【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 5【ダンガンロンパ】 (326)

あー、あー、
書き込みテスト、書き込みテスト………


※このSSにはダンガンロンパの壮大なネタバレが含まれています。
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 このSSによるネタバレ被害の苦情は一切受け付けません。予めご了承願います。
















































前スレ
【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 4【ダンガンロンパ】
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【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!【ダンガンロンパ】
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【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 3【ダンガンロンパ】
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………
……

  現在12日目 

  学級裁判回数:3



 ――絶望指数――


苗木誠<超高校級の幸運>

★★★★★★★☆☆☆

石丸清多夏<超高校級の風紀委員>

★★★★★★★☆☆☆

十神白夜<超高校級の御曹司>

★★☆☆☆☆☆☆☆☆

大和田紋土<超高校級の暴走族>

★★★★★★★☆☆☆

桑田怜恩<超高校級の野球選手>

★★★★★★★★★☆

山田一二三<超高校級の同人作家>

★★★★★★★☆☆☆

葉隠康比呂<超高校級の占い師>

★★★★★★☆☆☆☆



舞園さやか<超高校級のアイドル>

★★★★★★★★★★

霧切響子<超高校級の探偵>

★★★☆☆☆☆☆☆☆

朝日奈葵<超高校級のスイマー> 

★★★★★★★☆☆☆

腐川冬子<死亡>

★★★★★★★★★★

大神さくら<超高校級の格闘家>

★★★★★★★☆☆☆

セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

★★★☆☆☆☆☆☆☆

江ノ島盾子<超高校級のギャル>

★★★★★★★★★★

不二咲千尋<死亡>

★★★★★★★★★★

戦刃むくろ<超高校級の軍人>

★★★★★★★★☆☆



  生き残りメンバー

   残り14人


 12日目、深夜

《戦刃の部屋》


(ぴょーい)

戦刃「モノクマ、舞園さんは」

モノクマ「さあ? 正直、ボクのカメラの外にいるからわかんないんだよね」

モノクマ「でもさ、明日戻るらしいよ。ってか生きてたんだね、つまんなぁい!」

戦刃「そ、そうなの?」

モノクマ「でね、ミッションを伝えに来たよ」

戦刃「…………」

戦刃「やっぱり、舞園さんを」

モノクマ「まあ、まずは見つけないと話にならないから、頑張ってちょうだい」

戦刃「見つけるだけ?」

モノクマ「ボクはね、殺害を命令したりはしないよ」

モノクマ「何が最も<絶望>を与えるか。ボクの仕事はそれだけだから」

戦刃「…………」

モノクマ「でね、戦刃さん」

戦刃「何?」

モノクマ「もう一つミッションがあってね」

戦刃「うん」

モノクマ「告白してください」

戦刃「……?」

戦刃「告白?」

モノクマ「そう。内容は任せるけど」

モノクマ「うぷぷぷぷ。やっぱり、妹が喜びそうなことって言ったら」

戦刃「………!」

戦刃「あ、あう、……あうあう」

モノクマ「はい、あうあう言っている暇があればきりきり動いて」

モノクマ「うん?」

戦刃「?」

モノクマ「……まあいいや。とりあえず、みんなの前に姿現す前に」

モノクマ「舞園さんを見つけちゃってください!」

(ぴょーい)

戦刃「…………」

(戦刃は部屋を出た)


《校舎1F・廊下》


舞園「あ」

戦刃「…………」

舞園「…………」

戦刃「…………」

舞園「えっと」

舞園「ただいま帰りました……」

舞園「…………」

戦刃「……何を、えっと、どこにいたの?」

舞園「すみません、それは明日みんなにまとめて話そうと思ってるんです」

舞園「でも話せることがないんですよね。殆ど寝てただけですし」

戦刃「ね、寝てた?」

舞園「あ、すみません、寝てはないです。意識ははっきりしていたんですけど」

舞園「身体が動かなかったんですよね。……まだ気持ち悪いです」

戦刃「え、えっと。病気?」

舞園「に、なるんですかね? よくはわからないんですけど」

舞園「とりあえず、お風呂に入りたいです……。恥ずかしいな、何日もシャワー浴びてないなんて」

舞園「あ、夜時間以降って大浴場開いてましたっけ?」

戦刃「え、えっと。どうだっけ……? でも多分、お湯は張ってると思う」

戦刃「というか、他にない……? 言わないといけないこととか色々」

舞園「えっと。色々気になることはあると思うんですけど、すみません、明日にしてもらえますか」

舞園「本当はこっそり帰りたかったんですけど、というか多分みんなが思ってるほど大したことはしていないんですけど」

舞園「どう言ったらみんなが納得してくれるかな……頭痛いなあ」

舞園「うーん」

舞園「あ、戦刃さんはこんな時間にどうしたんですか?」

戦刃「……、あなたを、探しに」

戦刃「あ、だから、もう大丈夫と言えば大丈夫……?」

舞園「…………」

舞園「私を殺しに来たとか、そういうのではないんですよね?」

戦刃「…………」

舞園「あの、黙らないでほしいです。すごく怖いんで」

舞園「でも戦刃さんが簡単に人を殺せない理由があるのはわかってますから、そんなに心配はしてませんけど」

戦刃「え?」

舞園「え? だって、江ノ島さんを置いて裁判でクロになって卒業、なんて出来ませんよね?」

舞園「あれ? そんな話しませんでした?」

戦刃「え、えっと。どうだっけ……したような、うんと」

舞園「…………」


(ぴょーい)

舞園「あ」

戦刃「う」

モノクマ「がおー……」

舞園「なんか、意外にやる気のない声ですね」

モノクマ「だって、結構しょぼーんな状態なんだもん」

モノクマ「ねえねえ、どこにいたの?」

舞園「うーん。暗いところ?」

戦刃「あ、暗かったんだ」

モノクマ「じゃ、なぁい! こらあ!」

モノクマ「無断外泊とはどういう了見だ! お父さん心配するだろ!?」

舞園「私、クマから生まれた覚えはありません」

モノクマ「これはおしおきが必要ですかな!?」

モノクマ「『個室以外での故意の就寝は禁止』……校則に記載されて」

舞園「だから私、寝てないんですよ」

モノクマ「ええ!?」

舞園「はい。え、そんなに驚くところですか?」

モノクマ「そ、そんな言い訳をするなんて、……生徒達の中でも特に素直でいい子だと思っていたのに」

モノクマ「あーあ。舞園さんにはがっかりだなぁ」

(ぴょーい)

舞園「…………」

戦刃「意外と……あっさり引き下がったね?」

舞園「……多分、私が何を知って、何をするのかに関して興味があるんだと思います」

舞園「でも……特に何も出来そうにないんですよね」

舞園「みんなを<絶望>させるぐらいしか」

戦刃「――え?」

舞園「はあ。……結構本気で命賭けたのになあ」

舞園「すみません、また明日。じゃあ」

戦刃「う、うん」


戦刃「……あ、あのね!」

舞園「はい?」

戦刃「あの。舞園さんは、その」

戦刃「みんなで外に出ることが目的なんだよね?」

戦刃「クロになるって考えは、ないんだよね?」

舞園「それは苗木くんの望みです。私はその為に動いているだけですよ」

舞園「でも、私は……私自身が願うことは、少し違うかもしれない」

舞園「いえ、変わった……変質させられた。歪められた……」

戦刃「?」

舞園「…………」

舞園「戦刃さん。もし、あなたが苗木くんに想いを伝えるつもりなら」

舞園「今のうちに私を殺しておいた方がいいかもしれませんよ?」

戦刃「……え」

舞園「私、苗木くんに戦刃さんの入り込む隙間を与えるつもり、全くありませんから」

舞園「私以外のことを考えるなんて……させませんから」

戦刃「…………」

舞園「じゃあすみません、身体が寒いので。大浴場に行ってきます」

舞園「明日、みんなから怒られますね。おやすみなさい」

戦刃「お、おやすみ」

(戦刃と舞園は別れた)

戦刃「なんか……消える前と、雰囲気が違う?」

戦刃「前からあんな感じだっけ?」

戦刃「…………」

戦刃「……勝てる気がしない、どうしよう」


 13日目、朝

《寄宿舎1F・廊下》


(今日の食事当番は霧切・朝日奈・苗木のようだ)

(食事は簡単なものになった。三人とも料理が不得手な方らしい)

朝日奈「舞園ちゃん、どこに行ったんだろうね……」

霧切「…………」

苗木「一応、インターホンは鳴らすね?」

 ぴんぽーん

舞園『はい』

朝日奈「…………」

霧切「…………」

苗木「…………」

朝日奈「わ、わ、わ!? 舞園ちゃん!? 生きてる!?」

(ドアが開いた。朝日奈は舞園の姿を見て涙を流さんばかりに喜んでいる)

朝日奈「わ、わたし、みんな起こしてくるね!!」

(朝日奈はすさまじいスピードでインターホンを鳴らしていった)

舞園「……ただいま、苗木くん」

苗木「おかえり、舞園さん」

舞園「……ごめんなさい、苗木くん」

舞園「みんなにも謝るし、何度も頭を下げないといけない人もいるけど」

舞園「一番最初に、苗木くんに謝りたかった」

苗木「…………」

苗木「大丈夫、なんだよね?」

舞園「私がモノクマさんに殺されることはないと思います」

舞園「多分」

霧切「それよりも、あなたが何をしたのかが興味あるわ」

舞園「でしょうね。私は霧切さんの後ろを追いかけただけですし」

苗木「教えてくれるんだよね?」

舞園「……今は、まだ。ごめんなさい」

舞園「でも、そもそも大したことは」

桑田「さやかちゃん!」

舞園「……桑田くん」


桑田「…………」

桑田「大丈夫、なんだよな? 生きてるよな?」

舞園「うん」

舞園「ごめんね」

舞園「桑田くんには、何度謝っても、きっと足りないと思うけど」

舞園「本当に、ごめんなさい」

舞園「一番心配して、くれたよね」

桑田「……お願いだから」

桑田「次は、何も言わないで消えるなんて、やめてくれよ」

舞園「はい」

苗木「…………」

苗木「舞園さん。朝食会、始まるよ」

苗木「みんな、起きてくるから。先に行って待ってる」

舞園「はい」

(苗木は食堂に入った)

舞園「霧切さん」

舞園「あなたとは、二人きりで話したいことがあります」

霧切「そう」

霧切「それなりに興味があるわ。じゃあ後で」

(霧切は食堂に入った)

舞園「行きましょう、桑田くん」

桑田「あ、ああ」


《食堂》


(全員が集まり、食事もそこそこに舞園へ質問を浴びせる)

大和田「とりあえず全員が気になっていることを聞くぞ」

大和田「一日半、どこで何をしてたんだ?」

舞園「…………」

舞園「どこで、というのは言えません」

舞園「何をしていたのかと言えば……倒れていました」

石丸「た、倒れていた?」

舞園「まだ、気分が悪いんです。正直」

葉隠「そ、それって、モノクマになんかされたとか!?」

舞園「…………」

舞園「どうなんでしょうね?」

山田「そこ疑問形にしますか……?」

セレス「あなたはただ倒れていただけだと、そう言うのですか?」

舞園「すみません、本当に……ご心配をおかけしました」

江ノ島「ってか、ホントどこで倒れてたワケ?」

江ノ島「誰も見つけられなかったって明らかおかしいっしょ?」

舞園「暗いところで倒れてました」

戦刃「あの、それ……ごめん、なんでもない」

十神「ちっ……面倒な奴だ」

十神「質問を変えるぞ。何故その場所に入った?」

舞園「えっと……それはですね」

十神「ちなみにお前が霧切を疑っていたことは全員が知っているぞ」

舞園「え」

苗木「ご、ごめん」

桑田「は、話の流れ的にしゃーねーって言うか……」

舞園「そ、その。だとしたら霧切さん、ごめんなさい」

霧切「別にいいけど」

舞園「あの、でも今でも怪しいなとは思ってるんですよ?」

霧切「だとしても構わないわ。それより、続けて」

舞園「正直、こんなに長い時間いなくなるつもりはなかったんですよ」

舞園「停電で、モノクマさんを誤魔化せるかと思ったんですけどね」

大神「すまないが、舞園の言うことは核心を外していて、まったく訳が分からぬ」

舞園「すみません、その場所が怪しいと思ったのは霧切さんが原因なのは確かです」

霧切「…………」


舞園「だけど、みんなの元に戻れなかったのは、それとは無関係です」

舞園「先ほども言いましたけど、ずっと倒れてたんです」

朝日奈「一日半も? 大丈夫なの?」

セレス「朝日奈さん? さすがにこの言葉をまともに信じるのはどうかと思いますわよ?」

舞園「信じられませんよね……私が皆さんの立場でもそうだろうなと思いますし」

舞園「でも、私にはこれ以上言えることはないんです」

舞園「信じてくれとしか言えません」

大和田「一つ聞くぞ。このこと、モノクマが関わっているのか?」

舞園「いません。多分、モノクマさんも把握していない出来事だと思います」

苗木「…………」

十神「では、お前は衝動的に動いただけということか?」

舞園「全てに意味を持って行動するなんてことは殆どの人は出来ませんよ」

舞園「私はそういう意味で、普通の人間なんです」

舞園「裁判の制度を崩す、なんて発想、そんな簡単にできないんですよ」

十神「……お前、何を隠している?」

舞園「え?」

十神「誰に聞いたんだ? 俺が仮説として裁判の制度を崩すことを目論んでいるんじゃないかと言ったことを」

舞園「…………」

苗木「ボクだよ」

十神「何?」

苗木「ボクが言ったんだ」

舞園「そう、ですね」

舞園「苗木くんから聞きました」

十神「いつだ?」

苗木「て、点呼を取るために舞園さんの部屋に行った時だよ」

苗木「……そんな話が出てたけど本当はどうなんだって」

舞園「…………」

十神「…………」

十神「まあいい。そういうことにしといてやる」

苗木「…………」

舞園「みなさん、本当にごめんなさい」

舞園「とにかく、何にもなかったんです。すみませんでした」

葉隠「いやまあ、元気ならいいんだべ!」

朝日奈「そうだよ! 生きてるだけで十分だよ!」

石丸「うむ。とにかく無事が確認できたのはいいことだ!」


江ノ島「……あのさぁ、一個だけいい?」

舞園「はい」

江ノ島「倒れたのってなんで?」

舞園「……疲れだと思いますけど」

大神「確かに、神経が参るのはわかるが」

江ノ島「それで一日半も倒れっぱなしってヤバくない?」

舞園「でも、もう大丈夫ですから」

江ノ島「いや、でもさ。おかしいっしょ、やっぱ」

江ノ島「ねぇ、やっぱアンタの言ってること、なんかいろいろ変だよ」

舞園「…………」

桑田「変だったとして、でもそれがどう問題あるんだよ?」

江ノ島「いや、単純にさ。アタシ今の舞園ちゃんを信用できるかっつったら、ぶっちゃけ出来ないわ」

舞園「江ノ島さんの言うことはもっともだと思います」

舞園「ですが、私は多少信用を落とそうと、これ以上のことは話せないんです」

セレス「この状況下で、信用より大切なものがある、と?」

舞園「あるかもしれませんが、私はこれ以上言うことが出来ないから言えないだけです」

山田「あのー、これじゃ堂々巡りでは。もう舞園さやか殿はこれ以上話すことはないようですし」

山田「生きてるだけでいいと思いますぞ!」

朝日奈「う、うん。なんで舞園ちゃんを責める流れになってるのか、よくわからないんだけど」

朝日奈「しんどかったなら仕方ないと思うし」

苗木「……とにかくさ。舞園さんが無事なら、それでいいじゃない」

苗木「舞園さんも疲れてるみたいだし、これ以上は止めようよ」

大和田「だな。よぉし、この件はこれで終わりだ」

大和田「文句ある奴は俺のとこに来い。いいな?」

江ノ島「文句とかじゃなく……ええ、アタシが悪いの?」

戦刃「盾子ちゃんは、悪くないよ? 多分、えっと」

江ノ島「あーもう、残姉は黙ってて! イラッとするから」

戦刃「ご、ごめん」

葉隠「まあまあ。喧嘩は止めとくべ。イライラはお肌に良くないんだべ?」

朝日奈「そーそー。とりあえずさ、素直に喜ぼうよ、ね?」

苗木「…………」

霧切「…………」


 13日目、昼

《寄宿舎1F・廊下》


桑田「さやかちゃん、これでいい?」

舞園「あ、桑田くん。うん、ありがとう」

(舞園にトートバッグを渡す桑田)

苗木「何、それ?」

舞園「図書室で本を借りてきてもらいました。さあ、霧切さん」

霧切「ええ」

(舞園と霧切は大浴場へと入っていった)

桑田「…………」

苗木「桑田クン」

桑田「んだよ?」

苗木「多分、ボク達は話し合わないといけないことがあるんじゃないかな」

苗木「舞園さんは戻ってきた。だからこそ、無視しちゃいけないことがあると思うんだ」

桑田「……そうだな」

桑田「…………」

苗木「…………」

苗木「場所、移動しようか」



《教室 1-A》


桑田「…………」

苗木「…………」

桑田「あー、」

桑田「俺、こういうキャラじゃなかったはずなんだけどな」

桑田「修羅場とかさ。苦手なんだよね、俺」

苗木「いや、得意とか好きな人っていないと思うけど」

桑田「いや、いるんだって、マジで」

桑田「女食ってばっかの奴でさ。前の学校にいたぞ、普通に」

苗木「へえ……」

苗木「…………」

桑田「…………」

苗木「えっと」

苗木「あのさ。色々あると思うんだけど」

苗木「本当に色々あると思うんだけど、でも今、大事なのは、そこじゃないと思わない?」

桑田「まあ、なんとなく言いたいことはわかる。みんなで脱出、だろ」

苗木「うん。だから、問題を先延ばしにするだけかもしれないけど、」

苗木「この学園に閉じ込められている間は、お互い協力した方がいいと思うんだ」



桑田「…………」

苗木「あのさ、ボク思うんだけど」

苗木「桑田クンはあくまで、舞園さんのやりたいことを手伝いたいんだよね?」

桑田「……ああ」

苗木「で、舞園さんのやりたいことは」

苗木「その、ボクの望みを叶えることだって」

苗木「舞園さんはそう言ってた」

苗木「キミは、どう聞いてるの?」

桑田「…………」

桑田「大体、似たような感じだ……と思う」

桑田「知ってるんだよ。俺だって」

桑田「さやかちゃんが好きなのは苗木だって」

苗木「…………」

苗木「あ、あのさ。だったらさ」

苗木「ボク達は敵同士なんかじゃないと思うんだ」

苗木「目的が一緒なんだ。だって舞園さんの望むことは、ボクの望みを叶えることで」

苗木「ボクの望みはみんなでここから出ることなんだから」

苗木「舞園さんのことを考えても、少なくともここで敵対することに意味はないんじゃないかな」

桑田「ちげーよ」

桑田「アホだな……お前、俺よりアホだろ?」

苗木「え?」

桑田「あのさ」

桑田「だったらなんでさやかちゃんはお前にくっつかねぇンだよ?」

桑田「最初からさやかちゃんとお前がくっつけばそれで済む話だろ?」

桑田「さやかちゃんは、その、なんだ」

桑田「俺がさやかちゃんを好きなのを利用してるんだよ」

苗木「利用、って、舞園さんは」

桑田「…………」

桑田「キスしたぞ、俺たち」

苗木「――――」

苗木「え?」

桑田「お前知らないだろ? 口止めされてないから言ってやるよ」

桑田「外に出たらさやかちゃんは俺の恋人になるんだよ」

苗木「……は?」

桑田「ヤラせろっつったら多分ヤラせてくれるだろうな」

桑田「まだ頼んでねぇけど。今夜頼んでみよっかな」

苗木「……本気で、言ってる? 本当に?」


桑田「へえ。お前もそんな目するんだな」

苗木「ふ、ふざけるな! 舞園さんが、そんなこと」

桑田「してるんだよ。お前の為にな」

苗木「………っ!」

桑田「言っとくけど、さやかちゃんからキスしてきたからな?」

桑田「俺がそう言ったわけじゃねぇし」

苗木「だから……だから!」

苗木「なんでそんなことをする必要があるんだよ!?」

苗木「なんで!? そんなこと、望んでないのに……!」

苗木「…………」

桑田「……俺もさ」

桑田「アホなんだよな、基本」

桑田「だからさ、さやかちゃんがなんでそんなふうに自分追い詰めて、傷つけるのか」

桑田「わかんないんだよ。でも苗木もわかってないなら」

桑田「だったら苗木に俺たちのことをどうこう言われたくねぇよ」

苗木「桑田クンは」

苗木「桑田クンは、それでいいの?」

桑田「わからねぇけど、でも言ったよな?」

桑田「お前はさやかちゃんの気持ち無視してんだから、『敵』だ」

苗木「…………」

苗木「桑田クンは、舞園さんを傷つけるつもりなの?」

桑田「…………」

桑田「さやかちゃんが頼んだことでさやかちゃんが傷つくのがわかっても、さやかちゃんがそう言えば、そうする」

桑田「俺、さやかちゃんのために、なんでもするって言ったんだよ。だから、きっと」

桑田「さやかちゃんは俺を利用する気になったんだろうな」

桑田「……利用じゃなくて、頼ってくれてたら……」

苗木「…………」

苗木「もう、話せることは」

桑田「ねぇよ。わかってるだろうが」

桑田「無理なんだよ、わかれよ!」

(桑田は机を蹴り上げ、教室を出ていった)

苗木「なんでだよ……どうして……」

(苗木は転がった机や椅子を直し、教室を出た)


《校舎1F・廊下》


モノクマ「わっしょい、わっしょい、ぴーぽーぴーぽー」

モノクマ「アッチョンブリケ! どくのよさ!」

苗木「な、何!? え?」

(搬送用のストレッチャーで保健室に運び込まれている生徒を見て驚いている)

苗木「霧切さん!?」

(ストレッチャーが保健室に入ったのを確認、保健室に『KEEP OUT』の看板を設置)

苗木「……え、え?」

大神「苗木か」

セレス「奇妙な事態になりましたわね?」

苗木「大神さん、セレスさん」

苗木「き、霧切さん、どうしたの!?」

大神「失神だ。だが四肢に痙攣が起きていたので、単なる失神ではないと思う……詳しいことはわからぬ」

セレス「現状、モノクマに任せるしかないわけですわ。わたくし達の誰も医療の知識を持っていないのですから」

苗木「痙攣、って」

苗木「…………」

苗木「倒れていたのは、大浴場?」

大神「から出てきたようだ。最初は舞園に肩を担がれていた。呼びかけにも答えて歩いてもいたのだが」

セレス「わたくしは大神さんより後から見ましたが」

セレス「その時には床に座り込んでいましたわね。そのあと、力が抜けたのか目がうつろになって倒れましたわ」

セレス「そうしたらモノクマが出てきたというわけです。あとはあなたがご覧になった通り」

苗木「…………」

苗木「これ、事件じゃ……ないよね?」

セレス「どうでしょう? 毒でも飲まされたのかもしれませんわ」

苗木「ど、毒って、どこにあるんだよ、そんなの」

セレス「可能性の話ですわ。情報が足りませんから今の段階ではこの程度のことしか言えないんですの」

大神「とにかく、舞園に頼んで全員食堂に集まってもらっているところだ。苗木も来い」

苗木「う、うん」


 13日目、夜

《食堂》


(ほぼ全員が困惑した表情で、霧切の治療が終わるのを待っている)

大和田「十神はどうした?」

舞園「一応、知らせたんですけど。死んだら呼べって言われました」

葉隠「十神っちは相変わらずだべな」

山田「ですが、確かに今の状態では何もできませんしな」

大和田「なんかよ、わかりにくいんだよな。事件かどうかもわかんねぇし」

セレス「ですが、モノクマが治療に協力するのは驚きと言いますか」

セレス「事件が起きてほしいはずではないのでしょうか?」

舞園「だからこそ、病気で死ぬなんて展開は面白くないんじゃないですか?」

セレス「ふむ。舞園さんはそう考えているわけですね?」

舞園「違うんですか?」

江ノ島「うーん。違うっつーか、病気にしては唐突だよね。ぶっちゃけ」

戦刃「……霧切さんがああいう病気を持っているなんて聞いたことないけど」

桑田「隠してたんじゃねぇの?」

石丸「霧切君ならあり得るかもしれないが……だとしたら、信用してもらっていないということだな」

石丸「……残念だ」

大神「この状況では仕方あるまい。そうだったとしても霧切を責めるのは酷だろう」

朝日奈「でも、病気……なんだよね?」

苗木「…………」

苗木「セレスさんは、毒を盛られたのかもとか言ってなかった?」

セレス「あくまで可能性の一つとして。ですが、どこにあの症状を起こす毒薬があるというのです?」

山田「薬と言えば保健室ですな」

山田「…………」

葉隠「どしたべ?」

山田「白衣の美人保険教諭を思い浮かべようとしたら、白衣のモノクマが思い浮かんでしまいまして……」

山田「妄想力がどこか彼方に飛んで行ってしまった……ぐぅ」

セレス「ほっときましょう」


大神「保健室にそのような薬はなかったと思うが」

大神「サプリメントや、せいぜい市販されているレベルの風邪薬や消毒薬ぐらいしかなかった」

朝日奈「そうだね。プロテインもそっからもらってきたし」

戦刃「毒薬の可能性があるとしたら、他にはプールの塩素ぐらいだけど、症状が違うし……」

葉隠「お、さすが軍人だべ! そういう知識は詳しいんだべな!」

江ノ島「うわーひくわー」

戦刃「うう……ごめん」

苗木「いや、役に立ってるんだから……大丈夫だよ、うん」

苗木「でも……こういう言い方は変だけど、誰かに何かをされたからとかじゃなくて、病気であってほしいな」

セレス「まあ、待てばいいでしょう。腹立だしいことですが、モノクマの治療の結果待ちですわね」

朝日奈「ねぇ、モノクマが霧切ちゃんに何かしたりとか」

舞園「それは、ないと思います。根拠はないんですけど」

舞園「モノクマさんは校則を違反していない生徒を罰したりはしないと思うんです」

セレス「あなたはいなかったのですわね。そもそもモノクマは平等なマスターではない可能性があります」

舞園「? マスター?」

セレス「学園長を名乗っていますが、わたくしはコロシアイ学園生活を『ゲーム』とみなし」

セレス「モノクマをゲームマスターとして見ています。その観点から言って、不公平なマスターである可能性があるのです」

舞園「それが、十神くんの言っていた『裁判の制度を崩す』事の意味なんですね」

舞園「そのあたりは……どうなんでしょうね。でも」

舞園「クロにとってどんなに不利な条件であっても……外に出たいと考える人は、きっといますよね」

舞園「マスターが公平かどうかなんて、『閉じ込められている』『だから外に出たい』」

舞園「その二つの事実と欲求には、関係ない。だから抑止力にはならない」

全員「…………」

舞園「って、霧切さんなら言うんだろうなって思いました」


苗木「いや、言わなかったよ?」

舞園「え?」

苗木「いや……確かに霧切さんが言いそうな言葉だけど」

苗木「でも言ってないよ?」

舞園「…………」

舞園「そう、なんですね」

舞園「気を使ってくれたのかな……もしかして」

江ノ島「気を使ったって、誰によ?」

舞園「…………」

(ぴょーい)

苗木「わ!?」

大和田「てめぇ……!」

モノクマ「…………」

モノクマ「しょぼーん」

モノクマ「あーあ。面白くない」

モノクマ「とりあえず、保健室の封鎖は解いといたから……じゃあ」

(ぴょーい)

苗木「あ」

石丸「うむ。今の言葉を聞くと、保健室の封鎖は解かれたようだ!」

山田「みんなわかっておりますぞ?」

セレス「大勢で行っても仕方ありませんわね。わたくしはここで待たせてもらいますわ」

朝日奈「女子で様子見に行った方がいいよね?」

江ノ島「んじゃあ、アタシと朝日奈ちゃんとオーガでよくない?」

石丸「うむ。万一の時はすぐ大声を出すのだぞ!」

山田「大神さくら殿がいる時点で大丈夫だと思いますぞ」

(江ノ島・朝日奈・大神の三人が出ていった)


…………
………
……

どちらをより重視しながら観察するべきだろうか

1、保健室
2、食堂

>>40

保健室

了解です。明日更新します。
ところでもうすぐクリスマスですねっ!


14日目、クリスマスイベントを発動しますか?

1、はい
2、いいえ

>>50までで多い方

色々わからないことは多いだろうけど、敢えてそういうふうに書いた……こほん、生徒たちがAIに何かを隠してはいるようです。


ちなみに霧切さんの検査結果

『血液検査・CT・レントゲン・MRI・心電図その他検査に異常なし』

ただし、意識・運動の障害は瞳孔の開き具合と眼球振盪を確認したことから演技ではないと診断結果が出ました。
症状としては歩行障害・脱力・意識障害・ろれつが回らないなどが起こっています。敢えて診断を下すならば、心身症に近いと判断しますが、原因不明。

1
心身症って一番霧切さんに似合わない言葉すぎるだろ…これで舞園さんが本当にエスパーに目覚めて超能力使ったとか言われたら絶望的にキレるわー

了解です。更新は明日に。

さすがに本当に超能力に目覚めたとかはないです。そこは大丈夫。ちゃんと<希望>か<絶望>に繋がることをやってくれてます。

(見に来たらどうすればいいか困った事態になってしまったなんて言えない雰囲気)

今のままでも前回と同じ展開にはならないと自分は思ってます。DVDからでも色んなキャラがかなり感情のベクトルが違う方に向いているので。破滅的ではあるけど。

とは言われてもうーん。 納得はしにくいのかもしれませんね。もう舞園さんは狛枝ポジとして見てる自分がいますので。トリックスター?と言いますか。

一応、この13日目が終わったら舞園さんのターンは一区切りつく予定です。安価も減っててごめんね。今、事件パートに近い構成だからどうしても。でもそれも霧切さんが目を覚ましたら終わります。
先に言うと、13日目の深夜は霧切さんの部屋で霧切さんと舞園さんが会話して終わる感じです。それでDVDが起こす事件は一区切りつく来ます。その後クリスマスイベです。ではまた後ほど

(ぴょーい)

そりゃ言ってほしいです。ただ、「こんなのは嫌だ」よりは「こうしてほしい」の方が具体的でわかりやすく、反映させやすいとは思います。

まあ常識の範囲内なら大丈夫です。荒れない程度に。

ただどうしても得意不得意のキャラが出るのは、ご了承していただきたいとは思います。16人もいるとどうしても。
恋愛要素とか、頑張って取り入れた結果がドロドロになったりとか、そういうのも味だと思ってほしいです……切実です

《保健室》


朝日奈「霧切ちゃん……?」

霧切「――――」

大神「眠っているのか?」

霧切「…………」

霧切「今……起きたわ」

江ノ島「大丈夫?」

霧切「……ええ」

大神「なんだったのだ? 病気か?」

霧切「…………、多分」

霧切「ここは?」

江ノ島「保健室。アンタ覚えてないの?」

霧切「…………」

霧切「少し、ボーっとしているみたい」

朝日奈「う、うん。それは見たらわかるけど……」

朝日奈「あ、モノクマになんかされなかった!?」

霧切「大丈夫、だと思う。身体に変な感じは……ないわ」

霧切「…………」

江ノ島「あのさ、何があったワケ?」

霧切「…………」

霧切「何が……」

霧切「知って、どうするの?」

江ノ島「は? いや、一応心配してるんですけど」

霧切「…………」

朝日奈「ねえ、今は止めとこうよ」

朝日奈「霧切ちゃん、立てる? もう少し、ここで休む?」

霧切「出来れば……私の部屋に連れてって欲しいけど」

霧切「まだ、身体に力が入らなくて」

大神「難儀だな。うん?」

大神「ファイルがある。カルテか?」

大神「…………」

朝日奈「ねえ、なんて書いてる?」

大神「異常はない、と書いてあるな」

江ノ島「ハァ? いやいやいやいや」

江ノ島「あり得なくない? 普通に救急車呼ぶレベルなんですけど」


霧切「……ないって書いてるなら、ないんじゃない?」

朝日奈「え、霧切ちゃんはこのカルテを信じるの!?」

霧切「あまり、興味はないだけだから」

霧切「……他の人は?」

大神「大勢で来ても仕方ないから、我らが来た」

大神「皆は食堂にいるはずだ」

霧切「そう」

霧切「ごめんなさい。……迷惑かけたわ」

朝日奈「いいんだけど……何もないの? ホントに?」

霧切「…………」

霧切「大丈夫」

朝日奈「そ、そう?」

霧切「…………」

霧切「<絶望>ってなんだと思う?」

大神「<絶望>……」

朝日奈「<希望>の反対?」

江ノ島「…………」

霧切「じゃあ、<希望>って何?」

朝日奈「え、えっと」

霧切「ごめんなさい、よくわからないわよね」

霧切「……謝らないと」

(霧切は起き上がろうとするが、またふらりとベッドに突っ伏してしまう)

霧切「………っ!」

朝日奈「あ、ダメだよ無理しちゃ!」

江ノ島「アンタさ、まだ病人なんだしさ。もう少し休んでたら?」

霧切「……そうさせてもらうわ」

霧切「…………」

霧切「……もしも」

霧切「もしも、私が理由もなく人を助けようと思えるお人好しだったら」

霧切「助けられた<希望>があったかもしれない」

霧切「助けられるかもしれない。けど」

霧切「私には、理由がいる」

霧切「『仲間』を助けることにすら、理由がいる」

霧切「それを、恥じたことはないけど……そう在りたいと願っていたけど。だけど」

霧切「もどかしさを感じる自分も、いる」

朝日奈「霧切ちゃん?」

霧切「どうして私は、今ベッドで眠る羽目になっているのか」

霧切「私に何を望んでいるのか、……理由がわからない」

霧切「だから私には、助けられない」


大神「何を言っている? 大丈夫か?」

霧切「…………」

霧切「ごめんなさい。誰かに聞いてほしかったの」

霧切「わけがわからないわよね。ごめんなさい」

朝日奈「ねえ、さっきから霧切ちゃん、謝ってばっかだよ?」

朝日奈「身体がしんどい時って心もしんどいもんだし、別に誰かに弱音吐いたっていいじゃん!」

朝日奈「あたし達でよければ聞くよ? だって『仲間』だもん」

霧切「…………ええ」

霧切「ありがとう」

霧切「――――」

大神「……部屋に運ぶか。思ったより弱っているようだ」

江ノ島「どうやって運ぶ? 車いすも担架もないけど」

大神「我が背負えばよかろう。部屋の鍵はあるか?」

江ノ島「にしてもなんか、意外というか」

江ノ島「……意外だよね」

大神「まあ、言いたいことはわかる」

大神「決して我らにこのような弱音を吐くようなタイプには見えなかったが」

朝日奈「誰かに心許してるイメージが想像つかないもんね。だからあたしは嬉しかったりするんだけど」

朝日奈「何が、あったんだろね?」

霧切「――――」


《霧切の部屋・前》


(三人が霧切を運んでいると途中で苗木と石丸が合流した)

石丸「大丈夫なのかね?」

江ノ島「大丈夫は大丈夫みたいなんだけど。なんか霧切ちゃんも変な感じになっちゃってさ」

苗木「変な感じ?」

朝日奈「弱音はいたりとか。内容はよくわかんないんだけど」

石丸「相当弱っているのだろうか。想像つかん!」

大神「大きな声を出すな。病人の前だ」

石丸「す、すまない」

苗木「でも、大丈夫なら良かったよ」

霧切「う……」

霧切「…………」

苗木「あ、ごめん。引き止めちゃって」

苗木「うん。男が入ったら嫌だよね。ボク達は退散しようよ、石丸クン」

石丸「そうだな。すまないが、女性陣に引き続きお願いしよう」

霧切「待って」

苗木「うん?」

霧切「…………」

霧切「舞園さんと、話したいの……呼んで来てくれない?」

苗木「…………」

霧切「……苗木くん?」

苗木「今、舞園さんと会話しても……まともに話す気ないと思うよ」

霧切「え?」

苗木「えっと……その……」

苗木「ご、ごめん。どうかしてた」

苗木「……石丸クン。舞園さんに、霧切さんが話したがってるって伝えてくれないかな」

苗木「ボクはちょっと……考えたいことがあって」

苗木「先に、休むよ。ごめんね」

(苗木は部屋に入っていった)

霧切「…………」

大神「苗木らしくないな」

霧切「…………」

江ノ島「とにかくさ、呼んで来てよ」

江ノ島「アタシら着替えさせたりとか色々しないといけないからさ」

石丸「う、うむ。承知した」


《霧切の部屋》


 ぴんぽーん

朝日奈「はいはい、あ、舞園ちゃん?」

舞園『はい。霧切さんが呼んでるって聞いたので』

(舞園が入ってきた)

舞園「大丈夫ですか?」

霧切「……――ええ」

朝日奈「なんかさっきから、ボーっとしてて……一応返事はするんだけど」

舞園「一応、風邪とかも調べた方が」

大神「体温は高くないと思う。だが一応計った方がいいだろう」

江ノ島「保健室逆戻りかぁ。あーあ」

朝日奈「あ、じゃあアタシがとってくるよ!」

舞園「あ、出来れば飲み物も飲ませてあげないと。冷たいのとあったかいの、どっちがいいですか?」

霧切「……冷たいの」

朝日奈「おっけー! じゃあ!」

(朝日奈は元気よく走っていった)

舞園「頭痛や吐き気とかは大丈夫ですか?」

霧切「自覚できる限りでは、ないと思う……」

舞園「……予想より重症ですね、これ」

大神「だが異常は見当たらないそうだ」

舞園「…………」

舞園「そう、なんですか。異常がない……」

霧切「…………」

舞園「霧切さん。話したいことがあるらしいですけど」

舞園「もう少し落ち着いてからにしましょう? 私ならここにいますから」

霧切「……うん……」

霧切「ごめんなさい。悪いけど、」

霧切「舞園さんと、二人にしてくれない?」

大神「……わかった。舞園、頼む」

舞園「はい」


江ノ島「朝日奈ちゃんがあとから来るけど、まいっか。じゃあおやすみ」

舞園「おやすみなさい、また明日」

(大神と江ノ島は出ていった)

霧切「…………」

舞園「寒くないですか?」

霧切「…………」

舞園「温度、2度上げますね」

霧切「…………」

(朝日奈が帰ってきた)

朝日奈「ただいまって、あれ? さくらちゃんたちは?」

舞園「霧切さんに私と二人で話したいことがあるみたいで。なので、明日ということに」

朝日奈「そっかぁ。あ、これ体温計とポカリ。じゃあ、あたしも部屋に帰るね」

舞園「はい、後は任せてください」

朝日奈「んじゃあ、おやすみー! えへへ」

舞園「?」

朝日奈「霧切ちゃん、とりあえず、命がどうこうっていうのじゃなくて良かったね!」

舞園「……ええ。そうですね」

朝日奈「じゃあ、ホントにおやすみー!」

(朝日奈は出ていった)

霧切「…………」

舞園「…………」

舞園「………霧切さん?」

霧切「……――」

舞園「寝てる、というより……意識が落ちたのかな」

舞園「……霧切さんは今、どんな夢を見てるの?」

霧切「――――」

(舞園は照明を落とし、間接照明をつけた)

(布団を肩まで引き上げ、整えた後、ベッドの側面にもたれて舞園は座り込んだ)

うーん。舞園さんの動きは自分の中では自然というか勝手にそう動くというか。
役割とかではなく、そう動くというか。トリックスターというから語弊が生じたかな、闇堕ちヒロインだよね、多分。
舞園さんは人によってイメージが違うキャラだから、そのブレもあると思います。
・苗木に好意を持っている
・どんなこと(嫌なこと)でも目的の為なら出来る
・そういう自分を嫌っている(割り切ってはいない)
・依存しやすい
と、自分はそういうイメージ持ってるんですよ。うん。

ところでクリスマスイベントなんだけど、先に安価していいかな

今、ちょうど男女が7対7いるんだよね。だから男と女でペアを決めていこうと思う。

絶望指数の名簿順に、男キャラに対して、安価先の人は女性キャラを当ててください
葉隠、ごめんよ

じゃあ苗木の相手は?

>>90

朝日奈
>>84 精神力とか知力についてはどう思ってる?
個人的にはメンタル脆い、知力はそれなり(朝日奈が食堂にさえいなければいいところまで行ったと思う

残姉

質問にはすべての安価終わってからね

次、石丸(戦刃以外)

>>97

セレス

了解

次、十神(戦刃、セレス以外)

>>103

朝比奈

了解。現在、(苗木・戦刃)(石丸・セレス)(十神・朝日奈)

残りは舞園、霧切、大神、江ノ島

大和田 >>110

私様

了解
(苗木・戦刃)(石丸・セレス)(十神・朝日奈)(大和田・江ノ島)

残りは舞園、霧切、大神、

桑田 >>115

大神

ごめん、真面目にwwwってなった
(苗木・戦刃)(石丸・セレス)(十神・朝日奈)(大和田・江ノ島)(桑田・大神)

残りは舞園、霧切 オマエラ、公式のダブルヒロインだよね?

最後 山田 残りが葉隠とになります
>>120


舞園さん

ペア決定!


(苗木・戦刃)(石丸・セレス)(十神・朝日奈)(大和田・江ノ島)(桑田・大神)(山田・舞園)(葉隠・霧切)

となります。イベントの方、お楽しみに!

>>89

江ノ島(絶望状態)霧切>十神・苗木≧セレス・舞園≧石丸・不二咲・腐川>大神・山田>>大和田・桑田・江ノ島(絶望ナシ)・戦刃・朝日奈>>>>>葉隠

知力だけならこんな感じです。精神力は、絶望指数で上がりやすさとか見てくれたらそれが答えかなと思います。

動いてしまうなんて言い方しないで自分のなかではこう動くってはっきり言った方がよかった
なんか自分の解釈をキャラのせいにしてるように感じる

>>124
動いてしまうとは書いてないですよ、勝手にそう動くとは言いましたけど。
自分はキャラがそれぐらい勝手に動いてくれないと物語が書けないですね。

一ついいか?

・依存しやすい

どっから出てきた解釈で、前回や今回にどう、その面が出てるんだ?
むしろほとんど全部一人で抱え込んでる気がするんだが

江ノ島は絶望関係なく、超高校級の分析力があるから知力はトップじゃね?

>>129
どこから……と言われたら。
仲間と離れたくないから希望ヶ峰学園に入ったという発言からかな。
自分の弱さやずるさを自覚している子でもあると思う。なんか節々にそんな自分が嫌だ的な言葉がある。
だから苗木にはそんな自分を見せたくなくて、依存して苗木の迷惑になるぐらいなら逆に離れる、みたいな。

>>130
絶望ナシの江ノ島さんは残姉ちゃんが変装していたあの性格だったらというイメージです。
絶望を取り除く処置のせいでそう言った分析力も失ってしまった、という設定です。

一章は裁判を知らされなかったりしてる中で、クロとばれないために『部屋の交換』を思いついて実行してるあたりはえげつないと思う。舞園さんの怖いところは何より人を味方に付ける力=アイドルとしての魅力にある、多分
一応十神は主人公のライバルキャラだったから、十神と苗木(というかプレイヤー)はイコールと設定しているんじゃないかなぁって思った。

あと、セレスさんの自分の設定につっこんでやるな!! 夢の内容と知力は関係ないだろ!!

あー、トリックの稚拙さじゃなくて、トリックの目的というか。
密室作りましたとかだと誰にも犯行は不可能だったり、アリバイ工作で自分の安全を確保という発想じゃなく、苗木に罪をかぶってもらおうとする発想が(裁判やおしおきを知らなかったからだろうけども)えげつないなあと。
エスパーと勘に関してはまあ、もう定番ネタなので。でもメンバーの中では表情に敏い方かな、アイドルだしね

セレスさんはどうなんだろう、とにかく絶望させるのが難しいキャラですね。この中で一番難しいかも
苗木は一瞬へこんですぐ前を向くけど、一応一瞬はへこむので

次って、三週目のことですか? 三週目はありません。懲りました。
ミステリーは自分に向いてないみたいです。
テンプレ……誰か考えてくれませんか(投げやり) 自分でまとめるとまたなんか、うん。他者の目からまとめてもらった方がわかりやすいかなあと思うのですが

うーん。全体のSSとしての出来はどうなのかな? ストーリーの流れとか心情描写とか。
安価も少ないかもしれないけど一応拾ってはいってるつもりなんですが
原作は一通りやってますし、ゼロやダンロン霧切やVFBも買ったんだけどなぁ……

では投下します。


 13日目、深夜

《霧切の部屋》


 ぴんぽんぱんぽーん

『えー校内放送でーす。午後10時になりました』

『ただいまより夜時間になります。間もなく食堂はドアをロックされますので立ち入り禁止となりま~す』

『ではではいい夢を。おやすみなさい……』


舞園「…………」

霧切「……何度聞いてもこの声は気分が悪くなるわね」

舞園「起きたんですね。大丈夫ですか?」

霧切「さっきよりかは……」

霧切「…………」

舞園「?」

霧切「さっき、保健室で変なこと言った気がする」

舞園「すみません、私、保健室には行ってないので」

霧切「そう」

舞園「朝日奈さんがポカリスエット持ってきてくれました。飲みます?」

霧切「いただくわ」

霧切「…………」

霧切「……温いわ」

舞園「気持ちはわかりますけど、冷えた飲み物は身体に障ると思います」

霧切「水分の吸収効率は5~15度ほどの冷たい温度が効率がいいとされているけど」

舞園「倒れた理由は熱中症じゃないですよね? 屁理屈は止めてくださいね」

霧切「…………」

霧切「じゃあ、コーヒーがいい。ホットで」

舞園「カフェイン飲むと眠れなくなりませんか?」

霧切「今は頭を冴えさせたいの」

舞園「でも、コーヒーって……すみません、見つけましたコーヒーメーカー。なんか二つありますけど」

霧切「ドリップの方で。カフェイン摂りたいから」

(ドリップ式の方のコーヒーメーカーをセットしていく)

舞園「もう一つはなんですか?」

霧切「エスプレッソ淹れるタイプ」

舞園「なんかフラスコみたいなやつってありませんでした? よく喫茶店で見るような」

霧切「サイフォンのことね。インテリアとしては好きだけど、味が好みじゃないから」

舞園「こだわりありますね。私、缶かインスタントしか知らなくて」

霧切「あなたも飲んでみたら? 豆は悪くないと思うから」

舞園「はあ。せっかくですからいただきます。……ミルクって、ないですよね?」

霧切「あると思う?」

舞園「そうですよね、霧切さんがミルクいれたコーヒーを飲むのは想像できません」


霧切「別にミルクいれるのが悪いわけじゃないけど、コーヒーフレッシュは嫌いなの」

舞園「……違いがわからないです、ごめんなさい」

霧切「…………」

舞園「…………」

霧切「あとで、ポカリの方もいただくから」

舞園「そうですね、せっかく朝日奈さんが倉庫から探してきてくれたんですし」

霧切「…………」

舞園「…………」

霧切「さっき、嫌な夢を見たわ」

舞園「……どんな?」

霧切「私が学級裁判で、疑われる夢」

舞園「…………」

霧切「それは黒幕の罠で、明らかに私を嵌めようとしていたの。でも私は死ぬわけにはいかなかった」

霧切「負けられなかった。だから、私は」

霧切「苗木くんにも犯行が可能であることを突いた」

霧切「そして、苗木くんがクロになって、処刑される」

霧切「そんな夢」

舞園「おかしな話ですね。苗木くんがクロだったんですか」

霧切「違う。黒幕が裁判の結果を弄った」

霧切「私はそれがわかってて……見捨てた」

舞園「……夢の話ですよね?」

霧切「けど、私は間違いなく見捨てた」

霧切「あなたのことも、そう」

舞園「……?」

霧切「助けに行けなくて、ごめんなさい」

舞園「…………」

舞園「私が勝手に、先走っただけですから」

舞園「それに、助けようとはしてくれたんですよね?」

舞園「苗木くんが、来てくれましたから。霧切さんが教えたんですよね?」

霧切「…………」

霧切「でも、一日も経ってからだった」

舞園「私は生きてましたし」

霧切「それは、結果論」

霧切「黒幕につかまった可能性が私の中で大部分を占めていた」

霧切「早く助けに行くほど生きている可能性が高いのはわかっていたのに」

霧切「結局、違っていたけど……」

舞園「だから、それでいいじゃないですか」

霧切「…………」

霧切「あなたは、何故私にアレを見せたの?」


舞園「…………」

舞園「嫌がらせですよ、ただの」

舞園「ベッドに臥る霧切さんなんて、レアシーンかなって思っただけです」

霧切「そう」

霧切「…………」

霧切「あなたは、どうするの?」

舞園「霧切さんが何を期待しているのか、知りませんけど」

舞園「私は、何もしません。ただ」

舞園「私は苗木くんの<絶望>になりたい」

舞園「せめて、これ以上……奪われないように。壊される前に」

舞園「私が苗木くんの<絶望>になって、苗木くんを満たして」

舞園「その他の<絶望>が、入り込まないように」

舞園「苗木くんを滅茶苦茶にするの」

霧切「…………」

霧切「そのために、桑田くんも巻き込むの?」

舞園「……知っていたんですね?」

霧切「<絶望>になりたいって、どういう意味? 具体的に何をするつもり?」

舞園「さあ? そこまでは何も考えてはいないんです。ただ」

舞園「もし、苗木くんが私を殺してくれたら、それって苗木くんにとって最大の<絶望>ですよね?」

霧切「…………」

霧切「あるわけない、と言いたいけど」

霧切「苗木くんの様子がおかしかったわ。あなた、何をしたの?」

舞園「大したことじゃないですよ」

舞園「多分」

霧切「……何故、そんなことを望むようになったの?」

舞園「<希望>は<絶望>に勝てない、そう思ったから」

舞園「<絶望>は常に人の心の中にあるけど、<希望>を見失うのは簡単です」

舞園「だから人は、<絶望>に魅入られる」

舞園「<希望>を信じられなくなる」

舞園「私も、その一人なんです。……弱いんですよ。どうしようもなく」

霧切「…………」

(電子音がなる。コーヒーが出来たようだ)

(舞園が立ち上がり、コーヒーを紙コップに入れていく)

舞園「紙コップなんですね?」

霧切「水仕事は苦手だから」

舞園「…………」

舞園「ごめんなさい」

霧切「気にしないで」


舞園「…………」

霧切「…………」

舞園「……苦いです。あとなんか酸っぱいです」

霧切「それがいいのに」

舞園「私にはコーヒーの味はわかりません」

霧切「そう。残念だわ」

舞園「…………」

霧切「…………、ねえ」

霧切「あなたは、アレが<絶望>でしかないと思っているみたいだけど」

霧切「私はそうは思わない。むしろ、<絶望>を撃ち抜く弾丸になると思う」

霧切「あなたは身の危険も顧みずに、その弾丸を持って帰ってきてくれた」

舞園「……そんなことは、」

霧切「だから、あなたの<絶望>を」

霧切「止めろとか、乗り越えろとか、そんなことは言わない。そんな言葉に意味はない」

霧切「だけど、少しだけ、<絶望>のままに振舞うのを待ってほしい」

霧切「私も今、立ち上がることが出来なくなっているけど」

霧切「これまでになく弱って、すぐに倒れてしまうかもしれないけど」

霧切「あなたの行動が、ただ<絶望>を呼び込んだだけなんて、そんなことはないということを」

霧切「証明してみせる。必ず」

霧切「だから、あなたが<絶望>のままに振舞うのは、私が負けてからにしてほしい」

舞園「…………」

舞園「無駄ですよ、そんなこと」

舞園「少なくとも、霧切さんには無理です」

舞園「無視できるんですか? 霧切さんが、この学園に来た理由を」

霧切「…………」

霧切「そうね。私には無理かもしれない」

霧切「でも、もしも」

霧切「自分を見捨てた相手を許せるような」

霧切「自分を殺そうとした人すら許せるような」

霧切「自分を<絶望>させようとする相手すら、<希望>をもって接しとうとする」

霧切「そんな人がいたら――?」

舞園「……誰のことを言おうとしているのかはわかりますけど」

舞園「無理ですよ、そんなこと。あり得ない」

舞園「それが信じられないから、私は<絶望>してるんです」

舞園「私は苗木くんを、もう愛してるわけじゃないんだと思う」

舞園「ただ、私のこと以外を考えさせたくない、そんな独占欲だけ」

舞園「そんな人間を、誰が」

舞園「だれが、好きになってくれるの?」

霧切「…………」


霧切「あなたが思っているよりも、取り返しがつかないことはしていない」

霧切「今、ここで止めれば」

舞園「そしたら、桑田くんはどうなるの?」

舞園「桑田くんの心を傷つけて、桑田くんに覚悟させて……!」

舞園「それなのに、その覚悟を無駄にするの!?」

舞園「今更……そんなことは許さない」

舞園「私は決めたんです。桑田くんを利用すると」

舞園「自分のために利用する、と」

舞園「そして桑田くんも私の気持ちをわかってて」

舞園「傷つくことがわかっても、私と一緒にいてくれるって」

舞園「苗木くんは私を助ける為なら私の<絶望>を否定するけど」

舞園「桑田くんは私や自分が傷ついても、私の<絶望>を受け入れようとしてくれているから」

舞園「だから私も、そんな桑田くんの気持ちを利用するの」

舞園「徹底的に。どれだけお互いが傷ついても」

舞園「どちらかが終わるまで」

霧切「…………」

霧切「あなたの言葉は、破綻している。<絶望>に満ちて、救いがない」

霧切「だけど……」

霧切「何故かしらね。すごく、純粋だと思うのは」

舞園「…………」

舞園「私が、霧切さんより先に死んだら」

舞園「アレは、霧切さんに渡るようにしておきます。私が死んでからなら、自由にしてください」

舞園「それと」

舞園「……少しだけです」

舞園「待つのは、ほんの少しだけですから」

霧切「…………」

霧切「ありがとう」

舞園「…………」

(コーヒーを一気に煽る)

舞園「……苦いですね。それと、熱いです」

霧切「そうね。それが美味しいんだけど」


舞園「……眼が冴えて、眠れないです」

霧切「そうね。だから」

霧切「おしゃべりしましょう。他愛もない、普通のおしゃべり」

舞園「…………」

舞園「じゃあ、……何を話しましょうか?」

霧切「オカルトの話でもする?」

霧切「占いはオカルトなのか、統計と数字のマジックなのか」

舞園「葉隠くんの占いは直感らしいので、オカルトだと思います」

霧切「あなたのエスパーですからっていうのは、元ネタあるの?」

舞園「元ネタっていうか、私も勘ですし……」

(とりとめのないおしゃべりとやらが続いた)

(数時間たつとカフェインの効果が切れたのか、口数が少なくなっていった)

舞園「…………霧切さん……?」

霧切「……眠い?」

舞園(頷く)

霧切「……一緒に寝る?」

舞園「……いいんですか?」

霧切「……ええ……」

(霧切がスペースを開け、舞園はベッドにもぐった)

舞園「……――」

霧切「……舞園さん?」

舞園「――――」

霧切「眠ったのね……」

霧切「……ありがとう」

霧切「……あなたを、みんなを助けるために、私が出来ること」

霧切「……全てするから、少しだけ待って……」

霧切「……――」

霧切「――――」



 ――絶望指数リザルト――


苗木誠<超高校級の幸運>

★★★★★★★☆☆☆

石丸清多夏<超高校級の風紀委員>

★★★★★★★☆☆☆

十神白夜<超高校級の御曹司>

★★☆☆☆☆☆☆☆☆

大和田紋土<超高校級の暴走族>

★★★★★★★☆☆☆

桑田怜恩<超高校級の野球選手>

★★★★★★★★★☆

山田一二三<超高校級の同人作家>

★★★★★★★☆☆☆

葉隠康比呂<超高校級の占い師>

★★★★★★☆☆☆☆

舞園さやか<超高校級のアイドル>

★★★★★★★★★※ (※は★半分)

霧切響子<超高校級の探偵>

★★★★★★★★★☆

朝日奈葵<超高校級のスイマー> 

★★★★★★★☆☆☆

腐川冬子<死亡>

★★★★★★★★★★

大神さくら<超高校級の格闘家>

★★★★★★★☆☆☆

セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

★★★☆☆☆☆☆☆☆

江ノ島盾子<超高校級のギャル>

★★★★★★★★★★

不二咲千尋<死亡>

★★★★★★★★★★

戦刃むくろ<超高校級の軍人>

★★★★★★★★☆☆



  生き残りメンバー

   残り14人


 To Be Continued....

絶望指数リザルトが出たのは、一応これで二章が終わったからです。
裁判無かったけど。『動機』によっておこる行動がすべて終わったと思っていただけたらと思います

明日はクリスマスイブですね、明石家サンタ見ながら投下予定です

(ぴょーい)

 14日目、朝


 ぴんぽんぱんぽーん

『えー、校内放送です』

『みなさぁーん! 今日は特別な日ですよ!!』

『モノクマ学園長から、素敵なプレゼントが、あるかも? ないかも?』

『起きたら体育館まで来てください!!』



《体育館》


(しぶしぶのように全員が集まった)

大神「霧切よ、大丈夫か」

霧切「ええ。まあ、無理をするつもりはないわ」

江ノ島「そうしときなよ? ホント、マジで」

石丸「今日は特別な日とは、どういう意味なのだろうか?」

朝日奈「なにかあったっけ?」

(ぴょーい)

十神「出たな」

モノクマ「み、みなさん!? 今日が何の日か、わからないって言うの!?」

大和田「だからなんだっつってんだろ!? ……って」

葉隠「何じゃ、その恰好……?」

山田「我が輩の、コスプレ眼によれば」

山田「サンタコスですな!」

江ノ島「いや、わかるし。一目で」

モノクマ「今日はクリスマスイブですよ!」

モノクマ「クリスマスというのは、12月24日の日没から、25日の日没までを指します」

モノクマ「これは一日の境が、日没であったからです」

石丸「なるほど! 勉強になった!」

苗木「いや、それはいいんだけど。なんで、今なの?」

モノクマ「今日がクリスマスだからです! 世間は知りませんが、希望ヶ峰学園ではそうなのです!」

舞園「……諦めましょうか、この件に関しては」

桑田「んで? 俺らに何やらせたいわけ?」

モノクマ「えー、」

モノクマ「せっかくだから、衣装を用意したよ!」

(ドサドサドサ! と、サンタとトナカイのコスプレ衣装を降らせる)

霧切「何、これ?」

モノクマ「だから、衣装だよ」

モノクマ「基本、サンタは女子用で、トナカイは男女兼用だけど」

モノクマ「本日の夜時間から明日の夜時間まで、特別ルールを適用します!」

モノクマ「だからね、今のうちに準備しておいてねって言う」

セレス「特別ルールとは?」


モノクマ「うぷぷぷぷぷ……!」

モノクマ「また、夜に来るね!」

(ぴょーい)

全員「…………」

江ノ島「ねえ、私、部屋に帰って寝ていい?」

霧切「そうね。夜にろくでもないことが起こりそうだから」

霧切「体力の温存を図ることは、悪いことじゃないと思うわ」

(ぴょーい)

モノクマ「あ、そうそう」

モノクマ「本日、正午から夜時間まで、校舎区域は立ち入り禁止とします」

モノクマ「飾りつけとかやっとくから! みんなお楽しみにね!」

(ぴょーい)

 ぴろろろろん、ぴろろろろん

(電子生徒手帳のデータをアップデートしました)

苗木「な、なんだ?」



・クリスマス特別イベント

 勝てば豪華賞品、負ければ罰ゲーム!
 皆さん、気軽に強制参加!
 
(必要なものは電子生徒手帳のみとなります)
(でも出来ればサンタさんやトナカイさんになってください)



全員「…………」

葉隠「ば、罰ゲームって……おしおきだべか!?」

十神「考えていても仕方ないだろう」

十神「とりあえずこの下らん服の始末は任せた」

(十神は去っていった)

大和田「……なんだ? 何をさせる気だ?」

霧切「校舎が舞台になるのは間違いないでしょうね」

舞園「……嫌な予感がしますね」

桑田「嫌な予感しかしねぇ……っていう」

苗木「……豪華賞品ってなんだろう?」

石丸「そのようなもので我々を釣ろうとしているのだ! 気にするのは馬鹿げていると言わざるを得ない!」

山田「気にならないんですかな?」

石丸「…………」

桑田「黙るのか、そこで黙るか?」

戦刃「……とりあえず、部屋に帰って休まない?」

苗木「そうだね。今は休んだ方がいいと思う」

(全員が解散した)

 14日目、昼

(全員が部屋で休むことを選択したようだ)



 14日目、夜

…………
………
……

動き始めた生徒達もいるようだ

>>189 >>190
観察対象生徒を指定してください

セレス

苗木

 14日目、夜

《食堂》


苗木「あ。セレスさん」

セレス「あら。あなたも夕食ですか?」

苗木「うん。今夜は何かありそうだし」

苗木「ローストビーフとかあるよ、なんか豪華なおかずばっかりだ」

セレス「シャンパンはないのですか?」

苗木「ないよ、シャンメリーならあったけど」

セレス「まったく、クリスマスだというなら最低その程度のアルコールは解禁すればいいのに」

苗木「うーん。まあでも、今夜は大変そうだし、酔っぱらってもよくないよ」

セレス「まあいいでしょう。シャンメリーで我慢して差し上げますわ」

苗木「…………」

セレス「…………」

苗木「…………」

セレス「何をしているのです? 早く取りに行きなさい」

苗木「え、ボク!? ……う、うん」

(苗木が厨房からシャンメリーと栓抜き、グラスを取りに行き、セレスの目の前で開け、注いだ)

セレス「あら、なかなか手際がよろしいこと」

苗木「ど、どうも」

(苗木はセレスの前に再び座る)

苗木「…………」

セレス「…………」

苗木「…………」

セレス「何か、気になることでもあるのですか?」

苗木「!? え、あ、っと、わ、わかるの?」

セレス「まあ、それだけしけた顔をされれば」

苗木「ま、まあ……そうかもね」

苗木「…………」

セレス「まあ、何か面白い話をして女性を喜ばせることはしないのですか?」

苗木「えっと……」

苗木「あのさ、ちょっと、女性としての意見を聞きたいんだけど、いいかな?」

セレス「恋愛相談ですか? 珍しいですわね」

苗木「い、いや。そんなんじゃない……いや、そうかな」

苗木「あのさ、女の子が……好きな人の前で別の人とキスするのって、どういう意味があるんだと思う?」

セレス「…………」

セレス「目の前で?」


苗木「う、うん」

セレス「それはそれは、楽しそうな修羅場ですわね」

苗木「楽しくはない、と思うけど」

セレス「まあ、複雑そうで何より。そうですわね」

セレス「多分、その女性が好きだというのは嘘ですわね」

苗木「うーん……? そ、そんな人じゃないと思う」

苗木「その別の人も、その女の子がその人のことを好きだって言ってたし」

セレス「……ほう?」

セレス「その事情、すべて話していただかないと、どうもアドバイスしようがないようですが」

苗木「え、えっと」

苗木「ごめん、ちょっとそれは出来そうにないかんじかな……」

苗木「ただ、ボクはその女の子の……何を信じればいいのかな、と」

セレス「そんな女、信用できるわけがないでしょう」

苗木「う、うーん……その」

苗木「そういうもの、かな?」

苗木「でも……」

セレス「苗木くん、あなたは騙されていますわ」

苗木「え!? えっと」

苗木「その……」

苗木「そうかな」

苗木「少し、その……その女の子には、イライラさせられてて」

苗木「何考えているかわからなくて。全部ボクの為って言ってるけど」

苗木「何がしたいのか、何をしようとしてるのか、全然わからなくて」

セレス「ほっとけばいいじゃないですか」

セレス「短い付き合いですが、苗木くんがイライラさせられるほどの女性がロクなものじゃないのは確定的に明らかです」

苗木「そういう……訳にもいかなくて」

苗木「…………」

苗木「ダメだな、なんか……そんなんじゃないって信じたいのに、信じられないなんて」

苗木「このまま、壊れていくだけなのかな。ボクの中の彼女が」

セレス「酷い女性ですわね、その人は」

苗木「……だとしても、ボクはその人を助けたいんだ」

苗木「それだけは、確かなんだよ」

セレス「うふふ……そうやって男は騙されるのですわね?」

セレス「ちなみに、どなたなのですか?」

苗木「ボクの口からは言えないけど……セレスさんならきっとすぐにわかると思うよ」

苗木「ボク、そういうのわかりやすいみたいだし。あはは」

セレス「笑いが乾ききっていますわよ? シャンメリーでもいかが?」

苗木「いただくよ、せっかくだしね……」

セレス「その話、わたくしに話せるようになったら、真っ先に相談してくださいね?」

セレス「とても、興味深い話ですから……とても」

 14日目、深夜(夜時間)


 ぴんぽんぱんぽーん

「聖夜が始まったぞ! 体育館にハリーアップダッシュれ!」


《体育館》

モノクマ「……だれもコスプレしてくれないんだね?」ショボーン

大神「校舎が電飾で飾られていたな」

十神「本質を見失った愚民らしい悪趣味な装飾だ」

モノクマ「さて、ではルールを説明します! 電子生徒手帳を見てください」

(電子生徒手帳にペアの相手が表示されました)

モノクマ「生徒手帳にペアの相手が表示されているから、その人と組んでください!」



(苗木・戦刃)(石丸・セレス)(十神・朝日奈)(大和田・江ノ島)(桑田・大神)(山田・舞園)(葉隠・霧切)



霧切「これはどういう基準で決まったの?」

モノクマ「うーん。天の声?」

霧切「…………」

モノクマ「さて、クリスマスと言えば」

モノクマ「カップルです! デートです! リア充()です!」

モノクマ「というわけで、誰が一番のカップルか?」

モノクマ「それを競っていただきます!」

全員「…………は?」

江ノ島「いやいやいや、カップルをそっちで勝手に決めるって明らかにおかしいでしょ!?」

モノクマ「だって勝手に決めたらカップリング厨がうるさいじゃん」

朝日奈「カップリング厨?」

山田「二次創作の世界でも忌み嫌われている連中のことですぞ!」

山田「自分が正しいと勘違いして他人に押し付けようとする輩はどの世界でも嫌われるものですからな」

苗木「うーん、そういうものかもしれないけど、今大事なのはそういうことじゃないよね」

霧切「何をさせたいわけ?」

モノクマ「えー、まず最低条件として」

モノクマ「それぞれのペアにはそれぞれにミッションが課せられます」

モノクマ「それを、朝時間のチャイムまでにクリアしてください!」

モノクマ「それが第一段階です」

モノクマ「第二段階は、明日の朝時間から夜時間までだけど」

モノクマ「それはまた、明日の朝に説明するよ」

モノクマ「あ、ミッションのネタは全ペア二つずつです」

モノクマ「じゃあ、まず、(苗木・戦刃)ぺアのミッションは」


>>203
>>205

好き勝手にミッション決めてください!

メタルギア ソリッドをクリアするまで眠れません

お互いが泣くまで罵声を飛ばし合う

メタルギアソリッドって貫徹でクリア可能なの?

次(石丸・セレス)

>>208 
>>210

餃子を200個作り完食する

やっぱり同じこと考える人いるのか
俺のは個数甘すぎたか?

安価なら下

大学入試の過去問50年分

>>211 さすがに可哀想すぎるけど、自分がやるわけじゃないもんね

次(十神・朝日奈)

>>214
>>215

手を繋ぎ笑顔で写真撮影

映画鑑賞して感想文を書く

プライド抑えれば比較的楽な感じ?

(大和田・江ノ島)


>>219>>220

お仕置き風味1000本ノック

百マス計算百問

おしおき風味の解釈が難しいな……

(桑田・大神)

>>224>>225

ガチ組手

片足で立ち続ける(座れない)

もうすでにミッションが罰ゲームになってる

(山田・舞園)


>>233>>234

ペアをモデルに同人誌を書く

ガチのディープキス

18禁薄い本製作

勝手ながら、>>231>>234合わせていいかな?

(葉隠・霧切)

>>238>>240

サンタのコスプレをして、みんなの部屋にプレゼントを配る

取調べ尋問1000本

ん、えっと

すまん、具体的な内容がわからない>>240 反映させたいから内容教えてください

了解、ではでは戻ります

モノクマ「というわけで、電子生徒手帳にミッションがあると思いますが」

モノクマ「明日の朝時間チャイムまでにそれを完遂させてください!」

山田「あ、あの……完遂できなかった場合は?」

モノクマ「すぐにどうなるってわけじゃないよ、第二ステージが厳しくなるけどそれだけ」

モノクマ「必ず守ってほしいのは、たった一つ」

モノクマ「お互いの生徒手帳が、3メートル以上離れないように!」

モノクマ「これは第二ステージでも同じだよ」

苗木「ってことは……」

朝日奈「一日ペアと一緒にいろっての!?」

戦刃「……っ! あう、あう……」

モノクマ「ちなみに、手帳を相手に預けてとんずらとかはダメだよ?」

十神「ちっ」

モノクマ「お互いのペアの絆が試されます!」

モノクマ「頑張ってね~♪」

(ぴょーい)

ちなみに、

豪華賞品と罰ゲームは何にする?

しばらく案を見てから安価で決めたいと思う。まあお遊びイベントだからね。

順位が付く予定。最下位のペアだけ罰ゲーム

ちなみに、第二ステージっていうのは、

絶望の星を奪い合うっていう。ペアの絶望指数の星がたまっている方が有利。実際に指数に影響は出ない。
ミッションは一つクリアすると星が五つ獲得できる。最大で10個獲得可能。

で、第二ステージで奪い合う。星が最終的に多ければ勝利、一番少ないのが罰ゲーム

で、まだどうやって奪うとかは考えてない……ノリで決めたんだ……

ちなみにごめん、メタルギアソリッドってやったことないからわかんないけど、クリア可能かな?

寝落ちしてた

賞品

1、DVDの続き
2、一つ知りたい事をキミだけに教える
3、乗り物(セグウェイ・バイク・自転車など)と、乗り物を校舎内で自由に使っていい権利
4、どっきどき☆狛枝危機一髪ゲームセット(実弾入りの銃)



>>270 スナイプ


2

罰ゲームです、この安価決まったら寝ます、メリークリスマス!

1、次の裁判まで常にペアで1メートル以内にいないといけない
2、プール(水の代わりにとろろが入ってる)を25m泳ぐ
3、一定期間部屋の鍵をとりあげる
4、そのペアで絶望的に寒い漫才をしてもらう(今考えた)

>>273

3


 <苗木・戦刃ペア>


《苗木の部屋》


苗木「いつの間にこんなもの……」

(部屋には液晶とゲーム機がセット済)

苗木「とりあえず、MGSの方をやっていこうか。でも、ボク1はやったことないんだよね」

戦刃「そうなの?」

苗木「うん。戦刃さんは?」

戦刃「私は、小学生のころやったことがあって。だから、多分クリアできると思う」

苗木「そっか。じゃあ交代でやっていく? ボクがつまったら任せていい?」

戦刃「(頷く)」

苗木「じゃあやっていこう」

(ゲームプレイスタート)

苗木「…………」

戦刃「…………」

苗木「…………、えっと」

苗木「見てるだけじゃ、退屈だよね?」

戦刃「そんなこともない。プレイするのを見るのは楽しいし」

戦刃「それにこれをしないと、鍵が没収されるから」

苗木「お互いが泣くまでって言うのは……これ、なんなんだ?」

戦刃「う、うん。どうしよっか……私、そういうの苦手」

苗木「ボクも苦手だし、戦刃さんはもっと無理そうだよね……こっちは諦める?」

戦刃「いいの?」

苗木「よくはないけど、一応すぐにどうこうなるわけじゃないって言ってたし、多分出来なくても挽回できるんだと思う」

戦刃「だといいんだけど……」

戦刃「でも、一番になれないかもしれないよ?」

苗木「確かになれないかもしれないけど、それよりは最下位になって鍵を取られないようにした方がいいんじゃないかな」

戦刃「苗木くんが言うなら、それでいいけど」

戦刃「知りたいことってないの?」

苗木「…………」

苗木「まあ、いっぱいあるけど、モノクマが答えるとは思えないな」

戦刃「うん……そうだね」

苗木「…………」

戦刃「…………」


 ――2時間経過

苗木「うん、結構面白いね。あ、ごめん。集中しちゃって」

戦刃「ううん。交代する?」

苗木「そうしよっか。退屈でしょ、やっぱり」

戦刃「本当に、そんなことない。大丈夫」

(選手交代すると、戦刃は慣れた様子でプレイしていく)

戦刃「……苗木くんは、もし一番になったら何を知りたい?」

苗木「え? うーん。ボクは、いろいろありすぎて」

苗木「何を聞いていいのかもわからないや……家族とか、いろいろ心配だけど」

苗木「でも、脱出に繋がることを聞いた方がいい気がするし……」

戦刃「脱出に繋がるって、具体的には?」

苗木「なんだろう? 黒幕はどこにいるんだ、とかかな」

戦刃「…………」

戦刃「でも、外にいるとかって言われても、どうしようもないよね?」

苗木「あ、そうか。うーん。じゃあ」

苗木「玄関を開けるにはどうすればいいのか、かな。鍵があるならどこで手に入れるのか、とか?」

戦刃「うーん。けど、それぐらいしか逆にないのかな。モノクマはうまく逃げそうな気がするけど」

苗木「だからまあ、あまり一位を目指す気はないんだ。最下位だけ免れたらそれでいいかなって」

戦刃「そうだね。それ自体は悪くないと思う」

苗木「うん。でも、やっぱり知りたいことって言われると……」

苗木「今はちょっと、色々ありすぎて難しいかな」

戦刃「…………」

戦刃「何か、あったの?」

苗木「えっと。どうして?」

戦刃「なんだか、苗木くん……怖い貌、してるから」

苗木「そ、そう? そんなつもりはないんだけど」

戦刃「何か、あったの?」

苗木「…………」

苗木「よくわからないんだ。よくわからなくなったんだ」

苗木「何が本音なのか、よくわからないんだ」

戦刃「?」

苗木「…………」

戦刃「そ、その……」

戦刃「誰にも、言わない。約束する」

戦刃「だから、苗木くんが悩んでいるなら、話してほしい……かな」

戦刃「アドバイスとかは無理かもしれないけど、今の苗木くん見てると、すごく苦しそうに……見える」

苗木「…………」

苗木「誰にも、言わない?」

戦刃「(頷く)」


苗木「…………」

苗木「実はね。ボク、舞園さんが消えていた間、一度舞園さんと会ってたんだ」

戦刃「え……? 行方不明だったときに?」

苗木「うん……本当は、その時に戻ってくるように言えたらよかったんだけど」

苗木「…………」

戦刃「…………」

苗木「わからない。泣いて、倒れてた。それは、わかった」

苗木「そう、倒れてた。立ち上がれなくなってた」

苗木「だから、手を伸ばした……のに」

苗木「舞園さんは、ボクの手をとってはくれなかった」

苗木「……ボクを殺そうとしてきたんだ」

戦刃「……!? あ」

(ミスが続き、ステージをやり直しになる)

苗木「あ、だ、大丈夫?」

戦刃「う、うん。ごめん、続けて大丈夫だから」

苗木「…………」

苗木「ボクの首を絞めてきたんだ」

戦刃「どうして……?」

苗木「わからない。だけど」

苗木「『この学園から出たいですか?』って、訊かれた」

苗木「ボクは、首を絞められてて声が出なくて、頷くしかなくて」

苗木「そうしたら、解放はしてくれた。けど」

苗木「『じゃあ、私以外のことは考えないでくださいね』って」

苗木「その時はどういう意味か、分からなかったけど。今でもわからないけど、でも」

苗木「……現に、そうなってるんだから、それは彼女の望み通りなんだと思うけど」

苗木「でも、辛いんだ」

苗木「ボクを傷つけるためだけに他の人を利用したりするなんて」

戦刃「利用……?」

苗木「……舞園さんに好意を持ってる人がいるんだ」

苗木「でもその人は、舞園さんはボクのことが好きなんだって知ってる」

苗木「全部知ってる上で、舞園さんはその人を利用してるし、その人も舞園さんの為に動いてる」

苗木「舞園さんは言うんだよ。『私、苗木くんだけが好きですからね』って」

戦刃「…………」

苗木「そう言ったすぐ後に、舞園さんはその人にキスしたよ。ボクの前で」

戦刃「!?」

苗木「……ひどいよね」

苗木「ボクのこともその人の気持ちも弄んでるようにしか、ボクには思えない」

戦刃「……ど、どうしてそんなことをしたの?」

苗木「わからないよね。全然わからないんだ」


苗木「わからないよね。全然わからないんだ」

苗木「ただ、ボクは何もしなくていいって言う」

苗木「何もしなくても、ボクの、『みんなで脱出』という願いをかなえてあげるって言う」

苗木「だから、ボクは舞園さん以外のことを考えるなって」

苗木「本当に、なんなんだろうね……?」

戦刃「…………」

戦刃「よ、予想以上に……重い話で」

戦刃「ごめん、何もわからなくて」

苗木「あ、ご、ごめん。ボクの方こそ」

戦刃「そ、その、確かにちょっと雰囲気は変わったかなって思ったけど」

戦刃「そんなに極端なこと……ちょっと、意外というか」

苗木「ボクとその人以外の人の前では、普通というか、前のままだから」

戦刃「……嫌いになった? 舞園さんのこと」

苗木「え? えっと……」

苗木「ちょっと変わりすぎて、ワケのわからなさが先にあるかな」

苗木「気持ちを弄ぶようなことをされて、許せない気持ちも、もちろんあるけど」

苗木「イライラするのは確かにあるけど」

苗木「とにかく、今は……何をしようとしているのかの方が、怖いかな」

苗木「霧切さんが倒れた時も、すごく怖かったし。舞園さんが何かしたんじゃないかって」

苗木「……人を殺したり、自分の身を危険に晒したりしないといいけど」

戦刃「……突き放すことは考えないの?」

苗木「そんなこと出来ないよ」

戦刃「でも、もう知らないって言ってしまえれば……苗木くんは楽になれるよ?」

戦刃「その、冷たいと思われるかもしれないけど、舞園さんはもう無理だと思う」

苗木「無理? 無理って」

戦刃「あ、あのね。舞園さんが苗木くんのこと好きなのは、知ってたんだ」

苗木「え? えええええ!?」

戦刃「う、うん。DVD見る前かな」

戦刃「舞園さんがね、お化粧してくれた時あったよね? 私に」

苗木「あ、うん。あったね」

戦刃「その、それで。その時に、聞いたんだけど」

戦刃「その時は、多分苗木くんの知ってるとおりの舞園さんだったと思う」

戦刃「多分、舞園さんは<絶望>に伝染しちゃったんじゃないかな」

苗木「<絶望>に、伝染……?」

戦刃「え、えっと。よ、よくわからないけど」

戦刃「ご、ごめん。わからないよね。ごめんなさい」

苗木「いや……」

苗木「なんとなく、わかった気がする。ありがとう」

戦刃「…………」


(それから3時間ほどが経過した。ゲームは終盤に近づいていっているようだ)

戦刃「……苗木くんは」

戦刃「もし私が……」

 ぴんぽーん

苗木「ん?」

戦刃「……誰だろう?」

苗木「はい?」

霧切『私よ』

苗木「え? えっと」

(苗木が扉を開けると、サンタの服を着た霧切とトナカイの角を付けた葉隠がいた)

霧切「メリークリスマス、らしいわね」

苗木「えっと、……どうしたの?」

霧切「クリスマスプレゼント」

苗木「え!?」

(可愛くラッピングされた袋が二つ、苗木に手渡された)

霧切「私達が作ったクッキー。味は保証しないけど」

苗木「いや、すごい嬉しいよ、ありがとう……。……?」

苗木「あの、葉隠くん、どうしたの?」

葉隠「…………」

霧切「気にしないで。もう一つのミッションのほうでダメージ受けているだけだから」

葉隠「苗木っち! この女は鬼だべ!」

葉隠「俺のダメなところを1000個も言いやがった!」

苗木「1000っ!?」

霧切「そういうミッションだったからそうしただけよ」

霧切「葉隠くんに自覚させて葉隠くんの口から言ってもらえばいいだけ。時間はかかるけど簡単だったわ」

苗木「カン、タン……」

苗木「え、えっと……とりあえず、プレゼントありがとう」

苗木「あと、葉隠クン……ご愁傷様……」

葉隠「苗木っち! 俺この鬼といると心が殺されるべ! 助けてくんろ!!」

霧切「今日が終われば好きにすればいいわ。次、いくわよ」

葉隠「助けてぇぇぇ!!」

(霧切と葉隠は去って行った)

苗木「…………」

戦刃「…………」

苗木「…………、食べる?」

戦刃「せっかくだから」

…………
………
……

 ミッション結果:○ メタルギアソリッド        
         × お互いが泣くまで罵声を飛ばし合う

クリスマスなんかとっくに過ぎたけど、とりあえず七組全部描写するつもりです。
苗木はちょっと周りが見えてないっぽいです。でもこれだけで済んでるのは苗木だからだとは思いますけど

年末年始は忙しいので更新はしばらく途絶えます。まあ皆さんもそうだと思います、よいお年を!


 <石丸・セレスペア>


《食堂・厨房》


石丸「よし! まずは餃子作りだな!」

石丸「それから過去問を」

セレス「言っておきますが、過去問はわたくし、解きませんわよ?」

石丸「な!? 何故だ!? 学生の本分は勉強であり」

セレス「どう考えても外れミッションでしょう。量が明らかに異常ですわ」

セレス「捨てるべきです。勝ち残りたいのであれば」

石丸「し、しかしだな」

セレス「うっせぇてめぇがやるだけならいいがこっちまで鍵奪われるなんて間抜け晒したくねぇんだよぉ!? ああ!?」

セレス「第二ステージあるんだから体力温存させろや足引っ張ってんじゃねぇぞ!!?」

石丸「………!!」

石丸「あ、ああ……わ、わかった」

石丸「と、とりあえず餃子作りだが」

セレス「わたくしの記憶しているレシピがありますから、石丸くんはそれに従って動いてくださいな」

石丸「……君は?」

セレス「わたくし、手を汚したくはありませんの」

石丸「だ、だが。その、僕はあまり……いや、食材を切るぐらいはできるが」

石丸「餃子を包むというのは未経験だ。アレは難しいと聞くが?」

セレス「…………、ちっ」

セレス「とりあえず、種を作りましょう。話はそれからですわ」



 ~セレスティア・ルーデンベルクのエレガントクッキング~


セレス「わたくしが知っているのは宇都宮の餃子ですわ」

セレス「宇都宮の餃子の特徴は、野菜が多めでさっぱりとしているところです」

セレス「キャベツではなく、白菜を使用します。材料としては」


  200個分 分量

 白菜:   2kg
 にら:  40本
 塩 :    適量
 挽肉: 800g
 椎茸: 中15個

 ※鶏ガラスープの素:大さじ3杯と3分の1
  オイスターソース:大さじ1杯と2分の1
  すり下ろした生姜:大さじ1杯
  すり下ろした大蒜:小さじ2杯
       ごま油:大さじ2杯


セレス「まず白菜を荒くみじん切りにして、塩を振りますの」

セレス「すると、水が出てきますから、水を切ってください」

セレス「その間ににら・椎茸もみじん切りにしてくださいな」

セレス「白菜の水気をきったら、その中にみじん切りにしたにら・椎茸・挽肉と、※の調味料を加えます」

セレス「手で混ぜるより、へらで混ぜた方がいいですわね」

セレス「手の体温が肉に伝わるのは良くないのですわ。……何故かと? 挽肉は熱に弱く、すぐに傷むからですわ」

    ※セレスさんの場合は手が汚れるのが嫌だからのようです。
     ですがこねるときは手を水で冷やしてからの方がモアベターなのは本当、手の方が調味料なども浸透しやすいとか何とか




 ~~~~

セレス「さて、ここからはわたくしも手伝いますわ」

石丸「…………」ゼハーゼハー

セレス「何か?」

石丸「いや、なん、でもない……お、思ったより……重労働なのだな……料理というのは」

セレス「まあ、200個分ですし」

セレス「ちなみにここまででおよそ2時間かかりましたわ。愚鈍な」

石丸「セレス君が、手伝ってくれれば……いや、なんでもない」

霧切「ちょっと」

(霧切と葉隠が厨房を覗いている)

霧切「私達も使いたいんだけど、どれぐらいかかりそう?」

セレス「……そうですわね、あとは餃子を包んで焼くだけなのですが」

石丸「量が相当あるからな……もう少しかかるだろう」

霧切「そう。じゃあ葉隠くん、あと半分、やっぱり一気にやってしまいましょう」

葉隠「ま、まだやるんだべ!? 鬼過ぎるべ!? 俺殺されちまう!!?」

霧切「人聞きの悪いことを言わないで。ミッションの為だから仕方なく、よ」

葉隠「仕方なくで500も否定要素を思い浮かぶものだべか!? それは普通か!?」

セレス「大変ですわね。パートナーが愚鈍だと」

霧切「そういうつもりはないけど、まあ疲れるのは確かね。そちらも頑張って」

葉隠「た、助け……ふぐっ!?」

(葉隠は霧切に口をふさがれながら食堂に戻っていった)

石丸「……葉隠君はどのような責苦を受けているのだろうな」

セレス「他所は放っておきましょう。それより、餃子の皮が包めない、と?」

石丸「正確に言えば包めるかどうかわからない、と言ったところだ。未経験なのでな」

石丸「だが何事も勉強だ! セレス君、是非指南していただきたい!!」

セレス「とりあえずやってみますわ。よろしいですか? まず、……」

(餃子の包み方を教えていく。しかし石丸は細かい手作業が不得意なようで、不恰好になってしまう)



セレス「てめぇなんで言われたことが出来ねぇンだこの程度幼稚園児でもできるぞ!? ああ!?」

石丸「し、しかしだな、形はともかく焼ければ」

セレス「焼けねぇだろうがどう見たってよぉ!? 皮が開いて中身ばらけるだろうが!!」

石丸「う、うむ、そ、そうだな。焼ければいいというのは撤回しよう」

石丸「よし! 向上心に火が付いたぞ! 苦手だからと言って出来ない理由にしてはいけないのだ!!」

セレス「ほんっとう、面倒な殿方ですわね」

石丸「だが、頼むからキャラを統一してくれないだろうか? 反応に困ってしまうのだよ」

(約1時間かけて、餃子200個が出来たようだ)

セレス「やっと焼けますわね。ではごま油を引いて、焼き目が付いたらお湯を入れて蓋をしてくださいな」

石丸「よく見る羽根つき餃子というのは、あれはどうやっているのだ?」

セレス「つけたいのですか? まあよろしいでしょう」

セレス「お湯ではなく、水溶き片栗粉を入れて焼くと、羽根つき餃子の出来上がりですわ」

セレス「片栗粉の量は普通に焼く分の量なら小さじ半分ほどで構いません。多すぎるとべたべたになりますわよ」

(そうこうしているうちに20個ほど焼けたようだ)

石丸「おお、美味しそうだ!」

セレス「下味が濃い目なのでそのままでも食べられますわ。まあ好みでどうぞ」

セレス「わたくしも焼き立てを戴きましょう」


石丸・セレス「…………」


石丸「いや、美味い! セレス君は意外に料理を知っているのだな!」

セレス「自分では作りませんわ。下僕に作らせますの」

セレス「今夜はあなたが下僕なので、お願いしますね?」

石丸「む、む? 下僕……い、いやいい」

(二人が食べていると、また霧切が現れた)

霧切「美味しそうな匂いね。もう出来たのかしら?」

セレス「ああ、あなた方もキッチンを使いたかったのでしたね。石丸くん、台の上を片づけてください」

石丸「セレス君は……食べ続けるのか。僕も片付けたら食べる方に回るぞ!」

セレス「まだコンロの方は使うのですけれども」

霧切「私達が使うのはオーブンの方だから、構わないわ。葉隠くん、手伝って」

葉隠「…………、く、クッキー? クッキーって?」

霧切「みんなのプレゼントを作らないといけないの。忘れたの?」

葉隠「あ、ああ……終わったんだべ? 終わったんだべな?」

セレス「……先に全部焼いてしまいますわ。ふらふらの葉隠くんに餃子をひっくり返されたら、わたくし、泣いてしまうかもしれません」

石丸「うむ、僕でも分かるぞ。セレス君、それは嘘だな!」



(残りの餃子を焼いている間、葉隠・霧切ペアはレシピを見ながらクッキーを作っている)

セレス「お菓子作りは得意なのですか?」

霧切「…………、他に思い浮かばなかったのよ」

葉隠「甘い匂いがするべ……ここは精神と時の部屋?」

セレス「ずいぶん、心が折れているようですわね」

霧切「まあ、そういうミッションだったから」

石丸「焼けたら僕達は食堂でこの餃子を片づけるから、君達も頑張ってくれたまえ!」

霧切「ありがとう。後でクッキー持っていくと思うわ」

霧切「まあ、明日にでも食べて」

セレス「そうさせていただきますわ」



《食堂》


石丸「しかし、あっさりしているな。いくらでも食べられる」

セレス「餃子は完全食と言ったのは誰でしたかしら? 炭水化物と肉と野菜がバランスよく取れる、と」

石丸「確かにそうだな。栄養面でも優れている。見直さなければ」

セレス「ところで石丸くん」

石丸「なんだね?」

セレス「何故、過去問を解きながら食べているのですか?」

石丸「本意ではないのだ。ながら食べが良くないのは重々承知しているが」

セレス「ではなく、ミッションの過去問は捨てろと言ったでしょう?」

石丸「やはり、挑戦もせずに諦めるのは僕の性に合わないのだ」

石丸「物理的に無理な量なのはわかっている。だからセレス君に無理強いはするつもりはない」

石丸「それに、僕は勉強が趣味なのだ」

セレス「正気ですか?」

石丸「勉強が趣味というだけで正気を疑われただと!?」

セレス「まあ、いいでしょう。趣味は人それぞれですわ」

石丸「君がそれを言うと説得力があるな」

セレス「それより、ひと段落ついたところで、食べながら勉強しながらでいいので聞いてくださいな」

石丸「む、難しいな。分かった、とりあえず勉強は置いておこう」

セレス「簡単に言うと、どう勝ちに行くかの話ですわ」

セレス「ミッションを一つ捨てたことで不利になるのは間違いありません」

石丸「第二ステージがあるのだったな。モノクマの言葉だと挽回は可能だとは言っていたが」

セレス「一位は捨てましょう。わたくし達は負けないことに徹する、云わば守りの戦略を取るべきかと」

石丸「一位は知りたい真実を教える、だったな。……真実、か」

セレス「興味があるのですか?」

石丸「ないと言えば嘘になる。君は?」

セレス「ないと言えば嘘になりますわね」

石丸「む、マネとはずるいぞ!」

セレス「小学生ですか、あなた」


石丸「だが、正直に言うと。僕はこういったことが苦手なのだ」

セレス「それはわかっていますが」

石丸「だから、一位を取ったペアに質問を考えてもらった方がいいのではないかと思う」

石丸「もっと言うなら、事前に全員と相談して、誰が一位になってもその質問をすると決めておいた方が」

石丸「全体の利益につながるのではないか、と思うのだが」

セレス「ふむ……」

セレス「…………」

石丸「きゅ、急に黙られると怖いのだが」

セレス「わたくしが懸念しているのは、その場合、抜け駆け行為が起きないかということですわね」

石丸「抜け駆け?」

セレス「知りたいことは全員、山のようにあるでしょう。個人的なことも含めて」

セレス「一位のペアにあらかじめ決めた質問よりも知りたいことがあったとしたら?」

セレス「それに、この『コロシアイ学園生活』において、情報というのは大きな武器ですわ」

セレス「例えば相手の詳細なプロフィールとか、隠していること」

セレス「皆さんがこのアドバンテージを捨てる、献身的な人たちばかりだとはわたくしには思えませんの」

石丸「そ、そのようなことは……」

セレス「それならば、裏切られる可能性を秘めた取り決めではなく」

セレス「一位のご褒美として割り切ってしまった方がいいでしょう。不協和音を招くよりかはマシですわ」

石丸「……疑り合いっていては、黒幕に立ち向かうことは……」

セレス「生徒が全員、黒幕に立ち向かうことが目的だとは思わない方がいいですわ」

セレス「外に出たいという当たり前の感情を優先する人もいて当然」

セレス「石丸くんにはそういう人達の気持ちは、わかりませんの?」

石丸「……いや、そういうことは……」

石丸「…………」

石丸「そう、だな。セレス君の言う通りなのだろう」

石丸「だが僕は、それでもみんなの為に、何が出来るかを考えていくつもりだ」

石丸「それが鬱陶しく思われても、それがみんなのためなのだと僕は信じている」

石丸「規則はみんなを守るためにあるのだ」

石丸「セレス君。君とこういった会話はしたことがなかったが」

石丸「君の視点は、僕にはない発想ばかりだ。出来ればどんどん意見を言ってほしい」

セレス「……ふむ?」

石丸「まあとにかく、この餃子を食べてからだな! ……さすがに重くなってきたぞ」

セレス「だらしないですわね、たかが50個ぐらいで」

石丸「ま、まだ半分なのか……いつぞやのドーナツを思い出すな」



…………
………
……

 ミッション結果:○ 餃子を200個作り完食する        
         × 大学入試の過去問50年分

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。
葉隠・霧切ペアが他のペアとの絡みが多いのは、単純にミッションの性質上、場所が被るのが多いというだけです。

さてさて、次は十神・朝日奈ペアだ。どうなることやら

(ぴょーい)

十神と朝日奈に見せる映画が決まらないので意見求めます

>>300

>>1が知ってないと駄目だよね?
ザ・フライ ムカデ人間 ミミズバーガー イット ジョーズ

>>299

>>299
わたくし、そのようなグロいホラー映画は知りませんの。
グロテスクとかネクロマンティックとかその程度しか。嘘ですけれど。

まあつまり、そういう系統ってことだよね。了解です。

すみません、風邪をこじらせてしまってます。
あと性描写はどうしてもすさまじく重く胸糞悪い感じになってしまうので、結構悩んでます。これはキャラが、というより私の文章がそうなってしまうみたいで。
もしそうなったらどう表現しようかなあと。読んでる皆さんがどの程度耐性があるのかよくわからなくて悩んでいるのです。
場合によってはすっ飛ばすかもしれませんし。
とにかく皆さんも風邪には気を付けてください。次来るのは多分成人式終わったあたりで、それまでPC断ちます。ではでは

(ぴょーい)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月26日 (木) 13:55:07   ID: Tu0mbOzC

正直舞園さんはそんなに頭の切れる人じゃないとは思うな
今回は舞園無双にならないことを期待します
面白いので続きが楽しみです

2 :  SS好きの774さん   2017年02月02日 (木) 18:40:46   ID: vfDKM-NP

好きキャラとその他の格差が分かりやすく、それでいて読みやすいから惜しいと思ってそこ言ったりいかんとは思うが叩いたりしてる人が居るみたいだなあ。でもそんな状況作れる文才は凄いと思う、羨ましいぐらいだ。

ただこの作者未完ばかりでキャラ

3 :  SS好きの774さん   2017年02月02日 (木) 18:42:36   ID: vfDKM-NP

切れたから続きん
ただこの作者未完ばかりで好きじゃないキャラは適当か崩壊させるのがpixiv漫画でよくある癖みたいなのがあるから言うだけ無駄かと。

4 :  SS好きの774さん   2017年05月14日 (日) 21:05:32   ID: 1W95hDav

投げ過ぎ
安価でも好きキャラゴリ推し
キャラ扱い格差見え見え隠れ
自分を出す文でちょくちょく煽り口調

5 :  SS好きの774さん   2017年05月31日 (水) 07:47:42   ID: mYDmH5mh

結局主人公ハーレムが大好きなんだね
苗木四天王(笑)いい扱いしかしないし
他はマジ空気w

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