男「小さい頃の復讐のために」幼馴染「なんと」 (154)

男「付き合ってください」

幼「なんと」

男「ダメか?」

幼「何故大丈夫だと思ったのか」

男「ダメか」

幼「復讐のためと言われてうんと頷く女が居るかっ」

男「なんと。では失礼」

幼「ちょっとまて、まだダメだとは言ってない」

男「なんと。では?」

幼「よかろう」

男「なんと。まさか成功するとは」

幼「なんと」

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ただ単に男と幼馴染の一生をダイジェストでお送りするお話です

エロはありません

男「いや、お前の言うとおり、こんなこと言って付き合ってもらえるとは」

幼「なんと。しかし、ずっと前から私がお前が好きだったんだ」

男「なんと。初耳」

幼「だろうな」

男「じゃあ、よろしくな」

幼「よ、よろしく///」

男「照れ顔にドキっときました」

幼「なんと」

幼「男よ。一緒に食べよう」

男「なんと。よかろう。では、そこに座るがいい」

幼「では失礼する」

男友「・・・」

幼「友くん、お邪魔するぞ」

男友「おう」

男「おし、では早速、食べさせてもらおうか」

幼「なんと。よかろう。口を開けるがいい」

男「なんと。そこはそうではないだろう?」

男友「・・・」

幼「なんと。で、では・・・あーん・・・」

男「あー・・・ん、美味である」

幼「なんと。それはよかった」ニコッ

男友「お前ら付き合ってんのか」

男幼「なんと。何故バレたのか」

男友「すげーなお前ら」

幼「もしよければ、明日から弁当は私が作ろうか?」

男「なんと。それはありがたい。是非お願いしたい」

幼「よかろう。楽しみにしてるがよい」

男「なんと。必要以上に期待しておこう」

幼「なんと。やめい」

男友「お前らって、何がきっかけで付き合ったの?」

男「な、なんと。それを聞くのか」

幼「男から付き合って欲しいと告白された」

男「なんと。簡単に暴露していくスタイル」

男友「・・・そんな度胸お前にあったのか」

男「なんと。お前はどんな目で俺を見ていた」

男友「へたれ」

男「なんと」

続きます

そして再開

男「今度夏祭りに行こう」

幼「なんと。お前となんか行きたくない」

男「なんと。それはなぜだ」

幼「お前は型抜きばかりをしていて面白くない」

男「なんと。型抜き。面白いではないか」

幼「たわけ」

男「仕方ない。当日はお前の行動に全てを委ねよう」

幼「ならば仕方ない。よかろう」

幼友「何してんのー?」

男友「二人のイチャイチャを眺めてる」

幼友「やっと付き合ったんだ」

男友「なんと。貴様、いつの間に」

幼友「口癖移ってるよ」

夏祭り当日

男「おお、素晴らしい」

幼「なんと。それはよかった」

男友「おー綺麗じゃん」

幼友「あんまり嬉しくない」

男友「帰るわ」

男「なんと。落ち着け」

幼「落ち着くんだ」

幼友「悪かったって。ほら行こ。花火上がる前に、なるべく回りたい」

幼「そうしよう」

男友「・・・おう」

男「なんと。足元に気を使え」

幼「了解」

バッドエンドはヤメテぇぇ

>>13
さて、どちらでしょうね

最後のお楽しみです

では再開します

ドーン

パラパラパラ・・・

男「どーよ」

幼「なんと絶景な」

男友「よくこんなところ見つけたな」

幼友「人も居ないし、花火も見やすいし、いい場所だ」

男「俺の彼女のために必死で見つけました」

幼「なんと。あまり照れることを言うな///」

男「ふはは」

幼友「・・・あートイレ行きたい。男友、ちょっと付き合いなさい」

男友「お、おう?」

ザッザッ

男友「トイレくらい一人で行けよ」

幼友「もう少し、屋台回ろ。あいつら、ふたりっきりにしたほうがいいでしょ?」

男友「・・・それもそうだな」

幼友「あんたとデートなんてやだけどね」

男友「そこまで言うことないだろ」

ドーン

幼「ほあー・・・」

男(・・・花火の明かりに照らされた幼の横顔。とても綺麗だ)

幼「・・・ん?どうした。私の顔に何か付いてるか?」

男「いや、可愛いなと思って」

幼「なんと。可愛いと言うなっ」

男「何故ダメなんだ」

幼「恥ずかしいだろ」

男「なんと。ではなんと言えばいい?」

幼「・・・好きと・・・言ってくれ」

男「・・・///」

幼「・・・///」

ドーン

ドドン

幼「そ、それより、復讐するためと言っていたのを今思い出したんだが・・・」

男「あ、ああ・・・まだ出来るかわからない。だが、いつかはする」

幼「なんと。相手は誰だ?」

男「お前だ」

幼「なんと。えっ?」

男「・・・まぁ、深く考えんな。別に大したことするわけじゃない」

幼「なんと。しかし」

男「別に、お前を悲しませる様なことはしない。俺はできる限り、お前を幸せにするつもりだ」

幼「なんと。ますますわけがわからんぞ」

男「なんと」




男友「戻ってきたのはいいが・・・」

幼友「何故あのシチュでキスをしないっ!!」

男友「こっちのほうが熱くなってやがる・・・」

クリスマス

男「クリスマスだ」

幼「そうだな」

男「やることがないな」

幼「そうだな」

男「あの二人誘って遊ぶか」

幼「なんと。聖夜は二人きりで過ごすものではないのか?」

男「なんと。・・・いいのか?」

幼「い、いいとは何がだ?」

男「その・・・」

幼「ば、馬鹿者!!エッチな事はNGだ!」

男「えっ」

幼「えっ」

男「キスの方を期待したんだ・・・けど・・・」

幼「なんと・・・///」

男「顔、真っ赤だぞ」

幼「こっちを見るな!」

大晦日

男「さて、大晦日だ」

幼「そうだな。今年はいろんなことがあったな」

男「そうだな」

幼「お前が告白してきただろ?」

男「そうだな」

幼「・・・一大イベント過ぎてそれ以外が思い浮かべない」

男「なんと。そろそろ日付変わるぞ」

幼「なんと、いつの間に」

男「あと一分だ」ズルズルッ

幼「そうみたいだな」チュルッ

男「そば、美味しいな」

幼「なっ」

あけました

男「日付変わったな」

男幼「あけましておめでとう」

男幼「今年からもよろしくお願いします」

男「年賀状はもう出しといた」

幼「なんと。私もだ」

男「なんと」

幼「初詣、どうする?」

男「そうだな。お前が行きたいと言うなら行こう」

幼「なんと。では、行こう。今日のために気合を入れたんだ」

男「なんと。では、楽しみにしておこう」

幼「楽しみにしておけ。では、私は寝る。二日に行こう」

男「なんと。そうしよう」

幼「おやすみ。ぐう」

男「なんとはやきここと・・・こたつで寝たら風邪を引くだろう」

パサッ

男「・・・おやすみ」

幼「・・・」スヤスヤ

一月二日

男「可愛い。素晴らしい振袖だ」

幼「なんと。可愛いなと言うなと言っただろ」

男「しかし」

男友「おー。やっぱ来てるな」

幼友「あんたの予想通りだね。幼の振袖姿いいね」

男「だろ?」

幼「そう言うお前は何故振袖じゃない!?」

幼友「だって着るの面倒じゃん。見せる相手も居ないし」

幼「・・・///」

幼友「・・・あんたと付き合いだしてから異常に照れやすくなったな」

男「なんと。確かにそうかもしれない」

幼友男「可愛い」

幼「可愛いというなぁ!!」

賽銭箱前

チャリンチャリチャリーン

パンパンッ

男「・・・よし、願い終わった」

幼「私も終わった」

男「なんと願った?」

幼「内緒だ。そう言うお前は?」

男「内緒に決まっている」

幼友「今年こそ彼氏できますように今年こそ彼氏できますように・・・」ボソボソッ

男友「今年こそ彼女できますように今年こそ彼女できますように・・・」ボソボソッ

男「・・・おみくじを引きに行こう」

幼「・・・そうだな」

巫女「一回百円です」

男「ではこれで」チャリ

巫女「・・・どうぞー」カサッ

男「ありがとう」

幼「・・・なんかありがと」

男「二百円ぐらい軽いものよ。それでは開けるとしよう」

幼「了解」

男「末吉か・・・お前は?」

幼「大吉だ」

男「なんと」

幼「やった」

男「俺は括り付けに行くが・・・」

幼「私はお守りがわりに持っていこう」

男「そうか。少し待っておれ」

幼「はよ」

ザッ

幼「・・・寒い」ハァーツ

男「ただいま戻った。どうした?手が冷たいのか?」

幼「ちょっとだけ・・・でも大丈夫」

男「なんと。では、手をつなごう」

幼「ん・・・」キュッ

男「それでは暖まらないだろう。こうだ」ギュッ

幼「なんと。これは恋人繋ぎではないか・・・///」

男「俺達は恋人同士だ。なんの問題もないだろう」ギュウッ

幼「・・・ああ、そうだな」ギュウッ



男友「俺たちお邪魔虫じゃね?」

幼友「来る前からわかってたわ」

卒業後

別々の大学

男「起きろ。そろそろ行かねば遅刻するぞ」

幼「なんと。もうそんな時間か」

男「お前が高校の時、母上に起こされていたというのは本当のようだな」

幼「私が嘘をつくわけないだろう。それでは、準備をして行ってくる」

男「なるほど。では、俺も支度をするとしよう」

幼「まさか同棲をもう二年もしているのか。私達」

男「そうだな。大学入学以来からか」

幼「まさかこうなるとは思ってもみなかったぞ」

男「なんと。しかし、俺は幸せだぞ」

幼「私もだ。それじゃ、私は先に行く」

男「おう。いってらっしゃい」

幼「行ってきます」

幼の大学にて

後輩1「先輩」

幼「何?」

後輩1「今日、私達合コンするんですけど・・・人数が足りなくて・・・」

後輩2「先輩に参加してもらえないかなーって」

後輩3「もちろん!相手もイケメンを揃えてくるとかなんとか・・・」

幼「・・・人が足りなくて困ってるの?」

後輩1「はい・・・」

幼「そう・・・いいよ。付き合ってあげる。でも、お酒はあんまり飲めないからね?」

後輩123「ありがとうございます!!」

幼「ふふ・・・それじゃ、そろそろ次の講義だから」

後輩2「はい!!」

後輩3「やっぱり素敵だなー先輩って」

後輩1「男性人気も女性人気もトップクラスだからね」

後輩2「でもあの人彼氏いないんでしょ?そんな話全然聞かないもん」

後輩1「あまりに美人でかっこいいから、告白する人がいないのかも」

後輩3「それはあるかも」

男の大学にて

男後輩1「先輩!」

男「ん?どうした」

男後輩2「今日合コンなんすけど、一人足りなくて困ってるんすよ」

男「そうか」

男後輩3「だから先輩も付き合ってもらえないかなーって」

男「別にいいぞ」

男後輩123「あざっす!」

男後輩2「でも先輩連れてっちゃうと女の子全員取られちゃうかも!」

男「おいおい。そんな褒めたって、サンドイッチしかでねーぞ?おごってやる」

男後輩123「あざーっす!!」

自宅

男「おかえり」

幼「ただいま。私はこれから出かける」

男「なんと。お前もか」

幼「なんと。お前もか?」

男「後輩が人数足りないってんで、合コンに付き合ってくれと」

幼「なんと。お前もか」

男「なんと。お前もか?」

幼「うむ。では」

男幼「許可を」

男幼「いいぞ」

男「では、そろそろ出るとしよう」

幼「そうか。では、戸締りは私がしていこう」

男「助かる。では、先に出るぞ。行ってくる」

幼「行ってらっしゃい」

合コン会場

後輩1「どんな人が来るの?」

男後輩1「なめんなよ?先輩なんだけどすげーモテモテの先輩連れてこれたんだかんな?」

後輩1「マジで?」

男後輩2「そっちはどうなんだよ」

後輩3「すっごい美人の先輩連れてきたもんねー」

男後輩1「マジかよ」

男「悪い。もうみんな集まってんのか?」

男後輩123「先輩!待ってたんすよ!!」

男「悪かったって」

男後輩1「でも、なんたって顔隠してんすか」

男「それは後でのお楽しみ。みんなよろしくな」

後輩123「よろしくお願いします」

続きます

ちょいと再開

後輩1「先輩来ないなぁ・・・」

男後輩1「本当に呼べたのかよ」

後輩1「呼べたって!来るって言ってたし」

幼「すまない。遅れてしまった」

後輩1「先輩!遅かったじゃないですか!」

幼「本当にすまない。化粧道具が無くって探していたんだ」

男後輩123「」

幼「本当に申し訳ない。すっぴんなどみずぼらしい顔を・・・」

後輩1「えっ!?先輩すっぴんなんですか!?」

幼「うん・・・」

後輩2「いつもとあんまり変わらないじゃないですか・・・」

後輩3「女としての自身が無くなってきました」

男後輩1「マジかよ・・・同じ大学でも見たことねぇほど美人だぞ」

男後輩2「レベル高すぎだろ」

男後輩3「・・・先輩、なんでそこで小さくなってるんすか?」

男「イヤナンデモネーヨ?」

男後輩2「声裏返ってますよ」

幼「・・・おい、そこのお前」

男「ハイナンデショーカ」

幼「顔を見せろ」

男「イヤデス」

幼「見せろと言っている」グイッ

男「あう。な、何を」

幼「顔をよーく見せてみろー・・・」

バッ

男「ちょっ」

後輩男後輩123「ぶっ」

幼「なんだーこの頬に書かれた渦巻きは。異常に唇も赤いんじゃないか?」

男「すみません。ウケ狙いであなたの化粧品お借りしました」

幼「お前が犯人か」

男「はい」

幼「成敗」バシッ

男「おっふ」

後輩1「初対面にビンタはマズイですって・・・」

幼「安心して。こいつは私の幼馴染」

後輩123「ええーー!!!」

男「その通りです」

幼「その汚い顔を洗ってこい」

男「はい」

幼「本当にすまない・・・」

男後輩1「いえいえ!頭あげてくださいよ!」

男後輩2「まさか先輩の幼馴染さんだったなんて・・・」

男後輩3「先輩も羨ましい・・・こんな美人と幼馴染なんて!!」

幼「しかしすっぴんだぞ・・・あまり見られたくないのだけれど・・・」

後輩1「何を言ってるんですか!」

後輩2「私達、女としての自信なくなりましたよ!」

男「ちーっす。ただいま」

後輩123「」

幼「ほら、ハンカチで顔を拭け」スッ

男「おっ、サンキュー」フキフキッ

後輩123「か、かっこいい・・・」

男後輩123「美男美女の幼馴染だと・・・!?」



飲み始めて数十分

男後輩1「幼さんって今好きな人居るんですか!?」

幼「何故そのようなことを?」

男後輩2「幼さん美人だから男に困ってねーって」

幼「まぁ・・・困ってはいないけど」

男後輩3「何股ぐらいかけたことあります!?」

幼「それは無い」

後輩1「男さんて趣味とかはあるんですか?」

男「これといった趣味はないかな。あるとすれば幼馴染をからかう事」

後輩2「先輩とはいつからの付き合いなんですか?」

男「幼稚園からかな」

後輩3「恋とかに発展はしなかったんですか!?」

男「何故そこに結びつけようとするのか」


男幼(すっごい帰りたい)

一旦落ちます

皆さんに質問なのですが

後日談を付けるか迷っています

個人的には後日談をつけないほうがスッキリするとは思うんですが

みなさんの意見が欲しいところです

そうですか

意見ありがとうございます

それでは再開します

後輩123「王様だーれだ!」

男後輩2「よっしゃ!王様俺ー!」

男「だいぶ酔いが回ってきた様子だな。あまり過激なのはよせよ?」

男後輩2「またまたー女の子とエッチなことしたいくせに」

男「おう。何故バレたし」

幼「おい」

男後輩2「んじゃー、まず軽めに・・・3番が8番に膝枕で頭をナデナデする!」

男「・・・ちっ」

幼「私3番だ」

後輩2「わ、私8番です・・・」

幼「残念だったな男達。それじゃ、こっちにおいで」

後輩2「では、し、失礼します・・・」トサッ

幼「ん、あまりいいものではないと思うが」

後輩2「あ・・・先輩いい匂いします」

幼「ありがと」

男「・・・」

後輩3「うわ、ナデナデしてもらってる。超羨ましい」

後輩1「ねー」

男後輩123「くっ」

そしてお酒が入り少し経って

幼「・・・」ギューッ

後輩1「あの、先輩・・・そんなに男さんにくっつかなくても・・・」

幼「やっ!」

後輩2「えっと・・・」

幼「ダメっ」

後輩3「男さんもお酒飲んでないで先輩を・・・」

男「んーやーだ」

男後輩1「ダメだ。先輩も酔ってやがる」

男「可愛いなぁもう」ナデナデ

幼「んー」スリスリ

男後輩2「なんとなく二人は付き合ってるとは思ってたけど・・・ここまでベッタリとは」

後輩3「もう今日はお開きかな・・・」

男後輩3「二人がこれじゃもうダメだろ・・・会計済ませてきちまおうぜ」

男後輩1「おう」

解散後の後輩達

後輩1「あーん、男さんすごいいい感じだったのにー」

後輩2「仕方ないよ。先輩が恋人じゃ」

後輩3「でも、むしろ先輩で良かったかも」

後輩2「そうだね」

後輩123「・・・先輩の可愛い一面見れて良かったかも」



男後輩2「先輩相手じゃ勝ち目ねーよぉ」

男後輩1「それに幼馴染だしな」

男後輩3「仕方ねーよ。二人共お互いにゾッコンみたいだったし」

男後輩1「・・・まぁ、高嶺の花ってことだな」

男後輩2「俺たちにはもったいねー人だったしな」

男後輩3「まっ、また新しい恋でも探そうや」

男後輩2「そうだな。じゃあこれからナンパか?」

男後輩1「いいねー」

自宅にて

男「はぁ・・・またこんなになるまで飲んじまって・・・」

幼「ん・・・」スヤスヤ

男「我慢するこっちの身にもなれってんだ・・・」ボソッ

俺は幼をベッドに寝かす

ボスッ

男「はぁ・・・毎回ため息しか出ねぇぞ・・・」

幼「ん・・・」ムクッ

男「おう、起きたか?」

幼「んー」ボーッ

男「水、飲むか?」クッ

水を口に含む

幼「ん」チュウ

男「んっ!?」チュウ

幼「ん・・・んん・・・」コクッコクッ

男「・・・ぷはぁ!お前・・・」

幼「・・・美味し・・・」

男「・・・もう我慢できないぞ・・・」

幼「なんと・・・私も・・・お前が欲しい・・・」

男「・・・っ!」ガバッ

幼「で、でも・・・優しくしてくれないと、怒る」

男「・・・なんと。保障は出来ないぞ」

幼「・・・なるべくでいい」

男「なんと」

翌日

男の大学

男後輩1「先輩!」

男「おう、昨日恥ずかしいところ見せちまって悪かった」

男後輩2「いいですって」

男「でもよ」

男後輩3「じゃあ女の子紹介してください」

男「あー俺と同級生なら一人いるな・・・見た目はいいんだが、すげーめんどくさがり屋なんだけど」

男後輩1「マジっすか!紹介してくださいよ!」

男「今なら電話でっかな・・・ちょっと待ってろ」

プルルルル・・・

幼友『何、こんな時間に』

男「お前今も彼氏いねーだろ?俺の後輩三人が紹介して欲しいって言ってんだけど」

幼友『めんどいからやだ。それだけなら切るよ。今日のバイト夜勤だから』

男「おう。悪かった」

ピッ

男「面倒だからって断られたわ」

男後輩123「なんてこった」

幼の大学

幼「昨日は恥ずかしいところを見せてすまなかった・・・」

後輩1「可愛いところ見れて良かったと思ってます」

幼「可愛いと言わないでくれ・・・」

後輩3「じゃあ誰かいい男いないですか?」

後輩2「私は、たまに先輩と一緒に居られればいいです・・・」ポッ

幼「うーん・・・同級生になら一人居るが・・・そいつは・・・まぁ、電話だけかけてみるか」

プルルルル・・・

男友『おう、どうしたんだこんな時間に』

幼「お前、恋人いなかっただろ?私の後輩が紹介して欲しいと」

男友『・・・いや、俺好きな人居るから遠慮しとく。用件はそれだけか?なら切るぞ。俺んちに寝に来てる奴が居るから』

幼「そうか。悪かったな」

ピッ

幼「好きな人が居るからやめとくって」

後輩123「すごい好感が持てますね」

幼「そうだな」

そして大学卒業一年後

幼「妊娠した」

男「なんと」

幼「どうしよう」

男「どうしようとは」

幼「ちゃんと避妊していたはずなのに・・・」

男「だからなんだ。付き合うときに、お前は俺が不幸にはさせないと言ったはずだ」

幼「なんと。では」

男「ああ、存分に産むがいい。俺が二人を守る」

幼「・・・ありがとう」

男「こちらこそ」

幼「しかし、子育てに不安が」

男「母上に電話しよう」

幼「しかし」

男母『どうした我が息子よ。突然電話など』

男「母上、幼が俺の子を妊娠した。至急応援頼む」

男母『なんと』

男母「来たぞ」

男「早いな」

男母「当然だ。初孫だからな」

幼「ありがとうございます」

男母「しかしまぁ、まだ2ヶ月程度みたいだが、男か女か。今から楽しみだな」

男「そうだな」

男母「では、私は一度戻る」

男「なんと」

男母「まだ幼の母にも伝えてないだろう。二人より、三人だ」

男「なんと。ありがたい」

男母「何、嬉しいことだからな」

幼「本当にありがとうございます」

妊娠7ヶ月

幼「女の子だそうだ」

男母男「なんと。さぞ可愛いだろう」

幼「今から楽しみだ」

幼母「不安なこともあるけど、大丈夫よ。私があなたを産んでこの通り元気だから」

幼「ありがとうお母さん」

男「父上の様子はいかがか」

男母「あの人はベビー用品を買いあさっている」

男幼「なんと」

幼母「うちの夫も一緒に行ってるわ」

男幼「なんと」

今日はここまで

また明日

続きます

いつの間にかこんな時間に

少しだけ書き

出産当日

幼「お腹が痛い」

男「なんと。陣痛か」

幼「だと思う」

ブゥン

男「しかし、冷静だな」

幼「予定通りだからな。それに、騒ぐほどの痛みではない」

男「なんと。あまり我慢はするな」

幼「正直すごく痛い」

男「もう少しで病院だ」

幼「もう少しで、報われるのか」

男「おう」

男母「我、到着」

男「来たか」

男母「女の子か」

男「・・・俺は今日からお父さんだ」

男母「なんと」

男「なんと。実感がわかない」

男母「最初はそんなものだ」

オギャア

助産師「おめでとうございます!元気な女の子です!!」

男母「ほら、行くぞ」

男「お、おう」

赤ん坊「・・・」スヤスヤ

幼「・・・我が子がこんなにも可愛いと思わなんだ」

男「俺もだ。あまり子供は好きではないが、我が子とは別物だったか」

幼「なっ」

男母「んで、赤ん坊も生まれちゃったことだし、あんたたち、結婚はどうするの?」

男「・・・そう言えば、色々ありすぎて忘れていた」

幼「なんと」

男「少ししたら、一緒に婚姻届を出しに行こう」

幼「・・・少し照れるな」

男「なんと」

男母「初々しいな」

男「やめてくれ」

男母「愛しの娘の名前はどうする」

男「・・・もう決めてある」

幼「ああ」

市役所にて

男「とうとう来たか」

幼「緊張する」

男「なに、いつもと変わらない日常だ」

幼「私の苗字が変わる一大イベントだぞ」

男「そうか。だが、もう腹をくくるしかなかろう」

幼「・・・うむ」

男「俺達が付き合いだして、何年目だ」

幼「高2の時からだから・・・今日で八年か」

男「今日10月19日が、奇しくも付き合った日とかぶっているわけか」

幼「そうだな」

男「・・・この八年、俺は幸せだった」

幼「なんと。私もだ」

男「これから、ずっと一緒だ。俺が、お前を不幸にはさせない」

幼「・・・バカめ。お前も、幸せを感じていなければ、私も幸せではないぞ」

男「なんと。では」

幼「ああ。これからも一緒だな」

男「おうとも」

それから六年後

蓮「見てみてお婆ちゃん!ランドセルだよ!!」

男母「おお、似合っているぞ我が孫よ」

男「今日は入学式だ。では、行ってくるぞ。母よ」

幼「では、行こうか」

蓮「行ってきます!!」

男母「行ってくるがいい」

小学校にて

葵「蓮ちゃん、おはよう」

蓮「葵くんおはよう!!」ダキッ

男「うむ、葵くんも、ここの小学校か。ではやつも来ているか」

幼「蓮の幼馴染の葵くんではないか」

男友「やっぱりお前らか」

男「おっと、とうとう現れたな」

男友「相変わらずお前のところの娘とうちの息子が仲良さそうで良かったぞ」

男「貴様の子に娘はやらん」

男友「俺らが決めることじゃねぇ」

男「なんと。そうだな」

蓮「葵くん好きー」

葵「僕も蓮ちゃん好きー」

幼「・・・私もあれぐらい素直だったら・・・」

幼友「そうだなー」

幼「男友の妻ではないか。いつの間に」

幼友「その言い方やめろ」

今日はこれにて

明日に続きます

まだー?

>>64
確かに翌日だけども!

只今より再開します

入学式より、ちょっと経った休日

男友「おう」

男「おっす」

男友「で、なんだ?突然呼び出して」

男「いや、ちょっとな。例の件について、また再確認をしようと」

男友「ああ、あれか」

男「もし、もしも、俺の蓮が自立できる前に、その時が来たら」

男友「わかってる。俺がやる。ただし、蓮ちゃんが自立出来たその時、全てを蓮ちゃんに話して、全てを託す。だろ?」

男「そうだ」

男友「難儀なことをするな。お前も」

男「馬鹿を言え、あいつにはそれぐらいせねばな」

男友「お前は本当にこれと決めたら曲げねーな」

男「約束を守れないようじゃ、俺にあいつの側に居る価値はない」

男友「お前って、ホント馬鹿」

男「なんと」

男友「・・・俺は、蓮ちゃんに全て託したら、冒険に出ようと思う」

男「ほう。幼友は、承諾するだろうか」

男友「もちろん、土下座でもなんでもするさ。昔からの夢だからな」

男「昔から変わらないな。お互い」

男友「じゃねーとお前となんか居らんねーよ」

男「なんと」

男友「それもお互い様か」

男「全くだ。お前の放浪癖は無くなっていたんじゃなくて、隠していたのか」

男友「家庭持っちまうとそうなるって。せめて、葵が自立するまでは、ずっと一緒にいるつもりだ」

男「お前らしい」

男友「うっせ」

10月19日
なんと、我の誕生日ではないか
これはめでたい

さらに六年後

小学校卒業式

男幼「おめでとう。蓮、葵くん」

蓮「ありがとう。父さんに母さん」

葵「ありがとうございます」

男友「感慨深いものだな」

幼友「まぁな・・・もう、お前を産んで、12年も経つのか」ポンッナデナデ

葵「お母さん・・・」

幼友「父親に似ないでよかったよ」

男友「なんで」

男「確かに」

男友「後でひっぱたく」

幼「・・・ちょっと寂しい気持ちもあるな」ウルッ

蓮「母さん。別に、離れるわけじゃないんだからさ。泣かなくても・・・」

幼「すまん。年をとったせいか、涙脆くなってしまって・・・」

男「今度からは、お前は中学生だ」

蓮「うん」

男「小学校よりも、色んな人と接することもある。何か辛いことがあったら、葵くんと一緒に悩め」

男友「葵も、蓮ちゃんが悩んでたら一緒に悩んでやれ。そして、お前が悩んだそのときは」

男「蓮、お前が葵くんと悩んでやれ。それが幼馴染、だろ?」

幼「なんと。お前から悩みなんて聞いたことないが」

男「なんと」

幼友「せっかくいいこと言おうとしたのに全部台無しになったな」

男友「俺はあったよな?」

幼友「そもそもあんたと幼馴染じゃないし」

男友「そうだった」

葵「あの・・・蓮ちゃん」

蓮「何?」

葵「こ、これからも・・・よろしくね」スッ

蓮「・・・よろしく、葵」ニコッ

手を握り合う二人

男友「昔のお前ら見てるみたい」

男幼「なんと」

そして受験シーズン

男「そろそろ受験だな」

幼「まぁ、蓮は推薦取れたみたいだったがな」

男「なんと」

幼「今は、葵くんに勉強を教えることに専念しているようだ。同じ高校、行きたいんだとさ」

男「なんと。間違いは起きないのか?」

幼「ほう、気にしているのか」

男「一応。男女がひとつ屋根の下、部屋に二人きりで身近に居たら我慢などできるものか」

幼「出来るだろ。お前だってしてたじゃないか」

男「なんと。そうだった」

幼「それに、その間違い、起こってもいいと思ってるくせに」

男「・・・バレたか」

幼「私も思ってるからな」

男「なんと」

幼「しかし、ふと自分の人生を振り返る時がある」

男「どうした。シケットから棒に」

幼「・・・いや、何一つ不自由なく、生きてきた気がしてな。いつどんでん返しが来るか。不安なのだ」

男「なんと。考えすぎだ」

幼「それに、とっても大事なことを忘れている気がする」

男「それは、思い出さなくてもいいことだ。きっと」

幼「・・・そうだな。忘れるくらいだからな。そうだ、ふと思い出したんだが」

男「どうした」

幼「お前の机の鍵付きの引き出し。何が入ってるんだ?ずっと前から気になってたんだ」

男「内緒だ」

幼「なんと。私に隠し事か」

男「俺にだって隠したいことは一つや二つある」

幼「なんと。それもそうだな」

合格発表

葵「やったぁ!合格してる!!」

蓮「私が教えたんだから当然」

葵「これでまだ蓮ちゃんと一緒に学校に通える!」

蓮「あ、あまり恥ずかしいことを言わないでくれ・・・」ドキドキ

葵「でも」

蓮「とりあえず、行こう」グイッ

葵「ああん!腕引っ張らないでよぉ」



自宅

男「おめでとう二人共」

葵蓮「ありがとうございます」

幼友「まぁ、私の息子だからな。こいつの愚息とは大違いだ」

男友「おっと、いきなり罵声を浴びさせられたぞ?しかもこのタイミングで下ネタかよ」

幼「年、とったな」

男「なんかしんみりするからやめい。ところで」ガシッ

蓮「どうしたの父さん・・・肩なんかに腕回して」ボソッ

男「葵くんとはどこまで行ったんだ?」ボソッ

蓮「・・・まだAも行ってない」

男「手を繋げるだけか。それも恋としてではなく」

蓮「やめて」

幼「・・・ん」グッ

男「ちょっと待っていろ。今蓮と話して・・・」

幼「あまり、くっつくな・・・」ムスッ

男「しかし、この話はあまり他人には・・・」

幼「そうじゃない・・・その・・・」

蓮「・・・もう、父さんは鈍感だな」

男「なんと」

蓮「ヤキモチ、でしょ」ボソッ

男「なんと」

蓮「母さん可愛い」

幼「可愛いと言うなっ」

男「いい年してヤキモチって、実娘に対してヤキモチって」

幼「うるさい・・・///」

男「惚れ直しました」

蓮「なんと」

男友「蓮ちゃん、二人に似てきちまったな」

幼友「そうだな」

さらに二年後

蓮「・・・」グスッ

男「・・・蓮はどうして泣いている」

幼「葵くんが、他の娘と付き合いだしたらしい」

男「なんと」

幼「そっとして置いた方がいいだろう」

男「しかし」

幼「やめろ。女はこういう時に慰められるのが一番苦しいんだ。特に、親には」

男「うむ・・・そう言うものか」

幼「男だってそうだろ」

男「確かに、でも、お前は他の奴と付き合ったことは無いだろ」

幼「まぁな」

男「俺もだが」

幼「そうだったな」

男「葵くんも、顔は可愛いからな。ちょっと優しくすれば女の子なら誰でも寄ってくるだろう」

幼「最初の犠牲者が泣いてるわけだが」

男「なんと。そうだった」

男「と、言うわけだ」

男友「そうか。だが、俺は首を突っ込む気はねーぞ」

男「知っている。ただ、お前はどう思ってるか聞きたかっただけだ」

男友「そりゃ、蓮ちゃんは可愛そうだと思う。小さい頃から葵に恋してたみたいだからな。だがな」

男「わかっている。俺だって、葵くんが誰と付き合おうが、誰とそうなろうが、構わない」

男友「なら、この話は終わりだろ」

男「大人の俺達が首を突っ込むのはまずありえない。だが、あまりにも、蓮が」

男友「それは俺も同じことを思っている」

男「どうにかならんものか」

男友「時間しか、解決出来る方法はねーよ」

男「・・・そうだな」

男友「・・・納得できねーのはお互い様だ」

男「そう言ってくれると、少し気が楽になる。ありがとう」

男友「気持ち悪っ」

男「よし、喧嘩だ」

幼友「そうなっちまったもんは仕方ねぇって。割り切れ」

幼「しかし」

幼友「うだうだ言ったって、本人があの調子じゃどうしようも無い」

幼「・・・何故だろうか」

幼友「うちの息子も悪いかもしれんけど、蓮ちゃんのアプローチ不足ってもあると思うけどね」

幼「私に似てしまったばかりに」

幼友「・・・いや、あの性格は、男のものだろ。お前じゃない」

幼「なんと。そうだろうか」

幼友「近すぎて気づかないこともあるよそりゃ。葵だって、蓮ちゃんだって一緒」

幼「そう言うものだろうか」

幼友「幼馴染だからって、気持ちが伝わってるだろうとか、思い込んでる蓮ちゃんも悪いよ」

幼「・・・そう言われればそうかもしれない」

幼友「所詮人間なんてそんなもんよ。どこで間違いがあるかわからないって」

幼「何はともあれ。やはり、私達が首を突っ込むものではないな」

幼友「そうだ」


男友男「ただいま」

幼「なんで二人共傷だらけなのか」

男友男「喧嘩した」

幼友「なんで」

高校卒業後

蓮、上京の刻

蓮「ありがとう。父さん、母さん」

男「蓮、東大合格おめでとう」

幼「自慢の娘だな。本当」

蓮「これからは、一人暮らしして、二人にはまだまだ迷惑かけるだろうけど。そのうち、親孝行しに来るから」

男「お盆と、年末年始に戻って、顔を見せてくれればそれでいい」

蓮「父さん」

幼「そうだな。今は、自分の事を精一杯頑張れ」

蓮「母さん」

男友「・・・本当にすまない。蓮ちゃん」

蓮「おじさん・・・」

幼友「私達に出来ることはないけど、何か困ったら相談に乗るよ」

蓮「おばさん・・・」

プルルルルル

蓮「そろそろ、行くきます」

トンッ

蓮が電車に乗る

葵「れ、蓮ちゃん・・・」

蓮「・・・どうしたの、葵くん」

葵「・・・なんでもない・・・よ」

蓮「そう・・・じゃあ、さよなら」

プシュー

電車が走り出し、見えなくなる

男「・・・行っちまったか」

幼「家が寂しくなるな」

男「そうだな。もう一人作るか?」

幼「なんと。年を考えろ」

男「冗談だ。いつまでもここに居ても仕方ない。帰ろう」

幼「そう・・・だな・・・」グスッ

男「泣くな。俺も泣いてしまうだろ」

幼「しかし・・・ぐっ・・・涙が出てきてしまう・・・」ゴシゴシッ

幼友「・・・伝えなくて、良かったか?葵」

葵「・・・別に」

男友「・・・さよなら、だってよ。もう会うつもりも無いみたいだったな」

葵「薄情だよね・・・」プルプルッ

幼友「ああ・・・そうだな」

葵「本当・・・ひどいなぁ・・・僕って・・・」グスッ

男自宅にて

男「葵くんは」

男友「家で寝てる」

幼「・・・本当に寂しくなった」

幼友「あんたの涙なんて、結婚式以来だな」

幼「そうかもしれない」

男「そんなことない」

男友「人前でって意味だろ」

幼友「・・・しかし、本当に悪いな」

男「いや、過ぎちまったんだ仕方ない。それに、蓮も割り切ったみたいだし」

幼「本当にそうだろうか」

男「割り切った・・・と言うのは違うか。気持ちを心の奥底にしまったという方が正しいか」

幼友「もうこの話はこっから先タブーだ」

男友「そうだな。約束だ」

男「ああ」

幼「・・・なんと・・・悲しい。私の不幸が、全て蓮に・・・」

幼友「考えすぎだってば」

さて、今日はこの辺で

雲行きを怪しくしていくスタイル

適当に割り当てた日付が誕生日と一致>>69おめでとうございます

続きは明日に

よくわからんくなってきたぞ

>>83
いい傾向です

朝に自分が起きるとは限らない

お風呂からあがり次第再開します

幼「私は、他人を不幸にすることによって、幸せになっていた」

幼友「そんなことない。あんた、一度思い込んだら思い込みっぱなしの性格、治ってなかったんだね」

男友「いい加減にしろ。お前は悪くない。あいつらはあいつらの人生だ。俺達がとやかく言う権利はもうない」

幼「だが!今、私がしたことによって蓮は苦しんでいる!」

幼友「今私達がグダグダ言ったってどうしようもないって言ってんの!」

男友「そうだ!もう思い込むのはやめろ!」

男「お前ら少し落ち着け」

幼「こんな思いさせるくらいなら!産むんじゃ・・・なかったっ!!」

幼友「・・・っ!あんた・・・言って良い事と悪い事が・・・!」

バシンッ!

乾いた音が、家に響いた

幼「いっ・・・!」

男「今、お前はなんと言った」

幼「・・・っ」ビクッ

男「産むんじゃ無かっただと?お前は、蓮を産んで、一緒に過ごしていた日々が幸せではなかったのか?」

幼「幸せじゃない・・・はずないだろう・・・っ!」

男「だったら。二度とそんなこと言うな。お前はお前の幸せの事だけを考えろ」

幼「だが!蓮はあんなに苦しんでいる・・・なのに・・・」

男「俺は、お前と過ごしていたこの40年。お前と一緒に居ただけで幸せだった」

幼「・・・」

男「蓮も、反抗期の時に一度だけ、素直になった時があったな。産んでくれてありがとう。小さい声だったが耳に焼き付いている」

幼「あの時は・・・本当に産んでよかったと思ったよ・・・」

男「なら、何をそんなことを思う。俺達が出来ることは、死ぬまで、あいつの人生を見届けることだけだろう」

幼「何故、お前はそんなに冷静で居られる」

男「お前が居るからだ」

幼「っ!」

男「幼い頃、俺はお前に命を助けられている」

幼「そんなわけないだろう・・・」

男「そうだな。お前には自覚なんて無かっただろう。お前はいつも通りに過ごしていた。ただそれだけだった」

男友「おい、その話は・・・」

幼友「あんたは黙って。ここは、私達が口を出すことじゃない」

男友「・・・おう」

男「小学3年の時、俺はいじめられていた。完全無視や、陰湿な物を山ほどとやられて来た」

幼「そ、そんなの・・・私知らない・・・!」

男「俺が少し大人っぽい。ただそれだけの理由だったよ。同窓会の時に聞いてやった」

男「だけど、だからこそ、俺は誰にも相談なんてしなかった。誰かを巻き込むくらいなら、死んでやろうかとも考えた」

男「だが、お前だけは、鈍感だった。俺にはいつも通り接した。それが、俺の命を紡いだ」

幼「・・・そんな事・・・いきなり言われても・・・」

男「・・・」スッ

男友「お、おい・・・どこ行くんだよ」

男「頬を引っぱたいてすまなかった。これで冷やしてくれ」カシャ

幼「・・・」ヒヤァ

男「・・・すまない。頭を冷やしてくる」

ガチャ

パタン

男友「俺、ちょっとあいつ追いかける。あとは頼んだ」

幼友「あいよ」

ガチャ

パタン

幼友「・・・初めてじゃない?あいつに引っぱたかれたの」

幼「・・・うん」

男「はぁ・・・やっちまった」

男友「やっちまったな」

男「何の用だ」

男友「なんたってあんな事口走っちったかな」

男「言わずには居られなかった。あいつを見守ろうと思った出来事だったな」

男友「復讐の動機だろ。バーカ」

男「ああ、あいつは俺の思い通りにいつもならなかった。だから」

男友「馬鹿じゃねぇの本当に」

男「本当は、影からやってやろうかと思ったんだが、いつまでも誰かと付き合おうとしなかったからな」

男友「でも、あの告白はねーよ」

男「今更だ」

男友「まぁ、お前らしいわ」

一方その頃

幼「・・・痛い」カシャ

幼友「だろうよ。いい音したからなぁ」

幼「でも、どことなく暖かい。あいつに叩かれたのは、初めてだ」

幼友「あんたの両親から聞いたことあるけど、あんた、小学校の頃やんちゃしてたんだって?」

幼「恥ずかしい過去だ。気に入らない奴に誰彼構わず喧嘩ふっかけた」

幼友「らしいね。男にも女にも喧嘩ふっかけて、そんで傷だらけで帰ってきたって」

幼「全勝だ」

幼友「色んな男に殴られた痛みより、あいつの痛み、どっちが痛い?」

幼「こっちに決まってるだろう」

幼友「だろうね」

幼「しかし、誰かを幸せにすると言うのはどういうことなのだろう」

幼友「まだ言ってんの?」

幼「・・・いや、聞かなかったことにしといてくれ」

幼友「悔い改めろ」

幼「そうしよう。もう、あんな後ろ向きなこと、言わん」

幼友「その方が、あんたらしいよ」

男幼「本当にすまなかった」

幼友「しかしまぁ、喧嘩が初めてって事に一番びっくりしてるわ」

男友「俺達なんかいつも喧嘩してんのに」

幼「なんと、しかし、仲が良いな」

男「喧嘩するほど仲が良いと言うではないか」

男友「そんなんじゃねーよ」

幼友「こいつとは何かが噛み合わないだけ」

男「なんと。何故今まで一緒に居られたのか」

男友「知らん。好きだからじゃねーの?」

幼友「よく臆面もなく言えんな」

幼「・・・私達も見習うか?」

男「なんと。お前とは喧嘩などしたくない。負ける未来しか見えない」

幼「なんと。どういうことだ」

幼友「・・・元に戻ったな」

男友「そうだな。じゃ、帰るとするか」

さらに10年後

蓮は、地元で就職した

蓮「母さん。今日は同窓会だから、夕飯はいいよ」

幼「ああ、わかった。では、久しぶりにあの人と二人きり外食しよう」

蓮「相変わらず、仲が良いね」

幼「羨ましいだろ」

蓮「早く、私も結婚したい」

幼「三十路前にはな」

蓮「言わないで。それじゃ、行ってきます」

幼「行ってらっしゃい」

そして夕方

男「ただいま」

幼「おかえりなさい」

男「今日、蓮は同窓会だって?」

幼「ええ、だから、久しぶりに外食でもどうかと」

男「なんと。そう言えば、今日は花火大会があるらしい」

幼「なんと。外食の後に、行きますか?」

男「・・・屋台で済ませないか?久しぶりに、お前と一緒に歩きたい」

幼「なんと。それもいいかもしれませんね」

男「そうと決まれば、風呂に入って行こうか」

幼「ええ」

屋台で買い物後

例の場所

幼「まだ・・・ここ残ってたんですね」

男「ああ、来る前にチラッと見たからな」

幼「なんと。さすがです」

男「何年ぶりだ。ここに来るのは」

幼「高校の時以来ですね」

男「なんと。もう、そんなに経つのか」

幼「時が経つのがめっきり早くなりましたね」

男「ああ、変わらないと思っていたものが変わるのも、散々見てきたな」

幼「そうですね。しかし、ここは変わらない」

男「上がるぞ」

ヒュルルルルル

ドーン

パラパラパラ・・・

幼「綺麗ですね」

男「・・・変わらないものも結構あるもんだな」

幼「えっ?」

男「昔から、お前の横顔が可愛いなって」

幼「も、もう!いきなりなんですか///可愛いと言わないでください」

男「素直な感想を言っただけなんだが、なんと言えばいい」

幼「・・・愛してると言ってください」

男「・・・///」

幼「・・・///」

男「昔から・・・本当に変わらないな。俺達」

幼「ふふ、そうですね」

今日はここまで

そろそろ終わりに近づいています

それでは、また明日

明後日までには完結する予定です

現時点(28歳)では

処女です

再開は夜からします

そろそろ再開します

男達の年齢は、既に50を越えてしまいましたね

少し経って幼友が倒れる

病院にて

男「大丈夫か」

幼友「大丈夫だ」

幼「無茶をするからよ」

幼友「馬鹿を言え。私が無茶などするものか」

幼「あなたは、影で努力するタイプだから」

幼友「見もしないでよく言えること。知ってるでしょ?私が面倒くさがり屋だって」

幼「・・・」

男「なんかの病気とかか?」

幼友「今、男友が聞いてるところ。まぁ、軽いでしょ」

男「そうだと良いがな」

ガララ

男友「男、幼、ちょっと、来てくれないか?」

男「ん・・・わかった。行こう」

幼「はい」

男「どうした。本人の前で言わなくていいのか?」

男友「・・・葵にもまだ言ってないが、癌だとさ」

幼「なんと」

男「・・・なんと、どのくらいなんだ?」

男友「何でこんなになるまでほっといたんだと怒られたよ」

幼「もう、長くないのですか?」

男友「医者曰く半年、生きれば良いそうだ」

男「・・・」

男友「何でだろうな。俺にもよくわかんねぇけど、なんとなくさ。そんな気はしてたんだ」

幼「と、言うと」

男友「人間って、悪い予感って簡単に当たるのが腹立つよな。あいつが倒れたって聞いて、それで、なんか悟ってんの」

幼「・・・辛いなら吐き出したほうが良い。これからもっと辛くなるのだから」

男友「いい年した男が・・・人前で泣けるかよ」

男「・・・葵くんには、話すのか?」

男友「俺の心の整理が付いたら、そうするつもりだ」

男「それがいい」

ガララ

幼友「おかえり」

幼「ただいま」

幼友「男二人は?」

幼「二人共病院は苦手だから」

幼友「ははは、二人共病院に縁が全くないからな」

幼「・・・ええ」

幼友「で、私はいつ死ぬのかな」

幼「えっ」

幼友「自分の体は、自分が一番知ってる。人間ってのは、自分の死期が近づくとなんとなくわかるもんだね」

幼「あの・・・」

幼友「いいよ。別に隠す必要なんてない。もう長くないって事はわかる。体が思う通りに動かなくないから」

幼「・・・」

幼友「あんたの言いたいことはわかる。でも、私は、気を使われるような面倒な事はやめてほしい」

幼「そう・・・だったら、男友から、直接聞いて」

幼友「そうするか・・・ごめん」

幼「謝らないで。あなたに謝れる筋合いなんてない」

幼友「はは、手厳しいな」

それから4ヶ月ほどすぎる

医者「思ったよりも、進行が早過ぎる・・・最善を尽くしたがこれ以上はもう・・・」

男友「そうですか・・・ありがとうございます。先生」ペコッ




病室

葵「お母さん。りんご向いてあげようか」

幼友「いや、いい」

葵「でも」

幼友「食べたくない」

葵「・・・そう」

蓮「おばさん。元気ないですよ」

幼友「そりゃそうさ」

蓮「そうですよね」

幼友「あの三人は・・・」

蓮「少し、買い出しに向かってます」

幼友「そうか・・・」


ガララ

男「ただいま。ほら、お前の好物のチーカマだ」

幼友「ああ・・・ありがとう。でも、食欲はないんだ」

幼「少し、無理にでも食べようよ。美味しいよ」

幼友「はは、半年と聞いていたのに、もう、全く体が動かない。4ヶ月前は、長くないとわかっていると言いながら、動かせると言ったのに」

幼「もう、大丈夫よ」

幼友「いや、もう二ヶ月も生きれないだろうよ。多分一週間生きればいい方だ」

葵「そんな事・・・言わないでよ・・・」グスッ

幼友「はっはっはっ、何を泣きそうな顔をしている。男の子だろ」ポンッ

葵「僕はもう子供じゃないよ・・・」

幼友「馬鹿言え、親にとったらお前はいつまでも、私の子供だよ」

そして、数日後

幼友、危篤

幼友「今日はやけに、静かじゃないか・・・。今から葬式でもするつもりか?」

幼「・・・バカ」

幼友「はは、もう、喋る元気もなくなってきた・・・」

葵「お母さん・・・まだ、一緒に居たいよ」

幼友「・・・」

葵「まだ死んで欲しくない」

幼友「私だって、まだ孫の顔も見てないのに死にたくないさ。でもその時が来ちまったんだ。受け入れるしかないだろ」

男友「受け入れろ」

葵「何で二人共冷静にしてられるんだよ・・・」

幼友「私が、笑顔で死なないと・・・お前らは後悔するだろ・・・」

男友「・・・死ぬなら早く死ねよ」

幼「なっ!?」

男「おい」

幼友「・・・」

男友「俺は、お前が死んだら旅に出るつもりだ」

幼友「そうだな・・・あんたの昔からの夢だったな」

男友「その夢に、お前は足でまといでしかない」

男「おいてめぇ。言っていい事と悪いこと、分かってんだろうなっ!?」ガシッ

男友「離せよ。俺はお前となんか話はしてない。俺は、自分と生涯を共にしたバカ女と話をしてるんだ」

幼「そんな言い方・・・!!」

幼友「いい」

幼「でも・・・!」

幼友「続けさせろ」

男「・・・くっ」バッ

男友「・・・だから、お前は早く死ね。そして」ギュッ

幼友「・・・あんたに手を握られたのは、何年ぶりだろうな。久しぶり過ぎて・・・あんたの手が熱く感じる」ギュッ

男友「あの世で待ってろ。お前なんかよりずっと長生きして、旅をして、いっぱいの土産話を持ってお前に会いに行く・・・だから」

幼友「相変わらず・・・あんたは自分勝手だな奴だよ・・・」ポロッ

男友「その時には、また一緒に、話そう」

幼友「・・・ああ・・・どれ、泣いたら疲れた。私はもう寝るよ」

男友「ああ・・・眠るまで、側に居てやる。ゆっくり寝ろ。ろくでなしに嫁いだバカ女・・・」

幼友「・・・本当に・・・私は・・・ろくでなしに嫁いでも・・・幸せだったよ・・・」スッ

幼友は、目を閉じた

そして、すっと手の力が抜け落ちた

そして、幼友の葬式を終えて

空港

男「行くのか」

男友「ああ、もちろんだ。約束を守れない男にはなりたくないからな」

幼「・・・寂しく、なりますね」

男友「何言ってんだよ。男がいんだろ?それに、蓮ちゃんだって居る」

幼「でも」

男「胸ぐら掴んで悪かった」

男友「ああ・・・っと、そろそろ時間だ。じゃ、葵によろしく」

男友「あんまりうだうだしてっと、あの世に行ったときに土産話すくねぇって怒られっちまう」

男「そうだな。あいつは怖いぞ」

男友「おっかねぇ。それじゃあな。何回はか戻ってくる。その時まで」スッ

男「おう」ガシッ

握手を交わす

男友は、そのまま飛行機に向かった


飛行機の中

男友は、自分の妻の写真を見ながら

男友「本当は・・・お前と一緒に・・・」

そう呟き、そっと泣いた

ちょっと休憩&お風呂

パパッとライス

それから8年後

男「私たちの孫がとうとう小学生か」

孫「おじいちゃん!ランドセルありがとう!」

男「あはは、どういたしまして。いい子だなぁ」

蓮「父さん、母さん。入学式、行ってくるね」

幼「ん、行ってらっしゃい」



男「うむ、蓮が小学校に入学するときに気持ちはこんな感じだったのか」

幼「そうですね。どことなく寂しい気持ちもありますけど」

男「私も、そろそろ仕事に向かうとしよう。あまり余裕がない」

幼「孫のことになると本当に無茶をなさる」

男「なんと。君に言われたくはない」

幼「なんと。そうですね」

あっという間に4年

幼「お勤めご苦労様でした」

男「全く、あっという間に定年だよ。これからは一緒に居られる時間が増えるな」

幼「なんと。もう、まだそんな事言ってるんですか?」

男「なんと。君は私を好きではないと?」

幼「・・・好きに決まってるじゃないですか。生涯ただ一人の夫ですもの」

男「なんだか照れくさいなぁ」

幼「あなたが言ったことでしょうに」

男「今度の結婚記念日に、旅行に行こう」

幼「あら、どういう風の吹き回しですか?」

男「新婚旅行以来これといって遠出なんてしてないだろう。だから、私も暇になったことだし」

幼「まぁ、いいですね。あなたと二人きりなんて、いつ振りかしら」

男「そうだな」

そんな幸せに包まれた老後の生活

しかし、別れの時は

残酷にも迫ってきた

定年して9年後

私の愛している夫が

病に倒れる

幼友と同じ癌によって

男「わはは!あまり気にするなと言っておるだろうに」

幼「しかし」

男「何、人はいつか死ぬものだ。それがいつかはわからんが、それが来た時が寿命になるんだよ」

幼「私は」

男「情けない。お前がそんなんでどうする」

幼「あなた」

男「馬鹿者、まだ、8ヶ月ほど残ってるではないか」

幼「でも」

男「顔を近付けなさい。涙を拭いてあげよう」

幼「なんと。涙を流しているのですか。私は」

男「うむ」

幼「情けない」

男「私は嬉しいよ」

時は平等に流れる

時の流れが早く感じた

日々を二人きりで、ポツリ、ポツリと

思い出を話しながら過ごした

それでも、私は悲しみを抑えることは出来ず

泣いてしまう

そして夫に慰められる

それを繰り返し、日々が過ぎていく

そして

男「なぁ」

幼「なんですか」

男「私と、一緒に過ごして、幸せ、だったか」

幼「もちろんです」

男「君の、かけがえの無い存在になれたか」

幼「もちろんです。ですから」

男「そうか。ならばよかった。安心して眠れるよ」

幼「私は、まだ、あなたと話したいことが」

男「あと一ヶ月ほどで、結婚50周年目だったのに、すまない」

幼「なんと。謝らないでください。まだ、話足りません」

男「ああ、手を、握ってくれないか」

幼「・・・ええ」

男「最後になるな・・・あと一言二言言って、私は寝させてもらうとするよ」

幼「最後とは言わないでください」

男「お前と知り合って70年になるが、まだ伝えて無かったことがあった。それを最後に」

幼「・・・はい。わかりました」










男「愛している」





そして、そっと目は閉じられた



幼「・・・なんと・・・ずるいです・・・私だって・・・」

幼「愛していると、伝えた事はないのに・・・」

今日はこの辺で

明日完結の予定

それではおやすみなさい

孫ができるまでの過程がいるだろ!

>>133

孫の過程は夫がバレるのでNG

ドキドキさせるのが面白いんじゃないですか(暗黒微笑)

それでは、完結に向けて

愛しの亡き夫のお葬式が終わり

一ヶ月が過ぎた

10月19日

私の悲しみが収まらぬま時間が過ぎて

いつの間にか結婚記念日になっていた

仏壇に飾られたあの人の顔写真をただボーッと眺めている

幼「・・・金婚式ですよ。あなた」

ボソリとそう呟く

本当は一緒に過ごしたかった

あの人の笑顔を思い出すだけで未だに涙が止まらなくなる

孫「ばあちゃん」

涙が流れる間際、不意に後ろから声をかけられる

幼「・・・孫や、どうしたんだい」

孫「ばあちゃん宛に手紙」スッ

幼「ありがとう」

孫から受け取った手紙の名前は

男友の物だった

中身を取り出し、読み始める

手紙『お元気ですか?俺は今、アマゾンに来ています。

突然だが、謝りたいことがある。親友の死に目に、葬式に行けなくて、本当に申し訳ない。

あまり文を考えるのは得意じゃない。だから、ひとつだけ、男より伝言。

鍵を、蓮より受け取ってほしい。

鍵の使い道は、受け取ればわかると言っていた。

ので、私はまた冒険に戻るとしよう。

また会える日まで』

そこで、手紙の内容は終わっていた

いつの間にか寝ちゃった

再開します

幼「蓮」

蓮「どうしたの母さん」

幼「鍵を」

蓮「・・・うん。わかった」

蓮はわかっていたかのように、ポケットから鍵をひとつ取り出す

私はそれを受け取る

幼「・・・」

蓮「その鍵、どこのだかわかる?私はわからない」

幼「・・・ああ、わかる。わかるとも」

蓮「・・・今、庭で焚き火して、焼き芋焼いてるから、終わったら一緒に食べよ」

幼「なんと。わかった」

私はそれだけ言うと

真っ先に夫の机に向かった

鍵付きの引き出し

その鍵穴に鍵を入れてみた

カチっ

見事に一致した

開けて中を確認すると、一通の手紙が

宛先は私になっている

幼「・・・なんだというのだ。これは」

中身を、確認する

私は震えた

あまりにもおかしな内容で

心の底から、嬉しくなった

幼「あはは・・・!まんまと謀られたわ!あいつの復讐に!まんまと・・・ふふふ」

私は手紙を握り、笑った

嬉し涙を流しながら

大きな声で




孫「母さん」

蓮「どうした」

孫「ばあちゃん、泣きながら笑ってるよ」

蓮「そうか。それはよかった」

孫「あの手紙って何?」

蓮「さぁ。私の父さんが、母さんに宛てた手紙らしいよ。まぁ、内容なんて知らないけど」

孫「じいちゃんってすごいね」

蓮「何がだ?」

孫「だって、亡くなってからも、愛した人を笑顔に出来るんだぜ?」

蓮「ああ、娘の私から見てても理想の夫そのものだったよ」

孫「じいちゃんみたいな男になりたい」

蓮「いい心がけだ」

孫「自分の嫁一人にして置く夫の気持ちがわかんねーもん」

蓮「お前の父さんの悪口は言うな」

孫「何であんな人と付き合っちゃったの?」

蓮「あいつは・・・遠くに行って、私をほったらかして、たまに帰って来て、私のご飯を食べるんだ」

孫「そうだね」

蓮「その時に、『蓮ちゃんのご飯が一番おいしい』と、決まって言うんだ。それがたまらなく嬉しくてな」

孫「母さんって変わった人だよね」

蓮「うるさい」

蓮「それに、あいつが、私の所に最後に戻って来てくれると、信じてる。小さい頃の付き合いだし」

孫「へー、どうやって付き合ったの?」

蓮「同窓会で土下座されたわ。『君をほったらかしにしたことも謝る!だけどやっぱり君が一番好きだ!僕の嫁になってくれ』って、同級生の前でだよ」

孫「父さんって馬鹿なんだね」

蓮「まぁ、幼馴染で、昔から好きだった私からしたら涙が出るほど嬉しかったが」

孫「そっかで、父さんって今どこに行ってるの?」

蓮「お義父さんとアマゾン辺りに居るんじゃない?」

孫「あ、ばあちゃん。はい、ハンカチ」

幼「おお、ありがとう孫よ」

蓮「もう大丈夫なの?」

幼「ああ、もう大丈夫。生きる希望と、死ぬ楽しみが出来たところだ」

蓮「・・・それならよかった」

孫「ちょっ!ばあちゃん!何で手紙を燃やそうとしてんのさ!大切なものだろう!?」

幼「もういいんだ。私の頭には全部内容は入った。だから、もうこれはいらない。涙でくしゃくしゃだしな」

蓮「そっか」

幼「・・・今から、死ぬのが楽しみだ」

私は焚き火の中に、手紙を放り投げる

幼「ふふふ、待っていろ男。今度は、私が復讐をする番だ」

燃え行く手紙を眺めながら、書かれていた文を思い出した私は、笑顔になった

『愛しの我が幼馴染へ

これを読んでるということは

俺がお前の側には居れなくなったと言う事だろう

復讐のためには必要なことだからだ

成功したかはわからない。でもしていたとしたらどうだ?

お前には助けられた復讐として、俺の人生全てを捧げ、お前を幸せにし、かけがえのないものになってから

先に死ぬ。という復讐は

お前の人生を、俺一人のために棒に振ったんだ

悔しいだろう。俺の思い通りになるのが。ざまぁみろ

そしてありがとう

お前と過ごした一生は、俺にとってもすごく幸せだった

本当に悔しいと思ったら、あの世に来た時は、いの一番に俺を殴りに来てくれ

笑顔で、受け入れるから


P.S.
もし、来世でお互いが人間として生まれ変わって、出会うことがあるなら
また、俺はお前と一生を過ごしたい
                
                       あなたを心から愛した男より     』




幼「・・・なんと。私も、心より、愛している」





終わり

これにて終了

いいことされたのに何で復讐?と思う人が何人も居るでしょうけど

テレビやアニメ、ゲームの悪者が復讐を使うせいで

復讐=悪と言う世間の意見に巻き込まれた発想を覆したいがために書きました

復讐は、やり返すことです

それなら、いいことをされたらやり返す。変わらないと思いませんか?

まぁ、本当は男と幼が「なんと」と言い合って居る姿が可愛いと思いながら書いてました

それではまた次、ある日まで

多分、今日の夜お会いするかも

それでは

前作

男「○○デレ」幼馴染「○○系女子」男友「○○娘」男友幼「○○系男子」
男「○○デレ」幼馴染「○○系女子」男友「○○娘」男友幼「○○系男子」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386089154/)


おつ

葵くんには本当に彼女がいたのか?
蓮ちゃんは東大になぜ行ったのか?
気になるな

>>151

葵くんは、文中にも書いてある通り彼女はいました
『君をほったらかしにしたことも謝る!だけどやっぱり君が一番好きだ!僕の嫁になってくれ』←この通りです

蓮ちゃんは別に東大でなくても、葵くんから遠く離れられればどこでもよかった

地元にいるときも勉強で忘れられるのと学歴を優先して東大へ

しかし、やっぱり忘れられなくて戻って来たということです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月29日 (水) 22:57:32   ID: 5-uOcfgZ

感動しました( ̄^ ̄)ゞ

2 :  SS好きの774さん   2014年04月20日 (日) 05:39:29   ID: 7fgYnwgM

久しぶりにSSで、感動しました。
そしてSS内の>>69よ、お前は俺かwww

3 :  SS好きの774さん   2015年09月28日 (月) 05:43:49   ID: zkBfbVzo

その辺のドラマよりよっぽど面白い

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