁ!?なんか言ったかモブリット!?」

モブリット「いえいえ空耳ですっ!!」
あわてて敬礼をするモブリットであった

ハンジ「よーし!!今日は早速海に行こうか!!まずは…」

ミカサ「ハンジさん、私はさっきの黒い…イモムシみたいなのを見に行きたい、です」
ミカサがハンジの言を遮り、そう言った

リヴァイ「オームって言うんだ、あの黒いのはな…」
人差し指をたて、ミカサに優しく教えてやるリヴァイ

ミカサ「オーム…メモメモ」
ミカサは熱心にメモをとった

ハンジ「違うだろ!?嘘を教えるなよ!?リヴァイ!!」

リヴァイ「…ちっ」
ミカサ「兵長!!嘘…なんですか!?」

モブリット「兵長って、意外とお茶目なんですね」

リヴァイ「ばかいえ、俺はもともと結構おちゃm…グフッ…」
リヴァイにどすっと手刀を落とすハンジ

ハンジ「言わせね~よ!!」
リヴァイ「ってぇなあ…」

ミカサ「ハンジさんが兵長に突っ込む…珍しい光景」

モブリット「これも旅の醍醐味だね」

結局海の前に、黒いオーム…ではなく、なまこを見に行く事にしたのだった

水上コテージの桟橋横のビーチに足を運んだ一行

ハンジ「ほら、沢山いるね、見ておいで?」

ミカサ「触っても平気ですか?」

リヴァイ「オームはな、怒らせたら赤くなって襲ってきやがる、気を付けろよ、ミカサ」

眉をひそめるリヴァイに、ミカサが頷く

ミカサ「わかりました、兵長」
ミカサは素直に頷いた

ハンジ「だからオームじゃなくてなまこだってば!!またリヴァイは嘘を教えて!!」

ミカサ「兵長は嘘ばかり教える!!信用できない!!チビだし!!」

リヴァイ「信用問題と背丈は関係ねえ!!ガキ!!」

お互い掴み掛かる人辞めてるコンビを、なんとか引き離そうとするハンジをよそに…

ビーチに座り込んで、なまこを凝視しながらスケッチするモブリットであった

モブリットはお絵かき好きなんだね
続き楽しみ

>>614
いつもありがとう!!頑張ります♪

ミカサ「つんつん…つんつん…」
砂浜にしゃがんで、一心不乱に黒いなまこをつつくミカサ

なまこを見たことがない方に詳しく解説すると…
いや、食事中の方がいてはいけないので止めておこう

形は小さなオーム、まさに芋虫
小さいとはいえ、体長20㎝はある
ここにいるのはクロナマコである

一応食べられる…なまこ酢っていうものがあるくらいなので

リヴァイ「…そんなのつついて楽しいのか、ミカサ」

真剣な表情でなまこをつつくミカサを、怪訝そうに見つめるリヴァイ

ミカサ「はい、兵長。こんな生き物でも、つつけば可愛い仕草を見せます」

リヴァイ「…こんな下手物、可愛いなんてあり得ねえだろうが」

リヴァイはミカサの隣にしゃがんで、様子を伺う

つんつんとされるたびに、少しづつ身を捩らせて、逃げようとしているなまこ

ミカサ「ほら、可愛いです、兵長」
リヴァイ「…可愛くねえ…気持ちわりい」
リヴァイは眉を潜めた

ハンジ「ちなみになまこは食べられるよ?リヴァイのためになまこ料理が食べられる所を探そうか?」

ハンジがミカサの隣にしゃがんで、なまこをつつきながらニヤリと笑った

リヴァイ「俺は下手物は嫌いだ!!エスカルゴよりもなまこが嫌いだ!!」

ミカサ「本人を前にして嫌いだなんて…酷いです、兵長…なまこが泣いていますよ…」

なまこを見ると、体から白い粘液のような物を出していた

リヴァイ「これは涙じゃねぇだろうが!!」
ミカサ「きっと悲しくて泣いている…はず」

リヴァイ「涙なら目からじゃねえか!こいつは全身から出してやがる…汗だ!!」

ハンジ「えっと、その白い粘液は、警戒したり、敵に襲われたりした時に出すね。要するに…」

リヴァイ「ミカサがつついたせいだろうが!!」
ハンジが頷くと、ミカサは両手のひらを口に当てた

ミカサ「ついうっかり強くつつきすぎた…」

そんな仲の良い三人の姿を、少し離れた位置から目を細めて見ながら、スケッチブックにペンを走らせているモブリットであった

旅行に行った気分になるね
楽しいわ

うん凄く楽しい。

和むし♪

>>618
>>619
楽しんで頂けて嬉しい!!
今回はギャグよりほのぼのになっていますが、和んで頂けて良かった!!

ハンジ「ねえねえ、ちょっと聞いて…ぼそぼそ…」
ハンジはリヴァイとミカサに小さな声で話しかけた

リヴァイ「いいなそれ、のった」
ミカサ「楽しそう…」

ハンジとミカサは、なまこを手で一匹ずつ掴んだ
リヴァイはハンカチごしに…なまこを掴む

そして、それを後ろ手に隠し持ち、今だスケッチに勤しむモブリットに近寄る

ハンジ「モブリット~」

モブリット「…あ、ハンジさん皆さん、もうなまこはいいんですか?」

リヴァイ「モブリット、俺からのプレゼントだ、受けとれ」

リヴァイはそう言うと、手に持っていたなまこをモブリットの頭に乗せた

ミカサ「モブリットさん、私からも!!」
ポスッ…とミカサはなまこをモブリットに放り投げた

ミカサの投げたなまこは、モブリットの膝にちょこんと乗った

モブリット「うわっ、兵長、ミカサ、何やってくれてるんですか!?」

慌ててスケッチブックを砂浜に置き、頭の上のなまこを掴もうとするモブリットに…

ハンジ「私からも、愛をこめて…やあっ!!」
ハンジはなまこをモブリット目掛けて投げつけた

それはモブリットの…顔面にヒットした

モブリット「…は、ハンジさぁぁん!?なんてことを!!顔がべとべとするじゃないですかぁ!!」

モブリットは顔を真っ赤にして怒りを爆発させた

ハンジ「やばっモブリットが切れた顔してる、にげろ?」
ハンジはにやにやと笑いながら、海に逃げた

リヴァイ「モブリット、気色わりぃぞ…」

ミカサ「汚いですモブリットさん…」

眉をひそめる最強コンビに、激昂するモブリット

モブリット「あんたらがやったんでしょうがぁ!!こら、待ちなさい!!」

モブリットはなまこを投げ返そうとしたが、リヴァイとミカサも素早く海に逃げてしまった

リヴァイは逃げる前にモブリットに何かを投げて…

モブリット「…あの人たちは、全く!」

モブリットが、リヴァイが投げてよこしたものを確認すると、それは…

モブリット「濡れタオルじゃないか」
そのタオルで頭や顔を綺麗に吹き、砂浜に座り込んだ

モブリット「全く、イタズラ好きな人達だな。子どもみたいだ…」
そう言いながら、何故か微笑みを浮かべるモブリットであった

ハンジ「おーい、モブリットもおいで~!」

ハンジが海から手を振ってモブリットを呼んだ

モブリット「…はいはい」
モブリットはひとりごち、立ち上がって砂を払った

スケッチブックを砂浜に置き、海に入ると、不思議と体がふわりと浮いた

モブリット「…普通の水ではないみたいだな…」

おもむろに水を少し口に含んでみる
モブリット「…塩辛い…塩水なのか」

ハンジ「モブリット、泳げないのお!?」
モブリット「失礼な…」

泳がずとも、腰辺りの水深で溺れる深さではないのだ

モブリットはさっさとハンジ達に合流する事にした

ミカサ「海を泳いで、直接部屋に帰れる…んですね」

ミカサもハンジも、パレオを着たまま海に入ってしまっていたため、コテージから海に繋がる短い階段に、パレオを脱いで掛けておいた

ハンジ「そうだね、部屋から好きな時に海にダイブ出来ちゃうし、海をぼーっと眺めるのもいいし!!お魚釣るのもいいし!!」

モブリット「魚釣りですか…少しやってみたいですね」

リヴァイ「俺はとにかく綺麗な魚が見てえな」

ハンジは、コテージの階段に繋いでいた大きめのゴムボートに、何やら荷物を積み込んでいた

モブリット「ハンジさん、何をされているんですか?手伝いますよ」
モブリットは海から上がり、荷運びを手伝う

ハンジ「ああ、少し食料と水をね♪今から 50メートルほど先の…ほら、海の色が、エメラルドから、サファイヤブルーに変わってるだろ、あの辺りに泳ぎに行こうかとね」

リヴァイ「魚が沢山いるのか?」

ミカサ「オーム…なまこもいますかね」

ハンジ「あの青い所からは水深が深くて…下が珊瑚なんだ!!だからトロピカルフィッシュが沢山見られるよ!!」

モブリット「スケッチを…あっそうだ、スケッチブックは砂浜だ。取ってきます!!」

モブリットは慌てて走り去った

ボートを四人で押しながら、50メートルほど先の、海の色が変化する地点にまで行った
ボートが動かない様に錨を落とす

ハンジ「ここからは水深8メートル位になるから、溺れないように気を付けてね?」
ハンジはそう言うと、ゴーグルひとつで、海の底に潜っていった


ミカサは浮き輪に入って、水中めがねを使って海の中を覗いている

たまに水から顔をあげて、歓声をあげる
ミカサ「青い魚や、オレンジの魚が沢山います…凄い…です」

リヴァイ「青いのはな、確か南洋ハギだ、前に教えてもらった気がする」

リヴァイがそう言うと、ザバッと海面に顔を出してハンジが頷く

ハンジ「うんうん、ナンヨウハギだね。あとオレンジのはクマノミだよ!?分からなかったら呼んでね!?じゃあ行ってくる!!」

ハンジはそう言って、また海に潜って行った

ミカサ「呼んでね…と言われても…ずっと潜っているし…」

リヴァイ「すげえ体力してやがるからな。泳ぎも上手い」

ミカサ「兵長は泳ぎはハンジさんに負けてるんですね…」

リヴァイ「ずっと浮き輪に掴まってなきゃいけねえお前よりは上だがな…」

リヴァイはふん、と鼻を鳴らした

ぷかぷかと浮き輪で浮きながら、口を尖らすミカサ

ミカサ「私だって泳げる…と思う。足が届かなくても…たぶん」

ミカサは浮き輪から出ようとした

リヴァイ「無理すんな。お前、こんな所で溺れられても助けれねえぞ?」

リヴァイのその言葉に、一瞬表情が固まるミカサ―もともとあまり感情を表に出すタイプではないのだが

ミカサ「…それはいや。また兵長に助けられるのだけは、嫌」

ミカサはふるふると頭を振った

リヴァイ「…なら大人しく掴まってろ」

ミカサ「はい、兵長」

ミカサは意外にも素直に言うことを聞いたのだった

リヴァイ「ま、そこでぷかぷか浮いてるだけでも、充分楽しめるだろ…下がすげえからな」

ミカサ「はい、兵長」

その時、誰かがいきなり、ざばっと海からミカサの浮き輪の横に顔を出した
ミカサ「わっ…」
ミカサは思わず声をあげた

モブリット「あ、ごめん。びっくりさせたかな…ほらミカサにプレゼント」
モブリットはポイッとミカサに何かを放り投げた

それはミカサの浮き輪の上にちょこんと乗った

ミカサ「オーム…あ、なまこ…」

つんつんとなまこをつつき出すミカサ

モブリット「兵長にも…はい!!」
モブリットは、手に持っていたなまこをリヴァイの顔面に投げつけた

リヴァイ「…モブリット、てめえ!?」

モブリット「じゃ!!また!」

モブリットは敬礼をすると、見事なフォームで水中に消えた

リヴァイ「…あいつも達者なのか…」

ミカサ「兵長は、ハンジさんにもモブリットさんにも負けた…」
ミカサは手を口元に持っていき、驚きの表情を見せたのだった

モブリットがすこく魅力的
真面目で普通ってカッコいいよ

>>629
そうですよね、普通(モブ?)っぽいけどどこか頑張ってる、そんなモブリットはたしかに素敵

兄妹的リヴァミカに目覚めそう

>>631
もともと何処か似ている二人ですしね
私も書いているうちに、兄妹いいなって思い始めました

ハンジ「うーん、やっぱり海はいいなあ!!」

水中と、海面を行ったり来たりしていたハンジは、少し休憩なのか、体を仰向けにしてぷかぷか海面に浮かんでいた

軽く脚をばたつかせている
背泳ぎの格好だ

そのすぐ横に、ざばっと人が顔を出した

モブリット「ハンジさん!」
涼しげな表情で微笑んでいる、モブリットであった
その少し低い声が、ハンジの名を呼んだ

ハンジ「おっ、モブリット!!君も相当泳げる口だね!?」
ハンジは体を起こして、立ち泳ぎをしだす

モブリット「ハンジさんにも、プレゼントです…えいっ!!」

モブリットは隠し持っていたなまこを二匹、ハンジに投げつけた
一匹は顔面に、一匹は頭の上にちょこんと乗った

ハンジ「うわっ…なまこ?!しかもべっとべとじゃないか!!」
顔が粘液まみれになったハンジは、悲鳴をあげた

モブリット「なまこが良くお似合いですよ、ハンジさん」
モブリットはにこっと笑ってそう言うと、水中に消えた

ハンジ「まあてえ!!こらあモブリットぉぉ!!」
ハンジはモブリットを追って、水中に入ったのであった

ハンジは水中深く潜り、辺りを見回す

視界は良好、海の水はとても澄んでいて、遠くまで見渡せる

ゴーグル越しに、逃げた副官の姿を捉えるべく目を光らせる

ハンジ「(ちっ…どこ行ったんだろ…?)」

ハンジは水中で舌打ちをし、息をするために海上へ顔を出した…その時

バシャッ…顔を出した辺りに投げ込まれる…なまこ

モブリット「捕まりませんよ~、ハンジさん!」
20メートルほど先にいるモブリットは、見事なコントロールでなまこを投てきしたのであった

ハンジ「私が泳ぎで勝てないなんて…」

副官の意外な特技に、唖然とするハンジであった

ミカサ「ハンジさんは、モブリットさんを捕まえられないみたいですね…」

ミカサは相変わらず浮き輪に入りながら、ぼそっと呟いた

リヴァイ「あのハンジより泳ぎが上とはな…何せあいつは半魚人て呼ばれてやがったんだぜ?」

リヴァイは、ミカサの入っている浮き輪のロープを引っ張って移動を手伝っていた

ミカサ「半魚人…ですか…確かに…」
ミカサはほくそ笑んだ

リヴァイ「この辺でいいか。真下に珊瑚が沢山だぞ、見てみろ」

リヴァイが海面を指差した

ミカサ「兵長、なまこを持っていてくれませんか?海に落ちてしまいます」
ミカサはなまこを大事そうに手で持って、リヴァイに差し出した

リヴァイは思いきり眉を引き絞る
リヴァイ「嫌だ!!絶対に触りたくねえ!!」

ミカサ「では、落ちないように見ていてくれませんか?」

リヴァイ「落としとけばいいんだよ!?」
リヴァイは、ミカサの懇願をはねのけた

ミカサ「兵長と私はとことん趣味が合わない…と思う」

ミカサは大事そうになまこを手に乗せながら、呟くように言った

リヴァイ「ああそうだな、心底ホッとしているぞ、お前みてえな変態と趣味が合わなくてな」
リヴァイはふん、と鼻を鳴らした

ミカサ「兵長が変態だと思う…」

リヴァイ「大事そうになまこを手にしてる奴に言われたくねえよ!!くそミカサ!!」

リヴァイのその言葉に、ミカサが鼻を鳴らした

ミカサ「兵長はなんでもくそ、をつければいいと思ってる…表現力が、皆無…」

リヴァイ「まともに喋れねえお前に言われたかねえよ!!」

ミカサ「私は喋れる…かなり流暢に…」

リヴァイ「流暢なんて言葉、お前には一番縁遠いわ!!馬鹿が!」

ミカサ「兵長…ち、び」

リヴァイ「お前もそれしか言えねえだろうが!!」

モブリット「要するに、結局似た者同士なんだよな…兵長とミカサは」
その様子を少し離れて見ていたモブリットは、うんうん、と頷いた

そんな保護者然としたモブリットの背後からザバッと音がし、人影が襲いかかった

そして、モブリットは羽交い締めにされた
ハンジ「油断したねぇぇ~モブリットぉ?覚悟は出来てるだろうね…んっふっふっ…」

モブリット「しまった…忘れてた…」

ハンジ「さあて、どうしてくれよう…ヒッヒッヒッ…」

モブリット「あっ…向こうにクジラがいますよ!?ハンジさん!!」
モブリットはそう叫んだ


ハンジ「どっ…どこどこ!?くじらちゃん!?」
ハンジは羽交い締めを解いて、辺りをきょろきょろした

モブリット「クジラなんて…いませんよ?」
モブリットはふっと不敵な笑みを浮かべた

ハンジ「うっ、嘘をついたね!?モブリットひでえぇ…そんな奴だったとは思わなかった…」

モブリット「たまにはいいでしょう?分隊長…では失礼」
モブリットはまた、見事なフォームで水中に消えた

ハンジ「あああ、モブリットに良いように操られてる気がする…」

リヴァイ「気がするじゃない、操られてんだよ、クソメガネ」
いつの間にか隣に来ていたリヴァイがらぼそっと呟いた

ミカサ「モブリットさん、かっこいいかも…」

ハンジ「ま、たまにはいっか…」
ハンジは肩を竦めた

ハンジ「へえ、ミカサは足の届かない所は怖いんだ。完全無欠なイメージがあるから、意外だね」

ハンジは浮き輪に入っているミカサと、ガールズ?トークをしていた

ミカサ「大丈夫…とは思う…のですが、何だか怖いんです」

そんな不安そうなミカサの頭を撫でるハンジ

ハンジ「海は初めてだしね、うんうん。後でまた浅い所へ行こうね!?」

ミカサ「ハンジさんは、優しい…それに引き換え兵長は…」

ミカサの視線の先には…

モブリット「ちょっと兵長!?邪魔をしないで下さいよお!!」

リヴァイ「俺にも描かせろモブリット」

ゴムボートの上で絵を描くモブリットの後ろから、筆を持って落書きしようとするリヴァイの姿があった

ハンジ「面白そうだね!!私も邪魔…もとい描きに行こっと♪」

そう言うと、ハンジは素早く泳いでゴムボートに張り付き、海水をモブリットにかけはじめた

ミカサ「やっぱりハンジさんも一緒だった…」
いたずら好きな上官に、肩をすくめるミカサであった

ハンジ「あー、楽しかったね♪」
長い時間を海で過ごした一行は、ランチをとるために、ホテル内の開放的なレストランに行った

頼んだのは、おおえびの塩焼き
ビーフのワイン煮込みポテト添え
チキンソテー、蟹のチーズ焼きなど…
どれもボリューム満点である

ミカサ「美味しそう…頂きます」
リヴァイ「あー、腹へったな…」
リヴァイは泳ぎすぎてぐったり、テーブルに突っ伏していた

モブリット「はい、ハンジさんどうぞ」
モブリットはハンジのために、取り分け皿に料理を盛って渡した

ハンジ「モブリットありがとう!!頂きます!!」

モブリットに海でなまこをぶつけられたことも忘れたのか、気にしていないのか、にこにこと機嫌のよいハンジ

ミカサ「…兵長も、どうぞ」

ミカサはモブリットの真似をして、皿に料理を盛ってやる

リヴァイ「もう少し彩りを考えて盛れねえか…ミカサ」
リヴァイの言葉に、ミカサが口を尖らす

ミカサ「お腹に入ったら彩りなんて関係ない…はず。兵長はだからもてない、細かいから」

リヴァイ「モテないって断言すんな!!ミカサ!!」
リヴァイは声をあげた

昼食後は、ゆっくりメトル島内を歩いて一周する事にした

一周 20分ほどの小さな島であるから、散歩にはうってつけだ

南国の楽園の白いビーチを、彩り鮮やかなパレオをはためかせ、二人は駆ける

ハンジ「いやっふぅ~!そぉれっ!!」

ミカサ「…えいっ!!」

白いビーチの所々にあるなまこを、リヴァイとモブリットに投げつけるハンジとミカサ

リヴァイはサッ…と躱し、モブリットは網でキャッチしては、ビーチに戻すという作業に従事している

モブリット「ハンジさん、ミカサ!!なまこだって生き物なんですよ!?投げてはいけません!!」

リヴァイ「…モブリット、お前もさっき海で投げまくってたじゃねえか…」

リヴァイはじと目をモブリットに向けつつ、また飛んできたなまこを避ける

モブリット「兵長、海で投げても痛くないと思いませんか?でも地面なら、きっと痛いですよ」

リヴァイ「そういう問題でもないと思うがなあ…っと…あぶねえ…てめえらいい加減にしやがれ!!」

リヴァイはなまこを避けながら叫んだ

モブリットはため息をもらす

モブリット「普通にパレオをはためかせて走ってくれれば、追いかけ甲斐があるのになあ…」
独り言のように呟いたのだった

イチャつきやがって!
もっとやれ

>>642
なまこといちゃついて…w

ハンジ「はー、疲れた」
ハンジは白い砂浜にどさっと腰を下ろした

ミカサはまだ駆けずり回っている
ミカサ「兵長…えいっ!!」

リヴァイ「ちっ…まだ投げてきやがる!!」
リヴァイは一瞬たりとも油断ができない…止まればそこに、大嫌いななまこが飛んでくるからだ

モブリット「ミカサ、いい加減になまこを投げるのはやめ…うわっ…」
止めに入ったモブリットにまで、なまこを投げつけるミカサ…

ハンジ「ミカサが凄く生き生きしていて可愛いな。やらせてあげなよ、モブリット」

モブリット「しかしハンジさん、兵長がもの凄く不機嫌になりますよ…?」

ハンジ「モブリット、リヴァイは大丈夫だよ、ほら…」
ハンジが指を指す先には…

リヴァイ「俺は本気であいつを…つぶす!!」

なんと忌み嫌っていたなまこを素手でひっつかみ、ミカサに投げ始めた

ミカサ「兵長が攻撃してきた…うっ…」

ミカサはしっかりとなまこをキャッチし、リヴァイに投げ返した

モブリット「なまこのキャッチボール…」
ハンジ「ね?大丈夫だろ?」
ハンジはにっこり微笑んだ

モブリット「…」カキカキ…

ハンジ「…」ジーッ…

ハンジは隣に腰を下ろしたモブリットの手元を凝視していた

白い砂浜に腰を下ろし、軽快に筆を滑らせるモブリット

ニューカレドニアに来て、まだ一泊しかしていないのだが、スケッチブックは既に一冊埋まりそうな勢いだった

ハンジ「モブリットはさあ…」
ハンジが静かに口を開いた

モブリット「はい…?何でしょうか」
モブリットは問いかけに顔を上げ、ハンジの方に視線を移動させた

ハンジは、海のずっと向こうを見ているように、目を細めて遠くを見つめていた

ハンジ「やっぱり、戦いたくはないよね?」

モブリット「…どういう意味ですか?」
ハンジの問いに、モブリットは首をかしげた

ハンジ「君にはいろんな才能があるじゃない?絵も、泳ぎも、それに頭もいい…どうして調査兵団に入ったの?」

ハンジが真摯な目をモブリットに向けて、言葉を発した

モブリット「どうして今さら…?」
モブリットは肩を竦めた

ハンジ「いや、ずっと聞きたかったんだよ、機会がなかっただけでさ…」
ハンジは少し頬を膨らまして呟いた

その様子を見ていたモブリットは、苦笑しながらも口を開く

モブリット「どうして…と理由を聞かれましてもね…新兵勧誘式で聞いた内容で…選んだんですよ、調査兵団を」

ハンジ「キース団長の勧誘…?」

モブリット「それもありましたが、当時のエルヴィン分隊長の演説が、私の心を打ちましたね…ま、入ってしばらくは、後悔の連続でしたが。生きた心地がしませんでしたし…ずっと」

モブリットは遠くを見るような目を、空に向けた

ハンジ「そっか…そうだよね…」
ハンジは副官の横顔をちらりと見て、頷いた

モブリット「運のつきが、第2分隊に配属された時でしたねえ…しかも分隊長の副官なんてものを拝命してしまいました」

ハンジ「…うん。私が第2分隊の分隊長に指名された時だね」
ハンジは頷いた

モブリット「そうです。ハンジ・ゾエと言えば、巨人のお尻を追いかける変人で有名でしたから…。私ももう、命は無いだろうなと覚悟したものです」

ハンジ「…ああ、そうだね、変人だよね」
ハンジは俯いた

モブリット「最初こそ、貴女の副官なんて…と重荷に感じていましたし、何故自分が…とも怨みましたが…副官として貴女につくようになって、貴女の良さに気が付くのに、時間はかからなかったんですよ…?」

モブリットが、はにかんだ様に笑みを浮かべた

ハンジ「モ…モブリット…」

モブリット「ところで…」
モブリットがハンジに顔を向けた時―
ハンジの顔が何時になく真っ赤に紅潮しているのが目に入った

モブリット「どうしてそんなに赤い顔をされているんですか…そんな顔をされては…私は、勘違いしてしまいますよ…?」
モブリットがまた、苦笑気味に呟いた

ハンジ「勘違い…?」

モブリット「はい、貴女には兵長がいるのに…私にそんな顔をしてはいけませんよ?」
モブリットは何処と無く寂しげに微笑んだ

わあああああ!!
そう言えばこのスレでリヴァイとハンジもうヤッてるんだよな。最近全然そんな雰囲気なかったが。

>>648
そうなんですよ、なのでモブリットは複雑
たった一回されど一回…

その時だった―

バシッ…
何処からか飛んできたなまこ、しかもベトベトお怒りversionが、モブリットの頭にぶつかった

モブリット「ふぁっ!?何ですかこれ…うっわ…ベトベト…」

何が起こったかわからず、後ろ頭をさすり振り返ると、リヴァイが後ろに立っていた

リヴァイ「ハンジには俺がいるってどういう事だ…こんな奇行種を俺に押し付けんな!!」

モブリット「へ、兵長…!ベトベトになったじゃないですか!?しかも押し付けんなってあなたね…!」
恨みのこもった目をリヴァイに向けるモブリット

ハンジ「ちょ、ちょっと喧嘩しないでよ!?」

ミカサ「ハンジさんが悪い…のか、兵長が悪い…のか…難しい問題…」

手でなまこを弄びながら、三人の様子を少し離れて伺うミカサであった

結局しばらくなまこの投げ合いになった調査兵団一行だったが、さすがに疲れて、コテージに戻っていた

一番先の部屋―人間辞めてるコンビの部屋―に、四人が集まっていた

ハンジ「これはどうかなあ、ミカサに似合うと思って!!」
ハンジは自分の荷物から、いろいろな服を取り出しては、ミカサに宛がっていた

白い膝下のワンピース、サマーニットにフレアスカート、女の子らしい服ばかりである

ミカサ「ハンジさん、こんなに沢山…」
ミカサにが呆れるほどに、様々な洋服が並べられていた

ハンジ「私にも妹がいたらこうしてあげたいな…って思っていたんだよ」
ハンジは嬉しそうに顔を綻ばせた

リヴァイ「似てねえ姉妹だな」
ハンジ「似てるよ!?ねーミカサ」
モブリット「ミカサは美人ですからねえ」
モブリットが首を振ってそう言った

ハンジ「…まるで私が美人じゃないみたいじゃないか!?」
リヴァイ「自分が美人だと思っているのかクソメガネ…」
リヴァイが眉をひそめた

ハンジ「美人だろ!?」
モブリット「美人って何でしたっけ…?」

ハンジ「リヴァイもモブリットも、ひでえ!!ミカサ、あっちの部屋行こ!」

ハンジは怒って、ミカサを連れて部屋を出ていってしまった

ハンジとミカサの姉妹系ほのぼの新鮮で可愛い!!
ぜひもっと見せてください
ハンジさんだって動かず黙ってれば美人なはずなのにねぇ

>>652
了解!
ついでにリヴァイとモブリットの兄弟系ほのぼの…は無理だw

モブリット「…はぁ」
モブリットは気が抜けたかの様に、ソファにドサッと腰を下ろした

リヴァイ「疲れてるみてえだな、お前」
リヴァイは向かい側に腰を下ろした

モブリット「まあ、いつも疲れているかもしれませんね、私は…はは」
モブリットは、そう言って力なく笑った

リヴァイ「まあ、飲め」
リヴァイが差し出したのは、冷えたミネラルウォーターだった

モブリット「すみません兵長、気が利かなくて…頂きます」

モブリットは一口飲んでため息をついた

リヴァイ「お前は、いつも気を使いすぎなんだ。あいつにも、俺にも、他の奴にもな」

モブリット「そうでもないですよ…多分ただ要領が悪いだけなんです」
そう言ってまた、力なく笑った

リヴァイ「お前は、良くやっていると思う。気苦労は絶えないだろうがな」

モブリット「兵長にそう言って頂けると、凄く嬉しいです」
モブリットは顔をほころばせた

リヴァイ「奴の相手は、お前にしか出来ないと思う。暴走機関車みてえに、自分を省みずに特攻しやがるような奇行種だからな」

リヴァイの真摯な眼差しに、モブリットはそれを受け流すかの様な、柔らかい眼差しを返した

モブリット「…そうですね。確かに暴走される時もあります。そう言うときは勿論、全力でお止め致します。…あなたの大切な方ですからね」

モブリットのその言葉に、リヴァイが眉をひそめる

リヴァイ「その事だがな…さっきも言ったが、奴は確かに大切な存在に当たるだろう…一番付き合いの長い、馴染みだからな。だが、それだけだぞ」

モブリット「いえ、でも…」
モブリットは思い出していた
オーストラリア旅行での出来事が書かれた壁新聞を…

リヴァイ「お前の言いたいことはわかる。確かにそう言うことはあったが、あれっきりだぞ?帰ってからは一度もねえし、いつも通りの関係だ」
リヴァイは苦笑気味に言った

核心に近づいてる…

>>656
うんうん…

モブリット「…ですが兵長、私にもよく分からないんです。ハンジさんの気持ちは勿論、自分自身の気持ちすら…」

モブリットは俯きため息をついた

リヴァイ「お前の気持ちか…?そんなのこれをみりゃわかるさ」

リヴァイが示したのは、テーブルに置かれたスケッチブックだった

リヴァイはそれを手にとり、ぱらぱらとめくる…
そしてあるページでめくる手を止めた

リヴァイ「ほら、これだ」

モブリット「…」

リヴァイ「こんなのを描くくらいだ。相当ハンジにお熱だと思うがな?」

リヴァイはいたずらっぽい笑みを浮かべてそう言った

モブリット「兵長…笑うと…その…」

モブリットが、笑みを浮かべるリヴァイの顔を見ながら、呟くように言った

リヴァイ「あぁ?俺が笑うと変かよ?」

一瞬で、元の不機嫌そうな顔に戻ったリヴァイが、いつも通りの口調で言った

モブリット「はい、変です…と言うのは冗談ですが、お見受けした事が殆どありませんから、思わず見つめてしまいました」

モブリットは顔に柔らかな表情を浮かべて微笑んだ

リヴァイ「…あぁ、そういえば言葉を忘れて見つめていやがったな…俺はそんな趣味はねえぞ、モブリット」

モブリット「私もありませんよ。ただ…」
リヴァイ「ん、何だ?」

物言いたげに自分を見てくるモブリットに、リヴァイは首を傾げた

モブリット「兵長が女性なら、考えないわけではありませんが」

モブリットは顎に手をやって、考える素振りを見せた

リヴァイ「…あぁ?何をだ!?やっぱりお前!?」
後ずさるリヴァイ

モブリット「何故、逃げるんですか?」

困ったような表情をするモブリットに、眉をひそめるリヴァイ

リヴァイ「俺にはそんな趣味はねえからだ!!」

モブリット「私にもありませんって。私が言いたいのは…兵長は、いつも清潔ですし、掃除が趣味ですし、優しいですし、女性ならおもてになる事間違いないと言う事です」

リヴァイ「全く誉められている気がしねえ…」
リヴァイは俯き額に指を当てた

モブリット「それに…兵長…兵長は優しすぎるんです」

モブリットがふう、と息をついた

リヴァイ「あぁ?」

モブリット「兵長は、私に遠慮なさっているのではないですか?ご自分の気持ちに、そっと蓋をされたのではないですか?」

モブリットは、生真面目な顔をリヴァイに見せた

リヴァイ「…いや、違うな。遠慮なんかしねえし、そっと蓋をする様な事が出来るほど、俺は人間できてねえよ」

モブリット「そうでしょうか…」

リヴァイ「あぁ、そうだ」
リヴァイはふん、と鼻を鳴らした

モブリット「ま、結局はあの人の気持ち次第なんですけどね」
モブリットははぁ、とため息をついた

扉が開きかけたやべえやべえ

>>664
さすがに開きませんw

>665
新境地w
リヴァイの気持ち…

―その頃、もう一つの部屋―

ハンジ「いやっふぅ♪ミカサちゃん可愛い!ハンジさん滾っちゃうよぉ!」

ハンジに白のサマードレスを着せられ、髪をポニーテールに結ってもらったミカサの姿

それを見て、まるで奇行種の如くぐるぐる回り、悶えながら喜ぶハンジ

ミカサ「ハ、ハンジさん…恥ずかしいんですが…」

ミカサは頬をほんのり赤く染めていた

ハンジ「恥ずかしいだなんて!!もっと可愛いじゃないか!?あーっもう!!私が男だったらなあ!!」

ミカサ「ハンジさんが男…正直違和感が無い…かもしれない…です」

ミカサはぼそっと呟いた

ハンジは一瞬、探るような目をミカサに向けたが、直ぐに笑顔になった

ハンジ「そうだろ!?」

ミカサ「…でも、やっぱりハンジさんは、女らしい…です」

ハンジ「えっ!?ど、どっちなんだよミカサ…」
ハンジは首を傾げた

ミカサ「ハンジさんは、女性らしい…と思う。たまに奇行種になるけれど、普段はとても柔らかくて優しい…です」

ミカサは俯いて、両手の指と指を絡ませながら、恥ずかしげに呟いた

ハンジ「や、柔らかい?どこが!?胸!?体!?」

ミカサ「いえ、体は筋肉でかっちかちだと思う。柔らかいのは…上手く言えませんが、雰囲気というか…包容力というか…」

ミカサは目線を上に挙げて、必死に言葉を探そうとする

ハンジ「ミカサ…」

ミカサ「アルミンなら、きっとぴったりな言葉が言えるんだろうけれど…う~んと…あっ!!思い付きました!!」

ミカサがぽん!!と手のひらを拳で叩く仕草をした

ハンジ「な、なんだろ!?」

ミカサ「ハンジさんは…慈愛…です。そう、それだ!!」

ミカサは目を輝かせた

ハンジ「慈愛…に溢れてるって言うこと?」

ミカサ「はい、そうです。全てを温かく包み込んでくれる、と思う」

ハンジ「えー!?そうかなあ、全く自覚が無いし、むしろその逆だと思うんだけどなあ」
ハンジは鼻の頭をぽりぽりと掻いた

僕もハンジさんに包まれたいれす

>>671
わたしも…

ミカサ「私はハンジさんの事は…エレンに危ないことをさせる、危険人物と認識していた…けど、話をしたり、こうして一緒にいると…違うな、と思いました」

ハンジがソファに座ったので、ミカサも隣に腰掛ける

ハンジ「危険人物ね…うん、それは当たっているよ」

ミカサ「いえ、確かに危険な時もありますが、やっぱり慈愛…なんです。他の人には伝わりにくいかも…で、そのハンジさんの本質をわかっているのが、兵長と、モブリットさんなんだと思います」

ミカサはゆっくり、だが一生懸命話をした

ハンジ「リヴァイと、モブリットか…」

ハンジはため息をついた

ミカサ「ハンジさんの気持ちは、どちらに向いてるんですかね」

ミカサはハンジの顔を見ながら言った

ハンジ「…私は、どちらもえらべない。選ぶ資格なんか、無いよ」

ハンジはそう言うと、俯き目を閉じた

ミカサ「どうして…ですか?ハンジさん」
ミカサはハンジの顔を怪訝そうに見た

ハンジ「…私は、自分の立場を利用してるだけだからさ…モブリットは副官だから、当たり前のようにいつも側にいてくれてる。副官じゃなかったら、私なんかに見向きもしないよ…」

ミカサ「違うと思う。モブリットさんはほんとにハンジさんが、好き…だと思う」

ハンジ「ミ、ミカサ…」
ハンジは顔を赤らめた

ミカサ「ハンジさん、顔が赤い…部下に惚れているんですか?」

ミカサの単刀直入な言葉に、ハンジは顔を真っ赤にしながら、首を振った

ハンジ「いや、そんなことは…考えてみた事もなかったよ…いつも、迷惑ばかり掛けてるのに…」

ミカサ「じゃあこの旅行は、考えるいい機会…になりそう」

ミカサはそう言って、ふふっと笑った

ミカサGJ

ハンジはそんなミカサをじっと見つめた

そして、いきなりがばっと抱きつく

ハンジ「もー!!ミカサは子どもみたいだと思ったら、急に悟りきった様な事言っちゃって!!可愛いぞ!!」

そんなハンジにチラリと目をやり、ミカサは眉をひそめる
ミカサ「ハンジさん、懐かないで…?」

ハンジ「嫌だ、懐く!!」
ハンジはますますミカサを強く抱き締めた

ミカサ「顔が赤いのを見られたくない…から抱きついてる…でしょ?」

ハンジ「ち、違いますよ~だ」

ミカサ「では、顔を見せて…」

ハンジ「嫌だ!!」

ハンジのその言葉に、ミカサは身体をひねり、ハンジの腕の拘束から抜け出した

そして、ハンジの頬にそっと手をあてる
ミカサ「…ほら、真っ赤っか…」

ハンジ「…モブリットの事を、意識したことなかったから…」

ミカサ「あれだけ献身的なモブリットさんの事を、いままで全く意識しなかったなんて…鬼畜の所業…」
ミカサが眉をひそめた

ハンジ「な、なんだよ鬼畜の所業って!!」
ハンジは顔を真っ赤にしながら叫んだ

ミカサ「兵長が教えてくれた…この世界で流行っているお笑い…のうたい文句?酷い有り様を指す言葉のようです」

ハンジ「リヴァイはいらない知識ばかりミカサに吹き込んで…」
ハンジは苦笑した

ミカサ「兵長は、いろいろな事を教えてくれます…意外と」

ハンジ「リヴァイはもともと、優しい奴だよ。いつも不機嫌そうだし、態度も口調も粗暴だけど…」

ハンジはふっと笑みを浮かべながら言った

ミカサ「兵長の事も、好きなんですね」

ハンジ「…付き合いが長いからね。いろいろ共有してきたし、お互いのいろんな面も知ってる。だから、大事な人だよ」

ハンジは遠くを見るような目をした

ミカサ「私と…エレンの様な感じ…ですかね」

ハンジ「いやあ、君たちほど長く一緒にいた訳じゃないけどさ…でも、そうだね、似てるかもしれないね」
ハンジはミカサにふっと笑顔を見せた

ミカサ「絆…ですかね。ハンジさんと兵長は、絆で繋がってる、そんな気がします」
ミカサはハンジの頭にそっと手を伸ばして、ゆっくり撫でた

ハンジ「絆かあ、そうかもしれないね」

ミカサ「モブリットさんとの間には…信頼、があります。絆はまだ、これからな気がする…」

ミカサのその言葉に、ハンジが驚いたように目をぱちくりさせる

ハンジ「ミカサ、どうしてそんな事がわかるの!?」

ミカサ「わたしも…よく考えるんです。エレンとの関係を…私はエレンのためならなんでも出来る…気がする。でもそれは一体何故なのか…」

ハンジ「それで、信頼と絆、かあ」
ハンジが納得したように頷いた

ミカサ「はい。アルミンに相談した事があって…それで…」

ハンジ「アルミンは、君たちの道しるべ何だね」

ミカサ「はい。アルミンはいつも私達を導いてくれます。私が育てた、自慢の子です!!」
えっへんと胸を張るミカサに、ハンジは思わず吹き出した

ハンジ「ミ、ミカサ…育てたって!!はは、ほんとに面白い!!」
ハンジはまた、ミカサに抱きついたのだった

ハンジ「よし、とりあえず向こうの部屋に戻ろっか!!リヴァイが、ミカサがいなくて退屈してるかもしれないしね?」

ハンジはぽん、と膝を叩いて立ち上がった

ミカサ「あの、ハンジさん…この格好で行くんですか…?」

白のサマードレスのスカートの裾を摘まんでぼそっと呟くミカサ

丁度膝より少し下の長さで、すんなりとした脚がむき出し、である

ハンジ「可愛いからそのまんま!!ミカサは綺麗だから、何を着ても似合っちゃう!!お姉さんは楽しいよ!!」

ミカサ「私は着せ替え人形ですか!?」 

抗議をするように詰め寄るミカサに、ハンジはにっこりほほえみ、頷く

ハンジ「うん」

ミカサ「こら!!」

ハンジ「あはは、ミカサ、行こ?」

ハンジの手がミカサに差し出される

ミカサはその手を、ぎゅっと握りしめた

姉がいたら、きっとこんな感じなんだろうなと、思いを馳せながら…

ハンジ「やあやあ男性諸君、寂しかったかい!?戻ってきてやっ…むぐっ…」

リヴァイ達のいる部屋に戻るなり、大声で叫ぶハンジの顔に、クッションが飛んできた

リヴァイ「ノックくらいしろよ…あと、静かにしろ、クソメガネ」

リヴァイが指を指す方向には、ソファーで横になるモブリットの姿があった

ハンジ「ありゃりゃ…モブリット寝ちゃったか…」
ハンジはソファに歩み寄って、そっと顔を覗いた

体にはブランケットが掛けられていた

リヴァイ「昨日寝れてねえんじゃねえか?少し話ていたら、そのうちうつらうつらしやがった」

ハンジ「そっか、ごめんねリヴァイ」

ハンジはそっとモブリットの額に手を触れて、呟くように言った


リヴァイ「てめえはもっとモブリットに気を使ってやれよ…おいミカサ、ちょっと揉んでやるから、ついてこい」

リヴァイはそう言って、ミカサを手招きした

ミカサ「はい、兵長」

ミカサはこっくりと頷いた

ハンジ「も、揉んでやるって何を!?ミカサも暗黙の了解みたいに返事をしちゃってるし!!」

真っ赤になるハンジに、一瞥をくれるリヴァイ

リヴァイ「お前はやましい事しか頭にねえんだな、クソメガネ」

ミカサ「兵長に、旅の間、対人格闘の手合わせをお願いしているんです…」

ミカサもじと目でハンジを見た

ハンジ「な、何だ…そうだよね…あははは…」

リヴァイ「行ってくる…部屋を散らかすなよ!?」

リヴァイはそう言い残して、ミカサを伴って部屋から出て行った

ハンジのミカサへの振りは優しくて可愛いものばかりだなぁ
温かいもので胸がいっぱいになる
乙です
しかしワンピで対人格闘技!?
あのチビ…

>>675
コメントありがとう!!

>>682
ハンジとミカサの姉妹、楽しんで頂けていたら嬉しい
ちび…兵長、ぱんちらを期待しているのだろうかw

兵長のパンチラもおながいします

>>684
了解!!なんて言わんwおながいしないでw

砂浜で対峙する、リヴァイとミカサ

何度か脚や腕、拳を交わしたが、リーチが長いミカサでも、リヴァイにかする事すら叶わなかった

ミカサ「はぁ、はぁ…」

ミカサが肩で息をしているのに対し、リヴァイに息の乱れはない

リヴァイ「ミカサ、まだ無駄な力の使い方をしているな…只闇雲に、全部の攻撃に力を注いでは、もたないぞ」

ミカサ「ワンピースだから、負けたかも…」

リヴァイ「だから着替えろっつっただろうが…くそがき」

ミカサ「チビ…」

ミカサはリヴァイを睨み付けた

リヴァイ「俺はチビだがお前に負けん」

リヴァイはフン、と鼻を鳴らした

リヴァイ「ほら、飲め」
砂浜に座るミカサに、リヴァイがオレンジジュースを差し出した

ミカサ「いただきます」
ミカサはぐびぐびと飲み干した

リヴァイは隣に腰を下ろして、ジュースを一口含んだ

ミカサ「兵長は…ハンジさんの事が、好きですか?」

ミカサの唐突な問いに、一瞬面食らったリヴァイ
リヴァイ「…まあ、嫌いじゃねえな。長い付き合いだからな」

ミカサ「大事な存在ですか?」

リヴァイ「…まあな。同志だしな」

ミカサはリヴァイの顔をじっと見た
「ハンジさんの事は…モブリットさんに任せるんですか?」

「…任せるもなにも、はなから俺の物でもねえし、大体な…俺は…」
リヴァイはそこで言葉を切った

「俺はもう、自分のせいで他人の人生を狂わせるのが嫌だ。だから深い付き合いはごめんだ」

ミカサ「なんだか、かなしいです、それ」
ミカサは表情を曇らせた

―水上コテージ―

ハンジ「モブリット、よく寝てるなぁ。昨日、寝られなかったって・・・もしかして、私のせいかな」

ミカサの言葉を思い出して、顔を赤くするハンジ

ハンジ「モブリットに、惚れてる・・・?私が」

ぼそっと呟いて、モブリットが寝ているソファの向かい側に、腰を下ろした

テーブルの上に置いてあったスケッチブックを、おもむろにめくる

ハンジ「たくさん描いたなぁ・・しかし、上手だね・・・って、あれ・・・?」

ハンジはページをめくる手を止めた

そのページには・・・

昨日行ったココティエ広場でみた、セレスト(天女)の像が描かれていた

だが、よく見ると、その顔はあきらかに昨日見た天女の顔ではなく・・・

メガネをかけて、慈愛に満ちた表情をしている・・・自分の顔

ハンジ「・・・モブリット・・・」

ハンジは泣き笑いの様な表情を顔に浮かべた

ハンジ「なんだよ、これ・・・私がこんな風だと勘違いしてるんじゃないかって、言ってたくせに・・・馬鹿」

呑気にすやすやと寝息を立てる、モブリットのそばに歩み寄って、跪く

ハンジ「モブリット・・・ねぇ、私、どうしたらいい?どうしたらいいか、わからないよ・・・」

モブリットの頬に手を伸ばそうとして、それを引っ込めたハンジ

そのまま、両手で顔を覆って、涙を流した

うわぁぁぁぁぁ切ない
モブリットもハンジさんもリヴァイの気持ちも切ない
しかしハンジの心に響くミカサの言葉もすごいな
若さゆえ言えるストレートな言葉なんだろうな

4人の関係がすごくいい!
本当ここのミカサ大好き!

>>690
切ない…私もどうしたら良いかわからない…

>>691
すんなりモブハンとも、リヴァハンとも行かないもどかしさ
ミカサが潤滑油のようだ…

モブリット「う…ん…」
その時、モブリットは寝返りを打った

体1つ分しかないソファの上で
結果的にどうなるかと言うと…

ハンジ「…わっ!!」

ドサッ…ソファの下で座り込んで泣いていた、ハンジの上に落ちた

モブリット「っつ…痛い…って、わっ!!」
ソファから落ちて目覚めたモブリット、真っ先に目に入ったのは…

涙を流している、ハンジの顔だった

慌てて飛び起きるモブリット
モブリット「ハ、ハンジさん、大丈夫ですか!?すみません、踏んでしまいまして!!お怪我は!?どこが、痛かったんですか!?」

泣いているハンジに詰め寄るモブリット
ハンジはその様子を見て、思わず笑った

ハンジ「…はは、大丈夫だよ、モブリット。ちょっと…膝が痛いかな」

モブリット「す、すみません、すみません」

必死に自分の膝を擦るモブリットの姿に、泣き顔が完全に笑顔に切り替わる
ハンジ「モブリット…君は…ふふ」

ハンジは呟く様にそう言って…
モブリットの頬に手を伸ばして、そっと撫でたのだった

モブリット「ハンジさん…?」
流した涙の後を顔に残しながら、微笑むハンジに、首を傾げた

そして、慈愛に満ちた表情で自分の頬を撫でる上官に、思わず目を奪われる

ハンジ「ん、何?モブリット」
頬を撫でる手を止めて、首を傾げるハンジ

モブリット「…もしかして、泣かれていましたか…?」

ハンジ「…ああ、君が落ちてきて、痛かったからね?」

モブリットはハンジの顔をじっと見つめた
ハンジはつい…と視線を外す

モブリット「嘘をついていますね…ハンジさん。貴女の嘘は、分かりやすいんですよ?」

苦笑ぎみにそう言うモブリットに、ハンジはふわりと笑みを浮かべる

ハンジ「いいんだ、大丈夫だから。気にしないで?」

モブリット「…わかりました」
モブリットは何か言いたげな表情で、しばらくハンジを見つめていたが、それ以上何も言わなかった

ああ…この場面で耐えるとは…
モブリットは本当に誠実な男だな
リヴァイとの関係も素敵なんだけど、このモブリットは本当に素晴らしい!!
続き楽しみです乙

>>695
モブリットがいい人過ぎて辛い
自分で書いといてあれだけど
私の迷いが文章にも出てる
暖かく見守ってくれて嬉しい

モブリットは、自分の頬に触れる上官の手を取り、その手を上官の膝の上に戻した

そして立ち上がる

モブリット「私はよく寝ていた様ですね。もう夕日が沈みかけています。絵を描いてきても構いません…か…」

モブリットは机の上のスケッチブックを手に取ろうとして、開いたままのページを目にした

上官の顔に視線を移すと…

何とも言えない…複雑な表情をしていた

ハンジ「天女の絵だ…綺麗な」

ハンジはまた、泣き笑いの様な顔を見せた

モブリットはしばらく何も言葉を発しなかった

だが、ふうと息をつき、柔らかで優しげな笑みを浮かべて、静かに口を開く

モブリット「綺麗でしょう。ココティエ広場の天女よりも、美しいと思います」

そう言い残して、一人部屋を後にした

このモブリットさんになら掘られても良い

部屋に残されたハンジは、ソファの下に座り込んだまま、また瞳を潤ませる

自分の右手を見る…先程までモブリットの頬に触れていた手

そっと握るが、その手は何も掴めない

ハンジ「私は…何て事を、してきたんだろう…」

モブリットの気持ちをはっきりと悟った今、ハンジは自分の今までにしてきた行動を後悔していた

彼を男として全く意識をしていなかった

何故ならいつもその顔は柔らかで優しげで、男というものを感じさせなかったからだ

いつも側にいる事が当たり前な、部下だった

それ以上でもそれ以下でもなかった

だから…あられもない姿でも、恥じらう事もなく、平気だった

脱ぎ散らかしたままの服を、何度彼は片付けただろう…その中に下着だって当然、あったのに…

どんな気持ちだったのだろう
彼は顔には一切出さなかったから、わからない

だがもし自分が同じ様にされたら…
深く傷ついたと思う

彼の寛容さに、甘えていたのだ

ここまで来といて何だけど、もう1回リヴァハンのターンも見たい…
どっちつかずで切ないまま引っ張って欲しい

>>698
掘られるてw

>>700
まだ旅は始まったばかり…
ので、きっといろいろあるはず…

一人部屋を後にしたモブリットは、スケッチブックを手に、宛もなく歩く

どうして、あんな事を言ってしまったのだろうか…そう後悔の念を抱きながら

ハンジさんに、自分が男であると意識させてどうするのか

あの人を困らせるだけじゃないか
優しいあの人の事だ、きっと今ごろ泣いている

自分の気持ちなど、ずっと隠し通すべきだった
そのつもりで今まで仕えてきたつもりだ
それなのに…

いつの間にか、桟橋を渡り、島のビーチに来ていた
なまこが沢山いるビーチ

モブリットは砂浜に腰を下ろした

左手で、左頬に手をあてる…先程あの人の手が触れていた頬

自分の頬に触れるあの人の手を掴んだ時、そのまま引き寄せて、抱き締めたい衝動にかられた

そうしていれば、あの人は泣かなかったか?
どうすれば良かった…?わからない

一つわかる事、それは…

あの人を泣かせたくはない
あの人に笑顔でいて欲しい
それだけだった

なまこビーチを後にし、何となく船着き場の桟橋へ歩を進める

夕焼けに照らされる島の風景はえもいわれぬ美しさと、何処と無く哀愁が漂っている様に見えた

絵を描くと言って出てきたにも関わらず、ペンを持ってこなかった

思わずため息が洩れる

手に持つスケッチブックは、何時もより重みを感じる気がした

小さなボートが数隻、停泊している桟橋

折角こんなに素敵な場所に来ているのに、あの人に辛い思いをさせてしまった

後悔先に立たず

桟橋から海を覗くと、小さな魚が泳いでいるのが見えた

桟橋から身を乗り出すように眺めていた、その時―

モブリット「…うわっ!?」

いきなり後ろから抱きすくめられた―
と思ったら、後ろに体を引かれた

ミカサ「モブリットさん、早まらないで!!」

モブリットが振り向くと、顔を紅潮させて、息を荒げているミカサの姿がそこにあった

モブリット「…ミカサ?」

ミカサ「死んではいけない…飛び込まないで…」

ミカサは真摯な表情をモブリットに見せた

モブリット「死ぬって…ミカサ。ここから飛び込んでも死ねないよ。私は泳ぎが得意だし…第一浅すぎるよ」
モブリットは困ったような表情を見せた

ミカサ「確かに…浅い…いいえ、きっとモブリットさんは、海底に頭を打ち付けて死ぬつもりだった…はず」

モブリット「…はは」
ミカサのその言葉に、自然と笑みを浮かべた

ミカサ「だって…思い詰めた表情をしていたから…」

顔を曇らせるミカサ

モブリット「…そんな顔をしていたかな?心配してくれたんだね、ありがとう、ミカサ」

モブリットはミカサの頭を優しく撫でた

ミカサ「今にも死にそうな顔でした」

モブリット「そうか…でも大丈夫だよ」
未だ心配そうに自分を見つめるミカサに、モブリットははにかんだ様な笑みを見せた

ミカサ「モブリットさん、部屋に戻りましょう。私はお腹がすきました」

ミカサはお腹をおさえて眉をひそめた

モブリット「ああ、そうだね。戻ろうか、ミカサ」
モブリットは、ミカサの頭をもう一度よしよしと撫でて、にっこりと笑った

モブリットがミカサと船着き場で会話をしていた頃

水上コテージに、リヴァイが戻ってきた

部屋に入ると、ソファに腰を下ろして、俯いているハンジが目に入った

リヴァイ「ハンジ」

ハンジ「…リヴァイ、帰ってきたんだね」
ハンジは笑みを浮かべてそう言った

しかし、その笑みが何処と無く不自然なのと、目の周りの赤さ、潤んだ瞳で、何かがあった事がわかった

リヴァイ「どうかしたか?何かあったか?」
リヴァイはハンジの向かい側のソファに腰を下ろし、その様子を伺った

ハンジ「…君の言う通りだった。私はさ…もっとモブリットを気遣ってやらなきゃならなかった…」

ハンジは俯いたまま、力なく言葉を発した

リヴァイ「気が付いたか、あいつの気持ち」

ハンジ「…ああ…」
ハンジはゆっくり頷いた

リヴァイ「ハンジ、お前はどうしたい?」

リヴァイの言葉に顔を上に上げたハンジ

ハンジ「私は…自分がどうしたらいいのか、どうしたいのか、わからないんだ…」

ハンジは両手で顔を覆った
すでに眼鏡は外してテーブルに置いていた

リヴァイ「迷っているか」

ハンジ「迷っていると言うか…本当に青天の霹靂でさ…びっくりしてて…」

ハンジが顔を上げると、自分に紳士な表情を見せるリヴァイがいた

リヴァイ「ま、ゆっくり確認すればいいんじゃねえか?モブリットの事をもう一度見つめ直すいい機会だ」

ハンジ「…リヴァイ…」
ハンジは何か言いたげな表情をリヴァイに向けた

リヴァイ「俺は、モブリットはお前を大切にすると思う。あいつは、優しいいいやつだ。だがな…」

リヴァイはそこで、一旦言葉を切った

リヴァイ「俺も一度お前を抱いた責任がある。だからハンジ…よく考えろ。俺はどんな結論が出ても受け入れる」

リヴァイは立ち上がり、ハンジの肩をぽんと叩いた


「リヴァイ・・・うん。ちゃんと向き合ってみるよ。ありがとう」
ハンジはやっと顔を上げた

「うじうじ悩んでるのはお前らしくねぇ、気色わりぃ」
リヴァイはそういって、眉をひそめた

「気色悪いって・・・相変わらず暴言はくねぇ、リヴァイ」
ハンジは立ち上がった

「気色悪いもんは気色悪い。さっさと立ち直りやがれ。涙なんかお前には似合わねえ」

リヴァイはテーブルの上のメガネを綺麗にふいてやり、ハンジの顔にかけてやった

「ありがとう、リヴァイ」
ハンジの輝くような笑顔に、リヴァイはなぜか顔をそむけた

「礼なんかいらねえよ。それよりなるべくいつも通りにしてろ、いいな。あいつが気を使う」

「・・・ああ、そうするよ、リヴァイ」
ハンジはリヴァイの肩にぽんと手を置いて、またにっこり笑った

「そうやって、笑ってればいいんだよ、お前は」
リヴァイはぼそっと呟く様に言ったのだった

「もどりました。兵長のせいで体が痛いです」
ミカサが水上コテージに戻ってきた

後ろからモブリットもついてきていた
「ただいま戻りました」

それを見るなり、ハンジがモブリットに駆け寄った
「おかえり、モブリット、絵を描きに行くっていってたのに、ペンを持って行ってなかっただろ?今から持っていこうと思っていたんだ」
そういって笑顔を見せた

「分隊長、そうなんです、忘れてしまって・・・すみませんわざわざありがとうございます」
モブリットも、はにかんだような笑みを浮かべた

「ミカサ、こっちにこい。ちょっと揉んでやる。おい、お前ら部屋からでてけ。今すぐ出てけ。邪魔だ」

リヴァイがミカサを手招きしながら、ハンジとモブリットに鋭い視線を送った

「ちょっと、揉んでやるって・・・何するの?!だめだよ、リヴァイ!」

ハンジはあたふたしたが、ミカサは至って冷静に
「はい、兵長」
と、リヴァイに歩み寄る

「ちょっと、ミカサ!!!」
ハンジはミカサを止めようとしたが、モブリットに止められる

「ハンジさん、行きましょう。邪魔をしてはいけませんし」

「も、モブリットまで何を!!」
ハンジは限界まで顔を赤くした

ハンジさん必死可愛い!
ミカサの心配や自分の揺れる気持ちが混ざって動揺するのなんて…
普通の女の子みたいじゃないか

部屋を追い出された形のハンジとモブリットは、結局そのまま自分たちの部屋に戻った

ハンジ「モブリット、絵はもういいの?」
ハンジはペンを手にしながら言った

モブリットはスケッチブックを机に置きながら、首を横に振る
モブリット「はい、また後程描きに行こうかなと思います、分隊長」

モブリットは、いつもと変わらない口調で、まるで何事もなかったかのように涼しげな顔をしていた

ハンジはその様子を見つめながら、もしかしたら勘違いだったのかな・・・と思ってみたりした

だが、もしかしたら彼も私と同じように意識せずに接しようとしているのかもしれない

ふとそう思い至って、誠実で律儀な副官の事をもう少し深く理解してあげられるようになろうと思ったのだった


モブリット「・・・分隊長?どうされましたか?」
いつの間にかハンジは食い入るようにモブリットを見つめていた

その視線を感じたのだろう
荷物の整理をしていたモブリットが、怪訝そうな顔をハンジにむけて問いかけた

ハンジ「ううん、何でもないよ。荷物の整理、いつもやってもらってごめんね」
ハンジは今まで一度も口に出したことがないような事を言ってみた

よく考えたら、いままで当たり前の様にやってもらっていたことほぼすべてにおいて、副官にお礼を言ったことがない気がしたからだ

案の定、モブリットはハンジの顔をぽかーんと口をあけてみていたが、やがて柔らかなほほ笑みを浮かべた

モブリット「いいえ、荷物整理は趣味のようなものですから、御気になさらず」
そう言って、また荷物の整理をし始めるのであった


ハンジは手持無沙汰になって、モブリットに歩み寄った
ハンジ「ねえ、モブリット、何か手伝おうか?」

床に座り込んでごそごそしているモブリットの背後から、そう声をかけた

モブリットは振り返り、首を横に振る
モブリット「あ、大丈夫ですけど・・・お暇なんですか?」

ハンジはその言葉にうなずいた
ハンジ「うん」

モブリット「でしたら、もうすぐ終わりますので、海でも見ていてはいかがですか?夕焼けがとてもきれいですよ、分隊長」

ハンジ「モブリットは見ないの?」
ハンジは首を傾げた

モブリット「私は先ほどみましたから、デッキから綺麗にみえるはずですよ。ご覧になってみてください」

ハンジ「・・・うん、そうするね」
ハンジはモブリットに促される様に、一人サンデッキに出た

サンデッキに出て行った上官の背を見送り、はぁとため息をつくモブリット

「普通に・・・接することができていたかな・・・」
小さな声で一人ごちた

ミカサと部屋に帰る道すがら、自分なりにいろいろ考えた
その結果、やはり自分の気持ちというのをこれ以上出すのをやめる事にした

なぜなら、敬愛する上官をこれ以上困らせたくはなかったし、それに・・・
今まで通り、副官としてでもいい、あの人の背中を追いかけている方が、自分には合ってる気がしたからだ

それ以上求めることは、不相応だとも思った

そして、リヴァイ兵長の事もある
怒られるかもしれないが、兵長はあまり人に心を開かない人だ

唯一心を開いているのが、ハンジさんだろう

そんなリヴァイ兵長の事を知ってなお、その間に割って入るような真似は、自分には到底できない

私はハンジさんが好きだ

でも、リヴァイ兵長のことも敬愛している
そのお二人の仲を裂く様な事を・・・

絶対できない、そう思った

>>715
こめんとありがとう、うん、かわいい!と思う

ハンジはサンデッキから海に続く階段に、腰を下ろした

西日がきれいに海の向こうに沈んでゆく

ハンジ「私は、ちゃんとモブリットのことを見てあげられるかな」
はぁとため息をついて、つぶやくように言った

ハンジ「綺麗だなぁ・・・夕焼け」
憂いを瞳を水平線に向けた

何もかも包み込んでくれる様な、母なる海

そこに飛び込みたい衝動に、突然かられた

飛び込めば、何かが芽生えるかもしれない
何かを、海が教えてくれるかもしれない
唐突にそう思った

思い立てば行動が早い私

早速服のまま、ざばーんと海にダイブした

少し動きにくいが、私は泳ぎが得意だ
少し泳いで、夕焼けが手に届くところまで行こうとする

もう少しで手が届きそうで届かない

まるでそれは、私の心の中を表している様に思えた

ハンジ「やっぱり、届かないや・・・そうだよね」
ハンジは100メートルほど沖まで泳いだ所で、夕焼けをつかむのをあきらめた

ふう、とため息をつく
背浮で体を海面に浮かしながら、脱力する

ハンジ「・・・このままきっと、何もつかめないんだ、私は」
なんとなく物悲しくなって、瞳を潤ませた

立ち泳ぎをすると、下に色とりどりの魚が見えていた
潜ってみようか・・・そう思った時

「分隊長!」
後ろからかかる、聞き馴染みのある声
何度も呼ばれたことのある、階級
私がいつも当たり前の様に聞いていた、その声

その声の主は、私を後ろからしっかりと抱きしめた

「モブリット・・・?」
私は振り返ろうとしたが、強く抱かれているためにそれができない

加えて立ち泳ぎだ、安定しない

「突然飛び込んで・・・服のままこんな遠くまできて・・・もし足でもつったら、どうするおつもりですか?分隊長・・・」
震えるような、モブリットの声

私は、何も言えなかった

モブリット「いいですか?分隊長。服のまま泳ぐのはリスクが高いんです。いくら泳ぎが得意でも、服の重みで突然足がつったり、思う様に体が動かなくて疲れたりして、大変な事になってしまうんです」
モブリットはハンジをしっかりと抱いたまま、耳元で言葉を発していた

ハンジ「うん・・・ごめん」
ハンジは項垂れた

モブリット「私も、あわてていたのでズボンをはいたままです。上は、破り捨ててきましたが」

ハンジ「・・・・・・」
ハンジはもはや、何も言えなくなった

モブリット「さあ、戻りましょう。私もそう長い間この状態を保てる気がしません。分隊長・・・?」

そこでやっと、モブリットは自分が抱いている体が震えていることに気が付いた
抱いていた腕を離し、ハンジの前に身を躍らせて、絶句した

自分がいましがた、その背中を守ろうと再確認したその人が
その瞳から、涙をぽろぽろとこぼしていた

ハンジ「な、なんでもないんだ、本当に。なんだろうね、おかしいね、私の涙腺・・・」
泣き笑いの様なハンジの顔に、はじかれる様に

その体をしっかりと抱き寄せた・・・そして
モブリット「分隊長・・・すみません」
そうちいさく言葉を発したのだった

そのままハンジを連れてコテージに戻ったモブリットは、デッキの階段にハンジを座らせて、コテージの中に消えた

ハンジはデッキの階段に、ボタンが引きちぎられたブラウスが落ちているのを目にした
さきほどまでモブリットが来ていた物だ

それをそっと手に取り、握りしめた
また、涙があふれてきた

モブリット「分隊長、お風呂の支度をしましたから、入ってきてください。風邪をひいてしまいま・・・」
コテージからサンデッキを覗いてそう声をかけたモブリットは、途中で言葉を止めた

いつもは頼もしい分隊長の背中が、震えていた
しかも、自分が脱ぎ捨てたブラウスを握りしめて

先ほど固く誓った決意
自分の気持ちをこれ以上この人にぶつけないと決めた、その決意
それがこんなに早く、崩れ去るとは、自分でも予想していなかった

モブリット「分隊長」
そう一言だけ言って、座り込み俯くハンジの腕を取り、立たせた

顔を上げようとしないハンジの顎にそっと手を触れ上を向かせる
片方の腕は、しっかりと腰にまわす・・・冷たい、その体

今までに見た事がないほど、顔にたくさんの涙の川を作っている上司の、潤んだその瞳に吸い込まれる様に
そのまぶたに、そっと唇を落としたのだった

モブリットは、しばらくそのままハンジの顔をじっと眺めていた
涙に濡れた瞳、幾重にも出来た涙の川、赤い目のまわり

それら全て、自分が起因して起こっている事だと思うと、胸が痛んだ

ハンジ「モブリット…寒い…」
ハンジはそう言って、また一筋涙をこぼした

モブリット「…お風呂に入って下さい、分隊長」
モブリットは、頬を伝う涙を指で掬ってやりながら、極力優しく言った

ハンジ「…ああ、そうする、ね」
ハンジは泣き笑いの様な表情をモブリットに向けた

モブリットは、明らかに無理をして笑っているハンジを見て、情けなく思った

モブリット「さ、行きましょう。本当に体が冷たい。風邪をひいてしまいます」

モブリットはそう言って、ハンジの手を引いてコテージに入った

ハンジを無理矢理風呂場に押し込んで、モブリットははぁ、とため息をついた

どうしようもない、この想い
ともすれば溢れだしそうな、感情の洪水

何とか鎮めて落ち着けようと、もう一度深く深呼吸をした
モブリット「…ふぅ…」

目を閉じ、息を整える
目を閉じれば、脳内に描き出される先程のハンジの泣き顔

慌てて目を開き、首を振る
…どうすればいいのか、わからない
全く答えが…出ない

先程、冷たい体を抱いた時、気の利いた言葉でも言えばよかったか

それとも、唇を奪えばよかったか

考えても言葉は出ない
…だめだ、このままではあの人の顔を見れば、次は抑えられない気がする

自分の冷えきった体を、コテージから外に出そうと足を一歩二歩踏み出した時…

ハンジ「…ごめんモブリット、出たよ。君も、入ってきて?」
背後からかかる、まだ少し元気の無い声
振り返ると、明らかに無理して笑う、敬愛する上官の顔

モブリット「…はい、分隊長」
彼もまた無理矢理微笑んで、入れ替わりで風呂場に入った

モブリットが風呂場に消えた後
ハンジは大きなベッドに横になった

手には、風呂に行く前に握り締めていたモブリットのブラウスが、いまだに握られていた

ハンジ「ボタンを、外している間すら惜しんで…来てくれたんだよね…」
ハンジはブラウスをぎゅっと胸に抱いた

そのまま目を閉じた
泳ぎ疲れた後、風呂に入ったからだろうか、急に眠気が襲ってきた

睡魔に身を任せ…そのまま眠りに落ちた


風呂からは海が見渡せる、絶好のロケーション
モブリットは、そんな風呂で一人体を暖めていた

もう夕暮れが夜に移り変わろうとしていた

夜になると、きっと星が綺麗だろう
サンデッキで、星の観察でもしようか

ハンジさんも、見たいだろうか
首を振った…だめだ、これ以上は…
はぁ、とため息をついた

風呂から上がると、部屋はすでに薄暗くなっていた

部屋の明かりをつけると、オリエンタルな雰囲気のライトが、昼間とはまた違った印象を、部屋に与えた

部屋にはキングサイズのベッドが一つ設えてある

上官の姿はそのベッドの上にあった

しばらくためらった後、布団も何も掛けていない事がどうしても気になり、そっとベッドに歩み寄った

ベッドですーすーと寝息をたてている上官の姿を見て、また先程の決意が揺らぎそうになる、モブリット

何故なら上官は、自分が先程脱いだブラウスをまだ持っていて、それを胸に抱いていたからだ

モブリットはハンジの体にそっと布団を掛けてやった

モブリット「分隊長…」
モブリットはそう呟いて、そっとハンジの頬に手を伸ばし、撫でた

モブリット「…私は…あなたが好きです…どうしようも、ないんです…」
そう呟いた

モブリット「ですが…あなたが目覚めた時には、またこの気持ちには蓋をします。ですから、今まで通り…笑っていて下さい」

モブリットは上官の顔をじっと見つめた
あどけない寝顔
目元はまだ赤く、泣いた跡ははっきりわかった

モブリット「…ハンジさん…」
その顔に自分の顔を、ゆっくり近づける

モブリット「泣かせてしまって…すみませんでした。もう、泣かせたくはありません…ですから…私は…」

モブリットはそこまで言うと、鼻と鼻が触れあう距離にまで、顔を近づけた

モブリット「…これだけ、一度だけ、私に下さい…ハンジさん」

そう言うとほんの一瞬、自分の唇で、ハンジのそれに触れた

それで、自分の恋は終わらせようと思った

ふぅと息をつき、多分お腹の減り具合が限界であろうミカサのために、先に食事をしておくよう頼みに行くために、部屋を後にした

薄明かりの室内灯が灯るベッドルーム

モブリットが部屋を出た後…
ゆっくり目を開ける、ハンジ

ハンジ「……モブリット…」
たった今、寝ている自分に愛の告白と、別れを同時に、勝手にして行った副官の後ろ姿

少し小さく見えた、背中
それをはっきりと、自分の目で追っていた

彼が振り返れば、目があっただろう
そうすれば、また違っていたかもしれない

自分がもっと早く目を開けていれば、また違ったかもしれない

だが、後悔は先に立たない
もう、モブリットは行ってしまった

自分の返事も、気持ちも聞かぬまま
…勝手にキスをして、行ってしまった

あんなに短い、遠慮がちなキスで何が伝わる
どうして、自分の気持ちを圧し殺すんだろう…どうして、ちゃんと言ってくれないんだろう

ハンジは、またその瞳から、涙をこぼした

―人間やめてるコンビの部屋―

ミカサ「い、いたたたたっ…兵長、そこは……」

リヴァイ「ほう、ここか…ふんっ」

ミカサ「兵長…痛い…やめて、手加減…して…」

リヴァイとミカサは二人、キングサイズのベッドの上で絡まり合っていた

ミカサをうつぶせにし、その腰の辺りに座るリヴァイ

リヴァイ「ここがきついか…ちょっと緩めるかな…ふんっ」

ミカサ「ああっ…痛…」
ミカサは目に涙を溜めていた

リヴァイ「…確かに筋肉が凝り固まっているな…もう少し柔らかくしとかねえと、怪我するぞ、ミカサ…ふんっ」

ミカサ「いったぁぁぁい!!」

リヴァイ「ま、こんなもんだろ。おしまいだ、ミカサ」
リヴァイはそう言うと、ミカサの上から降りて、頭をぽんとたたいた

ミカサ「兵長は、力を入れすぎる…私は骨が折れた…気がする…」
そう、リヴァイはミカサのために、筋肉をほぐしてやっていたのだった

ミカサ「兵長は、力を入れすぎる。私は骨が折れたと思う」
ミカサは恨めしげな目をリヴァイに向けた

リヴァイ「骨なんか折るかよ。騙されたと思ってストレッチしてみろ」
リヴァイの言葉に、ミカサはストレッチをしてみた

ミカサ「…あっ…」
先程まで痛かった身体中が、なんだか楽になった気がした

リヴァイ「どうだ、楽になっただろうが」

ミカサ「…はい、兵長。ありがとうございます」

それからしばらくはだらだらと過ごした
ミカサに紅茶のいれかたを教えて、掃除の仕方を教え、皺になりにくい畳み方を教えたりした

すると、扉をノックする音がしたため、リヴァイが扉を開けると、なんとも言えない表情のモブリットが、そこにいた

皺になりにくいたたみ方を教わるミカサwwwww

むぅ…
どっちかってーとリヴァハン派だから胸が痛いな…

>>732
そんなの教えそうかなぁとw

>>733
私はどっちも好きだしどっちも書くんだ・・・(別スレでリヴァハン書いてるし)
まだ、どっちに転ぶかわかりません、見守ってほしい

リヴァイ「おい、モブリット・・・お前なんて面だ」
リヴァイは思わずそう言った

それほどまでに、モブリットの表情が普通ではなかった

モブリット「すみません兵長、ミカサ、お腹が空きましたよね。先に、食べてきてください」
そう言うと、夕食のチケットをリヴァイに手渡した

リヴァイ「ハンジはどうした?」

リヴァイの問いに、モブリットははかなげな笑みを浮かべて言葉を発した

モブリット「お疲れになられているようで・・・寝ていらっしゃいます」

ミカサ「起こしてはどう、でしょうか。ハンジさんもお腹がすく・・はず」
ミカサが歩み寄り、そう言った

リヴァイ「そうだな、起こしてくるか」
リヴァイのその言葉に、モブリットは一瞬何かを考えるような表情をしたが、ふうと息をついた

モブリット「では、兵長お願いできますでしょうか。私はミカサを連れて先に行ってますので。ミカサ、ずっとお腹がすいていたのに、待たせてすまないね。行こう」

リヴァイ「おい、モブリット」

リヴァイの言葉を聞いたか聞いていないかは定かではないが、モブリットはミカサをつれて夕食会場へと向かった

リヴァイ「・・・ちっ。何考えてやがる・・・あんな顔、しやがって」
リヴァイは舌打ちをし、ハンジが寝ているであろう部屋に向かった

ミカサを伴って夕食会場にきたモブリット
バイキング形式で、好きなものを好きなだけ食べる事ができる

モブリットはミカサのためにバランスよくいろんなものをとってやっていたが、じぶんはほとんど何も口にしなかった
ミカサ「モブリットさん・・・もう少し何か、食べてほしい」

ミカサは見かねて、フォークに突き刺した肉を、モブリットに差し出した
モブリット「ああ、ミカサごめん。君に心配をかけてしまっているね、情けない」

そういって憂いを秘めた表情で笑みを浮かべるモブリットに、ミカサは首を横に振った

ミカサ「心配はしていない・・・です。ただ、兵士たるもの、食べれるときに食べないと・・・」
そう言って、フォークに突き刺した肉を無理やり、モブリットの口の中に押し込んだ

モブリット「・・・」
ミカサ「おいしい、はず」
モブリット「ああ、おいしいね。ありがとう、ミカサ」
モブリットはそういって、ミカサにほほ笑みかけたのだった

ミカサ「兵長たち、遅い・・です。これに詰めて持って帰ろう」

ミカサはそういうと、どこからともなくタッパーを取り出して、その中に料理を詰め始めた

モブリット「本当はだめだけど、そうだね、二人とも来ないし、少し持って帰ろう」
モブリットも料理の折詰を手伝うのだった

ミカサ「ハンジさんと、何かあったんですか、モブリットさん」
モブリット「・・・いや、何もないよ。もう、これからは何もないから。大丈夫」
ミカサ「もうこれからは?・・・よく、わかりません」
ミカサは眉をひそめた

ハンジの部屋の扉をノックしたが、返答がなかったため、リヴァイは扉を開けて部屋に入った

リヴァイ「ハンジ、いるか?」
少し大きめに声を張って呼んでみたが、やはり返答は無かった

リヴァイ「・・・まだ寝てるか」
リヴァイは一人ごちて、奥のベットルームに足を運んだ

部屋の扉を開けると、薄暗い中、確かにベッドの上に人の姿を確認する事ができた
上半身を起こして俯いている、ハンジだった

リヴァイ「ハンジ、起きていたか」

リヴァイの言葉に、はっと顔を上げるハンジ
薄暗い中ではあったが、その顔が泣き顔である事は確認できたリヴァイ

ハンジ「リヴァイ・・・」
力なくつぶやく、自分の今や唯一の馴染み
憔悴しきった様子、その声

リヴァイはそっとハンジに歩み寄った
リヴァイ「お前、また泣いてやがったのか・・・さっき泣くなといっただろうが」
その表情はいつもの様に不機嫌そうだが、その声は限りなく優しいものだった

そのリヴァイの言葉に、ハンジはまた顔を伏せる
ハンジ「・・・私、最低だ。もう、どうしようもないよ、リヴァイ」
瞳からとめどなく涙があふれ出した

リヴァイ「何が最低なんだ、泣くなバカが」
リヴァイはベッドに腰を掛けて、ハンジの頭を撫でた

リヴァイのターン来たか
個人的にモブリットが好きだけど、この話の中ではどちらに転んでも祝福と切なさがある素敵

>>741
ごめん・・・いろいろ考えたんだが、結論を出した・・・

ハンジ「最低なんだよ、本当に・・・自分でまいた種なのに、自分で回収できない・・・しかも、人を傷つけてる・・・最低だ」

リヴァイ「・・・」
リヴァイは何も言わずただハンジの背をとんとんとたたいてやっていた

ハンジ「モブリットの気持ちに気が付いたから、だからどうするって・・・どうすることも、できないんだ。私には、その気持ちに応える事は・・・できないんだから」

ハンジはついに、両手で顔を覆って泣き始めた

リヴァイ「そうか、そうだろうな。お前はそういう奴だ」
リヴァイは静かにそう呟いた

ハンジ「なんでもわかったように言わないでくれよ、リヴァイ」

リヴァイ「わかるんだから仕方がねぇだろ・・・。だがな、そうやって人の気持ちに向き合うって大事な事だと思わねぇか?例え前向きな話にならなくても、だ。そのままずるずるとあいつをひきずってやるよりは、俺はいいと思うんだがな」

ハンジ「はは・・・そう簡単に割り切れたら、苦労はしないよ・・・」
ハンジは自嘲気味に笑った

リヴァイ「お前の気持ちはもうわかってる。お前は・・・誰の物にもなるつもりは、ねえんだ。そうだろ」

ハンジはその言葉に、リヴァイの顔に視線を向けた
リヴァイの表情は、感情を一切表に出していない様に見えた…だが、どことなく憂いを秘めたその瞳だけが、リヴァイの心のうちを物語っているようだった

ハンジ「リヴァイ・・・君は・・・」
ハンジはリヴァイに何もかも見透かされている事に、いまさらながらに気が付いたのだった

リヴァイ「お前、俺と何年一緒にいると思っている?そんなことくらい、理解しているつもりだ。俺と・・・同じだからな、その考え方は」

ハンジ「リヴァイ・・・」
ハンジは項垂れた

リヴァイ「俺とお前は、同じ穴のムジナだ。程度も場所も違うだろうが、同じくらい傷ついて同じくらい、欲している物がある。それは・・・今はまだ、手に入れることはかなわない」

ハンジ「・・・ああ。そうだね」
ハンジは頷いた

リヴァイ「まずは、それを手に入れてから・・・そう言う事だろ」

ハンジ「・・・ああ、そうだ。まったく・・・リヴァイにはかなわないよ」
ハンジはリヴァイの肩にポンと頭を乗せた

リヴァイ「まっすぐに愛をぶつけてきて、その上身を引こうとしているあいつに、一度くらい応えてやっても、俺はばちはあたらんとおもうがな」
ハンジ「・・・」
リヴァイ「もしかしたら、またそのせいであいつが離れられなくなるかもしれねえがな」

ハンジ「・・・考えるよ」
ハンジは真摯な瞳を、リヴァイに向けた

リヴァイ「お前の欲求不満を、俺で解消するのはごめんだ。他をあたってくれ」
ハンジ「・・・自分が欲求不満なくせに、よく言うよ

リヴァイ「勝手に言ってろ。俺は間に合ってる。減らず口が叩けるようになったなら大丈夫だな、ハンジ」
リヴァイはポンとハンジの背を叩いた

リヴァイ「腹が減った。飯、食いに行くぞ」
そう言ってリヴァイの差し出す右手を、ハンジはしっかりと握りしめたのだった

リヴァイとハンジがベッドルームから手を携え出てきた所へ、扉がノックされる音が聞こえてきた
リヴァイが扉を開けると、ミカサを伴ったモブリットが立っていた

ミカサ「兵長、遅かったので夕食をもらってきました」
ミカサは手にもっていた夕食の折詰をずいっとリヴァイに押し付けた

モブリット「お二人ともなにをされていたんですか?ちっともいらっしゃらないので・・・心配しましたよ」
モブリットは苦笑気味に言葉を発した

リヴァイ「わざわざ持ってきてくれたか。すまないなミカサ。部屋に戻って食うかな・・・ハンジが寝ぼけて大変だったから疲れた」

ミカサ「寝ぼけて大変って・・・どんな状況?なんですか」

リヴァイ「大声で奇声をあげて大暴れだ。巨人の夢でも見ていやがったのかもしれねえな。挙句の果てに俺を巨人と間違えて襲いかけやがってな」
リヴァイは肩をすくめてうそぶいた

ハンジ「ちょっとリヴァイ何・・・」

リヴァイ「じゃ、ちょっとゆっくりさせてくれ。またな」

ハンジの言を遮る様に、リヴァイはミカサを伴って部屋を出て行ってしまった

腑に落ちないような顔をしているハンジに、モブリットはいつも通りの口調で、いつもの様に話しかける

モブリット「ハンジさん、お腹が空いたでしょう。今準備しますから・・・座っていて下さいね」
テーブルの上にハンジのために持ってきた食事の折詰を置いて、モブリットは炊事場に消えた

ハンジはおとなしく、椅子に座って待つ事にした

部屋を出て、自分たちの部屋へ戻ったリヴァイとミカサ
リヴァイは部屋に入るなりさっそく、折詰を開封してつまみ始めた

ミカサはリヴァイに教えてもらったやり方で紅茶を淹れて、それをすっと差し出す

ミカサ「兵長・・・どうぞ。うまく、できたと思う」
ミカサは幾分緊張した面持ちで、自分が渾身の力を振り絞って淹れた紅茶を口に含むリヴァイを凝視した

リヴァイ「・・・うまいな」

リヴァイは一口すすってそう言った

ミカサ「ありがとうございます」
ミカサはリヴァイにぺこりと頭を下げた

リヴァイ「食事もうまいな。・・・ミカサ、お前も食うか?」

ミカサ「いえ兵長。私はモブリットさんに死ぬほど食べさせられましたので・・・バランスよく、大量に」

リヴァイ「モブリットか・・・そうか」
リヴァイは遠くを見る様な目をした

ミカサ「・・・モブリットさんは、ほとんど何も口にされませんでした」
ミカサはぼそっと呟いた

リヴァイ「そうか・・・」
リヴァイはしばらく食事をつつく手を止めて、何かを考える様に俯き顎に手をやった

ミカサ「大人って、なんだかややこしいですね」
ミカサはリヴァイのそんな様子にちらりと目をやりながら、はあとため息をついた

モブリット「お茶をお入れしましたよ、さ、たくさん食べてくださいね。ミカサが分隊長が好きそうな物をとわざわざ選んで入れてくれていました」
モブリットは折詰のふたを開けて、いまだそれに手をつけようとしないハンジに、フォークを差し出した

ハンジ「ああ・・・ありがとう、モブリット」
ハンジは笑いかけようとして、失敗した・・・そんな表情を副官に見せた

モブリット「・・・なんですか分隊長。その変な顔は」
モブリットがその様子に眉をひそめた

ハンジはその言葉に目を見開く
ハンジ「ちょ・・・変な顔ってどういう意味だよ・・・モブリット」

モブリット「そのまんまの意味ですよ。そうでなくても面白い顔なのに、ますます面白くなるからおやめください」

ハンジ「え!ちょっとそれひどくない?!」
ハンジは頬を膨らませた

モブリット「正直に見たままをお伝えしただけですが、何か?」
モブリットはふん、と鼻を鳴らした

ハンジ「・・・ああ、変な顔だよ。どうせね」
ハンジはつん、とそっぽを向いた

モブリット「変な顔を直すためにも、しっかり食べてください、分隊長」
そう言って笑顔を見せる、モブリット
その笑顔はいつものような優しく温かさが伝わるものだったが、どことなく憂いを帯びているように、ハンジには見えた

ハンジ「・・・君の言う通りに、するよ。いただきます」

そう言って、おとなしく料理をつつき始めたハンジを見ながら、心の中でふうと息をついたモブリットであった

ハンジ「美味しいね、これ」
ハンジは一口食べてエンジンがかかったのか、ぱくぱくと次々料理を平らげていった

モブリット「そうでしょう、たくさん食べてくださいね」
モブリットはハンジの向かい側に腰を下ろして、頬杖をついてその様子を見ていた

ハンジ「・・・はい、あーん」
ハンジが突然、モブリットに肉をつきさしたフォークを差し出した

モブリット「・・・何です?」
ハンジ「あーん」

モブリット「・・・結構です」

ハンジ「早く、あーん。どうせ食べてないんでしょ?」
ハンジはそう言って、いたずらっぽい笑みを浮かべた

モブリット「・・・どうして、わかるんですか?」
モブリットは静かに言葉を発した

ハンジ「君の事だから・・・ね」
ハンジは困った様に、微笑んだ

モブリット「・・・貴女には、かないませんね」
モブリットはそう言って、差し出されたフォークの先端に突き刺さっていた肉をぱくりと口にした

ハンジ「美味しい?」
モブリット「美味しいです、分隊長」

素直に頷く副官の頭をくしゃっと撫でて、ハンジは輝くような笑みを浮かべた

リヴァイ…
巨人に間違われるわけないじゃない(震え声)

兵長「下に巨人がついてるんだよ」

もはやミカサが唯一の癒し…
エアーズロック行ってた頃はこんなに切ない展開になるとは思いもしなかった…

リヴァイ「おいミカサ、何書いてやがる?絵日記か」
机に向かって一心不乱にペンを走らせるミカサを後ろから覗くリヴァイ

ミカサ「はい。団長に定例報告をしなければいけない・・・ので」

リヴァイ「何書いてるんだ?見せろ」

リヴァイはその内容を覗こうとしたのだが、ミカサが寸前のところで日記に覆いかぶさってしまう

ミカサ「兵長のエッチ」
ミカサは顔だけリヴァイの方に向けて、無表情でそう言った

リヴァイ「・・・また言いやがったな・・・ちっ。エルヴィンの奴め、へんな事ばかり吹き込みやがって」
リヴァイは舌打ちをした

ミカサ「ちゃんと事細かに書いている・・・ので安心してほしい」

リヴァイ「事細かにって、もしかして、ハンジとモブリットの事もか?」

ミカサ「当たり前じゃないですか・・・全部事細かに記載しています」

リヴァイ「あいつら気の毒に・・・」
リヴァイはため息をついた

ミカサ「兵長との三角関係を事細かに描写しています。のでご安心を」

ミカサのその発言に、リヴァイの顔色が一気に変わる
リヴァイ「お、俺の事もかよ?!やめろ!却下だ!」

リヴァイは日記を奪おうと、ミカサの肩をがっしりつかんで机から引き離そうとするが、できない

ミカサ「絶対に、書ききって団長に渡します。そして、壁新聞にして兵団内に張り出す・・・」
ミカサはひらりと身をひるがえし、ベッドの上に立つ

その手には日記がしっかりと握られており、ページには写真が貼ってあるのが確認できた

リヴァイ「や、やめろお前!!丁寧にいつの間にか写真までとってやがって・・・ちっ」

ミカサ「兵長、油断は禁物。オーストラリアでは、エルヴィン団長にたくさん写真を撮られたのでしょう?ここでは私がたくさん撮りますから・・・ふふ」

リヴァイ「ちっエルヴィンめ・・・どこまでも抜け目がねえ奴だ・・・・」

ミカサ「一節読んで差し上げます・・・。ハンジ分隊長は、モブリット副長の気持ちに気が付き、その瞳を潤ませた。その姿をみたリヴァイ兵長はいてもたってもいられず、ハンジ分隊長を後ろから抱きすくめる。そして甘い言葉でこうささやく。俺はお前が守る」

リヴァイ「おいそれ!日記じゃねえ!うそだろうが!作り話じゃねえか!!」

ミカサ「ハンジ分隊長は首を横に振る。あなたの物にはならない、私は誰の物にもならない。兵長はそれでもあきらめない。いや、お前は俺の物だ。誰にも渡さない」

リヴァイ「・・・・・・・・・・何の話だ!」

ミカサ「欲しいなら力づくで全力で奪え、と私は思う。兵長も、モブリットさんも。じれったくて見てられない」
ミカサはふんと鼻を鳴らした

リヴァイ「というかだな、ミカサ。お前普段口下手なくせに、なんで日記ではそんなに饒舌なんだよ?!」

ミカサ「あ、兵長・・・話をそらしましたね・・・」

リヴァイ「ちっ・・・」

ミカサ「自分の気持ちには素直になるべきです。振り向かないなら振り向かせればいい」
ミカサの真摯な視線がリヴァイの顔に突き刺さる

リヴァイ「・・・そんなに簡単な話じゃねえんだよ」

ミカサ「モブリットさんに遠慮しているんですか」

リヴァイ「違う。ハンジの気持ちが、わかるからだ」

ミカサ「受け入れられる受け入れられない、関係なく、気持ちを伝えるくらいいいと思う。振られたら、慰めてあげますよ」
ミカサはふふ、と不敵な笑みを浮かべた

リヴァイ「お前になぐさめてもらうなんて、死んでもごめんだ」
リヴァイはぷいっとそっぽを向いた

ミカサ「ハンジ、お前が俺を好きじゃなくても、お前の体は俺を拒んじゃいない・・・と、書き書き・・・」

リヴァイ「ミカサ!お前何書いてやがる!」

ミカサ「前読んだ本にのっていた・・・アルミンが貸してくれた、本に」

リヴァイ「アルレルト!!!!!」
リヴァイは明後日の方向を向いて激昂した

アルミンェ…
ミカサはリヴァイを奮起させられるのか!?それとも…
続き楽しみ

さすがやでアッカーマン…

リヴァイとミカサの掛け合いが素晴らしすぎる

>>753
うむw

>>754
ぶはw

>>755
ここからは少し前の旅っぽい雰囲気になっていきますから、ご安心を!

>>759
アルミンw
はてさてどうなる事やら・・・頑張ります

>>760
うむ、さすがだ!

>>761
書いてみると案外楽しいです

ハンジ「うーんお腹いっぱいーー!!もう入らないよ!」
ハンジは折詰の料理を遠慮するモブリットの口に、たまに料理を無理やり放り込みながらほぼ平らげて、満足げに机に突っ伏した

モブリット「良く食べましたね。さて、片付けてきます」
モブリットはそう言うと、料理の後片付けをすべく折詰やらフォークやらを炊事場へ持って行った

ハンジは心地よい二人の間の空気感に、気を緩ませる
目を閉じればこのまま眠れそうな・・・

その時、いつもの様に声がかかる
モブリット「分隊長、寝るなら寝間着に着替えて、ベッドで寝てください」

そう言う副官が手にしているのは、ハンジの寝間着
いつの間にか用意していた様だ

・・・ハンジが知らない間に

ハンジ「あ、うん。着替えてくるよ」

モブリット「はい、そうしてください」
そう言って微笑む副官の表情には、先ほど見せた様な切なさは微塵も見えない

逆にまるで吹っ切れたかの様に、爽やかな笑みを見せていた

ハンジは着替えるために洗面室に行った

その後ろ姿を見送って、ふうとため息をつくモブリット
モブリット「何とか、大丈夫そうだ」

いつも通りいつも通りと念じながら、上官に接する
少し詰め過ぎた上官との距離を適切な位置にまで後退させて、見守る

だが、何かがあった時にはすぐに駆けつけられる様な、気が付ける様な、そんな位置に
自分がもともといた場所にまで、自分の立ち位置を戻す努力をしていた

ハンジ「モブリットーお待たせ!モブリットも着替えてきなよ」
ハンジは洗面室から出るなり、モブリットにそう声を掛けた

モブリット「はい、そうしますね」
機嫌の良さそうな上官に、ほっと胸をなでおろしながら、モブリットは着替えに行った


ハンジ「ふう・・・元通り元通り」
ハンジは息をついた

ハンジ「モブリットも、気を使ってくれているんだろうね、きっと。だって、もともとよく気が利くんだしね」
モブリットと同様、ハンジも自分の立ち位置を戻す努力をしていた

そうする事が今は最適だと考えたからだ

でも、リヴァイが言っていた言葉が頭に残る
・・・一度くらい応えてやってもいいんじゃねえか

ハンジは目を閉じ、ゆっくり息を吐いた
自分の考えを、気持ちをまるでまとめるかの様に、ゆっくりと

パンツ脱いだ

>>765
まだ早いよwあわてなさんなw

ミカサ「うーん、これをこうして・・こうして、出来た!」
ミカサは床に座り込んで細く長い棒の様なものをいじっていた

リヴァイ「・・・ミカサ、何してやがる?」
ミカサ「釣竿・・ですね。荷物の中にありましたので。ここでなにか釣れたら面白い・・・かなと」

リヴァイ「なるほどな、ちょっと貸せ」

ミカサ「兵長だめ、一本しかありませんので、順番です、まずは私から・・・」
ミカサはリヴァイに奪われそうになった竿を、ひらりと身をひるがえして死守した

リヴァイ「ちっ仕方ねえな・・・さっさと外でるぞ」

ミカサ「はい、兵長」
ミカサはリヴァイをちらりと見て、返事をした

リヴァイとミカサのいる部屋は、島から一番離れた特等席の様な場所
見渡す限りの海と、星がきれいな夜空
ロマンチックなそんな場所で、二人の釣りバトルが勃発する

ミカサ「・・・・・・きたっ!!!」
ミカサは釣りをしたことがなかった

釣竿を海面にたらすことなく、じっと構え、海を食い入るように見つめる
そして、魚の影がミカサの目に飛び込んだその瞬間
釣竿を振り、見事なコントロールでその魚に針をひっかける

リヴァイ「・・・南洋ハギだな」
ミカサ「討伐数3!」
ミカサはニヤリと笑った

リヴァイ「さあ次は俺の番だ。貸せ」
リヴァイも同じように、釣り糸を海面にたらさずに、狙いすますかの様な視線を海に投げかける

そして、同じように魚を釣り上げ・・・・引っ掛ける

それを数回続けた

リヴァイ「討伐数5。ざっとこんなもんだろ」
リヴァイはふんと鼻で笑った

ミカサ「確かに兵長は5、私は3…ですが、大きさでは私の方が上・・・なので私の勝ち・・・です」

リヴァイ「数の勝負に決まってるだろうが。だからお前はま・け・だ」
リヴァイはまたふんと鼻をならした

ミカサ「兵長やりかたが汚い・・・絶対に大きさで勝負です・・・」

リヴァイ「数だ、数」

ミカサ「こうなったら、ハンジさんとモブリットさんを呼んできて、判定してもらいましょう!!」
ミカサはそう言うや否や、ダッシュでサンデッキからコテージに消えた

リヴァイ「お、おい待てミカサ・・・って・・・いっちまいやがった」
リヴァイは頭を抱えたが、仕方なしに後を追った

ハンジ「ねえモブリット、見てあれが、南十字星だよ」
ハンジの指さす方向の夜空には、星で大きな十字が描かれていた

モブリット「綺麗ですね・・・。星と星をつなぐと、いろいろな絵に見えてきます」
モブリットは夜空を眺めながら静かに呟いた

二人はサンデッキにあるビーチベッドに寝そべって星空観賞をしていた

端から見ればカップルにしか見えない二人
だがその二人の距離はある一定を保っていて、その一線を越えようとする事はもうどちらからもなかった

ハンジ「いろんな絵かあ・・・そう言えばさ、あの、天女の絵あるだろ?」

モブリット「はい」

ハンジ「あれ、私にくれないかな」
ハンジは夜空を見上げながら、小さな声で言った

モブリット「・・・ただの、落書きですよ」
モブリットはほんの少し、悲しげな表情を浮かべたが、口調には一切出さずにそう答えた

ハンジ「落書きだなんて・・・そんな事はないよ。だめかな」

モブリット「・・・構いませんよ。持って行って下さい」

ハンジ「ありがとう、モブリット。あの絵、大好きなんだ」
ハンジははにかんだような笑みを浮かべてそう言った

モブリット「そうですか・・・気に入って頂けて良かったです」
そういうモブリットの表情は、胸の中にしまい込んだ気持ちが揺蕩う様にゆれている様を見せていた

ハンジ「ねえ、モブリット。実はさ…」
ハンジはそこまで言って、言葉を止めた

モブリット「…分隊長?」
ハンジ「あのさ…さっき、私が寝ていた時…君、私に話し掛けていたよね。あれ…実は聞いていたんだ…ごめん」

モブリット「…そう、でしたか」
モブリットは心の動揺を落ち着かせる様に、ゆっくり言葉を発した

ハンジ「君の気持ちは…嬉しかったよ」
ハンジは微笑みながらそう言った

モブリット「…」
モブリットは何も言わず、ただ星空を見つめていた

ハンジ「私はさ、今は…まだその気持ちに応えられない」
ハンジの口調は、苦しげな胸のうちを表すかの様に、震えていた

モブリット「はい、わかっています」
モブリットは目を閉じ頷いた

ハンジ「私には、やらなきゃならない事があるから…だから」

モブリット「はい。私も全力であなたにお仕えするつもりです。許されるのならば…」

ハンジ「許すも許さないも…君なしでは私は…まともに何も出来やしないよ…だから…これからもよろしく頼むよ」

モブリット「はい、こちらこそよろしくお願いします、分隊長」
モブリットは体を起こし、ハンジに目を向けた
上官は、モブリットを見つめて、微笑んでいた

ハンジ「でね、相談なんだけど…旅の間くらい楽しみたいなって思うんだ」
ハンジはそう言って、モブリットの方に身を乗り出した

モブリット「はあ」
モブリットはその言葉の真意を図りかねて首を傾げた

ハンジ「だからさ、この旅の間は上司と部下はやめ!!無礼講ね?私に変に気を使うのもなし、なんならずっとあんたって呼んでも構わないよ」

モブリット「は、はあ」
モブリットはまだ、言葉の真意を読めておらず、怪訝そうにハンジを見ていた

それを見たハンジが、艶やかな笑みを浮かべて、言葉を発する
ハンジ「それか…恋人同士にでも、なる?」

モブリットは目を丸くする
モブリット「…ええっ!?なりませんよ!!旅の間だけとか、そんなに器用なタイプではありませんから!!」
モブリットは首を何度も横に振った

ハンジ「そっか、残念!!」
ハンジはははっと笑った

モブリット「…残念って…はぁ…」
モブリットはため息をついた

ハンジはモブリットの頬に手を伸ばして触れた
心なしか熱を帯びた、ほんのり温かい頬がハンジの心を暖める

ハンジ「…今は、今しか来ない。後悔はしたくない…取り戻すなら、今だよ」
そう言って、モブリットの顔に自らの顔を近付けた

その時…
パシャパシャ…

二人の背後から、カメラのシャッター音が聞こえてきた

ハンジ「…えっ?!」
モブリット「!?」
二人が振り返ると、ミカサがいつの間にか後ろでカメラを構えていた

ミカサ「あっ…ばれてしまった…」
ミカサは肩をすくめた

リヴァイ「もっと遠くから撮りゃ良かったんだろうが…がっつきすぎだ、ミカサ」

ミカサ「兵長、でも見て…ベストショットです」

リヴァイ「…おお、何処からどうみても、ハンジがモブリットを襲ってキスしている様にしか見えねえな」
リヴァイはふん、と鼻で笑った

ハンジ「な、な、何?!どういうこと!?」
ハンジは狼狽えた

リヴァイ「オーストラリアの時に散々やられただろうが…それをミカサがやってやがる。エルヴィンの指示でな…」

ハンジ「ま。まさか、またあることないこと報告されて、壁新聞にして兵団内に貼り出されるの?!」

リヴァイ「そのまさかだ。ご愁傷さまだな」

モブリット「ど、ど、ど…」
モブリットは言葉にならないほど狼狽えていた

ミカサ「ちなみに今一節書きました。―ハンジ分隊長は、部下の想いに今はこたえられない…そう言いながらも、体の奥底で蠢く衝動を抑える事が出来なかった。彼女は、自分の言うことに抵抗できない忠実な部下に、無理矢理その触手を伸ばした」

ハンジ「ちょ、ちょ、それなんだよ!!」
ハンジは顔を真っ赤にして抗議の声をあげた

リヴァイ「く、く…」
リヴァイは苦しげに腹を押さえて笑っていた

モブリット「ミ、ミカサ…」
モブリットはこめかみを指で押さえて呻くように言葉を発した

ミカサ「完璧です。満足のいく壁新聞ができそう…さあ、続きをどうぞ、ハンジさん」
ミカサはそう言って、カメラを構えた

ハンジ「続きなんて、するわけないだろ!?人前で!!しかもカメラの前で!!」

リヴァイ「おいミカサ、人前じゃなけりゃ続きをやるらしい。隠しカメラが必要だな」

ミカサ「はい、早急に準備して、お二人が気がつかない間にセッティングします」

ハンジ「うわぁ!!墓穴掘ったぁぁ!!まるでミカサがエルヴィンに見えてきたよ…怖い…」

モブリット「エルヴィン団長の指示書を持ってますからね、ミカサは…一切油断はできません…」
モブリットは仕事の顔に戻ったように真剣な眼差しでハンジを見た

ミカサ「はっ・・・そうだ!写真も取れた事だし、お二人に相談が!!」
ミカサはそう言うと、魚の入ったバケツを二つ、ハンジとモブリットに見せた

ハンジ「お、南洋ハギやらイットウダイやら・・・いるね!釣ったんだ」
モブリット「一つには3匹、一つには5匹入ってますね」

ミカサ「先ほど釣り大会を開催していたのです・・・が、兵長は小さいのを5匹なのに、大きいの3匹つった私が負けだというんです」
ミカサは頬を膨らませた

リヴァイ「釣り大会なんて、だいたい数だろ?」
その言葉にモブリットが首を振った

モブリット「いえ、兵長お言葉ですが、数よりは大きさを競う大会の方が多いように感じます」
ミカサ「モブリットさん・・・!さすが!!」
ミカサはモブリットの背にしがみついた

ハンジ「そうだねえ・・・最初にルールを作っておかなかったから、あいこでいいんじゃないの?」
リヴァイ「あいこなんて勝負にはねえ!!!勝つか負けるか!だ」

モブリット「じゃあ、兵長が負けですね」
ミカサ「よし、兵長に勝った!」

リヴァイ「おいモブリット、お前俺に何の恨みが・・・」

ハンジ「リヴァイは大人げないなあ。ミカサより2倍くらい年食ってるくせにさ。ゆずってやりなよ」
ハンジは肩をすくめた

リヴァイ「俺はカジノで勝ちを譲ってやった!だからここでは俺が勝ちだ!」
ミカサ「兵長・・・こどもみたい」
ミカサはその様子をみてふふっとほくそえんだ

嵐が去り、残されたハンジとモブリット
ハンジ「ふう・・・なんだか気を削がれてしまったよ」
ハンジはため息をついた

モブリット「写真を撮られてしまいましたね。しかし、ミカサのあの文章・・・」
モブリットはまた頭を抱えた

ハンジ「・・・あながち、うそは書いてないよ」
ぼそっと呟く様なハンジの言葉は、海の波音にかき消される様に小さかったが、辛うじてモブリットの耳に届いた

モブリット「分隊長・・・?」
モブリットがハンジのその言葉に顔を上げる・・・声の主は何とも言えない困ったような表情を見せていた

ハンジは立ち上がり、モブリットに手をさしのべる
ハンジ「寒くなったね、部屋に戻ろう。そして・・・少し暖めてくれない?」

モブリットは差し伸べられたその手を握る事に一瞬躊躇を見せる
だが、首を振り、意を決した様にその手に自分の手を重ねて握る

モブリット「私でよければ・・・ハンジさん」
海の優しい波音が二人の背中を押す様に、お互いの心と身体の距離を極限にまで縮めた

大きなベッドに出来る限り優しくハンジの体を横たえる、モブリット
ハンジは顔を真っ赤にしていた
なぜなら―
ハンジ「モブリット・・・お姫様だっこなんてしなくてよかったのに・・・腰いわしちゃうよ?」

モブリット「やるなら1から10まで完璧に・・・がモットーです」
そう、モブリットはハンジを軽々お姫様だっこして、部屋に連れ込んだのだった

ハンジ「そ、そうなんだ」
モブリット「それに・・・これが最後かもしれないんです。あなたを抱くという行為がです。何も・・・思い残すことを作りたくないんです」
モブリットの真摯な眼差しが、ハンジの赤い顔を射抜いた

ハンジはモブリットのその眼差しに目を見開いたが、やがて優しげな微笑みを浮かべた
そして、その手を今まで自分の身を挺してまで守ってくれていた忠実な副官の頬にのばす

ハンジ「最後・・・になるのかな」
モブリット「それは、わかりません。未来は誰にもわかりません。この先自分の命がどうなるのかも、わかりません。ですから、なるべく悔いは残したくないんです」
そう言って、ハンジの身体に覆いかぶさるようにしながら、その唇を奪う

ハンジは、唇を離した後のモブリットの表情に絶句する
ハンジ「君・・・なんて顔してる・・の?」
モブリットの表情は、今にも泣きそうな様相だった

モブリット「・・・私は・・・貴女が好きです。本当に、愛しています」
絞るような声でそう言うモブリットに、ハンジは思わず起き上がり、その身体を抱きしめる

ハンジ「君は本当に・・・ばかだよ。どうして私なんか・・・」
ハンジはモブリットの頬に自分の頬を触れさせる
モブリットの目から、一すじだけ涙が零れ落ちた

ハンジは抱きしめていた腕をゆるめて、モブリットの顔をじっと見つめる
ハンジ「君が言う通り、未来は誰にもわからないんだ。こんなご時世だ、いつどうなってもおかしくないよね。だから、私は自分より大切な存在を作る事が怖かった。そのせいで歩みが鈍る事があるかもしれない。もしその大切な存在が命を落としたら、そう考えると胸が張り裂けそうになる」

モブリット「はい、実際あなたは昔よく心を折られていました」
ハンジ「ああ・・・その度に浮上させてくれたのが、君さ」
ハンジのその言葉に、モブリットは目を伏せた

モブリット「私に・・・それができていたでしょうか」
ハンジ「できていたさ・・・だから今私はここにいる事が出来ているんだよ」
ハンジははにかんだような笑みを浮かべた

モブリット「兵長が、貴女の心の支えでした」
ハンジ「そうだね、リヴァイにも、支えてもらっていた。いや、お互い支え合っていたというべきかな」

モブリット「私には、その間に入る事などできませんでした」
ハンジ「そりゃそうだ、リヴァイとは付き合いが長いんだ。でもね、ずっとそばで支えていてくれたのは君だ。私とリヴァイは支え合っていた。でも君と私は・・・」
ハンジはそこで言葉を詰まらせた

ゆっくり息を吐いて、また言葉を発する
「君は、私を支えてくれていたけれど、私は・・・君になにもしてあげていなかった」
モブリット「・・・私は、貴女が自由に飛べれば、それで良かったのです」

ハンジ「そう、君は私にまさに、無償の愛をくれていたんだ。何の見返りも求めない愛をね。それに今更、気が付いた」
ハンジはそう言うと、モブリットの目から零れ落ちた涙の筋を指でなぞった

モブリット「この気持ちは、墓場まで持っていくつもりでした」
モブリットは静かにそう言った
ハンジ「墓場まで・・・持っていく前に、私にちゃんと示して。それで未来が変えられるのかはわからないけど・・・君が今まで支えてくれた分、私が君を支えて、受け入れよう」
広げられるハンジの両の腕
まるでその腕の中に母なる海を見る様に、モブリットはその海に飛び込んでいくのだった

ふと目を覚ます―見慣れない天井が目に入る
微かな潮騒の音が耳を撫でる

現実か、夢か?・・・一瞬戸惑い瞬きをする
・・・そしてようやくこれが現実だとわかる

顔を横にすると、そこには心地よさそうに眠りについている自分の上司の顔が目の前にあった
その顔に手を伸ばし、頬にそっと触れる

ハンジ「ん・・・」
その瞬間聞こえてきた微かな声と、身じろぎに、あわてて手を引っ込める

一切衣を身に着けていない自分と、たぶん布団の下は同じ状態のハンジ
ベッドから体を起こしあたりを見回すと、脱ぎ散らかしたままのパジャマに下着

それらの状況でやっと、先ほどの行為が夢ではなかったと悟る

モブリット「良かったのか?これで」
手を開き、それを見つめる

確かにこの手であの人に触れた
あの人の全てが愛おしくてたまらなかった
だから、全てを知りたくてただ一心不乱に、あの人の身体に触れた
自分の想いを全て、伝えるかの様に

沢山、言葉も発したと思う
何を言ったのか殆ど覚えていない、たぶん普段は絶対に言わないようなことをたくさん言ったはずだ

ふうと息をつく・・・そうだ、後悔はしない、後は前を見て進むだけだ
さしあたっては、散らかった衣服の片付けだ、それが自分に与えられた役割なのだから

モブリットはそっとベッドから降りて散らばった衣服を回収する
ささっと自分の寝間着を着て、ハンジの物は畳んでベッドのサイドに置いてあるローテーブルに置いておく

ざざ・・・また耳に入ってくる潮騒の音
それに引かれる様にテラスに足を踏み出したその時

ハンジ「モブリット」
自分の名を呼ぶ上司の声
振り向くと、ハンジは上半身を起こしてモブリットに視線を送っていた

モブリット「ハンジさん、起こしてしまいましたか」
モブリットはそう言いながら、彼女に歩み寄った

ハンジ「君が起こしたんじゃなくて、勝手に起きたんだよ、大丈夫」
ハンジはそう言うと、はにかんだような笑みを浮かべた

モブリット「なら、良かったです」
モブリットはその笑みに、自分の胸の奥がちくっと痛んだ気がしたが、気のせいにした

ハンジ「モブリット、どこかへ行こうとしたの?」
ハンジが手招きをしながらそう問いかけた

モブリットはベッドに腰を下ろす
モブリット「海の音が聞こえてきたので、ちょっと外に出てみようかと」

ハンジ「飛び込むの?」
モブリット「まさか・・・貴女じゃあるまいし。そんな事しませんよ」

ハンジ「そっか、そうだよね」
ハンジはいたずらっぽい笑みを浮かべながら、モブリットの頬に手を伸ばして撫でた

ハンジ「モブリットずるい。服着てるじゃないか」
ハンジは突然顔を赤くしてそう言った・・・布団で前は隠していたが、女性特有のなだらかな背中のラインは、惜しげもなくさらされていた

モブリット「・・・起きた時に着たんですよ。ほんの先ほどまで同じ状態でした」
モブリットは苦笑気味に言葉を発し、先ほどローテーブルに置いたハンジの服に手を伸ばした

ハンジ「ありがとう」
ハンジはモブリットから服を手渡された・・・今までにはあまり感じなかった恥ずかしさ、なのだろうか。
ハンジの顔は真っ赤になっていた

モブリット「ハンジさん、顔が赤くないですか?」
微かな明かりに照らされた上官の顔がいつになく朱に染まっているのを見て、その頬に手を伸ばす・・・が、モブリットはその頬に触れる寸前で手を止めた

ハンジはその動作に首を傾げる
ハンジ「モブリット?」
そして、何ともさびしげな表情を見せた
モブリット「私は・・・貴女に触れてよかったのでしょうか、今更・・・なんですが」
彼女の忠実なる副官は、忠実であるが故の悩みにさいなまれていたのだった

ハンジは視線を下に、肩を落とすモブリットの頭をそっと撫でる
ハンジ「ほんと、今更だよ。あんなに言葉攻めにしておいて・・・よく言うよ」
いたずらっぽくそう言うと、頭を撫でていた手で彼の頬を軽くつねった
モブリット「痛っ・・・そんなに何か言ってましたか」

ハンジ「言ってたよ。だから顔が真っ赤になってるんじゃないか・・・思い出してしまったよ」
そう言ってまた顔を赤くしたハンジは、布団がはだけるのも構わず、彼女の忠実なる副官に抱きついた
モブリット「何を言っていましたか?」
あらわになっている背中にそっと指で触れながらそう言葉を発するモブリットに、ハンジは
ハンジ「そんなの、言えないよ。恥ずかしくって」
そういってことさら強く、モブリットの体にしがみついたのだった

モブリット「まあ、あなたに恥じらいというものを認識していただけたのであれば、良かったかもしれないです」
モブリットはしがみつくハンジの身体を離すと、寝間着をはおらせてボタンをとめはじめた

ハンジ「な、なんだよそれ・・・」
ハンジは着せ替え人形のごとくされるがままになりながら、唇を尖らせた
モブリット「今まで一切恥じらった事などなかったじゃないですか、私に対して、です」
ハンジ「そ、そうだっけ・・・まあそうかもしれないけど、もういいじゃない、一生分くらい恥ずかしい思いしたし」

モブリット「私が男だとやっと認識していただけたようで、感極まって泣きそうです」
モブリットは言葉とは裏腹に、ふん、と鼻を鳴らして口を尖らせた

ハンジ「うわあ、なんていじわるな・・・モブリットってそんな子だったんだね・・・」
ハンジはそんなモブリットの表情をちらりとみて、下着と寝間着のズボンをさっと履いた

モブリット「そうですよ、そんな子ですよ」
ハンジ「いつも、そんな風に私を見ていただなんて!」
ハンジは自分の身体をかき抱いてそう言った・・・ことさらオーバーアクションで

モブリット「そんな風にとは、どんな風にです?」
それをさらりとかわす様に言葉を投げかけるモブリット
ハンジ「え、いやそれは・・・」
ハンジは口ごもり、後ずさった

モブリット「私はどんな風に、貴女を見ていたのでしょうか、教えてください」
モブリットは自分から距離を取ろうとするハンジの手を握りしめてそう言った

ハンジ「そ、そんなの・・・私の口からは言えないよ!」
顔を真っ赤にしてそう言うハンジに対して、また愛おしさがこみあげてきたモブリットは、彼女をそっと抱き寄せて耳元に口をよせる
モブリット「いくらでも言って、さしあげますよ」
そうつぶやいて、またハンジの身体の力を抜くのに成功するのであった

翌朝

ハンジ「おはよう…ふぁぁ…眠い…」
モブリット「おはようございます!!」

ミカサ「おはようございます、ハンジさんは眠たそうですね…何か…あったんでしょうか」

リヴァイ「あったに決まってるだろうが、ミカサ。野暮な事を聞くな」

ミカサ「モブリットさんがかなり晴れやかな表情ですね」

モブリット「お陰様でね」
ハンジ「…えらい目にあった…」

リヴァイ「ほう。くわしく教えろ」
ミカサ「メモしなければ…」

モブリット「いいですよ、詳しくお話しま…むぐぐ…」

ハンジ「言うなよ、ばか!!」
ハンジは顔を赤くしながら、モブリットの口をふさいだ

ハンジ「今日は一旦本島に戻った後、国内線の飛行機でまた離島にいくよ!!」

モブリット「要するに、耳が弱点なんですよ。これは由々しき事態です。万が一巨人に、分隊長の弱点を知られては一網打尽にされます」

ミカサ「それはやっかい…」
リヴァイ「確かにな…」

モブリット「ですので、その弱点克服のため、とことん耳を攻めました」

リヴァイ「ほう、で、結果は?」

モブリット「案の定、少し耳に息を吹き掛けただけで、体から力が抜けました。そこに畳み掛ける様に甘くささやくだけで、チェックメイトです」

ミカサ「例えばどのような言葉ですか?」

モブリット「知りたいのか…15才の君の耳に入れていいものか悩むな」

リヴァイ「大丈夫だ、ミカサはアルミンから借りた、かなり強烈なR18指定の小説を読んでいるからな」

ハンジ「ちょ、ちょっと君たち!!私の話を聞けよ!!」
ハンジは激昂した

モブリット「分隊長、ミカサへの教育的指導の観点から、こういった類いの発言に関して伝えるべきと考えるのですが」

ハンジ「どんな教育的指導するつもりなんだよ、君は…」

ミカサ「興味があります、モブリットさんの発言」

ミカサは真摯な眼差しをモブリットに向けた

リヴァイ「俺も興味がある」

ハンジ「リヴァイまで!!この変態似た者同士め!!」

モブリット「そうですね…ミカサに言っても差し支えない内容といえば…とにかく身体中を誉めちぎるのです」

ミカサ「…例えば」

モブリット「分隊長は一体どこに胸を隠してらしたんですか…さらし…そんなものでこんなに美しく柔らかい物を締め付けるのはお止めになって、常に解放していて下さい。私がいつでも愛でられるように…」

リヴァイ「お前、最中にそんな事言うのか…ある意味尊敬する」

ミカサ「…メモメモ」

モブリット「ああ、勿論その部分をしっかり愛でながら、発言するんですよ」

リヴァイ「なるほどな」

ハンジ「なるほどな、じゃないよばか!!」
ミカサ「ハンジさん顔真っ赤…」
ミカサはハンジの顔にそっと手で触れた

うおおおおモブリットの言葉責めの詳細キター!
リヴァイは平気そうな感じで内心複雑だろうな
旅もようやく進みそうで楽しみ

>>806
お待たせしてます
更新しますね!!

ハンジ「さ・・・さて気を取り直して、今日はさっき言ったみたいに、一度本島に戻って、そこから飛行機に乗るよ!」

リヴァイ「飛行機か、落ちねえだろうな?!」
リヴァイはぶるっと身を震わせた

ミカサ「兵長、飛行機ってなんですか?」
モブリット「私は前回の旅行記のレポートで名前だけは知っていますが・・・」
二人がきょとんとした

ハンジ「そっか!二人は初めてだもんね?飛行機って、空飛ぶ乗り物なんだよ!それに乗って、また離島へ渡るんだ!」
ハンジは目をきらきらさせながら言った

モブリット「離島ですか、楽しみですね」

ハンジ「とっても綺麗なところなんだよ!ここよりも、もっと綺麗なんだ!今回の旅の目玉ともいえるかなぁ!」

ミカサ「そうですか、そしてそんな美しい南国の島の楽園で繰り広げられる、分隊長をめぐる、兵長と副長のせめぎ合いがまたみられるんですね。わくわく」
ミカサは真顔でメモを片手にそう言った

ハンジ「ちょ、ちょっとミカサ?!」

リヴァイ「せめぎあってねえ!」

モブリット「兵長とせめぎ合うなんて、命知らずなマネはできません」

リヴァイ「・・・あぁ?そういやお前、昨日はお楽しみだったようだな」
リヴァイはモブリットをぎろりと睨んだ

モブリット「兵長・・・がけしかけたんじゃないですか!」
モブリットは悲鳴を上げた

リヴァイ「…確かにそうかもしれん。だが実際そうなってみるとなんだかしっくりこねえ。ああ、やっぱりせめぎ合った方がいいのかもしれねえな」
リヴァイはふんと鼻を鳴らした

モブリット「いいえ、せめぎ合いませんよ、兵長とは。ですのでどうぞ、隙だらけの分隊長を煮るなり焼くなり・・・」

リヴァイ「そうだ、もとはといえばこの隙だらけのクソメガネがいけねえんだ」

ミカサ「確かにそうかもしれませんね」
ミカサはちらりとハンジを見た

ハンジ「ちょっとお、私ばっかり悪者にしないでよ!ちょっと鈍いだけなんだよ・・・」
ハンジは項垂れた

モブリットはハンジの肩にそっと手を乗せた
モブリット「そうです、ハンジさんは悪くないんです。巨人の事ばかり考えているうちに、周りのことが少しばかり、いやかなり見えなくなっていただけの話ですから。でも私は、一生懸命前を見据える、そんなハンジさんが好きです」

ハンジ「ふが?!」
突然の告白に、ハンジは変な声を上げた

ミカサ「モブリットさんがアグレッシブになった」
ミカサは一字一句もらすまいとメモを走らせながらつぶやいた

リヴァイ「それがお前の本心だな、モブリット」
リヴァイは真摯な眼差しをモブリットに向けた

モブリット「はい、兵長」
その眼差しを受け止めながら、モブリットは頷いた

リヴァイ「ならば俺と戦え」
リヴァイは静かにそう言い放った

モブリット「・・・はい」

ハンジ「えええええ?!ちょっとモブリット、無理だよ!リヴァイと戦うなんて!リヴァイ、バカな事はやめて!」
ハンジは顔を青ざめさせながら二人の間にはいって右往左往した

リヴァイ「いや、決着をつけねえとな。白黒はっきり。グレーはいらねえ」

モブリット「はい、そう思います。でないと前に進めない気がしますので」
モブリットは決意を固めた表情でリヴァイに同意を示した

ハンジ「や、やだよ・・・ちょっと本当にやめてくれよ・・・」
ハンジは座り込んで頭を抱えた

ミカサ「喧嘩をやめてー二人をとめてーハンジさんのーためーに、あらそーわないーでー」
ミカサの美しい歌声がBGMとなって、朝の愛のせめぎ合いに色を添えた

リヴァイ「もちろん、戦うわけだからな、対人格闘で勝負だ」
リヴァイは鋭い目でモブリットを見た

モブリット「兵長、お言葉ですが・・・ここにはこんなに素敵な舞台がある。ので、ここはあの島までどちらが早くたどり着けるかな?!おぼれちゃやーよ!スイミング対決!で行きましょう」

ミカサ「モブリットさん密かに私のマネをした・・・」
ミカサはモブリットにちらりと目をやった

ハンジ「そして即興で考えたであろう番組コールが冴える・・・」
女性陣はモブリットの隠れた才能?に舌を巻いた

リヴァイ「スイミング対決だと?お前、俺が勝てるわけねえじゃねえか」

モブリット「対人格闘ですって?私が立体機動装置にスナップブレード使用許可、兵長はまるごし、なら考えますけど」

リヴァイ「お前、俺を殺す気か?」

モブリット「めっそうもない。あまりにも実力差がはっきりしている場合はハンデ戦というものがあるじゃないですか」

リヴァイ「ハンデがでかすぎるだろうが、丸腰ってお前・・・じゃあ、スイミング対決だが、俺は50メートル、お前はあの島まで・・・たぶん10㎞くらいあるか?なら勝負してやってもいいぞ」

モブリット「どんなハンデなんですかそれ・・・イルカでも勝てませんよ!」

リヴァイ「お前イルカになればいいじゃねえか。ほらキグルミとかひれとかつけてだな」

モブリット「それ、ただかわいいだけじゃないですか。仕方ない、兵長はブレードだけは使用許可しますよ。段ボールでつくった張りぼてのブレードならば」

リヴァイ「お前、絶対に負けるつもりは無さそうだな」

モブリット「もちろんです。実は負けず嫌いなんで」

リヴァイ「奇遇だな。俺もだ」

モブリット「兵長とは仲良くなれそうです」
リヴァイ「ああ、そうだな」
二人はがっちりと握手を交わした・・・何故か、友情が芽生えたのだった

ハンジ「はあー!良かった、喧嘩にならなくて・・・」
ハンジは、島からの帰りの船の上でほっとした様に息をついた

ミカサ「元はといえば、ハンジさんがはっきりしないからだめ。ので、反省してください」
ミカサが神妙な面持ちで言葉を発した

ハンジは頷く
ハンジ「そうだよね。本当にそう思うよ。でもね・・・まさかモブリットまで私をそう言う風に好いていてくれたとは思わなくって・・・」

ミカサ「ハンジさんは、ご自分の魅力に・・・気が付かなさすぎ・・・です」
ハンジ「えっ!魅力?!なんだよそれ、そんなのあるわけないだろ、ミカサ!」
ミカサ「ありますよ、ハンジさんは女からみてもかなり変態ですがかっこいいですし、スタイルだって抜群ですし、ちょっとたまに加齢臭?っぽい匂いが漂う事はありますが、知的な美人だと思いますし・・・」

ハンジ「ちょっとそれ、褒めてるのかけなしているのかわからないよ・・・ミカサ!」

ミカサ「すべて、真実を語っています」
ミカサはどんと心臓をささげる敬礼をした

ハンジ「はは、ありがとうミカサ」
ハンジはミカサに微笑みかけて、その頭を撫でてやるのだった

ミカサ「兵長とモブリットさんは・・・意気投合してるみたいですねえ」
ミカサが指をさす方向には、海を眺めながら二人談笑している姿があった

ハンジ「ああ、そうだね。雨降って地固まるとでもいうのかな?」

ミカサ「モブリットさん、兵長の副官になりますなんて言いかねない。そうなると、私がハンジさんの副官に?ハンジさんと兵長・・・どちらがいいか。そう聞かれると、兵長の方が部屋は綺麗だし、加齢臭っぽい匂いはしなくていつも石鹸の匂いだし、ちび・・・だけど結構優しいところはあるし、何よりちびと罵るのは日課の様になっていて楽しいし・・・」

ハンジ「ミカサ・・・なにをぶつぶつ言ってるの?全部聞こえてるんだけど・・・」
ハンジは肩をすくめた

リヴァイ「お前も、いろいろ大変だったよな。まあ夜のお勤めご苦労といったところか」
モブリット「・・・兵長、それ言わないでくださいよ」

リヴァイ「ん?何故だ?確か俺は以前お前たちに詳しく当時の状況を説明したと思うんだが、お前にも俺にそうする義務があると思うんだがな」
モブリット「な、何言ってるんですか兵長・・・。そんな義務どこにも転がってやしませんよ!」

リヴァイ「いいや、俺にはそれを聞く権利がある。ああそうだ。なぜなら俺とお前は兄弟・・・」
モブリット「わわわわ!兵長ストップ!」

リヴァイ「だからなぜ止めるんだ」
モブリット「当たり前じゃないですか・・・というかそんなのどうして話さなきゃならないんですか」

リヴァイ「まあ別に、お前とハンジの性生活に興味があるわけじゃねえ。ただ嫌がらせをしてるだけだ、お前にな」
モブリット「やめてくださいよ、そういう精神を直接つつくような嫌がらせは・・・」

リヴァイ「いいかモブリット、俺は女を寝取られたんだ。嫌がらせくらいさせてくれてもいいだろうが」
モブリット「兵長、にやりと笑いながらそう言う事を言うのはおやめください・・・本当に怖いです」

リヴァイ「泣いても震えても俺の追求は甘くはならねえぞ。さあ話せ」
モブリット「寝取ったって・・・人聞きの悪い。もともと兵長がけしかけたんですし、私は分隊長に誘われたからそれに応えただけですし」

リヴァイ「副官の鑑だろ?お前。なら最初から最後までそれを貫き通せよ」
モブリット「私だって男ですよ・・・我慢の限界というものが存在しますから・・・」

リヴァイ「我慢して一人でもんもんとしてりゃいいじゃねえか」
モブリット「いままでずっとそうしてきましたよ・・・」
リヴァイ「ほう、すごいカミングアウトだな。いつもハンジを夜のおかずにしていた・・と。あとでハンジに報告しておこう、あとミカサにもな。壁新聞に記載しなきゃならねえしな」
モブリット「そ、そんな事言ってないじゃないですか・・・兵長!」
二人は大の仲良し?になった

モブリット「こ、これが飛ぶんですか…空を…」

モブリットは、小さな飛行機を見ながらびくびくしていた

空を飛ぶ乗り物がまだない世界にいるモブリットにとって、飛行機は未知の物体だった

リヴァイ「そうだな。思いきり高く飛ぶぞ」

ミカサ「怖い…ハンジさん、立体機動装置の着用を許可してください…」

ハンジ「ははは、大丈夫だよ。落ちても立体機動なんか使う暇ないし、一瞬だから!」

モブリット「そんな、ハンジさん身も蓋もない…」
モブリットはミカサと二人で後ずさった

リヴァイ「まあ心配するな。あっちの世界の気球よりはよほど安全だ」

ミカサ「気球…王に禁じられた乗り物ですか…」

リヴァイ「ああそうだ。いつか王のやつを蹴散らして、自由に空が飛べる…そんな時代にしたいもんだな」
リヴァイは遠くを見詰めるような目をした

ハンジ「さて、飛行機が離陸したよ!!ってちょっとモブリット、へばりつかないでくれよ!?」

モブリット「こ、怖い怖い怖い…何でこんな大きな物が空飛んでるんですか…私は高所恐怖症なんですよぉ…」
モブリットは離陸直後から、ハンジの身体にしがみついていた…シートベルトを限界にまで引き延ばして

リヴァイ「おいてめえモブリット…公然ワイセツで逮捕だぞお前…」
リヴァイはその姿を見ながら、苦虫を噛み潰したような顔をした

モブリット「だ、だって…怖いものは怖いですよ…ハンジさんに掴まっていれば何故か安心するんですよ…」

リヴァイ「ほう、のろけか、そうか」

モブリット「違います違います!!ハンジさんは死にそうにないじゃないですか…?そんな人にくっついてれば安心かと…」

ハンジ「モブリット酷い!!わたしをそんな便利グッズみたいに扱わないでくれよ!?私が頼れるとか、ちょっとセクハラしてみたかったとか、いろいろ言い方があるだろ!?」

モブリット「ハンジさんは頼れますし、セクハラしてみたかったです。はいこれでいいですか?!」
モブリットはそう言うなり、ハンジにますますしがみついた

リヴァイ「ちっ…くっつきやがって…」

ミカサ「苦虫を噛み潰したような兵長をよそに、飛行機の座席で二人は、上官と副官という立場をかなぐり捨てるかの様に抱き合い、お互いの身体を無遠慮に探り合うのであった…」

ハンジ「ミカサっ、何を書いているんだよっ!!」

ミカサ「見たままを描写しているだけです」
ミカサは勝ち誇ったような笑みを浮かべた

ハンジ「さて、無事到着したよ!!ここが映画『天国に一番近い島』の舞台になった島、ウベア島だよ」

モブリット「じ、じ、地面だ…懐かしい気がするよ…」

ミカサ「生きた心地がしませんでした…」

モブリットとミカサは、着陸して飛行機を降りるや否や、その場に崩折れた

リヴァイ「そんなに大袈裟なもんかよ…」
リヴァイは肩を竦めた

モブリット「兵長は初めて飛行機に乗った時、怖くなかったんですか…?こんな物が空を飛ぶんですよ…?信じられる訳がないじゃないですか」
モブリットは座り込んで、地面に手をついていた

ミカサ「立体機動ほどではないけど…上がる時と落ちる時にかなりのGを感じました…」

ハンジ「上がる時はともかく、落ちる時って…!ははは、ミカサ可愛いなあ!!」
ハンジは身体を震わせるミカサの頭を撫でてやるのだった

ハンジ「早速だけど、ホテルにチェックインしてから遊ぼうか!!今日も、海に面した部屋に泊まるよ」

空港から南へ、海沿いの道をハイヤーで進みながら、景色を楽しむ

ミカサ「これは…凄く綺麗な海ですね。昨日の島よりももっと綺麗…」
ミカサが窓の外の景色を見ながらうっ、とりしていた

モブリット「本当に美しいですね。砂浜も真っ白で…海とのコントラストが素晴らしいです」

リヴァイ「さすがは天国に一番近いだな。死んだらこんな所に行くのか?」

ハンジ「うーん、リヴァイは殺しても死なないから心配ないさ!!さて、もうすぐ絶景ポイントに着くから、お楽しみに!!」
ハンジはニヤリと笑った

リヴァイ「殺しても死にそうにねえのはお前だろ、ハンジ」

ミカサ「はい、そう思います」

モブリット「激しく同意です、兵長」

ハンジ「君たちひっどいなあ!?私だって殺されたら死ぬってば!!」
ハンジは激昂した

ハンジ「さて、着いたよ。車降りてみて?」

ハンジの言葉に、一同は車を降りた…そして、目の前に拓ける絶景に、言葉を失う

ミカサ「すっごく…綺麗…」

ミカサは遠くまで見通す様に、目を細めた

リヴァイ「橋からの絶景か…」

ハンジ「うん、ここはムリ橋って言うんだ。島の岬と岬を繋ぐような形で掛けられているんだ。島と海と空と橋と…全てが相俟ってできる絶景さ!!」

モブリット「………」
モブリットはペンを目の前に立てて精神集中モードに入っていた

ミカサ「モブリットさんが真剣な表情…」

ハンジ「モブリットが絵を描いている間、しばらく景色を楽しもう!!」

三人は並んで、橋の下を覗いたり、何故か願い事を叫んだりして楽しんだ

モブリット「…皆さんお待たせしました」

ハンジ「おっ、出来た!?見せて見せて!!」

モブリット「まだ完成していませんから、後程」
モブリットはそう言うと、スケッチブックをパタンと閉じた

ムリ橋の絶景を楽しんだ後、ハイヤーでホテルに移動した一行

ハンジ「さあ、今日泊まるホテルはここ、パラディ ド ウベア。離島の雰囲気を思いきり満喫できるよ!!」

ミカサ「兵長、今日もマッサージお願いします。あれのおかげで、私はまた強くなった…気がするから」

リヴァイ「あぁ!?面倒くせえな…俺は一人でゆっくり満喫してえんだよ、リゾートをな…」

モブリット「一人でリゾート…何だか寂しすぎる響きですよ、兵長」
モブリットがまゆをひそめた

ミカサ「兵長は一人じゃない…私の研究対象…ので、私が付きっきりで面倒を見る…嫌いだけど、背に腹は変えられない」

ハンジ「リヴァイはミカサにいろいろ教える役割を与えられてるからねぇ、エルヴィンから」

モブリット「兵長とミカサはいいコンビだと思います」

ミカサ「モブリットさん、それはない…です」

リヴァイ「モブリット、んなわけねぇだろ」

二人の否定が重なった

ハンジ「このホテルはね、ユネスコの世界遺産である、ウベアのラグーンが目の前に見られるんだ!!絶景だよ!!」

ホテルマンに案内されながら、ハンジは彼の異国語を翻訳していた
モブリット「分隊長って、語学堪能なんですね」

リヴァイ「こいつは遊びのためならなんでも頭に詰め込むやつさ」
ミカサ「ちび…兵長は羨んでいる。自分の小さい脳みそには、もう新しい事を吸収する余地はない…から」

リヴァイ「てめえミカサ!!削ぐぞ!?」
ミカサ「兵長、私の特技は…肉を綺麗に削ぐ事…」
リヴァイ「俺の特技は、てめえより綺麗に肉を削ぐ事だ」

ミカサ「負けるわけない…」
リヴァイ「そりゃ、こっちのセリフだ…」

二人の間の空気が、不穏な様相を呈していたその時

ハンジ「部屋についたよ!!」

ミカサ「兵長、勝負の続きは部屋で…」
リヴァイ「ほう、覚悟してろよ…」

モブリット「あ、兵長今日はご一緒に…行ってしまった」
モブリットはリヴァイに声を掛けたが、二人の似た者同士は、すでに隣の部屋に向かってしまっていた

ハンジ「モブリット、私と一緒じゃ嫌かな?」
ハンジの少し寂しげな表情を見たモブリットは首をぶんぶん振った

モブリット「そんなわけ、ないじゃないですか」
モブリットはそう言って、微笑んだ

ミカサ「兵長、見て…部屋の前が砂浜です…綺麗…」

ミカサは部屋に入るなり、テラスから外へ飛び出した

テラスの外は、プライベートビーチであった

リヴァイ「ああ、すげえな」
リヴァイはミカサの後からテラスへ出て、ぼそっと呟いた

そしてふと気が付く…テラスに設えてある風呂の存在に

ミカサ「兵長、何ですか、ソレ」

リヴァイ「風呂みてえだな。外に設置されていて、しかも洗い場がねえ辺りを考えると…ただ浸かって景色を楽しむための物かもしれねぇな」

ミカサ「兵長、なんかボタンがありますよ。押そう…ポチっ」
ミカサは風呂に付いていたボタンを、自らの口で効果音を発しながら押してみた

すると、風呂の中のお湯が躍りだし、水流と泡を出し始めた

ミカサ「わっ!!凄い、お湯が暴れている…」

リヴァイ「風呂に浸かりながら、マッサージ効果があるんだろうな。後で入ってみるか」

ミカサ「はい、兵長」
ミカサは頷いた…旅が始まった当初よりも、リヴァイに対して少し素直になったミカサであった

ミカサ「フンフンフン~」
ミカサは鼻歌混じで、荷物の整理をしていた

リヴァイはすでに整理を終えて、大きなベッドに体を投げ出し、目を瞑っていた

ミカサ「海に行く…ので、水着と…やっぱりパレオ…。でも、この白いワンピースもいいな…兵長…」

ミカサはパレオとワンピースを手に、リヴァイを見た

ベッドの上に、小さな体を横たえて、うつ伏せで寝ている上司を目にして、ふと、邪な考えが浮かぶ

ミカサ「兵長…寝ましたか…?」
つん、と頬をつつくが、反応はない

ミカサはニヤリと笑った

そして、おもむろに、だが迅速に、リヴァイの両ふくらはぎの上に、自分の足をのせ、両腕をひっつかみ、勢いよく自ら後ろに倒れる

リヴァイ「あ!?」

ミカサ「すきあり兵長!!ローリングサンダァァァァァ!」
リヴァイ「てっめえぇ!!何しやがる!?」

ミカサ「ローリングサンダーです、兵長…ププ」

リヴァイ「そりゃ、わかってる!!いきなり技かけるなクソガキ!!怪我したらどうするんだ!!」

ミカサ「兵長は殺してもしなない…」
その時、背後でパシャっと音がした

ハンジ「リヴァイが技かけられてる写真、とったど~!!」
いつの間にか部屋にきていたハンジが、カメラを片手にガッツポーズをした

ミカサ「ハンジさん、ナイスタイミング」

リヴァイ「ハンジ、てめえぇ!!」

モブリット「ミカサ、まだ離さないでくれよ。兵長の貴重な姿をスケッチしているんだからな…かきかきかき」

リヴァイ「モブリット、書くんじゃねえ!!」

モブリット「すみません兵長、それは聞けません…かきかきかき」

結局その後、リヴァイ対ミカサのプロレス大会になったのは言うまでもない

ハンジ「じゃあ今から、島内を観光するよ。大きな島ではないけど、見所は沢山あるからね」

観光用のハイヤーに揺られながら、一行は、島の北へ向かっていた

モブリット「しかし、本当に手付かずの自然というか…人工物があまり見当たりませんよね」

ハンジ「そうなんだ。ウベアは自然豊かな場所でね。治外法権の場所があるほど、この島の原住民の意思が尊重されているんだ。無闇に土地に入ったりしてはいけない場所があるから、勝手な行動はしないでね?」

ミカサ「私は大人しいし素直、ので勝手な行動はしないし、怪しまれない。でも兵長は怪しい…人相が悪い、ので原住民に捕まるかも」

リヴァイ「誰が大人しいんだ誰が!!人相が悪いってほっとけ!!」

ハンジ「リヴァイはいつも仏頂面だもんねえ…」

モブリット「いやしかし、兵長がいつもにっこり微笑んでいるのは想像つかないですし、怖いですよ」

リヴァイ「モブリットてめえ、今朝からなんか、俺に喧嘩を売りてえらしいなあ…」
リヴァイはモブリットをぎろりと睨み付けた

モブリット「いや、そんな事は…兵長怖いですよ…」
ミカサ「ほら、人相が悪い…人畜無害なモブリットさんを苛めてるし…」
ミカサはリヴァイの視線を遮る様に、モブリットの前に立った

ハンジ「まあ、喧嘩は止めて。もうすぐとっておきの場所に着くからね?」
ハンジはそう言って、リヴァイと睨み合っているミカサの頭を撫でた

モブリット「これは、凄いですね」
リヴァイ「ほう、絶景だな」
ミカサ「こ、怖い…」
3人は連れてこられた場所を見るなりそう言った

ハンジ「ここはね、『アナワのブルーホール』っていう場所さ。30メートル程の深さがある穴でね、海水と淡水が入り交じっているんだ。たまにうみがめも見られるよ」
海に面した小高い丘の上に、ぽっかりあいた巨大な穴は、沢山の魚が泳ぐ、ダイビングスポットである

モブリット「飛び込んでも構わないんですかね?」
ハンジ「ああ、ただ上がる時はロープ一本でよじ登らなきゃだけどね…崖を」
穴の淵から水面まで三メートルほどあり、切り立っているためにロープが備え付けられてはいたが、よほどの腕自慢でないとよじ登るのは不可能だった

ミカサ「私は力に自信がある…ので飛び込む…トウッ!!」
ミカサがいの一番に飛び込んだ

ハンジ「ミカサ!!水深30メートル!!足つかないよ!!」
ハンジが叫ぶや否や、モブリットとリヴァイがほぼ同時にブルーホールに飛び込んだ

あっぷあっぷしながら溺れかけているミカサを、二人がかりでロープに捕まらせたのだった
ミカサ「すみません…う、うかつだった…私は泳げなかった…」
ミカサはロープに掴まりながら項垂れた
リヴァイ「ちっ…脳みそまで筋肉なんじゃねえのかミカサ…」
ミカサ「ちょっと楽しくて舞い上がっていただけ…」

モブリット「まあ、兵長いいじゃないですか、無事だったわけですし。ミカサには私が泳ぎを教えてあげるよ。ここでは無理だけどね」

ミカサ「モブリットさんは優しい…兵長とは違う…だからハンジさんはモブリットさんに振り向いた…はず」
リヴァイ「うるせえぞ!!ミカサ!!」
リヴァイはちっ、と舌打ちをした

ハンジ「さあ、皆準備はいいか!?」
ハンジのゴーグルがきらりと輝く

モブリット「はい、分隊長!!」
リヴァイ「ちっ、なんで俺まで…」

ミカサ「目標西三メートル、深さ7メートル!!」
ミカサが穴の淵から、水面を単眼鏡で何かを覗く

ハンジ「長距離…じゃないけど策敵陣形展開!!」

モブリット「目標海亀のかめ子ちゃん!!」

ハンジ「前進せよ!!」

リヴァイ「…この茶番劇が必要なのか…?」

ミカサの指示の元、3人は策亀陣形を展開して、青く神秘的な大きな穴の中を縦横無尽に泳ぎ回るのだった

私は自分が書いているスレにしか書き込みをしていません

88の名前で書いています
不都合がありましたらすみません

ハンジ「結局、かめ子ちゃんにタッチ出来たのはモブリットだけかあ…羨ましいなあ…どんな感触だった?!」

モブリット「どんなと言われましても…固くてごつごつしてて、ざらっとしてたくらいしか…」
モブリットは手の平を握ったり開いたりしながら、言葉を発した

リヴァイ「亀は深く潜って行ったもんな…さすがに追い掛けられねえ。モブリットだけは着いていけたが…深海魚かよお前」

モブリット「深海魚って…10メートルちょっとですよ、私が潜ったのは」

リヴァイ「深海生物モブ・リットの」
モブリット「人を珍獣扱いしないで頂きたいです、兵長」

ハンジ「でも、モブリットに泳ぎが負けるなんて、なんかショックだなあ…」
リヴァイ「奇遇だな、俺もショックだ」

ミカサ「二人とも、完膚なきまでに負けている…醜い嫉妬に顔が歪んでいる」
ミカサはそう言いながら、メモをとった

モブリット「人間一つくらいは取り柄があるものですよ。それがたまたま私の場合は泳ぎだっただけで…というか日常の生活になんのメリットももたらさないんですよ…?」

ハンジ「なーんかモブリットには負けたくないんだよね…」
リヴァイ「奇遇だな、俺もだ」

ハンジ「じゃあ、勝負しよう!!」
リヴァイ「ああ、そうだな…」

モブリット「ちょっとお二人、勝手に決めないで下さいよ!?なんで勝負なんてする必要が…」

ミカサ「面白そう。モブリットさん対兵長、分隊長組のスイミング対決…」
ミカサはほくそえんだ

リヴァイ「いや、ミカサ、お前も勿論参加するんだ。チームモブリットにな」
リヴァイの言葉に、ミカサが慌てる

ミカサ「兵長!!私は浮き輪が無いと泳げない…のに、勝負にならない。兵長はそこまでしてモブリットさんに勝ちたいのか…」

ハンジ「そうだよ、ミカサは泳げないんだから、競争なんて無理だろ?リヴァイ」

リヴァイ「ふん、ハンジと俺、モブリットとミカサで、丁度いいくらいだろうが。なあ、モブリット」

モブリット「…そうですね」
ミカサ「モブリットさん!?私と組むなんて、勝負を捨てている…ので、考え直して…」
ミカサの悲痛な言葉に、モブリットは首を振る

モブリット「ミカサ、勝負を捨てるなんてしていないつもりだよ。分隊長、勝った暁には、私と一緒になって下さいね」

ハンジ「ええ!?ちょ、ちょっと…それって…えええ!?」
ハンジは突然の告白に顔を真っ赤に染めた

リヴァイ「あくまで勝つつもりなんだ、分かった。ハンジ、お前、モブリットと一緒になりてえからって、手を抜くんじゃねえぞ?俺は一緒になるとかはどうでもいいが、負けたくねえんだからな」

モブリット「勝負まで、三日頂きたいです。ミカサ、巻き込んですまないが、一緒に頑張って欲しいんだけど」

ミカサ「…わかりました。ついていきます…私だって負けたくない…」
ミカサは燃えるような目をしていた

ハンジ「本当にやるのかい…?三日後なら、また次の島に渡ってるね…そこで勝負ってことになるね」
モブリット「はい、わかりました」

ひょんな事から勝負に発展した一行
暗雲立ち込める様な表情のミカサの運命はいかに…

アナワのブルーホールを後にした一行は、島の南にある美しい教会に来ていた
南洋杉に囲まれた、赤い屋根に白亜の壁の美しい教会だ

ハンジ「ここはムリ教会。映画の舞台になったビーチに隣接しているんだ」

ミカサ「可愛い教会…」
ミカサは両手を頬にあてて、うっとりしていた

ハンジ「ミカサって結構乙女なんだねえ。いつもエレンエレンって血走ってるイメージがあるんだけど…」

ミカサ「いつも巨人巨人のハンジさんよりは血走ってない…と思う」

モブリット「それは言えてると思う」
リヴァイ「以下同文…だと思う」

ハンジ「ちょっと、揃いも揃って…まあ否定は出来ないけどさ…」
ハンジはぽりぽりと鼻の頭を掻いた

教会と南洋杉と、白い砂浜に青い海…美しい風景を絵に納めるべく、モブリットは筆を走らせていた

ミカサ「あの…モブリットさん」
モブリット「なんだい?ミカサ」

モブリットは絵からミカサの顔に視線を移動させた…ミカサは何時になく不安そうな面持ちで、モブリットを見ていた

ミカサ「大事な戦いに…私は足手まといにはなりたくない。ハンジさんにその、プロポーズをしましたよね…そんな大事な返事がかかった戦いに…私は」
ミカサはそう言って目を伏せた

モブリットはミカサの頭をよしよしと撫でつつ、口を開く
モブリット「大丈夫だよ。君が心配する事はないさ。第一、悔しくないのかい?兵長に、勝ちたいんだろ?弱音は君には似合わないよ」

ミカサ「でも、私は泳げない…」
モブリット「いいや、食わず嫌いと同じさ。やってみれば意外といけるものだよ?君は背も高くて、手も大きい。足は普通だけど…元々凄い運動能力だし、必ず泳げるようになるよ」

ミカサ「本当ですか…?」
モブリット「ああ、本当だ。少々スパルタになるけど、大丈夫だろ?君なら」

ミカサ「はい、頑張ります!!モブリットさん!!」
ミカサは立ち上がり、びしっと敬礼をした

モブリット「こちらこそよろしく頼むよ。頑張ろうね」
二人はこうして、暇があれば水泳の師匠と弟子として、修行に明け暮れる事になるのであった

教会を後にし、ホテルに戻った一行は早速海水浴に繰り出す
バンガローの目の前に広がるプライベートビーチ
サンデッキにはジャグジーもあり、疲れた身体を癒すことが出来る…絶景のリゾートホテルだ

モブリット「ではハンジさん、私はミカサと一緒に泳ぎの練習をしてきますので、ごゆっくりおくつろぎ下さい」
モブリットはそう言うと、頭を下げてビーチへ出て行った

ハンジ「ミカサ、大丈夫なのかなあ…と言うか、さっきのあれは…プロポーズ、だよね…どうしよう」
ハンジは、ベッドにうつ伏せになって、枕を抱きながら呟いた
あっさり言われたが、後から考えると顔から火が出るくらい恥ずかしかった

ハンジ「真面目なモブリットの事だ。一度そうなれば、結婚を申し込むのが礼儀だと思っているんだろうな…。でも、確か一回だけ、みたいに言っていたし…うーん、何考えてるのかわかんないよ…」
リヴァイ「まあ奴は真面目だからな。だがそれだけじゃねえ。お前を諦めるのを止めたんだ。腹を括ったんだろう。もうしおらしくお前を眺めているだけは止めたんだ。覚悟しておけよ、ハンジ」

ハンジ「わっ、リヴァイ何時の間に!!びっくりしたあ…」
リヴァイ「さっきからずっと後ろにいたぞ。お前が枕を奴の代わりにして抱き締めていた所からな」
リヴァイは肩を竦めた

ハンジ「いやいや、枕をモブリットの代わりになんかしてないさ…」
リヴァイ「顔が真っ赤だな、ハンジ」
リヴァイはハンジの頬にそっと手で触れた

ハンジ「そりゃあ、あんな風に言われればさ…でも…」
リヴァイ「もう一度言っておくが、俺は負ける気はねえ。と言うより、実は俺もあいつが何を考えているのか読めねえ。出来レースでプロポーズの返事をさせる様な奴じゃねえからな」

ハンジ「私も、そこがわからないんだ。モブリットはそう言う大事な事をレースの勝負まかせにする様な性格じゃないからね…」

リヴァイ「ま、せいぜい奴とせめぎあうんだな。散々振り回したばつだ。俺との関係みてえに一夏の思い出にするもよし、一生添い遂げるもよし」
リヴァイは言葉の意地悪さとは裏腹、労るような、優しげな瞳をハンジに向けていたのだった

ミカサ「ひゃぁぁぁ…死ぬぅぅぅ!!」
ミカサは足の届かない海面で、必死に浮かぼうともがいていた

モブリット「ミカサ、落ち着いて。力を抜くんだ、ふわっと、海に身を任せる様に」
モブリットはその様子を冷静に見つめながら、声をかけた

ミカサはモブリットの背に掴まる形で、ビーチから離れた場所に連れてこられた

浮き輪は金輪際禁止だと言われて、浜辺に置いてきた

モブリットはまさにスパルタだった
一度は完全に海に沈むまで見ていたくらいだ

普通の人間ならトラウマになりかねないこの訓練にも、ミカサは負けてはいなかった

しばらくもがいていたが、やがて頭が完全に海中に沈んだ時、ふわりとミカサの身体を浮かび上がらせる

ミカサ「はぁはぁはぁはぁ…」
ミカサは今や唯一の命綱であるモブリットの首にしがみついた

モブリット「ミカサ、少し休憩したらもう一度だ」
ミカサ「モブリットさん、私は死んでしまう…きっと死ぬ…何度やっても沈む…」
ミカサはモブリットにしがみついて、離れようとしなかった

モブリット「大丈夫、ちゃんと見てるから死なないよ。信じて、ミカサ」
モブリットの真摯な眼差しに、ミカサは素直に頷くのだった

モブリット「ミカサ、お疲れ様。大丈夫かい?」
特訓を終えてビーチに戻った二人…ミカサは倒れ込む様に、砂浜に寝転んだ

ミカサ「だ、大丈夫…私は負けない…」
ミカサはそう言ったが、かなりの体力を消耗したせいか、言葉を発するのも辛そうだった

モブリット「ミカサ、これを飲んで」
モブリットが水を渡すと、ミカサはごくごくと一気に飲み干した

ミカサ「はあ、少し生き返りました」
モブリット「はは、さすがだね。いやあ、しかし、あれだけ沈んでいるのに諦めない…やっぱり君は凄いね、ミカサ」

ミカサ「本気で死にそうでした。でも必ず泳げるようになりたい…それに、モブリットさんが信じてと言った…ので私は信じる」

モブリット「ありがとう、ミカサ。君は必ず泳げるようになるよ」

ミカサ「私はモブリットさんをも抜くくらいの意気込みで訓練する…ので伝授して下さい」

ミカサの熱い闘志に、モブリットは内心舌を巻くのだった

リヴァイは海で泳いだあと、一人サンデッキのジャグジーに入っていた
リヴァイ「………」
静かなプライベートビーチ、目の前に広がる美しい海と白い砂浜のコントラスト…ずっと眺めているだけで飽きない
その時、ふらふらと歩く人影がこちらに向かって来ているのに気が付く
ミカサ「兵長ただいま戻りました…」
ミカサのぐったりした様子に、リヴァイは一瞬目を見開いた

リヴァイ「…えらく疲れてるみてえだな。絞られたか」
ミカサ「はい、モブリットさんは見た目よりずっと厳しい…」
リヴァイ「まあ、入れ。気持ちがいいぞ。ジャグジーって言うらしい」
ミカサ「暴れるお風呂ですか…」
ミカサはおそるおそる足を風呂につけた

足に当たる心地よい水流と泡に、ミカサは目を細める
そして、ザブンと頭まで潜った
リヴァイ「…おい」
リヴァイは眉をひそめたが、それ以上なにも言わなかった

ミカサ「はあ、気持ちがいい。エレンと一緒に入りたい…」
そう言ってちらりと隣を見るミカサに、リヴァイは顔を歪ませる
リヴァイ「そりゃ、こっちのセリフだ。折角一人静かな時間を満喫していたってのに…」
ミカサ「寂しい人…ふふ」
リヴァイ「うるせえ、クソガキ!!」
ミカサ「はあ、身長がち…びだと心も小さいのか…」

リヴァイ「…ちっ、だがお前…潜れるようになったのか?顔を沈めていたが」
ミカサ「はっ、そういえば自然に潜ってた…」
ミカサは両手を口に当てて驚いた
リヴァイ「特訓の成果か…」
リヴァイは舌を巻いた

ハンジ「モブリット、おかえり」
モブリットがビーチから戻ると、サンデッキのチェアに腰を掛けているハンジが声をかけた

モブリット「ハンジさん、ただいま戻りました…あれ、裁縫ですか?珍しい」
モブリットはハンジの手元を覗き、そして目を見開いた

ハンジ「ああ、これね。君が昨日着てたシャツだよ。ボタンが弾けとんだから、直してるんだ」
そのシャツは、昨日モブリットがハンジの後を追うために破り捨てたはずの物だった

モブリット「まだ持っていらしたんですか…」

ハンジ「ああ、だってこれは、私の宝物だからね」
ハンジはそう言うと、はにかんだ様な笑みを浮かべた

モブリット「そんなものを宝物だなんて。シャツならまだ沢山ありますから…」

ハンジ「いいや、あの時のこれが宝物なんだよ。モブリットはもういらないだろ?捨てたわけだし…だから私のだ」

モブリット「…どうするんですか、そんなもの」
ハンジ「ん?寂しい時は抱いて寝ようかな~?」
ハンジのいたずらっぽい笑みに、モブリットは目を奪われずにはいられなかった

モブリット「しかし、何と言うかあまり綺麗とは言えないボタン付けですねえ…やりましょうか?」

そう言いながら、ハンジの持つ針に手を伸ばそうとするモブリット

ハンジ「ダメだよ?これは私が直すんだからね。下手くそでもいいんだよ」
ハンジは頬を膨らませた

モブリット「…そうですか。まあ花嫁修行だと思って頑張るのもいいかもしれませんね」
モブリットは肩を竦めた

ハンジ「花嫁…ねえ、君…あれは本気なのかい…?勝ったら何とかっていうの…」

モブリット「…私が冗談でそういう事を言うかどうか、あなたならお分かりだと思いますが」
モブリットは真摯な眼差しをハンジに向けて、静かな声で言った

ハンジ「そう、だよね…」
モブリット「そうですよ。さて、私はあなたの不器用さと美しい景色を見ながら、ジャグジーでも入りますかね」

モブリットの言葉に、ハンジは不服そうな顔をする
ハンジ「景色と比べないでくれよ…一生懸命慣れない事をやってるのにさ…」

モブリット「比べていません。どちらも私にとっては貴重な風景ですから」
モブリットはそう言って、はにかんだような笑顔を見せた

ハンジ「夕日が綺麗だねえ…」
サンデッキで見る夕日の美しさは格別だ
海の青に夕日の赤やオレンジが絶妙なコントラストを紡ぎ出す

モブリット「本当に美しい景色です。静かで贅沢な時間です」

ハンジ「何もせずにボーッとするのも貴重な時間だしね…私達は、いつも駆け足だから」

モブリット「分隊長はいつも猛ダッシュしていますけどね」
モブリットは、ジャグジーの泡に包まれながら隣で寛ぐ上官に、ちらりと目をやった

ハンジ「そうだね。生き急ぎ過ぎですって何度も言われてるしね、君に」
ハンジはふわりと笑った

モブリット「これからも何度も言わせるんでしょうね。あなたの事ですから」
モブリットは肩を竦めた

ハンジ「よろしく頼むよ。君の突っ込み、好きだ。絶妙なタイミングで入ってくるからね」
ハンジはそう言うと、モブリットの頭をよしよし、と撫でた

リヴァイ「チッ、重てえ…」

リヴァイは、サンデッキで夕日を眺めているうちにうたた寝してしまったミカサを、抱き上げてベッドに寝かせようとしていた

ミカサ「う…ん…」
ミカサは一瞬身じろぎしたが、部屋に設えてある大きなベッドに身体を横たえてやると、またスヤスヤと眠りについた

ちらりと寝顔を覗くと、思っている以上にあどけない

凄い力を持っていて、その上生意気な口を聞くが、まだ15才
…まだ子どもだと言える年齢だ

こんな子どもが戦わなければならないあの世界

それが普通だと思っていたが、やはりなにかが引っ掛かる…

子どもが戦わなくてもいい世界に、いつかなるんだろうか

ミカサの寝顔を見ながら、ふと故郷である壁の中の世界に、思いを馳せるリヴァイであった

日が沈み、夜のとばりが降りた

ホテルにあるレストランでフランス料理を食べた一行は、四人で部屋に戻った

ソファやベッドでおもいおもい、リラックスしていた

ミカサ「本当に、殺されるかと思いました…モブリットさんは見た目とは違って鬼畜です」

ハンジ「だろ…いつも一緒にいる私の気持ちがわかったかい?モブリットは実はドSの鬼畜だとね」

モブリット「誰がドSの鬼畜ですか…人聞きの悪い」

ミカサ「私もS、兵長はただのSじゃなくて、SSですね。身長もSSですが…クス」

リヴァイ「誰がSSなんだよ、さりげなくチビをアピールすんな!!」

ミカサ「自分でチビって言った…ププ」

リヴァイ「ちっ…うるせえクソミカサ」

ミカサ「兵長は都合が悪くなるとすぐにクソをつける。まるで子ども…おじさんなのに…ププ」

リヴァイ「うるせえクソがき!!」
さすがのリヴァイも、ミカサの態度になかなか勝てそうになかった

ミカサ「でも、そう考えると、ハンジさんはどMなんでしょうね。これだけまわりにSが集まってくるんですから」

ハンジ「えええ、私は普通だよ!!」
モブリット「確かにそうかもしれませんね。ハンジさんはMです」

リヴァイ「どMの奇行種だな」
ミカサ「兵長は人類最強のSS」

ハンジ「ミカサに同意!!」
モブリット「私も同意…って兵長睨まないで下さいよ…」
モブリットはリヴァイの鋭い一瞥に、身を縮こまらせた

ハンジ「所で…話を戻すけど、ミカサは泳げるようになったのかい?モブリットのスパルタで」

リヴァイ「潜れるようにはなっていたぞ。ジャグジーでだがな」

ミカサ「私に不可能はない…はず。だって私は人類最強になる…ので、兵長にだけは負けない」

モブリット「泳げるようになったかどうかは……秘密です。何処の世界に、勝負前に敵に手の内を明かすバカがいますか」

ミカサ「バカになりかけた…ごめんなさいモブリットさん」
ミカサはそう言うと、両手で口を覆った

モブリット「君は最終兵器だからね、ミカサ」

ハンジ「まあ、私たちも勝負には負けるつもりはないよ」
リヴァイ「精々無駄なあがきしてろよ、ミカサ」

ミカサ「首を洗ってまってろ…兵長…」
ミカサはリヴァイに、鋭い視線を投げて、静かにそう言ったのだった

深夜…静まり返ったホテルには、潮騒の音だけが涼やかに聴こえていた

ミカサ「さあ、やってまいりました…旅ロケ恒例、寝起きドッキリの時間ですよ…」
ミカサは小声でそう言った

ミカサ「今日のターゲットは、ハンジさん…なんだけど、モブリットさんと同室だから、二人がターゲット…」

ミカサ「あっ、そんな部屋にいきなりドッキリ仕掛けるのはまずい…かな。でも、団長の命令だし…ので、突撃してみる…どきどき…えっ?いや、なにも期待していない…私はそう言うのには一切興味が…エレンは興味あるのかな…」

ミカサは頬を幾分紅潮させながら、ゆっくりハンジの部屋の扉を開けた

ミカサ「部屋は整理されている。翌日に着る服まで、ハンガーにかかっている…さすがはモブリットさん。抜け目がない…鬼畜スパルタトレーナーだけど…」
ミカサはブルッと身体を震わせた

ミカサ「さて、洗面所には歯ブラシが二つ…本家のドッキリなら、アイドルの歯ブラシを口にいれて、間接キッスなんかするらしい…けど私はやらない…その代わり…ぬりぬり」

ミカサは二本立っていた歯ブラシに、なにかを塗りつけた

ミカサ「そして、これを横に置いて…」
ミカサは歯ブラシの横に、水入りペットボトルをおいた

ミカサ「カジノでもうけて買った、ビデオカメラをセットして…完成…」
ミカサはほくそえんだ

ミカサ「さ、これは翌朝のお・た・の・し・み♪さて、寝起きドッキリに行こう…」
ミカサはベッドルームに足を運んだ

ベッドルームは真っ暗やみだった
ミカサは足音を立てずにそっとベッドに歩み寄る

そして、布団をそっとまくりあげた
ミカサ「ハンジさんはグッスリですね…背を向けて寝ているモブリットさんを、後ろから抱き抱える様にくっついてます…甘えてるのかな…」

ミカサは人差し指を口元に持っていった
ミカサ「仲良しで羨ましい…私もエレンとこうしてみたい…ちがうっ、エレンは家族エレンは家族…兵長は…ちがうっわたしのバカ!」

ミカサは首をぶんぶんふった

ミカサ「さて、二人がなんだかお熱いのに腹が立ってきた視聴者もいるだろうし、この辺でびっくりさせてやる…ふふ…団長から預かった、リアルなゾンビのマスクをかぶって…」

ミカサは頭だけゾンビになって、ハンジの肩をポンポンと何度も叩いた

ハンジ「う、…なんだよモブリット…もう、続きは明日にしてよ…いい加減疲れ………ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

ハンジ目を開けて、絶叫したのだった

ミカサ「げへへへへ」
ミカサは精一杯怖い声を出しながら、ハンジを組み敷いた

ハンジ「ぎゃぁぁぁいゃぁぁぁぁ!」
ハンジの悲鳴に、爆睡していたモブリットが目を覚ます

モブリット「な、何ですか…こんな夜中に…ってうわぁぁぁ!!」

モブリットは隣でゾンビに組み敷かれているハンジを見て絶叫した

ミカサ「げへへへへ…」
ミカサはハンジを巧みに組み敷きつつ、モブリットに顔を向けた

モブリット「うわぁぁぁこっち見るなぁぁぁ」
モブリットは思わずベッドから飛び降りた

ハンジ「モブリット、助けてくれよ…びくともしない、このお化け!!」

モブリット「すっごい人相ですよ…スプラッタです…ってあれ…」
モブリットは何かに気がついた様に、ゾンビに歩み寄った

ミカサ「げへへへへ」

モブリット「なんだ、ミカサだね。赤いマフラーしてるからわかったよ」

ゾンビに扮したミカサは、エレンからもらったマフラーを着用していたのだった

ミカサ「チッ…ばれたか…」
ミカサは舌打ちをし、ゾンビマスクを外した

ハンジ「びっくりしたぁ…ミカサのイタズラ半端ないよ…」

ミカサ「イタズラではなく、ドッキリです。『調査兵団ドッキリマル秘報告inニューカレドニア』です」

モブリット「また日記に書かれて、壁新聞になるんだろうな…上官二人のびびり様が…」

ミカサ「勿論…ふふ。それに、ハンジさんが寝ぼけて、続きは明日にしてよ、いい加減疲れた…って言いました。何の続きなのか…ふふ。それも日記に書いちゃお…」
ミカサは不敵な笑みを浮かべた

モブリット「ハ、ハンジさん!!何てことを…」

ハンジ「あれだよあれ、マッサージ!!そうマッサージ!!」

ミカサ「なるほど、疲れるマッサージですね」

リヴァイ「あれしかねえな」
リヴァイが突如背後から言葉を発した

ミカサ「兵長、いつの間に…」

ハンジ「リヴァイ、副官になんとか言ってやってよ…夜にこっそり入ってきてさ…最中ならどうするんだよ」

モブリット「ハ、ハンジさん?!」

ミカサ「それはそれで番組的には美味しい展開。団長大喜び…ので続きをどうぞ」

ミカサはハンジの手を取り、モブリットの肩につかまらせた

リヴァイ「俺が何でミカサの躾なんかしなきゃいけねえんだよめんどくせえっておい!!」

ミカサはリヴァイの手を取り、ハンジの胸に手を触れさせた

ハンジ「うわっ!?」
その瞬間、ミカサはカメラのシャッターを高速できった

ミカサ「パシャパシャ…いい写真が撮れた…。ドッキリの最中に、二人の男がハンジさんを襲う様子、激写!!」

リヴァイ「ミカサてめぇ!!」
ハンジ「うわぁぁしまったぁぁ!!」
モブリット「アーメン…」
三人の大人組は、ものの見事にミカサの策略にはまるのであった

ミカサ「さて、疲れたのでお先に寝ますね、おやすみなさい。兵長…行きましょう」
ミカサはそう言うと、リヴァイを促して部屋を後にした

外に出た後、ミカサが立ち止まる
リヴァイ「おい、俺はねみぃんだ。早く帰って寝るぞ」

ミカサ「兵長、明日の朝、また面白い物が見られますよ…ふふ」

リヴァイ「お前、また何か仕掛けたのかよ…」

ミカサ「はい、イタズラは楽しい…やられるのは嫌だけど…」
ミカサは目をキラキラ輝かせていた

リヴァイ「まあ、旅行の間くらい楽しめばいい…お前は生意気だが、まだ15才だしな」

リヴァイの言葉に、ミカサが後ずさる
ミカサ「兵長が優しい…きっと明日は雪が降る…いや、ひょうが降るかも…」

リヴァイ「ばかいえ、たまには俺も…」

ミカサ「兵長はたまに優しい。それは認める…かも」
ミカサはそう言うと、さっさと部屋に入って行った

リヴァイ「ちっ…」
リヴァイの顔は心なしか赤く染まっていた

ハンジ「ふぁ~もう朝だ…」
ハンジが目を覚ました時、すでに部屋は朝日に照らされていた

隣にいたはずのモブリットはいない
もう起きて、朝の支度を整えたのかもしれない

ハンジはゆるりと立ち上がり、洗面所へ向かった

ハンジ「はあ、昨日はしっかしびっくりしたなあ…ミカサのせいで…」
ハンジは鏡に写る、明らかに寝不足な顔を見ながら、肩を竦めた

そして、顔を洗い、歯ブラシを口に入れた…その瞬間

ハンジ「うぎゃぁぁぁぁ、か、かっら…なんだよこれっ…げほっげほっ…」
何時もならこんな時には飛んでくるモブリットも来ない

お誂え向きに、ペットボトルの水が置いてあった

ハンジはそれを口直しとばかりに、がぶりと飲む

ハンジ「ブエッ!!ひー!!からからからぁい!!」
口に含んだ水を吐き出しながら、洗面所のシンクに突っ伏した

リヴァイ「あさっぱらからうるせえなクソメガネ・・・」
寝癖を撫でつけながら、リヴァイが背後から現れた

ハンジ「うおっリヴァイおはよう。いやあ歯磨きしようとしたらさぁ・・・歯ブラシに何か仕掛けてあって辛くてさあ。しかも水飲んだらこれも辛くて・・・死にかけたよ」

リヴァイ「そういえば昨日ミカサが朝面白い事が起こるとか言っていたが、この事か・・・」

ハンジ「ん、面白い事?もしかしてこれ、ミカサが仕掛けたのか・・・もう!って、リヴァイ何見てるの?」
リヴァイ「何かがのぞいているような気がしてな・・・なるほど」
リヴァイは洗面台の背後の脱衣かごを漁った。すると、巧妙に隠されたビデオカメラがお目見えした

ハンジ「うわっ動画まで撮られていたのか・・・!リヴァイそれ貸して!消去しなきゃ消去!」

リヴァイ「いやだめだ。折角の面白動画、エルヴィンにも見てもらえ」
ビデオをとり返そうとまとわりつくハンジを、ひらりひらりと躱しながらリヴァイは言葉を発した

ハンジ「か、返してくれよーーー!リヴァイ―!」
ハンジは不意にびょんとジャンプして、リヴァイに襲い掛かる

リヴァイ「てめえクソメガネ・・・っ!」
バターン・・・リヴァイはハンジの行動を躱しきれず、二人で床に転がった

その体勢、ハンジが、ビデオを片手に持つリヴァイを押し倒す格好。
限界まで近づいた二人の距離・・・

ハンジが顔を真っ赤にしかけたその時だった
パシャパシャパシャ・・・カメラのシャッターの音があたりに鳴り響いた

ミカサ「ハンジさんが兵長を襲うシーン、激写・・・そしてビデオは回収」
ミカサが不敵な笑みを浮かべてカメラを構えつつ、リヴァイの手の中のビデオカメラを回収したのだった

モブリット「朝からなにをやってるんですか・・・お二人とも」
呆れた様な表情のモブリットが、ミカサの背後から現れた

ミカサ「モブリットさん、ハンジさんと兵長は朝からさかっている様です」

リヴァイ「だれがさかってるんだ誰が!」

ミカサ「兵長が」

モブリット「いや、この状況から察するに、ハンジさんが兵長相手にさかっている様に見えるな」

ミカサ「確かにそうかもしれない。でも兵長もはねのけないあたり、どのみち二人とも節操がない事に変わりはないです」

ハンジ「違うってば誤解だよ誤解!!」
リヴァイ「クソメガネ早くのけよ!!」

二人の悲鳴があたりに響いた


ハンジ「そういえば、二人ともどこ行ってたの?君たちこそこっそり二人で抜け出してさかってたとか・・・」

モブリット「私がミカサの様なまだいたいけな少女に対してそう言う事をする人間だとお思いなんですかね」
ミカサ「ハンジさんはひどい・・・モブリットさんがそんなことをするはずがないのをわかっていて、わざと言っている。ハンジさんは私に嫉妬しているんだ。そうか・・・」

ハンジ「じょ、冗談だってば!で、二人で何やってたんだよ・・・」

モブリット「それは・・・」
ミカサ「ひみつです」
副官二人は顔を見合わせてにやりと笑った

ハンジ「さて、今日で天国に一番近い島、ウベア島とはお別れだよ!今日は今からまた別の場所に移動するよ。とりあえずは本当ヌメアに戻るよ・・・って、モブリットいい加減離れてくれよ・・・」

モブリット「こんなものが空を跳ぶのは有りえない有りえない・・・」
飛行機でウベア島を後にする一行・・・二度目の飛行機だが、モブリットは相変わらずハンジにしがみついて離れなかった

リヴァイ「おいミカサ、こういう状況を『さかっている』というんだおぼえとけ」

ミカサ「モブリットさんがさかっている・・・モブリットさんの節操がない。という事は、節操があるのは私だけ・・・自分だけが頼り・・・」
ミカサは眉をひそめながらぼそっと呟いた

モブリット「さかっているんじゃないでしょうが・・・・ガクガク。怖がっているんですよ・・・ブルブル」
モブリットの顔色はすごぶる悪かった

ハンジ「うん、でもやっぱりこれでこそモブリットだよ。この頼りなさそうな顔。こうでなきゃだめだね。モブリットは水がなかったらモブリットなんだ」
ハンジは何故か満足そうにモブリットの頭をぽんぽんとたたいたのだった

モブリット「だ、誰が頼り無さそうな顔なんです・・・っかぁっぁぁll・・・!」
その時乱気流に飲まれて飛行機が急降下する・・・モブリットはハンジにより一層強くしがみついた

ミカサ「確かに水の中にいないモブリットさんは、モブリットさんって感じかも・・・」
リヴァイ「同意だ」

モブリット「早く地面・・・地面が恋しい・・・」
飛行機が着陸するまで、モブリットの戦いは続くのであった

ヌメア本島に戻った後、バスにて本日宿泊予定のホテルに到着した

モブリット「さて、今日は私はミカサと所用がありますので、お二人はどうぞごゆっくりおくつろぎ下さい」
モブリットはホテルに着くや否や、その豪華な内装を楽しむそぶりも見せずにそう言った

ハンジ「あれ、今日は本島を観光予定なんだけど、行かないの?二人とも」

ミカサ「私はとっても大事な用事がある・・・ので今日はハンジさんは兵長とデートでもしているがいい」
ミカサは不敵な笑みを浮かべた

リヴァイ「あれか、明日の戦いの特訓か。まあそれなら邪魔するのも野暮だな」

ハンジ「な、なるほどね・・・」

モブリット「じゃあ、ミカサ、早速部屋で支度をして出かけようか」

ミカサ「はい、モブリットさん」

ミカサはモブリットに連れられて、与えられた部屋に消えて行った

ハンジ「折角ホテルにたくさん美味しいレストランも、お酒もあるのに・・・慌ただしいなあ」

リヴァイ「まあそれだけ奴らは本気だってことだろ。俺たちは何もしなくても大丈夫なのかよ」

ハンジ「どうだろうね・・・今日一日特訓したからと言って、私たちがすごく泳げるようになるはずはないし、折角だから楽しみたいね、私は」

リヴァイ「まあ、そう言う事にしておいてやるか」
リヴァイはハンジの横顔をちらりと伺いながら、呟く様にそう言った

ハンジ「ついに、あの子に会える!!飛べないあの子に会えるんだ!」
ハンジは車の中で興奮気味に何度もそう言った

リヴァイ「何なんださっきから、飛べないあの子飛べないあの子って。静かにできねえのかよクソメガネ」
ハンジ「とっても興味深いあの子にやっと会えるんだ、興奮せずにいられるわけがないさ!」

リヴァイ「とりあえずお前、どこに向かってるとか説明しろよな・・・有無言わせず車に乗せられて、空のペットボトル数本握らされて・・・」
ハンジ「まあまあ、着いたらちゃんと説明するから・・・ふふふふふ」

リヴァイ「いやーな予感しかしねえ。オーストラリアの時のワニを思い出す・・・」
リヴァイは身震いした

ハンジ「まあ、あたらずも遠からずかな・・・ワニみたいな怖い子ではないよ、うん。きっとリヴァイもあの子の事を気に入ると思う」
ハンジはニヤリと笑った

そうこうしている間に、車がある場所で停車した
ヌメアから車で約2時間、山道を揺られながらたどり着いたその場所は・・・

ハンジ「ここは、リヴィエルブルー州立公園。ニューカレドニアといえば海のイメージだけど、海だけじゃなくて陸地にもいろいろ不思議がつまってるんだ。それを感じさせてくれるのがこの公園さ」
目の前に広がる森林から、マイナスイオンの風をうけながら、ハンジは大きく深呼吸をしてそう言った

リヴァイ「ここにそのあの子…とやらがいるんだな」
ハンジ「うん、たぶん会えると思う。あの子に会えたら幸せになれるらしいよ、リヴァイ。必死で見つけなきゃね!!」

リヴァイ「オーストラリアの時の幻の青い蝶みたいに、3匹見つけたら不幸になるとかじゃねえだろうな・・・」
ハンジ「大丈夫だって・・・たぶんね」
ハンジはほくそ笑んだ

ハンジ「この橋は『ペリニョン橋』。前までは車で渡れていたんだけど、台風の影響で壊れたままらしくてね。徒歩で向こう側までわたるよ」

リヴァイ「車は先回りか」

ハンジ「そういう事だね。まあゆっくり自然の静けさを満喫しながら渡るとしよう・・・ふふふ」
ハンジは何故か顔を赤らめながらほくそ笑んだ

リヴァイ「クソメガネ、大自然にそぐわねえその表情なんとかならねえか・・・」

ハンジ「し、仕方ないだろ、あの子にやっと出会えるかもしれないんだから。ああ、待ち遠しくてたまらないよ・・・」
ハンジは両手を胸の所で握り合わせ、視線を遠くへ向けた

リヴァイ「どんなゲテモノが待ち受けてやがるんだろうな・・・」
リヴァイはそんなハンジの様子を見ながら、ため息をもらした


橋を渡り、しばらく車で進むと不思議な風景を目にする
リヴァイ「おいクソメガネ。、湖から木が生えてやがる・・・葉はねえみてえだが」
リヴァイが指さす方向には確かに、湖の中からたくさんの木が生えている様に見えた

ハンジ「ああ、あれはニアウリの木なんだ。このヤテ湖は人口の湖でね、もともとここにニアウリの木が自生していたんだけど、そこを貯水湖にしたんだ。その結果、ニアウリの木も湖に沈んだんだけど、もともと殺菌作用のあるニアウリの幹だけ、水の中にあっても腐らずに残っているんだ」

リヴァイ「枯れているが、姿は残っているんだな」

ハンジ「そう、別名沈める森と言われているよ。なんだか哀愁が漂う光景だろ」
二人はどこか清廉な風景に、しばし心を奪われたのであった

ヤテの湖から、森の奥へと続く遊歩道を散策する
ハンジ「ニューカレドニアにはね、固有種の植物が多いんだ。ほら、あそこに咲いている蘭も、固有種。白くて可愛い花だろ。野生の蘭なんだ」

リヴァイ「足元に白い綿みてえなのが生えてるぞ」

ハンジ「これはこけの一種だね。原始的な地衣類の仲間らしいよ。あとはほら、食虫植物がたーくさん。足元にはモウセンゴケ」

リヴァイ「虫を食う植物か・・・。肉食な奴らなんだな」

ハンジ「肉食・・・かどうかはわからないけど、不思議だよね」

リヴァイ「しかし、背の高い木が多いな」

ハンジ「そうだね。巨大樹の森の木よりもずっと背の高い木ばかりだよ。30メートル級がわんさかだ」

遊歩道脇にうっそうと茂る木々は、どれも巨木というにふさわしい佇まいを見せていた
その下にひっそりと自生するコケやシダ植物・・・ニューカレドニア=海のイメージを覆すような光景だ

リヴァイ「おい、一際でけえ木があるぞ。ありゃなんだ」
リヴァイの指さす方向には、確かに明らかにあたりの巨木とはスケールが違う木がまさにそびえ立っていた

ハンジ「ああ、あれがグランドカオリと呼ばれている巨木だね。樹齢1000年を超えるという木だ。高さは40メートル程、幹の直径が2・7メートル。周りの木を圧倒しているね」

リヴァイ「背が高けえな、おい・・・」

ハンジ「森の神様にまでひがむなよリヴァイ・・・ぷぷ」

リヴァイ「ひがんでねえ!クソメガネ!」
リヴァイはちっと舌打ちをした

来た道を戻っていた矢先、ハンジが突如立ち止まった
ハンジ「いた、あの子が・・・ついにあの子を発見した・・・」
ハンジは体を震わせて、木々の間を指さした

リヴァイ「・・・なんだよあの子って・・・あれか。あの灰色の鳩」

ハンジ「はとじゃないよ!あれが飛べないあの子、国鳥カグ―だよ!可愛いだろ!!何で飛べないか知りたいだろ?」
ハンジは目をきらきらと輝かせながら、興奮気味にまくしたてた

リヴァイ「とさかみてえなのが頭の後ろに生えてんだな、確かにちょっと可愛いかもしれねえ」

ハンジ「つぶらな瞳、そして翼を広げても飛べない愛らしさ・・・母性本能をくすぐるタイプだよ!」

リヴァイ「お前の母性本能って・・・まあ巨人にすらそれを発揮するくらいだからな。常人と一緒にするのがそもそも間違いだった」

ハンジ「カグ―がなぜ飛べないのか、それはね、ニューカレドニアには鳥の天敵になる様な動物がいなかったんだ。そんな環境が何万年も続く間に、羽が退化してしまったと言われているんだ」

リヴァイ「なるほどな。戦う必要や、逃げる必要がなけりゃ、能力は薄れていくという事か」

ハンジ「そう言う事だね。しっかしかっわいいなあ・・・だっこしたい。だっこ」
ハンジがそう言いながら、じり、じりとカグ―ににじりよると、その異様な雰囲気を察したのだろうか、カグ―は一目散に森の奥へと走り去っていった

ハンジ「後ろ姿も可愛い――!!!」

リヴァイ「まあ、わによりは可愛い事は認める」
いつまでも悶えるハンジに、リヴァイは肩をすくめた

ニューカレドニアの陸地の大自然を満喫した二人は、現地のガイドが用意してくれたバーベキューで腹を満たし、帰路に着くべく車で州立公園を後にした

その途中で、モンドールの滝というところに立ち寄った
そこは豊富な水量の川と、美しい滝がみられる絶景ポイントなのだが、その湧水がまたとても美味しいと有名であった

リヴァイ「なるほどな、ここでこの持たされた空のペットボトルが役に立つわけだ」

ハンジ「そういうこと、ただで美味しいお水がもらえるからね。モンドールの水は、普通にニューカレドニアの各地でミネラルウォーターとして売られているほど美味しいんだよ!」

二人は地元民に交じって、モンドールの水をペットボトルに入れる作業に没頭しつつ、たまに口に含んでその味を確かめたのだった


ホテルに到着した時には、すでに夕刻を回っていた
ハンジ「このホテルはヌメア本島で一番の高級リゾートホテル、ル・メリディアンヌメア。今日止まるのも二人用の部屋だよ。ほら、広いデッキからニューカレドニアの海が一望できる!」

リヴァイ「一泊目のホテルより数倍高そうな雰囲気だな」

ハンジ「まあ、数倍たかいよ。君たちがカジノで大儲けしてくれたから泊まれたけどね。ここのレストランは料理もおいしい。あとで食べに行こう」
ベッドにどさっと体をなげだしながら、ハンジはそう言った

リヴァイ「あいつらはまだやってるのかな。特訓」

ハンジ「やっぱり、特訓してるのかなあ・・・ミカサが死にやしないか心配だよ」

リヴァイ「モブリットの事だ、そんなへまはしねえだろうし、だいたいミカサがそう簡単に死ぬともへこたれるとも思えねえ。しつこく教えを乞う姿を想像しているぞ、俺は」

ハンジ「確かに、ミカサは頑張り屋さんだからね。あの子たちが帰ってくるまで少し寝よっと」
ハンジはそのまま目を閉じた

このSSまとめへのコメント

1 :  進撃野郎   2014年01月04日 (土) 15:32:00   ID: Kt4d03Xd

続きに期待!
頑張れ!!^o^

2 :  SS好きの774さん   2014年02月17日 (月) 22:48:27   ID: vzpqiCAf

天国に一番近い島ってどこですか?

3 :  飛翔   2014年07月08日 (火) 18:35:02   ID: AEJZEKdN

おお!!更新しているッッ!!
この話本当に大好きです^ - ^

ハンジかわええ(^p^)

4 :  SS好きの774さん   2014年09月20日 (土) 16:05:39   ID: ZijvG9Bj

ミカサ大好き!!!!!!

がんば!

5 :  SS好きの774さん   2014年09月24日 (水) 07:50:42   ID: X4rQT_H1

つまんねー糞スレだな

6 :  SS好きの774さん   2014年10月11日 (土) 16:30:26   ID: 23-s9LJb

※5
本当だよな
ゴミスレだわ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom