サトシ「行けっ!ピカチュウ!」ピカチュウ「ハァ?」 (9)

サトシ「えっ?」

ピカチュウ「えっ?」

サトシ「喋った…」

ピカチュウ「いや、喋るだろ」

サトシ「喋んないだろ」

ピカチュウ「いやいや、耳大丈夫かよ」

サトシ「つーか…俺トレーナーだろ」

ピカチュウ「あ?うん」

サトシ「なんでそんな偉そうなの?ピカチュウ」

ピカチュウ「いつも通りだろ、何を今更」

サトシ「えっ?いつも通りなの?」

ピカチュウ「平常運転だろ」

サトシ「いやいや…ピカチュウさあ?俺の名前、呼んでみて?」

ピカチュウ「ハァ?サトシ?」

サトシ「ピカピー!!」

ピカチュウ「ちょっと何言ってんのかわかんない」

サトシ「ピカピィ!!ピッピカチュウ!!!!」

ピカチュウ「救急車…」

サトシ「ちょお!!」

ピカチュウ「いや…そろそろ11歳だろ?ゴッコ遊びはやめようや?」

サトシ「ピカチュウ…俺、がっかりだよ」

ピカチュウ「俺はいつもお前の命令にがっかりしてるけどな」

サトシ「つーかお前…オスかよ」

ピカチュウ「尻尾見ろよ、どこからどう見てもオスだが」

サトシ「ないわー…マジ、ないわ…」

ピカチュウ「いやいや、かれこれ1年は一緒に居たわけですが」

サトシ「つーか、なんで急に喋るわけ?」

ピカチュウ「前からですが」

サトシ「どうしてこうなった…」

ピカチュウ「どうしてこうなったと聞かれたら」

サトシ「ロケット団!!」

ピカチュウ「いねーよ」

サトシ「うぅ…」

ピカチュウ「一度言ってみたかっただけ」

サトシ「もういいよ…早く旅の続きしようぜ」

ピカチュウ「来るぞ」

サトシ「何が?」

ピカチュウ「ロケット団」

サトシ「呼んでもないのに」

ピカチュウ「真似したからかもな」

ムサシ「真似したからかもなと言われたら」

ピカチュウ「お帰り下さい」

コジロウ「はい」

ニャース「失礼するのニャ」

サトシ「やったぜピカチュウ!」

ピカチュウ「じゃ、ここでさよならバイバイ」

サトシ「え?」

ピカチュウ「ちょっとメスのピカチュウ捕まえて来る」

サトシ「ちょ…」

ピカチュウ「お前と居てもメスのピカチュウにエンカウントしないし」

サトシ「ちょ…」

ピカチュウ「森に戻るわ」

サトシ「待って!」

ピカチュウ「1時間歩けば3回はピカチュウに遭遇出来るんだよ!!森なら!!」

サトシ「ひっ…!!」

ピカチュウ「お前と旅しても一回だってメスに遭遇したか!?あ!?」

サトシ「それは…」

ピカチュウ「俺はな!お年頃なんだよ!!」

ピカチュウ「O TO SHI GO RO!お年頃!!」

ピカチュウ「じゃ!」

1年後

シゲル「なぜだ…最強のパーティを組んだはずだ…せっかくチャンピオンになったってのによう!!」

サトシ「博士に貰った奴連れて最強とか」

シゲル「おじいちゃんがくれたポケモンだ!一番初めのポケモンだぞ!?」

サトシ「関係無いね…ポケモンに情なんてないし」

シゲル「くっ…こんな奴に…」

サトシ「あぁ…でも、教えられたよ…俺の最初のポケモンに…」

サトシ「ポケモンには優しさなんて必要無いって」

シゲル「こんな奴に…!!こんな奴にっ!!」

サトシ「今思えば、アイツのおかげかなぁ…俺がこうしてチャンピオンになったのも…」

サトシ「くだらないこだわりを捨てれたから…ありがとうと言っておこう、ピカチュウ…」

トキワの森

ピカチュウ「っ…!!ファーック!!」

ピカチュウ[メス]「ちゃぁー」ビクンビクン

ピカチュウ「最高にハイッて奴だぁぁ!!」ドピュ

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