十時愛梨「魔法が解けるまで!」 (54)

のんびりと書いていきます

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P「はい、はい....わかりました」

P「ええ、こちらこそよろしくお願いします!」

P「では、失礼します」ガチャッ

P「ふぅ...これでよし...」

ちひろ「なんだかずいぶんと長い電話でしたね?」

P「ええ、今度の週末に出張に行くことになってますから」

ちひろ「他の事務所への研修でしたっけ?」

P「そうです、社長の知り合いの事務所らしいんですけど...」

ちひろ「まあ、ほんの3日ですけど気をつけて言って来てくださいね」

P「わかってますよ、ただなぁ...」

ちひろ「どうしたんですか?まさかアイドルに会えないのがさびしいとか....」

P「うーん、似たようなものですけどね...」



愛梨「お疲れさまでーす!」ガチャッ!

P「おっ、愛梨だ、今日も元気だなぁ」

愛梨「はい!今日も元気いっぱいです♪」

P「うんうん、元気なのはいいことだ....」

愛梨「あれ?なんだかPさんに元気がないような....」

ちひろ「プロデューサーさん、愛梨ちゃんに会えなくてさびしいらしいですよ」

愛梨「そうなんですか?さびしい思いをさせてゴメンなさいPさん!」ギュッ

P「おー、あったかいなぁ....」

愛梨「えへへっ♪私もPさんと会えないとさびしくて泣いちゃいそうになりますからね♪」

P「そうかそうか、ところで愛梨?」

愛梨「なんですか?」

P「俺、明日からいないから」

愛梨「えっ....」




愛梨「ええーっ!?」

愛梨「ど、どうしてですか!?私があんまりドジだから...」

P「ちがうちがう、出張だよ、出張!」

愛梨「出張?」

P「そう、ちょっと3日間別の事務所に行ってくるだけだ」

愛梨「な、なんだぁ...ビックリしたぁ....」

P「さっきちひろさんと話してたのはそのことだよ」

ちひろ「愛梨ちゃんと3日も離れるのが不安らしいです」

愛梨「Pさん...そんなに私のことを....」

P「うーん、俺がいない間に誰かに迷惑をかけないか不安でな....」

愛梨「ひ、ヒドイですよぉ!」

P「あるいは、また服を脱ぎだしたりとか....」

愛梨「だ、大丈夫です!もうそんなことしません!」

P「本当か?」

愛梨「本当です!だから安心して行って来てください!」

P「まあ、なにかあったらちひろさんに連絡してもらうから大丈夫かな」

ちひろ「はい、任せて下さい、きちんと報告しますから」

愛梨「うぅぅ....二人ともヒドイ...」

P「冗談だよ、泣くなって」

愛梨「むぅぅ....」ギュウウウウ

P「まったくいつまでたっても甘えん坊だな」ナデナデ

愛梨「....Pさん、本当に大丈夫ですからね?」

P「わかってる」

愛梨「気をつけて行って来てくださいね?」

P「もちろんさ」

愛梨「....浮気しちゃダメですよ?」

P「しません、だからお前もしっかりな?」

愛梨「えへへっ、はい!」

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ちひろ「愛梨ちゃん、可愛いですねぇ」

P「まったくあいつは....」

ちひろ「でもなんだかんだで一番プロデューサーさんが甘やかしてる感じがしますけど?」

P「まあそれは...」

ちひろ「フフッ♪」

P「...ちひろさん」

ちひろ「なんですか?」

P「俺がいない間、愛梨のコトよろしくお願いします」ペコリッ

ちひろ「どうしたんですか急に?」

P「多分、出張から帰るのは日曜の夜遅くになると思うんです」

ちひろ「日曜の夜...」

ちひろ「あっ、そっか....愛梨ちゃんの誕生日....」

P「ええ、その日はあいつのバースデーライブです」

ちひろ「そういえば、事務所のアイドルたちも誕生パーティーをやるって準備してましたね」

P「そうですね、あいつの誕生日にいてやれないのは...ちょっと残念ですけど....」

ちひろ「....大丈夫です、私たちがプロデューサーさんの分もしっかりお祝いしますから....」

ちひろ「だからプロデューサーさんは、お仕事がんばってくださいね?」

P「....ありがとうございます」

http://i.imgur.com/c2fcrG4.jpg
http://i.imgur.com/6EgIqyf.jpg
十時愛梨(18)

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愛梨「おはようございまーす!」ガチャッ

ちひろ「おはようございます愛梨ちゃん」

愛梨「はい、おはようご...あれ、Pさんは?」

ちひろ「今日から出張ですよ」

愛梨「あっ、そうだった...」

ちひろ「やっぱりさびしいですか?」

愛梨「だ、大丈夫です!たった3日だけですもんね!」

ちひろ「プロデューサーさんも愛梨ちゃんのこととっても心配してましたよ」

愛梨「Pさん....」

ちひろ「プロデューサーさんに心配かけないためにもライブがんばってくださいね?」

愛梨「はい!よーし、がんばってPさんに褒めてもらわなくっちゃ!」

---その日の夜---



愛梨「はぁ...」

愛梨「みんなの前じゃ平気だって言ったけど....」

愛梨「やっぱりさびしいなぁ....」

愛梨「Pさんにハグしてほしい...」

愛梨「『よくできたぞ愛梨』って撫でてほしい...」

愛梨「さびしい....」



prrrrrr♪



愛梨「あっ、電話...」

愛梨「もしもし?」

P『俺だよ愛梨』

愛梨「Pさん!?」

P『そうだよ、調子はどうだ?』

愛梨「えっ?あの?なんで?」

P『なんでって....今日の研修が終わったから今ホテルからかけてるんだよ』

愛梨「あっ、そ、そうですよね....」

P『大丈夫か?ライブのリハーサル上手くいってるのか?』

愛梨「もちろんですよ!大丈夫です!」

P『そうか...なら安心だ』

愛梨「そっちはどうですか?」

P『そうだなぁ....まあ忙しいよ、あと...』

愛梨「あと?」

P『愛梨に会えないのは、やっぱりさびしいな』

愛梨「Pさん....」

P『本当のところ、お前の声が聞きたくて電話したんだよ』

愛梨「ふふっ、Pさんも甘えん坊ですね♡」

P『むっ、そんなことないぞ、お前が心配でだな』

愛梨「ありがとうございます、とっても嬉しいです♪」

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愛梨「それでですね、みくちゃんったらその時に...」

P『うんうん、みくらしいな』

愛梨「そうなんですよ、そうしたら...」

P『おっと、そろそろ寝た方がいいんじゃないか?』

愛梨「あっ、もうこんな時間ですね」

P『ちょっと話しすぎたな』

愛梨「もっとお話ししたいですけど、仕方ないですね」

P『そうだな、早く寝ないと明日の仕事に影響するぞ』

愛梨「じゃあ、そろそろ寝ましょうか?」

P『うん、早く寝なさい』

愛梨「あっ、じゃあ寝る前に一つお願いしてもいいですか?」

P『なんだ?』

愛梨「キスって十回言ってください♪」

P『キスキスキスキスキスキスキスキスキスキス、言ったぞ?』

愛梨「じゃあ私は?」

P『えっ、愛梨だろ?』

愛梨「もう!そこは『好き』って答えてくださいよー」プクーッ

P『はいはい、早く寝ろよ?』

愛梨「はーい、おやすみなさい♪大好きですよPさん♡」

P『はい、俺も大好きだぞ、おやすみ』ガチャッ

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愛梨「フンフフーン♪」

ちひろ「調子良さそうですね愛梨ちゃん」

愛梨「えっ、そうですか?」

ちひろ「ええ、今日は朝から嬉しそうですから」

愛梨「えへへっ、昨日はPさんとお話してましたから♪」

ちひろ「プロデューサーさんが?」

愛梨「はい、電話でですけどね」

ちひろ「ああ、そういうことですか...」

ちひろ(なんだかんだ言って過保護ですね、あの人も....)

愛梨「Pさん分を補給できたので、きっとライブもバッチリですよ!」

ちひろ「なるほど...なら大丈夫そうですね」

愛梨「はい♪Pさんに見せられないのが残念ですけど....」

ちひろ「ああ、それは....」

愛梨「でも、Pさんもお仕事がんばってるんですもんね!私もがんばらなきゃ!」

ちひろ「....愛梨ちゃんも成長しましたねぇ」

愛梨「成長ですか?」

ちひろ「ちょっと前だったらプロデューサーさんがついてないと途端にモチベーションが下がったりしてましたけど....」

ちひろ「今はしっかり、プロとしての自覚が芽生えてますね」

愛梨「えへへ♪こう見えても、初代シンデレラガールですから!」

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「「「ハッピーバースデイ・トゥーユー♪」」」


「「「ハッピーバースデイ・トゥーユー♪」」」


「「「ハッピーバースデイ・ディア・愛梨ちゃーん....」」」


「「「ハッピーバースデイ・トゥーユー!」」」



「おめでとー!」

「とときんおめでとう!」


愛梨「みなさん、ありがとうございまーす!」

愛梨「こんなに大勢のみなさんに私の誕生日を祝ってもらえて、本当に嬉しいです!」

愛梨「これからも精一杯がんばりますから....」

愛梨「応援よろしくお願いしまーす!」



ウオオオオオオ!!!



愛梨「それじゃ、次は私のデビュー曲....」

愛梨「アップルパイ・プリンセス、行きますよー!」



ウオオオオオオ!!!

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愛梨「はぁ...疲れたなぁ....」

愛梨「さすがにクタクタ...」

愛梨「やっと事務所に....」ガチャッ


パーン! パーン! パーン!


愛梨「きゃっ!?」


「おめでとー!」「誕生日おめでとうにゃ!」



ちひろ「愛梨ちゃん、おめでとうございます!」


愛梨「びっくりしましたぁ...突然、ぱんって....」

愛梨「あっ、ケーキです!おいしそうですねぇ!」

ちひろ「ふふっ、これは愛梨ちゃんのですよ♪」

愛梨「えっ、私のバースデーケーキなんですか?」

ちひろ「その通りです!さっ、はやくろうそくを吹き消してください」

愛梨「じゃあ...ふぅ~...」


パチパチパチパチパチ...


愛梨「皆さん、ありがとうございます!」

みく「突然のにゃんにゃんゲームっ!」スチャッ!

愛梨「きゃっ、みくちゃん?」

みく「ネコミミをつけた人は『にゃあ』でしゃべるのにゃ!」

愛梨「『にゃあ』ってつければいいの?」

みく「そうにゃ!難しかったら普通の言葉でもいいにゃ!」

愛梨「うーん...じゃあ、難しいけどやってみるにゃあ!」

みく「おおっ!愛梨チャンはなかなか筋がいいにゃ!」

愛梨「そうかにゃ?みくちゃんにそう言ってもらえるとうれしいにゃあ♪」

みく「むぅぅ...あんまりすんなりいくからおもしろくないにゃ!こうなったら....」

ちひろ「えっ?なんですか...」

みく「ちひろチャンもにゃんにゃんゲームに参加するにゃあ!」スチャッ!

ちひろ「わ、私はいいですよ!」

愛梨「ちひろさん、これ意外と楽しいですにゃあ!ちひろさんもやりましょうにゃあ♪」

みく「さあさあ!にゃあをつけるのにゃ!」

ちひろ「な、なんで私がこんなことを..しなきゃいけないの....にゃあ...」

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前川みく(15)

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ちひろ「やれやれ、大変でした....」ゴシゴシ...

愛梨「手伝いますよ♪」

ちひろ「あら、まだ残ってたんですか?」

愛梨「私のためにパーティーを開いたくれたんですもん、後片付けくらいは手伝います」

ちひろ「いいんですよそんなの、今日は愛梨ちゃんが主役なんですから」

愛梨「いえ、あとですね...」

愛梨「そろそろPさんが帰ってくるかなぁと思って...」

ちひろ「あぁ....」

愛梨「Pさんもきっと疲れてると思うので、おかえりなさいを言ってあげようかなって....」

ちひろ「確かに、そろそろ帰ってくると思います...」

ちひろ「片付けも大体は終わってますし....」

ちひろ「よし、じゃあ愛梨ちゃんに事務所のカギを預けちゃいます!」

愛梨「ええっ!?いいんですか?」

ちひろ「本当はダメですけどね、今日は誕生日なので特別です、戸締りだけは忘れないでくださいね?」

愛梨「は、はい!ありがとうございますちひろさん♪」

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愛梨「.....」



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愛梨「遅いなぁ...」



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愛梨「もう日付が変わっちゃう....」



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P「ふぅ、やっと帰ってきたぜ.....」

P「あれ?まだ事務所の灯りが点いてる....」

P「ちひろさんが残業してるのかな?」

ガチャッ


P「ただいまー...」

愛梨「あっ!」

P「ちひろさーん?あれ?」


ダキッ


愛梨「おかえりなさーい!」ギュッ

P「あ、愛梨!?なんで?ちひろさんは?」

愛梨「もう帰りましたよ?私だけです♪」

P「お前...まだ帰ってなかったのか?」

愛梨「はい、ずっとPさんを待ってました!」

P「なにもわざわざ....」

愛梨「だってPさんに会いたかったんですもん♪」

P「...ゴメンな、ライブもパーティーも行けなくて....」

愛梨「でも、ほら...」

愛梨「まだ日付が変わる前ですから、ギリギリセーフですよ♪」

P「...そうだな、なんとか間に合ったみたいだ」

愛梨「Pさーん♡」ギュウウウウ

P「ライブはどうだった?」

愛梨「バッチリです!ファンの人たちみんなで私におめでとうって言ってくれたんですよ!」

P「よかったな」

愛梨「そのあと事務所に帰ったら、みんながパーティーを開いてくれたんです!こーんな大きなケーキを作って♪」

P「知ってたんだけどさ。ナイショにしろって言われてたから」

愛梨「それからですね、みくちゃんからにゃんにゃんゲームを教えてもらって....」

愛梨「それから....うーん、それから....」

愛梨「とにかくいっぱい嬉しいことがあったんです!」

愛梨「色々Pさんに話したい事あったんですけど....」

愛梨「Pさんに会ったら嬉しくて....忘れちゃいました♪」ペロッ

P「まったく....こいつめ!」ギュウウウウ

愛梨「ん~♪」

P「ちひろさんから連絡を受けたぞ」

愛梨「なんて言ってたんですか?」

P「愛梨はとっても成長したってさ」

愛梨「えへへっ♪」

P「愛梨はえらいなぁ、俺は鼻が高いよ」

愛梨「本当ですか?」

P「本当さ、ウソなんかつくもんか」

愛梨「私のこと、好きですか?」

P「ああ、大好きだ」

愛梨「ふふっ、じゃあ今日は私の誕生日だからちょっとワガママ言ってもいいですか?」

P「いいぞ」

愛梨「いっぱいナデナデしてください♪」

P「ああ、好きなだけしてやるさ」ナデナデ

愛梨「ゴホービのチューも♡」

P「わかってるよ」チュッ

愛梨「えへへっ、幸せです♡」

愛梨「Pさーん♪」ギュウウウウ

P「....なんだ?」

愛梨「私の大好きなPさん...」

愛梨「私に魔法をかけてくれた、魔法使いさん♪」

P「俺なんかが魔法使いになれたのなら、光栄だよ」

愛梨「今も魔法をかけてくれてますね♪」

P「そうかな?」

愛梨「Pさんといるだけで、胸がドキドキして....」

愛梨「とっても幸せになる魔法をかけてくれてるんです♡」

P「....俺も愛梨といると、とっても幸せだよ」

P「愛梨の笑顔や愛梨の元気な声が....」

P「俺に幸せと元気をくれるんだ」

愛梨「嬉しいです、そんなこと言ってもらえて....」

愛梨「ところでPさん...」

P「どうしたんだ?」

愛梨「誕生日プレゼントのことなんですけど....」

P「あ、ああ...すまん...忙しくて何も...」

愛梨「えへへっ♪物はいらないです、ただ....」

P「ただ?」

愛梨「これからもずーっと私のプロデュースしてください!」

愛梨「12時を回ったら普通の女の子に戻るなんていやです!」

愛梨「ずっと解けない魔法をかけて欲しいんです!」

P「愛梨....」

愛梨「ずっとPさんの傍にいたいから....」

P「ああ、わかったよ....」

P「たとえ、君がアイドルを引退したとしても.....」

P「君には俺のシンデレラになってほしいからな」

愛梨「Pさん...!!」ギュッ

P「これからも、よろしくな愛梨」

愛梨「はい!魔法が解けるまで....」





愛梨「ううん...ずっと一緒です!魔法使いさん♡」チュッ




おわり

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