平沢唯「だつごく!」 (13)

澪「唯の死刑執行まであと一週間だな」

律「そうだな……」

澪「律、それだけ? あと一週間したら唯ともう二度と会うことできなくなるだぞ!」

律「しょうがないじゃん! ウチらにはどうしようもできないことなんだから!」

澪「……」

律「もうどうしようもできないんだよ……」

刑務所

看守「ご苦労。今日のお勤めは終わりだ。休め」

唯「……はい」


ガチャ


唯「……」

看守が居なくなったのを見計らった
唯は自分の髪の毛を静かに一本抜いた。

ピツッ

唯「……ニッ」

その髪の毛には金具が仕込んであったのだ。

唯「……」

カチコチカチコチ

その金具を自分の手錠の金具に入れ込み、
ひたすらいじくる唯。

カチコチカチコチ …カチャ!!

唯「……えへへ」

唯は手錠が外れ自由になった手で
再びもう一本髪の毛を抜いた。

ピツッ

唯「こっちの髪の毛は糸のこだよぉ……」

ゴリゴリゴリ

小さな糸のこぎりとを仕込ませた
髪の毛で丹念に牢屋の鉄格子を削っていく唯。

ゴリゴリゴリ

唯「あともう少しで……みんなに……」

ゴリゴリ

唯「会えるよー」

ゴリゴリ …カラン!

唯「……」

やがて鉄格子は外れた。

唯「……デュフ、デュフフフフヘ!」

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