P「労われたい」小鳥「はい?」(245)

小鳥「どうしたんですか?」

小鳥「疲れ知らずのプロデューサーさんが、突然……」

P「そこです」

小鳥「へ?」

P「いや、疲れてはいないんですが」

P「俺が心底疲れた顔をしてたら、アイドルはどう反応するのかが気になるんです」

P「疲れてはいないんですが」

小鳥「そうですか」

P「手順はこうです」

P「まずアイドルが事務所に来ます」

小鳥「はい」

P「そこで不意に俺が深いため息を」

小鳥「ふむふむ」

P「そこからのアイドルの反応を検証しましょう、という企画です」

小鳥「私は?」

P「普通に仕事してるフリしておいて下さい」

小鳥「わかりました」

ガチャ


春香「お疲れ様です」

P「おう、おつかれ…」

小鳥(まずは春香ちゃんね…)

春香「…?」

春香(あれ、なんだかプロデューサーさん元気ない…)


小鳥(すでに演技は始まっているのね…)

P「はぁ……ぁ」フゥー

春香「!!」

春香「え…プロデューサーさん?」

P「あ、いやいや!何でもないよ!」


春香「………」

春香(あ、そうだ!)ゴソゴソ

春香「プロデューサーさんっ」

P「ん?」

春香「はい、あーん」

P「」

小鳥「」



春香「な、なにか反応して下さいよ…」

P「いや、予想外すぎて」

春香「疲労には甘いものがいいんですよ!」

春香「偶然トリュフチョコを作って来たから、食べて下さい」

P「うん、ありがたく頂くよ」

春香「では、あーん」

P(なぜあーんなのか…)

P「あーん……ん、美味い」

春香「えへへ、頑張って作った甲斐がありました」

P「うん、ありがとう」

春香「あ、口の周りにチョコついてますよ」

P「え?」


ペロッ


春香「うん、美味しいっ」

P(うひゃあ!)

小鳥(春香ちゃん、ダイターン!)


春香「早く元気になってくださいねっ!」




小鳥「春香ちゃんはチョコとイチャイチャで糖分を摂取させる、と」

雪歩「お疲れ様です」

P(お、雪歩か)

P「お疲れ様」

雪歩「今なにか飲み物を持って来ますね」パタパタ

P「あ、あぁ」

P(演技する暇なかった)

小鳥(この暑い中お茶はないわよね…)


雪歩「~♪」

P(まぁいいや、目頭をおさえて…と)

P「ふぅ……」

雪歩「お待た…せ?」

雪歩「ぁ…!」

雪歩(プロデューサー、疲れてるのかなぁ)

雪歩(……)


ピト


P「うわぁ!」ビクッ

雪歩「はい、どうぞ」

雪歩「アイスティです」

P「あ、あぁどうも」

P「ん、美味しい」

雪歩「えへへ、美味しい淹れ方を習ったんですよ」

P「そうなのか、雪歩は凄いな」

P「おかげで疲れなんて吹っ飛んだよ」

雪歩「あ、やっぱり疲れてたんですね」

P「ま、まぁ…」


雪歩「たまには、たまには私も頼って下さい」

P「…?」

雪歩「今までずっとプロデューサーのお世話になってきました」

雪歩「だから、今度は私がプロデューサーをお世話する番なんです!」

P「そうなのか?」

雪歩「はい、だから…」

雪歩「私にできる事があれば、何でも言って下さい」

P(いい子だなぁ)

小鳥(いい子だわぁ)



小鳥「雪歩ちゃんは甲斐甲斐しく癒しを与える、と」

ガチャ


真「お疲れ様です」

小鳥(次は真ちゃんね…)

P「あ、あぁ…お疲れ」

真「……ホントに疲れてますね」

真「大丈夫ですか?」


P「もちろん」

真(絶対嘘だ…普段のプロデュースの疲れかな)

P「ふぅ…」

真「…!」

真(やっぱり………そうだ!)


グイッ

カラカラ


P「え?」

P「お、おい引っ張るなって…」

真「とりゃぁー!」


ガー!!


P「ちょ!押すなぁ!!」

小鳥(あ、ソファにぶつかる…!)

ガシャン

ポスッ


P「ぎゃあぁ!!」

P「いた……く、ない?」

真「やーりぃ!」

小鳥(うまいことソファにダイブさせたのね)

真「さ、ここからが本番ですよ?」

グイッグイッ


真「うーむ、だいぶ凝ってますね」

P(気持ちええ…)

小鳥(なるほど、マッサージね)


P「ありがとう、体が軽くなったよ」

真「ボクで良けれは、いつでもやってあげます」



小鳥「真ちゃんはマッサージで凝りをほぐす、と」

亜美「お疲れ!」

真美「サマ→!」


P「あぁ……お疲れ」

真美(あり?)

亜美「兄ちゃ……もが!」

真美(亜美、兄ちゃんの様子が)

亜美(むむ、何だかお疲れだYO)

亜美(よし!ここは……)

真美(……ええ!?)

亜美(やるしかないっしょ!)

真美(うぅ…)

P(なんかアイコンタクトとってる)

亜美(じゃ、亜美は左!)

真美(真美は右ね!)

ガシッ


P「ん!?」

亜美「兄ちゃん!」

真美「遊ぼうYO!」

P(ストレートに来たなぁ)

P「いや、まだ仕事が…」

小鳥「私がやっておきますから、相手をしてあげて下さい」

P「え?」

亜美(ピヨちゃんナイス!)

真美(デキる女の子!)

P「…で、ソファに座って何をするんだ?」

亜美「えーっと…」

真美「ま、まぁアレだYO…うーん」


P(両腕にしがみつかれてるから動けないし)



小鳥(…はっ!)

小鳥(これが狙いだったの?)

P(俺に仕事休憩させるために…?)

亜美(ま、まだ?)

真美(まだ、兄ちゃんが休憩できてない!)

P「もう十分休んだよ」

亜美「!!」

真美「!!」

P「ありがとな、気をつかってくれて」


ナデナデ


亜美「うあ~」

真美「ば、バレてた…」



小鳥「亜美ちゃんと真美ちゃんは気を使って無理矢理にでも休憩させてあげる、と」

ガチャ

美希「あふぅ…」

P「お、お疲れ」

美希「ハニー?」

美希(なんだか、元気ないの…)


P「ふぅ……」

美希「!!」

美希(ため息…ハニーはお疲れなの!)

美希「はーにぃ♪」


ギュ


P「み、美希!?」

美希「ハニー、なんだか元気ないの…」

P「いや、そんな事はないぞ?」


美希「ミキ、嘘つきなハニーはキライなの」

P(どの道嫌われるじゃないですか)

P「実はちょっと疲れててな…」

美希「やっぱり」

美希「じゃあ…元気の出るおまじない」


チュ


P(わぁお!)

小鳥(頬にチュー!!)

美希「あはっ」

美希「早く元気になってね、ハニー?」



小鳥「美希ちゃんは大胆な戦法で元気にさせる、と」

ガチャ


伊織「あれ、二人だけ?」

P「…ん、伊織か………」

伊織「なによ」



伊織(なんかテンション低いわね)

P「はーぁ……」

伊織(え!?)

伊織(わ、私のせい?)


小鳥(オロオロしてる…)

P(なんか勘違いされてる気がする)

伊織(きっと疲れてるのよ!そうよ!)

伊織(それなのに、無神経な事言っちゃったから…)

伊織(そうよ!謝るのよ!)


伊織「生意気言ってごめんなさい」

伊織「アンタだって、疲れているものね」


伊織「お疲れ様、いつもありがとう」

小鳥「」

P「」


伊織「……何か言ってよ…」グスッ

P「バカだなぁ」


ナデナデ


伊織「きゃ!?」

伊織「なな、何よいきなり!」グシグシ

P「何でもいいや、疲れなんて消し飛んだ」

伊織「え、どうして!?」

P「さあ?」

伊織「答えなさいよ!」



小鳥「伊織ちゃんはデレの破壊力で疲労を消し飛ばず、と」

ガチャ


千早「お疲れ様です」

P「……」


千早「プロデューサー?」

P「!!」

P「あ、あぁ千早か…お疲れ」

千早「プロデューサーのほうが、疲れてますね」

P「はは、さすが鋭いな」

千早「……プロデューサー、目を閉じて下さい」

P「ん、こうか?」

千早「はい」

千早「では、リラックスして私の声に耳を傾けて…」

P「……」


~♪


小鳥(これ、子守唄かしら?)

P(…なんだか安心するな)

~♪


P(やば、ホントに眠く…)


千早「……ふぅ」

P「……zzz」

小鳥「……zzz」

千早「…ぐっすり眠ってる」

千早(なぜか音無さんまで)

千早「………」


カシャ


千早「……ふふっ」

P「んぁ!?」

小鳥「ひゃい?」

P「…寝てましたね」

小鳥「…流石は歌姫の子守唄」


千早「よく眠れましたか?」

P「ああ、ありがとう」

千早「いえ、喜んで貰えて良かったです」



小鳥「千早ちゃんは美声で癒す、と」

ガチャ


響「はいさーい!」

P「」

ガチャ


響「はいさーい!」

P「はぁ……あ、響か」


響「むむ…プロデューサー、元気ないな」

P「いや、元気いっぱいだぞ?」

響「嘘は良くないぞ?」

P「バレたか…はぁ…」



響「こりゃ重傷だなぁ…」

響「ハム蔵……」


ゴニョゴニョ


ハム蔵「ぢゅい!」

響「よし、頼んだぞ!」



トコトコ

スルッ


P「!?」

P「ぶっ!あははははは!」

P「コラ!やめ……!」



アーハッハッハッハ!!



響「ご苦労様だったな、ハム蔵」

ハム蔵「ぢゅい!」


P「ひぃ…笑いすぎて苦しい…」

響「どうだ?プロデューサー」

P「何が!?」

響「笑って、少しは元気になったか?」

P「!!」

響「ふふふ、笑えば自然と楽しい気分になるもんさ」

P「まぁ、確かに」

P「思い切り笑って逆に疲れたけどな」

響「うっ!?」

P「でも、まぁ気持ちは嬉しかったよ」

響「ま、まぁ自分は完璧だからなぁー」




小鳥「響ちゃんとハム蔵は笑顔でハッピーにさせる、と」

ガチャ


貴音「お疲れ様です」

P「……あぁ、お疲れ」

貴音「…あなた様?」

貴音「顔色が優れませんが、大丈夫ですか?」

P「大丈夫だと言えば嘘になるかな」


貴音「ふむ……」

P(あ、ペンのインク切れた)

貴音「どうぞ…」

P「あ、ああ…ありがとう」



P(喉乾いたな)

貴音「どうぞ…」

P「あ、すまんな…」



貴音「これを…」

P(茶菓子が欲しくなるな…ってあれ?)

P「ありがとう?」

貴音「いえ」

P(え?読心術使えるの?)

貴音「まさか」

貴音「あなた様が何を欲しているのか、何を考えているのかを察しているだけです」

P「凄いな、おかげで仕事がはかどったよ」

貴音「それは重畳」

P「コツでもあるのか?」

貴音「愛……何でもありません」

P「…気になるな、教えてくれよ」


貴音「とっぷしぃくれっとです」



小鳥「貴音ちゃんは伴侶のように支えになる、と」

ガチャ


律子「お疲れ様……ってプロデューサー殿」

P「ん?」

律子「ひどく疲れた顔ですね」

P「いやいや…元気だぞ?」

律子「見え透いた嘘は結構です」

P(え、ばれてる?)

律子「どう見ても疲労感たっぷりですよ」

P(なんだ、そっちか)

P「いやぁ、律子には敵わないな」


律子「何言ってるんですか」

律子「プロデューサーの分も片付けておきますから、仮眠をとって来てもいいですよ」

P「え?」

律子「いいから、休んだ休んだ」

律子「…ふぅ、残業コース確定ね」

律子「でも…たまには、楽させてあげないと」



律子「お疲れ様です、プロデューサー殿」

P「…zzz」

P(疲れてないよ、本当だよ)



小鳥「律子さんは仕事を引き継いでくれる、と」

ガチャ


やよい「お疲れ様でーす!」

P「……お疲れ様」

やよい「…?」

やよい「プロデューサー?」

P「ん?」

やよい(今日のプロデューサー、なんだか元気ないなぁ)

やよい(どうにかして元気にしてあげたい…!)

やよい「うーん……」



やよい「うーん…」

小鳥(頭を抱えて唸ってる…)

P(この時点で既に可愛いです)


やよい(プロデューサーが元気になる方法)

やよい(うーん…)

やよい(……あっ!)

やよい「プロデューサー…」

P「…ん?」


ナデナデ


やよい「元気になりますようにっ」

P「」

やよい「私の元気、少しおすそ分けしてあげます!」



P(こいつはヤバイ)

小鳥(ヤバイどころじゃありませんよ)

やよい「早く元気になって下さいね」

P「ああ、ありがとう」

やよい「応援してますから!」




P「いつも以上に元気になっちゃうね」

小鳥「やよいちゃんは元気をおすそ分けしてくれる、と」

ガチャ


あずさ「お疲れ様です」

P「あ、お疲れ様です」

P「…………」


あずさ「…?」

あずさ「あのー、プロデューサーさん?」

P「はい?」

あずさ「なんだか、元気がないですね」

P「いえ、大丈夫です……」

あずさ「大丈夫じゃなさそうですね」

P「ぶっちゃけると、はい」

あずさ「やっぱりですか」


あずさ「…そうだ!」

あずさ「…プロデューサーさん、目を閉じて下さい」

P(おや、このパターンは)

あずさ「私の手を取って?」


キュ


P「こうですか?」

あずさ「はい、バッチリです」

あずさ「じゃあ、立ち上がって…私について来て下さい」


スタスタ

あずさ「はい、ここで座って下さい」

P「はい」ポフッ

P(ソファかな?)

あずさ「はい、このまま頭を倒して…」


コロン


P(この感触はもしや……)

あずさ「寝心地は、どうですか?」

P(膝枕ぁ!!)

P「もう最高です」

あずさ「それは良かったです」

あずさ「疲れが取れるまで、もう少しこのままでいいですよ」

P「では遠慮なく」

あずさ「はい、どうぞ」

P(見上げると下乳が喋ってました)




小鳥「あずささんは膝枕をしてくれる、と」

P「いやぁ、癒されましたね」

小鳥「それは何よりです」

P「…けっこう夜遅くなっちゃいましたね」

P「帰りますか」

小鳥「はい」


小鳥「あ、そうだ」

P「はい?」

小鳥「晩御飯作ってあげます」

P「え?」

小鳥「どうせコンビニの弁当で済ませる予定だったんでしょう?」

P「バレましたか」


小鳥「本当に疲れてたんでしょう?」

P「…!」

小鳥「だったら…今日くらい皆に甘えてもバチは当たりません」

P「そうですか…ではお願いします」

小鳥「まかせて下さい!」



P(小鳥さんは手料理を振舞ってくれる、と)



おわり

みんなおやすみ
いい夢を

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