海未「奇跡が一生懸命の報酬なら」 (115)


※内容はことうみです
※書き溜が途中までです
※軽くですが死に描写があります
※激しい暴力描写等はございません
※ご都合主義ハッピーエンドが大好きです
※違和感はことりのおやつにしてください

以上のことを容認した上で、最後までお付き合い頂ければ幸いです

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ーーーーー3
ピピピピピピピピ


海未「ん…もう朝ですか」

海未「今日は…そうですか、それじゃあことりは明日……」

海未「……今更悩んでもしかたありません。ことりの夢を応援すると決めたじゃないですか…」

海未(それなのに…何故、こんなにも心が…)

海未「………」

海未「朝の稽古でもしましょう」

海未「余り集中できませんでしたね…」

海未「まだまだ精進不足ということですか」

海未「……………」

海未「学校に行く支度をしなくては」

海未「ことりを待たせるわけにはいきませんからね」


海未「………ことり」

ことり「おはよう、海未ちゃん」

海未「おはようございます、ことり」

ことり「ごめんね、待たせちゃって」

海未「私も今来たところなので気にしないでください」

ことり「・・・うん」

海未「さあ、行きますよ、ことり」

ことり「・・・・・・・ありがとう、海未ちゃん」ボソッ

海未「?何か言いましたか?」

ことり「ううん、なんでもないよ。行こっか」

キーンコーンカーンコーン


ことり「海未ちゃん、お弁当食べよ」

海未「はい、頂くとしましょう」

モグモグ

海未「・・・ことり、本当にいいのですか?」

ことり「・・・」

海未「留学してしまえば、もう穂乃果と話すことはできなくなるんですよ?」

海未「このまま別れてしまーー」

ことり「海未ちゃん」

海未「っ!」

ことり「・・・ごめんね」

海未「・・・こちらこそ、申し訳ありませんでした」

ことり「・・・・・・・・・・・」

海未「・・・・・・・・・・・・・」

ガラッ


絵里「海未、ことり、ちょっといいかしら?」

海未「絵里?」

ことり「どうしたの?」

絵里「放課後に部室に来てもらえるかしら?」

海未「部室、ですか?」

絵里「ええ、そうよ。ことりと会えるのも最後だし、お別れ会でもと思ってね」

ことり「・・・・・・」

海未 「ことり」

ことり「うん・・・楽しみにしてるね」

絵里「・・・ありがとう。他の皆にも声をかけてくるわ。私と希は生徒会の仕事で最初と最後しかいれないけど、楽しんでね」

海未「ありがとうございます、絵里」

絵里「お礼を言われるほどのことじゃないわ。お別れくらい、ちゃんとしないとね」

絵里「それじゃ、また放課後に」

海未「はい、お疲れ様です」

ことり「・・・またね」

キーンコーンカーンコーン


海未「それでは行きましょうか、ことり」

ことり「うん・・・」

海未「穂乃果は・・・先に出て行ってしまいましたか」

ことり「・・・・・・・」

海未「ことり、 何度も言いますが、μ'sがこうなってしまったのはことりのせいではありません」

海未「ですから、そんなに責任を感じないでください」

ことり「でも、ことりが留学をーー」

海未「ことり!!」

ことり「!?」

海未「・・・皆が待っています、早く行きましょう」

ことり「・・・うん」

ガチャ


海未「すみません、遅れました・・・?」

海未「おや、まだ絵里と希しか来ていないのですか」

海未「絵里?どうしたんですか、そんなにうつむいて」

絵里「・・・ことり」

ことり「どうしたの?」

絵里「ごめんなさい」

ことり「え・・・?」

海未「どういうことですか?」

絵里「・・・・・・」

海未「答えてください!絵里!!」

絵里「・・・っ」

希「そんくらいにしたってや」

海未「希?」

希「理由があるんよ」

絵里「希、それは・・・」

希「・・・隠しとるわけにもいかんやろ」

絵里「・・・・・・」

海未「何が・・・あったんですか?」

希「皆にことりちゃんのお別れ会のこと言ったんや」

希「けどな」

希「誰も・・・来るとは言わなかったんや」

海未「なっ!?」

ことり「っ!」

海未「何故・・・ですか」

希「にこっち、凛ちゃん、かよちんは新曲の準備で忙しいんやと」

希「そして真姫ちゃんは勉強があるんやて」

希「穂乃果ちゃんは・・・」

絵里「穂乃果は・・・まだ皆と話したくないらしいわ」

海未「そんな・・・!」ダッ

絵里「海未!どこに行く気!?」

海未「決まっています!全員ここに連れてきます!」

海未「こんな終わり方が認められるわけーー」

ことり「もうやめて!!!」

海未「っ!」

ことり「もういいの・・・海未ちゃん」

海未「何が・・・いいんですかっ!」

ことり「お願い・・・もうやめて、ことりのことで怒らないで」

海未「・・・・・・すみません」

ことり「ううん、ありがとう。ことり、もう帰るね」

海未「私も付き添います。・・・失礼します」


バタン

絵里「・・・後輩のためにお別れ会すら開けないなんて、情けないわね」

希「エリチ・・・」

絵里「気持ちを切り替えましょう、今から生徒会の仕事があるわ」

希「・・・せやな」

絵里「・・・・・・・・・・・・」

テクテクテクテク


ことり「・・・・・・・・・・・・・」

海未「・・・・・・・・・・・・・・・」

ことり「しょうがないよね」

海未「え・・・?」

ことり「ことりが留学さえしなければ、皆は笑っていられたんだよね」

海未「そんなこと!」

ことり「あるよ!!」

海未「・・・・・・ ・っ」

海未「・・・・・・・・・」

海未「ことり」

ことり「なに?」

海未「今日、ことりの家に泊まりに行ってもいいですか?」

ことり「・・・・・・・」


ピタッ


海未「ことり・・・?」

ことり「ごめんね、海未ちゃん。ここからは一人で帰るね」

海未「え?」

ことり「それじゃあね」

海未「ことり!待ってくださーー」


ププププププーーーーーーーキキィィィィィィィ


海未「え?」

ゴシャァァァァ

海未「あ・・・」

海未「ことり・・・」

海未「ああああああああああああああああああああああああああ?!??!?!?」

ーーーーー2


海未「ああああああああああああ!?」バサッ

海未「はぁ・・・はぁ・・・・・・夢、ですか?」

海未「うっ・・・」


ダダダダ


海未「うげえええええええええええ」バシャバシャ

海未「うっ・・・はぁ・・・」

海未「夢にしては・・・あまりにも記憶が生々しいですね」

海未「朝から最悪の目覚めですよ」

海未「それに、日付が同じだなんて・・・」

海未「正夢・・・ではありませんよね?」

海未「何事もなければいいんですが・・・」

海未「そういえば『2』とはなんでしょうか、妙に記憶に残っているのですが」

海未「夢の中の私は『3』と思っていた気がします」

海未「はぁ・・・もう夢はいいです。朝の稽古をして、ことりを迎えにいきましょうか」

ことり「おはよう、海未ちゃん」

海未「おはようございます、ことり」

ことり「あれ?海未ちゃん、なんだか顔色が悪くない?」

海未「ええ、酷い夢を見てしまいまして、そのせいであまり気分が良くないのです」

ことり「大丈夫なの?」

海未「はい、大丈夫ですよ。学校に行きましょう」

ことり「・・・・・・・ありがとう、海未ちゃん」ボソッ

海未「?何か言いましたか?」

ことり「ううん、なんでもないよ。行こっか」

キーンコーンカーンコーン


ことり「海未ちゃん、お弁当食べよ」

海未「はい、頂くとしましょう」

海未(あの夢のせいで、そんなに食欲が沸きませんね)

モグモグ

ことり「海未ちゃん・・・?」

海未「!はい、なんでしょうか?」

ことり「お箸とまってるよ、やっぱり体調が悪いんじゃ」

海未「すみません、少し考え事をしていまして・・・」

ことり「・・・ごめんね」

海未「!?ち、違います!ことりのことではありません!今朝見た夢の話です!」

ことり「夢・・・?」

海未「はい!今日と同じ日付の夢だったんですよ。夢の通りならそろそろ絵里が来るころでーー」


ガラッ


絵里「海未、ことり、ちょっといいかしら?」

海未・ことり「!?」

絵里「放課後に部室に来て・・・どうしたの?そんなに驚いた顔して」

海未「い、いえ、今ちょうど絵里の話をしていたところだったので」

ことり「凄いよ海未ちゃん!エスパーさんだね!」

海未「いえ、それほどでも・・・」

絵里「・・・続けていいかしら?」

海未「すいません、続けてください。ことりのお別れ会についてでしたよね?」

絵里「え・・・?」

海未「・・・?あ!す、すいません、今のは夢ーー」

絵里「あってるわよ」

海未「え?」

絵里「ことりのお別れ会を開くから、放課後部室に来てほしいって話だったんだけど・・・もう聞いてた?」

ことり「・・・・初めてかな」

海未「聞いては、いません・・・」

絵里「そう?まあいいわ。それじゃあまた後でね」

海未「はい、また後で・・・」

ことり「・・・またね」

海未「・・・・・・・・・・」

ことり「海未ちゃんは知ってたの?」

海未「・・・・・・・・・・」

ことり「・・・海未ちゃん?」

海未「!?な、なんですか、ことり」

ことり「・・・・もしかして、さっきのも?」

海未「・・・はい、夢で見た内容でした」

ことり「じゃあ、もしかして正夢かな?」

海未「・・・偶然ですよ」

海未(あんな夢が、正夢だなんて考えたくもないですね)




海未(きっと、皆来てくれますよね?)

ガチャ

海未「すいません、遅れ………っ!」

ことり「あれ、まだ皆来てないのかな?」

絵里「…ことり」

ことり「どうしたの?」

絵里「ごめんなさい」

ことり「…え?」

海未「まさか、皆、来るのを断ったのですか?」

絵里「そうよ」

ことり「っ!」

海未「そんな!?」

海未(これでは完全に夢と同じじゃないですか!)

海未「何故ですか!ことりとのお別れよりも新曲の準備のほうを優先させるなんて!?」

絵里「!?そんなことまで…」

希「……にこっちが止めてるんや」

海未「にこが…?」

希「そうや。叶いそうだったラブライブ出場も取りやめになって、μ'sも解散状態。相当ショックやったんやろうな」

海未「ですが、それは…」

希「そうや、なにもことりちゃんのせいとだけちゃう。うちら皆に落ち度があったんや。そんなこと、にこっちも解っとるはずや。でも、それでも、にこっちは…」

海未「………」

ことり「……ごめんね、ことり、もう帰るね」

海未「!?私も付き添います!絵里、希、失礼します」



バタンッ

海未(ここまで、夢と完全に同じです)

海未(もし、あれが本当に正夢だとしたら!)

海未「ことり、今日は道を変えましょう」

ことり「え?」

海未「最後ですし、少し秋葉の町を見て帰りませんか?」

ことり「……うん」

ゴウンゴウン


海未「工事している所が多くなりましたね」

海未「少しずつ、秋葉の町が変わってしまうのは、寂しいですね」

ことり「そうだね……いつまでも、変わらずにいられたらいいのにね…」

海未「それは………」

ことり「………」

海未「………」

ことり「ごめんね、海未ちゃん、ここでお別れしよ」

海未「……すいません」

ことり「いいんだよ、それじゃあ、さようなら、海未ちゃん」

海未「ええ、さようなら、ことり」


タ ッタッタッ


海未(結局、私は最後までことりを笑わせることはできませんでしたね)

海未(・・・?あの工事中のビル、少し騒がしいような?)


ゴオオオオン


海未(!?鉄骨が!?)

海未「ことり!!避けてくだーーー」


グシャアアアアアアア


海未「あ・・・あ・・・・・・・」

海未「ああああああああああああああああああああああああ!??!?!」

ーーーーー1


海未「ああああああああああああ?!」

海未「はぁ・・・はぁ・・・」

海未「夢・・・?」

海未「違う・・・あれは、夢なんかじゃ」

海未「夢にしては、余りにも鮮明すぎます」

海未「まるで・・・私が本当に経験したように」

海未「もしかして・・・私は」



海未「同じ時間を繰り返しているのですか・・・?」

海未「だとしたら、記憶にある『1』というのは・・・」

海未「制限回数・・・?」

海未「そうだとすれば、チャンスは後2回・・・」

海未「もしそれまでにことりを救えなければ・・・」

海未「・・・・・・・・・・・・」

海未「なんとかしなくては」

海未「でもどうしたら・・・?」

海未「・・・一人で悩んでいてもしかたありません。こういう時は・・・」


ゴソゴソ

プルルルルルルルルル


希『もしもし?海未ちゃん?こんな朝早くにどうしたん? 』

海未「実は、少しお聞きしたいことがありまして・・・」

希『聞きたいこと?ええで、なんでも聞いてや』

海未「ありがとうございます。聞きたいのはループしている世界についてです」

希『ループしている世界?』

海未「はい。毎回同じ日から始まるんです」

希『終わるのも毎回同じ時間なん?』

海未「いえ、終わるのは・・・っ」

希『海未ちゃん?』

海未「いえ、すいません。終わるのは、大切な人が死んだ時です」

希『それは、今、海未ちゃんが置かれてる状況なん?』

海未「・・・はい、そうです。信じられないことだとは思うのですが」

希『信じるで』

海未「え・・・?」

希『海未ちゃんが こんなことで嘘つくなんて考えられへんしな。よかったら全部話してくれへんか?今までのこと』

海未「わかりました。・・・ありがとうございます」

希『ふむ・・・』

海未「何かわかりましたか?」

希『うちも経験したことないから推測になってしまうけど、ええか?』

海未「はい、お願いします」

希『まず、海未ちゃんが考えてる通り、今海未ちゃんはループしている世界にいる』

海未「はい」

希『そして日付はことりちゃんが留学する一日前』

海未「そうです」

希『そしてことりちゃんが死ぬことによって初めに戻る」

海未「・・・はい」

希『こっから考えられるのは、ループの原因はことりちゃんに関係しとるっちゅうことやな』

海未「ことりに?」

希『そうや。正確には、ことりちゃん、もしくは海未ちゃんやな』

海未「私もですか?」

希『そうや、普通ループ物の作品は、主人公が生き残るために試行錯誤することが多いんや』

希『せやけど、今回その引き金になるのはことりちゃんの死』

希『まずことりちゃんが関わってると見て間違いないやろ』

希『ただ、もしかすると海未ちゃんのストレスでループしてるやもしれんからね』

希『まあ、その確立は低いと思うけど』

海未「・・・もし、ループを抜け出せなかったらどうなるんですか?」

希『・・・確証がないから断定はできへんけど、多分海未ちゃんが思ってる通りやと思うで』

海未「っ・・・どうすれば、ことりを助けられるんですか?」

希『それについては一つ推測があるで』

海未「推測・・・ですか?」

希『せや、日付がヒントになっとるんや』

海未「どういうことですか?」

希『日付はことりちゃんが留学する前日。これにはきっと意味があるんや』

海未「どんな意味です!?」

希『さっきまでの話を聞いとると、ことりちゃんはずっと落ち込んでるままなんやろ?』

希『そんな終わり方、絶対に嫌やと思うで』

海未「それが、ループの原因だと?」

希『うちはそう考える。むしろ、これ以外ありえへん』

海未「なぜ、そこまで断言できるんです?」

希『カードがそう告げとるからや』

海未「・・・希の占いはよくあたりますからね。それで、私はどうすればいいんですか?」

希『それはうちにはわからん』

海未「え?」

希『いや、正確に言うなら、海未ちゃん以外わからんっちゅうことかな』

海未「どういうことです?」

希『カードがうちにそう告げるんや』

海未「・・・ふふっ」

希『海未ちゃん?』

海未「ありがとうございます、希、おかげで少し元気がでました」

希『力になれたんならよかったわ、もしなにか困ったことがあったらいつでも連絡してな?』

海未「はい、ありがとうございました」



プッツーツーツー

海未「 ・・・・・・・」


カチカチ


To:南ことり
Subject:おはようございます
本文
少し用事ができましたので、先に学校へ行ってください


パタンッ


海未「絶対に、私がことりを救ってみせます」

本日はここまでとなります、ここまで読んで頂きありがとうございました。近いうちに全て投稿する予定ですので、よろしければ最後までお付き合いください。

にこ「はぁ…はぁ…」

凛「にこちゃん、ちょっと休もうにゃー」

にこ「なにいってんのよ!まだやるわよ!次は階段ダッシュよ!」

海未「やはりここにいましたか」

花陽「海未ちゃん?」

にこ「…なんのよう?にこ達今忙しいんだけど」

海未「お願いがあってきました」

にこ「お願い?」

海未「はい。今日、ことりのお別れ会をやろうと思うので、それに出席して頂きたいのです」

にこ「っ!?」

凛「そういえばまだちゃんとことりちゃんにお別れの挨拶してないにゃ。わかったにゃ、皆でーー」

にこ「 駄目よ」

凛「え?」

花陽「ど、どうして?」

にこ「……新曲の準備があるわ」

花陽「で、でも、ことりちゃんの…」

にこ「駄目なもんは駄目よ!わかったわね!?」

花陽「………」

凛「にこちゃん、なんだがこわいにゃ…」

にこ「そういうわけよ、悪いけど他をあたってくれる?」

海未「にこ」

にこ「なによ、まだなにかあるの?」

海未「あなたは…何をしているんですか?」

にこ「はぁ?なにいってんのよ、スクールアイドルに決まってるじゃない」

海未「にこ、あなたは無茶苦茶な人です」

にこ「…いきなりなによ」

海未「ファッションセンスはおかしくて、お調子者。舞台に立っていない時も『にっこにっこにー』なんて恥ずかしいことを平気でやって、小さいことにこだわって、皆によく笑われていましたよね」

にこ「…喧嘩売ってんの?」

海未「ですが、にこはいつも誰かを笑顔にすることを考えていた。アイドルとは、誰かを笑顔にするものだと、そう信念を持って」

にこ「っ……!」

海未「今のあなたはどうですか?誰かを笑顔にしようと考えていますか?あなたの周りで笑っている人はいますか?」

海未「いませんよね。今のあなたは過去の出来事に囚われてがむしゃらに突っ走っているだけ。周りのことを気にする余裕なんてない」

海未「これが、あなたの目指すスクールアイドルですか?」

にこ「っ…!うるさい…っ!うるさいうるさい!あんたに何がわかんのよ!いつも自分はスクールアイドルは仕方なくやってます、みたいな空気をだしてたあんたに!」

にこ「にこだって解ってるわよ!いつまでも引きずることじゃないってことくらい!でもそんな簡単に忘れられるわけないでしょ!?ラブライブの出場はにこの夢だったのよ!」

にこ「こんな終わり方…認められるわけ…」

海未「……にこ、貴方は強い人です」

海未「一人になってもスクールアイドルの道を諦めずに、アイドル研究部を存続させてきた」

海未「μ'sが解散状態にある今も、あなたはまだ夢に向かって走り続けています」

海未「だったら、最後まで貫いてください!ラブライブに出場するのがあなたの夢なのでしょう?自分を見失ってしまったら、そんなの無理じゃないですか!」

海未「思い出してください、μ'sにいたころのあなたを。皆を笑顔にしたあなたを!このまま行ってしまったら、皆笑えなくなってしまいます!」

海未「だから…お願いします」


海未「どうか…ことりのことを…笑顔にしてあげてください」

にこ「………」

海未「………」

にこ「……どこよ」

海未「え?」

にこ「どこでやるのよ」

海未「!」

にこ「勘違いしないでよ、にこはアイドルなの。だから、悲しんでいる人がいたら笑顔にしなくちゃいけないの」

海未「……!ありがとうございます!」

にこ「それで?他の皆はちゃんと来るの?」

海未「いえ、穂乃果と真姫がまだ …」

にこ「ふぅん…それならあんたは穂乃果だけ誘ってきなさい」

海未「え…?」

にこ「聞こえなかったの?真姫ちゃんはにこに任せなさい」

海未「…よろしくお願いします」

にこ「ふん……海未」

海未「はい?」


にこ「……ありがとね」

キーンコーンカーンコーン


海未「穂乃果、お話があります、少し来てください」

穂乃果「………っ」


ガタッ


海未「逃げないでください、大切な話です」

穂乃果「………」



ことり「………」

穂乃果「……なに?話って?」

海未「ことりについてです」

穂乃果「っ!」

海未「今日、放課後にことりのお別れ会をやります。そこに出席してください」

穂乃果「……いや」

海未「穂乃果!」

穂乃果「いやなものはいや!穂乃果は絶対に行かないからね!」


パァァァァァァン

穂乃果「っ!?」

海未「何故・・・殴られたのかわかりますか?」

穂乃果「・・・」

海未「穂乃果が…自分の気持ちに嘘をついているからですよ!」

穂乃果「!」

海未「本当はまだ歌いたいんでしょう?スクールアイドルが好きなんでしょう!?なぜそれを押し殺してしまうんですか!」

穂乃果「っ…だったら…だったらどうすればいいの!ラブライブは穂乃果のせいで出場辞退!ことりちゃんは留学でμ'sからいなくなっちゃう!こんなのどうしようもないじゃん!」

海未「ラブライブの出場辞退は皆の責任です」

穂乃果「そんなの嘘だよ!穂乃果が体調管理せずに無理したから!」

海未「嘘ではありません!そんな状況下に穂乃果を追い込んでしまったことに気づかなかった、μ's全員の責任です!」

海未「穂乃果がそのことについて負い目を感じているのは解っています。ですが、失敗を悔んでいるだけでは何も変わりません!」

海未「それに…穂乃果がいなければ、μ'sはここまでこれませんでした」

海未「穂乃果の後先考えない行動が、μ'sをここまで大きくしたのです」

海未「ですから、一度ミスしたくらいで、誰もあなたを責めませんよ」

穂乃果「で、でも…ことりちゃんが留学しちゃったら…」

海未「穂乃果。ことりは今、新しい夢に向かって歩みだしました」

海未「ことりはずっと悩んでいました。夢を追うか、μ'sを続けるか」

海未「そして、悩み続けた末にやっと決心できたんです!」

海未「私達はいつも仲良しの幼馴染だったでしょう!?だったら祝福してあげてください!褒めてあげてください!夢を追うことりを!」

海未「ことりがいなくなるからアイドルをやめる!?そんな弱気な発言をしないでください!もしこのまま終わってしまったら、誰も幸せにはなれないんです!」

海未「μ'sがこんな状況だからこそ、私達は穂乃果を求めているんです」

海未「そう…皆を引っ張っていって くれる穂乃果を」

海未「だから、弱気にならないでください!わがままを言ってください!歌を歌ってください!!」

海未「スクールアイドルを…続けたいんでしょう?」

穂乃果「………!」

穂乃果「……そうだよ、穂乃果はまだスクールアイドルを…やりたい!」

穂乃果「ごめん、海未ちゃん。迷惑かけて…これからもわがまま言ったり、迷惑かけちゃったりするけど、よろしくお願いします!」

海未「ふふ…いいんですよ、穂乃果に迷惑をかけられるのはいつものことですから」

穂乃果「あー!ひどーい!」

海未「穂乃果、ことりが抜けた後、μ'sがどうなるかはわかりません。そこは、皆で一緒に考えましょう」

海未「ですから、今は笑顔でことりを見送りましょう」

穂乃果「うん!わかったよ!それじゃあことりちゃんのお別れ会の準備をしないとね!」

海未「…と言っても、もうすぐ昼休みが終わっーー」

穂乃果「それじゃ穂乃果は買い出しに言って来るから、言い訳よろしくね!」


タッタッタッバタンッ


海未「……全く、元気になった途端これですか。これからも、苦労が絶えなさそうですね」フフ

キーンコーンカーンコーン


海未「ことり、部室へ行きましょう。絵里から説明は聞いていますよね?」

ことり「うん…」

海未「どうしたんですか?浮かない顔をして」

ことり「本当に…行くの?」

海未「え?」

ことり「だって、 ことりのせいでμ'sがなくなっちゃったんだよ?そんなことりのお別れ会なんて、誰も来てくれないんじゃ…」

海未「大丈夫です」

ことり「え?」

海未「絶対に来てくれます。だって」




海未「だって、ことりは…μ'sの大事な仲間じゃないですか」

ことり「……うん!」

ガチャ


海未「遅くなりました」

ことり「…お邪魔します」



パンパンパンパンパン!




「「「「「ことりちゃん今までありがとう」」」」」


穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ごめんね、あれからなんにもお話しできなくって。穂乃果ね、ことりちゃんがいなくなるなら、もうμ'sも終わりだなって…そればっかり考えてたの」

穂乃果「でもね、それは違ったんだよ!穂乃果はまだ歌いたい!全部ことりちゃんのせいにして、このまま終わるなんて嫌だ!」

穂乃果「ことりちゃんがいなくなっちゃうのは寂しいよ?でもね、ことりちゃんは自分の夢に向かって一歩踏み出したんだよ。穂乃果だって、いつまでも悲しんでる訳にはいかない!」

穂乃果「だからことりちゃん、留学頑張ってね!μ'sはなんとかするから!それで、次に会う時は、また皆で歌おう!」

ことり「……っ…穂乃果…ちゃん」ポロポロ

穂乃果「さ、笑って!最後のお別れが涙なんて悲しすぎるよ!」

こ とり「……うん!」

ことり「わ~~!大きなケーキ!」

真姫「ふふーん、どうよことり!真姫ちゃんにかかればこんなケーキ用意するのは簡単なんだからね!」

ことり「ありがとう真姫ちゃん!」ギュッ

真姫「なっ!?べ、べつにこのくらい…///」

凛「あー!真姫ちゃんが浮気してるにゃ!にこちゃーん!」

花陽「べ、別に浮気じゃないと思うな…」

にこ「そ、そんな…真姫ちゃん!にことは遊びだったの!?」

真姫「ヴェエエ!?い、いきなりなによ///」

にこ「にこの初めてを奪っておいて…にこのことが嫌いなの!?」

真姫「な、なんのことよ//そ、それに別ににこちゃんのことは嫌いじゃな いというかむしろす、好き……だし///」カァァ

にこ「真姫ちゃん…!大好き!」ギュッ

真姫「ぁぅぅ……///」

凛「真姫ちゃん顔が真っ赤にゃー!」

ことり「あはははは!」

絵里「ほら、ことり、一杯どう?」

ことり「えーと…これは…なに?」

絵里「なにって…テキーラよ」

ことり「お、お酒!?だ、駄目だよ、ことりまだ未成年だし…」

絵里「一杯くらいいいじゃない、それとも私のお酒が飲めないのかしら?」

ことり「ひぃ…」

希「エリチ…なにやっとるんや」

絵里「なにって…ことりにオレンジジュースを勧めているのよ」

ことり「て、テキーラじゃなかったの? 」

絵里「テキーラ?いくらかしこいかわいいエリーチカでも、未成年にお酒を飲ませたりしないわ」

絵里「それにテキーラはメキシコのお酒だしね」
ことり「……むー!」ポカポカ

絵里「あはは、ごめんなさい、信じるとは思わなかったの」

希「スピリチュアルやなぁ」

希「お疲れさん」

海未「希…?」

希「よう皆を説得できたね」

海未「皆…ことりのことが好きですからね。少し背中を押しただけですよ」

希「全く海未ちゃんは謙虚やなぁ……それで、今朝の電話の件は大丈夫そうなん?」

海未「はい、これで成功だと思います。相談に乗って頂き、ありがとうございました」

希「ふふ、力になれたんなら幸いや。あんまり気を張りすぎんようにしやーよ」

海未「はい」

希「ほな……こらー!にこっち!あんまりあばれるとわしわしMAXやで!」

海未「……私も、ことりの所に行くとしましょう」

「「「「「Let's go,Let's go! Hi!」」」」」




穂乃果「ふぅ、皆、お疲れ様!」

真姫「…久しぶりだとちょっときついわね」

海未「全く…毎度のことながらいつも唐突ですね、屋上でライブしたいなんて」

穂乃果「えへへ、だって最後に皆で歌いたかったんだ、私達の曲」

絵里「そうね…とてもいい思い出になると思うわ」

希「エリチ、そろそろ・・・」

絵里「そうね・・・皆、そろそろ帰るわよ」

凛「えーまだ遊びたいにゃー」

絵里「文句言わないの。ことりも・・・準備とかいろいろあると思うし」

ことり「うん、そろそろことりも帰らないと・・・」

ことり「・・・・・・・・・」

ことり「皆、今日はことりのためにありがとう」

ことり「しばらくの間会えなくなっちゃうと思うけど、手紙書くから」

ことり「また会えたら、よろしくお願いします」

穂乃果「うん、またね!ことりちゃん!」

花陽「また会えたら嬉しいです」

凛「また遊ぶにゃー」

真姫「寂しくなったらいつでも帰ってきなさい」

にこ「ふん、せいぜい頑張りなさいよ」

希「気を強く持つんやでー」

絵里「大変だと思うけど、頑張りなさいよ」

ことり「ありがとう、皆・・・」

ことり「それじゃあ、ことりは先に帰るね」

海未「私も見送りをーー」

ことり「駄目だよ、海未ちゃん」

海未「え?」

ことり「ここでお別れしないと、いつまでも引きずっちゃう」

海未「・・・」

ことり「それじゃあ、海未ちゃん、皆、さようなら」

海未「・・・・・・さようなら、ことり」


タッタッタッ

海未(これで・・・よかったのでしょうか)


ビュオオオオオオオ


海未(・・・?風が強く・・・?)


ビュオオオオオオオオオオオオオオオ


海未「っ!?」

ことり「きゃっ!?」


ガシャン

ガタッ


海未「え?」

海未(フェンスが・・・外れ・・・)

海未「ことりいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」


ドオオオングシャッ


海未「あ・・・あ・・・」

海未「あああああああああああああああああああああああああああああ?!!?!?!?」

ーーーーー0


海未「ああああああああ!?」

海未「はぁ・・・はぁ・・・」

海未「あ・・・あ・・・」

海未「・・・どうして」

海未「どうしてですか!?μ'sの絆は取り戻した!ことりのお別れ会をした!ことりに笑顔を取り戻した!」

海未「それなのに・・・どうして・・・」

海未「ことりは死ななくてはならないのですかッ!」

海未「こんなの・・・こんなのどうすればいいんですか!」

海未「私じゃ・・・駄目なんですか・・・?穂乃果じゃないと・・・ことりは助けられないんですか?」

海未「私は・・・私は・・・」

海未「私は・・・一体どうしたら・・・」

海未「ことり・・・」

海未(これが最後のチャンス)

海未(ですが、何をすればいいのかわからない)

海未(もう・・・間に合わない)

海未(私では、ことりを救えない)

海未「・・・・・・待ち合わせ場所に、いかないと」

ことり「海未ちゃん、おはよう」

海未「ことり・・・」

ことり「!?どうしたの海未ちゃん!?顔真っ青だよ!?」

ことり「な、なんとかしないと」


ギュッ


ことり「え?」

海未「っ・・・あっ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」ポロポロ

ことり「海未・・・ちゃん?」

海未「私がっ・・・グスッ・・・情けないばかりに・・・」

ことり「・・・・・・」


ギュッ


ことり「何があったのかはわからないけど、ことりの胸でよかったら、たくさん泣いて」

ことり「海未ちゃんは十分頑張ったよ、だから・・・」

海未「っ・・・うわああああああああああああああああああ!!!」

キーンコーンカーンコーン


ことり「ふぅ・・・やっと授業終わったね」

海未「そうですね・・・」

海未(結局、何も解からないまま放課後になってしまった)

海未(この世界も、前の世界と変わらない)

海未(ただ、今日は絵里が昼休みにきませんでした)

海未(だからどう、ということはないのですけどね)

ことり「それじゃあ・・・帰ろうか」

海未「・・・部室に、よりませんか?」

ことり「部室に?どうして?」

海未「少し、ことりと遊びたいなと思いまして」

海未(帰ったら、ことりは死んでしまう)

海未(私にできるのは、その時間を先延ばしすることくらいです)

ことり「・・・うん、それじゃあ行こうか」

ガチャ


ことり「誰もいないね」

海未「そうですね」

ことり「それで、何しよっか?」

海未「少し、お話でもしませんか?」

ことり「お話?いいよ 、何について話すの?」

海未「・・・・・・・・・」


海未「・・・ことりの、望みはなんですか?」

ことり「望み?」

海未「はい、望みです」

海未(もう、これしかありません。ここで何をすればいいのか見つけられなければ・・・)

海未(ゲームオーバーです)

ことり「うーん・・・望みって言われても、皆が笑っていてくれたら、ことりはそれで幸せかな」

海未「そういう話ではなく、留学のーー」

ことり「海未ちゃん」

海未「・・・なんですか」

ことり「今日の海未ちゃん、とっても怖い顔してるよ」

海未「!?」

ことり「まるで、何かに焦ってるみたい」

海未「それは・・・」

ことり「ねぇ、海未ちゃん。海未ちゃんはなにがしたいの?」

海未「私は・・・」

海未「私は・・・ことりを助けたいんです!」


ことり「・・・そう」

ガタッ


海未「ことり・・・?」

ことり「海未ちゃん、ことりはね、海未ちゃんに感謝してるんだ」

ことり「海未ちゃんのおかげで、足の傷も気にならなくなった」

ことり「可愛い服も着れるようになった」

ことり「ことりが困ってる時はいつだって駆けつけてくれて、ことりのことを守ってくれる」

ことり「ことりのことを、いつも気にかけてくれる」

ことり「でもね、海未ちゃんは、その時のことりの気持ちを考えたことがある?」

海未「・・・・・・」

ことり「ごめんね、なんだかお説教みたいになっちゃった。ことり、もう帰るね」

海未「!?ま、待って・・・」

ことり「海未ちゃん・・・無理だよ、もう・・・」

海未「・・・・・・っぁ」

ことり「さようなら、海未ちゃん」

海未「まっ・・・」

海未(駄目だ、ことりを行かせては)

海未(でも、もう私には、ことりを引き止めることができない)

海未(情けないですね、何がことりを救うですか・・・)

海未(私にできたのなんて・・・ことりに悲しい顔をさせたくらいで・・・)

ーーーーーーーーん

海未(ごめんなさい、ことり・・・私は、無力でした)

ーーーーーーーゃん

海未(ことりが死んでしまうなら、私も後を追って・・・)


ーーーー 海未ちゃん!!!


海未「!?」

海未「待ってください!ことり!!!」

ことり「っ!?な、なに・・・?」

海未(何を弱気になっているんですか私は!ことりの命がかかっているんですよ!?)

海未(考えるんです、今まで何故失敗したのかを、どうすればいいのかを)

海未(思い出すんです!今までの状況を!)

海未(毎回ことりが死んでしまうのはいつでした?)

海未(ことりが死んでしまうのは帰る時・・・)

海未(いえ、もし帰る時に死んでしまうのなら、学校を出る時に・・・)

海未(じゃあ・・・どうして…?)

海未(!?)

海未(まさか・・・これが答え・・・?いや、でも、そんな・・・)

ことり「海未ちゃん・・・?」

海未(・・・もう、これしかありません。これで駄目なら、地獄の底にでも付き合いますよ、ことり!)

海未「ことり」

ことり「なに…?」

海未「ーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ことり「・・・・・・・・・」ポロッ

ことり「・・・海未ちゃん」

海未「はい・・・なんですか、ことり」

ことり「ありがとう」


スゥ


海未(ことりの身体が透けて・・・?)

海未「ま、待ってください!この世界はなんなのですか!?」

ことり「この世界は夢。海未ちゃんの見ている夢だよ」

海未「私の・・・?」

ことり「厳密に言うんなら、海未ちゃんの現実を夢としてみている・・・かな?」

ことり「最初の世界が、ほとんど海未ちゃんが体験した世界そのまま」

海未「私の体験した・・・?そ、そんな!?ことりは無事なんですか!?」

ことり「ことりは平気だよ」

ことり「だって」




ことり「車に轢かれたのは、海未ちゃんなんだもん」

海未「え・・・?」

海未「どういう・・・ことですか」

ことり「簡単なことだよ、ことりが轢かれそうになってるところを、海未ちゃんが助けてくれた」

ことり「その代わりに海未ちゃんが轢かれちゃったの」

ことり「そして海未ちゃんは意識不明の重態」

ことり「どうしてことりの死がループの引き金になるのか・・・」

ことり「それは、現実世界なら海未ちゃんがことりをかばって死んでしまうから」

ことり「ことりのこと、嫌いになったよね?ことりなんて守ろうとしたせいで海未ちゃんはーー」

海未「それならよかったです」

ことり「え・・・?」

海未「ことりのことを守れたのなら、私は満足です」

ことり「っ!?海未ちゃんはいつもっ・・・!」

ことり「・・・・・・・・」

ことり「これは、ことりが言うことじゃないね」

ことり「他に、聞いておきたいことはある?」

海未「もし、私が失敗していたら、どうなっていたのですか?」

ことり「その時は海未ちゃんが目を覚まさずに植物状態 のままになってたよ」

海未「・・・そうですか、失敗してもことりは無事だったんですね」

ことり「・・・無事?」

ことり「あのさ、海未ちゃん・・・この世界のことりが言うことじゃないんだろうけどさ」

ことり「・・・うん、やっぱりやめておこう。文句は全部むこうのことりにおまかせしちゃいます」

ことり「さて、海未ちゃん、そろそろお別れです」

ことり「最後に一つ」

ことり「この世界はやり直しが聞いたけど、現実のチャンスは一回だけ」

ことり「目を覚ました後、海未ちゃんがどうするかによって、ことりやμ'sの皆のこれからが変わってきます」

ことり「だから・・・絶対に、間違えないでね」

海未「・・・わかりました」

ことり「あっ、それともう一つ」

ことり「あの言葉、向こうの世界のことりにもーーーー」



サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

ことり「行っちゃった・・・か」

ことり「これで、ことりのお仕事も終わりだね」

ことり「・・・海未ちゃん、大好きでした」

プップップップップップップ


ことり「うっ・・・グスッ・・・海未ちゃん・・・ごめんなさい」

絵里「・・・ことり、いい加減休んだほうがいいわ」

ことり「いやっ!海未ちゃんっ・・・海未ちゃんっ!」

絵里「・・・・・・っ」

希「・・・エリチ、今ことりちゃんを海未ちゃんから離すのは危険や」

絵里「でも、もう丸一日泣きっ放しじゃない・・・こんなんじゃ、ことりが死んでしまうわ」


「「「・・・・・・・・・・・・」」」

凛「あの時、ちゃんとお別れ会に行っておけばこんなことにはならなかったにゃ」

にこ「っ!にこが悪いって言いたいの!?」

凛「本当のことだにゃ!意地張って凛やかよちんまで行かせないようにーー」

希「二人ともやめや!」

にこ・凛「「!」」

希「責任の追及なんて不毛すぎるで・・・これも、うちら皆の責任や」

希「それに…1番悲しんんどんのは…」

ことり「ごめんなさい…ごめんなさい…」


「「 「…………」」」

ことり「海未ちゃん…海未ちゃん…」

ことり(ことりが悪いんだ)

ことり(ことりが自分のことしか考えてなかったから)

ことり(いつまでも留学のことで悩んでて…海未ちゃんはあんなにことりのことを考えてくれてたのに!)

ことり(なんで海未ちゃんなの!?ことりが轢かれればよかったのに!)

ことり(こんなの…こんなの嫌だよ)

ことり(お願いします神様、ことりはどうなってもいいから、代わりに死ねと言われたら死ぬから…)

ことり(だから…海未ちゃんを助けてください)

ことり「海未ちゃん…海未ちゃん…」

絵里「………皆疲れてるでしょ、一度帰りましょう」

希 「…せやな、また交代で見にこよ」

穂乃果「っ!で、でも…」

絵里「こんなことして、また誰かが倒れたら、それこそ海未が悲しむわよ」

穂乃果「………っ」

絵里「ほら、ことり、帰るわよ」

ことり「いやっ!!!」

絵里「……いいから来なさいっ!」グイッ

ことり「いや!海未ちゃんっ!海未ちゃんっ!」



ことり「海未ちゃん!!!」




海未「………ことり?」

ことり「!?」

絵里「海未…目が覚めて…!」

ことり「海未…ちゃん…」

ことり「海未ちゃん!!」ギュッ

海未「ことり…?」

ことり「ごめんなさい、ことりのせいでこんなことになって…グスッ…ことり、自分のことしか考えてなくて…だから…海未ちゃんがっ」

海未「……ことり、いいんですよ。ことりが無事ならそれでーー」

ことり「よくない!!!」

海未「!?」

ことり「全然よくないよ!ことりを守って海未ちゃんが傷つくなんて…そんなの絶対に嫌!ことりはそんなの嬉しくなんてない!!」

ことり「いつもそうだよ!海未ちゃんは自分のことを考えずにことりを助けてくれる!それは嬉しいよ?でも、海未ちゃんに負担をかけるのは嫌なの!海未ちゃんにも笑っていて欲しいの!!」

海未「ことり……」

海未(そうですか、私はことりを守りたいと思う気持ちばかりが先行して…)

海未(ことりのことを…解ってあげられなか ったのですね)

海未(でも、それなら…)

ことり「だから…お願い…もう、ことりのためになにかをしないで…」

ことり「自分をもっと大事にして…」




海未「お断りします」

ことり「え…?」

ことり「な、なんで…?なんで解ってくれないの!?」

海未「ことりこそ、私のことを解ってくれていないじゃないですか」

ことり「海未ちゃんの…こと?」

海未「はい。どうして私がことりを守りたいんだと思いますか?」

ことり「そ、それは…海未ちゃんが優しいから…」

海未「…違いますよ、ことり。私は優しくなんてありません」

ことり「それじゃあ…なんで?」

海未「簡単なことですよ。私がことりを守りたいのは…」




海未「ことりのことが大好きだからですよ」

ことり「っ!?」

ことり「う、嘘…」

海未「嘘ではありませんよ。私はことりのことが好きです」

海未「だから、ことりが困っていたら助けたいんです」

ことり「………」

海未「こんな時に言うのは少々反則だと思いますが、言わせてください」




海未「ことり、お慕いしています。私と付き合ってください」

海未「ずっと・・・私の側にいてください」

ことり「!」

海未「私は兎なんですよ、ことり」

海未「ことりがいてくれないと、寂しくて死んでしまいます」

海未「だから、さよならなんて言わないでください」

海未「私の前からいなくならないでください」

海未「留学なんて…しないでください」

ことり「海未…ちゃん…」

ことり「ぅ・・・ぁ・・・」ポロポロ

海未「ことり・・・泣いて!?・・・すいません、こんなの迷惑でーー」

ことり「違うの!」

海未「え?」

ことり「違うの・・・嬉しいの・・・」

ことり「海未ちゃんが、ことりのことを引き止めてくれて」

海未「・・・!」

ことり「だからね・・・」

ことり「ことりも、海未ちゃんが大好きです。たくさん迷惑かけちゃうけど、こんなことりでよければ、お付き合いしてください」

ギュッ


ことり「ふぇ・・・?」

海未「私は、ことりに迷惑かけられるのも好きですよ」

ことり「・・・馬鹿」

海未「ええ、私はことり馬鹿ですよ。ことりのためだったら、なんだってできます」

ことり「海未ちゃん・・・」

海未「ことり・・・」


チュッ


海未「もう、絶対に、離しませんからね」

ことり「うん・・・ことりも、ずっと海未ちゃんのそばにいます」

真姫「え、なに・・・これ?」

にこ「にこ達完全に空気じゃない」

凛「さっきまで言い争いしてたのが馬鹿みたいだにゃー」

花陽「でもでも、海未ちゃんが無事でよかった」

絵里「なんだか聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど」

穂 乃果「あはは・・・」

希「ま、一件落着やな」

海未「ことり、本当に泊まっていくんですか?」

ことり「うん!退院するまでことりが海未ちゃんの面倒をみちゃいます!」

海未「ですが、それだとことりに負担が・・・」

ことり「いいの、ことりがやりたいんだから」

海未「ふふ・・・それならよろしくお願いします」

ことり「はーい♪」

ことり「困ったことがあったらなんでも言ってね!その・・・ちょっとえっちなことでも・・・いいよ?」

海未「なっ!?///」

ことり「あははは!海未ちゃん、お顔が真っ赤だよ」

海未「もう、あんまりからかわないでくださ い///」

ことり「ふふふ、ごめんなさい」

ことり「・・・・・・・・・・」

ことり「でも、本当によかった、海未ちゃんが無事で」

ことり「奇跡って、本当に起きるんだね」

海未「・・・・・・・・・もしも」

海未「奇跡が一生懸命の報酬なら」

海未「ことりにこそ」

ことり「ことりに・・・?」

海未「はい、そうですよ。ことりは、私の意識がない間、ずっと名前を呼んでくれましたよね?」

ことり「・・・うん」

海未「そのおかげで、私は最後まで諦めずに頑張ることができたんですよ」

海未「ですから、この奇跡は、ことりの一生懸命が引き起こしたんですよ」

ことり「………ありがとう、海未ちゃん。でも、頑張るって?」

海未「おや、そういえばまだ話していませんでしたっけ、 奇妙な夢の話を」

ことり「夢?どんな内容なの?」

海未「少し長くなりますので、今から話すと明日寝坊してしまいますよ?」

ことり「そしたら一日中二人きりだね♪」

海未「全く・・・仕方ないですね、ことりは」

海未「ではお話しましょう、私の頑張った夢の世界を」

海未「今夜は寝かせませんからね?」




End

以上で終了となります。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
クリスマス付近にもssを投稿する予定ですので、よろしければそちらの方もご覧ください。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月15日 (日) 15:29:49   ID: mck7f8xb

よかった!次回作も楽しみにしてる

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