洋榎「長野行くで」 絹恵「私も行く」(152)

玄(これで上がれば倍満で逆転……)

穏乃「カン!」

玄「えっ、えええっ!」

穏乃「く、玄さんっ!? いきなりそんな大きな声出してどうしたんですか!?」

憧「あ、シズそれロン」

穏乃「ええええ!」

憧「タンヤオダブ南で3900ね。シズ、いくらなんでもそこでカンはないんじゃない?」

穏乃「そりゃふつーはそうだけどさ、これだけカンツそろうと」

憧「うっわカンツ3つそろうとかまじ? 今の点差じゃつっぱりたくもなるかー」

玄「あ、あわ、あわ……」

穏乃「玄さん……?」

玄「カン……もいっこカン……りんしゃんかいほー……」

穏乃「玄さんどうしたのっ!?」

憧「りんしゃんかいほーって……こないだ行った長野で何かあったの?」

某時、大阪の愛宕家

洋榎「絹~」

絹恵「何、お姉ちゃん」

洋榎「今フロ上がったとこか。ちょうどええ」

絹恵「どうしたん? これから旅行するみたいな準備して」

洋榎「決まっとるやないの。旅行するんや」

絹恵「りょこう?」

洋榎「旅行とゆうても、落とし前の武者修行とゆうたほうが近いんかな」

絹恵「落とし前……」

洋榎「絹、こないだ長野に行ってきたんやろ。なんでうちを誘ってくれへんかったん」

絹恵「あ、あれはインハイで姉妹参加した妹の集まりやったからしゃあないやん」

洋榎「それでええ匂いつけて帰ってきとったんか」

絹恵「釜飯ならお姉ちゃんだって食べたやん」

洋榎「そうやない、あの甘い香りは食べ物とちゃうわ」

絹恵「それがこれとどう関係するねん」

洋榎「せやからうちも、気持ちに整理つけるために長野行くねん」

絹恵「気持ちに整理って、まさか清澄の中堅はんのとこ行くゆうの?」

洋榎「そのまさかや。絹恵さすが話早いやないか」

絹恵「せやけど、大阪から長野遠いで。朝から行って夕方になってしもうたんや」

洋榎「絹、それどないなルートでいったんや」

絹恵「それは普通にネットで駅の情報を」

洋榎「長野県は山国や。電車で行くなんて逆に時間も金もかかってまうやないか」

洋榎「大阪もんらしく安くケチって行ってあげたらええやないか、そのほうが長野県人も"大阪らしいにー"って喜ぶわ」

絹恵(信州弁ってそないな感じやっけ。というより咲ちゃんあんま信州弁で話さんかったな)

洋榎「ゆうわけで、今日の夜までに長野につけて、一晩向こうで休んでから、朝清澄高校に行く」

洋榎「あっちの部長と元部長には連絡つけてんで、うまく話しもまとまるってもんや」

絹恵「お姉ちゃん……準備よすぎや」

洋榎「できる女はいろいろちゃうんや。絹も見習っとき」

絹恵「う、うん(私もこれくらいちゃんとやって長野いかなあかんかったんやな。お姉ちゃんすごいわ)」

洋榎「せやから、絹は留守番頼むで」

絹恵「あ、あのっ!」

洋榎「んー? なんや絹」

絹恵「私もいってええ?」

洋榎「そらかまへんけど、何か用あるんか?」

絹恵「ちょっとぶりだけど咲ちゃ……っ!?」

洋榎「ああ、ああ、なるほどな。うっわ、絹恵も長野人にほだされたクチやったとか」

絹恵「ちゃうちゃうっ! ああでも、最近やっと連絡つくようになったんや、せやからときどきじかに話とうなるの」

絹恵「ってああ、私何口から話しとるんや」

洋榎「しゃあないな。惚れた女の思いやったら似たようなもん、せやったら、一緒にいこか」

絹恵「って、ちゃうってゆうとるやん! でも、お姉ちゃんおおきに」

そういえば憧が玄呼ぶのって「玄さん」だっけ?「玄」だっけ?

某時、奈良から長野に向かう道中、

玄「穏乃ちゃん、憧ちゃん、本当に行くの……?」

穏乃「こういうときはショック療法がいいに決まってます!」

憧「とかいって、本当はシズが和に会いたいだけなんじゃないの?」

穏乃「けど! カンするたびに玄さん怯えておかしくなっちゃうのはどうにかしなきゃ!」

憧「まあそうかもしれないけど、だからって直接会わせるとか」

穏乃「じゃあ憧はなにかいい方法あるの?」

憧「そりゃじかにあわせるのもひとつの選択だよ? でもそれがいいか悪いかは」

穏乃「試してみればいいんだよ。それにまあ、和に会えるし」

玄「そんなに無理しなくても」

穏乃「そうは行きません! とにかく出発したからにはもう止まれませんから!」

玄「うう……(嫌あ、またあのほとばしる稲光を見ることになるなんてっ)」

朝、清澄高校麻雀部の朝練タイム。

まこ「で、まだ議会長さんはここに残っておるんか」

久「いいでしょう。後身の育成のためにしばらく付き合うのも」

まこ「それで進路まちごうても責任とらんよ」

久「心配ご無用。手は打ってあるわ」

まこ「まああんたがそういうんじゃから、気にせんでおくか」


咲「ツモ、嶺上開花メンチン、8000オールです」

京太郎「うえええ!?」

優希「これで京太郎の4連続ハコだじぇ!」

和(またメンチンの嶺上開花……今日は咲さん、とても調子がよさそうですね(うっとり))


まこ「で、今日はお客さんくるんじゃろ?」

久「まあね。はるばる遠くから来てくれるんだし、ちょっとはちゃんと出迎えてあげないとね」

まこ「そんな物言い失礼じゃ……まあわしもついてく」

久「新部長のお披露目にもなるし、お願いするわ」

久「さて、いらっしゃったかしら」

まこ「いらっしゃったって……」

洋榎「インハイぶりやで久」

絹恵「こんにちは」

久「いらっしゃい、ふたりとも」

まこ「この人ら、姫松高校の愛宕姉妹じゃ」

久「そうよ?」

洋榎「おう、そちちらさんは清澄の新部長さんやな」

まこ「染谷まこじゃ」

絹恵「広島の人?」

まこ「家系が広島出身なんじゃ、よろしゅう」

洋榎「まあ、こちらこそたのんますわ。で、久」

まこ(なるほど、こっちがお姉さんと。部長に用事があるとか。部長が悪い癖だしとったせいかのう)

久「なにかしら」

洋榎「ここにきたわけはわかるやろな?」

久「まあだいたいわかるわ」

洋榎「となりのとうちとどっちがええか勝負せいや」

久「ええ? 話が見えないんだけれど」

絹恵「お姉ちゃん……」

洋榎「絹は自分の目的を果たしたらええねん」

絹恵「うん、そうするわ」

洋榎「というわけや。久」

久「まるで押しかけ女房じゃない。しかたないわね。ちょっとみんないい?」

卓の4人「?」

咲「愛宕さん」

和「愛宕さん? 咲さん、あのふたりと?」

咲「うん、こないだちょっとマスコミの人のお誘いで行って、あっちの眼鏡の人となんだけど」

和「眼鏡の人」
和(私が副将戦で闘った人ですね。あの人、まさか私の咲さんに手を)

優希「いつのまにか嫁を作ってたのか! 咲ちゃんも隅におけないじぇ!」

咲「ゆ、優希ちゃんそういうわけじゃ」

和「!?」
和(私の咲さんに手を出していたなんてそんなことなどありえません)

絹恵「咲ちゃん! こないだぶりやな」

咲「はい。愛宕さんも遠くからありがとうございます」

絹恵「こっちでお泊りするのとかわくわくしたん。けど会えてよかったわ。また麻雀教えてな」

咲「私でよけ、れ、ば」

和「(ずいっ)こんにちは」

絹恵「? あなたは原村和?」

和「見るなりいきなり名前を呼び捨てとは、私に対する挑戦ですか」

絹恵「そう受け取ってもらうのは勝手やけど、咲ちゃんと仲良くなっちゃあかんことはないやろ?」
絹恵(マジこの人やばいオーラ出してんやん。あきらかに咲ちゃん取られたくないって気持ちバリバリ出てるで)

和「それはそうですが、ただあまりよい気分ではなかったので」

絹恵「まあすまへん。有名人やからつい名指ししてもうて」

和「いえ。咲さんがお世話になったそうで」

絹恵「ええ。でも原村さんに失礼あるようなことはしてへんで」

和「そうでしょうか?」

優希(のどちゃん完璧にしっとのまなざしだじぇ。泥棒猫にとられたくないって目だ)

咲「あああの、せっかく大阪から来てたんだから、何かお茶でも」

優希「そのとおりだじぇ! 買出しいってこい犬!」

京太郎「誰が犬だっ! まあこの場合俺はお呼びでないかもしれませんからね、行ってきますよはい」

洋榎「じゃあまず一局や」

久「いいわ。さっそくはじめましょうか」

洋榎「インハイでは結局引き分けに終わってしもうたようなもんや。ここで決着つけさせてもらうわ」

まこ「まあ、ここはまかせるかの」

まこ「けど元部長、なんで受けたんじゃ? 姫松高校じゃったら、別に練習相手にこまらんじゃろ。わしらかて」 ヒソヒソ

久「これは姫松と清澄の練習試合じゃないわ。いわば、お姉さんが個人的に申し込んだ果し合い」 ヒソヒソ

久「せっかくはるばる来てくれるんだし、ちゃんと白黒つけたら、長野の名物を一緒に食べに行けばいいのよ」 ヒソヒソ

まこ「あんた、大阪もんだからって食い倒れさせりゃええとかおもっとるんじゃ」

久「だめかしら」

まこ「ほんまにこの辺、地域性とかそういうもんとかかのぅ」

久「けど、4人じゃないとなりたたないし、卓も1つだけだから」

洋榎「うち、絹、久、あとひとりでええ」

絹恵「お姉ちゃんっ!?」

洋榎「別にコンビ打ち思うてもかまわん、久も信頼のおける誰かを選ぶとええ」

絹恵「せやけど……」

洋榎「絹、バスん中で覚悟は決めとけゆうといたやろ」

絹恵「うん。わかったわ」

洋榎「人選はまかせるで」

久「そうね。>>25で」

(選択肢:咲、和、優希、まこ)

咲「私ですかっ!」

絹恵「咲ちゃん……」

久「ええ。こういう場面で一番信頼できるっていえば、あなたじゃないかしら」

和「待ってください」

咲「和ちゃん?」

和「この勝負、私にやらせてください」

久「和?」

和「咲さんが出る必要はありません」

久「そうね。和でもかまわないかしら」
久(和、妹さんとさっきなにか揉めていたけど、宮永さんと関係あることかしら。面倒な目は早めに摘むべき、か)

洋榎「別に誰でもええ。誰でも来たらええやん」
洋榎(誰が相手でも勝つのはうちなんやが)

絹恵「お姉ちゃん、けどこういうときはせっかく指名したんやし」

洋榎「かめへんやん。どっちでも大して変わらん」

絹恵「そうはゆうけど」
絹恵(咲ちゃんだと明らかに強すぎるけど、でも一度しっかりと打ってみたい気も)

咲「和ちゃん」

安価なんてなかった

和「咲さん、大丈夫ですよ、私があなたに寄り付く人を退けてみせますから」 ヒッソリ

咲「そういうことじゃなくて……」
咲(安価の人も部長もごめんなさい、私どうしたらいいか)

久「じゃあ、始めようかしら」

洋榎「望むところや」

絹恵「お願いします」

和「お願いします」

>>29
安価が咲さんじゃなかったら和がでしゃばらなかったと思ってみた。


穏乃「ここが清澄高校かぁ」

憧「でもうちら朝練サボって平気?」

穏乃「玄さんの調子を取り戻さないとそんなこと言ってられないから!」

憧「そうだけどねぇ」

玄「がくがく」

穏乃「こっちかな……失礼しまーす」

まこ「いらっしゃい。あんたがたは阿知賀の人じゃな」

穏乃「はい。高鴨穏乃です」

憧「新子憧よ」

玄「松実玄です……」

まこ「はるばる遠くからすまんのぅ」

穏乃「いえ、こちらこそ、私たちの話を聞いてもらってありがとうございます」

まこ「まあ入んなさい、今ええとこじゃから」

タンヤオダブ南のせいで麻雀シーン大丈夫か不安になってきた

都合ID変わってるかもだが乗っ取りじゃない。


久(しかし、和が入るとか、はっきり言って計算外ね。宮永さんならこういう状況も平気なんだけど)

和(咲さんは渡さない咲さんはわたさない咲さんはわたさない……」

洋榎「けど、はるばる来たかいあるなぁ。って、なんでろーぴんやねん」ぱし

絹恵「お姉ちゃんそれマナー悪いわ」

洋榎「そういうこといちいち口にせんでええわ」

絹恵「せやけど」

久(まあ、こういうのも悪くないわね。さて、お姉さんのほうはどうかわからないけれど、さて妹さんはどうかしら?)
久「リーチ!」

和(部長飛ばしてますね……でも)

洋榎「こらあかんなぁ……」

絹恵「お姉ちゃん……」

久「ロン! リーチ一発、ドラ2、8000」

絹恵「え!?」
絹恵(今のって、やっぱり竹井さんの悪待ちだったん!?)

洋榎「絹、いまの見え見えの単騎ひっかけやないか」

>>36
それタンヤオつかんな。白ダブ南にしてくださいすみません。


絹恵「見えない見えない!」
絹恵(今の安牌に見えたのに上がられたから)

久「あり~♪」

和(相変わらずの悪待ち……ひどすぎますね。でも)

和(この愛宕姉妹の妹には絶対負けたくありません)

久(これ、絶対和は私と共同戦線してないわね)
久(ただでさえきつい相手との対局だっていうのにこれなんだから)

洋榎「大丈夫なんやろかこれ」

絹恵「ごめんなさい、お姉ちゃん」

洋榎「ええ、ええ、まだ始まったばかりや、これから取り戻したらええ」

絹恵「はい……」

洋榎(絹が萎縮せえへんように、なんとかしてやらんと)

東2局

久(さて、どうやら妹さんには通じそうだけど、この配牌はどうしたものかしらね)

和(……)

絹恵(やっぱりエトペンを抱いて打つんだ、原村さん。でも、私もいつまでもやられっぱなしではおられへん)

洋榎(絹、ええ手きとるようやけど、今回はうちも勝負手きとるから、さすがに譲れへん)

絹恵(テンパイ……でも、この牌切れるんやろか)

絹恵(あの人、はってるんやろか……これでこの牌切ってリーチできるんやろか)

洋榎(絹迷い過ぎや、そういうときはがつーんといったれやええのに!)

絹恵(でもまだ東2局、ここで勝負せえへんでどうするやろ)

絹恵「とおらば、リーチ!」

和「通りません。ロン、チートイドラ2、6400です」

絹恵(今度はこっち!? しかもダマとか分からへんわ!)

洋榎(絹また振り込み? あのピンクの捨て牌じゃ事故かもわからへんけど、気配とか匂いでわかるやろ)

久(あらぁ、和も容赦ないわね。ダマチートイなんてそうそう読めないわよ。こりゃ相当キレてるわね)

和(……)

絹恵(どうしよう、今のでダンラス一直線)

洋榎(絹、上がれればハネもあったのにもったいないわ……しかし、このピンクのおっぱい、この少ない巡目でようやるわ)

洋榎(インハイ制するだけあって、ちと絹には荷が重かったんやろか)

洋榎(せやけど、まだまだいけるで、流れはまだうちらに回って来とる)

東3局

久(さて、私の親番か。早々とあの姉妹から親番を流したとはいっても)

和(……)

久(和がもうじき発熱するだろうし、そうなるとちょっと手がつけられなくなるわね)

久(その前に、弱っているところを打つ)

洋榎(やっぱり調子あがっとるな清澄の二人。せやけど、このままやられっぱなしでおるうちとちゃうで)

絹恵(どうしよう、これやと私お姉ちゃんの邪魔しとるようやないか)

絹恵(とにかく振り込まない、上がらせない、お姉ちゃんが鳴きはじめたら鳴けそうな牌を切る)

絹恵(けど、配牌またすごくいい、三色といーぺーこー同時に狙えそう)

久(さて、この牌の意味は、と……)

和(……)

洋榎(来たわ)

洋榎「リーチ!」

絹恵(お姉ちゃんの先制リーチ!? でも、お姉ちゃん出和了りするんやろか……まだ一向聴だけど、これいけるやろか)

久(どっちも手が怖そう……でも、妹のほうはたぶんもう思いきれないはず)

和(……)

洋榎(ピンクのおっぱいはベタオリ、と。あとは久だけや。うちのほうが早かったからもういけるで)

洋榎(んーっ)

洋榎「一発逃したやないかっ!」

絹恵(お姉ちゃん今のツモでこなかったんやな。けど……)

久(ご丁寧にリーチしてくれたし、お姉さんからこぼれるのを狙えるかしら)

久「リーチ!」

絹恵(こっちも!? どないしよう。オリたくないけど、オリないとまた大きく……)

洋榎(絹もええ手きとるけど、ここはもったいないがあかんな)

絹恵(悪待ちしてるかもしとらんから、仕方ないけど)

久(さて、こぼれるかしらね)

洋榎(こい、こい。うちのあがり牌……)

和(……)

久(これは、流れるかしらね)

絹恵(ああ、もったいないわぁ……せっかくのいい手が)

洋榎(流さへん、絶対流さへんで)

久(仕方ないか……)

洋榎(人はあきらめが悪いもんや。ここで……あかんか)

流局。

久「テンパイ」

和「ノーテンです」

洋榎「テンパイ」

絹恵「ノーテン」

東3局 1本場

久(さて、親番を維持したものの)

和(……)

久(長引くと危ないわね)

久(発熱が若干遅れているのは、妹さんのほうが原因かしら)

久(宮永さんと優希かまこだったら、そろそろ発熱してもおかしくないころだし)

久(1発ハネればいけそうなんだけどなぁ)

洋榎(さて、どないなもんか)

絹恵(今度こそ、あがらなあかん。このままやと本当にハコってしまう)

久(ちょっと警戒してちゃんとさっきはオリてきていたし、単に悪待ちじゃだめか)

久(でも、私のやり方で待ち、私のやり方であがる。それを通せばいいのよ)

久(公式戦じゃない。もっと気楽にやりましょう)

和(……)

洋榎(さて、筋っぽく捨て牌をまとめられたテンパイ、ここでハメれるやろか)

絹恵(どうしよう、原村さんももうハッてそう、お姉ちゃんは筋ひっかけやろか)

長野県民としては咲見るべきなのだろうか

久(これは……一見筋待ちっぽいけれど、果たしてこの人がこの状況で筋待ちするかしら)

久(明らかに単騎かシャボで網を張ってるわね。手もまだできていないし、オリたほうがいいかしら)

和(……)

洋榎「あんた、うちの妹に喧嘩うっとったようやな」

洋榎「デジタルの化身とかようゆうとったやろうけど、うちの妹に手出した代償は高くつくで」

洋榎「ツモ! ホンイツトイトイ中、ドラ3、4100、8100や」

絹恵「お姉ちゃん……」

久(そこで和に喧嘩買うかしら……けど親かぶりで直撃分が消えたわね。けど、ツモアガリだと妹さんきついんじゃないかしら)

絹恵(お姉ちゃんには久さんに勝ってほしいけれど、のこり6500、私ハコになるんやろか)

これの前スレってあんの?

>>57
聖地に長野県が使われているかなくらいで、地元ネタっぽい雰囲気はしないから、
萌え(燃え)麻雀ものとして楽しめないと若干大変かもしれない。


洋榎「絹、もっと気合い入れんとハコるで」

絹恵「はい……ごめんなさいお姉ちゃん」

洋榎「相手はスタンドプレーや。とにかく速い手でええからひとつでもアガること」

絹恵「わかったわ、なんとかがんばってみるわ」

久(お姉さんからアドバイスあったみたいだけれど、このままだとお姉さんがきっちり決めそうね)

久(さて、どう巻き返すか)

現在の点数

久:24900 和:27300 洋榎:41300 絹恵:6500

>>61
咲「妹選手懇親会に参加したんだけど……」が前スレかな。


東4局 親:和

和(……)

洋榎「おう、顔赤くしたりしてどないしとるんや、何かゆーてみー?」

絹恵「お姉ちゃんっ」

久(あっちゃあ、もう発熱しちゃったか)


穏乃(何、ずっと見てるけど、みんなすごい手ばっかりはってるっ)

憧「ねえシズ、和の様子がなにかおかしくない? なんか顔が赤くなって」

優希「ああなるとのどちゃんは手がつけられないじぇ。あのふたりも終わったな」

穏乃「あなたは……」

優希「のどちゃんの中学からの同級生だじぇ」

憧「じゃあ、和の全中時代のクラブメイトなわけね」

玄「あわ、あわ」

まこ「あんまり外野がさわがしくせんで、静かにみちょけ」

久(ああなった和はさすがに手に負えなくなるわね。しかも和の親番ときたものだ)

和(……)

洋榎(知らんがなそんなもん。うちはうちのやり方でやるだけや)

絹恵(どうしよう、速攻しなきゃあかんのに、ぜんぜん手がまとまっとらん)

絹恵(なんとかそろえなきゃ……)

久(さて、和が独走する前に、あの姉妹より早く止めないと)
久「チー!」

絹恵(鳴かれた!?)

洋榎(どうやらあの状態は久も警戒する状態みたいやな)

和「リーチ」

絹恵(こんな巡目でリーチ!?)

久(これはだめかなぁ……)

和「ツモ、リーチ一発ツモ、2000オールです」

絹恵(これで4500、どないしよお)

洋榎(あかんな、絹恵が危うすぎるわ)

穏乃「速い!?」

憧「あんな巡目でアガるなんて!?」

まこ「まあ今のは運がよかっただけじゃあ。とか和は言いそうじゃな」

咲「和ちゃん……」

玄「……っ」

久(まあ今回のは事故と思ったほうがいいわね)

洋榎(絹をハコらせてトップになるんはちょと気が引けるで)

洋榎(せやけど、うちは差込みで助けるとかそういうんは苦手や。絹には自力で這い上がって欲しいわ)


現在の得点
久:22900 和:33300 洋榎:39300 絹恵:4500

東4局4本場 親:和

久(と、手を早めようとしても追いつかないと)

洋榎(ありえへんわ。安手ばかり2回連荘とか)

洋榎(けど、絹の点数を紙一重にするには十分すぎやな)

絹恵(直撃を避けられただけでもましなんやろか……けど、3200オールの手もろたらそれで終わってしまう)

絹恵(ここまであかんようなるのは、やっぱり私お姉ちゃんのそばで打つのむかんのやろか)

絹恵(咲ちゃんにもいろいろアドバイスもらっても、お姉ちゃんにもアドバイスもらってもぜんぜんあかん)

絹恵(お姉ちゃん……どないしたらええねん)


咲”思いが大事なんじゃないかな?”


絹恵(気持ちだけじゃどうにもならへんわ……どないしよう)

絹恵(こんなときにドラ4つ、でもぜんぜん手が進まないわ)

絹恵(どないしよう、どないしたらええねん)

和「ポン」

絹恵(あかん、生牌鳴かれた……)

洋榎(あかんわ、絹の気配が完全に死んどる。このままやとほんまにハコなんやで)

久(これは、あのこももうおしまいかしら)

洋榎(今回かぎりやで、絹)

洋榎(せっかくやけど、あんさんらの大将と同じまねできるかわからへんけど、無理させてもらうで)

洋榎「カン!」


外野「カン!?」

憧「いくらなんでも今のカン無茶すぎない?」

穏乃「違うよ憧、あのたぶん、お姉さんだっけ? のほうが、妹さんを助けようとしてる!」

憧「そうなの?」

優希「カンでドラ増やして手助けなんて咲ちゃんみたいだじぇ!」

玄「手助け……」

絹恵(お姉ちゃん!?)

洋榎(道作れたかわからんけど、どや、少しはお姉ちゃんらしいか?)

絹恵(……カンドラが増えて、ドラ6!? それに、これなら)

絹恵「リーチ!」

久(これはこれは、美しい姉妹愛だこと……)

和(……)

洋榎(直撃なんてええ。うちから少し貰ってかめへん。けど今親なんは)

洋榎(あんたの恋のライバルとちゃうか!)

絹恵「ツモ! リーチのみ! 裏ドラは……ドラ10! 6400、12400!」

久(うっわ、ものすごいドラ爆)

洋榎(ようやったわ、絹)


玄「すごい……絹恵さん……」

穏乃「ドラ10とか、玄さんでもなかなかないよ!?」

憧「玄はドラ増やすと手が詰まるからね。でも……あの二人も仲よさそう」

穏乃「って、玄さん? この人と名前で呼び合ってるし!?」

絹恵(すごい、3倍満なんて初めてアガったかも)

和(……………)

久(和としちゃあ、こんな大きな手で親かぶりとかかなりきついわね)

洋榎「どや、これがうちらの姉妹パワーや」

久「さすがね。でも、妹さんを手助けしてどうするのかしら」

洋榎「さっきゆうてへんかった? これはコンビ打ちでもある」

洋榎「点数合計も評価のひとつやねん」

久「そういうことか。じゃあそんなに私も負けてられないわ」

洋榎「せやけど絹、今のドラ爆、よう決めたわ」

絹恵「偶然やわ。けど、最近玄ちゃんが元気ないみたいやったから、少し励みになったやろか」

洋榎「玄ちゃん? て後ろにいるこか?」

絹恵「きとったの気づいてへんかった?」

洋榎「麻雀集中しててわからんかったわ」

絹恵「でもこれで、うちにもまだチャンスはありそうや」

洋榎「その意気やで、絹」

久(さて、相手は息を吹き返しちゃったわけだけれど)

久(和は相変わらずね。さて、ここからどう転ぶかしら)

現在の得点

東4局1本場全員テンパイ流局後、
東4局2本場と3本場終了時
久:21400 和:37800 洋榎:37800 絹恵:3000
東4局4本場終了時
久:15000 和:25400 洋榎:31400 絹恵:28200

南1局 親:洋榎

洋榎(けど、姉妹愛でまじであんな大物手を引き寄せられるもんなんやな)

洋榎(おかげで久が今ラス、この調子で一気に突っ走る)

和「ツモ。400・800です」

洋榎(って、なんやこの手! けどチートイだけとかでうちの親流すとかありえへんやろ!)

絹恵(ほわぁ)

南1局終了時

久:14600 和:27000 洋榎:30600 絹恵:27800


南2局

久(さて、今私がラスと。和も発熱してるし、あの姉妹を切り崩すなら今の調子づいているときしかないかしら)

久(和は速攻で攻めてもトップに届きそうだから、私はなんとかあのふたりを崩さないと)

久(お姉さんはともかく、まだ妹さんはつけいる隙があるはず)

久(あれだけの手をあがって気持ちが舞い上がっているはずだから)

和「ポン」

久(オタ風ポン? すでに特急券つかんでいるか、染めているか)


憧「和完全に速攻モード入ってるんじゃない?」

まこ「もしかしなくてもそうじゃろ」

優希「こうなったのどちゃんはもう誰にも止められないじぇ!」

洋榎(オタ風ならそないに手もはようないやろ)

和「ポン」

親:絹恵


絹恵(2連続ポン? これってまさか)

和「ツモ。發のみ、400・700です」

洋榎(また安手!? せやけどこれって)

久(この調子で速攻決めたら、まずトップね)


南2局終了時
久:14200 和:28500 洋榎:30200 絹恵:27100

南3局 親:久

久(さて、これ以上和に速攻させて終わらせてしまうのも、何かとおもしろくないわね)

久(なにより、私がラスで終わるのが納得できないわ)

久(こういう場合は、ちゃんと強い人がトップで終わらないといけないものなのよ)

久(この親で、きっちり決めるわ)

洋榎(悪くない配牌やのに、まったく手がおいついとらん。デジタルの化身とか馬鹿にできへんな)

絹恵(あかんあかん! 3倍満あがってうわついとったらもう南3局やん! 私も落ち着いていかなあかん)

和(……)


咲「和ちゃん……」

穏乃「気になります?」

咲「ええ、あなたは決勝で戦った」

穏乃「高鴨穏乃です。和って、すごいですよね」

咲「うん、ああなった和ちゃんは、私もたまに手に負えないときがあるから」

穏乃「宮永さんでも……?」

玄「し、穏乃ちゃんっ……」

和(……咲さんに、穏乃……玄さん……)

和(あなたたちまで……咲さんに……)

和(この勝負が終わったら、次はあなたたちです)

久(あちゃあ、宮永さんもモテモテねぇ。和も大変なこと。でも、今そんなことを果たして考えている場合かしら)

久(逆境になればなるほど、冴えてくる気がするのよね)

久「リーチ!」

久(誰かがはってるかもしれないけれど、リスクはらう価値はあるでしょう)

洋榎(親リーかい!)

絹恵(えええ!? これ切ればリーチできたのに、これ間違いなく地獄単騎や……)

久(さて、あとは和の手がどうなっているかよね)

和(……)

久(どうやらオリっぽいわね。さて、妹さんはどう出るかしら)

絹恵(手を変えるの間に合わない、かといってこれ間違いなくこの人相手には危ない……)

絹恵(お姉ちゃん……っ!)

洋榎(それや!)

洋榎「ロン! ピンフのみで1000や」

洋榎(絹、ようやったで)

絹恵(差し込めた!)

久(今の親っパネできたのにもったいないわ……しかし、今のお姉さんの手、妹さんの差込みを期待した筋手だったのね)

久(わかりやすいけれど、私の気配を察しての差込待ち、やっぱりちゃんとしたコンビ打ちされるときびしいわね)

和(……)

久(さて、オーラスかぁ)

南3局終了時

久:14200 和:28500 洋榎:31200 絹恵:26100

オーラス 親:和

久(さて、和が親だけれど、どうしようかしら)

和(……)

久(トップになるまでで終わるだろうけれど、果たして)

洋榎(速攻できればうちがトップ、久はラス、うちが久に勝つのはもちろん、うちと絹の姉妹が清澄に勝つことになるんや)

絹恵(これ……)

洋榎(絹? なんか絹の様子がおかしいな、何かあったんやろか)

絹恵「リーチ!」

久(ダブリー!?)

洋榎(それでおかしな目しとったんやな、ならええ。絹がトップで終わることになるんやろか)

絹恵(お姉ちゃんが助けてくれて戻れた点、お姉ちゃんに返せた点)

絹恵(うちが決めれるやろか、この勝負!)

和(……負ける?)

洋榎(けどそれはうちが開いた道や、絹。絹は」

絹恵(きた……!)

洋榎「うちの、自慢の妹なんやで!!」

絹恵「ツモ! ダブリー一発赤ドラ! 2000・3900!」

久(ラス……か)

和(……!?)


まこ「終わったな」

優希「あの姉妹が勝ったじぇ……和ちゃんの速攻が負けたじぇ……」

咲「和ちゃん……」

玄「あきらめなかったからなんだ……」

穏乃「玄さん?」

玄「穏乃ちゃんみたいに、諦めなかったから、最後に絹恵さんに運が味方してくれたみたい」

まこ「そういうことじゃ」

咲「でも、すごく素敵な勝負だった」

まこ「宮永さん、あんたが出とったら勝ってたか?」

咲「それは……私が今言える話じゃないと思います。

絹恵「お姉ちゃん!!」

洋榎「よう、やったな絹。うちらが勝った。それに、絹がトップやで!」

絹恵「そんなの偶然や。私何もしてへん」

洋榎「そないに謙遜せんでええ。勝ちは勝ちや。まぁ、少し運が味方してくれたくらいやから、今度は実力でもぎ取れるようにせえ」

絹恵「うん、うん」

久「あーあ、果し合いに負けちゃった。でもあなたたち相手じゃ仕方ないか」

和「いいえ、今回は偶然に負けたんです」

久「そうかしらね?」

和「そうです」

久「まあ、そういうほうが和らしいかしら」


最終結果
久:12200 和:24600 洋榎:29200 絹恵:34000

それより先輩二人が咲によそよそしいで

>>92
そういえば、まこは咲を名前呼び捨てだったなすまんぬ。



洋榎「これでうちの、うちらの勝ちや。果し合いの決着として文句ないやろ?」

久「そうね。あなたに、というよりは、あなたたちの姉妹の絆に負けちゃったわ」

洋榎「せやなくても、うちはあんたより倍以上の点差をつけとったからな」

久「そういうことにしておくわ。私ははるばる私との縁のために足を運んでくれたあなたの苦労をねぎらってあげたいもの」

洋榎「せ、接待ゆうたら許さんで」

久「まさか? 私も全力でやったんだから、それは信じて」

洋榎「当たり前や。全力やないゆうたら、絶対許さへん」

久「わかったわ。でもありがとう、私もひさしぶりに燃える勝負ができたわ」

洋榎「まあ、また、また打ちたいな」


玄「絹恵さんすごかったよー」

絹恵「今回のは偶然で、たまたまで」

玄「でも、なんだか元気出てきた感じ」

絹恵「それならええけど」

咲「おめでとうございます、愛宕さん」

絹恵「おおきにな。せやけど咲ちゃん。ここには愛宕さん二人おんねんで。私のことは絹恵でええねん」

咲「あはい、絹恵、さん」

和「……」
和(勝ったから咲さんに祝福の言葉貰うんですか。仲良しで結構ですねっ)

まこ「なにむくれとるんじゃ」

和「知りません」

優希「のどちゃんには私がついてるじぇ」

和「優希と咲さんとはそれぞれで大切さが違います!」

まこ「それは縦の意味じゃろか」

和「横の意味です」

優希「たて? よこ?」

京太郎「ただいまぁ……てか、買出しにいちいち飯田まで行かなきゃならないとかありえないだろ」

優希「よくやった犬!」

京太郎「犬じゃねえ!」

まこ「けどらしくないな旧部長、ぼろ負けもええとこじゃろ」

久「いいのよ新部長。和と私がスタンドプレーで、あのふたりはちゃんとコンビ打ち」

久「運もあったかもしれないけれど、お互いを助け合っている二人には、さすがにどうしようもなかったわよ」

久「悪待ちしてもすぐひっかからなくなっていたしね」

まこ「そうじゃなぁ。さすがに姫松の元主将と新主将じゃわい」

久「もし、和の位置が宮永さんだったら、って思ったけれど、そうも言えないわね」

久「今は、あのふたりをお祝いしてあげましょう」

久「はいはい、買出し部隊が戻ったところで、遠くからはるばる来てくれたこの5人の歓迎会しましょう」

京太郎「はい……めちゃくちゃ疲れました」

優希「ご苦労!」

玄「わざわざありがとうございます」

絹恵「おおきにな」

京太郎「はひ……」

タンヤオダブ南がおかしいと思った場合は>>38見てください。
ご迷惑おかけしてすません。

和「それより旧部長」

久「何かしら」

穏乃「和……?」

和「奈良の旧友たちと打っていいですか?」

久「それはどういう」

和「いえ、ちょっと」

久「ふーん。別にいいけれど?(さっきの咲への語りかけのせいかしら)」

穏乃「和、いいの?」

和「むしろ大歓迎です」

憧「ちょっとシズ!? (和めっちゃ怒っているように見えるんだけど)」

久「でも、まずは乾杯を終わらせてからね」

和「それはかまいませんけれど」

穏乃「やった! また和と打てる!」

和(あなたみたいな人に咲さんは渡しません)

でも>>38の白ダブ南だと3900じゃなくて5200になるな。
まあお話上の結果は変わらないのでスルーしてくだされ。


久「さて、ようこそ清澄高校へ。愛宕さん姉妹と、和の奈良の旧友さんの、遠くからわざわざ来てもらったことを祝して、乾杯!」

一同「かんぱーい!」



和「さて、乾杯も終わったので」

穏乃「いつでもいいよ!」

憧「シズ!?」

穏乃「憧も入る?」

憧「もう、仕方ないわね(シズに言われるとなんか逆らえないのよね)」

優希「お、のどちゃんリベンジか? 私も入っていいか?」

和「かまいませんよ」

咲「こないだぶりですね、絹恵さん、松実さん」

玄「は、はひ」
玄(だめぇ、なんできちゃったんだろう)

絹恵「こないだぶりやな咲ちゃん」

咲「さっきの試合、おめでとうございます」

絹恵「おおきにな。せやけど、あの原村さんやなくて咲ちゃんだったらきっとぼろ負けやったわ」

絹恵「咲ちゃん相手やったらまず勝てる気がせえへん」

咲「そんな、大げさですよ」

和(咲さんがまたあの人と……いえ、まずは目の前の穏乃と憧を、片付けます)

優希(のどちゃん目がこわいじぇ。咲ちゃんがのどちゃんを捨てたりしないのわかってても、やきもちには勝てないのね)

穏乃(やるぞぉぉぉぉ!! 和と久しぶりの、久しぶりの麻雀、ずっとずっと楽しみにしていたんだ!」

憧(穏乃……和の感情完全に無視してるわ。和はあの宮永咲ってこにさっき話しかけたことを根に持っている感じなのに)

玄「(カタカタ)」

絹恵「ああ、まだひきずってたん? 咲ちゃんからなにか言ってあげて。あのあと、奈良の子からも何があったか聞かれてて」

咲「松実さん……」

玄「ひっ!?」

咲(衣ちゃんもこんな感じだったのかな。お姉ちゃんも)

玄「宮永さんお願い、近くには」

咲「松実さんは麻雀嫌いですか?」

玄「っ!?」

咲「私は、麻雀部に入るまで大嫌いだった」

玄「?」

咲「最初は楽しかった家族麻雀が、いつのまにか家族を半分にしちゃってて、みんなのこと大好きでも、会っても話せなくなるくらいにさせられて」

咲「けれど、ここにいるみんなが、麻雀部の人が、大会で試合してくれた人が、どんどん私に麻雀の楽しさを教えてくれて」

咲「どんどん好きになっていったんだ」

玄「でもわ、私は」

咲「あの大会でお姉ちゃんとも仲直りできて、麻雀を好きになれてよかったと思ってたんだけれど」

咲「もし、私のせいで誰かが麻雀を嫌いになったりしたら、どうしようかって」

玄「麻雀は絶対、嫌いになったりなんかしない!」

玄「だって麻雀は、私の大切な人をつなげるものだから!」

玄「でも、怖いの。宮永さんといると、しばらくの間ぜんぜん動けなくなっちゃうの」

玄「それに、誰かが麻雀しているときにカンされると、その後記憶が飛んじゃって」

玄「どうしたらいいかわからない……でも麻雀捨てたくなんてないよ」

洋榎「なるほどな」

絹恵「お姉ちゃん?」

洋榎「松実さんやっけ? あんた、目の前のもんのうわべだけに踊らされてるとちゃうか?」

絹恵「お姉ちゃんっ」

咲「絹恵さんのお姉さん……?」

玄「うわべ?」

洋榎「そや。うちかてその清澄の大将からオーラ感じるねん」

絹恵「そうなん?」

洋榎「うちくらいになればわかるわ。せやけどな、それだけ強そうやと逆に「負けるもんか、絶対勝つわ!」って燃えてくるねん」

絹恵「それはお姉ちゃんだけじゃ」

洋榎「絹は黙っとき。ええか、よう見てみ。おんどれよううちの絹に恥さらさせおったな」

咲「ひっ!?」

絹恵「お姉ちゃんそんなこと咲ちゃんしとら……」

洋榎「見てみ。ちょっと脅かすだけであんたのトラウマはこんな感じや」

咲「」

玄「え……?」

洋榎「あんた、阿知賀のドラゴンロード言われてる人やし、きっと見えないものまで見えとるんかもしれへんけど」

洋榎「よう見てみ。ちゃんとした目で見て、それから意気込み強くもって当たればええ」

洋榎「っと。宮永さんか。脅かして悪かったな」

咲「いえ……」

玄「あ……」

洋榎「それに、松実さんは絹とようやっとるみたいやし。これからもよろしゅうたのむわ」

玄「あ、はい。それは」

洋榎「そいえば、絹から感じた匂い、なんかあんたのものに似とるな」

玄「え!? あのそれは」

絹恵「お姉ちゃんっ!」

洋榎「まあ絹のことやし……あかんようにしたら許さん。せやけど、絹にはもっとええ人おるみたいやけどなぁ?」

咲「??」

洋榎「まあええわ。お姉ちゃんのおせっかい終わり。久ー」

絹恵「もう……」

玄「ちゃんと見る、か……」

まこ「なんじゃやぶからぼうに」

洋榎「まあええやないか。もっとのものも」

久「あはは…わたしはそんなにいらないわよ」

洋榎「遠慮せんとぐーっといきなぐーっと」



絹恵「かんにんな、玄ちゃん」

玄「いえ、でも少し気持ちが変わった気がする」

咲「気持ち?」

玄「っ!? うん。落ち着いて、落ち着いて……」

玄「あの、宮永さん!」

咲「は、はい!?」

玄「私、麻雀大好きです! だから宮永さんも落ち込まないでくださいね!」

咲「あ、はい。よかった、です」

玄(うっわ、そういえば宮永さんって、よく見るとかわいい……)

和(玄さんまで宮永さんに……まとめてハコりたいですね)

和「ロンです」

穏乃「うそおおおおん!」

優希「これで穏乃のひとりまけだじぇ」

穏乃「認めない! まだ私は諦めない!」

憧「何言ってるのよ。私が3位で、穏乃がきっちりハコられたのよ。そこのタコス少女と和にね」

優希「私とのどちゃんの仲は誰にも引き裂けないんだじぇ!」

和「当然です」

憧(東場でタコス少女にがりがり削られたあげく、和の速攻のアガリに負けたのか)

憧(もっと私も速さを磨かないとだめだわ)

諸事情で1時間ほど空けてて申し訳ない。


京太郎「で、なんで俺は酌してるんですかーっ」

久「別にしてほしいなんて頼んだ覚えはないわ」

まこ(そう調教したのあんたじゃろ……)

洋榎「その調子でどんどん持ってこーい!」

京太郎「へいへい」

洋榎「あんた、はいは一回ってならわんかったんかい?」

京太郎「はーい」

洋榎「伸ばす必要もあらへんで!」

京太郎「はい!(なんか今日、厄日だな……)」

まこ(こっちにも鬼がいた)

久「で、主目的は果し合いばかりじゃないんでしょ?」

洋榎「まあな。うちとてそれだけじゃ一泊までして会いに来たりせえへん」

久「だとしても、この状況よ? 人数多いし」

洋榎「別に人数とか関係あらへん。だいたい、それぞれがぞれぞれの目的で来とるんとちゃうか」

久「そういうものなのかしらね」


穏乃「和、めちゃくちゃ強くなったよね、びっくりしちゃった」

和「穏乃より努力していましたので当然です」

優希「当たり前だじぇ。のどちゃんは自慢の嫁だからな」

穏乃「ちょっと、ことあるごとに和が嫁って、私だって」

憧「シズなに意地はってんのよ」

穏乃「意地はってんじゃないって!」

優希「もっと雀力を詰んでから出なおすんだな。のどちゃんは自分より強い人がいいんだじぇ」

憧「そういうあなたは和より強いの?」

優希「う、それは、強いじぇ」

和(咲さんに比べたらあなたたち3人ともあまりかわりませんが)

和(それより咲さん……)

憧「ふーん」

憧(和だって心ここにあらずなんだから、シズも諦めればいいのに)

玄「でも、ちょっと物足りないなぁ」

咲「物足りないって何がです?」

玄「決まってるじゃないですかほら、女性のステータスといえば」ワッシワッシ

絹恵「そういって私の大切なもの全部奪った人はどこのだれや」

玄「絹恵さんまだ根に持ってるんですかぁ?」

絹恵「当たり前やないか」

玄「そういう絹恵さんだって私の守っていたもの奪っていったじゃないですかー」

絹恵「目には目を、ってことよ」

咲「?」

絹恵「まあ、玄ちゃんがちょっと物足りないなら、私が咲ちゃんもろうてええんやな」ダキッ

玄「それはそれでなんか複雑な感じ」

咲「ああああの」

絹恵「んー? なんなら絹お姉ちゃんでもええんやで?」

咲「そういう意味じゃなくて」

咲(どうしよお、和ちゃんの視線がきつくて冷たいよぉ)

洋榎「そういうわけでそれぞれお互いの交流楽しんでるんや。問題あらへん」

久「あら、こうなるのわかっててやったりしていた?」

洋榎「そう受け取ってもろたらもっとうれしいわ」

久「だけどねぇ」

まこ「おつかれさん。せっかく遠くから来てもらったじゃろが、旧部長にはすでに」

洋榎「ええ人って、まさかおんどれのこと自分でゆうとるんやないやろな?」

まこ「さあな」

洋榎「しら切るなら別にええで。うちはうちのやり方で久を振り向かせたる」

久「?」

まこ「おもしろいこといいよるの。じゃったら勝負するか?」

洋榎「何でもええで。麻雀なら特に負ける気もせん」

まこ「麻雀脳で決めるわけにいかんじゃろ」

久「ストーップ。せっかくの会なんだから、もっとお互いのことを知り合うようにしたらどう?」

洋榎・まこ「無理」

久「あらぁ」
久(これはお手上げね)

洋榎「早食い勝負でええなら負けへんで」

まこ「上等! わしかてそれであんたに負ける気さらさらないわ」


穏乃「でも和と打てて楽しかった」

和「私は別に」

穏乃「せっかくこうしてまた会えたんだから、どこか遊びにいきたいな」

憧「シズ、今はまだ部活中でしょ。外出歩くなら、終わってから」

穏乃「えー、いいじゃんか別に」

和「憧の言うとおりです。今日は、穏乃をハコらせていないと気がすみません」

穏乃「和言ったな! 今度は逆にハコらせてやるぞ!」

和「できるならやってみてください」

優希「もう一回か? ならつきあうじぇ」

憧「仕方ないわね」
憧(また同じ流れになりそうな気がするけど、今回のは穏乃本人じゃなくて、たんにやつあたりじゃないの?)

和(咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん)

咲(うわ、和ちゃんから何かひどいものを聞いた気がするよ……)

玄「絹恵さんそんなにおもち押し付けるの反則じゃないですか」

絹恵「いいやないか別に減るものでもないし」

玄「絹恵さんのおもちの価値が削れますっ!」

咲「あ、あのあの」

絹恵「ふっ」

咲「きゃっ! みみみみみみ」

絹恵(あのピンクのこ、ずっとこっち見ているけれど、あんたは負けたんやで。それは確か)

絹恵(今日くらいはええ思いさせてもらうで)

絹恵(それに、咲ちゃんが怯えてる理由があんたなら、私が守ってあげるねん)

絹恵「んー? どないしたん?」

咲「今みみみみ」

玄「ふぅっ」

絹恵「きゃんっ!?」

玄「絹恵さん、宮永さんにこういうことしてませんでした?」

絹恵「しとらんわっ」

玄「そう思えたんですけど」

絹恵「あんたは油断も隙もないやん」

玄「油断も隙もあると助かります」

絹恵「見せとうないわ! けど……」

玄「?」

絹恵「少し、元気そうでよかったわ」

玄「それはもう! まだちょっと怖いけど、絹恵さんのお姉さんの言葉で目が覚めた気がするから」

玄「たぶん大丈夫」

絹恵「そやろー私の自慢のお姉ちゃんやねんで」

玄「いいなぁ。でもうちのお姉ちゃんだって」

咲「そ、それなら私のお姉ちゃんも!」

絹恵「咲ちゃんのお姉さんはちょっと肌にあわんけどなぁ」

玄「あの人は本当に怖い」

咲「そんなことないです! 優しいよ、すごく」

絹恵・玄「それは妹だからや・だよ!」

咲「そうなのかな……」

絹恵・玄「うんうん」

絹恵「まあそんなことはどうでもええねん」

絹恵「さっきのも、咲ちゃんのアドバイスがあったから勝てた気がするねん」

咲「私のアドバイス?」

絹恵「ほら、"お姉ちゃんへの思い"っていうような感じのあれ」

咲「ああ、でもそれで役に立ったんですか?」

絹恵「めっちゃ役に立ったわ。おかげで勝てた気がする」

咲「よかったですけれど、でも和ちゃんが」

絹恵「咲ちゃんやっぱりうちのよりあのこのオモチのほうがええんか? んー?」

咲「そういうわけじゃなくてその」

玄「和ちゃんが怖いの?」

咲「……!?」

玄「そっか。最強の高校生にも怖い人いるんだ」

咲「ちちちが、和ちゃんはその、そういうわけじゃなくて」

絹恵「やけるなぁ、他の女の話とか」

咲「うう……(ごめんなさいほんとごめんね和ちゃん)」

玄「私としては絹恵さんが宮永さんとべったりなのも気になりますっ」

絹恵「ええやんええやん。細かいことはええやないか」

玄「細かくないしどうでもよくないことないから!」

咲「あの」

2人「何?」

咲「また打ってもらえますか? 麻雀」

玄「びくっ」

絹恵「当たり前やん」

玄「あの、私は」

絹恵「玄、トラウマ克服するチャンスやないか。今日はしっかり勝つつもりでいけばええねん」

玄「で、でででも」

絹恵(うちかてそう簡単に負けない。玄ちゃんのことサポートしたるからコンビ打ちで倒そ)

玄(は、はい……)

絹恵「そろそろ空くか~?」

穏乃「ごめ、もうちょっと……」

穏乃(ここでは負けられない、もうハコにされるなんてまっぴらだ!)

和「ツモ」

穏乃「うああああ! また和がアガリとか。しかも満貫の親かぶりとか……」

優希「またしずのんのハコだじぇ」

憧「仕方ないわねぇ」

和「ありがとうございました。ではさ……咲さんっ!」

咲「和ちゃん、ごめんねひとりにさせちゃって」

和「いえ、昔の友人がいたので、有意義に過ごせましたから」

咲「よかったっ。じゃあ交代で卓使っていいかな?」

和「いいですけど……私もまたはいっていいですか?」

穏乃「うへぇ」
穏乃(ずっとうちっぱなしなのにタフだなぁ和)

咲「うん、いいよ」

絹恵「じゃあ、玄のトラウマ克服プログラムといきましょうか」

さて、ここでいったんしめ。

次の構想はあるけど、明日書けるかわからないので保守は任意でよろ。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月27日 (日) 20:08:28   ID: jD8mWkET

カプ厨の糞SS
安価なんてすんなよ

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