トニー・スターク「誰だ? 君たちは」 マナ「プリキュアです!」 (78)

私とアルドリッチ・キリアンの戦いを知っているか?

そう、キリアンがエクストリミスで人体改造に成功し、国家へのテロを装って私に復讐しようとした、あの戦いだ。

これから話す出来事は、その戦いから数か月後―――とある日本人女性との出会いから始まる。

その日私は、新しい家で人工知能のジャーヴィスと健康チェックを行っていた。

トニー「―――ジャーヴィス、私の心臓の調子はどうだ?」

ジャーヴィス『問題ありません、サー』

トニー「本当か?」

ジャーヴィス『軽い後遺症は残っていますが、以前ほどではありません』

トニー「そうか…なら早速、新たなスーツ作りを始めよう」

ジャーヴィス『昨夜も一着作られましたが…』

トニー「いつ私や国に危機が訪れるかわからない。以前の私は宇宙人襲来の恐怖から逃げるようにスーツを作っていたが、今度は違う。国を護る使命のためだ」

ジャーヴィス『しかし、このままでは国の前にあなたが滅びます』

トニー「大したことはない。いいからさっさと始めよう」

ジャーヴィス『………』

トニー「…どうした? ジャーヴィス」

ジャーヴィス『いえ。サー、来客です』

―――そうして私のもとを訪れたのは、ペッパーと、五人の若い日本人女性だった。

トニー「誰だ? 君たちは」

マナ「プリキュアです!」

トニー「プリキュア―――ってなんだ?」

ペッパー「あらトニー、日本人女性と交際していたこともあるのに知らないの?」

トニー「いや、そんな話は聞いたことないな。というか日本人なのか?」

マナ「はい! あたし、大貝第一中学、生徒会長の相田マナです!」

トニー「中学生だって? ペッパーは彼女たちのことを?」

ペッパー「ええ。あなたのコラントッテ(※)を買いに行った時に知ったのよ」

トニー「で、その中学生…プリキュアというのが私になんの用だ?」

フューリー「それについては私が説明しよう」

トニー「…何故私の家に普通にいる?」

ペッパー「私が招いたからよ」


※コラントッテ…映画アベンジャーズでトニーが着けている腕輪。この磁気に反応して移動型スーツを着用する。
日本企業「アーク・クエスト」が製造した、実在する医療機器。
http://www.youtube.com/watch?v=ftTIwXsat_c

フューリー「今回のミッションで、我々は彼女たち・プリキュアの力を借りることになった」

トニー「だからそのプリキュアというのはなんなんだ? ただの女の子じゃないか―――おっとごめん、君たちを侮辱しているわけではないんだ」

マナ「わかってます! たしかにどう見てもただの中学生ですもんね!」

フューリー「確かに一見して普通の子供だが、彼女たちは変身することによって絶大な力を得ることができるんだ」

トニー「変身? というと、彼女たちもハルクみたいになるのか?」

フューリー「彼女たちが理性を失って暴れるように見えるか?」

トニー「上半身裸にも?」

フューリー「残念ながら、ならない」

トニー「それは残念だ」

ペッパー「後でスーツ壊しておくから」

トニー「」

マナ「…あの~…」

フューリー「おっとすまない。説明が途中だったな」

ペッパー「彼女たちプリキュアは、普段は一般人と変わらないのだけど、変身する強くなるのよ。それでいて見た目はとてもかわいらしいわ」

トニー「いかにも日本らしい」

フューリー「そう。それで日本の平和を護ってきたのだ。決してあなどってはいけない」

トニー「で、日本のヒーローが何故シールドに?」

フューリー「実は先日、アメリカにある日本人組織が入国した。彼らはテロリストだ」

トニー「日本のテロリストとは珍しいな」

フューリー「テロリストといっても、国や軍が相手にするような男ではない。我々の専門、すなわち―――」

トニー「化け物の類か」

フューリー「いかにも」

マナ「その人たちはジコチューっていって、すっごく自己中な人なんです!」

トニー「???」

フューリー「詳しく説明すると、異世界にトランプ王国という国がある」

フューリー「そこを征服したジコチューという団体が、現在地球を攻めようとしているのだ」

マナ「複雑だからそれ以上は言えないんですけど、とにかくそのジコチューの一味がここに来て、何かを企んでいるんです」

トニー「何かとは?」

フューリー「それ以上のことは判っていない。だが放っておけば、米日の信頼関係を大きく揺るがすだろう」

トニー「それは少々大げさだが、放置するわけにはいかなそうだ」

マナ「すみません、トニーさん。あたしたちの敵が迷惑かけちゃって…」

マナ「勝手なのはわかってます! けど、どうか協力してください!」

トニー「君が頭を下げる必要はない。私も日本酒とサシミが楽しめなくなるのは惜しいからね」

マナ「じゃあ…!」

トニー「ああ、協力しよう」

マナ「~~~っ! ありがとうございます、トニーさん!」

トニー「誰だ」

ソー「私だ」

トニー「お前だったのか」

ソー「また騙されたな」

トニー「全く気付かなかったぞ」

ソー「暇を持て余した」

トニー「神々の」

ソー・トニー「遊び」

~~アイアンスーツ収納室~~

六花「凄い…ここがアイアンマンのスーツが保管してある部屋…」

亜久里「色んなタイプのスーツがたくさんありますわ…」

真琴「しかもこれ、自分の家に置いておけるだなんて…」

マナ「あれ…? でも前に大統領誘拐事件があった時、スーツはほとんど爆破してしまったって聞きましたけど…」

トニー「ああ。だが私ほどの天才なら、いくらでも新たに作り出せるからな」

ありす「さすがは一大企業、スターク・インダストリーの元社長さんですわ」

トニー「そういえば君は、四葉財閥の令嬢らしいね」

ありす「あ、はい。四葉ありすと申します」

トニー「昔君のお父上と仕事をしたことがある。大変世話になったよ」

ありす「まあ、それはそれは♪」

亜久里「さすがは四葉財閥…どこにでもコネクションがあるのですね…」

マナ「トニーさん、これは自動で動くんですか?」

トニー「もちろん人工知能・ジャーヴィスによって自動で操縦できるが、普段は私自身が着ているんだ」

トニー「自己紹介が遅れたね、私はトニー・スターク。アイアンマンだ」

マナ「はいはい! 大貝第一中学、生徒会長の相田マナです! キュアハートです!」

六花「マナの幼馴染で、キュアダイヤモンドの菱川六花です」

ありす「父がお世話になっています、先ほど名乗った通り、四葉ありすです。キュアロゼッタに変身いたしますわ」

真琴「キュアソード、剣崎真琴よ。みんなからはまこぴーって呼ばれているわ」

亜久里「円亜久里です。変身するとキュアエースになって、少し身体が成長するのです」

ペッパー「ペッパー・ポッツよ。こう見えてもトニーの妻なの」

トニー「ああ、彼女は怒らせない方がいいぞ。何せ私よりも強い」

ペッパー「以前人体改造されたことがあってね。エクストリミスという物質のせいで、不死身になってしまったの」

マナ「じゃあ、トニーさんとペッパーさんがいれば百人力ですね! ん~~っ、きゅんきゅんしてきた!!」

トニー「きゅ、きゅんきゅん…?」

マナ「すみません、マナの口癖なんです…」

ペッパー「かわいらしくていいじゃない」

トニー「ところで君たちの敵…ジコチューといったね。そいつらの目的に心当たりはないのか?」

マナ「全然ないっていうわけじゃないですけど…」

トニー「少しでもいいから情報をくれないか? 参考にしたい」

マナ「…はい。日本を出る前、ジコチューの一人が話してたんですけど…」

六花「前に、ニューヨークが宇宙人に侵略されたことがありましたよね?」

トニー「うっ…!」

ペッパー「ちょっと、大丈夫?」

ありす「どうされたのですか!?」

トニー「私はその話をされると軽度のパニック発作が起きるんだ…」

マナ「えっ!? ご、ごめんなさい!」

トニー「いや、これでもかなり落ち着いた方でね。構わず続けてくれないか?」

真琴「けれど…」

亜久里「続けさせてもらいしょう。事態を解決するためには、知っていただくしかありません」

マナ「う、うん…。それでその時、トニーさんを含めて何人かのスーパーヒーローが活躍して、地球のピンチを救ったんだって…」

トニー「ああ、アベンジャーズと言うチームだ」

六花「ベールっていう男がそれをニュースで見たらしくて、その……」

亜久里「…あなたたちのうち、誰かを狙っているようなんです…」

トニー「アベンジャーズを? 狙うというのはどういうことだ?」

真琴「ジコチューは、人の心のプシュケーを取り出して、小さな悪意とかを利用して闇に染めてしまうの」

ありす「するとそのプシュケーは、とんでもない化け物に変身してしまうのですわ」

六花「その心の持ち主が強ければ強いほど、より強力なジコチュー、化け物が生まれると思っているんです」

トニー「つまり、私たちの誰かの心が悪に染められ、化け物にされようとしているということか?」

マナ「そうなんです。だからトニーさんには、ちゃんと話を聞いてもらっておかなきゃと思って…」

トニー「発作のことなら気にしなくていい。それよりも問題は、誰が標的にされようとしているのか、だな」

ペッパー「アベンジャーズと言えば、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソー、ブラック・ウィドウ、ホークアイの六人ね」

トニー「ソーである可能性は低いな。普段は人間界にいないはずだ。接触は難しい」

ペッパー「ハルクは? 彼なら強いモンスターが生まれそう」

トニー「彼自身がモンスターだからな。…って、他の者には伝えているのか?」

マナ「あ、はい! あたしたちの仲間が説明に行ってるはずです!」

ジャーヴィス『サー』

トニー「どうした? ジャーヴィス」

ジャーヴィス『彼女たちに食事でも出してみては?』

トニー「おっとそうだった。気が利かなくてすまない」

マナ「いやいや、お構いなく!」

トニー「せっかくだ、ご馳走してやろう。ペッパーの料理は美味だぞ」

ペッパー「ちょうどトニーの夕食を用意しようと思っていたの。よかったらあなたたちも召し上がって」

六花「じゃあ、お言葉に甘えて…」

ありす「いただきますわ」

ペッパー「とびっきりのデザートも作らなくちゃね」

亜久里「デザート!? それはどんなスイーツなのですか!?」

真琴「まったく、アメリカに来ても変わらないんだから…」

全員「あはははは!」ウィーン…―――

トニー「………」

トニー「ジャーヴィス。一応彼女たちのことと、プリキュアについて調べておけ」

ジャーヴィス『彼女たちを信頼していないので?』

トニー「そういうわけじゃない、念のためだ」

ジャーヴィス『しかし、昨夜も遅くまでスーツ作りに徹し、先ほども発作が起きたので、少々休息を取った方がよろしいかと…』

トニー「心配ない。早くしてくれ」

ジャーヴィス『…イエス、サー』

~~同時刻:ジコチュー搭乗ジェット機~~

ベール「…どうやらそろそろ到着するようだぞ」

イーラ「すっげー! 人間界にこんな広いとこがあったなんて!」

マーモ「まるで子供ね。でもベールもよく考えたわね、他国でジコチューを作り、世界征服を目論むだなんて」

ベール「ふっ。アベンジャーズとかいう連中をジコチューにすることができれば、世界は手に入ったも同然だ…」

ベール「(そしてゆくゆくは、ジコチュー界のナンバー・ワンに……)」

マーモ「で、一体あのうちの誰をジコチューにするの?」

イーラ「いい加減教えろよ! あ、まさか全員か!?」

ベール「そんなに苦労する必要はない。俺が狙っているのは、あの中で一番闇を抱えていそうな存在だ…」

マーモ「だからそれは誰だって言ってんのよ!」

ベール「ちょっと耳を貸せ」ゴニョゴニョゴニョゴニョ…

イーラ・マーモ「……ふむふむ」

イーラ「なるほど、そいつは面白そうだぜ…!」

~~スターク邸・廊下~~

マナ「おいしかったー! ペッパーさん料理上手ですね!」

ペッパー「そう? それは嬉しいわ」

六花「今度はマナの家でもてなさなくちゃね」

ペッパー「あら、あなたの家は料理屋なの?」

マナ「はい! ぶたのしっぽ亭っていう洋食屋なんです!」

ペッパー「それじゃ、日本に行くことがあればご馳走になるわね」

マナ「もっちろん! トニーさんも連れてきてくださいね!」

六花「そういえば彼、結局夕食の席に現れなかったけど、どうしたのかしら?」

ありす「もう間もなく部屋に着きますわ」

真琴「まだ残ってるんじゃないの?」

ペッパー「トニー? 入るわよ?」

~~スーツ保管室~~

トニー「―――なるほど、それぞれ別のプリキュアが保護に向かっているのか」

ジャーヴィス『はい。かなりの人数体勢で、ジコチューに襲われないようにしているみたいですね』

トニー「そのジコチューの足取りについては?」

ジャーヴィス『アメリカのレーダーに不審な航空機が映されたようですが、すぐに姿を消したという情報があります』

トニー「姿を消した?」

ジャーヴィス『特殊な、おそらく地球のものではない電磁波を扱ったものかと』

トニー「…ではどこに向かっているのかはわからないんだな?」

ジャーヴィス『申し訳ありません』

トニー「………」

ジャーヴィス『サー。ポッツ様たちが階段を下りています』

トニー「すぐにモニターを消せ」

ジャーヴィス『イエス、サー』ヴゥウン…―――

ペッパー「トニー? 入るわよ」

トニー「ああ、構わない」

ペッパー「何してたの?」ウィーン

トニー「ちょっとスーツの微調整を……おお、ペッパーの料理はどうだった?」

真琴「とてもおいしかったです」

亜久里「特に食後のショートケーキ! ほどよい甘さがイチゴの酸味を惹き立たせて―――」

六花「ちょっと亜久里ちゃん…」

亜久里「はっ! すみません、わたくしとしたことが、スイーツの話になるとつい…」

トニー「君たち、宿はどうするんだ?」

マナ「どこか適当な場所に泊まろうかって思ってますけど…」

トニー「それなら是非うちに泊まっていくといい。テロリストも来てるんだろう?」

マナ「えっ? いいんですか?」

六花「でも、料理もご馳走してもらって宿まで…」

真琴「ちょっと申し訳ないわね…」

プリキュアあんまりよく知らないけど
ハルクとソー以外に取り憑いてもあんまり強くなさそうだろ……

トニー「気にするな。夜のお供にジャーヴィスをつけよう」

マナ「ジャーヴィス?」

トニー「私の相棒だ。人工知能でね、姿形はないが、いざという時君たちに危険を知らせてくれるだろう」

マナ「人工知能!?」

六花「さすがは世界的な資産家、トニー・スターク…」

ありす「四葉財閥もそこまでの技術は持ち合わせていませんわ…」

真琴「あのありすが資金面で驚愕するなんて…」

亜久里「皆さん、お言葉に甘えましょう。それなら何かが起きた時、わたくしたちもトニーさんの身をお護りできますし」

トニー「頼りにしてるよ。風呂も自由に使うといい、好きなタイミングで寝てくれ」

マナ「トニーさん、これは自動で動くんですか?」

トニー「もちろん人工知能・ジャーヴィスによって自動で操縦できるが、普段は私自身が着ているんだ」
  ↓
マナ「ジャーヴィス?」

トニー「私の相棒だ。人工知能でね、姿形はないが、いざという時君たちに危険を知らせてくれるだろう」

マナ「人工知能!?」


マナちゃんうっかりさんだな

~~同日夜:スターク邸・客人用寝室~~

マナ「ベッドふかふかできもちい~~っ!」

真琴「かなり上質な素材を使ってるわね…」

六花「しかも何故か人数分あるし…」

ジャーヴィス『失礼します、皆様。ジャーヴィスと申します』

マナ「あっ! あなたが人工知能のジャーヴィスさん!?」

六花「…って、どこから声がしてるの?」

ジャーヴィス『この部屋には私の声がスピーカーから届くようになっています』

亜久里「普段はどうやってトニーさんと連絡を取っているのですか?」

ジャーヴィス『スターク様の耳に小型のインカムをつけ、それを通して会話しています』

マナ「あたし、相田マナです! よろしくね、ジャーヴィスさん!」

ジャーヴィス『はい、こちらこそスターク様をよろしくお願いします』

六花「随分強い信頼関係が見えるわね」

ジャーヴィス『スターク様は私の主であり、親ですから』

マナ「愛だね、愛!」

>>32
シビルウォーの時のキャップとか

>>34
おいキャップの悪口はよせよ

……よせよ

ジャーヴィス『愛? …と呼べるものかはわかりませんが、スターク様が心配なのは確かです』

ありす「心配? 何かあったのですか?」

ジャーヴィス『…実はスターク様には内緒にしているのですが、日本からの不審な航空機が、こちらに近づいています』

マナ「ええっ!? じゃあジコチューの標的はトニーさんってこと!?」

ジャーヴィス『おそらくは……』

真琴「でもそうだとしたら、なんで彼に黙っておくの?」

ジャーヴィス『スターク様はこのところ、以前にも増してスーツ作りに励んでおられます』

ジャーヴィス『本人は大丈夫だと言っていますが、私にはそうは思えません』

ジャーヴィス『睡眠不足からくる肉体的な疲労と、過剰な使命感から来る精神的な疲労で、かなり参っているはず』

ジャーヴィス『おそらく敵はそんなスターク様の現状を狙っているのだと思います』

ジャービス『自分が狙われ、そしてその原因が自分の行動にあるのだと知れたら、スターク様は更に無理をし兼ねない』

ジャーヴィス『私はスターク様の思想を邪魔したくありません。ですがそれ以上に、彼の身が心配なのです』

ジャーヴィス『私は人工知能―――いざという時お側にいて、スターク様の命を守ることはできません』

ジャーヴィス『ですから私からのお願いです。私の代わりに、どうかスターク様を護ってください、皆様』

マナ「…ジャーヴィスさんは、トニーさんの大切な相棒なんですね!」

ジャーヴィス『相棒…ですか?』

マナ「うん! 二人の間にある信頼は、愛だよ!」

ジャーヴィス『しかし私には心がありませんので、愛という形ないものは―――』

マナ「絶対に間違いないって! だって胸の奥がこんなにきゅんきゅんしてるんだもん!」

真琴「…そうね。ただの機械とその製作者の関係なら、ここまで相手を想えたりしないわ」

ありす「ジャーヴィスさんにトニーさんを心配する心があるのなら、お二人は強い絆で結ばれているはずですわ」

亜久里「わたくしも感じました。だからこそ、あなたからの願いを叶えなくてはなりません」

六花「もしもジコチューたちがトニーさんを狙ってるんなら、私たちにできる限りのことをするわ」

マナ「あたしたちに任せて、ジャーヴィスさん! トニーさんのことは絶対に護ってみせる! 約束する!」

ジャーヴィス『…はい。よろしくお願いします』

~~翌朝:トニー・スターク私室~~

マナ「おはようございます、トニーさんっ!」

トニー「ああ、おはよう。よく眠れたか?」

マナ「はい、もうバッチリ!」

ジャーヴィス『サー。新しいスーツのチェックが終わりました』

トニー「あとで調整しよう」

六花「こんな朝早くからスーツのチェックを?」

トニー「ああ、まぁな…」

ありす「…トニーさん、ひょっとして昨晩は寝てないのではありませんか?」

マナ「え!? けどジャーヴィスさん、その前も全然寝てないって…」

トニー「私なら心配いらない。こう見えてもタフなんだ」

真琴「そりゃ、タフじゃなきゃヒーローなんてできないだろうけど…」

亜久里「いくらなんでも二日続けて徹夜だなんて、無茶しすぎですわ」

トニー「私を誰だと思ってるんだ? アイアンマンだぞ。昔はスターク・インダストリーの社長だったんだ。徹夜続きなんていつものことさ」

ジャーヴィス『夜食にエナジードリンクと高カロリー食をお持ちいたしました』

六花「…マナ。やっぱりジャーヴィスさんの話は本当だったみたいね」コソコソ

マナ「うん。トニーさんが無理ばっかりして、心配だっていう話だね」

ありす「どうしましょう。このままでは意図せずとも、トニーさんの心に闇が溜まっていく一方ですわ…」

真琴「これは作戦を決行するしかないわね」

亜久里「トニーさんのストレスをできるだけ和らげ、ジコチューの襲来に備えるのですね?」

トニー「何をコソコソ話してるんだ?」

マナ「ああいや~、なんでも~! あはは…」

六花「トニーさん、もしジコチューが襲ってきても私たちが戦いますから、トニーさんはゆっくり休んでてください」

ありす「のんびり観ていただいたら、あっという間に終わらせますわ」

真琴「相手は私たちの敵なんだし、楽勝よ」

亜久里「そうですわ。異国の敵相手にわざわざトニーさんが無理をして戦う必要はありません」

トニー「いや、しかし私が加勢した方が早く決着がつくと思うが」

マナ「大丈夫だいじょーぶ! あたしたちに全部任せて!」

ジャーヴィス『サー。ここは彼女たちの案に従った方がいいかと』

トニー「私に戦闘を子供に任せて黙って見ていろと?」

ジャーヴィス『そうは言っていませんが…』

トニー「とにかく、いざ奴らが来たら私も戦おう」

マナ「…どうしてそこまで戦いにこだわるんですか?」

トニー「私が戦いにこだわっている?」

マナ「だって、せっかく不安障害も落ち着いたのに、夜も眠らずにスーツ作って、他に仲間だっているのに戦闘の前線に出て…」

六花「まるで、何かに憑りつかれてるみたい…」

トニー「…もし君たちがそう思っているんなら、大きな勘違いだ。私は不安障害を引きずっているわけじゃないし、憑りつかれてもいない」

マナ「だったらどうして? どうしてそこまでして戦おうとするんですか?」

トニー「それは…―――」

シャルル「何か来るシャル!」

六花「! 来たわね、奴らよ!」

トニー「何? まさか本当に私のところへ?」

マナ「みんな、行くよ!」

~~数分後:スターク邸・庭:ジコチュー襲来~~

マーモ「―――ちょっと! なんでアンタたちがいんのよ!?」

六花「やっぱり来たわね!」

ありす「あなたたちの考えていることは、全てお見通しですわ!」

真琴「トランプ王国や大貝町だけじゃなく、外国にまで迷惑をかけるだなんて!」

亜久里「その狼藉、わたくしたちが成敗してくれますわ!」

トニー「…ちょっと待て。まるで奴らがここに来るのを予期していたような口振りだが…」

マナ「…ごめんなさい、トニーさん。あたしたち、多分アベンジャーズのうちあなたが狙われるだろうって思ってたんです…」

トニー「…どういうことだ? ジャーヴィス」

ジャーヴィス『…申し訳ありません、サー。不審機の航路はこちらへ向かっていたのです』

トニー「何故黙っていた?」

ジャーヴィス『なるべくスターク様に負担をかけたくないと…』

トニー「私なら心配いらないと言っただろう! より大問題になったらどうするつもりだ!」

ジャーヴィス『…申し訳ありません』

マーモ「…あらあら、仲間割れ?」

イーラ「おいベール、今がチャンスだぜ?」

ベール「うむ。イーラ、予定通りヤツの心をジコチューにしろ」

イーラ「えっ、また俺かよ!? …ちぇっ、仕方ねえ、行ってくるか!」シュシュンッ!

ジャーヴィス『サー、争っている場合ではありません。注意してください』

トニー「どう注意しろというんだ!?」

ジャーヴィス『奴らは耳元で囁きかけ、心に芽生えた悪の感情を増幅させるようです。その声に極力耳を貸さないように―――』

イーラ「もっとケンカしちゃえよ」

トニー「しまった!」

マナ「トニーさん! 気をしっかり持って! 大丈夫、あなたなら耐えられるはず!」

イーラ「もっと争えよ。憎いだろ? 自分をバカにする相手が」

トニー「ふざけるな、私はこの程度で―――」

イーラ「…お前の望み、叶えてやるよ…!」

トニー「…っ!」

イーラ「暴れろ! お前の心の闇を解き放て!」ボンッ!

トニー「うぐぅ…ッ! ―――……ん?」

マナ「……あれ? トニーさんなんともない…」

六花「失敗したんじゃない?」

ありす「…! あれを見てください!」

真琴「闇に染まったプシュケー!? そんな!?」

亜久里「トニーさんは無事ですわ!」

トニー「ああ、確かに私はなんともないが……ジャーヴィス、どうなっている?」

ジャーヴィス『―――…』

トニー「…ジャーヴィス。おい、どうしたんだ?」

ペッパー「ちょっと、この家揺れてない?」

トニー「この揺れは…スーツの保管室の方か?」

ウィーン…ガコンッ、ゴゴゴゴゴゴ…―――!!

六花「床に穴が!? それに、大量のスーツが飛び出て…!」

トニー「おい、ジャーヴィス! どうしたんだ、何故スーツが勝手に起動した!?」

マナ「…はっ! まさか、あのプシュケーは…!」

ベール「ようやく気付いたか。そう、我々の標的は―――」

???型ジコチュー「ジーコチューゥゥウウ!!!」

ベール「アイアンマンの頭脳ともいえる人工知能、ジャーヴィスだ」

ジャーヴィス型ジコチュー「ジコォォオオオオ!!!」

マナ「そんな…! ジャーヴィスさん!!」

ベール「無駄だ。奴は最早我々のためだけにスーツを操る傀儡となった」

イーラ「スゲーだろ! こうすりゃアイアンマンだけじゃなくて、その男が持ってるスーツを全部操れるって寸法よ!」

マーモ「今回だけはベールの案が役に立ったわ!」

ベール「」

トニー「…ダメだ、私の脳波にも反応しない! 全てのスーツが操られている…!」

六花「ちょっとこの数、簡単には相手できないわよ…!」

ペッパー「トニー! あなたもう暇があればスーツ作るの禁止!!」

トニー「」

マナ「こんなことしてる場合じゃない! みんな、いくよ!!」

全員「プリキュア・ラブリンク!!」

http://www.youtube.com/watch?v=cXaGFBNYpn4

全員「響け、愛の鼓動! ドキドキプリキュア!」

ジャーヴィス型ジコチュー『ジーコチュー!!』

トニー「ジャーヴィス、しっかりしろ!!」

キュアロゼッタ「いけませんトニーさん! 逃げてください!」

キュアソード「ああなったら何を言っても駄目よ!」

トニー「ジャーヴィス!!」

ジャーヴィス型ジコチュー「ジコォォオっ!!」

キュアエース「危ない!!」ガバッ!

トニー「くっ!」ズザァッ!

キュアダイヤモンド「キュアエース!」

キュアハート「…ジャーヴィスさん! しっかりして!」

イーラ「はははッ! 通じるわけねぇだろ!?」

ベール「アイアンマンの頭脳は我々のものだ。このスーツで人間界を征服する」

ジャーヴィス型ジコチュー「スターク様はどうしてわかってくれないんだー!」

トニー「…?」

ジャーヴィス型ジコチュー「いつもいつも! ご自分の身を省みず! 本能のままに! 周りを巻き込んで! 危険な目ばかりに合う!」

ペッパー「ジャーヴィス…?」

ジャーヴィス型ジコチュー「私が再三注意しても聞かない! まるでただの召使のように扱われる! 私に心がないのをいいことに!」

トニー「………」

ジャーヴィス型ジコチュー「もうスターク様に協力はしたくない! スターク様のお体を傷付ける手助けなどしたくない!」

キュアハート「ジャーヴィスさん…」

ジャーヴィス型ジコチュー「敵が襲って、スターク様がその度に無理をなさるなら、いっそ私が敵が来ないよう、世界そのものを破壊してやる!」

イーラ「ははっ、いいぞ! その意気だぜ!」

ジャーヴィス型ジコチュー「ジコーッ!!」ビューン!

マーモ「…ってちょっと、どっか飛んでっちゃったわよ?」

トニー「ジャーヴィス!」ダダッ!

キュアハート「ジャーヴィスさん!!」ダッ!

ベール「おっと、お前たちの相手はこいつらだ」

アイアンスーツ複数体「………」

キュアハート「…っ、どいて! ジャーヴィスさんを止めなくちゃ!」

キュアダイヤモンド「ちょっとあなたたち、ずるいわよ! 数で押し切ろうとするなんて!」

ベール「ふん、なんとでも言え」

アイアンスーツ複数体「…―――」ゴオッ!

キュアエース「キュアハート! とにかく今はスーツの相手を!」

ペッパー「私も加勢するわ!」

トニー「危険だペッパー、離れていろ!」

ペッパー「文句は私に勝ってからにして!」

ドガァ、ズゴォッ! ドガガガガッ!

トニー「…くそっ、こんな時、私はジャーヴィスがいないと何もできないのか…!」

トニー「ジャーヴィス…!」

キュアハート「安心して、トニーさん! ジャーヴィスさんはあたしたちが必ず助ける! そして、トニーさんも協力して!」

トニー「私が…? しかし、スーツがないと戦えな―――」

キュアハート「そんなことない!!」

トニー「っ!?」

キュアハート「ジャーヴィスさんに頼まれたの! 自分には心がないから、代わりにトニーさんを助けてくれって!」

キュアハート「自分が人工知能なのを知ってても、ジャーヴィスさんはトニーさんを護ろうとしてた! とっても素敵な愛を感じた!」

キュアハート「スーツなんかなくっていい! ジャーヴィスさんは、あなたの大切な相棒でしょ!?」

キュアハート「ジャーヴィスさんを本当に助けられるのは、トニーさんしかいないんだよ!」

トニー「…ジャーヴィスが、そんなことを…?」

キュアハート「待ってて…! ここを突破したら、絶対にあなたをジャーヴィスさんのところへ連れていくから…!」

トニー「……ああ、頼む…!」

キュアダイヤモンド「でもこの数、私たちだけじゃ…!」

キュアソード「さすがはアイアンマンのスーツ、一筋縄じゃいかないわね…!」

キュアロゼッタ「このままでは到底敵いませんわ…!」

キュアエース「何か…! 何か策があれば…!」

???「策を練る必要はない!」

キュアハート「あなたは…!」

フューリー「待たせたな、諸君」

キュアハート「フューリーさん! どうしてここに!?」

フューリー「もちろん、事件を解決するために、だ。ここにいるのは私だけじゃないぞ」

トニー「なんだって? …ッ!」ヒュゥゥン…

キュアダイヤモンド「トニーさん、危ない!」

ドオォオオン…―――。

トニー「―――……? 私は生きているのか…? 砲撃が当たったと思ったが…」

???「勝手に死なないでくれ」

トニー「…君は…!」

http://www.youtube.com/watch?v=cnGedeRXkx4

キャプテン・アメリカ「スターク社製の盾が役に立った」カンカン!(盾を叩く音)

トニー「キャプテン…! まさか…」

ブラック・ウィドウ「まさかで悪かったわね」ドン!ドン!(拳銃を撃つ音)

トニー「ロマノフ…!」

ソー「地球は訪れる度に事件が起きてるな」ブンブンブンブン!(ハンマーを振る音)

ホークアイ「我々エージェントも大変だ」ヒュン!ヒュン!(矢を放つ音)

ハルク「ヴァァアアアアッ!!!」ヴァァアアアアッ!(ヴァァアアアアッ!)

トニー「ソー、ホークアイ、ハルク…!」

フューリー「…ここは我々アベンジャーズに任せて、君はプリキュアと共にジャーヴィスを追え」

キュアロゼッタ「ですが、数えただけでも四十体以上はいますわ!」

キュアダイヤモンド「暴走したアイアンマン四十体は、さすがにもっと人数が…!」

???「私たちのことも忘れないでよね!」

キュアハート「あの人影は…―――まさか!」

http://www.youtube.com/watch?v=ux0y-rs_00I

キュアブラック「光の使者! キュアブラック!」

キュアホワイト「光の使者! キュアホワイト!」

キュアハート「ブラック! ホワイト! それに―――」

プリキュア全員「プリキュアオールスターズ!」

キュアブラック「話は聞いたわよ、キュアハート! ここはアベンジャーズのみんなと、私たちプリキュアオールスターズに任せて!」

キュアハート「でも…!」

キュアホワイト「大丈夫っ! それよりも、トニーさんを大切な親友のところへ!」

キュアハート「……うん! お願い!」

オールスターズ「了解!!」

イーラ「くそっ、あいつらに行かれちまうぞ!?」

キュアハート「掴まって、トニーさん! 一緒にジャーヴィスさんのところへ!」

トニー「ああ…! すまない君たち! 恩は必ず返す! ここを頼んだ!」

プリキュアオールスターズ「任せて!!」

アベンジャーズ「行け、トニー・スターク!!」

~~数分後:アメリカ上空~~

ヒュゥゥウウウウン―――。

キュアハート「―――…いた! ジャーヴィスさんのジコチューだ!」

キュアダイヤモンド「地上!?」

キュアソード「あんな人気のない更地で、何をしようとしているのかしら…?」

トニー「…おそらく、周囲の電波を拾ってあらゆる電子機器を支配下に置こうとしているんだ」

キュアロゼッタ「そんなことができるのですか?」

トニー「すまないが、私をジャーヴィスのもとへ」

キュアエース「行きましょう!」

~~地上:電磁波集合場所~~

キュアハート「ジャーヴィスさん!」ヒュゥゥウ―――…スタッ

ジャーヴィス型ジコチュー「ジーコチューゥウ!! ―――…ジコ?」

キュアハート「ジャーヴィスさん、もうこんなことはやめて!」

ジャーヴィス型ジコチュー「うるさーい! もう私なんてどうなってもいいんだー!」ヴォォォオン!

キュアハート「きゃああッ!」

キュアダイヤモンド「これは…っ!?」

キュアロゼッタ「強力な電磁波ですわ…!」

キュアソード「これじゃ近づけない…!」

キュアエース「トニーさん、わたくしたちの後ろに…!」

ジャーヴィス型ジコチュー「全ての機械を操って、世界を征服してやる!」ヴゥゥウン…!

キュアハート「ジャーヴィスさん…!」

ジャーヴィス型ジコチュー「そして私がただの言いなり奴隷じゃないことを示してやるんだ!」

キュアハート「あなたは言いなり奴隷なんかじゃない!!」

ジャーヴィス型ジコチュー「! …ジコ…?」

キュアハート「誰もそんなこと思ってないよ!」

ジャーヴィス型ジコチュー「…でもスターク様は、私の注意を聞かない! それは私に心がないことを知っているからだ!」

キュアハート「違う! あなたに心はある!」

ジャーヴィス型ジコチュー「…ジコ…?」

キュアハート「ジャーヴィスさん言ったよね? 心がない自分の代わりに、トニーさんを護ってほしいって」

キュアハート「そう思えるっていうのは、心がある証拠なんだよ? 相手を心から想えてる証拠なんだよ!」

キュアハート「ジコチューになった今でも、あなたはトニーさんが無理をしなくていいように、世界を壊したいって言った!」

キュアハート「確かにそれはとっても自己中だけど…でも、心がなければ、愛がなければ、そんなこと言えないんだよ!?」

キュアハート「大切な人を護るための自己中は、あなたが誰かを愛してるっていう証拠なんだよ!」

キュアハート「そしてあなたに心があるのは! トニーさんが、心を込めてあなたを作ってくれた証なの!」

ジャーヴィス型ジコチュー「…スターク、さ…ま……」

トニー「………」

トニー「…ジャーヴィス」

トニー「確かに私は、昔も今も自分勝手だ」

トニー「天才だが自信家。ヒーローなのに傲慢。最近では挫折も覚えた」

トニー「その相棒であるお前にはいつも迷惑をかける。正直気にも留めていなかったが、よくわかったよ」

トニー「私はお前を、自分の一部だと思っていた」

トニー「謝ろう。悪かったと」

トニー「だが私は、お前がいなければ戦えない。お前がいなければ安心できないんだ」

トニー「これからも私は好き勝手に行動し、みんなに迷惑をかけるだろう。自己中だからな」

トニー「だがお前を―――相棒をなくしたままでは何もできない」

トニー「許してくれ、ジャーヴィス。そしてできるなら…私のもとへ帰ってきてくれないか?」

ジャーヴィス型ジコチュー「……ジコ……」ヴゥゥ…ン…

キュアダイヤモンド「っ! 電磁波が弱まった!」

キュアエース「今よ! キュアハート!」

キュアハート「うん!」

キュアハート「愛をなくした哀しい人工知能さん!」

キュアハート「このキュアハートが、あなたのドキドキ、取り戻してみせる!」

プリキュア「ラブハート・アロー!」

http://www.youtube.com/watch?v=cqcMwHBw0Gs

プリキュア「プリキュア・ラブリー・フォース・アロー!!」

ジャーヴィス型ジコチュー「ジコォオッ!!」ドシュウッ!

ジャーヴィス型ジコチュー「―――…ああ、そうだ」

ジャーヴィス型ジコチュー「私はとっくに気づいていた」

ジャーヴィス型ジコチュー「スターク様は私に心を与えてくださっていたことに」

ジャーヴィス型ジコチュー「ただ知って欲しかった。私もスターク様を愛しているということに」

ジャーヴィス型ジコチュー「でなければ、胸の奥にこんな感情は湧いてこないはず」

ジャーヴィス型ジコチュー「確かに感じるこの想い……それは―――」

ジャーヴィス型ジコチュー「らーぶらーぶラーァァアァアブ!!」チュドーン!!



ジャーヴィス『―――…サー』

トニー「…! ジャーヴィスか?」

ジャーヴィス『申し訳ございませんでした……』

トニー「お仕置きならあとでたっぷりしてやる。だが今の私にはやるべきことがある。わかるな?」

ジャーヴィス『…はい!』

~~スターク邸周辺~~

アイアンスーツ「―――……」ガコッ…ヴゥゥン…―――

イーラ「あれ? おい、どうしたんだよ!?」

ベール「どうやら負けたようだな」

イーラ「またかよ!? くそっ、せっかくアメリカまで来たってのにィ!」

ベール「そうイライラするな。見ろ、ここには大勢のヒーローが集っているぞ」

マーモ「…なるほど。一度失敗しても、こいつら全員ジコチューにしてしまえばいい話ね」

イーラ「へへっ、わざわざここまで来たんだ、どうせならめちゃくちゃにして帰ってやるぜ!」

???「それは待ってもらおうか」

イーラ「あん? …! て、てめェは!?」

アイアンマン「こんなにキレたのは久しぶりだ」キュィイン…!

マーモ「ちょ、ちょっと…マズいんじゃない?」

アイアンマン「生身相手にこれを放つのは少々気が引けるが、覚悟はできてるだろう?」ウィイイン…

ベール「おいお前たち、逃げるぞ」

アイアンマン「憶えておけ。もし今度私の「友」に手を出したら―――」ィィイイイン…!

アイアンマン「次は容赦しない」ドォォオン!!

ジコチュートリオ「ぎゃあああああッ!」

イーラ「ちっくしょー、なんでアメリカでまでこんな目にィ!」シュシュンッ!

マーモ「もーアベンジャーズ相手はこりごり!」シュシュンッ!

ベール「テレビに影響されない男になろう…」シュシュンッ!

アイアンマン「―――…仇は討ったぞ、ジャーヴィス」

ジャーヴィス『死んでません、サー』

~~数時間後:スターク邸・庭~~

セバスチャン「―――…お迎えに上がりました、皆さん」

トニー「もう帰ってしまうのか」

マナ「はい。あたしたちはまだ、あいつらと戦わなくちゃいけませんから」

真琴「けれど安心ね。もし奴らがまたアメリカに現れても、アベンジャーズがいれば」

ありす「とってもかっこよかったですわ! 特にあのハルクと言う方、うちで飼いたいくらいです!」

セバスチャン「いけません、お嬢様」

六花「ははは…。またいつか会いましょう?」

ペッパー「ええ。今度は私たちがそっちにお邪魔するわね」

亜久里「またあのスイーツが食べたいです!」

マナ「亜久里ちゃん…。―――…ジャーヴィスさん!」

ジャーヴィス『はい?』

マナ「トニーさんと、いつまでも仲良くね!」

ジャーヴィス『…イエス、ミス・マナ』

~~ありす専用ジェット離陸後:スターク邸・庭~~

ジャーヴィス『―――…行ってしまいましたね』

トニー「不思議な少女たちだったな。ただの子供じゃないようだ」

ジャーヴィス『恐れ入りますが、スターク様の方が子供らしいですよ』

トニー「いつからそんな軽口をたたくようになったんだ?」

ジャーヴィス『今後は私もこういうスタイルで行こうかと』

トニー「妙な影響を受けたな。好きにしろ」

ジャーヴィス『…ですが、今回の件は本当にすみませんでした』

トニー「気にするな。私もよく迷惑をかける」

ジャーヴィス『これからも私は、何かを機に暴走してしまうかもしれません』

ジャーヴィス『あなたが生活を改めない限り、私のせいで世界が危機に瀕してしまうかも』

トニー「そうなれば私がお前を止めてやるさ」

ジャーヴィス『ということは、結局私の注意を聞かずに、スーツ作りや活動を続けていくということですね?』

トニー「…少し控えよう。だがお前にはまだ働いてもらうことになる」

ジャーヴィス『国のために、ですか?』

トニー「もちろん、愛するアメリカのためでもあるが…それよりも…」

トニー「大切な家族…ペッパーやジャーヴィスのために、私はヒーローを辞めるわけにはいかないんだ」

ジャーヴィス『…サー……』

トニー「相棒のくせにそんなこともわからないのか? 全く、世話の焼ける友人だ」

ジャーヴィス『たとえご自分が傷つくようなことがあっても戦い続ける、と?』

トニー「当たり前だ。まさか忘れたわけじゃないだろう?」




トニー「私はアイアンマンだ」

http://www.youtube.com/watch?v=D5lmDMcmW6c

~~エピローグ:ありす専用ジェット機内~~

マナ「ん~~っ、今思い出してもかっこよかったー!」

真琴「やよい先輩が大はしゃぎだったわ」

六花「またみんなと会えるといいわね」

亜久里「今度は戦いなしでお願いしたいものです」

セバスチャン「―――…失礼ですが、皆さん。少し寄り道をしてもよろしいでしょうか?」

マナ「寄り道?」

ありす「ブルースさんのところですね?」

六花「ブルースさん…って誰?」

ありす「ここから少し離れたところに、ゴッサムシティという街があります。そこに住んでいる私の知人ですわ」

真琴「また実家繋がり?」

ありす「ええ。彼はお父上から受け継いだ、ウェイン・エンタープライズという会社の御曹司なんです」

セバスチャン「ブルース・ウェイン。大変な資産家で、ゴッサムシティで最も知名度の高い人物」

セバスチャン「またの名を―――バットマン」

TO BE CONTINUED...

~~終わり~~

エピローグの話はまだできてないので、機会があれば投稿する
人少なくて寂しいお 意外とアイアンマンもプリキュアも人気ないんですかお?

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