初美「そうなんですかー?」霞「ええ、そうよ」 (42)

初霞!

初美「か、霞ちゃん……本当にこの格好で大会に出なきゃいけないんですかー……?」モジモジ

霞「あら、初美ちゃん。どうかしたの?」

初美「ううー、さすがにこの服は恥ずかしいのですよー///」モジモジ

霞「恥ずかしい……?どの辺りが?」

初美「どの辺りも何もスカートはすごく短いですし……」ピラッ

霞「ふんふむ」

初美「袖がダボダボな上、前はすぐ肌蹴ちゃいますし……」

霞「そうねえ」

初美「な、中は何も着ちゃいけないんですかー?その、見えちゃいますよー?///」

霞「あらあら」

初美「霞ちゃんたちは普通の巫女服なのに、どうして私だけこんな……。ひょっとして私、いじめられてるんですかー……?」ウルウル

霞「……」

初美「ぐすっ、ひどいですよー……」

霞「……初美ちゃん」ギュッ

初美「ふわっ、か、霞ちゃん……?」

霞「ごめんなさいね、泣かせちゃって……。その服はね、私が頼んで特別に用意して貰ったの」

初美「霞ちゃんが……?」

霞「ええ。初美ちゃんにね、すごく似合うと思ったから」

初美「私に、ですかー……?」

霞「ふふっ、私の見立てた通りね。いつも明るくて、元気で、可愛らしい初美ちゃんにぴったりよ」ナデナデ

初美「んっ……。で、でもこんな……」

霞「……初美ちゃんが気に入らないなら仕方ないわ。これは私のわがままだし……」

初美「……」

霞「私はね、どうしても私の選んだ服を着た最高に可愛らしい初美ちゃんと一緒に大会に出たかったの」

初美「霞ちゃん……」

霞「私では……ううん、初美ちゃん以外の誰が着ても、きっとその服は似合わない。着たくても着れない、といってもいいかも」シュン

初美「あ……」

霞「ふふっ、ごめんなさい変なことを言っちゃって。初美ちゃんが嫌ならすぐに違う服を……」

初美「……いえ」

霞「えっ?」

初美「その必要はありませんよー」

……

巴「は、ハッちゃん……本当にその格好で行くの……?」

初美「もちろんですよー!霞ちゃんが用意してくれた特注ですー、似合いますかー?」クルクル

巴「え、えっと……」

春「……(露出狂?)」ポリポリ

小蒔「すう、すう……」

霞「うふふ、すっごく可愛いわよ初美ちゃん」ナデナデ

初美「えへへへ……♪見てて下さい霞ちゃん、私がんばりますよー!」グッ

巴(か、霞さんは何であんな服を……ん?)

霞「はあ、はあ……は、初美ちゃん可愛いわあ……♪」ウットリ

初美「あはは、くすぐったいのですよー」

巴(き、気付いてハッちゃん!その人けっこう危ない人だよ!)

霞「うふふふふ」ニコニコ

巴(……怖いから何も言えないけど)

……

霞「初美ちゃん、初美ちゃん」チョイチョイ

初美「何ですかー?」トテトテ

霞「えいっ♪」ギュウッ

初美「わっ!?い、いきなり抱きしめないで下さいー!」ジタバタ

霞「あらあら、暴れちゃダメよ。これは『充電』っていう由緒ある儀式なのよ?」

初美「充電、ですかー?」

霞「ええ、宮守の人たちに聞いたの。何でもこれが宮守の強さの秘密らしいわ……臼沢さんも含めて、ね」

初美「そ、そうなんですかー!?むむむ、なら私たちも『充電』すれば……」

霞「私たちの力が高まり……初美ちゃんも臼沢さんにリベンジ出来るはずね」

初美「おお……!そんな秘密を聞いてこれるなんてやっぱり霞ちゃんはすごいのですよー!」キラキラ

霞「うふふ、それほどでもないわ。さあ初美ちゃん、いらっしゃい♪」

初美「はい!えっと、こんな感じですかー?」ギュッ

霞「ん……そうね、もうちょっとくっついて……」

初美「充電充電♪」

霞「充電充電♪」

初美「えへへー」ニコニコ

霞「うふふふ」ナデナデ

巴「……」

巴(ハッちゃん、たぶんそれ強さの秘密とかじゃないと思うよ……?)

霞「……」チラッ

巴「っ!?」ビクッ

巴(こ、怖いから何も言わないけど!)

……

初美「ふんふん♪」

巴「ハッちゃん、ご機嫌だけど何か良いことでもあったの?」

初美「はい、ありましたよー。私の就職先が決まりましたー!」

巴「えっ、就職!?」

初美「ですよー。何でも最近就職氷河期?っていう地獄らしくて、私もこのままじゃ卒業後は路頭に迷うことになるかもしれないって……」ガクブル

巴(いや、ハッちゃんも霧島神境の……というか大学とかは……)

巴「ハッちゃん、それ誰に聞いたの?」

初美「え?霞ちゃんですよー」

巴(やっぱりか!もう、霞さんはまた……)

巴「あのねハッちゃん……」

初美「それで怖くなっちゃったんですけど……えへへ、やっぱり霞ちゃんは頼りになりますねー。就職先を世話してくれるそうなのですよー」

巴「えっ?」

初美「これで将来安泰ですよー!」

巴「ええっと……ハッちゃん、それどんな仕事なの……?」

初美「うーん、私もよくは分からなかったんですけどねー」

巴「いやそこは分かっとこうよ!?」

初美「何でも、霞ちゃんのおもちを支えるお仕事だとか何とか」

巴「……はい?」

初美「年中無休で働く過酷なお仕事らしいんですが、霞ちゃんが私なら出来るだろうって」

巴「……」

初美「えへへ、霞ちゃんに信頼されるなんて何だかくすぐったいですねー///」テレテレ

巴「え、えっと……」

初美「これから毎日霞ちゃんに寄り添って、お風呂も寝る時も一緒らしくて……気合い入れなきゃですねー」フンス

巴「あの、」

初美「あ、でも三食霞ちゃんの手料理がつく上、お小遣いもくれるそうですよー!優良職場ですー」ニコニコ

巴「あ、あのね……?」

霞「初美ちゃん、お買い物に行こうと思うのだけど……」

初美「あっ、早速お仕事ですねー!一緒に行きますよー!」

霞「ふふっ、ありがとう」

初美「いえいえ、それが私の務めですからねー」

霞「じゃあちょっと準備して来るから、10分後に出かけましょうか?」

初美「はーい、了解ですよー」

霞「うふふ、また後でね」ナデナデ

初美「ん~……♪」

初美「……ところで『おもち』って何なんですかねー?」

巴「そこから!?」ガーン

初美「何のことか分かるんですかー?教えてくださいー」

巴「いや、あはは……ひょっとしたら間違えてるかもだし、霞さんから直接聞いたほうが……」

初美「む、それもそうですねー。お買い物の時に聞きますかー」

巴「……あの、ハッちゃん。内容もよく分かってない仕事を引き受けるのはよくないと思うよ?」

巴(何か永久就職っぽい雰囲気がぷんぷん漂ってるし)

初美「えー?でも霞ちゃんの紹介ですからねー、私にとって悪い話のはずがないのですよー」

巴「いや、でもね?」

初美「それに霞ちゃんの喜ぶ顔も見れますし、断る理由も疑う理由もないですー」ニコニコ

巴「うっ……」

巴(霞さんを信じ切ってる無垢な笑顔……こ、これを曇らせちゃっていいのかな……)

初美「ん、何ですかー?」ニコニコ

巴「あの、その、えっと……」

巴「………………霞さん、もう待ってるみたいだよ?」

初美「あれ、10分後って言ったのに早いですねー」

巴「あはは、ハッちゃんとのお出かけが楽しみで待ちきれないんじゃない?」

初美「えへへ、そうなんですかねー?それなら早く行かないと!霞ちゃーん!」タタッ

巴「…………」

巴「ふう」

巴(まあいいか……何だかんだで二人とも幸せそうだし、何も言わなくても)


寝るから終わり

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