小鷹「安価で友達作る」(372)

転校初日 バス停


小鷹「よし、やっぱ転校生は第一印象が大事だ。間違っても遅刻しねえようにしないとな」ウンウン

小鷹「……つっても、ちょっと早すぎたか? まだ生徒らしい人もいねえし……ま、いっか」

運転手「えー、このバスは相良北行きです。後5分ほどで発車いたしますので、ご乗車の方は――」

小鷹「おっ、このバスかな」

>>3
乗るor乗らない

バスジャック

小鷹「よし、乗るか」


数十分後


小鷹(……あれ? 全然着かなくね? このままじゃ遅刻じゃねえか……もしかしてバス間違えた!?)

小鷹(どうすっか……とりあえず運転手さんに聞くしかないよなぁ。恥ずかしいけど、仕方ない。
   さすがに運転中に話しかけるのはダメだから、どこか停まった時に……)

プシュー

運転手「●●ですー。お降りの方は――」

小鷹「あ、あの! このバスって聖クロニカ学園に停まらないんですか!?」

運転手「は、はいっ!? あ、いえ、それは『早良北』行きのバスで、このバスは『相良北』行きなんですけど……」ビクッ

小鷹「マ、マジですか!? くっそ、いきなりやらかした!!!」

運転手「ひぃぃ!!! わ、分かりました!! 言う通りにしますから命だけは!!!」ビクゥ!!

小鷹「……へ?」

ヒソヒソ……

「なに、もしかしてバスジャック……?」

「うわ、マジかよ……」

小鷹「ご、誤解です! 俺はただ……」ギロッ

運転手「ひぃぃ!!」

ヒソヒソ

「(す、すごい目で睨んでるよ……)」

小鷹「睨んでねえって!!!」


>>9
どうする?

腹パン


男「き、君! まだ学生なんだから、バカな真似はよせ!」スタスタ

「おお、ヒーローだ!」

「頑張れー!!」

小鷹「ち、違う! 俺は!!」

男「つ、捕まえたぞ!」ガシッ

小鷹「や、やめてください! だから俺は……ッ!!」ブン!!


ドゴッ!!


男「が……ぁ……!!」ズルズル

男は腹を抑えてうずくまった。


乗客「「うわあああああああああああああ!!!!!」」


小鷹「」

その後、俺は警察に捕まった。
だが、すぐに誤解だという事が分かって解放された。
ただ、これだけ大事になってしまったので、学校側からは明日から登校するようにと言われた。


羽瀬川家


小鳩「ククク、我が眷属よ。今日は学校とやらに行かなかったようだが、どうしたのだ?
   まぁ、あのような場所に意味を見出せないのは仕方のない事だが……」

小鷹「……えーと」

何て答えよう?

小鷹「>>14

お前が食べたい


小鷹「お前が食べたい」

小鳩「ッ!? そ、それはどういう意味だ、我が眷属よ。
   確かに、強大な魔力を持つ者を食せば、それだけ巨大な力が手に入るだろうが……」

小鷹「……さぁ、どんな意味だろうな?」ニヤ

小鳩「お、お風呂行ってくる!!///」タッタッタ


小鷹「……よし」

小鳩は顔を赤くして行ってしまった。どうにか誤魔化せたようだ。

小鷹「とにかく、気を取り直して明日から頑張らないとな!」


翌日 聖クロニカ学園


小鷹「よし、今日はバスを間違わずにここまで来れたぞ! 時間もまだまだ余裕がある!」


小鷹「こんな早くから登校してる生徒もいねえな……。確か、まずは職員室に行けばいいらしいけど……」

小鷹「でもその前に一通り校舎を見るってのもアリだな。どうすっか」


>>22

小鳩を食べる


……グゥと、俺の腹が鳴った。

小鷹「……なんか緊張したら腹減ってきたな。朝飯食ったばっかなのに」

小鷹「まだ購買とか開いてないかな……とりあえず行ってみっか」


校舎内


小鷹「おっ、もう購買やってんのか! なんか買って食うか。すいません、この鳩サブレーください!」

小鷹(ん……鳩……小鳩…………?)

おばちゃん「こんな朝早くから偉いねー。はい、毎度ー!」

小鷹「どもっ。いや、実は俺転校生で……」

おばちゃん「へぇ、そうなのかい! じゃあオマケにもう一つあげるよ」

小鷹「ありがとうございます!」

その後、俺は鳩サブレーを食べながら、しばらくおばちゃんとだべった。

【職員室】


先生「じゃ、じゃあ羽瀬川君。これから先生と一緒に教室に行きましょう」

小鷹「は、はい」

先生は心なしか、どこか怯えている気がする。
気付けば、周りの他の先生も同じような目で俺を見ている。

小鷹(……もしかして昨日の件で…………)


【教室前】


先生「じゃあ、ここで少し待っててね」

小鷹「はい」

先生はそう言うと、先に教室の中へと入っていった。
もうHRも始まっていたので、廊下には俺しか居ない。

小鷹(……ヤバイ、緊張してきた)

ドクドクと心臓の鼓動が高まり、嫌な汗も出てくる。

小鷹(と、とにかく第一印象が大事だ! 昨日練習した自己紹介なら大丈夫なはずだ!)


ガラガラ!!

教室のドアが開かれた。

先生「羽瀬川君。入ってきてちょうだい」

小鷹「は、はぃぃ……!!」ギロ

先生「ひっ!!」ビクッ

あまりの緊張で、目も声も怖くなってしまったらしい。先生が泣きそうな顔になって怯える。

小鷹(ダメだダメだ!! もっとフレンドリーに!!)

教室に入ると、クラス全員の視線がこちらに集まっている。
その表情は皆……なぜか不安そうだった。

小鷹(……なんか既に怖がってないか? いやいや、気のせいだ!!)

先生「そ、それでは羽瀬川君。自己紹介お願いします」

小鷹(きたっ!!)


どんな自己紹介をする?
>>28

ただの人間には興味ありません。もしもこの中に(ry

ちょっとのお金と明日のパンツがあれば大丈夫!

小鷹「……ゴホン」


小鷹「ただの人間に興味はありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら 俺のところに来い。 以上!」


シーン


小鷹「…………」

小鷹(な、なんかドン引きされてる!?
   いや、この自己紹介はネットで聞いたから間違いないはずなのに!!)


ヒソヒソ……


「(も、もしかしてクスリとかやってるんじゃない……?)」

「(あ、ありえる。なんかバックにヤクザとかいそうだし……)」


小鷹「」


先生「え、えっと、羽瀬川君は個性的ですね!」

小鷹「…………」

どうやら自己紹介は完全に失敗してしまったらしい。
今やクラス全員が俺のことを怯えた目で見ている。
それにヒソヒソと聞こえる声を聞く限り、昨日のバスジャック事件の事もみんな知っているらしい。

小鷹「……ん?」

夜空「ッ!!」プイッ

小鷹「……はぁ」

こうやって目が合っただけですぐ逸らされる始末。泣けてきた。


【放課後】


結局、誰にも話しかけられなかったし、勇気を出して話しかけてみても怯えさせてしまった。

小鷹「……帰るか。いや」

このまま帰って初日の印象最悪なままだと、これからも響く気がする。



どうする? >>36

ブリッジで帰宅

部活動見学

小鷹(そ、そうだ部活だ!! それなら上手く人間関係を築けるかもしれない!!
   もう入部期間は過ぎちまってるだろうけど、まだ5月だし何とかなるかも!)

小鷹(そうと決まればまずは見学だよな。どこから見るか?)


何部を見る? >>40

理科部

ドカーン

小鷹「!?なんだ!?すごい音がしたけど」

小鷹「たしかこっちのほうから」

小鷹「うわっ理科室の扉が吹っ飛んでる、爆発でもあったのか・・・」

小鷹「誰かケガ人はいませんかー?」

小鷹「あ、あれは・・・おいそこにいるのは」 >>47

小鷹「じゃあとりあえず理科部で……って理科部ってあるのか?」

【理科室前】


小鷹「一応理科室まで来てみたけど……誰も居ねえみてえだな」


理科「何か御用ですか?」


急に後ろから話しかけられた。

小鷹「うおっ!! え、えっと、もしかして理科部の部員さん?」

理科「理科部……? いえ、そんな部活はないと思いますけど」

小鷹「な、ないのかよ……。あれ、じゃあお前は何でここに来てんだ? 先生の手伝いとか?」

理科「いえ、ここは私の部屋ですし、別におかしくないと思いますけど」

小鷹「お前の……部屋? いやだって、理科室だろここ?」

理科「私、志熊理科って名前なんです。志に熊、理科社会の理科で」

小鷹「急に自己紹介? あー、俺は羽瀬川小鷹……あっ、もしかして理科室って…………」

理科室「えぇ、理科の部屋だから理科室です」

小鷹「マジで!?」

理科「はい、これでも天才発明家ってやつなんですよ。えっへん」

小鷹「……へー」

理科「むっ、薄い反応ですね」

小鷹「いや、変わった奴だなぁ、と」

理科「転校初日の自己紹介でハルヒの真似する人に言われたくないです」

小鷹「な、何で知ってんの!?」

理科「そこらでヒソヒソ話してるのを聞きました。有名人なんですね小鷹先輩」

小鷹「いきなり名前呼びかよ……ってそうじゃなくて!! 俺、そんなに噂になってんの!?」

理科「えぇ、昨日から転校生がバスジャックしたなんていうので、学校全体が恐怖のどん底に落とされてましたよ」

小鷹「…………」ガクッ

理科「あはは、まぁついてしまった印象はもう仕方ないじゃないですか! ドンマイドンマイ!」

小鷹「お、お前、軽いなぁ……」

理科「あっ、そういえば理科部が目当てだったって事は、理科が好きなんですか?
   ちなみに今のセリフはどんな意味でとってもらっても構いません」

小鷹「あぁ、まぁ中学の頃は一応好きな科目ではあったな」

理科「そこまで綺麗にスルーされるとちょっと傷つきます」

理科「それはともかく、ちょっと覗いていきますか? そういうのが好きなら、なかなか面白いものがありますけど」

小鷹「……あー」

小鷹(正直、この変人オーラの漂う少女と一緒に居るより、他の部活に行ったほうがいい気がする)


どうする? >>53

覗いていく(意味深)

>>51
安価ちけーよビビリ

小鷹「覗いてく(意味深)」

理科「先輩、声に出てますよ」

小鷹「えっ!?」

理科「まぁいいですけど……男の人ってみんなそんな感じみたいですし」

小鷹「なんか嫌な方向に納得された……」


【理科室】


理科室では様々なものを見せてもらった。
さすが天才発明家を自称するだけあって、どれもかなり面白いものだった。

小鷹「お前って本当に発明家だったんだな」

理科「もう、信じてなかったんですか。心外です」プンプン

小鷹「いや悪い悪い。お前すげえよ」

理科「え……あ、そんなハッキリ言われるのも何だか照れますね///」

小鷹(普通にしてれば可愛いんだけどな)

理科「で、では次の発明品はこれです!」

小鷹「……ん、何だこれ小さいボール?」

きんのたま

それはピンポン玉より少し大きい鈍く光る球体だった。
一応言っておくが、アレではない。

理科「これは悪漢撃退用の武器です。ちょうど先輩みたいな」

小鷹「誰が悪漢だ。けど、こんなもんが武器になんのか?」

理科「えいっ」


理科が手元の何かを操作すると、いきなり球体が俺の顔面に飛んできて見事にブチ当たる。


小鷹「ごぶっ!!!」

理科「どうです? 結構痛いでしょう?」

小鷹「いてえよ!! つか何すんだ!!」

理科「いえ、説明するより直接体で知ったほうが早いと思いまして」

小鷹「……お前はマッドサイエンティスト寄りだな」

理科「フゥーハハハ!!」

小鷹「褒めてねえからな!?」

理科「ちなみに名前はまだ決めてません。小鷹先輩が付けてもいいですよ」

小鷹「知るか!!」


小鷹「……ってもうこんな時間か。じゃあ俺はもう帰るわ。ありがとな、面白いもん見せてくれて」

理科「えっ、帰っちゃうんですか?」

小鷹「あぁ、もう結構遅いぞ? お前もそろそろ帰ったほうがいいだろ、女の子があまり遅い時間に出歩くのも危ないし」

理科「理科にはこれがありますから」スッ

小鷹「……あー、さっきのボールか。まっ、とにかく俺は帰るよ」

俺はそう言って理科に背を向ける。すると


理科「――先輩、『理科部』作りません?」


小鷹「…………え?」

理科「先輩、元々理科部に入りたかったんですよね? ないなら作っちゃえばいいじゃないですか!」

小鷹「いや、俺はそこまで……」

理科「まぁまぁそう言わずに! 今なら可愛らしい部員第一号もついてきますよ?」

小鷹「自分で可愛らしいって言うか……?」

小鷹(まぁでも…………)

どうする? >>64

理科部より子供作ろうぜ

>>62
だから安価ちけーぞ皮かむり

包茎おちんちんはこの俺だ

小鷹「……なぁ」

理科「はい?」


小鷹「理科部より子供を作ろうぜ」キリッ


次の瞬間、先程の悪漢撃退用の球体がなんと9つも現れ、一斉に俺を襲う。


バキッ!! ドカッ!! ボゴォ!!!


小鷹「い、一個だけじゃねえのかよ……」

理科「誰もそんな事言ってませんけど? まさか理科も使う日が来るとは思っていませんでしたよ。
   理科が言うのも何ですけど、ホントに小鷹先輩は変わっていますね」

小鷹「そ、そうですか……」

ゆっくりと視界が狭まる。
たぶん気絶する寸前なのだろう。


理科「――でも、哺乳類に興味を持ったのは初めてです」


最後に、そんな声が聞こえて俺の意識は落ちた。

ようゴミSS書き

理科の「部活を作ろう」という提案は俺にとって良いものだったはずだ。
ただそれを冗談で誤魔化してしまったのは、ただ俺がヘタレだったというだけだろう。

そしてその次の日には「羽瀬川小鷹が転校初日から一年生に乱暴しようとした」という噂がクラス中に広がっていた。


【放課後・図書室】

転校してから一ヶ月が経った。
相変わらず、俺は友達がいない。

小鷹「……あ、体操着教室に忘れた」

小鷹(んー、でも教室まで戻るの面倒だなぁ。家にもう一着あるし、別にわざわざ取りに行かなくても大丈夫なんだけど……)


どうする? >>72

オナニー

ごめん、安価近くなったのは純粋にミスった
安価は2つ先にしてるけど、もっと遠い方がいいかな?

あと>>72は見えないから安価下ね

え?




























え???????????????????????????????????????????????

安価遠くしてgdらない程度にな


小鷹「……いいか別に取りに行かなくても」

なんかもう、俺はどうでも良くなってきていた。


【羽瀬川家】


小鷹「なぁ、小鳩。俺決めたわ」

小鳩「ククク、どうした我が眷属よ。ついに我と共にこの世界を滅亡させる決意ができたのか?」

小鷹「俺、ぼっち充になる。もう友達なんていらねえ!!」

小鳩「……その意気だ。我らは古くから闇のみが友…………」

小鷹(……でも、ぼっち充って言っても何すればいいんだ?)


何する? >>81

オナニイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ

理科室直行


小鷹(うーん、とりあえず)

ギュッ

小鳩「あ、あんちゃん!? いきなり何しとん!?///」

小鷹「ん、いや、何となく」ギュッ

小鳩「ふぁ……///」

小鷹(ホントにこれでいいのか……?)


【次の日の昼・学校】


小鷹「…………」

小鷹(なんかもう一人で飯ってのも慣れたな……って何ションボリしてんだ! ぼっち充的にはこれが正解だ!!)

小鷹「…………」モグモグ


ワイワイ、キャハハ


小鷹「…………」

どうする? >>88

テロ

なんでオナニーダメなんだよ
賢者になって物事を冷静に考えることは友達作りには必須だろ

>>90
俺がNGしてるIDは安価下

小鷹(……よし、テロをするか!)


【理科室】


理科「あっ、小鷹先輩! 昼に来るなんて珍しいですね!」

小鷹「おう、ちょっと理科に頼みたいことがあってな」

理科「頼みたいことですか? ま、まさかこんなお昼から……!!」


小鷹「テロがしたいから何か道具出してくれ」


理科「…………はい?」

理科はキョトンと首を傾げる。

小鷹「ダメか?」

理科「あ、いえ、すいませんもう一度言ってもらえますか?」


小鷹「テロがしたいから何か道具出してくれ」


理科「なんで!!?」

理科「な、なんかドラえもん的なノリでとんでもない事言ってますけど、理解してますか!?」

小鷹「あぁ」キリッ

理科「やだ、カッコイイ…………じゃないですよ!! 何でテロなんかしたいんですか!」

小鷹「ぼっち充になるためだ」

理科「……ダメだこいつ、早くなんとかしないと…………」

小鷹「で、何かねえか?」

理科「……はぁ、じゃあこれとかどうですか?」


理科の出した道具は? >>96

C4

なんで軍用兵器があるんですかァーッ!?

俺から言わしてもらうとここの>>1が一番しょぼい

小鷹「……これは?」

理科「C4爆弾です。詳しくはウィキでも見てください」

小鷹「え、えーと、テロといっても俺はこんなマジでヤバイ事をするつもりは……」

理科「ここに来てビビったんですか?」ニヤ

小鷹「う、うぐっ!! それならやってやろうじゃねえか!!」

【教室】


ワイワイ、ガヤガヤ……


小鷹(……まだみんな飯食ってるな)

俺は懐からゴツい爆弾を取り出す。

小鷹(い、いくら理科でもマジでヤバイもんなわけねえよな……? よしっ!!)


小鷹(リア充爆発しろ!!!)


俺は爆弾を起動させた。


どうなった? >>102

小鳩が巻き込まれて死亡

味噌だった

パァァァン!!!


案の定、理科の爆弾から出たのはクラッカーに似たような軽い音だけだった。
クラス中がシーンとなる。
爆弾を投げた先に一人の少女が居た。


小鳩「……ククク、さすがだ我が眷属よ。我が油断している隙を狙って命を奪いにくるとは」


小鷹「こ、小鳩!!?」

小鳩「だが、貴様のような後継者が居るのなら我も安心だ。さ、ら、ばだ…………」ガクッ

そんな事を言って小鳩はうつ伏せに倒れた。
すると。


「「小鳩ちゃあああああああああん!!!!!」」


クラスメイトが一斉に叫んで、大パニックとなった。


あとから聞いた話だと、小鳩は最近の俺の様子を心配してわざわざここまで来たらしい。
そして教室では、その容姿もあってクラスメイトに可愛がられていた。
そこに俺が理科の爆弾を投げつけた、というわけだった。

次の日、クラスには「羽瀬川小鷹が幼女に爆弾を投げつけた」という話が広がっていた。


【次の日の朝・教室】


小鷹「…………」

俺は周りのみんなが楽しげに話している中、一人席で次の授業の教科書を出す。
これが学生のあるべき姿であり、周りは間違っているだけだ。

小鷹「……はぁ」

なんか虚しい。
よし、今日もぼっち充になるための努力をしないとな。


何をする? >>111

テロリストが学校を占拠する妄想

パァァァン!!!


案の定、理科の爆弾から出たのはクラッカーに似たような軽い音だけだった。
クラス中がシーンとなる。
爆弾を投げた先に一人の少女が居た。


小鳩「……ククク、さすがだ我が眷属よ。我が油断している隙を狙って命を奪いにくるとは」


小鷹「こ、小鳩!!?」

小鳩「だが、貴様のような後継者が居るのなら我も安心だ。さ、ら、ばだ…………」ガクッ

そんな事を言って小鳩はうつ伏せに倒れた。
すると。


「「小鳩ちゃあああああああああん!!!!!」」


クラスメイトが一斉に叫んで、大パニックとなった。


あとから聞いた話だと、小鳩は最近の俺の様子を心配してわざわざここまで来たらしい。
そして教室では、その容姿もあってクラスメイトに可愛がられていた。
そこに俺が理科の爆弾を投げつけた、というわけだった。

次の日、クラスには「羽瀬川小鷹が幼女に爆弾を投げつけた」という話が広がっていた。



ガラガラ!!


テロリスト「「手を上げろ!!」」

生徒「「ひっ!!!」」

テロリストA「この教室は占拠させてもらった。今からこのクラスで殺し合いをしてもらう」

生徒A「いやだああああ!!」

テロリストA「黙れ!!」ガチャ!!

テロリストが銃を突きつけると、泣き叫んでいた男子学生は大人しくなる。


小鷹「やめろよ」


テロリストA「なんだと!? 貴様も死にたいのか!?」ガチャ

小鷹「――ふっ、そんなもので俺を殺せると思うなよ?」

テロリストA「なっ、この野郎!! それなら受けてみろ!!」

バァン!!!

>>114
うんそれでそれで?

テロリストA「…………あ、がぁ」

バタッと。
倒れたのは俺ではなく撃ったテロリストの方だった。


小鷹「ふっ……」ドヤァ


「な、なんだこいつ!!」

「化物が!!!」

一斉に他のテロリストも撃ちまくってくる。
だが、その一つも俺に当たることはなく、撃ったほうが倒れていく。

小鷹「無駄だぜ。俺の能力は『一方通行(アクセラレータ)』。あらゆるベクトルを操る能力だ。
   つまり、お前らの撃った弾のベクトルを反対にしているんだ」

気付けば、まともに立っているテロリストは居なくなっており、皆倒れているか逃げた後だった。

小鷹「ふん、大したことないな」ドヤァ

俺がそう呟いた瞬間、クラスがワッと盛り上がる。

「す、すごいよ羽瀬川君!!」

「今までずっと怖い人だと思ってたけど、良い人なんだね!!」

「このクラスのヒーローだよ!!!」

小鷹「……俺はヒーローなんかじゃない」


小鷹「――――クソッたれの悪党さ」フッ


「「うおおおおお、かっこいいいいいいいいいいい!!!」」



――――――――
―――――
――……


小鷹「……うへへ」ニタァ

生徒((ひいいいいいいいいいいいい!!!))


【昼休み・教室】


小鷹「…………?」チラッ

生徒「ひっ、うわああああああああ!!!」ダダダッ!!

俺と目のあった男子学生は一目散に逃げ出した。

小鷹(な、なんかいつも以上に怖がられてないか……?)



小鷹(と、とにかくだ!! 朝の妄想……いや、想像でモチベーションも上がったし、今日もぼっち充になるために何かするか!!)


何をする? >>123

教室の掃除したり黒板掃除したりする

理科のスカートの中にダイブ

【理科室】

小鷹「理科あああああああああああ!!!」ガバッ!!


バキッ!! ドゴッ!! ボゴォ!!!


俺が理科のスカートに突撃すると、案の定いつもの悪漢撃退用の球体で迎撃される。
ちなみに、名前は『ナインライブス・ブレイカー』に決まったらしい。

理科「まさかこの発明品をこんなに使う事になるとは思いませんでしたよ」

小鷹「お、お前、意外とガードきついよな……」ボロボロ

理科「当たり前です。そこらのビッチじゃないんですよビッチじゃ」

理科は腕を組んで薄い胸を張る。

理科「で、今日は何のようですか小鷹先輩。ま、まぁ用がないと来てはいけないというわけではありませんが」

小鷹「あぁ、今日もお前に相談があるんだ。ぼっち充の事でな」

理科「……ツンデレセリフはスルーですか。ていうか、昨日も思いましたけど、そのぼっち充ってなんですか」

小鷹「……え?」

理科「『ぼっち』なんていうネガティブな意味の言葉と、充実の充なんて言葉を合わせて何がしたいんですか」


小鷹「……あー、えっと」

ちょっと考えてみよう。
ぼっち充って何だ? >>130

ぼっち生活に満足していること

小鷹「ぼっち充ってのはだな、ぼっち生活に満足していることだ!」

理科「…………」

小鷹「……あれ、理科?」

理科がやたら冷たい目でこちらを見ている。

理科「それなら、一人でいればいいじゃないですか。ほら、出てってください」

小鷹「え……えぇ!? あ、いや、待っ……!!」

バタン!!

俺の鼻先で理科室のドアは固く閉ざされた。


【放課後・教室】


小鷹(なんか理科の奴怒ってたよな……。謝ったほうがいいのか……?)

小鷹(い、いやいや! これもぼっち充になるためだ!)

小鷹「…………」


どうする? >>134

謝る
泣いて謝る

このSSを終了

【理科室前】

小鷹「……えっと、理科?」

シーン

小鷹(部屋には居る……よな? じゃあ無視してんのか……)

小鷹「り、理科。俺が悪かった。だから、その、開けてくれてねえか?」


理科「小鷹先輩はぼっち充になりたいのに、何でここに来ているんですか」


その声は、ドアのすぐ向こうで聞こえた。


小鷹「うっ……そ、それは…………」

小鷹「>>140

本当はともだちが欲しかったんだ…

予定調和な安価で書くSSは嬉しいか?

>>1 手震えてるぞ、大丈夫か

小鷹「ぼっちは寂しいんだ」

理科「…………」

小鷹「俺、分かったんだ。こうやって理科にも嫌われて、本当にぼっちになって。
   それがどれだけ苦しいのかって。クラスで一人なのに今まで耐えられたのも……」

俺はここで一度言葉を切って目の前のドアを見つめる。
正確には、そのすぐ向こうに居る理科を。


小鷹「――俺、お前が居たから今まで救われてたんだ」


ドアの向こうで、微かに息を飲む音が聞こえた気がした。


小鷹「だから、その、頼む。扉を開けてくれ。お前にまで嫌われたら、俺は…………」


ガラガラ


理科「……もう」

小鷹「り、理科!」

理科「そんな、『開けてくれなかったら死ぬ』みたいな事言われて開けない訳にはいかないじゃないですか」ハァ

小鷹「うっ……お、俺そんな事言ってねえって…………」

理科「はいはい、ではとりあえず部屋に入って――」


理科「一緒に友達の作り方、考えましょうか?」ニコ

そうやって笑った理科は、窓から差し込む夕日の光も相まってとても綺麗に見えた。


【理科室】


小鷹「……で、友達作るにはどうしたらいいんだ?」

理科「そんなの分かりませんよ。理科も友達居ませんし」

小鷹「……は、はぁ!? あんな『友達の作り方考えましょうか?キリッ』とかって言っときながら!?」

理科「なっ、キリッなんてしてません、ニコですよ! まったく、ついさっきの理科の超絶美少女姿をもう忘れちゃったんですか!」

小鷹「……?」

理科「うわっ、ここで天然キョトンきた!!」

小鷹「……まぁとにかく、だ。お前も知らねえなら何とか考えるしかないな」


友達を作るには? >>147

明るい笑顔と>>149

ksk

終了

理科「……んー、やはり面白い人っていうのは友達が多いですよね」

小鷹「確かにな……けど、俺はもう恐怖の大王かなんかみてえな扱いになってるんだけど」

今までの度重なるやらかしのせいで、もともと低い俺のイメージは地の底まで落ちていた。

理科「だからこそ、これから面白いことをやって挽回するんじゃないですか! 例えば全裸で校舎を走り回るとか!!」


小鷹「な る ほ ど !!!!!」


理科「……え?」

小鷹「その発想はなかった……やっぱお前天才だな!!」

理科「あ、いえ、ほんの冗談のつもりで……」

小鷹「確かにそれなら面白いやつだと思われてもおかしくない! 何で気付かなかったんだ俺は!」クッ

理科「聞いてないし……」

小鷹「あ、理科はやるわけにはいかねえよな。女の子だし」

理科「そこはマズイっていうのは分かってるんだ!?」

小鷹「よし、じゃあ行ってくるぜ!! これで俺もリア充だああああああああ!!!」


そう言って、俺はテンションマックスで理科室を飛び出した。服を脱ぎ捨てながら。


次の日、クラスに「羽瀬川小鷹がクスリでトリップして全裸で学校中を走り回った」というウワサが広がっていた。



【放課後・理科室】


理科「……大丈夫ですか、色々と」

小鷹「…………」

何であんな馬鹿なことをあったのだろう。
それは今日一日中考えても良く分からなかった。

理科「ま、まぁ気を取り直して今日も考えましょうよ、友達の作り方!」


友達の作り方は? >>156

部活を作ろう

小鷹「……やっぱり部活がいいんじゃねえかな」

理科「じゃあ理科部を!!」

小鷹「い、いや、別に俺らで作る必要もねえだろ。何とかどっかに入れてもらえれば……」

理科「先輩、この時期に『友達が作りたいから』なんていう理由で入ってくる人を歓迎する部活がどこにあるんですか」

小鷹「……だよなぁ」

理科「ほらほら、理科部を作るしかないじゃないですかぁ……」ニヤニヤ

俺もそれしかないように思えてきたが、このニヤケ顔を見ているとどうも躊躇してしまう。

小鷹「でもさ、確か顧問を付けなきゃいけないんだろ? 誰かあてがあるのか?」

理科「それは……」


どうする? >>160

学校買収

理科「学校を買収します」

小鷹「何言ってんのお前!?」

理科「ふふ、冗談ですよ。厳密には少し違います」

小鷹「へ……?」

理科「まぁ見ていてください☆」

理科はウインクすると、軽い足取りで部屋から出ていった。
嫌な予感しかしない。


数分後。


理科「部活設立の申請通してきました!! 小鷹先輩もちゃんと部員として書いときましたよ!!」

小鷹「はやっ!? え、どうやったんだよ!?」

俺は目を見開いて驚く。
まさか本当に買収したんじゃないだろうな。
一応発明家なだけに金は持っていそうなので、マジでありえそうだから困る。

理科「部活を認めてくれなければこの学校を出ていくと言いました」

小鷹「それで通るの!?」

理科「はい、理科は学校側から頼まれて在籍しているので」

小鷹「ま、マジかよ……」

理科「はい。これでも理科、企業とかに技術提供とかしているんですよ?
   つまり、学校にとって価値のあるこの身を使って買収したというわけです。やらしい意味ではなく」

小鷹「…………」

俺は理科を敵に回すことの危険性を理解した。

理科「というわけで、さっそく部員募集のポスターを貼りに行きましょう!」

小鷹「ぶ、部員募集!?」

理科「はい、そりゃ二人っていうのもちょっと寂しいですし」

小鷹「そ、そりゃそうだけど……俺がいるのに入ってくれんのかな」

理科「ふふふ、そこは隠蔽してしまえば問題ねえですぜダンナ……」

小鷹「くくく、お主も悪よのう…………じゃねえ!!! それ詐欺じゃねえの!?」

理科「本当のことをいくつか言わないだけですし、嘘ついてるわけじゃないので詐欺じゃありません」

小鷹「ごめん、そのセリフが既にすっごく詐欺師っぽい…………」

理科「もう、細かいこと気にしすぎですよ! とにかく、ポスターの文面考えますよ!!」


何て書く? >>167

おんなの人募集!
まー気楽にいこうや
えらそうな事は抜きで
らっぱでも吹こうぜ
こま遊びもいいね
いらっしゃい!

数分後。


理科「よし、完成です!」

小鷹「待て待て待て待て!!」

理科「どうしたんですか?」キョトン

小鷹「いや、もう突っ込みどころが多すぎて分かんねえよ!!」

理科「私は何かの化物ですか。私に突っ込みどころなんて基本的に二つしかないでしょう。
   小鷹先輩がマニアックな人なら他にもあるかもしれませんけど」

小鷹「まず、一行目! 何で女の子限定?」

理科「し、下ネタをスルーされるのは結構キツイんでやめてもらえませんか?
   えーと、一行目ですね。小鷹先輩がハーレムを形成する助けになるかと思って」

小鷹「俺が作りたいのはハーレムじゃなくて“友達”だ!!!」

理科「な、なんだってー!!」

小鷹(コイツ、殴りてえ……)

小鷹「あと、コマとかラッパとか何するのか全く分かんねえ!!」

理科「ふふふ、小鷹先輩、これは縦読みなんですよ」

小鷹「なん……だと……?」

おまえらこい

小鷹「こんなんで来るかああああああああ!!!」

理科「大丈夫ですよ、この文面の隣に小鷹先輩の顔写真つけますから」

小鷹「脅迫じゃねえか!!」

理科「それは冗談ですって。まぁ、とにかくこれで大丈夫です! 理科を信じてください!!」

小鷹「あ、おい!!」

理科はポスターを持って部屋から出ていった。


【数時間後・理科室】


理科「ぐぬぬ、おかしい。何で誰も来ないんですか……!!」

小鷹「アレで来ると思っていた方に驚きだよ」

案の定ポスターを貼ってからこの部屋を訪ねるものはいない。
まぁそもそも貼った時間も遅かったので、そこも問題があるのだろうが。

小鷹「まっ、今日は諦めようぜ。もう遅い時間だしさ」

理科「理科は誰かが来るまでここに居ます!!」

小鷹「……それはたぶん警備員さんだろうな」

俺「すいませーん、ポスター見てきたんですけどー」


俺がそんな事を言って部屋を出ようとした時。


コンコン


ノックが聞こえた。


理科「き、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

小鷹「え……う、嘘だろ?」

理科「ほらほら先輩! ドアの近くに居るんですから出てくださいよ!」

小鷹「そ、それはまずくねえか!? だって、ほら、いきなりこんな顔が出てきたら……」

自分で言ってて虚しくなってくる。

理科「そこは営業スマイルで乗り切るんですよ! ほらほら!」

小鷹「わ、分かったよ!!」

俺は一度深呼吸する。
そして。



ガラガラ!!


小鷹「はぁーい、入部希望者ですかぁ?」ニタァ


誰が来た? >>176

俺(おまいら)

ダメならケイト

よぞら

残念だがまぁいいチャンスはいくらでもあるはずだ


夜空「……何だその珍妙な顔は」

小鷹「ち……ッ!? た、ただ笑ってるだけじゃねえか!!」

夜空「お前はそう思っているのかもしれないが、世間一般的に言えばそれはただの“恐ろしい顔”だ」

小鷹「…………」ズーン

こうやってハッキリと目を見て言われると凹む。

小鷹(……ん、目を見て?)

夜空「今度はなんだ」ムスッ

小鷹「あ、いや……悪い何でもない」

何かに違和感を覚えた気がするが、とりあえず気のせいということにしておく。

小鷹「それでお前……三日月夜空、だよな? 同じクラスの」

夜空「あぁ、その通りだ。で、君は誰だったかな」

覚えてねえのかよ。

小鷹「羽瀬川小鷹……です」

夜空「ふむ、それでは小鷹。友達の居ないお前がこんな時間にこんな所で何をしている? レイプか?」

小鷹「ちっげえよ!! 俺は理科部の部員だ!!!」


夜空「部員……お前が、理科部の?」

小鷹「あぁそうだよ」

夜空「……そうか、クスリはそうやってここで作っていたのか」

小鷹「んなモン作ってねえ!!!」


理科「もう、何をそんなに怒鳴ってんですか先輩」ヒョコ


いつまでもそうやっている俺に痺れを切らしたのか、理科もドアの前までやって来た。
その瞬間、なぜか元々不機嫌そうな夜空の顔がさらに不機嫌になる。

夜空「……む」

理科「あっ、入部希望者の方ですよね!? 歓迎しますよ、私は――」


夜空「お前は小鷹のなんだ」


理科「――え?」

友達だろう?

小鷹「あぁ、コイツは……」

夜空「私は小鷹じゃなくコイツに聞いているんだ」

そんな夜空の言葉に、理科もムッとする。

理科「……私は理科部の部長です。つまり、小鷹先輩とは部員と部長の関係ですね。
   そういうあなたこそ、何なんですか? 小鷹先輩の事、名前で呼んでいるみたいですけど」

夜空「わ、私は――――ッ!!」

何かを叫ぼうとした様子の夜空。
だが、なぜか俺の方を見ると気まずそうに視線を落とす。

夜空「私は、小鷹のクラスメイトだ」

理科「へぇ、クラスメイト。でもただそれだけで名前呼びなんてするものですかねぇ?
   それに小鷹先輩は友達居ないですし、そういうわけでもないのでしょう?」

俺に友達が居ないのは事実だが、こうハッキリ言われるとそれなりにキツイ。

夜空「そ、それは……“はせがわ”より“こだか”の方が文字数が少ないからだ!」

理科「ふぅん、本当にそれだけですか?」

夜空「な、何が言いたい……!」ギリッ

理科「>>190

あなたは先輩を奴隷(労働)にしたいんでしょ

小鷹先輩のことすきなんじゃないですか?

夜空は帰って、どうぞ


理科「小鷹先輩の事、好きなんじゃないですか?」


夜空「なっ……ぁ…………!!///」カァァァ

一気に真っ赤になる夜空。

小鷹「お、おい、理科……」

理科「だってそうでしょう? まだ大して仲良くもなっていない人を名前呼びなんて。
   要するにあなたは小鷹先輩に一目惚れでもしたのでしょう?」

夜空「ち、ちが……ッ!!///」

理科「で、その反応、と。もうこれは――」

小鷹「理科、その辺で止めとけ」

俺は手を出して理科を制止する。
理科は少し驚いた顔でこちらを見てきた。

理科「……そうですか、小鷹先輩もこの人とはまんざらでもないんですね。
   そうですよね、普通に美人さんですし」

小鷹「あのな、この部の本当の目的はなんだよ?」

理科「……それは」

小鷹「お前も分かってるだろ? なら、ここでこんなに突っ掛かる理由なんてないじゃねえか」

理科「……理由はあるって言ったらどうしますか?」

小鷹「え……?」

理科「……いえ、何でもないですよーだ! 分かりました、小鷹先輩がそう言うならもう何も言いません」

理科はどこか拗ねたようにそんな事を言った。

小鷹「えっと、じゃあ三日月……さんは入部希望者って事でいいんだな?」

夜空「“夜空”」

小鷹「へ?」

夜空「私のことは夜空と呼べ」

小鷹「え、あー、女の子を呼び捨てにするのはなんか気まずいっていうか……」

理科「先輩、私の心は酷く傷つきました」

小鷹「ん? まぁ、理科は理科だしな」

理科「何ですかその投げやりな評価は!!」

夜空「と、とにかく、私は名前で呼べ! いいな!」

勝手に盛り上がっている俺と理科に割り込むように、三日月夜空がそんな事を言ってきた。
なぜか少し赤くなっている彼女に、俺は……。

小鷹「……分かったよ、“夜空部員”」

飯食ってシャワー浴びてくるわ

理科派でありケイト派の俺には辛い展開の予感

>>214
〆ようと思ったらこのザマかよ

くそっ


とりあえずその日はもう遅いということもあって、すぐに解散になった。
ともあれ、まずは友達作りの第一歩を踏み出せた、のだろうか?


【次の日の朝・教室】

俺が登校すると、夜空は既に席についていた。
それを見て少し考える。

小鷹(……一応同じ部の仲間だし、挨拶とかってした方がいいのかなぁ?)

もちろん、俺も転校したての頃はできるだけ挨拶をするように心がけた。
挨拶は友達作りの基本だというのを、以前に本で読んだのだ。
だが結果は無残で、俺に挨拶された者は一応返してはくれるのだが、明らかに怯えていた。
酷い時には財布を差し出す者もいたくらいだ(まぁそれは俺の目覚めが悪くて酷い目付きだったせいみたいだが)。

そんなわけで今ではもう挨拶もしなくなってしまった俺だが、ここにきて悩む。

小鷹(そういやクラスで夜空と話すのは初めてだな……やばい、緊張してきた)

実のところ、授業以外でクラスメイトと話すというのが俺にとって極めて珍しいことなのだが。

小鷹(夜空のやつ、なんか朝機嫌悪そうだし、無視されるってのも……。あー!! 悩みすぎだろ俺!!)


どうする? >>228

夜空はほっといて理科室行こう

理科に会いに行こう

話しかける

>>226
お前とは美味い酒が飲めそうだ

なぁ・・・現実って残酷だな・・・


小鷹(……よしっ!!)

俺はバチンと両頬を叩いて気合を入れると、夜空の方へ歩いて行く。


小鷹「よ、よう夜空。おはよう」


教室がざわつくが、気にしない。
いや、気にしている余裕が無い。
俺はじっと夜空を見て返事を待つ。

夜空「……おはよう」

ただ一言。
こちらも見ないで、素っ気ない言葉だったが。

なんだか、すごく嬉しかった。

小鷹「え、えっと! まぁ、今日も一日頑張ろうぜ! じゃあな!」

夜空「あぁ」

ただ挨拶のことだけで、その後の言葉なんか何も考えてなかった俺は、慌ててそれだけ言って席につく。
なぁ、一応は挨拶成功だよな? いや、挨拶に成功もクソもないと言われればそれまでなのだが。


その後、夜空の耳が赤くなっているというクラスメイトの言葉が聞こえたような気がしたが、確認する頃には彼女は机に突っ伏していた。

【昼休み・教室】

またもや俺は悩んでいた。
ズバリ、夜空を飯に誘うかどうか。

夜空がいつも一人で昼食をとっているのは俺も知っていた。
だから、同じ部活の仲間として、ここは一緒に食べようと言うべきではないのか?

小鷹(理科室で理科と一緒に……とか)

俺はゴクリと生唾を飲む。
一人じゃない昼食。なんという素晴らしい響きだろうか。

さて。


どうする? >>238

悩んだ末理科室にかけこんで理科にルパンダイブ


小鷹(いや待て、昨日今日でいきなり飯ってのはさすがに早いんじゃねえか?
   こういうのはもっと段階を踏んで……)

そこまで考えて俺ははっと気付く。

小鷹(そうだ、理科とはもう一ヶ月以上の付き合いじゃねえか! それなら一緒に飯を食っても問題ないじゃねえか!!)

というわけで理科室直行。
便所飯ならぬ理科飯だ。
……なんか卑猥な響きだというのは気のせいだろう。

そういえば、なんか夜空がこちらをチラチラ見ていた気がするが、気のせいだろうな。


【理科室】


小鷹「理科ああああああああああああ!!!」ガバッ!!


ドカッ!! バキッ!! ドゴッ!!


迎え撃つはいつものナインライブス・ブレイカー。


理科「先輩、今日は何の真似ですか?」

小鷹「い、いや、女の子に対する挨拶ってので、ルパンダイブってのを見たことあるから……」

幸村はない ケイトだろ

理科「……まぁそれも挨拶っちゃ挨拶ですけど」

小鷹「そうだろ!?」

理科「そ、それでも、理科にだってその、心の準備っていうのが……///」モジモジ

小鷹「ん、何だ心の準備って」

理科「……あぁ、意味まで分かってないんですか」

なぜか理科はジト目を向けてくる。

小鷹「え、えっと……」

理科「それで、何の御用ですか? 理科はこれからご飯にしようと思っていたんですけど」

小鷹「あー、その、一緒に飯食おうぜ!」

理科「なんだ、そんな事ですか。いいですよ」

小鷹「ほ、ホントか!?」

理科「何をそんなに驚いているんですか。別にそれくらい構いませんよ」

理科は何でもなさそうにそう言うが、どこか嬉しそうでもあった。

それから、俺と理科は適当な事を話しながら一緒に飯を食った。
これだけ昼休みが短く感じたのは初めてだった。

いい調子だ

【放課後・教室】

授業が終わった後、俺は夜空の方へ向かう。

小鷹「夜空、今日も部活行くだろ? 一緒に行こうぜ」

夜空「あ、あぁ……」

夜空は意外と素直についてきた。口元をモニュモニュさせながら。
クラスのどっかから、『ついにクラスメイトの女の子にまで手を出すのか!?』という声が聞こえたような気がしたが、気にしない事にした。


【理科室】

俺達は部屋の中央にある大きめの机の側に椅子を寄せてそれぞれ座る。

理科「それでは、新入部員の夜空先輩にはこの部の本当の目的を話さなければいけませんね!」

夜空「どうせ、友達作りといったところだろう」


理科「ど、どうしてそれを!!?」


夜空「友達の居ない人間がわざわざ部活まで作るんだから、大方そんなところだろう」フッ

やけに得意そうな夜空。
もしかして、彼女も同じ事を考えていたのではないか。

理科「う、うぐ……でも小鷹先輩はともかく、理科に友達が居るかどうかなんて夜空先輩には分からないじゃないですか!」

夜空「居るのか?」

理科「い、居ないですけど」

夜空「やはりな。同類は何となく分かるんだ」

何か嫌だなぁ、それ。

理科「と、とにかく、そこまで分かっているなら話が早いです! これから友達を作れる道具について話し合いましょう!!」

「「道具?」」

俺と夜空が思わずハモる。
夜空は顔を少し赤くして咳払いする。

夜空「……コホン。で、何で友達作りに道具が必要なのだ?」

理科「ふふ、ここは理科部ですよ? そして理科は天才発明家です! 何か友達ができるような道具を作ったほうがいいでしょう!」

小鷹「まぁ簡単に友達ができるんならここには居ないだろうしな」

俺の言葉に、夜空も理科も頷く。
……何だこの光景。

夜空「それなら、アレがいいだろう。ほら、目に紋様が浮かび上がって、自由に相手を操れるという……」

理科「ギアスですか。なるほど、それはアリですね」

いやねーよ


小鷹「アリじゃねえよ!! お前らそれで何するつもりだ!!」

夜空「それはもちろん、相手を操って友達になってもらうつもりだが?」

小鷹「それは友達じゃねえ!!!」

理科「……うーん、確かに良く考えてみると、友達って言うより奴隷って感じですね、それ」

夜空「なるほど……盲点だった」

よく気付いたなと言わんばかりに俺を見る二人。
二人共かなりの美少女のはずなのに、何でこんなに残念なんだろう。

理科「でも、それなら他に何かあります?」

小鷹「そうだな……」


どんな道具を作る? >>257

媚薬

小鷹「……媚薬、とか」

次の瞬間、夜空にハエ叩きでぶっ叩かれた。

夜空「この変態!! 死ね!!!///」

理科「ダメです夜空先輩! 小鷹先輩にはそれはご褒美です!!」

夜空「なっ……!! それではどうすればいいのだ……!!」ギリッ

小鷹「いやいや、冗談だからな!? 本気にすんなって!!」

夜空「冗談でもそんな事いう奴が居るか!!///」

小鷹「お、お前だって昨日レイプだとか言ってたじゃねえか!!」

夜空「レイプはいいんだ!! だが媚薬は卑猥だ!!」

小鷹「意味分かんねえよ!!!」


理科「…………確かに媚薬もありかもしれません」


「「えっ!?」」


俺と夜空がまたハモった。

理科「まず誰かに媚薬を使います。それで欲情した人とセックスします。
   するとあら不思議、簡単にセックスフレンドの出来上がりです!!」

小鷹「……なんということでしょう」

夜空「くっ、この部は変態しかいないのか!! セッ……フレンドなんて私は認めない!!」

理科「夜空先輩、そんな意地を張っている場合ではないですよ」

夜空「意地とかではなく、倫理的に問題だ!!」

小鷹「ま、まぁ、高校生が作るようなものではないな」

理科「甘いですね先輩方。世の中には高校生にだってセフレの一人や二人居るものなのですよ!!」

夜空「ば、バカな……!!」

理科「というわけでとりあえず作っちゃいます!!」

夜空「おいコラ待てやめろ!!!」


数十分後。


理科「完成しました」

小鷹「はっや!?」

理科「天才ですから」フッ

夜空「安西先生……コイツらをブタ箱にブチ込みたいです…………」

小鷹「俺も入ってんの!?」

理科「……で、完成したのはいいんですけど…………」

ここで、理科が何だか気まずそうにこちらを伺う。


理科「ぶっちゃけ、理科もこれはないな、と思い始めました」


夜空「作る前に気付けバカ!!!」

すかさず夜空が突っ込む。
俺より早いとは驚いた。

小鷹「……で、どうすんだよそれ」

理科「……どうしましょう」



どうする? >>266

学校にばら撒く

理科「仕方ありません、学校にばらまきましょう」

夜空「あぁ、捨てるしか…………は!?」

夜空がギョッとして理科を見る。

理科「何か?」

夜空「何か? じゃない!! そんなものを学校にばらまけばどうなるか分かっているのか!?」

理科「多分そこいらで乱交パーティーですね。そうだ、ビデオ撮りましょうか? いいAVが撮れそうです」

小鷹「おい待てやめろ。それバレたら廃部じゃすまねえから」

理科「……小鷹先輩。“バレなきゃ犯罪じゃないんですよ”」

夜空「だからやめろと言っている!! だいたい、そんな少量じゃばら撒くなんてできないだろう!!」

理科「あ、そこは大丈夫ですよ。これ空気中に散布して、それを吸い込めばオーケーなので。
   これくらいの量でもこの学校全体くらいなら余裕です」

えっへんと胸を張る理科。

小鷹「空気中からとか質悪すぎるだろ……」

理科「まぁ理科だからこそ作れる代物ですね」

夜空「それなら一発でお前の仕業だとバレるだろうが!!!」

理科「…………確かに」

理科「こ、困りましたね……」

理科は青ざめる。
ここまで動揺するものだろうか?

夜空「まったく、だから学校にばら撒くなんてやめて捨ててしまえばいいんだ」

理科「いや、あの、そのぉ……」

小鷹「どうした?」

理科はモジモジと居心地の悪そうにしている。
何か、とてつもなく嫌な予感がする。


理科「…………実はもう、ばら撒いちゃってたり」テヘペロ


空気が凍った気がした。
そして、数秒後。


「「テヘペロじゃねええええええええええええええ!!!!!」」

どうやら理科が持っていた容器は最初からダミーのようで、本物は既に排気口を利用して散布済みという事らしい。
俺と夜空はすぐに理科に他の部屋の映像をパソコン上に映させる。
元々こうやって乱交の様子を観察するつもりだったらしい。

とりあえず2年5組を映させると、そこには何人かの男女が居た。

男子『……あぁ』

女子『ああああ…………』

初め見た感想はゾンビ? だった。
理科いわく、ちょっと効果が強すぎたとか何とか。
だが、確実に……その、アレを行おうとしている。

具体的にはお互いの服を脱がせようとしていたり。

小鷹「おい理科何とかしろおおおおおおお!!!」

夜空「貴様、これは冗談では済まないぞ!!」

理科「わ、分かってますよ!! 理科も今考えています!!」

そうこうしている内に、画面上の男女はどんどんあられもない姿になっていく。
夜空はもう画面を直視できないでいた。



どうする? >>279

そのまま乱入

理科「し、仕方ありません! こうなったら乱入して実力行使で直接止めます!!」

そういって理科が取り出したのは、ナインライブス・ブレイカー。
一度俺を気絶までさせた代物だ。

小鷹「お、おい待てよ! 今こんなとこ行ったら……!!」

理科「元々は理科のまいたタネです。これは理科の責任です」

……うん、まったくもってその通りなんだけども。
けど、元々それを冗談とはいえ提案したのは俺なわけで。


理科「――では先輩、無事帰ってきたら結婚しましょう」グッ


そんなふざけた事を言って親指を立てて部屋を出ていく理科に、俺は。


小鷹「あからさまな死亡フラグ立ててんじゃねええええええええ!!!」


そんな事を叫ぶしかなかった。

パソコンの画面を見ていると、志熊理科がとある教室に到着したところだった。
案の定、ここもヤバイ雰囲気が漂っている。
男女あわせて10人くらいだろうか。明らかに男子のほうが多いが、これは放っておくとどうなってしまうのだろうか。

ちなみに夜空は顔を真っ赤にして耳をふさいで俯いている。

理科『みなさん、すみません! ここで気絶してもらいます!!』

男子『ああああああ!!!』

小鷹「理科!!!」

俺は思わず叫ぶ。
男子学生は迷わずに理科に襲いかかった。おそらく性的な意味で。

しかし。


ドガガガガ!!! と。


いつも理科が俺を撃退するのに使っていたあの球体が男子学生に全弾命中した。
しかも股間に集中的に。

「う、うわぁ……」

思わずゾッとする俺。
男子学生は当然のごとく気絶した。

理科はその調子で次々と他の生徒も沈めていく。
俺は、戦う女子高生科学者ってカッコイイなぁ……なんて事も思い始める。

この調子なら何とか事態を収集できるのではないだろうか、そんな希望も見えてきた。


>>292の投稿時間のコンマ以下の部分が
00~49→理科敗北
50~99→理科勝利

うどん

理科も俺と同じようにいけると思ったのだろう。
その一瞬の油断が命取りとなった。

ガシッと、後ろから伸びてきた腕に理科が捕まった。

理科『きゃ……!!』

倒したと思っていた男子生徒の一人が復活していた。
その隙に、他の男子……そして女子までが理科に近づいていく。

男子『あーあー…………』

女子『ああああああ!!』

まさにバイオハザードか何かのワンシーンのようだ。
だが、ここから先は別の意味で年齢制限がかかるシーンになりそうだ。

理科『やめて! 理科に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに!』

ここにきてこういうネタが言えるというのも大したものだ。
だが、放っておく訳にはいかない。

小鷹「くそ……理科!!!」



どうする? >>302

理科を助ける



小鷹「どうするか……だって?」

そんなの、決まってんじゃねえか。
アイツのお陰で俺は救われた。
アイツのお陰で俺にも居場所ができた。

アイツの笑顔がもっと見たい。
アイツのバカみたいな発明がもっと見たい。

アイツと……もっと一緒に居たい。


小鷹「夜空、ここは任せた!! 俺はアイツを助けに行く!!!」


夜空「なっ……小鷹!?」


夜空の声には振り返らず。
俺はただ、走る。
今までにないくらいに、必死に走る。


小鷹「理科あああああああああああ!!!!!」

理科の居る教室に飛び込むと、視界に今にも服を剥がれそうになっている理科が目に入る。

小鷹「何してんだお前ら!!!」

俺はありったけの力を込めて殴り、理科を抑えている生徒を倒す。
まさかこんなところで、今までのケンカの経験が生きるとは思わなかった。
この髪のせいで、俺は絡まれることが多かったのだ。

……といっても、今俺に殴られた生徒達は実は被害者でしかないのだが。

理科「せ、先輩!!」

小鷹「理科、無事か!?」

俺はすぐに理科の安否を確認する。
良かった、どうやら何もされていないようだ。

理科「でも、先輩……どうしてこんな危険な所に……。元々は理科の責任なのに…………」

そうやって俯く理科に。
俺は、


小鷹「――誰かを助けるのに理由がいるかい?」


とっておきの決め台詞を言ってやった。

理科はぼーっとした表情で俺を見る。
そして。


理科「……正直、理科はFF9は駄作だと思います」


そんな事を言いやがった。

小鷹「なっ、はあああ!? お前、ここでそれ言う!?」

理科「だって、取ってつけたかのように最後にクリスタルの設定ねじ込んできたり、
   何の脈絡もなくラスボスでペプシマンが出てきたり、酷いじゃないですか」

小鷹「な、なんだと!? さてはお前、8が好きっていう恋愛脳か!?」

理科「り、理科の前で8をバカにするのは許しませんよ!! あのストーリーが分からないなんて可哀想ですね!!」


男子「ああああああ!!!」

女子「あー!!!」


小鷹・理科「「うるさい!!!」」


ドカッ!!! バキッ!!!



理科「まったく、こんな場所ではろくに話も出来ませんね。
   とりあえずこの問題を何とかしてから8と9、どちらが優れているか話しませんか?」

小鷹「同感だな。よし、じゃあさっさと片付けるとすっか!!」


こうして、俺と理科で片っ端から校内に残っていた生徒及び教員を気絶させて、事態は何とか収集した。


そして次の日、クラスには「羽瀬川小鷹か昨日校内に残っていた先生及び生徒を半殺しにした」という噂が流れた。


俺は、停学になった。


【朝・羽瀬川家】

小鳩「ククク、その膨大なる魔力が時折暴走するというのは我も知っておる。
   しかし、あまり目立つのは感心せぬな我が眷属よ」

小鷹「……すみません」

小鳩は口ではこう言っているが、どう見ても心配している様子だ。
すると、耐え切れなくなったのか、ついに小鳩が泣きだした。

小鳩「もう……こんなんやめといてや、あんちゃん」グスッ

小鷹「分かった……ごめんな」ギュッ

俺はただその小さな体を抱いて頭を撫でてやる事しかできなかった。

小鷹(妹にこんだけ心配かけるなんて、どんだけダメ兄貴なんだよ……)


【昼・羽瀬川家】


家には俺しかいない。小鳩はあの後何とか学校に行ってくれた。
やることがないわけではない。
停学中の課題はもちろん出されており、毎日やらないと終わる量ではない。

俺はとにかく机に向かって、一心不乱に課題を解いていく。
まるで罪を償うかのように。


その時、家に電話がかかってきた。


小鷹「……?」


小鷹は首を傾げて、部屋を出て階段を降りる。
学校の担任からだろうか。


小鷹「はい、もしもし?」


誰からの電話? >>325

理科

理科『こんにちは、先輩。愛しの理科です』

小鷹「なんだ理科か。よくウチの番号知ってたな」

理科『す、スルーですか。まぁ、そこは聞けば何とかなりました』

小鷹「個人情報保護は厳しくなったんじゃねえのかよ……」

理科『も、もしかして迷惑でしたか? その、すみません』

小鷹「あぁいや、そんなわけねえよ。俺もちょっと滅入ってたから、お前の声聞けて安心したよ」

理科『……先輩って急にとても恥ずかしいこと言いますよね』

小鷹「言うな。俺も今そう思ったところだから」

俺は居心地の悪さを感じて髪をいじる。

理科『えっと、先輩。今回は本当に申し訳ありませんでした』

小鷹「へ?」

理科『だって、理科の責任なのに、結果的に先輩が全部かぶったような形になって……』

小鷹「……あー、気にするなよ。部の不始末だし、お前だけじゃなくて俺や夜空にだって責任はあるって」

理科『……ふふ、それ夜空先輩が聞いたらブチギレますよ』

小鷹「はは、そうかもな」

理科『夜空先輩といえば、今朝理科室に来て「小鷹への連絡先を知らないか」って聞きに来ましたよ』

小鷹「え……そんなの連絡網でも出せばすぐ分かるんじゃ……」

理科『最近は個人情報も厳しく取り扱われるようになりましたからね。そういうのもなくなってきているんじゃないですか?
   もしくは、その連絡網の前後の人と教師の連絡先しか教えられないようになってるとか』

小鷹「ふーん、そういうもんかねえ。けど、夜空がそう言ってくるのは意外だな」

理科『そうですか?』

小鷹「あぁ。たぶん怒って連絡とろうとなんて思わないってのが夜空らしいっていうか」

理科『そんな事ないですよ。夜空先輩、小鷹先輩の事好きですし』

小鷹「お前はまーだそんな事言ってんのかよ」

理科『まっ、鈍感な先輩には分からないでしょうね』

小鷹「はいはい……んじゃ、俺、そろそろ課題やらねえといけねえから、そろそろ切るぞ?」

理科『……あ、あの先輩!』

小鷹「ん?」

理科『えっと……その…………』


理科『>>334

遊びに行ってもいいですか

理科『遊びに行ってもいいですか』

理科の言葉が脳に届くまで数秒かかった。

小鷹「え、ウチに!? でもお前学校は!?」

理科『あれ、言ってませんでしたっけ。理科はVIP待遇なので、授業は受けなくて良いんです』

小鷹「マジか……」

理科『で、どうでしょう?』

小鷹「い、いや俺は課題やらねえといけねえからさ……」

理科『それなら理科も手伝います。理系科目は任せて下さい!! 必要とあれば保健体育も!!』

小鷹「保健体育はねえよ!! …………んー、でもな」

理科『先輩、今回の件は理科に責任があります。先輩の課題を手伝うくらい当たり前ではないですか?』

小鷹「……分かったよ。今から来るのか?」

理科『はい!!』

小鷹『じゃあ住所教える。えっと――』


こうして、理科が課題の手伝いに来る事になった。

それから少しして、理科がやって来た。
服はいつもの制服の上に白衣というものだが、髪型がサイドテールに変わっている。

理科「おじゃまします!」

小鷹「おう、部屋は上だから先行っててくれ。俺はお菓子とか何か飲み物とか持って行くから」

理科「……その余裕、やましい本などは既に隠し終えた後ですね?」

小鷹「あぁそうだよ文句あっか!!」

いとも簡単に見破られ、半ばヤケクソ気味に言い返す。
理科は楽しげに微笑むと、2階へ上がっていった。


俺が麦茶とお菓子を持って部屋までやってくると。
机の上に、俺の秘蔵コレクション(エロ本)が並べられていた。

小鷹「お前何やってんの!?」

理科「ふふ、甘いですよ先輩。こんなの、理科からすれば隠した内に入りません。やっぱり今時はデータ化するべきですよ」

小鷹「く、くそ……!!」

俺は羞恥心に顔を火照らせながら、コレクションを回収する。

理科「にしても、先輩は趣味がハッキリしませんね。黒髪から金髪。短髪から長髪。
   貧乳から巨乳。幼女から熟女。日本人から外人ってよりどりみどりじゃないですか」

小鷹「ほっとけ!!!」

理科「はいはい、では先輩のエロ本の話はここまでにして。
   先輩、今の理科を見て何か言うこととかありませんか?」

小鷹「何か言うこと?」

理科は上目遣いでこちらを伺ってくる。

理科「はい……ぶっちゃけ、理科が言う前に気を利かせてほしかったのですけど……まぁ先輩にそこまで求めるのは酷でしょう」

何だかバカにされたような気がする。

小鷹(うーん、何か言うこと……)


小鷹「>>344

すごいエロイぞ

小鷹「すごいエロいぞ」

理科「エロっ……ええ!? 理科的には可愛い路線を狙ったつもりなんですけど!?」

小鷹「いや、だってエロいもんはエロいし仕方ないだろ」

そう言って俺は理科に近づく。

理科「ま、待ってください先輩。理科にも心の準備というものが……!!///」

小鷹「理科なら……分かるだろ?」

理科「せ、先輩///」


小鷹「数学のここの問題教えてくれ!!」


そう言って、俺は手に持ったプリントを理科の前に出した。


理科「は??」

数時間後、理科の助けもあって理系の課題はほとんど終わらせることができた。
しかし、理科は何やら不機嫌そうだ。

小鷹「サンキュー理科! ホント助かった!」

理科「……では先輩、先程理科のことエロいって言ったことに対して何かどうぞ」

小鷹「え、俺そんな事言ったか?」

理科「やっぱりてきとーに言っただけですか!!! 期待したのが間違いでしたよ!!!」

小鷹「?? まぁとりあえず休憩でもすっか。何かゲームでもやるか?」

理科「そうですね……」



何する? >>352

ポッキーゲーム

理科「ポッキーゲームしましょう!」

小鷹「は、はぁ!?」

理科「あれ、先輩知らないんですか? 友達の家に遊びに行く時は、みんなポッキーゲームするんですよ。
   今の内に練習してみるのもいいじゃないですか!」

小鷹「そ、そうなのか!?」

初耳だ。
友達の居ない俺には、ポッキーゲームとはカラオケとか王様ゲームとかのノリでやるものだと思ってた。

理科「では始めますよー」パクッ

理科はポッキーの端をくわえる。
待て待て待て。

小鷹「何でポッキー用意してんだよ! 始めからやるつもりだったのか!!」

理科「当たり前じゃないですか。ほら、小鷹先輩も」

小鷹「……わ、分かったよ」

渋々俺も反対側をくわえる。
こうして実際にやってみると……近い。
お互いの顔の位置が、ありえないくらい近い。

理科「んっ……」

理科は動揺している俺を気にせずにどんどんポッキーを食べていく。

俺も負けじと食べていく。
しかし、このままでは。

小鷹(ま、マジでその……キスしちまうじゃねえか!!)

焦る。
人生でベスト5に入るくらい焦る。
ちなみに1位は教室で強烈にウンコがしたくなった時だ。

近い。
理科の顔がすぐ、近くにある。



どうする? >>359

むしろこのまま



チュッ


小鷹「!!!」


俺はバッと離れる。
やってしまった。
少し触れただけだったが……今のは、どう考えても…………。


理科「キス……しちゃいましたね///」

小鷹「い、言わなくていい!!」


顔が熱い。
理科の方も真っ赤だ。

それから他のゲームもやったが、ずっと二人はどこかぎこちない様子だった。

ダメだ眠いおやすみ

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