蒲郡「だぁいぃ一回! 纒流子の百合カップリング考察を開始するぅ!!!」 (77)

注意事項
※初投稿SSです
※キルラキルSS、やや百合
※キャラ崩壊注意
※時系列は喧嘩部と総戦挙の間位の時期です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387095977

猿投山「いや、わけが解からん」

蒲郡「彼を知り己を知れば百戦殆うからずだ! 猿投山!
   俺達はもう少し忌々しい彼奴を知る必要がある!」

犬牟田「方向性としては確かに正しいね
    相手の戦力、嗜好、癖の情報を総括になる
    そして、やはり思春期の女子、恋愛という意識は支配する領域も大きい
    故に其の方面から考察、切り崩すというのは良いかも知れないな」

伊織「それを合わせて極星服を改良調節するというのは解った
   だが、そもそも一つ良いだろうか?」

蒲郡「なんだ伊織」

伊織「何故、同性愛限定なのだ? 別に差別をする訳ではないが普通は異性間の恋愛を想定するものではないか?」

犬牟田「それは愚問だな伊織。冷静に考えてみるといい
    実力や胆力的に纒流子が靡く様な男はこの学園に居ない
    僕達四天王は解らないが……逆に靡かせるという点だと男相手より女の方が可能性は高いという事だ」

蒲郡「我ら四天王は皆、皐月様に絶対の忠誠を誓っている
   基本的に体制、つまり皐月様寄りの人間しかこの学園には居ない……否、居させないのが俺の仕事だ」

猿投山「担任教師は少し臭うが好かれている様子はない
    以前のテロリストもあの後は接触していないし……ああ(にやにや」

犬牟田「ま、異議申立てしている伊織はあまり敵対的とはいえないかな?
    纒流子に今まで何度も学園に反旗を翻してはいるが極星服の大本、裁縫部を叩こうという行動は取っていない
    案外、ありなのかも知れないなぁ」

蒲郡「ナニぃ! 伊織、貴様ぁ纒流子に懸想しているのかぁ!?」

伊織「ば、バカを言うな! ああ、解った解った。それで構わない
   同性愛だろうが、男体化だろうが好きにやってくれ」

犬牟田「ま、では情報戦略部としては……情報戦で負ける訳がない
    終わらせてしまって構わないだろう?

            生徒会長、鬼龍院皐月様

                            本命だ」

猿投山「ま、順当に考えれば、執着もしているし、好敵手というのは想いを通じ易い。意識もしているな」

伊織「おいおい、流石に皐月様の純血には手を加えるなど出来ないぞ?」

蒲郡「左様。皐月様の姿、力、思想は唯一無二。真似るなどおこがましい
   故に女すら惚れるというのは理解に難しくはない!」

猿投山「まぁ、誰もが思いつくと言うか血統書付きの犬に食って掛かる野良犬とか飼い猫と野良猫的な組み合わせは結構古典的……なのか?」

犬牟田「ふ、流石にこれは終わったかな?
    ま、結局はあの跳ねっ返りを恋愛面でも御せるのは皐月様レベルの女性ではないと無理という訳だ」

蒲郡「甘いぞ、犬牟田。俺も最初は恐れながらも皐月様とは思った
   だが、お前の情報はあくまで相対的なモノに過ぎない!」

犬牟田「ふぅん。対案があるのか?」

蒲郡「ある! 想いとは常日頃の生活態度にてにじみ出るもの!

        無星学生、満艦飾マコ!
                       俺は彼女を推す」

猿投山「ああ、そういえば最初に声を掛けて話していたのはあいつだったな」

犬牟田「勿論、同棲生活中というか彼女が満艦飾家に下宿しているのは知っている
    情報も上がっているしね。ただ、友情という面が強いと思うが?」

蒲郡「友情、愛情も紙一重
   彼奴がコミカルな面での色合いは強いがおそらく精神的な繋がりは一番強いだろう」

伊織「実際の戦闘も喧嘩部部長の一件の際は確かに善戦はしていたが棄権
   確かに敵対的ではないというのは大きいな」

猿投山「一度ぶつかり合ってお互いの大切さを再確認するってのは大きい
    お互いの感情は一山超えた印象はあるか」

犬牟田「ふん。まぁ、確かに其の点はあるね
    しかし、纒流子が唯一無二の友人を失って愛情を取るかな?」

伊織「そもそも満艦飾マコが恋愛感情を有するとは思えないが……
   まぁ、この二人の名が上がるのは安易だが故に鉄板と言った所か」

蒲郡「しかし、相手はあの纒流子ォ! 一筋縄ではいかん!
   規定既存の発想では収まるまい!
   裁縫部部長、伊織糸郎!
   今までの流れを一歩引いた目で見たお前の意見を聞きたい」

伊織「意見と言われてもだな。……んー、意外性という所では

     文化部統括委員長、蛇崩乃音
                    はどうだろうか?」

犬牟田「意外性というのは確かだが少々強引ではないかな?」

猿投山「ん、意外とありかも知れんぞ?
    なんだかんだで転校生、転校生としょっちゅう言っているからな」

蒲郡「確かに! 不真面目そうなのは元からではあるが
   纒流子が来てからは良い意味でも悪い意味でも楽しんでいるな」

伊織「やはり、新しい刺激、素材というのは好奇心と探究心のフックになる
   皐月様との対立を抜いてしまえば、意外と腐れ縁になるのではないか?」

犬牟田「先輩面したがる彼女からは色々と皐月様の話をして
    皐月様に興味を持つ纒流子が意外と素直に聞いているという流れはありうるね」

蒲郡「実際に考えてみるモノだな。不肖蒲郡、その発想はなかった」

伊織「そんな発想や想像をしょっちゅうされても困る
   で、猿投山? 君だけは意見を出してない様だが」

猿投山「ん? 俺はあまり色恋沙汰はよく解からんからな
    ただ、うーん。一人考えるとすればあいつか?」

犬牟田「誰かな? 正直心当たりは出尽くした感はあるが」

猿投山「説明が難しいんだが


      元女子テニス部部長 函館臣子

                     だ」

蒲郡「以前敗れた奴か。確かに決闘をしていたと聞いていたが」

犬牟田「ま、擁護する訳ではないが二つ星極星服を与えられたばかりの彼女に
    纒流子を宛がうのは思い返せば無謀過ぎたといえばそうだけどね
    また、なんでかな?」

猿投山「俺は色恋はよくわらんが纒流子と函館臣子は根っこは一緒だ
    闘い勝って、己のアイディンティティを築いている
    そういう意味で俺ともノリは一緒だが」

伊織「運動部特有の思想・思考パターンだな」

犬牟田「脳筋だな」

猿投山「なんとでも言え。ただ……俺は何と言えばいいんだ!?」

蒲郡「お前が解からんでどうする。俺も敗者はあまり印象には残らんが
   特に目立った問題行動もなく、目に余る人間ではなかったな」

伊織「服を貰っていた時も人一倍喜んではいたのは少し覚えているかな?
   まぁ、大抵の生徒は喜ぶといえば喜ぶんだが」

犬牟田「無星降格をした後は鳴りを潜めているね」

猿投山「実力的にまた、這い上がる可能性を俺は踏んでいる……おお、そうか! 可能性だ」

蒲郡「どういうことだ猿投山」

猿投山「今まで上がった女性陣は基本的に孤高な者が多い
    皐月様は言わずもがな、蛇崩も基本慣れ合う事はない
    満艦飾マコも友人はあの性格故、居なかった様だ」

犬牟田「確かに担任もある意味、達観していたというか諦めていた様子もある」

猿投山「強者と強者、勝者と勝者では過程としてどちらかが負けるイメージが要る
    強者同士、勝者同士で慣れ合うというのはない
    白黒付け、どちらが上か決めなければいけない訳だ」

蒲郡「なるほど。皐月様は言わずともがな
   蛇崩も安々と負けるイメージはないな
   まして、負けて靡くというイメージはありえない」

犬牟田「そうだね。加えて、纒流子は今まで幾度の逃走、敗走を重ねて尚アレだ
    単純に勝って屈服させると言うアプローチは難しいだろう」

伊織「となると満艦飾が一番と思われるが?」

犬牟田「アレは棄権だよ。単純に実力で負けた訳ではないね
    つまりだ、単純に敗者相手というのは今まで例がないね」

猿投山「まして、函館の場合はテニスという自分のフィールドで負けている
    経験から言わせて貰えば……アレはかなり堪える」

蒲郡「……なるほど。俺や猿投山の様に一度敗北を知り、それから立ち位置や考えが変わる
   函館が皐月様ではなく、纒流子寄りになる可能性があるという訳か」

犬牟田「敗者が勝者に感化されるというのは身に染みているって感じかな?」

猿投山「あくまで推測と可能性だ。函館が本当に離反した訳ではない
    ただ、一度負けてからでも見えるモノはある
    故に可能性という意味ではある意味未知数じゃないかと俺は思う」

鬼龍院「

         話は聞かせて貰った!(後光

                                 」
                         
男性陣「さ、皐月様!?」

鬼龍院「函館に再度機会を与える!
    纒流子に対して、手段方法は問わず、一矢報いて見せよ!」

犬牟田「敗者に機会を与えるのですか? 猿投山の様に覚悟も示してないのに?」

蒲郡「黙れ犬牟田! 皐月様が可能性を見出しお慈悲を下さったのだ!
   それに恥じぬ覚悟も結果を示すのもまた忠誠心の現れ!
   それが出来ぬならそれまでの女ということだ!」

猿投山「元々は皐月様が見出し、二つ星に上げた生徒でもある
    後はあいつの頑張り次第だ」

鬼龍院「見事、報いた末には以前の地位と極星服も与える
    また、他の者の協力に関しては強いもしないが止めもしない。そう伝えろ」

男性陣「御意!」

蒲郡「函館の今の居場所はどこだ!? 皐月様の勅令である!」

猿投山「ええと、今は多分、部活か? 確かグラウンドの使用時間は、えーと」

犬牟田「今、検索してみ……ん?」

伊織「……きか」

蒲郡「どうした伊織、顔色が悪いぞ?」

伊織「聞かれてしまったんだぞ!? さっきまでのバカ話を! 皐月様に!」

蒲郡、犬牟田、猿投山「……………ぁーーー。っぁあぎゃあああああああああ!?」

以上です。う、意外とレス数少なくなってしまった
続きはちょっとまとまってないのでとりあえずこれだけの投下で失礼します

感想レスありがとうございます
次話は水曜夜?金曜夜辺りの範囲で投下予定です

続き投下始めます。前回と同じかやや少ない投下量予定です

―本能寺学園スラム街にて

流子「……おぃ」

??「……………」

流子「つけてんのは解ってんだぞ? とっとと出てこいよ」

金髪の女「……纏ぃぃ流子ぉぉっ!」

流子「あんたは……ああ、えーと誰d」

金髪の女「覚悟ッーーーーぉぉ……ぉ……ぁ(へなぁ」

流子「人衣一体、神衣! せんけ……へ?」

鮮血「流子。相手は生命戦維を持っていないぞ。そもそも、もう戦意すらない」

金髪の女「……ぁー……ごめんなさい。やっぱいいです……はい、すいません」

流子「いや、あんた人を闇討ちしようといてそりゃ」

金髪の女「……ぅう……だからぁ……ごめんなさいって(涙目」

流子「!?」

鮮血「流子、この女様子が変だぞ。後、一度戦った事がある」

流子「へ!? いや、だってあたしナニもして……って、アレ?
   その金髪はどっかで見た様な」

金髪の女「ラケットは人を殴る道具じゃなぁいしぃぃぃ
     私だってこんなことしたくなぁいんだよぉぉぉぉっっ!!!!」

流子「わ! あ! え!? いや、こんな道のどまんなかで!」

鮮血「流子!? この女泣いているぞ!?」

流子「んなの見りゃ解ってるよ! あ、えーとほら、えとあと、お、落ち着いて!」

金髪の女「びえぇええええええーーーーーーーーーーーー(号泣」

鮮血「流子、お前も落ち着け!」

流子「落ち着けって言われたって! どぉすりゃいいんだよ!?」

―さかのぼって数日前 本能寺学園グラウンドにて

猿投山「見つけたぞ、函館!(ドドドッ」

函館「猿投山様と……蒲郡様? そ、その何の御用で」

蒲郡「元!(ドンッ!

   女子テニス部部長函館臣子!(ドシンッ! 

   生徒会長鬼龍院皐月様からの勅令である!(バァアアンッ!」

函館「元!? ……もとぉ……もぉとぉぉ(ぶつぶつ」

猿投山「函館! 皐月様からのお言葉だ! しゃんとしろ!」

函館「は、はぃっ!」

蒲郡「お前に今一度チャンスをやる!

   手段方法は問わずに纒流子に一矢報いてみせよ!

   成果の暁には以前の地位と極星服をまた与える!」

猿投山「誰からの協力を乞うても構わないそうだ
    無論、義務ではないので当人の自由意志だがな!」

函館「ほ、本当ですか!?」

蒲郡「当たり前だ! 俺が皐月様の名を騙るとでも思ったか!」

函館「は、はい! 有難き幸せ! 粉骨砕身の努力をさせていただきます!」

蒲郡「確かに伝えた。では、俺は職務があるので失礼する!
   皐月様自らが思い立ったお言葉だ。吉報を期待していよう!」

函館「はっ!」

猿投山「というわけだ。頑張れ函館!」

函館「猿投山様、ありがとうございます。私にまた、機会が巡るなんて」

猿投山「おぅ! 要はお前の覚悟と結果次第だ!
    俺の様に一矢報いればきっと皐月様も取り計らって貰えるぞ!」

函館「はい!」

猿投山「よし! がんばれよ! 応援してるぜ!
    じゃ、俺は纒流子の戦いに備えて剣の装の慣らしを」

函館「はい! ………あ、えと猿投山様?」

猿投山「ん? どうした函館」

函館「ええと……その、一矢報いるというのは」

猿投山「手段方法は問わずと言った筈だが?」

函館「ええと、そのまたテニスを?」

猿投山「んー、纒流子は一度皐月様と刃を交えているし、以前の俺を破っている

     まして、お前は負けた上に今は極星服もない
     リベンジマッチは止めないが其の勝負は不利だな」

函館「ええと、それでは私は」

猿投山「手段方法は問わない! 頑張れ!」

函館「はい! って、えぇーーー!?」

猿投山「心配するな函館! 俺はこの決定の話し合いに参加していたが!
    出発と経緯は兎も角、結果お前にチャンスが巡った事は嬉しく思っている!」

函館「本当ですか!? なんてありがたいお言葉」

猿投山「おぅ! お前を推したのは俺だからな!(グッ!」

函館「さ、猿投山様(うるうる」

猿投山「というわけだ、頑張れ!」

函館「はい!」

猿投山「では俺は自主練に戻る! 勝利の知らせ、楽しみにしてるぞ!」

函館「はい! …………って、アレ……え?」

函館(と、とりあえず機会は頂いた! うん、まずコレは良し!
   方法とか期限とか凄い細かいこと全然教えてもらってなかったけど
   多分、猿投山様が細かい事を端折ってしまうのは兎も角!
   蒲郡様が皐月様の言葉を言い忘れたり間違ったりはしない筈だから、本当に皐月様はそれだけしか言っていない!)

函館「猿投山様や皐月様が何か勝算を見出したということ!
   函館臣子再起の時! よし、頑張りましょう!」

女子部員「函館! 言いつけていたユニフォームの洗濯!
     後、ボールも片付いてない! 1億万本サーブ食らいたいかい!?」

函館「は、はいぃ! ただいまぁ!」

函館(くっ、人を頼るのは良いとしても私は無星降格、部活では最下層で部員は頼れない

    雑魚を実力でねじ伏せて、一つ星位はすぐには戻れるがそれをやっている程悠長なことは言ってられない
    頼るには……もっと糸口を探さないと。……糸と言えば!)

―裁縫部部室前

伊織「ふむ、このデータから鑑みるとやはり、纒流子の耐久力は見た目以上だね」

犬牟田「手加減をしていたといえ、あの満艦飾の一撃は重い
    当人のスペック……モチベーションの問題もあるがそれでもあのちょうじか……ん?」

裁縫部員「まかりなりません! 無星無勢がアポもなしに!」

函館「犬牟田様! 伊織様! 私にお時間をいただけないでしょうか!」

裁縫部員「し、失礼を伊織様!? 何度も断っていたのですが」

伊織「む、函館臣子か」

犬牟田「予想よりも少し早いがまぁ来るとは思ってたよ」

伊織「そうだな。まぁ、頼っても良いといったのは皐月様だ(ずーん」

犬牟田「仕方ないよ、伊織(ずーん」

函館「あ、あれ(なんだか凄いお二人が暗いお顔になられている!?)」

伊織「ああ、函館君とそこの。気にするな、君達は悪くない(ずーん」

犬牟田「文化部、まして技術畑の裁縫部員に運動部の”元”部長を止めるのは無理だ(ずーん」

伊織「そうだ。今は”無星”とは言えね?(ずーん」

函館「も、元ぉ部長……無星……(ずーん」

裁縫部員達(アレ、なんで揃いも揃って暗い顔に)

犬牟田「ああ、寄りにもよって皐月様を纏流子を宛がう考えを聞かれるなんて(ずーん」

伊織「君はまだ、実力があるからいいだろう?
   こっちは蛇崩と皐月様にどの面下げればいいんだ(ずーん」

函館「元………無星……(ずーん」

犬牟田「ああ、脳筋二人が羨ましい。もうケロッと忘れて立ち直っているだろうね?
    僕の失態はデータとしてきちんと残っている(ずーん」

伊織「蛇崩はいくらなんでも無茶だろう、ほんと(ずーん」

函館「ううっ……元部長だから、無星だから面会すら不本意だなんて(どよよーん」


犬牟田・伊織・函館「……はぁ~~~~~~~(どよよーん」


裁縫部員達(……どうしてこうなった!?)

                             つづく

以上です
書いてて思ったのですが猿投山と蒲郡の二人はほぼ悪意無しな上に基本いい人なのでタチが悪いです
後、2行以上続くセリフは今の形式か一行空白入れた方がいいでしょうか?
ご意見頂ければ幸いです

ご意見ありがとうございます
次投下目安は来週月曜夜から水曜夜予定です

最終調整 0時15分位に投下予定です

最終調整 0時15分位に投下予定です

―裁縫部部室にて

犬牟田「ということで伊織はまだショックから立ち直れていないから僕がかわりに話を聞こう
    ま、おおよその内容は見当が付いているよ。纒流子の事だね?」

函館「流石は情報戦略部委員長、犬牟田宝火様! お耳が早い!」

犬牟田「当然だよ。むしろ、この学園で僕より耳が速くては困る
    ま、そんなことはどうでもいい。僕の出来る範囲の協力は……あまりないな」

函館「……そうなのですか」

犬牟田「纒流子の成長スピードは眼を見張るものがある
    最初は神衣の扱いも慣れてなかったが既に着こなし始めている
    後は知っての通り、喧嘩部騒動から場数も山の様にこなし、学園中の主要な部活とは全て対決済み
    つまり、最低でも四天王に準ずる戦闘能力は既に有している」

函館「う、喧嘩部の噂は耳にはしておりましたがそんな事に」

犬牟田「直接戦った訳ではないし、データもないから断言は厳しいけど
    ま、真正面からぶつかって勝てる可能性はもう無いだろうね
    仮に君にまだ何かしらの能力的な優位があったとしても纒流子が急成長で追い抜くのすら予想の範疇だ」

函館「」

犬牟田「落ち込むのは構わないがそれで事態は好転しないよ?
    まして、君の身体能力は確かに悪くはないが所詮二つ星レベル
    更に今は極星服すら着ることを許されていない」

函館「……(うるうる」

犬牟田「ふむ(泣き落しは纒流子には有効かも知れない。データに保存しておこう)
    まぁ、戦闘データを君に教えてもそれを使いこなせるとは思えないし
    そもそも、僕は貴重なデータを君に教える訳がない」

函館「そうでございますか(しょんぼり」

犬牟田「た・だ・し! 僕も君が再起を託された際の会議には出席し、意見も具申している
    折角考察、解析した情報の結論の一つが君だ
    少なくとも試行し、結果を見て、それを解析する意義はある」

函館(一体どんな会議をしていたんでしょうか?)

犬牟田「ということで纒流子の解っている事を教える
    僕が口に出す情報だ。貴重かつ正確だという事を心しておくように」

函館「は、はい!」

犬牟田「纒流子、性別は見た目の通り女性、2年甲組所属の17歳、扱いは無母子だ
    纏一身博士の長女にて一人娘。彼は神衣を研究していたらしいね
    今、纒流子が着ている神衣はおそらく父親の遺作だろう」

函館「遺作……ですか?」

犬牟田「そうだ。 纏一身博士は半年ほど前に殺害されたらしいよ
    実際に当人が言っているのと彼女の実家は火災の報告があるね」

函館「……」

犬牟田「彼女が皐月様を付け狙う理由はその仇敵を探っているということだ
    それについて、各々の感想はあるがそれが彼女の原動力になっているのは事実だね」

函館「復讐……ですか。父親の」

犬牟田「その通り、まぁなんかしらのヒントを皐月様は持っており
    それを引き出す為にああやってキャンキャン騒いでる訳だ
    それは流石の僕も知らないし、知っていても君に教える訳がない」

函館「ええ、私には関係ないことです」

犬牟田「いや、それは案外、大有りだよ函館君
    何故なら君はどう頑張っても実力的に彼女には勝てない
    ならば、勝てる情報や糸口は何でも使うことだ
    でなければ纒流子には勝てない……さて、函館君」

函館「は、はい!」

犬牟田「この情報で貸し1だ。勿論、僕が無償で貴重な情報を渡す訳がない
    情報戦略部委員長犬牟田宝火が君が勝つ為に提供した情報だ
    見返りとして、君からも情報を提供してもらうよ?」

函館「わ、私のですか? ええと」

犬牟田「別にスリーサイズなんかの破廉恥な質問ではないよ(もう知ってるし)
    本来、負け犬のノイズは収集しない主義なんだが今回は事情が違う
    まず、纒流子と最初に逢った時の事を出来るだけ話してもらおうか」

函館「はっ! 最初に逢ったのは学校の校門です
   纒流子は満艦飾マコと登校、その際に満艦飾マコに登校を促し、私を挑発
   一度迎撃しましたが、放課後、部活動中に再度出現しt」

犬牟田「ストップ。其の程度の情報は既に把握している
    今回は君の単純な感想が欲しいのだよ」

函館「単純な感想ですか
   ……正直に言えば不可解でした」

犬牟田「不可解とは?」

函館「満艦飾はテニス部でも劣等生、あの騒動の後に退部しています
   勿論、痛い目を見ている衣食住を提供した協力者を助けたいという打算や感情は理解出来ます」

犬牟田「ふむ。まぁ、人間としては理解出来る範疇の行動だね」

函館「けれど……私が纒流子の立場なら助けない
   満艦飾マコはテニスを志している訳ではない
   仮に助けて、それでも満艦飾はテニスを続けるでしょうか?
   部活とはコミュニティにして一つの組織
   その中で円滑に立ち回り、地位と力を付けるのもまた活動の一環です」
   
犬牟田「そうだね。歯痒くも満艦飾マコは喧嘩部部長としての能力はあったが
    君の言う様にテニス部としての功績としての評価は正に無星だった」

函館「はい。私としても何故彼女がテニス部に居たのかすら解らない。

            億千万・罰・那由多・戒

   満艦飾は粛清を受け、部員の気を引き締めるという役目を最後に全うすべきでした
   私達女子テニス部は粛清の為にテニスをしている訳ではありません
   テニスをし、それで名を上げ、力を示す為に活動しています
   役目を終えた満艦飾に私達が何かをする訳がない
   彼女もそれで退部という扱いになり本望な筈です
   部員に目をつけられ、面倒や損な役目を背負わさせられる
   そんな場所は満艦飾にとっての地獄であり、居続ける意味がありません
   何故そんな抵抗をしたのか、それが不可解です
   纒流子が知らなかったとしても友人としての選択肢は退部を薦めるか
   事情を聞き、ひいては進退の意思を確認するのが先で私を倒すことではありません」

犬牟田「なるほど(ふむ、猿投山の言う直感は……”コレ”か)」

函館「はっ、長々と喋ってしまって失礼を致しました」

犬牟田「いや、結構。むしろ、有益であった様に今後動くつもりだよ

    皐月様の勅令、無碍に終わらすのも本望ではない
    纒流子を倒すべく知るのは当然として、再び挑む君を知ることも必要だからね」

函館「あ、あの恐れながら……一体どんな会議をなされていたのですか?」

犬牟田「君がそれを知る必要はないよ(キパッ
    むしろ、知るとこれからの活動に支障が出るから興味を持たないことをおすすめするね!(迫真」

函館「は、はぁ」

犬牟田「そうだね。まぁ、君が万が一でも今回の勅令いい結果を出したら教えてあげてもいいかな?
    纒流子のモチベーションとは雲泥の差だけど、無いよりはマシだろう」

函館「それほどまでになのですか」

犬牟田「そうだ。敗走も卑怯な手も厭わないだろう
    策謀を巡らせるまでに頭は回っていないがね」

函館「……何故、私なのでしょう?」

犬牟田「では情報貸し2だ。纒流子に負けた者というのが理由の一つにある
    纒流子は何度も負けているし、猿投山は一度負けてはいるが
    その後の反省を活かして各々調整し、最終的に勝利に近い形を得ている」

函館「つまり、敗者の私が再び挑み勝つというプロセスに勝機があると?」

犬牟田「その通り。言うなれば、纒流子の強みは強襲と即時適応の成長だ
    一度対策を練り、挑み直して、成長する前に叩き潰す
    時間を置くという利点は考えられるね」

函館「……挑み直すです……か」

犬牟田「猿投山は惜しい所まで行ったからね
    さて、貸し2は伊織に返してくれるかな
    僕が君から吸い上げる有益な情報はもう無さそうだ
    ああ、そうそう。これは貸しではないが使うといいよ」

函館「携帯ですか?」

犬牟田「情報戦略部専用SNSの情報送信装置だ
    これに口頭なり、メールを打つなりすれば情報は全て情報戦略部に届く
    そして、自分で上げた分の情報は自動的に纏められるよ
    メモ書きや不確かな記憶を情報に上げられても困るからね」

函館「はっ! 使わせて頂きます」

犬牟田「結構。ではあまり期待はしていないが、せめてデータだけは残しておいて欲しいね」

函館(それから数日、私は纒流子を追う日々を過ごしていた)


函館「基礎情報記録(カチッ 纒流子は無星学生と同等の待遇をしている事を確認
   席は満艦飾マコの隣であり、あまり学業には身に入ってない模様」

函館(といっても私は諜報員ではない。これでもテニス部部員である
   なので、瑣末な人となりから知ることから始めていた
   勿論、部活はきちんとでており、1つ星以下相手に聞き込み
   時折、目立たない程度に高町式交渉術を用いている程度だ)

函館「基礎情報記録(カチッ 満艦飾家に書類上は同居という形になっている
   書類上も以前の学校にて脅迫行為により無理やり通したお粗末なものだったと証言
   皐月様の許可を得て入学はされている」

函館(犬牟田様から頂いた情報戦略部の端末機械は大変役に立っている
   一つ一つメモを書かずに済むという事とこれを見せると無星の私でも
   情報戦略部の手伝いをしていると教員、生徒も勘違いしてくれるので情報を話してくれる)

函館「基礎情報記録(カチッ 満艦飾家の住まいは六畳一間
   弟が一人、飼い犬が一匹、満艦飾の両親は滞在
   押し込め過ぎではないか?とか色々と突っ込みどころが溢れかえる
   流石、満艦飾である」

函館(一つ一つ知っていく。私を倒した女を、私を屈服させた女を)

函館「基礎情報記録(カチッ 今日も不服にもゴミ箱を見る
   元曲芸部部員の証言より弁当も基本よく解らないフライらしい
   昨日、一昨日も覗いてみたが毎日このフライだ
   太らないのかとか栄養バランスとか色々考えさせられる」

函館(私の思考と時間をあの女が埋めていく)

函館「基礎情報記録(カチッ 夕餉には楽しげな声が聞こえる
   満艦飾家との関係は良好の様だ
   時折、ひとりごとを話しているが神衣との意思疎通をしているとの噂もある」

函館(あの女のことばかり考える。あの女のことばかり知ろうとする)

函館「基礎情報記録(カチッ 基本的に纒流子は満艦飾家と満艦飾マコ相手以外は敵対的態度を取る
   当たり前だ。皐月様に反旗を翻し、学園中は敵だらけ
   身分は無星学生、満艦飾みたいな落ちこぼれとつるみ他は友達は居ない
   服に話しかけるという奇怪な趣味を持つ……いや、この趣味は奇怪か?
   それだと私の今の行動もかなり奇怪になってしまうのだが」 

―本能寺学園スラム街

美木杉「ん、んぅ~まぁいったねぇこりゃぁ↓
    素人ぉ仕事丸出しだし……やってることはぁお粗末だぁ
    皐月お嬢様も本気と言う訳ではなぁい
    けど、なかなかにこぅなんだ……素人ゆえに不安というのもぉ
    うろちょろするネズミが瓢箪から駒を出すって可能性もあるぅ
    んぅー、けれど直接僕が手を出すのもいかんなぁ~いかんよぅ」

???「あんたかい。用があるってのは」

美木杉「あぁ~↑、そうだよぉ
    子供の相手はやっぱりぃ、子供がすべきだからねぇ?」

                              つづく

以上です。ちょっとシリアス回で掘り下げ回で長台詞回
次回続きもしくはちょっとキルラキルのコミックスを買って色々衝撃だったので
番外編ネタで挟みたいかなと考えてます
では、投下失礼しました

後、蟇郡は次出演から字は直します。指摘ありがとうございます

次投下は年明け以降になりそうです
皆様良いお年をお迎えください

あけましておめでとうございます
次投下は来週中予定ですが仕事始めがちょっとごたつくので週頭は厳しいかも知れません
週末土日には上がっていると思います
今年もよろしくお願いいたします

―本能町裏袋小路 纒流子襲撃未遂、数時間前

函館「今日はこのくらいにしておくか……(ごそごそ」

??「おーーっとごめんよぅ!(どん」

函館「ぁ? 前位見ていろ、このガキ……全く。此処の連中は柄が悪い」

函館(と言っても今の私もこの街と同等と見られている無星だがな)

函館「ん? 無い!?(がさっ ……ちっ! さっきのガキか!(追跡」

??「く、勘が鋭いねえちゃんだな!(逃げ足」

函館「追い詰めたぞ。袋小路に逃げるなんざ間抜けなことだ」

??「おいおい、間抜けは姉ちゃんの方だぜ?」

函館「何!?」

又郎「電光石火の又郎さまが自分のシマで追い詰められる訳がねーだろ?」

函館(ちっ! こいつ満艦飾の弟か!)

又郎「ふん、やっぱり聞いたとおりだ。こそこそしてるネズミがいるつーのは聞いたがな」

―前日 本能町裏袋小路

又郎「確か、ねーちゃんのがっこの担任だったっけか」

美木杉「あぁ~そうだよぅ。ま、呼びだしちゃって悪いねぇ」

又郎「なんだ、ねーちゃんから小学校に出ねーからってついにはがっこのセンセまで
   あてにする様になったのかぁ。かったりぃなぁ」

美木杉「いやぁいや。確かにそれは教師としてはスべきだろうけどぉ、チョぅット今回はぁ別件でねぇ」

又郎「ん? なんだよセンセ」

美木杉「最近どーも、満艦飾君と纏君に付き纏ってる子が居てね?
    満艦飾君は気付かないし、纒君は逆に敵意になれちゃってるからねぇ」

又郎「ぁ? まぁ、なーんかこの所見慣れない奴がうろちょろってのは聞いてたが
   ありゃ、おれんち目当てだったのかい」

美木杉「そーだよぅ。ま、喧嘩沙汰の学校生活なのは知ってるがぁ~↓
    別になんか手を出してる訳じゃぁない
    教師も学生間の事には口出し出来ないしぃからねぇ」

又郎「ふーん、で俺って訳かい」

美木杉「あぁ、一応高校生だから無茶はしちゃいけないよぅ?
    ただ、男としてはこーいうのを未然に防ぐってのはすまぁとじゃないかなぁ?」

又郎「はぁ、仕方ねぇ。身内の不始末は又郎さまがなんとかしてやっか!」

美木杉「ぁあ、頼んだよ。何にせよ、動きがあれば教師も少しは動けるからねぇ」

―時系列は戻る

又郎「やぁいやいやいやいやい!
   この街で俺達を嗅ぎ回ろうなんざ、ふてぇやろうだ!
   とっちめてやるぜ! 来い、野郎ども!」

悪ガキ共「がってん!」

函館「……ふん、ガキがぞろぞろ来た所で何が出来る
   痛い目を見るのはお前の方だ」

又郎「おぅー、いつまでそんな強気で居られるかねぇ?
   俺さまは奥の手があるんだぜ?」

函館「自分から言い出す時点でそんなものは奥の手ではない」

又郎「じゃあ、切り札って言えばいいか? コレだよコレ(端末を掲げて」

函館「っ!?」

又郎「俺さまはこーいうのは疎いがまぁ、詳しい奴がいねぇー訳じゃない
   どんな事貯めこんでたか丸裸にしてもいーんだぜ?」

函館「……ふん。其の程度、プロテクトはかかっている
   私は所詮鉄砲玉の捨て駒だ。バラした所で爆発オチだろう」

又郎「ふーん、強気な女は嫌いじゃないぜ?
   ま、どっちにしろこれはねーちゃん達に報告だな」

函館「なつ!」

又郎「俺は顔を見て覚えてる!
   だから、例えココでボコられて取り上げられても
   やられた事実とどんな奴が付き纏ってたかは解るってもんよ
   証人も数は揃えたからな!」

悪ガキ共「金髪! 色白! 歯は魚人系!」

函館「……くっ」

又郎「まして、ねーちゃん騒ぎはでかくしたくねー筈だ
   こそこそ、してるつーのはそういうことだし」

悪ガキ共「ぐへへっ!」

函館「ゲスな輩が」

又郎「んー? それがどうした?
   無星学生の親族に高尚なもん求めてんじゃねーぜ?
   もう、ねえちゃんはこの場で詰んでんだよぉ!!!」

函館「ちっ……
  (どうする!? このままでは計画は続行不能。手を考えなければ)」

又郎「しっかし、付き纏いなんてどんな根暗兄ちゃんかと思ったが女だったぁーなぁ!
   ま、喧嘩部のねーちゃんは怨みは幾ら買っても仕方ねぇ」

函館「……っ!」

又郎「ったく、うじうじした恋心的何かたぁ思えば同情もしたっつーのに
   どーせ、負けて未練タラタラで逆恨みの闇討ち狙いなんだろ、ぁん?」

函館「なっ、貴様ぁ……っ(い、いかん。挑発に乗るな私!)」

又郎「だろぅ? 散々二つ星の部長を倒したっつーのに
   まともな手段で今更無星のパンピーが勝負して勝てるかよ!」

函館「……(落ち着け、相手は子供)」

又郎「ま、詳しいことは体にじっくり聞いてやらぁ!
   顔は凶悪そーだが、へへへ、体はしっかり女してるよぉ(ジリっ」

悪ガキ共「ヒャッハー! 女だ女だぁ!!!(ジリっ」

函館「な、貴様、ナニを!?」

又郎「ぁー? ナニってナニに決まってんだろ!?
   ネチネチ未練たらしい事なんてしてねーで俺さまが女の喜びをおし」

函館「……(プツッ」

又郎「へへ、まずは深く被ったフードを剥いじまって……ぁ」

函館「私に触るな、くそがぃがきがぁぁああ!!!(ブンッ」

又郎「ぁ! 抵抗したらバッ……ぐふっ(左鎖骨骨折」

函館「ガキが!(ブンッ! 貴様に!(ブンッ!」

又郎「ぐへっ!(左肋骨損傷  がっ、ちょっ!(右尺骨骨折」

函館「私の!(ブンッ!  ナニが!(ブンッ」

又郎「たんま……(右肩甲骨骨折) ちょ、止め(左口内裂傷)」

函館「解るっていうんだぁああああああっ!!!(ドガグシャ!」

又郎「……かーちゃん……ごめん(頭蓋骨陥没」

※満艦飾又郎は満艦飾家で特殊な訓練と補正を受けています
 一般の方はラケットでの人体の殴打は止めましょう
 また、上記負傷をしたら救急車を呼びましょう

悪ガキ共「……ま、又郎!?」

函館「次はきさまぁあかああああっ!(ギロッ」

悪ガキ共「ひ、ひぃぃっーーーー!? お、お助けーー!!」

函館「……ぜぇ……ぜぇ……くっ、これも纒流子……全部、あいつの所為だ」

函館(待て……私はなんで怒っている?)

函館「アイツを、アイツを……なんとかして……終わらせる!」

函館(私はなんで苛ついている?)

函館「……もう、どうでもいい」

函館(ナニがどうでもいいんだ?)

函館「早く……ケリをつける……終わらせないと(ゆらぁ」

函館(ナニを焦っているんだ?)

函館「纏流子ぉぉっ! どこだぁあああああ!!!」

函館(私はあのガキの言葉になんでこんなに傷ついているんだ?)
                                  つづく

今回は以上です
とりあえず、これで函館の視点編は終わりで次からは流子ちゃん視点編になる予定です
では、投下失礼しました

どうも、今週は投下は仕事が忙しくてちょっと無理でしたorz
投下は来週週末予定です
流子ちゃんパートになる予定なのでなんとも難航してます

―本能寺学園スラム街

函館「えぐっえぐっ、ぐすん」

流子「よしよし、つーか。泣かれても困るってーか
   あたしは犬のおまわりさんじゃないんだし」

函館「……すん、全部、全部お前が悪いんだぁ、纏流子ぉ」

流子「……怨みはそりゃ買ってるがいや、だからってなぁ」

流子(やばい。なんだこれ……別に喧嘩でボコってた奴は何度も見たけど
   こう、女々しくすんすん泣かれるつーのは初めてつーか)

函館「お前なんて、嫌いだぁ!(ふんずっ」

鮮血「特に痛くはないがこれでは離れられないぞ、流子」

流子「いや、だったら鮮血から手を離せよ(マジでこの子どーしたいんだろ)」

鮮血「少し変身して追っ払うか流子?」

流子(なんつーか、こう罪悪感というか……やばい
   こういうのってどうしたいいんだろ。逃げるか?
   いや、なんで私が逃げなきゃいけないんだよ)」

マコ「流子ちゃぁああーあーーーん」

流子「どうしたマコ!?」

マコ「大変だよ、流子ちゃん! 又郎がボコボコにされちゃった!」

流子「んだと!? って、てめぇがやりや……」

函館「しくしくしくしくしくしくしくしくしく」

流子「……ぁー。マコ、又郎は無事じゃないとしてどうしてる?」

マコ「今、お父ちゃんが診てるけど……ってあれ、函館部長?
   なんで泣いてるんですか? 流子ちゃん! 部長泣かしちゃった?」

流子「ぁ?(がばっとフードを剥いで)……あー! テニス部の!」

函館「……はぁ……すぅ。くっ、纒流子! 覚えてお――」

流子「いや、なんか意味不明に襲い掛かられるも
   腰砕けになって号泣してたの覚えておかれたいのか?」

函館「///(赤面)…………い、今の無しで!(脱兎」

流子「ぁ! ってめぇ、マコ! ちょっと犯人捕まえてくるから今日は帰りが遅くなる!」

マコ「解ったよ、流子ちゃん! とっちめて……いや、もうされてたのかな?」

―本能寺学園生徒会室

鬼龍院「蛇崩。百合とはなんだ?」

蛇崩「あら、皐月様。今日は哲学な気分なのかしら?」

鬼龍院「いや、語彙的な意味だ。植物の百合ではないことは理解している」

蛇崩「そこからなのね。えーと、百合とは女性同性愛及び同性愛者を差す隠語ね」

鬼龍院「なるほど……隠語か。俗な事だ、愛をひた隠すとは」

蛇崩「それじゃ函館の一件、知らないでGoサイン出してたの?」

鬼龍院「起因、過程に興味はない。覚悟と結果のみ私は評する
    四天王と伊織が知恵を出し合った結果の一つ
    それを託された函館の覚悟を私が見届けるだけだ」

蛇崩「ふーん、ま。いいけど」

鬼龍院「ときに蛇崩。お前は女に懸想を抱いたことはあるか?」

蛇崩「ありゃりゃ、なんだか偉い質問ねぇ~
   んー、あるといえばあるし、無いと言えば無いわ」

鬼龍院「どういうことだ?」

蛇崩「皐月ちゃんは好きだし、傍にいるとあたしは決めたわ
   それは愛情と言えば愛情だし、友情と言えば友情と言われても否定はしない
   評され方は兎も角、その気持ちがそこにあるという事実は変わらないわね」

鬼龍院「ふむ」

蛇崩「恋仲、結婚、養子縁組と後は同性婚、親友、腐れ縁
   結びつき関係の形なんて言葉で幾らで奏でられるけど
   その発した想いに正解だのレッテルなんて意味ないんじゃないかしら?」

鬼龍院「今日は詩人な気分なのか、ののん」

蛇崩「想いは程度の差はあれど、ロマンになるのよ皐月ちゃん
   まして、女学生が恋を夢見るのもご愛嬌ってもんでしょ?」

鬼龍院「愛嬌……か」

蛇崩「そ、晴れた惚れたもご愛嬌(あ、こりゃあの男の事思い出してるわね)」

―数年前、皐月小学校卒業記念園遊会にて

来賓「皐月様、ご卒業おめでとうございます」

鬼龍院「こちらこそ、ご足労痛み入る」

来賓「いえいえ、このご機会光栄にございます。ではまた後程」

鬼龍院「揃。挨拶をする来賓は後何人だ」

揃「次で最後でございます。宝田財閥御曹司、宝田金男様でございます」

鬼龍院「西の大財閥の御曹司か。通せ」

宝田「おぅ! 樹魔しとるでぇ! 宝田財閥の宝田金男や
   全く、待たせるのは女の仕事とはいえ、ちぃと出し惜しみし過ぎやな! 
   時は金なり! たいむ いず まねーやで?(金ぴかあああ」

鬼龍院「……(なんだこいつは)」

来賓A「ヒソヒソ(何かしら、あのごてごてとした趣味の悪い服」

来賓B「ヒソヒソ(今日は皐月様の晴れ舞台。主役を立てる事を知らないのか?」

来賓C「ヒソヒソ(これだから西方の猿共は」

鬼龍院「西の宝田の話はこの東の地にも届いている。本日は――」

宝田「ひゃっはははあっ! 当たり前や。知名度も売れんと何を売るねん!
   しかし、聞きしに勝るべっぴんさんやな
   ま、服屋のおねーちゃんが美人じゃなけりゃ、服もよぅ売れんか!」

鬼龍院「…………(チャキッ」

宝田「あはは、まぁまぁ怒らんと。ちょっとしたジョークやジョーク。何より」

宝田側近「(ズラッ」

宝田「わざわざおべっかと世辞を言うためにこんな東くんだりまで来るかいな」

鬼龍院「ふん、宣戦布告か敵情視察か?」

宝田「だぁほ、さつきはん。いい言葉を教えたる」

宝田側近「(スッ、ガチャ 札束がぎっちり詰まったジュラルミンケースを開けて)」

宝田「か・ね・も・ち・喧嘩せずぅ! わいはさつきはんの時間を買いに来たんや」

鬼龍院「なっ! 貴様、私を侮辱する気か?」

宝田「自分の価値すら解からんガキを相手にするつもりはないでぇ?
   金を恵むんやない。今の自分の価値が幾らやと思ってるんや?」

鬼龍院「私とてまだ未熟。しかし、宝田財閥の金で買われる筋合いはない」

宝田「それはお互い様や。宝田財閥の御曹司言うてもまだ小卒のガキには変わらん
   だから、わいの価値を今さつきはんに見せているんや
   この”増やした小遣い”でな?」

鬼龍院「増やした?」

宝田「金持ちの金は使って減らすもんやない。転がして増やすもんや
   貰った金を使うんは貧乏人のガキでも出来るやろ?(にぃっ」

鬼龍院「……いいだろう、揃。会食予定をこの男に変更する。”タダ”でな」

揃「かしこまりました」

宝田「タダより高いもんはないなぁ、さつきはん。良い評価価格や」

                                つづく

以上です。流子パートの苦戦+宝田金男が最近大好き過ぎて遅れました
最初は外伝か単発枠にしようと思ったのですがもうねじ込んで皐月も本格的に巻き込む事にしました
では投下失礼しました。また、目処が立ち次第投下予告します

お、復活してるー
そして、うん。色々と練ってる間に皐月様があれやこれで流子ちゃんに姉妹がどんすか増えたり
宝田再登場&何故、函館ちゃんが来ないのかと嬉しさと悲しさと心強さです
マジ、どーしよう

レズ堕ち流子ちゃんマジかわゆす
ということでちょっと工夫がつき申した……が、あくまで一話分と今後のアプローチ分位
次投下もう少しお待ちをorz

赤ん坊ポーズの臣子ちゃんマジかわゆす
皐月様が名前覚えていたという事だけで感涙です

えーと、ドラマCDと時期と内容が丸かぶりになってしまった為、色々とストーリーが破綻しましたorz
ということでHTML化依頼をしておきます
短い間ですがお付き合い頂いた方、ありがとうございました

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