蒲原「ワハハ、ZIPPEIの世話をするぞ」(279)

加治木「蒲原、お前こんなにたくさん犬を飼っていたのか?」

モモ「あっ!その子ってZIPPEIじゃないっすか?なんで先輩が!?」

蒲原「ワハハ、飼い主さんと知り合いでな。遠出する間の世話を任されたんだ」

睦月「かわいいですね~」ナデナデ

ZIPPEI「              」

佳織「この子全然吼えないね」

ブロロロロロロ…

蒲原「ふぅ、ちょっと買い物にいってくるからお前達おとなしく待ってるんだぞ」ガチャン

ZIPPEI「   」





─店内

蒲原「ワハハ、悩むなぁ…こっちにしようかあっちにしようか」





蒲原「ワハハ、だいぶ悩んじゃったな。そろそろ戻ろう」

ガチャ
蒲原「うわっ!暑っ!?……え?」

犬達「……」グッタリ

蒲原「ちょ、ど、どうして…大丈夫かお前達っ!」

蒲原(なんで…!?エアコン入れて車を出たのにどうして!!?)


蒲原「あっZIPPEI!!し、しっかりするんだ!」ユサユサ


蒲原「……死んでる…」

蒲原「うーん」チュンチュン

蒲原「悪い夢を見ていたようだ」

蒲原「ど、どうしよう…殆どの子が動かないぞー…」

蒲原「私は……なんて事を…飼い主さんに何て言えばいいんだ…うう…」ポロポロ

蒲原「と、とりあえず動物病院にいかないと…でもお金なんて無い…」

蒲原「飼い主さんは遠くにいるし……どうすればいいんだ…」

─龍門渕

衣「透華!録画しておいてくれたか!?」ワクワク

透華「ZIPPEIスマイルキャラバンならしっかり撮っておきましたわ」

衣「おお!」ピッ

じっぺいすまいるきゃらばああああん





衣「ZIPPEI可愛い!!」

衣「透華、ZIPPEIとダイスケは長野にはこないのか?」

透華「日本一週を目指すらしいですからきっといつか来てくれますわ!」

衣「そうか!透華、そのときはみんなで一緒に会いに行くぞ!」パァァ

透華「ふふっ…そうですわね!」

蒲原「おちつけ私……深呼吸、深呼吸」スゥーハー

蒲原「お金は去年のお年玉を下ろして足りなかった分は親に電話して借りよう…」

─動物病院

蒲原「こ、この子達を…たすけてください…!」




獣医「残念ですが…9匹中7匹がすでに熱中症の症状で死亡していました」

蒲原「そんな…7匹も…」

サッカー見ながらだから超遅筆るわ




蒲原「2匹だけ治療してもらったからお金は足りたけど…」

蒲原「…飼い主さんに連絡しなきゃ…うぅ…」

蒲原「………だめだ…勇気が出ない…いつかは発覚することじゃないか…何をやってるんだ私は…」

蒲原「ゆみちんに…相談しよう」

蒲原「もしもし…?ゆみちん?」

加治木『蒲原か、どうしたんだ?』

蒲原「ちょっと相談したいことがあるんだ…部室まで来てくれないか」

加治木『だがもう遅いぞ?電話じゃダメなのか?』

蒲原「会って話したいんだ…」

加治木『…そうか、今から向かう』

蒲原「ありがと…」

ツーツーツー

─部室

加治木「すまない、遅くなった」

蒲原「いや、私が無理言って来てもらったんだ…」

加治木「…電話の声が震えていたぞ。それにわざわざ会って話すなんて…言いにくいことなのか?」

蒲原「うん…」

加治木「…」


蒲原「実は…ZIPPEIの事なんだ」

加治木「ZIPPEI?モモが言ってた世話の代行をしてる犬のことか」

蒲原「私は……うぅ…ZIPPEI達を…死なせてしまったんだっ…」ボロボロ

加治木「死なせた…?どういう事だ?」

蒲原「私が…うっく…あの子達を車に残して買い物に行ってる間に…エアコンが何故か切れて…」ポロポロ

蒲原「それで…9匹の内7匹も熱中症で…死んじゃったんだ…」ポロポロ

加治木(…バッテリーがあがったのか…?)

加治木「…それで、飼い主には連絡したのか?」

蒲原「い、いや…まだ…気持ちの整理が付かなくて…」

加治木「ならすぐに連絡したほうがいい」

蒲原「そうだよな…なんだか少しだけ気が紛れたよ…」

蒲原「私はゆみちんにそう言って貰いたくて相談したんだと思う…」

加治木「そうか…辛い事を聞くが、その…犬達の…死体はどうしたんだ?」

蒲原「ま、まだ車の…中に…う、うえええ」ボタボタッ

加治木「だ、大丈夫か!?すまない、余計なことを聞いて」

蒲原「ご、ごめん…うっ…やっぱ埋めてあげた方がいいのかなぁ」

加治木「いや…飼い主に聞いて見ないことには…まずは連絡するんだ」

蒲原「う、うん…」







乱闘きたああああああああああ

ごばくした




蒲原「はい…失礼します…」ピッ

蒲原「…」

加治木「どうだった?」

蒲原「予定切り上げて早く帰ってくるって…犬達は顔を見るまで信じられないから埋めたりしないでくれって…」

加治木「…そうか」

─翌日

アナウンサー「…によりZIPPEIが死亡していた事が分かりました。ZIPPEIは…」

衣「そんな…」グズン

透華「…なんて事ですの」

衣「透華…ZIPPEIは長野に来るんじゃなかったのか…?」

透華「……」

衣「どうして…こんな…」

衣「夏場の車内は60℃近い温度になると聞いたことがある」

衣「ZIPPEIは…さぞ苦しかっただろう…辛かっただろう…」

衣「狭い車内で蒸し焼きにされ、命尽きるのを何もできずにただ待つしかなかったのだ…」ポロポロ

透華「衣…」

衣「ダイスケもやりきれないだろう…日本一周を約束した相棒を、最期に立ち会うこともできず突然失った…」

衣「酷過ぎる…!どうしてこんなことに…うう…うわあああああ!透華ああああ…」ボロボロ

えええええええええええええええええええええええええええええええ

誤爆した

蒲原(…あれから車に乗れなくなってしまった)

蒲原(車の後部座席を見ると犬の死体が置いてあるような気がして…)

蒲原(もう夏休みは終わっているのに学校には行ってない…)

蒲原(ワハハ…私は…おかしくなっちゃったのかな)

蒲原(………)

誰か書いてくれると信じてた

ピンポーン



蒲原母「智美、友達が来てくれたわよ」

蒲原「誰…?」

蒲原母「ゆみちゃんよ。プリントとか持ってきてくれたって」

蒲原「ゆみちん…」

蒲原母「あがってもいいですかって言ってるけど…どうするの?」

蒲原「…」



加治木「ほら、休み明けのプリントだ。」バサッ

蒲原「ありがと…」

加治木「なぁ蒲原…落ち込むのも分かるがもう何日も経ったんだ。気持ちを切り替えたらどうだ?」

蒲原「ワハハ…無理だよゆみちん…頭から離れないんだ…」

蒲原「車の中に横たわるあの子たちの姿が…臭いが…!うぅ…!」カタカタ

蒲原「夢にも出るんだ…!熱い、熱い、助けてって私に向かって…!」ガタガタ

加治木「お、落ち着け!どうしたんだ蒲原!」

しえ

蒲原「助けて…助けてよ…ゆみちん…ひっく…ううええ」ボロボロ

加治木「…蒲原…」サスサス


加治木(蒲原は相当まいってる…もしもの事も在りかねないぞ…)

加治木(私は…どうしてやればいい…?私に何ができるんだ…?)

加治木(くそっ…なんて無力なんだ…私は)


池田「ZIPPEI死亡wwwwwwwwwwくそわろたしwwwwwwwwwwww」カタカタ

池田「スレ立てよww」カタカタカタカタ


タイトル:もこみち「今日はホットドッグを作ります」


池田「ひゃああああwwww華菜ちゃん天才だしwwwww」

加治木「お邪魔しました」

蒲原母「もしよかったらまた来てあげてね…」

加治木「はい…」


加治木(結局その場限りでなだめてやることしかできなかった…)

加治木(蒲原はきっと今夜も魘されて一人で苦しむだろう)

加治木(知識が無いから分からないが、精神科の類に相談するべきなのだろうか…蒲原…)

ねむい

─龍門渕

一「ねぇ透華、ちょっといい?」

透華「なんですの?」

一「ZIPPEIの事なんだけど…」

透華「衣なら大丈夫でしてよ。衣はそんなに弱くはありませんわ」

一「衣の友達に蒲原さんっていたよね?」

透華「あのいつも笑っている能天気なお方ですわね」

一「ちょっと小耳にはさんだんだけどね」

一「ZIPPEI達を死なせちゃった飼い主の友人があの人らしいんだよ…」

透華「何が言いたいのか良く分かりませんが」

一「今日、加治木って人から蒲原さんが塞ぎ込んでるから友達の衣に励ましに行ってほしいって電話があってさ」

一「結構まずいことになるんじゃないかな…」

透華「衣はそれを知って励ましに行ったのではありませんの?」

一「たぶん…知らないと思う。いつもどおりのテンションだったし」

透華「衣と蒲原智美の間でイザコザがおきるのもよろしくありませんわ」

透華「一、蒲原智美の携帯番号は?」

一「分かるけど…電話するの?」

透華「衣にZIPPEIの話題を振らないよう釘を刺しておきますわ」

prrrrrrrr…

蒲原『もし…もし』

透華「蒲原智美さんでして?」

蒲原『そうですが…どちらさまでしょうか』

透華「わたくし衣の友達の龍門渕透華と申しますわ」

蒲原『衣の…』

透華「今、憔悴しきった貴方を励ますために衣がそちらへ向かっておりますの」

蒲原『衣が…そうなのか』

透華「しかし衣は貴方がそう落ち込んでいる理由を知りませんの」

透華「衣は…ZIPPEIとダイキチが長野を訪れるのをとても楽しみにしてましたわ」

蒲原『…っ!!』

透華「この件について貴方を攻めるつもりはありませんわ」

透華「しかし衣は大切な友達の貴方がやった事だと知ったら大変ショックを受けると思いますの」

蒲原『………』

透華「衣は今、気丈に振舞ってはいますが内心とても落ち込んでいますわ」

透華「ですから、衣にZIPPEIの件については話さないで頂けませんこと?」

蒲原『あ………』

透華「…蒲原さん?分かっていただけ」ブツッ

ツーツーツー


透華「分かってもらえたのか怪しいですわ!」

一(あちゃー、これ蒲原さん落ち込むだろうなぁ…)

やめろ




やめろ

蒲原「ワ…ハハ……衣も傷つけていたのか…私は…」

蒲原「衣だけじゃない…全国でZIPPEIの旅を楽しみにしていた人たち全員の気持ちを…」

蒲原「私が………踏みにじって…台無しにしたんだ…ワハハ…最低だ…」

蒲原「おまけにゆみちんにまで迷惑かけて…本当に最低だ…」


ピンポーン

蒲原「…衣か?」

蒲原(インターホンのカメラの位置が高い。触覚しか移ってないぞ、ワハハ…)

衣『衣だ!智美、なにやら滅入ってると聞いたから来たぞ!衣が相談に乗ろう!』

蒲原「……ごめん。相談できないぞ……私には…そんな資格…無いんだ…」

衣「資格?笑止千万っ!衣と智美は友達ではないか!困ったときこそ友達を頼りにせよと清澄の大将もいっていたぞ!」

蒲原「ごめん…ごめんよ…うぅっく…」ポロポロ

蒲原(こんな優しい衣に酷い事を…私は…!)

衣「泣いているのか?衣が胸を貸すぞ。だから、家に入れてくれないか」

蒲原「駄目……なんだ…すまないけど…帰ってくれないかな?…グズン」

衣「帰らないぞ!ここで帰っては衣は智美の友達失格だ!」




一「衣、遅いね」

透華「こんな時間人っても帰らないなんて…様子を見に行ってきますわ」


─蒲原家前

衣「……透華」

透華「衣…!何をやっているんですの!」

衣「智美は衣を家に入れてくれなかったんだ…衣は友達の力になれなかった…」

透華「…きっと蒲原智美にも事情があるんですわ。今日はもう帰りますわよ」

衣「…うん…また明日くる。智美」


池田「……w」カチカチ


ブチャラティ「伸びろZIPPEI!!」(5)
ZIPPEI「GANTZ……?」(17)
ZIPPEIを車内にMIPPEIwwwwwwwww(12)



池田「ぶっはwwwwwwwwwwwwwwww」

─龍門渕

一「衣、今日も蒲原さんの家に行くってさ。家って言っても例のごとく玄関までだけど」

透華「そうですの…」





蒲原「…メール…ゆみちんからか」

From:ゆみちん
Title:大丈夫か?

本文:
ここ数日、色々調べたけど、トラウマで幻覚を見たり
悪夢に魘されたりする症状は精神科で診てもらえば
カウンセリングを受けられたり、薬を貰えるそうだ。
なにも恥ずかしい事じゃない。なんなら私も付いていこう
一日も早く登校できるようになることを願ってるぞ

-END-


蒲原「ゆみちん…もう…ほっといてくれ…」

ASAMESHIにホットドッグ食ってくる

正直言うと昨日まで名前も知りませんでした

めしくったらねむい限界が近い

──数週間後

衣「智美…今日も開けてくれないか…」



加治木「何か返信してくれ…蒲原…」


加治木(もう…)

衣(限界かもしれないな…)

加治木(応援してくれた両親のためにも受験勉強の手を抜くわけにもいかない…)

衣(これ以上透華に毎日心配をかける訳には…)


加治木(蒲原…)

衣(智美…)


((ごめん……))

冗談じゃない、わかるでしょ(you know?)
油断できないこの猛暑(hot dog)
ペット連れの買い物は永遠のトラウマ

蒲原「ワハハ、ゆみちんからのメール、来なくなったな……」

蒲原「衣も来なくなった…」

蒲原「………グズン」ポロポロ

蒲原「ふぇ、なにを泣いてるんだ私は…」ポロポロ

蒲原「2人の優しさを突っぱねたのは…私自身じゃないか…」

蒲原「散々無視しておいて連絡をくれなくなったのを寂しがるなんて…」

蒲原「ワハハ…やっぱり私はどうかしてるのかもな…」



────
────

─8年後、長野県女子麻雀部同窓会


咲「かんぱーい!」

一同「「「かんぱーい!」」」


優希「それにしても咲ちゃん羨ましいじぇ!日本代表に選ばれるわ使い勝手のいい夫がいるわ!」

咲「えへへ、ありがと」

池田「ここだけの話、あの大将戦のときから”こいつは世界に行く!”って思ってたし!!」

まこ「うちの店にも客寄せになるけん、顔出してくれんかのう!」



モモ「へんぱいは飲まないんふかぁー?」

加治木「モモ…お前大丈夫か?呂律が回ってないぞ…」

佳織「東横さんは相変わらずお酒に弱いね」

睦月「うむ。」


加治木(他の高校出身者は盛り上がってるようだが…)

加治木(この楽しい場に一人欠けているうちらはなんとも微妙な空気だな…)

衣「鶴賀…邪魔するぞ」スッ

加治木「天江…相変わらず小さいな。想像と違って安心したよ」クスッ

衣「余計なお世話だ!それより…少し話したいことがある」

加治木「もしかして蒲原のことか?」

衣「ああ…衣はプロ試験が終わって時間ができてから何度か智美の家に行ったが」

衣「もう殆ど部屋から出ていないと両親から聞いた…何をするでもなくボーッとしてるって…」

加治木「そうか…」

衣「衣は今でも悔いているんだ…あの時諦めずに会いに行き続けていればこの場で笑い合えたんじゃないかって」

加治木「私も後悔してるさ。受験なんて浪人すればよかっただけの話だ」

加治木「私は言い訳をしながら結局、蒲原を切ったんだ…」

衣「………」

衣「すまないな…辛気臭くしてしまった」

加治木「そうだな…今日はもう何もかも忘れて飲み明かそう」

衣「そうだな!」ゴクゴク

加治木「こうしてお前が酒を飲んでいるところを見るとそれとなく犯罪っぽいな、ふふっ」

衣「なんだと!?」

ハハハ… フフフ…



加治木(後のことは、酔っ払ってよく覚えていない。帰りはタクシーだったのだろう。)

加治木(青春時代を過ごしたなつかしい長野の道を進む車の中)

加治木(たまたまあいつの家の前を通った事だけがはっきりと再生できる)

加治木(あっと言う間に遠ざかっていった、あいつの家)

加治木(小さなサイドミラーの中で点になり、やがて消えた。)



おわり

  ┌┐         / //
 [二  ] __     〔/ /
   | |/,ー-、ヽ      /
  / /  _,,| |     ./
 レ1 |  / o └、  ∠/    ∧_∧

   .|__|  ヽ_/^     ,/     (`・ω・)       ))
      __       /      /つ( ̄`ヽO_ノ⌒ヽ
   [二二_  ]    /     ノ   )        \ ))
       //    {..    (__丿\ヽ ::    ノ:::: )

     / ∠__    ̄フ..      丿        ,:'  ))
    ∠___  /  /    (( (___,,.;:--''"´``'‐'

     _   / /  \
    / o ヽ/  /   /
    ヽ__ /    \

蒲原復帰編は起きたとき残ってたら考える

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

復帰と言うより分岐で救済するよてい

起きた
正直落ちてると思ってたけどお前ら舐めてたわ

>>96で分岐

prrrrrrrr…

prrrrrrrr…


透華「通話中で繋がりませんわ」

──

蒲原「もしもし」

加治木『蒲原、…何度もしつこくてすまないな。私だ』

加治木『本当はメールにしようかと思ったんだがお前の声を聞きたくてな』

蒲原「ワハハ…」

加治木『…あれから色々調べたがトラウマで幻覚を見たり悪夢に魘されたりする症状はそんなに珍しくないらしい』

加治木『精神科などで診てもらえばカウンセリングを受けられたり薬を貰えるそうだ』

蒲原「精神科…ワハハ、なんか抵抗あるなー…」

加治木『心の病気にかかった。だからそれを医者に診てもらう。それだけの事だよ』

加治木『なにも恥ずかしいことじゃないさ。なんなら私も付き添おう』

蒲原「…ゆみちんは…なんで……そんなに私を…グズン」

加治木『当たり前だろ、親友じゃないか』

蒲原「…わはは…ありがと」

ピンポーン

蒲原「ん、誰か来たみたいだ…衣…?」

衣『衣だ!智美、なにやら滅入ってると聞いたから来たぞ!衣が相談に乗ろう!』

蒲原「衣…」

加治木『蒲原…お前にはたくさん友達がいるんだ。部員のみんなだって心配してる』

蒲原「ワハハ…そうみたい…だな…」ポロポロ

加治木『じゃあ私はこれで失礼する。一日も早く登校してくることを願ってるぞ。じゃあな』ピッ

──

加治木(あれから1週間が過ぎた。)

加治木(衣はZIPPEIの事で蒲原が憔悴していることを聞いて驚いていたが、冷静に受け止め蒲原を慰めてくれたそうだ)

加治木(蒲原に付き添い、精神科にも行った。蒲原は鉄格子に囲まれた殺風景なコンクリートの建物を想像していたらしい)

加治木(実際には熱帯魚の水槽が印象的な、落ち着いた雰囲気の待合室で)

加治木(それを見たときの蒲原のポカンとした顔には思わず笑ってしまった)

ボチヤミサンタイキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

誤爆した何度目だなうしか

蒲原「ワハハ、精一杯勉強頑張るぞ。なんたってゆみちんと一緒の大学を目指すんだ」

加治木「大丈夫なのか?」

蒲原「際どいかな…」

加治木「言っておくが私は志望校に妥協はしないぞ」

蒲原「ワハハ、遅れたぶんも取り返さないとな」

加治木「…そうだな。それにしても蒲原がいつもの蒲原に戻ってくれて本当に良かった…」

蒲原「まだそうともいえないけどなー…車には怖くて乗れないままだし、時々、夢も見るんだ…」

加治木「そうか…きっと時間が解決してくれるさ。それにこれから猛勉強するんだ、思い出す暇もなくなるだろう」

蒲原「そんなもんかなー、ワハハ」





───
──

────
────

─8年後、長野県女子麻雀部同窓会


咲「かんぱーい!」

一同「「「かんぱーい!」」」



咲「うわあああああん!京ちゃんの馬鹿あああああ!ひっく…」ゴクゴク

久「…荒れてるわね」

まこ「振られたんじゃと」

久「須賀君、まさか優希と結婚するだなんてねぇ…仲いいとは思ってたけど」

和「大丈夫です…宮永さんには私がいますよ…ふふふ…」ナデナデ

咲「原村さあああん」ヒック

モモ「へんぱいは飲まないんふかぁー?」

加治木「モモ…お前大丈夫か?呂律が回ってないぞ…」

佳織「東横さんは相変わらずお酒に弱いねー」

蒲原「ワハハ、佳織だって人の事言えないだろー」

睦月「うむ。」



衣「智美、久しぶりだな!」

蒲原「おお、衣!久しぶり!ワハハ、相変わらずちっこくて可愛いな」ナデナデ

衣「これでも1cm伸びたんだぞ!」

加治木「全く分からん」

蒲原「ワハハ」

衣「ふふっまあいい!衣もこれしきの事では怒らん。もう大人だからな!」

睦月「ブフッww」

衣「そこ!何が可笑しい!」

ワイワイガヤガヤ…

──

衣「手紙、見たぞ!犬を飼い始めたのだったな」

蒲原「ワハハ、まぁな。可愛いもんだよ」

衣「そうか。今度暇ができたら衣も会いにいきたいな」

蒲原「うん、休みの日ならいつでも大丈夫だぞ」


衣(智美はもう…大丈夫なようだな)

蒲原「ワハハ、心配しなくても私は大丈夫だよ」

衣「え?」

蒲原「衣、変なこと考えてたろ。顔に出てるぞー」

衣「あ、いや…すまない!」

池田「おーいお前ら二次回いかないのかー?」

蒲原「ワハハ、私は行くぞ!」

衣「じゃあ衣も!」


・・・

池田「ま、まだいけるし…四次会だし…うえっぷ」

蒲原「ワハバぇええ」ボタボタ

久(お酒強くないなら無理しなければいいのに…)

咲「うわあああああああああああああん」ゴクゴクゴク

───


蒲原(後のことは、酔っ払ってよく覚えていない)

蒲原(気が付くと家の玄関で大の字に寝ていた)


蒲原「ふぁ…」

ゴソゴソ ピッ

蒲原「げ…もう昼じゃないか…ん?ゆみちんからメールか」




From:ゆみちん
Title:送っておいたぞ

本文:
大学の飲み会の時と全く同じで笑ったぞ
タクシー代は後で飯でもおごってくれ

それと衣は2次会の途中でリタイアしてるから安心しろ
酒に強くないのに無理はやめておけよ

蒲原「ワハハ、またゆみちんの世話になっちゃったみたいだな」

蒲原「ゆみちん…衣…部員だったみんな…」

蒲原「ワハハ、私は…いい友達を持ったなぁ」


─翌日

犬「ワンワン!」

蒲原「おお、よしよし」

蒲原「ワハハ、昨日は二日酔いで駄目だった分はたっぷり付き合ってやるぞ!」


蒲原「散歩、行くか!」




カン

サッカー見たり遊戯王の世界大会見たりで遅筆なのはすまんかった

お前らバッドエンド好きだな

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