男「メリー…ゴリスマス…?」 (75)

テクテク…

男「(はぁ…今年もクリスマスは一人ぼっち…)」チラッ

カップル「いちゃいちゃ」

男「(早くもクリスマスムードに浮かれやがって!しねしねしねしね!)」

男「(は~あ…さっさとクリスマスなんて悪しき風習日本から消えればいいのに…)」

街頭テレビ「みなさ~ん!もうすぐクリスマスですね!」

男「(あー…もう何から何までクリスマスクリスマスって…)」

街頭テレビ「でも一人ぼっちのさみし~いクリスマスを送る予定の方、いらっしゃいますよね…」

男「(ぶっ壊されてえのか…!!)」

街頭テレビ「そんなさみしいあなたに朗報!今年のクリスマスは素敵なプレゼントが届きますよ!期待して待っててね!」

男「…はぁ?」

街頭テレビ「何が届くかはクリスマスまでのお楽しみ!クリスマスイブからクリスマスの終わりまで、あなたに夢と希望をお届けします!」

街頭テレビ「~ゴリスマァスプロジェクツッ!~ 政府広報でした。」

男「国がクリスマス対策…?ふーんやるじゃん政府。日本もまだ捨てたもんじゃねえな。」

男「なんだろうなー日本の技術力の粋を結集した美少女アンドロイドでも家に届くのかな!」

男「まあ最後のゴリスマスプロジェクトっていうのが気になるけど…」

男「あ、もしかしてあれか…ニ○コイ的な?いやーわかってるね政府。全然おっけ~!ウェルカム!」

男「これはクリスマスが楽しみになってきた~!!!」

12月23日夜


男「さあいよいよ明日だ…今年はひとりじゃないんだよな…生身の人間ではないだろうけど…」

男「超精巧で従順なアンドロイドならそっちのほうがこっちとしても何かと都合が…ぐふww」

男「あー緊張するなああ。」

男「いったいどんな娘が来るんだろうな!」

男「やっべ!興奮して寝れねえええwww」

そしてついにクリスマスイブ…


男「12時!!クリスマスイブだ!!」

ボッゴオオオオオオオオオン!!!!

男「!?なんだ今の音は!!玄関の方からだ!」タタタ…

男「こ、これは…でかい箱がある…」

男「政府広報 ゴリスマスプロジェクト…間違いない。」

男「この中に美少女が…?」

男「とりあえず箱を開けよう…」ゴクリ…

男「慎重に…慎重に…」ビリビリ…

ガタガタガタ…

男「!?箱の中で何か動いてるぞ…」

ガタガタガタガタガタ!!

男「ゆ、揺れが大きく…!!」

バッゴオオオオオオオオオオオン!!!!!

男「う、うわあああああああ!!!」

………

男「す、すごい衝撃だった…」

美少女「だ、大丈夫…?」

男「え…き、君は…」

美少女「良かったああ!」だきっ

男「ちょ、ちょっと///」

美少女「あ…ご、ごめんね///私政府から派遣されたの。」

男「き、君が…」

美少女「クリスマスの間、いっぱいイチャイチャしようね!」ぎゅうっ

男「え~そ、そんな困るよ~///」ニヤニヤ

美少女「嫌なの?」うるっ

男「そ、そんなことないない!!いっぱいしよ!イチャイチャしよ!!」

美少女「やったね!男くん大好き!」ぎゅっ

男「にへへへへwww」

美少女「じゃあ…ちょっと横になって?」

男「え…?う、うん///」

美少女「ふふふ…じゃあいくよ?」

男「も、もう?心の準備が…///」

美少女「えいっえいっ!!」

ドゴッドゴッドゴッ!!!

男「えっ…?グフッ!!ゴフッ!!オゴッ!!!」

美少女「えいっ!えいっ!!」

男「ぐぇえ…ちょっとやめて…」

美少女「せえええええのっ!!」

男「や、やめろおおおおおおおおお!!!!」

ガバッ!!

男「はぁっはぁっ…ゆ、夢…」

男「ご、ごふっ…!(じゃねえ…!!)」

男「はぁっはぁっ…び、美少女は…?」チラッ

ゴリラ「ウホホホウッホホホwwwww」ドコドコ!!

男「…」

ゴリラ「ウホホwww」

男「うそ…だろ…?」

ゴリラ「ウホホホホーwwwww」

男「(ゴリラ送ってくんじゃねええええええ!!!!)」

ゴリラ「ウホ?」

男「(ウホ?じゃねえよ完全にゴリラだこれ…どうすりゃいいんだ…)」

男「ん…?なんだ…?ゴリラにボタンが付いてるぞ?」

男「ハッ…これは…!!このゴリラは…!!」

男「ゴリラ型アンドロイド…!?」

男「…」

男「日本の科学技術の粋を結集して余計なもん作ってんじゃねえええ!!!!」

ゴリラ「ウホ…?」クイッ

男「小首かしげて見せても可愛くねえんだよゴリラ…」

男「まあいいやもう…停止ボタンか何かだろどうせ…さっさと止まれ…」ポチッ

ゴリラ「ウッ…」ピタッ

男「よしよしいい子だ…」

ゴリラ「ガタガタガタガタ…」

男「!?お、おいなんかやばいスイッチだったんじゃないだろうな!?爆発とかやめろよ!?」

ゴリラ「…」ピタッ

男「と、止まった…」

ゴリラ「…問おう。貴方が私の飼育員(マスター)か?」

男「メカゴリラに人語喋らす粋な機能つけてんじゃねえ!!(しかもどっかできいたことあるなおい)」

ゴリラ「士郎…」

男「いや士郎じゃねえから。ちょっと待ってろ。説明書あったわ。これ読むから。」

ゴリラ「マスター…それは命令か?」

男「そうそう命令だから。ちょっと黙ってて。えーと何なに?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

政府からさびし~い君たちへのクリスマスプレゼントだよ!

赤いボタン→人語ボタン デフォルト「ゴリ語」「日本語」「英語」「タイ語」から選べるよ!

青いボタン→性格ボタン デフォルト「ゴリラ」「セ○バー」「幼馴染」「妹」「姉」「男の娘」「タイ人」から選べるよ!

黒いボタン→自爆ボタン ゴリラ共々ぐちゃぐちゃになって死ぬ

虹色ボタン→クリスマス終わり間際にゴリラの好感度がMAXの場合のみ押せます。とってもいいことが…?

それではよいクリスマスを…♪

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「うわあああああああ!!!黒いボタン押さなくてよかったあああああ!!!」

ゴリラ「マスター…?」

男「ツッコミどころ満載だがとりあえず政府の謎のタイ推しだけは本当に頭がおかしいと思う。」

男「しかし精巧に作られてるだけあって性格にも結構バリエーションがあるんだな。」

男「セ○バーもいい加減鬱陶しいから一番無難な幼馴染にしとこう。」

ポチッ

ゴリラ「お前www名倉やないかい!!www」

男「名倉…?ああ…これタイ人か。っていうか俺がタイ人(名倉)設定になるのかよ!」

男「名倉に罪はないけど俺名倉じゃないからな。」ポチポチッ

ゴリラ「ちょっと男!なんで私のうちにいんの!///私はあんたの彼女じゃないんだから…!///それから…」

男「これが幼馴染か。これはこれでめんどくせえけど…まあいいや。」

男「(しかし…虹色ボタンか…)」

男「(これはクリスマス一人ぼっちな奴に課せられた政府からの試練なのか?)」

男「(このメカゴリラの好感度をクリスマス終了までにMAXにするというトチ狂ってるとしか思えないミッションをクリアした暁には…)」

男「(ものすごいご褒美が待っているんじゃないのか…!?)」

ゴリラ「ちょっと!男!聞いてるの!?」

男「やってやらぁ…!」ゴゴゴゴ!

ゴリラ「?」

男「でもま、とりあえず何か疲れたから寝る…」スタスタ ゴロン

ゴリラ「ちょっと!///私のベッドで寝ないでよ!///私はあんたの彼女じゃないんだから…!///」

男「…」

ゴリラ「なんであんたが私の…///」

男「ああもううるせえ!!」グイッ!

ゴリラ「あっ…///」

男「もう寝るぞ…」

ゴリラ「あ…あの…わたわたわたし…///」

男「いいから…」

ゴリラ「う、うん///」ドキドキ

~~~~~~~~

~政府直属メカゴリラ情報集積所~


所長「無事、ゴリスマスがスタートしたようだな。」

研究員「そのようです。今全国のゴリラの好感度を確認していますが、どのゴリラの好感度もまだ大差がな…!?」

所長「どうしたんだね!?」

研究員「こ、これを見てください!!」ガクガク…

所長「こ、これは!?」

所長「いきなり好感度が…75%…だと!?」

所長「ゴリラの故障ではないのか!?確かゴリラの好感度はマイナスのところからスタートするはず…」

所長「研究員君!今日この時点で好感度が75%になる確率は!?」

研究員「出してみます…で、出ました…」プルプル

所長「い、言ってくれ…」ゴクリ…

研究員「れ、0.00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000001%です!!」ペタン

所長「な、なんてことだ…そのゴリラから徹底的にデータを収集しろ!」

研究員「わ、わかりました!」

所長「(ゴリラを強力に惹きつける何かを持っているとでも言うのか…)」

所長「これはドえらいことになってきたぜぇ…」ペロリ…

~~~~~~~~

~朝~


きて…おきて…

ドスッドスッドスッ

男「おぇっ!!おえええっ!!!」

男「や、やめっろ…!!!」ガバッ

ゴリラ「あ、やっと起きた!おはよ!」

男「おは…よ…じゃねえ…早く…どけ…死ぬ!」

ゴリラ「何よ!せっかく起こしてあげたのに!!」

ドスッドゴッバキッ

男「うごぁぐぇっごふっ…分かっ…た分か…ったから…」

ゴリラ「ふんっ!もう知らないんだから!」プイッ

男「はぁっはぁっ…ありが…とうゴリ…ラ愛し…てる…だから…どい…てくれ!」

ゴリラ「あ、愛してる…?///」バッ

男「げほごほっおえぇっ…」

ゴリラ「わ、私は別に…あんたのことあ、愛してなんかないんだから…っ!///」

男「(…俺クリスマスが終わるまで生きてられるのか…?)」

………

男「大学はもう冬休みに入ってるし…家で寝てたいが…」

ゴリラ「ねぇせっかくのクリスマスなんだからどこか出かけない?」

男「(まあ好感度上げるためだ…)」

男「そうだな…」

ゴリラ「やった!じゃあどこ行く?」

男「どこも混んでるだろうけど…プレゼントでも買いに行くか。」

ゴリラ「え…!私に…?」

男「お前以外いないだろ?」

ゴリラ「い、いいの…?」

男「ああ。」

ゴリラ「ありがとう!」ギュゥゥゥゥ

男「いでえええええええええ!!わかったわかったから!」

ゴリラ「あっ…私ったら///」

男「はぁ…はぁ…い、いくぞ…」

ゴリラ「うん!」

………

男「(とは言ったものの…)」

男「(よく考えたらゴリラ連れて外歩くとか違和感ありすぎるだろうが!)」

男「(しかもあんなに大々的に宣伝してたんだから…)」

男「(もう既に、ゴリラ連れて歩いてる奴が一人ぼっちのクリスマスを送る予定だったっていうことはバレてるだろ!!)」

男「(生き恥さらすだけじゃねえか…)」

男「やっぱり家に…」

ゴリラ「どしたの?早く行こ!」グィッ!

男「(無理だ…コイツに逆らったら殺される…)」

~デパート~


男「(街中に来た時から思ってたが…)」

\ウッホッホウホwwウホオホッホホホwwwwウホッホホオホwww/
 
男「(思いのほかゴリラ多いじゃねえか!!なんだこの異様な光景!)」

男「(しかもこいつらデフォルト設定ばっかりかよ!なんか逆に俺が恥ずかしい!!)」

男「(おそらく奴らもゴリラに無理やり連れ出されたんだろうな…)」

男「(ゴリラ連れてるやつみんな死んだ魚のような目してやがる…)」

男「まあそのおかげで浮かなかったのは助かった…」

男「ゴリラ、お前何が欲しいんだ?」

ゴリラ「んーと…ぺ、ペアリング…」ボソッ

男「は?何?聞こえなかった。ゴリラのくせにボソボソ喋るな。」

ゴリラ「ペ、ペアリングが欲しいっていったのおお!!」バキッ

男「おごぉッ!!!わ、分かった…ペアリングだな…」

ゴリラ「うん…///」

男「(そこはバナナとかじゃねえのかよ…)」

~アクセサリー売り場~


男「どれがいいんだ」

ゴリラ「んーと…あ!これかわいい!!」

男「(うわだっせ!!だっせえこれ!バナナのモチーフついてる!!)」

ゴリラ「ダメかな…?」

男「いや…可愛いと思うよ…」

ゴリラ「じゃあこれにしよ!」

男「ああ…そうだn…!?」

男「(たっけええええ!!!一個10万もすんのかよ!!これ作ったやつがゴリラと友にクリスマス過ごしてることを切に願う!!)」

ゴリラ「どうしたの?」

男「い、いや!(ここは男を見せないとな…)」

店員「い、いらっしゃいませーブッwww」

男「…これください。」

店員「お連れ様ブフッwwwの指に合うサイズがないブウウッフwwのでネックレスという形になりますがよろしいですブーッwww?」

男「(この店員殴りてええ…!!)」

男「それでいいよな…?」

ゴリラ「ほんとは指にしたかったけどしょうがないね~」

店員「ブーッwwwww」

ゴリラ「なんかこの店員対応悪くない?」

男「(確かに腹立つけど俺も店員だったら確実に吹く自信ある。)」

………

ゴリラ「お揃いだねー!」

男「ああ…(一刻も早く外したい…)」

ゴリラ「ルンルン♪」ドスッドス!

男「次どこ行くよ?」

ゴリラ「あ、私ゲーセン行きたーい!」

男「じゃあゲーセン行くぞ。」

ゴリラ「わーい!」

………

~ゲーセン~

ゴリラ「私男とプリクラ撮りたいな!」

男「ぷ、プリクラか…分かった…」

ゴリラ「ありがと男!」



~プリ機内~

ゴリラ「まずは並んで」

男「(改めてゴリラでけええ!フレームからはみ出しまくってるじゃん…)」

パシャッ

ゴリラ「次は…お、お姫様抱っこで…///」

男「(何考えてんだこのゴリラ!?どう考えても無理だろ!!)」

ゴリラ「恥ずかしがらなくてもいいのに///」

男「(恥ずかしい恥ずかしくない以前の問題なんだよ…!!)」

男「いやいやいやいや普通に撮ろ?な?俺お前の普通のポーズが可愛くて好きなんだよー!」

ゴリラ「ええ~?しょうがないなぁ///」

男「(あ、あぶね~…)」

パシャッ

ゴリラ「次は…ね?///ん~///」

男「え…ちょ、ちょっと待て待ってくれ待ってくださああああああ」

ブッチュウウウウウウウウブヂュルヂュル…

パシャッ

ゴリラ「キャーやっちゃった///やっちゃったよぉお///」

男「」

………

男「(もう一周回って可愛く思えてきた…)」

男「次は何する…」

ゴリラ「あ、あれやって!あれ!」

男「(パンチングマシーンか…まあ俺がやる分には問題ないだろう…)」

男「うっし、いっちょやるか。」

ゴリラ「がんばって~!」

男「せーの…うぉりゃあああ!」

どごーん

ピピピ『120Kg』

男「まあこんなもんか。」

せない…

男「ん?」

ゴリラ「許せない…!!」

男「え!?何が!?」

ゴリラ「男のパンチがこんなにしょぼいわけない!!私がやるから見てて!」

男「いや、それはやめとけって…!」

ゴリラ「じゃあいくよー?えいっ」ペシッ

ボッゴオオオオオオンズギャギャドンガラッシャーン!!!

ピ…ガガピ…『9999999999999999999999999999』

ゴリラ「ね?壊れてるでしょ?私のジャブでこれだけいくんだもん。」

男「いやーかなり正常だったよ?お前がジャブくれてやるまでは。」

男「っていうかやべえ!逃げるぞ!」グイッ

ゴリラ「え、ちょ、ちょっと!///」

………

男「ふぅ…ここまでくれば安心だろう…」

ゴリラ「も、もう!手なんかつながなくても走れるよ///」

男「あ、ああすまん…」パッ…

ゴリラ「あっ…」

男「なんだ?」

ゴリラ「やっぱり…つないでて…///」

男「えっ…」ドキッ

男「(うわああああなんだよ今のドキッって!なんでゴリラにときめいてんだよ俺!!)」

ゴリラ「だめ…かな?」クイッ

男「…」

男「…最初はあんなに憎たらしいだけだった小首かしげ上目遣いも…なぜだろう…今は…」

男「ああ…そうだな。」ぎゅっ

ゴリラ「男///」ギュウウウウ

ボキボキボキメリメリィ

男「あぎゃあああああ!!!」

………

ゴリラ「ごめんね男…私、力の加減ができなくて…」

男「ああ…もう気にするな…それよりケーキでも買うか。」

ゴリラ「わあい!」ドスッドスス

~ケーキ屋~


店員「いらっしゃいませー!」

男「どれにする?」

ゴリラ「えっとねーこれ!」

男「うん、だと思った。すみません。このバナナケーキください。」

店員「はいどうぞ、ありがとうございましたー!」

男「(よかった…店員さんが全く笑わない。もう相当のゴリラ連れがこの店来てんだろうな。)」

男「(ゴリラももう街に馴染み始めている…)」

男「(俺も…最初こいつのことをただのゴリラだと思っていた…だけど…だけど…)」

ゴリラ「?」

男「(性格はもう普通の女の子じゃないか!)」

男「…」

男「(…逆に言えば性格以外は完全にゴリラじゃないか!)」

男「(でも…俺は…)」

ゴリラ「今日はありがと!」

男「まだ終わらないぞ。」

ゴリラ「え?」

男「飛びっきり景色のいいところ知ってるんだ。一緒に行こう。」

ゴリラ「う、うん!///」

………

~夜景の綺麗な丘~


ゴリラ「うわあ~///きれ~///」

男「なかなかいいだろ?」

ゴリラ「うん!とっても綺麗…」

男「良かったよ、お前に喜んでもらえて。」

ゴリラ「男…///」

男「あ。雪だ…」

ゴリラ「ほんとだー!」

男「寒いな。帰ってケーキでも食おう。帰りにバナナも買ってさ。」

ゴリラ「…うん。ぐすっ…」

男「ど、どうした?」

ゴリラ「私…嬉しくって…。男がとってもやさしくて…。でも私…」

男「ゴリラ…?」

ゴリラ「ごめんなさい!」ドスッドスッドスッ…

男「おい!ゴリラ何処へ!」

男「だめだクッソ速えええええ!もう見えねえぞ!!」

男「ゴリラ…一体何処へ行ったんだ…」

………

~政府直属メカゴリラ情報集積所~


研究員「未だ好感度が10%以下がほとんどという中、例のゴリラだけが…」

所長「好感度90%を…突破しただと…?」

所長「ありえない…飼い主の特徴は!?飼育員か!?」

研究員「いえ…ごく一般的な大学生のようです…」

所長「彼なら…彼ならやってくれるかもしれん…」

12月25日 ~クリスマス~

男「くっそお…もう夜が明けたっていうのに…ゴリラは見つからない…」

男「そうだ…プリクラ…」

男「ゴリラ…」

男「うっ…うぅぅ…くそっ!!泣いてる場合かよ俺!」ゴシゴシ

男「探さなきゃ…見かけてる人がいるはずだ…」

………
……

男「はぁっはぁっ…もう夜だ…。ずっと探し回ってある程度絞り込めたが…もうだめなのか…」

男「ん!?この穴は…!?」

男「ずっと先まで続いている…まさか!これを辿っていけば…!」タッタッタ…

………

男「ここは…動物園?ゴリラの檻のところか!?」ダッ…!

………

~ゴリラ檻前~


男「ゴリラっ!!!」

ゴリラ「お、男…」バクバク…

男「はは…やっぱりあの穴はお前のハンドスラップ穴だったんだな…」

ゴリラ「ど、どうしてそれを…!」パクモグパクモグ…

男「伊達にスーパードンキーコング101%クリアしてねーぜ…」

ゴリラ「…」パクモグ…

男「バナナがいっぱい食いたいならそういえば良かったのに…何も逃げること…」

ゴリラ「違うの!そうじゃなくて…私、男といて、ほんとに楽しくて…」

男「ならなんで!」

ゴリラ「クリスマスが終わったら、私もう帰らなきゃいけない!男と一緒にいられないの!」

男「あっ…」

ゴリラ「そう考えたら…もう男と一緒にいることができなくなっちゃって…行き場のない私は…動物園に…」

男「そうだったのか…」

ゴリラ「だからもう…さよなら…」

男「待てよ!」ガシッ

ゴリラ「男…?」

男「まだクリスマスは終わってないだろ!ケーキもまだ食ってない!」

ゴリラ「お…とこ…」ウルウル…

ゴリラ「おとこおおおおおおおおっ!!」ぎゅぅっ

男「(や、やばい!!)」

男「(あ、あれ…こいつ…力の加減が…できてる…)」

ゴリラ「おとこ…おとこ…」

男「ゴリラ…」ぎゅぅっ…

パチパチパチパチ…

男「だ、誰だ!?」

所長「素晴らしい…実に素晴らしい…!」

男「誰だと聞いている!」

所長「申し遅れた。わしは政府直属メカゴリラ情報集積所所長だ。」

男「政府直属メカゴリラ情報集積所…?なんだそれは!?」

所長「一人ぼっちのクリスマスを過ごす者たちにメカゴリラを1体貸し出し、メカゴリラと擬似恋愛をしてもらった。」

所長「その全てのゴリラ達には情報通信装置が備えられており、ゴリラの好感度を逐一情報集積所に送信するようになっていたのだ。」

男「なんだと…?」

所長「ほとんどの者は好感度10~20%止まり、高い者でも50%といった中、一際高い好感度を叩き出したゴリラがいた。」

所長「それが君のゴリラだ。」

男「!」

ゴリラ「…」

所長「君のゴリラの好感度は400%を超え、我々の好感度計測機の針を振り切らせ、故障させるほどだった。」

男「だから何だ!好感度がどうとか、そんなことどうでもいいだろ!」

所長「まあ落ち着いて聞いてくれたまえ…その昔、我々の研究所ではゴリラを美少女に変える研究を行っていた。」

男「何!?」

所長「もちろん倫理的な問題からくる反対や動物愛護団体からの反発が予想されたため、研究は極秘裏に行われた。」

所長「そして実験はある程度成功した。つまり、ゴリラを美少女に変える下準備は整ったのだ。」

所長「そしてゴリラを美少女に変えるための最後のトリガー、それが…」

男「好感度MAX…」

所長「そういうことだ。ゴリスマスプロジェクトは建前は一人ぼっちの寂しいクリスマスを送る者達を救うことが目的…」

所長「だが実際は…ゴリラを美少女に変えることができる者…すなわちゴリラに選ばれしものを選定する実験にほかならないのだよ!」

男「て、てめえ…!!」

所長「そして数多くの被験者がいる中、君だけがそれを達成した。」

男「じゃ、じゃあ…このゴリラは…」

ゴリラ「男…私…」

所長「さあもうクリスマスも終わる…」

所長「午前0時丁度に全国のメカゴリラは一斉に全機能を停止した後、速やかに回収される…だが…」

男「…」ゴクリ…

所長「好感度MAXを達成したゴリラのみ、0時丁度に虹ボタンを押すと…」

所長「メカゴリラは、美少女に変わる!!」

男「…」

ゴリラ「男…」

所長「10秒前だ!虹ボタンを押す準備を!」

10…

男「俺は…」

9…

ゴリラ「男…嫌だよ私男と一緒に…」

8…

男「俺は…」

7…

ゴリラ「ずっと一緒に居たい!」

6…

所長「早く虹ボタンに手をかざすんだ!」

5…

男「俺は…!」

4…

ゴリラ「男…私はあなたが…!」

3…

所長「早ぁああああく!!」

2…

男「ゴリラあああああ!!!」

1…

男「すまん」ポチッ

ゴリラ「押すんかぁあああああい!!!」

ピシュウウウウウウウウウウ…パアアアアアアッ!!!!

男「うわぁああああなんだこの光は!?」

所長「お、おそらく今メカゴリラの体内で化学変化が起こっているはずだ!」

フォオオオオオオ…

シーン…

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