暦「貝木が好きなんだって?」ひたぎ「違うの、あれは、違うの」 (83)

途中まで保守ありがとう

八九寺「それより、阿良々木さんの抱えている問題の話に移りましょう」

暦「抱えてる問題か
別に怪異関連の何某とかじゃないんだよ
単なる人間関係の縺れみたいなもんだ」

八九寺「羽川さんに嫌われちゃいましたか?」

暦「いや、違う。戦場ヶ原の事だよ」

八九寺「戦場ヶ原さんでしたか
交際が上手くいっていない という事ですか?」

暦「上手くいっていない というか、ぶっちゃけて言うと浮気されてました って事だな」

分かった

ひたぎビッチ其ノ貳

八九寺「うわぁ」

暦「まあそういう反応になるよな」

八九寺「しかしあの阿良々木さんにゾッコンの戦場ヶ原さんが浮気ですか」

暦「そうだよ」

八九寺「お相手はどういう方なのですか?」

暦「初恋の相手らしいんだよ」

八九寺「焼け木杭に火がついた と」

暦「まあそういうことなんだろうな。昔も憎まれ役を買って出て、戦場ヶ原を助けたことがあったらしいぜ。あえて両親を離婚させて宗教に狂った母親を引き離した とか そんな話」

八九寺「阿良々木さんみたいですね」

暦「どの部分がだよ?」

八九寺「憎まれ役を買ってでも人を助ける って所ですかね」

暦「僕は別に…人を助けた事なんかないよ。人は一人で勝手に助かるだけ ってな」

八九寺「そう思うのは自由ですけれど、やっぱり力を貸してもらった相手は助けられたと感じるのではないですか?
阿良々木さんは忍野さんに力を貸してもらっただけで、助けてもらってはいないと?」

暦「そうだな。人それぞれに感じ方があるんだよな。
僕は助けてもらったよ。
忍を助けて忍に助けられて羽川に助けられて忍野に助けてもらった。」

暦「そして今だって助けられている。八九寺や、僕の数少ない友人達に。」

八九寺「人は一人では生きていけないという事ですね。
浮気相手さんは戦場ヶ原さんがお母さんを救えなかった事に対しての憎まれ役をおってくれていた。という事だったと」

暦「どうなんだろうな。戦場ヶ原に対して特別にそういった対応をしたのかもしれないけれど、基本的には人を騙して金を得る詐欺師なんだよ」

八九寺「詐欺師の自分には人を幸せにはできないから手を引いた という様な良く有りそうな理由なのかもしれませんね」

暦「それは貝木にしか分からないけどな。
あー貝木は浮気相手の名前な」

暦「それでも気になっていたから、詐欺を働くという理由を付けてこの街に戻ってきたのかもしれないな。」

八九寺「そして、再会してしまったと」

暦「んーその辺は難しい所なんだけどな、僕も絡んじゃってるし。
そもそも思い出してみれば、戦場ヶ原はこっぴどく騙されて二度と会いたくない相手の筈の貝木の名刺を後生大事に持っていたって事なんだよなぁ…」

八九寺「復讐の為だったかもしれませんよ


暦「その後騙されたという4人の詐欺師達の連絡先も保管してある事なんかあるのか」

八九寺「そもそも詐欺師というのは騙した相手に教えた連絡先を何年間も変更せずに維持していたりするものではないでしょうね」

暦「様はそういう事だったって事だな
なんの事はない。」

八九寺「ところで阿良々木さん。
あなたはこれからどうするおつもりなのですか?」

暦「どうって…」

八九寺「このまま黙って戦場ヶ原さんと付き合いを続けていくのですか?
それとも、別れを選ばれるのですか?
それとも、復讐を企てるとか」

暦「復讐ってなんだよ」

八九寺「精神的や肉体的に相手を痛めつけるとか」

暦「戦場ヶ原と貝木を両方って事か?
いくらなんでも女の子に暴力を振るう気にはなれないな
精神的にもだな、復讐とか考えたくないよ」

八九寺「貝木さんにもですか?」

暦「貝木な…正直ぶん殴ってやりたいとは思うよ。でもそんな事してもさ」

八九寺「しても?」

暦「戦場ヶ原は殴られた貝木を心配すると思うんだよ。
もうやめて、悪いのは私なのだから
とか言いながらさ」

八九寺「どっちが悪者なのか分かりませんね」

暦「無いとは思うけれど、貝木も騙されてるっていう可能性ってあると思うか?」

八九寺「詐欺師を騙すんですか?」

暦「ないだろうな。そこらへんの詐欺師ならともかく、貝木が騙されるなんて無いように思う」

八九寺「では、何もなさらないと」

暦「そうだな。僕に出来る事はないと思う」

八九寺「助けてもらえば良いではないですか」

暦「助けてもらう?
戦場ヶ原に浮気されたから助けてよ~ノブえもん~
みたいな感じか?」

暦「情けなさすぎるわ!」

八九寺「羽川さんなら力になってくれるのではないでしょうか」

暦「いや、どうだろうな。
羽川は僕よりも戦場ヶ原の味方になってしまいそうだぜ。
高校を卒業するまでの短い期間だったけれど、この僕が引くレベルで仲が良かったからな」

八九寺「そうだとしても羽川さんなら何が正しくて何が間違っているかの区別はつくでしょう。」

暦「区別は付くだろうさ。
でもあいつは昔のあいつじゃないからな、今は正しい事だけじゃない。
清濁併せ呑む度量も備わってるんだよ。」

八九寺「それでも、羽川さんは阿良々木さんに付きますね」

暦「いやに確信めいた事を言うじゃないか八九寺。
理由を言ってもらおうか」

八九寺「決まってるじゃないですか。
女として人として戦場ヶ原さんが最低だからです」

八九寺「大体なんなんですか!
いくら主人公がモテモテで節操なしで気が多くてもヒロインは一途で純情じゃないといけないんです!」

暦「お…おう、そうだな!
そうなんだよ!ヒロインは一途で浮気なんかしない!」

八九寺「しない!」

暦「で、話進んでるんだっけ?」

八九寺「安心して下さい阿良々木さん。
少しずつですが確実に進行しています。」

暦「僕がこれからどう動けば良いかって話だったよな」

八九寺「はい。そして答えは出ました」

暦「ほう。流石だな八九寺
じゃあ教えてもらおうじゃないか!
僕は今からお前の命令に絶対服従だぜ!」

八九寺「言いましたね阿良々木さん?
それてはまず、ハーゲンダッツのロイヤルカシスミルク味を買ってきて下さい」

暦「だから期間限定商品の名を口にするんじゃない!
どんなスケジュールで書いているかバレるだろうが!
後、この流れで命令ごっことか始めちゃうと2,30ページは使っちゃって映像化の際にはカットされる流れだからな!」

八九寺「うーん今回ばかりは仕方が無いですね
分かりました。」

暦「分かってくれたか」

八九寺「はい。今は仕方ないので後でフォレノワールを買っていただきます。」

暦「今日発売のコンビニ限定商品じゃねえか!ピンポイントすぎるわ!」


閑話休題

八九寺「より多くの人に この事を相談しましょう。」

暦「戦場ヶ原が浮気していた事をか?」

八九寺「そうです。戦場ヶ原さんの事をよく知らない私がドン引きしたくらいですから、親しい友人達はギクシャクするのではないでしょうか」

暦「なるほど、それで孤立して精神的に苦しめるって事か。
お前本当に八九寺かよ?こんな怖い事を考えるなんて」

八九寺「私はこれでも怒っているんですよ阿良々木さん。
阿良々木さんを傷つけられて黙ってなんかいられません。」

暦「八九寺…」

八九寺「おそらく阿良々木さんの周りの方々もそうだと思いますよ。
阿良々木さんは、いつだって私達を助けてくれたじゃないですか。
自分を傷つけながら、不死身の身体を傷つけながら。
でもいくら吸血鬼でも心の傷はそう簡単に治らないですよね、だから阿良々木さんの心が傷つけられた時は私達が力をお貸ししますよ」

暦「力を貸す ね」

八九寺「はい」

暦「分かったよ八九寺。
僕はもう迷わない!
あの浮気女を地獄に突き落としてやる!」

八九寺「その意気です阿良々木さん!」

暦「差し当たっては、そうだな僕と戦場ヶ原の共通の友人に相談するのが効果的だな」

八九寺「ですね えーと阿良々木さんって私以外に友達いるんですか?」

暦「いるよ!失礼な事を言うな!」

八九寺「あんまり変わらなそうなので、共通の友達ではなく友達全員あげてみますか」

暦「いいだろう!
両手の指じゃ足りなくなって触覚を使うことになるだろうぜ」

八九寺「12人には収まりそうですね」

暦「えーっとまず月火ちゃんかな」

八九寺「阿良々木さん、妹さんは友達ではありません」

暦「まあ落ち着けよ八九寺。
それならまず友達の定義について話し合おうじゃないか」

八九寺「長くなりそうなので遠慮しておきます。続けて下さい。」

暦「見捨てないでくれ!」

暦「まあ月火ちゃん、火憐ちゃん…羽川だろー忍に忍野だろ。
神原、千石…は厳しいな…
あーブラック羽川とかどうだろうな。
斧ノ木ちゃんに、
影縫さんと臥煙さん…は違うな。


八九寺「ふむ」

暦「エピソードは一緒に戦ったりして割と良い関係なのかもしれないけれど、日本にいないしな。
えーっと」

八九寺「阿良々木さん。少し絡んだ事があるとか、面識ならあるとかそういうのはいいのでやはり共通の友達にしましょう。
想像以上にカオスでした」

暦「僕の顔の広さを思い知った様だな八九寺!」

暦「しかし共通の友達か、それこそ羽川、神原、とかそのくらいでは?
あーあと高校のクラスの連中も共通の知り合いではあるけれど友達じゃないしな。
僕も戦場ヶ原も殆ど喋った事がない。
老倉はどうだろうか
一応両方とそれなりに喋った事はあるけれど、僕が精神的に戦場ヶ原が肉体的にダメージを与えた経歴があるしな。
そっとしておこう。」

八九寺「思ったんですが、阿良々木さんに友達が少ない事を散々ネタにされている物語の中で、戦場ヶ原さんって阿良々木さんより友達少なくないですか?」

暦「ん?確かにそうだな、あいつの友達って羽川と神原しかいないんじゃねぇの?」

八九寺「気がついてはいけない事に気付いてしまいました。」

暦「僕達消されるかもしれないな」

八九寺「その羽川さんは阿良々木君経由で友達になり、神原さんは絶縁状態から阿良々木さんが文字通り身体を張って復縁させたわけですからね。」

暦「いやもうなんか、十分な仕打ちをした気がするんだけれど」

八九寺「そうですが浮気を許してはいけません!羽川さんは海外だとしても、神原さんには話すべきです!」

暦「神原もなぁ
戦場ヶ原LOVEだからな。どうでるだろう」

八九寺「可愛さ余って憎さ百倍のような危険さを感じさせる人ですね」

暦「最初にして最大の難関だな」

八九寺「しかし相談するだけですし、阿良々木さんが想像しているような事にはならないのではないでしょうか」

暦「変態ではあるけれど、基本的には真っ直ぐな奴なんだよな」

暦「思い返してみれば
あいつは僕と戦場ヶ原はお似合いなカップルだけれど、羽川と結婚しそうだ なんて事を言ってたな」

八九寺「このままだとそういう流れになりそうですね」

暦「そして、こうも言っていた
僕が戦場ヶ原を傷つけるような事があれば許さない
みたいな事を」

八九寺「それって暗に阿良々木さんは戦場ヶ原さんに振られて羽川さんと付き合うって事を示してませんか」

暦「神原の言ってた通りになってるって事か。
あいつ一体何者なんだよ。
そういえば千石の事をラスボスとか言っていたし。ラスボスではないけれど千石はあんな事になっちゃったしな。」

八九寺「案外 神原さんがラスボスなんじゃないでしょうか」

暦「ありえそうで怖いからやめろよ。本当に。
とりあえず明日だな。今日はもう会いに行くのも微妙な時間だし
どれ、八九寺 今日は泊まっていけよ。」

八九寺「阿良々木さん 節操がなさすぎます」

暦「おいおい、僕は帰る当てがない小学生女子に寝床を提供してやろうという
心優しい青年だぜ?」

暦「さあ、大人しくするんだ!」

タダイマー

暦「キャーーー!!」

暦「糞っ!!月火の奴もう帰って来やがったか!なんて事だ!」

八九寺「どうやら私の貞操は守られたようですね
どの道、忍さんが助けてくれたような気もしますけれど。」

暦「いつまでそうしてるんだよ八九寺
月火ちゃんが上がって来たらどうするんだ。
とっととそこの窓から帰ってくれ」

八九寺「清々しい程の屑っぷりですね~
いつもの阿良々木さんらしくなってきました!」

阿良々木「そうだろう。
なんだかんだでお前との会話で僕は毎回元気をもらっているからな。」

八九寺「ふふん 正直で宜しいです」

阿良々木「ヨッと
とりあえず窓から抱きかかえておりてやるから」

八九寺「今余計なモーションが複数回含まれていたような気がするんですが」

阿良々木「あん?余計な事なんかない
この世の全ての事象にはそれに付随する意味があるんだよ」

阿良々木「じゃあまたな八九寺。
くれぐれも目が真っ黒で袖が長い直江津高校の制服を着た女の子と男の子には気をつけるんだぞ」

八九寺「女の子と男の子ですか?
はあ、まあ気をつけます」

八九寺「それでは阿良々木さん、失礼します。」

暦「ああ。またな」

書き溜め終わり
落としてくれ
またパー速かどこか適当な所で

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