わたし「人類なんて衰退してしまえばよいのに……」(167)

わたし「学舎生活、全然馴染めない……」

ガキ「やーいやーい、ほうき頭ほうき頭!」

わたし「……」

ガキ「背と乳ばっかりでかくて、みっともないと思わないのかよ!」ドンッ

わたし「……」

ガキ「何とか言ったらどうなんだよ、こいつ」「無駄だぜ。俺たちとは口も聞けないってさ!」「あはははは」「もういこうぜ」

わたし「……背はともかく、む、胸は標準的です」

わたし「そして入れ違いにやってくるのが」

巻き毛「お、お姉さん。大丈夫ですか?」

わたし(鬱陶しい……)

わたし「大丈夫です。これぐらい、どうって事ありませんから」

わたし(何て言えればいいんですけど、人目がある仲で言えばいじめが加速しますよね……)

巻き毛「ひ、ひどいです。髪の毛にガムつけられて……と、とってあげ」

わたし「……」バッ

巻き毛「あ、ごめんなさい……」

わたし(早く午後のカリキュラムにならないかな……あ、でも午後も地獄でした)

巻き毛「……お姉さん、わたし、わたし、こういうのじかんが解決してくれるって、しんじてます」

わたし「……」

キーンコーン……カーンコーン……

巻き毛「チャイム鳴ったんで、戻りますね」

わたし「……」

わたし「午後のカリキュラムは文化的活動の時間……わたしには、まさに地獄」

教師「はい、それじゃあ二人組作って練習してくださいねー」

わたし(うぐ……)

巻き毛「お、お姉さんっ。わたしと一緒にやりませんか?」

わたし「いいです、別に」

巻き毛「そんな……で、でも、お姉さんいつもひとりで……」

わたし「やめて」

巻き毛「はい?」

わたし「……分かってるなら、放っておいて下さい」

わたし(巻き毛の優しさはクラスメイトの反感を買う材料になるのです。無垢な優しさは毒ですよ。無垢なのかどうか知りませんけれど)

巻き毛「わ、わかりました。じゃあ、また今度お誘いしますね、お姉さんっ」

教師「あら、ミス……えーと、貴女、ペアの子はどうしたの?」

わたし「……」

わたし(孤独には耐えられますが、孤独を指摘されるのはかなり辛いのです)

教師「勉学だけでなく、協調性も学ぶのも大事な事ですよ。自分から率先して声を掛けていかないと」

わたし「はい、先生。年齢差もあって上手く馴染めていないので、今後、良好な関係を築けるように善処します」

教師「そ、そう。頑張ってね。あなたには期待しているのだから」

わたし「はい、先生」

わたし(一刻も早く進級しなければ……)

わたし「着替えが無い……」

わたし「旧文明の体操着(デザインは想像にお任せします)のまま、明日からの授業を受けろと……?」

わたし「いや。その前に恒例の帰りの会とかいう儀式がありました。もう、早く部屋に帰りたい……」


教師「……あら、あなた、どうしてまだ体操着のままなのかしら?」

女子「……クスクス」

男子「おいおい、クリケットの熱が入りすぎて着替える時間なくなったのか?」「いや、あいつ一人で練習してるだろ?」「まじかよ……」

わたし「じ、時間が無くて……あとで自室で着替えます、先生」

教師「ならいいのだけど」

わたし(先生方は、わたしが過酷な状況に置かれている事に全く気付いていないご様子。気付かないようにしているのかもしれませんが)

わたし「はあ。……あ、そうだ夕食。それまでに制服を探さないと、面倒な事になってしまう……」

わたし(朝食と違い、夕食は先生方も揃う厳格なもの。規律を重視する夕食の場で、一人体操着は大変にまずいのです)

わたし「進級にも関わるやもしれませんし、一刻も早く探さなければ」



わたし「うーん、家畜の死体遺棄洞窟やらゴミ箱を漁っても見つからないとは。前回はそこにあったんですけどね」

巻き毛「お姉さん……?」

わたし「……」

巻き毛「制服、無くなったんですよね。あの、クラスの女子が噂してました。時計塔の男子に渡したって……」

わたし「そうですか」プイッ

巻き毛「わたしも一緒に探しますっ」

わたし「結構です。あなたがいると迷惑です」

巻き毛「……えっ」

わたし「近付かないで」

わたし(人気者のあなたと、いじめられっ子のわたしは水と油の関係なのです。交じり合うなど、あってはならないのです)

わたし「……」スタスタ

巻き毛「……」ソワソワ

わたし「……」スタスタ

巻き毛「……」ソワソワ

わたし「つ、つけられている……」

わたし「一定の距離を取ってますけど、いざって時に絶対口出ししてきますよね、あれ……」

巻き毛「……」

わたし(時計塔には悪ガキがいっぱいなのです。わたし一人出向くだけでも事故必至なのに、巻き毛がいると災害が起きます)

わたし「……ついてこないで下さい」

巻き毛「で、でも……」

わたし「あなたがわたしを想ってくれているなら、ついてこないで下さい。そうでないなら、どうぞご自由に」

巻き毛「うぅ……」

わたし「迷惑なんですよ、本当に。あなたのせいでわたしがどれだけつら……とにかく、もう関わらないで下さい」

巻き毛「お、お姉さん……」

わたし「何とか撒きました。そして時計塔到着……」

悪ガキ「――でよぉ、あのほうき頭が」「――まじかよ! ウケるなそれ!」「――目の保養ぐらいにしかなんねー!」「――いえてるいえてる!」

わたし「マセガキどもが……」

わたし「ともあれ、巻き毛の情報を信じるならばわたしの制服はここにあるはずです」

わたし「問題はどうやって取り返すかですが……」

カンカンッ

わたし「わわっ、お、降りてくる!」サッ

わたし(咄嗟に箱の裏に隠れましたが、これバレますよね……しかも、最高にみっともない形で)

悪ガキ「ま、いいや」「そろそろエサの時間だなー」「あ、そういや制服どうする?」「明日泥水で洗っておくわ」「ぎゃはははは」

わたし(……そうなる前に取り返さなければ)

悪ガキ「あ、俺この箱の裏に忘れ物したんだわ」

わたし「――!?」

悪ガキ「うわっ! なんでここにほうき頭がいんだよ!?」

わたし「……」

悪ガキ「え、なになに?」「こええ、つうか隠れてもデカすぎてバレっから!」「鏡見たことあんのかよ」「鏡は屈まないと胸までしか映らないんじゃね?」「ぎゃはははは」

わたし(口を開けば罵詈雑言。しかし、わたしには日常的なのでした。朝起きたら歯を磨くのと同じぐらい、当たり前のイベントなのです)

悪ガキ「丁度いいじゃねえか、あれ使えよ」「え、まじかよ」「ここで使うと威力半減じゃね?」「まあいいだろ」

悪ガキ「じゃあ取ってくるから、こいつ逃がすなよ」

わたし(悪ガキの一人が階段を上っていき、残りの悪ガキたちがわたしを罵倒し続けて数分後――)

悪ガキ「持ってきたぜ」

わたし「!」

悪ガキ「これ浴びせたら、こいつも女みたいに喚くんじゃね?」「こいつ全然声出さないからな」「喉潰れてるんじゃねーの」

わたし(そ、そのおぞましいのを浴びせる……? じ、冗談じゃありません。絶叫どころで済めば幸いというレベルじゃないですか!)

悪ガキ「おまえ汚れてるからさあ。この虫で綺麗にしてやるよ」

わたし(たミミズやら何やらがビッシリと詰まったパンドラの箱が、わたしの頭上で解き放たれたのです……)

わたし「――っ!」

ぞわぞわ、ざわざわ、ぬるぬる、ねちねち、ぐねぐね、じゅるじゅる、するする……

わたし「……っ。……!」

わたし(声にならぬ声で、わたし絶叫。悪ガキどもはこれがロックだと言わんばかりに頭を振って大はしゃぎです)

悪ガキ「うわっ、これヒクわー」「きめえ」「なあ、もう行こうぜ」「言っとくけど、バラしたらもっと酷い事してやるからな」「ぎゃはははは……」

わたし「ぅ、く……くう」

わたし(悪ガキ達の姿が消えると、わたしは時計塔の内側に駆け込んで扉を施錠します。身体中に、虫が這っていました。最悪)

わたし「は、離れてっ……!」

わたし(今度のいじめは度を越しています。わたしは体操着を脱ぎ捨て、ほうき頭とさんざん言われた髪の毛に迷い込んだ虫を追い払います)

わたし(こんなところ、見られたらまた馬鹿にされて……そう想像すると、苦手な虫を触るのにいちいち躊躇していられないのでした)

わたし「はぁ、はぁ……これで、全部?」

わたし「うぐ、酷い……なんで、こんな事出来るんでしょう。わかんない……」

わたし(身体中に残る掻痒感。虫達のか細い足が肌を撫でるような感覚はいつまでも残り続けます)

わたし「もうやだ……全然、学舎楽しくない」

わたし(泣きながらも、足は自然と時計塔の上に向かいます。ここまでされて、当初の目的を破棄するわけにはいかないのです)

わたし「……あ、あった」


悪ガキ「Zzz……」

わたし「……」

わたし(悪ガキの頭の下で、枕にされているのがわたしの制服だったのです)

わたし「しまった……体操着、もって来ればよかった」

わたし(既に悪ガキは退散していたものと思っていたので、いちいち体操着は着用していなかったのです。なんたるミス)

悪ガキ「……ん?」

わたし「うっ」

悪ガキ「……」ジー

わたし「……」

悪ガキ「んぁ……風邪引くぞ、あほかおまえ。服着ろよ服」

わたし「……はい?」

悪ガキ「おれ、先降りてるから……夕食遅れんなよ。またセンコーにうるさく言われ……むにゃむにゃ」

わたし(寝惚けていたようです。わたしをよりによって自分の仲間と思い込み、彼は階下に消えていきました……)

わたし「そのまま転んで……」

わたし(その先は言ってはいけない気がしたので、すんでのところで口を閉ざします)

わたし「はあ。なんかもう制服も色々ベトベトです……幸い、虫関係は無いみたいですけど」

わたし(最悪の着心地の制服を身にまとい、簡単に身なりを整えて食堂へ向かうと――)


Y「ん?」

わたし「……げ」

Y「随分遅いじゃん、ほうき頭。もうオメーの飯ねーから」

わたし「……」

わたし(分かっていたんですけどね……。規則規則の学舎で、夕食に遅れる行為はもう飯抜き上等宣言に等しいのです)

Y「じゃあな」ドン

わたし「わっ」バタ

Y「ふん」ゲシッ

わたし「……っ」

わたし(惨めに転んだわたしの隣を、せせら笑う声が通り過ぎていきます。いち、に、さん、よん……)

わたし(中にはわたしの身体をさり気無く蹴りつける人もいました。慣れっ子です)

わたし「……はあ、今ので最後ですか」

巻き毛「お、お姉さん!? ど、どうしたんですか、そんなにボロボロになってっ」

わたし「!?」

巻き毛「夕食の間、居ないからしんぱいになって……なにかあったんです?」

わたし「……な、何も」

巻き毛「う、嘘ですっ。だってお姉さん、泣いてます……!」

わたし「っ!」

わたし(指摘されて目元を拭います。幸い、涙はすぐに止まりました)

巻き毛「わたし、待っていたんです。でもじかんになって、お姉さんも来なくて……だから、今日はご飯ぬきになっちゃいました」

わたし「え……」

巻き毛「お姉さんの分もおいておいたんですけど……あ、今からでも先生たちにごそうだんして……」

巻き毛「そ、そうですっ。ちょっとおそいですけど、先生たちにたのめば、ご飯食べるじかんぐらいはいただけるかもっ」

わたし「どうして、あなたがそんな事するんですか」

巻き毛「え……? そ、それはお姉さんが」

わたし「……わたしが!」

巻き毛「っ!」ビクッ

わたし「……わたしに、構わないで下さい。あなたのせいで、わたしの学舎生活は台無しです。全部、全部全部あなたのせいで……」

わたし(どうしようもない鬱屈とした感情が、弾けたようにドス黒い炎として燃え上がります)

わたし「クラスの人気者のあなたには分からないんです。わたしが、どれだけあなたの優しさで苦しめられているのかが!」

巻き毛「わ、わたし……そんな、つもりじゃないですっ」

わたし「だったら尚更迷惑です。自覚もなしに人を傷つけて……身体も心もボロボロにして、わたし、こんな所来なければ良かった!」

巻き毛「うぅっ……」ウルッ

わたし「泣きたいのはこっちです。わたしが日々、どんな事をされているのか知ってますか?」

巻き毛「う、う……」

わたし「髪を馬鹿にされて……制服をボロボロにされて、虫のシャワーを浴びせられて、何度も何度も蹴られて」

わたし「前日はテキストが破られていたし、その前の日は机の中にネズミの死体がありました。蜂の死体だって、食べさせられました」

わたし「クリケット中はいつも一人で練習して、嘲笑されて、先生にも見苦しい言い訳をして……」

わたし「一級生に混じって校長先生の話を聞く年嵩の女の辛さが分かりますか? 誰よりも背が高くて、浮いてしまう辛さが」

巻き毛「う、ひっく……」グス

わたし「自殺の練習なんてのもさせられましたね。髪にハサミを入れられたことも、昼食のランチボックスにゴミを入れられたこともあります」

巻き毛「……う、お、お姉さん……」

わたし「……もう、関わらないで」

わたし(泣きじゃくる巻き毛を放置して、さっさと自室に戻ります。抜き打ち検査に備えねばならないからです)

わたし「はあ。学舎でも寄宿舎でも気が抜けません。わたしが安堵出来る場所、ここには無いんですかね……」

トントン

わたし「開いてます、監督生さん」

ガチャ

巻き毛「……お姉さん」

わたし「……」

巻き毛「あ、あの、お腹空いてますよね。わたし、先生にたのんで、ランチボックスを用意してもらったんで……」

わたし「……」

巻き毛「ここ、置いておきますね。監督生にもつたえてますから、何もおこられません……」

わたし「……」

巻き毛「おやすみなさい、お姉さん」

バタン

わたし「……ほんとうに、あの子は」

わたし「……いただきます」

わたし(これで虫でも入ってたら逆に笑えますよね……)

くぱぁっ

わたし(もちろんそんな事もなく、中身は美味しそうな和風お弁当でした。旧人類が生み出した、とある島国の伝統的な食事だとか)

わたし「……これを食えと?」

わたし(慣れない箸で白米(本物ではありません)を削り食べていくと、その下にフィルムに包まれた手紙が入っていました)

わたし「巻き毛が入れたんでしょうね……でも、どうやって?」

わたし(食事を作るのは食堂のおばちゃんの専売特許のはずなのです)

わたし「……お姉さんへ? やっぱり巻き毛が」

わたし「まあ、見るだけ見ましょう。カミソリに備えて慎重に封を切らないと駄目ですね」

お姉さんへ
きょうはたくさん辛いことをお話させてしまって、ごめんなさい。
わたし、ほんとうにお姉さんにそんなことするつもりないんです。
ただお姉さんがすきで、おしゃべりしたくて、仲良くなりたかっただけなんです。

わたしがお姉さんにはなしかけると、あとでクラスのみんながこういいます。
「ほっとけ」「あいつはこどくをすいているんだよ」「かかわるとほうき頭になるぞ」
でも、ほっとけません。
わたしはお姉さんとなかよくなりたいです。わたし、お姉さんとなかよくなれるなら、クラスのみんなにきらいっていいます。

お姉さんが食堂をでたあと、おばちゃんにたのんでいっしょにご飯をつくらせてもらいました。
ふなれだったけど、おばちゃんが「あいじょうこめりゃ、どうにかなる。まあレンジでチンがほとんどだけど」といってくれたので、なんとかなりました。
ただ、レンジでチンはあまりにあじけないので、おばちゃんにあたまをさげて、むかしの料理本を出してもらいました。

そこにかかれている料理はむずかしいものだったけど、お姉さんのためをおもえばへいきでした。
ゆびとか包丁で切って、血とかまじっているかもしれませんけど、おばちゃんは「あいじょうがぐげんかした」とあたまをなでてくれました。
わたしはどんどん包丁で薄いきずをつくっていき、たまごやきがあかくなりすぎました。
でも、うまいぐあいに明太子いりっぽくみえますよね。お姉さん、もうたべましたか?
わたしのあじ、どうですか? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?
おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい? おいしい?

わたし「ひいいぃぃぃぃっ!!」

わたし「気が……狂ってる!」

わたし(SAN値がガリガリと磨り減っていきます。わたしの異の中には、巻き毛の血がたっぷりあるはずです)

わたし「肉とかも、混じってるかも……」

わたし「……」

わたし(でも、ランチボックスに残っている料理は僅かな白米と梅干だけ。殆ど平らげてしまったあとだったのです)

わたし「……ん」パク

わたし「ご馳走様でした」

わたし(……美味しかったけど、素直に美味しいと言えませんでした)

ビタンッ

わたし「!?」

巻き毛「――ぉ姉さんっ!」

わたし「きゃー」

巻き毛「あ、開けてくださいーっ。監督生にばれちゃいます」

わたし「窓に! 窓に!」

巻き毛「お、お姉さぁーん!」

わたし「ひ、ひぃっ!」

わたし(かつてここまで恐怖した事はありません。虫のシャワー浴びる方が、まだSAN値の減少は少ないと断言出来ます)

巻き毛「あ゙ーげーでー!」

わたし「い、いやです! それだけはいやです!」

巻き毛「……お姉さん、お母さん……お母さん……」

わたし(とってもサイレンなのでした。放送禁止レベルです。わたしはカーテンを閉め、ベッドに逃げ込みます)

わたし「こ、こわい。こわいよ……おじいちゃん、こわい……助けて……」

ドンドンッ

わたし「ひいいいいっ!」

巻き毛「――あれ、お姉さん? 部屋に鍵をかけると監督生に怒られますよ? お姉さんっ」

ドンドンドンドンッ

わたし「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。あなたを拒絶してごめんなさい。でも、わたし悪くないです。わたし、疑心暗鬼で、わたし……」

ドンドンドンドンッ

巻き毛「オネエサーン!!」ドンドンッ

巻き毛「お姉さんっ! あ、やばいですお姉さん。寮母がきました。あけてーっ!」

わたし「そのまま連行されてくださーい!」

わたし(因みに寮母はロボットです。型が古いのか、よく壁にぶつかってスタックしてます。デバッグ不足です)

巻き毛「いやぁーっ。どうしてお姉さんはわたしをとおざけるんですかっ! わたし、お姉さんがしんぱいなだけで!」

わたし「ご心配感謝します! だから、今日は安眠させて……」

巻き毛「分かりましたっ、添い寝します!」

わたし(巻き毛とわたしの間に、妙な通訳者がいるようです。それか、巻き毛フィルター)

RYOBO230r「規則違反者を発見――」

わたし「これがわたしの救世主さま……!」

巻き毛「えいっ」

RYOBO230r「問題アリマセン。私はRYOBO230r、人々の生活を支える文化助手機です。カラーはパールホワイト――」ウィィィ

わたし(な、なにをしたですー!)

巻き毛「お姉さんっ、しょうがいはとりのぞかれましたっ」カチャカチャ

わたし「ピッキング!」

わたし「べ、ベッドの重みで扉を封鎖すれば……」ギシギシ

巻き毛「お姉さん、わたしが入ったらすぐに鍵をかけてくださいねっ。また誰かが……あ、あれ? あかない? おかしいなあ?」バンバンッ

ガンガンッ! ドガッ! ドンガンドンッ!!!

わたし「めっちゃ蹴ってるー!」

巻き毛「お姉さん、なにかつっかえてません? ……も、もしかして、まただんしにいじめられて……? お、お姉さんっ!」

わたし「いじめられてません! そんな事実は我が学舎にありません! 黙認ではありません! 黙殺されたのです!」

わたし(急に、日常的に行なわれてきたいじめが恋しくなりました。こんな非日常、わたし、いらない)

巻き毛「い、いまたすけますっ。待っててくださいね!」

わたし「い、いい! わたしにかまわないで!」

わたし(本心、本音でした)

すずめ「チュン……チュンチュン(訳:てめえ、その電線は俺のシマだろうが)」

すずめ「チュンチュン……(訳:知るかボケ。おまえのシマはてめえのカスみたいな頭の真下だけだ)」

すずめ「チュンチュン……チュン……(訳:やんのか雑魚。おまえ俺に勝てるとでも思ってんの?)」

すずめ「チュン……チュン……チュンチュン(訳:上等だコラ。成長してもスズメはハトにならねえって現実、叩き込んでやる)」

すずめ「チュンチュン……(訳:えっ……!?)」


わたし「……あ、あさ」

わたし(結局、わたしは一晩中起きていました。窓を割る蛮行はなく、扉を破壊されることもありませんでしたが、精神は消耗しきってます)

わたし「SAN値以外にも、実に多くのステータスが下がった気分です……ついでに、状態異常。頭痛い……」

わたし「とにかく諦めたようですし、早く朝食を……わたしの安堵出来る場は、人がいる場所だけです」

わたし「はあ。やっぱり綺麗な制服に着替えると、身もひきしま……身、身、み、ミ……」

わたし「――っ!?」

わたし(綺麗なはずがないのです。べとべとだったはずです。わたしのべとべと制服、返して!(状態異常:こんらん))

わたし「夢、だったのかも……。そう、あの巻き毛があんな本性を隠しているはずないです。そう信じたい」

わたし「よっと……ベッド、重いなあ。ちょっと配置間違えているんじゃないですか、これ(現実逃避)」

わたし「……じゃあ、いってきます」


ガチャ


巻き毛「おはようございます、お姉さんっ」

わたし「……」

巻き毛「あ、あれ……わたしの顔、なにかついてます?」

わたし「……」バタン

巻き毛「きゃーっ。お、お姉さん! お姉さんっ、起きてっ!」モミモミ

わたし(揉まないで……)

わたし「……ん、ぅ。あ、あれ? ここは一体?」

保健室の先生「ああ、目が覚めたかね。何やら衰弱して部屋の前で倒れていたのを、巻き毛の子が教えてくれてね」

わたし「ほけんしつ……」

先生「うむ。どうも栄養失調の傾向が見られたのでな、点滴を打っている。あまり動くと疲れるぞ」

わたし「え、えいようしっちょう?」

わたし(たぶん、あの一晩でえらいエネルギーを消耗したんでしょう。身体が重いです)

先生「今日はここで一日休んでおきなさい。なに、食事は届けさせるから」

わたし「い、いえ。結構です。なんかもう、お腹いっぱいです」

先生「そんなはずなかろう? 朝食を抜いているのだ。点滴で栄養を取るのも結構だが、食事も重要だ」

わたし「あ、あ、あ、あ、あ……ま、まさか……食事を届けてくれるっていうのは……?」



先生「巻き毛の子だ」



わたし「――!?」


キーンコーン……カーンコーン……

先生「昼食の時間だな」

わたし「せ、せんせい。たすけて……」

先生「何を言っているのか理解に苦しむ」

コツン、コツン……

先生「そろそろ来るか」

わたし「なにが!」

先生「なにって、きみの友人がだよ」

コツンコツンコツン……

先生「では、私は失礼する。君に付きっきりで、私も朝食を摂っていないのでな」

わたし「どうしてホラー物は単独行動を強いるんですかっ」

コツンコツンコツンコツンコツンコツンッッ!!!

わたし「あ、あ、あ……」

コッコッコッコッコッコココココココココココココココゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ガラッ

わたし「わたし、しぬです?」

巻き毛「お姉さんっ」

わたし「あ」ガタッ!

巻き毛「……あ、あのう。お姉さん? どうしたんですか?」ズリズリ

わたし「な、なにも……お腹いっぱいです」

巻き毛「あ、そうなんです。わたし、ごはんをもってきたんです。お姉さん、どうぞ」

わたし「お腹イッパイデス……」

巻き毛「……? なんか、ようすがおかしいですよ?」

わたし「オナカ、イッパイ、デス」

巻き毛「んー?」

わたし「オナカ、イッパイ、デス」

巻き毛「……お姉さん、よっぽどひどいいじめにあったんですね……。わたし、もっとゆうきをだしてればよかった……ごめんなさい、お姉さん」ギュ

わたし「オナカ……いっぱい……おなか、いっぱ……イ、です」ガクガク

悪ガキ「……お、おい。あんなになるまで、いじめることないだろ?」「いや、おまえがやったんじゃ」「おまえもだろ!」

わたし「……あ、あ、あ」

巻き毛「♪」

わたし(わたしいま、くるまいす、のってます。なんか、まっすぐあるけぬですで、まきげちゃんに、おしてもらてます)

悪ガキ「ほ、ほうき頭……いや、その、悪かった。おれ、なんでもするから。なんでも、するから……許してくれって、いえるたちばじゃねえけど」

わたし「……気にしてませんよ?」

悪ガキ「してねえわけねえだろっ! おまえ、嫌な事されたら叫べよ! おれをなぐれよ!」

わたし「気にしてませんから、ね?」

悪ガキ「……う、う」「もうよせ……」「おれらにできることをやるしかねえ」「しぬのは、くるしんだあとだ」

Y「お、おい。おまえ」

わたし「おはようございます」

Y「どうした、おまえ。わ、私のせいか……? 私のせいで、こんな……くそ、違う。ここまでやるつもりはなかった」

わたし「……」

Y「許してくれ。ぐ、許してくれ……。おまえの為に、一生を捧げる。おまえが望むことを全て叶える……だから、」

わたし「……気にしてませんよ?」

カラカラカラ……

わたし(しゃりんのおとが、ここちよい。うしろにいるまきげがうたうたうです。はなうたです。とても、きもちよくてぽかぽかです)

巻き毛「お姉さん、今日はどこにいきます? わたし、お姉さんの行くところならどこにでもついていきますっ」

わたし「……ようせいさん」

巻き毛「はい?」

わたし「ようせいさんに、あいたいです」

巻き毛「……妖精さん? それって妖精のお茶会のあれですか?」

わたし「たぶん……」

巻き毛「……わかりました、探しましょう。花先輩と魔女先輩にもご相談して、みんなで探しましょう」

わたし「ありがとござ……います」

巻き毛「いえいえ、これもお姉さんのためですっ♪」





End

やぱり、いきおいでかくとたのしいですな
ほんとうはあんかすれやろおもてたですが、あきあきだとおもいまして?
まんねりかはよくありませぬゆえ

これをきに、げんさくなどかうとよいのでは?(えすえすはすてま)
このえすえすは、80ぱーせんとぐらい、げんさくどおりです
まきげちゃんのあいじょうに、わたしがすくわれるしーんとか、げんさくどおり。もう、げんさくこぴぺのいきですな

あー
なんかもう、ようせいさんみえてきました
あたまのなかからぽです
もうおなかいぱい
ちしきいらぬです
きにしてませんが
さらばです

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