サシャ「ぬ、盗まれてしまいました!!」(79)


私の名前はサシャ・ブラウス 

皆が寝静まった頃、私は動き出す…


教官に今度、食料庫に無断で侵入したら営倉にぶち込むって言われましたが……



「ふっ、この程度の脅しで、私の空腹がおさまると思っているんですかね…」ニヤリ



コソコソ


さて、今夜も夜食を拝借しに行きますか ま、返しませんけどね

……ん?この匂い……パァン!?パァンの匂いがします!!一体何処から……


クンクン


え?こっちは私の家(食料庫)がある方向ですね…


スタスタ


あっ、ありました!!でも、何で廊下にパァンが落ちてるのでしょう?

……はっ!パァンが私に会いに(食べられに)来てくれたんですね!


では…命ある全ての食材に感謝を込めて……いただきます!!


ピョン
    パクッ

モグモグ


ん~~♪口に入れた瞬間に溶けましたよ!こんな柔らかいパァンを食べたのは初めてです!歯なんて必要ありませんね!

まるで、何も食べてないみたい………って、あれ?口の中にパァンがありません!?

え!?目の前に先ほどのパァンが!?


ピョン
    パクッ


ん~~♪またまた溶けました!……ってそんなはずありませんよね


やはり、私が噛み付く瞬間にパァンが移動してます……

だが!負けませんよ!!


ピョン
   パクッ

      ピョン
         パクッ

            ピョン
               パクッ


………もう!なんですか、このパァンは!?


こうなったら、私の本気を見せて差し上げましょう…


ヒュゥゥゥ……
      バサッ


なっ!?上から網が!?


ズルズルズル


私のパ、パァンがああぁぁぁ!?

ぐすんっ……ん?今、パァンに糸が繋がれていました……ってことは誰かがパァンで私を誘きよせたってことですか!?

何て卑劣な!許せません…見つけたらただじゃおきませんよ!!


ですが……私、わりと今ピンチですよね?食料庫の前で、網に捕まって動けない……

うおおおおぉぉぉ!!犯人はこれが狙いだったんですね!?このままでは教官にバレてしまいますよ!


ジタバタ


ダメですね…動けば動くほど網が体に絡まってしまいます…

………もう、諦めて寝ましょう きっと時が解決してくれるはずです!

おやすみなさい………zzZ


ザッ


????「………」


___________________


チュン  チュン


zzZ……ぅ…う~ん、もう朝ですか


キョロキョロ


…あれ?ここは食堂ですね いつの間に移動したんでしょうか?それに…タオルケットまでかけてありますし……ん!

この香りは…パァン!!何故か、テーブルの上にパァンが置いてありますよ!


パクッ


「ん~~~~♪やっぱりお目覚めのパァンは最高ですね!」モグモグ


ユミル「部屋にいねぇから探しに来てみれば………お前は何をやってんだ?」


「あっ、ユミル!おはようございます!」モグモグ


ユミル「挨拶はいいから、何でお前はこんな朝早くに、食堂でパンを食ってんだ?まさか…また盗んだのか!?」


「いえ、違いますよ!今回は食料庫の前で、敵の仕掛けた罠(網)に捕まってしまったんです!このパァンは朝起きたらこのテーブルに置かれていましたので、拝借しました!」


ユミル「…つまり、お前はまた盗もうとしたんだな……ふんっ!」シュッ


「いたっ!」ベシッ


ユミル「ほんっとどうしようもねぇ奴だな…しかもそいつは敵じゃねぇだろ」


「どうしてですか?私からパァンを盗んだあげく、網で捕獲ですよ!?明らかに私を陥れようとしてますよ!」


ユミル「少しは頭を使え 本当にお前を陥れようとするんだったら、お前を食料庫の前で放置しておくだろ?だが、お前は今どこにいる?」


「…食堂です」


ユミル「そうだ そして、わざわざタオルケットをお前にかけて、パンまで置いていきやがった…至れり尽くせりだな」


「で、でもですね!結局、食料庫に忍び込めなかったんですよ!?」


ユミル「だ~か~ら~!お前の為にそれをさせなかったんだろ!!次やったら営倉行きだって言われてたろ?そいつはお前の営倉行きを阻止したかったんだよ」


「ぐっ……一理ありますね」


ユミル「一理どころかそれしかねぇよ」


「でも……例えどんな理由があろうと私から食べ物を盗んでいい理由にはなりません!!」クワッ


ユミル「まずお前から盗んでねぇだろが……はぁ、もういいや」ツカレタ…


「犯人め…必ず正体を暴いてみせます!!パァンの名にかけて!!」


ユミル「…さて、クリスタを起こしてくるか」スタスタ


___________________


ワイワイ  ガヤガヤ


さて、朝の狩りと行きますか……と言っても最近はあの人から貰っているんですけどね


キョロキョロ


コニー「…またサシャが狙っているぞ」


ジャン「ったく、味も量も最悪なのにその上、常にハンターに狙われてるなんて……ここは戦場じゃねぇっつうの」


マルコ「でも、最近は被害が少なくなってきたよね?」


ジャン「あぁ、あいつがエサを与えてるからな あいつが貧弱君でよかったぜ」



ミカサ「大丈夫、アルミン?なんか調子が悪そうに見えるけど…」


アルミン「心配いらないよ、少し筋肉痛なだけさ……」イテテテ


「それはいけませんね!手を動かすのも辛そうなので、私が代わりにパァンを食べてあげますよ?」


エレン「おい!いい加減にしろ!最近はいつもアルミンの朝食を貰ってるだろ!」


アルミン「まぁまぁ、朝は食欲がないから僕からサシャにあげているだけだよ」


「そうです!私とアルミンは共生関係にあるんですよ!」


エレン「珍しく難しい言葉を使ってんな しかもアルミンのメリットがないから、どちらかと言うと寄生関係だろ?」


アルミン「僕にもメリットはあるよ」


エレン「サシャに食べ物をあげるメリットって何だよ?」


アルミン「それは……」チラ


ん?何でしょう?私のほうをジーっと見て…心なしか笑われてる気がしますね……何か顔についてるんでしょうか?


「………」ペタペタ


ミカサ「どうしたの、サシャ?顔を触り始めて…」


「いえ、何か顔についてるのかと思いまして…食べカスとか」


アルミン「サシャ、食べカスは顔じゃなくて口につくものだよ?」クスッ


エレン「それよりお前のメリットを教えろって」


アルミン「そ、それは……残しちゃうと食材に申し訳ないでしょ?だからサシャに食べてもらうことで、僕の罪悪感が無くなるんだよ!」アセアセ


「そうです!私はアルミンの罪悪感も一緒に食べてあげてるんです!」ドヤッ


ミカサ「ドヤ顔で言うことではない」


アルミン「でもこれで僕がサシャに朝食をあげている理由がわかったでしょ?じゃあ、サシャ 今日も食べてね」ニコ


「ありがとうございます!アルミンは神様です!」


アルミン「それは言い過ぎだからやめてよ」ハハハ


「~~~~♪」ガツガツガツ


アルミンは優しいですね こんな私にいつも分けてくれるんですから…


アルミン「ほらほら、そんなにがっつくと喉に詰まらせるよ」ニコ


……アルミンは笑うと可愛いです 私なんか足元にも及ばない可愛さですよ



カンカンカンカン!



エレン「さて、今日も訓練が始まるぞ!気合入れないとな」ガタッ


「さすがはエレン、訓練命ですね」


エレン「そういうお前は芋命だろ?」ハハハ


「なっ!?違いますよ!!パァンやお肉だって命ですよ!!」


アルミン「ツッコむところはそこじゃないよ」ハハハ


___________________


今日の訓練も終わりました、つまり…お待ちかねのご飯の時間です!


アルミン「………」コソコソ


ん?アルミンがパァンを懐に入れてますね……何故でしょう?


「アルミン、どうしてパァンを懐に隠してんですか?」


アルミン「」ギクッ


アルミン「え、え~っと……ほら、僕は朝に食欲がわかないから、出来るだけ夜遅くに食べれば朝食べなくても済むでしょ?」アセアセ


なるほど、頭のいいアルミンらしい考え方ですね……はっ!

ぐへへ…アルミンが夜遅くに食べれば朝お腹が減らず、私にくれる量が増えるかもしれませんね!


「アルミン!頑張って出来るだけ夜遅くに食べてくださいね!」ジュルリ


アルミン「え?う、うん…」ヨダレタレテルヨ?


ベルトルト「アルミン、ちょっといい?君は最近、タオルケットを新しく買ったでしょ?」


アルミン「うん、まだまだ使えたけど気に入ったのがあったからつい買っちゃったんだ」


ベルトルト「そのお古を僕にくれないかな?一枚じゃ僕の体全部を被うことが出来ないから寒いんだ」


ライナー「お前の場合、寝相が悪くて蹴飛ばすからだろ?」ハハハ


ベルトルト「う、うるさいな!寝る前に既に寒いんだよ!」


アルミン「ハハハ、羨ましい悩みだね でも、ごめんね……昨日ある人にあげちゃったんだよ」


そういえば……あのタオルケットは犯人の物なんでしょうか?部屋にあるのであとで匂いを嗅いでおきましょう、犯人を捕まえるヒントになるかもしれませんし……


ユミル「……おい、サシャ 水汲みに行くぞ」


サシャ「は、はい!今行きますよ!」タタタタタッ


ライナー「まだサシャはユミルにこき使われているのか?」


アルミン「違うよ、最近はサシャの当番の時にもユミルとクリスタが手伝っているみたいなんだ」


ベルトルト「へぇ~クリスタはわかるけどユミルも手伝ってるなんて意外だね」


ライナー「そうだな、クリスタは天使だからな」ウンウン


アルミン「ユミルだって少し口が悪いけど、友達思いの優しい人だよ」


ライナー「…なんだ、もしかしてアルミンはユミルのことを……」ニヤニヤ


アルミン「ち、違うよ!!僕が好きなのはユミルじゃなくて、s……はっ!」


ベルトルト「好きな人はいるんだね」ニヤニヤ


ライナー「アルミンらしからぬミスだな」ニヤニヤ


アルミン「~~///もう、僕は部屋に戻る!!」ガタッ


ライナー「おい!まだ夕飯、芋が残ってるぞ?」


アルミン「部屋で食べるからいいの!」プンプン!


ライナー「…少しからかいすぎたか?」


ベルトルト「そうだね あとで謝っておかないと……でも、アルミンの好きな人って誰だろ?」


___________________


さて、皆さん!今日もこの時間がやってきました!!

え?誰に話しかけているかって?それはもちろん!………誰でしょう?

それはさておき、今日こそマイホーム(食料庫)に帰還しなくては……



パァン



ぐっ…!!また廊下にパァンが置いてありますね……


ここで飛びついては相手の思う壺です…我慢しなくては……



スタスタスタ
       ピタッ



…………


我慢など出来るはずありません!!


ダンッ!!
     パクッ
          ズザァァァァ


ふっ、本気を出せばこの程度……糸を引く暇すら与えませんよ


そしてこの糸を……


グイッ

                イテッ!


転びましたね!今がチャンスです!!


タタタタタ モグモグモグモグ タタタタタッ


ちゃんとパァンは完食しましたし、あとは犯人を捕まえるだけです!!

どうやら足は私のほうが速いみたいですね、だんだん犯人の影が見えてきましたよ


????「くっ……!」ポイッ


ん?何かを落としましたね……いえ、今は犯人確保が優先です 何を落としたのか確認している暇などありません


タタタタタタタ……
            ピタ


な…なん……ですと…!?すれ違いざまに香るこの匂い…まさか……蒸かした芋!!

このまま走れば犯人を捕まえられる……でも、お芋さんが私を待っている…

……ふっ、迷う必要なんてありませんよね 最初から一択ですよ

では……命ある全ての食材に感謝を込めて………いただきます!!


ダンッ!!
      パクッ


「~~~♪」ガツガツ


硬すぎず、柔らかすぎず、いい具合に蒸かしてあります! 犯人も中々やりますね…私好みの蒸かし具合ですよ


……さて、邪魔者もいなくなったので我が家に帰りますか


スタスタスタ


あとは鍵を開けてと……ちなみに鍵は盗んでいるわけじゃありませんよ?拝借しているだけです


カチャカチャ


……え?


カチャカチャ


…か…鍵が……変えられている…だと!?

ぬわあああああ!!やられましたあああぁぁ!!


トボトボ


まさか犯人がここまでやるとは………完敗です

パァンと芋を食べたので少しは腹の足しになりましたが……やっぱり足りません

まるで、エサの目の前で「待て」をさせられている犬の気分ですよ……はぁ…


ガチャ


今日は諦めて大人しく自分のベッドで寝ますか……

ん?これは犯人のタオルケット……


クンクン


どこかで嗅いだことがある匂いですね それに……

何故だかわかりませんが……とっても落ち着きます

……今日はこれをかけて寝ますとしましょう

おやすみなさい……zzZ


___________________


トボトボトボ


「はぁ……」


クリスタ「どうしたの、サシャ?そんなに深いため息ついて…」


ユミル「どうせまた、食料庫に忍び込めなかったから落ち込んでんだろ?こんな奴ほっとけ、クリスタ」


クリスタ「…サシャ、私のパンをあげるから元気だして」


「ほんとですかーー!!」


ユミル「バッカヤロウ!ダメだ!!お前みたいな貧弱な奴が、貴重な食事を分け与えたら訓練中にぶっ倒れちまうだろ!!」


クリスタ「で、でも……」


サシャ「…ユミルの言うとおりです 確かにパァンは貰いたいですが、大好きなクリスタに倒れてほしくないですからいりませんよ」ニコ


クリスタ「サシャ……」


サシャ「では私はアルミンから貰ってきます!」ダッ!


ユミル「おい!…って行っちまった」


クリスタ「…そういえばアルミンは毎日サシャに自分の朝食をあげているけど……大丈夫なのかな?」


ユミル「大丈夫なはずねぇだろ あいつは人一倍貧弱だからな……それに晩飯もあいつにあげてるみたいだしな」


クリスタ「夕飯も?でもサシャは『さすがにアルミンから三食貰うのは悪いですから』って言ってたよ?」


ユミル「あいつは気づいてないだけだ…ま、こんな状況は長くは続かないがな」


クリスタ「??」


キョロキョロ


……ん?アルミンが見当たらないですね まだ起きてないんでしょうか?

でもエレンはミカサといつもの席に座ってますし…でも、何やら険しい表情で話しをしてますね…何かあったのでしょうか?


「おはようございますエレン、ミカサ…あの~アルミンはどうしたんですか?」


エレン「サシャ……アルミンは今、医務室で寝てる」


「ええ!?」


ミカサ「私も今エレンから聞いたのだけど、今朝起きたときに突然倒れたらしい…」


「そ、それでアルミンは今、大丈夫なんですか!?」アセアセ


エレン「今は安静にしてるから大丈夫だ……サシャ、何でアルミンが倒れたかわかるか?」


「う~ん…風邪でも引いたのでしょうか?」


エレン「違う、医師が言うには……栄養失調だ」


「栄養失調…?」


栄養失調って確か食べ物などから得る栄養が不足して………!!


「ま…まさか……私のせいですか?」


エレン「…お前のせいかどうかはわからないが……お前に渡していた分の栄養が不足していたのは事実だ」


「で、でも…夜遅くに食べてたから大丈夫だったんじゃ…」


エレン「何を言ってんだ?あいつはいつも一番最初に寝るから、夜に飯を食ってるとこなんか見たとき無いぞ」


「え?」


じゃあ、アルミンは一体何の為に夕飯を懐に入れていたんでしょうか?

…いえ、そんなこと今は関係ありません 私のせいでアルミンが……


「……」ズーン


ミカサ「…全てサシャが悪いわけではない 自分の体調も考えず、あなたにあげていたアルミンも悪い ので、そこまで落ち込む必要はない」


「でも……」


ミカサ「それにあなたのそんな顔をアルミンは見たくないと思う」


「…アルミンはきっとどんな私の顔でも見たくないと思いますよ」


ミカサ「はぁ、あなたは何もわかってない………!」ピコーン


ミカサ「そうだ サシャ、アルミンに朝食を運んであげて」


「わ、私がですか!?」


ミカサ「ええ、あなたが運ぶべき きっとアルミンも喜ぶ」


どうして私が運ぶとアルミンが喜ぶんでしょうか?でも…


「わかりました……アルミンが少しでも喜んでくれるのなら…私、行きます」


___________________


アルミン(はぁ…僕って本当に弱いなぁ……)


コンコン


アルミン(誰か来たみたい でも今は医師が出払っちゃってるしなぁ…)


ガチャ


「失礼します!……ん?誰もいませんね」


アルミン(ええ!?この声はサシャ!?何でサシャがここに!?)


「アルミンは……まだ寝てますかね?」スタスタ


アルミン(ちょっ!?心の準備が…こ、ここは寝たフリしてやり過ごそう!)ガバッ


シャッ


「…アルミン、起きてますか?」


アルミン「……」スゥ スゥ


「寝てるみたいですね……朝食はここに置いておきましょう」カタッ


アルミン(そうか、朝食を持ってきてくれたのか……)


「……」スタスタ 


ギシ…


アルミン(え!?もしかして僕の背後(ベッド)に座ったの!?)


ヒョコ


アルミン「……」ビクッ


アルミン(顔を覗かれてる!?って近い///)カアァ


「頬が赤い…熱もあるんですかね?」


ピタッ


アルミン(おでこを触られた!?)


熱はなさそうですね…安心しました…でも……


「……ごめんなさい、アルミン……私が調子に乗ってアルミンから食べ物を貰い過ぎたせいでこんな事になってしまって…」シュン


アルミン(違うよ、君のせいじゃない……)


「……ん?」クンクン


アルミン(え!?ちょっと///)


「この匂い……あのタオルケットと同じ匂いですね」


アルミン「」ギクッ


「…なるほど、犯人がわかりました!」


アルミン「」ダラダラ


「犯人は…アルミンからタオルケットを貰った人ですね!確かお古を誰かにあげたって言ってましたし」


アルミン(サシャが頭の悪い子でよかった…)ホッ


「ん?起こしちゃいましたか?」


アルミン「……」スゥ スゥ


「よかった、起きてませんね それにしても……可愛い寝顔ですね」クスッ


アルミン(可愛いって……複雑だな)


匂いもそうですけど、アルミンの顔を見ると何か落ち着きますね…


「………」ナデナデ


アルミン「///」


ミカサ「………」


サシャ「うわぁ!ミ、ミカサ!?ビックリさせないでくださいよ」


ミカサ「……サシャ、そろそろ訓練が始まる」


サシャ「もうそんな時間ですか、じゃあ行きましょう」スタ


ミカサ「…先に行ってて 私もアルミンの顔を見てから行く」


サシャ「わかりました、では先に行ってますね」スタスタ


バタン


ミカサ「お邪魔だったかしら?」


アルミン「……」スゥ スゥ


ミカサ「…アルミン、起きているでしょ?」


アルミン「」ギクッ


ミカサ「はぁ…せっかくサシャをここに向かわせたのに…」


アルミン「ミカサが仕組んだの!?」ガバッ


ミカサ「ええ、アルミンが元気になると思ったから…」


アルミン「ミ、ミカサは僕の気持ちを知ってるの?」


ミカサ「もちろん、何年一緒にいると思っているの?正直、バレバレ」


アルミン「ぅ~~~///」ガバッ


ミカサ「布団に丸まらないの」


アルミン「…はい」ヒョコ


ミカサ「顔だけ出さない」


アルミン「…はい」バサッ


ミカサ「アルミン、私は怒ってる 今回の事はアルミンが悪い」


アルミン「はい、わかってます……」


ミカサ「ちゃんとあなたの気持ちを伝えれば、サシャもわかってくれるはず…違わない?」ガミガミ


アルミン「仰るとおりです……」


ミカサ「アルミンは昔から頭が良い分、少し遠回しになることがある たまにはエレンみたいにストレートに気持ちを伝えることも大切」ガミガミ


アルミン(エレンはストレートと言うよりもあまり考えて発言してないような…)


ミカサ「アルミン…まだ私の話は終わってない」


アルミン「は、はい!」


ミカサ「このままでは二人のためにもならない 早急に自分の気持ちをぶつけるべき」ガミガミ


エレン「おい、遅いから来てみれば…何で病人に正座させて説教してんだよ」


ミカサ「エレンは黙ってて これは重要な問題」


エレン「いいから訓練に行くぞ!」ガシッ


エレン「じゃあ、アルミン 訓練終わりにまた食事を持ってくるよ」ズルズル


アルミン「う、うん…ありがと」


ミカサ(……たまには引きずられるのもいい)ホッコリ


エレン「お前、楽してるだろ?」オモイ…


バタン


アルミン「はぁ…疲れた……自分の気持ちを素直に…か」

今更ですがアルサシャです


また夜中に終わりまで投下します

サシャだけ「」前に名前無いの何で?

個人的には、「」前に名前をつけるな全キャラ「」前に名前をつけてほしいです



サシャがかわいいので是非続けてください。

ご指摘ありがとうございます
実は今、地の文とか会話だけとか色々と書き方を試していまして、サシャ視点だったので試しに外してみたんですがやっぱり変ですか……次からつけてやります
ちなみに元々名前ありだったので>>38>>39みたいに外し忘れもありました、すいません

では、投下していきます

___________________


スタスタ


ユミル「おっ、帰ってきたか」


サシャ「ただいま戻りました!」


クリスタ「あれ?少し元気になったね」


サシャ「はい!アルミンの顔を見たら元気になりました!」


ユミル「お前それ…自覚して言ってんのか?」


サシャ「??」


クリスタ「サシャ、それはね あなたがアr―ガバッ


ユミル「やめろ、私達が教えちゃダメだ これは自分で気づかないといけない問題だろ?」


自分で気づく?…何のことでしょう?


オーイ!サシャー!


サシャ「おっと、そういえばコニーと対人格闘する約束してましたね では、後で今の質問の意味を教えてくださいよ?」タタタタタッ


クリスタ「んん~~~~!!」モガモガ


ユミル「おお、悪い悪い」パッ


クリスタ「あんなこと言って……ユミル、本音は?」


ユミル「見てて面白い」キリッ


クリスタ「もう!」プンプン!


ユミル「だが、私の意見は正論だろ?それにこんな閉鎖空間じゃ娯楽が少ないからな」


クリスタ「まったく…サシャに悪いでしょ?」


ユミル「お前だって楽しんでるくせに…」


クリスタ「」ギクッ


クリスタ「べ、別に楽しんでないもん!サシャを応援したいだけだもん!」アセアセ


ユミル「もちろんそれなりに応援、アシストはするつもりだ だが、別に楽しむのは悪いことじゃねぇだろ?それに…あいつの場合、自分の気持ちに気づいてからの方が面白そうだしな」クックック…


クリスタ「た、確かに…」


___________________


ふぅ…疲れました またコニーのせいで教官に走らされてしまいましたよ


モグモグ


アルミンはちゃんと食べてくれたんでしょうか……栄養をしっかり取って、早く元気になって欲しいですね


サシャ「……!」ピコーン


そうだ!アルミンの為に食料庫から栄養のあるものを拝借しましょう!

その為に必要なのは……鍵ですね


サシャ「……くっ、お芋さん…我慢してくださいね」ウルウル


ユミル「お前は何してんだ?」イモトカイワ?


昼飯と夕飯のお芋さんを使えば……


___________________


…そろそろ皆さん、寝ましたね

さて…行きますか


コソコソ


今回の私は一味違いますよ…アルミンの為にも必ずや栄養(食材)を盗ってみせます!


スタスタスタ


あれ?犯人のトラップ(パァン)が仕掛けてありませんね…今日はお休みでしょうか?

これは好都合です……では、秘密兵器で食料庫に侵入しますか


チャキーン!


これぞ、私の血と涙の結晶!お芋で作った鍵です!!

作り方ですか?それは………秘密ですよ


まぁ、お芋の錬金術師と言われた私の手にかかればお茶の子さいさいです!

これで理想郷(ユートピア)への道が開けます!


カチャカチャ
               ボキッ!


……………


サシャ「折れたあぁぁぁぁぁ!?そんなあぁぁ……」ヒョイ パクッ


モグモグ


せっかく昼飯と夕飯の芋を使って作ったのに……


教官「そこに誰かいるのか!?」


サシャ「!?」


しまった!?あまりにもショックで大声をあげてしまいました!!


ダッ!


教官「待たんか!!」ダッ!


タタタタタタッ


教官「貴様、ブラウスだな!?今度という今度は許さんぞ!!」


このままでは営倉にぶち込まれてしまいます!


ガシッ
      グイッ


え!?誰かに口を塞がれて、空き部屋に引っ張られてしまいました!!


????「お願いだからジッとしててね」ボソッ


どうやら敵ではないみたいですね…


トマレ、ブラウス!
タタタタタタッ


何とか撒くことができました………ん?この匂いは…!?


バッ


サシャ「ア…アルミン!?」


アルミン「しー!まだ教官が近くにいるから、あまり大きな声を出しちゃダメだよ」ヒソヒソ


サシャ「す、すいません」ヒソヒソ


サシャ「…でも、どうしてアルミンがここに?まだ安静にしてないとダメじゃないですか!」


アルミン「それは……」


ん?アルミンは手に何か持ってますね……あれはパァン!!

でも、何でこんな夜中にパァンを持っているんでしょう?まるであの犯人みたい……!!


サシャ「ま…まさか……今まで私の邪魔をしていたのはアルミンだったんですか!?」


アルミン「…うん」


サシャ「ど、どうしてですか?」


アルミン「…サシャには営倉に入って欲しくなかったから……」


ユミルが言ってた通りでしたね…私の為にやってくれていたんですね


サシャ「でも……自分だって捕まる危険性があるのに…何で私なんかの為にこんなことをしてたんですか?」


アルミン「それは……僕が…君のことが……」


アルミン(ここで言わなくちゃダメだ……もっと自分の気持ちに素直になるんだ!!)


アルミン「僕は…君のことが好きなんだ!!」


サシャ「………ん?」


聞き間違いでしょうか?


サシャ「…アルミンは卵の黄身が好きなんですか?私も好きですけど……」


アルミン「ち、違うよ!!君のことが!サシャのことが好きなんだ!」


サシャ「ええええええ!?アアアアルミンがうちのことを!?」


アルミン「う、うん…」


サシャ「ど、どうしてや!?うちなんかを好きになる理由なんか無いやろ!?」


アルミン「やろ?」


し、しまった!?ビックリしすぎて訛ってしまった!!


アルミン「そうか、サシャはダウパー村出身だから言葉も独特なんだね」


あぁ…田舎もんやと思われて嫌われてしまう…


アルミン「…僕はそんなサシャも好きだよ」ニコ


そ、その笑顔は反則や!!


アルミン(もう、恥ずかしくなんかない!思ってること全部言ってやる!!)


アルミン「僕はサシャの食べてるとこが大好きなんだ!どんな食事でも美味しそうに食べるサシャを見ると幸せになれるんだ!」


だ、だからいつもうちに分けてくれていたんか…


アルミン「いつも元気で明るくて可愛い……僕はそんなサシャが大好きなんだ!!」


サシャ「ぅう~~~~///」


アルミン「だからこそ、君を営倉行きにさせたくなかったんだ……僕のことを好きになってくれなんて言わないから、お願いだからもう食料庫に忍び込まないでくれないかい?」


サシャ「……わかった、我慢する」


アルミン「ありがと、サシャ」ニコ


サシャ「で、でも!条件があります!」


アルミン「条件?」


サシャ「それは……」


グイッ


アルミン「え?」


ちゅっ


サシャ「ま、毎日お腹いっぱいになるように、うちにキスしてくれんとダメやからな!///」ダッ


タタタタタタッ


アルミン「///」


教官(初々しいな……ブラウスには営倉にぶち込むよりも効果がありそうだから、今回は見逃してやろう)スタスタ


ガチャ


あぁ…私はなんて条件を出してしまったんでしょうか でも……


ポフッ


アルミンの唇…柔らかくて美味しかったなぁ


サシャ「……~~~///」ジタバタ


あ…このタオルケットはアルミンの……


クンクン


サシャ「~~~~~///」ギュゥゥゥ


ユミル(うるせぇ…なに夜中に悶えてやがるんだ?)


___________________


オロオロ


どうしましょう……アルミンはもう食堂にいますかね?


ユミル「どうした?いつもなら真っ先に食堂に行って飯を食い始めるのに…」


サシャ「な、何でもありません!…そ、それよりアルミンはもう来てますか?」


ユミル「アルミン?……へぇ~」ニヤリ


クリスタ「もしかして、自分がアルミンのことを好きだって気づけたの?」


サシャ「ええぇぇ!?私って前からアルミンが好きだったんですか!?」


ユミル「お前は何を言ってんだ?…ていうか、その様子じゃ気づいたって言うよりも気づかされた……つまり、アルミンから告白でもされたのか?」ニヤニヤ


サシャ「」ギクッ


サシャ「そ、そんなこと……ありますけど///」


クリスタ「良かったね、サシャ!おめでとう」ニコ


ユミル「で、アルミンは何て告白したんだ?」


サシャ「そ、それは…私の食べてるとこが好きだって言ってくれました//」


ユミル「あいつも変わってんな…」


サシャ「それに私のことをいつも元気で明るくて…可愛いって///」テレ


ユミル「おうおう、惚気てやがるなぁ」


クリスタ「ほら、まだアルミンは来てないみたいだから席についてもっと話しましょうよ!」ワクワク


ユミル「お前もめっちゃ楽しんでんじゃねぇか」


ワイワイ  ガヤガヤ


ユミル「やっぱりあの犯人はアルミンだったか…」


サシャ「ユミルは気づいてたんですか!?」


ユミル「当たり前だ それよりお前はあいつのどこが好きなんだ?」ニヤニヤ


サシャ「とても優しいところですかね…それにアルミンの顔を見たり、匂いを嗅ぐと安心するんです///」


ユミル「匂いって…だから昨日の夜に、あのタオルケットを抱きしめながら悶えていたのか」


サシャ「み、見られてましたか///」


クリスタ「あっ!サシャ、アルミンが来たみたいだよ」


ユミル「何だよ…あっちも恥ずかしがって、エレンの後ろに隠れてやがるな」


サシャ「ど、どうしましょう…」アセアセ


ユミル「どうしましょうって…会いにいけよ……いや、愛しにいけよ」ニヤニヤ


サシャ「む~~~///」


は、恥ずかしいですけど、いつまでもこのままってわけにもいきませんよね……


サシャ「…が、頑張ってきます!」ガタッ


クリスタ「うん!私達はここで見守ってるからね」


ユミル「笑いながらな」ゲラゲラ


スタスタスタ


アルミン(や、やばい!まだ心の準備が出来てないのにサシャが来ちゃった!)


ミカサ「…アルミン、もっと堂々としなさい 昨日の別れ際の行動に比べたら、恥ずかしくないでしょ?」


アルミン「何でミカサは全てわかってるの!?ていうか見てたの!?」


ミカサ「見てたというよりも…感じていた?ちなみにエレンは昨日、寝言で『駆逐』と21回言った」ドヤッ


エレン「お前は本当に何者だよ」


サシャ「ア、アルミン!おはようございます!!」


アルミン「お、おはよう、サシャ!」


エレン「俺達は完全無視か?」


サシャ「あの…その…た、体調はどうですか!?」


アルミン「おかげさまで元気になったよ」ニコ


サシャ「それは良かったです!」


エレン「まさかお前、またアルミンの食事を狙いに来たのか?」


サシャ「ち、違いますよ!もうアルミンからは貰いません!」


アルミン「…それはイヤだな」


サシャ「え?」


アルミン「…昨日も言ったでしょ?君の食べてるとこが好きだって///」ボソッ


サシャ「なっ!?///」


アルミン「だ、だからこれからも僕の朝食を貰ってくれないかな?」


サシャ「ぅ~~~~///」


ミカサ(顔真っ赤にして唸ってる……今度私もやってみよう)


サシャ「じゃ、じゃあパァンを貰います!」パクッ


サシャ「~~~♪」ガツガツ


アルミン(ふふふ、本当に美味しそうに食べるなぁ…可愛い)ニコニコ


サシャ「///」モグモグ


好きな人に見つめられながら食べるのは恥ずかしすぎますね//


でも…これじゃ結局、アルミンの栄養を奪ってることになりますね……そうだ!


サシャ「こ、これ!」


アルミン「え?半分貰っていいの?」


サシャ「ア、アルミンがまた倒れたら、うちイヤやから!//」


アルミン「あ、ありがとう///」


も、もうギブアップです!!


ダッ


アルミン「あ、ちょっと!」


タタタタタッ


サシャ「た、ただいま戻りました!」ハァ ハァ


ユミル「お前もアルミンも意気地ねぇな なんなら口移しで分け与えりゃいいじゃねぇか」


サシャ「く、口移し!?そんなの無理ですよ!!」


クリスタ「そこまでしなくてもいいけど、もっと自身を持っていいはずだよ だって、はたから見てもお似合いのカップルだからね」フフフ


サシャ「ぅぅ~~~///もう自分が自分でないみたいです……アルミンにまんまと盗まれてしまいましたよ…」


ユミル「盗まれた?お前が自分からあげたんだろ?」


サシャ「ち、違いますよ!パァンじゃありませんよ!」


クリスタ「じゃあ何を盗まれたの?」






サシャ「アルミンに……私の心を盗まれてしまいました///」









ユミル「爆ぜろ」


Fin

これで完結です


唐突にアルサシャが書きたくなって書いてみました
最初のほうがご指摘あったように見づらくなっていて、すいません


ではまた何処かで

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