【モバマス】薔薇の唇【TGA】 (46)

※モバマスのクールビューティー【東郷あい】のSSです

※少量のオリジナル要素を含みます

※なるべくキャラ崩壊はさけてますが、してたらごめんなさい。

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~都内某所~



P「ああ、あいさんここですよ」

あい「へえ…小さいが雰囲気のいい店だね。君がこんな落ち着いたバーを知ってるとは…失礼だが、少々意外だ」

P「ははは、大学時代の先輩に教えてもらっただけですよ。女ったらしの先輩で、良い女の子を捕まえると必ずここに来て口説くんですよ。そのせいで店の中で修羅場になって出禁になっちゃいましたけど」

あい「その先輩から教えてもらったのはお店だけかい?」

P「え…?あははは!やだなー女の口説き方なんて教えてくれませんでしたよ。さっそれじゃあ入りますか」

あい「フフッ、あれだけ大勢の女性をスカウトしていてよくそんな事言えるね」


あい「(君になら口説かれてみたい…なんて言えないか)」

P「あいさん何飲みます?」

あい「そうだね…バランタインの17年をストレートで」

P「え…!?大丈夫ですか?あいさんあんまり強くなかったんじゃ…」

あい「フフッ、今日はそういう気分なのさ」

P「はぁ…じゃあ僕はフォアローゼスをロックで。えぇ、黒いラベルの方でお願いします」

P「それじゃ今日は一日お疲れ様でした」

あい「P君こそお疲れ様」


カランッ


クィッ

グビッ

P「…あいさん、今日はホントどうしたんですか…?」

あい「……君に酔いたいだけさ」

P「…それ、あいさんが出てるCMの台詞ですよね」

あい「ふふふ…バレていたか」

P「あいさんって意外にお茶目なところあるんですね」

あい「そりゃあ私だって人間だからね。冗談を言うときもある」

P「それにしたって今日は変ですよ」

あい「人の事より自分の事を見直したらどうだい?ネクタイが曲がっているよ」

P「え?あれ?」

あい「ふふっ…ひっかかった」

P「なっ…もう…いいでしょう付き合いますよ」

あい「フッ、それはありがたい」

******************************





P「最近どうですか?お仕事とか」

あい「君も知っての通り順調さ。と言っても最近はCMやモデル仕事ばかりだから、たまにはみんなとライブもやりたいところだが」

P「そうですねぇ、あいさんの場合あんまり若い子と組ませると浮いちゃいますし、逆に年長組だと歌以外の仕事のオファーが多くて…」

あい「私だってまだ23だぞ?」

P「ええ、そうですけど…」

あい「君が望むのならもう一度メイド服を着てもいい。と言ったら?」

P「そこまでしてライブがやりたいんですか…というかああいう変化球はたまにやるからいいんです。」

あい「うーむ…」

P「むしろあいさんの場合、サックスが出来るのでそういった企画でもいいかもしれませんね」

あい「なるほど。しかし遠慮でも謙遜でも無く私の腕前では…」

P「だったらゆくゆくは、ですね。暦は長いんですよね?」

あい「ああ、高校生の頃からだから約8年か」

P「確か吹奏楽部で元々別のパートだったんですよね?トランペットでしたっけ?」

あい「ああ、そうだ……ちょっと待ってくれ、どうして君がそんな事を知っている…?」

P「あいさんのお母様から、先日電話で聞きましたよ」

あい「お母さんめ…」

P「あ、あいさんて母親の事『お母さん』って言うんですね。てっきり『かあさん』とか『おふくろ』とか言うのかと」

あい「君ねぇ…私をどんな女だと思っているんだ…」

P「え?『お母さん、私大人になったらジャズバーをやりたいんだ』って言っちゃう夢見る少女だと思ってますよ?」

あい「な…!?お母さん、そんな事まで話したのか…!?」

P「いやぁー『将来はお花屋さんになりたい!!』から随分渋くなりましたねぇ~」

あい「P君!!こらっ、止めないかっ…!!」

P「さっきからかわれたお返しです」

あい「いいだろうP君…覚えておきたまえ…」

P「小さい頃は泣き虫だった話をですか?」

あい「(ギロッ)」

P「…オーケー、その件は忘れます…」

あい「よろしい」

***************************




P「あいさんて福島出身でしたよね?」

あい「ああ、そうだが?」

P「訛ってみてくださいよ」

あい「なに?」

P「いや、東北弁丸出しのあいさんが見てみたいなーって思いまして。あっ、「とうほぐ」弁丸出しのの」

あい「君…人を田舎育ちと馬鹿にしてるね?」

P「いえいえ、そんな事は」

あい「断る」

P「でも、地元の友達と喋るときは訛るんでしょう?」

あい「そうだが…」

P「僕とあいさんの仲じゃないですか~」

あい「例え君が私の恋人でも断るね」

P「結婚してください」

あい「……お断りだ」

P「えー」

******************************





あい「ところでP君、吸わないのかい?」

P「え?あぁ、アイドル達の前では吸わないようにしているんですよ。副流煙は体に悪いですし」

あい「構わないよ。私は気にしない」

P「でも、せっかくのお洋服がタバコ臭くなっちゃいますよ?」

あい「構わないと言っている。それに君の方こそ本当は吸いたくて堪らないんだろ?」

P「…じゃあ、お言葉に甘えて…」ゴソゴソ

あい「素直でよろしい。…ああ待ちたまえ、私が点けてあげよう」

P「えっ、いいですよ。キャバクラじゃないんですから」

あい「いいからライターを貸すんだ。アイドルにタバコを点けてもらえるなんて役得じゃないか」

P「はあ…今日のあいさんは強引ですね…」

あい「フフフッ、さぁタバコをこっちに…ん…あれ?…随分硬いライターだな…」

P「ああ、これは突起を前に押しながら引くんですよ」

あい「ん?こ…こうか…?」

P「あーっとぉ…」

あい「(P君が私の手を…)」

P「ここをこうしながら…ほらっ」シュボッ

あい「……アイドルの手を握っているところを見られたら拙いんじゃないか?」

P「へ?…ああっ!!??ごごごめんなさい!!」

あい「いや、冗談だよ。さ、コツは掴めたから今度こそ」

P「は…はい」

シュボッ


P「スゥゥゥゥゥゥー……ハァァァァァ~…」

あい「ふふふ、随分美味しそうに吸うね」

P「はははっ、お恥ずかしながらさっきから随分我慢してましたからね」

あい「なら良かったよ。我慢も体に毒だからね」

P「すいません、気を使わせちゃって」

あい「礼はいいよ」

P「ふぅぅぅ~……」

あい「…そんなに美味しいものかね」ヒョイッ

P「あっ!!ダメですよぉ、あいさん!!」

あい「何だい…吸うなんて言ってないだろう…」

P「でも今、口に持ってこうとしましたよね?」

あい「匂いを嗅いでみただけさ」

P「そういうのが危ないんですよ。興味をもっただけなのにいつの間にかヘヴィスモーカーに…なんて良くある事なんですから。とにかくタバコはダメです」

あい「なんだい、お母さんのような事をいうんだね」

P「お母様からあいさんを預かる身ですからね。今は僕がお母さんです」

あい「じゃあ毎日私の弁当を作ってくれるのかい?」

P「毎日可愛いキャラ弁にしますよ?」

あい「ふふふふ、君がキャラ弁を作るところは見てみたいな」

*****************************




P「このフォアローゼスってウィスキーはですねぇ…ロマンチックなウィスキーなんですよ」

あい「ほぅ…というと?」

P「このウィスキーを作った人がですね、とある美女に一目惚れしてプロポーズするんです。するとその女性は『次の舞踏会まで待ってください。貴方のプロポーズをお受けするときはバラのコサージュを付けて参ります』って言うんです。そしてパーティーの当日、彼女の胸には四つのバラのコサージュをつけて現れ、見事2人は結ばれるんです…」

あい「ほう、そんな逸話があるのか…で、その話は誰から聴いたんだい?」

P「前に先輩が開いた合コンで先輩が…あ」

あい「何事も勉強熱心だな。P君は」

P「」

↑ミスった。正しくは「彼女は胸に四つのバラのコサージュを付けて現れ」だった

*****************************


P「あいさん、大丈夫ですか…?」

あい「んん…?何がだい…?」

P「明らかに目がトロンとしてるんですが…」

あい「そんな事は無いさ…大丈夫…見た目の割りに意識はハッキリしているよ…」

P「そうは言っても…」

あい「こんな姿を誰かに見られてはイメージが崩れるかい?」

P「悪くするとお嫁にもいけないかもしれませんよ?」

あい「その時は苗字を君のにするさ…」

P「全く…僕を重婚させるの流行ってるんですか?こないだ凛や加蓮にも言われましたよ…」

あい「…」

P「まゆは前からですけど最近は年少組まで真似し出して…年長者の和久井さんや瑞樹さんまで言い出すんですよ?2人とも目がマジだし…」

あい「」

P「あいさん…?」

あい「…実際どうなんだい?」

P「…え?」

あい「実際結婚を考えたりしないのかい?」

P「まさか!自分の担当アイドルと結婚なんて…プロデューサー失格ですよ」

あい「でも、結局は男と女だろう?」

P「……そりゃあ…僕も男ですからっ、雫の胸に目がいったり美嘉とかの笑顔にドキッとする事はありますよ…でも、それは…」

あい「あくまでも男としての「反射」であって、手を出すのはプライドが許さないかい…?」

P「というよりも正しくないですよ。間違ってる」

あい「あまりその言葉を出さない方がいい…君に好意を寄せる娘達の気持ちまで否定する事になる…」

P「すみません…」

あい「…」

P「…」


あい「ああそこのキミ、カクテルを二つ。キツイやつを」

P「…あいさん?」

あい「つまらない事で悪い気分にさせてしまったね…だから今の事は次の一杯で飲み込んでしまって忘れよう」

P「…そうですね。そうしましょう」

あい「それじゃあ…仕切り直しといこう」

P「…乾杯」



グイッ



P・あい「「ゴファッ!?ゲホッ!!ゲホッ!!ゲホッ!!!!!!」」



*****************************

あい「うーん…」

P「(やっぱりこうなるよなー…)」

P「あいさーん…起きてますかー?ちゃんと歩いてください…あいさーん」

あい「ふふふ…P君が私の名前を呼んでくれている…誰よりも沢山だ…」

P「ええーそうですよー…今誰よりも情けない女性を担いでるのは貴女のP君ですよー」

あい「ふふふー…そうかぁ…私のものか…そりゃあいいな…おっと」

P「うわっとぉ!!??」
 
あい「すまないなP君…」

P「もうしっかりしてくださいよ…こんなところパパラッチされたらどうするんです…?」

あい「あああ…すまない…だがそういう君も今胸を掴もうとしなかったか?」

P「してません!!」

あい「そうか…君はクールでカッコイイ私が好きだったな…こんなものは無い方がいいかな…」

P「バカなこと言ってないでしっかり立ってくださいよ…」

あい「君の手は大きいな…」スッ

P「え…」

あい「見てくれ顔の半分が隠れてしまう…」スリスリ

P「あいさん…人の掌に頬ずりするのは止めてください…」

あい「くすぐったいかい…?」

P「(目を細めて優しく笑ってる…こんな表情初めてみるな…)」

あい「何だかいい匂いがする…とても落ち着く香りだ…」

P「ああああっ!?あいさん寝ないで寝ないで!!!???」

あい「フフッ…」ガバッ

P「っ!!??(近い近い近いっ!!??顔が近い!!!???)」

あい「フッ…隙だらけだぞ…P君」グィッ!




チュッ…

P「!!!!!!?????????」

あい「ん…んん…」


ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウッ!!


P「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ!!!!!????」

あい「んっ…んんーーっ」

チュゥチュッ…チュルッ…チュルルッチュパッ…チュゥゥゥゥ…


P「んんんんんんーーーっ!!!!!!!…ぷはっ!!あっ…あいさん!!!!????」

あい「ふ…ふふふ…君のプライドなんて関係ない…必ず奪って…みせ…ぐぅ…」

P「えっ…あっ…ちょっ…ちょっとあいさん!!あいさん!!??」

あい「ZZzzz...」

P「どうしよう…こっからなら俺ん家の方が近いけど…」

P「フェアじゃないよなぁ…」


Prrrrrrr....

P「あ、もしもし早苗さん?夜分にすみませんPですー。実は…」






*****************************

~3日後・事務所にて~


あい「やぁ、みんなおはよう」

あずき「あ!あいさんおはようございます!!今日もカッコイイですねぇ~」

あい「朝からお世辞はよしてくれ…最近ちょっと寝不足で肌の調子も良くないんだ」

あずき「またまたぁ~、むしろ最近どんどんキレイになってますよ?スーツ姿にビシッとネクタイしてクールに、なのに女性らしく…いいなぁ~」

あい「そんな事はないだろう。君の方が可愛らしくて素敵だよ」

あずき「ホントですか!?やったー!褒められちゃったぁ!!よぉーしあいさんみたいにキレイになる大作戦!!やっちゃうぞぉーっ!!!!」

早苗「うっふふふふぅ~…あずきちゃん、それにはね恋よ。恋のパワーだよ」

あずき「あ、早苗さ…って恋!?あいさん誰か好きな人がいるんですか!!??」

あい「早苗さん…いい加減なこと言うのは止めてください…」

早苗「なぁにを今更言ってんのよー!ついこないだあたしん家でゲロったじゃない☆」

あい「吐いたのは別なものですよ…早苗さん」

P「おっ、あいさんおはようございます」

あい「ああ、P君おはよう」

P「お元気そうで何よりです。あの後ゆっくり休めました?」

あい「ああ…お陰さまで…と言いたいところだが、あの後目が覚ましてすぐ早苗さんが二次会だと言い出してな…」

P「まさか…」

あい「早苗さん家で朝まで飲まされてたんだ…」

P「…早苗さん」

早苗「いいじゃないいいじゃない!!たまにはそういうのもいいでしょ!!それに…」

あい「早苗さん」

早苗「はいはい…余計な事は言いませんよーっだ…」

あい「それよりP君、次の企画書もらったらすぐに今日の現場に行くよ。早めに現場入りしておきたいからね」

P「あぁ、それじゃあ俺が…」

あい「いいよ、ひとりで行く。君は他にもやるべき事があるだろう?」

P「…わかりました。じゃあお気をつけて」

あい「あぁ、行ってくる」


バタンッ

P「…」


P「(マズイなぁ…こないだの一件のせいでまともにあいさんの顔を見れないぞ…)」

P「(目を見たら心臓が飛び出しそうだし、目を逸らしたら唇に目が行って心臓が止まりそうだ…)」

P「(あの様子じゃあこないだの事覚えてないみたいだし…)」

P「(唇…舌…柔らかかったなぁ…)」

P「はああああぁぁぁ~」

あずき「プロデューサーさん朝からお疲れ?それとも風邪かな、顔も赤いし」

P「ああ、もう重症だよ。ホスピスに入れてくれ」

早苗「そしたらその次は墓場が待っている訳ね」

P「へ?」

早苗「結婚という名の…ね☆」

P「」

あずき「?」

あい「ふぅ…」


あい「(小さいバラのネクタイピン…分かりづらかったかな…)」


あい「(いや、そもそも好意を伝えたのは自分からだし…)」


あい「(2度目のくちづけはまだ先か…)」


あい「(フフッ…奪われたのは私の方か…)」

あい「さて…最初の現場は…」




DeNAテレビ『悩める乙女の恋愛相談!!教えて東郷さん!!』



あい「(誰か代わってくれないかなぁ…)」

おしまい。


あいさんとバーでよろしくしたいだけでした。敬具

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