杏子「JKお散歩?」ほむら「ええ」 (99)

~見滝原市内~


杏子「って、なんだそりゃ?」

ほむら「…あら、知らないの?」

杏子「う~ん…なんか、最近よく聞くような…」

ほむら「あなた、今は美樹さやかの家に居候してるのよね?」

杏子「ああ、そうだけど…」

ほむら「使えるお金とか…困ってない?」

杏子「ま、まあ…そりゃあな…居候させてもらってるだけで」

杏子「世話になってるわけだし…さすがに小遣いまでせびるわけにはなあ…」

ほむら「でしょうね…」

ほむら「そう思って、あなたにこの話を持って来たのよ」

杏子「どういう意味だ?」

ほむら「バイトよ、バイト」

杏子「バイト?」

杏子「んなもん、面倒だわ、やめる」

ほむら「まあ…話は最後まで聞きなさい」

ほむら「最近女子の間で流行ってるバイトなのよ」

ほむら「仕事は簡単よ、ただお客さんとご飯を食べたり話したりするだけ」

杏子「…でもなあ」

ほむら「稼ぐ子は月に30万近くも稼いでるわ」

杏子「さっ、さんじゅうまん…!?」

ほむら「ええ、それがこのバイト…『JKお散歩』なのよ」

杏子「ど、どうすりゃいいんだ!?」

ほむら「まずは、スタッフを募集してる店に行って雇ってもらうのよ」

杏子「ええ…手続きとかめんどそうだなあ」

ほむら「私も手伝ってあげるわ」

杏子「……」

杏子「なあ、ひとつ気になったんだけど…」

杏子「そんなにいいバイトなら、アンタはしてんのか…?」

ほむら「えっ」

ほむら「わ、私は忙しいし、それにお金も別に困ってないから」

杏子「ふ~ん」

杏子「でも、なんか怪しいなあ…」

ほむら「……」

ほむら(ちっ…)

ほむら(面倒な優柔不断な子ね…さっさと決めてしまえばいいのに…)


杏子「さやかがアンタには近づかないほうがいいっとか言ってたからなあ…」

杏子「まあ別にアタシはさやかほどアンタを信用してないわけじゃないんだけどさ」

杏子「さすがにこれは怪しすぎるつうか…なんつうかねえ…」

ほむら「…そう」

ほむら「じゃあいいわ、別の子にお願いしてみるから」

杏子「…そうかい、悪いね…なんかいいバイトあったらまた教えてよ」


…スタスタ

ほむら「……」

ほむら(美樹さやか…お節介もいいところね…)

ほむら(…私はただ、最近流行りのJKお散歩で下衆どもに乱暴されるあなたたちを高みの見物したいだけなのに…)

ほむら(私の望む通りにしてくれたら、下衆どもに乱暴されたとしても貞操だけは守ってあげるつもりなのよ?)

ほむら(私は悪魔でも、鬼じゃないんだから…そのくらいはね…)

ほむら(はあ…)

ほむら(こんな悪魔の小さな幸せすら達成できないのかしら…)

数日後
 ~学校 屋上~


さやか「…何よ、こんなとこに呼び出して…」

さやか「珍しいじゃん…あんたから…」

ほむら「学校では仲良くしましょうって…言ったはずよ」

ほむら「どうしてそう牙を向けるのかしら…」

さやか「っ」

さやか「で、何よ、話って」

ほむら「…ちょうどいいバイトがあるのだけど…してみないかと思って…」

さやか「はあ?」

さやか「…バイト?」

ほむら「仕事は簡単よ、ただ接客して、お客さんとご飯を食べたり話したりするだけよ」

さやか「そ、それって…!」

さやか「も、もしかして…最近ニュースでやってるやつ!?」

ほむら「…ちっ」

ほむら「違うわ、そんな危険なこと私があなたに紹介すると思って?」

さやか「あんた今舌打ちしたでしょ!?」

ほむら「…仕方ないわね、そうよ、その通りのバイトよ」

ほむら「でも、月に30万近く稼げるわ、どう?やってみない?」

さやか「…あ、あんたねえ…っ!!」

さやか「そんなこと言って、本当は何か企んでるんでしょ!?」

ほむら「…そんなこと、何もしてないわ」

ほむら「ただ、お金に困ってるあなたたちを救済しようとしてるだけよ」

さやか「で、でも…それって、危ないバイトでしょ」

さやか「しかも、それやってた女の子たちだって捕まったりしてるし」

さやか「まずあたしたちJKじゃなくてJCじゃん」

さやか「そんな危ないバイトを薦めて、一体何のつもり!?」

ほむら「疑り深いわね…もういいわ…」

ほむら「せっかくいい話を持ってきたのに…残念ね…交渉決裂ってことで」

さやか「……」


…スタスタ

その後
 ~教室~


ほむら「……」


ほむら(美樹さやかが下衆どもに犯されていくとこ…ぜひ見てみたかったわ…)

ほむら(悪魔として当然ね…)

ほむら(それにしても…どいつもコイツもバイトすらしてくれないわね…)

ほむら(他に誰か…いなかったかしら…)

マミさんにほむほむの魔の手が迫る

次回 マミさん、死す!?

ガヤガヤ

ほむら「……」

女子「ねえ、ねえ、最近ニュースであってる『JKお散歩』って知ってる?」

女子「ああ!知ってる、知ってる」

女子「よくあんなことできるよね~」

女子「まあね、でも月に30万でしょ?」

女子「30万かあ~、ほしいの何でも買えるじゃん!あたしもしてみよっかなあ~」

女子「ええ~うそでしょ~」

女子「おっさんに体触られるよ~?」

女子「それは絶対イヤ!」

女子「ただ、話とかご飯食べたりするだけならいいんだけどね~」

女子「いや、いくら30万でも普通しないでしょ~」

女子「そうだよ、母子家庭とか一人暮らしならわかるけどさ~」

女子「だよね~」
キャイキャイ

ほむら「!!」


ほむら「……」

ほむら(ふふふ…!)

ほむら(クラスの低脳な女子のお陰で思い出したわ…)

ほむら(そういえば…いたわ…!)

ほむら(お金にも困ってるし、一番の問題である見た目もJKにそっくりな人が…!)


ほむら(ふふふふっ…ふふっ…笑いが止まらないわ…)

ほむら(あの人が下衆どもに犯されていく姿を想像すると)

その日の放課後
 ~マミの家~


ピンポーン

マミ「はあ~い」

ガチャ

マミ「あら、暁美さん…どうしたの」

ほむら「すいません、巴さん」

ほむら「近くに用事があったので、つい来てしまいました」

マミ「そうなの、上がってって」

ほむら「お邪魔します…」

ズズ…
カチャ…

ほむら「あの…そういえば、巴さんはいつから一人暮らしなんですか?」

マミ「え、そうね…もうかれこれ2年くらいかしら」

ほむら「…そうなんですか、大変ですよね…」

マミ「まあね、でも慣れたらそうでもないわ」

ほむら「あの…こんな話、あれなんですけど…」

マミ「ん?」

ほむら「お金とか…どうされてるんですか…?」

マミ「ああ、そのことね、別に遠慮して聞かなくてもいいわ」

マミ「そうよね、気になるもんね」

ほむら「…す、すいません」

マミ「まあ、遠い親戚からの仕送りも少しあるんだけど」

マミ「一番は両親の残してくれたお金かしら…」

ほむら「…そ、そうなんですか…」

ほむら(きたわね…これなら間違いなく大丈夫だわ)

ほむら(ふふふっ…)

ほむら「ごめんなさい…こんなこと…聞いてしまって…」

マミ「ううん、いいのよ」

ほむら「あの…それを聞いたからって…わけじゃ…ないんですけど…」

ほむら「実は…私…バイトしないかって…紹介受けてて…」

マミ「えっ?バイト?」

ほむら「はい」

おっさん『マミさんは、もう一人ぼっちなんかじゃないです。』

マミ『身体が軽い。こんな幸せな気持ちで散歩するなんて初めて。
   もう何も怖くない。私、一人ぼっちじゃないもの』

ほむら『目に焼き付けておきなさい。JKお散歩って、そういうことよ。』

ほむら「仕事内容は、接客業で」

ほむら「お客さんと話したり、一緒にご飯食べたりするみたいなんですけど…」

マミ「で、でも私たち、中学生でしょ?」

マミ「高校生なら、ともかく…」

ほむら「いえ、もちろん…無理には…」

ほむら「でも、せっかくだと思って…巴さんはどうかなって…」

ほむら「私はちょっと忙しくて、できそうにないので」

ほむら「でも、知り合いのところなので断るのも失礼かと…思い…」

マミ「そうねえ…」

マミ「でも私も魔獣退治があるし…」

マミ「確かにバイトはしてみたいし…お金もあるに越したことはないけど…」

ほむら「……そうですか」

ほむら(もう少し…!もう少しよ…!)

マミ「バイトと言えば…最近ニュースでJKお散歩ってやってるわね」

ほむら「!!」

ほむら「あ、ははは…そう言えばそんなの…ありましたね」

マミ「も、もしかして暁美さんが紹介受けてる、それって」

マミ「その、JKお散歩みたいに危ないバイトじゃないでしょーね?」

ほむら「えっ」

ほむら「い、いえいえ、知り合いのとこだから、それは大丈夫だと…」

ほむら(…ここまでか…)

ほむら(いえ…こうなったらゴリ押し作戦よ!)

マミ「そ、そう…ならいいんだけど…」

ほむら「…でも」

マミ「ん?」

ほむら「私、思うんです…ああいうことしてる子たちも多分、何か理由があるんじゃないかなって…」

マミ「…そうね、普通はバイトするにしても…違うのを選ぶだろうし…」

ほむら「確かに30万って言うのも大きいと思うんです」

ほむら「…だって、巴さんだって…そんな大金が手に入るってなったら…少しは考えませんか?」

マミ「ま、まあ…そうね…」

マミ「でも…危ないし…その、変なこととかされたりしたら怖いわ…」

ほむら「そのときは魔法使って、逃げれば大丈夫じゃないですか?」

マミ「まあ…それはそうなんだけど…」

マミ(ど、どうしたのかしら、暁美さん…なんでこんなにもこのバイトを私にさせようとしてくるの…?)

ほむら「…別に私だって…このバイトを許してるわけじゃないんです…」

ほむら「でも、生活に困るなら、巴さんもどうかなって…思って…」

マミ「心配してくれてありがと…そ、そうねえ…すぐには…」

マミ「私もまだ、あんまりよくわからないし…」

マミ「一度、どういうものか見たら少しは参考になるかもね」

ほむら「ほ、本当ですかっ?」

ほむら(来たわ…!これなら確実よ!)

ほむら(やはりぼっちはちょろいわね…!)


ピンポーン!

マミほむ「!」

マミ「は、はあ~い」

マミ「ごめんなさいね、ちょっと待ってて」

ガチャ…

マミ「あら!」

??「遊びに来たのですっ」

…スタスタ


ほむら「!!」

なぎさ「この人はマミのお友達さんですか?」

ほむら「…今晩わ」

ほむら(ちっ…)

ほむら(こんなときに…邪魔に入って…)

なぎさ「こんばんわなのですっ」

マミ「ごめんなさいね、暁美さん…」

マミ「この子は百江なぎさちゃんって言って、私の知り合いなの」

ほむら「ええ…よろしく…なぎさちゃん」

ほむら「私は巴さんの後輩で、暁美ほむらよ」

なぎさ「よろしくなのですっ、ほむらって呼んでもいいですか?」

ほむら「…え、ええ」

なぎさ「お二人で何の話をしてたんですか?」

マミ「ええ…ちょ、ちょっとね…」

ほむら「巴さんにバイトを薦めていたのよ」

なぎさ「バイトですか!?」

マミ「ま、まだ決まったわけじゃないのよ、なぎさちゃん」

ほむら「巴さんも一人暮らしが大変だと思ってね」

ほむら(…この子をこっちの味方につければ…!)

なぎさ「おお、確かにマミは大変そうです」

ほむら「でしょ?だから少しでもと思って、私がバイトを薦めていたのよ…」

なぎさ「そうだったんですか」

なぎさ「マミはバイトまでするなんてすごいです!」

なぎさ「あっ、で、でも…バイトしたらマミは今より忙しくなるんですか?」

ほむら「えっ」

マミ「ま、まあ…まだ決まったわけじゃないのよ?」

なぎさ「それはイヤですっ」

なぎさ「なぎさは、もっとマミと遊んで一緒にチーズが食べたいですっ」

マミ「なぎさちゃん…」

ほむら「っ」

ほむら(逆効果だったようね…)

その後


ほむら「お邪魔しました…」

マミ「遅いから帰り気をつけてね、暁美さん」

なぎさ「バイバイなのです、ほむら」

ほむら「なぎさちゃんは帰らなくていいの?」

なぎさ「今日はマミの家に泊まってくのです」

マミ「ふふっ、じゃあ、またね、暁美さん」

ほむら「ええ…また…」

…バタン


スタスタ…

ほむら「ちっ…」

ほむら(勧誘には失敗した上…こんな遅くまであの二人に付き合わされてしまったわ…)

ほむら(どうしてなの…私は悪魔のはずなのに…)

ほむら(どうして私が願ったことが実現しないのよ…!)

~見滝原市内~

スタスタ…

ほむら「……」

ほむら「!」

ほむら「あ、あれは…」


ほむら「まどか!」

まどか「!」

まどか「あ、あっ、ほむらちゃん…」


ほむら「どうしたの?こんな遅くに…」

まどか「えっ、ううん…べ、別に…ただちょっと…」

ほむら「…ちょっと?」

まどか「え、ううんっ…何もないよっ…」

まどか「うぇひひっ、ちょっと遠いとこまで行ってたら道に迷っちゃって…」

まどか「三年ぶりだからね…道とか変わってて、ちょっと迷っちゃった…」

ほむら「そう…」

ほむら「でも、こんなに遅いのは感心しないわ…」

まどか「う、うん…」

まどか「でも、ほむらちゃんだって、一緒だよ…?」

ほむら「…そうね…私も同じね…」

まどか「うぇひひっ、ほむらちゃんったら」

翌日 
 ~学校 教室~

ワイワイ
ガヤガヤ

ほむら「……」

ほむら(結局…誰も宛てはなしね…)

ほむら(実際…私もJKお散歩がどんなものか見たことないし…説得力ないのよ、多分)


ほむら(放課後…実際に見にいってみようかしら…)

放課後
 ~見滝原市内中心部~

ガヤガヤ

ほむら「……」

ほむら(この辺りが、JKお散歩の巣窟のようね…)


JK「よかったら観光案内しましょうか?」
客「えっ?僕ですか?」
JK「はいっ、一緒に行きましょう?」
客「…いいんですか?」


…スタスタ

ほむら「……」

ほむら(…ニュースでは聞いていたけど…本当にこんなことを自ら望んでやるなんて)

ほむら(やるほうもやるほうで下衆ね…)

スタスタ…

??「あ、あの…よかったら観光案内…」

??「15歳ですっ…よかったら私と…」


ほむら「……」

ほむら(やけに自信のない声ね…そんなことなら辞めてしまえばいいのに…)

ほむら(どんな子かしら…)


…スッ
チラッ

ほむら「!!!」

ほむら「まどかっ!!!」

まどか「えっ」

ほむら「まどかっ!!何やってるのよ!!」

ダダダッ!

まどか「え、いえ…いや…ひ、人違いです…」

ほむら「何してるの!!」

ほむら「自分で何してるのか!!わかってるの!!」

ガヤガヤ…ナニナニ?シリアイ?
ヒソヒソ…ナニナニ?
ドナッテンノ?アノオンナ

ほむら「…ちょ、ちょっとこっちに来なさい!」

まどか「あっ…」

…スタスタ

~路地裏~


ほむら「はあ…はあ…はあ…」

ほむら「興奮しすぎてしまったわ…ごめんなさい…」

ほむら「…あなた、本当に…まどかよね…?」

まどか「ぐすっ…ひくっ…ほむらちゃん…ふすっ…」

まどか「うわあああんっ…!」

ほむら「…どうして、どうして…あなたがこんなことしてるの…」

まどか「ぐすっ…ひく…最初は…最初はね…ほんの出来心だったんだ…」

まどか「日本に戻ってきて…アルバイトって…すごく憧れてたの…ぐすっ」

まどか「それで、スマホで調べてたら…たまたまこれが出てきて…」

まどか「場所が近かったから…放課後に見るだけでもって…思って…」

まどか「行ってみたの…そしたら…その場で…無理矢理サイン書かされて…」

まどか「年はごまかせるから…とか言われて…」

まどか「勝手に、契約みたいなの…させられちゃって…ひくっ…」

まどか「やめたいって…何度も言ったのに…」

まどか「やめたら親に言いつけるぞとか、学校にバラすって脅されて…」

まどか「…私…私っ…怖くて…」


ほむら「っ…!!」
ピキッ…ピキッ…!

ほむら「それで…客や店の奴には何もされなかった…?」

まどか「…う、うん…変なことはされなかったかな…ぐすっ…」

まどか「店長さんが…うちの店は自分たちも含めて女の子には何もしないからって…」

まどか「それに…お客さんからもガキっぽいな…とか言われて…私についてきてくれる人…少なくって…」

ほむら「…そう」

ほむら「…まどか、いい?…これだけはちゃんと聞きなさい」

ほむら「自分が危ない目に逢うようなことだけは今後一切、絶対にやめないさい」

まどか「ぐすっ…ひくっ…う、うんっ…ごめんっ…ほむらちゃん…ひくっ…」

ほむら「…もうこのまま帰るわよ」

まどか「え…で、でも…」

ほむら「いいから!」

ほむら「制服は私が持ってきてあげるわ…」

その後
 ~まどかの家~


スタスタ…

まどか「……」

ほむら「…ついたわ」

まどか「うん…ごめんね…ほむらちゃん…」

ほむら「いいのよ…」

ほむら「何度も言うけど…もう今後一切絶対にあんなことしちゃダメよ…」

まどか「うんっ」

ほむら「私は店と話しをつけてくるわ…」

~見滝原市内中心部~
 JKお散歩サービス店



店員「おいおい、大丈夫か?最近ガサ入れ多いぞ」

店長「大丈夫だって、うちは変なこととか一切してないし」

店長「女の子たちにはヤられそうになったら逃げろって言ってあるから」

店員「でも、中学生までいるしなあ…」

店長「心配しすぎだろ、うちはこの辺の店ん中でも健全な方だぞ?」

店員「う~ん…」

…ガチャ

店員「あ、こんばんわ」

店員(うわ、すげー可愛い子だなあ…)

店長「ん?」

ほむら「あ、あの…」

店長「ああ、もしかして、働きたい子かな?」

ほむら「は、はい…」

店長「そっかあ、じゃあ、ちょっとここに座って待っててくれる?」

ほむら「はい…すいません」

ほむら「……」

店員「あ、ごめんね、今、店長が必要な書類取り行ってるから、少し待っててね」

ほむら「……」

店員「高校生?」

ほむら「いいえ…中学生です…」

店員「あ、そうなんだ…」

ほむら「ここには…知り合いの子がいて…それで…私も興味があって…」

店員「…へえ」

ほむら「鹿目まどかって子なんですけど…」

店員「ああ、あの子かあ…」

店員(確かに可愛い子だけど…俺はガキには興味ねーんだよな)

店員「あ、あの子は小さくて可愛いからね、人気なんだ」

店員(でも、あのガキの知り合いにしては…美人だな…)

ほむら「…そうですか」

スッ…

店員「ん?どうしたの?」

ほむら「…まどかのこと…可愛いと思いますか…?」

店員「え?そ、そりゃ…」

ほむら「もう一度…」

店員「えっ…え?」

店員「だから…かわい…」


ヒュッ!
…ゴシャッ!

店員「ごへっ!!」

店員「ごっほ!ごっほ!」
ボタボタ…

店員「て、てめえっ…!!何すんだっ!!」

店員「お、俺の顔面蹴りやがって…!」

店員「ただで済むと…」


ほむら「よく…聞こえませんでしたよ…?」

ヒュッ
ゴシャッ!
ドカッ!
バキッ!

店員「ごはっ!」

店員「ぐはっ!」

店員「な、なんで!身体に力が入らねーんだ…!」


ほむら「…この下衆が…!」

バキッ!
ゴシャッ!
ドカッ!バキッ!

店員「…わ、わかった!」

店員「お、れが悪かった…!」

店員「だ、だから…や、やめてくれっ…ぐっは!」

…スッ
ほむら「はあ…はあ…はあ…」


店員「はあ…!はあ…!はあ…!」

店員(なんなんだよ…この女…)

スッ…
店員「お、おい…!」

店員「そんな玩具取り出して…どうすんだよ…」


ほむら「これが…玩具に見えますか…?」

店員「そりゃ…」
スッ
…カチャ

店員「!!」

ほむら「消えなさい…」

…バーン!
店員「」


店長「!」

店長「な!何やってんだお前!」

店長「このクソアマあ~!!」

ほむら「……」
…スッ
カチャ…!

店長「ひっ!」

店長「わ、悪かった…目的は何だ!?」

店長「か、金か?金ならいくらでも出すぞ!」

ほむら「本当に下衆ね…」

店長「…た、頼む!何でもする!」

店長「神に誓ってもいい!!」

店長「だ…だから!命だけは見逃してくれ!」

ほむら「ふふっ…ふふふっ…!」

店長「!?」

ほむら「神ならいたわ…あなたたちがここで働かせてた子の中に…」

店長「…!?」

ほむら「残念ね…悪いけど私は神じゃないの…」

ほむら「悪魔なのよ…」

ほむら「さっきあなたが『神に誓ってもいい』じゃなくて」

ほむら「『悪魔に誓ってもいい』って言ってくれたら私の気も少しは変わっていたかしらね…」

店長「…!!」

ほむら「さようなら…地獄で逢いましょう」

…パーン!
店長「」


ほむら「…ふふふ」

翌日
 ~ほむらの家~

ほむら「……」


ニュースキャスター「…次のニュースです」

ニュースキャスター「昨日午後9時頃、見滝原市内中心街でビルが爆発したと通報があり、消防が駆けつけました。」

ニュースキャスター「爆発による火災はおよそ20分で消し止められましたが」

ニュースキャスター「ビルの三階一帯が全焼となる火事になり」

ニュースキャスター「焼け跡からこのビルの三階にオフィスを構えていたサービス会社」

ニュースキャスター「『見滝原inお散歩クラブ』の経営者二名の遺体が発見されました。」

ニュースキャスター「爆発の原因は未だはっきりとされておらず、警察によりますと」

ニュースキャスター「二人の遺体にはそれぞれ銃で撃たれたような傷があり」

ニュースキャスター「警察では事件の面を強めて捜査を開始しています。」

ニュースキャスター「…次のニュースです…」


ほむら「…ふふっ」

ほむら「いいざまね…」

その後
 ~通学路~

ほむら「おはよう、まどか…」

まどか「う、うん…おはよう」

まどか「…ねえ…あのニュース…ほむらちゃんじゃないよね…」

ほむら「…そんなわけないわ…でも…私も、もし銃があれば」

ほむら「同じことをしていたかも知れないわ…」

まどか「……」

ほむら「だって…大好きな人を傷付けられたら誰だって怒るでしょ?」

まどか「え…」

ほむら「…まどか」

ほむら「貴女が何も落ち込む必要はないわ…貴女は何も悪くないんだから…」

まどか「…う、うん」

ほむら「それよりもまどか、今度の休みに私と一緒に二人でお散歩に行きましょ」

まどか「うんっ」

ほむら「…まどか」


ほむら(もう二度と…あなたを離さない…)

ほむら(あなたを傷つけるものが何であろうと…誰であろうと…私は許さない…)

ほむら(この想いは私だけのもの)

ほむら(まどかだけのためのもの)

以上で終わりです


最後まで読んでくれた人サンクス

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom