晶葉「出来たぞ助手!ゲームニハイレールだ!」(53)

のんびり書いてく

P「おぉ!ついに出来たのか!?」

晶葉「無論だ。私に不可能はないぞ。だが驚いたな。プロデュース業ばかりで事務所に泊まり込むこともある助手がゲームとは」

P「いやー、これでも結構ゲーマーでさ。オフの日とかはちょくちょくやってはいたんだ。唯一の趣味と言ってもいいね」

晶葉「なるほどな。では、改めてこのメカの説明をしよう」

晶葉「これは装着した本人を外界からシャットダウンし、仮想空間に飛ばす為の装置だ」

晶葉「今回は助手の要望に応えて、有名なRPGのゲームを解析し、仮想空間をそのゲームの設定とする」

P「…つまり?」

晶葉「仮想空間でゲームを楽しめる、ということだ。無論、自分で剣を握り呪文を唱えてな」

P「うっひょぉ血が騒ぐぜ!!」

晶葉「詳しい使い方は説明書に書いてある。…私はレッスンに向かうか」

P「おう!頑張ってこいよ!」



P「…さてさて。ちひろさんは用事でいない、帰るのは夕方で?」

P「他のアイドル達も現場に直行だったり、直帰だったりで?」

P「今日中にやるべき事務仕事はご覧の通り片付いててときたもんだ」

P「いやー、自分の有能さが怖いな。それじゃあ空いた時間をほんのちょーっぴり自分の為に使っちゃおうかなー!」

P「えーと、なになに?このヘッドセットを着けて…うおっ!?な、なんだ!?」


P「う、うわぁぁあああああ!!!?」

いろいろゲームを挙げてもらっていて恐縮なんですが、実は入るゲーム決めちゃってるんですよねぇ…某大作RPGの三部作目なんです

ちひろ「ただいま戻り…あら?プロデューサーさん?こんなところで寝てると風邪引きますよ?」

P「……」

ちひろ「事務仕事は…終わってるし。仕事は早いのに、だらしないところがなぁ…変なの頭に着けてるし」

ちひろ「何かしらこれ?」

晶葉「助手!助手はいるか!?」

ちひろ「あら晶葉ちゃん。どうしたの?そんなに慌てて」

晶葉「助手は…くそっ、やはりもう始めていたか…」

ちひろ「何かあったの?急ぎの用事とか?」

晶葉「そ、それがだな…助手に不具合がある失敗作を渡してしまったようで…」

ちひろ「この頭に着けているやつ?これは晶葉ちゃんが作ったの?」

晶葉「うむ、その名もゲームニハイレール。解析したゲームの仮想空間に意識を飛ばして、リアルなゲームを味わえる物だ」

ちひろ「それはまた凄そうな装置だけど…失敗作って、何がまずいの?」

晶葉「助手に渡した失敗作は、世界観を自由に調整できる、チートコードを積んだ装置なんだが…」

晶葉「チートコードがあっさり発動し、それが重なり重なって大きなバグを生んだらしい」

ちひろ「……?」

晶葉「つまり…このままだと…助手は目を覚まさない」

ちひろ「……えっ?

ちひろ「ちょ、ちょっと!その機械を外せば起きるんじゃ!?」

晶葉「無駄だ。これは意識を体から私の組み立てたデータの集合体に飛ばしている。メカを外してしまったら、意識が体に戻る道すらなくなってしまう」

ちひろ「そんな…!ど、どうすれば…」

晶葉「

晶葉「バグを取り除くしかあるまい。私もこのメカを使ってゲームをクリアし、強制終了させれば…」

凛「なるほど」

まゆ「話はよーく分かりましたぁ」

ちひろ「えーと…二人ともいつからそこに?」

凛「とりあえず、何が起こってるかはバッチリ把握してるよ」

まゆ「えぇ。晶葉ちゃんが原因なのも、よーく分かりましたぁ」

晶葉「…確かに私が渡すメカを間違えたのが原因だが…しかし…」

凛「それで、プロデューサーを助けるには、その機械を頭に着けてゲームをすればいい…でしょ?晶葉」

晶葉「それはそうだが…君が行くつもりか?」

凛「当然でしょ」

まゆ「ちょーっと待ってくださいねぇ?まゆもPさんを助けに行きたいんですけどぉ…」

凛「まゆはゲームなんてやったことないでしょ?それに、戻って来れないかもしれないんだし」

まゆ「ゲームなら凛ちゃんだってあまりやらないんじゃないかしらぁ…Pさんが戻ってくることが一番ですし」

凛「…なるほどね」

まゆ「うふふ…」

晶葉「し、しかしメカは一つしかない。どちらか一人しか行けない事には変わりないぞ」

紗南「それなんだけどさ」

ちひろ「…紗南ちゃんはいつからそこに?」

紗南「大丈夫、話は全部聞いてたよ!」

紗南「一人で行くのも危ないし、何人かでパーティ組んで行ったらどうかな?」

凛「でも、一人用のRPGなんじゃ?」

紗南「あ、そっか…モン*ンとかゴッ*イーターとかなら協力プレイが出来るからさ」

ちひろ「で、でもアイドルが何人も意識不明になったらお仕事とか…」

まゆ「Pさんがいない方がお仕事に支障が出ると思いますけどねぇ。それに、そもそもまゆはしばらくオフをいただいてますし」

凛「…そういえば、私もオフを貰ってたかな」

ちひろ「え、が、学校は…」

凛「学校?しばらく休みだよ」

晶葉「…ふむ。出来るかもしれない」

紗南「えっ!?」

晶葉「こちらからシステムに干渉して、ゲーム内の仲間に出来るキャラを全てプレイヤーキャラに置き換えられるかもしれん。このゲームは登場人物が主人公を入れて11人。助手が一枠使っていても10人分のキャラクターをPCに置き換えられる…かもしれんな」

凛「10人か…」

まゆ「まゆはもちろん参加しますよぉ。Pさんの危機ですもの」

凛「私も。プロデューサーにはまだまだ働いてもらわないとね」

紗南「私も勿論やるよ!ゲームなら、詳しい人がいた方がいいでしょ!」

晶葉「私も含めて四人か…あと六人。ちひろ、明日オフの者は何人で、誰がいる?この際レッスンくらいならすっぽかさせても構わん」

ちひろ「凄く構うんですけどねそれ…えーと、ニュージェネ組とトライアド組は完全オフね」

凛「卯月と未央、加蓮と奈緒は確保出来たね」

晶葉「これで8人…あと二人枠が余ったが…」

ちひろ「あ、あとは…>>20ちゃんとか」

文香

ちひろ「文香ちゃんがオフですね」

凛「文香…か」

まゆ「まゆたち以上にゲームに慣れてなさそうですけど…大丈夫でしょうか?」

晶葉「いや、案外文香のように思慮深い存在はありがたいかもしれんな」

紗南「ちなみに、どんなゲームなのさ?ゴテゴテのアクションRPGとかならそれこそ運動神経のいい人を集めた方が良さそうだけど」

晶葉「それも問題ない。助手が言うに、ターン制のタクティクスが求められるゲームらしい」

紗南「タクティクス…なんのゲームだろ?一度やったことのあるゲームなら対応とか出来そうなんだけど…」

晶葉「過信も危ないな。バグによって色々書き換わってしまっている可能性が高い。あくまでゲームシステムや大まかな筋書きくらいしか変わらんと思った方が良さそうだ」

紗南「晶葉さんはやったことないの?」

晶葉「うむ…Pに言われるままにデータ化していたからな。システムは大体分かるが…ストーリーはさっぱりだ。筋道だけでも聞いておくべきだったな」

まゆ「過ぎたことはしょうがないですよぉ。それよりも…もう少しゲームシステムの解説をしてください」

晶葉「そうだな…まず、キャラクターには固有の一つの武器が与えられている。このゲームの主人公は…確か、ボウガンを使っていたはずだ」

紗南「主人公がボウガン?うーん…多分やったことないなぁ」

晶葉「続けるぞ。通常の攻撃の他に固有の攻撃技や、味方を援助したり、敵を妨害したりする技…これもキャラクターごとに決まっているな」

凛「じゃあ、前衛と後衛にしっかり別れた方が良さそうだね」

晶葉「あぁ。当然だがステータスもキャラごとに変わるな」

紗南「魔法は!?魔法はないの!?」

晶葉「無論ある。この魔法のシステムはなかなか興味深かったな」

晶葉「このゲームにおける魔法はアーツと言い、オーブメントという機械にクオーツという結晶をはめ込み、その組み合わせによって発動出来る魔法が変わってくるのだ」

まゆ「ふむふむ…では魔法はどのキャラクターでも使えるんですかぁ?」

晶葉「そうなるな。だが各キャラに割り振られているオーブメントにも特性や向き不向きがある。魔法向きのキャラクターには強力な魔法が使えるようなオーブメントが割り当てられているし、肉弾戦の方が強いキャラには低威力の魔法しか使えないオーブメントが割り振られている、と言った具合だ」

凛「…未央大丈夫かな」

まゆ「…文香さんは案外向いてるかもしれませんねぇ」

晶葉「それでは私はゲームニハイレールを量産する作業に入るか。明日までに揃えなければなるまい」

凛「一日で九個も大丈夫なの?」

晶葉「問題ない。理論や構造は全て完璧に把握している。量産は作業だ。時間をかければどうということはない」

晶葉「凛はニュージェネとトライアド組、まゆは文香に事情を説明するのと、ちひろと協力して明日オフの者を探してくれ」

凛「了解」

まゆ「分かりましたぁ」

紗南「あたしは?」

晶葉「紗南は他の者にゲームシステムの解説を頼む。この二人も少しあやふやそうだしな」

凛まゆ「……」

紗南「え?結構シンプルだったじゃん」

凛「…私は完璧だよ」

まゆ「…まゆもですよぉ?」

晶葉「…まぁいい。後でキャラクターの特徴も連絡するから、キャラクターの割り振りも決めておいてくれ」

紗南「了解!任せといて!」

凛「…もしもし?卯月?うん。え?私だって電話くらいするよ。今暇?未央と一緒?好都合だよ。未央を連れて事務所に来てくれる?うん、一大事なんだ。プロデューサーの事。出来るだけ急いでね。それじゃ」

まゆ「あ、もしもし、文香さんですかぁ?今お時間大丈夫でしょうか?実はとても大事なお話があるんですよぉ。事務所に来ていただけますかぁ?」

凛「…あ、加蓮?私。今…え?事務所に向かってる?奈緒も一緒?…そう。うん、私も事務所にいるよ。大事な話があるの。待ってるから」

紗南「…ねーちひろさん。明日オフの子って他に誰がいるかな?」

ちひろ「んー…>>25ね」

ありす

ちひろ「ありすちゃんがお休みですね」

紗南「ありすかー。タブレットとかよく弄ってるし大丈夫かな!よし、それじゃあありすにもメールして…っと」

卯月「お疲れ様です!」

未央「お疲れ様でーす!」

加蓮「おつかれー」

奈緒「おつー」

凛「あ、きたね。皆」

文香「…お疲れ様です」

まゆ「うふ、文香さんも来てくださいましたね」

文香「その…佐久間さんが言っていたのって…?」

未央「そうそう!しまむーに電話かけたと思ったら事務所に来いってだけ言ってさ!なんなのしぶりん?なんか面白いことでもあった?」

凛「面白いこと…ではないけど、起こるには起こったよ」

紗南「あ、凛さん、まゆさん。もう一人目処が付いたよ。メールですぐに向かうって言ってたから、説明は全員が集まってからでいいんじゃないかな?」

まゆ「そうですねぇ…申し訳ないけど、もうちょっと待ってて貰えますかぁ?」

加蓮「それは構わないけどさ…」

奈緒「アタシも別に大丈夫だ。一大事なんだろ?」

凛「…うん。真面目にヤバいかもしれない」

文香「…警察沙汰など…でしょうか…?」

まゆ「いえ、あくまで事務所の中で完結してますよぉ」

ありす「お待たせしました」

紗南「あ!待ってたよありす!」

ありす「橘と呼んでください。それで、なんですか?」

まゆ「あてって、ありすちゃんだったんですねぇ」

凛「それじゃあ全員揃ったし、説明するよ」

凛「…ということで、私達は明日、プロデューサーを助けるためにゲームをするの。分かった?」

加蓮「なるほどね。凛があんなに焦ってたから何事かと思ったけど…プロデューサーのことなら納得」

まゆ「晶葉ちゃんも言ってましたけど、無事に戻ってこれる保証はどこにもありませんよぉ?」

奈緒「関係ねぇな。Pさんいねぇとか考えられねぇし」

未央「お、なおなおってばやる気だねぇ!」

奈緒「う、うるさいな!そういう未央はどうなんだよ!」

未央「そりゃ勿論プロデューサーを助けに行くに決まってるじゃん!ねっ!しまむー!」

卯月「勿論です!ゲームはあんまりやったことないですけど、頑張ります!」

紗南「ありすと文香さんはどうする?」

ありす「行きます。決まってるじゃありませんか。その為に呼んだんでしょう?あと橘って呼んでください」

文香「…私も、行きます。プロデューサーには…お世話になってますし」

凛「ありがとう、二人とも。それじゃあゲームシステムの解説と、さっき晶葉が言ってたキャラクターの割り振り…だっけ?しとこうか」

紗南「うん、ちょうど晶葉からメールも届い…あー…」

卯月「?どうかしたんですか?」

紗南「いやさ、私達全員がゲームに入れる目処は付いたらしいんだけど、スタート位置が定まらないって」

加蓮「スタート位置?どういうこと?」

紗南「RPGって序盤は主人公だけだったり、味方が少ない状態でスタートするでしょ?」

奈緒「なるほど、最初に皆同じ場所で一度に仲間になったらつまらないもんな」

凛「奈緒、遊びじゃないんだよ?」

奈緒「違うって!RPGってのはそういうもんなんだよ!主人公が旅をして行くうちに成長したり、仲間が増えるもんなの!」

紗南「それで問題が一つ。ゲームの大筋では、主人公とヒロインが二人旅でスタートして、仲間をどんどん増やして行くんだけど」

紗南「結局主人公枠のPさんの所在は不明、ゲーム内にいるのは確からしいけどね」

まゆ「Pさん…無事だといいんですけどぉ…」

紗南「つまり、序盤は主人公のヒロインが一人で動かなきゃならない…らしいよ」

奈緒「それじゃ、最初のキャラクターはかなり危険じゃねぇか!」

加蓮「そうみたいだね。それでさ、紗南?」

凛「最初から行動できるヒロインってどの子?」

まゆ「まゆも気になりますねぇ…皆さんに危ない目に合わせるのは偲びないですし」

凛まゆ加蓮「……」

加蓮「危ないよ、凛もまゆも。一人で動くならある程度ゲームに慣れてる人じゃなきゃ」

凛「それは一理あるけど、加蓮ってゲームとかやってたの?」

加蓮「うん。小さい頃は外ではあんまり遊べなかったしね」

まゆ「それでも危ないですよぉ加蓮ちゃん。ここはまゆに任せてください」

紗南「え、えーと…それが…分からないんだってさ…あは、あはは…」

凛まゆ加蓮「……チッ」

奈緒「アイドルがしていいもんなのかな、舌打ちって」

未央「ま、まぁ、たまにはね?」

卯月「あ、あはは…」

ありす「…それで、どんなキャラなんですか?早く割り振りましょう」

紗南「ちょっと待って、今メモに書き出すよ」

凛「…前衛と後衛が5人ずつか。ちょうどいいね」

まゆ「そうですねぇ…どれにしようかしらぁ」

文香「…私は後衛の方が…」

ありす「…そうですね。私も後衛がいいです」

加蓮「私も」

紗南「うん、了解。他の皆は?」

まゆ「…まゆは、前衛にしようかしらぁ」

凛「奇遇だね。私もそうしようと思ってたんだ」

加蓮「…(ヒロインだから後衛の魔法使いとかだと踏んだけど、凛とまゆの反応…ミスったかな)」

ありす「…(これでもしかしたらヒロインになれるかも…)」

凛「(加蓮には悪いけど、私とまゆ、あと紗南は大きなアドバンテージを持っている)」

まゆ「(晶葉ちゃんがさっき主人公はボウガン使いだと言ってましたしねぇ)」

凛「(故に、ヒロインこそ前衛キャラ…!問題は、この前衛キャラのどれか、だけど…)」

まゆ「(5分の1…20%って言うと、かなり低く感じますけど…まゆとPさんとの絆があれば対したことはありませんねぇ)」

凛「(楽勝だよ)」

紗南「…うん、これでオッケーだね」

凛「じゃあ、後は晶葉待ちかな」

卯月「機械が出来るのは…明日でしたっけ?」

ありす「集まるのは何時にしましょう?」

紗南「出来るだけ早い方がいいんじゃないかな。クリアするまでは出れないと考えると、大分時間かかるだろうし」

まゆ「それじゃあ…明日の9時ごろ、でどうでしょうかぁ?」

奈緒「おう」

加蓮「異議なし」

文香「…あの、皆さん?学校は…」

凛「大丈夫。しばらく休みだよ」

翌日

晶葉「…さて。全員揃ったな」

凛「晶葉、機械の方は?」

晶葉「問題ない。全て正常に作動する」

まゆ「ところでぇ…本当に皆さんいいんですかぁ?」

加蓮「くどいよ、まゆ」

奈緒「参加する気がないならこんな時間に来てねーって」

未央「そうそう!プロデューサーを助けたいって気持ちに揺るぎはないよ!」

ありす「同じく、です」

晶葉「…よし、それじゃあ行くぞ。ちひろ女史、後は頼んだ。くれぐれも皆が機械に触らないようにな」

ちひろ「任せてください。皆さん、プロデューサーのこと、よろしくお願いしますね」

卯月「…んっ…?こ、ここは…」

卯月「あ、あれ?みんなー!いないんですかー!?」

卯月「ど、どうしよう…まさか私が一番最初のキャラクターだったなんて…」

卯月「早くみんなと合流しなくちゃ…よしっ!頑張るぞー!」

卯月「ここは…なんだろう?石碑のある広場と、4つの道…」

「…とりあえず、この石碑はなんだろ?」

???「…ようこそ」

卯月「ひゃっ!?石碑が喋った!?」

???「ようこそ、影の国へ」

卯月「えっ!?ち、ちひろさん!?」

ちひろ?「確かに私は千川ちひろという人物の情報を元に構築された存在です。ですが千川ちひろではありません」

卯月「え、えぇっと…?」

ちひろ?「…要するに、千川ちひろと顔が似てる別人ということですよ、卯月ちゃん」

卯月「わ、私の名前まで知ってるんですか?」

ちひろ?「えぇ。私は皆さんのことをよく知る人からしっかり教えられましたから」

卯月「それって、プロデューサーさん…ですよね?」

ちひろ「えぇ」

卯月「ちひろさん!…じゃないんですっけ、えぇっと…」

ちひろ?「ちひろでいいですよ。ここには本物の彼女はいませんし」

卯月「じゃあちひろさん!プロデューサーさんは今どこにいるんですか!?」

ちひろ「…」

卯月「無事なんですか!?危ない事になってるならすぐに助けに行かなきゃ…!」

ちひろ「安心して、卯月ちゃん。彼は無事よ。少なくとも、今彼の身に危険はないわ」

卯月「…良かったぁ」

ちひろ「私がここにいるのは、皆さんのサポートと、彼からの伝言を伝える為なの」

卯月「伝言…?」

ちひろ「すまない。皆には迷惑をかける。皆には悪いがこのゲームを終わらせるには、クリアするしかない。よろしく頼む」

卯月「プロデューサーさん…」

ちひろ「…追伸。目の前にちひろさんに良く似たのがいるだろう?それみたいに、お前達の前には姿が似た奴が現れる事になる。気を付けて進め」

ちひろ「…以上よ」

卯月か「姿が似た奴…?」

ちひろ「この世界は私のように、彼の知る人物がこの世界の人物として書き換えられているの」

卯月「も、もしかして、事務所の皆が?」

ちひろ「…しかも、そのほとんどが貴女達の敵として現れるわ」

卯月「…!」

ちひろ「…戦いは避けられないわ。そういう風に出来て…」

卯月「行きます」

ちひろ「…」

卯月「皆と戦うのって、ちょっと…ううん。すごく嫌です。でも…プロデューサーさんを助けなきゃいけませんから!」

ちひろ「卯月ちゃん…」

卯月「皆には、戻ったらちゃんとごめんなさいってすればきっと大丈夫です!」

ちひろ「…そう。なら、止めないわ。この先に、迷宮に続く扉がある」

卯月「迷宮…ですか」

ちひろ「大丈夫。貴女が歩く度に自動的にマッピングされるから、よほどのことがない限り迷うことはないわ。それと…これを渡しておくわね」

卯月「これは…お守り?」

ちひろ「それをかざせばここに戻ってこれるわ。何か見つけたら、ここに戻って来るといいでしょう」

卯月「分かりました!それじゃ、ちひろさん!行ってきます!」

ちひろ「えぇ。気を付けてね」

ちひろ「……どうか、彼を助けてあげて」

卯月「…ここが迷宮…?なんというか、不思議な場所だなぁ」

卯月「…はっ、見惚れてる場合じゃないよね。よしっ。えーと、こっちかな?」

スライム「ピィーッ!」

卯月「わわっ!?何!?」

スライム「ピギーッ!」

卯月「も、モンスターだよね?なら、やっつけないと!えーと、私の武器は…」

卯月「剣…?でもなんだか不思議な形してるなぁ…確か、法剣(テンプルソード)だっけ」

卯月「よし…!卯月!行きます!」

スライム「ピギャーッ!」

卯月「ば、バトルかぁ…紗南ちゃんがいてくれればなぁ…」

ちひろ「落ち着いて。相手はチュートリアル用の雑魚モンスターよ」

卯月「ちひろさん!?着いてきてくれたんですか!?」

ちひろ「今回と、このあと二回の戦闘

卯月「ば、バトルかぁ…紗南ちゃんがいてくれればなぁ…」

ちひろ「落ち着いて。相手はチュートリアル用の雑魚モンスターよ」

卯月「ちひろさん!?着いてきてくれたんですか!?」

ちひろ「今回と、このあと二回の戦闘はチュートリアルだから、それまではね」

卯月「心強いです!…えっと、まずは何をすれば?」

ちひろ「戦闘は俊敏度の高い順から行動できるわ。そこから、移動したり、攻撃や特殊技を使ったり、アーツを唱えることが出来るの」

卯月「アーツ…っていうのは、魔法のことですね!」

ちひろ「えぇ。あなたはどちらかと言うと接近戦タイプだし、ここは直接攻撃をした方がいいわ」

卯月「はい!卯月、行きます!えいっ!」

スライム「ピギー!」

卯月「やった!一発です!」

ちひろ「上出来よ。モンスターを倒したら経験値が入るわ。この経験値を貯めたらレベルが上がって、あなたは強くなる。奥に行くに連れて敵も強くなるから、嫌でも強くなって行くわね」

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