P「アイドルとは恋愛関係にはなれない…とか無理」(240)

小鳥「えっ?」

P「正直、あんな可愛い女の子達に慕われて…」

P「それを『俺はプロデューサーだから恋愛関係は無理』って無碍にするとか…」

P「それこそ無理だって話ですよ」

小鳥「それは確かに」

小鳥「えっ、でもそれって…」

小鳥「本命の子がいるってことですか?」

P「問題はそこなんですよ」

小鳥「えっ?」

P「みんな違って、みんな良い」

小鳥「女の子達が魅力的過ぎて選べないと?」

P「そうなんですよ」

小鳥「なんと」

小鳥「節操無いですね」

P「でも、すぐに一人を選べって無理でしょ?」

小鳥「私とかどうですか?」

P「魅力的な「女の子」が多過ぎて…」

小鳥「そうですね」

小鳥「でも、それなら美希ちゃんで良いんじゃないんですか?」

小鳥「あの子だけはストレートに想いを伝えてきてますし」

小鳥「すぐにでも恋人になれますよ」

P「小鳥さん」

小鳥「はい」

P「そんないい加減な気持ちで恋人選びなんて最低だと思うんですよ」

小鳥「そうですか」

小鳥「じゃあ、どうするんですか?」

P「それがわからないから、こうして相談してるんです」

小鳥「だから美希ちゃんで良いんじゃ?」

P「だから、そんな適当に決めちゃ美希に失礼ですってば」

小鳥「そうなんですけど、なんか腑に落ちませんね」

小鳥「じゃあ、こういうのはどうでしょう?」

P「なんでしょう?」

小鳥「女の子達と恋人になった時の妄想をしてみるんです」

P「小鳥さんの十八番ですね」

小鳥「ええ、毎日お世話になってますプロデューサーさん」

P「でも、それ良いですね」

P「やっぱり恋人関係になるからには」

P「二人ともずっと幸せでありたいです」

小鳥「本当に好きなんですね、みんなのこと」

P「でも、浮気はしたくないんです」

小鳥「想う気持ちだけは立派ですね」

小鳥「じゃあ、誰からにします?」

P「見た目だけなら響は一番のストライクです」

小鳥「じゃあ、響ちゃんで」

P「わかりました」

P「……」

P「…ダメでした」

小鳥「なんと」

小鳥「決断、早かったですね」

P「いや、恋人をすっ飛ばして夫婦関係を妄想してみたんですよ」

小鳥「飛躍してますね」

P「明るく笑顔の絶えない家庭になるだろうなって思ったんです」

小鳥「最高じゃないですか」

P「でも、ハムスターや犬はともかく」

P「ワニはダメかなと」

小鳥「…なるほど」

P「だって、ワニって噛むとやばいですよ」

小鳥「やばいですね」

P「響や子どもを残して死ねません」

小鳥「噛まれるのを想定すると、ということですか」

P「妄想で速攻で噛まれました」

小鳥「じゃあダメですね」

小鳥「じゃあ、次は誰にしましょう?」

P「伊織も見た目はかなり好みです」

小鳥「髪の毛はロングの方が好みなんですか?」

P「そういうわけでは無いんですが好みです」

小鳥「そうですか」

P「とりあえず妄想してみます」

小鳥「はい」

P「……」

P「…ダメでした」

小鳥「なんと」

小鳥「どうしてですか?」

小鳥「伊織ちゃんなら逆玉ですよ?」

P「だからこそですかね」

小鳥「その心は?」

P「財政に余裕は出来ます」

P「でも、そのせいで人としてダメになる気がする」

小鳥「なんと立派な」

小鳥「お嫁さんのヒモになる気はございませんと?」

P「ええ」

P「俺、この仕事好きなんですよ」

P「だから、俺はこの仕事を好きなままでいたい」

P「伊織と一緒になると、どうしても…」

小鳥「そうですね」

小鳥「伊織ちゃんからツンが無くなって」


伊織『仕事なんて辞めて、毎日一緒にいましょ///』


小鳥「こんな妄想でもしましたか?」

P「そんな妄想になりました」

小鳥「次はどうするんですか?」

P「そうですね…」

P「亜美と真美で」

小鳥「セットですか」

P「ペットショップに行きます」

小鳥「はい」

P「可愛い子ウサギが2匹同じケースに入ってます」

小鳥「2匹とも連れて帰りたいですね」

P「でしょ?」

小鳥「でも、プロデューサーさん」

P「なんでしょう」

小鳥「浮気はしないんじゃないんですか?」

小鳥「双子とはいえ二人は別々の女の子です」

P「却下で」

小鳥「セットじゃないとダメなんですね」

小鳥「じゃあ、次は誰ですか?」

P「雪歩なんて、どうでしょう」

小鳥「良いですね」

P「ちょっと待っててくださいね」

小鳥「はい」

P「……」

P「…却下で」

小鳥「なんと」

小鳥「お茶を美味しく入れられる女の子は良いお嫁さんになれますよ?」

P「それは身を持って体感してます」

小鳥「でしたら、なぜ?」

P「夢のマイホーム」

小鳥「建てたばかりなのに穴を掘られた」

P「まだローンが残っているのに…」

小鳥「とりあえず恋人関係すっとばして結婚してる前提の妄想なんですね」

小鳥「最初にそんなシビアな妄想をしちゃったら、もうダメですね」

P「俺は心身共に健康でいたいです」

小鳥「良い心がけです」

小鳥「じゃあ、雪歩ちゃんときたら次は?」

P「真ですかね」

小鳥「そうですね」

P「……」

P「…却下で」

小鳥「なんと」

小鳥「真ちゃんと一緒なら心身共に健康でいられる気がしません?」

P「しますね」

小鳥「だったら、どうして却下なんです?」

P「真と夫婦喧嘩とかになったら、どう思います?」

小鳥「なるほど」

小鳥「健康云々以前に死ぬかもしれないと」

P「その通りです」

P「嫁のDVで俺の命がヤバイ」

小鳥「なんか2ちゃんねるで、そんなタイトルのスレッド立ってそうですね」

P「小鳥さん、2ちゃんねる見てるんですか?」

小鳥「妄想にはもってこいの場所ですからね」

P「なるほど」

小鳥「カップル板とか純愛恋愛板とか」

P「悲しくなるだけなんで次、行きましょう」

小鳥「お気遣いありがとうございます」

P「そろそろリアルなところ攻めていこうと思います」

小鳥「ついにきましたか」

P「ええ、妄想も捗りますよ」

P「やよいとの恋愛関係ってやつは」

小鳥「ええ、リアルに犯罪ですからね」

小鳥「けれど、やよいちゃんが結婚出来る年齢になったら相当リアルですね」

小鳥「なんせ大家族の長女」

小鳥「お嫁さんとしてのスキルはMAX」

小鳥「そして、あの性格です」

小鳥「夫婦関係もパーフェクトコミュニケーション」

小鳥「本当にリアリティありますね」

P「でも却下で」

小鳥「なんと」

小鳥「どうしてですか?」

小鳥「非の打ちどころは私の妄想でも見当たりませんけど?」

P「確かにやよいとは良好な夫婦関係を続けていけると思います」

P「しかしですね」

P「やよいの兄弟達がみんな結婚して…」

P「子どもまで産んでしまったら…」

P「お年玉だけで俺のお小遣いがヤバイ」

小鳥「そんな見栄張って全員に1万円ずつ包むから」

P「よくわかりましたね、俺の妄想」

小鳥「慣れてますから」

P「やっぱり見栄って張りたいじゃないですか」

P「みんなから頼りにされたいんですよ」

小鳥「男の人って面倒な生き物なんですね」

P「ええ、本当に」

小鳥「けど、やよいちゃんが却下になると」

小鳥「今度こそ、ここから先はリアルな感じになってきますね」

P「ええ、妄想も捗ります」

小鳥「私もです」

小鳥「どこから攻めていきましょう?」

P「ここはあずささんで」

小鳥「いきなりラスボス討伐ですか」

P「もうラスボスを倒せるだけのレベルにはなってます」

小鳥「また見栄を張りましたね?」

P「はい、すいません」

小鳥「でも、実際彼女は性格はもちろんプロポーションも完璧」

小鳥「これはここで決まってもおかしくはないかな?」

P「……」

P「…却下で」

小鳥「なんと」

小鳥「あれですか」

小鳥「やっぱりロングヘアーの方が好みでしたか?」

P「いえ、ショートなあずささんも好みです」

小鳥「でしたら、却下した理由は?」

P「新婚旅行の妄想をしました」

小鳥「見つからなかったんですね?」

P「ええ、遠い彼方へ旅立ちました」

P「私を一人置き去りにして」

小鳥「国境を越えた迷子は流石に捜索困難ですよね」

P「ええ」

P「ただ、あずささんは迷子癖が無かったら正直大本命でした」

小鳥「でも、見た目は響ちゃんが好きなんですよね?」

P「迷子にならないワニを飼ってない見た目が響のあずささんって、いませんかね?」

小鳥「入れ換わりネタの妄想でしかいませんね」

P「無念です」

小鳥「現実を見ましょう」

P「ええ、お互いに」

小鳥「失礼しました」

小鳥「となると、次は…」

P「ええ、そうです」

P「ナイスプロポーション繋がりで貴音です」

小鳥「私、彼女の妄想が一番捗るんですよ」

P「色々と、とっぷしーくれっとですからね」

P「俺も貴音についての妄想をすることは多いです」

小鳥「恋愛関係の妄想もしました?」

P「もちろん」

小鳥「どうでした?」

P「却下でした」

小鳥「なんと」

小鳥「それはあれですか?」

小鳥「とっぷしーくれっとが多過ぎて不安、みたいな?」

P「いえ、そこは恋愛関係になったら貴音も色々と打ち明けてくれるだろうという期待の妄想は出来たんです」

小鳥「何がダメだったんですか?」

P「朝から晩まで、らぁめんで俺の栄養バランスがヤバイ」

小鳥「それに朝から、アブラは重いですよね」

P「そしてニンニク対処のブレスケアを忘れたら最後…」

小鳥「ていうか、最早ブレスケアでも間に合わないよう気がします」

P「貴音の好きな食べ物がまた違ったものだったら…」

P「可能性はあったかもしれないです」

小鳥「なるほど」

小鳥「例えば、甘いモノとか?」

P「そのフリはあれですか?」

小鳥「ええ、そうですね」

P「春香か…」

P「……」

P「…キープで」

小鳥「なんと」

小鳥「ついにキープがきましたか」

P「そうですね」

小鳥「その心は?」

P「春香はちょっとドジなところがあるけど…」

P「それ以外は普通の女の子なんですよね」

P「性格もひたむきで明るいし」

P「なんていうか普通って良いなと」

小鳥「理想を追求し過ぎてもダメ」

小鳥「わかります」

P「身を持って体験したと」

小鳥「はい」

P「普通に恋人になって」

P「普通に夫婦になって」

P「普通に生活をしていく」

P「これって幸せなことだと思うんですよね」

小鳥「それって当たり前にみえて実は難しいことですよね」

P「そう思います」

小鳥「でも、正直ちょっと妥協しちゃってません?」

P「……」

P「…却下にします」

小鳥「危険な男に惹かれる女性って増えてきてますよ」

小鳥「さて、そろそろ彼女の出番ですね」

P「千早ですね」

小鳥「春香ちゃんの親友繋がりってことで」

P「……」

P「……」

小鳥「今回は溜めてますね」

P「…却下ですね」

小鳥「なんと」

小鳥「結構考えましたね」

小鳥「でも、それって妄想じゃないでしょう?」

P「バレてましたか」

小鳥「ええ」

P「…千早は今の俺じゃ支えきれません」

小鳥「でも、千早ちゃんはプロデューサーさんのことを慕っていますよ?」

P「そうだとしても」

P「俺は彼女に見合う男にはなれません」

P「きっといつか俺以上の男が彼女のことを支えてあげてくれますよ」

小鳥「見栄を張ったり、自信が無いと言ったり」

小鳥「本当に男の人って面倒な生き物ですね」

P「千早を大切に想ってるからこそ…」

P「それじゃ理由になりませんかね?」

小鳥「それは私にはわかりません」

P「ですよね」

小鳥「ただプロデューサーさんが自信が無いと言うならば」

小鳥「千早ちゃんのことは幸せには出来ないと思います」

P「そう思います」

小鳥「千早ちゃんの前で言っちゃダメですよ?」

P「わかってます」

小鳥「これで、あと二人ですかね」

P「そうですね」

P「もちろん律子のことも好きです」

小鳥「プロデューサー同士」

小鳥「恋人、夫婦で同じ職」

小鳥「どんな妄想になりました?」

P「キープですね」

小鳥「なんと」

小鳥「これまたハッキリと」

P「プロデューサー同士です」

P「辛いこと悲しいことも」

P「同時に嬉しいことも」

P「分かち合えると思います」

小鳥「なるほど」

小鳥「ここでついに価値観の共有を持ってきましたか」

小鳥「これは恋人関係に当たってはかなり重要です」

小鳥「ついに決まっちゃいました?」

P「……」

P「…やっぱ却下で」

小鳥「なんと」

小鳥「これまた、どうして?」

P「俺はプロデューサーという仕事が好きです」

小鳥「はい」

P「同時に律子もプロデューサーという仕事が好きです」

小鳥「……」

小鳥「…なるほど」

小鳥「夫婦共働きは避けたいんですね?」

P「その通りです」

P「子どもを一人にしたく無いんです」

P「と言っても、律子にプロデューサーを辞めろ、だなんて言えません」

小鳥「子作りしなければ良いのでは?」

P「俺と嫁と子ども」

P「それで食卓を囲むのが夢なんです」

小鳥「なるほど」

小鳥「素敵な夢ですね」

小鳥「…となると」

小鳥「ふりだしに戻りますね」

P「美希…」

P「……」

P「…美希か」

小鳥「これ以上に無いぐらいに悩んでますね」

P「美希も明るく元気です」

P「そして愛情表現もストレートです」

P「バカップル、夫婦円満は確実ですね」

小鳥「それって幸せじゃないですか?」

P「でも、なんだろう…」

P「恋人っていう関係を持った時に…」

P「束縛が凄そう」

小鳥「あー」

小鳥「家庭も大事ですけど」

P「やっぱり仕事やプライベートな付き合いも大事かな、と」

小鳥「それに不満を持つ美希ちゃんを妄想しちゃったんですね」

P「はい…」

小鳥「……」

小鳥「プロデューサーさん」

小鳥「私、思うことがあるんですよ」

P「なんでしょう?」

小鳥「別に相手はアイドルじゃなくても良いんじゃないですか?」

P「その心は?」

小鳥「私とかどうですか?」

小鳥「ていうか、好きです」

小鳥「貰ってください」

P「ごめんなさい」

小鳥「…嬉し」

小鳥「……」

小鳥「えっ」

P「でも、そうですよね」

P「「アイドル」に捉われてっていうのはあります」

小鳥「じゃ、じゃあ」

P「ごめんなさい」

小鳥「えっ」

P「「アイドル」と恋愛関係になるっていうのに憧れていただけなんですよね」

P「だから冷静に考えれば」








P「春香なんて普通に最高じゃん」

小鳥「で、でも…春香ちゃんは「アイドル」ですよ?」

小鳥「そ、それにキープだったのも妥協をしてたからじゃ…」

P「「アイドル」という意味では妥協してたかもしれません」

P「春香って「アイドル」というよりは」

P「クラスメイトで仲の良い女子って感じですからね」

P「だけど」

P「それが最高なんですよね」

P「春香は普通に親しみやすい」

P「最高のトップアイドルです」

小鳥「…ぴよぴよ?」

小鳥「これっておかしくないですか?」

P「何がですか?」

小鳥「今までの流れだと」

小鳥「結局は事務員の私に落ち着くってオチじゃないんですか?」

P「ハッハッハ」

小鳥「何がおかしいんですか?」

P「小鳥さんも良い歳なんですから」

P「現実を見ましょう」

小鳥「とりあえず一発ぶん殴っても良いですか?」


おわり

P「というわけで好きだ、春香」

春香「でも見た目は響ちゃんが一番好みなんですか?」

P「更にあずささんの性格で迷子スキルが無ければ完璧だ」

春香「でも私なんですか?」

P「あぁ」

春香「……」

春香「妥協してません?」

P「ちょっとだけ」

春香「とりあえず一発ぶん殴っていいですか?」

春香「そのあと結婚しましょう」


BADCMMUNICATION END

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