橘「夏だし女の子の腋汗パッドの匂い嗅ぎたい」(113)

橘「どんな匂いがするんだろう…すごく気になるよ…」

梅原(大将…お前、どこまで大人の階段を…)

橘「よし!じゃあさっそく頼んでみよう!最初は…そうだな、一番頼みやすそうな…」

田中「わ、私からだね!?」

橘「うん!薫からにしよう!」ダッ

田中「」

橘「薫ー!」

棚町「純一?どしたの?深刻な顔して」

橘「薫、お前に頼みたいことがあるんだ…!」

棚町「た、頼みたいこと?…なんか嫌な予感するけど…まぁいいわ、言ってみなさい」

橘「…お前の…お前の腋汗パッドの匂いを嗅がせてくれ!!」

棚町「………」

橘「………」

棚町「………っ」

棚町「オラッ!!」ゴスッ!

橘「あふゅっ!!」ズサー!

棚町「あ、あんたねぇ!女の子に普通そんなこと頼む!?」

橘「た、頼む薫!どうしても今腋汗パッドの匂いが嗅ぎたいんだ!でも、こんなこと頼めるのは薫しかいないし…」ズキズキ

棚町「…わ、私しか…?」

橘「そうだ。薫だったらノリノリで嗅がせてくれると思ったんだけど…そうだよな…普通は嫌だよな…」

棚町「………」

橘「…ごめんな、薫。僕がバカだったよ…他の人に頼むことにするよ」

棚町「…ちょっ!ちょっと待ちなさい!」

橘「えっ?」

棚町「…い、いいわよ」

橘「ええっ!?」

棚町「嗅がせてあげるって言ってんの!その遊びにノッてあげるわよ!」

橘「薫…ありがとう。やっぱりお前は最高の悪友だよ」

棚町「そ、そう?」テレテレ

橘「それじゃさっそく」

棚町「えっ、ああ、はい…」パサッ

橘「こ、これが女の子の腋汗パッド…何だか少し湿ってて…すごく興奮するよ!」

棚町「ちょっ!声に出てるわよ!恥ずかしい!」

橘「ああごめん、興奮しすぎた」

橘(よしっ!いくぞっ…!)

クンカクンカ

橘(!?)

橘(こっ!これは!)

橘(な、なんて言うんだろう…カブトムシの入った虫かごの匂い…!?)

橘(これって樹液の匂いだっけ?…臭い、というより…なんだか懐かしい…)

橘(うん!懐かしい匂いだこれ!…小学校の夏休みを思い出す…)

橘(梅原とよくカブトムシとりに行ったなぁ…そして帰ってスイカ食べて花火やって…あの頃は楽しかった…)ポロポロ

棚町「ど、どうなの!?ずっと黙ってないで何とか言いなさいよ!…って、なっなんで泣いてんの!?」

橘「えっ?…あ」ポロポロ

棚町「えっ…泣くほど…臭かったの…?」ションボリ

橘「ち、違う!違うんだ薫!」グシグシ

橘「すごく…すごくいい匂いだ…大切な何かを思い出せた気がするよ…ありがとう」

棚町「な、何だか大袈裟な表現ね…ま、臭くないならよかったわ!」

橘(しかし、腋汗パッドの匂いを嗅いだだけで泣かされるとは…腋汗パッド奥が深い…)

橘(もっと…もっといろんな人の腋汗パッドを嗅ぎたい!!)ダッ

棚町「えっちょっ純一!?…行っちゃった…」

棚町「…いい匂い、か……えへへ」

ちょい休憩

橘(次は…梨穂子だな。うん、快く嗅がせてくれそうだ)

橘「梨穂子ー!」ガラッ

桜井「純一~?どうしたの~?」

橘「腋汗パッドの匂いを嗅がせてくれ!」

桜井「…えっ?」

桜井「えええー!?」

橘「頼む梨穂子!どうしても嗅ぎたいんだ!」

桜井「えっえっ?ど、どうして急に…?」

橘「お前の匂いが嗅ぎたくなったんだ」

桜井「~~~!」

桜井「そ、そんなに嗅ぎたいの…?」

橘「ああ、すごく嗅ぎたい!」

桜井「…そ、そこまで言われたら断れないよ~」

橘「!じゃ、じゃあ!」

桜井「うん、いいよ…はい」パサッ

橘「ありがとう!」

橘(…ぽっちゃり幼馴染みの腋汗パッド…こ、これは興奮する)

橘(それではさっそく…)

クンカクンカ

橘(うほぅっ!!あ、甘っ!?)

橘(なんだこれ!?甘い!甘ったるっ!すごく甘ったるい匂いだ!!)

橘(嗅覚より味覚が反応しまくってるよ!!匂いとかの騒ぎじゃないよ!!)

桜井「えっと…純一?ど、どんな匂いなの?まさか…臭い…?」

橘(!し、しまった…あまりの甘さに意識が飛びかけた)

橘(しかし、これはどう表現したらいいんだろう…実際臭いわけでもないし…)

橘(いやいや、それよりもこれ…病気とかじゃないのか…?)

橘(梨穂子は甘いものばっかり食べてるから…ここは幼馴染みとして注意しておかないと)

橘「…梨穂子」

桜井「は、はい!」

橘「臭くはないよ」

桜井「!よ、よかったぁ」

橘「…でもな、甘いモノは控えたほうがいいと思うぞ…?」

桜井「えっ?それってどういう…」

橘「…っ…ごめんな、これ以上はっ…」ダッ

桜井「じゅ、純一!?…行っちゃった」

桜井「どういう意味だろう…お菓子食べながら考えよう」ポリポリ

橘(危ない危ない…命の危機に瀕している幼馴染み前に泣くところだった…梨穂子、気付いてくれるといいけど…)

橘(しかし…まさかまた泣かされそうになるとは…腋汗パッド奥が深い)

橘(さて…次はあや…いやうん、他学年にも手を出しておこう!)

橘(中多さんあたりが良さそうだ)

橘「中多さーん!」ガラッ

中多「しぇ、しぇんぱい?」

橘「中多さん…その、中多さんっていい匂いがするよね?」

中多「えっ!?き、急にどうしたんですか?そ、それに恥ずかしいです…」

橘「僕気になったんだ…いい匂いがする女の子の腋汗パッドの匂いがどんな匂いなのか!」

中多「えっと意味がわかりません」

橘「…中多さん、僕にいい匂いがするって言われて安心しきってるんじゃない?」

中多「!?」

橘「人間の一番臭う部位…つまり腋汗が臭くないと認められて初めて安心できると思うんだ」

中多「…つまり、体はいい匂いでも腋汗が臭ければすべて打ち消されると…?」

橘「…そういうことだ」

中多「………わかりました。橘しぇんぱい!私の腋汗パッドの匂い…嗅いでくだしゃい!」

橘「よしきた!」

中多「…ど、どうぞ」パサッ

橘(…中多さんの腋汗パッド…前の二人より湿ってるな…)

橘(それではさっそく…)クンカクンカ

橘(!?)

橘(!?わっ!わわっ…これは…!!)

橘(牛乳を絞った雑巾の匂いだっ!!うわっ生臭っ!!)

橘(た、確かに中多さんの体臭はミルクのいい匂いがしてたけど…!腋汗ではこんなになるのか!!)

橘(単純に臭い!薫とは違う意味で小学校を思い出したよ!!おえっ!生臭っ…)

中多「しぇ、しぇんぱい…?ど、どうですか?」ウルウル

橘(ど、どうしようこれ、すごくゴミ箱に捨てたい…)

橘「…ごめん中多さん…」

中多「と、ということは…」ウルウル

橘「すごく生臭い」

中多「う、うわああああああああん!!」ダッ

橘(本当にごめん…中多さん…この腋汗パッドは供養しておくよ…)

ゴミバコポイッ

橘(いやぁ…強烈だった…中多さん泣いてたし、悪いことしたな)

橘(…いやでもここまで来たらもうあとには戻れない…!)

橘(次は七咲だ!)

橘「七咲…いるんだろ?」

七咲「…はい、一部始終見てましたよ」

美也「みゃーもいるよっ!」

橘「…事情はわかっただろ?…つまりそういうことだ」

七咲「…無理矢理女の子の腋汗パッドの匂いを嗅いで臭いと罵り、最後は泣かせるなんて…とんでもない変態ですね」

橘「…でも…七咲、用意してるんだろ?」

七咲「もちのろんです!」パサッ

橘「ははっ!さすが七咲だよっ!…ではさっそく…」

クンカクンカ

橘(!?)

橘(こ…これは一体っ…!)

橘(な、なんてことだ…!)

七咲「そ、そんなに強烈でしたか!?」テレテレ

橘「…美也、お前も嗅いでみろ」

美也「えっ?み、みゃーはいいよ…」

橘「いいから!」

美也「…えー…じゃあ嗅ぐね?」

クンカクンカ

美也「!?」

美也「そ、そんな…」

美也「逢ちゃん…失望したよ…」

橘「ああ、まったくだ…」

七咲「えっえっ?」

橘「まさか………無味無臭だなんて…」ハァ

七咲「そ、そんなはずは…!」クンカクンカ

七咲「あ…そうか…水泳部の昼練の時に汗が…」

七咲「でっ、でもこれは不可抗力です!普段なら強烈な匂いが…も、もう一度チャンスを!」

美也「見苦しいよ逢ちゃん…」

橘「…七咲…アポなしだからこそ興奮するんだ…造られた腋汗なんて何の意味もない…」

七咲「!?…で、でも昼練が」

橘「…それでも七咲なら『1週間替えてません。節約です』とか期待してたのに…」

七咲「あ…」ガクッ

橘「美也…七咲を頼んだぞ。僕は次に行かないといけない」

美也「…わかった」

七咲「あ…先輩…」ガクガク

橘「…七咲…これをバネに精進することだ…期待してるからな?…じゃあな」ダッ

七咲「あ…あ…」ブルブル

橘(…少しきつく言い過ぎたかな?…いや七咲にはもっと強くなってもらわないと)

橘(さて、次は…ラブリーか)

橘「森島先輩!」ガラッ

森島「わおっ!橘くんいいところに!」

橘「え」

森島「私ちょうどキミにお願いしたいことがあったの!」

橘「な、なんでしょうか?」

森島「あのね…言いにくいことなんだけど…」

橘「は、はい…」ゴクリ

森島「私の腋汗パッドの匂い…嗅いでくれない…?」

橘「!?」

森島「ほらっ、夏だし匂いが気になる季節じゃない?でも自分がどんな匂いかわからないし…」

森島「だったら他人に嗅いでもらえばいいと思ったんだけど、こんなこと頼める人がいなくて…」

森島「そこにちょうどキミが!どう?お願いできるかしら?」

橘「あ…はい…いいですよ」

森島「わお!グッドなお返事ね!」

橘(しまった…先制を取られた…これじゃ恥ずかしがる顔が見れないじゃないか…さすがラブリー)

森島「それじゃあ…はい」パサッ

橘「あ、はい…では」

クンカクンカ

橘(!?)

橘(!?なんだこれは…おかしい!!)

橘(い、イチゴのいい匂い!!こ、香水か…!?)

橘(ま、まさか森島先輩…)

森島「どう?どんな匂いなの!?」

橘(森島先輩のあの顔…僕がハメられたっていうのか!?…くっ、しかしここは負けるわけには…)

橘「あ…あの森島先輩?」

森島「うん?」

橘「僕はこの匂い、普段嗅いでる匂いと近いんです…」

森島「?どういう匂いなのかな?」

橘「その…言いにくいんですが…イから始まってナマモノで…」

橘「男性よりも女性のほうが好きなもので…」

橘「液体がこぼれないようにティッシュを用意しないといけないアレの匂いがします」

森島「!?…わ、私そんな匂いがしてたの!?」

橘「は、はい…」

森島「は、恥ずかしいわ…そんな…いえ、ここまで来たらはっきり言ってちょうだい!」

橘「は、はい………イ」

橘「…イチゴの匂いです!」

森島「わお!正解よ橘くん!」

橘「…ぐぬぬ…でも森島先輩…どうして僕が腋汗パッドの匂いを嗅ぎたいってことわかったんですか?」

森島「腋汗嗅いで回ってるわんちゃんの噂を聞いたの!それがキミだってことはすぐにわかったわ!」

橘「うぅ…完全に僕の負けです」

森島「楽しかったわよ?…でもまだ腋汗は通行止めなんだから!」タタッ

橘(森島先輩が一枚上手だったか…)

橘(しかし、くよくよしていられない…次が最後だ…)

橘「絢辻さん!」ガラッ

絢辻「…橘くん、あなた、またしょーもないことしてるようね」

橘「!噂がここまで…いや、手間が省けた!絢辻さん!腋汗パッドの匂いを嗅いがせてください!」

絢辻「…覚悟はいい?」

橘「あ、はい」

ゴスッバゴッメリッ!!

橘「ぐふぁっ!!!」ザザー!

絢辻「…いいわよ?」

橘「え?」

絢辻「…嗅いでも」

ごめんなさい…あと少しなんだけどバイトの時間です…
残ってたら書きたいんですがあさまで保守お願いできませんか?

お願いします!

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