ハギヨシ「私が作って」京太郎「俺が動かす」京ハギ「ガンダムビルドファイターズ!」 (206)

※グラハム・エーカーによる注意書き

この作品は咲-Saki-の須賀京太郎を主人公とし
ガンダムビルドファイターズの設定を利用した作品となっている

登場人物のキャラクター設定、性格などは著しく改変または崩壊しているので
肌に合わないと感じた読者は直ちにトランザムでこの宙域から離脱する事をお勧めする

またBFのキャラクターが登場する予定は現時点では無いのでご了承願いたい
しかし私を始めとしたガンダム既存作品の人物やなんだかよく分からない人達は大量に出現する予定だ

以上の点を踏まえて興味を持ってくれたのならば
本作品の水先案内人はこのグラハム・エーカーが引き受けよう

では次から本編を開始する

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386683439

-龍門渕邸-

京太郎「……うーん」

ハギヨシ「何を見ているのですか?」

京太郎「ん?ああ、これだよ」スッ

ハギヨシ「なになに。第7回ガンプラバトル全国大会開幕のお知らせですか?もうそんな時期なんですね」

京太郎「今年は出場しようかなって思ってさ」

ハギヨシ「成る程。では私と熱く!激しく!参加しませんか?」

京太郎「うーん」

透華「お待ちなさい!」バッ

ハギヨシ「お、お嬢様!?」

透華「京太郎さんをガンプラバトルに誘うのならば私が京太郎さんと出場しますわ!」

ハギヨシ「急に何を言うかと思えば……申し訳ありませんがお嬢様とでは勝てるビジョンが見えません。ここは息のあったコンビネーションの私と京太郎君こそが相応しい!」

京太郎「いつ俺とハギヨシが息のあったコンビネーションをしましたかね?」

透華「押し付けがましい男は嫌われますわよ!ここは“美少女ガンプラファイター”龍門渕透華が京太郎さんとコンビを組むのがベストですわよ!」

京太郎「自分で美少女とか言っちゃってるよこの人」

ハギヨシ「ここで議論を重ねても無駄ですね。では京太郎君に決めて貰いましょうか!」

透華「いいですわよ!私とハギヨシ、どちらとガンプラバトルをしたいかを!」

京太郎「じゃあ透華」

ハギヨシ「ぐはっ……」

透華「当然の結果ですわ」

ハギヨシ「な、何故すか!私との熱い友情は何処へ!?」

京太郎「ホモい友情は勘弁な。てか、普通考えたら男より女の子と参加するだろ」

ハギヨシ「で、ですが待って下さい!私の言い分はまだあります!」

透華「ホモの負け惜しみは見苦しいですわよ」

ハギヨシ「違います!タイトルを見て下さい」

京太郎「タイトル?」

ハギヨシ「そうです。このタイトルを読み上げて下さい」スッ

透華「えっと、『透華「私が作って」 京太郎「俺が動かす」 京&透「それがガンダムビルドファイターズ!」』」

ハギヨシ「捏造しないで下さい!」

透華「だまらっしゃい!勝てば官軍!負ければ死あるのみ!」

京太郎「無茶苦茶だなおい」

ハギヨシ「いいですか?仮にお二人がガンプラを買ったとしますしょう。しかし、箱を空けたらガンダムではなくヒュッ●ケバインだったらどうしますか?」

京太郎「即バニシング!!」

透華「情報統合思念体の見解からも杉田は一生ガンダムに乗れませんわ!」

ハギヨシ「んふっ、当然そうなりますよね。つまりはそう言う事なのです。ふんもっふ」

京太郎「確かに初っ端からタイトル詐欺をする訳にはいかない。透華、今回は諦めてくれ」

透華「仕方ありませんわ。今回は華を持たせましょう」

ハギヨシ「ではお嬢様は即バニシンぐぇぇぇぇぇぇぇ!?」メリメリッ

透華「だからと言ってバニシングはしませんわより!!」グリグリッ

ハギヨシ「お、お嬢様!もっとです!Motto! Motto!」

京太郎「……」

こうして一日は無駄に終了したのでした

翌日

ハギヨシ「大会に使用するガンプラを買いに行きましょう」

京太郎「そうだな」

透華「目利き役も必要でしょう。私も同行致しますわ」

京太郎「目利き役って必要か?」

透華「いいから行きますわよ!」

京太郎「へいへい」

純「今年は京太郎も参加するじゃんか!だったらオレも行くじゃんよ」スタッ

京太郎「純ニキ!」

純「純ニキ呼ぶなじゃん!」

ハギヨシ「これは前年度地区予選決勝戦敗退の純ニキではありませんか」

純「だから純ニキ呼ぶなと言ってるじゃん!」

透華「地区予選決勝戦敗退は伊達ではありませんわね」

純「バカにしてるだろお前ら。てか透華は初戦敗退じゃん」

透華「な、なんですってー!?アレは調子が悪かっただけですわよ!!」

純「馬鹿みたいに目立とうとするからすぐに墜とされるじゃんよ」

透華「ムキー!!目立つ事の何がいけませんの!!」

京太郎「まあまあ二人とも。後でパフェ奢るから落ち着きなさい」

純「本当じゃん?なら止めたじゃん」

透華「私も京太郎さんに免じてこれくらいにして差し上げますわよ」

ハギヨシ「お二人共単純バカで助かります」

京太郎「全くだよ」

-模型店-

京太郎「こんにちは」

店長「待ち兼ねていたぞ京太郎!ガンプラバトル大会に参加するらしいな!」

京太郎「ええ。今年こそはと思いまして」

店長「成る程。どのガンプラで出場するかは決めているのか?」

京太郎「はい」

透華「そうですの?」

京太郎「えっと……これで出るつもりなんだ」スッ

ブレイヴ「」

純「ブレイヴじゃん」

ハギヨシ「ほう」

店長「そのガンプラで出場すると言うのか?」

京太郎「これは俺が店長から初めてガンプラバトルするって時にくれたガンプラの後継機です。だから俺はこれで優勝を目指したい」

店長「君と言う男は……抱きしめたいなあ京太郎!!」ギュウ

京太郎「ぐぇぇ……」グググッ

ハギヨシ「ウホッ……羨ましい」

純「ホモは帰れじゃん」

透華「店長さんとの絆ですか。分かりますわー」

店長「ならば、このガンプラが完成する日を楽しみにしている。必要な素材があればすぐに取り寄せるので遠慮なく言うといい」

京太郎「ありがとうございます」

京太郎「じゃあ透華、代金」

透華「分かりましたわー」スッ

店長「敢えて言おう!ありがとうございますと!!」

敢えて言おう翌日であると!

-龍門渕高校 美術の時間-

京太郎「うーん」カキカキ

透華「何を描いてますの?」

京太郎「ブレイヴの強化プランのスケッチだよ。大会に出る以上はカスタム機で挑まないとな。でも、何か足りない気がするんだよなぁ」

透華「ふむふむ。ここをこうするのはどうでしょうか?」カキカキ

京太郎「ビームサーベルか」

透華「ええ。サイドにビームサーベルをマウントさせる事で状況に応じての使い分けや予備としての機能を発揮しますわ」

京太郎「成る程な」

純「面白い事やってるじゃん」

京太郎「純も手伝ってくれんの?」

純「任せろじゃん。ここをこうして……」カキカキ

純「どうじゃん!」バッ

京太郎「純ニキ下手くそ過ぎぃぃぃぃ!!」

透華「これだから絵心0は困りますわ」

純「うるさいじゃんよ!」

京太郎「まあアイデアは悪くないな。アンカー系を装備するのもいいかも知れない」

純「おう」

智紀「そんな純ニキが汚くした絵もこの3Dモデリングなら」カチカチ

京太郎「おおー!こりゃ凄い!」

純「ビバ!文明の利器じゃん!」

透華「さすがナイネンですわ」

智紀「その名前で呼ばないで……」

一「みんな集まってなにやってると思ったら……お題のフリット元司令の銅像は描けたの?」

京太郎「抜かりはない」スッ

一「なんで黄金像なのさ」

京太郎「カッコイイだろ」

一「上手いけどさ」

純「国広君もなにか描いてみるじゃん」

一「ボク、ガンダムにあんまり詳しくないんだけど」

京太郎「あくまでもイメージだからさ」

一「そこまで言うなら。じゃあ……」カキカキ

-数分後-

一「ど、どうかな?」スッ

透華「どれ……なっ、これは!?」

京太郎「超 時 空 要 塞 かよ!!」

純「ブレイヴの原型無いじゃん!」

智紀「絵はよく描けてるけどね」

一「名前も考えたんだよ」

京太郎「い、一応聞かせて貰おうかな?」

一「マクロスF(フラッグ)だよ」

純「……」

透華「……」

京太郎「パ、パク……」

智紀「パクリやないかー」

京太郎「俺の台詞取らないで」

智紀「ごめん」

一「駄目かな?」

京太郎「いや、駄目じゃないけど……」

一「駄目かな?」ジィー

京太郎「……じゃあ、強化案って事で」

透華「屈しましたわね」

京太郎「まっ、こんな事もあろうかともう一枚描いてたんだけど」スッ

衣「きょーたろー!!」

京太郎「衣?どうしたんだ?」

衣「衣を仲間外れにするとはどう言う了見だ!」

透華「仲間外れにしてはいませんわよ」

衣「ならば今すぐ衣にもお絵かきをさせて見せろ!」

京太郎「えっ?ちょ……」

衣「ほほぅ。これか!よく分からんが強そうだな。どれ、この衣が更に強くしてやろう!」グリグリ

京太郎「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

一「あっ……」

智紀「オーマイガー」

衣「ぬりぬり」グリグリ

純「終わったじゃん」

「どうだ!ころもがかんがえたさいきょうもびるすーつだ!」グチャグチャ

透華「こうなると思っていましたわ……」

京太郎「お、俺のブレイヴ(採用案の方)が……と、ともきー!」

智紀「ゴメン。そっちスキャニングしてないから」

京太郎「ぐふっ……」ガクッ

一「そんな京太郎をボクは応援しているよ」

京太郎「そんな慰めはいらないから」

衣「きょーたろー……衣、なにか悪い事したのか?」ショボーン

京太郎「えっ?そ、そんな訳ないだろ?衣はなんにも悪い事してないよ。ほら元気、元気」ナデナデ

衣「はふぅ。そうなのか?ならば心配ないな」

透華「涙ぐましいですわー」

純「京太郎は漢じゃん!」

京太郎「……よしよし」ウルウル

衣「?」

衣の乱入で京太郎は一から描き直さざるを得なくなった。
そして放課後

-龍門渕邸-

京太郎「てな訳で必死こいて描いて来ました」スッ

ハギヨシ「ふむ、ブレイヴの方向性は近接戦闘主体ですか。それで、これは?」

京太郎「そっちはじめ君が描いた奴なんだけど断り切れなかった」

ハギヨシ「全く貴方は女性には甘いですね」

京太郎「フッ、世辞はいい」

ハギヨシ「褒めてませんから」

京太郎「しかしこれだけを作るとなると結構時間が掛かるよな」

ハギヨシ「では、こうしましょう。私がガンプラを作って京太郎君がそれをテストする。これならば短時間でカスタムガンプラを実戦レベルにする事が可能です」

京太郎「確かにハギヨシのモデラー技術は凄いからな。俺が作るより効率的だし余程いい」

ハギヨシ「お褒めに預かり光栄です」

京太郎「俺はスキルアップもしないとな」

「その使命、この私が引き受けましたわ!」バーンッ!!

京太郎「あの金髪サングラス誰だ?」

ハギヨシ「さあ」

京太郎「知らない人はほっておこうか」

ハギヨシ「はい」

透華「無視するんじゃありませんわよ!!私ですわよ!龍門渕透華!それ以上でもそれ以下でもありませんわ!」スチャ

京太郎「透華だったのか」

透華「知っててスルーしようとしたでしょう……」

京太郎「それより何の用なんだよ」

透華「そうでしたわ!いくら京太郎さんのガンダムバトルの技術が高くとも大会は別次元。ここはこの大会出場経験者の龍門渕透華が手取り足取り教えて差し上げますわ!」

京太郎「初戦敗退だったけどな」

透華「そ、それは言わない約束ですわよ……」

京太郎「冗談だよ。確かに大会出場経験者と練習出来るのは悪くないよな。宜しく頼むよ」

透華「分かりましたわ。すぐに始めましょう」」

ハギヨシ「では私はこれから作業に入りますので。ああ、それと……二人きりといってくれぐれも間違いだけは起こさぬように」

透華「なななな……」プシュー

ハギヨシ「劣情を催した場合は私を呼んで下さいね京太郎君」

京太郎「さっさとガンプラ作りに行けよホモ」

ハギヨシ「フフッ、失礼します」スタスタ

京太郎「ったく、あのホモさえ無ければ完璧なんだけどな。透華も主としてなんとか言って……透華?」

透華「わ、私と京太郎さんが間違い。ふふっ……そんな大胆ですわ~」プシュー

京太郎「こっちも違う意味で駄目だ」

そして数10分が経過した

-バトルシステム-

透華「張り切ってやりますわよー!」

京太郎「元気過ぎやしませんかね?」

透華「そんな事ありませんわよ。さあ、私の準備は完了致しましたわ」カチッ

京太郎「俺も準備完了だ」カチッ

音声『バトルスタンバイ』

透華「龍門渕透華、アカツキ行きますわ!」

京太郎「須賀京太郎、スサノオ出る!」

バトルフィールド 宇宙

スサノオ「」ズギュゥゥン

京太郎「透華は……」

ドラグーン「」スッ ピキューン!!

京太郎「来たか!」グッ

ブレイヴはドラグーンによるビームの波状攻撃をかい潜ると体勢を直しアカツキへ機体を向ける。

透華「やりますわね!」

京太郎「随分と上手くなったじゃないか」

透華「今の私を以前の私と思って貰っては困りますわ!!」

京太郎「そいつは楽しみだ!」カチ

スサノオ「」ブゥン

京太郎「行くぜ!」

京太郎はスサノオのサーベルであるシラヌイとウンリュウを構えるとアカツキへと加速させ
対する透華もビームサーベルを構えスサノオへ突撃し、両機は加速したまま鍔ぜり合いと間合いを取る動作を繰り返す。

透華「くっ……やはり出力はそちらが上!ですが!」

京太郎「反応、上か?いや、全方位……」ピピピッ

ドラグーン「」バッ

透華「お行きなさい!ドラグーン達!」

分離させていたままのドラグーンをスサノオの周囲に配置させるとそのまま一斉砲撃を行う。

京太郎「チッ……こっちに気を取られ過ぎたか。いや、透華の技術が向上したって素直に認めるべきだな」

スサノオ「」ズギュゥン! ドゴーン!!

京太郎「くっ……一発もらったか!」

アカツキから瞬時に距離を取るが反応が若干遅れた為にビームを数発受けスサノオはバランスを崩す。
そしてその隙を付いてサーベルを連結させたアカツキが最大加速で突っ込んで来る。

透華「トドメですわ!」

京太郎「それは……どうかな?」グッ

バランスを崩した状態からスサノオを仰向けにさせ、突き出されたサーベルをギリギリで反らせて回避すると、その勢いで懐に飛び込んで来たアカツキのコクピットにスサノオはサーベルを突き付ける。

透華「えっ……」

京太郎「その機体、破壊するのは忍びない……とか言ってみる」

透華「こ、降参ですわ」

音声『バトルエンド』

透華「勝てると思いましたのに……」

京太郎「んー、あれだな。まだ猪突猛進のクセが治ってない。あの状況で絶対に勢い任せで突っ込んでくると思ったしな」

透華「トホホ」

京太郎「だけどファンネル系の扱いは格段に上手くなってるよ。ファンネル系はあんまり使わないから今度透華にレクチャーしてもらおうかな」

透華「ほ、本当ですか?」

京太郎「もちろん、冗談抜きでそう思った」

透華「で、では!今からやりましょう!ええ!そうしましょう!!」

京太郎「はい?」

透華「今日は帰しませんわよー!」

京太郎「何処で地雷踏んだんだ俺は……」

次回へ続く

本日はここまでとしよう
何か質問があれば次回更新時に回答するので宜しく頼む
ではさらばだ

本日の更新をするとしよう
次から再開する

数日後

-龍門渕邸 夕食-

京太郎「材料が足りない?」

ハギヨシ「はい。制作途中に材料不足に陥りまして。どなたのせいかは申しませんが」

一「それ、完全にボクの事を言ってますよね」

透華「食事中に喧嘩はいけまんわよ。お行儀の悪い」

ハギヨシ「申し訳ありません透華お嬢様」

一「ごめんなさい」

純「だったら買いに行けばいいだけじゃん」

智紀「うん」

ハギヨシ「そうしたいのは山々なのですが、私も手が離せない状況でして」

京太郎「だったら俺が放課後に買い足しに行くよ」

ハギヨシ「では私もお供しましょう」

一「さっき手が離せないって言ったのは誰ですかね?」

ハギヨシ「……」

衣「ならば衣がきょーたろーのお供をしよう。衣もガンプラが欲しいぞ」

京太郎「でも衣は去年買ったPGストライクフリーダムガンダムもグチャグチャにしたしな」

一「それはガンプラ初心者の衣にストライクフリーダムをプレゼントした京太郎君に責任があるんじゃないかな?」

京太郎「対象年齢15歳からだったんだよな。迂闊だったよ」

智紀「そういう問題じゃないと思うんだけど……」

衣「子供扱いするなー!衣は一番お姉さんなのだぞ!」

京太郎「ゴメンゴメン、冗談だって。分かったよ、可愛い衣の頼みとあらば仕方ない。でも、今回は簡単のから作ろうな」

衣「うむ、任せておけ!」

透華「京太郎さんは衣に甘いんですから」

純「天江だけに甘いじゃん!」

透華「ハギヨシ、純の料理を全て下げなさい」

ハギヨシ「かしこまりまっくす」スッ

純「や、止めろ!冗談じゃん!」
衣「今から楽しみだぞ」

翌日

-フラッグ模型店-

京太郎「こんにちは」

衣「来たぞー!」

「この感覚は……ころたん!?」キュピーン

京太郎「ゲッ……その声はロリコン大佐!」

衣「おー、シャアさんか。久しいな」

シャア「私はロリコンではない。ただ小さい女の子が異常に好きなただの好青年だ!」

京太郎「それをロリコンって言うんだよボケェ!!」

シャア「ミニコンなどと戯れ事を抜かす貴様が言えた事か!」

京太郎「犯罪者予備軍のアンタにだけは言われたくないわ!!」

シャア「そんな事はころたんに聞いて見れば分かる話だ。ころたん、私の嫁になるつもりはないか?」

衣「無いな」

シャア「ぐふぅぅ……」ガクッ

京太郎「ハハハッ!ざまあ無いな!」

衣「衣はきょーたろーのお嫁さんになると約束したぞ」

京太郎「えっ……はいぃぃぃぃ!?」

シャア「貴様ぁぁぁぁぁ!!純情無垢なころたんをよくもこうも育ててくれたな!」

京太郎「ちょっと待てい!俺はそんな約束した覚えはない!」

衣「覚えてないのか?」

京太郎「……ごめんなさい」

シャア「愚民め、そのまま嫌われてしまうがいい」

衣「ならば記憶の底に沈んだ誓いを再び蘇らせよう。あれは衣がまだ幼かった頃の話……」

京太郎「今も十分幼いです!」

シャア「そこは同意せざるを得ない!!」

衣「人の話は真面目に聞けと教わらなかったのかお前達は!!それと衣は幼くはない!!」

京太郎「すみませんでした!」

シャア「申し訳ありません!」

衣「理解すればそれでよい。では始めるぞ」

~衣の回想~

-6年前-

京太郎「またここにいたんだ」スタスタ

衣「きょーたろー……」グズッ

京太郎「泣いてたの?」

衣「な、泣いてなどいない……」グシグシ

京太郎「泣いてるじゃん。みんな心配してるよ。帰ろ」

衣「ころもの心配など、だれもするものか」

京太郎「どうして?」

衣「あの屋敷にころもの居場所は何処にもない。ころもはあの家にとって疫病神でしかないのだ……」

京太郎「……」

衣「ころもは一人なのだ……」グスッ

京太郎「そんなことはないだろ」

衣「きょーたろー?」

京太郎「やしきにはとーかがいるじゃないか。それにオレだっている。オレはどんな時もころもの幼なじみで友達でずっと隣にいるよ」

衣「本当か?」

京太郎「ああ。約束するよ」

衣「……ならば、ころもが大人になったら、その時はきょーたろーはころもをお嫁さんにしてくれるか?」

京太郎「え?ああ、別にいいけど」

衣「約束だぞ!絶対に絶対の!」
京太郎「ああ、約束するよ」

~回想終わり~

衣「どうだ思い出したか?」

京太郎「ああ……確かにそんな事を言った気もするような。でも、あれは俺達がまだガキの頃の話だしさ」

衣「……そうか。きょーたろーにとって衣との約束はその程度のものだったのか」

京太郎「そ、そんな訳ないだろ!」

衣「ならばお嫁さんにしてくれるのだな」

京太郎「いやいや、結婚ってのはそう簡単なもんじゃないんですよ!」

衣「それは承知している。衣はもう子供ではないのだからな」

京太郎「……ヤバイ、衣が本気の目付きをしている」

シャア「えぇい!先程から黙って聞いていればころたんとイチャイチャしおって!」

京太郎「まだいたのかよ」

シャア「そこまでころたんと結婚したくないのならば、代わりに私がころたんを嫁として戴いて行く!」

京太郎「はぁ!?誰がアンタみたいな変質者に衣をやるかよ!」

シャア「貴様のような甲斐性無しに言われてもな」

京太郎「だからアンタがそれを言うな!」

店長「ならば、ガンプラバトルで雌雄を決するといい!!

京太郎「店長!?」

シャア「貴様!今まで盗み聞きしていたのか!?」

店長「こんな狭い店内で大声で話していて盗み聞きも何も無いだろう。言われたくなければ場所を弁える事だロリコン」

シャア「ぐっ……」

衣「てんちょー!」

店長「久しいな衣。今からしかと刮目しておくのだ。ミニコンとロリコンの戦いをな」

衣「うむ。承知した」

店長「勝負は簡単。勝った方が衣を嫁にする交渉権を得る」

シャア「そうでなくてはな」

京太郎「……」

シャア「悪い事は言わない。降参するなら今のうちだ」

京太郎「誰がするかよ!」

店長「なお、公平を律する為に使用ガンプラは店内の物を使用してもらう。異論は無いな」

シャア「望む所だ」

京太郎「分かりました」

シャア「私はこれを使わせてもらう」

京太郎「サザビーか。だったら俺はコイツだ」

シャア「νガンダムだと?」

京太郎「アンタをこれで殴り飛ばしてやるよ」

シャア「フッ、大した自信だ。しかし、それが過信となり足元をすくわれければ良いがな」

京太郎「その言葉そのまま返してやるよ!」

-バトルシステム-

音声『バトルスタンバイ』

京太郎「須賀京太郎、νガンダム行きます!」

シャア「シャア・アズナブル、サザビー出る!」

バトルフィールド 宇宙

京太郎「シャア!」

シャア「来たな!」

互いは一定の距離を保ったままライフル射撃を繰り返す。

シャア「貴様のような中途半端な男が私のころたんの隣にいるなど許さた事ではない!」

京太郎「何時から許可が必要になったんだよ!それに衣はアンタのじゃない!」

シャア「貴様のでも無いはずだ!」

両機はビームを避けつつ接近するとサーベルを構え互いのサーベルを叩き付け合う。

京太郎「確かにそうだ。でも衣は俺にとって大切な家族だ!その家族が犯罪予備軍のロリコンと結婚するなんて話、許してたまるかよ!」

シャア「父親気取りか」

京太郎「なに?」

シャア「貴様はそうやってころたんに父親のように振る舞ってさぞ満足だろう!しかしころたんの事を本気で考えた事はあるのか!」

京太郎「貴様に言われるまでもない!!」

シャア「なら何故すぐに返事が出来なかった!」

京太郎「それは……ぐわぁぁぁぁあっ!!」

サザビーはνガンダムのサーベルを押し切るとその隙に胸部へ蹴りの一撃を加える。
その反動でνガンダムは激しく後方へと飛ばされてしまう。

京太郎「くっ……」

シャア「それがころたんを苦しめていると何故気付かん!」

京太郎「ロリコンの分際で知ったような口を!」

シャア「ならば今すぐころたんと結婚してみせるのか!」

京太郎「……っ」

シャア「無理だろう。だから私、シャア・アズナブルがころたんと子作りしようと言うのだ京太郎!」

京太郎「エロだよそれは!」

シャア「今だファンネル!」

京太郎「しまった!」

京太郎が突っ込みを入れている隙にシャアはサザビーのファンネルを飛ばしνガンダムを蜂の巣にする。

シャア「ははははっ!私の勝ちだな!」

京太郎「よく見ろよ!」

シャア「なにっ!?」

νガンダム「」ズギュゥゥン!!

シャア「何故だ!」

京太郎「俺はアンタに蹴り飛ばされた時に、ダミーバルーンを出してその隙に隕石群に隠れたのさ!ベラベラとお喋りしてるから気付かないんだよ!」

シャア「ぐっ……」

京太郎「それにファンネルが使えるのはサザビーだけじゃない!」

京太郎「行け!フィン・ファンネル!!」キュピーン!!

不意を突かれたサザビーはフィン・ファンネルのビームにより動力パイプと脚部、左椀部を破壊される。

シャア「パワーダウンだと!?えぇい!!」

京太郎「アンタが衣も事を大切にしたいって気持ちは分かった!だけど俺にも譲れない物だってあるんだ。だから、アンタのそのふざけた幻想をぶっ飛ばす!!」

シャア「なにぃぃぃぃぃぃぃ!?」

νガンダムのバーニアの出力を全開でサザビーの懐に飛び込み右マニュピレーターを握りサザビーのメインカメラを殴ると
サザビーはその勢いのまま小惑星の表面まで叩き付けられそのまま動かなくなった。

サザビー「」ズキャァァァァン!!

コクピット「」ポンッ!!

シャア「……馬鹿な」

音声『バトルエンド』

-模型店内-

シャア「何故だ。私の作戦は完璧のはずだった!」

京太郎「結構穴だらけでしたよ」

衣「きょーたろーは強いな」

京太郎「そんな事はないさ。相手が弱かっただけだから」

シャア「ぐはっ……」

店長「それでは告白タイムだ!」

京太郎「えっ?それマジなんですか?」

店長「私が冗談を言うとでも?」

京太郎「……」

衣「きょーたろー」

シャア「きょーたろー」

京太郎「気持ち悪いわ!」ゲシィ

シャア「ぐはぁ!」バタッ

京太郎「えっと……その、いろいろゴメンな。衣の気持ちとか気付いてやれないと言うか、約束とか忘れてて」

衣「気にしていない……と言えば嘘になるが、それより衣は今のきょーたろーの気持ちを知りたい」

京太郎「俺の気持ち……」

衣「正直に答えて欲しい」

京太郎「……俺は、衣の事を凄く大切に思ってるし好きだ。でもこの好きは家族に対する好きであって、一人の女性としての好きじゃない」

衣「……そうか」

京太郎「ごめん」

衣「きょーたろーが謝る必要は無い。衣が無理を言ってしまったのだしな。それに、こうなる事は薄々感じていた」

京太郎「……」

衣「だが、一つだけ安心した事もある」

京太郎「安心した事?」

衣「きょーたろーが昔と変わらず衣の事を大切にしてくれている事だ。先程の戦を見て確信した」

京太郎「……衣」

衣「ありがとう、きょーたろー」

京太郎「くっ……俺は」

店長「泣くな京太郎」

京太郎「店長……」

店長「今、一番泣きたいのは衣のはずだ。しかし彼女を見るといい。あの稟とした表情を!真に衣の事を想っているのならば決して君が涙を見せてはならん」

京太郎「はい。済みませんでした」

店長「それから衣。人生はまだ長い。彼を墜とすならば己を更に磨いて挑む事だ。君ならばそれも可能だと信じているし私は応援しているぞ」

衣「てんちょーの激励恩に着るぞ」

衣「きょーたろー!今は無理かも知れないが何時か必ずきょーたろーを撃墜して見せるから覚悟をしておけ!」

京太郎「ああ。気長に待ってるよ」

店長「それで今更の話だが、二人は何をしに来たんだ?」

京太郎「あっ……そうだった。実はですね。今日は衣の為にガンプラを買いに来たんですよ」

店長「そうだった。ならば、私も衣にも作りやすいガンプラを共に探すとしよう」

衣「助かるぞてんちょー」

シャア「」チーン

次回に続く

本日はここまでとしよう
トリップは次回更新時に付けさせてもらう
ではさらばだ

本日の更新をしよう
次から再開するぞ

-龍門渕邸 深夜-

ハギヨシ「京太郎君、最後はお任せします」

京太郎「分かった。このパーツを付ければ」パチッ

京太郎「完成だー!」

ハギヨシ「おめでとうございます」

京太郎「ハギヨシのおかげだよありがとう」

ハギヨシ「いえいえ」

京太郎「こんなに良い物を作ってくれたんだ。たまにはハギヨシにも何かしてあげないとな」

ハギヨシ「ん?今何かしてあげたいと言いましたね」

京太郎「そうだけど」

ハギヨシ「では……京太郎君の初めてを戴きましょう」

京太郎「は?ちょ……待て待て!俺はそんなつもりで言ったんじゃない!」

ハギヨシ「はぁはぁ、京太郎君」グポーン

京太郎「ひぃぃぃぃ!!」

ハギヨシ「いただきまぐえあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ゴロゴロ ベチーン!!

透華「超龍門渕キックですわ」シュゥゥゥ

京太郎「透華!」

ハギヨシ「お、お嬢様……何故」

透華「ニュータイプの感ですわよ」

透華(本当は京太郎さんの服にマイクロカメラを仕込んでいたのですが、今回ばかりはそれが吉と出ましたわね)

京太郎「助かったよ透華」

透華「所でこんな遅くまで何をしていらしたのですか?」

京太郎「ああ、これだよ」スッ

ブレイヴ「」

透華「これは!遂に完成したのですわね!」

ハギヨシ「そうです」

透華「ハギヨシ、そんな逆さまで壁にへばりついた姿勢で話すのはお止めなさい」

ハギヨシ「お嬢様がそうしたのですが」スタッ

透華「名前は決めてますの?」

京太郎「ああ。ブレイヴフルセイバーだ」

ハギヨシ「ブレイヴにダブルオークアンタのGNソードⅤとGNソードⅣフルセイバーを装備させています」

京太郎「増設したサイドアーマーにはシュペールラケルタを、フロントアーマーにシザーアンカーを装備させてるぜ」

ハギヨシ「またドレイクハウリングを外していますので可変時にはGNソードⅣフルセイバーをランチャーモードで機首に、GNソードⅤを下腹部に装着出来るようにしてあります」

透華「京太郎さんらしい機体ですわね」

ハギヨシ「京太郎君の戦闘データを反映させていますからね」

透華「成る程。それとこのバトル級可変ステルス攻撃宇宙空母みたいなのはなんですか?」

ハギヨシ「それはバトルフラッグと言ってブレイヴの支援機です。国広さんのマクロスF(フラッグ)を参考に開発しています」

透華「成る程。バトル艦に似ていると思いましたわ」」

ハギヨシ「もっともまだ実戦レベルではないので、投入するとしても暫く先になりますが」

京太郎「後はコイツを慣らして地区予選を待つだけだ」

透華「京太郎さんとペアで出場は出来ませんでしたが、今年も選手として参加しますわよ!」

京太郎「そうなのか?一回戦で当たらない事を期待しないとな」

透華「もし当たっても手加減は無しですわよ」

京太郎「ああ、もちろんだ。っと、そろそろ寝ないと明日に響くな」

透華「そうですわね。ここらでお開きにしましょう。二人共、お休みなさい」

京太郎「お休み透華。ハギヨシもお休み」

ハギヨシ「はい休みなさいませ」

翌日

-フラッグ模型店-

京太郎「店長、完成しましたよ!」

店長「ブレイヴをベースにダブルオークアンタを融合させた機体か。よくぞ完成させた京太郎!」

京太郎「殆ど作ったのはハギヨシなんですけどね」

ハギヨシ「渾身の一作です」

店長「では、よくぞ完成させたハギヨシ!」

ハギヨシ「ありがとうございます。で、では、御褒美に店長さんのブロマイドなどを下されば私は」

店長「すまんが私はホモではない」

ハギヨシ「……かはっ」ガクッ

店長「それでここに来たと言うのは、ガンプラを見せる為だけでは無いのだろう?」

京太郎「さすが店長よくお察しで。店長にコイツを慣らす相手をして欲しいんです」

店長「成る程な。では……」

ハギヨシ「待って下さい!」

店長「どうした?」

ハギヨシ「このガンプラは私と京太郎君の愛の結晶とも言える作品です!ですから初めては是非とも私に!」

京太郎「気持ちのわりぃ言い方してんじゃねえよ!」

ハギヨシ「お願いします京太郎君!店長さん!」

店長「私は構わんよ。判断は京太郎に委ねる」

京太郎「そうですね。言い回しは吐き気がするくらい気持ち悪いですけど、言いたい事は分かります」

店長「ふむ」

京太郎「分かったハギヨシ。ブレイヴの初手合わせ頼むよ」

ハギヨシ「ありがとうございます!京太郎君!愛してまーーぐぇぇぇぇぇ……」メリメリッ

京太郎「だから抱き着こうとすんじゃねー!」ゲシッ!ゲシッ!

店長「私は準備をしておくので終わったら来るといい」スタスタ

京太郎「店長、さりげなく逃げないで下さいよ!」

ハギヨシ「京太郎君! Motto! Motto!」

バトルシステム-

店長「互いに準備は出来たな」

京太郎「はい」

ハギヨシ「勿論です」

店長「ブレイヴの性能、しかと拝見させてもらうぞ」

京太郎「須賀京太郎、ブレイヴフルセイバー行きます!」

ブレイヴ「」ドシューン!!

ハギヨシ「ハギヨシ、ストライクノワール出撃します!」

ノワール「」ドシューン!

バトルフィールド 宇宙

京太郎「改めてよろしく頼むぜハギヨシ」

ハギヨシ「はい。私も楽しみですよ。自分が作ったガンプラの性能を直に見れる訳ですから」

京太郎「よし、じゃあ行くぜ!」

京太郎はブレイヴをクルーズポジションへと可変させるとブースター出力を上げ加速させる。

京太郎「なんて加速力だ!今まで使って来たガンプラとはまるで違う!」

ハギヨシ「気に入ってくれて光栄です。ならば、これは避けられますか?」

ノワールはビームライフルショーティーを構えるとブレイヴへ対して超連射を仕掛ける。

京太郎「相変わらずビームの雨って感じだな!だが、コイツなら!」グッ

迫り来るビームの雨をブレイヴは難無く回避するとGNキャノンをノワールへ撃ち込む。

ハギヨシ「速い!ですが」

ノワールは側転してGNキャノンを回避しながら更にビームライフルショーティーを超連射する。

京太郎「コイツを試して見るか!」

ブレイヴはGNキャノンとフルセイバーのランチャーモードを同調させると、ブレイヴ本来より高出力のハイパートライパニッシャーを発射する。

ハギヨシ「これは!」

ハイパートライパニッシャーはビームの雨を全て飲み込むとノワールをかすめて背後の隕石群を吹き飛ばす。

京太郎「すげぇ!!」

ハギヨシ「ええ、予想以上です!」

京太郎「お次はMS形態だ!」

京太郎はブレイヴをクルーズポジションからMS形態へ可変させるとGNソードⅤを構えノワールへ斬り込み
ハギヨシは即座にフラガラッハ3ビームブレイドを抜くと振り下ろされたGNソードⅤを受け止める。

京太郎「動きがスムーズだ」

ハギヨシ「それにパワーもあります!こちらが押し負けそうですから!」

京太郎「はぁぁ!」

ハギヨシ「くっ……」

京太郎「最後はこれで!」

ブレイヴは鍔ぜり合いに押し勝ち、バランスを崩したノワールを蹴り飛ばすと京太郎はコンソールのSP兵器へと合わせる。

京太郎「行くぜ!」

京太郎「トランザム!」

ブレイヴ「」シーン

京太郎「あり?」

京太郎「言い方が悪かったか?」

京太郎「トランザム!!」キリッ

ブレイヴ「」シーン

京太郎「……なして?」

ハギヨシ「あの、京太郎君」

京太郎「ん?」

ハギヨシ「トランザムはまだ調整段階で現在は使用出来ません」

京太郎「はっ?」

ハギヨシ「すみません」

京太郎「……」

京太郎「そー言う事は最初に言えぇぇぇぇぇぇぇ!!」

京太郎はコンソールをバスターライフルモードに合わせるとGNソードビットがGNソードⅤに連携し発射形態を取る。
そしてエネルギーを最大出力までチャージするとノワールに向けて一気に発射する。

ハギヨシ「ああ……京太郎君に討たれる。こんなに嬉しい事はありません」

ビームの波に飲まれたノワールは完全消滅してバトルは幕を閉じる事となる。

音声『バトルエンド』

京太郎「ハーギーヨーシー!!」

ハギヨシ「すみません京太郎君!いえ、やっぱりお願いします!」

京太郎「……」

店長「事前に確認していない京太郎にも非があるのではないかな」

京太郎「うっ……」

店長「大会までは後少しある。それまでに調整すればいい話だ」

京太郎「そうですね。ハギヨシごめん」

ハギヨシ「いえ、私こそ事前にお伝えしておらず申し訳ありません。ですので、お仕置きを!」

京太郎「……」

店長「まあ、頑張る事だ」

京太郎「……はい」

次回へ続く

本日はここまでとする
ではさらばだ

今晩は。再開しよう

数日後

-放課後 龍門渕高校模型部-

京太郎「スースー」

一「それにしてもよく寝てるね」

透華「ここ数日は夜遅くまで特訓していますから仕方ないですわよ」

衣「しかしこのブレイヴというのは随分と作り込まれているな。気迫が素人の衣でも伝わる」

イッケーファンネルジャン! ダッタラハイマットフルバースト!

透華「京太郎さんとハギヨシの合作ですから当然ですわね」ナデナデ

京太郎「スースー」

一「で、どうして透華が膝枕してるのかな?」

衣「衣もそれを問いたい。衣が掃除当番をして此処に来てみれば透華はきょーたろーを独り占めしているではないか」

透華「京太郎さんが眠たそうにしていたので、私の膝で心地好く寝ていただこうと思いましたのよ」

一「寝言は寝てから言ってよ。そんな度胸が透華にあるわけないね。大方もう寝てた京太郎君に膝枕したんでしょ」

透華「ギクッ!!」

衣「分かり易いな透華は」

透華「うぅ……」

衣「そういう事だ。今から衣と代わる事を要求……」

バンッ!!

「邪魔するじゃけん!!」

透華「えっ?」

一「だ、誰?」

まこ「わしは染谷まこ言うもんじゃ。ここに須賀京太郎とかいうのはおるか?」

透華「どなたですか?正式な手続きを踏んでこちらにいらしたのでしょうか?」

純「どうしたじゃん」

まこ「わしは流浪のファイターじゃ。県内の強いガンプラファイターを求めて勝負を挑んどる。そんなわしを人はるろうにまこぴーと呼ぶ」

純「るろうにまこぴー?」

透華「なんですかそのキュアイドルカツドウしてそうなあだ名は」

一「なんか混ざってるよ」

智紀「聞いた事がある。強いファイターがいると聞くと現地まで行ってその対戦者と戦う凄腕ファイターがいるって」

衣「なんと恐ろしい海藻類だ。しかしここで勝負を断れば龍門渕模型部の名が廃る!」

透華「そうですわね。京太郎さんが負けるはずありませんわ!」

京太郎「スースー」

一「膝枕してる姿で意気込んでもねぇ……」

まこ「そこの膝枕されてボケ面で寝とる大層な男が須賀京太郎か?あんまり強そうには見えんのぅ」

透華「ボケ面ではありませんわよ!爽やかイケメンの寝顔と訂正なさい!」

まこ「おお、すまんのぅ。彼女さんじゃったか」

透華「そ、そんな彼女だなんて。私達はまだ……」ポッ

一「こんな時になにやってんのさ」

透華「そうでしたわ!京太郎さん起きて下さい!」

京太郎「うーん、ムニャムニャ」ユサユサ

純「京太郎は一度寝たら中々起きないのが悪い所じゃん!」

透華「どうすれば……」

「私に任せるといい!」

智紀「誰!?」

純「店長じゃん!」

店長「究極!フラッグキィィィィィィィック!!」ズギューン!!

京太郎「ぐえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」ドゴッ!! メリメリッ

店長「京太郎!寝ている暇は無い!対戦者が君を待ち受けているぞ!」

京太郎「痛い!痛いぃぃぃぃぃぃ!!」ゴロゴロ

透華「やり過ぎですわ……」

数分後

京太郎「はぁはぁ……えっと、染谷さんだっけ?俺と戦う為にわざわざここまで来たって聞いたんだけど?」

まこ「そうじゃ。わしは強いファイターを求めとるからな。それとワシの事はまこぴーと呼ぶがええ」

京太郎「所で何処で俺の事を?」

まこ「後輩から聞いたんじゃ。須賀京太郎と言う強いファイターがおると」

京太郎「後輩?よければ出身校は何処か聞いていいかな?」

まこ「清澄高校じゃけど」

京太郎「清澄……やっぱりそうか」

衣「咲か!!」

まこ「咲の言動からなんとなく感じとったが知り合いなんか」

透華「ええ。咲とは幼なじみですわ。訳あって彼女は転校してしまいましたが」

一「透華達って他に幼なじみがいたんだ」

京太郎「……ああ。俺達は咲が中学一年の終わりに転校するまでは一緒だったんだ」

一「そうだったんだ」

まこ「成る程のう。世の中は広いようで狭いの」

京太郎「……そうだな」

一「どうしたの?」

京太郎「えっ?いや、何でもない。せっかく来てくれたんだ。始めようか」

まこ「そうじゃの」

店長「聞く所によるとまこぴーも地区予選に出るようだな」

まこ「そうじゃ」

店長「ならば大会前にガンプラを破壊されては困るだろう。そこで今回は胴に一太刀入れた方を勝者とする」

京太郎「分かった。まこぴーもそれでいい?」

まこ「構わんけん。剣道と同じじゃな」

店長「ではガンプラバトルスタンバイだ」

-バトルシステム-

京太郎「須賀京太郎、ブレイヴフルセイバー出撃する!」

まこ「染谷まこ、ガッデス行くわよじゃけん!」

バトルフィールド 地上

音声『バトルスタート』

京太郎「……」

まこ「……」

京太郎(さすがに強いファイター探し求めているだけはあるな隙が無い。勝負は一瞬で決まる……)

まこ「……」

京太郎(……だが、迷う事は無いはずだ。この一撃、決めて見せる!)

京太郎「今だ!」

ブレイヴ「」ダッ

まこ「はぁぁぁぁぁ!」

ガッデス「」ダッ

まこ「チェストじゃ!」

京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!」

静寂の後、何かの合図の如くサーベルを構え一気に間合いを詰める2機。
その刹那(俺がガンダムだ!)一閃すると擦れ違ったまま動きを止める。

京太郎「……」

まこ「……」

京太郎「……」

まこ「……ぐはっ」

ガッデス「」ガクッ

京太郎「……勝った」

店長「そこまでだ!」

音声『バトルエンド』

まこ「強いのう。さすが咲が淡々と話しとっただけはあるな」

京太郎「そ、そうか。でも、まこぴーの気迫は凄かった。今度は普通に戦ってみたいよ」

まこ「わしもじゃ。もしかしたら地区予選で当たるかもしれんな。その時は負けんぞ」

京太郎「ああ、楽しみにしてるよ」

店長「ガンプラを通して生まれる友情。だからガンプラバトルはやめられない止まらないな!」

純「かっぱえびせんじゃん」

まこ「それじゃあまたの!」

京太郎「さようなら」

透華「嵐のような方でしたわね」

一「そうだね」

そして週末

-長野ガンプラバトル地区予選会場-

京太郎「遂に始まったな!」

ハギヨシ「はい」

純「おう!」

透華「今から興奮して来ましたわ!」

一「皆頑張ってね」

衣「応援してるぞ」

智紀「ファイト」

京太郎「よーし、行くぜみんな!」

「「おー!!」」

京太郎「俺の初戦の対戦相手は……」

ハギヨシ「深堀純代と言うドム使いです」

京太郎「ドムか。どんな相手だろうな」

-バトルシステム-

ハギヨシ「さあ、初陣ですよ」

京太郎「ああ!須賀京太郎、ブレイヴフルセイバー発進する!」

ブレイヴ「」ズギューン!!

バトルフィールド 地上

音声『バトルスタート』

京太郎「相手は……」ピピッ

ドム「」ギュォォォン!!

ハギヨシ「正面、来ますよ」

京太郎「了解!」

深堀「……」

ドムはドムのジャイアントバズを構えると数発発射させた後シュツルム・ファウストを撃ち出す。

京太郎「そんな単調な攻撃で」

ハギヨシ「相手の実力はそうでもなさそうです。一気に行きましょう!」

京太郎「一撃で仕留める!」

深堀「!?」

京太郎「はぁぁぁぁ!」

ブレイヴ「」ザンッ!!

バズーカの雨を軽々と回避しながら突撃すると擦れ違い様にGNソードVでドムの胸部に一太刀を入れる。
ドムは時間差で両断された上半身が地面に無造作に転がる。

ドム「」ボトッ コロコロ

京太郎「よし」

ハギヨシ「我々の勝利です」

深堀「……負けた」

音声『バトルエンド』

-予選会場-

智紀「おめでとう」

京太郎「ありがとう」

透華「お疲れ様ですわ。私も一勝上げましたわ」

京太郎「やったな透華」

ハギヨシ「おめでとうございますお嬢様」

純「2人共初戦は勝ったじゃんか。オレも楽勝だったじゃん」

一「みんなおめでとう」

衣「うむ。見事な戦いだったぞ」

店長「先ずは好調な滑り出しだな。しかし、一勝したからと言って気を抜いてはならんぞ」

京太郎「はい!」

透華「心得ていますわ」

純「おうじゃんよ」

ワー!

京太郎「なんだ?」

透華「京太郎さんあれを見て下さい!」

京太郎「ん?」

京太郎がモニターに目をやるとそこには宮永咲が映っていた。

京太郎「咲!」

「……呼んだ、京ちゃん?」

京太郎「!?」

咲「久しぶりだね。京ちゃん。1年と22日ぶりかな?」

京太郎「そこまでは分からんが、久しぶりなのは確かだな」

透華「お久しぶりですわね咲」

衣「……元気にしていたか?」

咲「透華ちゃんと衣ちゃんも久しぶり。私ならこの通り……元気だよ」ユラッ

透華「……それはなによりですわ」

衣「!!」ビクッ

咲「……」

京太郎「咲も今年は出場したのか」

咲「そうだよ。京ちゃんが出場するって聞いて私もエントリーしたんだよ。それに……」

和「お久しぶりです」スッ

咲「和ちゃんとペアで出場だよ」

京太郎「やはりいたか」

和「そんなに嫌そうな顔をしないで下さい傷付きますよ。それとも、会いたくない理由でもありましたか?」

京太郎「あ、ああ。済まん」

ハギヨシ「クッ……!」

透華「ハギヨシ堪えなさい」

ハギヨシ「……かしこまりました」

和「フフッ」

咲「それにしても今から楽しみだよ。最後に私とバトルしてくれたのは京ちゃんが高校に上がる前だったよね」

京太郎「そうだったな」

咲「京ちゃんなら心配いらないと思うけど、私と当たるまで絶対に負けたらダメだよ」

京太郎「咲と当たるとなると決勝戦か」

透華「その前に私が倒して差し上げますわ」

咲「いいよ。透華ちゃんが私と戦うまで勝ち残ってたらの話だけど」

純「コイツ!」

京太郎「言い過ぎだ咲」

咲「そう怒らないで京ちゃん、ほんの冗談だよ?それじゃあ私達は行くね。決勝戦、楽しみにしてるから」スタスタ

和「失礼します」スタスタ

京太郎「……」

京太郎「はぁ……」

ハギヨシ「大丈夫ですか京太郎君」

京太郎「ああ、大丈夫だよ」

衣「……咲、ののか」

-龍門渕邸-

一「あの咲って子は結局なんなんなの?」

智紀「なんだが尋常じゃなかった」

透華「以前にも言いましたが咲と私達は幼なじみですわ。性格はもう少し内向的でしたが」

衣「……咲」

純「そうなのか?」

京太郎「ああ」

純「だったらどうしてあんな風に……」

ハギヨシ「純さん、あまり詮索するのは良くないかと」

純「えっ?ああ、済まんじゃん」

ハギヨシ「分かって頂ければ幸いです」

京太郎「……取り敢えずこの話はここまでだ。今日はなんだか疲れたからな」

透華「分かりましたわ」

京太郎「……」

次回へ続く

本日はここまでだ。ではさらば

今晩は諸君。再開するぞ

-龍門渕高校-

京太郎「ガンプラバトルをやってみたい?」

衣「そうだ。きょうたろー達の戦場を見て衣もやってみたいと感じた」

京太郎「そうは言ってもガンプラバトルは簡単じゃないぞ?衣にその覚悟はあるか?」

衣「無論だ。以前ならばいざ知らず、今は心身共に成熟している。ガンプラバトルをする覚悟ならある」

京太郎「心身共にねぇ」

衣「何処を見ている?」ペターン

京太郎「いや……」

キャー、ロリコンがいるわー
おまわりさんコイツです!

京太郎「だぁ!だから俺はロリコンじゃなくてミニコンだっつーの!」

一「それ何も変わらないから」

京太郎「フッ、相変わらずはじめ君は手厳しい」

一「キザッたらしくすると余計に気持ち悪いからやめてよね」

京太郎「……はい」

衣「それで衣にガンプラバトルを教えてくれるのか?」

京太郎「そうだな。せっかくガンプラも作ったんだし、この機会にやってみるか」

衣「わーい!」

京太郎「かわいい」

一「おまわりさーん」

放課後

-模型部-

京太郎「と言う訳で衣にガンプラバトルを教える事になりました。みんなで優しく丁寧に指導してあげましょう」

智紀「ころたんいえーい」

純「やってやるじゃん!」

透華「衣が使うガンプラはやはりガンダムXですの?」

衣「そうだ。こんな事もあろうかと持参してある」スッ

GX「」グテーン

一「元気なそうな感じだね」

京太郎「それを今から元気にしてやろうって話だ。早速始めるぞ」

バトルシステム

京太郎「ここにガンプラをセットする」

衣「こうだな」スッ

GX「」コトッ

京太郎「そうそう。それで出撃準備と」カチカチ

衣「きょうたろー」

京太郎「ん?」

衣「なんだかくすぐったいな」

京太郎「ああ、悪い。離れるよ」

衣「そ、それは駄目だ!きょうたろーとは、その……密着指導というのを受けたい」

京太郎「……はい?」

衣「きょうたろーは嫌か?」

京太郎「え?いや、そんな事は無いぞ!俺は嬉しいよ」

衣「そうか嬉しいのか!」

京太郎「うんうん。でも、そんな事を誰から聞いたんだ?」

衣「ともきーからだ。こうすれば殿方は喜ぶと言っていた」

京太郎「成る程」

京太郎(純情無垢なころたんを弄びやがって。後でメガネ割ってやる)

京太郎「ともあれ準備は完了だ。後は出撃だけだぞ」

衣「了解した。天江衣、ガンダムX参るぞ!」

バトルフィールド 砂浜

GX「」ズシュン

衣「おー!」

京太郎「どうだ?初めての感想は」

衣「ただ見るのと実際するのとは違うな!まるで本物と変わらない景色だ」

京太郎「そうだろう、そうだろう」

純「こうやって全員揃うのは久しぶりじゃんか」

一「そうだね」

智紀「3人の訓練を集中してたからね」

京太郎「それにしても……」

京太郎「はじめ君のそれはなんなんだーーーー!!」

マクロス「」

一「SDF-1マクロス強攻型だよ!」

京太郎「マクロス強攻型だよ!じゃねーよ!それ飾りじゃなかったのか!」

一「プラモデルだからね」

透華「そんな事はどーでもいいですわよ!問題は、なぜ京太郎さんが衣に密着指導しているかです!」

京太郎「文句があるなら衣に吹き込んだともきーに言う事だな」

智紀「衣!?」

衣「口が滑った。てへっ」

智紀「とーもーきー!」

智紀「ひぃぃぃ……」

一「落ち着いてよ透華。今は衣の訓練をするんでしょ?」

透華「それはそうですが……少しズルイですわ」

一「後でダイダロスアタックしてあげるから」

透華「いりませんわよ!」

純「よーし。先ずは基本動作からだな。歩行から始めるじゃん」

衣「分かった。えっと……」

京太郎「こうするんだよ」グッ

GX「」ズシュン ズシュン

衣「う、うむ。こうか」

GX「」ヨタヨタ ペタンッ

智紀「倒れた」

衣「これは意外と難しいな」

透華「大丈夫ですわよ。初めはみんなそうですわ!」

純「まあオレはすぐに動け……」

アカツキ「」バキューン バキューン

透華は純の台詞を遮るかの様にクシャトリヤに向けてアカツキのビームライフルでギリギリ当たらないように数発撃ち込む。

純「どわ!?ライフル撃ってくんな!」

透華「初めみんなそうですわね?」

純「は、はい」

京太郎「よし、もう一度だ」

衣「うむ」

GX「」トコトコ ペタンッ

衣「うぅ……」

一「衣よく見て。こうだよ」

マクロス「」スススッ

京太郎「ホバーじゃ参考にならんだろ!」

透華「そうですわよ」

アカツキ「」ドゴッ バターン

マクロスの脚部がアカツキに激突しアカツキは前のめりに倒れてしまう。

透華「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!なにやってくれますのーー!」

一「ごめん。よく見てなかった」

透華「はーじーめー!」プルプル

智紀「透華どうどう」

京太郎「はぁ」

衣「よし、もう一度だ」

京太郎「そう来ないとな!」

智紀「そんなころもを応援している」

そして数時間の特訓が続いた

GX「」ズシュン ズシュン

京太郎「いいぞ!その調子だ!」

衣「ふっふっ!」

GX「」シュババ シュババ

透華「いいセンスですわよ」

純「シャドーボクシングやる意味あるじゃんか?」

一「分かってないね純君は。特訓と言えばシャドーボクシングをしながら砂浜ダッシュじゃないか」

純「そんなもんか?」

一「そんなものだよ」

智紀「そろそろ射撃訓練してもいいんじゃない」

京太郎「そうだな。透華、ターゲットを用意してくれ」

透華「分かりましたわ」ピッ

ゾゴジュアッジュ「」ゥィィィン

衣「な、何やら気味の悪いのがのが出て来たぞ!!」ビクッ

京太郎「戦いとは常に予期せぬ展開の連続だ。もしこんな機体と出会っても、今の内から恐れる事なく戦えるようにしておけばいざ実戦の時に冷静な対処が出来る。その為の訓練だ」

衣「そ、そうか。流石はきょうたろーだな。す、少し気圧されてしまったが、そうと言うならばやってみせよう」プルプル

京太郎「うむ」

京太郎(ちょっぴり怖がるころたんかわいい)ニヘラッ

透華「……」

透華(あのニヤケ顔は衣が怖がる顔が見たかっただけですわねきっと……)

京太郎「ではコンソールのシールドバスターライフルを選択だ」

衣「うむ」カチカチ

京太郎「ターゲットをよく狙って」

衣「こうだな」

GX「」ジャキーン

京太郎「ロックしたら発射」

衣「いけぇぇ!」

GX「」バキューン

ゾゴジュアッジュ「」スカッ

クシャトリヤ「」ドコーン!

純「ぐえっ!?」

GXのライフルはゾゴジュアッジュをかすめると背後にいたクシャトリヤに当たってしまう。

衣「外れた?」

純「よく狙えじゃん!」

京太郎「そこにいるのが悪い。ちょっち待ってくれな。えっと、誤差修正……コンマ0.78くらいか」ピピピッ

衣「きょうたろー」

京太郎「どうしたー?」カチカチ

衣「真剣な表情のきょうたろーは格好良いな」

京太郎「へっ?」カチッ

GX「」バキューン

透華「へぶっ!?」

アカツキ「」ドコーン!

衣の不意な言葉に手が滑った京太郎はライフル発射トリガーを引いてしまい背後にいる透華のアカツキへ当ててしまう。

京太郎「あっ、ごめん。手が滑った」

透華「手が滑ったじゃありませんわよ!」

京太郎「だからごめんって言ってるだろー」

京太郎「衣も急に変な事を言うなって」ボソッ

衣「言っただろう?衣はきょうたろーを撃墜するとな」

京太郎「あー……こりゃ手強い」

一「どうしたの?もしかして調子悪かったりする?」


京太郎「いや、大丈夫だ。よし、次は当たるぞ」

衣「了解だ。直撃させる!」キュピーン

GX「」バキューン!

衣はGXのライフルを構えると目標を定めトリガーを引く
すると今度はビームがゾゴジュアッジュの胸部を貫き爆散させる事に成功する。

ゾゴジュアッジュ「」ドカーン!

衣「おお!」

京太郎「よくできました」

智紀「固定標的に誤射2発だけどね」

京太郎「それを言わないお約束だぜ?それじゃ今日はこれくらいにして続きはまた明日にしよう」

衣「衣はまだやれるぞ」

京太郎「訓練はコツコツとやるのが重要なんだ。あまり根詰めてやっても駄目だぞ」

透華「そうですわね。また夕食後にも再開しましょう」

衣「二人がそう言うならば承知したぞ」

それからの数日間は特訓の日々が続いた。
そして一週間後……

-龍門渕邸宅-

透華「衣を大会に出場させるですって?」

京太郎「おう!」

透華「おう!では無くて本気ですの?」

京太郎「大会っても小さな大会だ。しかも女の子限定のな」

透華「いくらなんでも時期尚早ではありませんか?確かに衣の飲み込みが良いとは言えまだ始めて一週間と少しですわよ」

京太郎「こういうのは経験なんだよ。実践は訓練の何倍もの経験を積ませてくれる。良い機会だと俺は思うけどな」

透華「それはそうですけど」

京太郎「透華には賛成してもらいたいんだけどさ……」

ハギヨシ「失礼しますよ」コンコン

透華「ハギヨシ?」

京太郎「どうしたんだ?」

ハギヨシ「いえ、お二人の話が娘の進路をどうするかを議論する夫婦の会話にしか聞こえなかったので乱入したくなっただけです」

透華「ふ、夫婦!?」

京太郎「お前なぁ……」

ハギヨシ「私も京太郎君と夫夫の会話がしたいのです」

京太郎「意味分からん事を言うな」

透華「京太郎さんがお父さんで私がお母さん……そして衣が娘の3人家族」

透華「ウヘヘヘヘヘッ」ホゲー

京太郎「まーたトリップしたじゃないか。どうしてくれんだよ」

ハギヨシ「暫くすれば元に戻りますよ」

京太郎「それもそうだな。所でハギヨシはどう思う?どうせ盗み聞きしてたから内容は分かってるだろ」

ハギヨシ「よくお察しで。私は京太郎君の意見に賛成です。京太郎君の意見だからという簡単な理由だけではありませんよ」

京太郎「その理由とは?」

ハギヨシ「今まで衣様は内側の世界しか知りませんでした。ですがガンプラバトルをする事で自らが外の世界に出るきっかけになればと私は考えます。勿論、衣様のペースに合わせる事が大前提ですが」

京太郎「さすが龍門渕の執事だな。考える事がしっかりしてる」

ハギヨシ「お褒めに与り光栄です。では、京太郎君の菊門を……」

京太郎「少しでも褒めた俺がバカだったよ!」ドゴッ

ハギヨシ「ぐはっ……!?」バタッ

透華「ウヒヒヒヒヒヒ」ホゲー

京太郎「……ああ、そうだ。本人に聞くのが一番だな。そうだ、そうしよう」スタスタ

ハギヨシ「」チーン

透華「ウヒヒヒヒヒヒ」ホゲー

商店街ガンプラ大会当日

衣「行って来るぞ」

京太郎「ああ、思いっ切り戦って来い」

透華「ファイトですわよ!」

店長「衣の初舞台。とくと拝見させてもらおう!」

京太郎「店はどうしたんですか?」

店長「本日は閉店だ」

京太郎「さいですか」

透華「そろそろ始まりますわよ!」

京太郎「お、おう。緊張して来た」

司会「それでは次の試合は~」

衣は順調に勝ち上がって行ったのであった。

そして決勝戦

衣「くっ……」

京太郎「そこだ!ライフル!いや、サーベルだ!」

透華「ここは突撃ですわよ!」

店長「ふむ」

対戦者「いっけー!ファンネル!」

純「ファンネル使い頑張れじゃん!」

透華「純はどっちの味方なんですの!」ゲシッ

純「ぐはっ……ちょっと言っただけじゃん」ガクッ

衣「うっ……」

GX「」パキューン パキューン

智紀「衣が押され始めてる」

一「頑張って!」

店長「このままでは敗色濃厚か」

京太郎「くそっ!何か方法は無いのか!」

「月は出ているか?」

京太郎「えっ?」

「月は出ているかと聞いている!」

店長「私は君は何をしていると聞きたいがな。ジャミル・ニート」

ジャミル「商店街の自主警備だ!」

店長「これだからNEETは困る」

ジャミル「NEETではない!Neateだ!何度言えば分かるんだ貴様はっ!」

京太郎「はいはい分かりましたから。衣を応援しに来たんでしょ?」

ジャミル「そうだった。ころたんは我々のアイドルだからな!それで戦況はどうだ?」

透華「大ピンチですわ!」

ジャミル「それはマズイ!月さえ出ていれば!」

衣「あっ……」

GX「」コトッ

司会「あーっと天江選手のガンダムX場外です!勝負あり!」

京太郎「……」

透華「……」

店長「決着は案外呆気ないものだ」

ジャミル「くっ……私がもう少し早く来ていれば月が出ていたかも知れないのに!」

京太郎「それは関係無いと思います」

衣「みんな済まない」

京太郎「気にすんなって。初めての大会で準優勝なら凄いもんさ」ナデナデ

衣「きょーたろー……」ウルウル

ジャミル「さあ!ころたん!悲しいならばお兄さんの胸に飛び込んでおいで!」

衣「断固拒否する」

ジャミル「ぐはっ……」ガクッ

京太郎「反応がロリコン大佐と同じで泣ける。同時に逮捕されない事を祈ってますよ」

透華「お祝いに今日はファミレスに行きましょう」

衣「おー!エビフライ食べたいぞ!」

智紀「すっかり元気になったね」

純「まだまだ子供じゃん」

一「純君も人の事言えないけどね」

店長「浮かれているのもいいが明日は君達の地区予選の日だ。準備は怠りなくな」

京太郎「はい!」

翌日 地区予選2回戦

南浦聡「ネズミがチョロチョロと!」

ハンブラビは防戦一方のブレイヴを執拗に攻め立てる。

京太郎「くっ……強い!」

ハギヨシ「この実力、並ではありませんよ!」

南浦聡「ダンケル!ラムサス!クモの巣を使うぞ!」

ダンケル「了解!」
ラムサス「了解!」

ハギヨシ「何か来ます!警戒を怠り無く!」

京太郎「分かってる!」

京太郎はハンブラビ隊の猛攻を辛うじて避け続けるが機体ダメージもあり思うように機体が動かない。

京太郎「動きが鈍い!」

南浦聡「手負いが!逃がすものかよ!」

ハンブラビ隊「」バッ

ハギヨシ「京太郎君!」

京太郎「なっ、しまった!?」

突如目の前に現れたクモ巣に見立てたネットに対処出来ずにそのまま引っ掛かり
身動きが取れなくなったブレイヴに電流が襲う。

ハギヨシ「これは高圧電流ですか!?」

京太郎「それに抜けないぞこれ!」

南浦聡「そのまま焼き切れちまいな!」

ハギヨシ「このままでは間接部分が溶解してバラバラになってしまいます!」

京太郎「……」

京太郎「ハギヨシ、バトルフラッグを出そう」

ハギヨシ「ですがアレはまだ完全ではありません!」

京太郎「どの道やられるなら可能性がある方を賭ける!そうだろ!」

ハギヨシ「……分かりました。バトルフラッグを出撃させます!」

南浦聡「ふははははっ……ん?」

Bフラッグ「」ズギュゥゥゥン!!

南浦聡「なんだアレはっ!」

バトルフラッグはビーム砲でクモの巣を破るとハンブラビ隊に牽制射撃を仕掛ける。

南浦聡「えぇい!」

京太郎「よし!」

ハギヨシ「京太郎君!ドッキングだアッー♂」

京太郎「マジで引くが今はそれ所じゃない!行くぜ!」

ブレイヴ「」ズギュゥゥゥン!

Bフラッグ「」ズギュゥゥゥン!

ブレイヴに追従するバトルフラッグは機体を分離させるとブレイヴの両腕、両足、胴体へとドッキングする。

強化ブレイヴ「」バーンッ!!

京太郎「成功した!」

ハギヨシ「やりましたね!これも私達の愛の力です!」

京太郎「愛かどうかは知らんがこれなら行ける!」

南浦聡「合体しただと!?」

京太郎「ターゲットマルチロック!当たれぇぇぇぇ!!」

ブレイヴはハンブラビ隊にロックしてミサイル発射管を開くと一斉射する。

ダンケル「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!」

ラムサス「隊長ぉぉぉぉぉ!」

ミサイルの一斉射撃により南浦聡機を除くハンブラビは回避出来ずに撃破される。

南浦聡「ダンケル!ラムサス!よくもぉ!!」

ハンブラビはビームを連射しながら突撃するが機動力が増したブレイヴは軽々と回避すると
バトルフラッグに装備されている大型キャノンを構えハンブラビに照準を合わせる。

京太郎「ハギヨシ充填率は?」

ハギヨシ「充填率100%!行けます!」

京太郎「ハイパーブレイヴバスターキャノン!喰らいやがれぇぇぇぇぇ!!」

ブレイヴ「」ズドォォォォォン!!

南浦聡「なにぃぃぃぃぃぃ!?」

ハンブラビは回避運動を取るもバスターキャノンから逃げる事が出来ずにエネルギーの波に飲まれ消滅する。

音声『バトルエンド』

-会場-

数絵「お爺ちゃん情けない」

聡「ご、ごめんなしゃい数絵さ~ん」

京太郎「やったなハギヨシ」スッ

ハギヨシ「ええ、お見事でした」スッ

二人は爽やかに互いの健闘を称えてタッチをするとバトルシステムを後にするのだった。

ハギヨシ(これで今日はご飯三杯は行けますよ!!)

次回へ続く

本日はここまでだ
ではさらば

再開しよう

数日後

-京太郎の家-

京太郎「スースー」

ピンポーン

京太郎「……ん?」

ピンポーン

京太郎「んー?誰だよ、こんな朝から。透華達なら鍵を持ってるし……」

ピンポーン ピンポーン

京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ~今から着替える」

ピンポーン ピンポーン ピンポーン

京太郎「だから今着替えてるから!」

ピピピピピヒピピピピンポーン

京太郎「だぁ!うるせぇぇぇ!!」ガチャ

女の子「おはようっす!お兄ちゃん!」

京太郎「……」

バタンッ

女の子「閉めたらダメっすよー!」

ガチャ

京太郎「こんな朝からなんの用だ?てか学校はどうしたんだよ。今日は平日だろうが」

女の子「自主休校っす」

京太郎「不良か」

女の子「金髪のお兄ちゃんに言われたくはないっすよ」

京太郎「これは自毛だ」

彼女の名前は東横桃子。俺の妹みたいな感じな奴だ
妹みたいな奴は他にいるって?
それはそうなんだが、モモとはふとしたきっかけで知り合いになって以後、俺の事を兄と慕ってくれる言うなれば嫁みたいなもんだな
たまにファミレスで一緒にバイトしてます

京太郎「そうそう……って誰だよ勝手なナレーションしてんのは!!」

蒲原「そのうち色んな事を仕込んでやる予定だぜワハハ」

京太郎「お ま え か!!」グィ

蒲原「い、いだいぼー」グニグニ

京太郎「てかどうやって来たんだよ?」グィグィ

蒲原「免許を取ったのさ。まだ仮免だけどなー」グニグニ

京太郎「マジですか」

桃子「そうっすよ。蒲原先輩もたまには役に立つっす」

蒲原「ワハハ~」グニグニ

京太郎「で、わざわざ平日の朝っぱらから俺の家に来たって事はそれなりの理由があるんだよな?」

ゆみ「それは私から説明しよう」シュタ

京太郎「ゆみさん?」

ゆみ「実は困った事が起きてしまったのだ」

京太郎「困った事?」

ゆみ「ああ。ガンプラデリバリーを知っているかな?」

京太郎「ええ。模型店がガンプラを宅配するサービスですよね?それがどうしたんですか」

ゆみ「睦月がそのアルバイトをしていたんだが、あろう事か奴はガンプラをどれだけ高く積んで運べるかを試したらしくて、案の定配送中にそれを倒してしまったんだ」

京太郎「あちゃー、むっきーって物を積みたくなる癖があったな。しかもそれを自ら破壊する質の悪い。でもなんでゆみさん達が困った事に?」

ゆみ「そこなんだ。睦月は動転していたのか素なのか分からないが、とっさに私達の名前を出したらしくて、そこの店長が睦月の変わりにタダで働けば許してやると言い出したんだよ」

京太郎「無茶苦茶だなおい」

桃子「当然むっきー先輩は蒲原先輩のワーゲンで轢き倒して独房で反省させてるっすけどね」

京太郎「お前らもやる事が無茶苦茶だよ。いや、くちゃくちゃだよ!」

ゆみ「私達は人手が足りないのでクラスメートに手伝ってくれる人を要請したのだが、あいにくタダではな。因みに蒲原は人望が無くてモモはぼっちで集める事は不可能だった」

京太郎「後半悲しすぎるぞ!」

京太郎「てかかおりんは?」

ゆみ「佳織は幸か不幸か少し前から風邪をひいて難を逃れている」

京太郎「ははぁ。さすが元ラッキー娘は伊達じゃないな」

桃子「そう言う訳でもう頼れるのがお兄ちゃんしかいないんすよ!」

京太郎「でも俺も学校だし」

蒲原「休めばいいと思うよワハハ」

京太郎「簡単に言うんじゃねー!」グリグリ

蒲原「いだいぞーワハハ」

桃子「お願いっす!もし引き受けてくれるなら私が出来る事はなんでもするっす」

京太郎「なんでも?」

桃子「そ、そうっすよ……その、お兄ちゃんさえよければ……」モジモジ

ゆみちん「セックスとかなー!」

京太郎「うぉい!朝っぱらから大声でなに言ってんだアンタは!!」

ゆみちん「すまない」キリッ

京太郎「ったく。分かったよ引き受けた。透華に学校休むって連絡するから少し待っててくれ」

桃子「はいっす!」

-鶴賀周辺 模型店前-

蒲原「ワハハ到着~」

ワーゲン「」ズシャシャァァァ!!

京太郎「なんて無茶苦茶な運転しやがるんだ……」

蒲原「お褒めにあずかり光栄だよ」

京太郎「褒めてねーよ!」グググッ

蒲原「ぐ、ぐるじぃぃぃ……ワハハ」グググッ

ゆみ「蒲原を絞めてる暇は無いぞ」

桃子「絞めるなら終わってから存分にするっすよ」

京太郎「それもそうだな」

蒲原「酷いぞ……ワハハ」

-荷物受け取り後-

ガンプラの山だぞっ!

京太郎「かなりあるな」

蒲原「これは大変だな」

京太郎「この量だ。取り敢えず二組に別れようか」

桃子「私はお兄ちゃんと組むっす!」ギュ

ゆみ「では私も彼と組もう」

京太郎「おい」

蒲原「……ワハハ」

京太郎「仕方ない。俺がカマボコと組む」

蒲原「京太郎!」

桃子「だったら私もお兄ちゃんと組むっす!」ギュ

ゆみ「では私も彼と組もう」

京太郎「それは組分けとは言いません」

公平にじゃんけんで決めたぞ

桃子「やっぱり私とお兄ちゃんは運命の赤い糸で結ばれてるんすね!」

京太郎「がんじがらめにされそうで怖いよ俺は」

ゆみ「私は蒲原とワーゲンで外周を。二人は徒歩で近場を回ってくれ」

京太郎「分かりました。2時間後またここで」

蒲原「健闘を祈るぞ」

京太郎「俺はカマボコの方が心配だよ」

-宅配中-

桃子「わーすれかけたー ゆめがいまうーごーきだす~♪」

京太郎「上機嫌だな」

桃子「当然っすよ!久しぶりにお兄ちゃんと二人で過ごせるんすから」

京太郎「そりゃ嬉しい事で。そう言えばモモは今年のガンプラバトルには出場してるのか?」

桃子「してるっすよ」

京太郎「じゃあ、使ってるガンプラは……ブリッツかな?」

桃子「ニュータイプっすか!?」

京太郎「いや、なんとなくだけど」

桃子「愛を感じたっすよ」

京太郎「それの何処に愛を感じたのか不明なんだが」

桃子「私からすれば十分なんすよ。っと、一軒目はここっすよ」

京太郎「あいよ」

そして約30分後

桃子「ほぇー、これがお兄ちゃんの大会用ガンプラっすか~」

ブレイヴ「」グニグニ

京太郎「ほとんどハギヨシに作ってもらったんだけどな」

桃子「えっ?あのホモっすか……」

京太郎「あからさまにドン引きするなよ」

桃子「ホモは嫌いっすから」

京太郎「そうっすか」

桃子「でも悔しいけど技術は認めるっす」

京太郎「じゃあ今度教わるか?」

桃子「それは絶対にお断りっす!!」

京太郎「さいですか。んでんでんでここが次のお届け先か」

桃子「じゃんじゃん行くっすよ」

そして2時間後だワハハ

-模型店前-

京太郎「やっとこさ3分の2を届け終えたぞ」

蒲原「お疲れのようだな。これでも飲んで元気を付けるといいよ」スッ

京太郎「知的飲料ドクペじゃないか?ありがとう」

蒲原「いいって事だよワハハ」

桃子「……出遅れたっす」

ガラガラ

ゆみ「……マズイ」

京太郎「どうしたんですか?」

ゆみ「大変なミスがあった」

桃子「え?」

ゆみ「客の一人に渡す商品を間違えたらしい。注文はMGプロヴィデンスガンダムなんだが、小包を開けたらMGレジェンドガンダムだったらしい」

京太郎「それでその客は?」

ゆみ「かなりご立腹のようだ。私達全員に商品を持ってきて謝罪に来いと言っている」

蒲原「それは困ったなワハハ」

京太郎「そこは笑う所じゃないだろ。どうするんですか?」

ゆみ「誠意を見せるしかないな。蒲原、すぐに出るから準備をしてくれ」

蒲原「あいよゆみちん」

-お客の家-

京太郎「すみません、模型店のものですが」コンコン

ガチャ

客「……君は!」

客「……ふむ、待ってたよ。君達が商品を間違えたせいで私の大切な時間を無駄にしてしまった」

ゆみ「それは本当に申し訳ありませんでした。こちらが商品となっています」

4人「「すみませんでした!」ワハハ!」

客「私が欲しいのはそのような安い謝罪ではない」

京太郎「じゃあどうすれば……」

客「そうだな。では私と君とでガンプラバトルをやろう。もし、私に勝てればこの件は不問にする。ただし君が負ければ……君は私の好きにさせて貰う」

蒲原「アッー!」

京太郎「えぇぇぇ……」

桃子「ふざんなっす!いい加減にしろっすよ!」

ゆみ「おいモモ!」

客「威勢が良いな。ならば特別にハンデもあげよう、せっかく4人いるんだ。君達は何機でもいい」

京太郎「チーム戦か。ならその勝負、受けてやるぜ!」

ゆみ「君の手助けをしたいが、あいにく私は今日ガンプラを持ってきていない」

蒲原「ワハハ私もだ」

京太郎「俺とモモでやるしかないか」

桃子「大丈夫っすよ。私とお兄ちゃんなら絶対に負けないっす」

客「その自信、何時まで持つか楽しみだな」

京太郎「上から目線な所がなんかムカつく」

桃子「言わせておけばいいっす。戦えば結果は出るんすから」

-バトルシステム-

京太郎「こんな所で俺の貞操が奪われたらたまったもんじゃない。須賀京太郎、ブレイヴフルセイバー発進する!」

ブレイヴ「」ドシュゥゥゥン!!

桃子「せっかく久しぶりのお兄ちゃんとの時間を……絶対に許さないっす!東横桃子、ブリッツガンダム行くっすよ!」

ブリッツ「」ドシュゥゥゥン!!

客「さて、彼の手並みを拝見と行くか。ラウ・ル・クルーゼだ。プロヴィデンス出るぞ!」

プロヴィ「」ドシュゥゥゥン!!

バトルフィールド 海岸

音声『バトルスタート』

クルーゼ「先ずは挨拶変わりだ」

プロヴィデンスは開幕直後ドラグーンをブレイヴとブリッツに向けて一斉射撃を開始する。

ドラグーン「」ズギュゥゥゥン!!

京太郎「くっ……いきなり熱烈な歓迎だな!」

桃子「でもそんな攻撃に当たるのは棒立ちの奴だけっす!」

クルーゼ「ほぅ、大会出場者だけはあるな」

京太郎「何処でそれを!?」

クルーゼ「私にかかれば造作もない事さ」

桃子「陰湿な奴っすね」

クルーゼ「君に言われたくないな。私は知っている、君がどのような人間でどんな境遇かを。辛いだろう?誰からも知られず理解されず、孤独に生きてくのは」

桃子「そんな事!」

クルーゼ「君は知っているはずだ。今の関係も偽りのものだと。その友情も!愛情も!そう蜃気楼のように幻だと!」

桃子「違う!違うっす!私の気持ちは!!」

京太郎「モモ!」

クルーゼ「だからこそ付け入る隙がある!」

プロヴィデンスは複合兵装防盾システムのビームサーベルを展開させると動きが鈍くなったブリッツに斬りかかる。

モモ「!!」

京太郎「させるかぁ!」

ブリッツに一撃を加える瞬間に間一髪ブレイヴが間に割り込みGNソードⅤでプロヴィデンスのサーベルを受け止め振り払う。

クルーゼ「チッ……」

京太郎「しっかりしろモモ!」

モモ「お兄ちゃん……」

クルーゼ「あの速度、かなりの改修がされていると見た。しかし警戒する程でもない」

京太郎「奴の言葉に惑わされるな!あの手の奴はこっちを心理的に追い詰めて、動揺した隙を付く戦法を取る。だから絶対に耳を貸すな!」

桃子「は、はいっす!」

京太郎「モモを不安にさせた落し前!付けさせてもらう!」

クルーゼ「しかし、事はそう上手く運ばんよ!」

京太郎「抜かせ!」

ブレイヴはプロヴィデンスが対空している距離まで上昇し、一気に斬りき付けるがプロヴィデンスのシールドに阻まれてしまう。

桃子「だったら!いっけぇ!」

クルーゼ「甘いな」

間髪入れずブリッツはグレイプニールを射出するとプロヴィデンスの足元に狙いを定めるもドラグーンにより破壊されてしまう。

グレイプニール「」ドガーン!!

桃子「ッ……」

クルーゼ「言っただろう。物事はそうそう上手くは運ばないと」

京太郎「そんな勝手な理屈!」

桃子「分かってたまるかー!っす」

ブレイヴとブリッツはコンビネーションでプロヴィデンスに様々な攻撃を繰り広げるが紙一重の所で全て回避されてしまう。

京太郎「クッ、俺達の動きが読まれてるのか?」

桃子「お、おかしいっす!」

クルーゼ「君達の……とくに須賀京太郎、君の動きは勉強させてもらったよ」

京太郎「どういう事だ!」

桃子「私はどうなんすか?」

クルーゼ「ああ、君は残念だが見切るまでもない」

桃子「酷いっす」

クルーゼ「覚えているかね?昨年の夏、奈良で君に討たれた男の事を!」

京太郎「去年の夏?奈良?まさか……あの時の!」

クルーゼ「そうさ!あの時、君が倒した中性的でホモに好かれる。声が古谷さんに似てますよね……てか古谷さんじゃないんですか?と言われた男だ!」

京太郎「……」

桃子「……」

蒲原「余談だがイノベイドには戦闘型(マイスタータイプ)と情報収集型が存在していて、戦闘型は基本的に性別の無い中性的な作りなんだけど、情報収集型は場合によって性別が付与される事があるんだ。また性別のあるイノベイドとは子供を作る事も可能なんだぞ。また一つ勉強になったなワハハ」

ゆみ「ワハハじゃないだろ。京太郎達が負けたら何をされるか分からないんだ。しっかり応援するんだ」

蒲原「ワハハ」

クルーゼ「彼は言っていたよ!君達が介入したおかげで計画が全て台無しになったとな!。そのお礼を全国大会でしたいとも言っていた」

京太郎「いい迷惑だから予選落ちしろって伝えとけ!」

クルーゼ「安心するがいい。その前に君は私に討たれるさ、徹底的にな!そう、二度とガンプラバトルはやりたくないと思える程に!」

京太郎「しまった!!」

ブレイヴはGNソードⅤを弾き飛ばされると、プロヴィデンスの蹴りをくらい高速で地上へ叩き付けられる。

京太郎「くそっ……」

桃子「お兄ちゃん!はぁぁぁ!!」

地面に叩き付けられたブレイヴを見るなりモモは怒り、ブリッツをプロヴィデンスに突撃させる。

クルーゼ「だから君は隙があると言ったのだよ」

ドラグーン「」ズギュゥゥゥン!!

ブリッツ「」ドゴォォン!!

サーベルで一撃を加えようと伸ばした右腕がドラグーンによっと切断され飛ばされてしまう。

桃子「しまったっす!」

クルーゼ「残念だったな。そこで彼が切り刻まれるのを見物しているがいい!」

京太郎「くっ……」

桃子「まだだっす!でりゃぁぁぁぁぁ!!」

クルーゼ「なに!?うおぉぉぉぉぉ!!」

桃子「はぁはぁ。大丈夫っすかお兄ちゃ……」

ドラグーン「」ビシュィィン!!

ブリッツのタックルで吹き飛ばされるプロヴィデンス。
そして地面にめり込まされたブレイヴを助けようとした瞬間、全身にドラグーンのビームが貫通する。

桃子「えっ……?」

京太郎「なっ……」

クルーゼ「フッ」

桃子「お兄ちゃん……逃げて……っす」ピシッ

ブリッツ「」ドガァァァァァァン!!

京太郎「モモォォォォォォ!!」

蒲原「ニコルー♪」

クルーゼ「名(迷)シーンの再現とまでは行かなかったが、楽しんで貰えただろうか?」

京太郎「貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

クルーゼ「心配せずとも君も一撃で撃墜してあげよう。それがせめてもの情けだ」

京太郎「ならアンタのその言葉!そっくりそのまま返してやるよ!」

京太郎(とは言え、悔しいが相手の実力は本物だ。さっきの攻撃で推進システムと頼みのトランザムがイカれちまって長くは戦えない。この状況を打破出来る一手は……ん?)

京太郎「……あれは!!こうなったら一か八かに賭けるしかない!」

ブレイヴ「」ズシュゥゥン!!

クルーゼ「万策尽きて逃げの一手か?それとも仲間がやられて怖じけづいたか?所詮は口先だけど言う事か」

クルーゼ「たが生憎、私は鬼ごっこが嫌いでね。逃がしはせんよ」

京太郎「来たか」

クルーゼ「逃がさんと言ったはずだ!」

京太郎「俺が単に逃げてると思ったら大間違いだ!」

クルーゼ「なに?」

京太郎「これでも喰らいやがれ!!」

ブレイヴはシザーアンカーを海岸線へ射出すると、吹き飛ばされ落ちていたトリケロスを掴み振り向き様にアンカーをプロヴィデンスへ向けて飛ばす。

クルーゼ「なんだと!?ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

京太郎「これで!終わりだぁぁぁぁぁぁっ!!」

コクピットにトリケロスが突き刺さったプロヴィデンスにトドメを刺す為
二本のシュペールラケルタを連結させアンビデクストラス・ハルバードにすると
プロヴィデンスに突撃しコクピット目掛けてブースターが壊れるのを覚悟で最大出力でサーベルを突き刺す。

クルーゼ「なっ……この私が……」

京太郎「……」

プロヴィデンスが爆発する瞬間シザーアンカーを収納させ素早く離脱するとその直後プロヴィデンスは爆発四散する。

音声『バトルエンド』

-バトルシステム前-

京太郎「さーて、どうしてくれようかな」

クルーゼさん「ま、待ってくれ!私は本気で君達をどうこうしようと言うつもりではなかったんだ!」

京太郎「これでも汚い大人は色々見てきたんだ。アンタは信用出来ない」

クルーゼさん「……」

蒲原「車轢きにしてやろうかワハハ」

京太郎「それは面白そうだ」

クルーゼさん「ひっ!?」

桃子「待つっす!」

ゆみ「モモ?」

桃子「この人はそんなに悪い人じゃないと思うっす」

京太郎「どうしてそんな事が?」

桃子「ぼっちの感っす。ぼっちは全てを絶望してるっす。だからお兄ちゃんみたいな人を見たら嫉んで見返してやりたくなるんすよ。まあ大概はそんな機会も度胸も無いんすけど」

京太郎「胸が痛いな」

クルーゼさん「私は奴を負かした君に勝てば、こんな絶望しかない世界から抜け出せるかも知れないと思っていた。だが、結果はこの様だ。所詮ぼっちは何をやっても無駄なのさ」

蒲原「怯えろ!竦め!ぼっちのまま惨めに死んでゆけぇ!」

桃子「アンタがくたばれっす!」グッ

蒲原「ぐぇぇぇぇぇ……さ、三途の河が見える」グググッ

京太郎「分かった。だったらアンタの未来、この俺が切り開いてやる」

クルーゼさん「えっ?」

京太郎「一人が辛いなら二つの手を繋ごう。二人じゃ寂しいから輪になって手を繋ごう。きっとそれが幾千の力にもなってどんな夢も断てる。そんな気がするんだ」

クルーゼさん「こんな私でもそんな権利があるのか?」

京太郎「もちろんだ!さあ、来いよ!一緒に行こうぜ!」

クルーゼさん「ああ!」

京太郎「みんな行くぜ!」

桃子「はいっす!」

ゆみ「ああ!」

蒲原「ワハハ!」

京太郎「俺達の戦いは!これからだ!!」

次回に続く……かもしれない

久しぶりに再開するぞ

夕方

-ファミレス ワグナリア長野方面支部

いらっしゃいませ! ワグナリアへようこそ!

京太郎「やっと配達が終わったぁぁぁ……」グデーン

ゆみ「みんなお疲れだった。今日は私の奢りだ。好きに頼んでくれ」

蒲原「ワハハ」

桃子「……うーん」

京太郎「次の予選までにブリッツ直りそうか?」

桃子「ちょっと難しいかもっす」

京太郎「そうか。じゃあ俺も直すの手伝うよ」

桃子「えっ?だ、ダメっすよ!お兄ちゃんに迷惑は掛けられないっすよ」

京太郎「元はと言えば俺を助けよとして壊れちまったんだ。だからさ」

桃子「でも……」

ゆみ「ここは素直に甘えておけ」

桃子「先輩……分かったっす!よろしくお願いしますっすっす!」

京太郎「よし。それじゃあ腹ごしらえしないとな。すみませーん。取り敢えずここのメニュー全部お願いします」

ゆみ「……」

蒲原「ワハハ、私も少し出すから心配するな」スッ

ゆみ「蒲原……ん?」

10万円札「子供銀行券だぞワハハ」

蒲原「ワハハ」

ゆみ「少しでもお前に期待した私がバカだった」

蒲原「ワハハ!ワハハ!」

そして大破したガンプラの修理が始まったのだワハハ

京太郎「ここをこうすれば強度が増す」

桃子「ふむふむ」

ゆみ「頑張っているな。差し入れだ。それと少し休憩したらどうかな?」

京太郎「ありがとうございます。じゃあ少し休もう」

桃子「はいっす」

蒲原「ワハハ」

数時間が計画したぞワハハ

京太郎「これをに装備させて」

アスラン、逃げ…母さん…僕の…ピアノ… ニコルゥゥゥ!

桃子「完成が近づいてるっす」

アスラン、逃げ…母さん…僕の…ピアノ… ニコルゥゥゥ!

京太郎「それで次は……」

アスラン、逃げ…母さん…僕の…ピアノ… ニコルゥゥゥ!

桃子「えーっと……」

ニコルゥゥゥ!
ニコルゥゥゥ!
ニコルゥゥゥ!
ニコルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

京太郎「だぁぁぁぁ!うるせーー!!気が散る!」

蒲原「ワハハ!」

こうしてガンプラを修理すること数日ワハハ

音声『バトルエンド』

ブリッツ「」カタッ

京太郎「やっと調整が終わった……」

桃子「そうっすね……」

京太郎「しばらく寝ていたい」

桃子「同感っす」

京太郎「だが俺達に休んでる暇などない!何故ならば……」

京太郎「今日が地区予選の日だからだぁぁぁぁ!!」

桃子「早く準備するっす!」

京太郎「おう!しかし間に合うか?」

蒲原「ヘヘッ、安心しな。超特急で送ってやるぜ」シュタ

京太郎「カマボコ!今日ほどカマボコが頼りになると思った日は無い!」

桃子「はいっす!」

蒲原「ワハハ!では出陣だ!」

所変わって予選会場

透華「京太郎さんはまだ来ませんの?」

ハギヨシ「はい。一昨日、連絡があったきりですから。今こちらから電話を掛けても繋がりませんし」

透華「このままでは不戦敗になってしまいますわよ!」

衣「落ち着け。こう言う時にトーカが取り乱して何とするか」

透華「衣……」

純「衣の言う通りじゃん。透華が焦っても仕方ないじゃん」

衣「そうだ。今はきょーたろーを信じて待つ。衣達に出来るのはそれだけだ」

透華「……そうですわね。私とした事が取り乱してしまいましたわ」

一「大丈夫だよ。彼の事だから絶対来るって」

智紀「でも後10分しかない」

ハギヨシ「ならば祈りましょう。そう!ティファのように」

透華「ハギヨシがやると気持ち悪いだけなのでお止めなさい」

ハギヨシ「……はい」

まこ「おう、どうしたんじゃ」スタスタ

透華「あら、貴女は確か……」

純「あーえーっと」

一「うーん……思い出した!清澄のワカメさん」

まこ「誰がワカメじゃぼけぇ!わしは染谷まこっちゅう立派な名前があるんじゃ!」

透華「それは済みませんわ。それで染谷さんはどうしたのです?」

まこ「わしの試合が終わったからの。そんでお前さんらを見掛けたから寄ってみたんじゃが。どうしたんじゃ?」

ハギヨシ「京太郎君がまだ来てないのです」

まこ「なんと!次の試合まで残りはないぞ」

智紀「連絡を取ろうにも携帯電話の電源を切ってるみたいで」

まこ「ふーむ、参ったのう」

純「会場もあそこだけ誰もいないから不信に……誰も?」

透華「そう言えば対戦者もいませんわ!」

衣「これは好機と見た!」

ハギヨシ「京太郎君が来れば不戦勝の可能性大ですね」

一「ちょっと、みんな喜ぶのはまだ早いよ!」

ブロロロロ

透華「なんですの?……って!!」

トランザムワハハ「」ズガァァァァン!!

純「自動車だと!?」

ハギヨシ「こちらに来ます!皆さん退避を!」

トランザムワーゲン「」ズシャァァァァ!! ドンッ!!

まこ「ワカメッ!!」キーン ドゴーン!!

透華「ワカメさんが轢かれましたわ!」

まこ「がはっ……」バタッ

蒲原「到着だワハハ」

京太郎「あ、相変わらず目茶苦茶な運転だなおい。今回ばかりはそれに助けられたけど……」

桃子「うぷっ……気持ち悪いっす。お兄ちゃん介抱して欲しいっす」

京太郎「ごめんそれ無理」

桃子「吐きそうっす。もし吐いたらお兄ちゃんに飲んでほしいっす。代わりにお兄ちゃんが吐いたら私が飲むっすから」

京太郎「マジでやめてくれ。本当に吐きそうになるから冗談でもやめて……」

透華「京太郎さん!?」

京太郎「よ、よぉ……待たせたな」

透華「い、今まで何をしていましたの!?連絡も寄越さないで!」

ハギヨシ「お嬢様、事情を聞くのは後で。京太郎君、時間がありませんのですぐに準備を」

京太郎「ああ。待たせて悪かった。すぐに行こう。モモも頑張れよ」

桃子「はいっす!じゃあまた後で」

-バトルシステム-

京太郎「さて、対戦者は……って、モモ何してんの?」

桃子「何って、此処が私が戦う場所っすけど」

京太郎「……」

桃子「……」

ハギヨシ「?」

京桃「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

京太郎「ちょ!対戦相手ってモモなのかよ!」

桃子「お兄ちゃん知らなかったんすか?私も知らなかったっすけど!」

京太郎「だったら威張るんじゃねーよ!」

ハギヨシ「お二人共、次の対戦相手くらい調べておきましょうね」

京太郎「済まん」

桃子「ホモに正論を言われるとは……」

ハギヨシ「私の目の黒い内は京太郎君を渡しませんよ」

桃子「くっ……」

京太郎「まあいい。時間も押してるんだ。始めようぜ」グッ

桃子「はいっす」

音声『バトルスタンバイ』

桃子「東横桃子、ブリッツ行くっすよ!」

ハギヨシ「ブレイヴ発進準備よし」

京太郎「須賀京太郎、ブレイヴいきまーす!!」

バトルフィールド 宇宙

京太郎「モモはどう来るかな」

ハギヨシ「……ん?」ピピッ

ハギヨシ「京太郎君、上です!」

突如上方からランサーダートが襲い掛かる。

京太郎「速い!」

京太郎はランサーダートをシールドで防ぐと警戒しつつ辺りを見回す。

ハギヨシ「プラフスキー粒子の流動から行動予測。データリンクします」

京太郎「そこかっ!」

GNソードⅤをライフルモードにすると予測範囲に向けて乱射するがビームが目標に命中する事なく飛んで行く。

ハギヨシ「外した!?」

京太郎「そんなに驚く事か?」

ハギヨシ「私の開発した京太郎君とのラブラブデータリンクによる予測は確かなはずでず」

京太郎「嫌な名前付けてくれるなおい」

ハギヨシ「東横さんの第1回と2回戦のデータを元に作成したのですが……」

京太郎「そりゃ機体強化くらいするだろ」

京太郎(俺が手伝った事は内緒です)

ハギヨシ「ですが、彼女のモデラーとしての腕前はお世辞にも高い方とは言えません」

京太郎「酷い言いようだな。モモだって日々精進してるだろ」

京太郎(俺が手伝った事は内緒です)

京太郎とハギヨシがやり取りしているとレーザーライフルが多方面から飛んで来る。
対応が一瞬遅れた為にバーニアと右脚部に攻撃を受けてしまう。

京太郎「しまった!」

ハギヨシ「先程のダメージで推力が低下してます!」

京太郎「チッ、お喋りが過ぎたか」

ハギヨシ「京太郎君データを送ります」

京太郎「そこぉ!」

次はGNガンブレイドで予測範囲を射撃するがやはり命中する事なくビームが飛んで行く。

ハギヨシ「おかしいです。いま、計算しましたがブリッツは前回の30%は性能が向上しています」

京太郎「そうなんだ」

ハギヨシ「これは誰かが手を貸したとしか考えられません!」

京太郎「ブレイヴだってハギヨシが作ったんだし珍しい事じゃないだろ」

ハギヨシ「それはそうですが」

京太郎(何度も言いますが俺が手伝った事は内緒です。大事な事なので)

京太郎(だけどここだけの話、ミラコロの効果時間を伸ばしたのは少し後悔しています)

京太郎「しかし、推進力が低下した上に隕石だらけだとこっちが不利……いや、待てよ」

ハギヨシ「何か対策でも?」

京太郎「姿が見えないなら分かりやすくしてやればいい。それにこの方法なら動かなくて済む」

京太郎「GNソードVバスターライフルモード!」

京太郎「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

GNソードVをバスターライフルモードへ変型させると周囲の小惑星へ向け最大出力で発射させると
小惑星は高出力のビームの直撃を受けてバラバラに砕け散り周囲へ散乱する。

桃子「うげぇぇぇ!?」

降り注ぐ隕石群にブリッツの回避は間に合わずに数発ぶつかってしまう。

京太郎「そこか!」

ハギヨシ「成る程!隕石を増やす事で不自然な挙動を探せば!」

京太郎「ああ。それに一度見付けたらもう逃がしはしない!」

京太郎(なんせ俺が直に調整したんだからな!)

京太郎「はぁぁぁぁぁあぁぁ!!」

GNソードVをバスターライフルモードからサーベルモードへと再度可変させると予測範囲を絞り一気に最大出力で振り下ろす。

京太郎「これで!終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

桃子「ぎぇぇぇぇ!逃げ切れないっすぅぅぅぅぅう!!」

ブリ/ッツ「」ズシャァァァ!!

バスターソードの直撃を受けたブリッツは両断され大爆発を起こす。

音声『バトルエンド』

-予選会場-

ハギヨシ「お見事です」

京太郎「ま、まあな」

透華「さすがは京太郎さんですわ!」

桃子「うぅぅ……せっかくお兄ちゃんに手伝って貰ったのに」

京太郎「おい!」

ハギヨシ「はい?」

透華「今なんと?」

桃子「だからこのブリッツは私とお兄ちゃんとの愛の共同作業で生まれたガンプラなんすよ!」

透華「な、ななななな……」

透華「ぬわぁんですってぇぇぇぇぇぇぇ!?」

ハギヨシ「私と言う者がありながら!貴方って人は!」

京太郎「俺ホモじゃないですから」

透華「どう言う事かじっくり説明して貰えるのでしょうね?」

京太郎「透華さん?笑顔が怖いですよ~」

衣「お前らきょーたろーが困っているだろうが!」

京太郎「ころたん!マジ天使!」

衣「衣は何時の時もきょーたろーの味方だぞ。しかし、女癖が悪いのは問題だな。そこは後程話し合おうか」

京太郎「……前言撤回します」

-会場2階-

咲「……」ギリッ

和「咲さん」

咲「分かってるよ。精々、今のうちに享受しておく事だよ」

次回へ続く

再開するぞ

-龍門渕高校-

京太郎「ガンプラギャング?なんだそりゃ」

透華「最近この辺りをうろついている集団らしいですわ。なんでもガンプラを、特にガンダムタイプを狙うとか」

京太郎「ガンダムタイプを?」

透華「らしいですわ。噂によりますと、一団のボスはガンダムタイプに異常なまでの執着を抱いているとか」

京太郎「成る程。俺達も気をつけないとな。特に透華のアカツキは一応ガンダムタイプにカテゴライズされてるから特にだぞ」

透華「ええ。心得ていますわ」

数日後

-フラッグ模型店-

店長「その話は私も聞いている。少し前まで東京に拠点を置いていたらしいが、都会は目立ち杉田のだろうな。しかし、人の大切なガンプラを盗むとは私は許せん」

京太郎「ええ。早く解決して欲しいですよね」

TV音声『ガンプラアイドルはっやり~ん☆』

店長「……京太郎も怪しい輩を見付けたら直ぐに私の元へ連絡するように」

京太郎「分かりました」

その夜

-龍門渕邸-

「「な、なんだってーーーーーー!!」」

京太郎「ガンプラ盗まれたってマジかよ!」

透華「はい。少し目を離した隙に……」

一「犯人は最近噂になってるグループだよね」

智紀「またニュースにもなってる」カチカチ

純「見付けたらボッコボコにしてやんよ!!」

京太郎「警察に連絡は?」

ハギヨシ「既にしてあります。直に聴取に来るかと」

透華「私は……」

衣「……」

衣「トーカ」

透華「……なんですか衣」

衣「トーカは強い女だ。だが、本当に悲しい時や辛い時は我慢する必要は無い。かつてトーカやきょーたろーが衣にしてくれた様に、今は衣達がトーカにしてあげる時だ」

透華「こ、ころも……グスッ」

透華「ふぇぇぇぇぇぇぇん!!」ギュウ

衣「よしよし、余程悔しかったのだな」

透華「悔しくて……自分が不甲斐無さ過ぎて……私は……」

智紀「盗まれたアカツキは大切な物だったの?」

透華「ぞ、ぞうでずの……ひっぐ……とても大切なガンプラで……」

京太郎「そうだったのか」

透華「うぅ……ひっぐ」

衣「……後はきょうたろー達に任せてトーカは休め。衣が傍にいてやる」

一「そうだね。ボクも傍にいるから大丈夫だよ」

透華「ころも、はじめぇ……」ウルウル

京太郎「いいのか?」

衣「たまにはお姉さんらしい所も見せねばな」

京太郎「そっか。透華を頼む」

衣「任せておけ」

ハギヨシ「衣様も成長されていますね」

京太郎「お姉さんだからな」

ハギヨシ「はい。身体以外は」

衣「ハギヨシは後で拷問に処す。覚えていろ」

ハギヨシ「聞こえていましたか」

京太郎「絶対にわざとだろ」

京太郎「しかし、透華をあんな目に遭わせた奴らは許す訳にはいかないな」

リンゴーン

ハギヨシ「来たようですね。ではお迎えに上がります」

京太郎「分かった」

-客間-

「私、ガンプラ特別捜査官をしております。アスラン・ザラと言う者です」スッ

京太郎「アデラン・ヅラ?」

ヅラ「ヅラじゃない!ザラだ!」

ハギヨシ「それで透華お嬢様のガンプラは」

ヅラ「現在、頼もしい志士達……いえ、捜索隊を動員して目下捜索中です」

京太郎「早く見付けて下さい。お願いします」

ヅラ「こちらも全力を尽くします。それとですが、沈んだ気分を気晴らす為にUNOでもやりませんか?強いぞぉ~俺は」

ハギヨシ「……」

京太郎「……」

京太郎「ハギヨシ、やれ」

ハギヨシ「はい」スッ

ヅラ「ん?UNOはお気に召さなかっただろうか?」

ハギヨシ「ふんもっふ!」ゲシッ!!

ヅラ「ぐはっ!?」バタッ

京太郎「本当にこんなんで見付かるか心配だ」

翌日

-フラッグ模型店-

店長「なにっ!?透華のガンプラが盗まれただと!」

TV音声『ガンプラアイドルはやりんの模型講座だよ~☆』

京太郎「はい。でもあのヅラ刑事だけじゃ頼りないんで俺達も独自にガンプラギャングを探そうかと思っているんです」

ハギヨシ「私もお嬢様の無念、晴らしたく思います」

店長「ふむ。では私も同行しよう」

京太郎「いいんですか?」

店長「良いも悪いも私にその話をした時点で答えは決まっている。違うか?」

京太郎「いえ、ありがとうございます」

店長「そうと決まれば早速、出陣だ」

「待つアル!!」

京太郎「……」

ハギヨシ「……」

店長「ん?」

「ガンプラギャングを探すなら、この私も連れて行くアルよ!」

京太郎「ハギヨシ」

ハギヨシ「なんでしょうか?」

京太郎「そのチャイナ娘を龍門渕公園の池に棄てて来い」

ハギヨシ「御意」グッ

「や、やめるアルじょー!!」バタバタッ

店長「まあ、待て。棄てる前に話くらいは聞いてやってはどうだ」

京太郎「店長がそう言うなら。それで何しに来たんだ優希」

優希「私は優希では無い。ミスカグラと呼んでもらおうか!」バッ

店長「ほぅ、私はミスターブシドーだ!」

京太郎「店長もアイツに乗らなくていいですから!」

店長「むぅ……」

京太郎「それで、ミスカグラさんが俺達に何の用なんだ?」

優希「さっき言ったじぇじぇじぇ今でしょ!倍返しだ!」

京太郎「その合わせ技はやめろ!」

ハギヨシ「ホ モ て な し」

京太郎「それもやめろ!」

店長「時事ネタは鮮度がが命だからな」

優希「すまんじょ」

ハギヨシ「申し訳ありません」

店長「倍返しはシロー・アマダだと言っておけば問題無い」

優希「分かったじょ!倍返しはシロー・アマダじょ!」

京太郎「よし、用は済んだな。では解散!」

優希「またな!……って違うアルじょ!」

京太郎「まだなんか用か?こっちは忙しいんだよ」

優希「だから一緒にガンプラを探してやると言ったじょ」

京太郎「一緒に?なんで?」

優希「ヅラから頼まれアル」

京太郎「頼もしい仲間がコイツか」

ハギヨシ「不安ですね」

店長「頼もしいな」

京太郎「どっちなんだよ」

優希「うるせぇですじょ!さっさとガンプラを探しやがるですじょ!」

京太郎「優希ってたまに性格変わりすぎて怖いなって思う」

ハギヨシ「何処から探しましょうか」

優希「それならヅラから指令書を渡されたアルじょ」スッ

京太郎「どれどれ。指令内容は……敵のアジトが判明したから潜入して奪取しろ。それから俺はヅラじゃないザラだ!」

ハギヨシ「敵のアジトに潜入とは穏やかじゃないですね」

店長「確かに穏やかじゃないな」

優希「うむ。穏やかじゃない予感だじょ」

京太郎「ああ、穏やかじゃなさ過ぎるな……って俺らはあおい姐さんじゃねえ!」

京太郎「とにかくだ。内容には続きがある。ギャング団の参加資格はガンダムタイプのガンプラを所持している事。あとヅラは既に潜入してるって事だ」

ハギヨシ「ガンダムタイプですか。私はストライクノワールで参りましょう」

優希「スローネドライだじぇ!」

京太郎「じゃあ俺はスターゲイザー!」

店長「ならば私はユニオンフラッグだ!」

京太郎「ちょっと!一人ガンダムじゃない人がいるんですけど!」

店長「仕方あるまい。私はフラッグを愛している」

京太郎「さっきの指令書を聞かなかったんですか?」

店長「聞いた上での選択だ」

京太郎「ああ、もう店長はこれだから困る」

ハギヨシ「お嬢様のピンチなのです。今回ばかりはなにとぞ妥協を」

店長「……そうだったな、済まない。ならばこのウイングガンダムフェニーチェで参ろう」

京太郎「ハギヨシ、ナイスフォローだ」

ハギヨシ「いえ」

優希「でも、たった4人なのに作品が被ってるじょ」

京太郎「じゃあハギヨシ変えてくれ」

ハギヨシ「そうは言われましても私の経歴でガンダムタイプはストライクノワールだけでして。京太郎君の方が多いのでは?」

京太郎「以外だろうけど俺もガンダムタイプはスターゲイザーだけなんだよ。だが、ヅダはいいぞ~」

ハギヨシ「Gバウンサーもなかなかですよ」

店長「ユニオンフラッグさいこー!!」

優希「……」

京太郎「済まんかった」

ハギヨシ「申し訳ありません」

店長「許して欲しいとまでは言わない。ただ、ユニオンフラッグは最高とだけはその胸に刻み込んでくれ」

優希「気にするなじぇ。何時か他の作品に出る日もあるじょ」

店長「そうだな。君なら大丈夫だ」

ハギヨシ「それでですが、潜入するとなれば偽名が必要になります。それぞれ違和感の無い偽名を考えて下さい」

京太郎「そうだな。じゃあ俺ルルーシュ」

店長「私はアルトだ」

優希「ルイズにするじょ」

ハギヨシ「みなさん、違和感の無い名前と言いましたよね?」

京太郎「じゃあ、ハギヨシは?」

ハギヨシ「私は当然セバスチャンです」

京太郎「お前も人の事言えるか!」バキッ

ハギヨシ「あべし!」

京太郎「ったく」

ハギヨシ「済みません。ではダラダラ進行はこれくらいにして潜入しましょう」

京太郎「へいへい」

捜索から数十分後

-ガンプラギャング入団会場-

京太郎「堂々とし過ぎだろ!」

店長「この大胆さは嫌いではないがな」

京太郎「そうですか?」

ハギヨシ「今までよく見付かりませんでしたね。警察は何をやっていたんでしょう」

優希「警察が有能なのはテレビの中だけじょ」

京太郎「そりゃ言えてる」

受け付け「次の方どうぞ~」

京太郎「は、はい」

受け付け「入団申請4名様ですね。では、使用ガンプラと名前の記入をどうぞ」

ハギヨシ「分かりました」カキカキ

優希と「書いたじょ」

店長「これでいいか」

受け付け「はい。ではお名前を確認しますね。ルルーシュ・ランペルージさん。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールさん。ミスターブシドーさん。セバスチャン・ミカエリスさん……」

京太郎(おい!みんな違和感が無い名前って言っただろ!変わってねーじゃねえか!)

ハギヨシ(そう言う京太郎君もじゃないですか!)

店長(私は違和感無く書いたつもりだが)

京太郎(逆に怪しいわ!)

優希(それにしてもお前らの名前覚え難いじょ)

3人「「お前が言うな!!」」

受け付け「え?」

京太郎「いえ、こっちの話です。ははは」

受け付け「そうですか。えっと……名前は間違いないですよね?」

京太郎「それがなにか?」

受け付け「いえ。では受け付け完了しましたのでお入り下さい」

京太郎「はい」

-ギャング団アジト-

京太郎「呆気なく入れて拍子抜けだよ」

ハギヨシ「ザルでしたね」

店長「受け付けがある時点でお察しと言うべきか」

優希「さっさとボスを見付けてボコボコにするじぇ」

ワー! ギャァァァ!

京太郎「なんだ?」

ハギヨシ「乱闘騒ぎみたいですね」

店長「仲間割れか」

優希「言ってみるじぇ」

-バトルシステム周辺-

団員「こいつつえぇ!!」

「このガンプラ100年生に勝とうなんて100万年早いんじゃないの?」フサァ

ハギヨシ「あの人のようですよ!

店長「金髪の少女か」

京太郎「……」

優希「……」

優希「逃げるじょ!」

京太郎「おい!待て優希!」

「その声は!?」キュピーン

優希「バレたじょ!!」

「きょーたろー!……って死ねやタコスゥゥゥゥゥゥゥ!!」ゲシィィ

優希「ぐえじょぉぉぉぉ!!」ズシャァァァ

「パパとママのかたきぃ!!」ゲシゲシッ

優希「ぐふっ……死ぬじょ」

京太郎「やめろ淡!お前のパパとママは健在だ!」グッ

淡「はぁはぁ……そうだった。このタコスを見るとどうしても我を忘れちゃって」

淡「ありがと愚弟♪」

京太郎「俺はお前の全裸弟じゃねーよ」

店長「京太郎の知り合いか?」

京太郎「コイツは大星淡。ふとした事で知り合ったんです」

ハギヨシ「ふとした事で知り合い過ぎですよ。何処の幻想殺しですかあなたは」

淡「よろしくね犬臭い人とブシドーさん」

優希「グッ……このアホと知り合ったせいで今までにスローネは軽く100体は破壊されてるじょ」

淡「アホって言った方がアホなんだからねー」

優希「フンッ、私は大人じょ。そんな子供みたいな喧嘩はしないアルよ」

淡「そんな強がり言っちゃって。また負けるのが怖いんでしょ?」

優希「なにぃ!!」

京太郎「だから喧嘩すんな。てか淡はなんで長野にいる?家出か?」

淡「違うよ。テルがガンプラ盗まれたから取り返しに来たんだ!偉いでしょ?」

京太郎「ああ、照ね。あのポンコツ姉さんなら被害に遭いそうだ」

淡「そうそう。それでスミレの調査で今は長野に拠点を置いてるって聞いてから単身突撃して来たって事!因みにテルは地区予選あーんど方向オンチだからお留守番だよ」

京太郎「そうか。理由は分かった。だが、問題は……」

ゾロゾロ

店長「先程の騒ぎで目立ち過ぎたようだな」

ハギヨシ「少々数は多いですがヤりますか?」

京太郎「ホモは帰ってどうぞ!」

京太郎「逃げるか?」

淡「それには及ば……」

「それには及ばないわ」フサァ

京太郎「ア、アンタは!」

淡「私の台詞がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

優希「ざまあ見ろ」

京太郎「アデラン・ヅラ!」

ヅラ「アデランじゃない!ア ス ラ ン だ!!」バーンッ

団員「誰だテメェは!」

ヅラ「貴様らに名乗る名前は無い!」

団員「うるせぇ!おまえら!あのカツラ野郎をブッ潰すぞ」

ヅラ「カツラじゃない!桂だ!!貴様らガンプラバトルでまとめて始末してくれるわ!」

-バトルシステム-

ヅラ「アスラン・ザラだ。ジャスティス出る!」

敵MS×50「」ゾロゾロ

ヅラ「ウォーミングアップには調度いい相手だ……な、なにっ!?うぉぉぉぉぉぉ!!」

ジャスティス「」ドゴーン

ヅラ「ま、待て!落ち着け!一斉攻撃は止せ!話せば分かる!」

京太郎「なんだろうこの役立たずっぷりは」

ハギヨシ「彼が全ての敵を引き受けているうちに行きましょうか」

京太郎「そうだな」

店長「待て京太郎。この連中を残していては、トップを倒した所で疲弊した状態で戦いとなる可能性がある。私がヅラに加勢し殲滅しておくので君達は先に行け。後から私も合流する」

京太郎「店長……分かりました!みんな行こう!」

ハギヨシ「分かりました」

京太郎「店長、また後で」

店長「うむ」

団員「行かすかよ!」

店長「生憎、ここから先は通行止めでな。進みたければ私を討ち倒してからにする事だ!」

団員「へっ!だったらそこのヅラと仲良くボコボコにしてやるよ!」

店長「ならば試して見るがいい!ユニオンフラッグ・シュヴァリアー出陣する!!」

バトルフィールド 地上

店長「いざ参る!」

団員1「コイツガンダムじゃない!」

団員2「ガンダムタイプじゃない奴がどうして紛れてんだ!」

店長「私はいつ如何なる時もフラッグは手放しはしない。それが私の愛であり運命<フェイトちゃん>だからだ!」

団員3「量産機でガンダムに挑もうなんて身の程知らずが!」

ヅラ「おお!援軍か!助かぐほっ……」

隠者「」ドゴーン!!

ヅラ「助けてくれ~」

店長「待っていろ!」

団員達「行かせるかよ!」

G-TYPE×12「」ワラワラ

店長「突破させて頂く!」

フラッグ「」ズギュゥゥゥゥン!!

フラッグは可変形態のまま敵の猛攻をかい潜りながらリニアライフルを撃ち込み瞬時に12機のガンダムタイプを仕留める。

団員3「や、やられた!」

団員4「がぁぁぁぁぁ!!」

団員5「12機のガンダムを一瞬で……」

店長「もう少し腕を磨く事だ」

団員6「戦いは数だ!物量で一気に押し込んでしまえ!」

団員7「おう!」

店長「確かに戦いに数は重要だ。ただしそれは統率が取れていればの話。君達のような勢いのみの集団にこの私を捉える事は出来んよ!」

団員8「うるせえ!やっちまえ!」

団員9「やってやる!やってやるぞ!」

店長「聞き分けが無い男は嫌われるぞ。もっとも、私が言えた口ではないがな!」

フラッグは複雑なマニューバでガンダム軍団を翻弄しながら撃破し続ける。

ヅラ「いいぞもっとやれ!」

団員10「化け物かよ!」

団員11「な、何者なんだよアイツは!」

店長「敢えて言おう!グラハム・エーカーであると!!」

団員9「グラハムだと!?聞いた事あるぞ!確か元ガンプラ教導隊の……うぎゃぁぁぁ!!」

チュドーン!

店長「喋る暇があったら手を動かす事だ」

団員10「ダメだ!俺達じゃ歯が立たない!」

団員11「諦めるんじゃねえ!相手が誰だろうと俺達全員でかかりゃあフラッグの1機くらい!」

団員達「「うおーー!!」」

店長「ならばこれで終わらせる!」

店長「バースト・レイヴ!」

店長「グラビティ・ボード!」
フラッグはサイファーガンを構え脚部にグラビティ・ボードを装着すると高速ホバー移動でガンダム軍団へ突撃する。

店長「ガン・モード、連射!」

敵陣の外周を囲うようにサイファーガンを連射しながら何周も回りながら数を減らし

店長「うおおおおぉぉぉっ!!」

サイファーソードへ切り替え、敵陣を20mm機銃を撃ちながら乱舞で切り刻み一陣を串刺した後払い飛ばすと

店長「これでっ!!」

フラッグを上昇させてソードの出力を上げ長大化させる
そして

店長「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


  /:::.:::.:::.: / /::/.:. ト、.:.:.:.:.:.:.ヽ:ヽ ヽ
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 ':::.:::.:: / /::/.:.:.:.:.:.ト. !ハ.:| -`¨ヽ:.:!:丶:Y /
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|:::.:: / ,'::/.:.:.:.|:.、.:.:.\ヘ ,j| ` '^ー -‐ァ'

|:::.:::i  ':∧.:.:.:.ト、ヽ、 :. ヽY__,   //
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ヽ::: | |::∨!.:.|、:、ヽ ,>′    , --=、ヽ ><゙ /
  \ 、:ノ∧:| ヽ\ヘ、 ^  //¨¨^y'´  `´
   `Y-'=、ヽ ̄\ー、ヽ_ ,ノ/、::::::; ' ィ'¨ `ヽ

    ヽ.  \\___`__Vヽヾ、‐′,イ 弋   ノ
       ヽ.  `ー----∨ヘ:::`>'´!ヽ、 `¨´_,.
         \      ∨j/   ヽ、`¨ ´__,.
         `ヽ、   /'´     `ア¨.ィ ´
             \/      //::::
              /      //::::::/
            {       //::::::/
              \    //:::::::::/


フラッグのカメラアイが光り長大化させたソードを敵陣へ一気に振り下ろし、その力を利用して一回転すると
敵陣の遥か後方へと着地すると敵部隊は大爆発を起こす。

団員達「「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

ヅラ「なんで俺までぇぇぇぇぇぇ!!」

チュドーン!!

店長「雑兵は片付けた。待っていろ京太郎!」ダッ

ヅラ「」チーン

次回へ続く

今晩は。久しぶりだが再開しよう

-リーダーの部屋-

バンッ

京太郎「残ったのはアンタだけだ!」

男「あぁん?んだよ、テメェらは!?他の連中はどうしたんだよ?」

ハギヨシ「貴方の配下ならばウホッ!いい男の店長が今頃始末しているはずです」

男「ったく、使えねえ連中だなおい」

京太郎「アンタらに奪われたガンプラを返して貰おうか」

男「あぁ、それか。それなら……お断りだね!そのガンプラ達は俺のガンダムになるんだ。分かる?初めてなんだぜ、ガンダムに乗れるの」

優希「いや、逆にお前は一生乗れない方がいいアル」

男「おい、神楽。テメェ何様だ!いいよなお前よ!ガンダムに乗れてさぁ。そこのアンタらもだ。ガンダム、ガンダム、ガンダム!まあ、そこの金髪嬢ちゃんは怪しいもんだが」

淡「レグナントもガンダムだよ!その設定だもん!」

男「はいはい分かりましたよ自慢ですかコノヤロー!」

ハギヨシ「そうおっしゃらずにガンプラを返却して頂ければ悪いようにはしません」

男「やれやれ、古泉。俺は一度お前を徹底的にブチのめしてやりたいと思ってたんだよ」

ハギヨシ「奇遇ですね。私も貴方を徹底的に掘り貫いてみたいと思っていました」

京太郎「もう嫌だこの執事」

男「金髪女は……済まん。共演作はあるが直接絡みがないと言うか忘れたと言うか」

淡「いいよ、ぶー」

京太郎「いじけんなよ」

男「金髪男、テメェは……」

京太郎「俺はいいからさ。返す気ないならさっさとデュエルしようぜ」ウィィン ガシャコ

ハギヨシ「京太郎君。ここは遊戯王ではありません。しかもこの中で遊戯王出演者いませんよ。多分」

京太郎「そうだった。だったらガンプラバトルでカタをつけようぜ。クソキノコ頭!」

男「クソキノコ頭じゃねーよ!俺にはヨウランって親から貰ったら立派な名前があるんだよ!」

淡「記憶に残りそうにない名前だね」

ヨウラン?「だったらなんなら覚え易いんだよ!」

優希「杉田」

淡「そりゃ覚えやすい!」ポムッ

京太郎「じゃあ杉田で」

杉田(仮)「おぃぃぃぃぃ!!勝手に改名するんじゃねーよ!しかもなんなだよ仮って!俺は仮ピーじゃねーよ!ズル剥けだよコンチクショー!」

ハギヨシ「ほぅ」

優希「あぅ……」

淡「あわあわ……」

京太郎「お前が皮被りって事は分かった。だから勝負だ!」

杉田(皮)「テメェ!俺をコケにした落し前!たっぷりと付けさせて貰うからな!!」

-バトルシステム-

ハギヨシ「ハギヨシ、ストライクノワール発進しますよ!」

優希「片岡優希、ガンダムスローネドライ出るアルよ!」

淡「大星淡!レグナントいくよー!」

京太郎「須賀京太郎、スターゲイザー行くぜ!」

-バトルフィールド 宇宙-

淡「4対1ならボッコボコだよね!」

京太郎「油断するなよ。相手はどんな機体を使って来るか分からないんだ。甘く見たら痛い目を見るぞ」

ハギヨシ「どうしたんですか京太郎君?急に臆病風吹かせて」

優希「そこのホモの言う通りだじぇ!私達にかかればうぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

長距離砲撃の直撃を受けたスローネドライは跡形もなく消し飛んでしまう。

京太郎「優希崎ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

杉田(皮)「フッフッフ、僕のターンだ!」

MS「」ゴゴゴゴッ

ハギヨシ「あ、あれは!」

淡「ガンダムだ!」

京太郎「違います」

杉田(皮)「これはヘイズルを改造して作ったヒュッケバインヘイズルだ!

杉田(皮)「因みにガンナー装備」

京太郎「パチもんのパチもんかよ!」

杉田(皮)「だがこのガンプラも今日で最後だ。君達を倒した後、僕の考えた最強ガンダムをお披露目しよう」

京太郎「言ってろ!すぐにそのガンダムもどきをプラ板に戻してやる!」

ハギヨシ「やはり京太郎君はこうでなければ!」

淡「だったら一気に墜とす!はぁ!GNファング!!」

レグナントの爪から放れたたGNファングがヒュッケバインヘイズルへと襲い掛かる。

杉田(皮)「ファング!ファング!ってファンネルばっかの戦闘は単調でつまらないって、ハゲから教わらなかったのかよコノヤロー!」

京太郎「うるせーよ!ファンネル使ったら楽して派手な戦闘見せれるだろーが!」

杉田(皮)「それが単調だっつってんだろーが!」

ガンナーのフルインパクトキャノンを京太郎達に向けるとフルパワーで発射する。

ハギヨシ「ホモ回避!」

淡「巨乳防御!」

京太郎「待て待て!お前ぺったんこだろーが!」

淡「そうだった……って、そこストレートに言う!?貧乳だってステータスなんだかんね!」

京太郎「わーってるよ。そんな貧乳な淡も俺は好きだぞ」

ハギヨシ「ファッ!?」

淡「本当?嬉しいなぁ。私もきょーたろーの事が大好きだよー」

京太郎「はっはっは!そいつは参ったな~」

ハギヨシ「……」ブチッ

京太郎「でも……」

ハギヨシ「死ねよやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ハギヨシはビームライフルショーティーを構えると淡のレグナントに超連射を仕掛ける。

淡「あわっ!?なにすんのよアンタ!」

ハギヨシ「私の前で!京太郎君とイチャイチャするなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

淡「はあっ!?」

杉田(仮)「えっ?」

京太郎「待てハギヨシ!真に受けるな!さっきのたわいもないやり取りなんだから!そうだろ淡!」

淡「私は本気っていつも言ってるじゃん」

京太郎「おぃぃぃぃぃぃ!」

ハギヨシ「やっぱりこの女ブチ殺してやるぅぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁ!!」

京太郎「目を覚ませ馬鹿野郎!」

京太郎はスターゲイザーの右手で握りこぶしを作るとノワールを思いっ切りブン殴なりぶっ飛ばす。

ノワール「」キーン ドコーン!

ハギヨシ「き、京太郎君……なにを?」

京太郎「お前は淡と戦う為にここに来たのか?違うだろ!透華のガンプラを取り戻す為に来たんじゃないのかよ!」

ハギヨシ「!!」

京太郎「なのにこんな所で自分を見失いやがって!そんな奴は龍門渕の執事失格だ!いや、俺の友人でもねえっ!!」

ハギヨシ「……わ、私は!」

杉田(皮)「なあそろそろ攻撃していいか?」

優希「銀ちゃん少しは空気嫁」

杉田(皮)「仕方ねーな」

京太郎「淡、俺達だけでやるぞ」

淡「いいの?」

京太郎「あんな奴は俺の知ってるハギヨシじゃない。単なる理性を無くしたホモだ」

淡「分かった」

ハギヨシ「待ってください!」

京太郎「なんだホモ」

ハギヨシ「確かに私はホモかも知れません。ですが!お嬢様と衣様の事を忘れた事など片時もありません。そう、私は……」グッ

ハギヨシは執事服の襟を正しチンポジを直す。

ハギヨシ「龍門渕家執事!ハギヨシなのですからっ!」

京太郎「……よく言ったハギヨシ!だったら奴に見せてやろうぜ!俺達の力って奴をな!」

ハギヨシ「はい!」

淡「これが男の友情なんだね!感動したよ!」

優希「いや、少し違うじょ」

京太郎「行くぜハギヨシ!淡!コンビネーションアサルトだ!」

ハギヨシ「はい!」

淡「行くよー!」

杉田(皮)「やっとやる気になりやがったか!だが茶番は終わりだ!さっさと墜ちやがれ!」

ハギヨシ「そうはさせません!はぁっ!」

ヒュッケバインヘイズルガンナーは再びフルインパクト・キャノンの発射態勢を取るが
ノワールに懐まで飛び込まれるとGインパクト・キャノンの砲身をフラガラッハ3ビームブレイドに切り落とされる。

杉田(皮)「なにぃぃぃぃっ!?」

淡「次は私だよ!電撃で痺れちゃえ!」

エグナーウィップを射出しヒュッケバインの両腕に絡めると高圧電力を杉田(皮)に流す。

杉田(皮)「あばばばばばばばっ!?」

京太郎「トドメは俺だっ!」

京太郎「ヴォワチュ……なんちゃらほんちゃら!!」

ハギヨシ「……」

優希「京太郎ェ」

淡「種の名前って覚え難いよねー」

杉田(皮)「武器の名前も満足に覚えられねぇ野郎にやられる俺様じゃねー!」

杉田(皮)「AMガンナーアッターーーーック!!」

杉田(皮)は使い物にならなくなったAMガンナーを質量弾代わりとして射出するとスターゲイザーに直撃させる。

京太郎「ゲホォ!?」

スターゲイザー「」キーン ドコーン!

ハギヨシ「京太郎君!」

杉田(皮)「どうだ!新八のを真似てやったぜ!」

杉田(皮)「さーて、こっからが本番だぜ!装着、ヒュッケバインボクサー!!」

ボクサー「」ジャキーン!!

淡「形態が変わった!」

京太郎「くそっ!さっきので駆動系が完全にイカれて動かない!」グッ

杉田(皮)「いま楽にしてやるよ!ガイストナッコォ!!」

ハギヨシ「させません!」

スターゲイザーにトドメを刺そうとするヒュッケバインの間にノワールが割り込み変わりに殴り飛ばされる。

ハギヨシ「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ノワール「」キーン ドコーン!

京太郎「ハギヨシ!」

ハギヨシ「済みません……京太郎君」

淡「こんのぉ!京太郎とホモのかたきぃ!!」

杉田(皮)「ガキが意気がってんじゃねー!!」

淡「高校100年生舐めんな!まっがーれビーム!!」

レグナントはまっがーれビームを撃つもヒュッケバインの軽快なステップに避けられてしまう。

杉田(皮)「当たらねーよ。そんなヒョロヒョロビームなんてよ!射撃ってのこうやるんだよ!グラビトンライフル!」

ヒュッケバインはグラビトンライフルを構えると連射しレグナントを確実に追い詰めて行く。

淡「くっ……」

杉田(皮)「どうしたどうしたぁ!さっきの勢いはよぉ!」

淡「コイツ!!」

杉田(皮)「だから当たらねーんだよ。さっさと逝っちまいなクソガキ!」

ボクサーの一撃によりレグナントは大きく殴り飛ばされてしまう。

淡「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

淡「……コイツ、見た目はふざけてんのに強い」

杉田(皮)「人間見た目じゃねーんだ。俺くらいになったら中身で勝負すんだよ。まっ、テメェみたいなイケメン大好きなクソガキ様には分かんねーだろうがな!」

淡「そんな事……」

杉田(皮)「次にテメェはこう言う。そんな事無い!ってな」

淡「そんな事無い!えっ……?」

杉田(皮)「ははっ、おもしれーな!」

淡「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

杉田(皮)「そうやってムキになるのがガキの証拠なんだよ!」

ヒュッケバイン「」ドゴッ

淡「がはっ……」

杉田(皮)「そろそろトドメと行くか。安心しな。お前らのガンプラも俺の究極ガンダムの一部として使ってやっからよ」

淡「こんな所でやられる?あの時みたいに……そんなのは嫌だ。京太郎を助ける事も出来ずにやられるなんて……」

淡「そんなの嫌だ……この機体に代えてでも京太郎だけは私が守って見せる!」

「よくぞ言った!!」

淡「えっ?」

杉田(皮)「その声は!」

店長「フッ、待たせたな!」

フラッグ「」ズシューーン!!

バトルフィールド上空からフラッグが舞い降りて来る。

京太郎「て、店長……」

杉田(皮)「テメェは金髪ストパー野郎!」

店長「やはり一連の事件の首謀者が貴様だったか!」

杉田(皮)「テメェさえいなければ俺は!」

店長「問答無用!大星淡!京太郎を守りたいと想うのならばこれを君に托す」

大砲「」ドシューン!

淡「これは!?」

店長「それはアルカンシェルと言う広域殲滅型の魔導砲だ。奴にそれを撃ち込め!」

淡「やってみる!」

淡「アルカンシェル!ドッキング!」

淡「チャージまで3分?」

杉田(皮)「その前におさらばだー!」

店長「そうはさせん!!」

杉田(皮)「また邪魔するつもりか!」

店長「子供を守るのはOTONAの仕事だ。その義務を果たすのみ!」

杉田(皮)「なーにがOTONAだ!だったらコイツらに食われちまいなー!あひゃひゃひゃひゃ!」

ノイズ「」ゾロゾロ

店長「なにっ!?」

杉田(皮)「ソイツらに勝てるかなぁ?負けたら炭化しちゃうぞー」

店長「そんな物、この私には通用せん!」

フラッグはノイズの集団が一望出来る位置まで上昇すると腹部の発射口が開く。

店長「ブシドォォォビィィィィィィィム!」

ノイズ「!?!?」

ビームが発射させれるとノイズの集団を一瞬で蒸発させる。

チュドォォォォン!!

杉田(皮)「バ、バカな!?」

店長「これで決めるっ!」

店長「私のこの手が真っ赤に燃える!」

店長「勝利を掴めと轟き叫ぶ!」

店長「ばぁぁぁぁぁくねつ!!」

店長「グラハムフィンガァァァァァァァ!!」

杉田(皮)「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」

店長「今だ淡!!」

淡「うん!アルカンシェル!リリカルマジカル皆殺し♪」

ズドォォォォン!!

杉田(皮)「ぐはぁぁぁぁぁぁ!?……この俺が!僕が!私が……馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

チュドォォォォン!!

音声『バトルエンド』

ボスの部屋

淡「か、勝った……」

店長「よくやった」

淡「ありがとう店長さん」

店長「礼はいらんさ。私はただ君達に応えたまでだからな」

京太郎「やったな淡!」

淡「きょーたろー!私やったよ!」

京太郎「ああ、凄かったよ」

ハギヨシ「おかげで助かりました。お礼を言わせていただきます」

淡「はっはっは!高校100年生の私をもっと褒めていいんだよー!」

京太郎「そうやってすぐに調子に乗るなよ。まあ、今回だけは多めに見てやるかな」

淡「ふふーん♪」

京太郎「さてと問題はコイツだが……」

杉田(皮)「俺の負けだ。好きにしろ!」

ハギヨシ「ではお尻を差し出しなさい」

京太郎「ハギヨシは暫く寝てろ!」ドゴッ

ハギヨシ「がはっ……」バタッ

京太郎「みんなのガンプラは返してもらう。それからもうこんな事するなよ」

杉田(皮)「だが俺はガンダムが……」

京太郎「いいじゃねえかガンダムに乗れなくても。逆に中途半端にガンダム乗りなったら、それこそアイデンティティが無くっちまう」

京太郎「それに……俺も好きだぜ、ヒュッケバイン」

杉田(皮)「お、お前!!」

京太郎「そう言うこった。今度会う時があったら、優雅に紅茶でも飲みながらヒュッケバイン談義しようぜ」

杉田さん(皮)「あ、ああ!もちろんだ!」

京太郎「あっ、一つ言い忘れてた。アンタの名前ずっと(仮)じゃなくて(皮)になってたぜ。それじゃアデュー!」シュ

杉田(皮)「……」

杉田(皮)(ノーーーーーーーーー!!」

-龍門渕公園-

淡「テルーのガンプラこれだよ!」スッ

京太郎「良かったな。もう二度と盗られるなよって伝えといてくれ」

淡「分かったであります!」ビシッ

京太郎「透華のガンプラも回収したのはいいけど残りはどうしようか」

店長「ならば残りのガンプラは私が責任を持って持ち主の元へ届けよう」

京太郎「本当ですか?お願いします」

店長「うむ。ではさらばだ!」シュタ

優希「はぁ……それにしてもスローネはまたボロボロになったじょ。でもまた作ればいいアルな」

京太郎「前向きな子は嫌いじゃないぞ」

淡「それじゃあ私もう行くね。あっ、そうそう。近い内にまた来るかも」

京太郎「なんの為に?」

淡「きょーたろーの所に嫁ぎに!じゃあまたねー!」スタコラフォイフォイ

京太郎「…………」

京太郎「……」

京太郎「はっ?」

優希「モテる男は辛いな」ポン

京太郎「茶化すな!」ドゴッ

優希「おげぇぇぇぇぇぇぇ……」ゲロゲロ

京太郎「ふぅ。やっぱりお前に会ったら一回は腹パンしないとな。似合ってるぞゲロイン」

優希「おげぇぇぇぇぇ……」ゲロゲロ

京太郎「帰ろ」スタスタ

優希「おげぇぇぇぇぇ……」ゲロゲロ

優希「おげぇぇぇぇ……愛の切り札キュアエース」ゲロゲロ

-龍門渕邸-

京太郎「わたしは帰ってきたーー!!」バンッ

純「今まで何処に行ってたじゃん」

京太郎「これだよ」スッ

アカツキ「」ピカピカ

純「アカツキ!!まさか取り返したじゃんか?」

京太郎「まあな」

純「すぐに透華に報告じゃん!」

-透華お嬢様のお部屋-

透華「……ひっぐ」ギュウ

京太郎ぬいぐるみ「」グニュ

純『透華いるかじゃん!』ドンドン

透華「ひっ!?い、いませんわよ!」

純『いないって言ってるじゃんよ』

京太郎『お前アホだろ』

透華「京太郎さんもいますの?」

京太郎『ああ。透華に渡したい物があってな』

透華「私に?少々お待ち下さいませ」

透華「……」グシグシ

ガチャ

透華「お待たせしましたわ」

京太郎「……泣いてた?」

透華「そ、そんな事はありませんわ」

純「じゃ、オレは行くじゃん」

京太郎「え?おい純!」

透華「それで、渡したい物とは?」

京太郎「ん、ああ。廊下じゃなんだから部屋に入っていいかな?」

透華「ええ、どうぞ」

京太郎「お邪魔します。おお、久しぶりに入ったけど相変わらず綺麗な部屋だ」

透華「あ、あまり見ないで下さいませ。その……恥ずかしいですわ」

京太郎「ああ、悪い。それじゃあ早速本題に入るな。はいこれ」スッ

アカツキ「」キラキラ

透華「こ、これは!?」

京太郎「取り返すのに苦労したんだぞ」

透華「私の為に?危ない目に遭うと分かっていましたのに?」

京太郎「当たり前だろ。透華は俺の大切な家族なんだからさ」

透華「うっ……」ジワッ

透華「ふぇぇぇぇぇぇぇん!!」ボフッ

京太郎「おわっ!透華?」ギュ

透華「本当に貴方は!バカで無鉄砲でスケベで意地悪ばかりして人の気も知らない鈍感で……」

透華「何時も人の心配をするクセに人にはその倍心配をかけさせて!」

京太郎「……す、すまん」

透華「だけどそんな優しい、優し過ぎるからこそ私は……」

京太郎「……」

透華「私は……貴方を、須賀京太郎を心から好きになってしまったのですわ」

京太郎「……知ってた。透華が俺に対して好意を向けてくれてたのはとっくの昔に気付いてたから」

透華「……」

京太郎「嬉しいよ。凄く嬉しい。だけど、俺は……」

透華「……」

透華は京太郎から離れると彼の唇に人差し指を当てる。

京太郎「透華?」

透華「返事はいいですわ。今、京太郎さんから出る言葉は分かっていますから」

京太郎「……済まん。気を使わちまって」

透華「何年幼馴染みをやっていると思っていますの?ですから何時の日か、本当に私の事を選んでくれる日が来たのなら……」

透華「その時は京太郎さんからお願いしますわね」

京太郎「ああ。分かった」

京太郎「……でさ、話の骨を折るみたいで悪いけど、何でガンプラを盗まれただけであんなに取り乱したんだ?」

透華「覚えてないんですのね」ジトー

京太郎「わ、悪い」

透華「はぁ、京太郎さんの記憶力の低さにはほとほと呆れますわね。これも惚れた弱みと諦めていますけど」

京太郎「面目次第もない」

透華「あのアカツキは京太郎さんが私に初めて買ってくれたガンプラですわ」

京太郎「初めてって。もう何年も前だぞ」

透華「ええ。ですから戦って壊れてもその度に綺麗に直して今で使っていますのよ」

京太郎「それだけ大事なら飾っとけばいいんじゃ」

透華「京太郎さんは女心が分かっていませんわね。『好きな方から戴いた物』だからこそですわよ」

京太郎「そんなものなのかな?」

透華「そんなものなんです!」

京太郎「わ、分かったよ!でも嬉しいよ。俺があげた物を大切に使ってくれててさ」

京太郎「ありがとう透華」

透華「こちらこそありがとうございますわ。私はこのアカツキと共に頂点目指しますわ」

京太郎「うん、頑張って。次の対戦相手俺だけど」

透華「へ?」

透華「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

透華の雄叫びは隣町まで届いたとか届かなかったとからしい

次回へ続く

再開しよう

週末

-予選会場-

京太郎「さて、やろうか」

透華「ええ。手加減は無用ですわよ」

京太郎「分かってる。ハギヨシ、今日は透華と一対一でやりたい。サポートは不要だ」

ハギヨシ「分かりました。お二人の戦いをしかと目に焼き付けておきます

京太郎「悪いなハギヨシ。じゃあ試合開始と行くか!」

透華「ええ!」

-バトルシステム-

透華「龍門渕透華、アカツキ行きますわよ!」

アカツキ「」ズシュイーン!

京太郎「……よし」

京太郎「須賀京太郎、ブレイヴ発進する!」

ブレイヴ「」ズシュイーン!

フィールド 宇宙

透華「今日の私は本気モードですわよ!」

アカツキは73F式改高エネルギービーム砲を構えると数発撃ち込んだ後ドラグーンを射出させる

京太郎「オオワシとシラヌイを複合化させてる?今日の透華はそれだけ本気って事か!」

京太郎は次々迫る砲撃網の中、ブレイヴを巧に操作し回避して行く

京太郎「やるな……」グッ

透華「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

京太郎「突撃して来た!だが、その手は読めている!」グッ

透華「それはどうでしょうか?」

京太郎「なにっ!?」

バックパック「」ガコッ

ビーム砲を撃ちながら突撃するアカツキを身構える京太郎だが
アカツキは攻撃モーションを取ると見せ掛けてバックパックを脱着させるとそれをブレイヴにぶつける。

京太郎「くっ……さっきのモーションはフェイクだったのか!!」

透華「何時までも突撃思考だと思っては困りますわよ!」

バックパックはブースターの出力を上げるとブレイヴを掴んだまま加速を始める。

京太郎「完全にやられた!しかもコイツ、機体を完全に掴んでソードビットも撃つ事が出来やしない」

透華「これで終わりですわ!」

京太郎「……それはどうかな?」

透華「え?」

京太郎「まさか、このブレイヴの、00系の特殊機能を忘れた訳じゃないだろうな?」

透華「なっ……しまっ!!」

京太郎「トランザム!!」


        l!

                  ,. -_,..─||─._- 、
      ヾ丶 、      ノ}(  {、 __ハ__ ,}  ){ヽ.       ,. '/
       \ _ `丶、  ,ィ{ `フ>ー-ァ--t─< 、┘ | ト、 ,. - '´_/
        ヽ、`丶、`丶`!r'/,r'´,.. /  ヽ-、ヽ、\ッ !' ''´ - '´_ノ
          ゝ、`_丶``丶、`ヽ<, 〈    〉 ,.>',"´‐''´ ‐''´_,ノ
           ゝ、 _`丶   `ヽ ヽヽ   /r'/    ‐'_´,ノ
 ─┬─┌── 、 ., ── 、 , 、    ,   .,── 、    , ── 、 ,     ,
   │  |──‐〈 .├──┤│ \  │ └─‐┐ __├──┤│\ / |
   │  |    .│ │    ││   \│ ヽ___./   │    ││  `  .!
            \._ | 〉ヽヽ  ヽ    /   /, ' /l _ノ
              rー'^l\ヽ`丶 l   l - '´,. '/!`_フ
              `=ヽ'ヽr、`丶'| |‐'_,.ィ-'└-ォ
               ``ニ二_>``| |'´<_二ニ"´
                  <二 ニ| |ニ 二>
                       </ |.| \>
                            ||
                            ||
                         ∥
                         │


京太郎「こんのぉ!!」

トランザム化したブレイヴはバックパックを引き離すと可変形態となりアカツキへと超加速する。

透華「速い!ですが!」

アカツキは73J2式試製双刀型ビームサーベルを構えると突撃してくるブレイヴに一撃加えようと間合いを見計らい待ち受ける。

京太郎「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

透華「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

一瞬
その一瞬は感覚にとっては一瞬かも知れなかった。しかし、二人にとってはとても長く感じられた不思議な感覚だった。
その最中、互いが何を思い、何を感じたかは当人のみが知る所である。
そして閃光が走った

透華「……」

京太郎「……ぐっ」

アカツキの斬撃を受けて両足を持って行かれたブレイヴは頼りなく宙を漂う。

透華「……相打ちと言いたいですが、私の負けですわ」

京太郎「透華」

透華「私の分まで勝ち進んで下さいね」

京太郎「分かった。約束する」

透華「約束ですわよ……」

透華はそう言い残すと両断されたアカツキは華々しく爆散するのだった。

音声『バトルエンド』

-予選会場-

透華「うーん、負けましたわー」

一「二人ともお疲れ様。良い勝負だったよ」

智紀「録画したから後で見よう」

衣「うむ」

京太郎「こっちは一瞬負けるかと思ったわい」

透華「京太郎さんにそう言わせただけでも価値はありますわね」

ハギヨシ「お疲れ様です。飲み物をどうぞ」スッ

透華「ありがとうハギヨシ」

京太郎「サンキュー……って変なもん入れて無いよな?」

ハギヨシ「流石に今日は入れませんよ」

京太郎「今日はかよ!」

透華「所で純は?」

衣「これからだと言っていたぞ」

京太郎「調度いいみんなで応援しよう」

透華「そうですわね」

-観客席-

京太郎「純の対戦相手は誰なんだろ」

ハギヨシ「プログラム表は……」

智紀「来たよ」

ワー! ワー! のワのー!

純『うぉーじゃん!』

京太郎「ゴリラかよ」

透華「いいえ、京太郎さん。純ニキです!」

一「それはどう違うの?」

ハギヨシ「大違いですよ。ジムとジム指揮官機くらいには」

一「ごめん。例えがよく分からない」

衣「相手も来たぞ」

咲「……」スタスタ

和「……」スタスタ

京太郎「咲!」

衣「ののかもいるぞ」

音声『バトルスタート』

純『いけ!クシャトリヤ!』

クシャトリヤ『クシャー』

京太郎「ポケモンかよ」

咲『……』

一「宮永さんのガンプラは……タイタニア・クリムゾン?」

ハギヨシ「ゲームオリジナルの機体ですね。ジ・Oを元にカスタムしてるようです。武装は……これは輻射波動でしょうか?別の作品の武器も取り付けられていますね」

一「なんだか強そうだね」

京太郎「……」

衣「始まったぞ!」

純『いっけー!ファンネル達!!』

咲『……』

純『チィ!』

一「ビームが防がれたの?」

透華「輻射波動は高周波による攻防一体の兵器です。原理は電子レンジの超強力バージョンと言えばよろしいでしょうか」

ハギヨシ「電子レンジに入れられたダイナマイトですね」

衣「余計に分からなくなったのだが……」

京太郎「純はどうでるか」

純『行くじゃん!』

智紀「接近戦に切り替えた」

透華「純は近接戦闘も得意ですわよ」

純『もらったじゃん!』

咲『……遊びは終わりだよ』

純『なにっ?』

透華「あれはファンネル?いえ、何か違いますわ!」

京太郎「ヤバい!下がれ!」

純『うわぁぁぁぁぁぁぁ!!』

クシャ『』チュドーン!!

音声『バトルエンド』

京太郎「一撃だと……」

咲「……」チラッ

京太郎「!!」ゾクッ

咲「……」スタスタ

和「……」スタスタ

京太郎「……咲」

-会場1階-

純「手も足元出なかった……くそっ!」ゴッ

壁「」ミシッ

京太郎「純」

純「京太郎!アイツはなんなんだよ!」

京太郎「アイツは、咲は昔はあんな戦い方じゃなかった。俺達よりずっと弱くて下手で。でも、ガンプラバトルは心から楽しんでいた。でも……」

一「でも?」

透華「京太郎さん」

京太郎「……ここら辺でみんなに聞いて貰った方がいいかも知れない」

ハギヨシ「いいのですか?」

京太郎「どの道こうなっていたさ。それに、皆に隠し事をするのはよくない」

衣「そうだな。衣もきょーたろーの意見に賛同する」

ハギヨシ「衣様まで」

透華「ハギヨシ」

ハギヨシ「お嬢様……分かりました。では一先ずお屋敷に戻りましょう。お話はそれからでも宜しいかと」

京太郎「分かった」

-龍門渕邸-

純「じゃあ話を聞かせてもらうじゃんよ。宮永咲がああなった理由ってを」

一「気になるな」

友紀「うん」

京太郎「分かってる。あれはまだ俺が中学3年だった頃の話だ……」

~回想~

約2年前 夏

咲「京ちゃん京ちゃん」

京太郎「どうした咲?」

咲「京ちゃんは高校何処へ行くの?」

京太郎「高校か。そろそろ進路を考えないとな」

和「京太郎さんなら何処の学校でも行けますよ」

京太郎「おだてたってなんも出ねーぞ。そう言や煌は何処に行くか決めてんの?」

煌「私は父の転勤で福岡に行く事になっていますので」

京太郎「そういや煌の親父さんPPSEの社員だったな。そっか。寂しくなるな」

煌「今の時代、離れていても連絡する手段はいくらでもありますばらですの。京太郎もガンプラバトルをしているのならば名門白糸台を目指してはどうでしょうか?」

京太郎「白糸台か……」

咲「……」

京太郎「あっ……」

咲「私なら大丈夫だから気にしないで」

京太郎「そうか。うーん、でも止めとくわ」

煌「そうですの?」

京太郎「そうなんですの。まだ地元でいいよ」

和「でしたら清澄はどうですか?」

京太郎「清澄ってこっちに来いって事?」

和「はい」

咲「京ちゃんが来てくれたら私も嬉しいなぁ~」

京太郎「そうだな。候補として考えとこうかな」

咲「本当?やったー!」

京太郎「気が早いっつーの!」グリグリ

咲「京ちゃん痛いよ~!」

季節は巡り秋

-龍門渕邸-

透華「来週は進路を決める用紙を提出しないと行けませんわね」

京太郎「そうだな。なあ透華」

透華「どうしましたの?」

京太郎「俺だけ清澄に行くって、どう思う?」

透華「はい?」

京太郎「だから俺だけ清澄に進学するって話なんだけど」

透華「い、いきなり何を言いますの?私と衣の3人で龍門渕高校に行くんじゃありませんでしたの?」

京太郎「そうなんだけど。咲が最近うるさくてさ」

透華「咲が?」

京太郎「ああ。また京ちゃんと一緒の学校に行きたいって」

透華「……」

京太郎「まだ決めた訳じゃないんだけど」

透華「衣は」

京太郎「えっ?」

透華「衣はどうしますの?あの子はまだ私達が必要ですわ!中学もロクに通わずにお屋敷に閉じこもって。そんな子が高校で上手くやれると思っていますの?」

京太郎「それは……」

ハギヨシ「私も反対です京太郎君!」バンッ

京太郎「ハギヨシ!?」

ハギヨシ「もし京太郎君と離れ離れになってしまったら、次の日から私は何を糧に生きて行けばいいのですか!」

京太郎「それ以前にお前は執事って職を全うしろ!」

ハギヨシ「そんな冷たい事を言わないで下さい!」ダキッ

京太郎「えぇい離れろ!ホモが移る!」

ハギヨシ「私は構いません!」

透華「離れなさいハギヨシ!」ドゴッ

ハギヨシ「おうふ……」ガクッ

透華「全くハギヨシが話に絡むと脱線するのが困りものですわね」

透華「咲の気持ちも分かりますわ。両親が離婚して家族がバラバラになってしまって。京太郎さんにすがりたいと思うのは理解出来ます」

ハギヨシ「す、須賀だけに、すがりたい……ふふっ」

京太郎「黙れ!」ドゴッ
透華「黙らっしゃい!」ドゴッ

ハギヨシ「ぐはっ……ダブルは効きます」ガクッ

透華「ですが咲には友人がいるでしょう?衣には私達しかいないのですのよ」

京太郎「……」

透華「そ、それに……私も京太郎さんと高校生活を過ごしたいですし」ゴニョゴニョ

京太郎「え?なんだって?」

透華「……」

京太郎「ゴメン」

透華「私はもう衣が悲しむ所は見たくありません。だって家族ですから。例え相手が咲でもこれだけは譲るつもりはありませんわ!」

京太郎「……少し考えさせてくれないか?」

透華「分かりましたわ。衣にはこの事を伏せて置きます。ハギヨシも他言無用ですわよ」

ハギヨシ「はい……」グテーン

-須賀家-

京太郎「はぁ……どうするかな」

京太郎「衣も咲も同じくらい大切な妹みたいなもんだからな。まあ、衣は誕生日から言えばお姉さんなんだけど。それを天秤に掛けろか」

京太郎「だけど俺の身体は一つしか無いんだ。どちらかを選びどちらかを捨てるしかない」

京太郎「世の中って残酷だよ。いっそ白糸台に進学でも……白糸台か。照ならこんな時なんて言ってくれるだろう?」

京太郎「……連絡、してみようかな」スッ

携帯「」ピッ プルルルル

京太郎「……」

携帯「」ガチャ

照『もしもし、どうしたの京ちゃん?』

京太郎「え、ああ……うん」

照『京ちゃん?』

京太郎「いや、えっと……元気にしてるかなって」

照『元気にって、二週間程前に会ったばっかりだよ』

京太郎「そ、そうなんだけどさ……」

照『なにかあったんでしょ』

京太郎「……分かる?」

照『京ちゃんって困った事があったら凄く歯切れが悪くなるから直ぐ分かるよ』

京太郎「ははっ、さすがは幼馴染み様だ」

照『私で良ければ相談に乗るけど』

京太郎「うん。実はさ……」

説明後

照『そうなんだ。じゃあサイコロで決めてみたらどうかな?』

京太郎「はっ!?」

照『私の時はそうしたんだよ。お父さんと長野に残るかお母さんと東京に行くか運を天に任せてみたんだ』

京太郎「大切な事を運任せにすんじゃねーよ!!」

照『怒ったら嫌だよ京ちゃん……』ウルウル

京太郎「ご、ごめん。でもあまりにも発想がアホらし過ぎてだな」

照『なら私が咲と一緒にいてあげてって言ったら京ちゃんはそうする?』

京太郎「それは……」

照『出来ないよね?じゃあサイコロ作ろっか』

京太郎「いやいや、もうちょいまともな案は無いんですかね?」

照『うーん、そうだね。じゃあこれはどうかな?咲と衣ちゃんの意見を聞いて一緒に行きたい方に決める』

京太郎「成る程。確かにそれなら説得力があるな」

照『でしょでしょ』

京太郎「よし、その手で行って見るか。ありがとうな」

照『お礼ならお菓子で。もしくは私を彼女にするで手を打とう』

京太郎「お菓子はともかく後者は大却下」

照『相変わらず手厳しいね京ちゃんは』

京太郎「おかげさまで」

照『まあいいよ。それからこれだけは言っておくよ。京ちゃんは後悔しない方を選んでね。京ちゃんは私みたいになって欲しくないから……』

京太郎「えっ?」

照『じゃあまた進展があったら連絡してね』

携帯「」ブツッ ツー ツー

京太郎「……」

-龍門渕邸-

TV音声『来週の老け入るタマキュアもお楽しみに』

衣「今日もなかなか面白かったぞ」

京太郎「なあ、衣」

衣「どうした?」

京太郎「衣は来年、高校に入学した時の事とか考えてたりするか?」

衣「来年か?もちろん考えているぞ!」

京太郎「へぇ、どんな?」

衣「衣は高校生になったら友達をたくさん作りたいと思っている」

京太郎「友達?またどうして?」

衣「知っての通り、衣は今までずっと引きこもった生活をして来ていた。しかし気付いたのだ、いや……気付いたのでは無いな。逃げる事を止める事にした」

京太郎「逃げるのを止める?」

衣「そうだ。衣はもうきょーたろー達の負担にはなりたくは無いのだ」

京太郎「負担だなんて思った事なんてないぞ。それは今までも、そしてこれからも変わらないよ」

衣「やはりきょーたろーは優しいな。だが、それにばかり甘えては駄目だ。衣はもう子供を卒業する時が来ている」

京太郎「だから高校での目標を決めてるって事か」

衣「そうだ。しかし今の衣では力が足りないし、現実は甘くは無い。だから衣が目標を達成する時まで暫し力を貸して欲しい」

衣「負担になりたく無いと言いいながら、こんなお願いをするのも情けない話ではあるが衣にはきょーたろーが必要なのだ」

京太郎「……衣の意気込みは理解した。だけど少し考える時間をくれないかな?」

衣「考える時間か?そうだな。急な話ではあるか……分かった。待っているぞ」

京太郎「ああ」

-須賀家-

京太郎「咲に連絡を取ってみようか」

携帯「」ピッ プルプルプル ガチャ

咲『もしもし京ちゃんどうしたの?』

京太郎「いや、ちょっと確認したい事があってな」

咲『確認したい事?』

京太郎「ああ。再来年になるけど咲は高校に入学したら何がしたいと思ってる?」

咲『それは京ちゃんが清澄にいる事が前提の話?』

京太郎「仮にそうしてくれ」

咲『私は京ちゃんと皆で楽しい学園生活を送りたいだけだよ』

京太郎「それだけ?」

咲『それだけって酷いよ。私は平穏で皆がのんびりとした生活を過ごしたいだけなのに……』

京太郎「わ、悪い」

咲『新しい事とか刺激的な事も大切だけど、でもそれって平坦な日常があるから意味があるんだよ』

京太郎「そりゃそうだな」

咲『だから私は京ちゃんと一緒の学校に行けるだけで嬉しい。他に望む事は……ちょっとはあるけど多くはいらない。だから、私は京ちゃんと平凡だけど充実した学校生活を送りたいんだ』

京太郎「……咲の気持ちは理解した。だから、考える時間を俺にくれるか?」

咲「うん、いいよ。楽しみにしてるから」

京太郎「分かった。じゃあ、またな」

携帯「」ピッ

京太郎「……これは参ったな」

京太郎「衣は変わる事を望み、咲は変わらない事を望む。じゃあ俺は?俺はどうしてやればいい?変わる事を後押しするべきか、変わらない日常で隣にいるべきか」

京太郎「駄目だ。これじゃラクスみたいな電波ポエムだ。しかし悩むな……駄目だ考えたら考えるだけ頭がこんがらがる!取り敢えず今日は寝よう」

-数日後 龍門渕中学-

ハマーン様「では、以前貴様らに渡した進路用紙を回収させて貰おうか」

生徒共「「はい!お美しいハマーン様!!」」

ハマーン様「それでは後日進路面談を行うので覚悟しておく事だ。話は以上だ。日直」

日直「はい。お美しいハマーン様!起立、礼!」

生徒共「「ジークジオン!」」

ざわざわ

透華「京太郎さんは提出しましたの?」

京太郎「実はまだなんだよ」

透華「ハマーン先生にどう説明しますの?」

京太郎「んー……その時はその時かな

透華「毎度の考え無しですわね」

京太郎「分の悪い賭けは嫌いじゃないってな」

透華「全く、貴方と言う人は。それで、今日はどうしますの?」

京太郎「今日はちょっと色々考えたいから」

透華「そうですか。ではお夕飯の時くらいは顔を出して下さいませ」

京太郎「ああ。分かった」

透華「では失礼致しますわ」スタスタ

京太郎「これからどうしようかな」

京太郎「……そうだ。困った時こそあの人に相談してみるか」

-喫茶店 フリーデン-

京太郎「こんにちはー」

尭深「いらっしゃいませー……あっ、京太郎君だ。数十分ぶりだね」

京太郎「放課後すぐに帰ったと思ったら今日バイトだったんだな。それで今はたかみーだけ?テクスさんはいないの?」

尭深「マスターならエルザ……謎の食通さんから連絡があったから出て行ったよ」

京太郎「そうなんだ」

尭深「マスターに用?」

京太郎「ちょっとな」

ジャミル「では私がテクスの代わりに聞いてあげよう」

京太郎「働きもしないジャミルさんに相談してもなぁ」

ジャミル「私は働いていない訳では無い!今は休職中だ!」

シャア「何が休職中だ。NEETが聞いて呆れる」

ジャミル「貴様ぁ!」

京太郎「アンタもいたのかよ」

シャア「ころたんは元気かな?」

京太郎「元気だよ。アンタには合わせないけどな」

シャア「エゴだよそれはっ!」

店長「ライバルの台詞を使うとは赤い彗星も地に落ちたものだ」

ジャミル「コイツの場合は落ちるどころか埋まっているがな」

店長「フッ、違いない」

ジャミル「ハッハッハ!」

シャア「おのれぇぇぇ……」

京太郎「毎度だがなんなんだこの光景は」

尭深「なんなんだって、毎月恒例の仮面サングラスの会だよ」

京太郎「そりゃ知ってる。てか、来る日を間違えたか」

尭深「まあまあ。それで今日はどうしたの?」

京太郎「うん。進路で少し迷っててさ」

シャア「ならば私が進言しよう」

ジャミル「やめておけ。迷いだらけの貴様に相談されては京太郎が困るだけだ」

シャア「無職の貴様に言われる筋合いは無い!!」

ジャミル「私が本気を出せば就職など造作も無いと言っているだろうが!」

シャア「ならば今すぐ本気を出してみせろ!」

ジャミル「いいだろう。だが、本気を出すのは明日からだ!」

京太郎「おいおい」

店長「京太郎はこんな駄目な大人の見本市のようになってはいかんぞ」

京太郎「は、はい」

シャア「誰が駄目な大人だ!貴様も似たような者の分際でよくも言えるな!」

ジャミル「そうだそうだー!」

京太郎「……所でたかみーは進路決めてんの?」

尭深「私は東京の白糸台に進学しようと思ってるよ」

京太郎「白糸台はガンプラバトル強豪校だもんな。たかみーくらい強かったら特待生とかあるんじゃねーの?」

尭深「どうだろう。進路に悩んでるんだったら京太郎君も白糸台を推薦してみたら?」

京太郎「俺が?」

尭深「うん。京太郎君もガンプラバトル強いし」

京太郎「いやいや、それは無い」

尭深「どうして?」

京太郎「なんでって言うか。今回は結構複雑な問題なんだよ……多分。だから白糸台って選択肢は無い」

尭深「そうなんだ」ズズズッ

京太郎「だからこそどうしようかと悩んでるんだけど」

尭深「うーん……じゃあ少し待ってて」

京太郎「あ、ああ」

尭深「はい、お待たせ」コトッ

京太郎「コーヒー?」

尭深「大概の問題はコーヒー1杯飲んでいる間に心の中で解決するものだ。あとはそれを実行できるかどうかだ」

京太郎「それって……」

尭深「うん、マスターの受け売りなんだけどね。悩んでるみたいだから」

京太郎「コーヒー1杯か」ゴクッ

尭深「……」

シャア「……」

ジャミル「……」

店長「……」

京太郎「……ごちそうさま」

尭深「どう?」

京太郎「……決めた」

シャア「本当に効果があるのか!?」

ジャミル「当然だ!私も働こうか働くまいかと悩む時にコーヒーを飲んでるうちに、どうでもいいやと言う気持ちになってハロワに行くのを止めるからな!」

店長「それもどうかと私は思うぞ」

京太郎「ありがとうたかみー」

尭深「どう致しまして」

店長「事情は知らぬが良い結果を期待している」

京太郎「ありがとうございます。そうと決まれば早速実行だな。行ってくる!」ダッ

シャア「俺達の戦いはこれからだ!」

尭深「もう少しだけ続けるから」

-宮永家-

京太郎「急で悪いな」

咲「ううん、私は気にしてないよ。それで話って何?」

京太郎「あれから色々悩んだんだ。俺はどうするべきかって」

咲「どういう事?」

京太郎「実は龍門渕と清澄どっちに進学しようか迷ってたんだ」

咲「そうなんだ。迷ってたって事は、決めたって事なんだよね?」

京太郎「ああ。俺は龍門渕に行く事にした」

咲「そう……なんだ」

京太郎「済まん」

咲「……理由」

京太郎「えっ?」

咲「理由を教えて京ちゃん。私の納得出来る理由だったら諦める」

京太郎「分かった。俺はお前と衣。どっちの傍にいるべきか悩んだ。衣は変わる事を、咲は変わらない事を望んだ」

咲「衣ちゃんが変わる事を望んだ?」

京太郎「あの衣がだぞ?それでも俺は考えて悩んで、ある時ふと脳裏によぎったんだ。衣が友達に囲まれて楽しそうにしている風景を」

京太郎「その時に確信したんだ。俺は衣の力になりたいと、支えになってやりたいと。でないと俺は一生後悔するかも知れない。だから……」

咲「……話は分かったよ。そっか、衣ちゃんか。やっぱり衣ちゃんなんだ」

京太郎「咲?」

咲「ううん、続けて」

京太郎「だから、咲には本当に悪いと思ってるけどそうしたい。俺があんな安請け合いしたばっかりに期待させるような事してごめんな。今度何でも好きな事聞いてやるからさ」

咲「……うん」

京太郎「あのさ、こんな事を言うのは無茶かも知れないけど来年に咲が龍門渕に来るってのはどうかな?」

咲「私が?」

京太郎「そうだ。咲が来ればまた昔みたいに一緒に4人で学校に通える。きっと楽しいぞ」

咲「京ちゃんも知ってるでしょ?今の家庭環境じゃ私立なんて無理だよ」

京太郎「だったら咲が行けるように透華に頼んで貰う。俺も両親に頼んでみるから」

咲「駄目だよ。いくら幼なじみでもそう言うのは絶対にダメ」

京太郎「そ、そっか」

咲「うん」

京太郎「……」

咲「話は終わり?」

京太郎「ああ」

咲「じゃあ、私もさ気持ちを整理したいから今日はもう帰ってくれないかな?」

京太郎「そうだよな。本当にごめん。落ち着いたらまた連絡してくれよな。今度は皆で遊ぼう」

咲「分かったよ」

京太郎「じゃあまたな」スクッ スタスタ ガチャ バタンッ

咲「…………」

咲「……」

咲「あはは……やっぱりそうなんだ」

咲「衣ちゃん、衣ちゃんって……京ちゃんの中に私はいない」

咲「あーっはっはっはっはっは!!」

咲「……絶対に認めない!!」

-須賀家-

-京太郎の家-

京太郎「……てな訳なんだ」

照『そっかサイコロ無しで決めたんだね。でもちょっと気になる事があるんだけどいい?』

京太郎「うん」

照『本当に解決したと思ってるの?』

京太郎「どう言う事?」

照『咲を甘く見積もらない方がいいって事』

京太郎「えっ?」

照『咲が異常なまでに冷静の時は後から必ず恐ろしい何かがある。これは姉である私からの忠告』

京太郎「ちょ、ちょっと待てくれよ!あの咲だぞ?今までそんな事は一度だって無かったのに」

照『それは相手が京ちゃんだからだよ。でも今回は違う。咲は選ばれなかった。京ちゃんだからって容赦は無いかも知れないけ』

京太郎「嘘だろ?」

照『私は事実を言ったまで。それと前に京ちゃんには悔いは残らない選択をして欲しいって言ったよね』

京太郎「う、うん」

照『悔いが残らないって事はね、それ相応の覚悟が必要って事。特に今回はどちらか捨てなければならない状況だから尚更に』

京太郎「……」

照『私は京ちゃんの選択が正しいとも間違ってるとも言えない。世の中に絶対なんてそう多くは無いから』

京太郎「……」

照『でもね、一つだけ言わせて欲しいんだ。京ちゃんがそれを選んだのなら最後まで貫き通して欲しい。それが今の京ちゃんにとっての覚悟』

照『私は傍にいてあげる事は出来ないけど、いつも京ちゃんの事は想ってるから自信を持って』

京太郎「……」

照『京ちゃん?』

京太郎「え?いや……照からこんなにもまともな意見が聞けると思わなかったから」

照『私を何だと思ってるの?』

京太郎「ポンコツ」

照『酷いよ京ちゃん……』

京太郎「ご、ごめん」

照『これでも私は年長者なんだから』

京太郎「うん、ありがとう。やっぱり照はなんだかんだでお姉さんなんだよな」

照『昔みたいにお姉ちゃんって呼んでもいいんだよ?』

京太郎「それは恥ずかしいから却下で」

照『じゃあマイハニーで』

京太郎「アホな冗談はいいから」

照『結構本気なんだけどなぁ』

京太郎「はいはい。じゃあ、また相談事とかあったらよろしくな」

京太郎「……照姉ちゃん」

照『えっ?京ちゃ』ピッ

京太郎「……」

京太郎「ははっ……なんだか久しぶりに言うとこっ恥ずかしかったな」

京太郎「しかし、問題は咲だな。とんでも無い事をしなきゃいいけど」

数週間後

-龍門渕邸-

京太郎「咲が来るって連絡が来た」

透華「照さんの話からすれば注意した方がいいと言っていましたわね」

ハギヨシ「ご心配は無用です。いざとなればこのハギヨシ、命を懸けてでも京太郎君をお守りします」

京太郎「そこは透華だろうが。仕方ないから透華は俺が守ってやんよ!」キリッ

透華「京太郎さん」

ハギヨシ「不公平です!」

京太郎「それが執事の言う台詞かよ」

衣「咲が来るのか?」テトテト

ハギヨシ「衣様?一人でお目覚めになられたのですか?」

衣「衣をなんだと思っているんだ」

ハギヨシ「衣様は子供様です」キリッ

衣「ハギヨシは後で私刑にする」

ハギヨシ「ありがたき幸せ」スッ

京太郎「ああ。それから和を連れて来るとも言ってたか」

衣「ののかもか?ほぅ、それは至極楽しみであるな」

京太郎「だといいんだけどな」

衣「?」

リンゴーン

京太郎「来たか」

ハギヨシ「ではお迎えに上がりましょう」

-大広間-

京太郎「それで話ってなんなんだ?」

咲「京ちゃんを取り返しに来たんだよ」

京太郎「取り返しに?意味が分からんぞ」

咲「なら分かりやすく言うよ。京ちゃん龍門渕に行かないで。私達と一緒にいようよ?」

透華「いきなり来たと思えば何を言い出しますの?」

咲「透華ちゃんは邪魔しないでくれないかな?今は京ちゃんとお話してるんだから」

透華「なっ……」

衣「こ、これは咲なのか?」

咲「そうだよ。私だよ衣ちゃん……」ユラッ

衣「!?」ビクッ

京太郎「俺は言ったはずだ。それにお前も納得してくれたんじゃなかったのか?」

咲「納得?誰が、何時、何処で、そんな台詞を言ったのかな?」

京太郎「なにっ?」

ハギヨシ「京太郎君を騙したのですか貴女は?」

咲「なに言ってるのかなこのホモは。騙すとか騙されるとか、そんな話じゃないんだけど」

ハギヨシ「貴女と言う人はっ!!」

京太郎「止めろハギヨシ!」

和「ホモは大人しくしていて下さい」ドゴッ

ハギヨシ「がはっ……」ガクッ

京太郎「みえた!」

透華「ハギヨシ!」

衣「何をするんだののか!」

和「咲さんは言いましたよね?邪魔をするなと」

透華「正気ですの?」

和「私は何時でも正気であり冷静すよ。少なくとも、そこの執事よりは」ゲシッ

ハギヨシ「ぐはっ……」

京太郎「止めろ和!ハギヨシに恨みがある訳じゃないだろ!俺が憎いだったら俺にしろ!」

ハギヨシ「き、京太郎君……」

和「私が京太郎さんに危害を加える訳ないじゃないですか。やだー!」

京太郎「……」

咲「おふざけはいいかな和ちゃん?」

和「済みません咲さん」

咲「いいんだよ。別に怒ってる訳じゃないんだから。じゃあ話を戻そうか」

京太郎「俺は龍門渕に行くって決めたんだ。それを曲げるつもりは無い」

咲「分かってるよ。だって京ちゃんは私なんかより衣ちゃんの方が大切だもんね」

京太郎「そんな事無いだろ!咲の事も二人と同じくらい大切に思ってる!」

咲「『思っている』じゃ駄目なんだよ私は。京ちゃんに手を差し延べて欲しかった、京ちゃんに傍にいて欲しかった」

咲「でも、何もせずに待ってるだけの私もいけなかった。今更後悔しても仕方ないよね?だから……」

咲「始めからこうすれば良かったんだよ」スッ

京太郎「ガンプラ?」

咲「ガンプラバトルしようよ」

透華「まさか貴女はっ!?」

咲「そう。この戦いに私達が勝ったら京ちゃんは貰って行くよ」

ハギヨシ「そんな戯言!そもそも貴女が京太郎君に勝てるとでも思っているのですか?」

咲「思っているから此処にいるんだよ。それも分からないだなんて、龍門渕の執事は低度が知れてるね。それとも、主人がダメだと執事もダメなのかな?」

透華「なっ……」

衣「衣、何か悪い事したのか?さっきから咲が怖くて仕方がない……」グスッ

ハギヨシ「私の事ならまだしもお嬢様方を愚弄するとは……やはり貴女は許す訳にはいきません!!」

京太郎「待てハギヨシ」スッ

ハギヨシ「今回ばかりは京太郎君の頼みでも聞けません!」

京太郎「いいから俺に任せてくれ。頼む」

ハギヨシ「京太郎君……分かりました」

京太郎「そのバトル受けてやる。だけど分かってるだろうな?お前がその条件を出したって事は、俺が勝てばきっぱりと諦めるってのを」

咲「いいよ。負ける気は無いけどね」

京太郎「分かった。それじゃ始めようか」

-バトルシステム-

京太郎「須賀京太郎、ヅダ出る!」

咲「ふふっ、宮永咲……行くよ」

バトルフィールド 地上

京太郎「咲の機体は……なっ!?」

デビルガンダム「」ウネウネ

京太郎「デビルガンダムだと……」

咲「どう?これが和ちゃんと私で作った究極ガンプラだよ!」

京太郎「デカけりゃいいってもんじゃない!!」

咲「そんな情けないガンプラで挑んで大口を叩いいた事を後悔しても知らないからね!!」

デビルガンダムは額から高出力のメガデビルフラッシュを地面を薙ぎ払うように発射しヅダへ襲い掛かる。

デビルガンダム「」チュィィン!!

ズドォォォォォン!!

咲「あはっ!やった!あーっはっはっはっは!!」

和「咲さん喜ぶのはまだ早いですよ」

咲「そうだった。撃墜を確認するまでがガンプラバトルだもんね」

咲「さーてと……残骸はと」

咲「ない!?」

和「咲さん!上です!!」

咲「なっ!?」

京太郎「くらえぇ!!」

ヅダは垂直落下しながら構えた135mm対艦ライフルをデビルガンダムへ向けて数発撃ち込むと直撃を食らったデビルガンダムは無惨にも爆発四散する。

ドガァァァァン!!

咲「嘘……やられた?」

京太郎「ガンプラが良くてもファイターが性能を引き出せなけりゃな!」

咲「……」

京太郎「それじゃあ約束通り……」

咲「ふふっ……甘いよ京ちゃん」

京太郎「えっ?」

咲がそう告げた瞬間、突如上空からヅダへ向けてビームの雨が降り注ぐ。
しかし京太郎は咄嗟の判断でヅダのブースタを瞬間的に最大にして回避させると
上空にはガンダムAGE-2 アルティメスが佇んでいた。

和「避けましたか。さすがですね」

京太郎「和か!!」

咲「言ったよね。『私達』に勝ったらって」

京太郎「最初からそのつもりだったのか?」

和「京太郎さんが咲さんを倒すのは想定の範囲内です。あわよくば咲さんが倒す事を期待しましたけど」

咲「ごめんね和ちゃん」

和「いえ。私が彼を倒せばいいだけの話です」

京太郎「簡単に言ってくれる……が、和の実力は本物だ。何せ今年の全国女子中学生ガンプラバトル大会で優勝してんだからな」

和「ふふっ……さあやりましょうか」

アルティメスはアルティメス・ロングレンジライフルをヅダに向けると砲撃を再開する。

京太郎「チッ、長距離砲撃のアルティメス相手だと離れてる分こっちが不利だ。ならっ!」

ヅダはブースト出力を上げると一気にアルティメスへと加速する。
しかしアルティメスはグライダー形態へと可変すると距離を詰めさせまないと引き離しに掛かる。

京太郎「速い!だが加速力ならヅダとて負けてはいない!勝負だ和!」

和「いいでしょう。もっとも、こちらの優位性は揺るぎませんがね!」

ヅダとアルティメスは高速機動のまま戦闘を繰り広げて行くが
徐々に性能差で京太郎は和に押し込まれて行く。

京太郎「――ッ!」

ヅダ「」ガタガタ

和「ガンプラが悲鳴をあげていますよ!」

京太郎「クッ……この状況を覆すにはアレをやるしかない。だが、まだ一度も成功した事が無いのにやれるか?

京太郎「いや、考えてる暇があったら実行あるのみだっ!!」

京太郎はヅダのリミッタープログラムを解除すると特殊機動マニューバーを設定する。

ヅダ「」ズギュゥゥゥン

和「このタイミングで機動に変化がっ……まさか!!」

京太郎「そのまさかだよ!」

京太郎「RaMVsで相手の旋回半径内に飛び込む!!」

和「くっ……速い!?」

京太郎「軌道は読めた!そこに全弾、叩き込む!!」

ヅダは射撃とバレルロールを繰り返しながらアルティメスへ向けて高加速で突撃する。

「京太郎「どせいさんエンジン最大出力!行けーっ!!」」

回避出来ずにマシンガンやバズーカを被弾しているアルティメスへ高速機動のままヒートホークの一撃を加えると

「とどめは突っ込む!フル・ブースト!!」

そのまま後方へと過ぎ去ると直ぐさまターンをして
再度高速でアルティメスへ突っ込みヒートホークでアルティメスへもう一撃を加えた後、トドメとばかりに三度ターンをしたヅダでアルティメスへ突撃をしてその勢いのままアルティメスを突き抜ける。

和「そんなっ!?この私のアルティメスがっ……」

直撃を受けたアルティメスは爆散する。

アルティメス「」ズガァァァァン!!

ヅダ「」ズギュゥゥゥン!!

音声『バトルエンド』

-バトルルーム-

京太郎「や、やった……俺、出来ましたよ!」

咲「嘘……和ちゃんが、負けた?」

和「こんなはずは……こんなはずではっ!!」

京太郎「これが現実だ。諦めろ」

和「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

衣「ののかっ!!」

ハギヨシ「いけません衣様」スッ

衣「ハギヨシ!だが、ののかが!」

透華「己の力を過信した者の末路ですわ。のどっちには……お気の毒ですが」

京太郎「咲」

咲「そっか……そうなんだ」

京太郎「咲?」

咲「力が無いからいけなかったんだ。力さえあれば……私に力さえあったら!!」

透華「さ、咲……」

咲「次こそは私の手で京ちゃんを!!」ダッ

京太郎「咲!?おい、待てよ咲!」

ハギヨシ「行ってもムダです」

京太郎「ハギヨシお前!」

ハギヨシ「今はお嬢様達のお傍にいてあげて下さい。お願いします」

衣「あ、ああ……」カタカタ

京太郎「……分かった。済まんハギヨシ」

ハギヨシ「いえ、ありがとうございます」

京太郎「……これで、正しかったんだよな?」

~回想終了~

京太郎「……という訳で現在に至るんだ」

純「へぇ」

一「ふーん」

智紀「長い三行で」

京太郎「うぉい!人がせっかく話したのにそのリアクションの薄さはなんなんだよ!」

一「だって要は痴情のもつれでしょ?」

京太郎「痴女のはじめ君に言われなくねーよ!」

一「誰が痴女だゴラァ!!」

透華「ですが、いま考えてみれば私達の配慮の足りなさが招いた事態でもあります」

京太郎「そうだな。でも、俺は今でもこの判断は間違っていないと信じたい。でないと透華達への想いは嘘になっちまうから」

衣「き、きょうたろー」ウルウル

透華「京太郎さん」キュン

ハギヨシ「京太郎君!」キュンキュン

京太郎「最後は気持ちわりいからやめろ」

一「それでどうすんのさ?」

京太郎「俺は咲達ともう一回戦いたい。その為には決勝戦まで勝ち上がらなきゃならない訳だが。それでも戦わなきゃならないんだ」

純「んじゃ、やる事は一つじゃん」

智紀「そうだね」

京太郎「みんな?」

透華「京太郎さんには更に強くなって貰わなければいけませんわ」

一「頑張って京太郎」

衣「衣も応援してるぞ!」

ハギヨシ「嫌だと言っても最後までお供させて頂きますよ」

京太郎「ありがとう、みんな。よし、そうと決まれば早速特訓だ!行くぜみんなっ!!」

「「おー!」」

次回へ続く……?

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